特許第6707540号(P6707540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707540会話クイックフレーズを提供するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707540
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】会話クイックフレーズを提供するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/56 20200101AFI20200601BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20200601BHJP
   G06F 40/274 20200101ALI20200601BHJP
   G06F 40/216 20200101ALI20200601BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20200601BHJP
【FI】
   G06F17/28 681
   G06F3/16 650
   G06F17/27 665
   G06F17/27 615
   G06Q30/06 300
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-530681(P2017-530681)
(86)(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公表番号】特表2017-539028(P2017-539028A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】US2015064567
(87)【国際公開番号】WO2016094452
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】201410743848.3
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユークン ホアン
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/073331(WO,A2)
【文献】 国際公開第01/091019(WO,A1)
【文献】 特開2013−008139(JP,A)
【文献】 特表2010−537280(JP,A)
【文献】 特開2010−113660(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0238557(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0033675(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00 − 40/58
G06F 3/16
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会話のユーザに会話クイックフレーズを提供する方法であって、前記方法は、
前記ユーザの第1のアイデンティティ情報、及び前記会話の当事者である別のユーザの第2のアイデンティティ情報を判定するステップと、
前記第1のアイデンティティ情報、前記第2のアイデンティティ情報及び前記会話に対応するコンテクスト情報を取得するステップと、
前記第1および第2のアイデンティティ情報並びに前記コンテクスト情報に基づいて前記会話の段階を特定するステップと、
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供するステップと
備え
会話クイックフレーズが、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関連する単語及び情報を含み、前記コンテクスト情報が、前記第1および第2のアイデンティティ情報に対応する注文情報と、前記会話に対応するアイテム情報の群から選択される方法。
【請求項2】
前記会話の前記段階が、販売前、販売中及び販売後の群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンテクスト情報を取得する前記ステップが、
前記第1のアイデンティティ情報と前記第2のアイデンティティ情報に同時に対応する注文が存在するかを判定するために問い合わせるステップと、
対応する注文が存在する場合、前記注文の注文IDに基づいて注文状況情報を取得するステップであって、前記注文ID及び前記注文状況情報は、前記注文情報として指定され、前記注文状況情報は完了または未完了のステータスを示すステップと、
対応する注文が存在しない場合、前記会話の情報に基づいてアイテムのアイテムID及びカテゴリ情報を判定するステップであって、前記アイテムID及び前記カテゴリ情報は、前記アイテム情報として指定されるステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2のアイデンティティ情報並びに前記コンテクスト情報に基づいて前記会話の段階を特定する前記ステップが、
前記コンテクスト情報が注文情報であり、前記注文情報の前記注文状況情報が未完了である場合、前記会話の前記段階を販売中として特定し、
前記コンテクスト情報が注文情報であり、前記注文情報の前記注文状況情報が完了である場合、前記会話の前記段階を販売後として特定するステップ、
前記取得した情報がアイテム情報である場合、前記会話の前記段階を販売前として特定するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップが、
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、前記会話の前記段階が販売中または販売後である場合、販売中または販売後の段階に関する前記顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、前記会話の前記段階に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返すステップと、
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が売り主のステータスを示す場合、販売前、販売中または販売後の段階に関する前記売り主のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、前記会話の前記段階に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返すステップと、
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、前記会話の前記段階が販売前である場合、前記顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、前記カテゴリ情報に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返すステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記会話の情報に基づいてアイテムのアイテムID及びカテゴリ情報を判定する前記ステップが、
前記会話の前記情報からリンク情報を取得するステップと、
前記リンク情報が特定のアイテムに関連するかどうかを判定するステップと、
前記リンク情報が特定のアイテムに関連することの判定に応答して、前記リンク情報に関連する前記アイテムのアイテムIDを取得し、前記アイテムIDに基づいてカテゴリ情報を判定するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応して1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップの前に、
前記会話の前記段階が販売前である場合、前記カテゴリ情報が仕様情報を含むかどうかを判定するステップと、
前記カテゴリ情報が仕様情報を含むことの判定に応答して、前記仕様情報を構成するための事前に決定したフォーマットを取得し、これを前記ユーザに表示するステップとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応して1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップの前に、
