特許第6707739号(P6707739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707739
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】スパークプラグ・テストキット
(51)【国際特許分類】
   H01T 13/60 20110101AFI20200601BHJP
【FI】
   H01T13/60
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-556518(P2017-556518)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公表番号】特表2018-515883(P2018-515883A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】AU2016050303
(87)【国際公開番号】WO2016172767
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2019年4月23日
(31)【優先権主張番号】2015901555
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】517372209
【氏名又は名称】リーソン,ジョン
(73)【特許権者】
【識別番号】517372210
【氏名又は名称】リーソン,ダレン
(73)【特許権者】
【識別番号】517372221
【氏名又は名称】リーソン,ジャスティン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リーソン,ジョン
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−061226(JP,U)
【文献】 米国特許第04570124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ・テストキットであって、
使用中にその内部に設置されたスパークプラグの火花ギャップを見るための透明観察チャンバを有する火花観察装置と、
その近位端で前記火花観察装置を電気的に接続するための正リードと、
その近位端で前記火花観察装置を電気的に接続するためのアースリードと、
スパークプラグ開口部係合装置であって、
前記スパークプラグ開口部係合装置は、
細長く、
エンジンブロックのスパークプラグ開口部の中に回し入れるためにその第1の端でねじ切り部を画定し、且つ、
前記第1の端の反対側にある、その第2の端で細長い電気コネクタナットを画定し、そこで、側部材が前記第1の端と前記第2の端との間に跨がり、
前記アースリードの遠位端は、前記細長い電気コネクタナットの全体にわたる係合のために構成され、且つその周りに絶縁性のシースを有する電気コネクタを備え、
前記スパークプラグ開口部係合装置は、前記スパークプラグ開口部係合装置の側部材を通して少なくとも1つのエンジン減圧排気口を画定し、前記エンジン減圧排気口は、前記スパークプラグ開口部係合装置の内側から前記スパークプラグ開口部係合装置の外側への流体の流れを可能にする、
スパークプラグ開口部係合装置と、
を備える、スパークプラグ・テストキット。
【請求項2】
前記アースリードの近位端は、前記スパークプラグのヘッドとの電気接触のためのカラーを備える、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項3】
前記透明観察チャンバは、異なる角度から前記火花ギャップの視認を可能にするようにドーム形に形状設定される、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項4】
前記透明観察チャンバは、透明ポリカーボネートを備える、請求項3に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項5】
前記火花観察装置は、円筒部分及び端子ヘッド部分を備え、前記円筒部分及び前記端子ヘッド部分は、使用中にそれらの間に前記スパークプラグを固定するために一緒に締まるように構成される、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項6】
前記端子ヘッド部分は、前記火花ギャップを透明な様態で収容するべく前記透明観察チャンバの相補的な内ねじの中に回し入れるための外ねじを備える環状押出成形部を備える、請求項5に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項7】
前記正リードの遠位端は、正リード端子を備える、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項8】
