【実施例】
【0016】
実施例は、本発明をゲーム機に用いられる円盤体保留式の円盤体選別装置200に採用した例である。詳述すれば、実施例は、電気的手段を用いること無く、日本円の100円硬貨を最大5枚まで保留できるようにした機械式の円盤体選別装置200に本発明に係る円盤体検知装置400を適用した例である。
【0017】
まず、本発明に係る円盤体検知装置400が適用される円盤体選別装置200を説明する。
円盤体選別装置200は、少なくとも、インターフェース体202、円盤体通路212、受入通路277、円盤体選別手段214、円盤体保留装置224、返却通路222、及び、収納通路376を備えている。
【0018】
まず、インターフェース体202を、
図1を参照して説明する。
インターフェース体202は、広義の意味での利用者と円盤体選別装置200との間の情報伝達機能を有し、本実施例においては、矩形板状のインターフェース体202の中間部に縦長矩形の円盤体Dを挿入するための挿入口204が形成され、下端部には縦長矩形の返却口206が形成され、挿入口204の右側側方には、上下方向に旋回可能に設けられた返却レバー208の先端が突出配置されている。
【0019】
次に円盤体通路212を、主に
図6を参照して説明する、
円盤体通路212は、薄板状の空間であって、挿入口204に挿入された円盤体Dを受入通路277へ案内すると共に、円盤体選別装置214が配置される機能を有し、本実施例においては、板状の本体216と板状のドア218によって上側に凸状になる弧状に形成されている。具体的には、後述する放出手段266から下向き通路272における材質選別永久磁石274との相対部迄をいう。上側に凸となる弧状に形成したのは、円盤体選別装置200の上下及び前後方向の大きさを小型化するためである。円盤体通路212は、後述する上側案内体236及び下側案内体234によって、円盤体通路212の上下の案内面が画定され、本体内面216iとドア内面218iによって左右の案内面が画定される。更なる、円盤体通路212の詳細は後述する。
【0020】
次に本体216を説明する。
本体216は、ドア218、その他の各種の部品が取り付けられると共に、円盤体通路212の一側面を画定する機能を有し、大まかには、垂立する平板状体によって構成されている。本体216は、縦長矩形の板状のインターフェース体202の裏面側中央部に一端面が突き立てられるように固定され、平面視において、インターフェース体202と本体216とはT字型をなすように構成されている(
図5)。
【0021】
次にインターフェース体202を説明する。
インターフェース体202には、前述したように、挿入口204、返却口206、及び、返却レバー208が配置され、返却口206の前方には円盤体保持体228が並置されている。円盤体保持体228は、返却口206から排出された円盤体Dを立った状態で保持する機能を有し、下面、前面、上面、及び、左側面が閉止され、さらに、右側面の下部の一部が閉止され、上部が開口された袋状の構成体である。したがって、円盤体保持体228内に立った状態で保持された円盤体Ðを、右側面の上部開口から取り出すことができる。
【0022】
次に、返却レバー208を説明する。
返却レバー208は、円盤体Dの処理の途上において、処理を中止したい場合に操作され、当該操作に連動して円盤体通路212、又は、後述の円盤体保留部338に位置する円盤体Dを返却口206、したがって、円盤体保持体228に戻す機能を有し、本体216から横向きに突出した第1支軸230回りに回動可能に支持されたレバーである。
【0023】
次に本体216の他の部分を主に
図6を参照しつつ説明する。
本体216の本体内面216iは平面状に形成され、円盤体通路212を画定する。
本実施例において、垂立する本体内面216iには、大凡、円盤体通路212の円盤体通路上縁212uと正面視形状が一致する上向き湾曲状の円盤体通路凹部232が所定の深さで形成されているが、円盤体通路212の下側は開放されている。換言すれば、本体216の本体内面216iは、上段216u、中段216m、及び、下段216lとからなる三段構成の平板である。上段216uは、大凡、円盤体通路212を画定するように、円盤体通路212の外周に配置される。中段216mは、円盤体通路212の右側側面を画定する。円盤体通路凹部232は上段216uと中段216mによって構成されている。円盤体通路凹部232の所定の深さとは、挿入口204の横幅W(
図2)とほぼ同一である。したがって、円盤体通路212の右側壁212Rは、円盤体通路凹部232の底壁232B(中段216m)である。しかし、円盤体通路凹部232を構成することは必須の構成ではない。下段216lは後述の円盤体保持体228が受け入れられる、中段216mに対してさらに一段掘り下げられた凹部であり円盤体保持板238よりもやや大きく相似形に形成されている。本体216の円盤体通路凹部232の底壁232Bから横向きに下側案内体234が突出形成されている。本体216の下端部には、円盤体通路212の下方において、返却通路底壁222Bが、インターフェース体202側に向かって前下がりの返却通路222の底壁として形成されている。この返却通路222において、円盤体Dは立った状態におい、自己の重量によって返却口206側へ転がり落ちることができる。下段216lは、後述の上側案内体236の外側に配置される円盤体保持板238を受け入れる凹部である。換言すれば、円盤体選別装置200において、円盤体Dが選別可能状態である場合、上段216u(本体内面216i)は後述のドア218のドア内面218iと接触し、中段216mは真正円盤体TDの厚みよりも僅かに離れた距離で平行にドア内面218iに対し配置され、下段216lは中段216mよりも更に離れた距離で平行に配置される。
【0024】
次に円盤体保持板238を主に
図7を参照して説明する。
円盤体保持板238は、円盤体通路212の一部を構成する機能、及び、偽円盤体吸着磁石242に吸着された偽円盤体FDを円盤体通路212から排除する機能を有し、本実施例においては、矩形板状に磁性ステンレス材によって形成され、上端部が上側案内体236の反ドア側側面に固定されている。したがって、円盤体保持板238の一面は、上側案内体236の反ドア218側面に密着して固定されている。この構成によって、
図11に示すように、円盤体通路212を内蔵する仮想平面VPは円盤体保持板238よりもドア218側に偏った位置に配置される。円盤体保持板238の円盤体通路212に面した位置に、偽円盤体吸着磁石242用の円形の磁石開口244が形成されている。この構成により、偽円盤体吸着磁石242の先端が磁石開口244に円盤体通路212に突出することなく位置する。これにより、本体216に固定された偽円盤体吸着磁石242によって、円盤体保持板238が吸引されるので、円盤体保持板238と一体化されているドア218が本体216側に回動され、本体内面216iとドア内面218iとが密接した状態で静止状態を維持する。換言すれば、偽円盤体吸着磁石242と円盤体保持板238はドア218を円盤体Dの選別が可能な状態に保持する機能を有するが、この機能は、バネなどによって代替することができる。また、磁性材料で製造された偽円盤体FDは、偽円盤体吸着磁石242の側方を通過する際、偽円盤体吸着磁石242の磁力によって吸着され、円盤体保持板238に密着した状態で保持される。換言すれば、磁性を有する偽円盤体FDは、一側面が円盤体保持板238の一面に密着した状態で保持される。ドア218が本体支軸246を支点に回動された場合、ドア218の下部ほど本体216から離れるよう移動する。ドア218と一体に上側案内体236及び円盤体保持板238も回動される。これにより、偽円盤体吸着磁石242は本体216に固定されているので、ドア218の回動と共に偽円盤体FDから離れるので、偽円盤体FDに対する吸引力が低下し、最終的に、偽円盤体吸着磁石242による吸着力が極めて低下、若しくは、消滅し、円盤体保持板238と偽円盤体FDとの間の摩擦力に基づく保持力よりも、偽円盤体FDの重量が大きくなり、下方の返却通路222へ落下させられ、返却口206を経由して、円盤体保持体228へ戻される。
【0025】
次に下側案内体234を
図6を参照して説明する。
下側案内体234は、円盤体通路212における下側案内面234lを構成する機能を有し、本実施例においては、大凡、楕円形に形成され、その弧状の上縁が下側案内面234lである。
【0026】
次に上側案内体236を主に
図7を参照して説明する。
上側案内体236は、円盤体Dの上側周面を案内する機能を有し、本実施例においては、下側案内体234に対し、真正円盤体TDの直径よりも僅かに大きな距離をおいて配置された大凡台形型に形成され、その案内面が弧状の上側案内面236sとして形成されている。上側案内面236sは、サイコロイド曲線にすることが好ましい。円盤体Dが衝突した場合、その衝突方向を概ね接線方向にできるため、円盤体Dが大きな角度で跳ね返らず、円盤体Dが円滑に案内されるからである。
【0027】
次に返却通路222を主に
図6を参照して説明する。
返却通路222は、後述する円盤体選別手段214によって判別された偽円盤体FDを、利用者に対し戻す機能を有し、本実施例において、返却通路222は、断面が縦向きコ字型であって、前下がりの溝状に形成されている。詳述すれば、返却通路222は、
図5(B)に示すように、左壁222L、右壁222R、及び、返却通路底壁222Bによって、断面が倒立コ字型の溝型であって、インターフェース体202側に向かって前下がりに構成され、偽円盤体FDは、前下がりに傾斜する返却通路底壁222B上を左壁222L、及び、右壁222Rによって案内されつつ返却口206に向かって転動する。左壁222Lの上端は、前述の円盤体保持体228によって落下される偽円盤体FDを返却通路222へ誘導するため、上方にラッパ状に拡開されている。前下がりとは、円盤体Dの進行(転動)方向前方ほど下方に位置するよう傾斜している構造をいう。
【0028】
次にドア218を主に
図7を参照しつつ説明する。
ドア218は、本体216と共に円盤体通路212を構成する機能、及び、円盤体通路212に滞留した円盤体Dを返却通路222へ落下させる機能を有し、本実施例においては、本体216よりも小型の大凡矩形の板状体によって構成され、ドア内面218iは、平面であって、通常は本体内面216iに対し、真正円盤体TDの厚みよりも僅かに広い間隔W2(
図8)をおいて平行に配置されている。ドア218の上端部は、本体216の上端部に一体化された本体支軸246(
