特許第6707557号(P6707557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オプト・エンジニアリング・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

<>
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000002
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000003
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000004
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000005
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000006
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000007
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000008
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000009
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000010
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000011
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000012
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000013
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000014
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000015
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000016
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000017
  • 特許6707557-テレセントリックレンズ 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707557
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】テレセントリックレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/22 20060101AFI20200601BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20200601BHJP
   G02B 17/06 20060101ALI20200601BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G02B13/22
   G02B13/18
   G02B17/06
   G02B17/08
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-549190(P2017-549190)
(86)(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公表番号】特表2018-508832(P2018-508832A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】IB2016051076
(87)【国際公開番号】WO2016147071
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2018年10月26日
(31)【優先権主張番号】BS2015A000043
(32)【優先日】2015年3月18日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517263631
【氏名又は名称】オプト・エンジニアリング・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】OPTO ENGINEERING S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ・セダッツァーリ
【審査官】 下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−519334(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/130062(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0179962(US,A1)
【文献】 特開2003−344771(JP,A)
【文献】 特開2006−267899(JP,A)
【文献】 特開平08−334691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B21/02−21/04
G02B25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象物からの光線を受け、前方光軸(k)を規定するのに適した前方光学群(20)と、前記光線をセンサ(60)に向かわせ、後方光軸(k´)を規定するのに適した少なくとも1つの後方光学群(40)と、前記前方光学群と対応する後方光学群との間に配置された少なくとも1つのレンズ開口部(30)とを備え、前記レンズ開口部は、観察対象物からの各円錐状の光線の軸が前記前方光軸に平行になるように、少なくとも前方光学群の焦点面上に配置されたテレセントリックレンズであって、前方光学群(20)とレンズ開口部(30)の間の空気空間(AS)において、前方光学群からの光線の少なくとも一部が後方光学群(40)に到達する前に少なくとも1回の二重反射を受けるように配置された少なくとも反射又は半反射素子が挿入され
前記反射素子は、第1の反射素子(70)及び第2の反射素子(71)を備え、前記第1の反射素子(70)は、前記前方光学群(20)からの光線を、前方光学群(20)からの光線と交差する方向に反射させるのに適し、
前記第1の反射素子(70)によって反射された光線が、前記前方光学群(20)に干渉することなく前記前方光学群(20)からの光線と交差するように、前記第1の反射素子が配置され、
前記第1の反射素子(70)の反射面と前記前方光軸は、15°と75°の間の第1の反射角(α)を形成する、テレセントリックレンズ。
【請求項2】
前記反射又は半反射素子は、前記二重反射が、そのような要素をもたないテレセントリックレンズに比べて、前記前方光学群と前記後方光学群との間の距離を減少させるように配置される、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項3】
前記第2の反射素子(71)の反射面と前記前方光軸(k)は、30°と90°の間の第2の反射角(β)を形成する、請求項1又は2に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項4】
前記反射又は半反射素子は、前記後方光軸(k´)が前記前方光軸(k)に対してほぼ垂直になるように配置される、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項5】
前記前方光軸と前記後方光軸は同一平面上にある、請求項1からのいずれか1項に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項6】
前記反射又は半反射素子(72)及び(73)は、前記第2の反射素子(71)又は半反射素子(73)によって形成された反射により、前方光軸(k)に一致する光線を前記前方光学群(20)の近傍で遮断できるように配置されている、請求項1からのいずれか1項に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項7】
前記第1の反射又は半反射素子(72)の反射面は、前記前方光軸(k)に対して絶対値が15°と75°の間の第1の反射角(α)を形成し、前記第2の反射又は半反射素子(73)の反射面は、前記前方光軸(k)に対して絶対値が0°と30°の間の第2の反射角(β)を形成する、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項8】
前記前方光軸(k)及び前記後方光軸(k´)は、異なる平面に属する、請求項に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項9】
前記第1の反射又は半反射素子(74)の反射面は、前記光軸(k)に対する絶対値が25°と75°の間の第1の反射角(α)を形成し、前記第2の反射又は半反射素子(75)の反射面は、前記第1の反射の後、前記前方光軸(k)に対する絶対値が25°と75°の間の第2の反射角(β)を形成する、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項10】
反射前に、主光軸(k)の方向に対する反射面の絶対値が25°と75°との間にある第1の反射角(α)を有する第1の反射または半反射素子(76)と、前記第1の反射又は半反射素子(76)による反射後、前記主光軸(k)に対する反射面の絶対値が25°と75°の間にある第2の反射角(β)を有する第2の反射または半反射素子(77)と、第2の反射又は半反射素子(77)による反射後、前記主光軸(k)に対する反射面の絶対値が10°と45°の間にある第3の反射角(γ)を有する第3の反射又は半反射素子(78)とからなる3つの反射又は半反射素子を備え、前記第2の反射又は半反射素子(77)による反射により、前記第1の反射素子(76)による第1の反射の前後に前記前方光軸が位置する平面の外に前方光軸(k)を偏位させる、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項11】
記第1の反射角(α)は45°であり、前記第2の反射角(β)は60°であり、前記第3の反射角(γ)は15°である、請求項1に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項12】
前記反射又は半反射素子の1以上が、前記光学系又は焦点の残存収差を補正するため、球面、非球面又は不規則な曲面の反射光学面(81)を備える、請求項1から1のいずれか1項に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項13】
前記反射又は半反射素子の1以上が、機械的に変形可能な反射光学面(83)を備える、請求項1から1のいずれか1項に記載のテレセントリックレンズ。
【請求項14】
前記反射又は半反射素子の少なくとも1つが半反射素子(89)であり、少なくとも第2の後方光学群(41)を備え、少なくとも前記前方光学群と前記第2の後方光学グループとの間に配置された第2のレンズ開口部が前記前方光学群からの光線の一部を第2のセンサ(61)に伝達するのに適している、請求項1から1のいずれか1項に記載のテレセントリックレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工視覚装置に使用するためのテレセントリックレンズ、特に、物体の寸法測定を行うためのテレセントリックレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
