(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707639
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】車輪反転機構及びカートフレーム
(51)【国際特許分類】
B60B 33/06 20060101AFI20200601BHJP
B62B 7/06 20060101ALI20200601BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
B60B33/06 B
B62B7/06
B62B3/02 B
B62B3/02 G
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-526743(P2018-526743)
(86)(22)【出願日】2018年3月13日
(65)【公表番号】特表2019-528205(P2019-528205A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】CN2018078890
(87)【国際公開番号】WO2019019659
(87)【国際公開日】20190131
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】201710607700.0
(32)【優先日】2017年7月24日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201720902885.3
(32)【優先日】2017年7月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518176231
【氏名又は名称】上海宝糖科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Baotung Tech. Co.,Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 叔▲銘▼
【審査官】
鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−049945(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第03190026(EP,A1)
【文献】
米国特許第08544871(US,B1)
【文献】
特開2017−81436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/06
B62B 3/02
B62B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポーターと、車輪コンポーネントと、前記サポーターの内部に設けられる連動コンポーネントと、を含み、
前記連動コンポーネントは、前記車輪コンポーネントに係合するためのインターロック機構と、アクチュエーターと、を備え、
前記車輪コンポーネントは、車輪コンタクターと、前記車輪コンタクターに接続される車輪と、を備え、
前記車輪コンタクターは、前記サポーターの下端部に回動可能に接続され、
前記アクチュエーターは、前記車輪コンタクターに接続され、
前記インターロック機構は、前記車輪コンタクターをロックし、
前記連動コンポーネントは、外力の作用により前記インターロック機構が前記車輪コンタクターをアンロックさせた後、前記アクチュエーターによって前記車輪コンタクターを前記サポーターに対して回動させ、
前記インターロック機構は、
上部ラックと、
下部ラックと、
前記上部ラック及び前記下部ラックのそれぞれに噛み合う歯車と、
前記サポーターの内部に設けられる固定用部材と、を含み、
前記下部ラックの下端部には、前記車輪コンタクターに係合してロックされるロック部材が設けられ、
前記上部ラック、前記下部ラック及び前記歯車は、前記固定用部材の内部に装着され、
前記歯車は、軸ピンにより前記固定用部材の内部に回動可能に接続される
ことを特徴とする車輪反転機構。
【請求項2】
前記インターロック機構は、
リンクと、
一端部が前記リンクの下端部に接続される伝動レバーと、
前記伝動レバーの他端部に接続されるロック部材と、を含み、
前記ロック部材は、前記リンクと前記伝動レバーとの接続によって、その移動方向が前記リンクの運動方向とは逆にされ、
前記ロック部材は、サポーターの軸方向に沿って移動することによって、前記車輪コンタクターにロックされたり、前記車輪コンタクターの内部から移出しアンロックされたりする
ことを特徴とする請求項1に記載の車輪反転機構。
【請求項3】
前記アクチュエーターは、揺動レバーであり、
前記揺動レバーの下端部は、前記車輪コンタクターに接続され、
前記インターロック機構の上端部は、前記サポーターの軸方向において、前記アクチュエーターの自由端部に対向して設置され、且つ前記サポーターの下端部から離れており、
前記インターロック機構と前記アクチュエーターとの差の値は、軸方向において前記ロック部材のサイズ以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪反転機構。
