特許第6707414号(P6707414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707414サーバ、及び、サーバのためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707414
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】サーバ、及び、サーバのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20200601BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G06Q10/06 300
   A63F7/02 328
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-146463(P2016-146463)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2018-15133(P2018-15133A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 覚
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−305263(JP,A)
【文献】 特開平11−290532(JP,A)
【文献】 特開平10−127904(JP,A)
【文献】 特開2002−73876(JP,A)
【文献】 特開2006−312101(JP,A)
【文献】 特開2008−110180(JP,A)
【文献】 特開2009−265984(JP,A)
【文献】 特開2009−271886(JP,A)
【文献】 特開2006−192033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
対象領域内において第1のレイアウトに従って配置されている1個以上のデバイスのそれぞれから稼働情報を取得する稼働情報取得部であって、前記稼働情報は、当該デバイスを識別するための識別情報と、当該デバイスの稼働状況を示す稼働状況情報と、を含む、前記稼働情報取得部と、
前記1個以上のデバイスのそれぞれから取得された前記稼働情報を記憶装置に記憶させる記憶制御部と、
前記記憶装置に記憶された記憶済み稼働情報と、前記記憶装置に記憶されている現在レイアウト情報であって、前記第1のレイアウトに従って配置されている前記1個以上のデバイスの位置を示す前記現在レイアウト情報と、を利用して、前記1個以上のデバイスのうちの対象デバイスであって、前記第1のレイアウトに従って前記対象領域の第1の位置に配置されている前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する第1の予測部と、
前記第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトに従って配置されている前記1個以上のデバイスの位置を示す変更レイアウト情報であって、前記現在レイアウト情報を用いて生成された前記変更レイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部であって、前記第2のレイアウトでは、前記対象デバイスが前記対象領域の前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置されている、前記レイアウト情報取得部と、
前記変更レイアウト情報が取得される場合に、前記変更レイアウト情報と、前記記憶済み稼働情報と、を利用して、前記対象領域の前記第2の位置に配置される前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成する第2の予測部と、を備える、
サーバ。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記対象領域内において、当該デバイスが過去に配置されていた位置に関係する位置履歴情報をさらに記憶しており、
前記第1の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記現在レイアウト情報と、前記位置履歴情報と、を利用して、前記第1の予測データを生成し、
前記第2の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記変更レイアウト情報と、前記位置履歴情報と、を利用して、前記第2の予測データを生成する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記対象領域内における利用者の行動に関係する利用者行動情報をさらに記憶しており、
前記第1の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記現在レイアウト情報と、前記利用者行動情報と、を利用して、前記第1の予測データを生成し、
前記第2の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記変更レイアウト情報と、前記利用者行動情報と、を利用して、前記第2の予測データを生成する、
請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記対象領域の環境的特性に関係する特性情報をさらに記憶しており、
前記第1の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記現在レイアウト情報と、前記特性情報と、を利用して、前記第1の予測データを生成し、
前記第2の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記変更レイアウト情報と、前記特性情報と、を利用して、前記第2の予測データを生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記対象デバイスが属するデバイスグループに含まれる2個以上のデバイスの稼働状況の平均値を示す平均データをさらに記憶しており、
前記第1の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記現在レイアウト情報と、前記平均データと、を利用して、前記第1の予測データを生成し、
前記第2の予測部は、前記記憶済み稼働情報と、前記変更レイアウト情報と、前記平均データと、を利用して、前記第2の予測データを生成する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記変更レイアウト情報は、前記対象領域内に配置されている前記1個以上のデバイスに含まれていない1個以上の新規デバイスを含む複数個のデバイスの配置に関係する前記第2のレイアウトを示す、
請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記対象領域は1個の店舗であり、
前記1個以上のデバイスのそれぞれは、前記店舗内において前記第1のレイアウトに従って配置されている機器である、
請求項1から6のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記対象領域は1つの地域であり、
前記1個以上のデバイスのそれぞれは、前記地域内において前記第1のレイアウトに従って配置されている店舗である、
請求項1から6のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバのコンピュータを、
対象領域内において第1のレイアウトに従って配置されている1個以上のデバイスのそれぞれから稼働情報を取得する稼働情報取得部であって、前記稼働情報は、当該デバイスを識別するための識別情報と、当該デバイスの稼働状況を示す稼働状況情報と、を含む、前記稼働情報取得部と、
前記1個以上のデバイスのそれぞれから取得された前記稼働情報を記憶装置に記憶させる記憶制御部と、
前記記憶装置に記憶された記憶済み稼働情報と、前記記憶装置に記憶されている現在レイアウト情報であって、前記第1のレイアウトに従って配置されている前記1個以上のデバイスの位置を示す前記現在レイアウト情報と、を利用して、前記1個以上のデバイスのうちの対象デバイスであって、前記第1のレイアウトに従って前記対象領域の第1の位置に配置されている前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する第1の予測部と、
前記第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトに従って配置されている前記1個以上のデバイスの位置を示す変更レイアウト情報であって、前記現在レイアウト情報を用いて生成された前記変更レイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部であって、前記第2のレイアウトでは、前記対象デバイスが前記対象領域の前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置されている、前記レイアウト情報取得部と、
前記変更レイアウト情報が取得される場合に、前記変更レイアウト情報と、前記記憶済み稼働情報と、を利用して、前記対象領域の前記第2の位置に配置される前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成する第2の予測部、として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
サーバであって、
対象領域内において1個以上のデバイスを配置するための将来レイアウトに従って配置されている前記1個以上のデバイスの位置を示す将来レイアウト情報を取得する将来レイアウト情報取得部であって、前記将来レイアウトでは、前記1個以上のデバイスのうちの対象デバイスが、前記対象領域内の特定の位置に配置されている、前記将来レイアウト情報取得部と、
前記将来レイアウト情報が取得される場合に、記憶装置に記憶されている稼働関係情報と、取得済みの前記将来レイアウト情報と、を利用して、前記特定の位置に配置される前記対象デバイスの将来の稼働状況を示す予測値を含む特定の予測データを生成する予測部であって、前記稼働関係情報は、複数種類のデバイスのそれぞれについて、当該種類のデバイスの稼働状況に関係する情報であり、前記対象デバイスは、前記複数種類のデバイスのうちの特定の種類のデバイスである、前記予測部と、を備える、
サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、デバイスに関係する情報に基づいて予測データを生成するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、非特許文献1には、M2M(Machine To Machineの略)通信を利用したシステムの例として、建設機械の稼働状況を監視するシステム、エレベータの稼働状況を監視するシステム、自動販売機等の販売実績情報を収集するシステム等が開示されている。
【0003】
