【実施例】
【0073】
以下、実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定解釈されるものではない。
【0074】
実施例および比較例において、各種物性および性能評価の測定方法は次のとおりである。
(1)ヘイズ
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7136に準拠して測定した。
(2)全光線透過率
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(3)反射光度
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を45度にセットし、測定ステージに白色度95.77の標準白色板を載せたときの0度方向への反射光強度を100とした。サンプル測定時は、光源の入射角をリアプロジェクションでのプロジェクター光入射角に相当する15度にセットし、0度方向への反射光の強度を測定した。
(4)反射層膜厚
反射層の膜厚測定には、SLOAN社製SURFACE TEXTURE ANALYSIS SYSTEM Dektak 3030ST、もしくはニコン社製DIGIMICRO MFC−101を用いた。また、干渉波測定(日本分光(株)製 紫外・可視・近赤外分光光度計V−570)と屈折率のデータから膜厚を求める方法も併用した。
(5)反射光度向上倍率
反射光度を測定し、反射層を備えていない光拡散層の反射光度を1としたときの向上倍率として算出した。
(6)写像性
写像性測定器(スガ試験機(株)製、品番:ICM−1T)を用い、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値を写像性とした。像鮮明度の値が大きい程、透過写像性が高いことを示す。
(7)スクリーン性能
スクリーン(積層体)の反射層を積層していない面の法線方向に対して角度15度で50cm離れた位置から、オンキョーデジタルソリューションズ(株)製のモバイルLEDミニプロジェクターPP−D1Sを用いて画像を投影した。次に、スクリーンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリーンの前方(スクリーンに対してプロジェクターと同じ側、いわゆるフロントプロジェクション)1mおよび後方(スクリーンに対してプロジェクターと反対側、いわゆるリアプロジェクション)1mの2ヶ所からスクリーンに映し出された画像を目視で下記の評価基準により評価した。スクリ−ンの前方からの観察は反射型スクリーンとしての性能が評価でき、後方からの観察により透過型スクリーンとしての性能が評価できる。
[評価基準]
◎:極めて鮮明に映像を視認することができた。映像は、色の変化もなく、蒸着していない場合と比較して輝度が向上し、より鮮明であった。
○:鮮明に映像を視認することができたが、映像によってはごく弱い青みがかった色変化が見られた。
△:映像は視認できたが、映像によっては青みがかった色変化が見られた。
×:映像の色調に赤みがかる色変化や虹色の色変化が見られた。
【0075】
[製造例1]
(1)無機微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:IP121B)を用意した。該PETペレットに、無機微粒子としてPETペレットに対して0.15質量%の酸化ジルコニウム(ZrO
2)粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径10nm)を加えて、回転型混合器にて混合することでPETペレット表面に均一にZrO
2粒子が付着したPETペレットを得た。
(2)光拡散層(フィルム)の作製(混練および製膜工程)
上記(1)のZrO
2粒子添加PETペレットを2軸スクリュー式混練押出機(テクノベル(株)製、商品名:KZW−30MG)のホッパーに投入し、100μmの厚さの光拡散フィルムを製膜した。なお、2軸スクリュー式混練押出機のスクリュー径は20mmであり、スクリュー有効長(L/D)は30であった。また、2軸スクリュー式混練押出機にはアダプタを介し、ハンガーコートタイプのTダイを設置した。押出温度は270℃とし、スクリュー回転数は500rpmとし、せん断応力は300KPaとした。使用したスクリューは全長670mmであり、スクリューのホッパー側から160mmの位置から185mmの位置までの間にミキシングエレメントを含み、かつ185mmから285mmの位置の間にニーディングエレメントを含み、その他の部分はフライト形状であった。
【0076】
[製造例2]
製造例1の(1)において、ZrO
2の添加量を2.0質量%とした以外は製造例1と同様にして光拡散層を作製した。
【0077】
[製造例3]
製造例1の(1)において、無機微粒子としてチタン酸バリウム(BaTiO
3)粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径25nm)を用いた以外は製造例1と同様にして光拡散層を作製した。
【0078】
[製造例4]
製造例1の(1)において、無機微粒子として二酸化チタン(TiO
2)粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径10nm)を用いた以外は製造例1と同様にして光拡散層を作製した。
【0079】
[製造例5]
製造例1の(1)において、無機微粒子としてPETペレットに対して0.3質量%の二酸化ケイ素(SiO
2)粒子((株)トクヤマ製、一次粒子のメジアン径90nm)を用いた以外は製造例1と同様にして光拡散層を作製した。
【0080】
[製造例6]
製造例5において、SiO
2の添加量を2.0質量%とした以外は製造例5と同様にして光拡散層を作製した。
【0081】
[製造例7]
製造例5において、SiO
2の添加量を10.0質量%とした以外は製造例5と同様にして光拡散層を作製した。
【0082】
[製造例8]
製造例1の(1)において、熱可塑性樹脂としてポリエチレンナフタレート(PEN)ペレット(帝人(株)製、商品名:テオネックスTN−8065S)を用いた以外は製造1と同様にして光拡散層を作製した。
【0083】
[製造例9]
製造例1の(1)において、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート(PC)ペレット(住化スタイロンポリカーボネート(株)製、商品名:SD2201W)を用いた以外は製造1と同様にして光拡散層を作製した。
【0084】
[製造例10]
製造例1の(1)において、熱可塑性樹脂としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)ペレット(三菱レーヨン(株)製、商品名:アクリペットVH)を用いた以外は製造1と同様にして光拡散層を作製した。
【0085】
[製造例11]
製造例1の(1)において、熱可塑性樹脂としてポリスチレン(PS)ペレット(PSジャパン(株)製、銘柄HF77)を用いた以外は製造1と同様にして光拡散層を作製した。
【0086】
[製造例12]
(1)無機微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:IP121B)を用意した。該PETペレットに、無機微粒子としてPETペレットに対して0.003質量%のZrO
2粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径10nm)を加えて、回転型混合器にて混合することでPETペレット表面に均一にZrO
2粒子が付着したPETペレットを得た。このペレットを2軸スクリュー式混練押出機(テクノベル(株)製、商品名:KZW−30MG)のホッパーに投入し、270℃で溶融混練して得られたストランドをペレタイズすることで、ZrO