【請求項4】
前記アクチュエーターは、
牽引ロープと、
前記車輪コンタクターと前記サポーターとの間に接続されるトーションバネと、を含み、
前記牽引ロープの下端部は、前記車輪コンタクターに接続され、
前記車輪コンタクターは、前記トーションバネの作用により前記サポーターに対して反転し、
前記車輪コンタクターは、前記牽引ロープの引張力により使用状態に転換される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪反転機構。
【請求項5】
前記アクチュエーターは、作動ラックであり、
前記車輪コンタクターの端部には、前記作動ラックに噛み合う歯車が設置され、
前記作動ラックは、外力の作用により前記サポーターの軸方向に沿って移動することで、前記車輪コンタクターを前記サポーターと接続する軸方向の周りに回動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪反転機構。
【請求項6】
前記車輪コンタクターは、
トランスファー部材と、
輪座と、
前記トランスファー部材と前記輪座との間に設置されるダンピングスプリングと、を含み、
前記トランスファー部材は、前記サポーターに接続するための第1の軸孔と、前記輪座に接続するための第2の軸孔と、を含み、
前記輪座は、前記第2の軸孔に係合して接続される軸接続部と、前記車輪に接続するための第3の軸孔と、を含み、
前記第2の軸孔の軸方向と前記第3の軸孔の軸方向とは、同一方向であり、
前記第1の軸孔の軸方向と前記第2の軸孔の軸方向とは、互いに垂直である
ことを特徴とする請求項1に記載の車輪反転機構。
【請求項7】
前記車輪は、前記サポーターに対して−180°〜180°の範囲内で回動する
ことを特徴とする請求項6に記載の車輪反転機構。
【請求項8】
フレーム本体と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車輪反転機構と、を含み、
前記車輪反転機構は、前記フレーム本体に設けられ、
前記車輪反転機構の車輪コンポーネントは、前記連動コンポーネントの作用により前記フレーム本体に対して回動する
ことを特徴とするカートフレーム。
【請求項9】
前記車輪コンポーネントの車輪は、前記連動コンポーネントの作用により前記フレーム本体の内側に対して反転し、
前記車輪コンポーネントは、前記フレーム本体に対して回動する角度は0°〜90°であり、
前記車輪コンポーネントが前記フレーム本体に対して折り返した後、前記フレーム本体の幅が前記カートフレームの最大の幅である
ことを特徴とする請求項8に記載のカートフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号がCN201710607700.0及びCN201720902885.3であって、出願日が2017年07月24日である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【0002】
本発明は、カート技術分野に関し、特に、簡便に折り畳むことができる車輪反転機構及びカートフレームに関する。
【背景技術】
【0003】
カートは、人々の生活において広く使用されており、人々の搬送や外出に大きなコンビニエンスを与えるものである。従来の技術において、多くのカートは、車輪がいずれも折り畳むことができないので、カートを収納する際、大きな空間を占めている。部分的なカートは、車輪が折り畳むことができる機能を有しているが、一般的には、人によって手動で折り畳むので、その折り畳み方法が相対的に複雑であり、ユーザの操作が難しくなる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題点を解決するため、本発明は、簡便に折り畳むことができる車輪反転機構及びカートフレームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、車輪反転機構が提供され、前記車輪反転機構は、
サポーターと、車輪コンポーネントと、前記サポーターの内部に設けられる連動コンポーネントと、を含み、前記連動コンポーネントは、前記車輪コンポーネントに係合するためのインターロック機構と、アクチュエーターと、を備え、前記車輪コンポーネントは、車輪コンタクターと、前記車輪コンタクターに接続される車輪と、を備え、
前記車輪コンタクターは、前記サポーターの下端部に回動可能に接続され、前記アクチュエーターは、前記車輪コンタクターに接続され、前記インターロック機構は、前記車輪コンタクターをロックし、
前記連動コンポーネントは、外力の作用により前記インターロック機構が前記車輪コンタクターをアンロックさせた後、前記アクチュエーターによって前記車輪コンタクターを前記サポーターに対して回動させる。
【0006】
さらに、本発明に係る車輪反転機構によると、前記インターロック機構は、上部ラックと、下部ラックと、前記上部ラック及び前記下部ラックのそれぞれに噛み合う歯車と、前記サポーターの内部に設けられる固定用部材と、を含み、前記下部ラックの下端部には、前記車輪コンタクターに係合してロックされるロック部材が設けられ、
