(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707597
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】形状記憶を備えたドングル
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20200601BHJP
【FI】
A61B34/20
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-172286(P2018-172286)
(22)【出願日】2018年9月14日
(62)【分割の表示】特願2014-50110(P2014-50110)の分割
【原出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-198981(P2018-198981A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2018年9月14日
(31)【優先権主張番号】13/826,545
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェイ・バーチャード
【審査官】
木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−17549(JP,A)
【文献】
特表2001−501122(JP,A)
【文献】
特開平10−258031(JP,A)
【文献】
特表2001−520565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 ― 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的カテーテルと、患者インタフェースユニット(PIU)を含むナビゲーションシステムとを連結するためのドングルであって、
前記カテーテルの近位端においてコントロールハンドルの近位端と接続されるように構成された、第1の電気的インタフェースユニットを備えた本体と、
前記患者インタフェースユニットと接続されるように構成された、第2の電気的インタフェースユニットを備えた支持部分と、
プリント回路基板と、を備え、
前記支持部分が、形状記憶を備えた外側可撓性管状部材と、第1及び第2の端部と、を有し、前記外側可撓性管状部材が、前記第2の電気的インタフェースユニットにおける当該第1の端部にて終端し、前記本体における第2の端部にて終端し、前記外側可撓性管状部材が同時に複数の方向に曲がるように構成されており、
前記プリント回路基板が前記本体に収容され、前記第1の電気的インタフェースユニット及び前記第2の電気的インタフェースユニットと結線され、前記プリント回路基板が前記第1の電気的インタフェースユニットを通じて前記カテーテルより受信した電気信号を処理するように構成されており、
前記外側可撓性管状部材がコイルばねにより形成され、前記本体における前記プリント回路基板から前記支持部分における前記第2の電気的インタフェースユニットへの結線を保護するように、前記外側可撓性管状部材が延在し、
当該コイルばねの前記外側可撓性管状部材の長手軸に直交する軸方向の直径が前記長手軸に沿って変化する
ドングル。
【請求項2】
前記第1の電気的インタフェースユニットが、電気プラグを受容するのに適応した電気的接続ポートを備える、請求項1に記載のドングル。
【請求項3】
前記第2の電気的インタフェースユニットが、電気的接続ポートに受容させるのに適応した電気的接続プラグを備える、請求項1に記載のドングル。
【請求項4】
前記電気信号が、患者の身体内の電気的活動を表す、請求項1に記載のドングル。
【請求項5】
前記電気的インタフェースユニットが、前記カテーテルへRFエネルギーを伝達するように適応される、請求項2に記載のドングル。
【請求項6】
前記カテーテルからの前記電気信号が、患者の身体内の前記カテーテルの遠位部分の位置データを表すように構成されている、請求項1に記載のドングル。
【請求項7】
前記外側可撓性管状部材が内側コイルばね及び当該内側コイルばねの周りに包まれた外側セクショナルワイヤを備える、請求項1に記載のドングル。
【請求項8】
