特許第6707667号(P6707667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707667エネルギー送達装置と共に使用するための再循環冷却システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707667
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】エネルギー送達装置と共に使用するための再循環冷却システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   A61B18/00
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-557935(P2018-557935)
(86)(22)【出願日】2017年4月13日
(65)【公表番号】特表2019-514589(P2019-514589A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】US2017027321
(87)【国際公開番号】WO2017192253
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2018年11月21日
(31)【優先権主張番号】15/144,927
(32)【優先日】2016年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ディクハンス, ウィリアム ジェイ.
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−512126(JP,A)
【文献】 特開2005−287804(JP,A)
【文献】 米国特許第06007571(US,A)
【文献】 米国特許第07097657(US,B2)
【文献】 特開2014−180542(JP,A)
【文献】 特表2008−539034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B18/00−18/28
A61B90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再循環冷却システムと共に使用されるキットであって、
前記キットは、バッグ備え、前記バッグは、第1の壁と、前記第1の壁対向する第2の壁と、側壁と、前記第1の壁を貫通して画定された第1のポートと、前記側壁または前記第2の壁を貫通して画定された第2のポートを含み、前記第1の壁および前記第2の壁および前記側壁は、内部に流体を保持するように構成されたリザーバを画定し、
前記バッグは、前記第1のポートに近接する流体と前記第2のポートに近接する流体との間の温度差を最大化するように構成されており、
前記バッグは、前記リザーバを第1の流体チャンバと第2の流体チャンバとに分割する仕切りを更に含み、前記第1の流体チャンバは、前記第1のポートと流体連通し、前記第2の流体チャンバは、前記第2のポートと流体連通し、
前記仕切りは、前記第1の流体チャンバと前記第2の流体チャンバとの間で流体が流れることを可能にするように少なくとも半透性である部分を有し、
前記バッグは、コラプシブルである、キット。
【請求項2】
記リザーバが医療装置と流体連通することを可能にするように前記第1のポートおよび前記第2のポートに結合するように構成された配管システムを更に備え、前記配管システムの一部は、ポンプと係合するように構成されており、前記ポンプは、前記リザーバから前記第1のポートを通して流体を引き出し医療装置を通して流体を加圧および供給し前記第2のポートを通して流体をポンプ輸送するように構成されており、
前記バッグおよび前記配管システムは、組み合わせてコラプシブルである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記配管システムは、第1のチューブ第2のチューブを更に含み、前記第1のチューブは、前記第1のポートと一体的に形成されており、前記第2のチューブは、前記第2のポートと一体的に形成されている、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記バッグは、前記第2のポートに近接する第3のポートを更に含む、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記第3のポートは、前記バッグの前記第2の壁を貫通して配置されている、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記第3のポートは、ノンベントスパイクを含む、請求項4に記載のキット。
【請求項7】
前記第2のポートは、前記側壁を貫通して画定され、前記第1のポートおよび前記第2のポートは、それらの間の距離が最大化されるように配置されている、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記バッグまたは前記配管システムに配置された温度センサを更に備える、請求項2に記載のキット。
【請求項9】
前記温度センサは、前記第1のポートまたは前記第2のポートに近接して、前記バッグに配置されている、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記温度センサは、前記第1のポートと前記第2のポートとの間で、前記バッグに配置されている、請求項8に記載のキット。
【請求項11】
前記配管システムと流体連通するように構成された流体流量インジケータを更に備える、請求項2に記載のキット。
【請求項12】
