特許第6707750号(P6707750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707750
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】POPカード用ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   A47F5/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-142264(P2016-142264)
(22)【出願日】2016年7月20日
(65)【公開番号】特開2018-11707(P2018-11707A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年1月31日にファミリーマート・サンシャイン南店で展示
(73)【特許権者】
【識別番号】592035268
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・セブン
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 友和
【審査官】 山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−119653(JP,A)
【文献】 米国特許第06082687(US,A)
【文献】 登録実用新案第3196959(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47G 29/00
G09F 1/10
B42F 1/00
B42F 1/02
B42F 1/12
B42F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、ケーシング内に圧入されるPOPカード保持体と、ケーシングの背面に組み付けられる掛止片の3部材を備え、各部材にプラスチック成型品を用いたPOPカード用ホルダーであって、
ケーシングは開口を形成した正面と、左右両側面と、背面と、底面及び上端開口から成る箱構造を有し、背面の上端部に通孔を有する第1嵌合枠が設けられ、
POPカード保持体は左右一対のPOPカード保持片と両POPカード保持片の背面を連結する連結面から成り、各POPカード保持片の内面に複数個の保持突起を、その先端部が基端部より連結面側に偏るように傾斜して設けるとともに、一方のPOPカード保持片の保持突起の先端部と他方のPOPカード保持片の保持突起の先端部が略一直線上に整列し、かつ一方のPOPカード保持片の隣接する2個の保持突起の間に他方のPOPカード保持片の1個の保持突起の先端部が位置するように配置し、連結面の上端部に係止段部を形成し、
掛止片はその上端部に第2嵌合枠と係止片を形成し、
ケーシングの上端開口からPOPカード保持体をケーシング内に圧入してケーシングの背面にPOPカード保持体の連結面を圧接し、ケーシングの両側面にPOPカード保持片を圧接し、掛止片の第2嵌合枠をケーシングの第1嵌合枠に圧入するとともに、掛止片の係止片をケーシングの第1嵌合枠の通孔に挿入し、該係止片をPOPカード保持体の係止段部に係止して、ケーシングにPOPカード保持体と掛止片を組み付け、
ケーシングの正面の開口を通して両POPカード保持片の間に挿入したPOPカードを左右の保持突起で挟持し、掛止片をレール部材に着脱可能に掛止するようにしたことを特徴とするPOPカード用ホルダー。
【請求項2】
第1嵌合枠がケーシングの背面の上端部の両側縁から正面と反対の方向へ凸設した左右一対の凸片と、両凸片を連結する連結片から成り、両凸片と連結片門型に形成し、ケーシング背面の上端面と第1嵌合枠の連結片で前記通孔を区画形成し、第1嵌合枠の連結片の内面に係止段部を形成し、
前記係止片が掛止片の上端部から直角に折れ曲がって突出し
第2嵌合枠が掛止片の上端部の両側縁から係止片の突出側へ凸設した凸片を備え
両凸片が係止片で連結され、係止片の上面に嵌合凸条が形成され、
掛止片の第2嵌合枠をケーシングの第1嵌合枠に圧入し、係止片を前記通孔に挿入して、係止片をPOPカード保持体の係止段部に係止したとき、係止片の前記嵌合凸条が第1嵌合枠の前記係止段部嵌め殺し状に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のPOPカード用ホルダー。
【請求項3】
ケーシング及び又は掛止片を硬質プラスチックで成型し、POPカード保持体を軟質プラスチックで成型したことを特徴とする請求項1に記載のPOPカード用ホルダー。
