特許第6707622号(P6707622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707622サンプル採取を容易にするパッケージング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707622
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】サンプル採取を容易にするパッケージング
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/12 20060101AFI20200601BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20200601BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20200601BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G01N1/12 B
   G01N1/00 101G
   G01N1/10 V
   G01N33/48 S
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-501213(P2018-501213)
(86)(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公表番号】特表2018-524596(P2018-524596A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】US2016041839
(87)【国際公開番号】WO2017011429
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2018年7月19日
(31)【優先権主張番号】62/191,550
(32)【優先日】2015年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511093409
【氏名又は名称】オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ゴッターマイヤー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】キルシュ・アンドリュー・エム
(72)【発明者】
【氏名】デクラーク・チャールズ・イー
(72)【発明者】
【氏名】スウィック・アーロン・エム
【審査官】 萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−182136(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0052105(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0754237(KR,B1)
【文献】 特開2014−182134(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0025872(US,A1)
【文献】 特開平04−138363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 − 1/44
G01N 33/48 −33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル分析スライドを保持するための第1セクションと、
サンプル採取デバイスを保持するための第2セクションと、
スプラッシュウォールに隣接して前記第2セクションの底部に形成される熱成形ウェルと、
前記第1セクションと前記第2セクションの間に形成される前記スプラッシュウォールと、
前記第2セクションの前記底部に形成されかつ前記熱成形ウェルと流体連通しているオーバーフローリザーバと、
を含む、パッケージングユニットであって、
前記熱形成ウェルはサンプルを受領するように構成されており、
前記熱形成ウェルは、前記熱形成ウェル内に受領された前記サンプルを、毛細管現象により前記サンプル採取デバイスの開放毛細管を経由して前記第2セクションに保持された前記サンプル採取デバイス内に誘導することができる位置に位置づけられている、パッケージングユニット。
【請求項2】
前記サンプル分析スライドを定位置にしっかりと保持するよう設計された、前記第1セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起と、
前記サンプル採取デバイスを定位置にしっかりと保持するよう設計された、前記第2セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起と、
を更に含む、請求項1に記載のパッケージングユニット。
【請求項3】
前記パッケージングユニットが、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、高密度ポリエチレン、耐衝撃性ポリスチレン、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、及びアクリルシートの中の1つ又は2つ以上から選択されるプラスチックで作製されている、請求項2に記載のパッケージングユニット。
【請求項4】
前記第1セクションと前記第2セクションを分離するためのミシン目を更に含む、請求項1に記載のパッケージングユニット。
【請求項5】
分析のために、採取されたサンプルを調製するための、請求項1に記載のパッケージングユニットを使用する方法であって、
