(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記カラーフィルタ層は、前記絶縁基板の上方に配置され、前記第1カラーフィルタの前記第2カラーフィルタ側とは反対側に並列して配置された第3カラーフィルタを備え、
前記第1無機絶縁膜は、前記第1カラーフィルタの前記第3カラーフィルタと対向する第2側面に接し、前記第3カラーフィルタの下面に接する請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
さらに、前記カラーフィルタ層は、前記絶縁基板の上方に配置され、前記第1カラーフィルタの前記第2カラーフィルタ側とは反対側に並列して配置された第3カラーフィルタと、前記絶縁基板の上方に配置され、前記第2カラーフィルタの前記第1カラーフィルタ側とは反対側に並列して配置された第4カラーフィルタと、を備え、
前記第3カラーフィルタの第3側面は、前記第1側面と反対側の前記第1カラーフィルタの側面に接し、前記第1無機絶縁膜は、前記第3カラーフィルタの上面に接し、前記第2カラーフィルタの前記第4カラーフィルタと対向する第4側面に接する請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本実施形態にて開示する主要な構成は、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などに適用可能である。
【0011】
まず、本実施形態に係る表示装置DSPについて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成を示す平面図である。なお、本実施形態においては、表示装置DSPが液晶表示装置である場合について説明する。
【0012】
ここで、
図1は、互いに交差する第1方向X及び第2方向Yで規定されるX−Y平面における表示パネルPNLの平面図を示している。なお、図示した例では、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差していてもよい。
【0013】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向して配置された第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層LQと、を備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、これらの間に所定のセルギャップを形成した状態で、シール材SEによって貼り合わせられている。液晶層LQは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間のセルギャップにおいてシール材SEによって囲まれた内側に保持されている。また、表示パネルPNLは、シール材SEによって囲まれた内側に画像を表示する表示領域DAを備えている。表示領域DAは、例えば、略長方形状であり、マトリクス状に配置された複数の画素PXは、表示領域DAに位置している。なお、表示領域DAは、他の多角形状であっても良いし、そのエッジが曲線状に形成されていても良い。
【0014】
第1基板SUB1は、表示領域DAにおいて、第1方向Xに沿って延出した走査線G、第2方向Yに沿って延出した信号線S、各画素PXにおいて走査線G及び信号線Sと電気的に接続されたスイッチング素子SW、各画素PXにおいてスイッチング素子SWと電気的に接続された画素電極PEなどを備えている。また、共通電極CEは、第1基板SUB1もしくは第2基板SUB2に備えられ、画素電極PEと対向している。
【0015】
表示パネルPNLの詳細な構成については説明を省略するが、TN(Twisted Nematic)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、あるいはVA(Vertical Aligned)モードなどのX−Y平面と平行な面である基板主面の法線に沿った縦電界を利用するモード、あるいは、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モードでは、画素電極PEが第1基板SUB1に備えられる一方で、共通電極CEが第2基板SUB2に備えられる。また、IPS(In−Plane Switching)モード、IPSモードの1つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどの基板主面に沿った横電界を利用するモードでは、画素電極PE及び共通電極CEの双方が第1基板SUB1に備えられる。さらには、表示パネルPNLは、上記の縦電界、横電界、及び傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。
【0016】