前記上部ラック、前記下部ラック及び前記歯車は、前記固定用部材の内部に装着され、前記歯車は、軸ピンにより前記固定用部材の内部に回動可能に接続される。
【0007】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記インターロック機構は、リンクと、一端部が前記リンクの下端部に接続される伝動レバーと、前記伝動レバーの他端部に接続されるロック部材と、を含み、前記ロック部材は、前記リンクと前記伝動レバーとの接続によって前記リンクの運動方向とは逆にされ、前記ロック部材は、サポーターの軸方向に沿って移動することによって、前記車輪コンタクターにロックされたり、前記車輪コンタクターの内部から移出しアンロックされたりする。
【0008】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記アクチュエーターは、揺動レバーであり、前記揺動レバーの下端部は、前記車輪コンタクターに接続され、前記インターロック機構の上端部は、前記サポーターの軸方向において、前記アクチュエーターの自由端部よりも前記サポーターの下端部から離れており、前記インターロック機構と前記アクチュエーターとの差の値は、前記ロック部材のサイズより以上である。
【0009】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記アクチュエーターは、牽引ロープと、車輪コンタクターとサポーターとの間に接続されるトーションバネと、を含み、前記牽引ロープの下端部は、前記車輪コンタクターに接続され、前記車輪コンタクターは、前記トーションバネの作用により前記サポーターに対して反転し、前記車輪コンタクターは、前記牽引ロープの引張力により使用状態に転換される。
【0010】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記アクチュエーターは、作動ラックであり、前記車輪コンタクターの端部には、前記作動ラックに噛み合う歯車が設置され、前記作動ラックは、外力の作用により前記サポーターの軸方向に沿って移動することで、前記車輪コンタクターを前記サポーターと接続する軸方向の周りに回動させる。
【0011】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記車輪コンタクターは、トランスファー部材と、輪座と、前記トランスファー部材と前記輪座との間に設置されたダンピングスプリングと、を含み、前記トランスファー部材は、前記サポーターに接続するための第1の軸孔と、前記輪座に接続するための第2の軸孔と、含み、前記輪座は、前記第2の軸孔に係合して接続される軸接続部と、前記車輪に接続するための第3の軸孔と、を備え、
前記第2の軸孔の軸方向と前記第3の軸孔の軸方向とは、同一方向であり、前記第1の軸孔の軸方向と前記第2の軸孔の軸方向とは、互いに垂直である。
【0012】
本発明に係る車輪反転機構によると、前記車輪は、前記サポーターに対して-180°〜180°の範囲内で回動する。
【0013】
本発明の第2の態様によると、カートフレームが提供され、前記カートフレームは、フレーム本体と、上記のいずれかに記載の車輪反転機構と、を含み、前記車輪反転機構は、前記フレーム本体に設けられており、
前記車輪反転機構の車輪コンポーネントは、前記連動コンポーネントの作用により前記フレーム本体に対して回動する。
【0014】
本発明のカートフレームによると、前記車輪コンポーネントの車輪は、前記連動コンポーネントの作用により前記フレーム本体の内側に向いて反転し、前記フレーム本体は、前記車輪コンポーネントに対して回動する角度は0°〜90°であり、前記車輪コンポーネントが前記フレーム本体に対して折り返した後、前記フレーム本体の幅が前記カートフレームの最大の幅である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例が提供する技術方案によれば、下記のような技術効果を奏することができる。
【0016】
本発明に係る車輪反転機構は、インターロック機構がアンロックを完了させた後、アクチュエーターにより車輪コンポーネントの反転が実現され、連動コンポーネントによりカートフレームが折り畳むと同時に反転することができるので、車輪コンポーネントをさらに簡便に折り畳むことができ、且つ、折り畳んだ後に占められる空間を小さくさせることができる。
【0017】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本発明はこれに対し限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の使用状態を示す構成模式図である。
【
図2】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の反転状態を示す構成模式図である。
【
図3】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の部分的な分解模式図である。
