(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両における安全システムの1つであるエアバックについて安全性に対する要求が高まっている。例えば、体格がそれぞれ異なる成人女性や子供等の体格の小さな人と成人男性のような体格の大きな人について、それぞれに最適なエアバックの作動が求められている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の荷重検知センサにおいては、着座した人の体格の違いを検出することは出来なかった。
【0008】
そこで、本発明は着座した人の体格の違いを検出することができる荷重検知センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、座席に内装される荷重検知センサであって、少なくとも1つの感圧スイッチを有する第1感圧スイッチ群と、前記座席の左右方向のそれぞれにおいて前記第1感圧スイッチ群と所定の間隔をあけると共に前記第1感圧スイッチ群よりも前記座席の中央部から離れて配置され、少なくとも1つの感圧スイッチをそれぞれに有する一対の第2感圧スイッチ群と、第1抵抗と、を備え、前記一対の第2感圧スイッチ群は互いに直列接続され、前記第1感圧スイッチ群は前記第1抵抗と直列接続され、前記一対の第2感圧スイッチ群は前記第1感圧スイッチ群と前記第1抵抗とに対し並列接続されることを特徴とするものである。
【0010】
上記の荷重検知センサでは、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチがオンで第2感圧スイッチ群の感圧スイッチがオフの場合と、第1感圧スイッチ群がオンで第2感圧スイッチ群がオンの場合とで、合成抵抗(出力値)が異なる。
【0011】
ところで、一般に、女性や子供といった体格の小さな人は成人男性のような体格の大きな人に比べて臀部が小さい。そのため、女性や子供等といった体格の小さな人とが着座した場合、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチはオンとなっても、第1感圧スイッチ群と所定の間隔をあけると共に第1感圧スイッチ群よりも座席の中央部から離れて座席の左右方向に配置される第2感圧スイッチ群の感圧スイッチがオンとなりづらい傾向にある。これに対して、成人男性のような体格の大きな人が着座する場合、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチ及びそれぞれの第2感圧スイッチ群の感圧スイッチのいずれもがオンとなる傾向にある。このため、上記荷重検知センサでは、臀部が大きく体格の大きい人が着座した場合と、女性や子供等といった体格の小さな人が着座した場合とで合成抵抗が異なる。また、第1感圧スイッチ群の左右方向のそれぞれに配置された第2感圧スイッチ群が直列に接続されているため、女性や子供等といった体格の小さい人が座席に片座りして第1感圧スイッチ群と一方のみの第2感圧スイッチ群とがオンする場合に、成人男性等の体格の大きい人が着座したと誤検知することを抑制することができる。
【0012】
このように、本発明の荷重検知センサによれば、着座する人の体格の違いを検出することができる。
【0013】
また、前記第1感圧スイッチ群は、前記座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチを有することが好ましい。
【0014】
この場合、第1感圧スイッチ群がこのような接続や配置がなされる複数の感圧スイッチを有さない場合と比べて、女性や子供等といった体格の小さな人が、正規着座する場合であっても、前座りの場合等であっても容易に着座を検出することができる。なお、「正規着座」とは、臀部が座面の奥深くに位置して、背中が背もたれに接触する状態で着座することを意味する。
【0015】
また、前記一対の第2感圧スイッチ群のそれぞれは、前記座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチを有することが好ましい。
【0016】
それぞれの第2感圧スイッチ群が、座席の前後方向に位置し並列接続された複数の感圧スイッチを有することで、このように接続や配置がなされる複数の感圧スイッチを有さない場合と比べて、正規着座の場合であっても、前方に人の荷重が掛かる前座りの場合等であっても容易に着座を検出することができる。
【0017】
また、前記第1抵抗と抵抗値が異なる第2抵抗を更に備え、前記一対の第2感圧スイッチ群には、前記第2抵抗が直列接続されることが好ましい。
【0018】
この場合には、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチはオフのまま、第2感圧スイッチ群の感圧スイッチのみオンとなる場合を検出することができる。一般に、チャイルドシートを座席に取り付ける場合においては座席の左右方向における両端に荷重がかかる構成のものが多いことが知られている。そのため、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチはオフで、第2感圧スイッチ群の感圧スイッチのみオンの場合には、チャイルドシートを取り付けたとの検出をすることができる。
【0019】
また、前記第1感圧スイッチ群は、前記座席の左右方向に位置し互いに直列接続される複数の感圧スイッチを有することが好ましい。
【0020】
一般に人は座席の中心に着座し、人の臀部は左右に分かれている。従って、第1感圧スイッチ群において、座席の左右方向に一対の感圧スイッチを有することで、荷物の配置を人の着座と誤検出することを抑制することができる。
【0021】