2粒子0.003質量%が練り込まれたPETペレットを得た。
(2)光拡散層(プレート)の作製
上記(1)のZrO
2含有ペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業(株)社製、商品名:FNX−III)にて厚さ3mmの光拡散層(プレート)を作製した。
【0087】
[製造例13]
製造例12の(1)で得られたZrO
2粒子0.003質量%が練り込まれたPETペレットを、ZrO
2を含まないPETペレットで3倍に希釈し、これを用いて射出成型機にて厚さ10mmの光拡散層(プレート)を作製した。
【0088】
[製造例14]
(1)無機微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製
熱可塑性樹脂としてシクロオレフィンポリマー(COP)ペレット(日本ゼオン(株)製、商品名:1020R)を用意した。該COPペレットに、無機微粒子としてCOPペレットに対して0.15質量%のZrO
2粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径10nm)を加えて、回転型混合器にて混合することでペレット表面に均一にZrO
2粒子が付着したCOPペレットを得た。このペレットを2軸スクリュー式混練押出機(テクノベル(株)製、商品名:KZW−30MG)のホッパーに投入し、260℃で溶融混練して得られたストランドをペレタイズすることで、ZrO
2粒子0.15質量%が練り込まれたCOPペレットを得た。
(2)光拡散層(フィルム)の作製(混練および製膜工程)
上記(1)のZrO
2粒子添加COPペレットを2軸スクリュー式混練押出機(テクノベル(株)製、商品名:KZW−30MG)のホッパーに投入し、500μmの厚さの光拡散フィルムを製膜した。なお、2軸スクリュー式混練押出機のスクリュー径は20mmであり、スクリュー有効長(L/D)は30であった。また、2軸スクリュー式混練押出機にはアダプタを介し、ハンガーコートタイプのTダイを設置した。押出温度は260℃とし、スクリュー回転数は500rpmとし、せん断応力は300KPaとした。使用したスクリューは全長670mmであり、スクリューのホッパー側から160mmの位置から185mmの位置までの間にミキシングエレメントを含み、かつ185mmから285mmの位置の間にニーディングエレメントを含み、その他の部分はフライト形状であった。
【0089】
[製造例15]
製造例14の(1)で得られたZrO
2粒子0.15質量%が練り込まれたCOPペレットを、ZrO
2を含まないCOPペレットで5倍に希釈し、これを用いて射出成型機にて厚さ1mmの光拡散層(プレート)を作製した。
【0090】
[実施例1]
製造例1にて作製した光拡散層の片面に、スパッタにより二酸化チタン(TiO
2)を厚さ15nmになるよう積層して反射層を形成し、反射型スクリーン用積層体を得た。得られた反射型スクリーン用積層体はごく薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は10.8%、全光線透過率は82%と十分な透明性を有していた。
色再現性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。特に後方から見る反射像は色の変化もなく、蒸着していない場合と比較して輝度が向上し、より鮮明であった。変角光度計にて、未蒸着面から光が当たるように積層体をステージに載せて測定した正面反射光度を、反射層のないフィルムでの測定値で除して求めた反射光度向上倍率は4.1倍であった。また、写像性は、79%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0091】
[実施例2]
TiO
2の膜厚を30nmとした以外は実施例1と同様にして反射型スクリーン用積層体を作製した。得られた積層体は薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は11.3%、全光線透過率は70%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は6.2倍であった。また、写像性は、76%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0092】
[実施例3]
TiO
2の膜厚を150nmとした以外は実施例1と同様に積層体を作製した。得られた積層体は茶色の光沢をもち、ヘイズ値は11.0%、全光線透過率は70%であった。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、実施例1、および2に比べてやや色調が赤みを帯びたものの、鮮明に映像を視認することができた。変角光度計にて、未蒸着面から光が当たるように積層体をステージに載せて測定した正面反射光度を、反射層のないフィルムでの測定値で除して求めた反射光度向上倍率は6.4倍であった。また、写像性は、72%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0093】
[実施例4]
製造例1にて作製した光拡散層の片面に、蒸着より硫化亜鉛(ZnS)を厚さ10nmになるよう積層して反射層を形成し、積層体を得た。得られた積層体はほぼ無色で、ヘイズ値は9.5%、全光線透過率は90%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は3.0倍であった。また、写像性は、81%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0094】
[実施例5]
ZnSの膜厚を60nmとした以外は実施例4と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は10.0%、全光線透過率は70%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は11.0倍であった。また、写像性は、77%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0095】
[実施例6]
ZnSの膜厚を80nmとした以外は実施例4と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は9.8%、全光線透過率は72%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、映像によってはごく弱い青みがかった色変化が見られた。反射光度向上倍率は7.5倍であった。また、写像性は、73%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0096】
[実施例7]
ZnSの膜厚を140nmとした以外は実施例4と同様に積層体を作製した。得られた積層体は赤から黄色の光沢をもち、ヘイズ値は9.2%、全光線透過率は88%であった。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、実施例4および5に比べてやや色調が虹色に変化したものの、鮮明に映像を視認することができた。変角光度計にて、未蒸着面から光が当たるように積層体をステージに載せて測定した正面反射光度を、反射層のないフィルムでの測定値で除して求めた反射光度向上倍率は6.9倍であった。また、写像性は、71%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0097】
[実施例8]