前記会話の前記段階が販売前である場合、前記カテゴリ情報が衣類または履き物に関連するかどうかを判定するステップと、
前記カテゴリ情報が衣類または履き物に関連することの判定に応答して、サイズ構成に関する事前に決定したフォーマットを取得し、これを前記ユーザに表示するステップとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応して1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップの後に、
前記ユーザによって選択された会話クイックフレーズを取得するステップと、
前記ユーザによって選択された前記会話クイックフレーズを前記会話の他のユーザに送信するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応して1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップの後に、
前記事前に決定したフォーマットを利用して前記ユーザによって入力された構成情報を取得するステップと、
前記構成情報に基づいて前記ユーザに対応する1つまたは複数の構成関連のクイックフレーズを生成、前記構成関連のクイックフレーズを前記会話の他のユーザに送信するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応して1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供する前記ステップの後に、
前記事前に決定したフォーマットを利用して前記ユーザによって入力されたサイズ情報を取得するステップと、
前記サイズ情報に基づいて前記ユーザに対応する1つまたは複数のサイズ関連のクイックフレーズを生成、前記サイズ関連のクイックフレーズを前記会話の他のユーザに送信するステップとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの第1のアイデンティティ情報、及び前記会話の当事者である他のユーザの第2のアイデンティティ情報を判定する前記ステップの前に、
前記会話を確立するためのリクエストを前記ユーザから受信し、前記リクエストの内容を取得するステップと、
前記リクエストが特定のアイテムに関するウェブページ識別子を含む場合、前記ウェブページ識別子に基づいて前記アイテムに関するリンク情報を生成し、前記リンク情報を送信するかどうかに関して前記ユーザを促すステップと、
前記リクエストが注文に関する注文識別子を含む場合、前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報及び他のユーザの前記第2のアイデンティティ情報の判定を続けるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
会話のユーザに会話クイックフレーズを提供するためのクライアントシステムであって、前記クライアントシステムは、
プロセッサと、
前記プロセッサに作動可能に結合された非一時的コンピュータ可読媒体とを備え、前記非一時的コンピュータ可読媒体が、そこに保管され前記プロセッサによってアクセスされる際に実行されるコンピュータ可読命令を有し、前記命令が、
前記ユーザの第1のアイデンティティ情報と、前記会話の当事者である別のユーザの第2のアイデンティティ情報を判定するように構成されたアイデンティティ判定モジュールと、
前記第1および第2のアイデンティティ情報並びに前記会話に対応するコンテクスト情報を取得するように構成された情報取得モジュールと、
前記第1のアイデンティティ情報、第2のアイデンティティ情報及び前記コンテクスト情報に基づいて前記会話の段階を特定するように構成された段階特定モジュールと、
前記段階並びに前記第1および第2のアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズを前記ユーザに提供するように構成された情報提供モジュールとを備え、
会話クイックフレーズが、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関連する単語及び情報を含み、前記コンテスト情報が、前記第1および第2のアイデンティティ情報に対応する注文情報と、前記会話に対応するアイテム情報の群から選択されるクライアントシステム。
【請求項14】
前記情報取得モジュールが、
前記第1のアイデンティティ情報と前記第2のアイデンティティ情報に同時に対応する注文が存在するかを判定するために問い合わせるように構成された問い合わせサブモジュールと、
対応する注文が存在する場合、前記注文の注文IDに基づいて注文状況情報を取得するように構成された注文情報取得サブモジュールとを備え、前記注文ID及び前記注文状況情報が前記注文情報として指定され、前記注文状況情報が完了または未完了の状況を示す、請求項13に記載のクライアントシステム。
【請求項15】
前記情報提供モジュールが、
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、前記会話の前記段階が販売中または販売後である場合、販売中または販売後の段階に関する前記顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、前記会話の前記段階に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返し、
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が売り主のステータスを示す場合、販売前、販売中または販売後の段階に関する前記売り主のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、前記会話の前記段階に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返し、かつ
前記ユーザの前記第1のアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、前記会話の前記段階が販売前である場合、前記顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、カテゴリ情報に対応する前記会話クイックフレーズを前記ユーザに返すように構成される、請求項13に記載のクライアントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月8日に提出された中国特許出願第201410743848.3号に対して利益を主張しており、この特許はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に通信技術に関し、より詳細には会話のクイックフレーズを提供するための方法、クライアントシステム及びサーバシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
インターネット及びeコマース技術の開発に伴って、ユーザにとって、オンライン及びeコマース取引を行うのにインスタントメッセージング(IM)が次第に重要なツールになってきている。顧客は、そのようなIMツールを利用して他の顧客ならびに売り主と交信して、取引に関連する状況を交渉し、市販品に関連する問題を解決する。インスタントメッセージを送ることによって、顧客と売り主が瞬時に互いにやり取りし、取引の詳細を知ることになる。
【0004】
ユーザがIMを介して異なる当事者と取引を行う際、やり取りの中で特定の用語またはフレーズの似たような使用または繰り返される使用が高いパーセントで生じる。例えばそのような会話のフレーズには、価格設定及び発送日に関する情報についての問い合わせがある。1つの取引に関して、同一の当事者が関与するかどうかに関わらず、この取引に対応する会話においてそのような内容が高い可能性で現れる傾向にある。取引のやり取りの各々の段階において、IMツールを利用する顧客は、同一または同様のテキスト内容を手動で入力する必要があり、やり取りを完了させるために何回も入力する必要があることは言うまでもない。とりわけモバイルeコマースが主流になりつつある時代では、モバイル機器はPCコンピュータとは異なるように操作されるために、取引の様々当事者または様々な取引に関してモバイル機器から入力することは不便である。このような不便さは、ユーザの通信効率に強い影響を与え、モバイルeコマースのユーザーエクスペリエンスに大きく影響を及ぼす。
【0005】