この場合、上記荷重検知センサは、一対の絶縁シートと、開口が形成されたスペーサと、を更に備え、前記第1感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、前記一対の絶縁シートにそれぞれ形成され前記開口を介して互いに対向する一対の電極から成り、前記一対の絶縁シート及び前記スペーサにおける互いに直列接続される前記第1感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチの間にはスリットが形成されることが好ましい。
【0022】
座席に荷物等が置かれることにより、互いに直接接続される第1感圧スイッチ群の特定の感圧スイッチに荷重が加わった際に、その荷重が一対の絶縁シートやスペーサを介して第1感圧スイッチ群の他の感圧スイッチに伝わる可能性がある。しかし、上記のようにスリットが形成されることで、第1感圧スイッチ群における上記特定の感圧スイッチと、スリットを介して隣り合う第1感圧スイッチ群の上記他の感圧スイッチとの間で荷重が伝わることを抑制することができる。このため、例えば、荷物等の配置を比較的体格の小さい子供や女性等の着座と誤検知することを抑制することができる。
【0023】
さらに、前記一対の第2感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、前記一対の絶縁シートにそれぞれ形成され前記開口を介して互いに対向する一対の電極から成り、前記一対の絶縁シート及び前記スペーサにおける、前記第1感圧スイッチ群と少なくとも一方の前記第2感圧スイッチ群との間にはスリットが形成される。
ことが好ましい。
【0024】
また、上記荷重検知センサは、一対の絶縁シートと、開口が形成されたスペーサと、を更に備え、前記第1感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチ及び前記一対の第2感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、前記一対の絶縁シートにそれぞれ形成され前記開口を介して互いに対向する一対の電極から成り、前記一対の絶縁シート及び前記スペーサにおける、前記第1感圧スイッチ群と少なくとも一方の前記第2感圧スイッチ群との間にはスリットが形成されることが好ましい。
【0025】
第1感圧スイッチ群に荷重が加わった際に、その荷重が一対の絶縁シートやスペーサを介して第2感圧スイッチ群に伝わる可能性がある。しかし、上記のようにスリットが形成されることで、第1感圧スイッチ群と、当該第1感圧スイッチ群とスリットを介して隣合う第2感圧スイッチ群との間で荷重が伝わることを抑制することができる。このため、例えば、比較的体格の小さい子供や女性等と、体格の大きい成人男性とを判別する精度をより高めることができる。
【0026】
なお、荷重検知センサは、座席における座面の表皮下に配置される場合がある。この場合、荷重検知センサは、座席の座り心地に少なからず影響を与える。そのため、上記のように、第1感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチの間にはスリットが形成されたり、第1感圧スイッチ群と少なくとも一方の第2感圧スイッチ群との間にはスリットが形成されたりすることで、人が着座したときのシートの変形に対する荷重検知センサの形状追従性を向上させることができる。そのため、座り心地が悪くなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように本発明によれば、着座した人の体格の違いを検出することができる荷重検知センサが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る荷重検知センサの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0030】
図1は、本実施形態の荷重検知センサ1の構成を示す分解図である。
図1に示すように、本実施形態の荷重検知センサ1は、第1電極シート10と、第2電極シート20と、スペーサ30とを主な構成として備える。尚、本実施形態の荷重検知センサ1は、座席に内装され、人の着座を検出する荷重検知センサである。そのため、以下では座席を基準として前後方向、左右方向を説明する。
【0031】
第1電極シート10は、第1絶縁シート19と、第1絶縁シート19に配置される複数の第1電極11A〜11H、第1抵抗13及び第2抵抗14を主な構成要素として備える。
【0032】
また、第1絶縁シート19は、可撓性を有する絶縁性のフィルム状のシートから成り、形状が略長方形で主要部となるメインブロック19aと、形状が略長方形でメインブロック19aに接続されるテールブロック19bとから成る。テールブロック19bは、メインブロック19aに比べて小さい。メインブロック19aは左右方向に4分割されており、それぞれの領域の左右方向の幅は概ね同じとされる。また、それぞれの領域間に前後方向に延在する概ね矩形のスリット18a〜18cが形成されている。スリット18bはメインブロック19aの左右方向における中央に形成されており、スリット18aは、スリット18bの左側に形成され、スリット18cは、スリット18bの右側に形成されている。
【0033】
なお、第1絶縁シート19の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂を挙げることができる。
【0034】
