(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(f)において、前記木材からアセチル化による生成物を除去した後、前記容器内が大気圧に戻されて、前記容器からアセチル化木材が取り出される、請求項5又は6に記載の方法。
アセチル化される前記木材は、幅が2cm〜30cmであり、厚さが2cm〜16cmであり、長さが1.5m〜6.0mの木材片である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、広い意味では、サザンイエローパインのような中〜高密度木材種を、低水分含有量の木材からスタートする本発明による方法を用いることにより、より低密度の木材と同等レベルの高いアセチル化度までアセチル化できるという予期せぬ発見に基づくものである。さらにそのアセチル化木材は、残留酸量が低く、高い圧縮強度を有する。
【0010】
理論に拘束されるわけではないが、これはアセチル化流体が高密度の木材の基質に十分含侵することが困難であるという理由によるものと考えられる。木材への含侵効率が小さいことにより、最終製品のアセチルレベルは小さいものとなる。さらに、木材の基質が高密度であるために、アセチル化木材からアセチル化流体を除去するのもまた困難であると考えられる。そのため、アセチル化木材中の残留酢酸レベルが高くなり、特徴的な酢の臭気を生じさせる。
【0011】
本発明は特に、乾燥密度が400kg/m
3、より好ましくは450kg/m
3より大きい、さらに好ましくは500kg/m
3より大きい中〜高密度木材種のアセチル化に関する。好ましい実施形態において、処理する木材の全乾密度(ovendry density)は500〜750kg/m
3の範囲である。
【0012】
中〜高密度木材種の典型的な例はサザンイエローパインである。サザンイエローパインは、利用可能なもののうち、最も耐久性があり、強度のある針葉樹の1つである。その名称は、イエローパインに分類される種のグループを表し、アメリカ合衆国南部を原産地とする。このグループの最も一般的な種としてテーダマツ(Loblolly)、ダイオウマツ(Longleaf)、黄マツ(Shortleaf)、スラッシュマツ(Slash)が含まれる。これらの種は、類似した性質と挙動を示す。サザンイエローパインは、比較的高い密度で特徴付けられ、通常は420kg/m
3より高く、典型的には500〜680kg/m
3である。この密度は全乾状態のものを意味する。本発明は、比較的高い密度の木材に特に適しているが、例えばヨーロッパアカマツ(Scots pine)やラジアータパイン(radiata pine)のような他の種にも適用できる。
【0013】
ここで「木材」というのは、どのような形態、寸法、形状でもよい。本発明は、好ましくは中実木材片に関連し、より好ましくは梁材や板材のような比較的大きな木材片に関連する。
【0014】
本発明のアセチル化する方法は、次の工程を含む。
(a)水分含有量が5重量%未満の木材を、反応圧力容器内で、無水酢酸及び/又は酢酸を含むアセチル化流体に、温度10℃〜120℃で浸漬する工程と、
(b)容器内の圧力を上げて、1〜300分間2〜20バールとする工程と、
(c)容器から余剰のアセチル化流体を除去する工程と、
(d)容器内に不活性流体を供給し、木材の内部温度が発熱を示し始めるまで不活性流体を循環・加熱し、発熱が完了するまで木材への熱供給を制御して木材の内部温度を180℃より低く維持する工程と、
(e)循環している流体を、10〜120分間85℃〜160℃に加熱し、第2の発熱反応を開始し、発熱が完了するまで木材への熱供給を制御して木材の内部温度を180℃より低く維持する工程と、
(f)循環している流体を真空下で蒸発により除去する工程。
【0015】
工程は木材を供給することから始まる。木材の水分含有量は低くしておくことが高品質の製品を製造するために必要である。そのため、必要であれば木材は乾燥させておく。乾燥木材は5重量%を超える水分量を含んではならず、好ましくは1〜4重量%の範囲である。木材を乾燥させる方法はどんなものでもよい。例えば、真空キルン、従来技術のキルン、高温キルンといったキルン乾燥技術が用いられる。溶媒乾燥法は好ましくない。乾燥木材中に、除去すべき溶媒が微量残留するからである。本明細書でいう水分含有量は、処理する前、例えばキルン乾燥工程の直後に、木材の重量を測定することにより得られる。その木材サンプルを基準EN−13183−1にしたがって103±2℃の温度に置き、2時間のインターバルをおいた2回の重量測定値の変化が0.1%未満になった時点で、全乾状態の木材であると判定される。