本開示は、会話の現在の情報または状況に基づいて会話のユーザに会話のクイックフレーズを提供するための方法、クライアントシステム及びサーバシステムを提供することである。クイックフレーズは、その会話についての当事者である他のユーザに送信することで、通信効率及びユーザエクスペリエンスを向上させるように能動的にユーザに提供される。
【0006】
本開示の一例の実施形態によると、会話のユーザに会話のクイックフレーズを提供するための方法は、ユーザの第1のアイデンティティ情報、及び会話の当事者である別のユーザの第2のアイデンティティ情報を判定するステップを含む。方法はまた、第1のアイデンティティ情報、第2のアイデンティティ情報及び会話に対応するコンテキスト情報を取得するステップと、アイデンティティ情報及びコンテキスト情報に基づいて会話の段階を判定するステップも含む。方法は、段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズをユーザに提供するステップをさらに含み、ここでは会話クイックフレーズは、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関連する単語及び情報を含み、コンテキスト情報は、アイデンティティ情報に対応する注文情報と、会話に対応するアイテム情報の群から選択される。
【0007】
本開示の別の例示の実施形態によると、会話クイックフレーズを提供するためのクライアントシステムは、アイデンティティ判定モジュール、情報取得モジュール、段階特定モジュール及び情報提供モジュールを含む。アイデンティティ判定モジュールは、ユーザのアイデンティティ情報及び会話の当事者である別のユーザのアイデンティティ情報を判定するように構成される。情報取得モジュールは、アイデンティティ情報及び会話に対応するコンテキスト情報を取得するように構成される。段階特定モジュールは、アイデンティティ情報及びコンテキスト情報に基づいて会話の段階を特定するように構成される。また情報提供モジュールは、段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズをユーザに提供するように構成され、この場合会話クイックフレーズは、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関する単語及び情報を含み、コンテキスト情報は、アイデンティティ情報に対応する注文情報と、会話に対応するアイテム情報の群から選択される。
【0008】
本開示の別の例示の実施形態によると、サーバによって会話クイックフレーズを提供するための方法は、サーバのデータストアから現在保管される会話フレーズを取り出すステップを含む。方法はまた、取り出した会話フレーズをフィルタリングすることで、カテゴリ情報に対応する高い利用頻度のフレーズを取得するステップと、フィルタリングされた高い利用頻度のフレーズを特定の会話の複数の段階に対応するクイックフレーズに分類するステップを含み、この場合カテゴリ情報は、アイテムと、注文の状況のカテゴリを含む。方法はさらに、クライアントがサーバから周期的にクイックフレーズを取得し、それに応じて更新するように、事前決定されたフォーマットに従ってクイックフレーズを変換及びアレンジするステップをさらに含み、この場合クイックフレーズは、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関する単語及び情報を含む。
【0009】
本開示のさらに別の例示の実施形態によると、会話のユーザに会話のクイックフレーズを提供するためのサーバシステムは、取得モジュール、分類モジュール及び処理モジュールを含む。取得モジュールは、サーバのデータストアから現在保管される会話フレーズを取り出すように構成される。分類モジュールは、取り出した会話フレーズをフィルタリングして、カテゴリ情報に対応する高い利用頻度のフレーズを取得し、フィルタリングされた高い利用頻度のフレーズを会話の段階に対応するクイックフレーズに分類するように構成され、この場合カテゴリ情報は、アイテムと、注文の状況のカテゴリを含む。処理モジュールは、クライアントがサーバから周期的にクイックフレーズを取得し、それに応じて更新するように、事前決定されたフォーマットに従ってクイックフレーズを変換及びアレンジするように構成され、この場合クイックフレーズは、eコマース取引のインスタントメッセージング会話に関する単語及び情報を含む。
【0010】
添付の図面は本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を形成しており、そこでは同様の数字は同様の要素を表しており、本開示の実施形態を図示しており、記載と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による会話クイックフレーズを提供するための一例の方法のフローチャートである。
図2】本開示の一実施形態によるクライアントシステムのブロック図である。
図3】本開示の一実施形態による会話クイックフレーズを提供する別の例示の方法のフローチャートである。
図4】本開示の一実施形態によるサーバシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載において、本開示の完全な理解を与えるために多数の特有の詳細が記載されている。しかしながら本開示は、これらの特有の詳細なしでも実施され得ることが当業者に明白になるであろう。本明細書の記載及び表現例は、本開示の当業者にその作用の実体を最も効果的に伝えるために当業者によって使用される共通の手段である。他の例では、本開示の態様を不必要にあいまいにしないために、よく知られた方法、処置、要素及び回路は詳細に記載されていない。
【0013】
「ある実施形態」または「一実施形態」に対する本明細書の言及は、その実施形態に関連して記載される特定の機構、構造または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを意味している。「ある実施形態において」というフレーズは、明細書の様々な場所に現れるが、必ずしも同一の実施形態を全て指す必要はなく、他の実施形態を相互に除外する別のまたは代替の実施形態を指す必要もない。本明細書で使用される用語「上部」、「下部」、「頂部」、「底部」、「中央」、「上方」及び「下方」は、記載の目的で相対的な位置を提供することが意図されており、絶対的な基準系を指すことは意図されていない。さらに、本開示の1つまたは複数の実施形態を表すプロセスフローチャートまたは線図におけるブロックの順番は本質的に何らかの特定の順番を指すものではなく、本開示における何らかの限定を示唆するものでもない。
【0014】
本開示の実施形態によると、取引のいずれの段階においてもユーザが別のユーザと迅速かつ簡便に会話を開始することを可能にするために、方法は、クイックフレーズを会話のユーザに表示すべきときに、その会話の段階を判定することと、1つまたは複数の会話クイックフレーズをユーザに提供することとを含む。クイックフレーズは、段階とアイデンティティ情報の両方に対応する。よってユーザは、会話の他のユーザと迅速かつ簡便にやり取りすることができ、ユーザ入力に関連する障害及び繰り返しによって生じる不便さをなくすことができる。
【0015】
本開示の実施形態を図1図4を参照してここで考察する。しかしながら当業者は、これらの図面に関して本明細書に提示される詳細な記載は、本開示はこれらの限定された実施形態を超えて拡張するため、説明の目的であることを容易に理解するであろう。
【0016】
会話クイックフレーズは、本明細書では、単語、フレーズ、文全体、文の一部、及び会話もしくはやり取りに関する、またはその中に現れる何らかの情報を指している。
【0017】
図1を参照すると、本開示の一実施形態による会話クイックフレーズを提供する一例の方法のフローチャートが示される。方法100は、クライアントエンドの観点から示されており、会話の段階に対応するクイックフレーズを会話のユーザにいかに提供するか、またクイックフレーズをいかに送信するかについて詳細に記載している。
【0018】