また、第1絶縁シート19のメインブロック19aの一方の面上には、第1電極11A〜11Hが配置されている。第1電極11A〜11Hは、それぞれ略円形の形状とされ、2行4列に配置されている。メインブロック19aのスリット18aと隣り合う最も左側の領域には、第1電極11Aと第1電極11Bとが、前後方向の位置関係となるように配置され、配線15を介して互いに電気的に接続さえている。メインブロック19aのスリット18cと隣り合う最も右側の領域には、第1電極11Cと第1電極11Dとが、前後方向の位置関係となるように配置され、配線15を介して互いに電気的に接続さえている。メインブロック19aのスリット18bとスリット18aとの間となる領域には、第1電極11Eと第1電極11Fとが、前後方向の位置関係となるように配置され、配線15を介して互いに電気的に接続さえている。メインブロック19aのスリット18bとスリット18cとの間となる領域には、第1電極11Gと第1電極11Hとが、前後方向の位置関係となるように配置され、配線16を介して互いに電気的に接続されている。このため、第1電極11A及び第1電極11Bと、第1電極11E及び第1電極11Fとの間には、スリット18aが介在し、第1電極11C及び第1電極11Dと、第1電極11G及び第1電極11Hとの間には、スリット18cが介在し、第1電極11E及び第1電極11Fと、第1電極11G及び第1電極11Hとの間には、スリット18bが介在する。なお、前後方向の位置関係とは、座席の前後方向に平行に前後となる位置関係のみならず、座席の前後方向に対して斜めの方向で前後となる位置関係も含む。
【0035】
また、第1絶縁シート19のメインブロック19aの一方の面上には、第1抵抗13及び第1抵抗13と異なる抵抗値を有する第2抵抗14が配置されている。第1抵抗13はメインブロック19aにおけるテールブロック19bが接続される位置の近傍に配置され、第2抵抗14は、メインブロック19aにおけるテールブロック19bが接続される位置と前後方向の反対側に配置される。このため、第2抵抗14は、第1抵抗13とスリット18bを介して反対側に位置する。第1電極11Fと第1電極11Hとは、第1抵抗13を介して配線16により電気的に接続される。従って、第1電極11E及び第1電極11F、第1抵抗13、第1電極11H及び第1電極11Gがこの順に直列に接続される。また、第1電極11Aと第1電極11Cとは、第2抵抗14を介して配線15により電気的に接続される。従って、第1電極11B及び第1電極11A、第2抵抗14、第1電極11C及び第1電極11Dがこの順に直列に接続される。
【0036】
なお、第1電極11A〜11H及び配線15,16は、銅やアルミ等の金属めっきや銀やカーボン等の導電性ペースト等から成り、第1抵抗13及び第2抵抗14は印刷抵抗やチップ抵抗等から成る。例えば、第1抵抗13及び第2抵抗14が印刷抵抗から成る場合、第1抵抗13及び第2抵抗14は、単位長あたりの抵抗値が同程度とされその長さが異なるものとされる。
【0037】
第2電極シート20は、第2絶縁シート29と、第2絶縁シート29に配置される第2電極21A〜21Hと、一対の接続端子27a、27bとを主な構成要素として有する。
【0038】
第2絶縁シート29は、第1絶縁シート19と略同様の構成であり、可撓性を有するフィルム状のシートから成り、第1絶縁シート19のメインブロック19aと同じ形状のメインブロック29aと、第1絶縁シート19のテールブロック19bと幅が同じで長さが長いテールブロック29bとから成る。また、第2絶縁シート29のメインブロック29aには、第1絶縁シート19のメインブロック19aと同じ位置で同じ大きさの3つのスリット28a〜28cが形成されており、メインブロック29aは、メインブロック19aと同様にして、スリット28a〜28cにより4つの領域に分かれている。
【0039】
第2絶縁シート29は第1絶縁シート19と同じ厚みとされても異なる厚みとされても良い。また、第2絶縁シート29は絶縁の材料から成り、第2絶縁シート29の材料としては、第1絶縁シート19の材料と同様の材料を挙げることができる。
【0040】
第2電極21A〜21Hは、メインブロック29aの第1絶縁シート19側の面上に配置される。第2電極21A〜21Hのそれぞれは、第1電極11A〜11Hと同様の構成とされ、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねたときに、第1電極11A〜11Hと重なる位置に配置される。具体的には、メインブロック29aのスリット28aと隣り合う最も左側の領域には、第2電極21Aと第2電極21Bとが配置され、配線26を介して互いに電気的に接続されている。メインブロック29aのスリット28cと隣り合う最も右側の領域には、第2電極21Cと第2電極21Dとが配置され、配線25を介して互いに電気的に接続されている。メインブロック29aのスリット28bとスリット28aとの間となる領域には、第2電極21Eと第2電極21Fとが配置され、配線26を介して互いに電気的に接続されている。メインブロック29aのスリット28bとスリット28cとの間となる領域には、第2電極21Gと第2電極21Hとが配置され、配線25を介して互いに電気的に接続されている。こうして、第2電極21A及び第2電極21Bと、第2電極21E及び第2電極21Fとの間には、スリット28aが介在し、第2電極21C及び第2電極21Dと、第2電極21G及び第2電極21Hとの間には、スリット28cが介在し、第2電極21E及び第2電極21Fと、第2電極21G及び第2電極21Hとの間には、スリット28bが介在する。
【0041】
また、一対の接続端子27a、27bはテールブロック29bの端部に配置されており、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねる場合に接続端子27a、27bは露出する。一方の接続端子27bは、第2電極21B、21Fにそれぞれ配線26を介して接続されており、他方の接続端子27aは、第2電極21D、21Hにそれぞれ配線25を介して接続されている。こうして、第2電極21A,21B,21E,21F及び接続端子27bが配線26を介して互いに電気的に接続され、第2電極21C,21D,21G,21H及び接続端子27aが配線25を介して互いに電気的に接続される。なお、接続端子27a、27bは、不図示のコントロールユニット(ECU)に接続される。