非特許文献1の各システムは、サーバとデバイスとを備える(建設機械、エレベータ、自動販売機等)。サーバは、各デバイスから、当該デバイスの稼働状況を示す情報を取得する。サーバは、取得された情報を利用して、各デバイスの稼働状況の分析を実行する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス1−6−2014「M2M再発見」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、自動販売機で商品を販売する事業者(即ち、システムの管理者)は、複数個の自動販売機のそれぞれを、所定の地域内に、所望のレイアウトに従って所定の位置に配置する。自動販売機は、配置される位置の特性(例えば、日中の人の通行量、通行する人の年齢層、性別、職業等の特性、周囲に存在する他の自動販売機の特性等)によって、その稼働状況が変化し得る。このため、所望のレイアウトに従って各自動販売機を実際に配置して稼働させる前に、そのレイアウトに従って各自動販売機を配置した場合の各自動販売機の稼働状況の予測値をシミュレーションしたいという事業者の要望がある。
【0006】
本明細書では、各デバイスを対象領域内に配置するためのレイアウトの決定を補助し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示されるサーバの一態様は、対象領域内において第1のレイアウトに従って配置されている1個以上のデバイスのそれぞれから稼働情報を取得する稼働情報取得部であって、前記稼働情報は、当該デバイスを識別するための識別情報と、当該デバイスの稼働状況を示す稼働状況情報と、を含む、前記稼働情報取得部と、前記1個以上のデバイスのそれぞれから取得された前記稼働情報を記憶装置に記憶させる記憶制御部と、前記記憶装置に記憶された記憶済み稼働情報を利用して、前記1個以上のデバイスのうちの対象デバイスであって、前記第1のレイアウトに従って前記対象領域の第1の位置に配置されている前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する第1の予測部と、前記第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトに関係する変更レイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部であって、前記第2のレイアウトでは、前記対象デバイスが前記対象領域の前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置されている、前記レイアウト情報取得部と、前記変更レイアウト情報が取得される場合に、前記変更レイアウト情報と、前記記憶済み稼働情報と、を利用して、前記対象領域の前記第2の位置に配置される前記対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成する第2の予測部と、を備える。
【0008】
上記の「対象領域」は、遊技店等の所定の店の範囲内、所定の町や県等の地域等を含む。上記の「デバイス」は、遊技台、ゲーム機、自動販売機、店舗(即ち、店舗内に配置され、当該店舗の売上等を管理するための管理端末)等、自身の稼働状況を示す稼働情報を出力可能な任意のデバイスを含む。「サーバ」は、1つの装置であっても、複数の装置の組み合わせであってもよい。上記の「記憶装置」は、例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ等の装置である。当該装置は、サーバに備えられていてもよいし、サーバと、ネットワーク(例えば、LAN(Local Area Networkの略)、インターネット等)を介して接続されていてもよい。また、上記の「記憶装置」は、一時的な記憶のための装置であってもよいし、永続的な記憶のための装置であってもよい。
【0009】
上記の構成によれば、サーバは、記憶済みの稼働情報を利用して、第1のレイアウトに従って配置される対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する。さらに、サーバは、第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトに関係する変更レイアウト情報を取得する場合に、変更レイアウト情報と、記憶済みの稼働情報と、を利用して、第2のレイアウトに従って配置される対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データと、を生成する。例えば、サーバが、任意の手段で第1の予測データ及び第2の予測データをデバイスの管理者に提供することによって、管理者は、第1の予測データに含まれる対象デバイスの将来の稼働状況の予測値と、第2の予測データに含まれる対象デバイスの将来の稼働状況の予測値と、を比較することができる。管理者は、比較の結果に基づいて、対象デバイスを所望の稼働状況で稼働させ得る適切なレイアウトを決定し得る。従って、上記のサーバによると、各デバイスを対象領域内に配置するためのレイアウトの決定を補助し得る。
【0010】
記憶装置は、対象領域内において当該デバイスが過去に配置されていた位置に関係する位置履歴情報をさらに記憶していてもよい。第1の予測部は、記憶済み稼働情報と、位置履歴情報と、を利用して、第1の予測データを生成してもよい。第2の予測部は、記憶済み稼働情報と、変更レイアウト情報と、位置履歴情報と、を利用して、第2の予測データを生成してもよい。
【0011】
ここで、「位置履歴情報」は、例えば、デバイスが過去に配置されていた位置を示す位置情報と、当該位置に配置されていた期間の始期を示す時刻と、を含む。上記の構成によると、サーバは、記憶済み稼働情報と位置履歴情報とを参照することにより、当該デバイスが過去に配置されていた位置と、当該位置に配置されていた間の当該デバイスの稼働状況を示す稼働状況情報と、を特定することができる。そして、サーバは、それらの情報をさらに利用して、第1及び第2の予測データを生成することができる。そのため、第1の予測データが示す予測値及び第2の予測データが示す予測値の精度を向上させることができる。
【0012】
記憶装置は、対象領域内における利用者の行動に関係する利用者行動情報をさらに記憶していてもよい。第1の予測部は、記憶済み稼働情報と、利用者行動情報と、を利用して、第1の予測データを生成してもよい。第2の予測部は、記憶済み稼働情報と、変更レイアウト情報と、利用者行動情報と、を利用して、第2の予測データを生成してもよい。
【0013】
ここで、「利用者行動情報」は、例えば、遊技店の利用者の来店から退店までの行動(滞在時間、店内での移動距離及び移動経路、遊技台の前に座っている着席時間等)を示す情報を含む。上記の構成によると、サーバは、利用者の行動を考慮して、第1及び第2の予測データを生成することができる。そのため、第1の予測データが示す予測値及び第2の予測データが示す予測値の精度を向上させることができる。
【0014】
記憶装置は、対象領域の環境的特性に関係する特性情報をさらに記憶していてもよい。第1の予測部は、記憶済み稼働情報と、特性情報と、を利用して、第1の予測データを生成してもよい。第2の予測部は、記憶済み稼働情報と、変更レイアウト情報と、特性情報と、を利用して、第2の予測データを生成してもよい。
【0015】
ここで、「環境的特性」は、例えば、遊技店の出店場所の特性(例えば、立地、地域的特性、周辺施設等の外的特性)及び遊技店自体の特性(例えば、遊技店の面積、遊技店の出入口の位置等の内的特性)を含み、「特性情報」は、それらの特性を示す情報を含む。上記の構成によると、サーバは、環境的特性を考慮して、第1及び第2の予測データを生成することができる。そのため、第1の予測データが示す予測値及び第2の予測データが示す予測値の精度を向上させることができる。
【0016】
記憶装置は、対象デバイスが属するデバイスグループに含まれる2個以上のデバイスの稼働状況の平均値を示す平均データをさらに記憶していてもよい。第1の予測部は、記憶済み稼働情報と、平均データと、を利用して、第1の予測データを生成してもよい。第2の予測部は、記憶済み稼働情報と、変更レイアウト情報と、平均データと、を利用して、第2の予測データを生成してもよい。
【0017】
ここで、「デバイスグループ」は、例えば、対象デバイスが遊技台である場合における対象デバイスの機種、対象デバイスが外食店である場合における業態(洋食店、和食店、すし店等)等、対象デバイスの属性に関するグループを含む。サーバは、対象デバイスが属するデバイスグループに含まれる2個以上の稼働状況の平均値を考慮して、第1及び第2の予測データを生成することができる。そのため、第1の予測データが示す予測値及び第2の予測データが示す予測値の精度を向上させることができる。
【0018】
変更レイアウト情報は、対象領域内に配置されている1個以上のデバイスに含まれていない1個以上の新規デバイスを含む複数個のデバイスの配置に関係する第2のレイアウトを示してもよい。
【0019】
ここで、「新規デバイス」とは、例えば対象領域が遊技店である場合において、現在遊技店内に配置されていないが、将来配置される予定の遊技台(即ち、仮想的な遊技台)を含む。上記の構成によると、サーバは、新規デバイスの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成することができる。そのため、管理者は、新規デバイスの将来の稼働状況を知ることができる。
【0020】
対象領域は1個の店舗であってもよい。1個以上のデバイスのそれぞれは、店舗内において第1のレイアウトに従って配置されている機器であってもよい。
【0021】
対象領域は1つの地域であってもよい。1個以上のデバイスのそれぞれは、地域内において第1のレイアウトに従って配置されている店舗であってもよい。
【0022】
本明細書によって開示されるサーバの他の態様は、対象領域内において1個以上のデバイスを配置するための将来レイアウトに関係する将来レイアウト情報を取得する将来レイアウト情報取得部であって、前記将来レイアウトでは、前記1個以上のデバイスのうちの対象デバイスが、前記対象領域内の特定の位置に配置されている、前記将来レイアウト情報取得部と、前記将来レイアウト情報が取得される場合に、記憶装置に記憶されている稼働関係情報と、取得済みの前記将来レイアウト情報と、を利用して、前記特定の位置に配置される前記対象デバイスの将来の稼働状況を示す予測値を含む特定の予測データを生成する予測部であって、前記稼働関係情報は、複数種類のデバイスのそれぞれについて、当該種類のデバイスの稼働状況に関係する情報であり、前記対象デバイスは、前記複数種類のデバイスのうちの特定の種類のデバイスである、前記予測部と、を備える。
【0023】
上記の構成によれば、サーバは、将来レイアウト情報が取得される場合に、稼働関係情報及び将来レイアウト情報を利用して、特定の位置に配置される対象デバイスの将来の稼働状況を示す予測値を含む特定の予測データを生成する。例えば、サーバが、任意の手段で特定の予測データをデバイスの管理者に提供することによって、管理者は、特定の予測データに含まれる対象デバイスの将来の稼働状況の予測値を知ることができる。管理者は、予測値に従って、対象デバイスを所望の稼働状況で稼働させ得る適切なレイアウトを決定し得る。従って、上記のサーバは、各デバイスを対象領域内に配置するためのレイアウトの決定を補助し得る。