表示パネルPNLは、その背面側に配置されたバックライトユニットからの光を選択的に透過することによって画像を表示する透過型パネルとして構成されていても良いし、表示パネルPNLに入射する外光を選択的に反射することによって画像を表示する反射型パネルとして構成されていても良いし、透過型及び反射型を組み合わせた半透過型パネルとして構成されても良い。
【0017】
駆動ICチップ2及びフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)基板3などの表示パネルPNLの駆動に必要な信号供給源は、表示領域DAを枠状に囲む非表示領域NDAに位置している。図示した例では、駆動ICチップ2及びFPC基板3は、第2基板SUB2の1つの基板側縁SUB2eよりも外側に延出した第1基板SUB1の実装部MTに実装されている。実装部MTは、第1基板SUB1の1つの基板側縁SUB1eに沿って形成されている。詳述しないが、第1基板SUB1は、実装部MTに信号供給源を接続するためのパッドを有している。パッドには、上記の走査線Gや信号線Sなどと電気的に接続されたものが含まれる。なお、図示した例では、第2基板SUB2の基板側縁SUB2e以外の3つの基板側縁は、第1基板SUB1の基板側縁SUB1e以外の3つの基板側縁と対向している。
【0018】
図2は、
図1に示した第1基板SUB1の表示領域DAにおける構成を示す断面図である。ここで、図中の第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと直交する方向である。また、図示した例では、第1基板SUB1は、画素電極PE及び共通電極CEを備えており、表示装置が基板主面に沿った横電界を利用するモードに適用される場合を示している。
【0019】
本実施形態においては、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0020】
第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、スイッチング素子SW、カラーフィルタ層CF、共通電極CE、画素電極PE、第1配向膜AL1などを備えている。
【0021】
第1絶縁基板10は、例えば、ガラスや樹脂などの光透過性を有する絶縁材料を用いて形成されている。第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上を覆っている。第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上を覆っている。
【0022】
スイッチング素子SWは、第1絶縁基板10の上方に配置されている。スイッチング素子SWは、半導体層SC、ゲート電極WG、ソース電極WS、ドレイン電極WDなどを備えている。半導体層SCは、第2絶縁膜12の上に配置されている。第3絶縁膜13は、半導体層SC及び第2絶縁膜12の上に配置されている。ゲート電極WGは、第3絶縁膜13の上に配置されている。第4絶縁膜14は、第3絶縁膜13及びゲート電極WGの上に配置されている。第5絶縁膜15は、第4絶縁膜14の上に配置されている。ソース電極WS及びドレイン電極WDは、第5絶縁膜15の上に配置され、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH1及びCH2を介して半導体層SCに接続されている。
【0023】
なお、図示した例では、スイッチング素子SWは、シングルゲート構造のトップゲート型の薄膜トランジスタであるが、ダブルゲート構造であっても良いし、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであっても良い。
【0024】
第6絶縁膜16は、ソース電極WS、ドレイン電極WD、第5絶縁膜15の上に配置されている。カラーフィルタ層CFは、第6絶縁膜16の上に配置されている。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFの上に配置されている。共通電極CEは、オーバーコート層OCの上に配置されている。第7絶縁膜17は、共通電極CE及びオーバーコート層OCの上に配置されている。画素電極PEは、第7絶縁膜17の上に配置され、第6絶縁膜16、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、第7絶縁膜17を貫通するコンタクトホールCH3を介してスイッチング素子SWのドレイン電極WDと電気的に接続されている。画素電極PEは、共通電極CEの上方に位置するスリットSLを備えている。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び第7絶縁膜17の上に配置されている。
【0025】
