(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビーコンフレームフォーマットは、ビーコンフレームのペイロードが装置識別情報フィールド、複数のアクセス期間情報フィールド、及びMACケーパビリティーフィールドを含むことを示し、
他装置が前記フレーム生成装置に接続されている場合に、MACケーパビリティーフィールドが省略されるようにビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項1に記載のフレーム生成装置。
前記フレーム生成装置が他装置の接続をこれ以上許容しない場合に、前記複数のアクセス期間情報フィールドの中で少なくとも一つが省略されるように前記ビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項2に記載のフレーム生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書においては、主に本発明をBANに適用した実施形態について説明するが、本発明の適用分野はBANに限定されない。例えば、本発明は、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、Wi−Fi(登録商標)、Wi−Fi Direct(登録商標)等の他の無線通信技術にも適用可能である。
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1はBANの構成を示す模式図である。BAN10はハブHの役割をする装置と、ノードNの役割をする装置を含む。一つのBANには一つのハブが存在する反面、ノードの数は0から当該ハブの最大接続可能ノード数(mMaxBANSize)の範囲である。
図1に示された例においては、4個のノードN1乃至N4がBANに属するが、ノードの数は図示の例に限定されない。ハブHは、例えば、スマートフォン、PDA等の携帯端末、又は通信機能を含む電子時計である。ノードNは、例えば、生体信号を測定したり入力受けたりしてハブHに伝達する機能を行う生体信号測定装置、生体信号モニタリング装置、若しくは、各種センサー、又はこれらを含む電子時計である。
【0016】
図2は本発明の一実施形態に係る通信システムを示すブロック図である。本実施形態において、通信システム20はハブとして機能する装置200と、ノードとして機能する装置300とを含む。
図2の例では、一個のノードがハブと通信することを示すが、上記のように、ハブに接続可能なノードの数はこの例に限定されない。装置200は、一つ又はそれ以上のノードと通信し、これらを制御する。装置300は医療機器、家電製品、個人娯楽機器、等の一つ又はそれ以上のアプリケーションのための、身体(人間の体に限定されない。)上で、内部で、又は、その周囲で動作する低電力無線ノードである。
【0017】
装置200は、通信部210、プロセッサ220、及びメモリ230を含む。プロセッサ220はアンテナ212及び通信部(或いは、transceiver)210を介して、及び/又は、インターネット又は他のBANネットワークに連結されたワイヤーライン(図示せず)を介して交換されるメッセージを処理する。アンテナ212はプロセッサ220によって採用される無線通信方式に対応する周波数の電波を送受信する。通信部210は、プロセッサ220から入力された電気信号を電磁波に変換したり、受信した電磁波を電気信号に変換したりしてプロセッサ220に出力する回路を含む。このような電気信号は、フレームの単位で送受信される。本実施形態において、プロセッサ220はBANプロトコルに従って他の装置、例えば、装置300へ送信するフレームを生成し、他の装置、例えば、装置300から受信されたフレームをBANプロトコルに従って処理する。プロセッサ220はソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又は、これらの組合せによって構成されることができる。
【0018】
メモリ230は送受信されるフレームのデータ(以下、『フレームデータ』と称す。)だけでなく、フレーム構造、媒体アクセス制御、及び電力管理情報等のデータを格納するために使われることができる。特に、メモリ230に、装置200が他の装置と接続した履歴(history)に関する情報(以下、『履歴情報』と称す。)を格納することができる。上記履歴情報は、他の装置から受信したMACフレームに記録された情報を含むことができる。上記MACフレームに記録された情報は、例えば、上記他の装置のMACケーパビリティー、PHYケーパビリティー等を含む。また、メモリ230は、プロセッサ220によって使われるコンピュータプログラム命令、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを格納するために使われることもできる。メモリ230としては、通信装置200に組み込まれた、又は、通信装置200から着脱可能なRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又はディスクドライブ等を含む任意の記憶装置が使われることができる。或いは、メモリ230はプロセッサ220に組み込まれた、又は、プロセッサ220から着脱可能な任意の記憶装置であっても良い。