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
ピペット又はシリンジ内にサンプルを取得することと、
ピペット又はシリンジ内の前記サンプルの少なくとも一部分を、前記パッケージングユニットの前記熱成形ウェルに移送することにより、移送済みサンプルを取得することと、
前記移送済みサンプルの少なくとも一部を、毛細管作用により前記サンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記パッケージングユニットから取り出すことと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
【請求項6】
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出す前記工程が、前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する前記工程よりも前の任意の時点で実施される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
約1/2ミリリットルのサンプルが、前記ピペット又はシリンジから前記熱成形ウェル内へと移送される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1セクション及び前記第2セクションを分離するためのミシン目を更に含み、かつ、ピペット又はシリンジ内の前記サンプルの少なくとも一部分を前記熱成形ウェルに移送する前記工程よりも前に、前記第1セクション及び前記第2セクションを、前記ミシン目で分離する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
分析のために、採取されたサンプルを調製するための、請求項1に記載のパッケージングユニットを使用する方法であって、
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
前記サンプル採取デバイスを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
サンプルへのアクセスを得ることと、
前記サンプル採取デバイスを、前記サンプルとの流体連通状態に配置することと、
前記サンプルの少なくとも一部を、毛細管作用により前記サンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出す前記工程が、前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する前記工程よりも前の任意の時点で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルが、指先穿刺の血液である、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2015年7月13日出願の米国仮出願第62/191,550号に対する優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は全体に、サンプル採取デバイス及びサンプル分析スライドからなるサンプル分析ユニットの構成要素を保持及び輸送するのに使用されるパッケージングユニットに関するものであり、このサンプル分析ユニットは、ポイント・オブ・ケア診断デバイス、卓上型アナライザーシステム、又はメインフレーム臨床診断アナライザーなどのインビトロ診断アナライザーにおけるサブシステムとして使用することができる。
【発明の背景】
【0003】
過去数十年にわたり、自動化の進んだ臨床診断装置の開発が大幅な進歩を遂げている。当初、手作業の検査手順の領域で、装置をほとんど又は全く必要としないポイント・オブ・ケア検査(例えば、Siemens Medical Solutions Diagnostics DCA 2000(登録商標)HbA1cイムノアッセイカートリッジ)、低スループットの卓上型アナライザー(例えば、Roche DiagnosticsのCobas(登録商標)c 311化学アナライザー)、及び高スループットのメインフレーム臨床化学アナライザー(例えば、Ortho Clinical Diagnostics 5600(登録商標)アナライザー)のために、新しい診断手順が開発されている。
【0004】
アナライザーのスループット速度にかかわらず、現在の臨床診断分析におけるトレンドの1つは、診断装置内で使用するサンプルサイズをより小さくすることである。ところが、例えば血液分析において、かつてはミリリットル単位のサンプルサイズが必要であったが、現在では多くの場合、マイクロリットル単位のサンプルサイズが必要量のすべてである。サンプル採血は多くの場合、静脈穿刺(通常、チューブ当たり約8.5mLの血液で、最大3本のチューブを採取する)から指先穿刺(通常、約35μLの血液を採取する)へと低減することができるようになっており、患者と、そのサンプル採取及び分析を行う人員にとっての利点は顕著である。指先穿刺では更に、検査人員の感染性病原体への曝露を最小限に抑え、また、危険な流出の可能性も最小限に抑えられる可能性を有する。サンプル採取及び分析を行う人員にとっての不都合なことは、特に最初のサンプルが静脈穿刺で採取されたものである場合に、μL単位のサンプル量を取り扱い操作するのに器用さが必要であるという点である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの目的は、製品であるパッケージングユニットを提供することであり、このパッケージングユニットは、μL単位の患者の液体サンプルを、ピペット又はシリンジから、更なる処理のためにサンプル採取デバイスの中へ移送し保持することを支援する。