共通電極CE及び画素電極PEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料によって形成されている。
【0026】
第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、第6絶縁膜16、第7絶縁膜17は、無機絶縁膜に相当し、例えばシリコン酸化物(SiO)やシリコン窒化物(SiN)などの無機材料によって形成されている。オーバーコート層OCは、有機絶縁膜に相当し、各種樹脂等の有機材料によって形成されている。オーバーコート層OCは、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、第6絶縁膜16、第7絶縁膜17のそれぞれの膜厚よりも大きい膜厚を有している。
【0027】
なお、後述するが、本実施形態においては、カラーフィルタ層CFは、異なる色のカラーフィルタを備えている。また、第1基板SUB1は、各色のカラーフィルタの上面、下面、側面に接する単数又は複数の無機絶縁膜を備えているが、
図2においては、その図示を省略する。
【0028】
図3は、
図1に示した第1基板SUB1の構成を示す平面図である。
図3に示すように、第1基板SUB1は、走査線G、信号線S1乃至S4、カラーフィルタ層CF、画素電極PE1乃至PE10などを備えている。
【0029】
走査線Gは、第1方向Xに沿って延出している。信号線S1乃至S4は、第2方向Yに沿ってそれぞれ延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。走査線Gと信号線S1乃至S4とは、X−Y平面において互いに交差している。なお、ここでは、信号線S1乃至S4は、第2方向Yに沿って直線状に延出していているが、屈曲していても良い。
【0030】
図示した例では、カラーフィルタ層CFは、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、第3カラーフィルタCF3、第4カラーフィルタCF4、第5カラーフィルタCF5を備えている。第3カラーフィルタCF3、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2、第4カラーフィルタCF4、第5カラーフィルタCF5は、この順に第1方向Xに沿って並んでいる。これらの第1乃至第5カラーフィルタCF1乃至CF5は、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、帯状に形成されている。第1基板SUB1は、隣り合う第1乃至第5カラーフィルタCF1乃至CF5の間に、第1開口部OP1を有している。なお、後述するが、第1開口部OP1は、カラーフィルタ層CFを貫通している。
【0031】
画素電極PE3、画素電極PE1、画素電極PE2、画素電極PE4、画素電極PE5は、この順に第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。また、画素電極PE6、画素電極PE7、画素電極PE8、画素電極PE9、画素電極PE10は、この順に第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE3及びPE6は、信号線S1の左側に位置し、走査線Gを間に介して第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE1及びPE7は、信号線S1及びS2の間に位置し、走査線Gを間に介して第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE2及びPE8は、信号線S2及びS3の間に位置し、走査線Gを間に介して第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE4及びPE9は、信号線S3及びS4の間に位置し、走査線Gを間に介して第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE5及びPE10は、信号線S4の右側に位置し、走査線Gを間に介して第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。
【0032】
ここでは、画素電極PE3に着目してその構成を説明する。画素電極PE3は、電極部ELと、電極部ELの間のスリットSLと、接続部CNと、を有している。後述するが、画素電極PE3の接続部CNは、単数又は複数の無機絶縁膜を貫通する第2開口部OP2を介してスイッチング素子に接続されている。画素電極PE1及びPE2と画素電極PE4乃至PE10についても、画素電極PE3の構成と同様の構成を有している。なお、1つの画素電極に形成される電極部EL及びスリットSLの数は限定されない。
【0033】