方法100はステップ101において始まり、ここでは会話クイックフレーズをユーザに表示すべきときに、ユーザ及び会話の当事者である別のユーザのアイデンティティ情報が判定される。詳細には、ユーザにとって会話に入るための方法は複数ある。例えば、市販品(商品及び/またはサービス)の情報ウェブページ、または注文の確認もしく情報ウェブページを閲覧する際にユーザが「チャットを開始する」のアイコンをクリックすることによって会話を行うことができる。アイテムの情報ウェブページの場合、一般にこのウェブページ内に記載されるアイテムの売り主に関するリンク情報がある。注文の情報または確認ウェブページの場合、一般にその注文を出した相手である売り主に関して同様のリンク情報が存在する。したがってユーザが「チャットを開始する」のアイコンをクリックすると、それは会話を確立するためのリクエストを送信することになる。そのようなリクエストは、ユーザがそのアイコンをクリックすることを許可するウェブページのコンテンツに応じた内容が含まれる。詳細には、特定のアイテムの情報ウェブページから会話を確立するために、ユーザがアイコンのクリック作業を介して会話を開始する場合、ユーザが次にそのアイテムのリンクを対応する売り主に送信し易くするために、このリクエストは、アイテムに対応するウェブページ識別子を含む。一方、ユーザが注文の情報または確認ウェブページから会話を確立するためにアイコンのクリック作業を介して会話を開始する場合、リクエストは注文に対応する注文識別子を含むことで、後にこの注文識別子に基づいて迅速に注文の現在の状況を得ることができる。
【0019】
したがってクライアントシステムがユーザにサービスを提供する際、ステップ101より前に、会話を確立するためのリクエストが受信され、このリクエストの内容が取得される。ステップ101の後、リクエストがアイテムに関するウェブページ識別子を含む場合、このウェブページ識別子に基づいてこのアイテムに関するリンク情報が生成される。ユーザは、生成されたリンク情報を送信するかどうかに関して促される。リクエストが注文に関する注文識別子を含む場合、方法100は、ユーザ及び会話の当事者である他のユーザのアイデンティティ情報の判定を続ける。
【0020】
上記に記載した会話が確立されるためにどのようにリクエストされたかに関わらず、現在の会話に関するユーザに会話クイックフレーズを表示すべきときに、ユーザ及び会話の当事者である他のユーザの両方のアイデンティティ情報をサーバから取得することができる。詳細には、それはユーザIDとアイデンティティ情報との間に事前に構成された関係からアイデンティティ情報を取り出すためにユーザIDを使用することによって判定することができる。
【0021】
例えばユーザがアイテムのウェブページを閲覧し、このウェブページから「売り主に連絡する」ボタンをクリックした場合、クライアントシステムは、この事象を会話を確立するためのユーザによるリクエストとして認識する。その後それは、ユーザが会話を確立するためのリクエストを開始するウェブページのウェブページ識別子をリクエストに付け加え、リクエストをサーバに送信する。リクエストを受信した後、サーバはリクエストに含まれる内容を取得し、そこからアイテムに対応するウェブページ識別子が存在するかどうかを判定する。ユーザが対象のアイテムの売り主に迅速に通知するまたは問い合わせるために、サーバは、このウェブページ識別子に基づいてリンク情報を生成し、このリンク情報を送信するかどうかについてユーザに促す。
【0022】
別の例に関して、注文に関して売り主に問い合わせする際、ユーザは、注文の情報または確認ウェブページから「売り主に連絡する」ボタンをクリックする。クライアントシステムは同様に、この事象を会話を確立するためのユーザによるリクエストとして認識する。それはさらに、注文のウェブページに対応する注文識別子をリクエストに付け足し、このリクエストをサーバに送信する。注文識別子を含んだリクエストを受信した後、サーバは、この注文識別子に対応する注文を判定し、ユーザ、及びリクエストされた会話に対する他の当事者である他のユーザのアイデンティティ情報の判定を続ける。
【0023】
本開示の好ましい実施形態において、会話を確立するためのユーザによるリクエストを受信する前に、ユーザがクライアントシステム(ウェブクライアント及びモバイルクライアントを含めた)にログオンしたかどうかをまず判定することができる。ユーザが、確かにログオンした場合、この場合、ユーザがシステムにログオンしたユーザIDに基づいて、このユーザに対応するアイデンティティ情報をデータストアから取得することができる。その結果、ユーザ、及び会話についての他のユーザのアイデンティティ情報を判定する前に、会話を確立するためのリクエストを承認することができ、それに応じてこのリクエストに含まれる内容を取得することができる。リクエストが特定のアイテムのウェブページ識別子を含む場合、このウェブページ識別子に基づいてこのアイテムに関するリンク情報が生成される。ユーザは、リンク情報を送信するかどうかについて促される。リクエストが注文の注文識別子を含む場合、方法は、ユーザ、及び会話についての当事者である他のユーザのアイデンティティ情報の判定を続ける。
【0024】
例えばユーザが、ウェブクライアントまたはモバイルクライアントから衣類のアイテムを閲覧する場合、この衣類のアイテムを表示しているウェブページに会話を確立するためのリンクが存在する。ユーザが衣類のアイテムに対応する売り主との会話を始めるとき、サーバは、会話を確立するためのリクエストに基づいてこのリンクを自動的に取得することができ、リンクを通じてアイテムに関する情報もさらに取得することができる。あるいは会話に対する何らかのリクエストの前に、あらかじめユーザに関する閲覧履歴を取得することもできる。会話を確立した後、売り主からのアイテムに対応するリンクを会話に関するウェブページに含むことができる。さらにユーザが多くのアイテムを閲覧する際、それらのアイテムは、事前に決定されたポリシーに基づいて選択することができる。例えば今の季節が冬であるならば、冬服が好まれるであろう。あるいはユーザが最も閲覧に長い時間を費やしたアイテムが好まれるであろう。
【0025】
ステップ102において、アイデンティティ情報及び会話に対応するコンテクスト情報が取得される。コンテクスト情報は、取得されたアイデンティティ情報に対応する注文情報である、あるいは会話に対応するアイテム情報である場合もある。会話の2人の当事者のアイデンティティを区別するために、本開示の実施形態によると、ユーザのアイデンティティは第1のアイデンティティであり、会話の他の当事者である他のユーザは、第2のアイデンティティである。好ましい実施形態では、アイデンティティ情報に対応する注文情報または会話に対応するアイテム情報を取得するプロセスにおいて、第1のアイデンティティと、第2のアイデンティティの両方に同時に対応する注文が存在するかどうか判定するように問い合わせが行われる。
【0026】
第1及び第2のアイデンティティの両方に対応する注文が存在する場合、それはユーザ同士の間に注文が既に出されており、顧客によって配送が確認されていない、または顧客によって配送が確認されているが、配送された注文に関して売り手に連絡した場合のいずれかのみを指している。したがって注文の注文IDに基づいて実存する注文の注文状況を取得することができる。注文ID及び注文状況は注文情報として指定することができ、注文状況は、完了または未完了の状況を指している。ユーザが他のユーザと会話を交わす場合、ユーザと他のユーザの間で注文が出されているかに関して問い合わせることができる。換言すると、ユーザが他のユーザからアイテムを注文したかどうかを判定することができる。例えばユーザが一足の靴を「taobao」のウェブサイトから購入した後、ユーザが既にその靴を受け取っている場合、その注文は完了する。靴の注文が出されたならば、サーバは、この注文に対応する注文識別子を生成する。ユーザが靴の配送を受け取る前、その注文に関する状況は未完了である。
【0027】
第1のアイデンティティと第2のアイデンティティの両方に対応する注文が存在しない場合、それはユーザ同士の間で注文が出されていないことを示している。よって会話の内容に基づいてアイテムID及び対応するカテゴリ情報を特定することができる。アイテムID及びカテゴリ情報は、アイテム情報として指定することができる。さらにユーザと他のユーザの間に注文が存在しない場合、ユーザが閲覧したアイテムの情報を取得することができる。例えばそのような情報は、ユーザが特定の期間閲覧したアイテムの情報、あるいはユーザが閲覧した複数の店で提供される特定のカテゴリのアイテムの情報であって良い。そのような情報に基づいて、アイテムID及びカテゴリ情報が取得される場合がある。
【0028】
本開示の好ましい実施形態において、会話の内容に基づいてアイテムID及びカテゴリ情報を特定する際、会話からウェブページへのリンクが得られる。このリンクが市販品に関連するかどうかが判定され、そうであるならば、そのアイテムに対応するアイテムIDが取得され、そのアイテムIDに対応するカテゴリ情報もそれに応じて取得される。
【0029】