前記正リード端子は、ディストリビュータリードコネクタ内への挿入のために細長い、請求項7に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項9】
前記正リード端子は、近位絶縁シースを備える、請求項8に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項10】
前記スパークプラグ開口部係合装置は、前記ねじ切り部と前記細長い電気コネクタナットとの間に六角ナットの外形の横断面を備える、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項11】
前記細長い電気コネクタナットは、端部分及び前記端部分からのくびれ部を画定し、前記くびれ部は、前記端部分の最大直径よりも小さい直径を有する、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項12】
前記少なくとも1つのエンジン減圧排気口のそれぞれは、内側の空間から単一の方向に流体を排出する、請求項1に記載のスパークプラグ・テストキット。
【請求項13】
前記アースリードのカラーの通過のために前記端子ヘッド部分内に形成された切り欠き部をさらに備える、請求項6に記載のスパークプラグ・テストキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパークプラグ・テストキットに関し、特に、必ずしも全面的にではないが、燃料の不慮の点火又は爆発の可能性を実質的に減少させる様態でスパークプラグをテストできるようにするスパークプラグ・テストキットに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本明細書で提供される実施形態では、小型ガソリンエンジンで用いるための持ち運びできる、簡単な、安全な、且つ信頼性のあるスパークプラグ・テストキットが開示される。例えば、スパークプラグ・テストキットは、道具箱などに収納し、例えば、かかりにくい芝刈機の問題を解決するなどの必要なときに必要とされる場所で使用することができる。
【0003】
小型ガソリンエンジンに関する従来の問題を解決する手法は、スパークプラグを取り外し、スパークプラグをエンジンブロック上に置いて接地接続をなし、その後、エンジンをクランキングして、スパークプラグの火花ギャップ内の火花を見ることである。このような手法は、燃料が不注意で点火される、オペレータが感電死する、及び/又はスパークプラグ開口部から燃焼チャンバの中にごみが落ちる場合があるという点で危険である。
【0004】
したがって、本明細書で説明される実施形態に係るスパークプラグ・テストキットは、これらの問題をなくし又は実質的に改善しながらスパークプラグの火花の簡単明瞭な検査を可能にするガソリンエンジンの安全且つ便利なテストを可能にする。後の説明から分かるように、スパークプラグ・テストキットは、既存の慣習及び構成に照らして、可搬性、使いやすさ、信頼性、及び安全性において利点を与える。
【0005】
これに関して、ここで図1に移ると、最も近い技術と考えられる米国特許第4,570,124号A(Fuchs)(以下D1)で開示される従来技術の構成が示されている。D1は、スパークプラグ火花の目視検査のための透明火花チャンバと、スパークプラグを異なる圧力で目視検査するべく火花チャンバを加圧するための空気ポンプとを有する、単気筒及び多気筒火花点火型エンジンのテストのための持ち運びできる自己内蔵型の点火系統テスト診断器具を開示する。
【0006】
具体的には、D1で開示されるように、単気筒エンジンをテストするために、接地ワイヤ38が、テストクリップ40によってエンジン上の任意の適切な接地点に接続される。スパークプラグワイヤが、エンジンスパークプラグから取り外され、テストスパークプラグ32の上側端子76上に取り付けられる。スパークプラグがエンジンから取り外され、ロープ又は電気スタータでエンジンがクランキングされ、点火火花アークが透明ハウジングを通して視覚的に観察される。
【0007】
しかしながら、D1は、安全性を含むいくつかの欠点に悩まされる。例えば、スパークプラグの取り外しは、エンジンを損傷する可能性のあるごみがシリンダチャンバの中に落ちるのを許すことがある。
【0008】
さらに、エンジン上の任意の適切な接地点に接続されるワニ口クリップ14の使用は、信頼性のある電気接続を常には成さず、これにより、火花に影響する可能性があるという点で信頼できず、さらに、適切な取付点を見つけ出さなければならないという点で不便である。
【0009】
さらに、D1の電気リードは露出されており、不注意で結果的にオペレータが19kVに感電死する可能性がある。
【0010】