【0024】
上記の各サーバを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1及び第2実施例の通信システムの構成を示す。
図2】予測処理を表わすフローチャート図を示す。
図3】予測処理が実行される具体的なケースを示すシーケンス図を示す。
図4】レイアウトが変更される前に端末装置に表示される各画面の例を示す。
図5】レイアウトが変更された後に端末装置に表示される各画面の例を示す。
図6】第3実施例の通信システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示す通信システム2は、遊技店に設置される各遊技台の稼働状況を予測するサービスを提供するためのシステムである。図1に示されるように、通信システム2は、管理サーバ10と、端末装置200と、複数個の遊技台110〜140と、ビデオカメラ300と、を備える。端末装置200、遊技台110〜140、及び、ビデオカメラ300は、遊技店400内に設けられている。なお、図1では、理解の容易のために、端末装置200が、遊技店を図示したボックス(図1の符号400)の外側に配置された態様で図示されている。端末装置200、遊技台110〜140、ビデオカメラ300は、いずれもLAN(Local Area Networkの略)4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。管理サーバ10は、遊技店400外に設けられている。管理サーバ10及び端末装置200はインターネット6に接続されており、インターネット6を介して相互に通信可能である。なお、変形例では、管理サーバ10は、インターネット6に接続されておらず、LAN4に接続されていてもよい。即ち、管理サーバ10は、遊技店400内に設けられており、LAN4を介して端末装置200と相互に通信可能であってもよい。
【0027】
(遊技台110〜140の構成)
遊技台110〜140は、1つの遊技店400内において、現在レイアウトL1に従って配置されている。現在レイアウトL1は、遊技店400内における遊技台110〜140を含む複数個の遊技台のそれぞれが実際に配置されている配置位置を示す。現在レイアウトL1は、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれについて、当該遊技台が配置されている遊技店400内における位置(即ち、位置P1〜P4を含む複数の位置)を定義している。即ち、図1の例では、現在、遊技台110〜140は、それぞれ、位置P1〜P4に配置されている。例えば、位置P1は遊技店400内の所定の島の端の台位置、位置P2は位置P1の隣の台位置、位置P3は位置P2の隣の台位置、位置P4は位置P3の隣の台位置をそれぞれ示している。
【0028】
遊技台110は、パチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機と、その周辺機器(例えば、呼出ランプ、アウトメータ、サンド等)を含む装置である。他の例では、遊技台110は、メダルを遊技媒体とするスロットマシンとその周辺機器を含む装置であってもよい。本明細書における「遊技台」は、遊技機(パチンコ機、スロットマシン等)と、呼出ランプと、アウトメータと、サンドと、のうちの少なくとも1つを含む装置と解釈できる。他の遊技台120〜140についても同様である。
【0029】
遊技台110には、識別情報「ID1」が割り当てられている。識別情報「ID1」は、遊技台110を識別するためのユニークな情報(例えば製造番号)である。同様に、他の遊技台(例えば、遊技台120)にも、識別情報(例えば、「ID2」)が割り当てられている。また、遊技台110、120は、互いに同じモデル(即ち機種)の遊技台であり、そのモデル名は「MN1」である。一方、遊技台130、140も、互いに同じモデル(即ち機種)の遊技台であり、そのモデル名は「MN2」である。
【0030】
遊技台110は、所定期間毎(例えば10分毎)に、自機の稼働状況に関係する稼働情報を生成して端末装置200に供給する。稼働情報は、識別情報「ID1」と、自機の稼働状況を示す稼働状況情報(例えば、遊技内容に関する情報(アウト数、セーフ数、特賞回数、確変回数等))と、を含む。さらに、稼働情報は、遊技台110が稼働情報を生成した時刻を示す時刻情報を含む。なお、アウト数は、遊技台に遊技媒体が投入される場合に発生する信号(いわゆるアウト信号)が発生した累計の数(即ち、遊技店400の当日の開店時刻以降の累計数)である。セーフ数は、遊技台から遊技媒体が払い出される場合に発生する信号(いわゆるセーフ信号)が発生した累計の数である。特賞回数は、遊技台が特賞状態に移行した累計の回数である。確変回数は、特賞状態の終了後に、ユーザに有利な状態である確率変動(確変)状態に移行した累計の回数である。他の遊技台120〜140も、同様に、所定期間毎に稼働情報を端末装置200に供給する。
【0031】
(ビデオカメラ300の構成)
ビデオカメラ300は、遊技店400の天井に配置される撮影装置である。ビデオカメラ300は、利用者(即ち、客)U1の遊技店400内における行動を撮影する。ビデオカメラ300は、利用者U1の行動を撮影した画像データを生成し、所定期間毎(例えば、10分毎)に端末装置200に供給している。
【0032】
(端末装置200の構成)
端末装置200は、遊技店400の管理者(例えば遊技店400の店長)によって設置されるコンピュータ(いわゆるホールコンピュータ)であり、遊技店400内の複数個の遊技台を管理するための装置である。端末装置200は、図示しない表示部、操作部及び制御部を備えている。表示部は、様々な情報を表示可能なディスプレイである。操作部は、キーボード及びマウスを備えている。遊技店400の管理者は、操作部を操作して様々な指示を端末装置200に入力可能である。制御部は、CPUとメモリを備えている。CPUは、メモリに記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリは、上記プログラムを記憶すると共に、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから取得された稼働情報及びビデオカメラ300から取得された画像データを記憶する。即ち、端末装置200は、LAN4を介して、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから上記の稼働情報を取得するとともに、ビデオカメラ300から画像データを取得する。端末装置200は、取得された稼働情報及び画像データをメモリに記憶する。端末装置200は、所定期間毎に、メモリ内の稼働情報及び画像データを管理サーバ10に供給する。
【0033】
また、管理者は、遊技店400内に遊技台を新たに配置する際に、当該遊技台に関する各種情報を端末装置200に登録するために、操作部を操作し、当該遊技台の特徴を示す各種情報(当該遊技台の識別情報、当該遊技台のモデル名、当該遊技台の遊技店400内における台番号等)を端末装置200に入力する。ここで、台番号は、管理者が遊技店400内の各遊技台を識別するために独自に割り当てる番号である。例えば、図1の例では、遊技台110(識別情報「ID1」、モデル名「MN1」)には、台番号「001」が割り当てられている。入力された各種情報(以下では「台情報」と呼ぶ)は端末装置200のメモリに記憶される。管理者は、遊技店400内に新たに配置される遊技台が複数個存在する場合、各遊技台について、同様に台情報の入力を行う。この結果、端末装置200のメモリには、遊技店400内に現在配置されている各遊技台110〜140のそれぞれに対応する台情報が記憶される。
【0034】
さらに、管理者は、操作部を操作し、各台情報のそれぞれが示す遊技台について、当該遊技台が配置される遊技店400内における位置(例えば図1のP1等)を示す現在位置情報を端末装置200に入力する。入力された現在位置情報は、当該遊技台を示す台情報と対応付けられてメモリに記憶される。
【0035】
そして、端末装置200のCPUは、所定のタイミング毎に、メモリに記憶された各台情報及び現在位置情報の組合せを管理サーバ10に供給する。
【0036】
また、管理者は、遊技店400内の遊技台の位置を変更する場合、変更対象の遊技台が示す台情報に対応付けられている現在位置情報(即ち変更前の位置を示す位置情報)を、新たな配置位置を示す現在位置情報(即ち変更後の位置を示す位置情報)に変更する。その場合、変更対象の遊技台が示す台情報に対応付けられている現在位置情報は、新たな配置位置を示す位置情報に更新される。その後、端末装置200のCPUは、所定のタイミング毎に、メモリに記憶された各台情報及び現在位置情報の組合せを管理サーバ10に供給する。即ち、端末装置200のメモリには、現在の遊技店400における遊技台とその配置位置を示す情報(即ち、台情報と現在位置情報の組合せ)が常に記憶されている。そして、端末装置200のメモリに記憶されている最新の台情報と現在位置情報の組合せは、所定のタイミング毎に管理サーバ10に供給されている。
【0037】
また、管理者は、操作部を操作して、遊技店400の特性情報を端末装置200に予め入力する。特性情報は、遊技店400の環境的特性に関係する情報である。環境的特性は、遊技店400の出店場所の特性(例えば、交通機関(駅、バス停等)からの距離、周辺の店舗、工場等の情報等の外的特性)、遊技店400自体の特性(例えば、遊技店の面積、遊技店の入り口の数、入口の位置等の内的特性)を含む。入力された特性情報は、端末装置200のメモリに記憶される。そして、端末装置200のCPUは、予め、メモリ内の特性情報を管理サーバ10に供給する。管理者が特性情報の内容を更新した場合も、CPUは、メモリ内の更新済みの特性情報を随時管理サーバ10に供給する。
【0038】
(管理サーバ10の構成)
管理サーバ10は、通信システム2を利用して、各遊技台の将来の稼働状況を予測するサービスを提供するサービス提供者によって設置されるサーバである。図1の例では、管理サーバ10は、遊技店400内の管理装置200とインターネット6を介して接続されているが、実際の通信システム2では、管理サーバ10は、インターネット6を介して、他の遊技店の管理装置(図示しない)とも接続されている。
【0039】
管理サーバ10は、通信インターフェイス12と、制御部20と、を備える。各部12、20は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェイスのことを「I/F」と記載する。通信I/F12は、インターネット6に接続されている。制御部20は、CPU22と、メモリ24と、を備える。CPU22は、メモリ24に記憶されているプログラム26に従って、様々な処理を実行する。メモリ24は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0040】