【0042】
なお、それぞれの第2電極21A〜21H、配線25,26及び接続端子27a、27bを構成する材料としては、第1電極11A〜11H及び配線15,16の材料と同様の材料を挙げることができる。
【0043】
スペーサ30は、可撓性を有する絶縁シートからなる。また、スペーサ30は、外形が第1電極シート10と略一致している。
【0044】
スペーサ30には第1絶縁シート19と同じ位置で同じ大きさの3つのスリット38a〜38cが形成されている。また、スペーサ30には、それぞれ同じ大きさである開口31A〜31Hが形成されている。開口31A〜31Hは、略円形の形状であり、第1電極11A〜11H、第2電極21A〜21Hよりも直径が僅かに小さく形成されている。それぞれの開口31A〜31Hは、第1電極シート10と第2電極シート20とをスペーサ30を介して重ね合わせる場合に、第1電極11A〜11H、第2電極21A〜21Hとそれぞれ重なるよう形成されている。ただし、開口31A〜31Hは、上述したように第1電極11A〜11H、第2電極21A〜21Hよりも直径が僅かに小さいため、第1電極11A〜11H、第2電極21A〜21Hの外周よりも内側に収まる。なお、それぞれの開口31A〜31Hは、第1電極11A〜11H及び第2電極21A〜21Hよりも直径が僅かに大きく形成されていても良い。なお、スペーサ30のそれぞれの開口31A〜31Hは不図示のスリットにより外部と空間的に接続されている。
【0045】
また、スペーサ30は上記のように絶縁性であるため、例えば、スペーサ30の材料としては第1絶縁シート19と同様の材料を挙げることができる。
【0046】
これら第1電極シート10と第2電極シート20とがスペーサ30を介して重ね合わされて一体化されることで、荷重検知センサ1とされる。なお、スペーサ30の両面には不図示の接着剤が塗布されており、第1電極シート10とスペーサ30と第2電極シート20とが重ね合わされたときに、当該接着剤により一体化される。第1電極シート10とスペーサ30と第2電極シート20とは接着剤以外の手段により一体化されても良い。
【0047】
図2は、荷重検知センサ1の所定の電極を通り左右方向に延在する面における断面図であり、
図3は、荷重検知センサ1を平面視する図である。なお、
図2は、第1電極11A,11E,11G,11C、第2電極21A,21E,21G,21Cを通る面における荷重検知センサ1の断面図である。
【0048】
上記のように、第1電極シート10と第2電極シート20とがスペーサ30を介して重ね合わされて一体化されと、
図2に示すように第1電極11Aと第2電極21Aとが開口31Aを介して互いに対向し
図3に示す感圧スイッチSW1を構成する。同様に、第1電極11Eと第2電極21Eとが開口31Eを介して互いに対向し
図2、
図3に示す感圧スイッチSW5を構成し、第1電極11Gと第2電極21Gとが開口31Gを介して互いに対向し
図2、
図3に示す感圧スイッチSW7を構成し、第1電極11Cと第2電極21Cとが開口31Cを介して互いに対向し
図2、
図3に示す感圧スイッチSW3を構成する。また、特に断面図を示さないが、第1電極11Bと第2電極21Bとが開口31Bを介して互いに対向し
図3に示す感圧スイッチSW2を構成し、第1電極11Fと第2電極21Fとが開口31Fを介して互いに対向し
図3に示す感圧スイッチSW6を構成し、第1電極11Hと第2電極21Hとが開口31Hを介して互いに対向し
図3に示す感圧スイッチSW8を構成し、第1電極11Dと第2電極21Dとが開口31Dを介して互いに対向し
図3に示す感圧スイッチSW4を構成する。こうして、
図3に示すように、複数の感圧スイッチSW1〜SW8が2行4列に配置される。
【0049】
また、上記のように第1電極シート10と第2電極シート20とがスペーサ30を介して重ね合わされ一体化された状態で、第1絶縁シート19に形成されたスリット18aと第2絶縁シート29に形成されたスリット28aとスペーサ30に形成されたスリット38aとが重なり合い、荷重検知センサ1のスリットSL1を形成する。同様に第1絶縁シート19に形成されたスリット18bと第2絶縁シート29に形成されたスリット28bとスペーサ30に形成されたスリット38bとが重なり合い、荷重検知センサ1のスリットSL2を形成し、第1絶縁シート19に形成されたスリット18cと第2絶縁シート29に形成されたスリット28cとスペーサ30に形成されたスリット38cとが重なり合い、荷重検知センサ1のスリットSL3を形成する。従って、感圧スイッチSW1,SW2と感圧スイッチSW5,SW6との間にはスリットSL1が介在し、感圧スイッチSW5,SW6と感圧スイッチSW7,SW8との間にはスリットSL2が介在し、感圧スイッチSW7,SW8と感圧スイッチSW3,SW4との間にはスリットSL3が介在する。
【0050】
次に
図3、
図4を用いて、荷重検知センサ1の各感圧スイッチSW1〜SW8の接続等の関係についてより詳細に説明する。
図4は、
図3の荷重検知センサの等価回路を示す図である。
【0051】
本実施形態の荷重検知センサ1では、感圧スイッチSW5〜SW8により第1感圧スイッチ群2が構成され、感圧スイッチSW1,SW2により一方の第2感圧スイッチ群3aが構成され、感圧スイッチSW3,SW4により他方の第2感圧スイッチ群3bが構成される。
【0052】