さらに、ここで図2に移ると、スパークプラグを高い空気圧力でテストする目的でスパークプラグを内部に受け入れるための複数の開口部を有する装置を開示する米国特許第1,695,557号(Myers)(以下D2)で開示されるさらなる従来技術の構成が示されている。この装置は、残留ガソリンの爆発によりガラスが吹き飛んだ場合の怪我のリスクを低下させるべく観察を行うためのミラーを備える。
【0011】
しかしながら、D2は、複数のスパークプラグを同時にテストするのに適した「ハイエンド」の実験室テスト装置であり、本明細書で開示される持ち運びできる簡単なテストキットとは異なる。さらに、D2は、スパークプラグに電力を与える目的で、内蔵変圧器、スパークコイルなどを備える。さらに、内蔵電気部品を組み込んでいるD2は、スパークプラグをテストしながら同時に実際のエンジンの配電系統/マグネトなどをテストすることはできない。
【0012】
ここで図3に移ると、加圧されたハウジング内の選択的電気テストのためのトレイ上のコンタクトの上に内燃機関のプラグのすべてを逆傾斜位に同時に配置することができるスパークプラグテスタを開示する米国特許第3,360,718(WILLIAMS)(以下D3)で開示されるさらなる従来技術の構成が示されている。しかしながら、D3は、その構造及び構成が実験室環境に適しているという点で、及び/又は、内蔵電気部品などを組み込んでおり、したがって、本明細書で開示される本実施形態のスパークプラグ・テストキットが可能であるような実際のエンジン自体の配電系統と併せたスパークプラグのテストに適していないという点でD2と異ならない。
【0013】
したがって、D2及びD3のいずれも、スパークプラグをテストしながら同時に実際のエンジンの配電系統をテストすることはできない。
【0014】
さらに詳細に後述するように、本発明のスパークプラグ・テストキットは、従来技術の構成と比べて可搬性、簡素さ、安全性、及び信頼性において利点を与える構成要素を備える。
【0015】
具体的には、さらに詳細に後述するように、スパークプラグ・テストキットは、密閉された透明なスパークプラグ観察装置を備える。火花観察装置は、火花ギャップの明瞭なビューをもたらすためにD2及びD3で開示された構成と違って手で持たれてよい。
【0016】
ここで、スパークプラグ観察装置は、ガソリン蒸気の不慮の点火を防ぐべく安全のためにシールされる。これに関して、D2及びD3の観察チャンバは、ガソリン爆発を防止しないが、むしろミラーの使用を通じてガラスの飛散による怪我を軽減することに注目される。
【0017】
本実施形態のスパークプラグ・テストキットは、スパークプラグ開口部と係合するときに、1)クラッキングを容易にするべくチャンバの減圧を可能にすること、2)スパークプラグ開口部にごみが入るのを防ぐこと、及び3)スパークプラグ・テストキットの接地リードに関する確実な電気接続を提供すること、の3つの目的を果たし得るスパークプラグ開口部係合装置をさらに備える。さらに、いくつかの実施形態において、スパークプラグ開口部係合装置は、従来の絶縁スパークプラグコネクタ及び関連する絶縁ブーツを用いてこれに接続することを可能にする、スパークプラグ型電気端子ヘッドを備える。
【0018】
前述のように、D1は、テストされるエンジンブロックへの接地接続をなす目的でワニ口クリップ40を使用する。
【0019】
しかしながら、D1のワニ口クリップ40は、信頼性のある電気接続を提供しない。これに対して、スパークプラグ開口部係合装置は、エンジンブロックとだけでなくスパークプラグ型端子ヘッドに接続される接地電気リードとも優れた電気接続をなす。
【0020】
さらに、D1のテストキットは、テスト中に不注意でごみが燃焼チャンバに入ってエンジンを損傷することを許す場合がある。
【0021】
さらに、スパークプラグ開口部係合装置は、クランキングを容易にするべくスパークプラグ開口部内に係合されている状態でチャンバの減圧を可能にする排気通路を提供する。
【0022】
これに関して、米国特許第3,115,033号A(Williams)(以下D4)は、シリンダのスパークプラグ開口部の中に挿入するように構成され、圧縮テストのための圧力計を備える、内燃機関圧縮テスト装置を開示する。
【0023】
しかしながら、D4は、エンジンの電気テストではなく圧縮テストに向けられており、これらの異なる別個のスキルセットを与えるD1及びD4の開示を一緒に組み合わせることを当業者は当然に予想していなかったであろう。これに関して、エンジン圧縮テストとエンジン電気系統のテストは、異なるタイプの当業者によって行われる可能性の方が高いと一般に言えるであろう。
【0024】
さらに、当業者がD1のアースリード38の電気接続の改良をしようとしたと仮定すると、その当業者の仮定上のルーチンステップは、別のタイプのクリップ又は係合の使用などによってワニ口クリップ40の電気接続を強化する程度までにしか延長されなかったであろうとだけは言えるであろう。
【0025】