なお、後述するが、第1基板SUB1は、共通電極を貫通する第3開口部OP3を有している。第1開口部OP1及び第2開口部OP2は、第3開口部OP3内に配置されている。また、後述するが、図示しない金属配線が信号線S1乃至S4と重なる位置に配置されていても良い。
【0034】
図4は、
図3のA−B線における表示パネルPNLの構成を示す断面図である。第1基板SUB1は上記した構成に加えて、第1無機絶縁膜IF1と、金属配線M1乃至M4と、を備えている。なお、ここでは、本実施形態の主要な部分のみを図示している。また、第2基板SUB2から第1基板SUB1を見ることを平面視と定義する。
【0035】
表示装置DSPは、第1基板SUB1と、第1基板SUB1と対向する第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に配置された液晶層LQと、を備えている。液晶層LQは、表示機能層に相当する。
【0036】
第1乃至第5カラーフィルタCF1乃至CF5は、第1絶縁基板10の上方に配置されている。第2カラーフィルタCF2は、第1カラーフィルタCF1の第1方向Xに並列して配置されている。第3カラーフィルタCF3は、第1カラーフィルタCF1の第2カラーフィルタCF2側とは反対側に第1方向Xに並列して配置されている。第4カラーフィルタCF4は、第2カラーフィルタCF2の第1カラーフィルタCF1側とは反対側に第1方向Xに並列して配置されている。第5カラーフィルタCF5は、第4カラーフィルタCF4の第2カラーフィルタCF2側とは反対側に第1方向Xに並列して配置されている。
【0037】
第1乃至第5カラーフィルタCF1乃至CF5は、例えば、赤色、青色、緑色に着色された樹脂で形成されている。樹脂を着色するための色材は、特に限定されるものではなく、例えば顔料が適用されてもよく、染料が適用されてもよい。色材として顔料を利用した場合、耐久性の良好なカラーフィルタを得ることができる。また、色材として染料を用いた場合、光透過率の高いカラーフィルタを得ることができ、画素の輝度を向上させることができる。なお、カラーフィルタ層CFの色は、特に限定されるものではなく、白色(無着色)などの他の色のカラーフィルタを有していてもよい。
【0038】
本実施形態においては、第1カラーフィルタCF1及び第5カラーフィルタCF5は、同色のカラーフィルタであり、例えば、青色(B)である。第3カラーフィルタCF3及び第4カラーフィルタCF4は、同色のカラーフィルタであり、例えば、緑色(G)である。第2カラーフィルタCF2は、例えば、赤色(R)である。
【0039】
なお、第1乃至第3カラーフィルタCF1乃至CF3の何れか1つは、白色(W)のカラーフィルタであっても良い。又は、第1乃至第3カラーフィルタCF1乃至CF3の何れか1つの位置に、カラーフィルタを配置せずに、無着色の樹脂材料が配置されても良いし、オーバーコート層が配置されても良い。
【0040】
ここで、第1カラーフィルタCF1は、第2基板SUB2と対向する上面TS1と、第2カラーフィルタCF2と対向する第1側面SS1と、第3カラーフィルタCF3と対向する第2側面SS2と、を有している。また、第2カラーフィルタCF2は、第2基板SUB2と対向する上面TS2と、第1カラーフィルタCF1と対向する第3側面SS3と、第4カラーフィルタCF4と対向する第4側面SS4と、第1絶縁基板10と対向する下面US2と、を有している。第3側面SS3は、第1側面SS1と対向している。第3カラーフィルタCF3は、第1絶縁基板10と対向する下面US3を有している。
【0041】
図示した例では、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1を覆っている。すなわち、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1の上面TS1に接し、第1カラーフィルタCF1の第1側面SS1に接し、第2カラーフィルタCF2の下面US2に接している。また、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1の第2側面SS2に接し、第3カラーフィルタCF3の下面US3に接している。なお、第1無機絶縁膜IF1は、下面US2、第1側面SS1、上面TS1、第2側面SS2、下面US3に連続して配置されている。同様に、第1無機絶縁膜IF1は、第5カラーフィルタCF5を覆っている。
【0042】
第1無機絶縁膜IF1は、例えば、SiOやSiNなどの無機材料によって形成されている。ここで、第1無機絶縁膜IF1は、SiNで形成されている場合には、SiOで形成されている場合と比べて、密度が高く、SiOで形成されている場合には、SiNで形成されている場合と比べて、第1カラーフィルタCF1の光学特性に影響を与えにくいという利点を有している。
【0043】