前記配管システムの少なくとも一部は、前記第1のポートまたは前記第2のポートのうちの少なくとも一方を通って前記バッグの前記リザーバ内に延在する、請求項2に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー送達装置の使用に関する。より具体的には、本開示は、エネルギー送達装置を冷却するためのシステムと共に使用するように構成されたバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医学的症状は、エネルギーの送達により治療することが可能な場合がある。例えば、組織アブレーションなどの処置では、患者から癌細胞などの非健常組織を除去するために、アブレーションニードル、アブレーションプローブ、アブレーションカテーテルなどのエネルギー送達装置を利用する。エネルギー送達装置は、直接放電、電磁エネルギー、マイクロ波エネルギー又は他の種類のエネルギーを介して動作してもよい。多くの場合、エネルギーを1つ以上の電極に通過させて、それらの電極と接触する組織がアブレーション温度に加熱されるようにする。
【0003】
使用中、エネルギー送達装置は、安全な動作温度を維持し、エネルギー送達装置及び/又は周囲組織の損傷を回避するために、冷却を必要とする場合がある。場合によっては、エネルギー送達装置を通るように冷却流体を循環させることにより、エネルギー送達装置から熱エネルギーを取り除く。流体は、次いで廃容器内に又はドレインに排出される。このようなシステムは、適切であるが、流体の定量供給を必要とする場合があり、無駄が多くかつ非効率となる恐れがある。したがって、様々なエネルギー送達装置と共に使用するための、高効率かつ費用効果的な冷却システムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
図の説明の全体にわたって、類似の参照番号は、同様の要素又は同一の要素を指す場合がある。当該技術分野で使用されるように、「近位」は、ユーザに近い方の機器の端部を指し、用語「遠位」は、ユーザから遠くに離れた方の機器の端部を指す。更に、「臨床医」は、本明細書に記載された実施形態の使用を伴う医療処置を行う、任意の医療専門家(例えば、医師、外科医、看護師など)を指す。
【0005】
本開示の一態様は、再循環冷却システムと共に使用するためのキットに関する。キットは、内部に流体を保持するように構成されたリザーバを画定する、第1の壁、第1の壁に対向する第2の壁及び側壁を有するバッグを含む。第1のポートは、第1の壁を貫通して画定され、第2のポートは、側壁又は第2の壁を貫通して画定されている。バッグは、第1のポートに近接する流体と第2のポートに近接する流体との間の温度差を最大化するように構成されている。更に、バッグは、コラプシブルである。
【0006】
一実施形態では、キットは、第1のポート及び第2のポートに連結し、リザーバが医療装置と流体連通することを可能にするように構成された配管システムを更に含む。配管システムの一部は、ポンプと係合するように構成され、このポンプは、リザーバから第1のポートを通して流体を引き出し、流体を医療装置を通して加圧及び供給し、流体を第2のポートを通してポンプ輸送するように構成されている。更に、バッグ及び配管システムは、組み合わせてコラプシブルである。
【0007】
別の実施形態では、配管システムは、第1のチューブ及び第2のチューブを更に含み、第1のチューブは、第1のポートと一体的に形成され、第2のチューブは、第2のポートと一体的に形成されている。
【0008】
更に別の実施形態では、バッグは、第2のポートに近接する第3のポートを更に含む。更なる実施形態では、第3のポートは、バッグの第2の壁を貫通して配置されている。別の実施形態では、第3のポートは、ノンベントスパイク(non−vented spike)を含む。
【0009】
一実施形態では、第2のポートは、側壁を貫通して画定され、第1のポート及び第2のポートは、それらの間の距離が最大化されるように配置されている。
【0010】
別の実施形態では、キットは、バッグ又は配管システムに配置された温度センサを更に含む。更なる実施形態では、温度センサは、第1のポート又は第2のポートに近接して、バッグに配置されている。更なる実施形態では、温度センサは、第1のポートと第2のポートとの間で、バッグに配置されている。
【0011】
一実施形態では、キットは、配管システムと流体連通するように構成された流体流量インジケータを更に備える。
【0012】
更に別の実施形態では、バッグは、リザーバを第1の流体チャンバと第2の流体チャンバとに分割するように内部に配置された仕切りを更に含む。第1のポートと流体連通する第1のチャンバ及び第2のポートと流体連通する第2の流体チャンバ。更なる実施形態では、仕切りの少なくとも一部は、そこを通る流体の流れを可能にするように、透過膜又は半透膜である。別の実施形態では、仕切りは、そこを通る流体の流れを妨げるように非透過膜である。
【0013】
別の実施形態では、配管システムの少なくとも一部は、第1のポート又は第2のポートのうちの少なくとも一方を通ってバッグのリザーバ内に延在する。
【0014】
本開示の別の態様では、医療装置を冷却する方法は、バッグの第3のポートを介してバッグのリザーバを流体で充填することを含み、バッグは、リザーバを画定する、第1の壁、第1の壁に対向する第2の壁及び側壁を含む。第1のポートは、第1の壁を貫通して画定され、第2のポートは、側壁又は第2の壁を貫通して画定され、第3のポートは、第2の壁を貫通して画定される。バッグは、第1のポートに近接する流体と第2のポートに近接する流体との間の温度差を最大化するように構成されている。方法は、医療装置に送達するために流体をバッグから第1のポートを通して送出することを更に含む。加えて、方法は、第2のポートを通して医療装置から流体をリザーバ内に受容することを含み、ここで、第1のポートに近接する流体と第2のポートに近接する流体との温度差は、最大化される。