メモリ24は、上記のプログラム26の他に、複数個のデバイス情報DI1〜DI4を記憶する。複数個のデバイス情報DI1〜DI4のそれぞれは、遊技店400内に設けられている遊技台110〜140に対応する情報である。デバイス情報DI1(即ち、遊技台110に対応する情報)は、識別情報「ID1」と、台番号「001」と、モデル名「MN1」と、稼働状況情報の履歴を示す稼働履歴情報RH1と、遊技台が現在配置されている位置を示す現在位置情報CP1と、を含む。稼働履歴情報RH1は、端末装置200から取得される稼働情報であって、識別情報「ID1」を含む稼働情報に含まれる稼働状況情報及び時刻情報を蓄積した情報(即ち、遊技台110の稼働状況を示す情報)である。即ち、稼働履歴情報RH1は、識別情報「ID1」によって示される遊技台110の稼働状況情報のデータベースである。現在位置情報CP1は、端末装置200から、識別情報「ID1」を含む台情報と組み合わされて取得される現在位置情報である。即ち、現在位置情報CP1は、遊技店400内で遊技台110が現在配置されている位置を示す。
【0041】
デバイス情報DI1がメモリ24に記憶される具体的な処理について説明する。上記の通り、端末装置200は、所定のタイミング毎に、各台情報及び現在位置情報の組合せを管理サーバ10に供給する。管理サーバ10のCPU22は、端末装置200から、各台情報及び現在位置情報の組合せを取得すると、取得された各組合せのうちから、識別情報「ID1」を含む組合せを特定する。CPU22は、識別情報「ID1」に対応するデバイス情報DI1がメモリ24に記憶されていない場合(即ち、識別情報「ID1」に対応する組合せが新規に取得された場合)には、特定された組合せに含まれる各情報を含むデバイス情報DI1を新たに生成し、生成されたデバイス情報DI1をメモリ24に記憶させる。一方、CPU22は、識別情報「ID1」に対応するデバイス情報DI1がメモリ24に既に記憶されている場合には、特定された組合せに含まれる各情報と、メモリ24に記憶されているデバイス情報DI1に含まれる各情報とを比較し、特定された組合せに含まれる各情報がメモリ24に記憶されているデバイス情報DI1に含まれる各情報と一致しない場合(即ち、特定された組合せに含まれる各情報の少なくとも一部が更新されている場合)に、メモリ24に記憶されているデバイス情報DI1に含まれる各情報に代えて、特定された組合せに含まれる各情報を新たに記憶させる(即ち、デバイス情報DI1に含まれる各情報を更新する)。
【0042】
従って、例えば、CPU22は、メモリ24に記憶されているデバイス情報DI1に含まれる現在位置情報CP1が示す位置(例えばP1)が、特定された組合せに含まれる現在位置情報が示す位置(例えばP2)と異なっている場合、特定された組合せに含まれる現在位置情報が示す位置(例えばP2)を、デバイス情報DI1に含まれる現在位置情報CP1が示す位置として新たに記憶させる(即ち更新する)。
【0043】
また、上記の通り、端末装置200は、所定期間毎に、各遊技台から取得された稼働情報を管理サーバ10に供給する。例えば、管理サーバ10のCPU22は、デバイス情報DI1がメモリ24に記憶された後に、各遊技台に対応する稼働情報を取得すると、識別情報「DI1」を含む稼働情報(即ち、遊技台110の稼働情報)を特定する。そして、CPU22は、メモリ24内から、識別情報「ID1」に関連付いているデバイス情報DI1を特定し、遊技台110の稼働情報に含まれる稼働状況情報及び時刻情報を稼働履歴情報RH1に追加する。
【0044】
また、メモリ24は、さらに、利用者行動情報30と、特性情報32と、平均データ34と、をさらに記憶する。特性情報32は、端末装置200から取得される特性情報である。
【0045】
利用者行動情報30は、遊技店400内における利用者の行動を示す。CPU22は、ビデオカメラ300により撮影された画像を示す画像データであって、端末装置200から取得した画像データを所定の手法に従って分析して、利用者行動情報30を生成する。例えば、CPU22は、顔認証技術を利用して、動画データによって表される動画の中から人物を示す画像を抽出することにより、動画に撮影されている複数の利用者を特定する。CPU22は、特定済みの複数の利用者の中から監視対象を選択する。そして、CPU22は、動画データを分析して、監視対象の遊技店400内での行動を追跡し、その追跡結果を、利用者行動情報30としてメモリ24に記憶する。追跡結果は、例えば、監視対象の来店から退店までの行動(滞在時間、店内での移動距離及び移動経路、遊技台の前に座っている着席時間等)を示す。CPU22は、複数の利用者のそれぞれについての追跡結果を利用者行動情報30としてメモリ24に記憶する。
【0046】
平均データ34は、複数個のデバイス情報に含まれる複数のモデル名が示すモデルの遊技台のそれぞれについてのモデル平均値を含む。モデル平均値は、同一のモデル(例えば、モデル名「MN1」によって示されるモデル)に属する複数個の遊技台であって、遊技店400内に配置されている複数個の遊技台の稼働状況の平均値を示す。なお、変形例では、モデル平均値は、同一のモデルに属する複数個の遊技台であって、全国に配置されている複数個の遊技台の稼働状況の平均値であってもよい。
【0047】
(予測処理;図2
図2を参照して、管理サーバ10のCPU22がプログラム26に従って実行する予測処理の内容を説明する。予測処理は、管理サーバ10の電源がONされることをトリガとして開始される。予測処理では、S10、S30の各監視ステップが実行される。
【0048】
S10では、CPU22は、端末装置200からアクセス要求を取得することを監視する。アクセス要求は、管理サーバ10へのアクセスを要求するコマンドである。端末装置200のオペレータ(即ち、遊技店400の管理者)が、端末装置200の操作部で所定のアクセス操作を入力すると、端末装置200は、アクセス要求を管理サーバ10に供給する。CPU22は、端末装置200からアクセス要求を取得すると、S10でYESと判断してS12に進む。
【0049】
S12では、CPU22は、現在レイアウト情報を生成する。具体的には、S12では、CPU22は、メモリ24内の複数個のデバイス情報(例えば図1のDI1〜D4)を参照して、各デバイス情報に含まれる台番号(例えば「001」等)、モデル名(例えば「MN1」等)、及び、現在位置情報(例えばCP1等)を特定する。そして、CPU22は、特定された台番号、モデル名、及び、現在位置情報を用いて、現在レイアウト情報を生成する。現在レイアウト情報は、各台番号と、各台番号によって示される遊技台のモデル名と、当該遊技台の現在位置情報とが関連付けられた情報である。即ち、現在レイアウト情報は、現在、遊技店400内において複数の遊技台のそれぞれが実際に配置されている配置位置(例えば図1の現在レイアウトL1)を示す情報であると言い換えることができる。
【0050】
続くS14では、CPU22は、複数個のデバイス情報のそれぞれに含まれる稼働履歴情報(例えばRH1)を特定して、特定済みの稼働履歴情報と、S12で生成された現在レイアウト情報と、を端末装置200に供給する。端末装置200は、稼働履歴情報と現在レイアウト情報とを取得すると、取得された稼働履歴情報及び現在レイアウト情報を管理者に閲覧させるための画面(例えば、図4のSC1A、T1、G1)を表示する(図4を参照)。CPU22は、S14が終了すると、S10、S30の監視に戻る。
【0051】
S30では、CPU22は、端末装置200から実行要求を取得することを監視する。実行要求は、各遊技台の将来の稼働状況の予測値を示す予測データの生成を要求するコマンドである。管理者は、上記の取得済みの稼働履歴情報及び現在レイアウト情報を管理者に閲覧させるための画面が表示されている間に、操作部で所定の実行操作を入力することができる。実行操作が入力されると、端末装置200は、実行要求を管理サーバ10に供給する。また、管理者は、実行操作の前に、現在レイアウト情報によって示されている現在レイアウトL1を変更する変更操作を入力することもできる。この場合、端末装置200は、現在レイアウトL1とは異なるレイアウトである変更レイアウトを示す変更レイアウト情報を生成する。そして、変更操作が入力された後に実行操作が入力されると、端末装置200は、上記の変更レイアウト情報を含む実行要求を管理サーバ10に供給する。CPU22は、実行要求を取得すると、S30でYESと判断してS32に進む。
【0052】
S32では、CPU22は、実行要求が変更レイアウト情報を含むか否かを判断する。変更レイアウト情報は、S14で端末装置200に供給された現在レイアウト情報が示す現在レイアウトL1とは異なるレイアウトである変更レイアウトを示す情報である。CPU22は、実行要求が変更レイアウト情報を含まない場合、S32でNOと判断してS40に進み、実行要求が変更レイアウト情報を含む場合、S32でYESと判断して、S50に進む。
【0053】
S40では、CPU22は、S12で生成された現在レイアウト情報と、メモリ24内の複数個のデバイス情報のそれぞれに含まれる稼働履歴情報と、利用者行動情報30と、特性情報32と、平均データ34と、を利用して、現在レイアウト(例えばL1)に従って遊技店400内に配置されている各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する。
【0054】
各遊技台の将来の稼働状況の予測値の算出方法の具体例を説明する。ただし、以下に説明する算出方法はあくまで一例であり、実際にはCPU22は他の任意の算出方法で予測値を算出してもよい。
【0055】
まず、CPU22は、複数個の遊技台のうちから、稼働状況を算出する対象である1個の対象遊技台を特定する。そして、CPU22は、当該対象遊技台のモデル(「対象モデル」と呼ぶ)を特定する。次いで、CPU22は、平均データ34を参照し、当該対象モデルのモデル平均値(「対象モデル平均値」と呼ぶ)を特定する。ここでは、この対象モデル平均値をX1とする。
【0056】
さらに、CPU22は、メモリ24内の現在位置情報を参照し、対象遊技台が配置されている位置(「対象位置」と呼ぶ)を特定する。そして、CPU22は、メモリ24内の利用者行動情報30を参照して、対象位置における利用者の行動を所定の手法で数値化した対象行動値を算出する。例えば、対象行動値は、過去の所定期間の間に対象位置を訪れた利用者の数に関係する値であってもよい。その場合、対象行動値が大きいほど、対象位置を訪れる利用者の数が多いことを示し、対象遊技台の利用頻度が高いことを意味する。ここでは、この対象行動値をX2とする。
【0057】
さらに、CPU22は、メモリ24内の特性情報32を参照して、対象位置の特性(即ち、遊技店400の外的特性に加えて、対象位置の遊技店400内における特性(例えば、入口に近い、自動販売機に近い、景品カウンターに近い、等))を所定の手法で数値化した対象特性値を算出する。例えば、対象特性値が高いほど、当該対象遊技台の利用頻度が高いことを意味する。ここでは、この対象特性値をX3とする。
【0058】
さらに、CPU22は、メモリ24内の対象遊技台に対応するデバイス情報(例えば図1のDI1)に含まれる当該対象遊技台の稼働履歴情報(「対象稼働履歴情報」と呼ぶ)を特定する。ここでは、この対象稼働履歴情報をX4とする。
【0059】
そして、CPU22は、上記のX1〜X4を用いて、当該対象遊技台の稼働状況の予測値を数値化するための数値化方程式を作成する。具体的には、CPU22は、Y=aX1+bX2+cX3+dX4という数値化方程式を作成する。ここで、a〜dの各値は、実際に予測値を算出する際にX1〜X4に掛け合わされる係数である。a〜dの各値は、この時点では定まっていない。
【0060】