【0016】
木材は通常梁材の形態で供給される。本発明は、市販のサイズの木材片のアセチル化に特に有意義である。好ましくは、木材片は最小寸法(通常は厚さ)が0.8cmより大きく、例えば少なくとも0.9cmであり、より好ましくは少なくとも1cmであり、さらに好ましくは少なくとも1.5cmである。さらに好ましいのは最小寸法は少なくとも2cmであり、より好ましくは少なくとも2.5cmであり、さらに好ましくは少なくとも3cmである。好ましい実施形態において、木材片は初期幅として2〜30cm、厚さが2〜16cm、長さが1.5〜6mである。より好ましくは、木材片の幅が2〜10cm、厚さが2〜10cm、長さが1.5〜4mである。また木材片の幅が2〜30cm、厚さが0.9〜16cm、長さが1.5〜6mであることも好ましい。
【0017】
木材はさらに適切な反応圧力容器ないし反応炉に入れられる。梁材のアセチル化に適した反応炉であればどんなものでもよい。
【0018】
工程(a)において、反応炉にはアセチル化流体が充填され、それに木材が10℃〜120℃の温度で浸漬される。木材の浸漬は、真空で行うことが好ましい。これはまず反応容器の中の木材を、真空引きをして、次に容器にアセチル化流体を入れるという手順が有利である。高い含侵量を確保するため、反応炉は常に真空を持続させながら充填することが好ましい。木材中にアセチル化流体を多く含侵させる、つまり高い含侵効率を達成するためには、真空を保ちつつ充填することが重要である。好ましくは、反応炉は−0.5バール(ゲージ圧)未満、より好ましくは−0.7バール(ゲージ圧)未満で充填される。
【0019】
アセチル化流体は、無水酢酸及び/又は酢酸を含む。好ましくは、アセチル化流体は、少なくとも70体積%の無水酢酸を含む。酢酸は30体積%まで含むことが好ましい。例えば適切な組成は、80〜100体積%の無水酢酸と、0〜20体積%の酢酸を含む。より好ましくは、アセチル化流体は、90〜99体積%の無水酢酸と、1〜10体積%の酢酸を含む。アセチル化流体の温度は、20〜120℃、35〜75Cが好ましい。
【0020】
工程(b)において、容器内の圧力は2〜20バールに上げられ、1〜300分保持される。この工程は,大きな木材片を処理して十分に含侵させるために特に有益である。圧力は10〜15バールまで上げることが好ましい。好ましい含侵時間は1〜90分であり、これは処理する木材の寸法に依存する。加圧は窒素を用いて行うことができるが、他の不活性ガス、例えば二酸化炭素を用いることができる。
【0021】
工程(c)において、余剰のアセチル化流体は、含侵後に容器から除去される。「余剰」という語句により、木材に含侵しなかったアセチル化流体を意味する。圧力容器からの当該流体の除去は、容器内の圧力、例えば窒素ガス圧で貯蔵タンクへ排出できるし、又は窒素ガス圧を保ったままポンプで排出することもできる。余剰アセチル化流体は、窒素ガスで加圧して排出することが好ましい。
【0022】
工程(d)と(e)において、反応容器はアセチル化温度まで加熱され、アセチル化が進行する。工程(d)で、不活性流体を容器内に供給し、木材の内部温度が発熱を示し始めるまで不活性流体を循環・加熱し、発熱が完了するまで木材への熱供給を制御して木材の内部温度を180℃より低く維持する。不活性流体は、無水酢酸又は酢酸と反応しない流体であり、典型的にはガス状窒素、ガス状二酸化炭素又は燃焼排ガスでありうる。この工程でアセチル化流体は好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃で、10〜120分間、好ましくは15〜60分間加熱される。発熱の開始、継続及び完了は、木材中に配置した熱電対で検出・モニターすることが好ましい。ある場合には、不活性流体、例えば窒素は、部分的に又は完全に無水酢酸及び/又は酢酸で飽和させてもよい。この範囲は、20体積%から完全飽和(100体積%)である。
【0023】