【0015】
一実施形態では、方法は、配管システムの第1のチューブをバッグの第1のポートに連結することと、配管システムの第2のチューブをバッグの第2のポートに連結することと、を更に含む。
【0016】
別の実施形態では、方法は、リザーバ内の流体の温度を、配管システム又はバッグに配置された少なくとも1つの温度センサを介して監視することを更に含む。
【0017】
更に別の実施形態では、方法は、バッグからポンプ輸送される流体の流量を、配管システムに沿ってバッグと医療装置との間に介在させられたフローインジケータを介して監視することと、その監視することに基づいて流量を調整することと、を更に含む。
【0018】
本開示の上記の態様及び実施形態のうちの任意のものを、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせ得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
再循環冷却システムと共に使用するためのキットであって、
内部に流体を保持するように構成されたリザーバを画定する、第1の壁、前記第1の壁と対向する第2の壁及び側壁と、前記第1の壁を貫通して画定された第1のポートと、前記側壁又は前記第2の壁を貫通して画定された第2のポートと、を含むバッグであって、前記バッグは、前記第1のポートに近接する流体と前記第2のポートに近接する流体との間の温度差を最大化するように構成されている、バッグ、を備え、
前記バッグは、コラプシブルである、キット。
(項目2)
前記第1のポート及び前記第2のポートに連結し、前記リザーバが医療装置と流体連通することを可能にするように構成された配管システムを更に備え、前記配管システムの一部は、ポンプと係合するように構成され、前記ポンプは、前記リザーバから前記第1のポートを通して流体を引き出し、流体を医療装置を通して加圧及び供給し、流体を前記第2のポートを通してポンプ輸送するように構成されており、
前記バッグ及び前記配管システムは、組み合わせてコラプシブルである、項目1に記載のキット。
(項目3)
前記配管システムは、第1のチューブ及び第2のチューブを更に含み、前記第1のチューブは、前記第1のポートと一体的に形成され、前記第2のチューブは、前記第2のポートと一体的に形成されている、項目2に記載のキット。
(項目4)
前記バッグは、前記第2のポートに近接する第3のポートを更に含む、項目1に記載のキット。
(項目5)
前記第3のポートは、前記バッグの前記第2の壁を貫通して配置されている、項目4に記載のキット。
(項目6)
前記第3のポートは、ノンベントスパイクを含む、項目4に記載のキット。
(項目7)
前記第2のポートは、前記側壁を貫通して画定され、前記第1のポート及び前記第2のポートは、それらの間の距離が最大化されるように配置されている、項目1に記載のキット。
(項目8)
前記バッグ又は前記配管システムに配置された温度センサを更に備える、項目2に記載のキット。
(項目9)
前記温度センサは、前記第1のポート又は前記第2のポートに近接して、前記バッグに配置されている、項目8に記載のキット。
(項目10)
前記温度センサは、前記第1のポートと前記第2のポートとの間で、前記バッグに配置されている、項目8に記載のキット。
(項目11)
前記配管システムと流体連通するように構成された流体流量インジケータを更に備える、項目2に記載のキット。
(項目12)
前記バッグは、前記リザーバを第1の流体チャンバと第2の流体チャンバとに分割するように内部に配置された仕切りを更に含み、前記第1のチャンバは、前記第1のポートと流体連通し、前記第2の流体チャンバは、前記第2のポートと流体連通している、項目1に記載のキット。
(項目13)
前記仕切りの少なくとも一部は、そこを通る流体の流れを可能にするように、透過膜又は半透膜である、項目12に記載のキット。
(項目14)
前記仕切りは、そこを通る流体の流れを妨げるように非透過膜である、項目12に記載のキット。
(項目15)
前記配管システムの少なくとも一部は、前記第1のポート又は前記第2のポートのうちの少なくとも一方を通って前記バッグの前記リザーバ内に延在する、項目2に記載のキット。
(項目16)
医療装置を冷却する方法であって、
バッグのリザーバを第3のポートを介して流体で充填することであって、前記バッグは、前記リザーバを画定する、第1の壁、前記第1の壁と対向する第2の壁及び側壁と、前記第1の壁を貫通して画定された第1のポートと、前記側壁又は前記第2の壁を貫通して画定された第2のポートと、前記第2の壁を貫通して画定された前記第3のポートと、を含み、前記バッグは、前記第1のポートに近接する流体と前記第2のポートに近接する流体との間の温度差を最大化するように構成されている、ことと、
医療装置に送達するために流体を前記バッグから前記第1のポートを通して送出することと、
前記第2のポートを通して前記医療装置から流体を前記リザーバ内に受容することであって、前記第1のポートに近接する流体と前記第2のポートに近接する流体との温度差は、最大化される、ことと、を含む、方法。
(項目17)
配管システムの第1のチューブを前記バッグの前記第1のポートに連結することと、
前記配管システムの第2のチューブを前記バッグの前記第2のポートに連結することと、を更に含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記リザーバ内の流体の温度を、前記配管システム又は前記バッグに配置された少なくとも1つの温度センサを介して監視することを更に含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記バッグからポンプ輸送される流体の流量を、前記配管システムに沿って前記バッグと医療装置との間に介在させられたフローインジケータを介して監視することと、
