(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列相同性を有するペプチド又は請求項1に記載のペプチドの断片であって、前記ペプチド又は断片は、老化現象を示す細胞又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつSer15リン酸化p53(pSer15−53)を発現する細胞におけるアポトーシス誘導活性を示し、前記断片は、アミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGWを含み、前記アミノ酸配列中の又は前記断片中のアミノ酸の少なくとも90%がD−アミノ酸残基である、ペプチド又はペプチドの断片。
薬剤として使用され、又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつpSer15−53を発現している細胞の除去が有益な障害の治療で使用され、前記障害は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症を含む慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型糖尿病を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病を含む神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴を含む聴力低下、失明を含む視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛を含む疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良からなる加齢関連障害の群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載のペプチド、請求項7又は8に記載の医薬組成物、又は請求項9に記載の核酸。
薬剤として使用され、又は老化現象を示す細胞の除去が有益な障害の治療で使用され、前記障害は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症を含む慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病を含む神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴を含む聴力低下、失明を含む視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛を含む疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良からなる加齢関連障害の群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載のペプチド、請求項7又は8に記載の医薬組成物、又は請求項9に記載の核酸。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】老化現象を示す細胞が遺伝子学的に除去された場合に、bubr1
H/H ink
attac−3早老マウスモデルの全体的な健康が顕著に改善されたことを示す(上のマウス:老化現象を示す細胞を除去(senescent cells removed)、下のマウス:老化現象を示す細胞を有する(senescent cells present))。同時に、これらマウスは後彎症(過度の骨の湾曲)、筋力、脂肪沈着及び白内障によって評価される老化の兆候を抑制することを示した(非特許文献1)。したがって、老化は加齢と因果関係がある。
【
図2】パネルA及びBにFOXO4 DRIの設計に用いたFOXO4の配列及び3D構造を示す。FOXO4 DRIは配列(sequence):H−ltlrkepaseiaqsileaysqngwanrrsggkrppprrrqrrkkrg−OH(MW:5358.2)を有し、すべてのアミノ酸残基がD体、すなわちFOXO4 DRIペプチドは、すべてのアミノ酸がL体であるgrkkrrqrrrppprkggsrrnawgnqsyaelisqaiesapekrltlのD−レトロインベルソ型である。A)で強調されたアミノ酸は、表示されたFOXO4のDNA結合ドメインのX線構造において小さいかさ(halo)として示された(3L2C タンパク質データバンク)。A)におけるアミノ酸PRKGGSは、3D構造で示されていないが、FOXO4 DRI配列の一部である。B)における大きな球は、NMRによって同定されたようにp53との相互作用でもっとも変化する、A)において下線を付されたアミノ酸を示す。パネルCは、FOXO4 DRIが老化現象を示す細胞の生存能力(viability)を選択的に抑制することを示す。老化現象を示すIMR90(Sen)及び対照のIMR90(Ctrl)がFOXO4 DRIの用量を増加させてインキュベートされ、AQueousOne Solution Cell Proliferation Assay(Promega)を用いて、製造者の方法に従って6日後に細胞の生存能力が評価された。EC50値に関する選択指数(S.I.)が曲線の非回帰解析(GraphPad Prism)で決定された。パネルD)は、投与後(after administration)36時間で開始された時間での老化現象を示す細胞の密度(Cell density)の選択的な抑制を示す。実時間の細胞密度がxCELLigence検出システム(ACEA Biosciences)を用いて評価された。評価の開始前に、10% FCSを含む50μL DMEMがE−プレート view 16(Roche)の各ウェルに加えられ、バックグラウンドのシグナルが決められた。続いて、老化現象を示さない(各ウェル2000細胞)及び老化現象を示す(各ウェル5000細胞)IMR90線維芽細胞が150μlの培地でプレートに播かれた。16時間後、E‐プレートがxCELLigenceリーダーに置かれ、細胞密度が30分ごとに記録された。測定開始の8時間後に25μMのFOXO4ペプチドで細胞が処理された。測定は示された時点の間継続した。パネルE)は、FOXO4 DRIが用量依存的に老化現象を示す細胞を選択的に排除するが(それぞれ6.25、12.5及び25μM)、L体で同じアミノ酸配列のペプチド及び関係がないFOXM1 DRIペプチド(Kruiswijk et al、Oncogene、2015)は排除しないことを示す。示されたペプチドを用いることを除いて、
図2Cに示されたような実験である。パネルF)は、FOXO4 DRI(25μM)が老化現象を示すIMR90細胞において時間内にカスパーゼ(Caspase)−3/7活性化を選択的に誘導するが、対照のIMR90細胞では誘導しないことを示す。ガラス底がポリ−L−リジンで被覆された35mm皿(D141410;Matsumi、日本)に細胞が播かれ、NucView488 カスパーゼ−3(4440;Essen Bioscience)とともにインキュベートされた。FOXO4 DRI又はPBSが添加され、LSM510共焦点顕微鏡(Zeiss)に接続された熱及びCO2制御インキュベータに細胞が移された。添加の8時間後、実時間画像化が開始され、30分ごとに3×3の格子の写真が結像された。画像化はさらに6日間続けられ、画像がZen画像ソフトウェアを用いて連結された。パネルG)は、FOXO4 DRI(25μM)が細胞固有のアポトーシスを介して老化現象を示す細胞の生存能力を抑制することを示す。老化現象を示すIMR90細胞が汎カスパーゼ阻害剤QVD−OPH又はZVAD−FMK(20μM)とともにインキュベートされ、FOXO4 DRIに暴露された。6日後、細胞の生存能力が
図2C)に示されたように評価された。QVD−OPH及びZVAD−FMKの両方がFOXO4 DRIの影響を強く阻害し、老化現象を示す細胞の生存能力を抑制したことは、FOXO4 DRIがカスパーゼ−3/7を介したアポトーシスによって老化現象を示すIMR90の細胞死を引き起こすことを示す。パネルH)は、FOXO4 DRIが老化現象を示す通常のヒト細胞の類:IMR90、BJ及びWi−38の生存能力を選択的に抑制するが、対照を抑制しないことを示す。
図2Cに示されるような実験である(12.5μM FOXO4 DRI)。これは、老化現象を示す細胞を標的とするFOXO4 DRIの効果がさらなる細胞の類に合致することを示す。I)FOXO4 DRIの低用量での間欠的な処理は、単回の高用量(dose)よりも老化現象を示す細胞を殺すことに関してより選択的であることが証明された。示された処理計画に従っていることを除いて
図2Cに示されたような実験である。単回投与の代わりに、各時間において1/3の濃度で3回(間に1日おいて)の投与が行われた。3×1/3で投与された場合、EC75での選択性が1×1よりも高かった。これは、マウスが低い用量を間に1日おいて3回受けるin vivo実験を行う際の基礎となる。パネルJ)は、FOXO4 DRIがSASPタンパク質の発現量が高い細胞を選択的に殺すことを示す。左:
図2Cに示された実験だが、IL−1α/βシグナル伝達を阻害するIL−1α受容体アンタゴニスト(RA)、IL−6組換え体及びIL−1α/β組換え体とともに1日1回、2日間、前処理された細胞のものである。老化現象を示す細胞を殺すことに関してIL−1RAはFOXO4 DRI(12.5μM)の効果を抑制したが、IL−1α/β組換え体は効果を増強した。右:1日早く生存能力を測定したことを除いて左の図と同様の実験である。広範囲のSASP阻害剤コルチゾール及びラパマイシン及び抗IL−1α抗体は、老化現象を示す細胞の生存能力を低下させるFOXO4 DRIの効果を抑制する一方で、一般的な炎症促進剤リポポリサッカライド(LPS)がそれを改善する。これら2つの図をあわせて、FOXO4 DRIが2型糖尿病及び肥満症等のin vivoでの多くの老化関連疾患の場合と同じく、SASPの発現が高いこれら老化現象を示す細胞を特異的に標的とすることが示される。パネルK)は、その細胞質ゾルへの再局在化に起因する活性を有する15−リン酸化p53フォーカスの減少をFOXO4 DRIが引き起こすことを示す。活性のある、S15−リン酸化p53のフォーカスの増加を示す。老化現象を示すIMR90細胞がカバースリップ上に播かれ、カバースリップから死細胞が剥がれることを防ぐための汎カスパーゼ阻害剤QVD−OPHの存在下でmock処理又は25μM FOXO4 DRIとともにインキュベートされた。3日後、培地が新たなQVD−OPHを含むがFOXO4 DRIを添加していない培地に交換された。FOXO4 DRI暴露から5日後、細胞が固定され、Ser−15−リン酸化p53及び細胞の核を示すためのDAPIが染色された。FOXO4 DRIによる細胞質ゾルへの位置移動を原因とする核内のSer15−p53のフォーカスの顕著な減少が明らかとなった。パネルL)は、FOXO4 DRIが老化関連p53標的p21Cip1の発現を低下させることを示す。老化現象を示す細胞では、p53シグナル伝達が細胞周期停止及び生存促進性タンパク質p21Cip1の上方制御をもたらす。パネルK)のように老化現象を示す細胞を処理することで、p21Cip1の強い減少に至った。これは、活性のあるpSer15−p53の濃度を核内で下げることで、FOXO4 DRIがp21Cip1のような下流の標的の転写に関するその活性を減少させることを示唆している。パネルM)は、FOXO4 DRIがアポトーシスに関連するp53修飾、pSer46の強い上方制御を導くことを示す。
図2Kに示されるような実験である。pSer46は老化現象を示す細胞に少し存在するが、FOXO4 DRIは、このp53の翻訳後修飾の強い上方制御を引き起こす。このため、FOXO4 DRIは、p21Cip1のような生存促進性因子の発現を低下させるのみならず、p53によるアポトーシス促進性シグナル伝達の増加を導く。パネルN)は、FOXO4 DRI(25μM)がp53依存的に老化現象を示す細胞の生存能力を抑制することを示す。
図2cに示すような実験で、対照及び老化IMR90にp53に対するshRNA又は対照shRNA(shGFP)が安定に形質導入された。p53を欠くと、老化現象を示す細胞の生存抑制に関してFOXO4 DRIの有効性が低下した。これらデータをあわせると、FOXO4 DRIがp53を介したアポトーシスによって老化現象を示す細胞を殺すことが明らかである。
【
図3】in vivoでp16INK4A−陽性の老化現象を示す細胞を検出するために用いられるコンストラクトの略図をパネルA)に示す。このコンストラクトでは、有名な老化遺伝子p16INK4Aのプロモーター(Promoter)が生物発光酵素ウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla Luciferase、RLUC)の発現を活発にする。このため、RLUCの基質であるセレンテラジンをマウスに注射するとin vivoでp16
INK4A陽性の老化現象を示す細胞が特異的に可視化される。これが同様のマウスに行われると抗老化処置の効果を見るための手段となる。パネルB)は、RLUCを有するP16−3MRモデルマウス(以下ではP16::3MRともいう)と交配された急速に老化するXpd
TTD/TTDマウス(de Boer et al,1998及び2002)老化検出モデルがin vivoでp16ink4A陽性老化レベルの上昇を示すことを明らかにし、これによって老化の縦断的解析が可能となる。6匹の野生型とXpd
TTD/TTDマウスが動物と交配され、老化の検出のために26週齢でセレンテラジンを注射された。パネルC)は、普通に老化した高齢(130週齢)の野生型(Wild type)マウスと同様に、急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスがFOXO4の発現上昇を呈することを示す。野生型及びXpd
TTD/TTDマウスが示された週齢で犠牲にされ、腎臓がFOXO4に関して染色された。FOXO4陽性の尿細管細胞(T)の個数が定量化された。この結果、FOXO4がXpd
TTD/TTDマウスで増加し、老化レベルの上昇も示した。これによって、老化が影響を受けるかどうかを見るためにFOXO4 DRIの試験を考慮する。パネルD)は、FOXO4 DRIが26週齢のXpd
TTD/TTDマウスにおけるp16
INK4A陽性の老化を強く抑制することを示す。上:Xpd
TTD/TTDにおけるP16::3MR陽性の老化レベルを取扱うための処置計画である。6匹のXpd
TTD/TTD−P16::3MRマウスに関して
図3Bに示されたRLUC発光の基準値が決定された。画像化手順から回復後(各動物で5〜20日の間)、動物が3匹の動物からなる2つの群に分けられた。一方の群が10mg/kgのFOXO4 DRIを4日連続で静脈に注射され、他方の群は溶媒(PBS)を注射されたMockとした。p16
INK4A陽性老化(RLUC)における変化が最初に注射されてから14日後に評価され、基準のシグナルと比較された。下の左に示されているのは、FOXO4 DRI処置前と処置後の代表的なXpd
TTD/TTD−P16::3MR動物である。下の右には、両方の群に関するRLUC発光における変化が表示されている。P<0.05はスチューデントのt検定である。加齢によってMock処置及び画像化手順でMock処置群のRLUCシグナルが上昇したが、FOXO4 DRI注射群ではそれが大きく低下したことに留意されたい。パネルE)は、FOXO4 DRIが後彎症(Kyphosis)(骨の湾曲(curvature))及びXpd
TTD/TTDマウスの筋量(Muscle mass)を改善することを示す事例を示す。
図3Dに示されたように処置されたマウスの脊柱及び脛骨のCT画像が、FOXO4 DRIで処置される前と後でとられた。FOXO4 DRIは脊柱(spine)の湾曲を抑制し(上)、筋量を増加させた(下:定量化された赤い領域)。パネルF)は、血漿(plasma)中の[尿素(Urea)]の上昇を証拠に、高齢の野生型及び26週齢(w)の若いXpd
TTD/TTDが腎臓の濾過能の低下を示すことを明らかにする。4〜5匹の野生型又はXpd
TTD/TTDマウスの血液試料が示された時点で採取され、腎臓の濾過能低下のマーカーとして血漿画分中の尿素が分析された。[尿素]が製造者の方法(Gentaur)に従ってキットを用いて評価された。*p<0.05、**p<0.01。ボンフェローニ事後テスト補正で一元配置分散分析である(GraphPad Prism)。時間内に野生型動物において血漿中の[尿素]が上昇したことに留意されたい。26週齢の若いXpd
TTD/TTDマウスが同様に腎臓の濾過能の喪失を示したことは、この週齢のXpd
TTD/TTDマウスの腎機能喪失モデルとしての正当性を証明する。パネルG)は、障害のある回し車行動及び脱毛によって示される健康が低下したXpd
TTD/TTDマウスを示す。左:6匹の野生型及びXpd
TTD/TTDマウスが回し車ケージに入れられ、回転/日が4日間継続して測定された。表示されたのは、1日あたりのkmで示される各群が走行した絶対距離(Distance run)である。*P<0.01。スチューデントのt検定。右:26週齢の野生型及びXpd
TTD/TTDマウスの代表的な画像で、毛皮のコートにおける著しい全体的な違いを示す(定量化に関しては
図3Kも参照)。パネルH)は、Mock又はFOXO4 DRI処置後の26週齢の野生型及びXpd
TTD/TTDマウスの臓器機能、回し車行動及び毛皮スコアに対処するための処置計画を示す。4〜5匹の野生型又はXpd
TTD/TTDマウスが回し車ケージに入れられ、調整のための十分な時間の後、基準(Baseline)の末梢(頬)の血液試料(Blood sample)が採取された。回復のための5日経過後、0、2及び4日目に5mg/kgのFOXO4 DRIが静脈注射でマウスに投与された。初回の注射から28日後に、血液試料が採取された直後に、マウスが犠牲にされた(Sacrifice)。パネルI)は、FOXO4 DRIが急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスにおける自発的な腎臓の糸球体硬化症の発生を抑制し、腎臓の濾過能を改善したことを示す。26週齢の野生型及びXpd
TTD/TTDマウスがH)に示すように処置された。犠牲になった直後に腎臓組織がホルマリンで固定され、パラフィンで包埋された。5μmの薄切片が過ヨウ素酸シッフ(PAS)溶液で染色され、Adamcszak et al,2003,JASNに記載されたように糸球体硬化症に関して評価された。糸球体の硬化(Sclerosis)に関して0〜4段階で評価された。Mock又はFOXO4 DRI処置されたマウスの野生型及びXpd
TTD/TTDの糸球体の代表的な画像が示され(上)、定量化された(左)。
*P<0.05 ボンフェローニ事後テスト補正で一元配置分散分析。処置の前後で同じ動物から血漿の[尿素]濃度が評価された。比が計算され、濃度の変化が示された。
*P<0.05。スチューデントのt検定。FOXO4 DRI処置されたXpd
TTD/TTDマウスが血漿の[尿素]の減少を示したことが腎臓の機能改善を示すことに留意されたい(右)。パネルJ)は、野生型マウスでは得られない、Xpd
TTD/TTDの回し車行動の改善をもたらすFOXO4 DRIの代表的な例を示す。Xpd
TTD/TTDマウスが回し車能力の大きな低下を示したため(
図3G)、データが各動物の実験の開始時の回し車行動それぞれを100%として正規化されていることに留意されたい。パネルK)は、Mock又はFOXO4 DRI処置後の野生型及びXpd
TTD/TTDマウスの回し車行動における数量化された平均変化(Chenge)を示す。図示されているのは、パネルJ)においてオレンジ色で囲むことで標識された走行距離の比である。パネルL)は、FOXO4 DRIがXpd
TTD/TTDマウスの脱毛に対抗することを示す。左のパネルは、FOXO4 DRIでの処置(treatment)前後の同一(Same)のXpd
TTD/TTD動物(animal)の代表的な画像である。右のパネルは、毛皮スコアの数量化された平均変化であって、野生型の毛皮が0として点数化される一方、4がもっとも悪化した毛皮を表す。負のスコアは、処置後の外見の改善を示す。すべての野生型動物がいずれも実験前又は後で0として評価されたわけではない。
*P<0.05 スチューデントのt検定。これらの結果をあわせると、in vivoでFOXO4 DRIが強く加齢関連老化に対抗し、健康、腎機能及び脱毛の抑制で評価された健康寿命に多大に有益であることが明らかである。パネルM)及びN)は、FOXO4 DRIが急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスに見られる体重減少を弱めることを示す。より具体的には、パネルM)は急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスが野生型の同腹の子(26週齢)と比較して明らかに体重(body weight)が低下していることを示す。パネルN)は、FOXO4 DRIが急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスで明確に体重を改善することを示す。A)〜L)に示されるように処置されたマウスが実験の時間経過全体を通して体重変化に関して解析され、%変化(Change)が図示された。パネルO)〜R)は、FOXO4 DRIが造血系に毒性をもたらさないことを示す。野生型及び急速に老化するXpd