工程(e)では、循環流体を10〜120分間、好ましくは15〜60分間、85℃〜160℃に加熱し、第2の発熱反応を開始し、発熱が完了するまで前記木材への熱供給を制御して前記木材の内部温度を180℃より低く維持する。
【0024】
不活性流体の循環中、熱電対で検出した木材の内部温度が180℃、好ましくは155℃を超えないように、循環流体を冷却する必要が生じうる。第2の発熱反応の間、循環流体は85〜160℃、好ましくは100〜155℃に、10〜120分間、好ましくは15〜60分間加熱される。一般に、アセチル化反応は全体でおよそ0.5〜5時間必要である。
【0025】
工程(f)は、薬剤回収工程ともいうが、アセチル化による反応生成物を含むアセチル化流体を真空下での蒸発により木材から除去する工程である。好ましくは、未使用の無水酢酸と副生成物の酢酸が循環ガスから凝縮される。真空にすることにより木材が冷却されるので、木材を再度加熱する必要が生じうる。真空にしている間に、木材を120〜160℃に再加熱することが好ましい。望ましい残留酸量になるまで、加圧と再加熱工程を繰り返してもよい。
【0026】
木材からアセチル化生成物を除去したあと、反応炉は大気圧に戻され、開放してアセチル化木材を取り出す。
【0027】
上述のようにして、木材はその幾何学的中心においてアセチル量が少なくとも20重量%となるようにアセチル化される。含侵・アセチル化工程は、アセチル化度をさらに上げるために繰り返すことができる。しかし、木材の高アセチル化が一度の含侵・アセチル化工程で達成できることが本発明の利点であり、従来の多段アセチル化工程に比べて経済的な利点が大きい。
【0028】
本発明のアセチル化方法により、優れた性質を有するアセチル化木材が得られる。したがって、本発明は本発明のアセチル化方法により得られるアセチル化木材をも提供する。この方法は、全乾密度が500kg/m
3より大きな木材種に特に適している。特に好ましい実施形態において、アセチル化木材はアセチル化サザンイエローパインである。より低密度の種、例えばヨーロッパアカマツやラジアータパインもまたアセチル化できる。アセチル化後の木材の全乾密度は550kg/m
3より大きく、より好ましくは580kg/m
3より大きく、さらに好ましくは600kg/m
3より大きい。好ましい実施形態として、アセチル化木材の密度は550〜800kg/m
3である。
【0029】
上記方法で得られたアセチル化木材は高いアセチル化度を有する。特に、その幾何学的中心において、アセチル量は20重量%より高い。好ましくは、その幾何学的中心において、アセチル量は21重量%より高く、好ましくは22重量%より高く、さらに好ましくは23重量%より高い。好ましい実施形態において、アセチル化木材のアセチル量は、その幾何学的中心において、21〜26重量%である。
【0030】
本発明に係るアセチル化木材は、バッチ毎に高い均一性を有し、1つの梁又は板におけるアセチル量の変化量が小さい。バッチ毎の均一性とは、1つのバッチの異なる梁又は板において測定されたアセチル量の偏差のことである。高い均一性(あるいはアセチル量の小さな偏差)とは、1つのバッチにおいて測定された重量基準のアセチル量の最大値と最小値の差が小さいということである。本発明における木材のこの差は、4重量%未満、好ましくは3重量%未満、さらに好ましくは2重量%未満である。1つの梁におけるアセチル量の変化量は3重量%未満、好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満である。
【0031】
木材のアセチル量を測定するためには、サンプルを粒状にすりつぶす。サンプルを水で洗浄して103±2℃で14〜24時間乾燥することにより、サンプルから微量の残留酢酸及び/又は無水酢酸を除去する。この乾燥サンプルを秤量したのち、昇温した水酸化ナトリウム溶液で鹸化することにより、アセチル基を酢酸イオンとして木材から遊離させる。この鹸化反応は、15分毎に攪拌して4時間行う。酢酸イオンは、標準酢酸溶液を用いて校正した高圧液体クロマトグラフィ(High−Pressure Liquid Chromatography:HPLC)を用いてナトリウムブチレートを内部標準として用いて定量する。この方法はアセチル量を直接測定できるものであり、他の報告でしばしば用いられる一般的なウェイトパーセンテージゲイン(Weight Percentage Gain:WPG)よりも好ましい。
