特許第6707512号(P6707512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707512抗菌薬および抗菌薬関連化合物の高透過性組成物またはプロドラッグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707512
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】抗菌薬および抗菌薬関連化合物の高透過性組成物またはプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   C07D 499/76 20060101AFI20200601BHJP
   A61P 31/04 20060101ALN20200601BHJP
【FI】
   C07D499/76
   !A61P31/04
【請求項の数】1
【全頁数】128
(21)【出願番号】特願2017-228121(P2017-228121)
(22)【出願日】2017年11月28日
(62)【分割の表示】特願2015-112700(P2015-112700)の分割
【原出願日】2010年6月10日
(65)【公開番号】特開2018-48197(P2018-48197A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2017年12月27日
(31)【優先権主張番号】12/482,373
(32)【優先日】2009年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】200910141944.X
(32)【優先日】2009年6月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514291255
【氏名又は名称】テックフィールズ ファーマ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】ユー チョンシー
(72)【発明者】
【氏名】シュー リナ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユーフア
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ビンビン
(72)【発明者】
【氏名】トゥー シーチアン
【審査官】 横田 倫子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/072032(WO,A1)
【文献】 特公昭57−000843(JP,B1)
【文献】 特公昭55−000391(JP,B1)
【文献】 特開昭53−077083(JP,A)
【文献】 特開昭54−046800(JP,A)
【文献】 特開昭52−153992(JP,A)
【文献】 特開昭54−019993(JP,A)
【文献】 特開昭56−046885(JP,A)
【文献】 特開昭58−216191(JP,A)
【文献】 Dermatologica,1967年,Vol.134, No.3,p.129-134
【文献】 Chemical Abstracts AN 61:33936,1964年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 499/76
A61P 31/04
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)機能単位;
b)リンカー;
c)輸送単位;
を含む化合物であって、
前記機能単位は、前記リンカーを通して前記輸送単位と共有結合しており;
前記機能単位は、前記抗菌薬または前記抗菌薬関連化合物の部分を含み;
前記輸送単位は、プロトン化可能なアミン基を含み;かつ
前記リンカーは、前記高透過性組成物が生物学的障壁を透過した後で切断することができる化学結合を含
以下の化学構造:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Fは、構造FP−7であり、
[この文献は図面を表示できません]
1〜Y4およびY31は、それぞれ、独立して、H、OH、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、R6、OCH3、OC25、CH3SO2、CH3SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルから選択され、
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールから選択され、
5は、H、ならびに置換および非置換アルキルから選択され、
1は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(H)−、および−N(L3)−から選択され、
2は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(H)−、および−N(L3)−から選択され、
4は、C=OまたはC=Sであり;
1およびL2の各々について、L3は、独立に、置換および非置換アルキル、ならびに置換および非置換アルコキシルから選択され、
Tは、構造W−2または構造W−4であり、
[この文献は図面を表示できません]
HAは、何もない、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択され、
Rは、何もない、ならびに置換および非置換アルキルから選択され、
1は、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基から選択され、かつ
11〜R13は、それぞれ、独立して、置換および非置換アルキルから選択される、化学構造
を有する前記化合物、またはその立体異性体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2009年6月10日出願の米国特許出願第12/482373号の部分継続出願であり、この米国特許出願に対する優先権を請求する。本出願はまた、参照により本明細書に組み込まれる2009年6月10日出願の中国特許出願第200910141944.Xに対する優先権も請求する。
【0002】
本発明は、1つまたは複数の生物学的障壁を透過することができる医薬組成物、ならびに抗菌薬および抗菌薬関連化合物により治療可能なヒトおよび動物の状態または疾患を予防、診断、および/または治療するために該医薬組成物を使用する方法の分野に関する。本発明はまた、新規薬物候補をスクリーニングするための前記医薬組成物の使用方法、および生物学的被験体の状態を診断するための前記組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
抗菌薬は、細菌、真菌、もしくは原虫などの微生物を死滅させる、またはその生育を阻害する、ならびにウイルスを破壊する物質である。抗菌薬の主なクラスには、例えば、細菌に関連する状態を治療する抗生物質、ウイルスに関連する状態を治療する抗ウイルス薬、真菌に関連する状態を治療する抗真菌薬、および原虫に関連する状態を治療する抗原虫薬が含まれる。
【0004】
β−ラクタム抗生物質は、その分子構造中に4員環β−ラクタム核を含む抗生物質のクラスである。100,000種を超えるβ−ラクタム抗生物質が、部分的または全体的化学合成により調製されてきた(L.A.Mitscher等、Antibiotic and Antimicrobial Drugs、D.F.Smith編、Handbook of Stereoisomers;Therapeutic Drugs、Boca Raton、FL、CRC Press、1989;R.B.MorinおよびM.Gorman編、Chemistry and Biology of Beta‐lactum Antibiotics、第1〜3巻、ニューヨーク、Acatemic Press、1982;ならびにA.L.DemainおよびN.A.Solomon編、Antibiotics Containing the Beta‐lactam Structure、第1巻および第2巻、Handbook of experimental Pharmacology、第67巻、ニューヨーク、Springer、1983)。β−ラクタム抗生物質の例としては、ペニシリン誘導体、セファロスポリン(cephalosporin)、モノバクタム、カルバペネム、β−ラクタマーゼ阻害薬、スルホンアミド、およびキノロンが挙げられる。
【0005】
病原体は経時的に突然変異するので、抗菌薬の広範な使用に伴って、薬剤耐性が共通の深刻な問題となっている。そのため、新規の抗菌薬を開発することが緊急の努力を要する課題である。
【0006】
多種多様な抗菌薬が、静脈点滴、筋肉内注射、皮下、頬側、経口、および直腸経路を通して投与される。経口投与は、消化管からの抗生物質の吸収が不十分であるという欠点を有する。静脈内、皮下、および筋肉内経路は、痛いだけでなく、訓練を受けた個人による投与を要し、針による傷害、感染、および他の外傷などの他の危険性をもたらし得る。
【0007】
薬物投与の1つの代替方法は、局所送達である。局所薬物送達は、いくつかの利点を有する。この方法は、肝臓および消化管における初回通過代謝により引き起こされる薬物の不活性化を回避する。この方法はまた、全身曝露なしに適当な濃度の薬物を所期の作用部位に局所送達する。Fishman(Fishman;Robert、米国特許第7052715号)は、経口投薬に関連する追加の問題は、遠位領域の痛み、炎症、または感染を効果的に治療するために血流中で達成されなければならない濃度レベルが有意でなければならないことであることを示した。これらのレベルは、通常、薬物が痛みまたは傷害の特定部位に正確に送達される場合に必要であるレベルよりもはるかに高い。抗菌薬の大半については、局所投与は有効な治療レベルを送達することができない。
【0008】
そのため、状態(例えば、疾患)の作用部位に効率的かつ効果的に送達されて、状態を予防、減少、または治療する、ならびに有害な副作用を最小限にすることができる、新規組成物の必要性が当技術分野には存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、リンカーを通して輸送単位に共有結合している機能単位を含む高透過性プロドラッグ(HPP)または高透過性組成物(HPC)に関する。「HPP」および「HPC」という用語は、本明細書において単独でまたは一緒に使用され、特に言及しない限り、互換的である。
【0010】
ある実施形態では、HPPまたはHPCの機能単位は、親薬物の部分を含み、ここでは、生物学的被験体への親薬物の効率的かつ効果的送達および/または1つもしくは複数の生物学的障壁を横切る親薬物の輸送が望まれる。
【0011】
ある実施形態では、機能単位は、親水性、親油性、または両親媒性(すなわち、親水性および親油性の両方)であり得る。例えば、機能単位の親油性の性質は、固有のものであっても、または機能単位の親水性部分を親油性部分に転換することにより達成してもよい。ある実施形態では、HPPまたはHPCをより親油性にするために、機能単位のカルボキシル基、アミノ基、グアニジン基、または他の親水基を、アルキル、アリール、またはヘテロアリールエステル、またはアミド基で保護する。
【0012】
ある実施形態では、HPPまたはHPCの機能単位は、抗菌薬または抗菌薬関連化合物の部分を含む。抗菌薬は、細菌、真菌、もしくは原虫などの微生物を死滅させる、またはその生育を阻害する、ならびにウイルスを破壊する物質である。
【0013】
抗菌薬関連化合物は、抗菌薬構造、抗菌薬代謝産物、またはHPPもしくはHPCが、1つもしくは複数の生物学的障壁を透過した後に、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物に代謝され得る薬剤を含む化合物である。抗菌薬関連化合物は、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物の類似体または模倣体、あるいはHPPもしくはHPCが1つもしくは複数の生物学的障壁を透過した後に、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物の類似体または模倣体に代謝され得る薬剤である化合物をさらに含む。
【0014】
抗菌薬の例としては、例えば、細菌に関連する状態を治療する抗生物質、ウイルスに関連する状態を治療する抗ウイルス薬、真菌に関連する状態を治療する抗真菌薬、および原虫に関連する状態を治療する抗原虫薬が挙げられる。
【0015】
抗生物質の例としては、β−ラクタム抗生物質、スルホンアミド、およびキノロンが挙げられるがそれらに限定されない。β−ラクタム抗生物質の例としては、それだけに限定されないが、ペニシリン誘導体、セファロスポリン、ペネム、モノバクタム、カルバペネム、β−ラクタマーゼ阻害薬、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ペニシリン誘導体の例としては、それだけに限定されないが、アミノペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、およびエピシリン);カルボキシペニシリン(例えば、カルベニシリン、チカルシリン、およびテモシリン);ウレイドペニシリン(例えば、アズロシリン、ピペラシリン、およびメズロシリン);メシリナム、スルベニシリン、ベンザチンペニシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ペニシリンO(アリルメルカプトメチルペニシリン)、プロカインペニシリン、オキサシリン、メチシリン、ナフシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン(bacampicillin)、メタンピシリン、タランピシリン、コ−アモキシクラブ(アモキシシリンとクラブラン酸)、ならびにピペラシリンが挙げられる。セファロスポリンの例としては、それだけに限定されないが、セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロル、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフォラニド、セフトリアキソン、セフォタキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフェピム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフィキシム、およびセフピロムが挙げられる。ペネムの例としては、ファロペネムが挙げられるが、それに限定されない。モノバクタムの例としては、アズトレオナムおよびチゲモナムが挙げられるが、それらに限定されない。カルバペネムの例としては、それだけに限定されないが、ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、およびパニペネムが挙げられる。β−ラクタマーゼ阻害薬の例としては、それだけに限定されないが、タゾバクタム([2S−(2α,3β,5α)]−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム塩)、スルバクタム((2S,5R)−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム)、およびクラブラン酸((2R,5R,Z)−3−(2−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸)が挙げられる。抗生物質の他の例としては、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(4−ニトロフェニル)エステルナトリウム塩、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(3−ピリジニル)エステルナトリウム塩、スルファニルアミド(4−アミノベンゼンスルホンアミド)、スルファサラジン(6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸)、1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−7−ピペラジン−1−イル−キノリン−3−カルボン酸、ナリジクス酸(1−エチル−7−メチル−4−オキソ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0016】
スルホンアミドの例としては、スルファイソジミジン、スルファニルアミド、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファジメトキシン、スルファメトキシピリダジン、スルファセタミド、スルファドキシン、アセタゾラミド、ブメタニド、クロルタリドン、クロパミド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メフルシド、メトラゾン、キシパミド、ジクロルフェナミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド、エトキシゾラミド、スルチアム、ゾニサミド、マフェニド、セレコキシブ、ダルナビル、プロベネシド、スルファサラジン、およびスマトリプタンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0017】
キノロンの例としては、シノキサシン、フルメキン、ナリジクス酸、オキソリニン酸、ピロミド酸、ピペミド酸、ロソクサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ロメフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、パズフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、ゲミフロキサシン、シタフロキサシン、トロバフロキサシン、プルリフロキサシン、ガレノキサシン、エンロフロキサシン(enrofloxacin)、デラフロキサシン、およびナリジクス酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0018】
抗ウイルス薬の例としては、リファンピシン、ザナミビル、およびオセルタミビルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0019】
抗真菌薬の例としては、ポリエン系抗真菌薬(例えば、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ニスタチン、アムホテリシンB、カンジシン)、イミダゾール系抗真菌薬(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、およびチオコナゾール)、トリアゾール系抗真菌薬(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、およびテルコナゾール)、チアゾール系抗真菌薬(例えば、アバファンジン)、アリルアミン系抗真菌薬(例えば、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、およびブテナフィン)、エキノキャンディン系抗真菌薬(例えば、アニデュラファンギン、カスポファンギン、およびミカファンギン)、ならびに安息香酸、シクロピロックス、トルナフタート、ウンデシレン酸、フルシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジンなどの他の抗真菌薬が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
抗原虫薬の例としては、エフロールニチン(eflornithine)、フラゾリドン、メラルソプロール、メトロニダゾール、オルニダゾール、硫酸パロモマイシン、ペンタミジン、ピリメタミン、およびチニダゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
ある実施形態では、HPPまたはHPCの輸送単位は、1つまたは複数の生物学的障壁を通るHPPまたはHPCの輸送または通過を、促進または増強することができるプロトン化可能なアミン基を含む。ある実施形態では、プロトン化可能なアミン基は、HPPまたはHPCが透過する生物学的障壁のpHで実質的にプロトン化される。ある実施形態では、アミン基は、可逆的にプロトン化または脱プロトン化され得る。
【0022】
ある実施形態では、リンカーは、機能単位とHPPの輸送単位を共有結合させ、HPPが1つまたは複数の生物学的障壁を透過した後で切断することができる結合を含む。切断可能な結合には、例えば、共有結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、炭酸結合、カルバメート結合、リン酸結合、またはオキシム結合が含まれる。
【0023】
ある実施形態では、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPCは、生理的pHで、プロトン化形態で存在する1個もしくは2個の第一級、第二級、または第三級アミン基を含む。ある実施形態では、HPPまたはHPCは、生理的pHで、プロトン化形態で存在する1個の第一級、第二級、または第三級アミン基を含む。
【0024】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPC、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0025】
本発明の別の態様は、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPCを使用した生物学的障壁を透過させる方法に関する。
【0026】
本発明の別の態様は、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPCを使用することにより、生物学的被験体の状態の発症、進展、または寛解を診断する方法に関する。ある実施形態では、HPP(もしくはHPC)またはその機能単位は、検出可能である。ある実施形態では、HPPまたはHPPの機能単位は、本質的に検出可能であるか、検出可能なマーカーで標識される、または検出可能なマーカーと結合する。
【0027】
本発明の別の態様は、所望の特徴について機能単位、リンカー、または輸送単位をスクリーニングする方法に関する。
【0028】
本発明の別の態様は、生物学的被験体に本発明による組成物を投与することにより、生物学的被験体の状態を予防、回復、または治療する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、被験体に治療上有効量の抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物を投与することにより、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物により治療可能な被験体の状態を治療することに関する。ある実施形態では、本方法により治療可能な状態には、痛み、傷害、および微生物に関連する状態が含まれるが、それらに限定されない。微生物に関連する状態は、細菌、真菌、原虫、およびウイルスなどの微生物により引き起こされる状態である。例えば、細菌により引き起こされる状態(細菌に関連する状態)、原虫により引き起こされる状態(原虫に関連する状態)、真菌により引き起こされる状態(真菌に関連する状態)、およびウイルスにより引き起こされる状態(ウイルスに関連する状態)である。細菌に関連する状態には、例えば、感染症(例えば、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門および肛門掻痒などの器官の感染状態)、呼吸器感染症、上気道感染症、尿路感染症、院内感染症、緑膿菌感染症、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌感染症(例えば、皮膚感染症、中毒症、急性細菌性心内膜炎、敗血症、壊死性肺炎)、インプラント補綴の感染症、敗血症および肺炎による日和見感染症、ペスト(例えば、腺ペストおよび肺ペスト)、炭疽(例えば、皮膚炭疽、肺炭疽、および胃腸炭疽)、ライム病、ブルセラ症、百日咳、急性腸炎、オウム病、非淋菌性尿道炎、トラコーマ、新生児の封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫、偽膜性大腸炎、ガス壊疽、食中毒、嫌気性蜂巣炎、ジフテリア、乳児の髄膜炎、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、野兎病、肺炎、気管支炎、消化性潰瘍、レジオネラ病、ポンティアック熱、レプトスピラ症、リステリア症、ハンセン病、結核、マイコプラズマ肺炎、淋病、新生児眼炎、化膿性関節炎、髄膜炎菌性疾患、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、ロッキー山紅斑熱、腸チフス型サルモネラ症、胃腸炎および全腸炎によるサルモネラ症、細菌性赤痢、細菌性赤痢、膀胱炎、髄膜炎、敗血症、子宮内膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、梅毒、壊死性筋膜炎、連鎖球菌性咽頭炎、猩紅熱、リウマチ熱、膿痂疹、丹毒、産褥熱、およびコレラが含まれる。原虫に関連する状態には、例えば、マラリア、睡眠病、およびトキソプラズマ症が含まれる。真菌に関連する状態には、例えば、アスペルギルス症、ブラストミセス症、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、および接合菌症が含まれる。ウイルスに関連する状態には、例えば、インフルエンザ、黄熱病、およびAIDSが含まれる。
【0029】
ある実施形態では、HPPまたはHPCの医薬組成物は、それだけに限定されないが、経口、経腸、頬側、経鼻、局所、直腸、膣、エアロゾル、経粘膜、表皮、経皮、真皮、眼、肺、皮下、および/または非経口経路で、生物学的被験体に投与される。ある好ましい実施形態では、HPPまたはHPCの医薬組成物は、経口的に、経皮的に、局所的に、皮下的に、および/または非経口的に投与される。
【0030】
本発明の利点によると、いかなる特定の機構にも限定されることを意図せずに、治療上有効量のHPPまたはHPCを、高濃度で状態の部位に局所的に投与することができ、その結果として全身投与よりも低い全体的投与量となる。本発明の利点には、例えば、全身投与の回避、有害作用(例えば、注射の痛み、消化管/腎臓の影響、および他の副作用)の減少、ならびにHPP、HPC、または活性剤の高い局所濃度による新規治療の可能性も含まれる。利点には、例えば、より迅速でより効率的な生物学的利用能、通過するのが困難であった生物学的障壁(例えば、血液脳関門および血液乳関門)の透過、ならびに生物学的障壁の通過の結果としての新たな効能を達成するための生物学的被験体へのHPPまたはHPCの全身投与がさらに含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a1】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(A)、アリルメルカプトメチルペニシラン酸2−ジメチルアミノエチルエステル塩酸塩(B)、6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジプロピルアミノエチルエステル塩酸塩(C)、6−(5−メチル−3−フェニル−2−イソキサゾリン−4−カルボキサミド)ペニシラン酸4−ピペリジンエチルエステル塩酸塩(D)、6−[3−(o−クロロフェニル)−5−メチル−4−イソキサゾールカルボキサミド]ペニシラン酸3−ピペリジンエチルエステル塩酸塩(E)、6−[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−メチル−4−イソキサゾールカルボキサミド]ペニシラン酸1−ピペリジンエチルエステル塩酸塩(F)、ペニシリンV(G)、ペニシリンO(H)、メチシリン(I)、オキサシリン(J)、クロキサシリン(K)、およびジクロキサシリン(L)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
図1a2】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、6−[D(−)−α−アミノフェニルアセトアミドペニシラン酸エチルエステル塩酸塩(A)、D−α−[(イミダゾリジン−2−オン−1−イル)カルボニルアミノ]ベンジルペニシリン2−ピロリジンメチルエステル塩酸塩(B)、6R−[2−[3−(メチルスルホニル)−2−オキソ−1−イミダゾリジンカルボキサミド]−2−フェニルアセトアミド]ペニシラン酸1−ピロリジンエチルエステル塩酸塩(C)、6−D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニルアミノ)−α−フェニルアセトアミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(D)、7−(2−チエニルアセトアミド)セファロスポラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(E)、アンピシリン(F)、アズロシリン(G)、メズロシリン(H)、ピペラシリン(piperacillin)(I)、およびセファロチン(J)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
図1a3】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、7−[(ヒドロキシフェニルアセチル)アミノ]−3−[[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ]メチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(A)、3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−[[2−フラニル(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(B)、3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−メトキシ−8−オキソ−7−[(2−チエニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(C)、7−[[[2−(アセチルアミノメチル)フェニル]アセチル]アミノ]−3−[[[1−(エトキシカルボニルメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]チオ]メチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(D)、7−[(アセチルアミノフェニルアセチル)アミノ]−3−クロロ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(E)、セファマンドール(F)、セフロキシム(G)、セフォキシチン(H)、セフォラニド(I)、およびセファクロル(J)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
図1a4】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、3−[(アセチルオキシ)メチル]−7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(A)、7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(B)、7−[[[[(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニル)カルボニル]アミノ](4−アセトキシフェニル)アセチル]アミノ]−3−[[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ]メチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(C)、7−[2−(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)−2−((Z)−メトキシイミノ)アセトアミド]−3−(メトキシメチル)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(D)、7−[2−(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)−2−((Z)−エトキシカルボニルメトキシ)イミノ]アセトアミド]−3−(ビニル)−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(E)、セフォタキシム(F)、セフチゾキシム(G)、セフォペラゾン(H)、セフポドキシムプロキセチル(I)、およびセフィキシム(J)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