【0019】
装置300は、通信部310、プロセッサ320、及びメモリ330を含む。プロセッサ320はアンテナ312及び通信部(或いは、transceiver)310を介して交換されるメッセージを処理する。アンテナ312はプロセッサ320によって採用される無線通信方式に対応する周波数の電波を送受信する。通信部310は、プロセッサ320から入力された電気信号を電磁波に変換したり、受信した電磁波を電気信号に変換したりしてプロセッサ320に出力する回路を含む。本実施形態において、プロセッサ320はBANプロトコルに従って他の装置、例えば、装置200へ送信するフレームを生成し、他の装置、例えば、装置200から受信されたフレームをBANプロトコルに従って処理する。プロセッサ320はソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又は、これらの組合せによって構成されることができる。
【0020】
メモリ330は送受信されるフレームデータだけでなく、フレーム構造、媒体アクセス制御、及び電力管理情報等のデータを格納するために使われることができる。特に、メモリ330には、他の装置、例えば、装置200から受信したMACフレームに記録された情報を含むことができる。上記MACフレームに記録された情報は、例えば、上記他の装置のMACケーパビリティー等を含む。また、メモリ330は、プロセッサ320によって使われるコンピュータプログラム命令、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを格納するために使われることもできる。メモリ330としては、通信装置300に組み込まれた、又は、通信装置300から着脱可能なRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又はディスクドライブ等を含む任意の記憶装置が使われることができる。或いは、メモリ330はプロセッサ320に組み込まれた、又は、プロセッサ320から着脱可能な任意の記憶装置であっても良い。
【0021】
装置200又は300は、例えば、体温、呼吸、心拍数、血糖、等の身体からのデータをモニターするために使われるセンサー、又は、心拍調節期(pace maker)、呼吸器、インスリンポンプを制御する等の機能を提供するデバイス(図示省略)と連結されることができる。
【0022】
図1に示されたネットワーク10と、
図2に示されたシステム20とは例示に過ぎず、本明細書に記述されたフレーム生成方法及び処理方法を具現することができるシステム又はデバイスの範囲を制限することではない。本発明に従ってフレームを生成又は処理する任意の装置は本発明の範囲に属する。
【0023】
ハブ200又はノード300は、内部的に物理的(physical又はPHY)レイヤと媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤとに区分けされる。
図3はISO/OSI−IEEE802リファレンスモデルによるPHYレイヤとMACサブレイヤとを示す。ノードとハブ間の直接的な通信はPHYレイヤとMACサブレイヤで起こる。本実施形態の場合、ノード又はハブのPHYレイヤとMACサブレイヤとは与えられた時間に一つのチャンネルで動作するが、本発明の技術思想はこれに限定されない。
【0024】
ノード又はハブ内で、PHYはMACとの間に位置したPHYサービスアクセスポイント(Service access point;SAP)を通じてMACにサービスを提供し、MACはMACサブレイヤの真上に位置したMAC SAPを通じてMACクライアント(上位レイヤ)にサービスを提供する。送信時に、MACクライアントはMAC SAPを経てMACサブレイヤへMACサービスデータユニット(MSDU)を通過させ、MACサブレイヤはPHY SAPを経てPHYレイヤへMACフレーム(MACプロトコルデータユニット又はMPDUとも称す。)を通過させる。受信時には、PHYレイヤはMACフレームをPHY SAPを経てMACサブレイヤへ通過させ、MACサブレイヤはMAC SAPを経てMACクライアントへMSDUを通過させる。
【0025】
以下、
図4及び
図5を参照して、媒体アクセスについて説明する。全てのノードとハブは、それらの媒体アクセスが時間により計画(スケジューリング)されるならば、