【0006】
本発明の別の目的は、指先穿刺から得たわずかμL単位の患者サンプルを取得し便利な方法で輸送するための方法を可能にすることである。
【0007】
本発明の更に別の目的は、輸送中にサンプル分析ユニットの構成要素を支持ししっかりと保持するパッケージングユニットを提供し、これにより機械的破損の可能性を最小限に抑えることである。
【0008】
本発明の更なる目的は、サンプル分析ユニットの構成要素を使用する場合に生じる危険な医療廃棄物の量を最小限に抑えることである。
【0009】
本発明の上述及び更なる目的はパッケージングユニットを提供する本発明の一態様により達成され、そのユニットは、サンプル分析スライドを保持するための第1セクションと、サンプル採取デバイスを保持するための第2セクションと、スプラッシュウォールに隣接して第2セクションの底部に形成される熱成形ウェルと、第1セクションと第2セクションの間に形成されるスプラッシュウォールと、第2セクションの底部に形成されかつ熱成形ウェルと流体連通しているオーバーフローリザーバとを含む。
【0010】
本発明の更に別の一態様は、パッケージングユニットを使用して、分析のために、採取されたサンプルを調製する方法を提供し、この方法は、サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出すことと、ピペット又はシリンジ内に大量サンプルを取得することと、ピペット又はシリンジ内の大量サンプルの実質的に1/2ミリリットルを、パッケージングユニットの熱成形ウェルに移送することにより、移送済みサンプルを取得することと、移送済みサンプルの少なくとも一部を、毛細管作用によりサンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、パッケージングユニットから取り出すことと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む。
【0011】
また本発明の更に別の一態様は、パッケージングユニットを使用して、分析のために、採取されたサンプルを調製する方法を提供し、この方法は、サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出すことと、サンプル採取デバイスをパッケージングユニットから取り出すことと、サンプルへのアクセスを得ることと、サンプル採取デバイスを、サンプルとの流体連通状態に配置することと、サンプルの少なくとも一部を、毛細管作用によりサンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む。
【0012】
本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な検討から当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パッケージングユニット101、サンプル分析スライド102及びサンプル採取デバイス103からなる、パッケージされた状態のサンプル分析ユニット100の図である(輸送中にサンプル分析ユニット100を覆う不浸透性のプラスチック及びホイルのラップは図示されていない)。また、サンプル分析スライドセクション104及びサンプル採取デバイスセクション105も図示されている。
図2】サンプル分析ユニット100の3つの主な構成要素を示す図1の分解図であり、すなわち、パッケージングユニット101、サンプル分析スライド102、及びサンプル採取デバイス103を示す。また、トレイ状のパッケージングユニット101の底部に成形された特徴部である熱成形ウェル201、スプラッシュウォール202、及びオーバーフローリザーバ203も図示されている。また、サンプル分析スライドセクション104及びサンプル採取デバイスセクション105も図示されている。
図3】サンプル採取デバイス103(この図には示されていない)を保持するパッケージングユニット101のサンプル採取デバイスセクション105の詳細図であり、中に成形された特徴部、すなわち、熱成形ウェル201、スプラッシュウォール202、及びオーバーフローリザーバ203を示している。
図4】サンプル採取デバイス103が定位置にある状態の、パッケージングユニット101のサンプル採取デバイスセクション105の図である。また、熱成形ウェル201及びスプラッシュウォール202も図示されている。オーバーフローリザーバ203はサンプル採取デバイス103先端の下側にあり、図では見えない。
図5】パッケージングユニット101の側壁内に成形された組立特徴部501及び502を示すパッケージングユニット101の図であり、これによりサンプル分析スライド102とサンプル採取デバイス103の両方が定位置にスナップ嵌めすることができ、これによって、輸送中にこれらの構成要素が動かないようにする。また矢印は、パッケージングユニット101からいったん取り外されたサンプル採取デバイス103を、どのようにして同じくパッケージングユニット101から取り外されたサンプル分析スライド102内へと挿入してスナップ嵌めできるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下に詳述され、図面に示される好ましい実施形態に関して記載されるが、本発明は、以下の特許請求の範囲の境界及び範囲によってのみ制限される。
【0015】