図1b】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、[2S−(2α,3β,5α)]−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム塩(タゾバクタム、F)、[2S−(2α,3β,5α)]−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシド1−ピペリジンエチルエステル.HCl塩(タゾバクタム−PEE、A)、(2S,5R)−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム塩(スルバクタム、G)、(2S,5R)−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドN,N−ジエチルアミノエチルエステル.HCl塩(スルバクタム−DEE、B)、(2R,5R,Z)−3−(2−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸(クラブラン酸、H)、(2R,5R,Z)−3−(2−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4−ピペリジンエチルエステル.HCl塩(クラブラン酸−PEE、C)、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(4−ニトロフェニル)エステルナトリウム塩(I)、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸(4−ニトロフェニル)(N,N−ジエチルアミノメチル)エステル.HCl塩(D)、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(3−ピリジニル)エステルナトリウム塩(J)、および[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸(3−ピリジニル)(1−ピペリジニル)エステル.HCl塩(E)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
図1c】フランツセル中の単離したヒト皮膚組織(n=5)を通過する、4−アミノベンゼンスルホンアミド(スルファニルアミド、E)、4−(4−ジメチルアミノブチリル)アミドベンゼンスルホンアミド.HCl塩(DMAB−スルファニルアミド、A)、6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸、6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸(スルファサラジン、F)、6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸N,N−ジエチルアミノプロピルエステル.HCl塩(スルファサラジン−DEPE、B)、1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−7−ピペラジン−1−イル−キノリン−3−カルボン酸(シプロフロキサシン、G)、1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−7−ピペラジン−1−イル−キノリン−3−カルボン酸ブチルエステル.HCl塩(シプロフロキサシン−BE、C)、1−エチル−7−メチル−4−オキソ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(ナリジクス酸、H)、1−エチル−7−メチル−4−オキソ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸N,N−ジエチルアミノエチルエステル.HCl塩(ナリジクス酸−DEE、D)の累積量を示す図である。各々の場合について、溶媒はpH7.4リン酸緩衝液とした(0.2M)。
【発明を実施するための形態】
【0032】
I.高透過性プロドラッグ(HPP)または高透過性組成物(HPC)の構造
本発明の一態様は、高透過性プロドラッグ(HPP)または高透過性組成物(HPC)に関する。本明細書で使用する「高透過性プロドラッグ」もしくは「HPP」または「高透過性組成物」もしくは「HPC」という用語は、リンカーを通して輸送単位と共有結合した機能単位を含む組成物を指す。
【0033】
親薬物の部分を含むHPPまたはHPCの機能単位は、1)親薬物もしくはHPP/HPCの生物学的被験体への送達、および/または生物学的障壁を横切る親薬物の輸送が望まれる、2)HPP/HPCが生物学的障壁を透過または通過することができる、ならびに3)HPP/HPCを切断して、親薬物の部分を親薬物もしくは親薬物の代謝産物へ変えることができるという特性を有する。
【0034】
ある実施形態では、機能単位は、親水性、親油性、または両親媒性(親水性および親油性)であり得る。機能単位の親油性部分は、固有のものであっても、または機能単位の1つもしくは複数の親水性部分を親油性部分に転換することにより達成してもよい。例えば、機能単位の親油性部分は、有機合成を通して1つまたは複数の機能単位の親水基を親油基に転換することにより産生される。親水基の例としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アミン基、リン酸基/ホスホン酸エステル基、グアニジン基、およびカルボニル基が挙げられるが、それらに限定されない。これらの親水基の修飾を通して産生される親油性部分には、エーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、炭酸塩、カルバミン酸塩、アミド、リン酸塩、およびオキシムが含まれるが、それらに限定されない。ある実施形態では、機能単位は、アセチル化またはアシル化(アルカノイル化)により親油化される。ある実施形態では、機能単位は、エステル化により親油化される。
【0035】
ある実施形態では、HPPまたはHPCの親薬物は、抗菌薬および抗菌薬関連化合物からなる群から選択される。抗菌薬または抗菌薬関連化合物の部分は、さらに上記のように親油性部分に転換され得る。
【0036】
抗菌薬は、細菌、真菌、もしくは原虫などの微生物を死滅させる、またはその生育を阻害する、ならびにウイルスを破壊するまたはその生育を阻害する物質である。抗菌薬の主なクラスには、例えば、細菌に関連する状態を治療する抗生物質、ウイルスに関連する状態を治療する抗ウイルス薬、真菌に関連する状態を治療する抗真菌薬、および寄生虫に関連する状態を治療する抗寄生虫薬が含まれる。
【0037】
抗菌薬関連化合物は、抗菌薬構造、抗菌薬代謝産物、またはHPPもしくはHPCが、1つもしくは複数の生物学的障壁を透過した後に、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物に代謝され得る薬剤を含む化合物である。抗菌薬関連化合物は、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物の類似体または模倣体、あるいはHPPもしくはHPCが1つもしくは複数の生物学的障壁を透過した後に、抗菌薬もしくは抗菌薬代謝産物の類似体または模倣体に代謝され得る薬剤である化合物をさらに含む。
【0038】
抗菌薬の例としては、例えば、細菌に関連する状態を治療する抗生物質、ウイルスに関連する状態を治療する抗ウイルス薬、真菌に関連する状態を治療する抗真菌薬、および原虫に関連する状態を治療する抗原虫薬が挙げられる。
【0039】
抗生物質の例としては、β−ラクタム抗生物質、スルホンアミド、およびキノロンが挙げられるがそれらに限定されない。β−ラクタム抗生物質は、当技術分野で周知であり、種々の状態に関連して使用される。本明細書で使用する場合、β−ラクタム抗生物質は、β−ラクタム核を含む化合物を指す。
【0040】
β−ラクタム抗生物質の例としては、それだけに限定されないが、ペニシリン誘導体、セファロスポリン、ペネム、モノバクタム、カルバペネム、β−ラクタマーゼ阻害薬、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ペニシリン誘導体の例としては、それだけに限定されないが、アミノペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、およびエピシリン)、カルボキシペニシリン(例えば、カルベニシリン、チカルシリン、およびテモシリン)、ウレイドペニシリン(例えば、アズロシリン、ピペラシリン、およびメズロシリン)、メシリナム、スルベニシリン、ベンザチンペニシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、ペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)、ペニシリンO(アリルメルカプトメチルペニシリン)、プロカインペニシリン、オキサシリン、メチシリン、ナフシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン(bacampicillin)、メタンピシリン、タランピシリン、コ−アモキシクラブ(アモキシシリンとクラブラン酸)、ならびにピペラシリンが挙げられる。セファロスポリンの例としては、それだけに限定されないが、セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロル、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフォラニド、セフトリアキソン、セフォタキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフェピム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフィキシム、およびセフピロムが挙げられる。ペネムの例としては、ファロペネムが挙げられるが、それに限定されない。モノバクタムの例としては、アズトレオナムおよびチゲモナムが挙げられるが、それらに限定されない。カルバペネムの例としては、それだけに限定されないが、ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、およびパニペネムが挙げられる。β−ラクタマーゼ阻害薬の例としては、それだけに限定されないが、タゾバクタム([2S−(2α,3β,5α)]−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム塩)、スルバクタム((2S,5R)−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドナトリウム)、およびクラブラン酸((2R,5R,Z)−3−(2−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸)が挙げられる。抗生物質の他の例としては、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(4−ニトロフェニル)エステルナトリウム塩、[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸モノ−(3−ピリジニル)エステルナトリウム塩、スルファニルアミド(4−アミノベンゼンスルホンアミド)、スルファサラジン(6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸)、1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−7−ピペラジン−1−イル−キノリン−3−カルボン酸、およびナリジクス酸(1−エチル−7−メチル−4−オキソ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0041】
スルホンアミドの例としては、スルファイソジミジン、スルファニルアミド、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファジメトキシン、スルファメトキシピリダジン、スルファセタミド、スルファドキシン、アセタゾラミド、ブメタニド、クロルタリドン、クロパミド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メフルシド、メトラゾン、キシパミド、ジクロルフェナミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド、エトキシゾラミド、スルチアム、ゾニサミド、マフェニド、セレコキシブ、ダルナビル、プロベネシド、スルファサラジン、およびスマトリプタンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0042】
キノロンの例としては、シノキサシン、フルメキン、ナリジクス酸、オキソリニン酸、ピロミド酸、ピペミド酸、ロソクサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ロメフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、パズフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、ゲミフロキサシン、シタフロキサシン、トロバフロキサシン、プルリフロキサシン、ガレノキサシン、エンロフロキサシン(enrofloxacin)、デラフロキサシン、およびナリジクス酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0043】
抗ウイルス薬の例としては、リファンピシン、ザナミビル、およびオセルタミビルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0044】
抗真菌薬の例としては、ポリエン系抗真菌薬(例えば、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ニスタチン、アムホテリシンB、およびカンジシン)、イミダゾール系抗真菌薬(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、およびチオコナゾール)、トリアゾール系抗真菌薬(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、およびテルコナゾール)、チアゾール系抗真菌薬(例えば、アバファンジン)、アリルアミン系抗真菌薬(例えば、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、およびブテナフィン)、エキノキャンディン系抗真菌薬(例えば、アニデュラファンギン、カスポファンギン、およびミカファンギン)、ならびに安息香酸、シクロピロックス、トルナフタート、ウンデシレン酸、フルシトシン、グリセオフルビン、およびハロプロジンなどの他の抗真菌薬が挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】
抗原虫薬の例としては、エフロールニチン(eflornithine)、フラゾリドン、メラルソプロール、メトロニダゾール、オルニダゾール、硫酸パロモマイシン、ペンタミジン、ピリメタミン、およびチニダゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0046】
ある実施形態では、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの機能単位は、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造F−1:
【化1】
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構造F−1
の構造を有する部分を含む。
【0047】
明細書中に特に明示しない限り、Yは、H、OH、NHCHO、NHC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、OCH3、OC25、OR6、CH3、C25、R6、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、C25、C37、OCF3、OC25、OC37、F、Br、I、Cl、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;
【化2】
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は、構造NS−1、構造NS−2、構造NS−3、構造NS−4、および構造NS−5:
【化3】
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構造NS−1 構造NS−2 構造NS−3 構造NS−4 構造NS−5
からなる群から選択され;
1は、H、OH、OCH3、OC25、OR6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2OC(=O)CH3、CH2OC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、CH2OCH3、CH3、C25、R6、Cl、F、Br、I、HC=CHCH3、HC=CH2、CH2OCH3、CH2OR6、S(CH2n−NHR7、構造X1−1、構造X1−2、構造X1−3、構造X1−4、構造X1−5、構造X1−6、構造X1−7、構造X1−8、構造X1−9、構造X1−10、構造X1−11、構造X1−12、構造X1−13、構造X1−14、構造X1−15、構造X1−16、構造X1−17、構造X1−18、構造X1−19、構造X1−20、構造X1−21、構造X1−22、構造X1−23、構造X1−24、構造X1−25、構造X1−26、構造X1−27、構造X1−28、構造X1−29、構造X1−30、構造X1−31、構造X1−32、構造X1−33、構造X1−34、構造X1−35、構造X1−36、構造X1−37、構造X1−38、構造X1−39、構造X1−40、構造X1−41、構造X1−42、構造X1−43、構造X1−44、構造X1−45、構造X1−46、構造X1−47、構造X1−48、構造X1−49、構造X1−50、構造X1−51、構造X1−52、構造X1−53、構造X1−54、構造X1−55、構造X1−56、構造X1−57、構造X1−58、構造X1−59、構造X1−60、構造X1−61、構造X1−62、構造X1−63、構造X1−64、構造X1−65、構造X1−66、構造X1−67、構造X1−68、構造X1−69、構造X1−70、構造X1−71、構造X1−72、構造X1−73、構造X1−74、構造X1−75、構造X1−76、構造X1−77、構造X1−78、構造X1−79、構造X1−80、構造X1−81、および構造X1−82からなる群から選択され;
【化4】
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構造X1−1 構造X1−2 構造X1−3
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−4 構造X1−5
【化6】
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構造X1−6 構造X1−7 構造X1−8
【化7】
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構造X1−9 構造X1−10
【化8】
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構造X1−11 構造X1−12
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−13 構造X1−14
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−15 構造X1−16
【化11】
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構造X1−17 構造X1−18
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−19 構造X1−20
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−21 構造X1−22
【化14】
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構造X1−23 構造X1−24
【化15】
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構造X1−25 構造X1−26
【化16】
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構造X1−27 構造X1−28
【化17】
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構造X1−29 構造X1−30
【化18】
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構造X1−31 構造X1−32
【化19】
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構造X1−33 構造X1−34
【化20】
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構造X1−35 構造X1−36
【化21】
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構造X1−37 構造X1−38
【化22】
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構造X1−39 構造X1−40
【化23】
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構造X1−41 構造X1−42 構造X1−43
【化24】
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構造X1−44 構造X1−45
【化25】
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構造X1−46 構造X1−47
【化26】
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構造X1−48 構造X1−49
【化27】
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構造X1−50 構造X1−51
【化28】
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構造X1−52 構造X1−53 構造X1−54
【化29】
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構造X1−55 構造X1−56 構造X1−57
【化30】
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構造X1−58 構造X1−59
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
構造X1−60 構造X1−61
【化32】
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構造X1−62 構造X1−63 構造X1−64
【化33】
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構造X1−65 構造X1−66
【化34】
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構造X1−67 構造X1−68
【化35】
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構造X1−69 構造X1−70
【化36】
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構造X1−71 構造X1−72
【化37】
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構造X1−73 構造X1−74
【化38】
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構造X1−75 構造X1−76
【化39】
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構造X1−77 構造X1−78
【化40】
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構造X1−79 構造X1−80
【化41】
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構造X1−81 構造X1−82、

Yと一緒になったRs−は、R6OCH2C(R5)=である、または単独で、R6OOCCH(NHR7)(CH2nC(=O)NH−、R6OOCCH(NHR7)(CH2nSC(=O)NH−、CF3SCH2C(=O)NH−、CF3CH2C(=O)NH−、CHF2SCH2C(=O)NH−、CH2FSCH2C(=O)NH−、NH2C(=O)CHFS−CH2C(=O)NH−、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH−、R7NHCH(L1−L4−L2−W)CH2SCH2C(=O)NH−、CNCH2SCH2C(=O)NH−、CH3(CH2nC(=O)NH−、R7N=CHNR7CH2CH2S−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH−、(CH32C(OR6)−、CNCH2C(=O)NH−、CNCH2CH2S−、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S−、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH−、CH3CH(OH)−、CH3CH(OR8)−、CH3CH(Y1)−、(CH32CH−、CH3CH2−、CH3(CH2nCH=CH(CH2mC(=O)NH−、構造Rs−1、構造Rs−2、構造Rs−3、構造Rs−4、構造Rs−5、構造Rs−6、構造Rs−7、構造Rs−8、構造Rs−9、構造Rs−10、構造Rs−11、構造Rs−12、構造Rs−13、構造Rs−14、構造Rs−15、構造Rs−16、構造Rs−17、構造Rs−18、構造Rs−19、構造Rs−20、構造Rs−21、構造Rs−22、構造Rs−23、構造Rs−24、構造Rs−25、構造Rs−26、構造Rs−27、構造Rs−28、構造Rs−29、構造Rs−30、構造Rs−31、構造Rs−32、構造Rs−33、構造Rs−34、構造Rs−35、構造Rs−36、構造Rs−37、構造Rs−38、構造Rs−39、構造Rs−40、構造Rs−41、構造Rs−42、構造Rs−43、構造Rs−44、構造Rs−45、および構造Rs−46からなる群から選択され;
【化42】
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構造Rs−1 構造Rs−2
【化43】
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構造Rs−3 構造Rs−4
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−5 構造Rs−6
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−7 構造Rs−8
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−9 構造Rs−10
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−11 構造Rs−12
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−13 構造Rs−14
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−15 構造Rs−16
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−17 構造Rs−18
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−19 構造Rs−20
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−21 構造Rs−22
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−23 構造Rs−24
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−25 構造Rs−26
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−27 構造Rs−28
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−29 構造Rs−30
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−31 構造Rs−32
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−33 構造Rs−34
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−35 構造Rs−36
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−37 構造Rs−38
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−39 構造Rs−40
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−41 構造Rs−42
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−43 構造Rs−44
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
構造Rs−45 構造Rs−46;

Wは、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシ、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、プロトン化可能なアミン基、薬学的に許容される置換および非置換第一級アミン基、構造Wa、構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択され;
【化65】
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構造Wa 構造W−1 構造W−2 構造W−3
【化66】
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構造W−4 構造W−5 構造W−6
【化67】
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構造W−7 構造W−8 構造W−9
【化68】
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構造W−10 構造W−11 構造W−12
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
構造W−13 構造W−14 構造W−15
【化70】
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構造W−16 構造W−17 構造W−18;

Zは、CH2、S、SO、SO2、NH、NR6、CHCH3、CHCH2CH3、CHR6、R6、−C(=O)−、およびOからなる群から選択され;
AAは、任意のアミノ酸を表し;
mおよびnの各々は、独立に、0および整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、...からなる群から選択され;