さらに、チャンバの中にごみが落ちる問題は(D1〜D4の開示によって証明されるように)記録上の従来技術によってまだ認識さえされていないので、当業者がスパークプラグ開口部を塞ぐ又は他の方法で係合させようとすることは当然に予想され得ないであろう。したがって、本構成のスパークプラグ開口部係合装置を備えるテストキットがチャンバの中にごみが落ちるのを防ぐように構成されることを当業者がルーチンステップだけで想到することは予想されていなかったであろう。
【0026】
さらに、当業者がスパークプラグ開口部係合装置の使用を想到したと仮定しても、このようなスパークプラグ開口部係合装置がクランキングを容易にするべくチャンバの減圧を可能にするために排気部を有することは当然に予想されていなかったであろう。
【0027】
さらに、後の説明からも理解されるように、本構成のスパークプラグ・テストキットは、従来技術の参照D1〜D4を含む従来技術の構成と比べて可搬性、安全性、及び信頼性においてさらなる利点を提供する。
【0028】
具体的には、後の説明から分かるように、スパークプラグ・テストキットは、ユーザへの不慮のショックを防ぐために電気的に絶縁される。さらに、テストキットは、設置及び取り外しの目的で解体することができ、設置段階中に、スパークプラグが取り外され、スパークプラグ開口部係合装置がスパークプラグ開口部の中に挿入され、ソケットで締め付けられ、その後、スパークプラグが観察装置の中に挿入され、その後、アースリード電気接続ブーツがスパークプラグ開口部係合装置の遠位端子の上に挿入され、さらにその後、正リードの端子がディストリビュータからのコネクタの中に挿入される。さらに、引火性の液体、蒸気などから火花を隔離するためにスパークプラグ観察装置をねじ止めすることができる。
【0029】
したがって、理解されるように、参照D1〜D4で開示されたものを含む従来技術は、本実施形態に従って開示される特徴及び機能を含むテストキット構成を開示も提案もしない。
【0030】
何らかの従来技術の情報が本明細書で言及される場合、このような言及は、その情報がオーストラリア又はあらゆる他の国での当該技術分野での共通の一般知識の一部をなすことの自認を構成するものではないことが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0031】
したがって、上記のことを念頭において、一実施形態によれば、スパークプラグ・テストキットであって、火花観察装置と、スパークプラグ開口部係合装置と、火花観察装置とスパークプラグ開口部係合装置とを電気的に接続するアースリードと、を備え、火花観察装置は、使用中にその内部に設置されたスパークプラグの火花ギャップを見ることができるようにするために透明観察チャンバを備え、観察チャンバは、燃料の不慮の点火を実質的に防ぐ又は可能性を低減させるために実質的に気密であってよく、スパークプラグ開口部係合装置は、ごみが開口部を通って中に落ちるのを実質的に防ぎ、且つ、アースリードのためのエンジンブロック電気接続コンタクトとして作用するように、観察のためにスパークプラグが取り外されるとスパークプラグのスパークプラグ開口部と係合するように構成され、チャンバの減圧のための少なくとも1つの排気部を備える、スパークプラグ・テストキットが開示される。
【0032】
スパークプラグ開口部係合装置は電気端子を画定してよく、アースリードは、遠位端でアースリード電気接続部により終端し、端子は、アースリード電気接続部と解放可能に接続するように構成されてよい。
【0033】
電気端子は、スパークプラグの端子の形状及び寸法と実質的に適合してよい。
【0034】
スパークプラグ開口部係合装置は、実質的に細長く、スパークプラグ開口部の中に回し入れる際に用いられるソケットの係合を容易にするべくソケット係合プロフィールを画定してよい。
【0035】
少なくとも1つの排気部は、スパークプラグ開口部係合装置から横方向に出てよい。
【0036】
アースリード電気接続部は、絶縁接続ブーツを含んでよい。
【0037】
アースリードは、近位端でスパークプラグのヘッドとの電気接触のためのカラーにより終端してよい。
【0038】
透明観察チャンバは、火花ギャップを異なる角度から見ることができるように実質的にドーム形に形状設定されてよい。
【0039】
透明観察チャンバは、透明ポリカーボネートを含んでよい。
【0040】
火花観察装置は、円筒部分及び端子ヘッド部分を備えてよく、円筒部分及び端子ヘッド部分は、使用中にそれらの間にスパークプラグを固定するために一緒に締結されるように構成される。
【0041】
端子ヘッド部分は、火花ギャップを透明な様態で収容するべく透明観察チャンバの相補的な内ねじの中に回し入れるための外ねじを備える環状押出成形部を備えてよい。
【0042】
スパークプラグ・テストキットは、火花観察装置を電気的に接続するための正リードをさらに備えてよく、正リードは、遠位端で正リード端子内で終端する。
【0043】
正リード端子は、実質的に細長く、ディストリビュータリードコネクタの中に挿入するように構成されてよい。