前記外側セクショナルワイヤの各区分が内側頂点を有する三角形の断面を備え、前記内側コイルばねの各区分が、離接する対の2つの前記内側頂点の間に入れ子になっている、請求項7に記載のドングル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学的カテーテルを患者インタフェースユニットに連結するためのドングルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル法は、診断手術及び治療手術において使用される。例えば、心臓カテーテルは、特に高齢者人口に共通した及び危険な内科疾患として持続している心房粗動及び心房細動といった心不整脈をはじめとして、様々な心臓病を治療するために心臓におけるマッピング及びアブレーション(焼灼)に使用される。心不整脈の診断及び治療には、心臓組織、特に心内膜及び心臓容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの適用によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、望ましくない電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか或いは修正させることができる。このアブレーション処理は、非導電性の病変部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、病変部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロック部分を形成するためのマイクロ波、レーザー、及びより一般的には高周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングに続いてアブレーションを行う2段階の手術においては、通常、1以上の電気センサ(又は電極)を収納したカテーテルを心臓の内部に前進させ、多数のポイントにおけるデータを取得することによって心臓内の各ポイントにおける電気活動が感知及び測定される。次いでこれらのデータが利用されて、アブレーションが実施される心内膜の標的領域が選択される。
【0003】
電気解剖学的ナビゲーションシステム(ENS)は、心臓診断及び治療カテーテルと併せて使用される。1つのこのようなシステムが、Biosense Webster of Irwindale,Californiaから入手できるCARTOであり、これは電気生理学者にカテーテル先端部及び湾曲部位置の磁気位置技術及び映像化データ、高解像度の急速な生成を伴う解剖学的マッピング、CTのようなマップ、並びにカテーテル及び設備のための中央接続としての患者インタフェースユニット(PIU)を提供する3−Dマッピングシステムである。
【0004】
ナビゲーションシステムに使用するためのカテーテルは、1つ以上のプリント回路基板(PCB)などの、ハードウェアを載置する制御ハンドルを有する。例えば、電磁センサ位置データが、カテーテルを通って伸びるセンサケーブルを介して送信される場合では、制御ハンドル内に収納された1つ以上の回路基板は、データがナビゲーションシステムの信号処理ユニットへ送信される前に、信号を増幅しかつそれらの信号をコンピュータ読み取り可能な形態へ変換することもある。カテーテルハンドルは費用がかかるとはいえ、カテーテルは容易に消毒されない、したがってそれらは1回使用することが意図されておりかつそれらのハードウェア/金属含有ハンドルと一緒に廃棄される。
【0005】
ドングルは既知である。ドングルは、コンピュータ又は他の電子部品に取り付けられて追加の機能を可能させるハードウェアである。ドングルは、典型的にはコンピュータ又は他の電子部品に接続するための少なくとも1つのインタフェースプラグを含みそれらとの電気的接続を達成する。ドングルは、第2のインタフェースプラグを備えた可撓性ケーブルを含んでもよい。
【0006】
高騰する医療費及び環境にやさしい(「グリーナー」)カテーテルへ向けての動きに伴い、現在のカテーテルは、電子ハードウェアを制御ハンドルからナビゲーションシステムのPIU又は他の構成要素内のどこかへ再配置するという期待を持って設計される。ハードウェアによっては、ナビゲーションシステム内のより恒久的な位置を見つける前に、ドングルなどの、一時的な位置へ再配置されてもよい。それに関連して、自在吊りドングル又は可撓性ケーブルを備えたドングルは、特により多くのドングルがより多くの構成要素を一時的に収納するために使用されるにつれて、扱うのが困難になり得る。自在吊りドングル又は可撓性ケーブルを備えたドングルは、他の機器にぶつけられたり或いは衝突される場合に損傷を起こしやすく、ドングルとカテーテルとの間の任意の延長ケーブルに追加の張力を生じさせる場合がある。更に、自在吊りドングル又は可撓性ケーブルを備えたドングルは、ドングルを固定する又は位置決めするためにテープ又はジップタイ(zip-ties)を使用するという手段を取るユーザにとって厄介なものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結果的に、ユーザがドングルをよりよく位置決めしかつ固定することを可能にさせるであろう補強部材を備えたカテーテルドングルに対する欲求がある。より耐久性がありかつ偶然のぶつかり及びカテーテル延長ケーブルに応力又は張力を加えることからの損傷をより起こしにくいカテーテルドングルに対する欲求がやはりある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電気生理学的カテーテルと、患者インタフェースユニット(PIU)を含む、ナビゲーションシステムとを連結するためのドングルを対象とする。