HAは、何もない、および薬学的に許容される酸、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸(sulfuric acid)、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucuronic acid)、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸からなる群から選択され;
Rは、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR中の任意のCH2は、O、S、P、NR6、または任意の他の薬学的に許容される基によりさらに置換されていてもよく;
1〜R3は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基からなる群から選択され;
5およびR35は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH32、CH2CH2N(CH2CH32、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、−C(=O)−W、L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
6、R36、およびR46は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、−C(=O)−W、−L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
7およびR37は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)−、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、L1−L4−L2−W、ならびにC−(=O)−Wからなる群から選択され;
8およびR38は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C25、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR67、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C37、C49、C511、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH32C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)−W、L1−L4−L2−W、W、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
11〜R16は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR11、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
2は、H、C(=O)、C(=S)、CH2(CH2nOR8、Cl、F、Br、I、NO2、CN、CF3、C25、C37、OCF3、OC25、NH2、NHR6、CH3、C25、R6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2C(=O)OR5、CH2(CH2nN(CH32、CH2(CH2nSO35、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;
3は、H、N3、SO3W、F、Cl、Br、OH、OCH3、OR6、CH3、R6、C(=O)、C(=S)、C(=O)OW、OW、L1−L4−L2−W、およびIからなる群から選択され;
4は、N、CH、およびCY1からなる群から選択され;
5およびX35は、独立に、何もない、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
1、Y31、Y2、Y32、Y3、およびY4は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、L1−L4−L2−W、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、R6、SO36、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC25、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2nNR56、CH2(CH2nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH21−L4−L2−W、NR8C(=O)R5、SO2NR58、C(=O)R5、SR5、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
1は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、および−S−CH(L3)−O−からなる群から選択され;
2は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、−S−CH(L3)−O−、−O−L3−、−N−L3−、−S−L3−、−N(L3)−L5−、およびL3からなる群から選択され;
4は、C=O、C=S、
【化71】
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【化72】
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および
【化73】
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からなる群から選択され;
1、L2、およびL4の各々について、L3およびL5は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、P、NL3、または任意の他の薬学的に許容される基により置換されていてもよく;
6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
任意のCH2基は、O、S、またはNHにより置換されていてもよい。
【0048】
ある実施形態では、抗菌薬および抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPCの機能単位は、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造FP−1、構造FP−2、構造FP−3、構造FP−4、構造FP−5、構造FP−6、構造FP−7、構造FP−8、構造FP−9、構造FP−10、構造FP−11、構造FP−12、構造FP−13、構造FP−14、構造FP−15、構造FP−16、構造FP−17、構造FP−18、構造FP−19、構造FP−20、構造FP−21、構造FP−22、構造FP−23、構造FP−24、構造FP−25、構造FP−26、構造FP−27、構造FP−28、構造FP−29、構造FP−30、FP−31、構造FP−32、構造FP−33、構造FP−34、構造FP−35、構造FP−36、構造FP−37、構造FP−38、構造FP−39、構造FP−40、FP−41、構造FP−42、構造FP−43、構造FP−44、構造FP−45、構造FP−46、構造FP−47、構造FP−48、構造FP−49、構造FP−50、FP−51、構造FP−52、構造FP−53、構造FP−54、構造FP−55、構造FP−56、構造FP−57、構造FP−58、構造FP−59、構造FP−60、FP−61、構造FP−62、構造FP−63、構造FP−64、構造FP−65、構造FP−66、構造FP−67、構造FP−68、構造FP−69、構造FP−70、FP−71、構造FP−72、構造FP−73、構造FP−74、構造FP−75、構造FP−76、構造FP−77、構造FP−78、構造FP−79、構造FP−80、FP−81、構造FP−82、構造FP−83、構造FP−84、構造FP−85、構造FP−86、構造FI−1、構造FI−2、構造FI−3、構造FI−4、構造FI−5、構造FI−6、構造FI−7、構造FI−8、構造FI−9、構造FI−10、構造FI−11、構造FI−12、構造FI−13、構造FI−14、構造FI−15、構造FI−16、構造FI−17、構造FI−18、構造FI−19、構造FI−20、構造FI−21、構造FI−22、構造FI−23、構造FI−24、構造FI−25、構造FI−26、構造FI−27、構造FI−28、構造FI−29、構造FI−30、構造FI−31、構造FI−32、構造FI−33、構造FS−1、構造FS−2、構造FS−3、構造FS−4、構造FS−5、構造FS−6、構造FS−7、構造FS−8、構造FS−9、構造FS−10、構造FS−11、構造FS−12、構造FS−13、構造FS−14、構造FS−15、構造FS−16、構造FS−17、構造FS−18、構造FS−19、構造FS−20、構造FT−1、構造FT−2、構造FT−3、構造FT−4、構造FT−5、構造FT−6、構造FT−7、構造FT−8、構造FT−9、構造FT−10、構造FT−11、構造FT−12、構造FT−13、構造FT−14、構造FT−15、および構造FT−16からなる群から選択される構造を有する部分を含み;
【化74】
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構造FP−1 構造FP−2
【化75】
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構造FP−3 構造FP−4
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−5 構造FP−6
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−7 構造FP−8
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−9 構造FP−10
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−13 構造FP−14
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−15 構造FP−16
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−17 構造FP−18
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−19 構造FP−20
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−21 構造FP−22
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−23 構造FP−24
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−25 構造FP−26
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−27 構造FP−28
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−29 構造FP−30
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−31 構造FP−32
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−33 構造FP−34
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−35 構造FP−36
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−37 構造FP−38
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−39 構造FP−40
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−41 構造FP−42
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−43 構造FP−44
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−45 構造FP−46
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−47 構造FP−48
【化98】
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構造FP−49 構造FP−50
【化99】
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構造FP−51 構造FP−52
【化100】
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構造FP−53 構造FP−54
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−55 構造FP−56
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−57 構造FP−58
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−59 構造FP−60
【化104】
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構造FP−61 構造FP−62
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−63 構造FP−64
【化106】
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構造FP−65 構造FP−66
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−67 構造FP−68
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−69 構造FP−70
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−71 構造FP−72
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−73 構造FP−74
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−75 構造FP−76
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−77 構造FP−78
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−79 構造FP−80
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
構造FP−81 構造FP−82
【化115】
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構造FP−83 構造FP−84
【化116】
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構造FP−85 構造FP−86
【化117】
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構造FI−1 構造FI−2 構造FI−3
【化118】
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構造FI−4 構造FI−5
【化119】
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構造FI−6 構造FI−7
【化120】
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構造FI−8 構造FI−9
【化121】
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構造FI−10 構造FI−11
【化122】
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構造FI−12 構造FI−13
【化123】
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構造FI−14 構造FI−15
【化124】
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構造FI−16 構造FI−17
【化125】
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構造FI−18 構造FI−19
【化126】
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構造FI−20 構造FI−21
【化127】
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構造FI−22 構造FI−23
【化128】
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構造FI−24 構造FI−25
【化129】
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構造FI−26 構造FI−27
【化130】
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構造FI−28 構造FI−29
【化131】
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構造FI−30 構造FI−31
【化132】
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構造FI−32 構造FI−33
【化133】
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構造FS−1 構造FS−2
【化134】
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構造FS−3 構造FS−4
【化135】
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構造FS−5 構造FS−6
【化136】
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構造FS−7 構造FS−8
【化137】
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構造FS−9 構造FS−10
【化138】
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構造FS−11 構造FS−12 構造FS−13
【化139】
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構造FS−14 構造FS−15 構造FS−16
【化140】
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構造FS−17 構造FS−18
【化141】
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構造FS−19 構造FS−20
【化142】
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構造FT−1 構造FT−2 構造FT−3
【化143】
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構造FT−4 構造FT−5 構造FT−6
【化144】
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構造FT−7 構造FT−8
【化145】
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構造FT−9 構造FT−10
【化146】
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構造FT−11 構造FT−12 構造FT−13
【化147】
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構造FT−14 構造FT−15 構造FT−16
ここで、
n、R5、R7、X5、X35、Y1、Y2、Y31、Y32、Y3、およびY4は、上と同様に定義され;
31は、上のL1と同様に定義され、L32は、上のL2と同様に定義され、L34は、上のL4と同様に定義され、ある実施形態では、−L1−L4−L2−および−L31−L34−L32−は、独立に、−O−、−X−、−O−X−、−N−X−、−S−X−、−X5−、−O−X5−、−N−X5−、−S−X5−、−O−X7−、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−N−、およびC(=O)−X−からなる群から選択され;
Xは、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、NH、NR6、およびOからなる群から選択され;
6、X36、およびX46は、独立に、何もない、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
7は、何もない、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択される。
【0049】
ある実施形態では、抗菌薬および抗菌薬関連化合物のHPPの機能単位は、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、上で定義される構造F−1、構造FP−1、構造FP−2、構造FP−3、構造FP−4、構造FP−5、構造FP−6、構造FP−7、構造FP−8、構造FP−9、構造FP−10、構造FP−11、構造FP−12、構造FP−13、構造FP−14、構造FP−15、構造FP−16、構造FP−17、構造FP−18、構造FP−19、構造FP−20、構造FP−21、構造FP−22、構造FP−23、構造FP−24、構造FP−25、構造FP−26、構造FP−27、構造FP−28、構造FP−29、構造FP−30、FP−31、構造FP−32、構造FP−33、構造FP−34、構造FP−35、構造FP−36、構造FP−37、構造FP−38、構造FP−39、構造FP−40、FP−41、構造FP−42、構造FP−43、構造FP−44、構造FP−45、構造FP−46、構造FP−47、構造FP−48、構造FP−49、構造FP−50、FP−51、構造FP−52、構造FP−53、構造FP−54、構造FP−55、構造FP−56、構造FP−57、構造FP−58、構造FP−59、構造FP−60、FP−61、構造FP−62、構造FP−63、構造FP−64、構造FP−65、構造FP−66、構造FP−67、構造FP−68、構造FP−69、構造FP−70、FP−71、構造FP−72、構造FP−73、構造FP−74、構造FP−75、構造FP−76、構造FP−77、構造FP−78、構造FP−79、構造FP−80、FP−81、構造FP−82、構造FP−83、構造FP−84、構造FP−85、構造FP−86、構造FI−1、構造FI−2、構造FI−3、構造FI−4、構造FI−5、構造FI−6、構造FI−7、構造FI−8、構造FI−9、構造FI−10、構造FI−11、構造FI−12、構造FI−13、構造FI−14、構造FI−15、構造FI−16、構造FI−17、構造FI−18、構造FI−19、構造FI−20、構造FI−21、構造FI−22、構造FI−23、構造FI−24、構造FI−25、構造FI−26、構造FI−27、構造FI−28、構造FI−29、構造FI−30、構造FI−31、構造FI−32、構造FI−33、構造FS−1、構造FS−2、構造FS−3、構造FS−4、構造FS−5、構造FS−6、構造FS−7、構造FS−8、構造FS−9、構造FS−10、構造FS−11、構造FS−12、構造FS−13、構造FS−14、構造FS−15、構造FS−16、構造FS−17、構造FS−18、構造FS−19、構造FS−20、構造FT−1、構造FT−2、構造FT−3、構造FT−4、構造FT−5、構造FT−6、構造FT−7、構造FT−8、構造FT−9、構造FT−10、構造FT−11、構造FT−12、構造FT−13、構造FT−14、構造FT−15、および構造FT−16からなる群から選択される構造を有する部分を含み:
ここで、
m=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、...;
n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、...;
1は、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルキルオキシル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20アルキニル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され;
2は、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルキルオキシル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20アルキニル、アリール、およびヘテロアリール残基からなる群から選択され; R3は、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルキルオキシル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20アルキニル、アリール、およびヘテロアリール残基からなる群から選択され; R5およびR35は、独立に、H、−C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH32、CH2CH2N(CH2CH32、CH2CH2OR6、Cl、F、Br、I、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C1〜C20アルキルオキシル、C1〜C20シクロアルキルオキシル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20シクロアルケニル、C1〜C20シクロアルキニル、C1〜C20アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−W、およびWからなる群から選択され;
6、R36、およびR46は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、C1〜C12アルキル、C1〜C12シクロアルキル、C1〜C12アルキルオキシル、C1〜C12シクロアルキルオキシル、C1〜C12アルケニル、C1〜C12シクロアルケニル、C1〜C12シクロアルキニル、C1〜C12アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−W、およびWからなる群から選択され;
7およびR37は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)−、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルキルオキシル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C(=O)−W、およびWからなる群から選択され;
8およびR38は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C25、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR67、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C37、C49、C511、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH32C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)−Wからなる群から選択され;
2は、何もない、H、CH2(CH2nOR8、Cl、F、Br、I、NO2、CN、CF3、C25、C37、OCF3、OC25、NH2、NHR6、CH3、C25、R6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2C(=O)OR5、CH2(CH2nN(CH32、CH2(CH2nSO35、C1~8アルキル、C1~8アルキルチオ、C1~8アルキルアミノ、およびC1~8アルキルオキシルからなる群から選択され;
3は、何もない、H、N3、SO3W、F、Cl、Br、OH、OCH3、OR6、CH3、R6、C(=O)OW、OW、およびIからなる群から選択され;
4は、何もない、N、CH、およびCY1からなる群から選択され;
5およびX35は、独立に、何もない、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
1、Y31、Y2、Y32、Y3、およびY4の各々は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、SO36、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)R8、OCH3、OC25、CH3SO2、R6SO2、R6SO3OR6、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH2(CH2nNR56、CH2(CH2nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、およびClからなる群から選択され;
Z、AA、HA、R、Rs、Y、R11〜R16、X、L1、L2、L4、L31、L32、L34、およびWは、上と同様に定義され;
任意のCH2基は、O、S、NR6、または任意の他の薬学的に許容される基により置換されていてもよい。
【0050】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、被験体への施用が安全である本発明の化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩には、本発明の化合物中に存在する酸性基または塩基性基の塩が含まれる。薬学的に許容される酸付加塩には、それだけに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、二硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、二酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,11−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))が含まれる。本発明の特定の化合物は、種々のアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。適当な塩基性塩には、それだけに限定されないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびジエタノールアミン塩が含まれる。薬学的に許容される塩の概説については、参照により本明細書に組み込まれるBERGE等、66 J.PHARM.SCI.1〜19(1 977)を参照されたい。
【0051】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アルキル」という用語は、飽和アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基を含む、分枝または非分枝、飽和または不飽和、一価または多価の炭化水素基を意味する。アルキルの例としては、それだけに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、およびドデシレンが挙げられる。ある実施形態では、炭化水素基は、1〜30個の炭素を含む。ある実施形態では、炭化水素基は、1〜20個の炭素を含む。ある実施形態では、炭化水素基は、1〜12個の炭素を含む。