TTD/TTDマウスが
図3H)〜L)に示すように処置され、示された血液パラメータが実験の最後に評価された。
【
図4】パネルA)において、ドキソルビシン(Doxorubicin)がin vitroでIMR90細胞でのSA−β−GALの発現を誘導することを示す。IMR90細胞が0.5μMのドキソルビシンに、間に1日おいて2回暴露された。SA−β−GAL活性が7日後に評価された。パネルB)は、ドキソルビシンがin vitroでIMR90においてp16
ink4a及びFOXO4の発現を誘導することを示す。パネルC)は、in vitroでドキソルビシン誘導の老化現象を示す細胞の生存能力をFOXO4 DRIが選択的に抑制することを示す。パネルD)は、SASPの増加の兆候であるIL−6をドキソルビシンが誘導することを示す。この図は、ほぼ老化を示すマーカーであるSA−β−Gal及びp16
ink4aと同様、SASPマーカーのIL−6がドキソルビシンで増加することを示すことで
図4A及びBを補う。パネルE)は、ドキソルビシンがin vivoで老化現象を誘導することを示す。マウスが10mg/kgのドキソルビシンを腹腔内注射され、示された時点におけるRLUCについて解析された。5匹の動物におけるRLUC強度の変化が注射後の示された時点について図示される。パネルF)は、
図4Gに示されたマウスに対する処置計画を示す。ドキソルビシンの1回投与(10mg/kg 腹腔内)の後に、マウスがFOXO4 DRI(n=6;4×10mg/kg 静脈注射)又はPBS(n=4;4×Mock)で処置され、14日後にRLUC画像が撮像された。パネルG)は、in vivoで、FOXO4 DRIがドキソルビシンに誘導される、老化を示すp16
ink4aに制御されるRLUCの発現を低下させることを示す。
図4Fに示されたように処置されたマウスが生物発光について解析された。FOXO4 DRIで処置された動物は、PBS処置された動物と比較して、ドキソルビシンに誘導されるp16
ink4a陽性の老化の著しい抑制を示した。これは、自然発生の老化に関する
図2におけるデータと同様に、FOXO4 DRIが化学療法によって誘導された老化をかなり弱めることを示す。H)健康寿命変化の評価の方法を改善するために、
図4F)の処置レジメンがドキソルビシンの1回追加投与と、より穏やかなFOXO4 DRI処置とで拡張された。ドキソルビシンの2回投与(どちらも10mg/kg 腹腔内投与)の後、マウス(各群n=3)がPBS又はFOXO4 DRI(3×5mg/kg、1日あけて)で続けて処置され、14日後に健康寿命の変化が解析された。パネルI)は、FOXO4 DRIがドキソルビシン処置後にin vivoでFOXO4のフォーカスの個数を減少させることを示す。
図4Hに示すように処置され、FOXO4が染色されたマウス(各群n=2)由来の肝臓切片に対する事後分析である。FOXO4のフォーカスの個数がImageJを用いて客観的に定量化された。ヒストグラムは、2つの肝臓切片においてFOXO4のフォーカスを3個以上含む肝細胞(Hepatocyte)の個数を示す。これは、FOXO4 DRIがin vivoで肝細胞におけるドキソルビシンで誘導されるFOXO4のフォーカスの個数を減少させることを示す。パネルJ)は、FOXO4 DRIがin vivoでドキソルビシン処置後のIL−6発現を抑制することを示す。
図4Iでの実験から得られた肝臓切片のIL−6が染色された。これは、FOXO4 DRIがin vivoで肝臓におけるドキソルビシン後のIL−6による著しいSASP発現に対抗することを示す。パネルK)は、FOXO4 DRIがドキソルビシンで誘導される全体重の減少を抑えることを示す。
図4Hで説明されたように処置されたマウス(PBSがn=9、FOXO4 DRIがn=11)がドキソルビシンに暴露された前と、ドキソルビシンに暴露された後にPBS又はFOXO4 DRIで処置されて全体重に関して分析された。比が図示された。これはドキソルビシンが体重減少を引き起こし、その効果がFOXO4 DRIによって中和されることを示す。パネルL)は、FOXO4 DRIが血液[血漿]で評価された肝臓(ASAT)及び膵臓(アミラーゼ)の、ドキソルビシンに誘導される毒性(toxicity)を弱めることを示す。
図4Hに示されるような実験である。群あたりn=3の動物。患者と同様に、ドキソルビシンが臓器毒性(Miranda et al,2003,Blood)を引き起こし、その効果がFOXO4 DRIによって中和された。これは、FOXO4 DRIがin vivoで化学療法(ドキソルビシン)暴露による肝臓(Liver)及び膵臓(Pancreas)における臓器毒性に対する有効な解決策を与えることを示す。
【
図5】パネルA)において生存能力評価を示し、3種の異なる転移性黒色腫細胞株におけるBRAF
V600E−阻害剤べムラフェニブ(Vemirafenib)に対する感受性の違いを示している。べムラフェニブに対して、Malme−3Mは感受性があり、A375が中間の感受性で、LOX−IMVIが抵抗性である。べムラフェニブの用量を増加させた
図2Cに示すような評価である。パネルB)は、FOXO4 DRIがME157、Malme−3M及びIF−6を強力に殺すが、LOX−IMVI転移性黒色腫細胞は殺さないことを示す。この結果は、FOXO4 DIRが有効な抗黒色腫活性を有することを示す。しかし、LOX−IMVIは抵抗性である。パネルC−E)は、抵抗性LOX−IMVI細胞のべムラフェニブ処置がmRNA(B)及びタンパク質レベル(CとD)でFOXO4の上方制御を起こすことを示す。べムラフェニブそれ自体のみがこの細胞株にわずかな影響を示すがFOXO4を上方制御するため、LOX−IMVIがFOXO4 DRIの効果の研究のための見込みある標的として特定される。パネルF)は、FOXO4 DRIが治療抵抗性LOX−IMVIに対してRAF/MEK阻害剤とともに合成致死性を示すことを明らかにする。
図2Cに示されたような実験だが、FOXO4 DRIのみ、RAF
V600E−阻害剤べムラフェニブ若しくはダブラフェニブ(Dabrafenib)、又はMEK阻害剤トラメチニブ(Trametinib)のみ、又はその組み合わせで処置されたLOX−IMVIに関する。この結果は、FOXO4 DRI又はRAF/MEK阻害剤自体ではLOX−IMVIの生存能力に大きくは影響しない一方で、組み合わせは強い致死性を示すことを明らかにする。パネルG)は、べムラフェニブとFOXO4 DRIとの組み合わせによる生存能力の低下がアポトーシス(Apoptosis)によって導かれることを示す。LOX−IMVI細胞がFOXO4 DRI又はべムラフェニブのみ又は組み合わせとともにインキュベートされた。カスパーゼ依存の細胞死を阻止するために、細胞が汎カスパーゼ阻害剤QVD−OPHとともに処置された。3日後、培地がQVD−OPHを含むがFOXO4 DRI又はべムラフェニブを欠く新しい培地に交換された。最初の処置から5日目に、細胞が固定され、シトクロムCが染色された。シトクロムCは生存している細胞のミトコンドリアに存在し、アポトーシスが活性化された場合に細胞質ゾルに放出される。シトクロムCの放出(Cytochrome−C release)を示す細胞の個数が図示される。これは、べムラフェニブが抵抗性細胞でアポトーシスを誘導できないのに対して、FOXO4がこの抵抗性を乗り越えて、べムラフェニブとの強い相乗作用をもたらし、アポトーシスを誘導することを示す。パネルG)の右は、べムラフェニブとFOXO4 DRIとの組み合わせによる生存能力の低下が細胞密度の減少を導くことを示す。べムラフェニブ又はFOXO4 DRIのみ又はその組み合わせで処置されたLOX−IMVIに関して
図2Dに示されるような実験である。パネルH)は、べムラフェニブ処置は、それ自体の抵抗を促進する。べムラフェニブの1回投与で前処置された中間の感受性を有するA375を用いた、
図2Dに示されるような実験である。生存している細胞及び親の、暴露されていない細胞がべムラフェニブの新たな期間の後、生存能力に関して比較された。最初の期間を生存した細胞は、親の株よりも2回目の期間において、より抵抗性であった。このため、臨床で見られるのと同様に(Bernard’s lab Nature,2014の論文参照)、治療抵抗がこの方法で再現できる。パネルI)は、第2の薬剤としてMEK阻害剤トラメチニブを用いた以外同様の実験を示す。臨床ではRAF阻害剤に続けてMEK阻害剤がよく使用される。また、トラメチニブを使用した際、べムラフェニブによるBRAF阻害に対してまず生き残った細胞は、親の株よりもより抵抗性であると判明した。パネルJ)は、べムラフェニブが、表面結合IL1αによって特徴づけられるSASPの活性化を引き起こすことを示す。基礎の条件下では、A375は核IL1αを発現し、これはべムラフェニブで速やかに下方制御される。しかし、6日後には活性のあるSASPを示す表面結合IL1αが現れる。
図2と3からのデータをあわせると、治療生存A375が、FOXO4 DRIがその生存能力を選択的に低下させるかどうかを試験するための候補であることをこれは示唆する。パネルK)は、べムラフェニブに対する抵抗を獲得したA375及びべムラフェニブに対して本質的に抵抗性を有するLOX−IMVIがFOXO4 DRIによってこれら薬剤に対する感受性を再び与えられた。親のA375、べムラフェニブ抵抗性A375(3週間の慢性的なべムラフェニブ暴露に生き残った)及び本質的に抵抗性のLOX−IMVIがべムラフェニブ又はFOXO4 DRIのみ又は組み合わせで処置された。正規のA375が両方の薬剤それぞれに感受性を示した一方で、べムラフェニブ抵抗性A375及びLOX−IMVIはべムラフェニブに対する抵抗を示した。興奮したことに、FOXO4 DRIはべムラフェニブに対してこれら抵抗性株を強く再び感受性にした。要するに、これらの結果は、FOXO4が多くの場合で強い抗黒色腫薬であるが、それが直接それらを殺せない場合には、それは最も一般的な化学療法の抗黒色腫薬べムラフェニブ及び他のRAF/MEK阻害剤とともに少なくとも合成致死機能を示すことを明らかにする。パネルL)は、FOXO4 DRIの有効性がROSのような反応性化学種によって増強されることを示す。FOXO4 DRI、酸化ストレス阻害剤N−アセチルシステイン(NAC)又は酸化ストレス要因であるH
2O
2存在下で、LOX−IMVIが生存能力に関して評価された。FOXO4 DRI及びH
2O
2は、独立してLOX−IMVIの生存能力にわずかに影響しただけであったが、それらは、合わさると合成致死性を示した。この結果は、FOXO4 DRIが過度のROSに関する状態及び疾患に対して有効であることを示唆する。この結果は、FOXO4 DRIが、がん又はパーキンソン病のような過剰なROSが存在するあらゆる状態に対して有用であることを示す。パネルM及びNは、FOXO4 DRIが新たな患者由来の黒色腫を標的とする場合にべムラフェニブとともに強い相乗作用をもたらすことを示す。3D黒色腫オルガノイド培養物(メラノイド)が文献(Kruiswijk et al,Oncogene,2015)のように調製され、生存能力(M)に関して
図5Fのように処置されるか、あるいは製造者の手順(Roche)に従ってTUNEL(N)を用いてアポトーシスに関して染色された。これらの結果は、細胞株においてだけではなく、新たなヒト黒色腫組織においても、FOXO4 DRIがべムラフェニブによる治療への感受性を増強する強い効果を有することを示す。
【
図6】パネルA及びBにおいて、FOXO4 DRIが黒色腫に対してのみならず、乳がん及びグリア芽腫に対しても有効であることを示す。A)T47D乳がん(breast cancer)細胞は、FOXO4 DRIとインキュベートされると生存能力が大きく損なわれる。B)放射線抵抗性GL261グリア芽腫(Glioblastoma)がFOXO4 DRIの添加によって治療に対して再び感受性を示す。GL261細胞に放射線が当てられ(8Gy)、FOXO4 DRIとともにインキュベートされ、組み合わせた処置に暴露された。パネルC)は、FOXO4 DRIがFACで生存したMCF7細胞のアポトーシスを強く及び選択的に誘導することを示す。MCF7細胞がFACで処置された。1週間後、FAC生存(Survivor)細胞及び親のMCF7細胞に新たにFAC又はFOXO4 DRIペプチドが投与された。アポトーシスが5日後にシトクロムC放出によって評価された。FACで前処置された細胞は、親株よりもFACに対してより抵抗性であったが、FOXO4 DRIに感受性であったことに留意されたい。FACは、臨床的に使用される、5’フルオロオラシル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)及びシクロフォスファミドを含む乳がんカクテルを表す。FOXO4発現が(i)通常の乳房組織よりも浸潤した乳がんで増加する、及び(ii)乳がんの原発部位よりも転移した乳がんで増加することが見出されたことが背景として一般に知られている。さらに、同じ背景で、5年以内の乳がんの再発がFOXO4発現の増加に関係する。
【
図7】FOXO4 DRIがABT−737(いわゆる老化現象を示す細胞を除去する化合物)よりも老化現象を示さない細胞にとって安全で、かつ老化現象を示す細胞の除去に関してより効果が高いことを示す。A)対照IMR90及び10Gy IRを用いて老化が誘導されたIMR90が96ウェルプレートで、各条件につき3ウェルでインキュベートされた。翌日、示された用量のABT−737又はFOXO4 DRIとともに細胞がインキュベートされた。6日後、製造者の使用説明書に従ってAqueousOne CellTiterアッセイ(Promega)で生存能力が評価された。B)低い用量においてA)の対照及び老化現象を示すIMR90の生存能力の倍率が老化現象を示す細胞の除去への効果を示す。また、対照細胞において、ABT−737が毒性の証拠となる生存能力への影響を示すことに留意されたい。C)B)と同様であるが、FOXO4 DRIに関する。FOXO4 DRIが対照の細胞に毒性を示さない用量で、それらの老化現象を示す細胞に対して有効であることに留意されたい。
【
図8】
図7に示される実験と同様であるが、化合物が間に3日おいて1/3で3回添加されたものである(ドキソルビシンが使用されているが計画に関しては下記の
図10も参照されたい)。ここでも、ABT−737の老化現象を示さない細胞に対する毒性が実証され、老化現象を示す細胞を殺す限定的な効果のみを示したが、FOXO4 DRIは、老化現象を示さない細胞に対して安全であることが実証され、老化現象を示す細胞の除去に有効である。
【
図9】
図7と8と同様であるが、IRの代わりに化学療法(2×0.5μMのドキソルビシン)によって老化を誘導されたIMR90細胞を用いている。同じ結論が
図7と8に適用される。
【
図10】細胞が2日あけて示された用量の1/3で3回処置されたことを除いて、
図9に示された同様の実験の結果を示す。この実験に関しても、FOXO4 DRIが老化現象を示さないIMR90に対して安全でABT−737が低用量でもその生存能力を低下させることが明らかである。さらに、FOXO4 DRIは老化現象を示す(senescent)細胞にはEC70及びEC50で高い選択性を示すが、老化現象を示さない細胞には選択性を示さない。
【
図11】報告された化合物クエルセチン及びダサチニブが老化現象を示すIMR90の除去に関して無効であることを示す。
図7に示すような実験だが、細胞が示された濃度のクエルセチンのみ(上)、又は0.1μMのクエルセチンに加えて示された用量のダサチニブとの組み合わせ(下)とともにインキュベートされた。老化現象を示す細胞と老化現象を示さない細胞に関してこれら化合物の生存能力における明らかな違いはなかった。
【
図12】ASK1阻害剤が老化現象を示す細胞のアポトーシスを選択的に誘導することを示す。A)示されたのは、Mock処置された老化現象を示すIMR90細胞及び老化現象を示さないIMR90細胞に対してNQDI処置の%生存能力である。ASK1阻害剤NQDIは、老化現象を示すIMR90線維芽細胞の細胞生存能力を明らかに抑制するが、老化現象を示さないIMR90線維芽細胞の細胞生存能力を抑制しない。老化現象を示す及び示さないIMR90線維芽細胞が示された濃度のNQDIとともにインキュベートされ、6日後に細胞の生存能力がCellTiter 96(商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assayを用いて評価された。B)NQDIが続けられる期間で、老化現象を示す細胞の除去におけるその効果が増強される。老化現象を示す及び示さないIMR90線維芽細胞がxCELLigence system(ACEA Biosciences,Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いた縦断的な細胞密度測定に関して図示された。基準値の測定が行われてから、細胞が2μMのNQDIとともに連続3日間インキュベートされた(それぞれ24、48及び72時間)。プレートに播いた後の細胞密度が示されたように追跡された。図は、実験開始時の条件での密度に対して正規化された細胞密度データを示す。C)ヒストグラムは、基準値を超えた測定の最後(96時間)での定量化した細胞密度の変化を示す。
【
図13】SYK阻害剤がin vitroで老化現象を示す細胞のアポトーシスを選択的に誘導することを示す。グラフは、Mock処置された老化現象を示す及び示さない(Non−senescent)IMR90細胞に対する%生存能力を示す。SYK阻害剤R406は、老化現象を示す細胞の生存能力を選択的に低下させた。実験は、
図12に記載されたものと同様の方法で行われた。
【
図14】FOXO4タンパク質のアイソフォーム1のアミノ酸配列を示す図である。
【
図15】FOXO4タンパク質のアイソフォーム2のアミノ酸配列を示す図である。
【
図16】FOXO4遺伝子の転写産物バリアント1の塩基配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
定義
本明細書で使用された場合、用語“ペプチド”は、合成的に合成されたペプチド、好ましくはペプチド模倣薬、より好ましくはD−ペプチドを意味する。用語“ペプチド”は、例えば体内でペプチドがより安定になるように、又は細胞により移行できるように修飾されたペプチド類似体を包含する。このような修飾は、限定されないがN末端修飾、C末端修飾、限定されないがCH2−NH、CH2−S、CH2−S=0、0=C−NH、CH2−0、CH2−CH2、S=C−NH、CH=CH又はCF=CH及び主鎖修飾等のペプチド結合修飾等である。ペプチド模倣化合物の調製方法は、本技術分野でよく知られており、例えばQuantitative Drug Design,C.A.Ramsden Gd.,Chapter 17.2,F.Choplin Pergamon Press(1992)に記載されている。本明細書で使用された場合、用語“ペプチド”は、好ましくは200個未満のアミノ酸残基、より好ましくは100個未満のアミノ酸残基、最も好ましくは50個又は40個未満のアミノ酸残基を有するペプチドに関する。本発明に係るペプチドは、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20個未満のアミノ酸残基からなるものでもよい。好ましくは、本発明のペプチドは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40個又はそれ以上のアミノ酸残基を含む。用語ペプチドは、該ペプチドがレトロインベルソペプチドであると明示されない限り、レトロインベルソペプチドを意味しない。本発明に係るペプチドは、アミノ酸配列PPRRRQRRKKRG等のペプチドの細胞への侵入を促進するアミノ酸配列をさらに含んでもよい。
【0048】
本明細書で使用された場合、略称“DRI”は、D−レトロインベルソアイソフォームを意味し、そのアミノ酸配列が逆であり、L−アイソフォームの代わりにD−アイソフォームとなっており、特にFOXO4タンパク質又はそのペプチドフラグメントに関して使用される。
【0049】
本明細書で使用された場合、用語“D−アイソフォーム”は、少なくとも一部のアミノ酸残基が“D”(ラテン語dexterは右を意味する)と言われる分子の空間配置を有するアミノ酸配列を意味する。本発明のペプチドは、好ましくは少なくとも1個の、より好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40個又はそれ以上のD−アミノ酸残基を含む。本発明のペプチドは、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも90、95、98又は99%、最も好ましくは100%D−アミノ酸残基を含む。当業者は、本発明に係るDRIペプチドがL−アミノ酸残基及びD−アミノ酸残基の組み合わせを含んでもよく、又は全体がD−アミノ酸残基からなるものであってもよいことを理解する。
【0050】