【0044】
正リード端子は、近位絶縁シースを含んでよい。
【0045】
本発明の他の態様も開示される。
【0046】
本発明の範囲内に入り得る任意の他の形態があるにもかかわらず、本開示の好ましい実施形態がここで単なる例として添付図を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】従来技術に係るスパークプラグ電気テスト装置を示す図である。
図2】従来技術に係るスパークプラグ電気テスト装置を示す図である。
図3】従来技術に係るスパークプラグ電気テスト装置を示す図である。
図4】従来技術に係る燃焼チャンバ圧縮テスト装置を示す図である。
図5】本開示の好ましい実施形態に係るスパークプラグ・テストキットを示す図である。
図6】本開示の好ましい実施形態に係る図5のスパークプラグ・テストキットのスパークプラグ開口部係合装置を示す図である。
図7】本開示の好ましい実施形態に係る図5のテストキットの火花観察装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示に係る原理の理解を促進する目的で、ここで図面に示された実施形態への言及を行い、同じものを説明するために特定の言葉が用いられる。それにもかかわらず、開示の範囲を限定することは意図されないことは理解されるであろう。当該技術分野の当業者が本開示を入手すると通常想到するであろう本明細書で例示される発明的な特徴のどの変更及びさらなる修正、並びに本明細書で例示される開示の原理のどのさらなる用途も、本開示の範囲内にあると考えられるものとする。
【0049】
スパークプラグ・テストキットに関係する構造、システム、及び関連する方法が開示及び説明される前に、本開示は、そのように若干変化し得るものであるから、本明細書で開示される特定の構成、プロセスステップ、及び材料に限定されないことが理解される。開示の範囲は請求項及びその均等物によってのみ制限されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を単に説明する目的で用いられ、限定するものとなることを意図されないことも理解される。
【0050】
本開示の主題を説明し、特許請求するにあたり、以下に記載の定義に従って以下の用語が用いられる。
【0051】
本明細書及び付属の請求項で用いられる場合の単数形(「a」、「an」、及び「the」)は、文脈上他の意味に明白に規定される場合を除き複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0052】
本明細書で用いられる場合の「含む、備える(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「によって特徴づけられる」という用語、及びその文法上の均等物は、さらなる挙げられていない要素又は方法ステップを除外しない包括的な又は制限のない用語である。
【0053】
以下の説明では、異なる実施形態における同様の又は同じ参照番号は同じ又は類似の特徴を表すことに留意されたい。
【0054】
ここで図5に移ると、本実施形態のうちの好ましい実施形態に係るスパークプラグ・テストキット5が示されている。さらに詳細に後述するように、スパークプラグ・テストキット1は、可搬性、信頼性、安全性、及び使いやすさにおいて既存のテスト装置を上回る利点を与える。
【0055】
ここで、テストキット1は、使用中にスパークプラグ11の火花を目視検査するための火花観察装置21を備える。これに関して、火花観察装置21は、スパークプラグ11のギャップ内の火花の目視検査のためにスパークプラグ11の電極が収容される透明ドーム17を備える。
【0056】
火花観察装置11は、スパークプラグ11の火花を潜在的に引火性の外部流体、蒸気などから隔離するべくスパークプラグ11を内部に収容するために一緒に締結される種々の構成要素を備える。
【0057】
このような構成要素は円筒区域10を含んでよく、該円筒区域10の中に環状ヘッド19がねじ13によって回し入れられることによってそれらの間にスパークプラグ11が締結される。そうすることで、スパークプラグ11のヘッドは、環状ヘッド19の開口部を通して延びてドーム17内に見えるようになる。これに関して、環状ヘッド19自体の開口部は、スパークプラグ11のヘッドのねじと結合するためのねじ18を備える。
【0058】
さらに、図から分かるように、環状ヘッド19は、透明ドーム17の対応する内ねじ16の中に回し入れるための外周ねじ15を画定する環状突出部を備えてよい。
【0059】
環状ヘッド19は、電気ラグ18を内部に受け入れるための切り欠き部14を備えてよく、電気ラグ18に接続されている環状のものはアースリード8への接続リング12である。
【0060】