前記監視することに基づいて前記流量を調整することと、を更に含む、項目17に記載の方法。
【0019】
本開示の上記及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面と共に、以下の「発明を実施するための形態」を考慮することによって、更に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本開示に従った再循環冷却システムのバッグの例示的な一実施形態の正面図である。
図1B】本開示に従った再循環冷却システムのバッグの別の実施形態の正面図である。
図2】配管システム及びポンプを備えた医療装置を通して流体を循環させるための冷却システムの例示的な一実施形態の正面図である。
図3】本開示に従った流体フローインジケータアセンブリの正面図である。
図4】本開示に従った再循環冷却システムの使用方法の例示的な一実施形態のフロー図である。
図5】本開示に従った再循環冷却システムの使用方法の別の実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一般的に、冷却流体を収容するためのバッグは、例えば、電気外科用装置、焼灼装置又はアブレーション装置などの医療装置の温度を使用中に制御するように設計された再循環冷却システムに組み込むために設けられている。バッグは、チューブが接続されている第1のポートを含み、それにより冷却流体をバッグの外へと引き出してシステムへ送ることが可能である。第2のポートは、バッグの側壁上に形成され、バッグの頂部の近くに位置する。別のチューブは、第2のポートを介してバッグに接続され、使用した冷却流体(例えば、医療装置を通って既に循環された冷却流体)をバッグの中に戻す。戻された冷却流体は、バッグに既に含まれる冷却流体よりも高い温度を有し得る。第1のポートと第2のポートとの間の距離は、第1のポートから引き出されてシステムに再導入される前に、バッグに戻るより高い温度の冷却流体からの熱の放散をもたらす。
【0022】
本開示の特定の実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。しかし、開示された実施形態は、本質的に単なる例示であり、様々な形態で具体化されてもよい。不必要に詳述することで本開示が曖昧なってしまうことがないように、周知の機能又は構成は、詳細に記載されない。したがって、本明細書で開示する特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的なものと解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、及び、当業者に本開示を教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0023】
図1Aを参照すると、バッグ100は、医療装置(図示せず)に供給され、冷却システム1000を通って再循環されてもよい冷却流体「F」を収容するように構成されている。冷却流体「F」は、例えば、脱イオン水、砂糖水、食塩水、誘電体溶液など又はそれらの任意の組み合わせなどの、熱冷却を高める性質を有する生体適合性流体であってもよい。バッグ100は、例えば、1リットルのバッグなどの、任意の容積を規定してもよい。バッグ100が、例えば、医療グレードのポリマー、生体適合性ポリマーなどの、任意の好適な材料から製造されてもよいことが想定される。更に、バッグ100は、上に簡単に述べたように、熱エネルギーが冷却流体「F」から周囲環境へと輸送されるにつれて、バッグ100内に保持された冷却流体「F」の温度が低下するような、熱の輸送機構を含む、かつ/又は熱輸送特性を規定してもよい。更に、熱エネルギーがバッグから迅速に除去されるように、バッグ100を冷却手段(図示せず)によって包み込むか又は囲み得ることが、想定されている。
【0024】
バッグ100は、第1の壁102、第1の壁102に対向する第2の壁104及びそれらの間の側壁106を含む。バッグ100は、例えば、矩形状、円筒状などの、任意の幾何学的構造を画定してもよく、冷却流体「F」は、第1の壁102、第2の壁104及び側壁106によって画定されたリザーバ108内に保持される。バッグ100は、リザーバ108と流体連通する第1のポート110及び第2のポート120を更に含む。
【0025】
より高温の冷却流体「F」が直ちに医療装置に戻らないようにするために、第1のポート110及び第2のポート120は、互いに隣接していない。一実施形態では、第1のポート110は、第1の壁102を貫通して画定され、冷却流体「F」を冷却システム1000に供給するための出口として機能する。第2のポート120は、冷却システム1000からの戻り流体「F」を受容するように構成されている。一実施形態によれば、第2のポート120は、ポート間の距離「D」が最大化されるように側壁106を貫通して画定される。別の実施形態では、第1のポート110は、第1の壁102を貫通して形成され、第2のポート120は、第2の壁104を貫通して画定される。
【0026】