ドングルは、通常では1回使用することが意図された、カテーテルが、製作コストがより小さくかつ廃棄されるときに廃棄物がより少なくなるように、通常ではカテーテル制御ハンドル上に載置されるハードウェアの幾つかを再配置させることを可能にする。可撓性、形状記憶及び/又は異なる剛性の程度を備えた支持部分を有するドングルにより、ユーザがにドングルの定置、位置及び向きに対してより多くの制御を有利に行うことがまた可能になる。支持部分は、ドングル又はカテーテルが偶発的にぶつけられた場合に衝撃吸収に対して弾性変位をもたらすことによりドングル本体とともに、カテーテル及びPIUの両方を保護する。支持部分により、カテーテルをドングルへ接続させる任意の延長ケーブルに印加される応力及び張力の量がまた減少する。
【0009】
一実施形態では、ドングルは、第1の電気的インタフェースユニットを備えた本体、及び第2の電気的インタフェースユニットを備えた支持部分を有し、この支持部分は形状記憶を備えた外側可撓性管状部材を有する。一実施形態では、支持部分はグーズネックチュービングを備える。別の一実施形態では、支持部分はコイルばねを備える。
【0010】
より詳細な実施形態では、電気的インタフェースユニットは、電気信号を送信するように適応された電気的接続ポート又は電気プラグを備えてもよい。この電気信号は、患者の身体内の電気的活動、患者の身体内のカテーテルの遠位部分位置データ、及び/又はRFエネルギーを表している電気信号を含み得る。
【0011】
より詳細な実施形態では、ドングルの本体は、患者の身体内のカテーテルの遠位部分の位置データを表している電気信号を処理するのに使用されてよいプリント回路基板をはじめとして、電子ハードウェアなどの、カテーテル制御ハンドル内に典型的に見受けられることがある構成要素を収納する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と合わせて考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することにより、より十分に理解されるであろう。
【
図1】本発明の一実施形態による、ドングルを用いたカテーテルベースの電気解剖学的ナビゲーションシステムの絵図である。
【
図2】心臓手術において使用されている、
図1のカテーテルベースの電気解剖学的ナビゲーションシステムの模式絵図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、カテーテル制御ハンドルの側面断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、ドングルの側面断面図である。
【
図5】部分切り欠きで示した、可撓性ケーブル又はグースネックの一実施形態の側面図である。
【
図5A】
図5の可撓性ケーブルの一部分の拡大詳細図である。
【
図6】可撓性ケーブル又はグースネックの別の実施形態の側面断面図である。
【
図7】本発明の別の実施形態による、ドングルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、カテーテルベースの電気解剖学的ナビゲーションシステム10は、本発明により、カテーテル40、延長ケーブル41及びドングル42と共に使用するために示されている。システム10は、少なくとも1つのモニタ12と、患者インタフェースユニット(PIU)14と、ポジションパッド16と、信号処理ユニット20と、アブレーションエネルギー発生器22と、ワークステーション24と、プリンタ26と、を含む。モニタ12は、患者データ及びマップを表示する。PIU 14は、信号処理ユニット20と他のすべてのシステム構成要素との間のケーブル接続を可能にする。ポジションパッド16は、患者テーブル18の上に横たわっている患者の下に定置するためのものであり、カテーテル位置の精確な検出を可能する。信号処理ユニット20は、すべての位置を求めかつECG計算を行う。発生器22は、RFエネルギーをカテーテルに供給するためのRF発生器であってよい。ワークステーション24は、患者データ及びマップを記憶するのに適応されたコンピュータである。プリンタ26は、システム10によって作成されたカラーマップを印刷するために提供される。
図1及び
図2に示すように、ドングル42はPIU 14とカテーテル40との間に延在して、電気的接続を提供しかつカテーテルによって収集された及び送信されたデータがシステム10によって解釈されかつ処理されるために使用されるか又は必要とされる任意の機能(複数)を実行する。結果的に、PIU 14は、ドングル42を介してカテーテル40とインタフェースするように構成される少なくとも1つの電気的接続インタフェース、例えば、ポート30を含む。
【0014】
一実施形態では、カテーテル40は、細長いカテーテル本体112と、先端電極及び/又はリング電極117を載置する遠位部分114と、制御ハンドル116とを有する。