【請求項4】
前記各POPカード保持片の正面側端部に直線溝を形成し、ケーシングの正面内側に、POPカード保持体をケーシングに圧入するとき各直線溝に嵌合する嵌合凸条を形成したことを特徴とする請求項3に記載のPOPカード用ホルダー。
【請求項5】
前記保持突起の先端部に微小凹凸を形成したことを特徴とする請求項1に記載のPOPカード用ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品名、値段、商品管理用バーコード等が記載された販促用のPOPカードのホルダーに関し、より詳しくはコンビニエンスストア、ショッピングセンター、ドラッグストア等の商品陳列棚の前端部に設けられたプライスレールにPOPカードを取り付けるに好適なPOPカード用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の商品陳列棚100の前端部には図13に示すように、プライスレール101が取り付けられている。一般に、このプライスレール101は透明なプラスチックで成型され、棚100に置かれた商品102の商品名や値段を記載したPOPカード103を挟持するホルダー部が一体的に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンビニエンスストアで買い物をするとき、通常、購買者は対向配置された商品陳列棚100と商品陳列棚100の間の通路を歩きながら商品陳列棚100に陳列されている商品102やプライスレール101に取り付けられているPOPカード103を見て、所望する商品102を探す。通路を歩かないで立っているだけでは、近くの商品102やPOPカード103を見ることはできても、離れている商品102は横に置かれた他の商品102の後ろに隠れてしまうため見ることができない。また、離れた所からPOPカード103を見ても、POPカード103はプライスレール101と平行にホルダー部に装着されているため購買者の視線がPOPカード103に対して斜めになり、購買者はPOPカード103を読み取ることができない。そのため、時として購買者は所望する商品102を探し出すために通路を一周しなければならず、買い物に時間を要し、甚だ不便であった。
【0005】
本発明は上記不便に鑑み、購買者が近くの商品棚に陳列されている商品だけでなく、離れた商品棚に陳列されている商品も容易に知ることができるPOPカード用ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、
ケーシングと、ケーシング内に圧入されるPOPカード保持体と、ケーシングの背面に組み付けられる掛止片の3部材を備え、各部材にプラスチック成型品を用いたPOPカード用ホルダーであって、
ケーシングは開口を形成した正面と、左右両側面と、背面と、底面及び上端開口から成る箱構造を有し、背面の上端部に通孔を有する第1嵌合枠が設けられ、
POPカード保持体は左右一対のPOPカード保持片と両POPカード保持片の背面を連結する連結面から成り、各POPカード保持片の内面に複数個の保持突起を、その先端部が基端部より連結面側に偏るように傾斜して設けるとともに、一方のPOPカード保持片の保持突起の先端部と他方のPOPカード保持片の保持突起の先端部が略一直線上に整列し、かつ一方のPOPカード保持片の隣接する2個の保持突起の間に他方のPOPカード保持片の1個の保持突起の先端部が位置するように配置し、連結面の上端部に係止段部を形成し、
掛止片はその上端部に第2嵌合枠と係止片を形成し、
ケーシングの上端開口からPOPカード保持体をケーシング内に圧入してケーシングの背面にPOPカード保持体の連結面を圧接し、ケーシングの両側面にPOPカード保持片を圧接し、掛止片の第2嵌合枠をケーシングの第1嵌合枠に圧入するとともに、掛止片の係止片をケーシングの第1嵌合枠の通孔に挿入し、該係止片をPOPカード保持体の係止段部に係止して、ケーシングにPOPカード保持体と掛止片を組み付け、
ケーシングの正面の開口を通して両POPカード保持片の間に挿入したPOPカードを左右の保持突起で挟持し、掛止片をレール部材に着脱可能に掛止するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のPOPカード用ホルダーにおいて、
第1嵌合枠がケーシングの背面の上端部の両側縁から正面と反対の方向へ凸設した左右一対の凸片と、両凸片を連結する連結片から成り、両凸片と連結片門型に形成し、ケーシング背面の上端面と第1嵌合枠の連結片で前記通孔を区画形成し、第1嵌合枠の連結片の内面に係止段部を形成し、