例えばユーザが問い合わせようとする、または購入しようとするアイテムについての会話の中に情報が出てくる場合がある。ユーザが特定のアイテムのウェブページを閲覧する際、会話を開始するためにアイコンをクリックすると、そのアイテムに対するリンクを会話の中に自動的に表示することによってそうした情報は生成される場合がある。この情報はまた、ユーザが会話を開始するためにアイコンをクリックした後、ユーザが現在閲覧中のアイテムに対するリンクを取得する会話によって生成される場合もある。複数のアイテムがある場合、ユーザが最も長い時間を費やしたアイテムに対するリンクが選択される。あるいは他の手法が実施される場合もある。例えば冬の季節では、ユーザが冬服、サンダル及び電子機器のアイテムを閲覧した場合、冬服へのリンクが記録され、会話が始まるときにその会話の中に含まれる。さらに複数のアイテムのカテゴリがあるため、捜す目的でそれらのアイテムをカテゴライズする必要がある。例えば、売り主の店内で男性用の靴が提供される場合、この靴に対応するアイテムIDが存在することになる。このアイテムIDは、製造元のシリアル番号、この店によって割り当てられた独自のシリアルコードまたはラベルであって良い。一連の数字もしくは符号、または二次元コードもしくはバーコードなどの場合もある。アイテムIDに対応するカテゴリ情報は、アイテムのカテゴリに関する情報であり、例えば男性用の靴は、靴のカテゴリ、男性用、革製の記述を含むカテゴリ情報と対応付けられる。
【0030】
ステップ103において、取得したコンテクスト情報及びアイデンティティ情報に基づいて会話の段階が特定される。買い物の異なる段階に応じて、会話の段階を、販売前、販売中及び販売後としてラベル付けすることができる。販売前の段階は、ユーザが購入取引を起こすために売り主を相手に注文を出す前の段階に相当する。販売前の段階において、ユーザと売り主は、申し込んだアイテム及びそのアイテムに関する発送期間に関してやり取りする可能性がある。販売中の段階は、ユーザが注文を出した後で、かつ売り主がその注文を発送する前の段階に相当する。販売中の段階において、ユーザは、注文の発送及び配送に関連する質問に関して売り主に問い合わせる可能性がある。販売後の段階は、ユーザが注文の配送を受け取った後の段階に相当し、この期間においてユーザは、配送されたアイテムに関して売り主とやり取りする可能性がある。したがって取得したコンテクスト情報及びアイデンティティ情報に基づいて会話の段階を特定するために、一部の好ましい実施形態では、以下の手法を利用することができる。
【0031】
取得したコンテクスト情報が注文情報であり、その注文に対応する注文状況が未完了である場合、会話の段階は販売中として特定される。例えば「taobao」のウェブサイトに注文を出すと、ユーザが「taobao」のウェブサイトで注文を出した後で、かつユーザがその注文の配送を受け取る前の期間の会話が販売中である。取得したコンテクスト情報が注文情報であり、その注文に対応する状況が完了している場合、会話の段階は販売後として特定される。ここでもまた例えば「taobao」のウェブサイトで注文を出すと、ユーザがその注文の配送を受け取った後の期間における会話は販売後である。取得したコンテクスト情報がアイテム情報である場合、会話の段階は販売前として特定される。アイテム情報しか存在しない場合、それはユーザ、すなわち顧客がまだなおアイテムの購入について閲覧中または考え中であり、何らかの注文を出していないことを示している。例えばユーザが「taobao」のウェブサイトで提供される靴を捜しており、靴の代金を支払っていない場合、それはユーザがなおも靴の購入を考えている最中であることを示しており、よってこの期間における会話は販売前である。
【0032】
ステップ104において、会話の段階及びアイデンティティ情報の両方に対応するクイックフレーズがユーザに提供される。本開示の好ましい実施形態において、ユーザのアイデンティティ情報が顧客のステータスを指しており、会話の段階が販売中または販売後として特定された場合、顧客のステータスならびに販売中及び販売後の段階に対応する現在利用可能なクイックフレーズがサーバから取り出される。会話の特定の段階に対応するクイックフレーズが続いてユーザに返される。
【0033】
ユーザのアイデンティティ情報が売り主のステータスを示す場合、売り主のステータス及び会話の全ての段階に対応する現在利用可能なクイックフレーズがサーバから取り出される。続いて会話の特定の段階に対応するクイックフレーズがユーザに返される。ユーザのアイデンティティ情報が顧客のステータスを指す場合、会話の段階が販売前であると特定されて、顧客のステータスに対応する現在利用可能なクイックフレーズがサーバから取り出される。続いてカテゴリ情報に対応するクイックフレーズがユーザに返される。
【0034】
詳細には、ユーザのアイデンティティ情報がまず判定される。本開示の実施形態は、両方の当事者にとって便宜を与えるなど、顧客と売り主の両方にとってのエクスペリエンスの最適化を実現する。したがってユーザが顧客であるか、または売り主であるかがまず判定される。例えばそのようなステータスは、顧客及び売り主がログオンするのに異なるクライアントシステムを利用するということに基づいて判定することができる。会話の現在の段階に基づいてユーザステータスが顧客として判定された場合、会話の現在の段階に対応する該当情報がユーザ、すなわち顧客に提供される。例えば販売中の段階において、顧客は、注文の配送状況に関して、すなわち注文が発送されたかどうかについて問い合わせる、または注文が出された直後にリスト価格が割引されたことについて不満を訴えるなどする。それらすべてに関するクイックフレーズは、ユーザが対応するフレーズや情報を手動で入力することなく、サーバから取得され、ユーザに提供することができる、またはユーザは、取得した対応するクイックフレーズに対する制限されたもしくは簡単な修正について全ての問い合わせを売り主に対して行う、または取得した対応するクイックフレーズに基づいて取引を完了することもできる。
【0035】
別の例に関して、ユーザが販売後の段階に進んだ場合、すなわちユーザが注文の配送を受け取り、注文したアイテムを返品するまたは交換することができるかどうか、そのアイテムの品質、アイテムに関する保証、返品または交換に関連するタイミング、ロジスティクス及びアドレス情報などの販売後の関連する質問を問い合わせようとする場合である。同様に、それら全てに対応するクイックフレーズがサーバから取り出され、ユーザに提供されることで、ユーザが最初から全ての会話の内容を手動で入力することなく、迅速かつ簡便に売り主に問い合わせることができ、買い物の効率及びエクスペリエンスを向上させることができる。
【0036】
したがってユーザのアイデンティティ情報が売り主のステータスを指す場合、上記に記載した顧客からの問い合わせに対して、売り主が顧客に対して迅速に応答することができるように、同様にサーバから対応するクイックフレーズを取得することができる。さらに、サーバからのクイックフレーズの取り出しは、売り主と顧客のやり取り全体、またはユーザによる利用に関してユーザによって設定された構成に基づく場合がある。例えば売り主の場合、顧客とやり取りする際、売り主は、クイックフレーズ的に見て自分の独自のスタイルを企画する、例えば「お客様、速達便がただいま到着しました...」、「お客様、当店からの全ての注文が速達便によって発送されました...」または「お客様、当店へようこそ」などを構成することができる。
【0037】
さらにステップ104の前に、すなわちアイデンティティ情報及び会話の段階の両方に対応する1つまたは複数のクイックフレーズをユーザに提供する前に、ユーザが対象のアイテムに対応する自分で定義した情報を送信するために、以下のよう2つの例示の手法を実施することができる。
【0038】
会話の段階が販売前であると特定された場合、アイテム情報のカテゴリ情報が仕様に関する情報を含むかどうかが判定される。そうであるならば、仕様を構成するために事前に決定したフォーマットが取得されユーザに表示される。
【0039】
アイテム情報のカテゴリ情報が衣類または履き物に関連するかどうかが判定される。そうであるならば、サイズ構成に関して事前に決定したフォーマットが取得されユーザに表示される。この事前に決定したフォーマットを利用してユーザからサイズ情報が得られる。このサイズ情報に基づいてユーザに対応するクイックフレーズが生成され、そのようなクイックフレーズが会話の他のユーザに送信される。
【0040】