【0052】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「シクロアルキル」という用語は、少なくとも1個の環を含み、芳香環を含まないアルキルを意味する。シクロアルキルの例としては、それだけに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシルが挙げられる。ある実施形態では、炭化水素鎖は、1〜30個の炭素を含む。ある実施形態では、炭化水素基は、1〜20個の炭素を含む。ある実施形態では、炭化水素基は、1〜12個の炭素を含む。
【0053】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、少なくとも1個の環原子が非炭素原子であるシクロアルキルを意味する。非炭素環原子には、それだけに限定されないが、S、O、およびNが含まれる。
【0054】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アルコキシル」という用語は、1個または複数個の酸素原子を含む、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味する。アルコキシルの例としては、それだけに限定されないが、−CH2−OH、−OCH3、−O−Re、−Re−OH、−Re1−O−Re2−(式中、Re、Re1、およびRe2は、同じもしくは異なるアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり得る)が挙げられる。
【0055】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「ハロゲン化アルキル」という用語は、1個または複数個のハロゲン原子を含み、ここでハロゲン原子は同じであっても異なってもよい、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味する。「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。ハロゲン化アルキルの例としては、それだけに限定されないが、−Re−F、−Re−Cl、−Re−Br、−Re−I、−Re(F)−、−Re(Cl)−、−Re(Br)−、および−Re(I)−(式中、Reは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
【0056】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アルキルチオ」という用語は、1個または複数個の硫黄原子を含む、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルチオの例としては、それだけに限定されないが、−CH2−SH、−SCH3、−S−Re、−Re−SH、−Re1−S−Re2−(式中、Re、Re1、およびRe2は、同じもしくは異なるアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
【0057】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アルキルアミノ」という用語は、1個または複数個の窒素原子を含む、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルアミノの例としては、それだけに限定されないが、−CH2−NH、−NCH3、−N(Re1)−Re2、−N−Re、−Re−NH2、−Re1−N−Re2、および−Re−N(Re1)−Re2(式中、Re、Re1、およびRe2は、同じもしくは異なるアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである)が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アルキルカルボニル」という用語は、1個または複数個のカルボニル基を含む、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味する。アルキルカルボニル基の例としては、それだけに限定されないが、アルデヒド基(−Re−C(O)−H)、ケトン基(−Re−C(O)−Re1)、カルボン酸基(−Re−C(=O)OH)、エステル基(−Re−C(=O)O−Re1)、カルボキサミド(−Re−C(=O)O−N(Re1)Re2)、エノン基(−Re−C(O)−C(Re1)=C(Re2)Re3)、ハロゲン化アシル基(−Re−C(O)−Xh)、および酸無水物基(−Re−C(O)−O−C(O)−Re1)(式中、Re、Re1、Re2およびRe3は、同じもしくは異なるアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;Xhは、ハロゲンである)が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「ペルフルオロアルキル」という用語は、1個または複数個のフルオロ基を含む、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを意味し、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピルを含むが、それらに限定されない。
【0060】
本明細書で使用する場合、特に明示しない限り、「アリール」という用語は、1個または複数個の芳香環を含む化学構造を意味する。ある実施形態では、環原子は全て炭素である。ある実施形態では、1個または複数個の環原子は、非炭素、例えば、酸素、窒素、または硫黄である(「ヘテロアリール」)。アリールの例としては、フェニル、ベンジル、ナフタレニル、アントラセニル、ピリジル、キノイル、イソキノイル、ピラジニル、キノキサリニル、アクリジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピリダジニル、シンノリニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、インドリル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、チアキソリル、クアニジノ、およびベンゾチアゾリルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】
ある実施形態では、HPPの輸送単位は、1つまたは複数の生物学的障壁を通るHPPまたはHPCの輸送または通過を促進(例えば、親薬物よりも約20倍超、約50倍超、約100倍超、約300倍超、約500倍超、約1000倍超速く)することができるプロトン化可能なアミン基を含む。ある実施形態では、プロトン化可能なアミン基は、生理的pHで実質的にプロトン化される。ある実施形態では、アミン基は、可逆的にプロトン化され得る。ある実施形態では、輸送単位は、HPPの1つまたは複数の生物学的障壁の透過後に機能単位から切断されてもされなくてもよい。ある実施形態では、機能単位はまた、特に、少なくとも1個の遊離アミノ基を有する抗菌薬および抗菌薬関連化合物について、1つまたは複数の輸送単位を含んでもよい。
【0062】
ある実施形態では、プロトン化可能なアミン基は、薬学的に許容される置換および非置換第一級アミン基、薬学的に許容される置換および非置換第二級アミン基、ならびに薬学的に許容される置換および非置換第三級アミン基からなる群から選択される。
【0063】
ある実施形態では、プロトン化可能なアミン基は、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、薬学的に許容される置換および非置換第一級アミン基、上で定義される構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択される。
【0064】
ある実施形態では、HPPの機能単位および輸送単位を共有結合させているリンカーは、HPPが1つまたは複数のBBを透過した後で切断することができる結合を含む。切断可能な結合には、例えば、共有結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、炭酸結合、カルバメート結合、リン酸結合、またはオキシム結合が含まれる。
【0065】
ある実施形態では、抗菌薬および抗菌薬関連化合物のHPPは、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、以下の構造L−1:
【化148】
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構造L−1
を有し、ここで、
Fは、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの機能単位である。Fの例としては、上で定義される構造F−1、構造FP−1、構造FP−2、構造FP−3、構造FP−4、構造FP−5、構造FP−6、構造FP−7、構造FP−8、構造FP−9、構造FP−10、構造FP−11、構造FP−12、構造FP−13、構造FP−14、構造FP−15、構造FP−16、構造FP−17、構造FP−18、構造FP−19、構造FP−20、構造FP−21、構造FP−22、構造FP−23、構造FP−24、構造FP−25、構造FP−26、構造FP−27、構造FP−28、構造FP−29、構造FP−30、構造FP−31、構造FP−32、構造FP−33、構造FP−34、構造FP−35、構造FP−36、構造FP−37、構造FP−38、構造FP−39、構造FP−40、構造FP−41、構造FP−42、構造FP−43、構造FP−44、構造FP−45、構造FP−46、構造FP−47、構造FP−48、構造FP−49、構造FP−50、構造FP−51、構造FP−52、構造FP−53、構造FP−54、構造FP−55、構造FP−56、構造FP−57、構造FP−58、構造FP−59、構造FP−60、構造FP−61、構造FP−62、構造FP−63、構造FP−64、構造FP−65、構造FP−66、構造FP−67、構造FP−68、構造FP−69、構造FP−70、構造FP−71、構造FP−72、構造FP−73、構造FP−74、構造FP−75、構造FP−76、構造FP−77、構造FP−78、構造FP−79、構造FP−80、構造FP−81、構造FP−82、構造FP−83、構造FP−84、構造FP−85、構造FP−86、構造FI−1、構造FI−2、構造FI−3、構造FI−4、構造FI−5、構造FI−6、構造FI−7、構造FI−8、構造FI−9、構造FI−10、構造FI−11、構造FI−12、構造FI−13、構造FI−14、構造FI−15、構造FI−16、構造FI−17、構造FI−18、構造FI−19、構造FI−20、構造FI−21、構造FI−22、構造FI−23、構造FI−24、構造FI−25、構造FI−26、構造FI−27、構造FI−28、構造FI−29、構造FI−30、構造FI−31、構造FI−32、構造FI−33、構造FS−1、構造FS−2、構造FS−3、構造FS−4、構造FS−5、構造FS−6、構造FS−7、構造FS−8、構造FS−9、構造FS−10、構造FS−11、構造FS−12、構造FS−13、構造FS−14、構造FS−15、構造FS−16、構造FS−17、構造FS−18、構造FS−19、構造FS−20、構造FT−1、構造FT−2、構造FT−3、構造FT−4、構造FT−5、構造FT−6、構造FT−7、構造FT−8、構造FT−9、構造FT−10、構造FT−11、構造FT−12、構造FT−13、構造FT−14、構造FT−15、および構造FT−16が挙げられ;
Tは、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの輸送単位である。例えば、Tは、プロトン化可能なアミン基、薬学的に許容される置換および非置換第一級アミン基、薬学的に許容される置換および非置換第二級アミン基、ならびに薬学的に許容される置換および非置換第三級アミン基、上で定義される構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択され;
1、L31、L2、L32、L4、およびL34は、上と同様に定義され、ある実施形態では、−L1−L4−L2−および−L31−L34−L32−は、独立に、−O−、−X−、−O−X−、−N−X−、−S−X−、−X5−、−O−X5−、−N−X5−、−S−X5−、−O−X7−、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−N−、およびC(=O)−X−(式中、X、X5、およびX7は、上と同様に定義される)からなる群から選択される。
【0066】
ある実施形態では、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPPまたはHPCは、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造P−1、構造P−2、構造P−3、構造P−4、構造P−5、構造P−6、構造P−7、構造P−8、構造P−9、構造P−10、構造P−11、構造P−12、構造P−13、構造P−14、構造P−15、構造P−16、構造P−17、構造P−18、構造P−19、構造P−20、構造P−21、構造P−22、構造P−23、構造P−24、構造P−25、構造P−26、構造P−27、構造P−28、構造P−29、構造P−30、構造P−31、構造P−32、構造P−33、構造P−34、構造P−35、構造P−36、構造P−37、構造P−38、構造P−39、構造P−40、構造P−41、構造P−42、構造P−43、構造P−44、構造P−45、構造P−46、構造P−47、構造P−48、構造P−49、構造P−50、構造P−51、構造P−52、構造P−53、構造P−54、構造P−55、構造P−56、構造P−57、構造P−58、構造P−59、構造P−60、構造P−61、構造P−62、構造P−63、構造P−64、構造P−65、構造P−66、構造P−67、構造P−68、構造P−69、構造P−70、構造P−71、構造P−72、構造P−73、構造P−74、構造P−75、構造P−76、構造P−77、構造P−78、構造P−79、構造P−80、構造P−81、構造P−82、構造P−83、構造P−84、構造P−85、構造P−86、構造I−1、構造I−2、構造I−3、構造I−4、構造I−5、構造I−6、構造I−7、構造I−8、構造I−9、構造I−10、構造I−11、構造I−12、構造I−13、構造I−14、構造I−15、構造I−16、構造I−17、構造I−18、構造I−19、構造I−20、構造I−21、構造I−22、構造I−23、構造I−24、構造I−25、構造I−26、構造I−27、構造I−28、構造I−29、構造I−30、構造I−31、構造I−32、構造I−33、構造S−1、構造S−2、構造S−3、構造S−4、構造S−5、構造S−6、構造S−7、構造S−8、構造S−9、構造S−10、構造S−11、構造S−12、構造S−13、構造S−14、構造S−15、構造S−16、構造S−17、構造S−18、構造S−19、構造S−20、構造T−1、構造T−2、構造T−3、構造T−4、構造T−5、構造T−6、構造T−7、構造T−8、構造T−9、構造T−10、構造T−11、構造T−12、構造T−13、構造T−14、構造T−15、および構造T−16からなる群から選択される構造を含み;
【化149】
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構造P−1 構造P−2
【化150】
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構造P−3 構造P−4
【化151】
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構造P−5 構造P−6
【化152】
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構造P−7 構造P−8
【化153】
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構造P−9 構造P−10
【化154】
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構造P−11 構造P−12
【化155】
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構造P−13 構造P−14
【化156】
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構造P−15 構造P−16
【化157】
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構造P−17 構造P−18
【化158】
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構造P−19 構造P−20
【化159】
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構造P−21 構造P−22
【化160】
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構造P−23 構造P−24
【化161】
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構造P−25 構造P−26
【化162】
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構造P−27 構造P−28
【化163】
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構造P−29 構造P−30
【化164】
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構造P−31 構造P−32
【化165】
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構造P−33 構造P−34
【化166】
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構造P−35 構造P−36
【化167】
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構造P−37 構造P−38
【化168】
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構造P−39 構造P−40
【化169】
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構造P−41 構造P−42
【化170】
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構造P−43 構造P−44
【化171】
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構造P−45 構造P−46
【化172】
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構造P−47 構造P−48
【化173】
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構造P−49 構造P−50
【化174】
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構造P−51 構造P−52
【化175】
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構造P−53 構造P−54
【化176】
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構造P−55 構造P−56
【化177】
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構造P−57 構造P−58
【化178】
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構造P−59 構造P−60
【化179】
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構造P−61 構造P−62
【化180】
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構造P−63 構造P−64
【化181】
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構造P−65 構造P−66
【化182】
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構造P−67 構造P−68
【化183】
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構造P−69 構造P−70
【化184】
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構造P−71 構造P−72
【化185】
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構造P−73 構造P−74
【化186】
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構造P−75 構造P−76
【化187】
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構造P−77 構造P−78
【化188】
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構造P−79 構造P−80
【化189】
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構造P−81 構造P−82
【化190】
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構造P−83 構造P−84
【化191】
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構造P−85 構造P−86
【化192】
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構造I−1 構造I−2 構造I−3
【化193】
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構造I−4 構造I−5
【化194】
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構造I−6 構造I−7
【化195】
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構造I−8 構造I−9
【化196】
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構造I−10 構造I−11
【化197】
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構造I−12 構造I−13
【化198】
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構造I−14 構造I−15
【化199】
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構造I−16 構造I−17
【化200】
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構造I−18 構造I−19
【化201】
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構造I−20 構造I−21
【化202】
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構造I−22 構造I−23
【化203】
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構造I−24 構造I−25
【化204】
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構造I−26 構造I−27
【化205】
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構造I−28 構造I−29
【化206】
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構造I−30 構造I−31
【化207】
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構造I−32 構造I−33
【化208】
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構造S−1 構造S−2
【化209】
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構造S−3 構造S−4
【化210】
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構造S−5 構造S−6
【化211】
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構造S−7 構造S−8
【化212】
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構造S−9 構造S−10
【化213】
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構造S−11 構造S−12 構造S−13
【化214】
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構造S−14 構造S−15 構造S−16
【化215】
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構造S−17 構造S−18
【化216】
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構造S−19 構造S−20
【化217】
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構造T−1 構造T−2 構造T−3
【化218】
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構造T−4 構造T−5 構造T−6
【化219】
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構造T−7 構造T−8
【化220】
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構造T−9 構造T−10
【化221】
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構造T−11 構造T−12 構造T−13
【化222】
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構造T−14 構造T−15 構造T−16
ここで、
m、n、R1、R2、R5、R35、R6、R36、R46、R7、R8、R38、T、W、X、X2、X4、X5、X35、X6、X36、X46、X7、Y1、Y2、Y31、Y32、Y3、Y4、Z、AA、HA、R、Rs、およびR11〜R16は、上と同様に定義される。
【0067】
II.HPPを含む医薬組成物
本発明の別の態様は、少なくとも1つの抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPP、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0068】
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体」という用語は、ある位置、体液、組織、器官(内部および外部)、または体の部分から、別の位置、体液、組織、器官、または体の部分へ、HPPを運搬または輸送するのに関係する、液体もしくは固体のフィラー、賦形剤、添加剤、溶媒、またはカプセル化材料などの薬学的に許容される物質、組成物、または媒体を意味する。
【0069】
各々の担体は、合理的な利益/リスク比に釣り合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、または他の問題もしくは合併症がなく、製剤の他の成分、例えば、HPPと適合性であり、生物系の組織または器官と接触して使用するのに適しているという意味で「薬学的に許容される」。
【0070】
薬学的に許容される担体として働くことができる物質のいくつかの例としては、(1)ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのその誘導体;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバターおよび坐薬ワックスなどの添加剤;(9)ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去蒸留水;(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコールおよびプロパンアルコールなどのアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;ならびに(21)アセトンなどの、医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質が挙げられる。
【0071】
医薬組成物は、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどのおおよその生理条件に必要とされる薬学的に許容される補助剤を含んでもよい。
【0072】
一実施形態では、薬学的に許容される担体は、水性担体、例えば、緩衝食塩水などである。ある実施形態では、薬学的に許容される担体は、極性溶媒、例えば、アセトンおよびアルコールである。
【0073】
これらの製剤中のHPPの濃度は、広く変化することができ、選択する特定の投与様式および生物系の必要性に従って、液量、粘度、体重などに基づいて最初に選択される。例えば、濃度は、0.0001%〜100%、0.001%〜50%、0.01%〜30%、0.1%〜20%、1%〜10%wtであり得る。
【0074】
本発明の組成物は、予防的、治療的、および/または衛生的用途で投与され得る。このような投与は、局所、粘膜、例えば、経口、経鼻、膣、直腸、非経口、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、吸入経由、眼、および他の好都合な経路であり得る。医薬組成物は、投与の方法に応じて、種々の単位剤形で投与され得る。例えば、経口投与に適した単位剤形には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、およびロゼンジ剤、経皮投与に適した単位剤形には溶液、懸濁液、およびゲルが含まれる。
【0075】
したがって、経皮、経口、および静脈内投与用の典型的な医薬組成物は、1日当たり1被験体当たり、約10-10g〜約100g、約10-10g〜約10-3g、約10-9g〜約10-6g、約10-6g〜約100g、約0.001g〜約100g、約0.01g〜約10g、または約0.1g〜約1gであるだろう。1日当たり1被験体当たり、約0.01mg〜約100gまでの投与量が使用され得る。非経口的に投与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者に既知または明らかであり、Remingtonの出版物:The Science and Practice of Pharmacy 第21版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(2005)などにより詳細に記載されている。
【0076】
II.HPPの施用
i)生物学的障壁を透過する方法
本発明の別の態様は、生物学的被験体の1つまたは複数の生物学的障壁の透過において、本発明の組成物を使用する方法に関する。本方法は、生物学的被験体に抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物を投与するステップを含む。ある実施形態では、HPPは、その親薬物よりも、約20倍以上、50倍以上、約100倍以上、約200倍以上、約300倍以上、約500倍以上、約1000倍以上高い1つまたは複数の生物学的障壁を通る透過率を示す。
【0077】