図3)に回動自在に軸支され、ドア218の下端部218Lが本体216から離れるように回動可能である。ドア218は、ドア付勢手段248(偽円盤体吸着磁石242及び円盤体保持板238)によって、下端部218Lが本体216側に近づくように回動力を受け、ドア内面218iが本体内面216iに当接することによって、ドア内面218iと本体内面216iとが平行になるように設定されている。なお、ドア218はその上端部が、本体216の上端部に、その軸線が本体内面216iに対し平行に設けた、本体支軸246に対し着脱自在、かつ、所定範囲において回動自在に構成されている、ドア218は、通常状態においては、ドア付勢手段248によって、所定の付勢力によってドア内面218iが本体内面216iに押し付けられ、中段216mとドア内面218iとが間隔W2でもって平行状態を呈するように構成されている。本実施例において、ドア218には挿入口204の近傍から離れ、かつ、上方に向かって弧状に延在する落下開口252が形成されている。さらに、挿入口204側の上端部に上側案内体236が取り付けられている。
【0029】
次に落下開口252を主に
図7及び
図11を参照して説明する。
落下開口252は、円盤体Dが円盤体通路212を進行する過程において、後述する押動体254によって当該円盤体通路212から押し出されることを可能とする機能を有し、本実施例においては、所定の長さを有する弧状開口を呈している。落下開口252は、後述の円盤体通路212の一側面、本実施例においては左側面に配置され、
図7に示すように、同一の中心Cから第1半径R1によって形成された落下開口下側縁252lと、第1半径R1よりも大きな第2半径R2によって形成された落下開口上側縁252uとによって形成されている。第1半径R1と第2の半径R2との差、換言すれば、落下開口252の開口高さHは、真正円盤体TDの直径よりも僅かに小さく設定されている。落下開口下側縁252lは、ドア内面218iと面一に配置された横向きJ型の円盤体側面案内体256の上縁によって構成されている。落下開口上側縁252uは、上側案内体236の上側案内面236sによって構成されている。上側案内体236は、所定の厚み、具体的には、真正円盤体TDの厚みよりも僅かに厚く形成され、ドア内面218iに固定されている。したがって、
図11に示すように、上側案内体236の左端と円盤体側面案内体256の右端は同一の仮想平面VPの左端面に位置している。換言すれは、円盤体Dの上側周面は落下開口上側縁252uに位置する上側案内面236sによって案内され、下側周面は落下開口下側縁252lよりも僅かに下方に位置する下側案内体234の下側案内面234lによって案内される。本実施例において、ドア218における落下開口252の外方、換言すれば、反本体216側には、落下開口252から落下する偽円盤体FDを返却通路222へ案内するためのカバー258(
図11)が一体に設けられている。カバー258の下端縁258lは開放され、偽円盤体FDが落下可能である。さらに、インターフェース体202側のカバー258の下端縁258lとドア218の間にはガイド板262が配置されている。換言すれば、ドア付勢手段248、したがって、偽円盤体吸着磁石242の直下のカバー258とドア218との間にはガイド板262を配置し、ドア付勢手段248から落下した偽円盤体FDはガイド板262によって反インターフェース体202側へ案内された後、落下口264から落下するように構成されている。放出手段266上に円盤体Dを落下させないようにするためである。
【0030】
次に円盤体通路212の詳細を主に
図6及び
図9を参照しつつ説明する。
円盤体通路212は、放出手段266によって放出された円盤体Dを案内する機能、本実施例においては、必要な時期に円盤体Dの左側面DL、右側面DR、下周面DD、及び/又は、上周面DU(
図10)を案内する機能、及び、円盤体選別装置214が配置される機能を有し、本実施例においては、本体216(本体内面216i)、ドア218(ドア内面218i)、上側案内体236(上側案内面236s)、及び、下側案内体234(下側案内面234l)によって構成さている。具体的には、円盤体通路212は挿入口204に連続して形成された上向き通路268、この上向き通路268に続いて形成された下向き通路272によって上側に凸状になるよう構成されている。
【0031】
まず、上向き通路268を説明する。
上向き通路268は、挿入口204の下縁204lよりも上方に向かう通路であり、本実施例においては、挿入口204に対して上方に向かうと共に、インターフェース体202から離れる方向に形成されている。具体的には、放出手段266から前述の上側案内体236と下側案内体234に達するまでの通路、及び、上側案内体236と下側案内体234とによって画定された通路、換言すれば、上側案内面236sと下側案内面234lによって挟まれた通路とによって構成されている。上側案内面236sと下側案内面234lは前述したように、真正円盤体TDの直径よりも僅かに大きな間隔で平行に配置されている。換言すれば、真正円盤体TDは上下の周面を上側案内面236sと下側案内面234lによって案内されつつ、右側面DRを中段216m、左側面DLをドア内面218iに案内されつつ下流の下向き通路272へ達することができる。しかし、真正円盤体TDよりも大径の偽円盤体FDは上側案内面236sと下側案内面234lとの間を通過することができず、上向き通路268を通過することができない。一方、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは後述する押動体254によって横方向へ押動され、上向き通路268から逸らされて落下開口252から落下される。本実施例において、上側案内面236sと下側案内面234lは弧状に形成されているが、直線状であってもよい。本実施例においては、この上向き通路268に相対して円盤体選別手段214(
図9)が配置されている。円盤体選別手段214を上向き通路268に相対配置することにより、円盤体選別装置200の上下方向及び前後方向の寸法を小型化できる利点がある。
【0032】
次に下向き通路272を説明する。
下向き通路272は、上向き通路268に続いて形成され、上向き通路268における円盤体選別手段214を通過した円盤体Dを偽円盤体FDとして返却通路222へ案内するか、真正円盤体TDとして受け入れるため受入通路277へ振り分ける機能を有し、少なくとも、下向き通路272に突出する振分体276が配置される。本実施例においては、振分体276までの下向き通路272に更なる偽円盤体FDを選別するための材質選別永久磁石274が配置されている。下向き通路272は、上向き通路268における上向き状態から、逆に円盤体Dを下方へ案内する通路であり、本実施例においては、上向き通路268を通過した円盤体Dがその勢いにのって、斜め下方、又は、下方へ自然落下できるように構成されている。したがって、少なくとも、円盤体Dの左側面DL及び右側面DRを案内する、中段216m及びドア内面218iがあれば良い。なお、円盤体選別手段214を下向き通路272に配置することもできるが、上向き通路268に配置した場合に比し、前後方向の寸法が大きくなる。
【0033】
次に材質選別永久磁石274を説明する。
材質選別永久磁石274は、円盤体選別手段214を通過した円盤体Dの材質が真正円媒体Dの所定の材質であるかを磁気電気的に選別する機能を有し、本実施例においては、下向き通路272の入り口部の側方の本体216の背面に比較的強力な磁力を発生する永久磁石が用いられている。すなわち、材質選別永久磁石274によって形成された磁界を導電性を有する円盤体Dが横切る際、円盤体Dを構成する材質の導電性に応じた渦電流が円盤体Dの内部に発生し、円盤体Dには渦電流の大きさに比例して制動力が作用する。したがって、円盤体選別手段214を通過した円盤体Dが所定の材質でなく、導電率が高い材料である場合、材質選別永久磁石274の作用によって大きな制動力が発生し、移動速度が遅くなり、下向き通路272を出た直後に大凡垂直下方へ落下する。一方、所定の材質の円盤体Dである場合、制動力は弱く、移動速度の減速率が小さいので放物線を描いて落下する。したがって、選別する円盤体Dの材質に基づいて選別されるので、材質選別永久磁石274は必須構成ではないが、例えば、日本円の100円硬貨を真正円盤体TDとして判別する場合、直径を100円硬貨と同一に細工した5円硬貨に対し選別するには必須の構成となる。なお、材質選別永久磁石274を用いる場合、本体216は非磁性体、例えば、樹脂により製造される。
【0034】
次に振分体276を説明する。
振分体276は、円盤体選別手段214を通過した円盤体Dを偽円盤体FDとして返却通路222、又は、受入通路277に案内する機能を有し、下向き通路272に配置される。本実施例においては、材質選別永久磁石274の下流側端部の直下に配置される断面矩形の小片である。本実施例において、振分体276は本体216の裏面に固定され、本体216に形成された透孔275を介して下向き通路272に突出され、円盤体選別手段214(インターフェース体202)に対する距離を調整可能に本体216の裏面に固定されている。
【0035】
次に円盤体選別手段214を
図9乃至
図11を参照しつつ説明する。
円盤体選別手段214は、円盤体Dの直径によって真正円盤体TDと偽円盤体FDに選別する機能を有し、本実施例においては、上向き通路268に配置された上側案内体236、下側案内体234、押動体254、及び、円盤体側面案内体256によって構成されている。換言すれば、挿入口204に挿入され、後述の放出手段266によって放出され、上向き通路268を通過する円盤体Dの一側面を押動体254によって押動することにより、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDを円盤体通路212、したがって、上向き通路268から押し出して選別するようになっている。円盤体選別手段214は、同様の機能を有する他の装置に置き換えることができる。
【0036】
まず、押動体254を主に
図12を参照して説明する。
押動体254は、円盤体通路212を移動する円盤体Dの側面を押動し、円盤体通路212から押し出す機能を有し、本実施例においては、本体216の裏面側に水平に、かつ、円盤体通路212と平行に固定された回動軸278(