【
図4】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の部分的な分解模式図である。
【
図5】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の部分的な分解模式図である。
【
図6】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の部分的な分解模式図である。
【
図7】本発明の一例示的な実施例に係る車輪反転機構の部分的な分解模式図である。
【
図8】本発明の一例示的な実施例に係るカートフレームを示す構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に示した具体的な実施例を参照しながら、本発明を詳しく説明する。但し、これらの実施例は本発明を限定するものではないが、当業者がこれらの実施例に基づいて成した構成、方法、或いは機能上での置換えは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものである。
【0020】
本発明に記載される用語は、特定な実施例を説明する目的で使用されるものであり、本発明を限定するものではない。本発明及び添付される請求の範囲に記載される単数形式の「1種類」、「前記」及び「当該」は、前後の文章においてそれぞれ他の意味を含むと明確に記載される以外には、複数の形式も含む。なお、本発明に記載の「及び/又は」は、挙げられる事項の1つ又は複数の何れ又は全ての組み合わせを意味する。
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明におけるいくつかの実施例を詳しく説明するが、後述する実施例及び実施例における技術特徴は、コンフリクトしない限り互いに組み合わせることができる。
【0022】
本発明の実施例に係る車輪反転機構100は、
図1〜
図3に示すように、いかなるカートフレームに用いられることができるので、カートフレームを簡便に折り畳むことができる。当該車輪反転機構100は、サポーター1と、車輪コンポーネント2と、サポーター1の内部に設けられる連動コンポーネントと、を含む。サポーター1の内部には、連動コンポーネントを収容するための収容通路が設けられている。連動コンポーネントは、外力の作用を受けると、車輪コンポーネント2と連動して車輪コンポーネント2を折り畳むことができるので、その折り畳み方法が相対的に簡単であり、そして、操作の手順が簡略化される。本発明において、当該サポーター1は、カートフレームにおける前方のサポーター1であっても良いし、後方のサポーター1であっても良い。これに対して、車輪コンポーネント2は、前輪コンポーネントであっても良いし、後輪コンポーネントであっても良い。
【0023】
当該連動コンポーネントは、車輪コンポーネント2に係合するためのインターロック機構と、アクチュエーター4と、を備える。インターロック機構は、外力の作用により車輪コンポーネント2からアンロックされたり、車輪コンポーネント2にロックされたりすることで、車輪コンポーネント2の折り畳みやロックを実現することができる。車輪コンポーネント2は、車輪コンタクター21と、上記車輪コンタクター21に接続される車輪22と、を備える。車輪コンタクター21は、サポーター1の下端部に回動可能に接続されている。アクチュエーター4は、車輪コンタクター21に接続されている。アクチュエーター4は、外力の作用により車輪コンタクター21にその力を付勢することで、車輪コンタクター21をサポーター1に対して回動させることができるので、車輪コンポーネント2の折り畳みを実現することができる。本発明におけるインターロック機構は、車輪コンタクター21をロックすることができる。連動コンポーネントは、車輪コンポーネント2を折り返す際、外力の作用によりインターロック機構が車輪コンタクター21をアンロックさせた後、アクチュエーター4によって、車輪コンタクター21をサポーター1に対して回動させる。
【0024】
ここで、車輪22は、サポーター1に対して-180°〜180°の範囲内で回動できる。当該車輪22は、実際の使用においては、カートフレームの内側に向いて反転したり、その外側に向いて反転したりすることができる。もちろん、当該車輪22は、カートフレームの前輪又は後輪に対する方向に向いて反転することもできる。具体的には、それは、アクチュエーター4の車輪コンタクター21に接続される偏心位置によって確定される。
【0025】
さらに、車輪コンタクター21は、トランスファー部材211と、輪座212と、上記トランスファー部材211と上記輪座212との間に設置されたダンピングスプリング213と、を含む。当該ダンピングスプリング213を設置することで、カートの走行中でカートの内部から生成する振動を減衰することに有利となる。好ましくは、トランスファー部材211又は輪座212には、位置規制用ボス(図示せず)が設けられ、ダンピングスプリング213を当該位置規制用ボスに被せることによって、ダンピングスプリング213をトランスファー部材211と輪座212との間に容易に設置することができる。また、当該位置規制用ボスは、さらに、ダンピングスプリング213の圧縮距離を制限することによって、ダンピングスプリング213の使用寿命を向上させることができる。