本明細書に記述される、製品であるトレイ状のパッケージングユニット101は、診断検査を受けている患者から採取した患者の液体サンプルの改善された取扱いを可能にする。例示的な患者の体液としては、血液、唾液、脊髄液、精液、膣分泌物、羊水、胆汁、母乳、粘液、汗、涙などが挙げられるがこれらに限定されない。具体的に、この製品は、ピペット及びシリンジ内に収容されている患者の体液の取扱いを改善する。患者から取得されるどのような液体サンプルであっても、血液分析を実施するのに必要な装置の様々な構成要素が、従来方式でパッケージされ、これにより、パッケージされた内容物の滅菌状態が維持され、一定の相対湿度に保持され、輸送中の機械的破損を避けるような方法で支持される。まとめると、本開示のパッケージングユニット101は、従来のパッケージングを改善し、更に、患者から得た液体サンプル(特に静脈穿刺により採取したサンプルの場合)の処理を支援し、また、生成される医療廃棄物の量を最小限に抑える可能性を有している。
【0016】
製品である、トレイ状のパッケージングユニット101の利点としては次の点が挙げられる:(1)破損の可能性を最小限に抑える、サンプル分析スライド102及びサンプル採取デバイス103の輸送のための安定なプラットフォームを提供すること、(2)検査人員が感染性病原体に曝露される可能性と、偶発的流出事故の可能性の両方を最小限に抑えながら、更なる処理のために、患者の液体サンプルをピペット又はシリンジから熱成形ウェル201を介してサンプル採取デバイス103へと移送することを可能にすること、並びに(3)何らかの理由で患者のサンプルが指先穿刺経由で取得される場合は、サンプル採取デバイス103をサンプル分析ユニット100から取り外し、患者のサンプルを直接取得するのに使用することができること。この後者の場合において、サンプル分析スライド102はパッケージングユニット101から取り外すことができ、このパッケージングユニット101は、患者のサンプルで汚染されないため、医療廃棄物ではなくて通常の廃棄物として捨てることができる。もう1つの重要な利点としては、患者のサンプルをピペット又はシリンジからサンプル採取デバイス103などのデバイスに移送することは、手作業のかなりの器用さが必要であり、偶発的な流出の可能性が増大する点である。パッケージングユニット101、特に熱成形ウェル201を使用することで、この可能性が大幅に低減される。
【0017】
開示の製品の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同様の参照番号は、同一の要素を指定するために用いられている。開示の製品の説明において、以下の用語(複数可)が本明細書で使用されている。
【0018】
用語「トレイ」又は「トレイ状」は、丸くなった角を備えた実質的に長方形の形状を有し、上向きの突出部を備えた実質的に平坦な底部を有し、かつ、長方形形状の縁部近くに上向きに突出する側壁を有する構造物を指す。
【0019】
用語「パッケージングユニット」は、プラスチックで作製されたトレイ又はトレイ状の構造を有し、圧力及び熱を用いて熱成形されて最終形状になった、製品を指す。
【0020】
用語「サンプル分析スライド」は、サンプル採取デバイスから得た患者のサンプルを投入し、そのサンプルを特定の分析物に関して検査する、ラテラルフロー技術を用いる診断分析デバイスを指す。光学密度又は色の変化により、サンプル分析スライドの反応を、光学的手段を用いて読み取ることができる。
【0021】
用語「サンプル採取デバイス」は、毛細管作用を使用して患者サンプルを直接取得する(例えば、指先穿刺から血液を取得する)デバイスを指し、あるいは、パッケージングユニットに取り付けられたままの状態で、ピペット又はシリンジから間接的に、サンプルの一部を熱成形ウェルに入れるデバイスを指す。
【0022】
用語「サンプル分析ユニット」は、最初にパッケージされ出荷される、パッケージングユニット、サンプル分析スライド及びサンプル採取デバイスの組み合わせを指す。
【0023】
用語「プラスチック」は、熱成形を用いて製品を製造するのに使用される、一般用途のポリマーの1つを指し、これには、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、高密度ポリエチレン、耐衝撃性ポリスチレン、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、及びアクリルシートなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0024】
図1は組立てられたサンプル分析ユニット100を示し、トレイ状のパッケージングユニット101は、スナップ嵌めされたサンプル分析スライド102及びサンプル採取デバイス103を保持する。このサンプル分析ユニット100は更に、輸送中にプラスチックとホイルの組み合わせ包装(図示なし)内に入れられており、密閉された空気の湿度を制御する。サンプル分析スライド102は、患者のサンプルをサンプル採取デバイス103から受け取り、かつ1つ又は2つ以上の標的分析物に関して診断検査を実行することが可能な、ラテラルフローデバイスである。典型的に、これらの検査は、自宅検査、ポイント・オブ・ケア検査、又は検査室用途のいずれかの、医療診断に使用される。広く普及しよく知られている用途は、自宅での妊娠検査である。
【0025】
図2図1の分解図であり、パッケージングユニット101から取り出されたサンプル分析スライド102及びサンプル採取デバイス103を示す。更に、パッケージングユニット101内に成形されている特徴部も示されており、これには熱成形ウェル201、スプラッシュウォール202及びオーバーフローリザーバ203が含まれる。サンプル採取デバイス103は、安定した二部分からなるユニットを形成するために、サンプル分析スライド102内にフィットする(スライドする)よう設計されており、これによって、臨床診断アナライザーにより必要とされたときに、患者のサンプル(サンプル採取デバイス103内に含まれている)を当該サンプル分析スライド102へと送達して、分析評価を実施することができることに注意されたい。