図5)に下端部の軸受け部278sが回動自在に軸支され、上端部に押動部278pが形成されている。押動部278pは、平面視において台形状、側面視において円弧状であり、本体216の上向き通路268に面して形成された弧状の通孔282を介して円盤体通路212、したがって、上向き通路268に突出可能にされる。押動部278pの円盤体通路212側の端縁である押動縁278eは、円盤体通路212の最上流側に位置する導入部278ei、導入部278eiの下流側に連続し、円盤体通路212側へ湾曲する逸らせ部278ed、及び、逸らせ部278edの下流側に連なり、落下開口252に位置可能な突出部278epを含み、押動縁278eは全体として斜面によって結合された階段状をなしている。また、押動体254は、回動軸278に巻き付けられたバネ284(
図4)によって、押動部278pが本体216に形成された弧状の通孔282を通って円盤体通路212へ突出するように付勢されると共に、この付勢によって、押動体254は、導入部278eiが通孔282に位置し、逸らせ部278edが円盤体通路212を斜めに横断し、突出部278epが落下開口252に位置するように、通常は、ストッパ(図示せず)によって静止されている。バネ284の付勢力は、真正円盤体TDが通過する際は、真正円盤体TDが押動体254を円盤体通路212から押し出して通過できるように設定されている。この付勢力はバネ以外の手段、例えば、磁力、重り等によって付加することができる。
【0037】
次に円盤体側面案内体256を主に
図7及び
図9を参照しつつ説明する。
円盤体側面案内体256は、円盤体選別手段214に相対する円盤体通路212を真正円盤体TDが通過する際、当該真正円盤体TDが落下開口252へ落下させられないように案内する機能を有し、本実施例において、円盤体側面案内体256は
図11に示すように、下側案内体234の側方のドア218に固定された板状のガイド板である円盤体側面案内体256の一部によって構成されている。円盤体側面案内体256の案内体上縁は落下開口下側縁252lであり、下側案内体234の下側案内面234lに対し僅かに上方、例えば、0.3〜1.0ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル上方に配置されている。換言すれば、落下開口下側縁252lは下側案内面234lに対し相似形の弧状に形成され、それらの間の間隔は、全長に亘って、例えば、下側案内面234lの全長に亘って0.5ミリメートルの等間隔に形成される。この構成によって、円盤体Dが円盤体通路212を移動する際、通常は、円盤体Dの上側周面が落下開口上側縁252uに案内され、下側周面は下側案内面234lと僅かな隙間をもって移動する。この際、円盤体Dの下側側面は、円盤体側面案内体256の側面と僅かな量、相対しつつ移動する。したがって、円盤体Dは押動部278pによってその先端部中央部を横方向へ押動された場合であっても、落下開口上側縁252uと上側周面との摩擦力、及び、下端側面は円盤体側面案内体256によって案内されるので、円盤体通路212から押し出されることはない。しかし、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは、下端側面が円盤体側面案内体256によって案内されないため、落下開口252へ押し出され、選別される。したがって、円盤体選別手段214は直径選別手段260である。
【0038】
次に、放出手段266を主に
図6及び
図9を参照して説明する。
放出手段266は、円盤体Dを上方へ放出する機能を有し、本実施例においては、挿入口204の近傍における上下方向において、挿入口204の下縁204lの近傍に配置された弾出体286と、この弾出体286に対して上側に配置された固定体288を含んでいる。
【0039】
まず弾出体286を説明する。
弾出体286は、上方へ弾性的に移動され、円盤体Dを上向き通路268へ放出する機能を有し、本実施例においては放出手段266によって弾性的に放出力を付与されている。放出手段266は、後述の放出レバー292の一端から横向き水平方向へ突出するローラー支軸294に回転自在に支持されたローラー296によって構成され、本体216に形成され、上下方向に延在する弧状長孔298を介して円盤体通路212、したがって、上向き通路268に突出している。弾出体286は放出レバー292の先端から突出する円柱体でも良いが、ローラー296を用いることにより、円盤体Dとの摩擦抵抗が減少し、放出方向が安定すると共に、放出速度を高められる利点がある。換言すれば、ローラー296を用いることにより、放出力が小さい放出手段266を用いることができるので、安価に構成できる利点がある。なお、ドア218のインターフェース体202側の下端部には、弾出体286の先端部を受け入れる弧状溝302(
図7)が形成されている。弾出体286は、後述の待機ストッパ304に放出レバー292が係止されている場合、その上側周面は挿入口204の下縁204lよりも上方に位置し、固定体288との間隔は、真正円盤体TDの直径よりも小さく設定されている。
本実施例において、放出手段266は、少なくとも、放出支軸306、放出レバー292、放出弾性体308、待機ストッパ304を含んでいるが、更に、移動制限体312を含むことが好ましい。しかし、放出手段266は本実施例における放出支軸306回りに回動自在な放出レバー292に換えて、垂直上方又は斜め上方に向かって弾性的に直線運動される機構を用いることができる。
【0040】
まず、放出支軸306を
図4を参照しつつ説明する。
放出支軸306は、本体216の外側表面から外方へ向かって横向き水平に突出する支軸であり、本実施例においては、片持ち支軸であるが、両持ち支軸であっても良い。
【0041】
次に放出レバー292を説明する。
放出レバー292は、ローラー支軸294を介して弾出体286を支持すると共に、放出弾性体308からの弾発力を受け取る機能を有し、本実施例においては直状棒状体に形成され、中間を放出支軸306によって軸支され、円盤体Dが挿入されない場合、放出支軸306よりもインターフェース体202の近傍の本体216に固定された待機ストッパ304に係止されて大凡水平な待機位置SBPにおいて静止状態を呈する(
図4鎖線示)。円盤体Dが挿入された場合、ローラー296が押し下げられるので、放出レバー292は
図4において放出支軸306を中心に反時計方向へ回動された後、放出弾性体308によって弾性的に時計方向へ回動され、固定体288との間で挟持した円盤体Dを斜め上方へ放出する。
【0042】
次に放出弾性体308を説明する。
放出弾性体308は、弾出体286を弾性的に付勢し、円盤体Dを放出する力を付与する機能を有し、本実施例においては放出弾性体308の一端が放出レバー292の一端に係止され、当該放出レバー292に
図4において時計方向の回動力を付与している。放出弾性体308としては、バネの他、ゴム、ガススプリング等を用いることができる。
【0043】
次に移動制限体312を
図4を参照して説明する。
移動制限体312は、弾出体286の円盤体Dによる移動量、換言すれば、放出レバー292の回動量を制限する機能を有し、本実施例においては、本体216の表面に形成したかまぼこ形の突起であり、真正円盤体TDによって弾出体286を介して放出レバー292が回動された場合、移動制限体312によってその回動は制限されないが、真正円盤体TDよりも僅かに大径の偽円盤体FDが挿入された場合、放出レバー292が移動制限体312に係止され、それ以上回動されないため、所定の直径以上の円盤体Dは、放出手段266によって放出されない。
【0044】
次に固定体288を主に
図9を参照しつつ説明する。
固定体288は、静止状態に設けられ、弾出体286との間で円盤体Dを挟み、放出する機能を有し、本実施例においては、金属製円柱体によって構成されているが、ローラーであっても良い。固定体288は、挿入口204の上縁204uの近傍にその下端縁が位置するように本体216に固定されている。
図6及び
図9から明らかなように、固定体288は弾出体286に対し上方であって、かつ、挿入口204に近く配置されている。このように、弾出体286が挿入口204に対し固定体288よりも遠くに位置している場合、
図9に示すように、円盤体Dと固定体288との第1接点P1と弾出体286の接点P2とを結んだ直線Lを円盤体Dの中心CDが超えた瞬間に弾出体286によって円盤体Dが弾き出される。この際、円盤体Dはその挿入口204側の下端部の円弧周面を弾出体286によって押されるので、斜め上方、換言すれば上向き通路268へ向かって放出される。
【0045】
次に円盤体保留装置224を主に
図12〜
図14を参照して説明する。
円盤体保留装置224は、所定枚数の円盤体Dを保留すると共に、保留した所定枚数の円盤体Dを纏めて受入通路277に受入れ、又は、返却通路222へ返却できる機能を有し、本実施例においては、電気的アクチュエーターを用いることなくこれを実現していることを特徴とし、
図18に示すように、円盤体下端周面支持部324、円盤体下面支持部326、円盤体側方周面係止部328、所定枚数受入検知部332、被動体334、及び、保留枚数調整手段336(
図18には非開示)を含んでいるが、被動体334、及び、保留枚数調整手段336は必須の構成要件ではない。円盤体下端周面支持部324、円盤体下面支持部326、及び、円盤体側方周面係止部328によって円盤体保留部338が構成される。
【0046】
最初に円盤体下端周面支持部324を主に
図12を参照して説明する。
円盤体下端周面支持部324は、円盤体D(真正円盤体TD)の下端周面を支えると共に、当該円盤体Dに対し、収納通路226側への転動力を付与する機能を有し、本実施例においては平板状体に形成され、後部本体344に一体化されている。円盤体下端周面支持部324は、少なくとも、収納通路226側に向かって前下がり、及び、本体216に対してインターフェース体202側から見て左側に傾斜する斜面に構成されている。換言すれば、円盤体下端周面支持部324は
図13において、水平線HLに対し、左右方向にも前後方向にも傾斜している。収納通路226側に向かって前下がりの傾斜は、保留されている円盤体D自身の重量によって、自ら転動を開始する角度である。なお後部本体344は、本体216の後部に一体化されている。
【0047】
次に円盤体下面支持部326を
図13をも参照して説明する。
円盤体下面支持部326は、円盤体下端周面支持部324上に下端周面が載置された円盤体Dの下面LPを支え、垂立線PL、換言すれば、垂立する円盤体通路212に対し所定の角度で傾斜された状態で保留されるように支持する機能を有し、本実施例においては、保留枚数調整手段346によって円盤体下端周面支持部324に対して横方向に段階的に移動可能に取り付けられた横向き五角形状の板状体によって構成されている。円盤体下端周面支持部324に対して横方向とは、円盤体下端周面支持部324上に整列された円盤体Dの厚み方向を言い、便宜的に