上記に記載した実施形態は、アイテムの仕様が異なるユーザまたは顧客に関して変化する場合(例えば衣類または履き物のアイテム)、前もって構成するためのフォーマットをユーザに表示することによって、仕様またはサイズ情報を構成することを行う。詳細には、家庭用電子機器の場合、選択したり応答するのがユーザにとって便利になるように、重量、サイズ、容積などの構成フォーマットを含んだ対応するクイックフレーズをユーザに送信することができる。さらに冬の季節には、冬服のアイテムに関するクイックフレーズは、綿、麻、シルクなどの素材及び断熱度に関する情報を含むことができ、これらは全て事前に決定したフォーマットに従ってユーザに表示することができる。
【0041】
ステップ104において、ユーザの様々な選択に従って、会話の当事者である他のユーザにクイックフレーズを送信することができる。クイックフレーズがユーザに提供され表示された後、ユーザによって選択されたクイックフレーズが、会話の当事者であるユーザに送信される。事前に決定したフォーマットを利用してユーザによって入力された構成情報を取得した後、この構成情報に基づいて、ユーザに対応する1つまたは複数の構成に関連するクイックフレーズが生成され、構成関連のクイックフレーズが会話の他のユーザに送信される。事前に決定したフォーマットを利用してユーザによって入力されたサイズ情報を取得した後、このサイズ情報に基づいてユーザに対応する1つまたは複数のサイズ関連のクイックフレーズが生成され、サイズ関連のクイックフレーズが会話の他のユーザに送信される。
【0042】
図2を参照すると、本開示の一実施形態による会話クイックフレーズを提供するための一例のクライアントシステムのブロック図が示される。クライアントシステム200は、アイデンティティ判定モジュール210、情報取得モジュール220、段階特定モジュール230及び情報提供モジュール240を含む。
【0043】
アイデンティティ判定モジュール210は、現在の会話に関してクイックフレーズをユーザに表示すべきときに、ユーザのアイデンティティ情報、及びこの会話の当事者である他のユーザのアイデンティティ情報の判定するように構成される。情報取得モジュール220は、アイデンティティ情報及び会話に対応するコンテクスト情報を取得するように構成される。段階特定モジュール230は、アイデンティティ情報及びコンテクスト情報に基づいて会話の段階を判定するように構成される。さらに情報提供モジュール240は、段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズをユーザに提供するように構成され、この場合コンテクスト情報は、アイデンティティ情報に対応する注文情報と、会話に対応するアイテム情報の群から選択される。
【0044】
一部の代替の実施形態において、会話の段階は、販売前、販売中及び販売後の群から選択される。
【0045】
一部の他の代替の実施形態では、ユーザに関するアイデンティティ情報は第1のアイデンティティ情報であり、会話の当事者である他のユーザに関するアイデンティティ情報は第2のアイデンティティ情報である。さらに情報取得モジュール220は、問い合わせサブモジュール、注文情報取得サブモジュール及びアイテム情報取得サブモジュールを含む。問い合わせサブモジュールは、第1のアイデンティティ情報と第2のアイデンティティ情報に同時に対応する注文が存在するかを判定するために問い合わせるように構成される。注文情報取得サブモジュールは、対応する注文が存在する場合、その注文の注文IDに基づいて注文状況情報を取得するように構成され、この場合注文ID及び注文状況情報が注文情報として指定され、注文状況情報は完了または未完了の状況を示す。アイテム情報取得サブモジュールは、対応する注文が存在しない場合、会話の情報に基づいてアイテムのアイテムID及びカテゴリ情報を判定するように構成され、この場合アイテムID及びアイテムのカテゴリ情報がアイテム情報として指定される。
【0046】
一部のさらなる代替の実施形態では、段階特定モジュール230は、コンテクスト情報が注文情報であり、注文情報の注文状況情報が未完了である場合、会話の段階を販売中として特定するように構成することができる。コンテクスト情報が注文情報であり、注文情報の注文状況情報が完了である場合、段階特定モジュール230は、会話の段階を販売後として特定するように構成することができ、コンテクスト情報がアイテム情報である場合、会話の段階を販売前として特定する。
【0047】
一部のさらなる代替の実施形態において、情報提供モジュール240は、ユーザのアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、会話の段階が販売中または販売後である場合、販売中または販売後の段階に関する顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、会話の段階に対応する会話クイックフレーズをユーザに返すように構成される。ユーザのアイデンティティ情報が売り主のステータスを示す場合、情報提供モジュール240は、販売前、販売中または販売後の段階に関する売り主のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、会話の段階に対応する会話クイックフレーズをユーザに返すように構成される。ユーザのアイデンティティ情報が顧客のステータスを示しており、会話の段階が販売前である場合、情報提供モジュール240は、顧客のステータスに対応する現在利用可能な会話クイックフレーズをサーバから取り出し、カテゴリ情報に対応する会話クイックフレーズをユーザに返すように構成される。
【0048】
一部のさらなる代替の実施形態において、アイテム情報取得サブモジュールは、会話の情報からリンク情報を取得し、このリンク情報が特定のアイテムに関連するかどうかを判定するように構成される。そうであるならば、アイテム情報取得サブモジュールは、リンク情報に関連するアイテムのアイテムIDを取得し、このアイテムIDに基づいてカテゴリ情報を判定するように構成される。
【0049】
一部の代替の実施形態において、クライアントシステム200は段階特定モジュールが、会話の段階が販売前であると判定した場合、カテゴリ情報が仕様情報を含むかどうかを判定するように構成された自動定義情報モジュールをさらに含むことができる。カテゴリ情報が仕様情報を含むことの判定に応答して、自動定義情報モジュールは、仕様情報を構成するための事前に決定したフォーマットを取得し、これをユーザに表示するように構成される。
【0050】
一部の他の代替の実施形態において、クライアントシステム200は、段階特定モジュールが、会話の段階が販売前であると判定した場合、カテゴリ情報が衣類または履き物に関連するかどうかを判定するように構成される自動定義情報モジュールをさらに含むことができる。カテゴリ情報が衣類または履き物に関連することの判定に応答して、自動定義情報モジュールは、サイズ構成に関する事前に決定したフォーマットを取得し、これをユーザに表示するように構成される。
【0051】
一部のさらなる代替の実施形態において、クライアントシステム200は、段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズをユーザに提供した後、ユーザによって選択された会話クイックフレーズを取得し、ユーザによって選択された会話クイックフレーズを会話の他のユーザに送信するように構成された情報送信モジュールをさらに含むことができる。
【0052】
一部のさらなる代替の実施形態において、クライアントシステム200は、ユーザに段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズを提供した後、事前に決定したフォーマットを利用してユーザによって入力された構成情報を取得し、この構成情報に基づいてユーザに対応する1つまたは複数の構成関連のクイックフレーズを生成し、この構成関連のクイックフレーズを会話の他のユーザに送信するように構成された情報送信モジュールをさらに含むことができる。
【0053】
一部のさらなる代替の実施形態において、クライアントシステム200は、ユーザに段階及びアイデンティティ情報の両方に対応する1つまたは複数の会話クイックフレーズを提供した後、事前に決定したフォーマットを利用してユーザによって入力されたサイズ情報を取得し、このサイズ情報に基づいてユーザに対応する1つまたは複数のサイズ関連のクイックフレーズを生成し、このサイズ関連のクイックフレーズを会話の他のユーザに送信するように構成された情報送信モジュールをさらに含むことができる。
【0054】