用語“%配列相同性”は本明細書において、最大のパーセント配列相同性になるように、配列をアラインし、必要に応じて任意にギャップを挿入した後の関心のある核酸配列又はアミノ酸配列それぞれにおけるヌクレオチド及びアミノ酸と同一である、核酸配列におけるヌクレオチド又はアミノ酸配列におけるアミノ酸の割合として定義される。アライメントの方法及びコンピュータプログラムが当技術分野でよく知られている。配列相同性は、関心のあるアミノ酸配列の実質的に全長、好ましくは(完全に)全長に渡って計算される。当業者は、1つのアミノ酸配列における連続したアミノ酸残基が他のアミノ酸配列における連続したアミノ酸残基と比較されることを理解する。好ましくは、アミノ酸残基の配置、例えばD又はLは、アミノ酸配列の相同性の評価には関係がない。例えば、D−Valは、本発明の関連では、L−Valと配列相同性を示す。
【0051】
本明細書で使用された場合、用語“アポトーシス”は、細胞の収縮、クロマチンの凝縮、及び食作用によって除去される膜結合体への細胞の断片化で特徴づけられる、単一細胞に影響する細胞死の仕組みを意味する。用語“アポトーシス”は、用語“プログラム細胞死”と同意語としてよく使われる。
【0052】
本明細書において、用語“アポトーシス誘導活性”は、内的又は外的刺激による(i)特定の細胞の型及び/又は(ii)成長又は分化の特定のステージの細胞においてアポトーシスを選択的に引き起こす化合物に本来備わっている性質を意味する。当業者は、例えば、細胞質のシトクロムCの濃度(アポトーシスのマーカー)及びTUNELの濃度(アポトーシスのマーカー)を評価する試験等の、細胞培養でアポトーシスの程度を評価するためのin vitroの標準アッセイがあることを知っている。上記の標準アッセイを用いることで、当業者は、様々な細胞の型又は様々な成長ステージの細胞、例えば老化現象を示す細胞に対する老化現象を示さない細胞に関する様々な化合物のアポトーシス誘導活性を容易に評価し比較することができる。他の標準のアポトーシスアッセイは、アネキシンVアッセイ及びクリーブドカスパーゼ−3染色である。本質的にアポトーシスと反対の細胞の生存能力を検出するために、MTTアッセイ(細胞の生存能力を評価するための比色分析)、ATP検出アッセイ、リアルタイム細胞密度(例としてxCELLigence)アッセイ又はコロニー形成アッセイが用いられる。
【0053】
本明細書で使用された場合、用語“老化現象を示す細胞”は、細胞性老化との関連において解釈されるべきである。用語“老化現象を示す細胞”は、本質的に永続的な成長停止を有することで特徴づけられる細胞を含む。老化現象を示す細胞は、増殖刺激に本質的に反応しない。老化現象を示す細胞の認識又は検出に関して、分子マーカーが用いられる。老化現象を示す細胞に関するいくつかのマーカーが開発されている。本明細書で用いられる場合、用語“老化現象を示す細胞”は、次の少なくとも1種のマーカー、すなわち(i)好ましくは増殖マーカー(例えばサイクリンA、MAM−3及び/又はPCNA)の喪失及び成長刺激に対する非感受性によって示される本質的に永続的な成長停止、(ii)老化関連β−ガラクトシダーゼ(SA−B−Gal)、(iii)p16
INK4a活性化及び/又は発現、(iv)p21
cip1、好ましくはp53/p21
cip1の活性化及び/又は発現、(v)老化関連ヘテロクロマチン形成(SAHF)、(vi)一部が前骨髄球性白血病タンパク質(PML)核小体と共局在化することが多いDNA−SCARS(老化を促進するクロマチン変化を伴うDNA断片)(vii)FOXO4活性化及び/又は発現、(viii)好ましくは老化現象を示さない細胞又は当該老化現象を示す細胞にかなり近い細胞と比較してIL1、IL6及び/又はIL8等のSASPマーカー量が増加(>2倍)することで特徴づけられる老化関連分泌表現型(SASP)、及び/又は(ix)非SASPアラーミンHMGB1の核外移行、によって特徴づけられる細胞を含む。当業者は、細胞がいつ本質的に永続的な成長停止になったとみなせるかを知っており、例えばEdU取り込み及び/又はKi67陽性の評価による。老化現象は、通常の細胞の増殖性が存続する期間の最後に、あるいは例えば化学療法剤、放射線、DNA損傷又は他の細胞傷害への応答において通常の細胞又は腫瘍細胞で起こる。したがって、当業者は、上記の老化現象を示す細胞の特性を一般に有していない、とりわけ最終分化した細胞と老化現象を示す細胞とを見分けることができる。好ましくは、老化現象を示す細胞は、本質的に永続的な又は永続的な成長停止を有することで特徴づけられ、好ましくは成長因子の存在下で増殖マーカーを欠くことで示される。より好ましくは、老化現象を示す細胞は、(i)好ましくは成長因子の存在下で増殖マーカーを欠くことで示される、本質的に永続的な又は永続的な成長停止を有すること、(ii)p16
INK4a活性化及び/又は発現、及び/又はp21
cip1、好ましくはp53/p21
cip1の活性化及び/又は発現、及び/又は(iii)FOXO4活性化及び/又は発現によって特徴づけられる。最も好ましくは、老化現象を示す細胞は、(i)本質的に永続的な又は永続的な成長停止を有すること、(ii)p16
INK4a活性化及び/又は発現及び/又はp21
cip1、好ましくはp53/p21
cip1の活性化及び/又は発現、(iii)SA−B−Galの発現及び/又は(iv)FOXO4活性化及び/又は発現によって特徴づけられる。この段落に関しては、用語“発現”は、老化現象を示さない細胞と比較した場合の遺伝子発現産物(RNA)の増加又はタンパク質産物の増加を意味する。老化現象を示さない細胞と比較した場合の発現の増加は、好ましくは、少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0倍又はそれ以上である。当業者は、遺伝子及びタンパク質の発現量を評価する方法を知っている。例えば、SA−B−Galは、老化現象を示す細胞のリソソームにおける内因性の酵素を用いた酵素アッセイを適用することで評価される。このようなアッセイは、新しい材料を用いて酸性条件下で通常は行われる(Dimri et al,PNAS,vol.92,p.9363−9367(1995))。さらに例示すると、p16
INK4a及びp21
cip1発現は、抗体(例えば、抗DKN2A/p16INK4a抗体DCS50.1、ab16123、Abcam、英国;及び抗p21抗体、ab7960、Abcam、英国)を用いた免疫組織化学で評価できる。本技術分野では、老化現象を示す細胞は、それぞれが非増殖状態を誘導し、維持するのに個々に十分であると言われるp53−p21
cip1又はp16
INK4aの独立した活性を介して細胞周期から離脱したものであると説明される(Rodier et al.,J Cell Biol 192:547−556(2011))。
【0054】
本明細書で使用された場合、用語“老化現象を示さない細胞”は、“通常の”細胞、すなわち成長因子への応答では分裂可能であるが、成長因子がない場合は分裂しない細胞を意味する。後者は、がん細胞を含む。老化現象を示す細胞は、本質的に増殖刺激に非応答性である。老化現象を示さない細胞は、若年のヒトIMR90肺線維芽細胞(ATCC(商標) CCL−186(商標)、好ましくは50集団倍加より低い)又は処置される対象由来の通常の若しくは健常の細胞である。対照は、異なる対象又は該対象の群、例えば年齢18から30歳の間の対象又は対象の群由来である。対照は、好ましくは同じ組織及び/又は器官由来である。
【0055】
また、本明細書に記載され、その記載に基づいて提供される医薬用途の関連では、本発明に係るペプチド、医薬組成物又は核酸が、FOXO4発現及びp53の発現の増加で特徴づけられる細胞を除去し、排除し又は殺すのに特に有効である。この段落の関連では、用語“増加”は、対照と比べた場合の遺伝子発現産物(RNA)の増加又はタンパク質産物の増加を意味する。対照と比較した発現の増加は、好ましくは少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0倍又はそれ以上である。当業者は、遺伝子及びタンパク質の発現量を評価する方法を知っている。好ましくは、p53の発現は、活性型pSer15−p53の発現であって、とりわけ免疫蛍光及び/又は免疫組織化学によって検出及び定量化される。図から明らかなように、活性型pSer15−p53が老化現象を示す細胞の核内フォーカスにおいて蓄積し、これが本発明に係るペプチドによって対抗される。pSer15−p53に対する抗体が市販されている(ホスホ−Ser15 p53(9286)、Cell Signaling Technology Inc.、Danvers、マサチューセッツ州、米国)。対照は、好ましくは、成長因子に応答して分裂可能であるが、成長因子がない場合は分裂しない通常又は健常細胞である。このような対照細胞は、ヒトIMR90肺線維芽細胞(ATCC(商標) CCL−186(商標))又は処置される対象由来の細胞である。対照は、処置される対象とは異なる対象又は該対象の群、例えば年齢18から30歳の間の対象又は対象の群由来である。対照は、好ましくは同じ組織及び/又は器官由来である。好ましくは、この文脈で記載される標的細胞は、さらに酸化ストレスを有することで特徴づけられ、酸化ストレスで活性化されるマーカー、例えばスーパーオキシドジスムターゼSOD1(抗スーパーオキシドジスムターゼ1抗体、ab20926、Abcam、英国)及びSOD2(抗SOD2抗体、Stressgen Biotech、Victoria、BC)、カタラーゼ(抗カタラーゼ抗体、ab16731、Abcam、英国)及び/又はリン酸化JNK(ホスホThr183/Tyr185−JNK、Cell Signaling Technology Inc.)によって検出可能である。酸化ストレスがあるかどうかの評価に関して、上述のような対照を用いることができる。さらに、この段落に記載されたような標的細胞が本明細書に記載された1種以上の老化マーカーをさらに有する。
【0056】
本明細書で使用された場合、用語“医薬組成物”は、哺乳類、好ましくはヒトへの投与に適した条件下で製造される、すなわちGMP条件下で製造される組成物を意味する。本明細書に係る医薬組成物は、薬学的に許容される添加剤、例えば限定されないが安定化剤、充填剤、緩衝剤、担体、希釈剤、媒体、可溶化剤及び結合剤を含んでもよい。当業者は、適した添加剤の選択が、投与経路と投与形態に加え、有効成分及び他の因子に依存することを理解する。本発明に係る医薬組成物は、好ましくは非経口投与に適応される。
【0057】
本明細書で使用された場合、用語“化学療法剤”は、細胞の生存能力及び/又は機能を阻害又は妨げる、及び/又は細胞の破壊(細胞死)を引き起こす、及び/又は抗腫瘍/抗増殖効果を及ぼす、例えば、腫瘍細胞の成長、成熟又は広がりを直接的に又は間接的に妨げる化合物を意味する。また、この用語は単なる細胞毒性効果ではなく、細胞増殖抑制効果のみを引き起こす薬剤を含む。用語“化学療法剤”は、プラチナ剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチン)のようなアルキル化剤、5−フルオロウラシル(5−FU)、6−メルカプトプリン(6−MP)、カペシタビン(Xeloda)、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン(Ara−C)、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン(Gemzar)、ヒドロキシ尿素及びメトトレキサート等の代謝拮抗物質、抗腫瘍抗生物質、好ましくはドキソルビシン、トポイソメラーゼ阻害剤、分裂抑制剤、コルチコステロイド、血管新生阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、タンパク質キナーゼA阻害剤、サイトカインファミリーのいずれか、放射性同位体、限定されないが、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、Raf265、セルメチニブ及びトラメチニブ等のRAF、MEK又はERKファミリーのキナーゼ阻害剤、及びベムラフェニブ、ダブラフェニブ、Raf265、セルメチニブ及びトラメチニブ等の黒色腫、好ましくは転移性黒色腫の治療に広く用いられる薬剤等である。ベムラフェニブ、ダブラフェニブ及びRaf265はRAF阻害剤である。トラメチニブ及びセルメチニブはMEK阻害剤である。本発明の関連では、化学療法剤としてパクリタキセル又はドクセタキセル等のタキサンも含まれる。
【0058】
用語“老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態”、“老化現象を示す細胞の存在に関連する疾患及び状態”及び“老化現象を示す細胞の除去が有益な障害”は、代替可能に使用される。
【0059】
本明細書で使用された場合、用語“老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態”は、哺乳類、好ましくはヒトである対象の任意の疾患又は状態であって、当該疾患又は状態を患っている対象にとって老化現象を示す細胞の除去、排除又はその生存能力の抑制が有益な任意の疾患又は状態を意味する。この用語は、老化現象を示す細胞が疾患の単独又は唯一の原因である状態を包含する。さらにこの用語は、老化現象を示す細胞が将来、上記対象の疾患又は状態の原因となり得る状態に関連する。好ましくは、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態の治療は、老化現象を示す細胞の除去によって防止される、あるいは防止可能な疾患又は状態である。例えば、化学療法剤及び放射線治療が細胞の老化を誘導することが知られている。細胞の老化に関連する疾患又は状態の発症を防ぐために、この老化現象を示す細胞を除去することが有利となる。さらにこの用語は、老化現象を示す細胞の除去が疾患又は状態の症状を緩和又は抑制する疾患又は状態を包含する。とりわけ疾患又は状態が治癒され、防止され得るか、疾患又は状態の症状が抑制又は緩和され得るのであれば、上記老化現象を示す細胞の除去が有益であることが当業者には明らかである。当業者は、本発明に係るペプチド及び阻害剤が老化現象を示す細胞におけるアポトーシス誘導活性を有することを理解する。老化現象を示す細胞の除去は、本発明に係るペプチド及び阻害剤のアポトーシス誘導活性と結びつく。より好ましくは、本発明に係るペプチド又は阻害剤は、哺乳類、好ましくはヒトである対象の老化現象を示す細胞の、好ましくは哺乳類、好ましくはヒトである対象の器官又は組織における老化現象を示す細胞の、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70又は80%を除去し、殺し、取り除き、又はその生存能力を抑制する。当業者は、多数の疾患が老化現象を示す細胞に関係し、当該疾患の治療に老化現象を示す細胞の除去が有効であることを理解する。老化現象を示す細胞の除去が有益である疾患又は状態は、当該疾患又は障害を患っていない対象と比較して、対象における反応性酸素種又は反応性窒素種、好ましくはH
2O
2のような反応性酸素種の濃度が増加したことに関連する疾患又は状態である。当該疾患又は障害は、がん、好ましくは黒色腫、より好ましくは転移性黒色腫、アルツハイマー病又はパーキンソン病等の慢性炎症性疾患又は神経疾患を含むリストから好ましくは選択される。本発明に係るペプチド、医薬組成物又は核酸のアポトーシス誘導活性が上述の反応種によって強められることが見出された(
図5L参照)。対象の疾患表現型を示す試料、例えばがんサンプルにおける反応性酸素種及び/又は反応性窒素種の濃度の増加は、好ましくは少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0倍又はそれ以上である。当業者は、反応種の濃度を評価するための方法及び手段を知っている。好ましくは、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を含む群から選択される。老化現象を示す細胞の除去が有益な特に好ましい疾患又は状態は、哺乳類、好ましくはヒトである対象における炎症、好ましくは慢性炎症に関連又は関係する疾患又は状態であって、該炎症は老化現象を示す細胞によってもたらされるか仲介される。好ましくは、当該炎症をもたらすか仲介する上記老化現象を示す細胞は、上記の疾患又は状態の影響を受ける器官、好ましくは組織と同じ器官、より好ましくは同じ組織に少なくとも部分的に共局在化する。
【0060】
本明細書で使用された場合、用語“老化現象を示す細胞の存在に関連する疾患又は状態”は、哺乳類、好ましくはヒトである対象における老化現象を示す細胞の存在又は細胞老化の存在が当該対象の上記疾患又は状態に関係する、哺乳類、好ましくはヒトである対象におけるあらゆる疾患又は状態を意味する。本明細書で使用された場合、用語“関連する”又は“関係する”は、老化現象を示す細胞の存在又は細胞老化の存在と、上記疾患又は状態との関連性を意味する。上記においては、“関連する”又は“関係する”は、とりわけ(i)疾患又は状態の少なくとも部分的な原因として、又は(ii)疾患又は障害の症状としての老化現象を示す細胞又は細胞老化を意味する。好ましくは老化現象を示す細胞の存在に関連する疾患又は状態は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を含む群から選択される。老化現象を示す細胞の除去が有益な特に好ましい疾患又は状態は、哺乳類、好ましくはヒトである対象における炎症、好ましくは慢性炎症に関連又は関係する疾患又は状態であって、該疾患は老化現象を示す細胞によってもたらされるか仲介される。好ましくは、当該炎症をもたらすか仲介する上記老化現象を示す細胞は、上記の疾患又は状態の影響を受ける器官、好ましくは組織と同じ器官、より好ましくは同じ組織に少なくとも部分的に共局在化する。
【0061】
老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は障害に関して本明細書で使用された場合、用語“状態”は、とりわけ睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び健康不良を意味する。本明細書で使用された場合、用語“変性疾患”は、組織又は器官の機能及び/又は構造が時間とともに次第に−通常は加齢とともに−崩壊し、いわゆる“機能喪失”になる疾患又は状態に関する。当業者は、変性疾患が遺伝性疾患又は不健康な生活様式の結果、若い人、例えば十代及び若年成人で起こり得ることを理解する。また、用語“変性疾患”は、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び健康不良等の加齢に関連する状態を含む。
【0062】
本明細書で使用された場合、用語“投与”又は“投与すること”は、ペプチド、阻害剤、好ましくはNQDI又はR406、又は医薬組成物、本発明に係るすべてを、哺乳類の対象、好ましくはヒトに、薬学的に許容される形態かつ薬学的な有効量で、(i)好ましくは錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液等の形態での経口投与、(ii)好ましくは水等の液体で、例えば静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、動脈内、大脳内等の非経口投与の形態での注射投与、(iii)好ましくは例えばクリーム、ゼリー、粉末又はパッチの形態での局所投与による経皮投与、(iv)例えば吸入粉末、噴霧、懸濁液等の形態の吸入、及び(v)直腸のような投与経路で導入することを意味する。ペプチド、阻害剤、医薬組成物又はキット、本発明に係るすべてが、好ましくは、例えば水等の液体又は流体で、非経口で投与される。
【0063】
本明細書で使用された場合、用語“アジュバント”は、薬理学的に活性な化合物、好ましくは他の薬理学的に活性な化合物、好ましくは化学療法剤と共投与される、いずれも本発明に係るペプチド又は阻害剤を意味する。アジュバントは、主な治療をもたらす薬理学的に活性な化合物による副作用に対抗する、副作用を緩和する又は抑制するために投与されてもよい。
【0064】
本明細書で使用された場合、用語“共投与される”は、本発明に係るペプチド又は阻害剤を、単一投与形態(例えば本発明に係る医薬組成物)の一部として又は複数投与形態、例えば別々の物質が一緒にパッケージ化されているが、例えば異なる容器に入っている別個に製剤化された複数の単位用量として、化学療法剤とともに投与することを意味する。また、本発明に係るペプチド又は阻害剤は、化学療法剤の投与に先行して、あるいはその前に、連続して又は間に、又は続けて、若しくは後で投与されてもよい。このような組み合わせの治療では、本発明に係るペプチド又は阻害剤及び化学療法剤が上記のいずれかの経路を介して投与され、さらに、好ましくは全体的な相乗効果及び/又は所望の効果をもたらすような方法で投与される。
【0065】
本明細書で使用された場合、用語“単一投与形態”は、すべての化合物が単一の製剤、調合又は組成物、例えば1個の容器に含まれる投与形態を意味する。
【0066】
本明細書で使用された場合、用語“複数投与形態”は、少なくとも2種の異なる−そして分離された−投与形態を意味する。例えば、本発明に係るキットに関して、特に好ましい複数投与形態は、別々の化合物が一緒にパッケージ化されているが、例えば異なる容器に入っている別個に製剤化された複数の単位用量である。