図13において矢印X方向にて表してある。円盤体下面支持部326は、実施例1と同様に、受入通路277から受け入られて落下する円盤体Dの下端縁が落下する位置関係に配置されている。よって、一枚目の円盤体Dの下端縁は円盤体下面支持部326上に落下し、その後当該円盤体下面支持部326に沿って降下した後、円盤体下端周面支持部324に当接して斜め状態に保留される。
【0048】
次に保留枚数調整手段346を説明する。
保留枚数調整手段346は、円盤体下端周面支持部324上に保留される円盤体Dの枚数を調整する機能、換言すれば、円盤体下面支持部326の円盤体下端周面支持部324に対する矢印X方向の位置を段階的に調整する機能を有し、本実施例においては、後部本体344に形成された本体側調整部348、円盤体下面支持部326と一体に設けた下面支持部側調整部352、及び、下面支持部側調整部352の本体側調整部348に対する位置を固定する位置決め装置354によって構成されている。
【0049】
次に後部本体344を説明する。
後部本体344は、本体216の後側部分であり、円盤体保留装置224等が装着される機能を有し、本実施例においては、本体216と分離されているが、一体化されてもよく、更に、円盤体下端周面支持部324も一体的に構成されている。
【0050】
次に保留枚数調整手段336を主に
図4、
図12、及び、
図13を参照しつつ説明する。
保留枚数調整手段336は、円盤体保留部338における円盤体Dの保留数を調整する機能を有し、本実施例においては、主に、本体側調整部348、下面支持部側調整部352、及び、位置決め装置354によって構成されている。
【0051】
まず、本体側調整部348を説明する。
本体側調整部348は、下面支持部側調整部352が位置調整可能に取り付けられる機能を有し、円盤体保留部338よりも上方において本体216(後部本体344)に対し直交するように延在する垂立部348V、垂立部348Vに対しインターフェース体202側へ直角に突出する本体係止体348P、及び、前後方向に延在する前後延在部348Dを含み、平面視、及び、右側面視とも、L字状の板状体である。この本体側調整部348の垂立部348Vに対し、
図12において左側に、保留枚数調整手段346の調整板状部352Vをそれらが面接触しつつ摺動可能に配置し、円盤体下面支持部326の下面支持部側調整部352が横方向(
図12においてX方向)に移動可能に取り付けられている。本体側調整部348の垂立部348Vには、係止ピン356の先端部が挿入可能な一つの係止孔348Hが穿孔されている。
【0052】
次に下面支持部側調整部352を説明する。
下面支持部側調整部352は、本体側調整部348に沿って移動可能に、かつ、所定の位置で固定される機能を有し、本実施例においては、円盤体下面支持部326の後端部(反インターフェース体202側端部)から垂立方向に延在した後、X方向、且つ、垂立方向に延在する板状の調整板状部352Vを含み、当該調整板状部352Vの下部には、垂立平面状の摺動段部352Sが形成され、後述の位置決め装置354の一部を構成する串刺し団子形の調整孔354Hが形成されている。摺動段部352Sが垂立部348Vの背面(反インターフェース体202)側に密着させられつつ移動されることにより、円盤体下面支持部326は、X方向に平行に移動される。これにより、円盤体下面支持部326と円盤体下端周面支持部324の下端支持部先端324Tとの距離、換言すれば、
図13に示すように、円盤体有効載置長ALが変更され、円盤体下端周面支持部324上に載置できる円盤体Dの枚数を変更することができる。円盤体有効載置長ALとは、円盤体下面支持部326の延長線と円盤体下端周面支持部324の交点から円盤体下端周面支持部324の下端支持部先端324T迄の長さをいう。
【0053】
次に位置決め装置354を説明する。
位置決め装置354は、円盤体下面支持部326の位置を所定の位置、換言すれば、円盤体有効載置長ALを所定の値にした状態で本体側調整部348に固定する機能を有し、本実施例においては、係止孔348H、調整孔354H(
図12)、係止ピン356、及び、保持スプリング358を含んでいる。
【0054】
次に調整孔354Hを説明する。
調整孔354Hは、円盤体下面支持部326を円盤体下端周面支持部324に対する所定の位置を定める機能を有し、本実施例においては、前述のように、串団子型であって、水平線に対し傾斜する傾斜線SL(
図12)に沿って長孔状に形成されている。傾斜線SLは、正面(インターフェース体202側)からみて円盤体下端周面支持部324の傾斜と平行に構成されている。串団子型とは、所定直径の円孔を複数、本実施例においては4個、それらの中心が当該円孔の半径よりも短いピッチで形成されることにより、円孔と円孔との間に、内側へ突出する波状の内縁が上下に形成され、それら波状内縁によって擬似円孔354F(第1擬似円孔354F1、第2擬似円孔354F2、第3擬似円孔354F3、第4擬似円孔354F4)を画定すると共に、それら第1擬似円孔354F1〜第4擬似円孔354F4によって傾斜線SLに沿って直状に長い長孔が形成される。
【0055】
次に係止ピン356を主に
図22を参照して説明する。
係止ピン356は、係止孔348H及び調整孔354Hと共同して円盤体下面支持部326を所定の位置に保持する機能を有し、係止ピン356の先端356Tが調整孔354Hにおける、上下の波状内縁によって構成される第1擬似円孔354F1〜第4疑似円孔354F4の何れかに挿入されることにより、X方向に移動出来ないことにより、その位置を維持する。換言すれば、係止ピン356には保持スプリング358が外装され、係止ピン356に一体化され、垂立部348Vの背面に接触する第1ワッシャ362(
図5)を保持スプリング358によって矢印Y方向(
図4)へ押動することにより、前記擬似円孔354Fの何れかに突出させることにより、円盤体下面支持部326を所定の位置に保持する。換言すれば、垂立部348Vに形成された係止孔348Hは一つであるから、円盤体下端周面支持部324の下端支持部先端324Tとの距離は一定に定められる。これにより、係止ピン356の先端356Tを第1擬似円孔354F1から第4擬似円孔354F4の何れかに挿入することにより、円盤体有効載置長ALを段階的に変更することができる。なお、後部本体344の後端部においてX方向に突出する板状の受部364と円盤体下面支持部326との間に保持スプリング358が配置されている。円盤体下面支持部326の後部上端部において、垂立部348Vに対し平行に設けられた受部364には、一端に開口366OP(
図4)を有する横長の係止ピン係止溝366が形成されている。係止ピン356の先端部は、垂立部348Vに形成された係止孔348Hに挿入された後、選択された第1擬似円孔354F1、第2擬似円孔354F2、第3擬似円孔354F3、又は、第4擬似円孔354F4の内の選択された一つを貫通された後、開口366OPから係止ピン係止溝366に挿入され、第2ワッシャ368を保持スプリング358によって受部364に押し付け、それらの間の摩擦力によって係止ピン356の位置を固定する。これによって、係止ピン356が挿入された第1擬似円孔354F1乃至第4擬似円孔354F4に応じて、円盤体下面支持部326の円盤体下端周面支持部324に対する位置が定められるため、円盤体保留部338における保留枚数が設定される。具体的には、円盤体下端周面支持部324には、係止ピン356が、第1擬似円孔354F1に挿入された場合は1枚、第2擬似円孔354F2に挿入された場合は2枚、第3擬似円孔354F3に挿入された場合は3枚、第4擬似円孔354F4に挿入された場合は4枚の円盤体Dが厚み方向に整列されて保留される。
【0056】
次に保持スプリング358を説明する。
保持スプリング358は、係止ピン356の位置を保持する機能を有し、前述のように、係止ピン356に嵌合した第1ワッシャ362と第2ワッシャ368との間に外装され、係止ピン356に対し摺動可能な第2ワッシャ368を受部364に圧接し、係止ピン356の位置を維持する。なお、受部364の外方に位置するつまみ370は、係止ピン356を開口366OPを介して係止ピン係止溝366に出し入れする際に係止ピン356を操作するために用いる。
【0057】
次に円盤体側方周面係止部328を主に
図15を参照して説明する。
円盤体側方周面係止部328は、円盤体下端周面支持部324に、下端周面が支持され、かつ、下面LPが円盤体下面支持部326に支持された円盤体Dが、円盤体下端周面支持部324の傾斜によって、収納通路376側へ転動することを制御し、及び、返却レバー208の操作によって円盤体保留部338に保留されている円盤体Dを返却通路222へ移動させる機能を有し、本実施例においては、本体216から横方向に突出する第3支軸372に回動自在に支持された円盤体収納制御体374の偏心位置に一体的に構成され、円盤体選別装置200の前後方向に選択的に移動される。換言すれば、円盤体側方周面係止部328は、通常時、阻止位置SP2(
図19)に位置し、所定枚数の円盤体Dの保留を切っ掛けとして解除位置RP2(
図22)へ移動され、保留された円盤体Dを纏めて収納通路376へ自重で転動させて落下させ、返却レバー208が返却操作された場合、押動位置PP2(
図24)へ移動されて保留された円盤体Dを纏めて円盤体下端周面支持部324の傾斜に逆らって、その返却通路側上端324Uを超えて返却通路222へ押し出す。本実施例において、これらの作用を、円盤体収納制御体374、後述する解除体378、及び、検知体382の共同によって達成している。
【0058】
次に円盤体収納制御体374を主に
図15を参照して説明する。
円盤体収納制御体374は、円盤体側方周面係止部328が一体に形成されると共に、円盤体側方周面係止部328を円盤体保留部338に所定枚数の円盤体Dが保留されるまでは阻止位置にSP2に留めると共に、解除位置RP2へは移動出来ないが、返却レバー208の操作によって押出位置PP2への移動が可能である機能を有し、本実施例においては、全体として、大凡、下向き扇形に形成され、要部分が第3支軸372によって回動自在に支持されている。右側面視において右側下端部から横方向に延在するように円柱状の円盤体側方周面係止部328が固定されている。なお、円盤体側方周面係止部328から半径方向へ突出している突部384は、円盤体収納制御体374の回動を案内するためのガイド機能を有する。円盤体収納制御体374は、さらに、不測収納防止部386及び誤収納防止部388を含んでいる。