前記係止片が掛止片の上端部から直角に折れ曲がって突出し
第2嵌合枠が掛止片の上端部の両側縁から係止片の突出側へ凸設した凸片を備え
両凸片が係止片で連結され、係止片の上面に嵌合凸条が形成され、
掛止片の第2嵌合枠をケーシングの第1嵌合枠に圧入し、係止片を前記通孔に挿入して、係止片をPOPカード保持体の係止段部に係止したとき、係止片の前記嵌合凸条が第1嵌合枠の前記係止段部嵌め殺し状に係止するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のPOPカード用ホルダーにおいて、
ケーシング及び又は掛止片を硬質プラスチックで成型し、POPカード保持体を軟質プラスチックで成型したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のPOPカード用ホルダーにおいて、
前記各POPカード保持片の正面側端部に直線溝を形成し、ケーシングの正面内側に、POPカード保持体をケーシングに圧入するとき各直線溝に嵌合する嵌合凸条を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のPOPカード用ホルダーにおいて、
前記保持突起の先端部に微小凹凸を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係るPOPカード用ホルダーよれば、ケーシング内にPOPカード保持体を圧入し、ケーシングの通孔に掛止片の嵌合凸部を圧入し、掛止片の係止片をPOPカード保持体の係止段部に係止することにより、ケーシングとPOPカード保持体及び掛止片を一体的に組み付けるので、接着剤を必要とすることなく組み立てることができる。そのため、製造コストを低減できる。
しかして、本発明に係るPOPカード用ホルダーをプライスレールに掛止し、POPカードをカード保持体のPOPカード保持片の間に挿入すると、POPカードがプライスレールから通路側へ突出して展示されるので、購買者は離れたところに立っていてもPOPカードを読み取ることができる。そのため、購買者は商品やPOPカードの近くまで歩いていかなくても、商品やその値段を確かめることができる。
ケーシング、POPカード保持体及び掛止片の各部材をプラスチックで成型するので、各部材の材料となるプラスチックの色彩を種々選択することにより、低コストでカラフルな製品にできる。
また、ケーシング、POPカード保持体及び掛止片はそれぞれ別部材として成型されているので、廃棄時、材質や色彩が違っても分別できるためリサイクルが容易になる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、掛止片の係止片がPOPカード保持体の係止段部に係止し、係止片に設けた嵌合凸条がケーシングの第1嵌合枠に設けた係止段部に係止するので、ケーシングとPOPカード保持体及び掛止片が嵌め殺しとなって一体的に結合できる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、軟質プラスチック製のPOPカード保持体の有する弾力により、POPカードをしっかりと保持できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、硬質プラスチック製のケーシングに形成した嵌合凸条によって軟質プラスチック製の両POPカード保持片の間隔を一定に保つことができ、POPカードを両POPカード保持片の保持突起でしっかりと保持できる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、微小凹凸による摩擦力でPOPカードをしっかりと保持突起で挟持できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係るPOPカード用ホルダーを示す正面側から見た斜視図である。
図2】同POPカード用ホルダーを示す背面側から見た斜視図である。
図3】同POPカード用ホルダーを示す平面図である。
図4】同POPカード用ホルダーを示す図3の4−4線から切断した断面図である。
図5】同POPカード用ホルダーのケーシングを示す正面側から見た斜視図である。
図6】同POPカード用ホルダーのケーシングを示す背面側から見た斜視図である。
図7】同POPカード用ホルダーのPOPカード保持体を示す正面側から見た斜視図である。
図8】同POPカード用ホルダーのPOPカード保持体を示す背面側から見た斜視図である。