【0067】
本明細書で使用された場合、用語“対象”は、動物、好ましくはヒト又はイヌ等の哺乳類、最も好ましくは老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態の治療を必要とする、又は老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患っている若しくは患うと疑われるヒトを意味する。好ましくは、対象は、少なくとも30歳、又は少なくとも40歳である。より好ましくは、対象は少なくとも50歳である。
【0068】
本明細書で使用された場合、用語“薬学的又は治療上の有効量”は、治療効果を奏する量又は対象において治療効果をもたらすのに必要な量を意味する。例えば、本発明に係るペプチド若しくは阻害剤又は本発明の医薬組成物の治療上の又は薬学的な有効量は、臨床試験の結果、モデル動物研究及び/又はin vitro研究によって判断されるような所望の治療効果をもたらすのに必要な量である。薬学的な有効量は、いくつかの因子、限定されないが、対象の特性(例えば身長、体重、性別、年齢及び病歴)、特異的疾患及び使用される化合物の特定の種類に依存する。
【0069】
本明細書で使用された場合、用語“放射線治療”は、電離放射線に、例えば、外部ビーム放射療法、X線等の光子放射線療法、電子放射線療法、陽子放射線療法、炭素イオン放射線療法、リチウムイオン放射線療法、ケイ素イオン放射線療法、ヘリウムイオン放射線療法、放射性同位体療法、注射可能同位体、例えば任意の種類のマトリックスに付着した又は取り込まれた又は混合された同位体等に好ましくは治療的に暴露されることを意味する。放射線治療は、好ましくはX線等の光子放射線療法である。
【0070】
本明細書で使用された場合、用語“がん”は、副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、中枢神経腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、腺管がん、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、卵管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝)がん、下咽頭がん、腎がん、肺がん、唇及び口腔がん、男性乳がん、転移性頸部扁平上皮がん、口腔がん、副鼻腔及び鼻腔がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、甲状腺がん、リンパ腫、尿道がん、膣がん、及び/又は外陰がん等のがんである。特に好ましいがんは、FOXO4の発現量が高いがんである。好ましくは、FOXO4発現は、非がん細胞、好ましくはがんではない、又は健康な、健常な細胞、より好ましくは上記がんの近辺のがんではない、又は健康な、健常な細胞でのFOXO4発現よりも少なくとも1.05倍、好ましくは1.1倍、より好ましくは1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3.0、4.0、5.0倍又は6.0倍以上高い。
【0071】
用語“抵抗性がん”は、用語“治療抵抗性がん”と代替可能に使用され、(i)抵抗性が上記少なくとも1種の化学療法剤で処置された後に獲得される、少なくとも1種の化学療法剤に抵抗性を示すがん、すなわち抵抗性獲得がん、及び(ii)抵抗性を上記少なくとも1種の化学療法剤での処置の前から有する、抵抗性が初めからある、すなわちデノボ(de novo)抵抗性がんの両方を意味する。用語“抵抗性がん”は、通常の、非抵抗性がん細胞が細胞毒性、細胞死又は細胞老化の兆候のいずれかを示すのに対して、少なくとも1種の化学療法剤があっても生存できるがん細胞を意味する。当業者は、がんが抵抗性がんであるかを簡単に評価でき、すなわちそれは、対象由来のがんに適切な化学療法剤を接触させた後で細胞の生存能力又はアポトーシス誘導活性を評価することによる。当業者は、MTTアッセイ、ATP測定及び/又はTUNEL、シトクロムC放出又はクリーブドカスパーゼ3アッセイ等のアポトーシスアッセイのような、抵抗性がんをスクリーニングするための標準的な試験があることを知っている。本発明に係るペプチド又はASK1の阻害剤に関しては、抵抗性がんはリンパ腫であってもよい。SYKの阻害剤に関しては、抵抗性がんは、リンパ腫又は骨髄性白血病ではないほうが好ましい。より好ましくは、抵抗性がんは、抵抗性の副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、中枢神経腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、腺管がん、子宮内膜がん、胚芽腫、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、グリア芽腫、眼がん、卵管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝)がん、下咽頭がん、腎がん、肺がん、唇及び口腔がん、男性乳がん、転移性頸部扁平上皮がん、口腔がん、副鼻腔及び鼻腔がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、甲状腺がん、尿道がん、膣がん、及び/又は外陰がんである。最も好ましくは、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫である。本発明に関して、当該抵抗性がんは、上述のように、好ましくは転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、より好ましくは転移性黒色腫であって、少なくとも1種の化学療法剤、好ましくはRAF265等のRAF、MEK又はERK阻害剤、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブでの治療に抵抗性を示す。抵抗性がんが抵抗性乳がんである場合、当該がんが抵抗性を示す化学療法剤は、好ましくは5’フルオロウラシル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)及びシクロフォスファミド(FAC)を含む化学療法組成物である。抵抗性がんと少なくとも1種の化学療法剤、好ましくはRAF、MEK又はERK阻害剤との可能なすべての組み合わせが本明細書で想定される。特に好ましい抵抗性がんは、FOXO4発現量が増加したがんである。抵抗性がんはFOXO4発現量が増加しており、そのFOXO4の発現量は非抵抗性がんのFOXO4発現量よりも少なくとも1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0倍又はそれ以上である。この段落に関しては、用語“発現”は、好ましくは遺伝子発現産物(RNA)又はタンパク質産物を意味する。当業者は、発現した産物の量を評価するための方法をよく知っている。
【0072】
本明細書で使用された場合、用語“対抗する”は、対象での症状又は現象に反対の、対象での症状又は現象を弱める、阻害する、阻止する、遅らせる、又は抑制する効果を意味する。好ましくは、“対抗する”は、“弱める”ことを意味する。
【0073】
本明細書で使用された場合、用語“感受性にする”は、抵抗性がん細胞が化学療法剤の影響を受けやすくする一連の変化を意味する。当該用語は、がん細胞が少なくとも1種の化学療法剤があっても生存することができる状態から、上記の少なくとも1種の化学療法剤の影響の結果としてそれが細胞毒性、細胞死及び/又は細胞老化の兆候を示す状態にがん細胞が移行する一連の変化を意味する。用語“感受性にする”は、“再び感受性にする”を包含し、好ましくは該用語に関連し、後者は抵抗性を獲得したがんを感受性にすることに関して使用される。好ましくは、用語“感受性にする”は、少なくとも1種の化学療法剤に対する対象における抵抗性がんの影響の受けやすさが増加することを意味し、当該がんは上記少なくとも1種の化学療法剤の投与に対して抵抗性を示し、上記抵抗性がんの細胞の生存能力は、少なくとも1種の化学療法剤で処置された当該抵抗性がんに相当する感受性にされていない抵抗性がんの細胞の生存能力と比較して、少なくとも5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80又は90%だけ低下させる。細胞の生存能力は、MTTアッセイ、ATP検出アッセイ、細胞密度アッセイ又はコロニー形成アッセイによって評価可能である。また、用語“感受性にする”は、少なくとも1種の化学療法剤に対する対象における抵抗性がんの影響の受けやすさが増加することを意味し、当該がんは上記少なくとも1種の化学療法剤の投与に対して抵抗性を示し、アポトーシスの程度は、少なくとも1種の化学療法剤で処置された当該抵抗性がんに相当する感受性にされていない抵抗性がんの細胞におけるアポトーシスの程度と比較して、少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、200又は300%だけ増加させる。
【0074】
本明細書で使用された場合、用語“化合物”は、あらゆる種類の分子、好ましくは本発明に係るペプチド又は阻害剤等の薬学的に活性な分子又は化学療法剤を意味する。
【0075】
本明細書で使用された場合、用語“容器”は、化合物、好ましくは薬学的に許容される形態で製剤化された化合物(本発明に係るペプチド又は阻害剤又は化学療法剤)を保持又は保存するのに適合された容器を意味する。好ましい製剤は、非経口投与に適合された製剤である。容器としては、小瓶、瓶、大口瓶、又は柔軟な包装が適している。
【0076】
本発明に係るキットに関して使用される場合、用語“含有する”は、容器が本発明に係るペプチド又は阻害剤又は化学療法剤のみを含む、又は本発明に係るペプチド又は阻害剤又は化学療法剤からなると解釈されるべきではない。容器は、本発明に係るペプチド又は阻害剤又は化学療法剤の他に他の化合物又は物質を適切に含有してもよい。
【0077】
本明細書で使用された場合、用語“阻害剤”は、遺伝子産物の活性を抑制し得る、あらゆる化合物、天然物又は合成物を意味する。このため、阻害剤は、遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を直接的又は間接的のいずれかで阻害してもよい。直接的な阻害は、例として、タンパク質に結合した結果、タンパク質が標的(例えば結合相手)と結合することを妨げるか、タンパク質の活性(例えば酵素活性)を妨げることでなされる。間接的な阻害は、例えば結合相手のようなタンパク質の対象とする標的と結合した結果、タンパク質の活性を阻止又は抑制することでなされる。好ましくは、阻害剤は、ASK1阻害剤又はSYK阻害剤である。より好ましくは、上記ASK1阻害剤及びSYK阻害剤は、キナーゼ阻害剤、すなわちASK1及びSYKのキナーゼ活性を阻害する。上記ASK1阻害剤及びSYK阻害剤が老化現象を示す細胞のアポトーシス誘導活性も示すキナーゼ阻害剤であることが特に好ましい。ASK阻害剤NQDI及びSYK阻害剤R406が最も好ましい。当業者は、標準の阻害アッセイをよく知っており、該アッセイではASK1阻害剤及びSYK阻害剤等の標的化合物がスクリーニングされる。上述のように、アポトーシス誘導活性を評価するための標準アッセイは当業者が知っている一般知識の範囲内である。好適な実施の形態では、ASK1阻害剤又はSYK阻害剤は、ASK1又はSYKのタンパク質発現を阻害する干渉RNA分子、好ましくはsiRNAである。他の実施の形態では、ASK1の又はSYKの阻害剤は、モルフォリノオリゴマーである。
【0078】
本明細書で使用された場合、用語“干渉RNA分子”は、RISCと相互作用し、遺伝子発現におけるRISCを介した変化に関わることができるすべてのRNA又はRNA様分子を意味する。RISCと相互作用し得る干渉RNAの例は、ショートヘアピンRNA(shRNA)、一本鎖siRNA、マイクロRNA(miRNA)、及びダイサー基質(dicer−substrate)27mer二本鎖等である。
【0079】
本明細書で使用された場合、用語“モルフォリノオリゴマー”は、遺伝子の窒素塩基、アデニン、グアニン、シトシン及びチミンのポリマーを意味し、該窒素塩基は、RNA又はDNAにおけるリボース又はデオキシリボースとは対照的に、6員モルフォリン環と結合している。
【0080】
用語“フォークヘッドボックスO4(FOXO4)遺伝子”は、遺伝子ID4303(Genbank 2014年12月7日)を有するタンパク質をコードする遺伝子を意味し、NCBI参照配列:NC_000023.11で7386個のヌクレオチドからなり、AFX、AFX1又はMLLT7としても知られる。
【0081】
用語“FOXO4ペプチド”及び“FOXO4タンパク質”は、本明細書では交換可能な用語であり、フォークヘッドボックスタンパク質O4遺伝子の転写産物から翻訳されるタンパク質を意味し、フォークヘッドボックスタンパク質O4とも呼ばれる。このタンパク質のアイソフォーム1(
図14)はFOXO4遺伝子の転写産物バリアント1によってコードされている(
図16)。アイソフォーム2(
図15)は転写産物バリアント2によってコードされている。用語“FOXO4 DRIペプチド”は、“FOXO4ペプチド”の逆インベルソペプチド又はタンパク質を意味し、必ずしもではないが、好ましくはすべてDアミノ酸構造で、好ましくはアイソフォーム1タンパク質の形態である。
【0082】
本明細書で使用された場合、用語“ASK1”は、哺乳類、好ましくはヒトのアポトーシスシグナル制御キナーゼ1(apoptosis signal−regulating kinase 1)(ASK1)を意味し、これはマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ5(mitogen−activated protein kinase kinase kinase 5)(MAP3K5)としても知られる。ASK1はMAPキナーゼであって、これがc−Jun N末端キナーゼ(JNK)を活性化すると言われている。ヒト及びマウスのASK1のアミノ酸配列が本技術分野で知られている。例えば、ヒトASK1はアクセッション番号NP_005914(2014年5月3日)でGenbankにアクセス可能である。
【0083】
本明細書で使用された場合、用語“SYK”は、哺乳類、好ましくはヒトの脾臓チロシンキナーゼを意味する。SYKはチロシンキナーゼのSykファミリーの1つである。ヒト及びマウスのASK1のアミノ酸配列が本技術分野で知られている。例えば、ヒトSYKのアミノ酸配列はアクセッション番号P43405(2014年11月26日)でGenbankにアクセス可能である。
【0084】
本明細書で使用された場合、用語“NQDI”は、分子を意味し、広くは化学名2,7−ジヒドロ−2,7−ジオキソ−3H−ナフト[1,2,3−デ]キノリン−1−カルボン酸エチルエステルを有する“NQDI1”とも言われ、次の構造を有する。
【化1】
NQDIは市販されている(例えばTocris、NQDI 1、カタログ番号4429)。NQDIは、好ましくは薬学的に許容可能に、より好ましくは非経口投与に適合された薬学的に許容される形態で製剤化される。
【0085】
本明細書で使用された場合、用語“R406”は、SYK阻害剤を意味する。また、R406は、6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンベンゼンスルホナートとも言われ、次の構造を有する。
【化2】
R406は、市販されており(例えば米国のSelleckchemを介して)、利用可能である。R406は、好ましくは薬学的に許容される、より好ましくは非経口投与に適合された薬学的に許容される形態で製剤化される。具体的には、R788(フォスタマチニブとも言われる)はR406のプロドラッグである。R406は、R788の肝臓分解産物である。当業者は、R406の代わりにR788も哺乳類の、好ましくはヒトの対象に、R406を該対象に与えるために投与されてもよいことを理解する。機能的観点から、当業者は、用語“R406”は、“R788”、又は対象に投与された後に哺乳類の、好ましくはヒトの対象との相互作用によってR406を放出するあらゆる他のプロドラッグと交換可能であることを理解する。用語“R406”の代わりに、本出願で使用される場合、用語R788が用いられてもよい。R788は市販されており(例えばSanta Cruz Biotechnology、CAS 901119−35−5)、利用可能であって、次の化学名6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル)メチルリン酸二水素塩で知られている。R788の構造式は、
【化3】
である。
【0086】
好ましい実施の形態の説明
細胞老化と疾患とのつながり
細胞老化は、広範な加齢に関する病理に関連する。細胞老化と加齢関連病理との間のつながりに関してかなりの証明がなされている。興奮することに、急速に老化するマウスモデルにおいて、遺伝的な方法での老化現象を示す細胞の除去が健康を大きく改善し、加齢の指標を低下させることが最近になって示された(Baker et al.,2011、上記参照、
図1)。これらのマウスは、後彎症(骨の過度の湾曲)、筋力、脂肪沈着及び白内障によって評価される加齢の兆候の抑制を示した。これは、細胞老化及びSASPが加齢関連表現型及びがんに因果的に関係することのさらなる証拠となる。SASPが炎症性のサイトカイン又はケモカイン、成長因子及び/又はマトリクス分解性プロテアーゼの分泌によって、組織の微小環境及び潜在的に全身の環境に影響し、変化させ得ることは広く受け入れられている。概してSASPは、IL−6及びIL−8、種々の単球遊走因子及びマクロファージ炎症性タンパク質、及び顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子等の炎症制御タンパク質のような因子によって形成される。様々な老化現象を示す細胞のSASPにおいて高度に保存されている特徴は、炎症誘発性のサイトカインである。それは、少なくとも局所的な、そして場合によると全身における慢性炎症を引き起こす上記の因子の分泌である。慢性炎症が実質的にはあらゆる主要な加齢関連疾患、変性(機能喪失)及びがんの両方の原因であり、又は重要な一因であることが広く受け入れられている。
【0087】
本発明のペプチド
本発明は、とりわけアミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGW又はLTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRPを有するペプチドに少なくとも50%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む若しくはからなるペプチド、又はアミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGWを含む若しくはからなる上記ペプチドの断片に関し、上記ペプチド、好ましくは上記アミノ酸配列及び上記断片は、少なくとも1種のD−アミノ酸残基を含み、好ましくはすべてがDで、上記ペプチド、好ましくは上記アミノ酸配列及び上記断片は、老化現象を示す細胞に対してアポトーシス誘導活性を示す。本発明は、本発明のペプチドに係るペプチド模倣薬も想定する。
【0088】
また、本発明はアミノ酸配列LTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRPPPRRRQRRKKRGを有するペプチドに少なくとも50%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む若しくはからなるペプチド、又はアミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGWを含む若しくはからなる上記ペプチドの断片に関し、上記ペプチド、好ましくは上記アミノ酸配列及び上記断片は、少なくとも1種のD−アミノ酸残基を含み、好ましくはすべてがDで、上記ペプチド、好ましくは上記アミノ酸配列及び上記断片は、老化現象を示す細胞に対してアポトーシス誘導活性を示す。
【0089】
理論に縛られることを望まないが、アミノ酸配列SEIAQSI
LEA
YSQN
GWで下線を付された残基L、Y及びGW、並びに上記l残基のアミノ末端側の残基がp53と相互作用すると考えられる。相互作用の結果として、FOXO4とp53腫瘍抑制タンパク質との間の老化に好都合な相互作用が阻害され、細胞老化よりもアポトーシスに有利に働くと考えられる。
【0090】
実施例で使用されるFOXO4 DRIペプチドのような本発明に係るペプチドは、アポトーシス誘導活性を有するペプチド配列の細胞への移行を促進する配列“PPRRRQRRKKRG”等のFOXO4ペプチド(又はFOXO4 DRIペプチド、その中にない配列を意味する)由来ではないアミノ酸配列さらに含んでもよい。当業者は、細胞へのペプチドの移行を促進する任意の他のアミノ酸配列でこのアミノ酸配列が置換されてもよいことを理解する。言い換えると、当該アミノ酸配列は、いかなるアポトーシス誘導活性も有していないことを意味する。当該アミノ酸配列は、好ましくは少なくとも1種のD−アミノ酸残基を含み、より好ましくは該アミノ酸配列におけるすべてのアミノ酸残基がD−アミノ酸残基である。