【0032】
さらにこのアセチル化木材は、残留酢酸(residual acetic acid:RA)量が非常に低いという利点がある。RA量は、木材中に含まれる残留した非結合酢酸の指標である。酢酸はまた木材自身からも由来するので、RAはもともとある酢酸と、アセチル化反応の残りの酢酸の両方を測定する。残留酸(RA)を定量するには、きちんと測定した3−5gのサンプル材料を脱イオン水内で1時間振とうする。この抽出ステップのあと、サンプルをフィルタで濾過して水画分と分離する。続いてこの水画分を既知の水酸化ナトリウム溶液でフェノールフタレインを指示薬として用いて滴定し、サンプルの残留酸濃度を計算できる。
【0033】
アセチル化木材のRAは1重量%未満であり、好ましくは0.9重量%未満であり、さらに好ましくは0.5重量%未満である。最も好ましいのは、アセチル化木材は0.2重量%未満の残留酸を含む。好ましい実施形態において、RA量は0.05〜0.9重量%である。残留酢酸量が小さいアセチル化木材は、酢の臭気がしないという利点を有し、さらに腐食性がないという利点を有する。
【0034】
好ましい実施形態において、本発明に係るアセチル化木材は、全乾密度が550〜800kg/m
3の範囲であり、アセチル量がその幾何学的中心において少なくとも20重量%であり、残留酢酸量が1重量%未満である。より好ましくは、アセチル化木材は、アセチル量がその幾何学的中心において少なくとも22重量%であり、残留酸量が0.9重量%未満である。アセチル化木材は、好ましくは幅が2cm〜30cmであり、厚さが2cm〜16cmであり、長さが1.5m〜6.0mである。
【0035】
このアセチル化木材はさらに、より良好な機械的性質を有している。特に圧縮強度はアセチル化されていない木材に比べて30%強化される。これについては下記の実施例で示す。典型的には、アセチル化木材は、木目に平行な方向で40〜60N/mm
2という圧縮強度の特性値を示す。木目に垂直な方向の圧縮強度は1.90〜2.30N/mm
2という特性値が得られる。
【実施例】
【0036】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)サザンイエローパインのアセチル化
平均水分含有量2.8%の約40m
3のサザンイエローパイン板材(38mm×140mm×3000mm)を、15mmスティッカーで縦方向に切り分けた。150m
3の液容量の反応圧力容器にこの木材を入れた。この容器にはガスループが備えられている。
【0038】
−0.85バール(ゲージ圧)に減圧した。圧力を−0.70バール(ゲージ圧)により低く保ったまま、容器内にアセチル化流体(95%無水酢酸と5%酢酸、60℃)を入れ、各板材を浸漬させた。反応炉内を10バール(ゲージ圧)とし、60分間保った。
【0039】
無水酢酸で飽和させた約85℃の窒素ガスを、アセチル化反応のための加熱媒体として用いた。アセチル化の間、ガスループ内の圧力を2.5バール(ゲージ圧)に上昇させ、2〜2.5バール(ゲージ圧)の間に保った。温度上昇時間も含め、アセチル化に全体で5時間を要した。
【0040】
アセチル化時間の最後において、未使用の無水酢酸と副生成物の酢酸を循環ガスから凝縮させた。温度をゆっくりと約130℃まで上昇させた。板材の遊離アセチル(酢酸と無水酢酸)量が0.50重量%未満となるまで乾燥させた。
【0041】
アセチルレベルを18の板材サンプルを用いて測定した。アセチルレベルは22.6±0.8%(バッチの最小値:21.3%、最大値:23.9%)であった。1つの板材中のアセチル量の変化量は2%未満であった。残留アセチル(residual acetyl:RA)は0.2±0.1%(最小値:0.1%、最大値:0.4%)であった。
【0042】
比較として、国際公開第2009/095687号で開示の実施例でのサザンイエローパインのアセチル化では、水分含有量7重量%で開始して、アセチル量は17〜20重量%であった。
【0043】
(実施例2)木目に平行及び垂直な方向の圧縮強度
試験はBS373:1957(小さく清浄な木材のサンプルの試験方法)にしたがって行い、圧縮抵抗をa)長手方向の木目に平行、及びb)長手方向の木目に垂直、の方向について測定した。全部で55個の、未処理及び実施例1で処理したSYPのアセチル化木材について、20×20×60mmのサンプルで測定した。