本明細書で使用する「生物学的障壁」という用語は、環境を、異なる空間的領域または区画に分割し、その分割によって、ある区画/領域から別の区画/領域への物質もしくは材料の通過、透過、または移行を調節(例えば、制限、限定、増強、または何もしない)することができる生物学的層を指す。本明細書で言及する異なる空間的領域または区画は、同じもしくは異なる化学的または生物学的環境を有し得る。本明細書で言及する生物学的層には、それだけに限定されないが、生体膜、細胞層、生物構造、被験体、生物、器官もしくは体腔の内部表面、被験体、生物、器官もしくは体腔の外部表面、またはこれらの任意の組み合わせもしくは複数が含まれる。
【0078】
生体膜の例としては、脂質二重膜構造、真核細胞膜、原核細胞膜、および細胞内膜(例えば、ゴルジ体、粗面および滑面小胞体(ER)、リボソーム、液胞、小胞、リポソーム、ミトコンドリア、リソソーム、核、葉緑体、色素体、ペルオキシソーム、もしくは微小体の膜またはエンベロープなどの、核膜またはオルガネラ膜)が挙げられる。
【0079】
本明細書で言及する脂質二重層は、それだけに限定されないが、リン脂質およびコレステロールを含む脂質クラス分子の二重層である。特定の実施形態では、二重層のための脂質は、極性頭部基および非極性脂肪酸尾部からなる両親媒性分子である。二重層は、その炭化水素尾部が互いに向かい合って疏水効果により結合した油性核を形成する一方で、その帯電した頭部が膜のいずれかの側で水溶液に面するよう配置された脂質の二層から構成される。別の特定の実施形態では、脂質二重層は、1つもしくは複数の組み込まれたタンパク質および/または糖分子を含み得る。
【0080】
細胞層の例としては、真核細胞の裏層(例えば、上皮、固有層、および平滑筋または粘膜筋板(消化管内))、原核細胞の裏層(例えば、同一タンパク質または糖タンパク質から構成される二次元構造単分子層を指す表層またはS−層、S−層は、細菌および古細菌に一般的に見られる細胞エンベロープの一部を指す)、バイオフィルム(自ら発達させた高分子基質内に被包され、生体表面または不活性表面に粘着性の微生物の構造化群落)、ならびに植物細胞層(例えば、表皮)が挙げられる。細胞は、正常細胞または病的細胞(例えば、病気の細胞、がん細胞)であり得る。
【0081】
生物構造の例としては、毒素、細菌、およびウイルスの侵入に対する障壁を提供する密着結合または閉鎖結合により密封された構造、例えば、血液乳関門および血液脳関門(BBB)が挙げられる。特に、BBBは、不浸透性クラスの内皮から構成され、隣接する内皮細胞を接合する密着結合を通した物理的障壁と、排出トランスポーターで構成される輸送障壁の両方を提供する。生物構造はまた、細胞、タンパク質、および糖の混合物を含んでもよい(例えば、血餅)。
【0082】
被験体、生物、器官、または体腔の内部表面の例としては、頬粘膜、食道粘膜、胃粘膜、腸管粘膜、嗅粘膜、口腔粘膜、気管支粘膜、子宮粘膜、および子宮内膜(子宮の粘膜、花粉粒の壁の内層、もしくは胞子の内壁層)、またはこれらの組み合わせもしくは複数が挙げられる。
【0083】
被験体、生物、器官、または体腔の外部表面の例としては、毛細血管(例えば、心臓組織内の毛細血管)、皮膚と連続した粘膜(例えば、外鼻孔、唇、耳、陰部、および肛門など)、器官の外表面(例えば、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門、および肛門掻痒)、皮膚、角皮(例えば、動物の毛幹を覆う重複細胞の表皮細胞もしくは角化細胞もしくは浅葉層の死んだ層、多くの無脊椎動物の表皮の外側の多層構造、植物クチクラまたはポリマークチン、および/またはキュータン)、花粉粒の壁の外層または胞子の外壁層、ならびにこれらの組み合わせまたは複数が挙げられる。
【0084】
さらに、生物学的障壁は、糖層、タンパク質層、もしくは任意の他の生物学的層、またはこれらの組み合わせもしくは複数をさらに含む。例えば、皮膚は、複数の生物学的層を有する生物学的障壁である。皮膚は、表皮層(外表面)、真皮層、および皮下組織を含む。表皮層は、基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層、および角質層を含むいくつかの層を含む。表皮中の細胞は、ケラチノサイトと呼ばれる。角質層(「角質層」)は、中の細胞の形が平坦で鱗様(「鱗片状」)である、表皮の最外側層である。これらの細胞は、多くのケラチンを含み、皮膚表面に丈夫で耐油性、耐水性の特徴を与える重複層に配置される。
【0085】
ii)生物系の状態を診断する方法
本発明の別の態様は、生物系の状態の診断において本発明の組成物を使用する方法に関する。この方法は、以下のステップを含む:
1)生物学的被験体に抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPを含む組成物を投与するステップ;
2)生物学的被験体中のHPP、HPPの機能単位、もしくはその代謝産物の存在、位置、または量を検出するステップ;および
3)生物系の状態を決定するステップ。
【0086】
ある実施形態では、HPP(またはHPPから切断された薬剤)は、状態が発生している作用部位に凝集する。ある実施形態では、HPPの機能単位の存在、位置、または量も検出される。ある実施形態では、関連する状態(例えば、感染症)の発症、発達、進行、または寛解も決定される。
【0087】
ある実施形態では、HPPは、検出可能な薬剤により標識される、またはこれと結合する。あるいは、HPPは、検出用の放射性同位元素を含むよう調製される。一般的に以下のカテゴリーに分類することができる多数の検出可能な薬剤が利用可能である:
(a)35S、14C、13C、15N、125I、3H、および131Iなどの放射性同位元素。当技術分野で既知の技術を使用して診断用薬を放射性同位元素で標識することができ、シンチレーション測定を使用して放射能を測定することができる;さらに、炭素および窒素標識用の電子常磁性共鳴用に、診断用薬をスピン標識することができる。
(b)BODIPY、BODIPY類似体、希土類キレート(ユーロピウムキレート)、フルオレセインおよびその誘導体、FITC、5,6−カルボキシフルオレセイン、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、リサミン、フィコエリトリン、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、ならびにテキサスレッドなどの蛍光剤。蛍光は、蛍光光度計を使用して定量化できる。
(c)ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸脱水素酵素)、複素環オキシダーゼ(ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼなど)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどの種々の酵素−基質薬剤。酵素−基質の組み合わせの例としては、例えば、(i)基質としての水素ペルオキシダーゼと西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)で、ここでは水素ペルオキシダーゼが色素前駆体を酸化する(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)または3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB));(ii)発色基質としてのp−ニトロフェニルリン酸とアルカリホスファターゼ(AP);および(iii)発色基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)または蛍光発生基質4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼとβ−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)が挙げられる。
【0088】
ある実施形態では、検出可能な薬剤は、必ずしも診断用薬と結合しないが、診断用薬の存在を認識することができ、診断用薬を検出することができる。
【0089】
ある実施形態では、本発明のHPPは、キット、すなわち、診断検査を行うための説明書と所定量の試薬のパッケージ化された組み合わせで提供され得る。HPPが酵素で標識される場合、キットは、酵素に必要とされる基質および補助因子(例えば、検出可能な発色団および発蛍光団を提供する基質前駆体)を含む。さらに、安定剤、緩衝剤(例えば、ブロック緩衝剤または溶解緩衝剤)などの他の添加物が含まれ得る。種々の試薬の相対量は、検査の感度を実質的に最適化する試薬の溶液中の濃度を提供するよう広く変化し得る。特に、試薬は、溶解して適当な濃度の試薬溶液を提供する添加剤を含む、通常は凍結乾燥された乾燥粉末として提供され得る。
【0090】
iii)所望の特徴について物質をスクリーニングする方法
本発明の別の態様は、所望の特徴についてHPPをスクリーニングする方法に関する。
【0091】
ある実施形態では、本方法は、
1)リンカーを通して試験機能単位と輸送単位を共有結合させて、試験組成物を形成するステップ(または、リンカーを通して機能単位と試験輸送単位を共有結合させるステップ、または試験リンカーを通して機能単位と輸送単位を共有結合させるステップ);
2)生物系に試験組成物を投与するステップ;および
3)試験組成物が所望の性質または特徴を有するかどうかを決定するステップ
を含む。
【0092】
一実施形態では、所望の特徴には、例えば、1)試験機能単位が高透過性組成物を形成する、または親薬物に転換する能力、2)試験組成物の透過能力および/または透過率、3)試験組成物の効率および/または効能、4)試験輸送単位の輸送能力、ならびに5)試験リンカーの切断性が含まれ得る。
【0093】
iv)生物学的被験体の状態を治療する方法
本発明の別の態様は、生物系の状態の治療において本発明の組成物を使用する方法に関する。本方法は、生物系に医薬組成物を投与するステップを含む。
【0094】
本発明で使用する「治療すること」という用語は、治癒させること、緩和すること、阻害すること、または予防することを意味する。本明細書で使用する「治療する」という用語は、治癒させる、緩和する、阻害する、または予防することを意味する。本明細書で使用する「治療」という用語は、治癒、緩和、阻害、または予防を意味する。
【0095】
本明細書で使用する「生物系」、「生物学的被験体」、または「被験体」という用語は、器官、ある仕事を行うために一緒に働く器官の群、生物、または生物の群を意味する。本明細書で使用する「生物」という用語は、大体全体として安定して機能し、動物、植物、真菌、または微生物などの生命の特性を有する分子の集合体を意味する。
【0096】
本明細書で使用する「動物」という用語は、自発的運動を特徴とする真核生物を意味する。動物の例としては、脊椎動物(例えば、ヒト、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、嚢鰓類、および薄心類)、被嚢類(例えば、サルパ綱、アペンディクラリア、ソルベラ綱、およびホヤ綱)、有関節綱(例えば、昆虫類、多足類、malacapoda、クモ類、ウミグモ類、節口類、甲殻類、および環形動物)、ヤモリ(anarthropoda)、ならびに蠕虫(例えば、輪虫類)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0097】
本明細書で使用する「植物」という用語は、植物界に属する生物を意味する。植物の例としては、種子植物類、蘚苔類、シダ類、およびシダ近縁植物類が挙げられるが、それらに限定されない。種子植物類の例としては、ソテツ類、イチョウ、針葉樹、マオウ植物、被子植物が挙げられるが、それらに限定されない。蘚苔類の例としては、苔類、ツノゴケ類、および蘚類が挙げられるがそれらに限定されない。シダ類の例としては、ハナヤスリ目(例えば、ハナヤスリ、ハナワラビ、およびブドウシダ)、リュウビンタイ科、ならびに小嚢シダが挙げられるがそれらに限定されない。シダ近縁植物類の例としては、リコプシダ(例えば、クラブモス、スパイクモス、およびミズニラ)、マツバラン科(例えば、ヒゲノカズラ植物門およびマツバラン)、ならびにトクサ科(例えば、トクサ)が挙げられるがそれらに限定されない。
【0098】
本明細書で使用する「真菌」という用語は、菌界の一員である真核生物を意味する。真菌の例としては、壺黴、コウマクキン門、ネオカリマスティクス門、接合菌門、グロムス門、子嚢菌門、および担子菌門が挙げられるがそれらに限定されない。
【0099】
本明細書で使用する「微生物」という用語は、微小な(例えば、マイクロメーターの長さ尺度を有する)生物を意味する。微生物の例としては、細菌、真菌、古細菌、原生生物、ならびに微小植物(例えば、緑藻類)、ならびに微小動物(プランクトン、プラナリア、およびアメーバ)が挙げられるがそれらに限定されない。
【0100】
本方法の状態のいくつかの例としては、HPPの親薬物により治療することができる状態が挙げられる。
【0101】
v)治療において、抗菌薬および抗菌薬関連化合物のHPP、ならびにその医薬組成物を使用する方法
本発明の別の態様は、生物系または被験体に、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物を投与することにより、生物系または被験体の状態の治療において、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物を使用する方法に関する。
【0102】
抗菌薬および抗菌薬関連化合物を使用して、生物系の広範囲の生物学的過程を調節することができる。このような生物学的過程に関連する状態は、対応する抗菌薬または抗菌薬関連化合物により治療可能であり、それゆえ、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPP/HPC、およびその医薬組成物により治療可能である。
【0103】
このような状態には、それだけに限定されないが、痛み、傷害、および微生物に関連する状態が含まれる。微生物に関連する状態は、細菌、真菌、原虫、およびウイルスなどの微生物により引き起こされる状態である。例えば、細菌により引き起こされる状態(細菌に関連する状態)、原虫により引き起こされる状態(原虫に関連する状態)、真菌により引き起こされる状態(真菌に関連する状態)、およびウイルスにより引き起こされる状態(ウイルスに関連する状態)である。
【0104】
細菌に関連する状態には、例えば、感染症(例えば、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門、および肛門掻痒などの器官の感染状態、呼吸器感染症、上気道感染症、尿路感染症、院内感染症、緑膿菌感染症、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌感染症(例えば、皮膚感染症、中毒症、急性細菌性心内膜炎、敗血症、壊死性肺炎)、インプラント補綴の感染症、敗血症および肺炎による日和見感染症)、ペスト(例えば、腺ペストおよび肺ペスト)、炭疽(例えば、皮膚炭疽、肺炭疽、および胃腸炭疽)、ライム病、ブルセラ症、百日咳、急性腸炎、呼吸器感染症、オウム病、非淋菌性尿道炎、トラコーマ、新生児の封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫、偽膜性大腸炎、ガス壊疽、食中毒、嫌気性蜂巣炎、ジフテリア、下痢、乳児の髄膜炎、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、野兎病、肺炎、気管支炎、消化性潰瘍、レジオネラ病、ポンティアック熱、レプトスピラ症、リステリア症、ハンセン病、結核、マイコプラズマ肺炎、淋病、新生児眼炎、化膿性関節炎、髄膜炎菌性疾患、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、ロッキー山紅斑熱、腸チフス型サルモネラ症、胃腸炎および全腸炎によるサルモネラ症、細菌性赤痢/細菌性赤痢、膀胱炎、髄膜炎および敗血症、子宮内膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、梅毒、壊死性筋膜炎、連鎖球菌性咽頭炎、猩紅熱、リウマチ熱、膿痂疹、丹毒、産褥熱、およびコレラが含まれる。
【0105】
原虫に関連する状態には、例えば、マラリア、睡眠病、およびトキソプラズマ症が含まれる。
【0106】
真菌に関連する状態には、例えば、アスペルギルス症、ブラストミセス症、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、および接合菌症が含まれる。
【0107】
ウイルスに関連する状態には、例えば、インフルエンザ、黄熱病、およびAIDSが含まれる。
【0108】
ある実施形態では、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物で寛解可能または治療可能な被験体の状態を治療する方法は、被験体に、治療上有効量の抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物を投与するステップを含む。
【0109】
HPPまたはその医薬組成物は、経口、経腸、頬側、経鼻、局所、直腸、膣、エアロゾル、経粘膜、表皮、経皮、真皮、眼、肺、皮下、および/または非経口投与を含むがそれらに限定されない、当技術分野で既知の任意の投与経路により生物系に投与することができる。医薬組成物は、投与の方法に応じて、種々の単位剤形で投与することができる。
【0110】
非経口投与は、典型的には、それだけに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、および/または胸骨内注射ならびに/あるいは点滴を含む注射に関する投与経路を指す。
【0111】
HPPまたはその医薬組成物は、各々の投与経路に適した製剤または調合剤の形で被験体に与えることができる。本発明の方法で有用な製剤は、1つまたは複数のHPP、そのための1つまたは複数の薬学的に許容される担体、および任意で他の治療成分を含む。製剤は、単位剤形で好都合に与えられ、薬学の技術分野で周知の任意の方法により調製され得る。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができることができる有効成分の量は、治療される被験体および特定の投与様式に応じて変化する。薬学的に有効な用量を製造するために担体材料と組み合わせることができるHPPの量は、一般的に、治療効果をもたらすHPPの量である。一般に、100%の中で、この量は、約1%〜約99%のHPP、好ましくは約1%〜約20%にわたる。
【0112】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、HPPを、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、および任意で1つまたは複数の副成分と結合させるステップを含む。一般に、製剤は、HPPを、液体担体または微粒子固体担体または両方と均一かつ本質的に結合させ、次いで、必要に応じて、製品を形づくることにより調製される。
【0113】
経口投与に適した製剤は、それぞれ、有効成分として所定量のHPPを含む、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(風味主成分、通常はスクロースおよびアカシアもしくはトラガントを使用する)、散剤、顆粒剤の形で、または水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはトローチ(ゼラチンおよびグリセリン、もしくはショ糖およびアカシアなどの不活性基剤を使用する)として、および/または洗口液などとして存在し得る。化合物はまた、巨丸剤、舐剤、またはペーストとして投与され得る。
【0114】
経口投与用の固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、HPPは、クエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかなどの1つまたは複数の薬学的に許容される担体と混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などのフィラーまたは増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの潤滑剤;ならびに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。ラクトースまたは乳糖のような添加剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用したソフト充填またはハード充填ゼラチンカプセル剤中のフィラーとして同様の型の固体組成物を使用してもよい。
【0115】
錠剤は、任意で1つまたは複数の副成分とともに、圧縮または成形により製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤、または分散剤を使用して調製することができる。成形錠剤は、適当な機械中で、不活性液体賦形剤とともに湿らせた粉末状抗菌薬またはペプチド模倣体の混合物を成形することにより製造することができる。錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤などの他の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬学製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルにより任意で割線を入れるまたは調製することができる。これらはまた、例えば、所望の放出特性をもたらすよう変化する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他の高分子マトリックス、リポソーム、および/または微粒子を使用して、中のHPPを遅放出または徐放出するよう製剤化することができる。これらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、または使用直前に滅菌水もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒体に溶解することができる滅菌固体組成物の形の滅菌剤を組み入れることにより滅菌することができる。これらの組成物はまた、任意で鎮静剤を含んでもよく、HPPのみを、または優先的に消化管のある部分で、任意で遅延した方法で、放出する組成物であってもよい。使用することができる埋め込み組成物の例としては、高分子物質およびワックスが挙げられる。HPPはまた、必要であれば、上記添加剤の1つまたは複数とともに、マイクロカプセル化した形とすることもできる。
【0116】
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳濁液、微細乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。HPPに加えて、液体剤形は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルとこれらの混合物などの他の溶媒、溶解補助剤、ならびに乳化剤などの、当技術分野で一般的に使用される不活性賦形剤を含んでもよい。不活性賦形剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、ならびに保存剤を含むことができる。
【0117】
懸濁液は、HPPに加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガント、ならびにこれらの混合物などの懸濁剤を含んでもよい。
【0118】
直腸または膣投与用の製剤は、坐薬として提供することができ、坐薬は、1つまたは複数のHPPを、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、もしくはサリチル酸塩を含む1つまたは複数の適当な非刺激性添加剤または担体と混合することにより調製することができ、室温で固体であるが、体温で液体であるので、直腸または膣腔中で溶解し、活性剤を放出する。膣投与に適した製剤にはまた、当技術分野で適当であると知られている担体を含む、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、またはスプレー製剤が含まれる。
【0119】
HPP組成物の局所または経皮または表皮または真皮投与用製剤には、散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。有効成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴霧剤と混合することができる。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、HPP組成物に加えて、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの添加剤を含んでもよい。散剤およびスプレーは、HPP組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの添加剤を含んでもよい。スプレーは、フロンなどの慣用的噴霧剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素をさらに含むことができる。局所または経皮投与用の最良の製剤は、純水、溶液、水溶液、エタノールおよび水の溶液、ならびにイソプロパノールおよび水の溶液である。
【0120】
あるいは、HPPまたはその医薬組成物は、エアロゾルにより投与することができる。これは、HPPを含む水性エアロゾル、リポソーム調製物、または固体粒子を調製することにより達成することができる。非水性(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液を使用してもよい。音波噴霧器を使用することもできる。水性エアロゾルは、従来の薬学的に許容される担体および安定剤と共に、薬剤の水溶液または懸濁液を製剤化することにより製造される。担体および安定剤は、特定の化合物の要件により変化するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tweens、Pluronics、もしくはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖、または糖アルコールを含む。エアロゾルは、一般的に、等張液から調製される。
【0121】
HPP組成物を標的部位に送達するために経皮パッチを使用することもできる。このような製剤は、薬剤を適当な媒体中に溶解または分散させることにより製造することができる。皮膚を横切るペプチド模倣体の流れを増加させるために吸収促進剤を使用することもできる。このような流れの速度は、速度調節膜を提供することにより、またはペプチド模倣体を高分子マトリックスもしくはゲルに分散させることにより調節することができる。
【0122】
眼製剤、眼軟膏、粉末、溶液などもまた、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0123】
非経口投与に適した製剤は、1つもしくは複数の薬学的に許容される滅菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、あるいは使用直前に滅菌注射可能溶液または懸濁液に再構成することができる滅菌粉末と組み合わせたHPPを含み、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬(bacteriostats)、製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含んでもよい。
【0124】
非経口投与に適した製剤に使用することができる適当な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適当な混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合、必要とされる粒径の維持により、および界面活性剤の使用により、適当な流動性を維持することができる。
【0125】
非経口投与に適した製剤はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの補助剤を含んでもよい。種々の抗菌薬および抗真菌薬、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを包含させることにより微生物の活動の予防を確保してもよい。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物中に含めることも望ましいだろう。さらに、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を包含させることにより、注射可能な剤型の遅延性吸収をもたらしてもよい。
【0126】
HPPのマイクロカプセルマトリックスを形成することにより、またはポリ乳酸−ポリグリコール酸などの生分解性ポリマー中に注射可能なデポー型が製造される。HPPとポリマーの比、および使用する特定のポリマーの性質に応じて、薬剤放出の速度を調節することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤はまた、体組織に適合性のリポソームまたは微細乳濁液中にHPPを捕捉することにより調製される。
【0127】
ある実施形態では、抗菌薬もしくは抗菌薬関連化合物のHPP、またはその医薬組成物は、治療上有効用量で疾患または腫瘍作用部位に送達される。薬理学の技術分野で既知のように、所与の患者への治療の有効性に関して最も有効な結果をもたらすHPPの薬学的有効用量の正確な量は、例えば、特定のHPPの活性、特定の性質、薬物動態、薬力学、および生物学的利用能、被験体の生理条件(人種、年齢、性別、体重、食事、疾患の種類および段階、全身の健康状態、所与の投与量に対する応答性、ならびに薬物治療の種類を含む)、製剤中の薬学的に許容される担体の性質、使用する投与の経路および頻度、ならびに病原性標的微生物により引き起こされる疾患の重症度または性向等に基づく。しかしながら、治療を微調整する、例えば、投与の最適用量を決定するための基礎として上記指針を使用することができ、それは、被験体の監視および投与量の調節からなる日常的実験しか必要としない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro ed.20.sup.th edition、Williams&Wilkins PA、USA)(2000)。
【0128】
IV.利点
抗菌薬(例えば、抗生物質)および抗菌薬関連化合物は、通常、親水性であり、皮膚膜障壁を透過するのが困難である。抗菌薬または抗菌薬関連化合物を経口摂取する場合、これらは初回通過代謝により不活性化され得る。注射の場合、抗菌薬および抗菌薬関連化合物の投与は有痛性であり、頻繁で高価な来院を必要とするだろう。
【0129】
ある実施形態では、本発明のHPPまたはHPCは、1つまたは複数の生体生物学的障壁を通過することができるので、HPPまたはHPCを、全身投与(例えば、経口または非経口投与)の必要なしに状態が発生している場所に到達するよう局所的に(例えば、局所的または経皮的に)投与することができる。HPPまたはHPCの局所投与および透過は、親薬剤または薬物の全身投与と比較して、はるかに少ないHPPもしくはHPCの量または投与量で、HPPまたはHPCが、薬剤または薬物の局所濃度と同じレベルに到達するのを可能にし;あるいは、全身投与では与えることができないような、または可能であっても全身投与では薬剤の著しく高い投与量を要するより高レベルの局所濃度に到達するのを可能にする。HPP/HPCまたは切断される場合にはその親薬剤の高い局所濃度は、全身送達される親薬剤よりも効率的またははるかに速い状態の治療、および以前は可能ではないまたは観察されないような新規の状態の治療を可能にする。HPPまたはHPCの局所投与は、生物学的被験体が、全身投与からの潜在的苦痛、例えば、薬剤への全身曝露に関連する有害反応、消化管/腎臓の影響を減少させることを可能にする。さらに、局所投与は、HPPまたはHPCが複数の生物学的障壁を通過し、例えば、体循環を通して全身に到達し、それにより全身投与(例えば、注射)の必要性を回避し、非経口注射に関連する痛みを除去することを可能にする。
【0130】
ある実施形態では、本発明によるHPP/HPCまたは医薬組成物を全身投与することができる(例えば、経口的または非経口的)。HPP/HPCまたはHPP/HPCの活性剤(例えば、薬物または代謝産物)は、親薬物よりも速い速度で体循環に入ることができ、状態の作用部位へより速く接近することができる。さらに、HPP/HPCは、親薬剤を単独で投与した場合には透過しなかった生物学的障壁(例えば、血液脳関門および血液乳関門)を通過し、以前は可能ではないまたは観察されないような新規の状態の治療を提供することができる。