その後、CPU22は、複数個の遊技台のうちから、他の対象遊技台を特定し、上記の手法に従って、当該他の対象遊技台の数値化方程式を作成する。これを繰り返すことにより、複数個の遊技台のそれぞれについての数値化方程式が作成される。
【0061】
そして、CPU22は、複数個の遊技台のそれぞれについての数値化方程式を用いて重回帰分析を行う。即ち、CPU22は、複数個の数値化方程式を用いた連立方程式(例えば、最小二乗法等により算出される連立方程式)を計算することにより、a〜dの各係数を算出する。
【0062】
CPU22は、算出されたa〜dの各係数を、複数個の数値化方程式のそれぞれに代入する。この結果、上記の各数値化方程式において、Yの値(即ち、予測値)が算出される。これにより、CPU22は、各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを得ることができる。
【0063】
S40では、以上の各処理を行うことで、第1の予測データが生成される。上記の通り、第1の予測データには、遊技店400内の複数個の位置のそれぞれに現在レイアウトに従って配置されている遊技台の予測値が含まれる。
【0064】
S60では、CPU22は、第1の予測データを端末装置200に供給する。CPU22は、S60が終了すると、S10、S30の監視に戻る。
【0065】
S50では、CPU22は、変更レイアウト情報と、メモリ24内の複数個のデバイス情報のそれぞれの稼働履歴情報と、利用者行動情報30と、特性情報32と、平均データ34と、を利用して、変更レイアウトに従って遊技店400内に配置されている各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成する。第2の予測データを生成する処理は、対象遊技台が配置されている対象位置を特定する際に、変更レイアウト情報によって示されている位置を用いることを除き、S40と同様である。
【0066】
なお、変更レイアウトが、実際に遊技台に配置されていない新規な遊技台を含む場合には、CPU22は、当該新規な遊技台についても、上記と略同様の手法で数値化方程式を作成する。その際、新規な遊技台の稼働履歴情報として、同モデルのモデル平均値が用いられてもよい。また、当該新規な遊技台のモデルが新規モデル(即ち、現在遊技店400に一台も配置されていないモデル)である場合、新規な遊技台の稼働履歴情報として、予め遊技台のベンダが提供しているモデル平均値が用いられてもよい。CPU22は、S50が終了すると、S60に進む。
【0067】
これにより、例えば、現在レイアウトL1において、位置P1に配置されている遊技台110の配置位置を、変更レイアウトにおいて、位置P4に変更させた場合には、位置P4に対応する対象特性値及び対象行動値を用いて予測値が算出される。即ち、遊技台110を位置P4に配置させた場合の予測値が算出される。また、例えば、現在レイアウトL1において、位置P4に遊技台が配置されていない場合に、変更レイアウトにおいて、新規な遊技台を配置させる場合であって、新規な遊技台が新規モデルである場合には、位置P4に対応する対象特性値及び対象行動値と、ベンダが予め提供する当該モデルのモデル平均値と、を用いて予測値が算出される。即ち、新規な遊技台を新たに位置P4に配置させた場合の予測値が算出される。
【0068】
(第1実施例における具体的なケース;図3
図3を参照して、図2の処理によって実現される具体的なケースを説明する。T10では、端末装置200は、所定時間毎に、遊技店400内に設置されている遊技台110から、識別情報「ID1」と稼働状況情報とを含む稼働情報を取得する。T12では、端末装置200は、取得済みの稼働情報をメモリに記憶する。図示しないが、端末装置200は、遊技台120〜140のそれぞれからも、所定時間毎に、稼働情報を取得し、取得済みの稼働情報をメモリに記憶する。
【0069】
T14では、管理サーバ10は、所定時間毎に、端末装置200から、端末装置200のメモリに記憶されている各遊技台の稼働情報を取得する。T16では、管理サーバ10は、取得済みの稼働情報に含まれる稼働状況情報を、取得済みの稼働情報に含まれる識別情報「ID1」を含むデバイス情報DI1に含まれている稼働履歴情報RH1に追加する。
【0070】
管理サーバ10は、端末装置200がアクセス操作を受け付ける場合(T20)に、T22において、端末装置200からアクセス要求を取得する(図2のS10でYES)。T24では、管理サーバ10は、現在レイアウト情報を生成し(S12)、T26において、生成済みの現在レイアウト情報と、複数個のデバイス情報のそれぞれの複数個の稼働履歴情報と、を端末装置200に供給する(S14)。
【0071】
T28では、端末装置200は、取得済みの現在レイアウト情報に従って、レイアウト画面SC1A(図4参照)を表示部に表示させる。図4に示すように、レイアウト画面SC1Aは、模式レイアウト画面SS1Aと、入力欄IF1と、実行ボタンB1と、終了ボタンB2と、を含む。模式レイアウト画面SS1Aは、現在レイアウトL1に従って配置されている複数個の遊技台を模式的に表示するための画面である。各遊技台は、台番号で示される台ボックスによって表されている。例えば、模式レイアウト画面SS1Aの遊技店400内の位置P1を示す箇所には、遊技台110を示す台番号「001」が割り当てられた台ボックスが配置されている。また、模式レイアウト画面SS1Aの遊技店400内の位置P5を示す箇所には、台番号が割り当てられていない台ボックスが配置されている。これは、位置P5には、遊技台が現在配置されていないことを示す。なお、模式レイアウト画面SS1Aには、実際には、P1〜P5の符号は表示されない。図4では、実際にP1〜P5の符号が表示されないことを表わすために、位置P1〜P5のそれぞれを仮想線で囲んでいる。
【0072】
また、模式レイアウト画面SS1Aでは、モデルボックスMB1、MB2が台ボックスの下に配置されている。モデルボックスMB1は、モデル名「MN1」を表示するためのボックスである。遊技台110、120のモデル名は、ともに「MN1」である。モデルボックスMB1は、遊技台110、120のそれぞれを示す2つの台ボックスに亘って配置される。同様に、モデル名「MN2」を表示するためのモデルボックスMB2は、遊技台130、140のそれぞれを示す2つの台ボックスに亘って配置される。
【0073】
入力欄IF1は、模式レイアウト画面SS1Aの表示内容を変更するためのボタンである。例えば、入力欄IF1に、いわゆる4円パチンコを示す「4パチ」が入力される場合、模式レイアウト画面SS1Aには、4パチに対応する遊技台を示す台ボックスのみが表示される。管理者は、入力欄IF1を操作して、「4パチ」の他に、いわゆる1円パチンコを示す「1パチ」や、いわゆる20円スロットを示す「20スロ」等を選択することにより、模式レイアウト画面SS1Aの表示内容を変更することができる。実行ボタンB1は、管理サーバに実行要求(図2のS30)を供給するためのボタンである。終了ボタンB2は、取得済みの現在レイアウト情報及び複数個の稼働履歴情報を破棄し、レイアウト画面SC1Aの表示を終了するためのボタンである。
【0074】
端末装置200は、レイアウト画面SC1Aが表示されている間に、管理者によってモデルボックスMB1が選択される場合に、稼働状況テーブルT1と、稼働状況グラフG1を表示部に表示させる。稼働状況テーブルT1は、モデルボックスMB1によって示されるモデル名「MN1」の遊技台(例えば、遊技台110、120)の稼働状況を表示するためのテーブルである。稼働状況テーブルT1には、稼働履歴情報のうちの最新の稼働状況が表示される。なお、稼働状況テーブルT1は、「差引」の列を含む。「差引」は、アウト数からセーフ数を減算した値である。稼働状況グラフG1は、モデル名「MN1」の遊技台の稼働状況を表示するためのグラフである。稼働状況グラフG1は、横軸が時刻を示すと共に縦軸が差引を示す。稼働状況グラフG1は、遊技台110に対応するグラフ(図中「001」が表示されたグラフ)と、遊技台120に対応するグラフ(図中「002」が表示されたグラフ)を含む。なお、端末装置200は、差引だけでなく、縦軸が他の稼働状況(例えば、アウト数)を示すグラフを表示してもよい。また、モデルボックスMB2が選択される場合には、端末装置200は、モデルボックスMB2によって示されるモデル名「MN2」の遊技台の稼働状況を表示するためのテーブル及びグラフを表示部に表示させる。なお、以下では、モデルボックスMB1が選択される場合について説明を続ける。
【0075】
図3に戻り説明を続ける。管理サーバ10は、端末装置200が実行ボタンB1を選択する実行操作を受け付ける場合(T40)に、T42において、端末装置200から実行要求を取得する(図2のS30でYES)。なお、T40の処理が実行される時点では、端末装置200は、変更操作を受け付けていない。即ち、当該時点では、変更レイアウト情報は生成されていない。
【0076】
T44では、管理サーバ10は、T42の実行要求が変更レイアウト情報を含まないので(S32でNO)、現在レイアウトに従って遊技店400内に配置されている複数個の遊技台の将来の稼働状況を示す第1の予測データを生成して(S40)、T46において、第1の予測データを端末装置200に供給する(S60)。
【0077】
T48では、端末装置200は、第1の予測データに従って、選択済みのモデルボックスMB1によって示されるモデル名「MN1」の遊技台の将来の稼働状況を示す予測グラフPG1(図4参照)を表示する。予測グラフPG1は、横軸が将来の時刻を示すと共に、縦軸が将来の稼働状況から算出される差引を示す。予測グラフPG1も、遊技台110に対応するグラフ(図中「001」が表示されたグラフ)と、遊技台120に対応するグラフ(図中「002」が表示されたグラフ)とを含む。これにより、管理者は、遊技店400内に配置されている複数個の遊技台のレイアウトを現在レイアウトに維持する場合における各遊技台の将来の稼働状況を知ることができる。
【0078】
T60では、端末装置200は、現在表示されている模式レイアウト画面SS1Aに含まれる現在レイアウトL1を変更するための変更操作を受け付ける。変更操作を受け付けると、端末装置200は、変更レイアウト情報を生成する。具体的には、図5に示すように、管理者は、模式レイアウト画面SS1Aにおいて、遊技台110を示す台ボックスと、遊技台130を示す台ボックスと、を入れ替える操作を行う。入れ替える操作は、例えば、クリック&ドロップである。これにより、遊技台110を示す台ボックスは、位置P3を示す箇所に配置され、遊技台130を示す台ボックスは、位置P1を示す箇所に配置される。さらに、管理者は、模式レイアウト画面SS1Aにおいて、遊技台120を示す台ボックスと、遊技台140を示す台ボックスと、を入れ替える操作を行う。これにより、遊技台120を示す台ボックスは、位置P4を示す箇所に配置され、遊技台140を示す台ボックスは、位置P2を示す箇所に配置される。
【0079】
そして、端末装置200は、上記の変更操作が加えられた後のレイアウト画面SC1Bに表示されている変更レイアウトL2を示す変更レイアウト情報を生成する。変更レイアウト情報では、位置P1〜P4が、それぞれ、台番号「003」、「004」、「001」、「002」と関連付けられている。即ち、変更レイアウト情報によって表される変更レイアウトL2は、現在レイアウトL1と異なっている。