製造例2にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は47.8%、全光線透過率は72%とやや白濁しているものの十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は2.7倍であった。また、写像性は、65%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0098】
[実施例9]
製造例12にて作製した光拡散層(プレート)を用いた以外は実施例5と同様にして積層体(プレート)を作製した。得られた積層体(プレート)はうすい青色の光沢をもち、ヘイズは3.2%、全光線透過率は71%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体(プレート)を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.8倍であった。また、写像性は、83%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0099】
[実施例10]
製造例13にて作製した光拡散層(プレート)を用いた以外は実施例5と同様にしてスクリーン用積層体(プレート)を作製した。得られた積層体(プレート)はうすい青色の光沢をもち、ヘイズは3.2%、全光線透過率は71%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体(プレート)を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.2倍であった。また、写像性は、77%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0100】
[実施例11]
製造例3にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は10.8%、全光線透過率は70%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.2倍であった。また、写像性は、77%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0101】
[実施例12]
製造例4にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は9.9%、全光線透過率は73%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は6.0倍であった。また、写像性は、78%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0102】
[実施例13]
製造例5にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は1.8%、全光線透過率は71%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は3.0倍であった。また、写像性は、79%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0103】
[実施例14]
製造例6にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は5.2%、全光線透過率は72%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.5倍であった。また、写像性は、75%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0104】
[実施例15]
製造例7にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い青色の光沢をもち、ヘイズ値は37.0%、全光線透過率は72%とやや白濁しているものの十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は3.1倍であった。また、写像性は、62%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0105】
[実施例16]
製造例8にて作製した光拡散層の片面に、蒸着により酸化インジウムスズ(ITO)を厚さ80nmになるよう積層して反射層を形成し、積層体を得た。得られた積層体はごく薄い灰色の光沢をもち、ヘイズ値は10.5%、全光線透過率は80%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は3.9倍であった。また、写像性は、82%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0106】
[実施例17]
製造例9にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例2と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は9.2%、全光線透過率は71%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は3.5倍であった。また、写像性は、79%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0107】
[実施例18]
製造例9にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は9.5%、全光線透過率は70%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は8.5倍であった。また、写像性は、78%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0108】
[実施例19]
製造例10にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は7.8%、全光線透過率は75%と十分な透明性を有していた。
得られたフィルムを実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.6倍であった。また、写像性は、83%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0109】
[実施例20]
製造例11にて作製した光拡散層を用いた以外は実施例5と同様にして積層体を作製した。得られた積層体は薄い茶色の光沢をもち、ヘイズ値は7.8%、全光線透過率は71%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.8倍であった。また、写像性は、85%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0110】
[実施例21]
製造例14にて作製した光拡散層(プレート)を用いた以外は実施例5と同様にして積層体(プレート)を作製した。得られた積層体(プレート)はうすい茶色の光沢をもち、ヘイズは23.1%、全光線透過率は67%とやや白濁しているものの十分な透明性を有していた。
得られた積層体(プレート)を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は6.2倍であった。また、写像性は、73%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0111】
[実施例22]
製造例15にて作製した光拡散層(プレート)を用いた以外は実施例5と同様にして積層体(プレート)を作製した。得られた積層体(プレート)はうすい茶色の光沢をもち、ヘイズは10.1%、全光線透過率は65%と十分な透明性を有していた。