【0044】
得られた特性値を表1に示す。アセチル化に伴い、2つの特性値のいずれもが大きく増加していることがわかる。
【0045】
【表1】
【0046】
(付記)
(付記1)
(a)水分含有量が5重量%未満の木材を、反応圧力容器内で、無水酢酸及び/又は酢酸を含むアセチル化流体に、温度10℃〜120℃で浸漬する工程と、
(b)前記容器内の圧力を上げて、1〜300分間2〜20バールとする工程と、
(c)前記容器から余剰の前記アセチル化流体を除去する工程と、
(d)前記容器内に不活性流体を供給し、前記木材の内部温度が発熱を示し始めるまで前記流体を循環・加熱し、発熱が完了するまで前記木材への熱供給を制御して前記木材の内部温度を180℃より低く維持する工程と、
(e)循環している前記流体を、10〜120分間85℃〜160℃に加熱し、第2の発熱反応を開始し、発熱が完了するまで前記木材への熱供給を制御して前記木材の内部温度を180℃より低く維持する工程と、
(f)循環している前記流体を真空下で蒸発により除去する工程と、
を含む、木材をアセチル化する方法。
【0047】
(付記2)
処理される前記木材は、全乾密度が400kg/m
3を超え、好ましくは500kg/m
3を超える、付記1に記載の方法。
【0048】
(付記3)
前記木材は、サザンイエローパイン又はヨーロッパアカマツ(Scots pine)である、付記1又は2に記載の方法。
【0049】
(付記4)
前記木材の前記水分含有量は、1〜4重量%である、付記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【0050】
(付記5)
前記アセチル化流体は、70体積%〜100体積%の無水酢酸と0体積%〜30体積%の酢酸を含む、付記1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【0051】
(付記6)
工程(a)において、真空を持続させながら反応炉を充填する、付記1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【0052】
(付記7)
工程(d)の前記不活性流体は、ガス状窒素、ガス状二酸化炭素又は燃焼排ガスから選ばれる、付記1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【0053】
(付記8)
工程(d)において、前記不活性流体は、60℃〜150℃に加熱される、付記1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【0054】
(付記9)
前記不活性流体は、無水酢酸及び/又は酢酸で部分的又は完全に飽和されている、付記1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【0055】
(付記10)
前記木材は、アセチル量が幾何学的中心において少なくとも20重量%となるまでアセチル化される、付記1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【0056】
(付記11)
アセチル化される前記木材は、幅が2cm〜30cmであり、厚さが2cm〜16cmであり、長さが1.5m〜6.0mの木材片である、付記1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【0057】
(付記12)
全乾密度が550〜800kg/m
3であり、アセチル量が幾何学的中心において少なくとも20重量%であり、残留酢酸量が1重量%未満である、アセチル化された木材。
【0058】
(付記13)
サザンイエローパイン又はヨーロッパアカマツ(Scots pine)である、付記12に記載のアセチル化された木材。
【0059】
(付記14)
アセチル量が幾何学的中心において少なくとも22重量%であり、残留酸量が0.5重量%未満である、付記12又は13に記載のアセチル化された木材。
【0060】
(付記15)
幅が2cm〜30cmであり、厚さが2cm〜16cmであり、長さが1.5m〜6.0mである、付記12〜14のいずれか一つに記載のアセチル化された木材の木材片。