図4に示すように時間参照ベース(time reference base)を構築する。BAN内の時間参照割当を提供又はサポートするために、ハブはビーコンを発信するかどうかにかかわらず時間軸をビーコン周期(スーパーフレーム)に分割する時間ベースを構築する。各ビーコン周期は同じ長さを持って、0、1、...、s(ここで、s≦255)の番号が付けられた割当スロットにより構成される。このような場合に、ハブは、非活動スーパーフレームを除いた各ビーコン周期(スーパーフレーム)でビーコンを送信したり、いかなるスーパーフレームでもビーコンを送信しなかったりする。ハブが自己のBANで時間参照割当を提供又はサポートしない場合には、時間ベース又はスーパーフレームに基づかない方式で(それゆえに、ビーコンを全く送信しなくて)動作しても良い。
【0026】
IEEE802.15.6プロトコルによると、ハブは次の三種類のアクセスモードの中の一つのモードで動作する。
(1)ビーコン周期(スーパーフレーム)基盤ビーコンモード:時間参照割当を可能にするために、非活動スーパーフレームを除いたそれぞれのビーコン周期(スーパーフレーム)でハブがビーコンを送信する。
(2)スーパーフレーム基盤非ビーコンモード:媒体へのアクセスが、時間参照を含み、スーパーフレーム及び割当スロットを有するが、ハブがビーコンを送信しない。ハブはスーパーフレーム期間中に管理されたアクセス期間(Managed Access Phase:MAP)のみ運営する。
(3)スーパーフレームに基づかない非ビーコンモード:媒体へのアクセスが時間参照を含まず、ハブがビーコンを送信しない。
【0027】
図5はビーコンモードのビーコン周期内でのアクセス期間のレイアウトを示す。ビーコンモードで、ハブは
図5に示すように、各々の活動ビーコン周期内にアクセス期間を編成する。
図5においてBはビーコンを示す。活動スーパーフレームにおいて、ハブはビーコンを送信し、アクセス期間を提供する。ビーコンは、媒体アクセスコーディネーション、ノード電力管理、クロック同期化などのネットワーク管理のためにハブにから送信されるフレームである。アクセス期間はマネジメント、コントロール、及びデータタイプフレームを交換するために使われる。非活動スーパーフレームでは、ハブはビーコンを送信しないで、如何なるアクセス期間も提供しない。
【0028】
ハブは排他的アクセス期間(Exclusive Access Phase:EAP)1、ランダムアクセス期間(Random Access Phase:RAP)1、管理されたアクセス期間(Managed Access Phase:MAP)、排他的アクセス期間2、ランダムアクセス期間2、他の管理されたアクセス期間、及び競争アクセス期間(Contention Access Phase:CAP)を
図5に図示された順に配置する。0でない長さを有するCAPを提供するために、ハブはそれに先立ってB2フレームを送信する。後続するCAPの長さが0である場合にはハブがB2フレームを送信しない。
【0029】
EAP、RAP、MAP、及びCAPは次の通り定義される。
1)排他的アクセス期間(EAP):(非常時又は医療用インプラントイベント通知等のための)ユーザ優先順位(user priority:UP)が最も高いトラフィックの伝送のためにビーコン周期(スーパーフレーム)内でハブにより確保された期間。
2)ランダムアクセス期間(RAP):BAN内のノードによる媒体へのランダムなアクセスのために、ハブによって確保されビーコンフレームを通じて通知された期間。
3)管理されたアクセス期間(MAP):BAN内のハブとノードとによる媒体への即興的な(improvised)アクセス、計画されたアクセス、及び計画されなかったアクセスのためにハブによって確保された期間。
4)競争アクセス期間(CAP):BAN内のノードによる媒体への競争的なアクセスのために、ハブによって確保され、以前の非ビーコンフレームを通じて通知された期間。
【0030】
上記のように、ビーコンモードではビーコン周期ごとにハブがビーコンフレームを送信する。ビーコンフレームはネットワークの存在を知らせてノードにネットワークに参加させるために伝送される。また、ビーコンはハブがサポートする機能に関する情報をノードに伝達し、ノードとハブとの同期化のためにスーパーフレームの開始を知らせる機能を有する。以下ではビーコンフレームの構造について詳細に説明する。ビーコンフレームはMACフレームの一種であり、MACフレームはPHY SAP(
図3参照)へ、又は、それから伝達されるフィールドのシークエンスである。本実施形態に係るMACフレームのフォーマットは