第1のポート110及び/又は第2のポート120の特定の位置付けにかかわらず、第1のポート110と第2のポート120との間の距離「D」は、冷却流体「F」が冷却システム1000から戻ったときに直ちに第1のポート110を通って直接送出されることを防ぐように選択されている。例えば、冷却流体「F」がバッグ100を出るまで移動する必要がある距離「D」を最大化することにより、戻り冷却流体「F」は、冷却するためにより長くバッグ100内に保持されてもよい。次いで、冷却流体「F」が第1のポート110を通してリザーバ108から最終的に引き出されて冷却システム1000に再導入されるとき、冷却流体「F」の温度は、第2のポート120を通ってきた流入時よりも低くなる。更に、距離「D」を最大化することにより、第1のポート110を通ってリザーバ108を出る冷却流体「F」の温度と第2のポート120を通って戻る流体「F」の温度との間の温度差を最大化することができる。例えば、第1のポート110を通ってリザーバ108を出る冷却流体「F」の温度は、およそ70°F(21℃)であってもよいが、その一方で、第2のポート120を通ってリザーバ108に戻る冷却流体「F」の温度は、およそ140°F(60℃)であってもよい。したがって、第1のポート110及び第2のポート120のそれぞれに近接する冷却大量流入「F」の間の温度差は、およそ70°F(39℃)である。第1のポート110及び第2のポート120は、ポート間の距離「D」を最大化するように、第1の壁102上若しくは第2の壁104上又はいずれかの側壁106上に配置されてもよいことが理解されよう。
【0027】
冷却流体「F」がリザーバ108から第1のポート110を通って配管システム400に移送され、第2のポート120を通ってリザーバ108に戻され得るように、第1のポート110及び第2のポート120は、配管システム400と係合するように構成されている。配管システム400は、第1のポート110及び第2のポート120にそれぞれ連結された第1のチューブ410及び第2のチューブ420を含む。第1のチューブ410及び第2のチューブ420は、例えば、ねじ係合、ルアーロック又はルアースリップ継手などを介して、対応する第1のポート110及び第2のポート120に取り外し可能に結合されてもよい。あるいは、第1のチューブ410及び第2のチューブ420は、恒久的に固定されてもよく、例えば、バッグ100の一部に結合されるか又はバッグ100の一部として形成されてもよい。更に、第1のチューブ410及び/又は第2のチューブ420の一方又は両方は、その一部がリザーバ108内に延在するようにバッグ100と連結されてもよい。第1のチューブ410の自由端412(図2)は、医療装置(図示せず)の入口ポートに連結するように構成されているか、又は代替的にポンプ600(図2)のポンプ配管602に連結されてもよく、その一方で、第2のチューブ420の自由端422(図2)は、医療装置(図示せず)の出口ポートと連結するように構成されている。したがって、配管システム400及び医療装置は、バッグ100の第1のポート110と第2のポート120との間で冷却流体「F」を共同して再循環させる。
【0028】
バッグ100は、リザーバ108と流体連通する第3のポート130を更に含んでもよい。図示するように、第3のポート130は、第2の壁104に配置されている。他の実施形態では、第3のポート130は、第1の壁102若しくは第2の壁104又は側壁106のうちの任意のものに配置されてもよい。第3のポート130は、多数の従来の取り付け機構のうちのいずれかを有する流体源に取り付けるように構成されてもよく、したがって、一方向弁、ノンベントスパイク、ねじ付きキャップ、シリンジポート又は当該技術分野で既知の任意の他のポートを含んでもよい。加えて、第3のポート130は、冷却流体「F」の充填前又は充填完了後に封入し、第3のポート130に固定するように構成された取り外し可能なキャップ「C」(スナップ嵌合、ねじ係合)に係合するように更に構成されてもよい。
【0029】
図1Bに示すように、図1Bにおけるバッグ200が仕切り250を更に含むことを除き、バッグ200は、図1Aのバッグ100と実質的に同一に構成されている。仕切り250は、側壁106に取り付けられ、リザーバ108を横断して延在し、それによってリザーバ108を少なくとも2つの流体チャンバ252、254に分割する。この点で、仕切り250は、例えば、水平方向又は斜め方向などの任意の配向で位置付けられてもよい。仕切り250の全て又は一部のいずれかは、半透膜、透過膜、非透過膜又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。低温の冷却流体「F1」、及び、より高温の冷却流体「F2」用に別個の流体チャンバが提供されるように、それぞれの流体チャンバ252、254は、第1のポート110又は第2のポート120のうち、対応する一方と流体連通している。図1Bの例示的な図示は、より低温の冷却流体「F1」を収容する、第1のポート110と流体連通する流体チャンバ252を示しており、その一方で、流体チャンバ254は、第2のポート120と流体連通しており、より高温の冷却流体「F2」を受容するように、流体チャンバ252及び第1のポート110とは別個に分離されている。透過膜又は半透膜を利用する実施形態では、仕切り250は、流体チャンバ254から流体チャンバ252へのより高温の流体「F2」の移送が調節かつ制御されるように、膜を通過する流体流量を調節するように構成されてもよい。流体チャンバ252、254の間に配置された中間流体チャンバ又は流体チャンバの組を画定するために、2つ以上の仕切り250が利用され、多段式(tiered)の構成を生成してもよいことが想定される。そのような実施形態では、第2のポート120から入るより高温の冷却流体「F2」は、流体チャンバ254に流入し、その流体は、1つ以上の中間流体チャンバに流入し、ある期間後に、流体「F」は、流体チャンバ252に流入し、したがって、第1のポート110を通って医療装置に向かって再循環する。
【0030】