【0091】
好ましくは、本発明に係るペプチドは、老化現象を示す細胞においてアポトーシス誘導活性を選択的に示し、すなわち老化現象を示さない細胞ではアポトーシス誘導活性を示さない。本発明に係るペプチドは、老化現象を示さない細胞のアポトーシスよりも、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3、4、5倍又はそれ以上だけ、老化現象を示す細胞のアポトーシスに有利に働く。本発明に係るペプチドは好ましくは単離されている。
【0092】
一般知識を用いて、当業者は、本発明に係るペプチドが老化現象を示す細胞でアポトーシス誘導活性を示すかどうかを標準のin vitro試験で評価できる。まず、例えば細胞培養を電離放射線又は化学療法剤にさらして得られる老化現象を示す細胞、及び老化現象を示さない細胞の細胞培養が行われる。老化現象を示す細胞をもたらす他の方法は、(i)複製老化が起こる(テロメアの短縮化)までの継続的な継代、(ii)H
2O
2及びロテノンのような酸化ストレス剤(iii)二酪酸ナトリウムのようなクロマチン再構築剤、又は(iv)RASG12V又はBRAFV600E等の過剰活性化したがん遺伝子の発現、の使用を介してである。老化現象を示す細胞の存在は、SA−B−GALに関する試験によって確かめることができる。第2のステップは、本発明に係るペプチドを両方の細胞培養に投与し、(i)細胞質のシトクロムCの染色又は(ii)TUNELの染色等の1種以上のアポトーシスマーカーを評価することである。シトクロムCに関して、シトクロムCがミトコンドリアから細胞質ゾルに放出された細胞(DAPIが細胞を示すために使用されてもよい)の個数、あるいは(後の段階で)完全に消失した細胞の個数を計数することでデータが定量化される。まさにアポトーシスを受けようとしている(細胞質ゾルへのシトクロムCの放出で示される)細胞がカスパーゼを必要とする実際の死とならないように、このアッセイは、カスパーゼ阻害剤の存在下で行われてもよい。このアッセイの利点は、数日(例えば5日)に渡って老化の程度に関して累積して計数できることである。TUNELの染色に関して、TUNELに陽性染色された核(DAPI陽性)の割合が計数される。これは、目視で容易に行えるが、それを客観的に行えるCellprofiler(フリーウェア)と呼ばれるソフトウェア・ツールを用いることも可能である。
【0093】
本発明に係るペプチドは、それが老化現象を示す細胞を殺す、除去する又は取り除く場合、老化現象を示す細胞に対してアポトーシス誘導活性を示すと考えられる。好ましくは、本発明に係るペプチドは、それが殺す、除去する、取り除く、あるいは老化現象を示す細胞培養における細胞の生存能力の少なくとも5、10、15、20、25、30、40、50、60、70又は80%を抑制する場合、老化現象を示す細胞に対してアポトーシス誘導活性を示すと考えられる。
【0094】
本発明に係るペプチドは、好ましくはアミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGW、LTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRP又はLTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRPPPRRRQRRKKRGを有するペプチドに対して少なくとも51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の配列相同性を示すアミノ酸配列を含む、あるいはからなり、当該ペプチドは、少なくとも1種のD−アミノ酸残基を含み、当該ペプチドは、老化現象を示す細胞におけるアポトーシス誘導活性を示す。
【0095】
より好ましくは、上記アミノ酸配列は上記ペプチドと、少なくとも90%、最も好ましくは100%の配列相同性を有する。
【0096】
好ましくは、本発明に係る上記ペプチド又は該ペプチドの断片は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、27、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100個のD−アミノ酸残基からなる。より好ましくは、本発明に係る上記ペプチドにおけるすべてのアミノ酸残基がD−アミノ酸残基である。最も好ましくは、本発明に係るペプチドは、DRI−ペプチド、すなわちD−アミノ酸誘導体からなり、FOXO4ペプチドと逆の配列を有する、FOXO4ペプチドのレトロインベルソ又はD−レトロ光学異性体であって、好ましくは天然のヒトFOXO4タンパク質又はそのペプチド断片に関する。
【0097】
用語“D−アミノ酸誘導体”は、本明細書で定義されたような(上記で定義されたFOXO4ペプチドの逆のアミノ酸配列を有する、C末端及びN末端がないペプチド断片を含む)FOXO4誘導体を意味し、それは、少なくともD体を好ましくは25%超のDアミノ酸残基、より好ましくは50%超のDアミノ酸残基、さらに好ましくは75%超のDアミノ酸残基、さらに好ましくは85%超のDアミノ酸残基、さらに好ましくは95%超のDアミノ酸残基を含む。これらD−アミノ酸誘導体の特別な部類は、Dアミノ酸だけで構成されるペプチドである(すなわちLアミノ酸が存在しない)。この特別な部類が、本明細書においてD−のみの誘導体として定義される。
【0098】
本発明に係るペプチドがin vitroで老化現象を示す細胞においてアポトーシスを誘導し得る一方で、老化現象を示さない細胞を無傷のままにしておくことが予想外に見出された。発明者は、加速された速度で細胞老化が進み、急速に加齢する表現型を示すマウスモデル(Xpd
TTD/TTDマウスモデル、マウスモデルはとりわけ国際公開第2013/152038号、例えば段落[0135]、[0161]及び[0244])においてこれらの発見も確認した。このマウスモデルでは、健康不良、脱毛及び脊椎湾曲等の加齢関連表現型が本発明に係るペプチドの投与によって対抗された(
図3)。現在、化合物がそれのみで、又は単独の治療上活性な化合物として治療的組成物の形態で投与された場合に、治療効果等をもたらすことができる、すなわち老化現象を示す細胞にアポトーシスを誘導し、加齢関連表現型又は疾患に対抗するのに利用可能な化合物はない。理論に縛られるわけではないが、本発明に係るペプチドはFOXO4とp53腫瘍抑制タンパク質との間の老化に有利な相互作用を阻害することによって、細胞老化の代わりにアポトーシスに好都合なその機能を示す。
【0099】
さらに本発明は、本発明に係るペプチドを含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、ドキソルビシン等の化学療法剤を含んでもよい。医薬組成物において本発明に係るペプチドと化学療法剤とを組み合わせる、すなわち単一投与形態にすることは有利である。化学療法剤が細胞老化を誘導し、本発明に係るペプチドが老化現象を示す細胞を選択的に除去し、殺し、又はその生存能力を抑制できることが証明された。そのような方法で、化学療法剤のオフターゲット効果が防がれるか無効化された(
図4参照)。さらに予想外なことに、本発明に係るペプチドが抵抗性がんを化学療法剤に対して感受性にすることが見出された。本発明に係る医薬組成物は、治療上の有効量で製剤化される。好ましくは本発明に係る医薬組成物又はペプチドは、特別な投与経路を介した投与に適合された薬学的に許容される形態である。本発明に係る医薬組成物又はペプチドは、最も好ましくは非経口で投与される。あるいは、本発明は、同時の又は連続の投与のための、本発明に係るペプチド及び化学療法剤を含む組み合わせに関する。
【0100】
本発明は、本発明のペプチドをコードするDNA配列を有する核酸をさらに提供する。当業者は、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードするDNA配列をもたらす方法及び一般に知られた組み換えDNA技術を用いて上記DNA配列を有する核酸分子を製造及び単離する方法を理解でするであろう。
【0101】
また、本発明は、発現ベクター、好ましくは本発明の核酸分子を含むウイルス発現ベクターを提供する。本明細書では、ウイルス発現ベクターが遺伝子治療での使用に適していることが想定される。
【0102】
本発明に係るペプチド又は本発明に係る医薬組成物が薬剤として使用されることが強調される。より好ましくは、本発明に係るペプチド又は本発明に係る医薬組成物は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態の治療で使用される。また、本発明に係るペプチド又は本発明に係る医薬組成物は、老化現象を示す細胞を取り除き、除去し、又は殺すために使用される。ヒトで“老化関連分泌表現型(SASP)”を有し、好ましくは野生型p53腫瘍抑制遺伝子を有する老化現象を示す細胞に関連するあらゆる疾患が本明細書に記載された治療に感受性を示すか応答することが本明細書では想定される。当業者は、IL1a又はIL6等のSASP因子が高い濃度で発現することがわかっている疾患をよく知っている。これら疾患は、本明細書に記載されたような治療に特に感受性を示すか反応し、さらに具体的にはWT p53と組み合わせて“SASP”を有する。
【0103】
また、本発明は、薬剤、好ましくは老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を治療するための薬剤の製造のための、本発明に係るペプチド、医薬組成物又は核酸の使用を提供する。
【0104】
好ましくは、上記の疾患又は状態は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、2型糖尿病を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織移植後の生着不全の抑制又は防止、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を含む群から選択される。
【0105】
好ましくは、器官又は組織移植後の生着不全は、上記器官又は組織の移植前に本発明のペプチド、組成物又は核酸をドナー対象に投与することで抑制又は防止される。また、それは、採取された器官又は組織を本発明のペプチド、組成物又は核酸にさらすことで抑制又は防止される。あるいはそれは、上記の器官又は組織の移植後に本発明のペプチド、組成物又は核酸をレシピエントに投与することで抑制又は防止される。
【0106】
好ましくは、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期されるヒトである対象における老化現象を示す細胞を除去し、取り除き、又は殺すことに使用される。
【0107】
好ましくは、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期されるヒトである対象におけるp21
cip1発現に対抗することに使用される。好ましくは、p21
cip1発現が老化現象を示す細胞で対抗される。本発明に係るペプチドがp21
cip1の発現に対抗することが
図2に示されている。ヒト遺伝子p21
cip1はサイクリン依存キナーゼ阻害剤1A(CDKN1A)又はP21、CIP1、SDI1、WAF1、CAP20、CDKN1又はMDA−6としても知られており、NCBI遺伝子ID番号1026で示される。
【0108】
好ましくは、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期される対象においてp16
INK4aを発現する細胞を除去し、殺し、又は取り除くことに使用される。本発明に係るペプチドがp16
INK4aを発現する細胞を除去し、殺し、又は取り除くことが図に示されている。ヒトp16
INK4a遺伝子は、サイクリン依存キナーゼ阻害剤2Aとしても知られており、NCBI遺伝子ID番号1029で示される。
【0109】
好ましくは、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期される対象において核セリン−15−リン酸化p53フォーカスの個数に対抗し、又は該個数を減らすことに使用される。
【0110】
本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、好ましくは単一投与形態で連続して投与される。より好ましくは、それは毎日(12時間又は24時間に1回)、1日以上、好ましくは連続した日、少なくとも連続2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日、より好ましくは連続3日の間投与される。また、上記のペプチド又は医薬組成物は、1週間に1回投与される。また、当該投与レジメンは、本出願で言及された他の化合物、例えば使用のための阻害剤又は本発明に係る阻害剤を含む医薬組成物にも適用され得る。
【0111】
本発明に係る使用のための、ペプチド又は本発明に係るペプチドを含む医薬組成物の好ましい実施の形態では、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態はがんである。使用のためのペプチド又は使用のための医薬組成物は、好ましくはアジュバントとして、哺乳類の、好ましくはヒトの対象に対する投与のためであって、該対象が放射線治療を受ける前、間及び又は後、及び/又は該対象に化学療法剤を投与する前、間及び又は後に投与される。好ましくは、使用のためのペプチド又は本発明に係るペプチドを含む医薬組成物の投与は、放射線治療による又は化学療法剤での治療の結果として老化現象を示すようになった細胞を取り除き、殺し、又はその生存能力を抑制するのに適合される。意外にも、ペプチド又は本発明に係るペプチドを含む医薬組成物が器官毒性を抑制することによって、器官の機能の改善を導く現在の化学療法剤のオフターゲット効果を抑制し得ることが見出された。また、本発明のペプチドががんを殺し、除去し、又は取り除く可能性があることが見出された。このため、1つの実施の形態では、本発明に係るペプチドは、がん、好ましくは黒色腫、乳がん、前立腺がん又はグリア芽腫の治療での使用に適している。
【0112】
前の段落に関して、さらに好ましいのは、がんが抵抗性がんである状況である。意外なことに、本発明のペプチド又は本発明に係るペプチドを含む医薬組成物が、以前はがんが抵抗性だった化学療法剤又は放射線療法に対して抵抗性がん細胞を感受性にし得ることが見出された(
図5、6参照)。好ましくは、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん、又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫又はグリア芽腫であって、化学療法剤が単独の、又は放射線療法と組み合わせた、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ、又は本明細書に開示された薬剤である。意外にも、本発明に係るペプチドが、すなわち単独で(化学療法剤非存在下で)、がん、好ましくは抵抗性がんを殺し、除去し、又は取り除くことが見出された。このため、特に好ましい実施の形態は、本発明に係るペプチドは、がん、好ましくは抵抗性がんの治療に使用される。
【0113】
好ましくは、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、後彎症、脊柱側彎症、サルコペニア、悪液質、硬化症又は腎不全を患う、又は患うことが予期される対象の治療に使用される。また、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、硫黄欠乏性毛髪発育異常症を患う、又は患うことが予期される対象における、硫黄欠乏性毛髪発育異常症の少なくとも1つの症状の緩和、又は治療で使用される。好ましくは、少なくとも1つの症状は、後彎症、脱毛症、健康低下、脊柱側彎症、サルコペニア、悪液質、硬化症及び腎不全を含む又はからなる群から選択される。
【0114】
さらに、本発明に係るペプチド又は医薬組成物は、好ましくは、対象における化学療法によって引き起こされた体重減少に対抗し、又は体重減少を治療するのに使用される。好ましくは、体重減少は、ドキソルビシンの投与によって誘導される。
【0115】
また、本発明は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象において、抵抗性がんを、少なくとも1種の化学療法剤、好ましくは該抵抗性がんが抵抗性を示した又は抵抗性を示す少なくとも1種の化学療法剤に対して、感受性にするのに使用されるための本発明に係るペプチドを提供する。好ましくは、上記抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん、又はグリア芽腫であって、上記の少なくとも1種の化学療法剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0116】
他には、本発明は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象において抵抗性がんの治療に用いるための本発明に係るペプチドを提供し、当該ペプチドは、化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが抵抗性を示す化学療法剤と共投与されるためのものである。
【0117】
さらに、本発明は、本発明に係るペプチドを含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器とを備えるキットに関する。キットは、哺乳類の、好ましくはヒトの対象への投与に関する説明書を適切に含む。好ましくは、ヒトである対象は、がん、例えば抵抗性がんを患う、又は患う疑いがある。
【0118】
本発明に係るペプチドを含有する第1の容器を備える本発明に係るキットは、好ましくは哺乳類の、好ましくはヒトの対象のがんの治療に使用される。本発明のペプチド及び化学療法剤は、単一投与形態、例えば医薬組成物に製剤化され得るが、それは好ましくは複数の投与形態に製剤化され、本発明のペプチドが1つの容器に入れられ、化学療法剤が他の容器に入れられる。本発明に係る使用のためのキットでは、本発明のペプチド及び化学療法剤が、好ましくは共投与される。好ましくは、上記ペプチドは、上記化学療法剤の投与の後又は投与に続けて投与されるためのものである。好ましくは、本発明のペプチドは化学療法剤での治療の結果、老化現象を示すようになった細胞を除去し、殺し、又はその生存能力を抑制するようにアジュバントとして投与される。意外にも、本発明に係るペプチドが現在の化学療法剤のオフターゲット効果を抑制できることが見出された。好ましくは、本発明に係るキットは、本発明に係るペプチドと化学療法剤の最適な組み合わせ効果が得られる投与レジメンに関する説明書を備える。
【0119】
他の観点では、本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象の治療方法を提供し、該方法は、a)老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象に本発明に係るペプチド又は医薬組成物を投与することを含む。本発明の好ましい方法では、上記疾患又は状態はがんであって、上記対象に化学療法剤を投与する、及び/又は上記対象に放射線療法を受けさせるステップb)をさらに含む。本発明の他の好ましい方法では、本発明のペプチド又は医薬組成物が上記対象に化学療法剤を投与する前、間、又は後に、及び/又は上記対象に放射線療法を受けさせる前、間、又は後に、好ましくはアジュバントとして投与される。上述の本発明のいずれかの方法のより好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態ががんであって、がんは、抵抗性がんである。上述の本発明のいずれかの方法のさらに好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態ががんであって、がんは、抵抗性がんである。上述の方法のさらにより好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態ががんであって、がんは、黒色腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0120】
他の観点では、本発明は哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを、当該がんが抵抗性を示す化学療法剤に対して感受性にする方法を提供し、該方法は、a)上記対象に本発明のペプチド又は医薬組成物を投与することを含む。がんを感受性にする方法の好ましい実施の形態では、上記抵抗性がんが転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0121】