図6(A)に示される。MACフレームは固定された長さのMACヘッダ、可変長のMACフレームボディ、及び固定された長さのフレームチェックシークエンス(Frame Check Sequence;FSC)フィールドを含む。フレームチェックシークエンスフィールドは、MACフレームのフッター(footer)である。MACフレームに含まれるフィールドは以下に詳細に定義される。以下の図面において、MACフレームに含まれたフィールドは左側から右側の順に伝送され、点線で描かれたフィールドはオプション又は選択的に含まれないフィールドである。各フィールドの上には当該フィールドに含まれるオクテット(octet)の数と、対応するオクテット伝送順序が表示される。予備(reserved)フィールドは送信時には0に設定され、受信時には無視される。
【0031】
図6(B)は、本実施形態に係るMACヘッダのフォーマットを示す。MACヘッダは、フレームコントロール(Frame Control)、受信者(Recipient)ID、送信者(Sender)ID、BAN IDフィールドを含む。フレームコントロールの詳細については後述する。受信者IDは現在のフレームの受信者の縮約されたアドレス(即ち、HID(hub identifier)又はNID(node identifier))、送信者IDは現在のフレームの送信者の縮約されたアドレス(即ち、HID(hub identifier)又はNID(node identifier))、BAN IDは現在のフレームが伝送されるBANの縮約されたアドレスに設定される。
【0032】
本実施形態に係るフレームコントロールのフォーマットは
図6(C)に詳細に示される。フレームコントロールの各フィールドはIEEEStd802.15.6−2012のセクション5.2.1.1に定義されている。フレームコントロールのフィールドの中でフレームサブタイプ(Frame Subtype)とフレームタイプ(Frame Type)フィールドとは、下記の表1に従って現在のフレームのタイプを表示するように設定される。
【表1】
【0033】
表1に示したように、フレームタイプの値は現在のフレームのタイプを示す。特に、フレームタイプ値が00であればマネジメントフレームであり、01であればコントロールフレーム、10であればデータフレーム、11であれば予備フレームであることを示す。フレームサブタイプの値は現在のフレームのサブタイプによって設定される。即ち、フレームタイプ値と、フレームサブタイプ値との組合せが現在のフレームの種類を示す。例えば、フレームタイプ値が00、フレームサブタイプ値が0000であれば現在のフレームがビーコンフレームであり、フレームタイプ値が00、フレームサブタイプ値が1000であれば現在のフレームが接続要請フレームであり、フレームタイプ値が00、フレームサブタイプ値が1001であれば現在のフレームが接続割当フレームであることを示す。一方、フレームタイプ値が01、フレームサブタイプ値が0000であれば現在のフレームがI−Ackフレームであることを示す。
【0034】
図6(D)は、本実施形態に係るMACフレームボディのフォーマットを示す。現在のフレームがセキュアでない(unsecured)フレームである場合(MACヘッダのフレームコントロール(Frame Control)フィールドのセキュリティレベル(Security Level)フィールドによって示される。)、ローオーダーセキュリティシークエンス番号(low−order Security Sequence Number)フィールド及びMIC(Message Integrity Code)フィールドは存在しない。フレームペイロードは受信者に伝えられなければならないフィールドのシークエンスである。ノードによってハブに伝送されるI−Ackフレームはペイロードを含まない。ハブによってノードに伝送されるI−Ackフレームは選択的にペイロードを含む。
【0035】
本実施形態に係るビーコンフレームは、
図7に示したフォーマットを持つフレームペイロードを含む。ビーコンフレームのフレームペイロードの各フィールドは次のように定義される。
1.送信者アドレス(Sender Address): 送信者アドレスフィールドは現在のビーコンを発信するハブのEUI−48(EUI;Extended Unique Identifier)に設定される。
2.ビーコン周期長さ(Beacon Period Length):ビーコン周期長さフィールドは割当スロット(allocation slot)を単位とする現在のビーコン周期(スーパーフレーム)の長さに設定される。
3.割当スロット長さ(Allocation Slot Length):割当スロット長さフィールドは、割当スロットの長さがpAllocationSlotMin+L×pAllocationSlotResolutionになるようにLに設定される。(ここで、pAllocationSlotMinは最小スロット期間、pAllocationSlotResolutionは割当スロット分解能である。)