【0026】
図3は、パッケージングユニット101のサンプル採取デバイスセクション105の詳細図である。この図は、トレイ状のパッケージングユニット101の底部に熱成形された、熱成形ウェル201、スプラッシュウォール202及びオーバーフローリザーバ203を示す。オーバーフローリザーバ203は、パッケージされた構成のときは、サンプル採取デバイス103の下に隠れている。
【0027】
図4は、パッケージングユニット101のサンプル採取デバイスセクション105の別の詳細図であり、今回は、スナップ嵌めされてパッケージされた構成の、サンプル採取デバイス103を示す。また、熱成形ウェル201及びスプラッシュウォール202も図示されている。サンプル採取デバイス103の先端は、熱成形ウェル201内に配置されたあらゆる液体と流体連通していることに注意されたい。サンプル採取デバイス103の先端は、一定容積の開放毛細管の端を支持しており、これによって、熱成形ウェル201内に配置された既知かつ一定量の流体が、サンプル採取デバイス103内へと誘導される。スプラッシュウォール202は、スプラッシュウォール202の側面で、サンプル分析スライド102内又はその上に患者サンプルを不注意に分配するのを防ぐために配置される。オーバーフローリザーバ203(サンプル採取デバイス103の下に隠れている)も、熱成形ウェル201内に配置されたあらゆるサンプルと流体連通しており、熱成形ウェル201内に配置され得る過剰な患者サンプルを受け入れる役目をする。
【0028】
図5は、サンプル分析ユニット100の構成要素の図であり、3つの主な構成要素、すなわち、パッケージングユニット101、サンプル分析スライド102、及びサンプル採取デバイス103を示す。また、トレイ状のパッケージングユニット101の側壁内に成形されたスナップ嵌め特徴部501及び502が注目され、これらによって、サンプル分析スライド102とサンプル採取デバイス103がそれぞれ定位置にスナップ嵌めされ、輸送中にしっかりと固定して保持される。この図中の矢印はまた、患者のサンプルを取得した後に、サンプル採取デバイス103をどのようにしてサンプル分析スライド102内にスライドさせることができるかを示し、サンプル分析スライドは更に、サンプル採取デバイス103をサンプル分析スライド102内にスナップ嵌めするための特徴部(図示なし)を有しており、これによって、二部分からなるユニットを形成して、臨床診断アナライザーに組み込まれ、更なる処理及び分析評価読み取りが行われる。
【0029】
好ましい一実施形態において、パッケージングユニット101のサンプル採取セクション105は、ミシン目(図示なし)によりサンプル分析スライドセクションから分離することができる。この特徴部により、サンプル分析スライド102と採取デバイス103をパッケージングユニット101から取り出して分離する。患者サンプルで汚染されるのはサンプル採取セクション105のみであるため、このことは医療廃棄物を減らす利点となる。
【実施例】
【0030】
実施例1−指先穿刺のサンプル源
本実施例では、患者の血液サンプルが指先穿刺で取得される。指先穿刺では、鋭利な器具又はランセットを使用して、指の先端に小さな傷をつける。サンプル採取の人員は、あらかじめプラスチックとホイルの包装をサンプル分析ユニット100から除去し、次に、サンプル分析スライド102とサンプル採取デバイス103の両方をパッケージングユニット101から取り外す。傷をつけた後、多くの場合は患者の指を絞って、指先に1滴の血液を出させる。次にサンプル採取デバイス103の先端を血液の滴に当てると、毛細管作用によりサンプル採取デバイス103が、一定量の患者サンプルを吸い上げる。次にサンプル採取デバイス103を、サンプル分析スライド102の右端に挿入し、定位置にスナップ嵌めする。このスライドとチップの二部分からなるユニットは、患者サンプルの漏れを防ぎ、これによって危険な医療廃棄物の流出の可能性を低減し、また、更なる処理のために、組み合わせユニットで臨床診断アナライザーのプロセッサー読み取り装置まで輸送することが可能になる。この組み合わせユニットを臨床診断アナライザーのプロセッサー読み取り装置に挿入すると、処理プロトコルにより空気圧を使って患者サンプルがサンプル採取デバイス103からサンプル分析スライド102内へと移動される。臨床診断アナライザーのプロセッサー読み取り装置内での更なる処理により、光学密度又は色の変化が生じ、これを光学的に読み取ることにより、分析評価結果が得られる。メインフレーム臨床診断分析におけるラテラルフロースライドデバイスの一般的な議論は、同時係属中の表題が「Lateral Flow Assay Devices for Use in Clinical Diagnostic Apparatus and Configuration of Clinical Diagnostic Apparatus for Same」の米国特許出願公開第20130330713A1号(Jakubowicz、Bower、Dambra、Ding、Robinson、Ryan及びTomassoによる)に開示されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。本実施例において、パッケージングユニット101とプラスチック及びホイルの包装は一般廃棄物として捨てることができるが、組み合わせユニットは危険な医療廃棄物として捨てなければならない。