一部の他の代替の実施形態において、クライアントシステム200は、ユーザのアイデンティティ情報及び会話の当事者である別のユーザのアイデンティティ情報を判定する前に、会話を確立するためのリクエストをユーザから受信し、このリクエストから内容を取得するように構成された事前処理モジュールをさらに含むことができる。リクエストが特定のアイテムに対応するウェブページの識別子を含む場合、このウェブページの識別子に基づいて、事前処理モジュールは、このアイテムに関連するリンク情報を生成し、ユーザにリンク情報を送信するかどうかについて促すように構成される。リクエストが注文に対応する注文の識別子を含む場合、事前処理モジュールは、ユーザのアイデンティティ情報及び他のユーザのアイデンティティ情報の判定を続けるように構成される。
【0055】
ユーザが、ユーザエクスペリエンスが向上した状態で買い物の異なる段階において別のユーザと迅速かつ簡便に会話を開始するために、クライアント側のユーザが、必要とされるクイックフレーズを取得することができるように、一例のサーバシステムは本開示の一実施形態に従って実装されてサーバ側のデータ分類及びフィルタリングを行うことができ、異なる段階においてユーザにクイックフレーズを提供することができる。
【0056】
ここで図3を参照すると、本開示の一実施形態によるサーバによる会話クイックフレーズを提供する一例の方法が示される。方法300は、ステップ301において始まり、ここではサーバは、サーバデータストアから現在保管される会話フレーズを取り出す。詳細には、サーバデータストアに保管される会話のフレーズは、ユーザが集められた高い利用頻度の単語、フレーズ、文に基づいて取得することができる。各々のユーザは個々のアカウントを有するため、ユーザが会話を始める際、サーバは、そのユーザによってたびたび利用される単語、フレーズ、文をそのデータストアから取得することができる。あるいはサーバはまた、データストア内のフレーズの集まり全体を基準にして高い利用頻度のフレーズを選択することもできる。
【0057】
ステップ302において、サーバは、取得した高い利用頻度のフレーズをフィルタリングしてカテゴリ情報に対応する高い利用頻度のフレーズを取得することができ、この場合カテゴリ情報は、アイテムのカテゴリ及び注文の状況を含む。サーバはさらに、フィルタリングされた高い利用頻度のフレーズを会話の段階に対応するクイックフレーズに分類する。カテゴリ情報に対応する高い利用頻度のフレーズに関するフィルタリングは、異なる目的のために会話フレーズを分類するための一例の方法である。
【0058】
好ましい一実施形態において、会話の段階は、販売前、販売中及び販売後の段階を含む。カテゴリ情報は、アイテムのカテゴリ及び注文の状況を含む。例えばアイテムのカテゴリは、履き物、衣類などであって良く、注文の状況は、販売中、販売後などであって良い。さらに、フィルタリングされた高い利用頻度のフレーズを会話の段階に応じて分類することで(すなわち注文を処理する段階)、販売前の段階の会話、販売中の段階または販売後の段階の会話に対して提供されたクイックフレーズは互いに異なる。例えば注文の速達便に関する問い合わせは、販売中の段階に関するクイックフレーズであり、返品に関する問い合わせは販売後の段階に関するクイックフレーズである。
【0059】
会話に含まれる主題はアイテムまたは注文である場合があるため、ステップ320は、2つの異なる例示の方法で実施することができる。サーバによってフィルタリングされた高い利用頻度のフレーズがアイテムに対応する場合、サーバは、そのような高い利用頻度のフレーズを販売前の段階に相当するクイックフレーズとして指定する。サーバはさらに、指定したクイックフレーズをアイテムのカテゴリに従って分類する。例えばフィルタリングされた高い利用頻度のフレーズが色、値段、品質に関する問い合わせである場合、対応するアイテムのカテゴリを特定することができ、サーバは、そのような高い利用頻度のフレーズを販売前の段階に関するクイックフレーズとして指定することができる。サーバはさらに、例えば履き物、衣類、電子機器、食品などのアイテムのカテゴリに従ってクイックフレーズを分類する。食品関連のクイックフレーズの場合、賞味期限に関する問い合わせがあり、電子機器に関連するクイックフレーズの場合、バッテリ時間、スクリーンの解像度、堅牢性などに関する問い合わせがある。
【0060】
サーバによってフィルタリングされた利用頻度のフレーズが注文状況に対応する場合、サーバは、未完了の状況に対応する高い利用頻度のフレーズを販売中の段階に関するクイックフレーズとして指定し、完了した状況に対応する高い利用頻度のフレーズを販売後の段階に関するクイックフレーズとして指定する。詳細において、フィルタリングされた利用頻度のフレーズが配送時間、返品などに関連する場合、サーバは、注文状況に対応するそのようなフレーズを特定することができる。例えば返品に関するフレーズは、販売後の段階に関するクイックフレーズであり、発送日に関するフレーズは、販売中の段階に関するクイックフレーズである。
【0061】
詳細には、これらの段階は、ユーザが別のユーザとの会話に入る取引状況に応じて販売前、販売中及び販売後に分類することができる。販売前の段階は、ユーザがeコマースの売り主を相手に注文を出す前の期間である。販売中の段階は、ユーザが注文を出した後で注文の配送を受け取る前の期間である。販売後の段階は、ユーザが注文の配送を受け取った後の期間である。好ましい一実施形態において、サーバはまずバックエンドデータストアから会話フレーズを取り出し、顧客及び売り主、利用頻度に基づいてフレーズをランク付けし、その後上記に記載した段階及びカテゴリに基づいてフレーズを分類する。高い利用頻度のフレーズがアイテムのカテゴリに対応する場合、それはユーザがそのアイテムの注文を出していないことを示す。したがってその段階はまだ販売前であり、そのような高い利用頻度のフレーズは、販売前のクイックフレーズとして分類される。高い利用頻度のフレーズが注文状況に対応する場合、それはユーザが特定のアイテムに関して注文を出したことを意味する。その結果そのような高い利用頻度のフレーズは、注文状況に応じて販売中または販売後のクイックフレーズとして分類される。
【0062】
ステップ303において、サーバは、事前に決定したフォーマットに従って、分類されたクイックフレーズを変換しアレンジすることで、クライアントがサーバから周期的にクイックフレーズを取得し、それに従って更新する。クライアントアップロード機構に関して、ステップ303の後、サーバは、ユーザによって送信されたフレーズのアップロード処理をユーザから受信することができる。サーバはこれに従って、アップロード処理の結果に基づいてクイックフレーズの利用頻度を更新し、さらにクイックフレーズを更新し最適化する。これは、クライアントにおいて開始された能動的なアップロード処理によって行うことができる、またはサーバが、クライアントから会話のフレーズを能動的に収集する場合もある。あるいはユーザが、自分の使用のみに関して会話フレーズを規定し、これらのフレーズをサーバに保管することもできる。サーバは、そのようなユーザが規定したフレーズをユーザから受信する、及び/またはクライアント側で会話フレーズをモニタし、フレーズをフィルタリングすることでサーバのデータベースを更新するように構成される。
【0063】
上記に記載したプロセスに関して、取引の様々な段階に対応する高い利用頻度のクイックフレーズを取得するための会話フレーズのランク付け、分類及びフィルタリングすること、ならびに取引及び会話の徒事に関する情報に基づいてフォーマット化された買い物関連のクイックフレーズをユーザに提供することによって、インターネット上でのやり取りがより迅速かつより簡便になっている。
【0064】
図4を参照すると、本開示の実施形態による一例のサーバシステムのブロック図が示される。サーバシステム400は、取得モジュール410、分類モジュール420及び処理モジュール430を含む。取得モジュール410は、サーバのデータストアから現在保管される会話フレーズを取り出すように構成される。分類モジュール420は、取り出した会話フレーズをフィルタリングすることでカテゴリ情報に対応する高い利用頻度のフレーズを取得し、フィルタリングされた高い利用頻度のフレーズを会話の段階に対応するクイックフレーズに分類するように構成されており、この場合カテゴリ情報はアイテムのカテゴリ及び注文の状況を含む。また処理モジュール430は、事前に決定したフォーマットに従ってクイックフレーズを変換及びアレンジすることで、クライアントがサーバから周期的にクイックフレーズを取得し、それに従って更新するように構成される。
【0065】
一部の代替の実施形態において、会話の段階は、販売前、販売中及び販売後の群から選択される。
【0066】