【0080】
図3のT70では、管理サーバ10は、管理装置200において、レイアウト画面SC1Bの実行ボタンB1が選択される場合に、端末装置200から変更レイアウト情報を含む実行要求を取得する(S30でYES)。T72では、管理サーバ10は、実行要求が変更レイアウト情報を含むので(S32でYES)、変更レイアウトに従って遊技店400内に配置されている複数個の遊技台の将来の稼働状況を示す第2の予測データを生成して(S50)、T74において、第2の予測データを端末装置200に供給する(S60)。
【0081】
T76では、端末装置200は、第2の予測データに従って、選択済みのモデルボックスMB1によって示されるモデル名「MN1」の遊技台の将来の稼働状況を示す予測グラフPG2を表示する。予測グラフPG2は、横軸が将来の時刻を示すと共に、縦軸が将来の稼働状況から算出される差引を示す。変更レイアウトL2では、モデル名「MN1」の遊技台110は、現在レイアウトL1に従って配置されている位置P1とは異なる位置P3に配置されている。予測グラフPG2は、位置P3に配置される遊技台110の将来の稼働状況を示す。これにより、管理者は、位置が変更される遊技台の将来の稼働状況を知ることができる。
【0082】
さらに、端末装置200は、新規な遊技台を示す新たな台番号を、レイアウト画面SC1Bの模式レイアウト画面SS1Bに表示される台番号が割り当てられていない台ボックスに入力する操作を受け付ける。具体的には、図5に示すように、管理者は、新たな台番号「005」を位置P5の台ボックスに入力する操作を行う。端末装置200は、新たな台番号が入力される操作が行われる場合に、モデル名を入力するための入力画面(不図示)を表示する。管理者は、さらに、入力画面においてモデル名「MN3」を入力することができる。端末装置200は、当該入力画面にモデル名「MN3」が入力されると、模式レイアウト画面SS1Cを含むレイアウト画面SC1Cを表示部に表示させるとともに、位置P5と、台番号「005」と、モデル名「MN3」と、を関連付けて、新たな変更レイアウト情報を生成する。
【0083】
管理サーバ10は、T70〜T74と同様の処理を実行することにより、新たな変更レイアウト情報に従って配置されている複数個の遊技台であって、新規な遊技台を含む複数個の遊技台のそれぞれの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを端末装置200に供給する。
【0084】
端末装置200は、レイアウト画面SC1Cのモデル名「MN3」を示すモデルボックスMB3が選択される場合に、台番号「005」によって示される新規な遊技台150の将来の稼働状況を示す予測グラフ(不図示)を表示する。これにより、管理者は、新規な遊技台の将来の稼働状況を知ることができる。
【0085】
(本実施例の効果)
管理サーバ10は、現在レイアウトに従って配置される複数個の遊技台のそれぞれの将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを生成する(T44)。そして、端末装置200は、第1の予測データに従って、予測グラフPG1を表示する(T48)。また、管理サーバ10は、変更レイアウトに従って配置される複数個の遊技台のそれぞれの将来の稼働状況の予測値を含む第2の予測データを生成する(T72)。そして、端末装置200は、第2の予測データに従って、予測グラフPG2を表示する(T76)。遊技店400の管理者は、予測グラフPG1を見ることで、現在レイアウトL1における将来の稼働状況の予測値を知ることができるとともに、予測グラフPG2を見ることで、現在レイアウトL2における将来の稼働状況の予測値を知ることができる。そのため、遊技店400の管理者は、予測グラフPG1と予測グラフPG2を比較して、現在レイアウトL1と変更レイアウトL2のうちから適切なレイアウトを選択することができる。即ち、管理者のレイアウトの決定を補助することができる。
【0086】
また、管理サーバ10は、第1及び第2の予測データを生成する場合に、利用者行動情報30を用いて得られる対象行動値を利用して予測値を算出する(S40、S50)。これにより、遊技店400の利用者の行動を考慮して、予測値を算出することができるので、予測値の精度を向上させることができる。また、さらに、管理サーバ10は、特性情報32を用いて得られる対象特性値を利用して予測値を算出する(S40、S50)。これにより、遊技店400の環境的特性を考慮して、予測値を算出することができるので、予測値の精度を向上させることができる。また、さらに、管理サーバ10は、平均データ34を利用して予測値を算出する(S40、S50)。これにより、遊技店400内の対象モデルの遊技台の将来の稼働状況を示すモデル式を、対象モデルのモデル平均値を考慮して算出することができるので、当該モデル式を利用して算出される予測値の精度を向上させることができる。
【0087】
(対応関係)
遊技店400が「対象領域」の一例である。管理サーバ10、遊技台110〜140が、それぞれ、「サーバ」、「デバイス」の一例である。メモリ24が「記憶装置」の一例である。現在レイアウト、変更レイアウトが、それぞれ、「第1のレイアウト」、「第2のレイアウト」の一例である。稼働履歴情報RH1が「記憶済みの稼働情報」の一例である。
【0088】
(第2実施例)
本実施例では、デバイス情報は、現在位置情報に代えて位置履歴情報を含む。例えば、図1のデバイス情報DI1は、現在位置情報CP1に代えて位置履歴情報PH1を含む。位置履歴情報PH1は、遊技店400内において遊技台110が過去から現在に至るまでに配置されていた位置の履歴を示す。即ち、位置履歴情報PH1は、識別情報「ID1」によって示される遊技台110の位置情報のデータベースである。
【0089】
管理サーバ10のメモリ24に位置履歴情報が記憶されるまでに、端末装置200及び管理サーバ10において実行される処理について説明する。まず、管理者は、遊技店400内の遊技台の位置を変更する場合に、端末装置200の操作部を操作し、変更対象の遊技台を示す識別情報と、新たな配置位置を示す位置情報を入力する。この場合、端末装置200のCPUは、入力された識別情報を含む台情報と関連付けて、新たな配置位置を示す位置情報と、当該情報が入力された時刻を示す入力時刻情報と、を、端末装置200のメモリに記憶させる。即ち、入力時刻情報によって示される時刻は、変更対象の遊技台が当該新たな配置位置に配置される期間の始期を示す。これにより、CPUは、台情報に関連付けて、当該台情報によって示される遊技台の過去から現在に至るまでに配置されていた位置の履歴を示す位置履歴情報をメモリに記憶させる。そして、CPUは、所定のタイミング毎に、メモリに記憶された各台情報及び位置履歴情報の組合せを管理サーバ10に供給する。
【0090】
ここで、デバイス情報DI1の位置履歴情報PH1に着目して説明を続ける。管理サーバ10のCPU22は、端末装置200から、各台情報及び現在位置情報の組合せを取得すると、取得された各組合せのうちから、識別情報「ID1」を含む組合せと、識別情報「ID1」に関連付けられているデバイス情報DI1を特定する。CPU22は、メモリ24に記憶されているデバイス情報DI1に含まれる位置履歴情報PH1が、特定された組合せに含まれる位置履歴情報と異なっている場合に、特定された組合せに含まれる位置履歴情報を、位置履歴情報CP1として新たに記憶させる(即ち更新する)。
【0091】
なお、第1実施例では、稼働履歴情報RH1は、遊技台110が現在配置されている位置における稼働状況を示す稼働状況情報のみを含んでいればよい。これに対して、本実施例では、稼働履歴情報RH1は、過去から現在に至るまでの全ての配置位置における稼働状況情報を含む。例えば、遊技台110が、位置P1に配置される前に、位置P3に配置されていた場合、稼働履歴情報RH1は、過去の位置P3における遊技台110の稼働状況を示す稼働状況情報と、現在の位置P1における遊技台110の稼働状況を示す稼働状況情報と、を含む。
【0092】
(予測処理;図2
本実施例では、S12、S40、S50の処理の内容が第1実施例と異なる点を除き、第1実施例と同様の処理が実行される。
【0093】
S12では、CPU22は、複数個のデバイス情報のそれぞれから位置履歴情報を特定し、特定済みの位置履歴情報を利用して、各遊技台の最新の日時における位置を特定する。そして、CPU22は、特定済みの位置を利用して、第1実施例と同様に、現在レイアウト情報を生成する。
【0094】
S40では、CPU22は、第1実施例で利用される情報に加えて、メモリ24内の複数個のデバイス情報のそれぞれの位置履歴情報を利用して、第1の予測データを生成する。
【0095】
具体的には、CPU22は、第1実施例と同様に、対象モデル平均値、対象行動値及び対象特性値(即ち上記のX1〜X3)を算出する。そして、本実施例では、CPU22は、第1実施例の対象履歴情報に代えて、現在履歴情報及び過去履歴情報を特定する。現在履歴情報は、各遊技台が現在配置されている位置における稼働状況の履歴を示し、過去履歴情報は、各遊技台が過去に配置されていた位置における稼働状況の履歴を示す。
【0096】
例えば、遊技台110が、位置P1に配置される前に、位置P3に配置されていた場合、CPU22は、位置履歴情報から、位置P1を示す位置情報が入力された時刻を示す入力時刻情報(即ち、遊技台110が位置P1に配置された時期の始期を示す情報)を特定する。そして、CPU22は、特定済みの入力時刻情報によって示される時刻より前の時刻における稼働状況情報を、位置P3における稼働状況の履歴を示す過去履歴情報として特定する。CPU22は、特定済みの入力時刻情報によって示される時刻以後の時刻における稼働状況情報を、位置P1における稼働状況の履歴を示す現在履歴情報として特定する。なお、遊技台110が、位置P1に配置される前に、2個以上の位置に配置されていた場合、CPU22は、2個以上の位置のそれぞれにおける過去履歴情報を特定する。
【0097】
ここでは、この現在履歴情報をX4Aとし、過去履歴情報をX4B、X4C・・・とする。
【0098】
そして、CPU22は、上記のX1〜X4A、X4B・・・を用いて、当該対象遊技台の稼働状況の予測値を数値化するための数値化方程式(即ち、Y=aX1+bX2+cX3+dX4A+eX4B・・・)を作成する。ここで、a〜eの各値は、実際に予測値を算出する際にX1〜X4A等に掛け合わされる係数である。a〜eの各値は、この時点では定まっていない。
【0099】
その後、CPU22は、同様の手法に従って、複数個の遊技台のそれぞれについての数値化方程式を作成し、それらを用いて重回帰分析を行うことで、a〜e等の各係数を算出する。そして、CPU22は、算出されたa〜e等の各係数を、複数個の数値化方程式のそれぞれに代入する。この結果、上記の各数値化方程式において、Yの値(即ち、予測値)が算出される。これにより、CPU22は、各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む第1の予測データを得ることができる。
【0100】
また、S50では、CPU22は、対象遊技台が配置されている対象位置を特定する際に、変更レイアウト情報によって示されている位置を用いることを除き、S40と同様の手法に従って、第2の予測データを算出する。