ここで図7に移ると、組み立てられたときの火花観察装置21の断面立面図が示されている。図から分かるように、火花観察装置21は、内部でスパークプラグ11としっかりと係合し、異なる視野角からのスパークプラグ11の火花ギャップの目視検査を可能にしながら、さらに、スパークプラグ11の火花ギャップを外部の可燃性の流体、蒸気などから隔離する。
【0061】
理解されるように、火花観察装置21の構造は、望まれる場合に観察装置21が手で持たれることを可能にする。さらに、火花観察装置21の構造は、特に堅牢であり、例えば落下した場合の損傷に耐える。さらに、いくつかの実施形態において、透明ドーム17は、耐衝撃性の透明ポリカーボネートなどから製造されてよい。
【0062】
ここで、テストキット1は、スパークプラグ開口部係合装置22をさらに備える。スパークプラグ開口部係合装置22は、スパークプラグ11が取り外されるとスパークプラグ11の開口部と係合するように構成される。これに関して、開口部係合装置22は、開口部の中に回し入れるためのねじ4を備える。これに関して、回すのを容易にするために、開口部係合装置22は、ソケットによるその係合を可能にするために六角ナットの外形5を備えてよい。理解されるように、開口部係合装置22は、スパークプラグ11自体と異ならない外形を備え、これにより、開口部係合装置22が同様のツールを用いて同様の様態で開口部の中に回し入れられることを可能にする。
【0063】
図6は、開口部係合装置22の拡大図を示す。
【0064】
背景の項目で前述したように、開口部係合装置22はいくつかの目的を果たし得る。
【0065】
具体的には、開口部係合装置22によって果たされる第1の目的は、スパークプラグ開口部の中にごみが落ちるのを防ぐことである。図から分かるように、開口部係合装置22による開口部の係合は、開口部の中にごみが落ちてエンジンを潜在的に損傷する余地を残さない。
【0066】
さらに、開口部係合装置22によって果たされる第2の目的は、クランキングを容易にすることを含めてテスト中のチャンバの減圧を可能にすることである。このように、一方の手で観察装置21を持ちながらもう一方の手でエンジンがクランキングされてよい。
【0067】
これに関して、開口部係合装置22は、加圧されたガスがチャンバから開口部を通って排気部6の外に逃げることを可能にするための少なくとも1つの排気部6を備える。図示された実施形態では、装置22は、装置22の側面に配列された一連の3つの排気部6を備える。実施形態では、装置22の内部は、ごみが排気部6を通って開口部の中に入ることもさらに防ぐためにメッシュ、ボール、及びばね装置などを備えてよい。
【0068】
さらに、開口部係合装置22によって果たされる第3の目的は、テストキット1のアースリード8のための優れた電気接続を提供することである。具体的には、図から分かるように、開口部係合装置22は、アースリード8が選択的に接続され得る遠位端子19を備える。具体的には、好ましい実施形態において、アースリード8は、必要とされるときに端子19の上に係合する従来の絶縁スパークプラグブーツ7内で終端する。
【0069】
理解されるように、端子19からブーツ7を取り外せることは、上述のソケットによる開口部係合装置5の設置を容易にし、その後、設置されると、ブーツ17を端子19に容易に接続することができる。
【0070】
テストキット1は、テストのために従来のスパークプラグブーツ9によってスパークプラグ11の端子に接続される正リード2をさらに備える。図から分かるように、正リード2の他方の端は、ディストリビュータからの接続部の中に挿入するように構成された細長い端子3内で終端する。端子3の近位端は、安全に取り扱うために電気絶縁のシース20を備えてよい。
【0071】
このように、理解されるように、端子3は簡単な設置を可能にし、端子3は、ディストリビュータからの接続部の中に簡単に挿入することができ、反対側のスパークプラグブーツ9はテストのためにスパークプラグ11の端子の上に係合される。
【0072】
このように、スパークプラグ・テストキット11は、ほんの数分で設置され、なおかつ、確実な電気接続、不慮の点火からの安全性、ごみがチャンバに入るのを防ぐこと、電気絶縁などを提供し得る。
【0073】
解釈
実施形態:
本明細書の全体を通して、「一実施形態(「one embodiment」又は「an embodiment」)」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造体、又は特色が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる種々の場所での「一実施形態では(「in one embodiment」又は「in an embodiment」)」という文言の出現は、必ずしも同じ実施形態に言及するものではないが、同じ実施形態に言及する場合もある。さらに、特定の特徴、構造体、又は特色は、本開示から当業者には理解されるように任意の適切な方法で1つ又は複数の実施形態において組み合わされてよい。