上述のように、バッグ100又はバッグ200は、医療装置を冷却するために、再循環冷却システム1000に組み込まれる。簡略化のために、図2に示す再循環冷却システム1000を、バッグ100を含めて説明する。一般的に、バッグ100に加えて、再循環冷却システム1000は、配管システム400及び少なくとも1つのポンプ600を含む。配管システム400は、上記で簡潔に説明したように、バッグ100を入口ポート及び出口ポートを有する医療装置(図示せず)と相互接続し、閉鎖ループを屈曲する(crease)。配管システム400は、例えば、エネルギー送達装置などの、少なくとも一部に沿って冷却を利用するか又は必要とする当該技術分野で既知の任意の数の医療装置と、協働的に係合するように構成されてもよい。配管システム400と相互作用するように構成された医療装置に関する更なる議論、したがって、再循環冷却システム1000は、同一所有者の2009年8月18日出願の米国特許第8,334,812号、名称「Microwave Ablation Antenna Radiation Detector」、2009年10月28日出願の同第8,430,871号、名称「System and Method for Monitoring Ablation Size」、2013年3月15日出願の米国特許出願公開第2014/0281961号、名称「Pathway Planning System and Method」、2013年3月15日出願の同第2014/0046315号、名称「Microwave Ablation Catheter and Method of Utilizing the Same」に見出され得る。これらの文献はそれぞれ、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
再循環冷却システム1000はまた、システムを介して冷却流体「F」の圧力及び流量を制御するために使用されてもよい、1つ以上のポンプ600を含んでもよい。一実施形態では、ポンプ600は、第1のチューブ410と係合して、配管システム400内の冷却流体「F」を加圧する。ポンプ600は、第1のチューブ410に圧力及び圧縮を付与して、冷却流体「F」を医療装置の入口ポートに強制的に向かわせるか又は遠ざける。ポンプ600は、例えば、蠕動ポンプ(図2)、輸液ポンプ、多チャンネルポンプ、重力供給式システムなどであってもよい。一実施形態では、ポンプ配管602は、ポンプ配管602を医療装置の入口ポートと相互接続する第3のチューブ430に、第1のチューブ410の自由端412を相互接続してもよい。ポンプ配管602は、使用中に蠕動ポンプによって引き起こされる反復圧力及び圧縮力に耐えるように構成されている。その理由から、ポンプ配管602は、より厚いゲージとしてもよい、かつ/又は配管システム400に対してより堅牢な材料から作製されてもよい。更に、ポンプ600は、貫通させて第1のチューブ410又はポンプ配管602のうちのいずれかを受容するように構成された保護スリップカバー606を含み、使用中に配管システム400又はポンプ配管602に更に剛性及び構造的一体性をもたらしてもよい。蠕動ポンプに関して本明細書に記載されているが、冷却流体「F」が、バッグ100、配管システム400及び医療装置を通って再循環させられるように、簡潔に上述したような、任意のポンプ輸送機構を、配管システム400と組み合わせて利用してもよいことが理解されよう。
【0032】
本開示の別の実施形態によれば、再循環冷却システム1000は、流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800を更に含んでもよい。流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800は、バッグ100と第1のチューブ410又は第2のチューブ420との間で相互接続されてもよい。代替的に又は追加的に、流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800を、図2に例示するように、バッグ100とポンプ600との間の配管システム400に沿って介在させてもよい。
【0033】
ここで図3を見ると、流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800は、バッグ100及び/又は配管システム400に流体的に連結するように構成された、第1のポート810及び第2のポート820を含む。流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800は、通過する、したがって、再循環冷却システム1000を通る冷却流体「F」の流れの特性の聴覚表示及び/又は視覚表示を提供するように構成されたフローインジケータ840を有する中央部分830を含む。フローインジケータ840の表示は、例えば、気泡インジケータ、浮子式流量計、ベンチュリ装置、点滴筒インジケータ、フロート式インジケータ、ホール効果インジケータ、電磁インジケータ又は当該技術分野で既知の他の流体フローインジケータ又は流量インジケータを含んでもよい。気泡インジケータ及びベンチュリ装置などのフローインジケータはまた、再循環冷却システム1000に進入した可能性がある気体又は蒸気も除去してもよく、通過する冷却流体「F」が妨害されないようにしてもよい。他の流体フローインジケータはまた、流体の速度、圧力又は体積流量を測定するために採用されてもよい。
【0034】
ここで図2に戻ると、流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800は、再循環冷却システム1000を通る冷却流体「F」の流量の可聴表示及び/又は視覚表示を遠隔位置で提供するように構成された機構と連結されるか又は含んでもよい。別の実施形態では、フローインジケータ840は、冷却流体「F」の流れが止まった場合、例えば、再循環冷却システム1000内でのよじれ(kink)又は閉塞の発生など、及び/又は、冷却流体「F」の流量が所定の閾値未満に低下した場合に、可聴インジケータ及び/又は視覚インジケータを提供するように構成されてもよい。