第1感圧スイッチ群2を構成する感圧スイッチSW5〜SW8は2行2列に配置される。感圧スイッチSW5と感圧スイッチSW6とは、互いに前後方向の位置関係となるように配置されると共に、互いに並列接続されている。また、感圧スイッチSW7と感圧スイッチSW8とは、互いに前後方向の位置関係となるように配置されると共に、互いに並列接続されている。並列接続された感圧スイッチSW5,SW6の組と、並列接続された感圧スイッチSW7,SW8の組とは、荷重検知センサ1の左右方向の中心を通り前後方向に延在する中心線Cを基準として、互いに左右方向の位置関係となるように配置されると共に、第1抵抗13を介して互いに直列接続されている。
【0053】
一方の第2感圧スイッチ群3aは、第1感圧スイッチ群2と所定の間隔をあけて、第1感圧スイッチ群2の左方向に配置される。第2感圧スイッチ群3aを構成する感圧スイッチSW1とSW2とは、互いに前後方向の位置関係となるように配置されると共に、互いに並列接続されている。他方の第2感圧スイッチ群3bは、第1感圧スイッチ群2と所定の間隔をあけて、第1感圧スイッチ群2の右方向に配置される。第2感圧スイッチ群3bを構成する感圧スイッチSW7とSW8とは、互いに前後方向の位置関係となるように配置されると共に、互いに並列接続されている。この所定の間隔とは、後述の座席の幅に合わせて適宜設定すれば良い。また、並列接続された感圧スイッチSW1、SW2の組と、並列接続された感圧スイッチSW3、SW4の組とは、第2抵抗14を介して互いに直列接続されている。
【0054】
さらに、第2抵抗14を介して互いに直列接続された一対の第2感圧スイッチ群3a,3bと、第1抵抗13を介して互いに直列接続された第1感圧スイッチ群2とは、並列接続されている。
【0055】
次に、荷重検知センサ1の座席への配置について説明する。
【0056】
図5は、
図3の荷重検知センサ1が座席に配置される様子を示す図であり、
図6は、
図5の座席の座面を平面視する図である。
図5、
図6に示すように、座席40は、座席シートS、背もたれ41、台座42、及び荷重検知センサ1を主な構成として備えている。
【0057】
座席シートSは、例えば発泡ウレタンから構成され、クッション性を有する。すなわち、座席シートSは、弾性力を有し押圧力が加わると潰れるように変形する。また、座席シートSは、図示しない布製の表皮に覆われている。台座42は、合成の高いフレームと当該フレームに架けられたSばねとから構成されたり、剛性の高い金属板の折曲加工によって形成されるシートパンから構成される。座席シートSは、このような台座42に支持されている。また、背もたれ41は、図示しない支持手段によりリクライニング可能に座席シートの後方に設けられている。
【0058】
荷重検知センサ1は、座席シートS内の上部における表皮下であって、人が着座したときに臀部と対向する位置に配置されている。具体的には、座席シートSの左右方向の中心を通り前後方向に延在する中心線が
図3に示す荷重検知センサ1の中心線Cと一致するように配置される。このため第1感圧スイッチ群2は、座面の概ね中央部に位置して、感圧スイッチSW5、SW6と感圧スイッチSW7、SW8とが、座席シートSの上記中心線を基準として互いに左右方向の反対側に位置する。また、第2感圧スイッチ群3a,3bは、座面の中央部の左右に位置する側部にそれぞれ位置する。従って、第2感圧スイッチ群3aと第2感圧スイッチ群3bとは、座席シートSの左右方向のそれぞれにおいて第1感圧スイッチ群2と所定の間隔をあけると共に第1感圧スイッチ群2よりも座席シートSの中央部から離れて配置される。なお、本実施形態では、第1電極シート10が上側に第2電極シート20が下側に位置するものとする。
【0059】
次に、荷重検知センサ1の着座の検出について説明する。
【0060】
なお、以下の説明において、第1抵抗13の抵抗値をR、第2抵抗14の抵抗値をrとし、各電極や配線等、第1抵抗13、第2抵抗14以外の抵抗値については無視できるほど小さなものとして説明する。また、下記の説明では、特に断りがない限り、着座とは正規着座のことを意味するものとする。
【0061】
まず、人として比較的体格の小さい40kg程度の女性や子供等といった体格の小さな人が着座する場合について説明する。
図7は、
図3に示す荷重検知センサ1が、女性や子供等といった体格の小さな人の着座を検知する様子を
図4に示す等価回路で示す図である。女性や子供等といった体格の小さな人が座席シートSの座面に着座すると、荷重検知センサ1の中央部に位置する第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8が押圧される。これにより、第1電極シート10の第1電極11E〜11Hが撓み、
図7に示すように、感圧スイッチSW5〜SW8がオンとなる。しかし、女性や子供等といった体格の小さな人の臀部は、成人男性のように体格の大きな人の臀部と比べると小さい場合が多く、第1感圧スイッチ群2の左右方向において第1感圧スイッチ群2よりも座席シートSの中央部から離れて位置するそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4は押圧されない傾向にある。従って、感圧スイッチSW1〜SW4はオフのままとされる。従って、接続端子27aと接続端子27bとは、直列接続される第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13から成る回路とを介して導通する。従って、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は第1抵抗13の抵抗値Rとなる。この抵抗値が、接続端子27a,27bに接続される不図示のECUにより検知されて、体格の小さな人が着座していることが検出される。なお、女性等の体格の小さい人が座席に片座りして第2感圧スイッチ群3a及び第2感圧スイッチ群3bの一方の感圧スイッチと第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8とがオンすることがある。しかし、上記のように第2感圧スイッチ群3aと第2感圧スイッチ群3bとは互いに直列に接続されている。このため、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は第1抵抗13の抵抗値Rとなる。こうして、成人男性のように体格の大きい人が着座したと誤検知することが抑制される。