【0101】
(本実施例の効果)
本実施例では、第1実施例で利用される情報に加えて、位置履歴情報と稼働履歴情報を利用して得られる過去履歴情報を利用して、第1及び第2の予測データを生成する。これにより、第1及び第2の予測データの精度を向上させることができる。
【0102】
(第3実施例)
第1実施例の技術は、所定の地域内に所定のレイアウトで配置される店舗の将来の売上の予測にも適用することができる。
【0103】
図6に示す通信システム900は、所定の地域に配置される各店舗の売上状況を予測するためのサービスを提供するためのシステムである。図6に示されるように、通信システム900は、管理サーバ500と、端末装置700と、複数個の店舗(例えば、飲食店)610〜640と、を備える。店舗610〜640は、地域800(例えば、所定の県)内に配置されている。端末装置700は、店舗610〜640を管理する管理者(即ち、フランチャイザー)が利用可能な場所(例えば、管理者の勤務先)に配置されている。端末装置700は、インターネット6を介して、管理サーバ500と相互に通信可能である。各店舗は、各店舗の売上を管理する管理端末(不図示)を備えている。各管理端末は、インターネット6を介して、端末装置700と相互に通信可能である。なお、以下では、「店舗内の管理端末が、情報を端末装置700に供給する」ことを、「店舗が、情報を端末装置700に供給する」と、表現する。
【0104】
(店舗610〜640の構成)
店舗610〜640は、1つの地域800内において、現在レイアウトL31に従って配置されている。現在レイアウトL31は、地域800内における店舗610〜640を含む複数個の店舗のそれぞれが実際に配置されている配置領域を示す。現在レイアウトL31は、地域800内の複数個の店舗のそれぞれについて、当該店舗が配置されている地域800内における領域(即ち、領域A1〜A4を含む複数の領域)を定義している。図6の例では、現在、店舗610〜640は、それぞれ、領域A1〜A4に配置されている。例えば、領域A1〜A4は、それぞれ、地域800内の互いに異なる4個の市町村を示す。
【0105】
店舗610〜640のそれぞれには、識別情報「ID11」〜「ID14」(例えば、店舗内の管理端末の製造番号)が割り当てられている。また、店舗610、620は、互いに同じフランチャイズ店(即ち、同じブランド名の店)であり、そのブランド名はBN11である。一方、店舗630、640も、互いに同じフランチャイズ店であり、そのブランド名はBN12である。
【0106】
店舗610は、1日毎に、自店の売上状況に関係する売上情報を生成して端末装置700に供給する。売上情報は、識別情報「ID11」と、自店の売上状況を示す売上状況情報と、来店者数と、を含む。来店者数は、店舗610に1日で訪れた来店者の数を示す。他の店舗620〜640も、同様に、売上情報を1日毎に端末装置700に供給している。
【0107】
(端末装置700の構成)
端末装置700は、管理者(即ち、フランチャイザー)によって設置されるコンピュータであり、地域800内の複数個の店舗を管理するための装置である。端末装置700は、第1実施例の端末装置200と同様に、図示しない表示部、操作部及び制御部を備えている。制御部のメモリは、地域800内の複数個の店舗のそれぞれから取得された売上情報を記憶する。端末装置700は、1日毎に、メモリ内の売上情報を管理サーバ500に供給する。
【0108】
また、管理者は、地域800内に店舗を新たに配置する際に、当該店舗に関する各種情報を端末装置700に登録するために、操作部を操作し、当該店舗の特徴を示す各種情報(当該店舗の識別情報、当該店舗のブランド名、当該店舗の店番号等)を端末装置700に入力する。ここで、店番号は、管理者が地域800内の各店舗を識別するために独自に割り当てる番号である。例えば、図1の例では、店舗610(識別情報「ID11」、ブランド名「BN11」)には、店番号「001」が割り当てられている。入力された各種情報(以下では「店情報」と呼ぶ)は端末装置700のメモリに記憶される。管理者は、地域800内に新たに配置する店舗が複数個存在する場合、各店舗について、同様に店情報の入力を行う。この結果、端末装置700のメモリには、遊技店800内に現在配置されている各店舗610〜640のそれぞれに対応する店情報が記憶される。
【0109】
さらに、管理者は、第1実施例と同様に、操作部を操作し、各店舗情報のそれぞれが示す店舗について、当該店舗が配置される地域800内における領域(例えば図6のA1等)を示す現在領域情報を端末装置700に入力する。入力された現在領域情報は、当該店舗を示す店舗情報と対応付けられてメモリに記憶される。
【0110】
そして、端末装置700のCPUは、所定のタイミング毎に、メモリに記憶された各店情報及び現在領域情報の組合せを管理サーバ500に供給する。
【0111】
また、管理者は、端末装置700の操作部を操作して、地域800の特性情報を端末装置700に予め入力する。特性情報は、地域800内の複数の領域のそれぞれにおける環境的特性に関係する情報である。各環境的特性は、各領域内の人口及び人口構成、各領域内の施設に関係する情報(例えば、駅、競合する他の店舗等の有無、その数、自店からの距離等)を含む。入力された特性情報は、端末装置700のメモリに記憶される。そして、端末装置700のCPUは、予め、メモリ内の特性情報を管理サーバ10に供給する。管理者が特性情報の内容を更新した場合も、CPUは、メモリ内の更新済みの特性情報を随時管理サーバ10に供給する。
【0112】
(管理サーバ500の構成)
管理サーバ500は、通信システム900を利用して、各店舗の将来の売上状況を予測するサービスを提供するサービス提供者によって設置されるサーバである。管理サーバ500は、通信I/F502及び制御部520を備える。制御部520は、CPU522及びメモリ524を備える。メモリ524には、プログラム526と、デバイス情報DI11〜DI14と、特性情報532と、平均データ534と、が記憶されている。通信I/F502及び制御部520の構成は、基本的には、第1実施例の管理サーバ10の通信I/F12及び制御部20の構成と同様である。ただし、本実施例では、複数個のデバイス情報DI11〜DI14の内容と、特性情報532の内容と、平均データ534の内容と、が第1実施例と異なる。特性情報532は、端末装置700から取得される特性情報である。平均データ534は、複数個のデバイス情報に含まれる複数のブランド名が示すブランドの店舗のそれぞれについてのブランド平均値を含む。ブランド平均値は、同一のブランド(例えば、ブランド名BN11によって示されるブランド)に属する複数個の店舗であって、地域800内に配置されている複数個の店舗の売上状況の平均を示す。
【0113】
デバイス情報DI11は、識別情報「ID11」と、店番号「001」と、ブランド名「BN11」と、売上状況情報の履歴を示す売上履歴情報SH11と、店舗610が現在配置されている領域を示す現在領域情報CA11と、店舗610の来店者数の履歴を示す来店者数履歴情報VH11と、を含む。即ち、売上履歴情報SH11は、第1実施例の稼働履歴情報RH1(図1参照)と同様に、識別情報「ID11」によって示される店舗610の売上状況情報のデータベースである。現在領域情報CA11は、地域800内で店舗610が現在配置されている領域を示す。来店者数履歴情報VH11は、店舗610の来店者数の履歴を示す。即ち、来店者数履歴情報VH11は、店舗610の来店者数のデータベースである。
【0114】
本実施例でも、管理サーバ500のCPU522は、端末装置700から取得される各店舗情報及び現在位置情報の組合せ、及び、各店舗の売上情報と、に基づいて、デバイス情報DI11〜DI14をメモリ524に記憶させる。CPU522が端末装置700から各店情報及び現在位置情報の組合せを取得する手法、端末装置700から各店舗の売上情報を取得する手法、及び、それらに基づいてデバイス情報DI11〜DI14をメモリ524に記憶させる手法は、第1実施例の管理サーバ10のCPU22がデバイス情報DI1〜DI4をメモリ24に記憶させる手法と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0115】
(予測処理;図2
本実施例でも、CPU522は、図2の予測処理を実行する。本実施例の予測処理の内容は、基本的には第1実施例と同様であるが、S40、S50の処理の内容が第1実施例とは異なる。
【0116】
S40では、CPU522は、現在レイアウト(例えばL31)に従って地域800内に配置されている各店舗の将来の売上状況の予測値を含む第1の予測データを生成する。
【0117】
本実施例における各店舗の将来の売上状況の予測値の算出方法の具体例を説明する。ただし、以下に説明する算出方法はあくまで一例であり、実際にはCPU522は他の任意の算出方法で予測値を算出してもよい。
【0118】
CPU522は、複数個の店舗のうちから、稼働状況を算出する対象である1個の対象店舗を特定する。そして、CPU522は、当該対象店舗のブランド(「対象ブランド」と呼ぶ)を特定する。次いで、CPU522は、平均データ534を参照し、当該対象ブランドのブランド平均値(「対象ブランド平均値」と呼ぶ)を特定する。ここでは、この対象ブランド平均値をX1とする。
【0119】
さらに、CPU522は、メモリ524内の現在領域情報を参照し、対象店舗が配置されている領域(「対象領域」と呼ぶ)を特定する。そして、CPU522は、メモリ524内の対象店舗の来店者数履歴情報VH11を参照して、対象店舗に対する来店者の行動を所定の手法で数値化した対象行動値を算出する。ここでは、この対象行動値をX2とする。
【0120】
さらに、CPU522は、メモリ524内の特性情報532を参照して、対象領域の特性を所定の手法で数値化した対象特性値を算出する。ここでは、この対象特性値をX3とする。
【0121】
さらに、CPU522は、メモリ524内の対象店舗に対応するデバイス情報(例えば図6のDI11)に含まれる当該対象店舗の売上履歴情報(「対象売上履歴情報」と呼ぶ)を特定する。ここでは、この対象売上履歴情報をX4とする。
【0122】
そして、CPU522は、第1実施例と同様に、上記のX1〜X4を用いて、当該対象店舗の売上状況の予測値を数値化するための数値化方程式を作成する。具体的には、CPU522は、Y=aX1+bX2+cX3+dX4という数値化方程式を作成する。
【0123】
その後、CPU522は、複数個の店舗のうちから、他の対象店舗を特定し、上記の手法に従って、当該他の対象店舗の数値化方程式を作成する。これを繰り返すことにより、複数個の店舗のそれぞれについての数値化方程式が作成される。
【0124】
そして、CPU522は、複数個の店舗のそれぞれについての数値化方程式を用いて重回帰分析を行う。即ち、CPU522は、複数個の数値化方程式を用いた連立方程式(例えば、最小二乗法等により算出される連立方程式)を計算することにより、a〜dの各係数を算出する。
【0125】
CPU522は、算出されたa〜dの各係数を、複数個の数値化方程式のそれぞれに代入する。この結果、上記の各数値化方程式において、Yの値(即ち、予測値)が算出される。これにより、CPU522は、各店舗の将来の売上状況の予測値を含む第1の予測データを得ることができる。