4.RAP1スタート(RAP1Start):RAP1スタートフィールドは、現在のビーコンフレームのMACヘッダのEAPインジケーターフィールドによって指示されるようにEAP1が0でない長さを有する時のみ存在する。存在時には、RAP1スタートフィールドは、S1と番号付けられた、現在のビーコン周期内でEAP1の終了に位置された割当スロットの開始でランダムアクセス期間1(RAP1)が開始されるように、S1に設定され、PHYケーパビリティーフィールドの後に存在する。
5.RAP1エンド(RAP1End):RAP1エンドフィールドは、E1と番号付けられた、現在のビーコン周期内に位置された割当スロットの終了でRAP1が終わるように、E1に設定される。
6.RAP2スタート(RAP2Start):RAP2スタートフィールドは、EAP2又はRAP2のいずれの長さが0でなければ、RAP2がS2と番号付けられ現在のビーコン周期内に位置された割当スロットの開始で始まるように、S2に設定される。そうでなければ0に設定される。EAP2の長さが0でなければ、EAP2はこのフィールドによって示される時間に終了する。EAP2の開始時間は接続割当フレームにエンコーディングされる。
7.RAP2エンド(RAP2End):RAP2エンドフィールドは、RAP2の長さが0でなければ、E2と番号付けられ現在のビーコン周期内に位置された割当スロットの終了でRAP2が終わるように、E2に設定される。そうでなければ、0に設定される。
8.MACケーパビリティー(MAC Capability):IEEEStd802.15.6−2012によるとMACケーパビリティーフィールドは
図8(A)に示されたフォーマットを有する。MACケーパビリティーは当該フレームの送信者が多様な機能及び機能的要件をサポートするかどうかを示す。MACケーパビリティーの各フィールドはIEEEStd802.15.6−2012のセクション5.6.1に詳細に説明され、以下に簡略に定義される。
8.1.CSMA/CAフィールドは、送信者がEAP1、RAP1、EAP2、RAP2及びCAPでCSMA/CAを用いることによって得られた競争的割当をサポートすれば1に設定され、そうでなければ0に設定される。
8.2.Slotted Aloha Accessフィールドは、送信者がEAP1、RAP1、EAP2、RAP2及びCAPでSlotted Alohaアクセスを用いることによって得られた競争的割当をサポートすれば1に設定され、そうでなければ0に設定される。
8.3.Type−I Polling Accessフィールドは、送信者がタイプ−Iポーリング割当をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.4.Type−II Polling Accessフィールドは、送信者がタイプ−IIポーリング割当をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.5.Scheduled Accessフィールドは、送信者が計画された割当をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.6.Unscheduled Accessフィールドは、計画されなかった双方向リンク割当をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.7.Fragmentation/Reassemblyフィールドは、送信者が断片化及び再組立てをサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.8.Command Framesフィールドは、送信者がコマンドフレームの処理及び機能性をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.9.Node Always Active/Hub Clock PPMフィールドは、フレームの送信者がハブである場合Hub Clock PPMフィールドとして用いられ、ハブがppmの最小正確度がmHubClockPPMLimit/2であるクロックを有すれば1に設定され、ppmの最小正確度がmHubClockPPMLimitであるクロックを有すれば0に設定される。
8.10.Guard Time Provisioningフィールドは、フレームの送信者がハブであれば、予備フィールドになる。
8.11.L−Ack/B−Ackフィールドは送信者がL−Ack/B−Ack確認を全部サポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.12.G−Ackフィールドは送信者がグループ確認をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.13.Relaying Nodeフィールドはフレームの送信者がハブならば、予備フィールドになる。