【0062】
次に、人として比較的体格の大きな成人男性が着座する場合について説明する。
図8は、
図3に示す荷重検知センサ1が、成人男性のように体格の大きな人の着座を検知する様子を
図4に示す等価回路で示す図である。成人男性のように体格の大きな人の臀部は上記女性や子供等といった体格の小さな人の臀部と比べて大きい傾向にある。このため、荷重検知センサ1の中央部に位置する第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8が押圧されると共に、第1感圧スイッチ群2の左右方向において第1感圧スイッチ群2よりも座席シートSの中央部から離れて位置するそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4も押圧される。このため、第1電極シート10の第1電極11A〜11Hが撓み、
図8に示すように、全ての感圧スイッチSW1〜SW8がオンとなる。従って、接続端子27aと接続端子27bとは、直列接続される第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13から成る回路と、直列接続されるそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bと第2抵抗14とから成る回路とが並列接続される回路を介して導通する。この場合、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は、第1抵抗13の抵抗値Rと第2抵抗14の抵抗値rが並列接続されたときの抵抗値r・R/(r+R)となる。この抵抗値が、接続端子27a,27bに接続される不図示のECUにより検知されて、体格の大きな人が着座していることが検出される。
【0063】
次に、チャイルドシートが設置される場合について説明する。
図9は、
図3に示す荷重検知センサが、チャイルドシートの設置を検知する様子を
図4に示す等価回路で示す図である。チャイルドシートは、一般的に座席シートの座面に設置され、左右の端部において前後方向に延在するような支持部を有することが多い。このようなチャイルドシートが座席シートSの座面に設置されると、荷重検知センサ1の中央部に位置する第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8は押圧されずに、感圧スイッチSW5〜SW8がオフのままとなる。一方、第1感圧スイッチ群2の左右方向において第1感圧スイッチ群2よりも座席シートSの中央部から離れて位置するそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4は押圧される。このため、第1電極シート10の第1電極11A,11B,11C,11Dが撓み、
図8に示すように、感圧スイッチSW1〜SW4はオンとなる。従って、接続端子27aと接続端子27bとは、直列接続されるそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bと第2抵抗14から成る回路とを介して導通する。従って、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は第2抵抗14の抵抗値rとなる。この抵抗値が、接続端子27a,27bに接続される不図示のECUにより検知されて、チャイルドシートが設置されていることが検出される。
【0064】
次に、人として比較的体格の大きな成人男性が前座りする場合に着座する場合について説明する。
図10は、
図3に示す荷重検知センサが、成人男性のような体格の大きな人が前座りする場合に着座を検知する様子を
図4に示す等価回路で示す図である。上記のように、成人男性のように体格の大きな人の臀部は上記女性や子供等といった体格の小さな人の臀部と比べて大きい傾向にある。このため、荷重検知センサ1の中央部に位置する第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチが押圧されると共に、第1感圧スイッチ群2の左右方向に位置するそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチも押圧される。しかし、前座りしている場合、後方側に位置する、感圧スイッチSW6,SW8及び感圧スイッチSW2,SW4は押圧されない傾向にある。従って、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5,SW7、及び、それぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1,SW3はオンとされるものの、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW6,SW8、及び、それぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW2,SW4はオフのままとされる。しかし、本実施形態では、上記のように第1感圧スイッチ群2において、前後方向に位置する感圧スイッチSW5と感圧スイッチSW6とが並列接続され、前後方向に位置する感圧スイッチSW7と感圧スイッチSW8とが並列接続される。同様に、第2感圧スイッチ群3a,3bにおいて、前後方向に位置する感圧スイッチSW1と感圧スイッチSW2とが並列接続され、前後方向に位置する感圧スイッチSW3と感圧スイッチSW4とが並列接続される。