【0131】
例えば、本発明の抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPP/HPCは、生物学的障壁を通る高い透過率を示した(例えば、抗菌薬または抗菌薬関連化合物を単独で投与した場合よりも約10倍超、約50倍超、約100倍超、約200倍超、約300倍超、約1000倍超高い)。抗菌薬HPP/HPCを摂取した被験体からは全くまたはほとんど有害な副作用が観察されなかったが、同様の投与量で親抗菌薬を摂取した被験体からは副作用(悪心など)が観察された。
【0132】
抗菌薬の広範な使用と共に、病原体が経時的に突然変異するので薬剤耐性が一般的かつ深刻な問題となってきている。本発明によるHPP/HPCまたは医薬組成物は、バイオフィルム、細菌、真菌、および他の微生物の細胞壁などの1つまたは複数の生物学的障壁をはるかに高い割合で透過することができ、薬剤耐性を克服することができる。
【0133】
V.実施例
請求の発明をよりよく説明するために以下の実施例が提供されるが、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。以下に記載の特定の組成物、材料、および方法は、全体でまたは部分的に、本発明の範囲に入る。これらの特定の組成物、材料、および方法は、本発明を限定することを意図せず、単に本発明の範囲に入る特定の実施形態を説明することを意図している。当業者は、発明能力を行使することなく、かつ本発明の範囲を逸脱することなく、同等の組成物、材料、および方法を開発することができる。本発明の範囲内にまだ残っていながらも、本明細書に記載の手順に多くの変形を加えることができることが理解されよう。このような変形が本発明の範囲に含まれることを本発明者等は意図している。
【0134】
実施例1.親薬物からのHPPの調製
ある実施形態では、以下の構造F-C:
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
構造F-C
を有する親化合物は、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む構造L−1:
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
構造L-1
を有するHPPに転換され、
ここで、
F、L1、L2、およびL4は、上で定義され;
Tは、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの輸送単位である。例えば、Tは、上で定義されるWおよびR6からなる群から選択される。
【0135】
本発明のある実施形態では、構造L−1を有するHPPは、構造D:
【化225】
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構造D
を有する親化合物または親化合物の誘導体(例えば、親化合物の酸ハロゲン化物、混合無水物等)と、
構造Eの化合物:
T−L2−H
構造E
を反応させることによる有機合成により調製され(スキーム1)、
ここで、WCは、OH、ハロゲン、アルコキシカルボニル、および置換アリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択され;
F、L1、L2、L4、およびTは、上で定義される。
【化226】
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スキーム1.親化合物(I)からのHPPの調製
【0136】
ある実施形態では、構造L−1を有するHPPは、上記のスキーム1に従って調製され、ここでL4はC=Oである。
【0137】
ある実施形態では、以下の構造F:
【化227】
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構造F−N
を有する親化合物が、以下の構造G:
【化228】
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構造G
を有する化合物と反応して、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造L:
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構造L−1
のHPPが得られ、
ここで、
F、L1、L2、L4、およびTは、上で定義され;
Tは、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの輸送単位である。例えば、Tは、上で定義されるWおよびR6からなる群から選択され;
Mは、Na、K、または他の金属からなる群から選択される。WNは、OH、ハロゲン、アルコキシカルボニル、および置換アリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される(スキーム2)。
【化229】
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スキーム2.親化合物(II)からのHPPの調製
【0138】
ある実施形態では、構造L−1の構造を有するHPPは、上記の合成経路の1つに従って、輸送単位と機能単位を結合させる前に−C(=O)OH、−NH2、−OH、または−SHなどの不要な反応部位を保護する有機合成により調製される。ある実施形態では、得られた保護HPPは、さらに、部分的または完全に脱保護されて、それぞれ、部分的保護HPPまたは非保護HPPを与えることができる。
【0139】
6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩の調製
ペニシリンVカリウム39gを、アセトニトリル100mlに溶解した。酢酸エチル中の2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン.HBr39gを反応混合物に添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン.HBr39g(0.15モル)および炭酸水素ナトリウム30gを反応混合物に添加した。混合物を室温でさらに12時間攪拌した。濾過により固体を除去した。エーテル50ml中のHCl3.5gを、攪拌しながら反応混合物に添加した。濾過により固体生成物を回収した。乾燥後、所望の吸湿性生成物38gが得られた(78.2%)。元素分析:C2232ClN35S;MW:486.0。計算%C:54.37;H:6.64;N:8.65;Cl:7.29;O:16.46;S:6.60;実測%C:54.32;H:6.68;N:8.61;Cl:7.32;O:16.51;S:6.56。
【0140】
6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩の調製
6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸38gをクロロホルム300mlに溶解した。N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド20.6gを反応混合物に添加した。N,N−ジメチルアミノエタノール11.7gおよび4−ジメチルアミノピリジン2gを反応混合物に添加した。混合物を室温で10時間攪拌した。濾過により固体を除去した。クロロホルム溶液を、5%NaHCO3(2×100ml)および水(3×100ml)で洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過により硫酸ナトリウムを除去した。エーテル50ml中のHCl3.5gを、攪拌しながら反応混合物に添加した。濾過により固体生成物を回収した。乾燥後、所望の吸湿性生成物40gが得られた(77.5%)。元素分析:C2334ClN36S;MW:516.05。計算%C:53.53;H:6.64;N:8.14;Cl:6.87;O:18.60;S:6.21;実測%C:53.49;H:6.68;N:8.11;Cl:6.90;O:18.64;S:6.18。
【0141】
アセトアミドフェニルアセトアミドペニシラン酸2−ジエチルアミノプロピルエステル塩酸塩の調製
アセトアミドフェニルアセトアミドペニシラン酸ナトリウム塩43gをアセトニトリル100mlに溶解した。酢酸エチル中の2−ブロモ−N,N−ジエチルプロピルアミン.HBr40gを反応混合物に添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。2−ブロモ−N,N−ジエチルプロピルアミン.HBr40gおよび炭酸水素ナトリウム30gを反応混合物に添加した。混合物を室温でさらに12時間攪拌した。濾過により固体を除去した。エーテル50ml中のHCl3.5gを攪拌しながら反応混合物に添加した。濾過により固体生成物を回収した。乾燥後、所望の吸湿性生成物35gが得られた。元素分析:C2633ClN45S;MW:541.11。計算%C:55.49;H:6.89;N:10.35;Cl:6.55;O:14.78;S:5.92;実測%C:55.44;H:6.92;N:10.32;Cl:6.58;O:14.82;S:5.92。
【0142】
6−(5−メチル−3−フェニル−2−イソキサゾリン−4−カルボキサミド)ペニシラン酸4−ピペリジンエチルエステル塩酸塩の調製
6−(5−メチル−3−フェニル−2−イソキサゾリン−4−カルボキサミド)ペニシラン酸ナトリウム塩50gをアセトニトリル100mlに溶解した。酢酸エチル中の臭化4−ピペリジンエチル.HBr38gを反応混合物に添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。臭化4−ピペリジンエチル.HBr38gおよび炭酸水素ナトリウム30gを反応混合物に添加した。混合物を室温でさらに12時間攪拌した。濾過により固体を除去した。エーテル50ml中のHCl3.5gを攪拌しながら反応混合物に添加した。濾過により固体生成物を回収した。乾燥後、所望の吸湿性生成物30gが得られた。元素分析:C2633ClN45S;MW:549.08。計算%C:56.88;H:6.06;N:10.20;Cl:6.46;O:14.57;S:5.83;実測%C:56.85;H:6.08;N:10.19;Cl:6.47;O:14.59;S:5.82。
【0143】
3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−メトキシ−8−オキソ−7−[(2−チエニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩の調製
3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−メトキシ−8−オキソ−7−[(2−チエニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩41gを、アセトニトリル100mlに溶解した。酢酸エチル中の2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン.HBr35gを反応混合物に添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。2−ブロモ−N,N−ジエチルエチルアミン.HBr30gおよび炭酸水素ナトリウム30gを反応混合物に添加した。混合物を室温でさらに12時間攪拌した。濾過により固体を除去した。エーテル50ml中のHCl3.5gを攪拌しながら反応混合物に添加した。濾過により固体生成物を回収した。乾燥後、所望の吸湿性生成物30gが得られた。元素分析:C2231ClN472;MW:563.08。計算%C:46.93;H:5.55;N:9.95;Cl:6.30;O:19.89;S:11.39;実測%C:46.91;H:5.57;N:9.93;Cl:6.32;O:19.91;S:11.36。
【0144】
同様の手順により、他の抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPを合成することができる。
【0145】
実施例2.抗菌薬および抗菌薬関連化合物のHPPは、その親薬物と比較して、ヒト皮膚を横切るより高いインビトロ透過率を有する。
ヒト皮膚を通るHPPおよびその親薬物の透過率は、修正フランツセルによりインビトロで測定した。フランツセルは、2つのチャンバー、上部試料チャンバーおよび下部受容チャンバーを備えていた。上部チャンバーおよび受容チャンバーを分離するヒト皮膚組織(厚さ360〜400μm)は、前部および後部大腿領域から単離した。
【0146】
試験化合物(2mL、0.2Mリン酸緩衝液中10%、pH7.4)をフランツセルの試料チャンバーに添加した。受容チャンバーは、600rpmで攪拌した0.2Mリン酸緩衝液10mlを含んでいた。皮膚を透過する試験化合物の量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により決定した。結果を図1a1、1a2、1a3、1a4、1b、および1cに示した。図1a1、1a2、1a3、および1a4の勾配から計算した試験化合物の見かけのフラックス値を表1aに要約した。図1bおよび1cの勾配から計算した試験化合物の見かけのフラックス値は、表1bおよび表1cにそれぞれ要約している。
【0147】
本方法中の最低の検出可能な見かけのフラックス値は、1μg/cm2/hであったので、1μg/cm2/h以下の見かけのフラックス値を示す親薬物は、皮膚組織の透過について、検出可能であるとみなさなかった。1μg/cm2/hより低い見かけのフラックス値を有した親化合物(例えば、ペニシリンV、ペニシリンO)については、これらのHPPは、検出可能な見かけのフラックス値を有していた。1μg/cm2/hより高い見かけのフラックス値を有した親化合物については、これらのHPPは、より高い検出可能な見かけのフラックス値を有していた。そのため、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPは、その親化合物と比較して、皮膚組織を横切るより高い透過率(340〜600倍高い)を示した。
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【0148】
実施例3.皮膚および/または血液−脳関門を通るHPPのインビボ透過率
無傷の無毛マウスの皮膚および血液−脳関門を通るβ−ラクタム抗生物質のHPPのインビボ透過率を調査した。イソプロパノール1mL中の6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩、6−(5−メチル−3−フェニル−2−イソキサゾリン−4−カルボキサミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩、6−[3−(o−クロロフェニル)−5−メチル−4−イソキサゾールカルボキサミド]ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩、メチシリン、オキサシリン、およびクロキサシリンの20%溶液からなるドナーを、無毛マウスの背中の10cm2にそれぞれ施用した。2時間後、マウスを屠殺した。メタノール5mlを、均質化した血液、肝臓、腎臓、筋肉、または脳1gに添加した。試料を5分間遠心分離し、HPLCにより分析した(表2)。親薬物(メチシリン、オキサシリン、およびクロキサシリン)のみで処理したマウスについては、薬物は検出されなかった。結果は、それぞれの親薬物は皮膚を透過することができないが、これらのプロドラッグは血液−脳関門の高い透過率を有することを示した。
【表2】
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【0149】
90頭の泌乳期乳牛を採用した。pH7.4リン酸緩衝液(0.2M)10mL中の6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(ペニシリンV−DEE)、6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(メチシリン−DEE)、または7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(セフチゾキシム−DEE)500mgを、1日当たり2回乳房の皮膚に噴霧した。局所施用の1時間後、乳試料を採取し、分析した(表3)。親薬物の量を検出した。結果は、これらのプロドラッグが、血液−乳関門の非常に高い透過率を有することを示した。これらの血液−乳関門または血液−脳関門の非常に高い透過率は、これらを脳、乳房、前立腺、およびその他の感染症の治療にとって非常に有用にする。
【表3】
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【0150】
実施例4.抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPは、その親薬物よりも速く細菌の細胞壁を透過する。
試験化合物(6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸1−ピペリジンエチルエステル塩酸塩(ペニシリンV−PEE)、ペニシリンV、6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ピロリジンメチルエステル塩酸塩(メチシリン−PME)、メチシリン、7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(セフチゾキシム−DEE)、またはセフチゾキシム)0.5mmolを大腸菌懸濁液100mlに添加し、3分間攪拌した。混合物を3000rpmで遠心分離した。上清を廃棄し、沈渣をpH7.4リン酸緩衝液で3回洗浄した。アセトニトリル(100ml)を沈渣に添加し、混合物を2分間60℃に加熱した。アセトニトリル溶液を回収し、蒸発乾固した。HPLCを使用して、試験化合物の量を決定した。結果を表4に示した。
【表4】
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【0151】
実施例5.HPPからその親薬物への転換
抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPは、ヒト血漿中、良好な収率で急速に親抗菌薬または抗菌薬関連化合物に転換した。
【0152】
抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPP(10mg)を、0.2MのpH7.4リン酸緩衝液0.1mlに溶解した。37℃に予熱したヒト血漿1mlを混合物に添加した。混合物を水浴中で37℃に維持し、2分毎の間隔で試料0.2mlを回収し、メタノール0.4mlを添加して血漿タンパク質を沈殿させた。試料を5分間遠心分離し、HPLCにより分析した。結果は、抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの大半が親抗菌薬または抗菌薬関連化合物に転換されていることを示した(表5)。
【表5】
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【0153】
実施例6.抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの最小発育阻止濃度(MIC)
抗菌薬およびそのプロドラッグの最小発育阻止濃度(MIC)を、Jennifer M.Andrews、Journal of Antimicrobial Chemotherapy 48、suppl.S1、5〜16(2001)に従って評価した。結果(表6a〜6c)は、抗菌薬のHPPが、最小発育阻止濃度(MIC)に従ってメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のβ−ラクタム耐性を克服することができることを示した。
【表6-1】
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【表6-2】
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【表6-3】
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【0154】
実施例7.抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPの抗真菌活性
6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(ペニシリンV−DEE)、6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(メチシリン−DEE)、および7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(セフチゾキシム−DEE)の抗真菌活性を、Roether W.等、Mykosen 27(1)、14〜28(1984)に従って評価した。結果を以下の表7に列挙した。
【表7】
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実施例8.β−ラクタム抗生物質または関連化合物のHPPを使用した臨床的乳腺炎の治療
【0155】
90頭の泌乳期乳牛を採用した。17日および22日に、感染させた4分の1から採取した試料が、前処理試料中の単離した細菌種を含まなかった場合には、細菌学的治癒が達成されたと考えた。臨床的治癒は、治療前の1日に観察された疾患の臨床徴候の消滅として、すなわち、正常な飼料摂取、39℃未満の直腸温度、良好な全身状態、乳房浮腫の非存在、正常な乳の外観、および正常な乳量へ戻ることにより定義された。
【0156】
pH7.4リン酸緩衝液(0.2M)10ml中の6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(ペニシリンV−DEE)、6−(2,6−ジメトキシベンズアミド)ペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(メチシリン−DEE)、または7−[[(2−アセチルアミノ−4−チアゾリル)(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩(セフチゾキシム−DEE)500mgを、1日に2回乳房の皮膚に噴霧した。結果を表8aおよび8bに示す。プロドラッグは、非常に高い臨床的治癒および細菌学的治癒率を示した。
【表8-1】
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【表8-2】
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【0157】
実施例9.抗菌薬物のプロドラッグの抗結核菌活性
6週齢雌マウス(BALC/cマウス)を、空気感染経路により2.21±0.15×103CFUの結核菌H37Rvに感染させた。20日後、肺中の平均CFUは、8.23±0.27×107CFUであり、次いで治療を開始した。A群は未治療群(n=20)、B群は、イソニアジド/モキシフロキサシン(moxifloxacin)/ピラジナミド(0.18/0.22/1.2mmol/kg、経口で与えた)で45日間治療した群、C群は、イソニアジド/モキシフロキサシン/ピラジナミド(0.18/0.22/1.2mmol/kg、経口で与えた)で90日間治療した群、D群は、N−(N−メチル−フェニルアラニル)イソニアジド(N−メチルフェニルアラニンおよびイソニアジドから製造したプロイソニアジド、経皮的に与えた)/1−シクロプロピル−7−[(1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−8−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ブチルエステル(プロ−モキシフロキサシン)/ピラジン酸N,N−ジエチルアミノエチルエステル(プロ−ピラジン酸、0.18/0.22/1.2mmol/kg、経皮的に与えた)で45日間治療した群、E群は、プロ−イソニアジド/プロ−モキシフロキサシン/プロ−ピラジン酸(0.18/0.22/1.2mmol/kg、経皮的に与えた)で90日間治療した群、F群は、プロ−イソニアジド/プロ−モキシフロキサシン/プロ−ピラジン酸(0.06/0.07/0.4mmol/kg、経皮的に与えた)で45日間治療した群、およびG群は、プロ−イソニアジド/プロ−モキシフロキサシン/プロ−ピラジン酸(0.06/0.07/0.4mmol/kg、経皮的に与えた)で90日間治療した群であった。治療を止めた後、マウスを治療なしでさらに90日間保ち、次いで、屠殺して治癒を示す陰性の肺培養組織の比率を決定した。結果は、プロドラッグがその親薬物よりも優れており、経皮的に使用することができることを示した(表9aおよび9b)。
【表9-1】
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【表9-2】
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【0158】
実施例10.成人の結核の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中のN−(N−メチル−フェニルアラニル)イソニアジド(プロ−イソニアジド)40mg/1−シクロプロピル−7−[(1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−8−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ブチルエステル(プロ−モキシフロキサシン)50mg/ピラジン酸N,N−ジエチルアミノエチルエステル(プロ−ピラジン酸)40mgを、90日間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、胸の皮膚または患者の体の任意の他の皮膚(感染器官の近く)に施用する。
【0159】
実施例11.成人のらい病またはハンセン病(HD)の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中の4−ジメチルアミノブチリルアミドフェニル−4’−アミノフェニルスルホン(プロ−ダプソン)30mg/1−シクロプロピル−7−[(1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−8−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ブチルエステル(プロ−モキシフロキサシン)50mg/2(4−ジメチルアミノブチリルチオベンズイミダゾール)15mgを、6ヶ月間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の体の感染器官の近くの皮膚に施用する。
【0160】
実施例12.耳感染症の治療
水1ml中の6−フェノキシアセタセタミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩20mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の感染した耳の近くの皮膚に施用する。
【0161】
実施例13.成人の下気道感染症の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中のD−α−[(イミダゾリジン−2−オン−1−イル)カルボニルアミノ]ベンジルペニシリン2−ピロリジンメチルエステル塩酸塩80mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の頸部および/または胸の近くの皮膚に施用する。
【0162】
実施例14.成人の上気道感染症の治療(小児については減らした投与量)
水2ml中の6−D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニルアミノ)−α−フェニルアセトアミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩80mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の頸部の近くの皮膚に施用する。
【0163】
実施例15.成人の上気道感染症の治療(小児については減らした投与量)
水2ml中の3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−メトキシ−8−オキソ−7−[(2−チエニルアセチル)アミノ]−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩30mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の口または鼻の中へ噴霧する。
【0164】
実施例16.成人の髄膜炎の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中の6−D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニルアミノ)−α−フェニルアセトアミドペニシラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩80mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の頸部および頭部の近くの皮膚に施用する。
【0165】
実施例17.下痢症状の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中の7−(2−チエニルアセトアミド)セファロスポラン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩80mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の臍の近くの皮膚に施用する。
【0166】
実施例18.乳房感染症の治療
水2ml中の7−[(ヒドロキシフェニルアセチル)アミノ]−3−[[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ]メチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩50mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の乳房の近くの皮膚に施用する。
【0167】
実施例19.男性または女性生殖系感染症の治療(小児については減らした投与量)
水3ml中の3−[[(アミノカルボニル)オキシ]メチル]−7−[[2−フラニル(メトキシイミノ)アセチル]アミノ]−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸2−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩80mgを、2週間または疾患がなくなるまで、毎朝および晩(1日に2回)、患者の陰部の近くの皮膚に施用する。
本発明の態様として、例えば以下のものがある。
1.a)機能単位;
b)リンカー;
c)輸送単位;
を含む抗菌薬または抗菌薬関連化合物の高透過性組成物であって、
前記機能単位は、前記リンカーを通して前記輸送単位と共有結合しており;
前記機能単位は、前記抗菌薬または前記抗菌薬関連化合物の部分を含み;
前記輸送単位は、プロトン化可能なアミン基を含み;かつ
前記リンカーは、前記高透過性組成物が生物学的障壁を透過した後で切断することができる化学結合を含む、高透過性組成物。
2.前記化学結合が、共有化学結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、炭酸結合、カルバメート結合、リン酸結合、およびオキシム結合からなる群から選択される、上記1に記載の高透過性組成物。
3.前記抗菌薬または前記抗菌薬関連化合物の前記部分が、前記切断可能な結合の切断で前記抗菌薬または前記抗菌薬関連化合物に転換される、上記1に記載の高透過性組成物。
4.前記機能単位が、β−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタム抗生物質関連化合物の部分の親油性誘導体を含む、上記1に記載の高透過性組成物。
5.前記親油性誘導体が、炭酸塩、エステル、アミド、カルバミン酸塩、N−マンニッヒ塩基、エーテル、チオエーテル、チオエステル、リン酸塩、オキシム、およびイミンからなる群から選択される、上記4に記載の高透過性組成物。
6.前記β−ラクタム抗生物質または前記β−ラクタム抗生物質関連化合物が、β−ラクタム抗生物質、β−ラクタム抗生物質代謝産物、およびβ−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタム抗生物質代謝産物に代謝され得る薬剤、ならびにその類似体からなる群から選択される、上記1に記載の高透過性組成物。