信号線S1乃至S4は、カラーフィルタ層CFと第1絶縁基板10との間に配置されている。信号線S1乃至S4は、光を遮断する遮光性部材として機能する。ここで、信号線S2に着目すると、信号線S2は、平面視で第1カラーフィルタCF1と重なる一端部E1と、平面視で第2カラーフィルタCF2と重なる他端部E2と、を有している。信号線S2は、一端部E1側で第1カラーフィルタCF1によって覆われ、他端部E2側で、第1無機絶縁膜IF1によって覆われている。すなわち、第2カラーフィルタCF2と信号線S2との間には第1無機絶縁膜IF1が介在している。また、図示した例では、第2カラーフィルタCF2と信号線S3との間にも第1無機絶縁膜IF1が介在している。つまり、第2カラーフィルタCF2は、信号線S2及びS3と接していない。
【0044】
オーバーコート層OCは、第3カラーフィルタCF3、第2カラーフィルタCF2、第4カラーフィルタに接し、第1カラーフィルタCF1及び第5カラーフィルタCF5の上方で第1無機絶縁膜IF1に接している。
【0045】
金属配線M1乃至M4は、共通電極CEの上に配置されている。金属配線M1乃至M4は、それぞれ信号線S1乃至S4と対向する位置に配置されている。第7絶縁膜17は、金属配線M1乃至M4を覆っている。
【0046】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、第2配向膜AL2を備えている。第2絶縁基板20は、例えば、ガラスや樹脂などの光透過性を有する絶縁材料を用いて形成されている。第2配向膜AL2は、第2絶縁基板20の下に配置されている。第1配向膜AL1、第2配向膜AL2には、液晶表示装置の表示モードに合わせて、水平配向膜または垂直配向膜が適宜適用される。
【0047】
液晶層LQは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に配置されている。液晶層LQに含まれる液晶分子LMは、例えば、液晶層LQに電界が形成されていない状態では、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2から配向規制力を受けて初期配向する。
【0048】
本実施形態によれば、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1と第2カラーフィルタCF2との間に介在している。また、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1と第3カラーフィルタCF3との間に介在している。そのため、カラーフィルタ層CFを形成する際の熱処理や、カラーフィルタ層CFより上方に配置される部材を形成する際の熱処理によって、第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3の色素成分が第1カラーフィルタCF1へ遷移するのを抑制することができる。よって、第1カラーフィルタCF1の色度の変化が生じるのを抑制する。
【0049】
また、本実施形態によれば、第1無機絶縁膜IF1は、信号線S2と第2カラーフィルタCF2との間に介在している。そのため、第2カラーフィルタCF2が信号線を腐食する成分を含んでいたとしても、信号線S2が腐食されるのを抑制することが可能である。
ここで、上記した信号線を腐食する成分とは、例えば燐酸である。また、信号線を腐食する成分は、カラーフィルタに含有されていなくても良く、例えば、カラーフィルタに影響を与える分散剤やその他の添加物によっても信号線の腐食が生じる場合がある。
【0050】
また、本実施形態によれば、第1カラーフィルタCF1は、第1無機絶縁膜IF1によって覆われている。そのため、カラーフィルタ層CFを形成する際の熱処理や、カラーフィルタ層CFより上方に配置される部材を形成する際の熱処理によって、第1カラーフィルタCF1に含まれる色素が酸化するのを抑制することができる。よって、第1カラーフィルタCF1の色度の変化が生じるのを抑制する。
【0051】
以上より、本実施形態の構成とすることで、第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3の色素成分が第1カラーフィルタCF1へ遷移するのを抑制する効果と、第2カラーフィルタCF2に含まれる成分によって信号線S2が腐食されるのを抑制する効果と、第1カラーフィルタCF1に含まれる色素が酸化するのを抑制する効果を同時に得ることが可能である。
【0052】
よって、本実施形態によれば、表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置を得ることができる。
【0053】
なお、