【0059】
次に不測収納防止部386を説明する。
不測収納防止部386は、最後の保留円盤体Dを受け入れている際に、円盤体側方周面係止部328が検知体382の検知体側不測収納防止部398と共同して解除位置RP2へ移動されないようにする機能を有し、本実施例においては、円盤体収納制御体374の扇部の周縁中間部に形成された凹部392を構成する左側面392L、右側面392Rによって構成されている。
【0060】
次に誤収納防止部388を説明する。
誤収納防止部388は、解除体378と共同し、最後に保留された円盤体Dが収納通路376へ移動した後に円盤体収納制御体374が解除位置RP2へ移動可能にさせる機能を有し、本実施例においては、右側面視において、凹部392を挟んで円盤体側方周面係止部328とは逆方向に延在するやや上向き横方向に向かって湾曲する棒体によって構成されている。さらに、円盤体収納制御体374において、凹部392に対し、第3支軸372を挟んだ上方に板状の制御体上端部374Uが形成され、その先端部右側側面から円盤体収納制御体側係止部380が突出形成され、円盤体収納制御体374が
図4において時計方向へ所定量回動された場合、円盤体収納制御体側係止部380が本体216から突出する本体係止体348Pに当接し、それ以上の回動を制限される。換言すれば、返却レバー208の操作によって、円盤体収納制御体374が
図4において、時計方向へ所定角度以上回動された場合、円盤体収納制御体側係止部380が本体係止体348Pに当接し、それ以上回動されない。
円盤体収納制御体374は、円盤体Dが存在しない場合、自重によるモーメントによって、
図15(A)に示すように、大凡、不測収納防止部386が第3支軸372の真下に位置する状態において、静止状態を保つ。
【0061】
次に所定枚数受入検知部332を主に
図16を参照して説明する。
所定枚数受入検知部332は、保留枚数として設定した枚数の円盤体Dを受入たことを検知する機能を有し、本実施例においては、検知体382に一体に構成されている。検知体382は、大凡、水平に本体216の下部に配置した第4支軸390に回動自在に取り付けられ、正面視、クランク型に形成され、所定枚数受入検知部332は第4支軸390の側方から横向きに本体216側に延在された角柱状部分であり、
図16に示すように、円盤体保留部338側に片持ち状態で延在される。所定枚数受入検知部332の検知部先端332Tは、円盤体保留部338に設定された円盤体Dの保留数に加え、更に1枚の円盤体Dが円盤体保留部338に落下し、厚み方向に整列された円盤体Dの上面UPに案内されつつ降下する場合、所定枚数受入検知部332の上に載り、検知体382を第4支軸390回りに回動させる位置関係に構成される。例えば、円盤体下端周面支持部324上に4枚の円盤体Dが厚み方向に整列して保留され、5枚目の円盤体Dが所定枚数受入検知部332の上に載って検知体382を回動させたことを切っ掛けとして全5枚の円盤体Dを纏めて収納通路376に落下させるが、この場合、5枚目の円盤体Dの保留は一瞬の間であるが、この場合には5枚保留として扱う。したがって、円盤体下端周面支持部324上に1枚の円盤体Dが保留され、2枚目の円盤体Dが所定枚数受入検知部332を回動させたことを切っ掛けとして纏めて受入をする場合、2枚保留として扱い、円盤体下端周面支持部324上に2枚の円盤体Dが保留され、3枚目の円盤体Dが所定枚数受入検知部332を回動させたことを切っ掛けとして、纏めて受入をする場合、3枚保留として扱い、円盤体下端周面支持部324上に3枚の円盤体Dが保留され、4枚目の円盤体Dの同様の受入を切っ掛けとして纏めて受入をする場合、4枚保留として扱う。なお、円盤体下端周面支持部324上の円盤体Dの保留をゼロにすることにより、1枚の円盤体D毎に受け入れることができる。検知体382には、第1解除体ロック部394、解除体ロック部396、検知体側不測収納防止部398、及び、重り部402が一体的に構成されている。
【0062】
次に第1解除体ロック部394を説明する。
第1解除体ロック部394は、円盤体保留部338に、設定された所定数の円盤体Dが整列保留され、最後の円盤体Dが保留されるまで、解除体378を保留位置KPに保持する機能を有し、本実施例においては、検知体382において、第4支軸390の下方に位置する垂下部382Vから所定枚数受入検知部332と平行に所定量突出形成された三角形状の突起であり、解除体378に開口された矩形開口404(
図17)に進行可能である。換言すれば、第1解除体ロック部394が矩形開口404に進入している場合、解除体378は第5支軸406回りに回動することができない。
【0063】
次に解除体ロック部396を説明する。
解除体ロック部396は、第1解除体ロック部394と同様に、設定された所定数の円盤体Dが整列保留され、最後の円盤体Dが保留されるまで、解除体378を保留位置KPに保持する機能を有し、本実施例においては、第1解除体ロック部394の下方である垂下部382Vの下端部側方からインターフェース体202側へ突出する腕408の先端に形成された四角ブロック状部である。解除体ロック部396は、後述する解除体378の係止凹部412に嵌合可能である。換言すれば、解除体378は、第1解除体ロック部394と解除体ロック部396とによって、保留位置KPに保持され、第1解除体ロック部394と解除体ロック部396の両方が解除された場合、解除位置RP2に移動可能になる。
【0064】
次に検知体側不測収納防止部398を説明する。
検知体側不測収納防止部398は凹部392と共同して、円盤体収納制御体374の不要時の回動を防止する機能を有し、本実施例においては、第4支軸390に対し反所定枚数受入検知部332側に形成された所定の幅W2を有する部分である。検知体側不測収納防止部398は検知体382が検知位置DPに位置する場合、凹部392に位置することができる。これにより、円盤体収納制御体374の回動が制約される。
【0065】
次に重り部402を説明する。
重り部402は、検知体382に対し、適当な大きさのモーメントを発生させる機能を有し、本実施例においては、検知体382の、垂下部382Vの下端部から反所定枚数受入検知部332側の横方向に突出するよう付設した円柱体によって構成され、検知体382に対し、第4支軸390回りに、
図16(A)において時計方向の所定の大きさのモーメントを生じさせている。第4支軸390は、本体216と略平行かつ水平に配置されている。
【0066】
これにより、検知体382は、通常、自己モーメントによって、後述する解除体378の外側面に当接し、所定枚数受入検知部332が円盤体下面支持部326に対し大凡直角をなす待機位置WP(
図18)に位置する。検知体382は、所定枚数受入検知部332が円盤体Dによって押し下げられると、
図16の状態から反時計方向へ回動された検知位置DP(
図20)へ移動される。
【0067】
次に被動体334を主に
図15を参照して説明する。
被動体334は、所定枚数受入検知部332によって検知された円盤体Dの更なる進行によって移動される機能を有し、これによって、被動体334が一体に形成された解除体378が移動され、結果的に円盤体収納制御体374の拘束を解放し、第3支軸372回りの回動を可能にさせる機能を有し、本実施例においては解除体378から横向きに突出され、収納通路376を横断すると共に、収納通路376の幅方向に移動可能に設けられた円柱状の棒状部材であるが、円柱に限らない。
【0068】
次に解除体378を主に
図17を参照して説明する。
解除体378は、被動体334、係止凹部412、側面支持体係止部414、及び、ストッパ416が一体的に形成される機能を有し、本実施例においては、第5支軸406に回動自在に支持された、
図17(A)に示すように大凡クランク型の部材であり、垂立方向に延在する解除垂立部378V、水平方向に延在する解除水平部378H、及び、解除水平部378Hに続いて斜め上方に延在する解除斜め部378Sにより構成されている。解除垂立部378Vと解除水平部378Hとの結合部において、第5支軸406に回転自在に支持されている。解除垂立部378Vの下部側面に所定の幅と深さを有する係止凹部412が形成されている。解除垂立部378Vの下端部の係止凹部412の反対側に僅かに突出する凸部378Pに矩形開口404が形成されている。係止凹部412は、前述のように検知体382の解除体ロック部396が進入し、解除体378の第5支軸406回りの回動を阻止される。係止凹部412に連続し、第5支軸406を中心とする同一半径R3上に、係止凹部412よりも本体216から離れた位置に弧状カム410が形成されている。したがって解除体378が回動した場合であっても、弧状カム410と解除体ロック部396間の位置関係は変わらない。換言すれば、検知体382が最後に保留される円盤体Dによって検知位置DPに移動した後、更なる円盤体D3の落下によって、当該円盤体Dが被動体334上に載ることから、当該被動体334が側方(
図17(B)において左方向)へ押しやられることから、解除体378が
図17(B)において、時計方向へ回動され、弧状カム410と解除体ロック部396のカム面396Sとが相対するため、検知体側不測収納防止部398が凹部392の回動経路に突出することから、解除体378、したがって、円盤体側方周面係止部328は阻止位置SP2に保持される。弧状カム410と解除体ロック部396の本体216側に面するカム面396Sとは摺動可能であり、カム面396Sが弧状カム410に接触している場合、検知体382は検知位置DPを継続する。検知体382が検知位置DPに位置する場合、検知体側不測収納防止部398が円盤体収納制御体374の凹部392に進入するため、円盤体収納制御体374はその第3支軸372回りの回動を制限される。換言すれば、所定枚数目の円盤体Dが検知体382を検知位置DPに保持している間、円盤体収納制御体374、したがって、円盤体側方周面係止部328は保留位置SP2を維持するので、円盤体Dは保留を継続される。また、検知体382が検知位置DPに位置する場合、
図4において円盤体収納制御体374が第3支軸372を中心に時計方向へ回動されようとしても、右側面392Rが検知体側不測収納防止部398の側面に移動を阻止され、回動することが出来ない。これによって、所定の枚数の円盤体Dを挿入した状態において、返却レバー208を