他の観点では、本発明は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを治療する方法を提供し、該方法は、a)抵抗性がんを患う、又は患う疑いがある哺乳類の、好ましくはヒトの対象に本発明に係るペプチド又は医薬組成物を投与し、b)化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが前に抵抗性を示した化学療法剤を、上記対象に投与することを含む。本発明に係る上記ペプチド又は医薬組成物は、好ましくは化学療法剤と共投与される。抵抗性がんを治療する方法の好ましい実施の形態では、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0122】
他の観点では、本発明は、対照において化学療法で誘導される毒性、好ましくは細胞毒性に対抗するのに使用する本発明に係るペプチド又は組成物を提供する。好ましくは、毒性は好ましくはASATの血漿中濃度の測定によって評価される肝毒性、又は好ましくはアミラーゼの血漿中濃度の測定によって評価される膵臓毒性である。当業者は、肝毒性及び膵臓毒性の評価のための方法と手段とをよく知っている。
【0123】
ASK1の阻害剤
本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態の治療に用いるためのASK1の阻害剤にさらに関する。好ましくはASK1の阻害剤は、老化現象を示す細胞におけるASK1のMAPキナーゼ活性を阻害する。老化現象を示す細胞におけるASK1のMAPキナーゼ機能を選択的に阻害した場合、アポトーシスが誘導されることが意外にも見出された。このため、ASK1阻害剤は、老化現象を示す細胞を選択的に取り除き、殺し、又はその生存能力を抑制するための使用に適している(
図12参照)。特に好ましいのはASK1阻害剤NQDIである。理論に縛られたくないが、ASK1のMAPキナーゼシグナルは細胞老化の維持及びアポトーシスの誘導を妨げにおいて重要であると考えられる。また、本発明は老化現象を示す細胞を取り除き、除去し、又は殺すのに使用されるASK1の阻害剤に関する。
【0124】
好ましくは、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、サルコペニア、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を含む群から選択される。本発明に係る使用のためのASK1の阻害剤は、単一投与形態で連続して投与される。より好ましくは、それは1日以上、好ましくは少なくとも連続3日等の連続した日の間、毎日(12時間又は24時間に1回)投与される。一連の期間のNQDIの投与によってその老化現象を示す細胞を取り除く効果が増強されることが見出された。また、ASK1の上記阻害剤は、1週間に1回、単一投与形態で投与されてもよい。
【0125】
本発明に係る使用のためのASK1の阻害剤は、薬学的に許容される形態に、治療上有効な量で製剤化される。好ましくは、阻害剤は、特定の投与経路を介した投与に適合させた薬学的に許容される形態である。本発明に係る使用のためのASK1の阻害剤は、最も好ましくは非経口で投与される。
【0126】
本発明に係る使用のためのASK1の阻害剤の好ましい実施の形態では、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態はがんであって、ASK1の阻害剤は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象に、該対象に放射線療法を受けさせる前、間、又は後に、及び/又は上記対象に化学療法剤を投与する前、間、又は後に、好ましくはアジュバントとして投与され、又は投与のためのものである。好ましくは、本発明に係る使用のためのASK1の阻害剤の投与は、放射線治療による又は化学療法剤での治療の結果として老化現象を示すようになった細胞を取り除き、殺し、又はその生存能力を抑制するのに適合される。本発明に係るASK1阻害剤が現在の化学療法剤のオフターゲット効果を抑制することが意外にも見出された。
【0127】
前の段落に関して、さらにより好ましいのは、がんが化学療法剤に抵抗性を有する抵抗性がんである状況である。より好ましくは、上記抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、上記の化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0128】
また、本発明は、医薬に使用されるASK1の阻害剤、ASK1の阻害剤を含む医薬組成物、又はキットを提供し、キットは、ASK1の阻害剤を含有する第1の容器を備え、本発明に係るこれらすべてが、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを、少なくとも1種の化学療法剤、好ましくは上記抵抗性がんが抵抗性を示す少なくとも1種の化学療法剤に感受性にするのに使用される。好ましくは、上記の抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫であって、上記の少なくとも1種の化学療法剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0129】
他には、本発明は、医薬に使用されるASK1の阻害剤、ASK1の阻害剤を含む医薬組成物、又はキットを提供し、キットは、ASK1の阻害剤を含有する第1の容器を備え、本発明に係るこれらすべてが、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんの治療に使用され、上記のASK1の阻害剤、ASK1の阻害剤を含む医薬組成物、又はキットが医薬に使用され、キットは、化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが抵抗性を示す化学療法剤とともに投与される、ASK1の阻害剤を含有する第1の容器を備える。
【0130】
さらに本発明は、ASK1の阻害剤、好ましくはNQDIを含む医薬組成物と、化学療法剤とを含む医薬組成物に関する。本発明に係る医薬組成物は、治療上有効な量で製剤化される。好ましくは、本発明に係る医薬組成物は、特定の投与経路を介した投与に適合させた薬学的に許容される形態である。本発明に係る医薬組成物は、最も好ましくは非経口で投与される。ASK1の阻害剤は、化学療法剤のオフターゲット効果を軽減するため、ASK1の阻害剤及び化学療法剤の単一投与形態での組み合わせは有利である。本発明に係る医薬組成物は、がん、好ましくは抵抗性がんの治療に使用されるのが好ましい。本発明に係る医薬組成物は、好ましくは単一投与形態で連続して投与される。より好ましくは、それは毎日、24時間に1回、1日以上、好ましくは連続した日、例えば少なくとも連続2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日、より好ましくは少なくとも連続3日の間投与される。一連の期間のNQDIの投与によってその老化現象を示す細胞を取り除く効果が増強されることが見出された。また、ASK1の上記阻害剤は、1週間に1回、単一投与形態で投与されてもよい。また、本発明は、同時又は続けて投与されるASK1阻害剤及び化学療法剤を含む混合調製物に関する。
【0131】
また、本発明は医薬に使用されるキットに関し、キットは、ASK1の阻害剤、好ましくはNQDIを含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える。キットは、哺乳類の、好ましくはヒトの対象への投与に関する説明書を適切に備えてもよい。ヒトである対象は、好ましくはがんを患う、又は患う疑いがある。
【0132】
好ましい実施の形態では、上記のキットは、がん、好ましくは抵抗性がんの治療に使用される。ASK1の阻害剤及び化学療法剤は、好ましくは複数の投与形態に製剤化され、ASK1の阻害剤が1つの容器に入れられ、化学療法剤が他の容器に入れられる。本発明に係る使用のためのキットでは、ASK1の阻害剤及び化学療法剤が好ましくは共投与される。好ましくは本発明に係るASK1の阻害剤は、化学療法剤での治療の結果、老化現象を示すようになった細胞を除去し、殺し、又はその生存能力を抑制するようにアジュバントとして投与される。本発明に係るキットは、好ましくはASK1阻害剤と化学療法剤の最適な組み合わせ効果が得られる投与レジメンに関する説明書を備える。
【0133】
他の観点では、本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象を治療する方法に関し、a)老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象にASK1の阻害剤、好ましくはNQDIを投与することを含む。本発明の好ましい方法では、上記の疾患又は状態はがんであって、b)上記対象に化学療法剤を投与する、及び/又は上記対象に放射線療法を受けさせるステップをさらに含む。本発明の他の好ましい方法では、ASK1の阻害剤が、上記対象に化学療法剤を投与する前、間、又は後に、及び/又は上記対象に放射線療法を受けさせる前、間、又は後に、好ましくはアジュバントとして投与される。上記のような本発明の方法のより好ましい実施の形態では、上記の疾患又は状態はがんであって、がんは上記の化学療法剤に抵抗性を有する抵抗性がんである。上記のような本発明の方法のさらに好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態は抵抗性がんであって、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0134】
他の観点では、本発明は哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを、当該がんが抵抗性を示した、又は示す化学療法剤に対して感受性にする方法を提供し、該方法は、a)上記対象にASK1の阻害剤を投与することを含む。がんを感受性にする方法の好ましい実施の形態では、上記抵抗性がんが転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0135】
他の観点では、本発明は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを治療する方法を提供し、該方法は、a)抵抗性がんを患う、又は患う疑いがある哺乳類の、好ましくはヒトの対象にASK1の阻害剤を投与し、b)化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが抵抗性を示す化学療法剤を、上記対象に投与することを含む。上記ASK1の阻害剤は、好ましくは化学療法剤と共投与される。抵抗性がんを治療する方法の好ましい実施の形態では、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0136】
SYKの阻害剤
本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態の治療に用いるためのSYKの阻害剤にさらに関する。当該疾患又は状態は、ぜんそく、免疫性血小板減少症、溶血性貧血、骨髄性白血病及び/又はリンパ腫ではなく、好ましくは、当該疾患又は状態は、ぜんそく、免疫性血小板減少症、貧血、白血病及び/又はリンパ腫ではなく、より好ましくは、当該疾患又は状態は、肺疾患、出血性疾患、白血病及び/又はリンパ腫ではない。また、本発明は、老化現象を示す細胞を除去し、取り除き、又は殺すのに使用されるSYKの阻害剤に関する。好ましくは、SYKの阻害剤は、老化現象を示す細胞におけるSYKのチロシンキナーゼ活性を阻害する。老化現象を示す細胞におけるSYKのチロシンキナーゼ機能を選択的に阻害した場合、アポトーシスが誘導されることが意外にも見出された。このため、SYK阻害剤は、老化現象を示す細胞を選択的に取り除き、殺し、又はその生存能力を抑制するための使用に適している(
図13参照)。特に好ましいのはSYK阻害剤R406である。理論に縛られたくないが、SYKのチロシンキナーゼシグナルは細胞老化の維持及びアポトーシスの誘導の妨げにおいて重要であると考えられる。
【0137】
また、本発明は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、変形性関節炎、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、サルコペニア、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル、健康不良の治療、及び/又は副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、中枢神経腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、腺管がん、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、卵管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝)がん、下咽頭がん、腎がん、肺がん、唇及び口腔がん、男性乳がん、転移性頸部扁平上皮がん、口腔がん、副鼻腔及び鼻腔がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、甲状腺がん、尿道がん、膣がん、及び/又は外陰がんを含む群から選択されるがんの治療に使用されるSYKの阻害剤に関する。上に挙げた疾患において、リンパ腫及び白血病が明らかに除外される。
【0138】
本発明に係る使用のためのSYKの阻害剤は、薬学的に許容される形態に、治療上有効な量で製剤化される。好ましくは、阻害剤は、特定の投与経路を介した投与に適合させた薬学的に許容される形態である。本発明に係る使用のためのSYKの阻害剤は、最も好ましくは非経口で投与される。SYKの阻害剤は、好ましくは毎日、12時間又は24時間に1回、1日以上、好ましくは連続した日、例えば少なくとも連続2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日、好ましくは少なくとも連続3日の間投与される。また、SYKの上記阻害剤は、1週間に1回、単一投与形態で投与されてもよい。
【0139】
本発明に係る使用のためのSYKの阻害剤の好ましい実施の形態では、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態はがんであって、SYKの阻害剤は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象に、該対象に放射線療法を受けさせる前、間、又は後に、及び/又は上記対象に化学療法剤を投与する前、間、又は後に、好ましくはアジュバントとして投与され、又は投与のためのものであって、がんは、リンパ腫又は骨髄性白血病ではなく、好ましくは白血病ではなく、がんは副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、中枢神経腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、腺管がん、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、卵管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝)がん、下咽頭がん、腎がん、肺がん、唇及び口腔がん、男性乳がん、転移性頸部扁平上皮がん、口腔がん、副鼻腔及び鼻腔がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、甲状腺がん、尿道がん、膣がん、及び/又は外陰がんを含む群から選択される。上述の選択されたがんには、リンパ腫及び白血病が含まれないことが意図される。
【0140】
前の段落に関して、さらにより好ましいのは、がんが化学療法剤に抵抗性を有する抵抗性がんである状況である。より好ましくは、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0141】
好ましくは、本発明に係る使用のためのSYKの阻害剤の投与は、放射線治療による又は化学療法剤での治療の結果として老化現象を示すようになった細胞を取り除き、殺し、又はその生存能力を抑制するのに適合される。本発明に係るSYK阻害剤が現在の化学療法剤のオフターゲット効果を抑制することが意外にも見出された。
【0142】
また、本発明は、医薬に使用されるSYKの阻害剤、SYKの阻害剤を含む医薬組成物、又はキットを提供し、キットは、SYKの阻害剤を含有する第1の容器を備え、本発明に係るこれらすべてが、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを、少なくとも1種の化学療法剤、好ましくは上記抵抗性がんが抵抗性を示した又は示す少なくとも1種の化学療法剤に感受性にするのに使用される。好ましくは、上記の抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫であって、上記の少なくとも1種の化学療法剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0143】
他には、本発明は、医薬に使用されるSYKの阻害剤、SYKの阻害剤を含む医薬組成物、又はキットを提供し、キットは、SYKの阻害剤を含有する第1の容器を備え、本発明に係るこれらすべてが、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんの治療に使用され、上記のSYKの阻害剤、SYKの阻害剤を含む医薬組成物、又はキットが医薬として使用され、キットは、化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが抵抗性を示す又は示した化学療法剤とともに投与される、SYKの阻害剤を含有する第1の容器を備える。
【0144】
さらに本発明は、SYKの阻害剤、好ましくはR406を含む医薬組成物と、化学療法剤とを含む医薬組成物に関する。本発明に係る医薬組成物は、治療上有効な量で製剤化される。好ましくは、本発明に係る医薬組成物は、特定の投与経路を介した投与に適合させた薬学的に許容される形態である。本発明に係る医薬組成物は、最も好ましくは非経口で投与される。SYKの阻害剤は、化学療法剤のオフターゲット効果を軽減するため、SYKの阻害剤及び化学療法剤の単一投与形態での組み合わせは有利である。本発明に係る医薬組成物は、がんの治療に使用されるのが好ましい。本発明に係る医薬組成物は、好ましくは単一投与形態で連続して投与される。より好ましくは、それは毎日、12時間又は24時間に1回、1日以上、好ましくは連続した日、少なくとも連続2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日、より好ましくは少なくとも連続4日の間投与される。また、上記のSYKの阻害剤は、1週間に1回、単一投与形態で投与されてもよい。
【0145】
また、本発明は、同時又は続けて投与されるSYKの阻害剤及び化学療法剤を含む混合調製物に関する。
【0146】
また、本発明は医薬に使用されるキットに関し、キットは、SYKの阻害剤、好ましくはR406を含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える。キットは、哺乳類の、好ましくはヒトの対象への投与に関する説明書を適切に備えてもよい。ヒトである対象は、好ましくはがんを患う、又は患う疑いがある。好ましくは、キットは、骨髄性白血病及び/又はリンパ腫の治療に用いられない。
【0147】
本発明に係るキットは、好ましくはがんの治療に用いられ、より好ましくは白血病又はリンパ腫ではないがんの治療に用いられる。SYKの阻害剤及び化学療法剤は、好ましくは複数の投与形態に製剤化され、SYKの阻害剤が1つの容器に入れられ、化学療法剤が他の容器に入れられる。本発明に係る使用のためのキットでは、SYKの阻害剤及び化学療法剤が好ましくは共投与される。好ましくは本発明に係るSYKの阻害剤は、化学療法剤での治療の結果、老化現象を示すようになった細胞を除去し、殺し、又はその生存能力を抑制するようにアジュバントとして投与される。本発明に係るキットは、好ましくはSYKの阻害剤と化学療法剤の最適な組み合わせ効果が得られる投与レジメンに関する説明書を備える。
【0148】