【0026】
トランスファー部材211は、サポーター1に接続するための第1の軸孔2111と、輪座212に接続するための第2の軸孔2112と、を含む。輪座212は、第2の軸孔2112に係合して接続される軸接続部2121と、車輪22に接続される第3の軸孔2122と、を含む。ここで、第2の軸孔2112の軸方向と第3の軸孔2122的軸方向とは、同一方向であり、第1の軸孔2111の軸方向と第2の軸孔2112の軸方向とは、互いに垂直である。以上のように設置することによって、車輪22が異なる調節方向を有するようにさせる。
【0027】
本発明の実施例において、アクチュエーター4は、トランスファー部材211との接続位置が異なることによって、車輪22が異なる方向に向いて回動できるように制御することができる。具体的には、アクチュエーター4は、アクチュエーター4が第1の軸孔2111に対する外側に接続された場合、車輪コンタクター21に付勢される推力によって車輪コンタクター21をカートフレームの内側に向いて回動させることができ、また、アクチュエーター4は、車輪コンタクター21に付勢される引張力によって車輪コンタクター21をカートフレームの外側に向いて回動させることができる。アクチュエーター4は、アクチュエーター4が第1の軸孔2111に対する内側に接続された場合、車輪コンタクター21に付勢される推力によって車輪コンタクター21をカートフレームの外側に向いて回動させることができる。また、アクチュエーター4は、車輪コンタクター21に付勢される引張力によって車輪コンタクター21をカートフレームの内側に向いて回動させることができる。
【0028】
一つの好ましい実施例において、
図1〜
図3に示すように、インターロック機構は、上部ラック31と、下部ラック32と、上記上部ラック31及び上記下部ラック32のそれぞれに噛み合う歯車33と、上記サポーター1の内部に設けられる固定用部材34と、を含む。下部ラック32の下端部には、車輪コンタクター21に係合してロックされるロック部材35が設けられている。ここで、上部ラック31、下部ラック32及び歯車33は、固定用部材34の内部に装着されている。歯車33は、軸ピンにより固定用部材34の内部に回動可能に接続される。上部ラック31及び下部ラック32は、固定用部材34の内部で移動可能に装着されている。また、当該上部ラック31および下部ラック32の上端部には、さらに、復帰バネ36が設置されている。当該復帰バネ36が固定用部材34の内部に装着されるので、車輪コンポーネント2が反転されている状態から使用状態に切換えることに有利となり、ユーザの操作の手順がさらに簡略化される。
【0029】
本実施例において、アクチュエーター4は、揺動レバーである。当該揺動レバーの下端部は、車輪コンタクター21に接続される。インターロック機構の上端部は、サポーター1の軸方向において、アクチュエーター4の自由端部よりもサポーター1の下端部から離れている。このように設置することによりカートを折り畳む際、まず、サポーター1の軸力をインターロック機構に付勢することによってインターロック機構をアンロックさせる。その後、アクチュエーター4に付勢することで、アクチュエーター4が車輪コンポーネント2を反転させるようになる。ここで、インターロック機構とアクチュエーター4との差の値は、ロック部材35のサイズ以上である。このようにして、インターロック機構がアンロックされた後、アクチュエーター4が車輪コンポーネント2と連動して車輪コンポーネント2を反転させることを確保することができる。ここで、ロック部材は、ロックピン、ロックタング、ロックピース及びロックフック等であっても良い。
【0030】
好ましくは、アクチュエーター4は、牽引ロープと、車輪コンタクター21とサポーター1との間に接続されるトーションバネと、を含む。牽引ロープの下端部は、車輪コンタクター21に接続されている。ここで、車輪コンタクター21は、トーションバネの作用によりサポーター1に対して反転する。また、車輪コンタクター21は、牽引ロープの引張力により使用状態に転換される。使用においては、予めサポーター1の軸力をインターロック機構に付勢することによって、インターロック機構は、車輪コンタクター21をアンロックさせる。その後、車輪コンタクター21は、トーションバネの作用によりサポーター1に対して反転する。当該車輪コンポーネント2を使用しようとする際、外力で当該牽引ロープを引っ張って車輪コンポーネント2を反転させることによって使用状態に転換される。その後、車輪コンタクター21は、インターロック機構によりロックされる。
【0031】