8.14.Relaying Hub/Nodeフィールドは送信者が2−ホップ拡張されたスターBANで中継された(relayed)ハブ又はノードが要求する機能性をサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.15.Beacon Shiftingフィールドは送信者がビーコンシフティングをサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.16.Channel Hoppingフィールドは送信者がチャンネルホッピングをサポートすれば1に、そうでなければ0に設定される。
8.17.Data Subtypesフィールドは現在のフレームの受信者から受信されたデータタイプフレームのための送信者によってサポートされるデータサブタイプの最大個数に設定される。
9.PHYケーパビリティー(PHY Capability):IEEEStd802.15.6−2012によるとPHYケーパビリティーフィールドは
図9に示されたフォーマットを有する。PHYケーパビリティーのデータレート(Data Rate)iフィールドは動作周波数帯域で送信及び受信のための情報データ レートを送信者がサポートすれば1に設定される。そうでなければ0に設定される。PHYケーパビリティーの詳細はIEEEStd802.15.6−2012のセクション5.6.2に記述されている。
10.ビーコンシフティングシークエンス(Beacon Shifting Sequence):ビーコンシフティングシークエンスフィールドはビーコンシフティングが現在可能な場合にだけ存在し、現在のビーコン周期でのビーコン送信時間を示す。
11.チャンネルホッピング状態(Channel Hopping State):チャンネルホッピング状態フィールドは、チャンネルホッピングが現在可能な場合にだけ存在し、このビーコンを送信するハブによってチャンネルホッピングシークエンスを生成するために用いられる16−ビット最大長さ線形フィードバックシフトレジスター(LFSR)の現在の状態に設定される。
12.次のチャンネルホップ(Next Channel Hop):次のチャンネルホップフィールドは、チャンネルホッピングが現在可能な場合にだけ存在し、現在のビーコンを送信するハブがそれのチャンネルホッピングシークエンスにより他のチャンネルへホッピングしなければならないビーコン周期のシークエンス番号に設定される。
13.非活動期間(Inactive Duration):非活動期間フィールドは、現在のビーコン周期の終了で一つ又はそれ以上の非活動スーパーフレームが開始される場合にだけ存在し、各々の活動スーパーフレーム後の非活動スーパーフレームの数に設定される。
上記フィールドの中でRAP1スタート、ビーコンシフティングシークエンス、チャンネルホッピング状態、次のチャンネルホップ、及び非活動期間は一定の条件の下に存在するオプションデータである。
【0036】
上述のとおりビーコンフレームはMACフレームヘッダ、MACフレームボディ、及びFSCを含む。本発明はビーコンフレームのMACフレームボディの情報の一部を省略することで、ハブがビーコンフレームを発信するために消費する電力を低減する。本発明の一実施形態によると、ハブHは、
図7に示されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中でMACケーパビリティーフィールドが省略されたペイロードを有するビーコンフレームを生成する。
図8に示されたようにMACケーパビリティーフィールドは、多量のデータを含むので、MACケーパビリティーフィールドが省略されたペイロードを有するビーコンフレームを発信することで、ハブHの電力消費を低減することができる。
【0037】
上記実施形態のようにビーコンフレームのMACケーパビリティーフィールドを省略する場合には、ノードNにフィールドが省略されたことを通知することが好ましい。本発明の一実施形態によると、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備(即ち、リザーブ)になっている4ビット(
図6(A)乃至6(C)参照)の中で特定の1ビットを省略(Elision )フィールドとして定義する。本実施形態では、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備になっているb4〜b7ビットの中で1ビットが省略フィールドとして用いられる。省略されたフィールドが無い場合は省略フィールドの値が0に設定され、MACケーパビリティーフィールドが省略された場合は、省略フィールドの値が1に設定される。
【0038】