他の観点では、本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象の治療方法を提供し、該方法は、a)老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象にSYKの阻害剤、好ましくはR406を投与することを含む。当該疾患又は状態は、ぜんそく、免疫性血小板減少症、溶血性貧血、骨髄性白血病及び/又はリンパ腫ではなく、好ましくは、当該疾患又は状態は、ぜんそく、免疫性血小板減少症、貧血、白血病及び/又はリンパ腫ではなく、より好ましくは、当該疾患又は状態は、肺疾患、出血性疾患、白血病及び/又はリンパ腫ではない。また、本発明は、老化現象を示す細胞の除去が有益な疾患又は状態を患う、又は患う疑いがある対象の治療方法を提供し、該方法は、a)アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、変形性関節炎、認知症、(心臓)血管疾患、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、サルコペニア、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、腎不全、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル、健康不良、及び/又は副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、中枢神経腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、腺管がん、胚芽腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、卵管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝)がん、下咽頭がん、腎がん、肺がん、唇及び口腔がん、男性乳がん、転移性頸部扁平上皮がん、口腔がん、副鼻腔及び鼻腔がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、甲状腺がん、尿道がん、膣がん、及び/又は外陰がんを含む群から選択されるがんを患う、又は患う疑いがある対象にSYKの阻害剤、好ましくはR406を投与することを含む。上記の発明の方法の好ましい実施の形態では、上記の疾患又は状態はがんであって、上記方法は、さらにb)上記の対象に化学療法剤を投与する及び/又は上記の対象に放射線療法を受けさせるステップを含む。上述の本発明の方法の他の好ましい実施の形態では、疾患又は状態はがんであって、SYKの阻害剤が上記対象に化学療法剤を投与する前、間、又は後に、及び/又は上記対象に放射線療法を受けさせる前、間、又は後に、好ましくはアジュバントとして投与され、又は投与のためのものである。本発明の方法のさらに好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態ががんであって、がんは、上記の化学療法剤に抵抗性を有する抵抗性がんである。上述の本発明の方法のさらに好ましい実施の形態では、上記疾患又は状態ががんであって、上記の抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん、又はグリア芽腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0149】
他の観点では、本発明は哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを、当該がんが抵抗性を示した、又は示す化学療法剤に対して感受性にする方法を提供し、該方法は、SYKの阻害剤、好ましくはR406を上記の対象に投与することを含む。抵抗性がんを感受性にする方法の好ましい実施の形態では、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん、又はグリア芽腫であって、少なくとも1つの化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【0150】
他の観点では、本発明は、哺乳類の、好ましくはヒトの対象における抵抗性がんを治療する方法を提供し、該方法は、a)抵抗性がんを患う、又は患う疑いがある哺乳類の、好ましくはヒトの対象にSYKの阻害剤を投与し、b)化学療法剤、好ましくは上記の抵抗性がんが抵抗性を示した又は示す化学療法剤を、上記対象に投与することを含む。上記SYKの阻害剤は、好ましくは化学療法剤と共投与される。抵抗性がんを治療する方法の好ましい実施の形態では、抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、化学療法剤がRAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ等のRAF、MEK又はERK阻害剤、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである。
【実施例】
【0151】
実施例1 FOXO4 DRIペプチドは選択的に老化細胞を除去する。
老化現象を示さない(=“通常の”、増殖する)IMR90細胞(ATCC# CCL−186、胎児肺組織由来の接着性のある2倍体初代ヒト線維芽細胞株)が10Gyガンマ−IRで放射線を照射された(IR=照射)。7日後、これらの細胞は老化現象を示し、それらの放射線を照射されていない(=老化現象を示さない)同等の細胞と比較する実験に用いることができる。老化現象を示すIMR90線維芽細胞及び老化現象を示さないIMR90線維芽細胞がxCELLigence system(ACEA Biosciences,Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いた縦断的な細胞密度測定のためにプレートに播かれた。基準値が測定されると、細胞がmock処理(PBS)されるか、又はFOXO4 DRIペプチド(50μM)に暴露され、この処理の後で細胞密度が示された時間に測定された。36時間後にFOXO4 DRIペプチドが選択的に、そして徐々に老化現象を示す細胞の細胞密度を低下させたことに留意されたい。FOXO4 DRIペプチドは、オランダ、レリスタットのPepScan Presto BVから得た。D−レトロインベルソアイソフォームでのアミノ酸配列のFOXO4 DRIペプチドは、老化現象を示すIMR90線維芽細胞の細胞生存能力を選択的に低下させるが、老化現象を示さないIMR90線維芽細胞の時間内の細胞の生存能力を低下させない。
【0152】
実施例2 FOXO4 DRIペプチドは疾患の治療に有効である。
硫黄欠乏性毛髪発育異常症は、脱毛、神経学的異常、骨異常及び適応能力の低下を導くヒト早老症である。発明者の部は、Xpd遺伝子の変異に基づくマウスモデル、Xpd
TTD/TTDマウスモデルを作製し、該モデルマウスは上記の特徴のほとんどを有する。発明者は、このマウスモデルが老化の表現型と併せて、加速されたペースで老化が進むことを見出した。Xpd
TTD/TTDマウスは、公的に入手可能で、とりわけ文献に記載されている(De Boer et al.,Molecular Cell,1(7),p.981−990(1998),De Boer et al.,Cancer Res.59(14):3489−94(1999)及びDe Boer et al.,Science,296(5571):1276−9(2002))。このマウスモデルが、すべてのアミノ酸がDアミノ酸であるアミノ酸配列LTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRPPPRRRQRRKKRGを有するFOXO4 DRIペプチドのアポトーシス誘導活性の評価に用いられた。
【0153】
野生型(c57b1/6)又はXpd
TTD/TTDマウスが3、4、5及び6日目に投与量10mg/kgの静脈注射でFOXO4 DRIペプチドを投与された。1日目と2日目は基準値(コントロール、未処理)を測定した。後彎症の評価のためにマウスの脊柱の湾曲を証明するためにCt走査が用いられた。筋肉量がCt走査に続く3D体積レンダリングによって評価された。
【0154】
急速に老化するマウスは、野生型とほぼ同じ程度の一過性で再現性のある運動行動の増加を示した。また、これらのマウスの有害な体重減少がFOXO4 DRIペプチドで補われた。FOXO4 DRIペプチドの投与後、もっとも低い椎骨ともっとも高い椎骨との間の距離が長くなったのは後彎症の抑制を示していることに留意されたい。結論として、FOXO4 DRIペプチドでの治療後に生じる加齢によるXpd
TTD/TTDマウスモデルの生体における老化に関する体重減少、脱毛、後彎症の正常化、筋肉量の増加、及び適応能力の改善が起こった。
【0155】
実施例3 ASK1阻害剤NQDIは老化細胞を除去する。
5000個の老化現象を示す(上記のように取得された)IMR90線維芽細胞及び2000個の老化現象を示さないIMR90線維芽細胞が96穴プレートに播かれ、0〜20μMの濃度のNQDIとともにインキュベートされた。6日後、製造者の使用説明書に従ってAqueousOne CellTiter(MTT)アッセイで細胞の生存能力が評価された。
【0156】
老化現象を示すIMR90線維芽細胞及び老化現象を示さないIMR90線維芽細胞が、実施例1で記載されたようにxCELLigence systemを用いた縦断的な細胞密度測定のためにプレートに播かれ、2μM NQDIとともに3日連続でインキュベートされた(それぞれ24、48及び72時間)。プレートに播いた後の細胞密度が記録された。ASK1阻害剤NQDIは、老化現象を示すIMR90線維芽細胞では細胞生存能力を抑制したが、老化現象を示さないIMR90線維芽細胞では抑制しなかった。NQDIの結果として、老化細胞の除去に関してその効果が高まる(
図12)。老化現象を示さない細胞は20μM NQDIの影響を受けていないので、NQDIは高用量でさえも明らかに安全である。
【0157】
実施例4 SYK阻害剤R406は、老化細胞を除去する。
5000個の老化現象を示す(上記のように取得された)IMR90線維芽細胞及び2000個の老化現象を示さないIMR90線維芽細胞が96穴プレートに播かれ、16、32、64〜128nMの濃度のR406とともにインキュベートされた。6日後、製造者の使用説明書に従ってAqueousOne CellTiter (MTT)アッセイで細胞の生存能力が評価された。SYK阻害剤R406は、老化現象を示す細胞の生存能力を選択的に抑制することがわかった(
図13)。
【0158】
実施例5 化学療法(ドキソルビシン)は、FOXO4 DRIペプチドで弱められるin vitroでの老化を誘導する。
健常者のIMR90線維芽細胞が10Gyの電離放射線に暴露されるか、0.5μMのドキソルビシンで3回処理された(1日に2回)。7日後、それらはSA−β−Gal染色され、老化現象を示す細胞が可視化された。1×10Gyの電離放射線に暴露されるか、0.5μMのドキソルビシンで3回処理された(1日に2回)細胞について免疫蛍光検査法が行われ、FOXO4(赤)とp16
ink4a(緑)とが検出された。DAPIが対比染色に用いられ、核が可視化された。細胞が上述のように処理されるか、mock処理を受けるか、FOXO4 DRIペプチドで処理された。6日後、製造者の使用説明書に従ってAqueousOne CellTiter(MTT)アッセイで細胞の生存能力が評価された。ヒストグラムは、示された条件での%生存能力を示す。
【0159】
FOXO4 DRIペプチドは、放射線治療(IR)又は化学療法(ドキソルビシン)によって老化が誘導された細胞の生存能力を選択的に標的とする。
【0160】
実施例6 化学療法(ドキソルビシン)は、FOXO4 DRIペプチド及びR406で弱められるin vivoでの老化を誘導する。
発明者の老化検出モデルは、p16
ink4aのプロモーターがいわゆる三峰性レポーター(3MR)を発現させるコンストラクトを使用し、該コンストラクトはp16::3MRと呼ばれる。3MRレポーターは、ウミシイタケルシフェラーゼ(RLUC)、赤色蛍光タンパク質(RFP)及び単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(TK)からなるキメラタンパク質を含む。RLUC及びRFPによって、それぞれ生物発光及び蛍光を介して老化現象を示す細胞を実時間で可視化できる。チミジンキナーゼによって、化合物ガンシクロビル(GCV)を介した様式でアポトーシスを誘導させることができる。0日において、p16::3MRマウス(補足の実験方法を含めて、Demaria et al.,Developmental Cell,31:6 p.722−733(2014))に10mg/kgでドキソルビシンが腹腔内注射され、老化の評価としてRLUC活性が、示された時点で測定された。
【0161】
11、12、13及び14日に、PBS(Mock)、10mg/kg FOXO4 DRIペプチド(TASC処理)又はR406(TASC処理)がそれらに1日1回静脈注射された。11日(TASC処理の前)及び21日(TASC処理の10日後)に示されたように、老化の評価としてRLUC活性を検出するための生物発光の画像化が行われた。
【0162】
ドキソルビシンがin vivoで16
ink4aを介した老化を誘導することがわかった。FOXO4 DRIペプチド及びR406がin vivoでドキソルビシン誘導性の老化を抑制することが腎臓において生物発光が減少し、SA−ベータ−GAL沈殿が減少したことによって示された。
【0163】
予想外なことに、ドキソルビシンで処理されたp16::3MRマウスを犠牲にしたところ、それぞれ肝毒性及び膵臓毒性を示すASAT及びアミラーゼの値がFOXO4 DRIペプチドで処理したマウスの血漿で低下していた。一方、PBS処理されたマウスは、ドキソルビシン処理の結果として毒性レベルの増加を示した。
【0164】
FOXO4 DRIペプチドは単体で、すなわち化学療法なしでがん細胞をある程度殺すことができることも実証された。
【0165】
実施例7 FOXO4 DRIペプチドは、転移性黒色腫にベムラフェニブ/トラメチニブに対する感受性を与える。
ベムラフェニブ及びトラメチニブの使用量増加に対する3種のヒト転移性黒色腫細胞株であるMalme−3M、A375及びLOX−IMVIの感受性が実証された。LOX−IMVI細胞は、基礎条件下でFOXO4の発現量が高い。実験が実施例1に記載したように、すなわち製造者の使用説明書に従ってAqueousOne CellTiter MTTアッセイで行われた。
【0166】
LOX−IMVI細胞が(i)AqueousOne MTTアッセイによる実施例1での細胞生存評価、(ii)シトクロムC放出によるアポトーシス、(iii)縦断的な細胞密度評価のためにプレートに播かれ、FOXO4 DRIペプチド、ベムラフェニブ/トラメチニブ、又はその組み合わせとともにそれぞれインキュベートされた。シトクロムC放出実験によるアポトーシスに関して、20,000個のLOX−IMVI細胞が24穴プレートのウェルにおけるガラスカバースリップ上に播かれた。翌日、これらがカスパーゼを介した細胞死を防ぐために20nMのカスパーゼ阻害剤QVD−OPHの存在下で、PBS(Mock)又はPBSと、2μMのベムラフェニブ若しくは10nMのトラメチニブとを組み合わせた50μMのFOXO4とともにインキュベートされた。2日後に20nMのQVD−OPHを含む新しい培地が細胞に補給され、3日後に細胞が固定され、シトクロムCの免疫蛍光検出に供された。カスパーゼ阻害剤によってカバースリップから剥がれなかった死細胞は、ミトコンドリアから細胞質へのシトクロムCの放出又は完全にシトクロムCを有していないことを示す一方で、生存細胞は、ミトコンドリアの染色のみを示す。シトクロムCを放出した細胞の%が記録された。
【0167】
縦断的な細胞密度評価は、老化現象を示す細胞及び老化現象を示さない細胞に関する上述のxCELLigence実験である。5000個のLOX−IMVI細胞が使用され、10μMのRock阻害剤(Y−27632)がアノイキスを避けるために用いられた場合においてのみ、電極への細胞の良好な付着を確実にした。
【0168】
ベムラフェニブによって誘導されるFOXO4の量がQPCR(mRNA)、ウエスタンブロット(タンパク質)及び免疫蛍光(タンパク質の発現及び局在)によって評価された。FOXO4 DRIペプチドは、ベムラフェニブ及びトラメチニブが治療抵抗性LOX−IMVI黒色腫細胞を殺す能力をかなり高める。
【0169】
がんにおけるFOXO4 DRIペプチドの個々の効果を実証するために、上述のようにMTTアッセイのために細胞がプレートに播かれた。細胞はFOXO4 DRIペプチド又はMockとともにインキュベートされ、6日間そのままの状態で置かれ、その後、生存能力が記録された。試験された、いくつかの細胞株において、ペプチドが明らかにがん細胞を殺した。
【0170】
実施例8 FOXO4 DRIペプチドでのアテローム性動脈硬化症患者の治療
アテローム性動脈硬化症を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、アテローム性動脈硬化症の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがアテローム性動脈硬化症の治療に有効であるということである。アテローム性動脈硬化症の疾患パラメータは、とりわけ、コレステロール、グルコース等の測定を含む血液検査、心電図、血管造影、コンピュータ断層撮影及び/又は検眼鏡検査で評価された。
【0171】
実施例9 FOXO4 DRIペプチドでの関節炎患者の治療
関節炎を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、関節炎の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが関節炎の治療に有効であるということである。評価される関節炎の疾患パラメータは、とりわけ、腫れ、痛み、こわばり及び可動域の低下等の関節症状である。
【0172】
実施例10 FOXO4 DRIペプチドでの転移性黒色腫患者の治療
転移性黒色腫を患っており、かつRAF、MEK又はERK阻害剤に抵抗性の患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、転移性黒色腫の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが転移性黒色腫の治療に有効であるということである。評価される転移性黒色腫の疾患パラメータは、とりわけ、腫瘍サイズ及び/又は転移の減少である。
【0173】
実施例11 FOXO4 DRIペプチドでの抵抗性乳がん患者の治療
抵抗性乳がんを患っており、かつFACに抵抗性の患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、抵抗性乳がんの疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが抵抗性乳がんの治療に有効であるということである。評価される抵抗性乳がんの疾患パラメータは、とりわけ、腫瘍サイズ及び/又は転移の減少である。
【0174】
実施例12 FOXO4 DRIペプチドでの放射線療法抵抗性グリア芽腫患者の治療
抵抗性グリア芽腫を患っており、かつ放射線療法に抵抗性の患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、放射線療法を受け、第2の患者群は、放射線療法を受けたがFOXO4 DRIペプチドを投与されなかった(すなわち未処置又はプラセボを投与された)。処置の1ヶ月後、抵抗性グリア芽腫の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが抵抗性グリア芽腫の治療に有効であるということである。評価される抵抗性グリア芽腫の疾患パラメータは、とりわけ、腫瘍サイズ及び/又は転移の減少である。
【0175】
実施例13 FOXO4 DRIペプチドでの変形性関節症患者の治療
変形性関節症を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、変形性関節症の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが変形性関節症の治療に有効であるということである。評価される変形性関節症の疾患パラメータは、とりわけ、関節痛、赤み、こわばり及び/又は腫れ、関節可動域、骨棘に対するX線及び/又はMRI、血液検査及び他の要因を排除するための関節液分析である。
【0176】
実施例14 FOXO4 DRIペプチドでの糸球体硬化症患者の治療
糸球体硬化症を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、糸球体硬化症の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが糸球体硬化症の治療に有効であるということである。評価される糸球体硬化症の疾患パラメータは、とりわけ、手足の腫れ、体重増加、タンパク尿による尿の変化、生検での血液を濾過する糸球体における小さい毛細血管の歪み又は圧縮、及び血漿[尿素]又は血漿[タンパク質]、血圧、糸球体の濾過率、及び/又は腎超音波である。
【0177】
実施例15 FOXO4 DRIペプチドでの2型糖尿病患者の治療
2型糖尿病を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、2型糖尿病の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが2型糖尿病の治療に有効であるということである。
【0178】
評価される2型糖尿病の疾患パラメータは、とりわけ、基礎の血糖値、所定期間にわたる平均血糖値(2〜3ヶ月;A1C検査)、空腹時血漿グルコース、経口ブドウ糖負荷試験、血漿グルコース試験である。
【0179】
注意 1型に関して、これは高血糖、尿中のグルコース及びケトン、経口ブドウ糖負荷試験、A1C試験である。
【0180】
実施例16 FOXO4 DRIペプチドでの後彎症患者の治療