テレセントリックレンズは、軸すなわち主半径が光学システム自身の軸と平行である照射物体からの円錐状の光線を収集する特性があるため、物体の非接触測定に対する人工視覚の分野で広く使用されている。このように、実際には、レンズによって生成される画像のサイズは、観察される物体が置かれる距離とは無関係であり、画像をより正確に測定することができる。
【0003】
公知のように、このテレセントリック性と呼ばれる特性は、レンズの開口瞳孔が、観察される物体に対して光学的に無限遠に配置されるレンズによって達成される。この特性は、レンズの絞り(すなわちレンズ開口)と観察される物体との間に配置された光学要素が全体として、焦点位置が一致する正の焦点距離の光学群を生成することによって可能になる。
【0004】
図1は、光学系で使用されている表記法に従う、主光軸kのテレセントリックレンズ100の図である。このレンズは、前方光学群20の寸法y1、正の焦点長さf1及び直径d1の物体10の画像50を生成する。正の焦点長さf1は、絞り30の位置と一致するように配置され、第2の後方光学群40は、絞り30と画像50の間に配置されている。
【0005】
実際には、2つの光学群、すなわち前方光学群20と後方光学群40は、いくつかの光学素子(図1a)からそれぞれ構成され、厚さがあり、2つの主平面を有し、同じ2つの群とシステムの他の要素との間の光学距離の計算のための基準面を規定する。
【0006】
図1において、前方光学群20及び後方光学群40は、理想的な表現である両方向の矢印で示されている。2つの光学群は厚さがなく、各群の2つの主平面の位置は同じ両方向の矢印の位置と一致している。したがって、この表現では、距離f1は、最も絞り30に近い前方光学群20の要素と、絞り30自体との間の空気間隔ASと一致すると共に、前方寸法L1すなわち物体10に最も近い前記群の要素と、絞り位置30との間の距離と一致する。
【0007】
この機構の特定の実施形態によれば、それらの軸すなわち主光軸kに平行な主半径を有する双テレセントリックレンズ、すなわち、円錐の光線が画像平面50に入射するレンズを得ることができる。
【0008】
テレセントリックレンズの実現は、前方光学群20の一部を形成する少なくとも1つの光学素子の直径d1が、観察される物体10の最大寸法y1よりも大きい場合にのみ可能である。この条件は、前方光学群20が物体10から来る光線を集めることができるようにするために必要である。通常、d1は、前方光学群10の一部である1つ以上のレンズの最大直径と考えることができる。
【0009】
物体10の寸法y1が増加すると、寸法d1だけでなく焦点距離f1も増加する。 焦点距離f1の増加は前方寸法L1の増加を伴うので、結果として、観察される物体のサイズが増加するにつれて、レンズはより大きな直径になるだけでなく、ますます長くなる。
【0010】
テレセントリックレンズの長さ及び全体の寸法を縮小することは、人工視覚システムの製造業者に繰り返し要求されている。特にこの問題は、上述のように、y1の増加が前方光学群20の焦点距離f1、正面寸法L1、従って光学系の全長L1+L2(L2は絞り30又はレンズ開口と画像平面50との間の距離である)の結果としての増加をもたらすので、観察される物体10が有意な寸法y1を有するときに特に感じられる。
【0011】
これには、後方光学群40近傍のテレセントリックレンズの終端部分と画像50が形成される平面とが通常、カメラ60に接続されていることが追加されなければならず、そのためにアセンブリの全長がさらに増加してしまう。
【0012】
この全長を包含する1つの方法は、例えば、図1bに示すように、焦点距離f1の寸法を包含し、結果として前面寸法L1を包含することである。しかしながら、テレセントリックレンズの実現は、値d1とf1の比f1/d1、焦点距離、及び、前方光学群20の直径が小さくなればなるほど複雑になる。寸法d1は、物体10の寸法y1によって決定されるため、同一寸法y1でのテレセントリックレンズの製造は、値f1が小さくなればなるほど複雑になる。実際、比f1/d1の減少は、光学系において数が増えた光学部品の使用を伴い、コストの増加をもたらす。
【0013】
光学部品数の増加によるコストの上昇に加えて、テレセントリックレンズの全体的な寸法を抑制するためのツールとして、焦点距離f1の減少は、テレセントリックレンズの前方光学群20の個々の光学構成要素が、必然的に、不可能ではないにしても、十分な光学性能の維持を複雑にするより大きな出力と大きな曲率とを有していなければならないため、テレセントリックレンズ自体の性能の低下を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、フロント光学系の光学素子数を増やさずに、レンズの光学性能を悪化させることなく、テレセントリックレンズの全体的な寸法、特に、光学系の全長L1+L2によって表される最大寸法を大幅に低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、後述するように、請求項1によれば、テレセントリックレンズ自体の光路内に、特に前方光学群とレンズ開口との間に反射性又は半反射性の光学素子を導入することによって達成され、前方光学群からの光線の少なくとも一部が後方光学群に到達する前に少なくとも1回の二重反射を受けるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術に係るテレセントリックレンズの光学方式を示す。
図1a】従来技術によるテレセントリックレンズの実施形態を示す。
図1b図1aの光学群に対して、前方光学群20が最も外側の要素とレンズ開口との間の距離L1を減少させる追加の光学要素を備えるテレセントリックレンズを示す。
図2】本発明に係る第1実施形態のテレセントリックレンズの光学方式を示す。
図3】本発明に係る第2実施形態のテレセントリックレンズの光学方式を示す。