図4では、第1カラーフィルタCF1に対して第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3からの色素成分の遷移が生じやすい場合と、第2カラーフィルタCF2が信号線を腐食する成分を含んでいる場合について示したが、この他の例についても後に詳述する。
【0054】
図5は、
図3のC−D線における表示パネルPNLの構成を示す断面図である。
ドレイン電極WDは、第1絶縁基板10の上方に配置されている。第1カラーフィルタCF1と第2カラーフィルタCF2との間には、カラーフィルタ層CFを貫通する第1開口部OP1が形成されている。第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1を覆い、第2カラーフィルタCF2の下に配置されている。オーバーコート層OCは、第1無機絶縁膜IF1を介して第1カラーフィルタCF1を覆っている。また、オーバーコート層OCは、第2カラーフィルタCF2を覆っている。共通電極CEは、オーバーコート層OCの上に配置され、第3開口部OP3を有している。
【0055】
第7絶縁膜17は、オーバーコート層OC及び共通電極CEを覆っている。第7絶縁膜17は、第3無機絶縁膜に相当する。第1開口部OP1内で、第1無機絶縁膜IF1と第7絶縁膜17とは接している。第2開口部OP2は、第1無機絶縁膜IF1及び第7絶縁膜17を貫通して形成されている。第2開口部OP2は、第1開口部OP1の内側に位置している。第2開口部OP2は、第1無機絶縁膜IF1及び第7絶縁膜17が形成された後に、一括して形成されるため、第1無機絶縁膜IF1の端部IF1eと第7絶縁膜17の端部17eは、第3方向Zにおいて揃っている。
【0056】
ここで、第1無機絶縁膜IF1の第3方向Zに沿った厚さT1と、第7絶縁膜17の第3方向Zに沿った厚さT2とは異なっている。厚さT2は、例えば、厚さT1より大きい。厚さT1は、例えば、約50nmである。また、厚さT2は、例えば、140〜150nmである。
【0057】
なお、第1無機絶縁膜IF1と第7絶縁膜17は、同一の材料によって形成されていても良いし、異なる材料によって形成されていても良い。例えば、第1無機絶縁膜IF1がSiNによって形成され、第7絶縁膜17がSiOによって形成されていても良いし、第7絶縁膜17がSiNによって形成され、第1無機絶縁膜IF1がSiOによって形成されていても良い。
【0058】
画素電極PEは、第7絶縁膜17の上に配置されている。画素電極PEは、第1開口部OP1、第2開口部OP2、第3開口部OP3を介してドレイン電極WDと電気的に接続されている。
【0059】
第2基板SUB2は、第1開口部OP1、第2開口部OP2、及び第3開口部OP3と重なる位置に遮光層BMを備えている。第2配向膜AL2は、遮光層BMを覆っている。
【0060】
図6は、
図3のA−B線における表示パネルPNLの他の構成を示す断面図である。
図6は、
図4に示した第1基板SUB1の構成と比較して、第1無機絶縁膜IF1が第1カラーフィルタCF1及び第2カラーフィルタCF2を覆っている点で相違している。
【0061】
すなわち、第1無機絶縁膜IF1は、第3カラーフィルタCF3の下面US3に接し、第1カラーフィルタCF1の第2側面SS2と、上面TS1と、に接し、第2カラーフィルタCF2の上面TS2と、第4側面SS4と、に接している。
【0062】
ここで、
図6は、第1カラーフィルタCF1から第3カラーフィルタCF3へ色素成分の遷移と、第2カラーフィルタCF2から第4カラーフィルタCF4へ色素成分の遷移と、が生じやすい場合について示している。また、同時に、
図6は、第3カラーフィルタCF3及び第4カラーフィルタCF4が信号線を腐食する成分を含んでいる場合について示している。
【0063】
図示した例では、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1と第3カラーフィルタCF3との間に介在している。また、第1無機絶縁膜IF1は、第2カラーフィルタCF2と第4カラーフィルタCF4との間に介在している。そのため、第1カラーフィルタCF1から第3カラーフィルタCF3への色素成分の遷移と、第2カラーフィルタCF2から第4カラーフィルタCF4への色素成分の遷移と、を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、第1無機絶縁膜IF1は、信号線S1と第3カラーフィルタCF3との間に介在している。そのため、第3カラーフィルタCF3が信号線を腐食する成分を含んでいたとしても、信号線S1が腐食されるのを抑制することが可能である。同様に、第4カラーフィルタCF4の成分によって信号線S3及びS4が腐食されるのを抑制することが可能である。
【0065】
また、図示した例では、第1カラーフィルタCF1及び第2カラーフィルタCF2は、第1無機絶縁膜IF1によって覆われている。そのため、第1カラーフィルタCF1及び第2カラーフィルタCF2に含まれる色素が酸化するのを抑制することができる。