得られた積層体(プレート)を実施例1と同様の方法で評価した結果、ほとんど色変化のない鮮明な映像を視認できた。反射光度向上倍率は4.8倍であった。また、写像性は、83%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0112】
[比較例1]
製造例1にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は9.0%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例1および実施例2に比べて劣っていた。また、写像性は、87%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
[比較例2]
製造例2にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は47.3%、全光線透過率は88%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例8に比べて劣っていた。また、写像性は、69%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0113】
[比較例3]
製造例12にて作製した光拡散層(プレート)をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズは2.8%、全光線透過率は89%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例9に比べて劣っていた。また、写像性は、88%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0114】
[比較例4]
製造例13にて作製した光拡散層(プレート)をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズは3.2%、全光線透過率は88%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例10に比べて劣っていた。また、写像性は、80%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0115】
[比較例5]
製造例3にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は10.0%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例11に比べて劣っていた。また、写像性は、80%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0116】
[比較例6]
製造例4にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は9.35%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例12に比べて劣っていた。また、写像性は、80%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0117】
[比較例7]
製造例5にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は1.8%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例13に比べて劣っていた。また、写像性は、82%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0118】
[比較例8]
製造例6にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4.9%、全光線透過率は88%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例14に比べて劣っていた。また、写像性は、78%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0119】
[比較例9]
製造例7にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は36.0%、全光線透過率は89%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例15に比べて劣っていた。また、写像性は、65%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0120】
[比較例10]
製造例8にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は8.9%、全光線透過率は88%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例16に比べて劣っていた。また、写像性は、86%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0121】
[比較例11]
製造例9にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は8.8%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例17および実施例18に比べて劣っていた。また、写像性は、87%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0122】
[比較例12]
製造例10にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は10.9%、全光線透過率は92%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例19に比べて劣っていた。また、写像性は、88%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0123】
[比較例13]
製造例11にて作製した光拡散層をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は7.4%、全光線透過率は90%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例20に比べて劣っていた。また、写像性は、89%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0124】
[比較例14]
製造例14にて作製した光拡散層(プレート)をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は22.6%、全光線透過率は83%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例21に比べて劣っていた。また、写像性は、77%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0125】
[比較例15]
製造例15にて作製した光拡散層(プレート)をそのまま反射型スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は9.6%、全光線透過率は81%であった。実施例1と同様の方法で評価した結果、透過像は鮮明であったが、反射像の光度は実施例22に比べて劣っていた。また、写像性は、74%であり、積層体を透過して見える像が鮮明であった。
【0126】
実施例および比較例で用いた積層体の詳細を表1に示す。
【表1】
【0127】
実施例および比較例で用いた積層体の各種物性および性能評価の結果を表2に示す。
【表2】