【0126】
また、S50では、CPU522は、変更レイアウト情報と、メモリ24内の複数個のデバイス情報のそれぞれの売上履歴情報及び来店者数履歴情報と、特性情報532と、平均データ534と、を利用して、変更レイアウトに従って地域800内に配置されている各店舗の将来の売上状況の予測値を含む第2の予測データを生成する。第2の予測データを生成する処理は、対象店舗が配置されている対象領域を特定する際に、変更レイアウト情報によって示されている領域を用いることを除き、S40と同様である。
【0127】
本実施例においても、第1実施例と同様に、地域800の管理者(即ち、フランチャイザー)は、第1の予測データに従って端末装置700に表示される予測グラフと、第2の予測データに従って端末装置700に表示される予測グラフと、を比較して、現在レイアウトと変更レイアウトのうちから適切なレイアウトを選択することができる。地域800、店舗610〜640が、それぞれ、「対象領域」、「デバイス」の一例である。売上履歴情報SH11が、「記憶済みの稼働情報」の一例である。
【0128】
(第4実施例)
本実施例は、第1実施例の変形例である。本実施例では、管理サーバ10は、遊技台が未だ配置されていない遊技店400(即ち、これから出店される予定の遊技店400)において、将来に配置される遊技台の稼働状況を示す予測値を算出する。
【0129】
(通信システムの構成;図1
本実施例では、遊技店400は、出店前であり、遊技台110〜140は、未だ遊技店400内に配置されていない。また、ビデオカメラ300も、実際の利用者の撮影を開始していない。そのため、本実施例では、端末装置200は、遊技台から稼働情報を取得せず、ビデオカメラから画像データも取得しない。そのため、本実施例では、メモリ24内のデバイス情報DI1〜DI4は稼働履歴情報を含まない。また、メモリ24には、利用者行動情報30及び平均データ34も記憶されない。
【0130】
本実施例では、遊技店400の管理者は、将来遊技店400に配置する予定の各遊技台に関する台情報(即ち、識別情報、モデル名、台番号等)を事前に端末装置200に入力する。さらに、管理者は、各台情報のそれぞれが示す遊技台について、当該遊技台が配置される予定の遊技店400内における位置を示す現在位置情報を入力する。端末装置200は、第1実施例と同様に、所定のタイミング毎に、メモリに記憶された各台情報及び現在位置情報の組合せを管理サーバ10に供給する。
【0131】
また、管理者は、遊技店400の特性情報も予め端末装置200に入力しておく。端末装置200は、入力された特性情報を管理サーバ10に供給する。
【0132】
これにより、上記の通り、本実施例のメモリ24内にも、遊技店400に配置される予定の各遊技台に対応するデバイス情報、及び、遊技店400の特性情報が記憶される。
【0133】
(予測処理;図2
本実施例では、CPU22が実行する予測処理の内容は、基本的には第1実施例と共通するが、S12、S40の処理の内容が第1実施例と異なる。また、本実施例ではS14、S32、S50の処理が実行されない点も第1実施例とは異なる。
【0134】
S12では、端末装置200から、遊技店400内における複数個の遊技台の将来のレイアウト(即ち、管理者が配置する予定の複数個の遊技台のレイアウト)を示す将来レイアウト情報を生成する。将来レイアウト情報の生成手法は、第1実施例における現在レイアウト情報の生成手法と基本的に同様であるため、詳しい説明は省略する。本実施例では、各遊技台が配置される予定の位置を示す現在位置情報に従って将来レイアウト情報が生成される点が第1実施例とは異なる。
【0135】
S40では、CPU22は、S12で生成された将来レイアウト情報が示す将来レイアウトに従って遊技店400内に配置される各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む特定の予測データを生成する。具体的には、S40では、CPU22は、S12で生成された将来レイアウト情報と、稼働関係情報と、特性情報32と、を利用して、特定の予測データを生成する。ここで、稼働関係情報は、他店において稼働中の同モデルの遊技台の稼働情報を示す情報である。稼働関係情報は予めベンダによって提供される。また、稼働関係情報は、他店の環境的特性を示す情報も含む。なお、変形例では、稼働関係情報は、予め遊技台のベンダが提供しているモデル平均値(カタログ値等)であってもよい。稼働関係情報は、予めメモリ24に記憶されている。
【0136】
具体的な予測値の算出手法は、第1実施例のS40で説明した手法とほぼ同様である。ただし、本実施例では、メモリ24内に平均データ34及び利用者行動情報30が記憶されていないため、対象モデル平均値(上記のX1及びX2)は特定されない。さらに、本実施例では、メモリ24内の対象遊技台に対応するデバイス情報は対象稼働履歴情報を含まない。そのため、CPU22は、対象稼働履歴情報に代えて、上記の稼働関係情報のうちから、稼働関係情報に含まれる他店の環境的特性を示す情報と、特性情報32と、を参照して、対象遊技台と同モデルの遊技台に対応する情報(以下、「対象稼働関係情報」と呼ぶ)を特定する。そして、CPU22は、第1実施例と同様に、複数個の遊技台のそれぞれについての数値化方程式を用いて重回帰分析を行い、各遊技台の将来の稼働状況の予測値を算出する。これにより、CPU22は、各遊技台の将来の稼働状況の予測値を含む特定の予測データを得ることができる。
【0137】
本実施例では、管理サーバ10は、複数個の当店遊技台を遊技店400内に実際に配置する前に、将来レイアウト情報と、稼働関係情報と、を利用して、特定の予測データを生成する。これにより、管理者は、特定の予測データを利用して、将来レイアウトに従って遊技店400内に複数個のデバイスを実際に配置するか否かを決定することができる。
【0138】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0139】
(変形例1) メモリ24は、利用者行動情報30を記憶していなくてもよい。この場合、CPU22は、対象行動値X2(即ち、利用者行動情報30)を利用せずに、第1及び第2の予測データを生成してもよい。また、メモリ24は、特性情報32を記憶していなくてもよい。この場合、CPU22は、対象特性値X3(即ち、特性情報32)を利用せずに、第1及び第2の予測データを生成してもよい。また、メモリ24は、平均データ34を記憶しなくてもよい。この場合、CPU22は、対象モデル平均値X1(即ち、平均データ34)を利用せずに、第1及び第2の予測データを生成してもよい。
【0140】
(変形例2) 通信システム2は、ビデオカメラ300を備えなくてもよい。この場合、遊技台に備えられたセンサ(カメラ、赤外線センサ等)により、遊技台を利用する利用者の行動を監視してよい。端末装置200は、当該センサによる監視結果を示す結果情報を含む稼働情報を遊技台から取得してもよい。管理サーバ10は、端末装置200から結果情報を含む稼働情報を取得して、当該結果情報を利用者行動情報30としてメモリ24に記憶してもよい。
【0141】
(変形例3) 第1実施例において、「対象領域」は、遊技店400に限らない。例えば、コインランドリー、ゲームセンター等の店舗であってもよい。そして、「デバイス」は、洗濯機、ゲーム機等であってもよい。また、第3実施例において、「デバイス」は、「店舗」に限らない。例えば、自動販売機、携帯電話の販売と修理を自動で請け負う携帯電話販売機、現金自動預け払い機等であってもよい。
【0142】
(変形例4) CPU22は、図2のS30において、現在レイアウト情報によって示される現在レイアウトを変更する指示を示す指示情報を含む実行要求を取得してもよい。本変形例では、例えば、端末装置200は、現在表示されている模式レイアウト画面SS1Aにおいて、遊技台110を示す台ボックスと、遊技台130を示す台ボックスと、を入れ替える操作を受け付けると、遊技台110の配置位置を位置P1から位置P3に変更する指示を示す指示情報と、遊技台130の配置位置を位置P3から位置P1に変更する指示を示す指示情報と、を生成する。そして、端末装置200は、これら指示情報を含む実行要求を管理サーバ10に供給する。管理サーバ10は、実行要求に含まれる指示情報によって示される指示に従って、S12で生成した現行レイアウト情報から変更レイアウト情報を生成する。
【0143】
(変形例5) 複数個のデバイス情報DI1〜DI4、利用者行動情報30、特性情報32、平均データ34は、管理サーバ10とは別体で設けられているデータサーバに記憶されてもよい。本変形例では、データサーバが、「記憶装置」の一例である。
【0144】
(変形例6) 現在位置情報は、管理者により、端末装置200に入力されなくてもよい。代わりに、現在位置情報は、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから取得する稼働情報に含まれていてもよい。本変形例では、例えば、管理者は、遊技店400内の位置P1に遊技台110を配置すると、位置P1を示す現在位置情報を遊技台110に入力する。端末装置200は、LAN4を介して、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから現在位置情報を含む稼働情報を取得する。そして、端末装置200は、取得された稼働情報をメモリに記憶するとともに、所定時間毎に、現在位置情報を含む稼働情報を管理サーバ10に供給する。これにより、管理サーバ10は、稼働情報に含まれる識別情報に関連付いているデバイス情報を特定し、稼働情報に含まれる現在位置情報を当該デバイス情報の現在位置情報として記憶する。
【0145】
(変形例7) 管理サーバ10及び端末装置200が1個の一体の装置として構成されてもよい。一体の装置は、管理サーバ10のメモリ24に記憶される複数個のデバイス情報と同様のデバイス情報を、一体の装置のメモリに記憶させてもよい。この場合、一体の装置は、LAN4を介して、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから稼働情報を取得すればよい。そして、一体の装置は、メモリ内から、取得された稼働情報に含まれる識別情報に関連付いているデバイス情報を特定し、当該稼働情報に含まれる稼働状況情報及び時刻情報を特定済みのデバイス情報の稼働履歴情報に追加すればよい。即ち、通信システム2では、管理サーバ10及び端末装置200のうちの少なくとも一方が、遊技店400内の複数個の遊技台のそれぞれから稼働情報を取得可能であれば、任意の構成を採用することができる。
【0146】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0147】
2、900:通信システム、4:LAN、6:インターネット、10、500:管理サーバ、12、502:通信I/F、20、520:制御部、22、522:CPU、24、524:メモリ、26、526:プログラム、110〜140:遊技台、610〜640:店舗、200、700:端末装置、30:利用者行動情報、32、532:特性情報、34、534:平均データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6