図9】同POPカード用ホルダーのPOPカード保持体を示す断面図である。
図10】同POPカード用ホルダーの掛止片斜視図である。
図11】同POPカード用ホルダーの掛止片を示す断面図である。
図12】同POPカード用ホルダーの使用方法を示す説明図である。
図13】コンビニエンスストアの商品陳列棚を示す説明図である。
【実施例】
【0017】
以下に本発明を図面に基づき説明する。図1図3には本発明の一実施例に係るPOPカード用ホルダー10が示されている。当該POPカード用ホルダー10はケーシング11と、ケーシング11内に圧入したPOPカード保持体12と、ケーシング11の背面に組み付けた掛止片の3部材で構成され、ケーシング11と掛止片13はABS樹脂を材料とする成型品が用いられ、POPカード保持体12はTPE(熱可塑性エラストマー)を材料とする成型品が用いられている。
【0018】
図5及び図6に示すように、ケーシング11は長方形の開口11aを区画形成する右側正面11bと左側正面11cと、左右両側面11d,11eと、背面11fと、長方形の開口11gを区画形成する右側底面11hと左側底面11j及び上端開口11kから成る箱構造を有している。図3に示すようにケーシング11の右側正面11bと左側正面11cの内面には細い直線状の第1嵌合凸条11mが設けられている。
【0019】
左右両側面11d,11eはそれぞれ背面11fから正面11b,11cに向かって間隔が漸減するように傾斜している。左右両側面11d,11eと背面11fの交差する角隅部には、図3及び図5に示すように、背面11fの上端部から下端部へと延びる第1嵌合溝11nが形成されている。また、背面11fの上端部には第1嵌合枠11p設けられている。第1嵌合枠11pは背面11fの上端部の両側縁から後方へ凸設した左右一対の凸片11qと、両凸片11qを連結する連結片11rから成り、両凸片11qと連結片11rで門型に構成され、背面11fの上端面と第1嵌合枠11pの連結片11rで横長長方形の通孔11sが区画形成されている。第1嵌合枠11pの連結片11rの内面には図4に示すように第1係止段部11tが形成され、連結片11rの長手方向に延びている。
【0020】
図7図9に示すように、POPカード保持体12は左右一対のPOPカード保持片12a,12bと、両POPカード保持片12a,12bの間に所定幅の隙間が形成されるように両POPカード保持片12a,12bの背面を連結する連結面12cから成る。各POPカード保持片12a,12bの左右両側面はケーシング11の左右両側面11d,11eと同じ傾斜角度を有するように形成されている。一方のPOPカード保持片12aの内面には2個の保持突起12dが設けられ、他方のPOPカード保持片12bの内面には3個の保持突起12dが設けられている。図9に示すように、各保持突起12dはその先端部が基端部より連結面側に偏るように傾斜して設けられている。また、一方のPOPカード保持片12aの保持突起12dの先端部と他方のPOPカード保持片12bの保持突起12dの先端部が略一直線上に整列し、かつPOPカード保持片12bの隣接する2個の保持突起12dの間にPOPカード保持片12aの保持突起12dの先端部が位置するように配置されている。図9に拡大して示すように、各保持突起12dの先端部には微小凹凸12eが形成されている。POPカード保持体12の連結面12cの上端部には第2係止段部12fが形成されている。連結面12の左右両端はPOPカード保持片の後端部から左右両側に突出して第2嵌合凸条12gを形成している。また、POPカード保持片12a,12bの正面側の先端部には第2嵌合溝12hが形成されている。
【0021】
図10及び図11に示すように、掛止片13はケーシング11の背面と略同形、同大の長方形を有し、その上端部に第2嵌合枠13aが形成されている。第2嵌合枠13aは掛止片13の上端部の両側縁から内側へ凸設した凸片13b,13cと両凸片13b,13cを連結する連結片13dから成り、両凸片13b,13cと連結片13dで逆門型に形成されている。また、掛止片13の上端部には横長長方形の係止片13eが形成されている。この係止片13eは掛止片13の上端部から内側に直角を成して折れ曲がるとともに、両凸片13b,13cを連結している。図11に示すように、係止片13eの上面には第3嵌合凸条13fが形成されている。
【0022】