【0031】
実施例2−ピペット又はシリンジのサンプル源
本実施例では、患者サンプルは静脈穿刺によりすでに取得されたものが利用でき、このサンプルは現在ピペット又はシリンジ内にある。上記の実施例1とは異なり、サンプル採取の人員は、あらかじめプラスチックとホイルの包装をサンプル分析ユニット100から除去し、しかしながら次に、サンプル分析スライド102だけをパッケージングユニット101から取り出す。サンプル採取デバイス103はパッケージングユニット101内に残ったままである。
【0032】
ピペット又はシリンジが10mL以上の患者サンプルを収容していると仮定すると、ピペット又はシリンジの先端に約35μLの滴を形成するには、手作業のかなりの器用さが必要であり、これに応じて、危険な医療廃棄物の流出の可能性が増大する。この厄介な手順をなくすために、サンプル採取デバイス103がまだパッケージングユニット101内に組み込まれた状態で、ある程度多量の患者サンプル(例えば0.1〜0.2mL程度)を、パッケージングユニット101の熱成形ウェル201に分注するのは比較的簡単な操作である。サンプル採取デバイス103の先端は、熱成形ウェル201内に入れられた液体と流体連通しているため、一定量の患者サンプルが毛細管作用によりサンプル採取デバイス103内へと誘導される。熱成形ウェル201内に配置された過剰な患者サンプルは、オーバーフローリザーバ203により受け入れられる。患者サンプルを含むサンプル採取デバイス103は、ここでパッケージングユニット101から取り外され、サンプル分析スライド102に挿入され、定位置にスナップ嵌めされる。ここで、上記の実施例1と同様に処理を続けるが、ただし、パッケージングユニット101は医療廃棄物として捨てなければならない。
【0033】
追加の実施形態
1.サンプル分析スライドを保持するための第1セクションと、サンプル採取デバイスを保持するための第2セクションと、スプラッシュウォールに隣接して第2セクションの底部に形成される熱成形ウェルと、当該第1セクションと当該第2セクションの間に形成される当該スプラッシュウォールと、第2セクションの当該底部に形成されかつ当該熱成形ウェルと流体連通しているオーバーフローリザーバとを含む、パッケージングユニット。
2.当該サンプル分析スライドを定位置にしっかりと保持するよう設計された、第1セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起と、当該サンプル採取デバイスを定位置にしっかりと保持するよう設計された、第2セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起とを更に含む、実施形態1に開示のパッケージングユニット。
3.パッケージングユニットが、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、高密度ポリエチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、及びアクリルシートの中の1つから選択されるプラスチックで作製される、実施形態2に開示のパッケージングユニット。
4.第1セクションと第2セクションを分離するためのミシン目を更に含む、実施形態1に開示のパッケージングユニット。
5.分析のために、採取されたサンプルを調製するための、実施形態1に開示のパッケージングユニットを使用する方法であって、サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出すことと、ピペット又はシリンジ内にサンプルを取得することと、ピペット又はシリンジ内の当該サンプルの少なくとも一部分を、当該パッケージングユニットの熱成形ウェルに移送することにより、移送済みサンプルを取得することと、当該移送済みサンプルの少なくとも一部を、毛細管作用によりサンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、パッケージングユニットから取り出すことと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
6.サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出す工程が、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する工程よりも前の任意の時点である、実施形態5に開示の方法。
7.約1/2ミリリットルのサンプルが、ピペット又はシリンジから熱成形ウェルへと移送される、実施形態5に開示の方法。
8.第1セクション及び第2セクションを分離するためのミシン目を更に含み、かつ、ピペット又はシリンジ内の当該サンプルの少なくとも一部分を、熱成形ウェルに移送する工程よりも前に、当該第1セクション及び第2セクションをミシン目で分離する、実施形態5に開示の方法。
9.分析のために、採取されたサンプルを調製するための、実施形態1に開示のパッケージングユニットを使用する方法であって、サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出すことと、サンプル採取デバイスをパッケージングユニットから取り出すことと、サンプルへのアクセスを得ることと、サンプル採取デバイスを、サンプルとの流体連通状態に配置することと、当該サンプルの少なくとも一部を、毛細管作用によりサンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