図4】本発明に係る第3実施形態のテレセントリックレンズの光学方式の2面図を示す。
図5】本発明に係る第4実施形態でのテレセントリックレンズの光学方式の2面図である。
図6】本発明によるテレセントリックレンズの他の実施形態に係る光学方式を示す。
図7】本発明によるテレセントリックレンズの他の実施形態に係る光学方式を示す。
図8】本発明によるテレセントリックレンズの他の実施形態に係る光学方式を示す。
図9】本発明によるテレセントリックレンズの他の実施形態に係る光学方式を示す。
図10】本発明によるテレセントリックレンズの他の実施形態に係る光学方式を示す。
図11】本発明に係るテレセントリックレンズの光学方式を使用する、コリメートされた光源の光学方式である。
図12】本発明に係るコリメートされた光源を備えたテレセントリックレンズの光学図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るテレセントリックレンズは、一般的な実施形態によれば、観察される物体10からの光線を受光し、前方光軸kを規定するのに適した前方光学群20と、少なくとも前記光線をセンサ60に向かって伝達し、後方光軸k´を規定するのに適した第1後方光学群40と、前方光学群20と各後方光学群40との間に配置された少なくとも1つのレンズ開口30とを備える。
【0018】
レンズ開口30は、観察される対象物10から来る各円錐の光軸が前方光軸kと平行となるように、少なくとも前方光学群20の焦点面上にある。
【0019】
対象物10の画像は、センサ60の画像面50上に形成される。
【0020】
図示される好ましい実施形態では、テレセントリックレンズは、双テレセントリックレンズ、すなわち、画像面50に入射する光線の円錐が主光軸k´'に平行な軸又は主半径を有するレンズである。
【0021】
本発明の一態様によれば、前方光学群20とレンズ開口30の間の空気空間(ASD)には、少なくとも2つの反射性又は半反射性要素70,71が挿入され、前方光学群20から来る光線の少なくとも1つは、後方光学群40に到達する前に少なくとも1回の二重反射を受ける。
【0022】
特に、反射素子又は半反射素子70,71は、そのような素子のないテレセントリックレンズに対し、それらによって発生される前記二重反射が、前方光学群20と後方光学群40の間の距離を減少させるように配置される。
【0023】
図2に示す実施形態では、テレセントリックレンズ140は、2つの反射素子70、71を備える。第1の反射素子70は、前方光学群20からの光線を反射するのに適しており、これらの反射光線は、前方光学群20からの光線と交差する。
【0024】
第1の反射素子70は、それによって反射された光線が、前方光学群20からの光線と干渉することなく交差するように配置されるのが好ましい。本実施形態は、第1の反射素子70の反射面と、前方光軸kの方向との間に25°より大きく、75°より小さい第1の反射角(α)を採用することにより得られる。
【0025】
第2の反射素子71は、第1の反射素子70からの光線を、この方式に従って実現されるテレセントリックレンズ140の全体寸法を最小化できる方向に反射する。第1の反射素子71の反射面と前方光軸kとの間の第1の反射角(α)は、30°より大きく、90°より小さい絶対値であるのが好ましい。
【0026】
この構成の特定の実施形態によれば、第2の反射素子71による反射後、後方光軸k´は前方光軸kの方向と平行である。
【0027】
図3は、本発明に係るテレセントリックレンズ150の別の実施形態を示しており、光学系の全体寸法は、後述するように配向され配置された2つの反射素子72、73の使用により抑制される。
【0028】
第1の反射素子72は反射面を有し、前方光軸kの方向に対して15°と75°の間の絶対値を有する第1の反射角(α)を形成する。第2の反射素子73は、前方光軸kの方向に対して0°と30°の間の絶対値を有する第2の反射角(β)を有する。反射素子72、73は、第2の反射素子73による反射によって後方光軸k´と一致する光線が前方光学群20の近傍で前方光軸kと一致する光線を遮ることができるように空間内に位置決めされる。
【0029】
反射素子72、73はまた、光学素子が画像50の形成に必要な反射及び屈折を除いて光線の経路と干渉しないように配置される。
【0030】
図示された実施形態では、反射素子72、73の角度は、最後の反射の後で、後方光軸k´が正面光軸kに対して垂直であるように選択される。
【0031】
説明した図2及び図3の実施形態では、後方光軸k´及び前方光軸kは同一平面上にある。
【0032】
図4及び図4aに示す実施形態では、後方光軸k´及び前方光軸kは異なる平面である。
【0033】
図4及び図4aのテレセントリックレンズ160では、以下のように配向されて配置された2つの反射素子74及び75を使用することにより寸法が縮小されている。第1の反射素子74は反射面を有し、各反射の前に、前方光軸kの方向に対して25°と75°の間の絶対値を有する第1の反射角(α)を形成する。第2の反射素子75は、第1の反射素子74による反射後の方向を考慮して、前方光軸kに対して25°と75°の間の絶対値を有する第2の反射角(β)を形成する。第2の反射素子75による反射は、物体10と第1の反射素子74の間の経路、及び、第1の反射素子74と第2の反射素子75との間の経路によってそれぞれ規定された2つのセグメントS1、S2が存在する平面の外側に前方光軸kのずれを生じるようなものである。
【0034】
図5図5a及び図5bに示すさらなる実施形態では、3つの反射素子76、77、78によってテレセントリックレンズ170の全体的な寸法が縮小されている。
【0035】