図4において下方へ回動させることによって行う不正を防止することができる。したがって、弧状カム410は、検知体側不測収納防止部398を右側面392Rの移動経路に維持するための高さが必要である。解除垂立部378Vの下端部に横向きに被動体334が固定されている。解除水平部378Hの先端部に第5支軸406を中心とする弧状の側面支持体係止部414が形成されている。側面支持体係止部414は、本体216に組み付けられた状態において、円盤体収納制御体374の不測収納防止部386と相対配置される。解除斜め部378Sの先端部には横方向に突出する円柱状のストッパ416が設けられている。ストッパ416は
図4において時計方向に所定角度回動された場合、円盤体収納制御体374に当接する位置関係に配置されている。
【0069】
次に、円盤体保留装置224を構成する円盤体収納制御体374、検知体382、及び、解除体378の関係を主に
図14、
図18及び
図23を参照して説明する。
まず、円盤体保留部338に円盤体Dが保留されていない場合、検知体382は自己モーメントによって待機位置WPに位置する(
図18)。これによって、検知体382に形成されている第1解除体ロック部394は解除体378の矩形開口404に、解除体ロック部396は係止凹部412に進入した状態にある。これらによって、解除体378が第5支軸406回りに回動しようとしても、第1解除体ロック部394及び第1解除体ロック部394に当接し、阻止される。換言すれば、解除体378は待機位置WPにある検知体382によって、第5支軸406回りに回動出来ない保留位置KPに不動状態に保持される。円盤体収納制御体374が
図19において反時計方向へ回動しようとしても、保留位置KPに存する解除体378の側面支持体係止部414によって、誤収納防止部388の移動が阻止され、阻止位置SP2に保持される。この状態において、凹部392は、検知体382の検知体側不測収納防止部398とは異なる平面内において位置されるため、円盤体収納制御体374の
図19における時計方向の回動は可能である。
円盤体下端周面支持部324上に所定枚の円盤体Dが保留されても前記状態は変わらない。
しかし、円盤体下端周面支持部324上に所定枚の円盤体Dが保留され、最後の円盤体Dが円盤体保留装置224に保留された場合(実際には、最後の円盤体Dは円盤体下端周面支持部324上に載置されないため、保留されている円盤体Dの厚み方向に整列するのは一瞬のみであり、その一瞬を保留として説明する。)、当該円盤体Dは
図23に示すように、所定枚数受入検知部332上に落下するので、検知体382は同図において反時計方向へ回動され、ついには検知部先端332Tと既に保留されている最上位(
図23においては最右端)の円盤体Dの上面UPとの間に進行するので、当該最後の円盤体Dの上面と検知部先端332Tとが接触した状態となる。この位置が検知位置DPである(
図20)。検知体Dが検知位置DPに位置した場合、検知体側不測収納防止部398が凹部392に進行するため、円盤体収納制御体374は第3支軸372回りに回動できず、阻止位置SP2を継続する(
図20)。しかし、第1解除体ロック部394は矩形開口404から、解除体ロック部396は係止凹部412から抜け出るため、解除体378は第5支軸406回りを時計方向に回動可能になる。これにより、最後に保留された円盤体Dが円盤体下端周面支持部324上に保留されている円盤体D上を滑落して被動体334上に落下し、円盤体Dの重心Gに対し、被動体334は
図21において左側にあるので、解除体378は同図において時計方向へ回動される。解除体378の時計方向への回動によって、側面支持体係止部414も同方向へ回動するので、誤収納防止部388は側面支持体係止部414の回動に伴って反時計方向へ回動可能になる。これにより、円盤体収納制御体374は同図において時計方向へ回動し、阻止位置SP2から解除位置RP2へ移動可能になる。これによって、円盤体側方周面係止部328が保留されている円盤体Dの重量によって押動され、円盤体収納制御体374が同図において反時計方向へ回動されることから、この移動に伴って円盤体側方周面係止部328上に保留されている円盤体Dが自重によって転動を開始し、収納通路376へ落下した後、収納部322に落下する。解除体378の回動は、円盤体検知装置400(
図5)によって検知され、他の装置の制御に用いられる。
【0070】
次に収納部322を主に
図1を参照して説明する。
収納部322は、収納通路376に案内されて落下した円盤体Dを保留する機能を有し、矩形の箱体、金庫等が用いられる。
【0071】
次にリンク手段342を主に
図4を参照して説明する。
リンク手段342は、返却レバー208の操作を円盤体側方周面係止部328に伝え、円盤体保留部338に保留されている円盤体Dを返却通路222へ移動させる機能を有し、本実施例においては、返却レバー208は中間を第1支軸230に回動自在に支持され、他端には前側から後側に向かって前下がりの直状の傾斜長孔422が形成され、本体216との間に張設された弾性体424によって、
図4において時計方向への回動力が付与されるが、インターフェース体202の貫通孔202H(
図2)の上端縁に係止されて待機状態になる。第1支軸230よりも後方の正面視、右側の本体216から横向きに突出する第6支軸428には駆動レバー432の中間が回動自在に支持されている。駆動レバー432の前側端部には横向きに駆動棒体434が突出形成され、傾斜長孔422に摺動自在に挿入されている。駆動レバー432の第6支軸428よりも駆動棒体434側の部位から上向きに直状の被動突起436が形成され、第6支軸428の上側の本体216から、倒立J型弾性体438が設けられ、その先端は被動突起436と接触可能である。駆動レバー432の押動先端432Tは、円盤体収納制御体374の制御体上端部374Uの側面と押動可能に設けられている。押動先端432Tが制御体上端部374Uを押動した場合、円盤体収納制御体374は、阻止位置SP2から押動位置PP2(
図25)へ移動される。返却レバー208が下方へ押し下げられない場合、倒立J型弾性体438の先端は被動突起436の上端部を押動し、駆動レバー432を
図4において反時計方向へ回動させ、駆動棒体434を傾斜長孔422の内面に圧接した状態で静止される。この状態において、押動先端432Tは円盤体収納制御体374の制御体上端部374Uを押動しない。この構成によって、返却レバー208を
図4において下方へ押し下げた場合、傾斜長孔422が時計方向へ回動され、これによって駆動棒体434が傾斜長孔422と摺接しつつ上方へ押動されるので、駆動レバー432は時計方向へ回動される。この回動によって、押動先端432Tは円盤体収納制御体374の制御体上端部374Uの側面を押動する。これにより、円盤体収納制御体374は時計方向へ回動されるので、円盤体収納制御体374は、阻止位置SP2から押動位置PP2へ移動され、円盤体保留部338に保留されている円盤体Dは返却通路222側へ押動される。そして当該保留されている円盤体Ðは返却通路側上端324Uを越えて押動され、返却通路222へ押し出され、結果として返却口206に返却される。
【0072】
次に本発明に係る、円盤体検知装置400を主に
図26乃至
図28を参照して説明する。
円盤体検知装置400は、円盤体保留部338に保留された円盤体Dが収納されたことを検知する機能を有し、本実施例においては、少なくとも、前述した被動体334、カム442、カムフォロワー444、連動体446、及び、スイッチ448を含んでいる。
【0073】
被動体334は前述したように、受入通路277に受け入れられる円盤体Dによって移動される機能、換言すれば、円盤体選別装置200に受け入れられた円盤体Dを検出する機能を有する。本実施例においては、円盤体選別装置200は、円盤体Dの保留式であるため、保留枚数調整手段336によって設定された保留数の円盤体Dが受け入れられたことを検出する。したがって、保留枚数調整手段336が「1」に設定された場合、実質的に円盤体保留部338に保留されることなく受入通路277に受け入れられた円盤体Dを検出する。
【0074】
次にカム442を説明する。
カム442は、被動体334の円盤体Dによる移動に基づく解除体378の回動情報RIを位置情報PIに変換する機能を有し、本実施例においては、解除体378と一体に第3支軸372の回りを回動するよう構成され、半径R1で形成された大径部442Lと、半径R1よりも小さな半径であって、大径部442Lに対し反時計回り方向側に位置する左小径部442SLと、時計回り方向側に位置する右小径部442SRが隣接して所定角度形成されている。換言すれば、大径部442Lを中央にして左側に左小径部442SL、右側に右小径部442SRが形成されている。更に換言すれば、大径部442Lを挟んで左小径部442SL、及び、右小径部442SRが形成されている。
【0075】
次にカムフォロワー444を説明する。
カムフォロワー444は、カム442の位置情報PIを機械的に検出する機能を有し、本実施例においては、第7支軸452回りに回動自在に支持され、第7支軸452の左右に同一長で片持ち状態に延在する左カムフォロワー腕444ALの左先端である左カムフォロワー444L、及び、右カムフォロワー腕444ARの右先端である右カムフォロワ444Rである。左カムフォロワー444Lは、通常、大径部442Lに当接し、解除体378が時計方向に回動された場合、左小径部442SLに当接する。右カムフォロワー444Rは、通常、右小径部442SRに当接し、解除体378が時計方向に回動された場合、大径部442Lに当接する。左カムフォロワー444Lがその接触を大径部442Lから左小径部442SLに移ろうとしている場合、右カムフォロワー444Rは右小径部442SRから大径部442Lに移ろうとするように構成されている。換言すれば、カムフォロワー444の回動位置は、カム442の回動位置との関係によって一義的に決定される。したがって、カム442とカムフォロワー444(右カムフォロワー444R、左カムフォロワー444L)とは、確動カムを構成している。右カムフォロワー444R、及び、左カムフォロワー444Lは、支軸に対し回転自在に嵌合された円筒によって構成することが好ましいが、円柱状棒体によって構成することもできる。
【0076】
次に連動体446を説明する。