このような構成においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0066】
図7は、
図3のA−B線における表示パネルPNLの他の構成を示す断面図である。
図7は、
図4に示した第1基板SUB1の構成と比較して、第1基板SUB1が第2無機絶縁膜IF2を備えている点で相違している。
【0067】
第2無機絶縁膜IF2は、第1カラーフィルタCF1の上方で第1無機絶縁膜IF1に接し、第2カラーフィルタCF2の上面TS2と、第4側面SS4と、に接している。
【0068】
ここで、
図7は、
図4に示したカラーフィルタ層CFの状態に加えて、第2カラーフィルタCF2と第4カラーフィルタCF4との間でも色素成分の遷移が生じやすい場合について示している。
【0069】
図示した例では、第2無機絶縁膜IF2は、第2カラーフィルタCF2と第4カラーフィルタCF4との間に介在している。そのため、第2カラーフィルタCF2と第4カラーフィルタCF4との間でも色素成分の遷移を抑制することができる。
【0070】
また、図示した例では、第2カラーフィルタCF2は、第2無機絶縁膜IF2によって覆われている。そのため、第2カラーフィルタCF2に含まれる色素が酸化するのを抑制することができる。
このような構成においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0071】
図8は、
図3のA−B線における表示パネルPNLの他の構成を示す断面図である。
図8は、
図4に示した第1基板SUB1の構成と比較して、オーバーコート層OCと金属配線M1乃至M4が配置されていない点で相違している。
【0072】
共通電極CEは、第3カラーフィルタCF3と、第2カラーフィルタCF2と、第4カラーフィルタCF4と、に接している。また、共通電極CEは、第1カラーフィルタCF1の上方及び第5カラーフィルタCF5の上方で第1無機絶縁膜IF1に接している。
このような構成においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0073】
図9は、カラーフィルタ層CF、第1無機絶縁膜IF1、オーバーコート層OCが第2基板SUB2に配置された場合の第2基板SUB2の構成を示す断面図である。図示した例では、第2基板SUB2が共通電極CEを備えており、表示装置が基板主面の法線に沿った縦電界を利用するモードに適用される場合を示している。このとき、第2基板SUB2は、カラーフィルタ層CFが配置されたカラーフィルタ基板に相当する。
【0074】
遮光層BM1乃至BM4は、第2絶縁基板20の下に配置されている。カラーフィルタ層CF及び第1無機絶縁膜IF1は、第2絶縁基板20の下方に配置されている。第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1及び第5カラーフィルタCF5を覆っている。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CF及び第1無機絶縁膜IF1を覆っている。共通電極CEは、オーバーコート層OCを覆っている。第2配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。
【0075】
図示した例では、
図4に示した構成と同様に、第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1と第2カラーフィルタCF2との間に介在し、第1カラーフィルタCF1と第3カラーフィルタCF3との間に介在している。そのため、第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3の色素成分が第1カラーフィルタCF1へ遷移するのを抑制することができる。
【0076】
また、図示した例では、第1無機絶縁膜IF1は、遮光層BM2と第2カラーフィルタCF2との間に介在している。そのため、第2カラーフィルタCF2が遮光層を腐食する成分を含んでいたとしても、遮光層BM2が腐食されるのを抑制することが可能である。
【0077】
また、図示した例では、第1カラーフィルタCF1は、第1無機絶縁膜IF1によって覆われており、
図4に示した構成と同様に、第1カラーフィルタCF1に含まれる色素が酸化するのを抑制することができる。
このような構成においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0078】
次に、
図4に示した第1基板SUB1の製造工程の一部について、
図10から
図12を用いて説明する。
【0079】