第1の反射素子76は反射面を有し、前方光軸kに対して25°と75°の間の絶対値を有する第1の反射角(α)を形成する。第2の反射素子77は反射面を有し、第1の反射素子76によって反射された後の前方光軸kに対して25°と75°の間の絶対値を有する第2の反射角(β)を形成する。第2反射素子77による反射は、物体10と第1の反射素子76の間の経路、及び、第1の反射素子76と第2の反射素子77の間の経路によってそれぞれ規定された2つのセグメントS1、S2が存在する平面の外側の前方光軸kのずれを生じるようなものである。第3の反射素子78は、第2の反射素子77による反射の後、主光軸kに対して10°と45°の間の絶対値を有する第3の反射角(γ)を形成する。
【0036】
第3反射素子78による反射の後、前方光軸Kは、後方光軸K´と一致するので、第1の反射素子76による反射の前に、前方光軸のセグメントs1とは同一平面上にない。
【0037】
図5bの斜視図に示すように、この解決策により、特にコンパクトなテレセントリックレンズ170を得ることができる。
【0038】
この図の好ましい実施形態によれば、反射角αは45°に等しく、第2の反射角βは60°に等しく、第3の反射角γは15°に等しい。このように、後方光軸k´は、第1の反射素子76による反射の前に、前方光軸kと直交するが、同一平面上にはなく、3つの反射素子の使用により、前方光学群20及び後方光学群40は、図3及び図4に示される2つの反射素子を有する実施形態に比べてさらに縮小される。
【0039】
上述の実施形態では、前方光学群とレンズ開口との間に挿入される光学素子は、反射光学素子である。いくつかのさらなる実施形態では、1以上の光学素子は、反射性又は半反射性ミラーなどの平坦、球面、非球面又は不規則な反射光学素子、又はそれらの反射面又は半反射面のうちの1つを有する光学プリズムによって実現される。
【0040】
図6を参照すると、テレセントリックレンズ180は、湾曲した反射光学面81を備えた反射光学素子80を有しており、屈折力がある。この構成では、同じ光学系の他の光学素子、特に前方光学群20及び後方光学群40内の光を屈折させる要素(レンズ)の能力及び数量を低減できるという利点がある。反射素子が様々な波長に対して中立するように挙動するので、よりコンパクトで色収差に敏感ではない光学系を得ることができる。このような湾曲面は、光学系の残留収差を最良の方法で補正することができ、又はその焦点合わせを補正することができるように、任意の形状、すなわち球面、非球面又は凹凸形状であってもよい。
【0041】
図7に示すテレセントリックレンズ190の一実施形態では、光学システムの少なくとも1つの反射光学素子82は、反射配置を、例えば、最小の光学収差の補正や、レンズ自体の他の光学要素の分散の補償等、特定の光学的要求に適合させるか、あるいは、光学システム全体の焦点の補正をさらに確実に行えるように、機械的に変形可能な反射光学面83を備えている。
【0042】
図8は、テレセントリックレンズ200を示す。前方光学群20の全体は、テレセントリックレンズを特別にコンパクトで簡略化して実現でき、前方部に色収差がないように、球面、非球面、又は不規則な湾曲形状などの1以上の反射光学素子84、85に置き換えられている。レンズのテレセントリック性は、前方光学群20の特性に依存しているので、使用される波長に拘わらず、テレセントリック性に関して同様な光学的な性能を保証するために、色効果の欠如が最も重要である。
【0043】
図9に示す実施形態では、テレセントリックレンズ210の前方光学群20の全体が、球面、非球面又は不規則な湾曲形状の1以上の反射光学素子86、87で置き換えられるだけでなく、後部光学群40も、球面、非球面又は不規則な湾曲形状の1以上の反射光学素子88によって置き換えられる。このようにして、屈折素子を全く含まないテレセントリックレンズの実施形態が得られ、同じ性能を有する任意の波長範囲の光において使用可能となる。
【0044】
図10に示すテレセントリックレンズ200の実施形態では、反射光学素子の少なくとも1つは、ビームスプリッタとしても公知の半反射ミラー89によって実現される。この半反射ミラー89は、入射光線の一部を反射させ、他の一部を透過させるようになっている。このようにして実現された各半反射ミラー89に対応して1以上の後方光学群41を追加することができ、観察される物体10の1以上の追加画像51を得るため、同じ前方光学群20を使用することができる。
【0045】
図11は、本発明の教示を用いて、これまでに示された構成のいずれかによって実現されたテレセントリックレンズの後部光学群40を置き換えることによって、光源35を備え、前記光源35の発光領域の中心が前記レンズ開口30の位置と一致するようにして、特にコンパクトな平行光源310を得ることができる方法を示す。
【0046】
図12は、1つが半反射性であるように実現された2以上の反射光学素子90の組み合わせから、上述の図示された構成のいずれかにより、特に小型のテレセントリックレンズ320を得ることができる方法を示す。これにより、物体10に向かって光線を照射するために同じ前方光学群20を使用する平行な照明を同時に得ることができる。
【0047】
本発明によるテレセントリックレンズの実施形態には、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、偶発的な要件を満たす技術者が、機能的に等価な他のものを用いて部材の改変、改変及び置換を行うことができる。可能な実施形態に属すると説明された特性のそれぞれは、説明した他の実施形態とは独立して達成することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…物体
20…前方光学群
30…レンズ開口
40…後方光学群
50…画像面
51…追加画像
70、72、74、76…第1の反射素子
71、73、75、77…第2の反射素子
78…第3の反射素子
82、84、85、86、87、88、90…反射光学素子
83…反射光学面
89…半反射ミラー
140、150、160、170、180、190、200…テレセントリックレンズ
図1
図1a
図1b
図2
図3
図4
図4a
図5
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12