【0074】
同様に、本発明の例示的な実施形態の上記の説明では、本発明の種々の特徴は、開示を合理化し、種々の発明的な態様のうちの1つ又は複数の理解を助ける目的で、時には、単一の実施形態、図面、又はその説明において一緒にグループ化されることを理解されたい。この開示の方法は、しかしながら、特許請求される発明が各請求項で明確に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映する場合の発明的な態様は、単一の上記の開示された実施形態のすべてよりも少ない特徴にある。したがって、「発明を実施するための形態」に後続する請求項は、この「発明を実施するための形態」にここで明確に組み込まれており、各請求項は、この発明の別個の実施形態としてそれ自身で独立している。
【0075】
さらに、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、いくつかの、しかし他の実施形態に含まれる他の特徴ではない特徴を含むが、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせが、本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することを意図される。例えば、以下の請求項では、特許請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで用いることができる。
【0076】
対象の異なる事例:
本明細書で用いられる場合の、他に規定されない限り、共通の対象を説明するための序数詞「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用は、同様の対象の異なる事例に言及することを単に表しており、そのように説明される対象が、一時的に、空間的に、格付けにおいて、又は任意の他の様態のいずれかにおいて所与の順序でなければならないことを表すことは意図されない。
【0077】
具体的な詳細:
本明細書で提供される説明では、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことが理解される。他の場合には、周知の方法、構造体、及び技術は、この説明の理解を妨げないようにするために詳細に示されていない。
【0078】
用語:
図面に例示される本発明の好ましい実施形態を説明するにあたり、明瞭にするために具体的な用語が使用されることになる。しかしながら、本発明は、そのように選択された具体的な用語に限定されることを意図されず、それぞれの具体的な用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の様態で動作するすべての技術的均等物を含むことが理解される。「前方」、「後方」、「半径方向に」、「周方向に」、「上方に」、「下方に」などの用語は、基準点を提供するのに便利な言葉として用いられ、限定する用語として解釈されるべきではない。
【0079】
備える及び含む(Comprising and Including):
以下の請求項では、及び本発明の上記の説明では、表現言語又は必要な含意に起因して文脈が他を必要とする場合を除いて、「備える(「comprise」若しくは「comprises」又は「comprising」などの変形)」という用語は、包括的な意味で、すなわち提示される特徴の存在を明記するが本発明の種々の実施形態でのさらなる特徴の存在又は追加を除外しないように用いられる。
【0080】
本明細書で用いられる場合の「含む(「including」又は「which includes」又は「that includes」)」という用語のいずれもオープンターム(open term)であり、これはまた、その用語に従う少なくともいくつかの要素/特徴を含むが他の特徴を除外しないことを意味する。したがって、含む(including)は、備える(comprising)と同じ意味である。
【0081】
発明の範囲:
したがって、本発明の好ましい実施形態と考えられるものが説明されているが、本発明の精神から逸脱することなく他の及びさらなる修正がなされてもよく、本発明の範囲内に入るすべてのこうした変化及び修正を特許請求することが意図されることを当業者は認識するであろう。例えば、上記で与えられるどのような方式も、用いられ得る手順の単なる代表である。機能は、ブロック図から追加又は削除されてもよく、動作は、機能ブロック間で置き換えられてもよい。ステップは、本発明の範囲内で説明される方法に追加又は削除されてもよい。
【0082】
本発明は具体例を参照して説明されているが、本発明は多くの他の形態で具体化されてもよいことが当業者には分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7