図10は、第1絶縁基板10の上方に第1カラーフィルタCF1を形成する工程を説明するための断面図である。ここで、第1絶縁基板10において、第1カラーフィルタCF1が配置される領域を第1領域AR1、第2カラーフィルタが配置される領域を第2領域AR2、第3カラーフィルタが配置される領域を第3領域AR3、第4カラーフィルタが配置される領域を第4領域AR4とする。第2領域AR2は、第1領域AR1に隣接している。第3領域AR3は、第1領域AR1の第2領域AR2とは反対側に隣接している。第4領域AR4は、第2領域AR2の第1領域AR1とは反対側に隣接している。
【0080】
まず、第1絶縁基板10の上方に信号線S1乃至S4を形成する。その後、第1絶縁基板10の第1領域AR1の上方に第1カラーフィルタCF1を形成する。このとき、第1カラーフィルタCF1は、第1側面SS1と、第2側面SS2と、上面TS1と、を有している。
【0081】
図11は、第1無機絶縁膜IF1を形成する工程を説明するための断面図である。
次に、第1無機絶縁膜IF1を形成する。第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1の第1側面SS1と、第2側面SS2と、上面TS1と、に接している。また、第1無機絶縁膜IF1は、第2領域AR2、第3領域AR3、第4領域AR4の上方にも配置されている。
【0082】
図12は、第2カラーフィルタCF2、第3カラーフィルタCF3、第4カラーフィルタCF4を形成する工程を説明するための断面図である。
次に、第2領域AR2の上方に形成された第1無機絶縁膜IF1の上に、第2カラーフィルタCF2を形成する。その後、第3領域AR3の上方に形成された第1無機絶縁膜IF1の上に、第3カラーフィルタCF3を形成し、第4領域AR4の上方に形成された第1無機絶縁膜IF1の上に、第4カラーフィルタCF4を形成する。
【0083】
上記のように、色素成分の遷移を受けやすいカラーフィルタを第1無機絶縁膜IF1を形成する前に形成し、信号線に影響を与える成分を含んだカラーフィルタを第1無機絶縁膜IF1を形成した後に形成することにより、上記した効果を得ることができる。
【0084】
次に、
図6に示した第1基板SUB1の製造工程の一部について、
図13から
図15を用いて説明する。
【0085】
図13は、第1絶縁基板10の上方に第1カラーフィルタCF1及び第2カラーフィルタCF2を形成する工程を説明するための断面図である。
第1絶縁基板10の上方に信号線S1乃至S4を形成する。その後、第1絶縁基板10の第1領域AR1の上方に第1カラーフィルタCF1を形成する。その後、第1絶縁基板10の第2領域AR2の上方に第2カラーフィルタCF2を形成する。このとき、第1カラーフィルタCF1は、第1側面SS1と、第2側面SS2と、上面TS1と、を有している。また、第2カラーフィルタCF2は、第3側面SS3と、第4側面SS4と、上面TS2と、を有している。第1側面SS1及び第3側面SS3は接している。
【0086】
図14は、第1無機絶縁膜IF1を形成する工程を説明するための断面図である。
次に、第1無機絶縁膜IF1を形成する。第1無機絶縁膜IF1は、第1カラーフィルタCF1の第2側面SS2と、上面TS1と、第2カラーフィルタCFの上面TS2と、第4側面SS4と、に接している。また、第1無機絶縁膜IF1は、第3領域AR3の上方と、第4領域AR4の上方にも配置されている。
【0087】
図15は、第3カラーフィルタCF3及び第4カラーフィルタCF4を形成する工程を説明するための断面図である。
次に、第3領域AR3の上方に形成された第1無機絶縁膜IF1の上に第3カラーフィルタCF3を形成し、第4領域AR4の上方に形成された第1無機絶縁膜IF1の上に第4カラーフィルタCF4を形成する。
【0088】
上記のように、色素成分の遷移を受けにくく、且つ、信号線に影響を与える成分をほとんど含まないカラーフィルタを第1無機絶縁膜IF1を形成する前に形成し、色素成分の遷移を受けやすく、且つ、信号線に影響を与える成分を含んだカラーフィルタを第1無機絶縁膜IF1を形成した後に形成することにより、上記した効果を得ることができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、
図3に示したように、カラーフィルタ層CFが第2方向Yに沿って延出したストライプ状のカラーフィルタを有している場合について言及したが、カラーフィルタ層CFは、それぞれ島状に形成されたカラーフィルタを備えていても良い。
【0090】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置、表示装置の製造方法、及びカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0091】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。