また、当該アクチュエーター4は、作動ラックであっても良い。車輪コンタクター21の一端部には、作動ラックに噛み合う歯車が設置されている。ここで、作動ラックは、外力の作用によりサポーター1の軸方向に沿って移動することができる。作動ラックは、車輪コンタクター21の歯車を連動させることによって、車輪コンタクター21をサポーター1と接続する軸方向の周りに回動させる。使用においては、予めサポーター1の軸力をインターロック機構に付勢することによって、インターロック機構は、車輪コンタクター21をアンロックさせる。その後、サポーター1の軸力を作動ラックに付勢することによって、作動ラックは車輪コンタクター21を連動させ車輪コンタクター21を反転させることにより車輪コンポーネント2の反転が実現される。
【0032】
他の一つの好ましい実施例において、
図1、
図2及び
図4に示すように、インターロック機構は、リンク37と、一端部がリンク37の下端部に接続される伝動レバー38と、伝動レバー38の他端部に接続されるロック部材39と、を含む。ここで、ロック部材39は、リンク37と伝動レバー38との接続によってリンク37の運動方向とは逆にされる。ロック部材39は、サポーター1の軸方向に沿って移動することによって、車輪コンタクター21にロックされたり、車輪コンタクター21の内部から移出しアンロックされたりすることになる。アクチュエーター4は、牽引ロープ41と、車輪コンタクター21とサポーター1との間に接続されるトーションバネ42と、を含む。牽引ロープ41の下端部は、車輪コンタクター21に接続される。ここで、車輪コンタクター21は、トーションバネ42の作用によりサポーター1に対して反転する。また、車輪コンタクター21は、牽引ロープ41の引張力により使用状態に転換される。使用においては、予めサポーター1の軸力をインターロック機構に付勢するとことによって、インターロック機構は、車輪コンタクター21をアンロックさせる。その後、車輪コンタクター21は、トーションバネ42の作用によりサポーター1に対して反転する。ユーザは、当該車輪コンポーネント2を使用しようとする際、当該牽引ロープ41を引っ張って車輪コンポーネント2を反転させることによって使用状態に転換される。その後、車輪コンタクター21は、インターロック機構によりロックされる。
【0033】
他の一つの好ましい実施例において、
図1、
図2及び
図5に示すように、インターロック機構は、リンク37と、一端部がリンク37の下端部に接続される伝動レバー38と、伝動レバー38の他端部に接続されるロック部材39と、を含む。ここで、ロック部材39は、リンク37と伝動レバー38との接続によって、リンク37の運動方向とは逆にされる。ロック部材39は、サポーター1の軸方向に沿って移動することによって、車輪コンタクター21にロックされたり、車輪コンタクター21の内部から移出しアンロックされたりすることになる。当該アクチュエーター4は、作動ラックであっても良い。車輪コンタクター21の端部には、作動ラックに噛み合う歯車が設置されている。ここで、作動ラックは、外力の作用によりサポーター1の軸方向に沿って移動ことができる。作動ラックが車輪コンタクター21の歯車を連動させることによって、車輪コンタクター21をサポーター1と接続する軸方向の周りに回動させる。使用においては、予めサポーター1の軸力をインターロック機構に付勢することによって、インターロック機構は、車輪コンタクター21をアンロックさせる。その後、サポーター1の軸力を作動ラックに付勢することによって、作動ラックが車輪コンタクター21と連動して車輪コンタクター21を反転させることで、車輪コンポーネント2の反転が実現される。
【0034】
他の一つの好ましい実施例において、インターロック機構は、リンクと、一端部がリンクの下端部に接続される伝動レバーと、伝動レバーの他端部に接続されるロック部材と、を含む。ここで、当該伝動レバーは、円弧形状を有している。ロック部材は、リンクと伝動レバーとの接続によってリンクの運動方向とは逆にされる。ロック部材は、サポーター1の軸方向に沿って移動することによって、車輪コンタクター21にロックされたり、車輪コンタクター21の内部から移出しアンロックされたりすることになる。アクチュエーター4は、揺動レバーであっても良い。当該揺動レバーの下端部は、車輪コンタクター21に接続されている。インターロック機構の上端部は、サポーター1の軸方向において、アクチュエーター4の自由端部よりもサポーターの下端部から離れている。このように設置することによって、カートを折り畳む際、まず、サポーター1の軸力をインターロック機構に付勢することによりインターロック機構をアンロックさせる。その後、アクチュエーター4に付勢することで、アクチュエーター4が車輪コンポーネント2を反転させるようになる。ここで、インターロック機構とアクチュエーター4との差の値は、ロック部材のサイズ以上である。このようにして、インターロック機構がアンロックされた後、アクチュエーター4が車輪コンポーネント2と連動して車輪コンポーネント2を反転させることを確保することができる。
【0035】
他の一つの好ましい実施例において、
図1、
図2及び