連動体446は、カムフォロワー444によって検出した位置情報PIをスイッチ448に伝達する機能を有し、本実施例においては、左カムフォロワー腕444AL及び、右カムフォロワー腕444ARと一体に、第7支軸452を挟んでそれらの反対側へ延在するように形成された平板状体446Fによって構成されている。また、連動体446は、外部からの想定を超える衝撃が加えられても、自己の質量によって大きく振動しないよう、樹脂などによって軽量に構成されている。さらに、本実施例においては、後述のスイッチ448が機械式スイッチ448Mであっても、光電式スイッチ448Pであっても使用できるように、平板状体446Fの上側にフック溝446Gが形成されている。本実施例においては、機械式スイッチ448M及び光電式スイッチ448Pの両方を図示してあるが、少なくとも、何れか一方を設ければ良い。しかし、異なる方式のスイッチ448を2つ用いることにより、誤検知を防止することができる。したがって、連動体446は、カム442が回動した場合であっても、左カムフォロワー444Lの接触部がカム442の大径部442Lから左小径部442SLに移り、及び、右カムフォロワー444Rが右小径部442SRから大径部442Lに移る迄、又は、その逆に移る迄は移動されないので、スイッチ448のチャタリングを防止できる利点がある。
【0077】
次にスイッチ448を説明する。
スイッチ448は、連動体446の位置、具体的には、解除体378(より詳細には被動体334)が、阻止位置SP2又は解除位置RP2の何れかに位置するかを検知する機能を有し、本実施例においては、機械式スイッチ448M及び光電式スイッチ448Pが設けられている。
【0078】
まず、機械式スイッチ448Mを
図27を参照しつつ説明する。機械式スイッチ448Mは、本実施例においては、所謂レバースイッチ450が用いられ、スイッチレバーの位置に基づいてオン又はオフになる機能、換言すれば、スイッチレバーの位置に基づいて、導通状態、又は、非導通状態になる機能を有しており、本実施例においては、スイッチレバー448L、スイッチレバー448Lの先端に横向き円柱状の係止片448Eが設けられ、係止片448Eはフック溝446Gに摺動可能に挿入されている。スイッチレバー448Lは、スイッチ448の筐体448Cに支持された第8支軸454を支点として所定角度、回動可能に設けられている。スイッチレバー448L内には断面円形の摺動穴456が所定の深さで穿設されている。摺動穴456内には先端に押動体458が固定された摺動体462の一端部分が摺動自在に挿入されている。また、摺動穴456内には、スプリング464が挿入され、摺動体462をスイッチレバー448Lから突出する方向に付勢している。押動体458は、角部が丸められた三角形状に形成され、先端は、棒状の共通端子466の先端部の第9支軸468に揺動自在に支持されたシーソー状の可動接点472にスプリング464の付勢力によって押圧されている。可動接点472の両端部下面には、第1接点4721、第2接点4722が設けられ、第1固定接点4741、第2固定接点4742に相対されている。本実施例においては、共通端子466と第1固定接点4741が電源に接続され、スイッチレバー448Lは、通常時、
図27における実線示の位置をとる。詳述すれば、第2接点4722が第2固定接点4742と接触するが、第2接点4722は電源に接続されていないので、それらの間に電流が流れず、機械式スイッチ448Mはオフである。この状態において、押動体458は可動接点472の第9支軸468よりも第2固定接点4742側を押動し、オフ状態を継続する力を与えている。この状態から、スイッチレバー448Lが時計方向へ回動された場合、押動体458、したがって、摺動体462が摺動穴456において摺動し、第9支軸468部を経由して反対側の第9支軸468よりも第1接点4721側の可動接点472を押動する。これによって、第1接点4721と第1固定接点4741とが接触し、これらの間に電流が流れ、機械式スイッチ448Mはオンである。この第1接点4721と第1固定接点4741との間に流れる電流を検知し、円盤体Dを受け入れたことを検出する。円盤体Dが通過し、被動体334、したがって解除体378の解除位置RPから保留位置KPへの戻りに連動して、スイッチレバー448Lも
図27における実線位置に戻され、機械式スイッチ448Mは非導通状態(オフ)になる。そして、解除体378が阻止位置SPに位置する場合、連動体446(平板状体446F)は非検知位置NPに位置されて機械式スイッチ448Mは、非導通状態であり、非導通信号(可動接点472と第1固定接点4741との間に電気が流れない状態、すなわちオフ信号)ND1を出力するが、連動体446が
図26又は
図27において、時計方向に所定量回動された場合、係止片448Eは鎖線示した検知位置DPへ移動される。係止片448Eの検知位置DPへの移動によって、機械式スイッチ448Mは導通状態(オン)になり、検知信号(導通信号)DS1を出力する(可動接点472と第1固定接点4741との間に電気が流れる状態)。
【0079】
次に光電式スイッチ448Pを
図28をも参照して説明する。
光電式スイッチ448Pは、平板状体446Fの存在を光を用いて検知し、出力する機能を有し、光電式センサー474と判別回路476によって構成されている。
【0080】
次に光電式センサー474を説明する。
光電センサー474は、連動体446(平板状体446F)の存在の有無を光電式に検知する機能を有し、公知の光電式センサーが用いられ、本実施例においては、透過型の光電式スイッチが用いられている。具体的には、チャンネル型のスイッチ本体478に、投光部482と受光部484とが光軸が同一の軸線LL上に位置するように対向配置されている。投光部482と受光部484とは、コネクタ486を介して判別回路476に接続されている。投光部482と受光部484との間の検知域488に連動体446の一部である平板状体446Fが出入りする。すなわち、平板状体446Fの検知位置DPへの移動によって、平板状体446Fは投光部482からの投光を遮断し、受光部484は受光しない。平板状体446Fが非検知位置NPに位置する場合、投光部482からの投光は受光部484において受光される。なお、光電式センサー474は反射型でも良い。
【0081】
次に判別回路476を説明する。
判別回路476は、受光部484からの信号、換言すれば、受光又は非受光信号に基づいて、不存在信号ND2、又は、存在信号DS2を出力する機能を有し、公知の論理回路(電気回路、又は、論理回路)によって構成される。換言すれば、平板状体446Fが非検知位置NPに位置する場合、投光部482からの投光が遮断されないので不存在信号ND2を出力し、検知位置DPに位置する場合、投光部482からの投光が遮断されるので、存在信号DS2を出力する。
【0082】
次に実施例の円盤体選別装置200の作用を
図18〜
図23をも参照して説明する。
本実施例においては、100円硬貨を真正円盤体TDとし、その他の硬貨及び材質の異なる円盤体を偽円盤体FDとし、円盤体下端周面支持部324上には2枚の真正円盤体TDが保留され、3枚目の真正円盤体TDの受入、換言すれば、3枚の真正円盤体Dが円盤体保留部338に一瞬保留された後、纏めて3枚の真正円盤体Dを収納通路376に受け入れる例を説明する。
円盤体Dが挿入口204に挿入されない場合、ドア218は一体に取り付けられた円盤体保持板238が偽円盤体吸着磁石242によって吸引され、本体216の本体内面216iとドア218のドア内面218iとが密接し、中段216mとドア内面218iとが真正円盤体TDである100円硬貨の厚みよりも僅かに広い間隔で平行に垂立している。弾出体286は放出レバー292が待機ストッパ304に係止されることにより、待機位置SBP(
図4)に位置し、押動体254は、バネ284の付勢力によって、押動体254が円盤体通路212、具体的には、逸らせ部278edが上向き通路268を斜めに横断するように位置している。一方、円盤体収納制御体374は自己モーメントによって回動力がバランスし、円盤体収納制御体側係止部380が約15度程、垂立状態から時計方向に回動した待機位置SP2において静止状態を呈する。これにより、円盤体側方周面係止部328は阻止位置SP2に位置している。検知体382は自己モーメントによって、第4支軸390回りに回動し、第1解除体ロック部394が矩形開口404に進入し、かつ、解除体ロック部396が係止凹部412に進入し、待機位置WP(
図19)において静止している。これによって、解除体378は非解除位置KPに保持される。これによって、
図18に示すように、円盤体収納制御体374から解除体378側に延在する誤収納防止部388が解除体378の側面支持体係止部414に係止され、同図において右側から見た場合、円盤体収納制御体374の第3支軸372を中心とする反時計方向への回動が制限され、円盤体側方周面係止部328は阻止位置SP2に保持される(
図19)。なお、
図19において、円盤体D1が開示されているが、円盤体D1が存在すること以外は、その他の構成の関係は本
図19と同一である。これにより、真正円盤体TDが円盤体下面支持部326上に落下した場合、その上側に厚み方向に整列されて保留される(
図19)。なお、符号D1は、一枚目に保留される円盤体を表している。
【0083】
次に真正の円盤体D(100円硬貨)を挿入口204に挿入する。これにより、円盤体Dの下側周面が弾出体286に接触し、上側周面は固定体288の下側周面によって、案内されるので、弾出体286は円盤体Dによって下方へ移動させられ、固定体288と弾出体286との間へ進入する。
【0084】
図9に示すように、円盤体Dの円盤体中心CDが第1接点P1と接点P2とを結んだ直線Lを超えた直後、放出レバー292に作用する放出弾性体308の弾性力によって、弾出体286は放出支軸306回りに急速に、
図3において時計方向へ回動され、円盤体Dを上方へ放出する。
【0085】
放出された円盤体Dは、基本的には上側案内体236の上側案内面236s(
図7)にその上側周面が案内されつつ上向き通路268を進行する(
図9)。放出手段266による放出方向がぶれた場合、円盤体Dは下側案内面234lによって案内された後、上側案内面236sに案内されつつ進行する。
【0086】
円盤体Dは、上向き通路268を通過する過程において、円盤体選別手段214を構成する押動体254、具体的には、円盤体Dの進行前位周面が円盤体通路212、具体的には、上向き通路268に対し斜めに位置する押動体254の押動縁278eによって横方向へ逸らされる力を受ける。しかし、真正円盤体Dである100円硬貨の下端部側面は側方に位置する円盤体側面案内体256によって案内されると共に、上側周面は上側案内面236sに接しているので横方向の移動に対して摩擦抵抗を受け、円盤体通路212から押し出されることはない。よって、円盤体Dは押動体254を円盤体通路212から押し出して、円盤体選別手段214を通過し、所定の速度で下向き通路272へ達する。下向き通路272に達した円盤体Dは、移動速度と重量に基づく慣性力に基づいて下向き通路272を斜め下方へ落下する。