図3に示すように、リードワイヤ140は、患者の心臓の3−D解剖学的マップ及びモニタ14に表示されかつワークステーション24に記憶されるECG読取り値をはじめとして、患者データを生成するための電子信号を受信及び送信するための電極117へ接続される。更に、遠位部分114に載置される電磁ポジションセンサ(複数)は、遠位先端部分の位置を表す電気信号を発生するための患者テーブル18の下にあるポジションパッド16によって発生される外部磁場によく応答する。センサケーブル132は、これらの信号を送信するためにポジションセンサから接続される。リードワイヤ140及びセンサケーブル132の両方は、カテーテルの長さを通して伸び、遠位先端部分114、カテーテル本体112及び制御ハンドル116を通過する。これに関連して、制御ハンドルの近位端116Pは、リードワイヤ140及びセンサケーブル132との電気的接続ができるようにするために少なくとも1つの電気的接続ポート30を有する。
【0015】
一実施形態では、カテーテル40とドングル42との間の延長ケーブル41は、
図2に示すように、近位端41P及び遠位端41Dを有する。遠位端41Dは、第1のインタフェース、例えば、プラグ43を備える。プラグ43は制御ハンドルの近位端116Pにおいて電気的接続ポート30に受容されるように構成される近位端41Pは、第2のインタフェース、例えば、プラグ44を備える。プラグ44は、電気的インタフェース、例えば、ドングル42の遠位端に提供されるポート45に受容されるように構成される。
【0016】
一実施形態では、ドングル42は、
図4に示すように、半剛性ドングルケーブル53と、近位端54P、遠位端54D及びそれらの間に伸びる一般に密封された内部空洞を備えた細長い遠位体即ちハウジング54とを含む、近位支持部分を有する。遠位端54Dにおいて、電気ポート45は延長ケーブル41の第2のインタフェースプラグ44を受容するように構成されている。ケーブル53の近位端において、電気的インタフェース、例えば、プラグ55は、PIU 14の電気ポート30に受容されるように構成される。
【0017】
図4の例示した実施形態では、ドングル42は、ハードウェア、例えば、少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)60を収納する。PCB 60は、延長ケーブルを介してセンサケーブル136によって送信されたカテーテル位置を表す電気信号を受信する。PCB 60は、システム10の信号処理ユニット20によって信号を増幅しかつ読み取り可能な形態へ変換してもよい。この信号は次いで近位ドングルケーブル53を介して送信される。
【0018】
図5及び
図6を参照すると、近位ケーブル53はルーメン63を画定する細長い可撓性外側チュービング部材62を有する。このルーメン63を通してドングルワイヤ64がケーブルの近位端と遠位端との間を伸びる。本発明の特徴に従って、ケーブル53は、ケーブルが操作できるように形状記憶を備えた半剛性であり、かつユーザによって所望に応じてドングル本体54を選択的に位置決めするか又は方向づけるように構成されている。一実施形態では、外側チュービング部材62は、
金属合金又は一般に硬質なプラスチック材料のらせん状に巻かれたフラットストリップ(複数)67を備え、当該フラットストリップ67は、フラットストリップ67の長手方向に沿う折り曲げ部(longitudinal folds)69を有し、当該フラットストリップ67の長手方向に沿う折り曲げ部(longitudinal folds)69が、隣り合う長手方向側縁部71を結合することによって、波状輪郭を有する、いわゆる「グースネック」管状構造体を形成する
。この「グースネック」管状構造体は、それが操作できてかつ様々な所望の構成を保持するように柔軟性及び形状記憶を備える。管状構造体はまた、歪み軽減及び/又はトランクケーブル絶縁被覆として機能してもよい。チュービング部材62を通して伸びるワイヤ64は、チュービング部材62内に保護されかつ密封される。
【0019】
図6は、内側コイルばね80及びコイルばね80の周りに包まれた外側セクショナルワイヤ82を備える可撓性ケーブル又はグースネック管状構造体の別の実施形態を示す。例示した実施形態では、ばね80のアンダーライングワイヤは、円形の断面を有しかつ外側セクショナルワイヤ82は三角形の断面を有し、ばね80のアンダーライングワイヤは、セクショナルワイヤ82の隣接する対の2つの内側頂点Vの間に入れ子になっている。
【0020】
使用に際しては、ドングル42は、
図2に示すように、コネクターポート30に受容されているコネクタープラグ55を介してPIU 14に接続されている。ドングル42の遠位端は、延長ケーブル41の近位コネクター44を受容する。延長ケーブル41の遠位コネクター43は、制御ハンドル116のコネクターポート30に受容されている。診断手術において、電気信号は患者の心臓125内に位置決めされたカテーテル40の遠位先端部分114上の先端電極及びリング電極117によって感知され、信号は遠位先端部分114、カテーテル本体112及び制御ハンドル116を通してリードワイヤ114を介して送信される。信号は、延長ケーブル41及びドングル42によって信号処理ユニット20によって処理するために制御ハンドル116からPIU 14まで送信される。治療的手術では、システム10のRF発生器22からのRFエネルギーは、PIU 14、ドングル42、延長ケーブル、及び制御ハンドル116、カテーテル本体112及び遠位先端部分114を通って伸びるリードワイヤ140を介して先端電極及びリング電極117まで送達される。