図6に示すように、連動コンポーネントは、サポーター1の内部に設けられたモータ61と、上記モータ61に接続されるタービン62と、を含む。当該タービン62は、車輪コンタクター21に係合して接続される。タービン62は、モータ61の駆動により回動すると、車輪コンポーネント2をサポーター1に対して回動させることができる。また、当該タービン62は、さらにセルフロック機能を有している。具体的には、軸ピン、ロックタング、ロックピース等の構成を車輪コンタクター21に係合することによって、車輪コンタクター21のサポーター1に対する回動を制限することができる。カートフレームを折り畳もうとする際、トリガーをかけてモータ61を起動すると、モータ61はタービン62を回動させ、これにより、タービン62は車輪コンタクター21からアンロックされる。その後、カートフレームが完全に折り畳まれるまで、車輪コンタクター21を引っ張ってサポーター1の内側に向いて反転させる。当該カートフレームを使用しようとする際、モータ61を起動すると、モータ61はタービン62を逆方向に回動させ、これにより、車輪22が完全に展開されるまで、車輪コンポーネントを引っ張って外側に反転させる。
【0036】
他の一つの好ましい実施例において、
図1、
図2及び
図7に示すように、二つの並列している車輪反転機構100は、横バー11を介して接続されている。インターロック機構は、当該横バー11の内部に設けられている。当該インターロック機構は、アンロック部材71と、ロックバー72と、復帰バネ73と、を含む。ここで、アンロック部材71は横バー11に設けられ、ロックバー72は横バー11の内部に設置されている。ロックバー72は、アンロック部材71と車輪コンタクター21とのそれぞれに接続されている。アクチュエーター4のそれぞれは、アンロック部材71と車輪コンタクター21との間に接続される牽引ロープ43と、車輪コンタクター21とサポーター1との間に接続されるトーションバネ44と、を含む。ここで、トーションバネ44が初期状態になった場合、車輪22は展開状態になる。使用においては、アンロック部材71を操作してロックバー72を引っ張ることによって、車輪コンタクター21をアンロックさせる。この時、復帰バネ73は、圧縮状態になる。牽引ロープ43は、アンロック部材71を操作すると、当該アンロック部材71が牽引ロープ43を引っ張ることによって、カートフレームが折り畳まれるまで、車輪コンタクター21をサポーター1の内側に反転させる。当該カートフレームを使用しようとする際、アンロック部材71を操作すると、アンロック部材71は牽引ロープ43を解放させることによって、トーションバネ44は回復力の作用により車輪コンタクター21を展開状態に戻す。ロックバー72は、復帰バネ73の作用により車輪コンタクター21をロックさせることによって、車輪コンポーネントが展開状態に転換されるようになる。
【0037】
本発明に係る車輪反転機構100は、連動コンポーネントによってカートフレームが折り畳まれると同時に反転することを実現することができる。具体的には、インターロック機構によりアンロックが実現された後、アクチュエーター4により車輪コンポーネント2の反転が実現されるので、車輪コンポーネント2をさらに簡便に折り畳むことができ、且つ、折り畳んだ後に占められる空間を小さくさせることができる。
【0038】
本発明の実施例のほかの態様によると、
図8に示すように、カートフレーム200が提供される。当該カートフレーム200は、フレーム本体201と、上述の実施例において記述した車輪反転機構100と、を含む。当該車輪反転機構100は、フレーム本体201に設けられている。ここで、車輪反転機構100における車輪コンポーネントは、連動コンポーネントの作用によりフレーム本体201に対して回動する。本発明に係る車輪反転機構100は、カートフレーム200の前輪コンポーネントであっても良いし、後輪コンポーネントであっても良い。
【0039】
本発明の一実施例において、車輪コンポーネントの車輪は、連動コンポーネントの作用によりフレーム本体201の内側に向いて反転する。ここで、車輪コンポーネントがフレーム本体201に対して回動する角度は、0°〜90°である。車輪コンポーネントがフレーム本体201に対して折り返した後、フレーム本体201の幅がカートフレーム200の最大の幅である。即、この時に車輪コンポーネントをフレーム本体201の内側に折り畳むと、カートフレーム200が小さな折り畳みサイズを有するので、カートフレーム200の収納にさらに便利になる。
【0040】
本発明の車輪反転機構は、各種のカートフレームに用いられることができるので、カートの日常的な使用に影響を与えない上で、当該カートを使用しないとき、少なくとも車輪コンポーネントをカートフレームに対して折り畳まれるので、車輪コンポーネントが車輪面の着地および直立をさらに安定させられ、且つ、その収納にさらに便利になる。
【0041】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適切的な変更を含み、このような変形、用途、又は適切的な変更は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲により示される。
【0042】
本発明は、上記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。