ケーシング11、POPカード保持体12及び掛止片13の構造は以上の通りであって、ケーシング11の上端開口11kからPOPカード保持体12をケーシング11内に圧入し、ケーシング11の背面11fにPOPカード保持体12の連結面12cを圧接させ、ケーシング11の両側面11d,11eにPOPカード保持体12の保持片12a,12bを圧接させてケーシング11にPOPカード保持体12を組み付ける。このとき、ケーシング11の第1嵌合溝11nにPOPカード保持体12の第2嵌合凸条12gを嵌合させ、POPカード保持体12の第3嵌合溝12hにケーシング11の第1嵌合凸条11mを嵌合させる。
【0023】
次いで、掛止片13の第2嵌合枠13aをケーシング11の第1嵌合枠11pに圧入し、掛止片13の係止片13eをケーシング11の通孔11sに挿入し、係止片13eをPOPカード保持体12の第2係止段部12fに係止する。このとき、係止片13の第3嵌合凸条13fをケーシング11の第1係止段部11tに係止させる。このようにしてケーシング11とPOP保持体12及び掛止片13を一体的に組み付けることによりPOPカード用ホルダー10を組み立てる。
【0024】
組み立てたPOPカード用ホルダー10は図12に示すように、掛止片13をプライスレール101に掛止することによりプライスレール101に装着する。POPカード104をケーシング11の正面開口11aを通して両POPカード保持片12a,12bの間に挿入すると、POPカード104が左右の保持突起12dで挟持される。POPカード用ホルダー10で挟持したPOPカード104はプライスレール101から通路側へ突出する。
【0025】
本実施例に係るPOPカード用ホルダー10によれば、ケーシング11内にPOPカード保持体12を圧入し、ケーシング11の第1嵌合枠11pに掛止片13の第2嵌合枠13aを圧入し、掛止片13の係止片13eをPOPカード保持体12の第2係止段部12fに係止することにより、ケーシング11とPOPカード保持体12及び掛止片13を一体的に組み付けるので、接着剤を必要とすることなくケーシング11とPOPカード保持体12及び掛止片13の3部材を組み立てることができる。そのため、低コストで製造できる。
【0026】
とりわけ、本実施例によれば、掛止片13の係止片13eがPOPカード保持体12の第2係止段部12fに係止し、係止片13eに設けた第1嵌合凸条13fがケーシング11の第1嵌合枠11pに設けた第1係止段部11tに係止するので、ケーシング11とPOPカード保持体12及び掛止片13が嵌め殺しとなって一体的に結合できる。
【0027】
POPカード103をプライスレール11から通路側へ突出するように展示できるので、購買者は離れたところに立っていてもPOPカード103を読み取ることができる。そのため、購買者は商品102やPOPカード103,104の近くまで歩いていかなくても、商品102やその値段を確かめることができ、利便性が向上する。
【0028】
ケーシング11、POPカード保持体12及び掛止片13の各部材をプラスチックで成型するので、各部材の材料となるプラスチックの色彩を種々選択することにより、低コストでカラフルな製品にできる。
【0029】
POPカード保持体12の材質に軟質プラスチックであるTPEを用いたので、軟質プラスチックの有する弾力により、POPカード104をしっかりと保持できる。また、材質に硬質プラスチックであるABS樹脂製を用いたケーシング11に形成した第1嵌合凸条11mと軟質プラスチック製の両POPカード保持片12に形成した第2嵌合溝12hとの嵌合によってPOPカード保持片12a,12bの間隔を一定に保つことができ、POPカード104を両POPカード保持片12a,12bの保持突起12dでしっかりと保持できる。さらにまた、保持突起12dに微小凹凸12eを形成したので、微小突起12eによる摩擦力でPOPカード103をしっかりと挟持できる。
【符号の説明】
【0030】
10…POPカード用ホルダー
11…ケーシング
11a…開口
11b…右側正面
11c…左側正面
11d,11e…側面
11f…背面
11h…右側底面
11j…左側底面
11k…上端開口
11m…第1嵌合凸条
11n…第1嵌合溝
11p…第1嵌合枠
11q…凸片
11r…連結片
11s…通孔
11t…第1係止段部
12…POPカード保持体
12a,12b…POPカード保持片
12c…連結面
12d…保持突起
12e…微小凹凸
12f…第2係止段部
12g…第2嵌合凸条
12h…第2嵌合溝
13…掛止片
13a…第2嵌合枠
13b,13c…凸片
13d…連結片
13e…係止片
13f…第3嵌合
102…プライスレール
103,104…POPカード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13