【0021】
カテーテル遠位先端部分114の位置感知のために、心臓125内では、カテーテル遠位先端部分に載置されるポジションセンサからの電気信号は、遠位先端部分からカテーテル本体12、及び制御ハンドル116まで伸びるセンサケーブル132を介して送信される。信号は、PCB 60を備えるドングル42まで延長ケーブル41を介して更に送信される。PCB 60は、システム20の信号処理ユニット20によって処理するためにPIU 14へ信号を送信する前に信号を増幅及び/又は変換してもよい。
【0022】
結果的に、本発明のドングルにより、高価でかつ金属含有ハードウェアをカテーテルからドングルへ再配置させることが可能となり、これによってカテーテルをより使い捨て可能にかつ「グリーナー」にさせる。更に、本発明の半剛性ドングルは、ドングルの定置及び位置決めに際してユーザがより多くの選択を可能にすることによってドングル、カテーテル及びナビゲーションシステムに対する損傷のリスクを低減させる。
【0023】
代替一実施形態では、
図7に示すように、ドングル42’はその近位端が電気プラグ55を載置する半剛性ドングルアーム66を含む近位支持部分と共に図示される。アーム66は、その直径が変化したり或いはアームの長さ全体にわたって一様であったりする密着ばねを備える。ばねを通って伸びるワイヤ64は、ばねによって保護される。ばねは、使用及び用途に応じて異なる剛性度合いで製造されてよいし、また予備成形される形状で提供されてもよい。開示された実施形態では、ばねは、水平位置においてドングル本体を支持するのに十分な剛性を有するが、ドングル本体が偶発的にぶつけられた場合に弾性曲げ又は変位を許容する。
【0024】
ドングルの本体が、必要に応じて若しくは適宜に、カテーテルとナビゲーションシステムとの間で(例えば、光学的、音声的などを含み)様々な電気信号を受信するための及び(例えば、増幅する、変換する、ディジタル化するなどを含み)処理するための様々な電気的ハードウェアを収納する場合があることが当業者によって理解される。
【0025】
上記の説明文は、現時点における本発明の好ましい実施形態に基づいて示したものである。当業者であれば、本発明の原理、趣旨及び範囲を大きく逸脱することなく、本願に述べた構造の改変及び変更を実施することが可能であることは認識されるところであろう。それに関連して、図面は必ずしも一定の縮尺にする必要はない。したがって、上記の説明文は、本願に述べられ、以下の添付図面に示される厳密な構造のみに関係したものとして読み取るべきではなく、むしろ、以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる「特許請求の範囲」と符合し、かつそれらを補助するものとして読み取るべきである。
【0026】
〔実施の態様〕
(1) 電気生理学的カテーテルと、患者インタフェースユニット(PIU)を含むナビゲーションシステムとを連結するためのドングルであって、
第1の電気的インタフェースユニットを備えた本体と、
第2の電気的インタフェースユニットを備えた支持部分と、
を備え、前記支持部分が、形状記憶を備えた外側可撓性管状部材を有する、ドングル。
(2) 前記支持部分が、グースネックチューブを備える、実施態様1に記載のドングル。
(3) 前記支持部分が、コイルばねを備える、実施態様1に記載のドングル。
(4) 前記第1の電気的インタフェースユニットが、電気プラグを受容するのに適応した電気的接続ポートを備える、実施態様1に記載のドングル。
(5) 前記第2の電気的インタフェースユニットが、電気的接続ポートに受容させるのに適応した電気的接続プラグを備える、実施態様1に記載のドングル。
【0027】
(6) 前記電気的インタフェースユニットが、前記カテーテルから電気信号を受信するように適応される、実施態様4に記載のドングル。
(7) 前記電気信号が、患者の身体内の電気的活動を表す、実施態様6に記載のドングル。
(8) 前記電気信号が、患者の身体内の前記カテーテルの遠位部分の位置データを表す、実施態様6に記載のドングル。
(9) 前記電気的インタフェースユニットが、前記カテーテルへRFエネルギーを伝達するように適応される、実施態様4に記載のドングル。
(10) 前記本体が、少なくとも1つのプリント回路基板を収納する、実施態様1に記載のドングル。
【0028】
(11) 前記少なくとも1つのプリント回路基板が、患者の身体内の前記カテーテルの遠位部分の位置データを表す電気信号を処理するように構成されている、実施態様10に記載のドングル。