一部の他の代替の実施形態において、分類モジュール420は、アイテムのカテゴリに対応する高い利用頻度のフレーズを販売前のクイックフレーズとして指定し、このカテゴリに従ってクイックフレーズをカテゴライズするように構成される。高い利用頻度のフレーズが注文状況に対応する場合、分類モジュール420は、未完了の注文状況に対応する高い利用頻度のフレーズを販売中のクイックフレーズとして指定し、完了の注文状況に対応する高い利用頻度のフレーズを販売後のクイックフレーズとして指定するように構成される。
【0067】
一部のさらなる代替の実施形態において、サーバシステム400はさらに、送信されたクイックフレーズのアップロードをクライアントから受信するように構成された更新モジュールを含む。更新モジュールはまた、アップロード処理の結果に基づいて受信したクイックフレーズに対応する利用頻度を更新するように構成されており、この場合クイックフレーズはそれに従って更新され最適化される。
【0068】
本開示の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア及び/またはそれらの組み合わせを利用して実施することができる。ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの組み合わせを利用して実施されることに関わらず、命令コードを何らかの種類のコンピュータ可読媒体(例えば永久または修正可能な、揮発性または不揮発性、ソリッドまたは非ソリッド、固定式または変更可能な媒体など)に記憶させることができる。同様にそのような媒体は、プログラマブルアレイロジック(PAL)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、磁気ストレージ、光学ストレージ、デジタル多用途ディスク(DVD)などを利用して実装することができる。
【0069】
本開示の実施形態によって記載されるモジュールまたはブロックは、論理モジュールまたは論理ブロックであることを指摘する必要がある。物理的に、論理モジュールまたは論理ブロックは、物理モジュールまたは物理ブロック、物理モジュールまたは物理ブロックの一部あるいは2つ以上の物理モジュールまたは物理ブロックの組み合わせであって良い。そのような論理モジュールまたは論理ブロックの物理的な実装は最も重要な部分ではない。モジュール、ブロック及びそれらの組み合わせによって実現される機能は、本開示によって対処される問題を解決するための鍵である。さらに本開示の新規性を開示するために、上記に記載した実施形態は、本開示によって対処される問題の解決にあまり関係のないモジュールまたはブロックに関しては開示していないが、上記に記載した実施形態が他のモジュールまたはブロックを含むことはできないということを意味する訳ではない。
【0070】
本開示のクレーム及び明細書において、第1及び第2などの用語は単に、一実施形態または工程を別の実施形態または工程と区別するためのものであることも指摘する必要がある。それらの実施形態または工程は、任意のそのような実際の関係または順番を有することを要求したり示唆するものではない。さらに本明細書で使用される際、用語「備える」、「含む」または任意の他の変形形態は、非排他的な包含物も網羅することが意図されているため、特定の要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、そのような要素のみを含むのではなく、わざわざリストに記載されない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品もしくは装置に固有の他の要素も含む可能性がある。さらなる限定がない場合、フレーズ「1つの...を備える」というフレーズによって説明される要素は、そのような要素を含むプロセス、方法、物品または装置を他の同様の要素を含むことから除外するものではない。
【0071】
上述の開示は、特有のブロック図、フローチャート及び実施例を利用して種々の実施形態を記載しているが、各々のブロック図の構成要素、フローチャートのステップ、工程ならびに/または本明細書に記載される及び/もしくは例示される構成要素は、広い範囲のハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェア(またはそれらの任意の組み合わせ)の構成を利用して個別に及び/またはひとまとめにして実装されて良い。加えて他の構成要素に含まれる構成要素のいかなる開示も例としてみなすべきであり、その理由は同一の機能を達成するのに多くの他のアーキテクチャを実装することができるからである。
【0072】
本明細書に記載及び/または例示されるプロセスパラメータ及びステップのシーケンスは単に例として提示されており、所望により変更することができる。例えば本明細書に記載及び/または例示されるステップは、特定の順番で示されるまたは考察される場合があるが、これらのステップは、必ずしも示されるまたは考察される順番で実行される必要はない。本明細書に記載及び/または例示される種々の一例の方法もまた、本明細書に記載及び/または例示される1つまたは複数のステップを省く場合、または開示されるものに加えて追加のステップを含む場合もある。
【0073】
十分に機能的なコンピューティングシステムの文脈で種々の実施形態を本明細書に記載及び/または例示してきたが、1つまたは複数のこのような例示の実施形態は、実際にこのような販売を行うのに利用されるコンピュータ可読媒体の特定の種類に関わらず、多様な形態のプログラム製品として販売される場合がある。本明細書に開示される実施形態はまた、特定のタスクを実行するソフトウェアモジュールを利用して実装される場合もある。このようなソフトウェアモジュールは、スクリプト、バッチまたはコンピュータ可読媒体またはコンピューティングシステムに保管することができる他の実行可能ファイルを含むことができる。このようなソフトウェアモジュールは、本明細書に開示される一例の実施形態の1つまたは複数を実行するようにコンピューティングシステムを構成することができる。本明細書に開示される1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、クラウドコンピューティング環境において実装することもできる。クラウドコンピューティング環境は、インターネットを介して種々のサービス及びアプリケーションを提供することができる。このようなクラウドベースのサービス(例えばサービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム)は、ウェブブラウザまたは他のリモートインターフェースを介してアクセス可能であって良い。本明細書に記載される種々の機能は、リモートデスク環境または任意の他のクラウドコンピューティング環境を介して提供されて良い。
【0074】
本開示及びその利点を詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更の置き換え及び代替を行うことができることを理解されたい。上記の教示を鑑みて多くの修正形態及び変更形態が起こる可能性がある。これらの実施形態は、本開示の原理及びその実際の用途を最適に説明するために選択され記載されているため、他の当業者が、企図した特定の用途に適合させることができるように、本開示及び種々の実施形態を種々の修正形態と共に最適に利用することが可能になる。
【0075】
さらに本出願の範囲は、明細書に記載されるプロセス、機械、製造過程、物質の組成、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者が本開示の開示から容易に理解するように、本明細書に記載される対応する実施形態とほぼ同一の機能を果たす、またはほぼ同一の結果を達成する現在存在する、または後に開発されるプロセス、機械、製造過程、物質の組成、手段、方法またはステップも本開示によって利用される可能性がある。したがって添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造過程、物質の組成、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
【0076】
本開示による実施形態はこのように記載されている。本開示は、特定の実施形態において記載されてきたが、本開示は、そのような実施形態によって限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ以下の特許請求の範囲に従って解釈されるべきであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4