後彎症を患う患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、後彎症の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが後彎症の治療に有効であるということである。評価される後彎症の疾患パラメータは、とりわけ、X線、CT及び/又はMRIによる脊椎湾曲の評価である。
【0181】
実施例17 FOXO4 DRIペプチドでの脊柱側彎患者の治療
脊柱側彎を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、脊柱側彎の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが脊柱側彎の治療に有効であるということである。評価される脊柱側彎の疾患パラメータは、とりわけ、脊柱、肋骨、臀部及び肩の身体検査及び/又は骨の湾曲を評価するためのX線、CT及び/又はMRIである。
【0182】
実施例18 FOXO4 DRIペプチドでの肝不全患者の治療
肝不全を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、肝不全の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが肝不全の治療に有効であるということである。評価される肝不全の疾患パラメータは、とりわけ、血液のAST値及びALT値である。
【0183】
実施例19 FOXO4 DRIペプチドでの肝硬変患者の治療
肝硬変を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、肝硬変の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが肝硬変の治療に有効であるということである。評価される肝硬変の疾患パラメータは、とりわけ、血液凝固因子及び血液凝固の国際標準化比、核磁気共鳴弾性率計測法による肝臓の堅さ、CT及び/又はMRIによる肝臓画像、身体検査、ビリルビン及びクレアチニンに関する血液検査、及び/又は肝臓障害に関する肝臓生検分析である。
【0184】
実施例20 FOXO4 DRIペプチドでのハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)患者の治療
HGPSを患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、HGPSの疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがHGPSの治療に有効であるということである。評価されるHGPSの疾患パラメータは、とりわけ、促進老化、脱毛(脱毛症)、老化様皮膚、関節異常、及び皮下脂肪の損失である。
【0185】
実施例21 FOXO4 DRIペプチドでの(心臓)血管疾患患者の治療
(心臓)血管疾患を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、(心臓)血管疾患の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが(心臓)血管疾患の治療に有効であるということである。評価される(心臓)血管疾患の疾患パラメータは、とりわけ、心室駆出期画分、血管の堅さ及び血圧である。
【0186】
実施例22 FOXO4 DRIペプチドでの肥満患者の治療
肥満疾患を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、肥満の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが肥満の治療に有効であるということである。評価される肥満の疾患パラメータは、とりわけ、体重、体格指数(BMI)、胴囲、胴囲と尻周りの比率、皮下脂肪厚、及び生体電気インピーダンス、磁気共鳴映像法及び/又は二重エネルギーX線吸収法である。
【0187】
実施例23 FOXO4 DRIペプチドでの肺気腫患者の治療
肺気腫を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、肺気腫の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが肺気腫の治療に有効であるということである。評価される肺気腫の疾患パラメータは、とりわけ、息切れ、胸部の大きさ、聴診器を介した呼吸音の減少、指先の形状、呼吸の状態、低酸素血症、高炭素症、チアノーゼ、栄養不良障害、肺の体積、肺吐出容量、肺の死容量、気管支拡張剤投与後の空気の流れの変化、胸部X線及び胸部のCT走査及び赤血球数である。
【0188】
実施例24 FOXO4 DRIペプチドでのボタン熱患者の治療
ボタン熱を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、ボタン熱の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがボタン熱の治療に有効であるということである。評価されるボタン熱の疾患パラメータは、とりわけ、ワイル−フェリックス試験(プロテウス OX株の凝集)、ELISA、又は病変の生検に対する免疫蛍光評価である。
【0189】
実施例25 FOXO4 DRIペプチドでのアルツハイマー病患者の治療
アルツハイマー病を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、アルツハイマー病の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがアルツハイマー病の治療に有効であるということである。評価されるアルツハイマー病の疾患パラメータは、とりわけ、日常活動の実行能力における変化、及び行動及び性格の変化、記憶の検査、問題解決、注意、計数及び言語、血液及び尿の検査、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)又は陽電子放出断層撮影(PET)等の脳の走査、及び/又はバイオマーカー分析である。
【0190】
実施例26 FOXO4 DRIペプチドでのパーキンソン病患者の治療
パーキンソン病を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、パーキンソン病の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがパーキンソン病の治療に有効であるということである。評価されるパーキンソン病の疾患パラメータは、とりわけ、震え、手足又は首の凝り、全身の状態及び平衡及び/又は運動機能である。
【0191】
実施例27 FOXO4 DRIペプチドでのCOPD病患者の治療
COPDを患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、COPDの疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがCOPDの治療に有効であるということである。評価されるCOPDの疾患パラメータは、とりわけ、肺活量測定、及び息切れ、胸部の大きさ、聴診器を介した呼吸音の減少、指先の形状、呼吸の状態、低酸素血症、高炭素症、チアノーゼ、栄養不良障害、肺の体積、肺吐出容量、肺の死容量、気管支拡張剤投与後の空気の流れの変化、胸部X線及び胸部のCT走査及び赤血球数等の肺気腫に関して記載したような肺機能検査である。
【0192】
実施例28 FOXO4 DRIペプチドでの腎不全患者の治療
腎不全を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、腎不全の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドが腎不全の治療に有効であるということである。評価される腎不全の疾患パラメータは、とりわけ、血圧、心臓/肺の音分析、神経系検査、タンパク質含量に関する尿検査、糸球体濾過値及び血中尿素窒素の濃度、CT、MRI及び/又は腹部と腎臓との超音波検査、損傷分析のための腎臓生検である。
【0193】
実施例29 FOXO4 DRIペプチドでのうつ病患者の治療
うつ病を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、うつ病の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがうつ病の治療に有効であるということである。評価されるうつ病の疾患パラメータは、とりわけ、身体検査、1日の大半にわたる悲壮感又は憂鬱感、体重の大きな変化、不眠症又は過眠、1日の大半にわたる倦怠感又はエネルギー喪失、絶望感又は無価値に感じること又は過度の罪悪感、集中力又は意思決定の問題、死又は自殺について繰り返し考えることである。
【0194】
実施例30 FOXO4 DRIペプチドでのメタボリック症候群患者の治療
メタボリック症候群を患っている患者の2つの群(各n=10)が形成された。第1の患者群は、治療上有効な投与量(すなわち薬学的な有効量)でFOXO4 DRIペプチドの単回投与注射を用いた静脈投与によってFOXO4 DRIペプチドを投与され、第2の患者群は、未処置又はプラセボを投与された。処置の1ヶ月後、メタボリック症候群の疾患パラメータが両方の患者群で評価され、aは処置された患者の結果で、bは未処置の対照患者の結果であって、aがbと異なる場合、FOXO4 DRIペプチドがメタボリック症候群の治療に有効であるということである。評価されるメタボリック症候群の疾患パラメータは、とりわけ、肥満に関する評価(上記参照、例えば胴囲)、トリグリセリドの血中濃度、HDLコレステロール、血圧、空腹時血糖である。
【0195】
(付記)
(付記1)
アミノ酸配列LTLRKEPASEIAQSILEAYSQNGWANRRSGGKRPを含み、前記アミノ酸配列中のアミノ酸はD−アミノ酸残基である、ペプチド。
【0196】
(付記2)
付記1に記載のペプチドと少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列相同性を有するペプチド又は付記1に記載のペプチドの断片であって、前記ペプチド又は断片は、老化現象を示す細胞又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつSer15リン酸化p53(pSer15−53)を発現する細胞におけるアポトーシス誘導活性を示し、好ましくは、前記断片は、アミノ酸配列SEIAQSILEAYSQNGWを有し、前記アミノ酸配列中の又は前記断片中のアミノ酸の少なくとも90%がD−アミノ酸残基である、ペプチド又はペプチドの断片。
【0197】
(付記3)
細胞移行ペプチド配列をさらに含み、好ましくは、該細胞移行ペプチド配列はアミノ酸配列PPRRRQRRKKRGを有し、好ましくは前記細胞移行ペプチド配列中のアミノ酸は、D−アミノ酸残基である、付記1又は2に記載のペプチド。
【0198】
(付記4)
前記細胞移行ペプチドが前記ペプチドのC末端部分に結合している、付記3に記載のペプチド。
【0199】
(付記5)
付記1から4のいずれか一つに記載のペプチドを含む、医薬組成物。
【0200】
(付記6)
化学療法剤をさらに含む、付記5に記載の医薬組成物。
【0201】
(付記7)
フォークヘッドボックスタンパク質O4のレトロインベルソペプチド、又はそのホモログ若しくは断片であって、好ましくは該フォークヘッドボックスタンパク質O4のアミノ酸配列は
図14又は
図15に示され、前記ホモログは、前記フォークヘッドボックスタンパク質O4のレトロインベルソアミノ酸配列と少なくとも70%のアミノ酸配列相同性を有し、前記ホモログは、老化現象を示す細胞又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつpSer15−53を発現している細胞におけるアポトーシス誘導活性を示し、前記断片は、老化現象を示す細胞又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつpSer15−53を発現している細胞におけるアポトーシス誘導活性を有する、フォークヘッドボックスタンパク質O4のレトロインベルソペプチド、又はそのホモログ若しくは断片。
【0202】
(付記8)
付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチドをコードする核酸であって、任意に発現ベクターに含まれている、核酸。
【0203】
(付記9)
付記8に記載の核酸を含む、宿主細胞。
【0204】
(付記10)
薬剤として使用され、又は対照の細胞と比較してFOXO4発現が増加しており、かつpSer15−53を発現している細胞の除去が有益な障害の治療で使用され、好ましくは、前記障害は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型糖尿病を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良からなる加齢関連障害の群から選択される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0205】
(付記11)
薬剤としての使用のための、又は老化現象を示す細胞の除去が有益な障害の治療での使用のための、好ましくは、前記障害は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良からなる加齢関連障害の群から選択される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0206】
(付記12)
前記障害はがんであり、かつ前記使用は哺乳類の対象、好ましくはヒトである、該対象に放射線治療を受けさせる前、間及び/若しくは後に、並びに/又は該対象に少なくとも1種の化学療法剤を投与する前、間若しくは後に投与するためである、付記10又は11に記載の使用のためのペプチド、組成物又は核酸。
【0207】
(付記13)
前記がんが治療抵抗性のがんである、付記12に記載の使用のためのペプチド、組成物又は核酸。
【0208】
(付記14)
前記治療抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、前記がんが抵抗性を示す前記治療は、放射線治療、又はRAF、MEK若しくはERK阻害剤又は5’フルオロウラシル、ドキソルビシン及びシクロフォスファミド(FAC)を化学療法剤として含む組成物を関与させる化学療法であって、好ましくは、前記RAF、MEK若しくはERK阻害剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである、付記13に記載の使用のためのペプチド、組成物又は核酸。
【0209】
(付記15)
アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期されるヒトである対象において老化現象を示す細胞の除去に使用される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0210】
(付記16)
アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期されるヒトである対象においてp21
cip1の発現への対抗に使用される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0211】
(付記17)
アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期される対象においてp16INK4aを発現する細胞の除去に使用される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0212】
(付記18)
アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良を患う、又は患うことが予期される対象において核セリン−15−リン酸化p53フォーカスへの対抗、又は核セリン−15−リン酸化p53フォーカスの個数の抑制に使用される、付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、付記5又は6に記載の医薬組成物、又は付記8に記載の核酸。
【0213】
(付記19)
付記1から4、7のいずれか一つに記載のペプチド、又は付記8に記載の核酸を含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える、キット。
【0214】
(付記20)
老化現象を示す細胞の除去が有益な障害の治療に使用される、ASK1の阻害剤。
【0215】
(付記21)
NQDIである、付記20に記載の使用のための阻害剤。
【0216】
(付記22)
前記障害は、アテローム性動脈硬化症、関節炎又は関節症等の慢性炎症性疾患、がん、変形性関節炎、糸球体硬化症、1型及び2型を含む糖尿病、糖尿病性潰瘍、後彎症、脊柱側彎症、肝不全、肝硬変、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)、ラミノパシー、骨粗鬆症、認知症、(心臓)血管疾患、心筋梗塞、肥満、メタボリック症候群、急性心筋梗塞、気腫、インスリン感受性、ボタン熱、サルコペニア、アルツハイマー病、ハンチントン病又はパーキンソン病等の神経変性疾患、白内障、貧血、高血圧、線維症、加齢性黄斑変性症、COPD、ぜんそく、腎不全、器官又は組織の移植後の生着不全の抑制又は防止、再灌流障害、失禁、難聴等の聴力低下、失明等の視力低下、睡眠障害、関節痛又は下肢痛等の疼痛、平衡失調、恐怖感、うつ病、息切れ、体重減少、脱毛、筋量低下、骨密度低下、フレイル及び/又は健康不良からなる加齢関連障害の群から選択される、付記21に記載の使用のための阻害剤。
【0217】
(付記23)
前記障害は、がんであって、前記使用が哺乳類の対象、好ましくはヒトに、該対象に放射線治療を受けさせる前、間及び/又は後に、及び/又は該対象に少なくとも1種の化学療法剤を投与する前、間又は後に投与するためである、付記21又は22に記載の使用のための阻害剤。
【0218】
(付記24)
前記がんは、治療抵抗性がんである、付記23に記載の使用のための阻害剤。
【0219】
(付記25)
前記治療抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であって、前記がんが抵抗性を示す前記治療は、RAF、MEK若しくはERK阻害剤を化学療法剤として含む化学療法であって、好ましくは、前記RAF、MEK若しくはERK阻害剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである、付記24に記載の使用のための阻害剤。
【0220】
(付記26)
ASK1の阻害剤、好ましくはNQDIと、化学療法剤と、を含む医薬的組み合わせ。
【0221】
(付記27)
ASK1の阻害剤、好ましくはNQDIを含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える、好ましくはがんの治療での使用のための医薬に使用されるキット。
【0222】
(付記28)
老化現象を示す細胞の除去が有益な障害の治療での使用のためのSYKの阻害剤であって、前記障害が、ぜんそく、免疫性血小板減少症、溶血性貧血、骨髄性白血病及び/又はリンパ腫ではなく、好ましくは、前記障害は、付記16に挙げられた障害である、阻害剤。
【0223】
(付記29)
前記SYKの阻害剤は、R406である、付記28に記載の使用のための阻害剤。
【0224】
(付記30)
前記障害はがんであり、かつ前記がんはリンパ腫又は白血病ではない、好ましくはリンパ腫又は骨髄性白血病ではないという条件で、前記使用が哺乳類の対象、好ましくはヒトである、該対象に放射線治療を受けさせる前、間及び/若しくは後に、並びに/又は該対象に少なくとも1種の化学療法剤を投与する前、間若しくは後に投与するためである、付記28又は29に記載の使用のための阻害剤。
【0225】
(付記31)
前記がんは、治療抵抗性がんである、付記30に記載の使用のための阻害剤。
【0226】
(付記32)
前記治療抵抗性がんは、転移性黒色腫、乳がん又はグリア芽腫、好ましくは転移性黒色腫であり、かつ前記がんが抵抗性を示す前記治療は、RAF、MEK若しくはERK阻害剤を化学療法剤として関与させる化学療法であって、好ましくは、前記RAF、MEK若しくはERK阻害剤は、RAF265、トラメチニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ及び/又はトラメチニブ、より好ましくはベムラフェニブ及び/又はトラメチニブである、付記31に記載の使用のための阻害剤。
【0227】
(付記33)
SYKの阻害剤、好ましくはR406と、化学療法剤と、を含む医薬的組み合わせ。
【0228】
(付記34)
SYKの阻害剤、好ましくはR406を含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える、医薬に使用されるキット。
【0229】
(付記35)
SYKの阻害剤、好ましくはR406を含有する第1の容器と、化学療法剤を含有する第2の容器と、を備える、がんの治療で使用されるキットであって、前記がんは、リンパ腫又は白血病ではなく、好ましくはリンパ腫又は骨髄性白血病ではない、キット。