図9においては、左斜め下方へ落下する。真正円盤体TDは、その右側の下側弧状周縁が振分体276に当接し、振分体276の左側へ跳ね飛ばされて受入通路277へ案内され、真正円盤体TDとして選別される。
【0087】
次に10円硬貨が挿入口204へ挿入される場合を説明する。
10円硬貨(23.5mm)は、100円硬貨(22.6mm)よりも直径が0.9mm大きい。この場合、10円硬貨は挿入口204への挿入は可能で有るが、弾出体286は100円硬貨よりも直径差の0.9mmに関連した量、さらに下方へ移動されようとするが、その回動途中において、放出レバー292は移動制限体312(
図4)に当接して回動を阻止されるので、結果として、挿入口204へ挿入することはできない。
【0088】
次に5円硬貨が挿入口204へ挿入される場合を説明する。
5円硬貨は、直径が22mmであるため、直径を0.6mm外見上大きく見せかけることにより、真正円盤体TDとして受け入れられる可能性がある。しかし、当該5円硬貨は、下向き通路272において、材質選別永久磁石274の側方を通過する際、当該材質選別永久磁石274(
図6)の磁束によって内部に渦電流が生成され、これが5円硬貨に対し制動力として作用する。100円硬貨も導電性であるため、同様に内部に渦電流が生じ、制動力を受ける。しかし、5円硬貨は黄銅製であるため、白銅製の100円硬貨よりも渦電流の発生量が大きく、制動力が大きい。これによって、5円硬貨は、
図9において、その左側下端部の円弧周面が振分体276に当接し、振分体276の右側へ案内され、返却通路222に達し、返却通路底壁222B上を転動して返却口206から円盤体保持体228に達し、保持される。
【0089】
次に100円硬貨と同一の直径及び厚みに形成した鉄製の偽円盤体FDを挿入口204に挿入した場合を説明する。
鉄は強磁性体であるため、弾出体286によって放出された偽円盤体FDは、円盤体通路212における偽円盤体吸着磁石242の前方において、当該偽円盤体吸着磁石242の磁力によって吸着され、円盤体通路212に保持される。この場合、返却レバー208を操作して、ドア218を本体支軸246を中心に回動させてドア218の下端部を本体216から離隔させる。これにより、円盤体保持板238も円盤体通路212を横切って本体216から離れるため、偽円盤体FDは偽円盤体吸着磁石242から離される。これにより、偽円盤体吸着磁石242による吸着力が弱まった偽円盤体FDは、自重によって返却通路222へ落下し、返却口206へ戻され、円盤体保持体228に保持される。
本実施例においては、上向き通路268に円盤体選別手段214が配置されているので、上下方向、及び、前後方向の大きさを小型化できる利点がある。
【0090】
次に円盤体保留装置224における円盤体保留部338への円盤体D(真正円盤体TD)の保留、収納、又は、返却の作用を
図18〜
図24をも参照しつつ説明する。なお、説明の便宜上、1枚目の円盤体をD1、2枚目の円盤体をD2、3番目の円盤体をD3として説明する。
受入通路277から落下する1枚目の円盤体D1の下端縁は、円盤体下面支持部326上に落下し、その後当該円盤体下面支持部326に沿って降下した後、円盤体下端周面支持部324に当接して斜め状態に保留される(
図13、
図19)。1枚目の円盤体D1が保留された場合であっても、円盤体収納制御体374、検知体382、及び、解除体378の姿勢は変わらない。
【0091】
2枚目に落下する円盤体D2の下端周縁は、1枚目の円盤体D1の上面UP上に落下し、その後当該1枚目の円盤体D1の上面UP(円盤体下面支持部326)に案内されつつ降下した後、円盤体下端周面支持部324に当接して斜め状態に厚み方向に整列されて保留される(
図23)。本実施例においては、保留枚数が3枚であるので、2枚の円盤体D2の保留により、円盤体下端周面支持部324における円盤体有効載置長ALは保留された2枚の円盤体D1及びD2によって、満たされ、3枚目の円盤体D3は円盤体下端周面支持部324上に支持されることは無い。2枚目の円盤体D2が保留された場合であっても、円盤体収納制御体374、検知体382、及び、解除体378の姿勢は変わらない。しかし、検知部先端332Tと2枚目の円盤体D2の上面UPとの間隔は、円盤体Dの厚みよりも小さい状態となる。
【0092】
3枚目に落下する円盤体D3の下端周縁は、2枚目の円盤体D2の上面UPに案内されつつ降下し、所定枚数受入検知部332上に達する(
図22)。これにより、検知体382は3枚目の円盤体D3の重量によって、
図20に示すように、第4支軸390の回りを反時計方向へ回動される。これにより、第1解除体ロック部394は矩形開口404から、解除体ロック部396は係止凹部412から離脱し、解除体378は第5支軸406回りを時計方向へ回動可能になる。しかし、検知体382の検知体側不測収納防止部398が凹部392に進行し、円盤体収納制御体374の第3支軸372回りの回動を制限する。したがって、この状態において、返却レバー208を操作することによる返却操作を行っても、円盤体収納制御体374は回動されないので、円盤体側方周面係止部328が返却位置RP2へ移動されることはない。換言すれば、最後である3枚目の円盤体D3を挿入した後、収納通路376に収納されるまでの間に、返却レバー208を操作して円盤体Dを返却口206に戻す不正を行うことは出来ない。
【0093】
3枚目の円盤体D3が更に落下すると、被動体334を斜め上方から押動するので、
図21に示すように、解除体378は第5支軸406回りに、さらに時計方向へ回動される。これにより、カム面396Sは弧状カム410に相対し、最後の円盤体D3の上面UPと検知部先端332Tとの係合が終了した後、解除体ロック部396のカム面396Sは弧状カム410によって、待機位置WPへの戻り動が制限されるので、結果として、検知体382の検知位置DPは継続される。解除体378の時計回り方向の回動によって、側面支持体係止部414は下方へ移動する。これによって、解除体378が
図22において時計方向に回動し、側面支持体係止部414が下方へ回動するので、側面支持体係止部414に係止されてその回動を制限されていた誤収納防止部388もその移動につれて下方へ移動可能になる。換言すれば、保留されている円盤体D1及びD2の重量及び円盤体下端周面支持部324による転動力によって、円盤体側方周面係止部328を介して円盤体収納制御体374が第3支軸372回りを反時計方向へ回動され、円盤体側方周面係止部328は解除位置RP2へ移動される。これによって、円盤体下端周面支持部324上に下端周縁を支持されている円盤体Dは、円盤体側方周面係止部328を横方向へ押しやって収納通路376へ落下し、収納部322に収納される。円盤体Dの重量を受けなくなった円盤体側方周面係止部328によって円盤体収納制御体374は、自重によるモーメントによって時計方向に回動し、自重によるモーメントがゼロになった
図15(A)における阻止位置SP2において静止状態になる。
3枚目の円盤体D3が被動体334を押しやって収納通路376へ落下し、押動が終了した場合、解除体378は自己モーメントによって保留位置KPへ戻る。これにより、検知体382も自己モーメントによって、待機位置WPに戻り、第1解除体ロック部394が矩形開口404に、解除体ロック部396が解除体378の係止凹部412に進行する。これらによって、新たな円盤体Dの待機状態になる。以上、円盤体Dを3枚保留する事例を説明したが、4枚保留する場合は円盤体下端周面支持部324上に3枚の円盤体Dが保留され、4枚目の円盤体Dによって、所定枚数受入検知部332が移動されて纏めて収納通路376に受け入れる。2枚保留する場合、円盤体下端周面支持部324上に1枚の円盤体Dが保留され、2枚目の円盤体Dによって、所定枚数受入検知部332が移動されて纏めて収納通路376に受け入れるようにすることにより、保留枚数を調整することができる。なお、円盤体下端周面支持部324上に円盤体Dが保留されない場合、保留機能を有しない円盤体選別装置として利用することができる。
【0094】
解除体378の時計回り方向の回動によって、カム442が同方向に回動される、しかし、左カムフォロワー444Lが大径部442Lに当接し、かつ、右カムフォロワー444Rが右小径部442SRに当接している場合、カムフォロワー444、従って、平板状体446Fは非検知位置NPを維持し、機械式スイッチ448Mは非導通信号ND1、光電式スイッチ448Pは非検知信号ND2を出力する。しかし、最後の円盤体Dによって被動体334が押動された場合、左カムフォロワー444Lは左小径部442SLに、右カムフォロワー444Rは大径部442Lに当接することから、平板状体446Fは検知位置DPへ移動され、結果として、機械式スイッチ448Mは検知信号DS1、光電式スイッチ448Pは検知信号DS2を出力する。したがって、これら検知信号DS1及び/又は検知信号DS2をその後の処理に利用することができる。
【0095】
次に円盤体保留部338に所定の枚数の円盤体Dが保留される前に保留された円盤体Dを返却口206に戻す作用を
図24及び
図25を参照して説明する。
返却レバー208は、通常、
図24に示すように、最も時計方向に回動した状態において静止され、この状態において、連動して移動される押動先端432Tは、円盤体収納制御体374の制御体上端部374Uに係合されていない。この状態は、最後の円盤体D3が円盤体保留部338に保留される迄は継続される。したがって、この間に返却レバー208を
図24において反時計方向へ回動させた場合、傾斜長孔422が
図24の位置から反時計方向に回動されるので、
図25に示すように、駆動棒体434は第6支軸428回りを時計方向へ回動され、押動先端432Tは時計方向へ回動される。この回動によって、押動先端432Tが円盤体収納制御体374の制御体上端部374Uを押動し、円盤体収納制御体374を時計方向へ回動させて円盤体側方周面係止部328を阻止位置SP2から押動位置PP2へ移動させる。この円盤体側方周面係止部328の押動位置PP2へ移動によって、円盤体保留部338に保留されている円盤体Dは纏めて円盤体下端周面支持部324の返却通路側上端324Uを越えて押動され、返却通路222へ落下されるので、円盤体Dは纏めて返却口206に返却される。
なお、本発明にかかる円盤体検知装置400は、ゲーム機の他、自動販売機や精算機等に用いられる円盤体選別装置に用いられることができる。