7.前記プロトン化可能なアミン基が、置換および非置換第一級アミン基、置換および非置換第二級アミン基、ならびに置換および非置換第三級アミン基からなる群から選択される、上記1に記載の高浸透性組成物。
8.前記プロトン化可能なアミン基が、ぞの立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択され;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸からなる群から選択され;
Rは、何もない、H、CH2COOR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR中の任意のCH2は、O、S、P、NR6、または任意の他の薬学的に許容される基によりさらに置換されていてもよく;
1〜R2は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基からなる群から選択され;
5は、H、CONH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH32、CH2CH2N(CH2CH32、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、COW、L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、COR5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、−C(=O)−W、−L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
11〜R16は、独立に、何もない、H、CH2COOR11、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され; L1は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、および−S−CH(L3)−O−からなる群から選択され;
2は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、−S−CH(L3)−O−、−O−L3−、−N−L3−、−S−L3−、−N(L3)−L5−、およびL3からなる群から選択され;
4は、C=O、C=S、
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および
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からなる群から選択され;
1、L2、およびL4の各々について、L3およびL5は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、P、NL3、または任意の他の薬学的に許容される基により置換されていてもよく;
6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
Wは、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシ、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、構造W−18、および構造Waからなる群から選択される、
上記7に記載の高透過性組成物。
9.その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、
以下の化学構造:
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構造L−1
を有する高透過性組成物であって;
Fは、その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造F−1、構造FP−1、構造FP−2、構造FP−3、構造FP−4、構造FP−5、構造FP−6、構造FP−7、構造FP−8、構造FP−9、構造FP−10、構造FP−11、構造FP−12、構造FP−13、構造FP−14、構造FP−15、構造FP−16、構造FP−17、構造FP−18、構造FP−19、構造FP−20、構造FP−21、構造FP−22、構造FP−23、構造FP−24、構造FP−25、構造FP−26、構造FP−27、構造FP−28、構造FP−29、構造FP−30、FP−31、構造FP−32、構造FP−33、構造FP−34、構造FP−35、構造FP−36、構造FP−37、構造FP−38、構造FP−39、構造FP−40、FP−41、構造FP−42、構造FP−43、構造FP−44、構造FP−45、構造FP−46、構造FP−47、構造FP−48、構造FP−49、構造FP−50、FP−51、構造FP−52、構造FP−53、構造FP−54、構造FP−55、構造FP−56、構造FP−57、構造FP−58、構造FP−59、構造FP−60、FP−61、構造FP−62、構造FP−63、構造FP−64、構造FP−65、構造FP−66、構造FP−67、構造FP−68、構造FP−69、構造FP−70、FP−71、構造FP−72、構造FP−73、構造FP−74、構造FP−75、構造FP−76、構造FP−77、構造FP−78、構造FP−79、構造FP−80、FP−81、構造FP−82、構造FP−83、構造FP−84、構造FP−85、構造FP−86、構造FI−1、構造FI−2、構造FI−3、構造FI−4、構造FI−5、構造FI−6、構造FI−7、構造FI−8、構造FI−9、構造FI−10、構造FI−11、構造FI−12、構造FI−13、構造FI−14、構造FI−15、構造FI−16、構造FI−17、構造FI−18、構造FI−19、構造FI−20、構造FI−21、構造FI−22、構造FI−23、構造FI−24、構造FI−25、構造FI−26、構造FI−27、構造FI−28、構造FI−29、構造FI−30、構造FI−31、構造FI−32、構造FI−33、構造FS−1、構造FS−2、構造FS−3、構造FS−4、構造FS−5、構造FS−6、構造FS−7、構造FS−8、構造FS−9、構造FS−10、構造FS−11、構造FS−12、構造FS−13、構造FS−14、構造FS−15、構造FS−16、構造FS−17、構造FS−18、構造FS−19、構造FS−20、構造FT−1、構造FT−2、構造FT−3、構造FT−4、構造FT−5、構造FT−6、構造FT−7、構造FT−8、構造FT−9、構造FT−10、構造FT−11、構造FT−12、構造FT−13、構造FT−14、構造FT−15、および構造FT−16からなる群から選択される構造を有するβ−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタム抗生物質関連化合物の部分を含み;
Yは、H、OH、NHCHO、NHC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、OCH3、OC25、OR6、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、OC25、OC37、F、Br、I、Cl、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;
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は、構造NS−1、構造NS−2、構造NS−3、構造NS−4、および構造NS−5:
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構造NS−1 構造NS−2 構造NS−3 構造NS−4 構造NS−5
からなる群から選択され;
1は、H、OH、OCH3、OC25、OR6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2OC(=O)CH3、CH2OC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、CH2OCH3、CH3、C25、R6、Cl,F、Br、I、HC=CHCH3、HC=CH2、CH2OCH3、CH2OR6、S(CH2n−NHR7、構造X1−1、構造X1−2、構造X1−3、構造X1−4、構造X1−5、構造X1−6、構造X1−7、構造X1−8、構造X1−9、構造X1−10、構造X1−11、構造X1−12、構造X1−13、構造X1−14、構造X1−15、構造X1−16、構造X1−17、構造X1−18、構造X1−19、構造X1−20、構造X1−21、構造X1−22、構造X1−23、構造X1−24、構造X1−25、構造X1−26、構造X1−27、構造X1−28、構造X1−29、構造X1−30、構造X1−31、構造X1−32、構造X1−33、構造X1−34、構造X1−35、構造X1−36、構造X1−37、構造X1−38、構造X1−39、構造X1−40、構造X1−41、構造X1−42、構造X1−43、構造X1−44、構造X1−45、構造X1−46、構造X1−47、構造X1−48、構造X1−49、構造X1−50、構造X1−51、構造X1−52、構造X1−53、構造X1−54、構造X1−55、構造X1−56、構造X1−57、構造X1−58、構造X1−59、構造X1−60、構造X1−61、構造X1−62、構造X1−63、構造X1−64、構造X1−65、構造X1−66、構造X1−67、構造X1−68、構造X1−69、構造X1−70、構造X1−71、構造X1−72、構造X1−73、構造X1−74、構造X1−75、構造X1−76、構造X1−77、構造X1−78、構造X1−79、構造X1−80、構造X1−81、および構造X1−82からなる群から選択され;
Yと一緒になったRs−は、R6OCH2C(R5)=である、または単独で、R6OOCCH(NHR7)(CH2nC(=O)NH−、R6OOCCH(NHR7)(CH2nSC(=O)NH−、CF3SCH2C(=O)NH−、CF3CH2C(=O)NH−、CHF2SCH2C(=O)NH−、CH2FSCH2C(=O)NH−、NH2C(=O)CHFS−CH2C(=O)NH−、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH−、R7NHCH(L1−L4−L2−W)CH2SCH2C(=O)NH−、CNCH2SCH2C(=O)NH−、CH3(CH2nC(=O)NH−、R7N=CHNR7CH2CH2S−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH−、(CH32C(OR6)−、CNCH2C(=O)NH−、CNCH2CH2S−、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S−、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH−、CH3CH(OH)−、CH3CH(OR8)−、CH3CH(Y1)−、(CH32CH−、CH3CH2−、CH3(CH2nCH=CH(CH2mC(=O)NH−(式中、nまたはm=0、1、2、3、4、5、6、...)、構造Rs−1、構造Rs−2、構造Rs−3、構造Rs−4、構造Rs−5、構造Rs−6、構造Rs−7、構造Rs−8、構造Rs−9、構造Rs−10、構造Rs−11、構造Rs−12、構造Rs−13、構造Rs−14、構造Rs−15、構造Rs−16、構造Rs−17、構造Rs−18、構造Rs−19、構造Rs−20、構造Rs−21、構造Rs−22、構造Rs−23、構造Rs−24、構造Rs−25、構造Rs−26、構造Rs−27、構造Rs−28、構造Rs−29、構造Rs−30、構造Rs−31、構造Rs−32、構造Rs−33、構造Rs−34、構造Rs−35、構造Rs−36、構造Rs−37、構造Rs−38、構造Rs−39、構造Rs−40、構造Rs−41、構造Rs−42、構造Rs−43、構造Rs−44、構造Rs−45、および構造Rs−46からなる群から選択され;
Wは、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシ、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、構造Wa、構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択され;
Zは、CH2、S、SO、SO2、NH、NR6、CHCH3、CHCH2CH3、CR6、R6、−C(=O)−、およびOからなる群から選択され;
AAは、任意のアミノ酸を表し;
mおよびnの各々は、独立に、0および整数からなる群から選択され;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸からなる群から選択され;
Rは、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR中の任意のCH2は、O、S、P、NR6、または任意の他の薬学的に許容される基によりさらに置換されていてもよく;
1〜R3は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基からなる群から選択され;
5およびR35は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH32、CH2CH2N(CH2CH32、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、−C(=O)−W、L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
6、R36、およびR46は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、−C(=O)−W、−L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
7およびR37は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)−、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、L1−L4−L2−W、ならびにC−(=O)−Wからなる群から選択され;
8およびR38は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C25、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR67、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C37、C49、C511、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH32C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)−W、L1−L4−L2−W、W、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
11〜R16は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR11、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、NH、NR6、およびOからなる群から選択され;
2は、何もない、H、CH2(CH2nOR8、Cl、F、Br、I、NO2、CN、CF3、C25、C37、OCF3、OC25、NH2、NHR6、CH3、C25、R6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2C(=O)OR5、CH2(CH2nN(CH32、CH2(CH2nSO35、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;
3は、何もない、H、N3、SO3W、F、Cl、Br、OH、OCH3、OR6、CH3、R6、C(=O)OW、OW、L1−L4−L2−W、およびIからなる群から選択され; X4は、何もない、N、CH、およびCY1からなる群から選択され;
5およびX35は、独立に、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
6、X36およびX46は、独立に、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
7は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
1、Y31、Y2、Y32、Y3、およびY4は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、L1−L4−L2−W、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、R6、SO36、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC25、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2nNR56、CH2(CH2nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH21−L4−L2−W、NR8C(=O)R5、SO2NR58、C(=O)R5、SR5、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
1およびL31は、独立に、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、および−S−CH(L3)−O−からなる群から選択され;
2およびL32は、独立に、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、−S−CH(L3)−O−、−O−L3−、−N−L3−、−S−L3−、−N(L3)−L5−、およびL3からなる群から選択され;
4およびL34は、独立に、C=O、C=S、
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および
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からなる群から選択され;
1、L31、L2、L32、L4、およびL34の各々について、L3およびL5は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、P、NL3、または任意の他の薬学的に許容される基により置換されていてもよく;
6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
任意のCH2基は、O、S、またはNHにより置換されていてもよい、
高透過性組成物。
10.その立体異性体および薬学的に許容される塩を含む、構造P−1、構造P−2、構造P−3、構造P−4、構造P−5、構造P−6、構造P−7、構造P−8、構造P−9、構造P−10、構造P−11、構造P−12、構造P−13、構造P−14、構造P−15、構造P−16、構造P−17、構造P−18、構造P−19、構造P−20、構造P−21、構造P−22、構造P−23、構造P−24、構造P−25、構造P−26、構造P−27、構造P−28、構造P−29、構造P−30、構造P−31、構造P−32、構造P−33、構造P−34、構造P−35、構造P−36、構造P−37、構造P−38、構造P−39、構造P−40、構造P−41、構造P−42、構造P−43、構造P−44、構造P−45、構造P−46、構造P−47、構造P−48、構造P−49、構造P−50、構造P−51、構造P−52、構造P−53、構造P−54、構造P−55、構造P−56、構造P−57、構造P−58、構造P−59、構造P−60、構造P−61、構造P−62、構造P−63、構造P−64、構造P−65、構造P−66、構造P−67、構造P−68、構造P−69、構造P−70、構造P−71、構造P−72、構造P−73、構造P−74、構造P−75、構造P−76、構造P−77、構造P−78、構造P−79、構造P−80、構造P−81、構造P−82、構造P−83、構造P−84、構造P−85、構造P−86、構造I−1、構造I−2、構造I−3、構造I−4、構造I−5、構造I−6、構造I−7、構造I−8、構造I−9、構造I−10、構造I−11、構造I−12、構造I−13、構造I−14、構造I−15、構造I−16、構造I−17、構造I−18、構造I−19、構造I−20、構造I−21、構造I−22、構造I−23、構造I−24、構造I−25、構造I−26、構造I−27、構造I−28、構造I−29、構造I−30、構造I−31、構造I−32、構造I−33、構造S−1、構造S−2、構造S−3、構造S−4、構造S−5、構造S−6、構造S−7、構造S−8、構造S−9、構造S−10、構造S−11、構造S−12、構造S−13、構造S−14、構造S−15、構造S−16、構造S−17、構造S−18、構造S−19、構造S−20、構造T−1、構造T−2、構造T−3、構造T−4、構造T−5、構造T−6、構造T−7、構造T−8、構造T−9、構造T−10、構造T−11、構造T−12、構造T−13、構造T−14、構造T−15、および構造T−16からなる群から選択される構造を有し;
m、n、R1、R2、R5、R35、R6、R36、R46、R7、R8、R38、T、W、X、X2、X4、X5、X35、X6、X36、X46、X7、Y1、Y2、Y31、Y32、Y3、Y4、Z、AA、HA、R、Rs、およびR11〜R16は、上記8および上記9中に上記されるのと同じように定義される、
上記9に記載の高透過性組成物。
11.上記9に記載の高透過性組成物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
12.前記薬学的に許容される担体が、極性である、上記11に記載の医薬組成物。
13.前記薬学的に許容される担体が、アルコール、アセトン、エステル、水、および水溶液からなる群から選択される、上記11に記載の医薬組成物。
14.生物学的障壁に上記11に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、生物学的障壁を透過する方法。
15.以下のステップ:
1)リンカーを通して抗菌薬または抗菌薬関連化合物を含む機能単位と輸送単位を共有結合させて、試験組成物を形成するステップ;
2)生物学的被験体または生物学的障壁に前記試験組成物を投与するステップ;および
3)前記試験組成物が、所望の特徴を有するかどうかを決定するステップ
を含む、所望の特徴について抗菌薬または抗菌薬関連化合物のHPPをスクリーニングする方法。
16.前記所望の特徴が、
1)前記試験組成物が前記生物学的障壁を透過する能力;
2)前記試験組成物が親薬物または活性剤に転換する能力;
3)前記試験組成物の透過率;
4)前記試験組成物の効率;および
5)前記試験組成物の効能
からなる群から選択される、上記15に記載の方法。
17.以下のステップ:
1)生物学的被験体に上記9に記載の組成物を投与するステップ;
2)前記生物学的被験体中の前記組成物の存在、位置、または量を検出するステップ;および
3)前記生物学的被験体の状態を検出するステップ
を含む、生物学的被験体の状態を診断する方法。
18.前記組成物が標識される、上記17に記載の方法。
19.以下のステップ:
1)生物学的被験体に上記11に記載の組成物を投与するステップ;
2)前記生物学的被験体中の前記組成物の存在、位置、または量を検出するステップ;および
3)前記生物学的被験体の状態を検出するステップ
を含む、生物学的被験体の状態を診断する方法。
20.前記組成物が標識される、上記19に記載の方法。
21.生物学的被験体に、上記9に記載の高透過性組成物または上記11に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、生物学的被験体の状態を治療する方法。
22.前記状態が、痛み、傷害、および微生物に関連する状態からなる群から選択される、上記21に記載の方法。
23.前記微生物に関連する状態が、細菌に関連する状態、原虫に関連する状態、真菌に関連する状態、およびウイルスにより引き起こされる状態からなる群から選択される、上記22に記載の方法。
24.前記細菌に関連する状態が、感染症、ペスト、腺ペストおよび肺ペスト、炭疽、皮膚炭疽、肺炭疽および胃腸炭疽、ライム病、ブルセラ症、百日咳、急性腸炎、呼吸器感染症、オウム病、非淋菌性尿道炎、トラコーマ、新生児の封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫、偽膜性大腸炎、ガス壊疽、食中毒、嫌気性蜂巣炎、ジフテリア、乳児の髄膜炎、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、野兎病、肺炎、気管支炎、消化性潰瘍、レジオネラ病、ポンティアック熱、レプトスピラ症、リステリア症、ハンセン病、結核、マイコプラズマ肺炎、淋病、新生児眼炎、化膿性関節炎、髄膜炎菌性疾患、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、ロッキー山紅斑熱、腸チフス型サルモネラ症、胃腸炎および全腸炎によるサルモネラ症、細菌性赤痢/細菌性赤痢、膀胱炎、髄膜炎および敗血症、子宮内膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、梅毒、壊死性筋膜炎、連鎖球菌性咽頭炎、猩紅熱、リウマチ熱、膿痂疹、丹毒、産褥熱、ならびにコレラからなる群から選択される、上記23に記載の方法。
25.前記感染症状態が、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門、および肛門掻痒からなる群から選択される器官の感染症状態、呼吸器感染症、上気道感染症、尿路感染症、院内感染症、緑膿菌感染症、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌感染症、皮膚感染症、中毒症、急性細菌性心内膜炎、敗血症、壊死性肺炎、インプラント補綴の感染症、ならびに敗血症および肺炎による日和見感染症からなる群から選択される、上記24に記載の方法。
26.前記原虫に関連する状態が、マラリア、睡眠病、およびトキソプラズマ症からなる群から選択される、上記23に記載の方法。
27.前記真菌に関連する状態が、アスペルギルス症、ブラストミセス症、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、および接合菌症からなる群から選択される、上記23に記載の方法。
28.前記ウイルスに関連する状態が、インフルエンザ、黄熱病、およびAIDSからなる群から選択される、上記23に記載の方法。
【0168】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕以下の化学構造:
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を有する高透過性化合物、その立体異性体又は薬学的に許容される塩であって;
Fは、以下の、構造F−1、構造FP−1、構造FP−2、構造FP−3、構造FP−7、構造FP−11、構造FP−14、構造FP−19、構造FP−20、構造FP−26、構造FP−28、構造FP−29、構造FP−39、構造FP−45、構造FP−46、構造FP−62、構造FP−83、構造FP−84、構造FP−85、構造FP−86、構造FI−1、構造FI−2、構造FI−3、構造FI−4、構造FI−5、構造FI−6、構造FI−7、構造FI−8、構造FI−9、構造FI−10、構造FI−11、構造FI−12、構造FI−13、構造FI−14、構造FI−15、構造FI−16、構造FI−17、構造FI−18、構造FI−19、構造FI−20、構造FI−21、構造FI−22、構造FI−23、構造FI−24、構造FI−25、構造FI−26、構造FI−27、構造FI−28、構造FI−29、構造FI−30、構造FI−31、構造FI−32、構造FI−33、構造FS−1、構造FS−2、構造FS−3、構造FS−4、構造FS−5、構造FS−6、構造FS−7、構造FS−8、構造FS−9、構造FS−10、構造FS−11、構造FS−12、構造FS−13、構造FS−14、構造FS−15、構造FS−16、構造FS−17、構造FS−18、構造FS−19、構造FS−20、構造FT−1、構造FT−2、構造FT−3、構造FT−4、構造FT−5、構造FT−6、構造FT−7、構造FT−8、構造FT−9、構造FT−10、構造FT−11、構造FT−12、構造FT−13、構造FT−14、構造FT−15、および構造FT−16、ならびにその立体異性体および薬学的に許容される塩からなる群から選択される構造を有するβ−ラクタム抗生物質またはβ−ラクタム抗生物質関連化合物の部分からなり;
Yは、H、OH、NHCHO、NHC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、OCH3、OC25、OR6、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、OC25、OC37、F、Br、I、Cl、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;

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は、構造NS−1、構造NS−2、構造NS−3、構造NS−4、および構造NS−5:

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からなる群から選択され;
1は、H、OH、OCH3、OC25、OR6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2OC(=O)CH3、CH2OC(=O)R6、OC(=O)CH3、OC(=O)R6、CH2OCH3、CH3、C25、R6、Cl,F、Br、I、HC=CHCH3、HC=CH2、CH2OCH3、CH2OR6、S(CH2n−NHR7、以下の、構造X1−1、構造X1−2、構造X1−3、構造X1−4、構造X1−5、構造X1−6、構造X1−7、構造X1−8、構造X1−9、構造X1−10、構造X1−11、構造X1−12、構造X1−13、構造X1−14、構造X1−15、構造X1−16、構造X1−17、構造X1−18、構造X1−19、構造X1−20、構造X1−21、構造X1−22、構造X1−23、構造X1−24、構造X1−25、構造X1−26、構造X1−27、構造X1−28、構造X1−29、構造X1−30、構造X1−31、構造X1−32、構造X1−33、構造X1−34、構造X1−35、構造X1−36、構造X1−37、構造X1−38、構造X1−39、構造X1−40、構造X1−41、構造X1−42、構造X1−43、構造X1−44、構造X1−45、構造X1−46、構造X1−47、構造X1−48、構造X1−49、構造X1−50、構造X1−51、構造X1−52、構造X1−53、構造X1−54、構造X1−55、構造X1−56、構造X1−57、構造X1−58、構造X1−59、構造X1−60、構造X1−61、構造X1−62、構造X1−63、構造X1−64、構造X1−65、構造X1−66、構造X1−67、構造X1−68、構造X1−69、構造X1−70、構造X1−71、構造X1−72、構造X1−73、構造X1−74、構造X1−75、構造X1−76、構造X1−77、構造X1−78、構造X1−79、構造X1−80、構造X1−81、および構造X1−82からなる群から選択され;
Yと一緒になったRs−は、R6OCH2C(R5)=である、または単独で、R6OOCCH(NHR7)(CH2nC(=O)NH−、R6OOCCH(NHR7)(CH2nSC(=O)NH−、CF3SCH2C(=O)NH−、CF3CH2C(=O)NH−、CHF2SCH2C(=O)NH−、CH2FSCH2C(=O)NH−、NH2C(=O)CHFS−CH2C(=O)NH−、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH−、R7NHCH(L1−L4−L2−W)CH2SCH2C(=O)NH−、CNCH2SCH2C(=O)NH−、CH3(CH2nC(=O)NH−、R7N=CHNR7CH2CH2S−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)−、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH−、(CH32C(OR6)−、CNCH2C(=O)NH−、CNCH2CH2S−、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S−、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH−、CH3CH(OH)−、CH3CH(OR8)−、CH3CH(Y1)−、(CH32CH−、CH3CH2−、CH3(CH2nCH=CH(CH2mC(=O)NH−(式中、nまたはm=0、1、2、3、4、5、6、...)、以下の、構造Rs−1、構造Rs−2、構造Rs−3、構造Rs−4、構造Rs−5、構造Rs−6、構造Rs−7、構造Rs−8、構造Rs−9、構造Rs−10、構造Rs−11、構造Rs−12、構造Rs−13、構造Rs−14、構造Rs−15、構造Rs−16、構造Rs−17、構造Rs−18、構造Rs−19、構造Rs−20、構造Rs−21、構造Rs−22、構造Rs−23、構造Rs−24、構造Rs−25、構造Rs−26、構造Rs−27、構造Rs−28、構造Rs−29、構造Rs−30、構造Rs−31、構造Rs−32、構造Rs−33、構造Rs−34、構造Rs−35、構造Rs−36、構造Rs−37、構造Rs−38、構造Rs−39、構造Rs−40、構造Rs−41、構造Rs−42、構造Rs−43、構造Rs−44、構造Rs−45、および構造Rs−46からなる群から選択され;