【0035】
再循環冷却システム1000の別の実施形態では、冷却流体「F」の温度は、システム1000を通って進むときに、1つ以上の個所で監視されてもよい。例えば、冷却流体「F」の温度が、バッグ100の第1のポート110と及び第2のポート120との間の、第1のポート110から第1のチューブ410を通り、医療装置を通り、第2のチューブ420及び第2のポート120を通る再循環経路にわたって、任意の位置で監視され得るように、バッグ100及び/又は配管システム400は、動作可能に接続された1つ以上の熱電対900を含んでもよい。例えば、熱電対900は、第1のポート110、第2のポート120又はそれらの間の任意の位置に近接するバッグ100、第1のポート110若しくは第2のポート120それぞれに近接する、かつ/又は、医療装置の入口ポート及び/若しくは出口ポートに近接する第1のチューブ410又は第2のチューブ420、又はその間の任意の位置に配置されてもよい。
【0036】
熱電対900は、例えば、医療装置及び/又はポンプ600のエネルギー源と通信してもよい、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータなどの監視システム「M」と通信してもよい。熱電対900は、ポンプ600及び/又は医療装置のエネルギー源用の安全な遮断として監視システム「M」と共に採用されてもよい。治療中、冷却流体「F」の温度が閾値を超えた場合、エネルギー源は、自動的に遮断されて、組織及び/又は医療装置への所望しない結果を防いでもよい。閾値は、中でも、実施される手順、使用される医療装置及び/又は利用される具体的な冷却流体「F」に基づいてもよい。監視システム「M」が、冷却流体「F」の測定された流体流量に応じてポンプ600及び/又は医療装置のエネルギー源を調節かつ制御し得るように、フローインジケータ840が監視システム「M」と通信してもよいことが想定される。
【0037】
簡潔に上述したように、冷却流体「F」の温度を、再循環冷却システム1000及び医療装置を通って再循環する間、特定の温度範囲内に維持することが望ましい。選択された冷却流体の温度は、医療装置の効率的な冷却及び再循環冷却システム1000を通る効率的な流量を確保するために、所定の範囲内に維持することが必要である。例えば、冷却流体「F」の温度は、患者への傷害、医療装置の損傷及び/又はシステム内への気泡の導入を回避するためにその沸点未満に維持しなければならないが、その一方で、冷却流体「F」の流量が阻害されないように、冷却流体「F」の凍結温度より高く維持される必要がある。理解されるように、バッグ100の第1のポート110及び第2のポート120の構成は、冷却流体「F」の温度の調節を補助する。より具体的には、リザーバ108内の距離「D」は、より高温の冷却流体「F」が直ちに医療装置に戻らないようにし、冷却を容易にするために冷却流体「F」をリザーバ108内に長期間留まるように更に設けられている。温度及び流量の監視を利用する冷却システムの更なる詳細について、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月15日出願の米国特許第9,101,344号、名称「Recirculating Cooling System for Energy Delivery Device」を参照する。
【0038】
図4を参照すると、再循環冷却システム1000においてバッグ100を使用する方法は、医療装置を通る冷却流体「F」の再循環を提供して、周囲組織及び/又は医療装置の損傷を防止する。この点に関して、医療装置への冷却流体「F」の導入の前に、冷却流体「F」の所望の温度範囲は、組織又は医療装置を損傷する温度未満の温度に相当する上限と、再循環冷却システム1000を通る流体の流れが阻害される温度を超える下限とで確立されてもよい。更に、冷却流体「F」の所望の流量は、医療装置への冷却流体「F」の冷却効果がその温度範囲の間で達成される場合に確立されてもよい。
【0039】
ステップ1010において、配管システム400は、バッグ100、ポンプ600及び医療装置に連結される。配管システム400がバッグ100と一体的に形成されている実施形態では、配管システム400のチューブ410、420の自由端は、それぞれポンプ600及び医療装置に連結される。別の実施形態では、配管システム400は、保護スリップカバー606に挿入されて又は挿入されずに、ポンプ配管602と連結される。ステップ1020において、第3のポート130を通して、バッグ100のリザーバ108に、冷却流体「F」が充填される。あるいは、バッグ100は、冷却流体「F」で予め充填されて提供されてもよい。
【0040】
ステップ1030において、ポンプ600は、上述のように、冷却流体「F」をリザーバ108から医療装置にポンプ輸送するために始動される。ポンプ600が医療装置の起動前又は起動中のいずれかで始動されてもよいことが理解されよう。更に、ポンプ600は、連続的又は間欠的に運転されてもよい。ステップ1040において、ポンプ600のパラメータを調整して、冷却流体「F」の流量を調節してもよい。一実施形態では、ポンプ600のパラメータは、冷却流体「F」の温度に基づいて調整され、冷却流体「F」の温度「T」は、熱電対900を介してステップ1050において監視される。ステップ1052において、冷却流体「F」の温度「T」が閾値範囲外の場合、ポンプ600は、ステップ1040において調整される。例えば、冷却流体「F」の温度が上限に近づいた場合、ポンプ600の流量パラメータは、増加されてもよく、医療装置を通って再循環される冷却流体「F」の量を増加させ、したがって、医療装置の冷却が向上する。ステップ1060bに戻ると、温度が閾値範囲外でない場合、方法は、ステップ1050に戻る。