従って、成人男性のように体格の大きな人が前座りする場合であっても、成人男性のように体格の大きな人が正規着座する場合と同様に、接続端子27aと接続端子27bとは、直列接続される第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13から成る回路と、直列接続されるそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bと第2抵抗14とから成る回路とが並列接続される回路を介して導通する。この場合、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は、第1抵抗13の抵抗値Rと第2抵抗14の抵抗値rが並列接続されたときの抵抗値r・R/(r+R)となる。この抵抗値が、接続端子27a,27bに接続される不図示のECUにより検知されて、成人男性のように体格の大きな人が前座りする場合であっても、体格の大きな人が着座していることが検出される。
【0065】
なお、特に図示して説明しないが、人として比較的体格の小さい40kg程度の女性や子供等といった体格の小さな人が前座りする場合、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8のうち前方に位置する感圧スイッチSW5,SW7がオンとなり、後方に位置する感圧スイッチSW6,SW8がオフのままとなる。また、上記のように、女性や子供等といった体格の小さな人が着座する場合、第1感圧スイッチ群2の左右方向に位置するそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4はオフのままとされる。従って、接続端子27aと接続端子27bとは、直列接続される第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13から成る回路とを介して導通する。従って、接続端子27aと接続端子27b間の、合成抵抗は第1抵抗13の抵抗値Rとなる。この抵抗値が、接続端子27a,27bに接続される不図示のECUにより検知されて、女性や子供等といった体格の小さな人が前座りする場合であっても、体格の小さな人が着座していることが検出される。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の荷重検知センサ1は、第1感圧スイッチ群2と、座席の左右方向のそれぞれにおいて第1感圧スイッチ群2と所定の間隔をあけると共に前記第1感圧スイッチ群よりも座席の中央部から離れて配置される一対の第2感圧スイッチ群3a,3bと、第1抵抗13と、を備えており、一対の第2感圧スイッチ群3a,3bは互いに直列接続され、第1感圧スイッチ群2は第1抵抗13と直列接続され、一対の第2感圧スイッチ群3a,3bは第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13とに対し並列接続される。このため、上記のように、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8がオンで第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4がオフの場合と、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8がオンで第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4がオンの場合とで、合成抵抗が異なる。従って、女性や子供等といった体格が小さい人の着座と、成人男性のように体格の大きい人の着座とで、接続端子27a,27b間の合成抵抗が異なる。従って、本実施形態の荷重検知センサ1によれば、着座する人の体格の違いを検出することができる。また、女性等の体格の小さい人が座席に片座りして第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8と、第2感圧スイッチ群3a及び第2感圧スイッチ群3bの一方の感圧スイッチとがオンする場合がある。しかし、本実施形態の荷重検知センサ1では、第1感圧スイッチ群2の左右方向のそれぞれに配置された第2感圧スイッチ群3a,3bが直列に接続されているため、接続端子27aと接続端子27b間の合成抵抗は、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8がオンで第2感圧スイッチ群3a,3bの感圧スイッチSW1〜SW4がオフの場合と同じになる。従って、成人男性等の体格の大きい人が着座したと誤検知することを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態の荷重検知センサ1では、一対の第2感圧スイッチ群3aのそれぞれは、座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチSW1,SW2及び感圧スイッチSW3,SW4有する。従って、このように前後に配置され並列接続される複数の感圧スイッチを有さない場合と比べて、正規着座の場合であっても、前方に人の荷重が掛かる前座りの場合等であっても容易に体格の大きな人の着座を検出することができる。
【0068】
また、本実施形態の荷重検知センサ1では、第1感圧スイッチ群2が、座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチSW5,SW6及び感圧スイッチSW7,SW8を有する。従って、第1感圧スイッチ群がこのような前後に配置され並列接続される複数の感圧スイッチを有さない場合と比べて、女性や子供等といった体格の小さな人が、正規着座する場合であっても、前座りの場合等であっても容易に着座を検出することができる。