Wは、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシ、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、以下の、構造Wa、構造W−1、構造W−2、構造W−3、構造W−4、構造W−5、構造W−6、構造W−7、構造W−8、構造W−9、構造W−10、構造W−11、構造W−12、構造W−13、構造W−14、構造W−15、構造W−16、構造W−17、および構造W−18からなる群から選択され;
Zは、CH2、S、SO、SO2、NH、NR6、CHCH3、CHCH2CH3、CR6、R6、−C(=O)−、およびOからなる群から選択され;
AAは、任意のアミノ酸を表し;
mおよびnの各々は、独立に、0および整数からなる群から選択され;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸からなる群から選択され;
Rは、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR中の任意のCH2は、O、S、P、NR6、または任意の他の薬学的に許容される基によりさらに置換されていてもよく;
1〜R3は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基からなる群から選択され;
5およびR35は、独立に、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH32、CH2CH2N(CH2CH32、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、−C(=O)−W、L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
6、R36、およびR46は、独立に、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、−C(=O)−W、−L1−L4−L2−W、ならびにWからなる群から選択され;
7およびR37は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)−、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルキルカルボニル、置換および非置換アルキルアミノ、L1−L4−L2−W、ならびにC−(=O)−Wからなる群から選択され;
8およびR38は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH3、C25、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR67、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C37、C49、C511、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH32C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)−W、L1−L4−L2−W、W、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
11〜R16は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR11、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、NH、NR6、およびOからなる群から選択され;
2は、何もない、H、CH2(CH2nOR8、Cl、F、Br、I、NO2、CN、CF3、C25、C37、OCF3、OC25、NH2、NHR6、CH3、C25、R6、C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、CH2C(=O)OR5、CH2(CH2nN(CH32、CH2(CH2nSO35、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、ならびに置換および非置換アルキルオキシルからなる群から選択され;
3は、何もない、H、N3、SO3W、F、Cl、Br、OH、OCH3、OR6、CH3、R6、C(=O)OW、OW、L1−L4−L2−W、およびIからなる群から選択され; X4は、何もない、N、CH、およびCY1からなる群から選択され;
5およびX35は、独立に、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
6、X36およびX46は、独立に、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
7は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5からなる群から選択され;
1、Y31、Y2、Y32、Y3、およびY4は、独立に、H、OH、OW、OC(=O)W、L1−L4−L2−W、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、R6、SO36、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC25、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2nNR56、CH2(CH2nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH21−L4−L2−W、NR8C(=O)R5、SO2NR58、C(=O)R5、SR5、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルからなる群から選択され;
1およびL31は、独立に、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、および−S−CH(L3)−O−からなる群から選択され;
2およびL32は、独立に、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、−N(L3)−CH2−O、−N(L3)−CH2−N(L5)−、−O−CH2−O−、−O−CH(L3)−O、−S−CH(L3)−O−、−O−L3−、−N−L3−、−S−L3−、−N(L3)−L5−、およびL3からなる群から選択され;
4およびL34は、独立に、C=O、C=S、
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および
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からなる群から選択され;
1、L31、L2、L32、L4、およびL34の各々について、L3およびL5は、独立に、何もない、H、CH2C(=O)OR6、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、P、NL3、または任意の他の薬学的に許容される基により置換されていてもよく;
6は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
7は、独立に、H、OH、Cl、F、Br、I、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アリール、置換および非置換ヘテロアリール、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、ならびに置換および非置換ハロゲン化アルキルからなる群から選択され、ここで任意の炭素または水素は、さらに、独立に、O、S、N、P(O)OL6、CH=CH、C≡C、CHL6、CL67、アリール、ヘテロアリール、または環状基により置換されていてもよく;
任意のCH2基は、O、S、またはNHにより置換されていてもよい、
高透過性化合物。
〔2〕構造P−1、構造P−2、構造P−3、構造P−4、構造P−5、構造P−6、構造P−7、構造P−8、構造P−9、構造P−10、構造P−11、構造P−12、構造P−13、構造P−14、構造P−15、構造P−16、構造P−17、構造P−18、構造P−19、構造P−20、構造P−21、構造P−22、構造P−23、構造P−24、構造P−25、構造P−26、構造P−27、構造P−28、構造P−29、構造P−30、構造P−31、構造P−32、構造P−33、構造P−34、構造P−35、構造P−36、構造P−37、構造P−38、構造P−39、構造P−40、構造P−41、構造P−42、構造P−43、構造P−44、構造P−45、構造P−46、構造P−47、構造P−48、構造P−49、構造P−50、構造P−51、構造P−52、構造P−53、構造P−54、構造P−55、構造P−56、構造P−57、構造P−58、構造P−59、構造P−60、構造P−61、構造P−62、構造P−63、構造P−64、構造P−65、構造P−66、構造P−67、構造P−68、構造P−69、構造P−70、構造P−71、構造P−72、構造P−73、構造P−74、構造P−75、構造P−76、構造P−77、構造P−78、構造P−79、構造P−80、構造P−81、構造P−82、構造P−83、構造P−84、構造P−85、構造P−86、構造I−1、構造I−2、構造I−3、構造I−4、構造I−5、構造I−6、構造I−7、構造I−8、構造I−9、構造I−10、構造I−11、構造I−12、構造I−13、構造I−14、構造I−15、構造I−16、構造I−17、構造I−18、構造I−19、構造I−20、構造I−21、構造I−22、構造I−23、構造I−24、構造I−25、構造I−26、構造I−27、構造I−28、構造I−29、構造I−30、構造I−31、構造I−32、構造I−33、構造S−1、構造S−2、構造S−3、構造S−4、構造S−5、構造S−6、構造S−7、構造S−8、構造S−9、構造S−10、構造S−11、構造S−12、構造S−13、構造S−14、構造S−15、構造S−16、構造S−17、構造S−18、構造S−19、構造S−20、構造T−1、構造T−2、構造T−3、構造T−4、構造T−5、構造T−6、構造T−7、構造T−8、構造T−9、構造T−10、構造T−11、構造T−12、構造T−13、構造T−14、構造T−15、および構造T−16からなる群から選択される構造を有し;
m、n、R1、R2、R5、R35、R6、R36、R46、R7、R8、R38、T、W、X、X2、X4、X5、X35、X6、X36、X46、X7、Y1、Y2、Y31、Y32、Y3、Y4、Z、AA、HA、R、Rs、およびR11〜R16は、前記〔1〕中に上記されるのと同じように定義される、
前記〔1〕に記載の高透過性化合物、その立体異性体又は薬学的に許容される塩。
〔3〕前記〔1〕に記載の高透過性化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
〔4〕前記薬学的に許容される担体が、極性である、前記〔3〕に記載の医薬組成物。
〔5〕前記薬学的に許容される担体が、アルコール、アセトン、エステル、水、および水溶液からなる群から選択される、前記〔3〕に記載の医薬組成物。
〔6〕前記〔1〕に記載の高透過性化合物を含む医薬組成物であって、該医薬組成物が生物学的障壁に投与される場合、前記〔1〕に記載の高透過性化合物が生物学的障壁を透過する、前記医薬組成物。
〔7〕生物学的被験体の状態を治療するための、前記〔6〕に記載の医薬組成物。
〔8〕前記状態が、痛み、傷害、および微生物に関連する状態からなる群から選択される、前記〔7〕に記載の医薬組成物。
〔9〕前記微生物に関連する状態が、細菌に関連する状態、原虫に関連する状態、真菌に関連する状態、およびウイルスにより引き起こされる状態からなる群から選択される、前記〔8〕に記載の医薬組成物。
〔10〕前記細菌に関連する状態が、感染症、ペスト、腺ペストおよび肺ペスト、炭疽、皮膚炭疽、肺炭疽および胃腸炭疽、ライム病、ブルセラ症、百日咳、急性腸炎、呼吸器感染症、オウム病、非淋菌性尿道炎、トラコーマ、新生児の封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫、偽膜性大腸炎、ガス壊疽、食中毒、嫌気性蜂巣炎、ジフテリア、乳児の髄膜炎、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、野兎病、肺炎、気管支炎、消化性潰瘍、レジオネラ病、ポンティアック熱、レプトスピラ症、リステリア症、ハンセン病、結核、マイコプラズマ肺炎、淋病、新生児眼炎、化膿性関節炎、髄膜炎菌性疾患、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、ロッキー山紅斑熱、腸チフス型サルモネラ症、胃腸炎および全腸炎によるサルモネラ症、細菌性赤痢/細菌性赤痢、膀胱炎、髄膜炎および敗血症、子宮内膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、梅毒、壊死性筋膜炎、連鎖球菌性咽頭炎、猩紅熱、リウマチ熱、膿痂疹、丹毒、産褥熱、ならびにコレラからなる群から選択される、前記〔9〕に記載の医薬組成物。
〔11〕前記感染症状態が、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門、および肛門掻痒からなる群から選択される器官の感染症状態、呼吸器感染症、上気道感染症、尿路感染症、院内感染症、緑膿菌感染症、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌感染症、皮膚感染症、中毒症、急性細菌性心内膜炎、敗血症、壊死性肺炎、インプラント補綴の感染症、ならびに敗血症および肺炎による日和見感染症からなる群から選択される、前記〔10〕に記載の医薬組成物。
〔12〕前記原虫に関連する状態が、マラリア、睡眠病、およびトキソプラズマ症からなる群から選択される、前記〔9〕に記載の医薬組成物。
〔13〕前記真菌に関連する状態が、アスペルギルス症、ブラストミセス症、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、および接合菌症からなる群から選択される、前記〔9〕に記載の医薬組成物。
〔14〕前記ウイルスに関連する状態が、インフルエンザ、黄熱病、およびAIDSからなる群から選択される、前記〔9〕に記載の医薬組成物。
【0169】
本発明の更にまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1'〕その立体異性体および/または薬学的に許容される塩を含む、以下の化学構造:
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を有する化合物であって;
Fは、構造FP−2、構造FP−7、および構造FI−4から選択され;
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Tは、構造W−2または構造W−4から選択され;
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HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択され;
Rは、何もない、ならびに置換および非置換アルキルから選択され;
1は、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基から選択され;
5は、H、ならびに置換および非置換アルキルから選択され;
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールから選択され;
11〜R13は、独立に、置換および非置換アルキルであり;
1〜Y4、およびY31は、独立に、H、OH、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、R6、OCH3、OC25、CH3SO2、CH3SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルから選択され;
1は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、および−N(L3)−から選択され;
2は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、および−N(L3)−から選択され;
4は、C=OまたはC=Sであり;
1およびL2の各々について、L3は、独立に、何もない、H、置換および非置換アルキル、ならびに置換および非置換アルコキシルから選択される、
前記化合物。
〔2'〕6−(5−メチル−3−フェニル−2−イソキサゾリン−4−カルボキサミド)ペニシラン酸4−ピペリジンエチルエステル.HA;
6−[3−(o−クロロフェニル)−5−メチル−4−イソキサゾールカルボキサミド]ペニシラン酸3−ピペリジンエチルエステル.HA;
6−[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−メチル−4−イソキサゾールカルボキサミド]ペニシラン酸1−ピペリジンエチルエステル.HA;
D−α−[(イミダゾリジン−2−オン−1−イル)カルボニルアミノ]ベンジルペニシリン2−ピロリジンメチルエステル.HA;
6R−[2−[3−(メチルスルホニル)−2−オキソ−1−イミダゾリジンカルボキサミド]−2−フェニルアセトアミド]ペニシラン酸1−ピロリジンエチルエステル.HA;または
[2S−(2α,3β,5α)]−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシド1−ピペリジンエチルエステル.HA
であり、
HAが、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択される、
前記〔1'〕に記載の化合物。
〔3'〕その立体異性体および/または薬学的に許容される塩を含む、以下の化学構造:
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を有する化合物であって;
Fは、構造FI−3、構造FS−9、および構造FS−11から選択され;
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Tは、
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であり;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択され;
Rは、何もない、ならびに置換および非置換アルキルから選択され;
1およびR2は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基から選択され;
5は、H、置換および非置換アルキル、ならびに置換および非置換シクロアルキルから選択され;
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールから選択され;
11〜R13は、独立に、置換および非置換アルキルであり;
5は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5から選択され;
6は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5から選択され;
1〜Y4は、独立に、H、OH、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、OCH3、OC25、CH3SO2、CH3SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルから選択され;
1は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、および−N(L3)−から選択され;
2は、何もない、O、S、−O−L3−、−S−L3−、−N(L3)−、およびL3から選択され;
4は、C=OまたはC=Sであり;
1およびL2の各々について、L3は、独立に、何もない、H、置換および非置換アルキル、ならびに置換および非置換アルコキシルから選択される、
前記化合物。
〔4'〕(2S,5R)−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4,4−ジオキシドN,N−ジエチルアミノエチルエステル.HA;または
1−エチル−7−メチル−4−オキソ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸N,N−ジエチルアミノエチルエステル.HA
であり、
HAが、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択される、
前記〔3'〕に記載の化合物。
〔5'〕その立体異性体および/または薬学的に許容される塩を含む、以下から選択される化学構造:
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を有する化合物であって;
Wは、
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であり;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択され;
Rは、何もない、ならびに置換および非置換アルキルから選択され;
1およびR2は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基から選択され;
5は、H、置換および非置換アルキルから選択され;
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールから選択され;
11〜R13は、独立に、置換および非置換アルキルであり;
Xは、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、NH、NR6およびOから選択され;
5は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5から選択され;
6は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5から選択され;
1〜Y4は、独立に、H、OH、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、OCH3、OC25、CH3SO2、CH3SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルから選択される、
前記化合物。
〔6'〕[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸(3−ピリジニル)(1−ピペリジンエチル)エステル.HA;
[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸(3−ピリジニル)(1−ピペリジニル)エステル.HA;
[(N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]−ホスホン酸(4−ニトロフェニル)(N,N−ジエチルアミノメチル)エステル.HA;または
4−(4−ジメチルアミノブチリル)アミドベンゼンスルホンアミド.HA
であり、
HAが、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択される、
前記〔5'〕に記載の化合物。
〔7'〕その立体異性体および/または薬学的に許容される塩を含む、以下から選択される化学構造:
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を有する化合物であって;
Wは、
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であり;
HAは、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択され;
Rは、何もない、ならびに置換および非置換アルキルから選択され;
1およびR2は、独立に、H、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリール残基から選択され;
5は、H、置換および非置換アルキルから選択され;
6は、H、F、Cl、Br、I、Na+、K+、C(=O)R5、2−オキソ−1−イミダゾリジニル、フェニル、5−インダニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン−3−イル、置換および非置換アルキル、置換および非置換シクロアルキル、置換および非置換ヘテロシクロアルキル、置換および非置換アルケニル、置換および非置換アルキニル、置換および非置換アルキルオキシル、置換および非置換シクロアルキルオキシル、置換および非置換アリール、ならびに置換および非置換ヘテロアリールから選択され;
11〜R13は、独立に、置換および非置換アルキルであり;
Xは、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、NH、NR6およびOから選択され;
5は、何もない、C(=O)、OC(=O)、CH2、CH、S、O、およびNR5から選択され;
1〜Y4は、独立に、H、OH、OC(=O)CH3、CH3、C25、C37、C49、OCH3、OC25、CH3SO2、CH3SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換アルコキシル、置換および非置換アルキルチオ、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換ペルフルオロアルキル、置換および非置換ハロゲン化アルキル、ならびに置換および非置換アルキルカルボニルから選択される、
前記化合物。
〔8'〕ピラジン酸N,N−ジエチルアミノエチルエステル.HA;または
N−(N−メチル−フェニルアラニル)イソニアジド.HA
であり、
HAが、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択される、
前記〔7'〕に記載の化合物。
〔9'〕(2R,5R,Z)−3−(2−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸4−ピペリジンエチルエステル.HA;
6−オキソ−3−(2−[4−(N−ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]ヒドラゾノ)シクロヘキサ−1,4−ジエンカルボン酸N,N−ジエチルアミノプロピルエステル.HA;
1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−7−ピペラジン−1−イル−キノリン−3−カルボン酸ブチルエステル.HA;または
4−ジメチルアミノブチリルアミドフェニル−4’−アミノフェニルスルホン.HA
であり、
HAが、何もない、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、二硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、二酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸から選択される、化合物。
〔10'〕前記〔1'〕〜〔9'〕のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
〔11'〕前記薬学的に許容される担体が、極性である、前記〔10'〕に記載の医薬組成物。
〔12'〕前記薬学的に許容される担体が、アルコール、アセトン、エステル、水、および水溶液から選択される、前記〔10'〕に記載の医薬組成物。
〔13'〕前記〔1'〕〜〔9'〕のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物であって、生物学的障壁に該医薬組成物を投与すると、前記化合物が前記生物学的障壁を透過する、医薬組成物。
〔14'〕生物学的被験体の状態を治療するための、前記〔10'〕〜〔13'〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔15'〕前記状態が、痛み、傷害、および微生物に関連する状態から選択される、前記〔14'〕に記載の医薬組成物。
〔16'〕前記微生物に関連する状態が、細菌に関連する状態、原虫に関連する状態、真菌に関連する状態、およびウイルスにより引き起こされる状態から選択される、前記〔15'〕に記載の医薬組成物。
〔17'〕前記細菌に関連する状態が、感染症、ペスト、腺ペストおよび肺ペスト、炭疽、皮膚炭疽、肺炭疽および胃腸炭疽、ライム病、ブルセラ症、百日咳、急性腸炎、呼吸器感染症、オウム病、非淋菌性尿道炎、トラコーマ、新生児の封入体結膜炎、性病性リンパ肉芽腫、偽膜性大腸炎、ガス壊疽、食中毒、嫌気性蜂巣炎、ジフテリア、下痢、乳児の髄膜炎、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、野兎病、肺炎、気管支炎、消化性潰瘍、レジオネラ病、ポンティアック熱、レプトスピラ症、リステリア症、ハンセン病、結核、マイコプラズマ肺炎、淋病、新生児眼炎、化膿性関節炎、髄膜炎菌性疾患、ウォーターハウス−フリーデリクセン症候群、ロッキー山紅斑熱、腸チフス型サルモネラ症、胃腸炎および全腸炎を伴うサルモネラ症、細菌性赤痢/細菌性赤痢、膀胱炎、髄膜炎および敗血症、子宮内膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、梅毒、壊死性筋膜炎、連鎖球菌性咽頭炎、猩紅熱、リウマチ熱、膿痂疹、丹毒、産褥熱、ならびにコレラから選択される、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔18'〕前記感染症状態が、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃、結直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管、直腸肛門、および肛門掻痒からなる群から選択される器官の感染症状態、呼吸器感染症、上気道感染症、尿路感染症、院内感染症、緑膿菌感染症、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌感染症、皮膚感染症、中毒症、急性細菌性心内膜炎、敗血症、壊死性肺炎、インプラント補綴の感染症、ならびに敗血症および肺炎を伴う日和見感染症から選択される、前記〔17'〕に記載の医薬組成物。
〔19'〕前記原虫に関連する状態が、マラリア、睡眠病、およびトキソプラズマ症から選択される、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔20'〕前記真菌に関連する状態が、アスペルギルス症、ブラストミセス症、白癬、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、および接合菌症から選択される、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
〔21'〕前記ウイルスにより引き起こされる状態が、インフルエンザ、黄熱病、およびAIDSから選択される、前記〔16'〕に記載の医薬組成物。
図1a1
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図1a2
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図1a3
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図1a4
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図1b
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図1c
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