【0041】
別の実施形態では、ポンプ600のパラメータは、冷却流体「F」の流体流量「FR」に基づいて調整され、流体流量「FR」は、流体フローインジケータ・コネクタ・アセンブリ800を介してステップ1060において監視される。ステップ1062において、流体流量「FR」が閾値範囲外である場合、ポンプ600は、ステップ1040において調整される。例えば、閾値範囲未満への冷却流体「F」の流体流量の低下は、再循環冷却システム1000における閉塞を示唆する場合がある。方法がステップ1050、1052及び1060、1062の両方を個別に又は組み合わせてのいずれかで含んでもよいことが理解されよう。
【0042】
図5を参照すると、別の実施形態に従った再循環冷却システム1000においてバッグ100を使用する方法は、配管システム400がバッグ100、ポンプ600及び医療装置に連結されるステップ1010を提供する。配管システム400がバッグ100と一体的に形成されている実施形態では、配管システム400のチューブ410、420の自由端は、それぞれポンプ600及び医療装置に連結される。別の実施形態では、配管システム400は、保護スリップカバー606に挿入されて又は挿入されずに、ポンプ配管602と連結される。ステップ1020において、第3のポート130を通して、バッグ100のリザーバ108に、冷却流体「F」が充填される。あるいは、バッグ100は、冷却流体「F」で予め充填されて提供されてもよい。ステップ1030において、ポンプ600は、上述のように、冷却流体「F」をリザーバ108から医療装置にポンプ輸送するために始動される。ポンプ600が医療装置の起動前又は起動中のいずれかで始動されてもよいことが理解されよう。更に、ポンプ600は、連続的又は間欠的に運転されてもよい。
【0043】
ステップ1080において、温度閾値範囲及び/又は流体流量閾値範囲は、監視システムに入力される。ステップ1082において、監視システムは、ポンプ600の始動、ポンプ600のパラメータの調整及び/又は医療装置の起動を制御する。ステップ1084において、監視システムは、温度及び/又は流体流量を監視する。ステップ1086において、温度及び/又は流体流量が入力された閾値範囲を超えたか否かについて判定が行われる。温度及び/又は流体流量が閾値範囲を超えている場合、方法は、ステップ1082に戻り、監視システムは、ポンプ600及び/又は医療装置に変化を与える。監視システムがポンプ600を連続的又は間欠的に始動してもよく、冷却流体「F」の温度又は流体流量が入力された閾値範囲の限界を超えた場合、ポンプ600及び/又は医療装置の安全な遮断を更に提供してもよいことが理解されよう。それ以外の場合、方法は、ステップ1084において反復処理する。
【0044】
手順中の任意の所望の時点で、ポンプ600は、オフにされてもよいか、かつ/又は、配管システム400は、医療装置、ポンプ600及び/又はバッグ100から切り離されてもよい。
【0045】
図1A図3を参照すると、本開示による再循環冷却システムキットが開示されている。キットは、1つ以上のバッグ100及び/又は200を1つ以上のサイズで含み、共通の包装内に個別に又は一緒に収容されてよい。キットは、1つ以上の配管システム400を更に含んでもよい、かつ/又は様々な直径を有する複数の配管システム400を含んでもよい。配管システム400は、バッグ100、200とは別個であってもよいか又はバッグ100、200と一体的に形成されてもよい。更に、バッグ100、200及び配管システム400は、個々に又は一緒に滅菌されてもよい、かつ/又は包装されてもよい。配管システム400と一体的に形成されたバッグ100、200により、バッグ100、200及び配管システム400が、コンパクトかつ薄型の包装をもたらし得るように、コラプシブルであることが想定される。より具体的には、バッグ100、200及び配管システム400を可撓性の圧縮式のものとすることで、伸縮式の包装が提供され、この場合、バッグ100、200及び配管システム400のいずれか又は両方を折り畳み、操作することによって、厚さ、長さ、幅又はそれらの任意の組み合わせを低減させて、薄型のコンパクトな包装を提供してもよい。
【0046】
キットは、医療装置を含んでもよい。更に、バッグ100、200及び/又は配管システム400は、医療装置に固定してもよく、したがって、医療装置と併せて殺菌し、包装してもよい。臨床医が、所望の手順及び使用される医療装置のために適切な冷却流体を精選して選択し得るように、キットは、冷却流体「F」の源又は種々の冷却流体「F」を更に含んでもよい。更に、キットは、ポンプ600及び/又は保護ポンプスリーブ602を含んでもよい。
【0047】
再循環冷却システム1000が、例えば、任意の標準無菌塩水バッグなどの様々な共通の容器から冷却流体「F」が充填されるバッグ100、200を提供し、したがって、専用の流体源を必要としないことが理解されよう。更に、再循環冷却システム1000は、冷却流体「F」を再循環させ、それにより冷却流体「F」を節約し、流体収集機構を必要としない。
【0048】
上記の説明は、本質的に単に例示的なものであると理解されたい。様々な代替物及び変更は、本開示から逸脱することなく当業者によって考案することができる。したがって、本開示は、そのような全ての代替物、変更及び変形を包含することが意図されている。添付された図面を参照して説明された実施形態は、本開示のある実施例を明示するためにのみ提示される。上記及び/又は添付の特許請求の範囲におけるものと実質的に異なるところがない、他の要素、ステップ、方法及び技術もまた、本開示の範囲内であることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5