【0069】
また、本実施形態の荷重検知センサ1は第1抵抗13と抵抗値が異なる第2抵抗14を備えており、一対の第2感圧スイッチ群3a,3bに第2抵抗14が直列接続されている。このため、第1感圧スイッチ群の感圧スイッチSW5〜SW8がオフのまま、第2感圧スイッチ群の感圧スイッチSW1〜SW4がオンとなる場合を検出することができ、上記のようにチャイルドシートの設置を検出することができる。
【0070】
また、本実施形態の荷重検知センサ1では、第1感圧スイッチ群2が座席の左右方向に位置し互いに直列接続される複数の感圧スイッチを有する。一般に人は座席の中心に着座し、人の臀部は左右に分かれている。従って、第1感圧スイッチ群において、座席の左右方向に一対の感圧スイッチを有することで、荷物の配置を人の着座と誤検出することを抑制することができる。
【0071】
本実施形態の荷重検知センサ1では、第1感圧スイッチ群2と第2感圧スイッチ群3a,3bとの間にはスリットSL1,SL3が形成されている。従って、第1感圧スイッチ群2の感圧スイッチSW5〜SW8に荷重が加わった際に、その荷重が第1絶縁シート19や第2絶縁シート29やスペーサ30を介して第2感圧スイッチ群3a,3bに伝わることを抑制することができる。このため、比較的体格の小さい女性や子供等と、体格の大きい成人男性とを判別する精度をより高めることができる。
【0072】
また、本実施形態の荷重検知センサ1では、第1感圧スイッチ群2における互いに直列接続される複数の感圧スイッチSW5,SW6と感圧スイッチSW7,SW8との間にスリットSL2が形成されている。このため、荷重検知センサ1に荷重が加わった際に、当該荷重が、第1絶縁シート19や第2絶縁シート29やスペーサ30を介して、感圧スイッチSW5,SW6と感圧スイッチSW7,SW8との間に伝わることを抑制できる。従って、例えば、荷物と比較的体格の小さい女性や子供等とを判別する精度をより高めることができる。
【0073】
また、本実施形態では、荷重検知センサ1は、主に座席シートSの比較的人が着座する位置に近い上部に配置されている。このような場合、座席への座り心地について少なからず影響を与え、着座する者が違和感を覚えることがある。しかし、本実施形態の荷重検知センサ1には、複数のスリットSL1〜SL3が形成されている。従って、人が着座したときの座席シートSの変形に対する荷重検知センサ1の形状追従性を良くすることができる。そのため、座り心地が悪くなることを抑制することができる。
【0074】
以上、本発明の荷重検知センサ1について上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0075】
例えば、本実施形態では、荷重検知センサ1は8つの感圧スイッチSW1〜SW8を備える物として説明したが、第1感圧スイッチ群2及びそれぞれの第2感圧スイッチ群3a,3bが、それぞれ少なくとも1つの感圧スイッチを備えていれば良い。つまりは、少なくとも3つの感圧スイッチを用いて本発明の荷重検知センサ1を実現することができる。ただし、上記のように、第2感圧スイッチ群3aが、座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチSW1、SW2を有し、第2感圧スイッチ群3bが、座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチSW3、SW4を有することが、体格の大きな人が前座りする場合であっても着座を検出できる観点から好ましく、第1感圧スイッチ群2が座席の前後方向に位置し互いに並列接続される複数の感圧スイッチSW5、SW6、及び、感圧スイッチSW7、SW8を有することが、体格の小さな人が前座りする場合であっても着座を検出できる観点から好ましい。
【0076】
また、本実施形態では、荷重検知センサ1は座席シートS内の上部に内装される構成としたが、座席シートS内の下部や中央部に内装されるとしても良い。この場合、荷重検知センサ1は、座席への座り心地についてあまり影響を与えない。また、座席への座り心地について特に問題とならなければ、本発明の荷重検知センサ1における各スリットSL1〜SL3は必須の構成ではない。
【0077】
また、上記実施形態では、第1電極シート10、第2電極シート20、スペーサ30を用いた所謂メンブレンタイプの感圧スイッチを用いて説明した。ただし、本発明は上記メンブレンタイプの感圧スイッチに限定されず、他の感圧スイッチが用いられても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、感圧スイッチSW5,SW6と感圧スイッチSW7,SW8との間に第1抵抗13が配置された。しかし、第1感圧スイッチ群2と第1抵抗13とが直列接続される限りにおいて、第1抵抗13の接続位置は上記実施形態と異なっていても良い。同様に上記実施形態では、第2感圧スイッチ群3aと第2感圧スイッチ群3bとの間に第2抵抗14が配置された。しかし、本発明は、一対の第2感圧スイッチ群3a,3bと第2抵抗14とが直列接続されていれば良く、第2抵抗14の接続位置は上記実施形態と異なっていても良い。
【0079】
また、本実施形態では、荷重検知センサ1は第2抵抗14を有する構成としたが、第2抵抗14は必須の構成ではない。しかし、上記のようにチャイルドシートの設置を検出し得る構成とするために、第1抵抗13と抵抗値の異なる第2抵抗が一対の第2感圧スイッチ群3a,3bに直列接続されることが好ましい。
【0080】
また、スリットSL1〜SL3の形状や大きさは、上記の構成に限定されず、楕円形であっても良く、抵抗の位置や配線等が変更されることにより荷重検知センサ1の縁まで延在しても良い。
【0081】
以上のように、本発明によれば、着座した人の体格の違いを検出することができる荷重検知センサが提供される。