10.サンプル分析スライドをパッケージングユニットから取り出す工程が、採取されたサンプルを含むサンプル採取デバイスを、サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する工程よりも前の任意の時点である、実施形態8に開示の方法。
11.サンプルが、指先穿刺の血液である、実施形態8に開示の方法。
【0034】
当業者には、本明細書に開示される製品に様々な修正及び変形がなされ得ることが明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許範囲及びそれらの等価物の範囲内で提供される、そのような修正及び変形を扱うことを意図する。
【0035】
上記で引用したすべての刊行物の開示は、それぞれが別個に参照として組み込まれているかのように同程度に、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0036】
〔実施の態様〕
(1) サンプル分析スライドを保持するための第1セクションと、
サンプル採取デバイスを保持するための第2セクションと、
スプラッシュウォールに隣接して前記第2セクションの底部に形成される熱成形ウェルと、
前記第1セクションと前記第2セクションの間に形成される前記スプラッシュウォールと、
前記第2セクションの前記底部に形成されかつ前記熱成形ウェルと流体連通しているオーバーフローリザーバと、
を含む、パッケージングユニット。
(2) 前記サンプル分析スライドを定位置にしっかりと保持するよう設計された、前記第1セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起と、
前記サンプル採取デバイスを定位置にしっかりと保持するよう設計された、前記第2セクションの側壁内に形成された少なくとも1つのスナップ嵌め突起と、
を更に含む、実施態様1に記載のパッケージングユニット。
(3) 前記パッケージングユニットが、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、高密度ポリエチレン、耐衝撃性ポリスチレン、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、及びアクリルシートの中の1つ又は2つ以上から選択されるプラスチックで作製されている、実施態様2に記載のパッケージングユニット。
(4) 前記第1セクションと前記第2セクションを分離するためのミシン目を更に含む、実施態様1に記載のパッケージングユニット。
(5) 分析のために、採取されたサンプルを調製するための、実施態様1に記載のパッケージングユニットを使用する方法であって、
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
ピペット又はシリンジ内にサンプルを取得することと、
ピペット又はシリンジ内の前記サンプルの少なくとも一部分を、前記パッケージングユニットの前記熱成形ウェルに移送することにより、移送済みサンプルを取得することと、
前記移送済みサンプルの少なくとも一部を、毛細管作用により前記サンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記パッケージングユニットから取り出すことと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
【0037】
(6) 前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出す前記工程が、前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する前記工程よりも前の任意の時点である、実施態様5に記載の方法。
(7) 約1/2ミリリットルのサンプルが、前記ピペット又はシリンジから前記熱成形ウェル内へと移送される、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記第1セクション及び前記第2セクション(the first and section)を分離するためのミシン目を更に含み、かつ、ピペット又はシリンジ内の前記サンプルの少なくとも一部分を前記熱成形ウェルに移送する前記工程よりも前に、前記第1セクション及び前記第2セクションを、前記ミシン目で分離する、実施態様5に記載の方法。
(9) 分析のために、採取されたサンプルを調製するための、実施態様1に記載のパッケージングユニットを使用する方法であって、
前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
前記サンプル採取デバイスを前記パッケージングユニットから取り出すことと、
サンプルへのアクセスを得ることと、
前記サンプル採取デバイスを、前記サンプルとの流体連通状態に配置することと、
前記サンプルの少なくとも一部を、毛細管作用により前記サンプル採取デバイス内に取り込むため、適切な時間をおくことにより、採取されたサンプルを取得することと、
前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成することと、を含む、方法。
(10) 前記サンプル分析スライドを前記パッケージングユニットから取り出す前記工程が、前記採取されたサンプルを含む前記サンプル採取デバイスを、前記サンプル分析スライド内へとスライドさせることにより、更なる分析のために好適な組み合わせユニットを形成する前記工程よりも前の任意の時点である、実施態様8に記載の方法。
【0038】
(11) 前記サンプルが、指先穿刺の血液である、実施態様8に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5