ノードNがハブHからビーコンフレームを受信すると、ビーコンフレームのMACヘッダ、MACフレームボディ、及びFCSに含まれたデータを順次抽出する。ノードNは抽出されたMACヘッダのフレームコントロールフィールドの省略フィールドの値によって、上記ビーコンフレームのペイロードに省略されたフィールドがあるかどうかを判断する。即ち、上記省略フィールドの値はビーコンフレームに省略されたフィールドがあるかを示す判別情報として用いられる。具体的に、ノードNは省略フィールドの値が0であれば、
図7に示されたフォーマットに従ってビーコンフレームのペイロードを処理し、省略フィールドの値が1であれば、
図7に示されたフォーマットからMACケーパビリティーフィールドが省略されたフォーマットに従ってビーコンフレームのペイロードを処理する。このようにしてノードNはビーコンフレームのヘッダに含まれた上記判別情報に従ってビーコンフレームのペイロードを処理することができる。
【0039】
一方、本発明の省略フィールドとして用いられるフィールドは上記実施形態に限定されない。他の実施形態では、フレームコントロールの他のフィールドに含まれている予備である1ビットを省略フィールドとして用いる。例えば、フレームタイプフィールドの予備やフレームサブタイプフィールドの予備を用いることができる(表1参照)。省略フィールドとして用いられるフィールドの種類は本発明の本質的な思想を構成しない。
【0040】
図10は本発明の他の一実施形態によるビーコンフレームのペイロードの生成方法を示すフローチャートである。本実施形態は一定の条件下にビーコンフレームのMACフレームボディのペイロードの情報の一部を省略することで、ハブがビーコンフレームを発信するために消費する電力を低減する。以下、
図2を一緒に参照して、
図10の生成方法を詳細に説明する。
【0041】
ビーコンフレームのペイロードを生成するプロセスが開始されると、ハブ200のプロセッサ220はメモリ230から送信者アドレス(即ち、ハブ自分のアドレス)を読み出してペイロードの送信者アドレスフィールドに格納する(ステップS1002)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『ビーコン周期長さ』データを読み出してビーコン周期長さフィールドに格納する(ステップS1004)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『割当スロット長さ』データを読み出して割当スロット長さフィールドに格納する(ステップS1006)。
【0042】
続いて、プロセッサ220は、メモリ230に記憶された、他の装置との接続に関連した履歴情報を読み出して、ハブ200に接続されているノードの数nを判断する(ステップS1008)。ハブ200がどんなノードとも接続されていないと判断された場合(例えば、ハブ200の装置の電源をオフからオンにした場合)(ステップS1008:n=0)、プロセッサ220はメモリ230から『RAP1エンド』データを読み出してRAP1エンドフィールドに格納する(ステップS1010)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『RAP2スタート』データを読み出してRAP2スタートフィールドに格納する(ステップS1012)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『RAP2エンド』データを読み出してRAP2エンドフィールドに格納する(ステップS10104)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『MACケーパビリティー』データを読み出してMACケーパビリティーフィールドに格納する(ステップS1016)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『PHYケーパビリティー』データを読み出してPHYケーパビリティーフィールドに格納する(ステップS1018)。次に、プロセッサ220はプロセスをステップS1030へ移動させる。
【0043】
一方、ハブ200に接続されているノードの数が1以上で、ハブ200の最大接続可能ノード数(NMax)よりは少ないと判断された場合(ステップS1008:1≦n<NMax)、プロセッサ220はメモリ230から『RAP1エンド』データを読み出してRAP1エンドフィールドに格納する(ステップS1020)。ここで、NMaxはハブ200のリソース、帯域幅等の物理的力量によって決定されたり、又は、任意に設定されたりする。そして、プロセッサ220はメモリ230から『RAP2スタート』データを読み出してRAP2スタートフィールドに格納する(ステップS1022)。そして、プロセッサ220はメモリ230から『RAP2エンド』データを読み出してRAP2エンドフィールドに格納する(ステップS1024)。この場合、MACケーパビリティーフィールド及びPHYケーパビリティーフィールドが省略される(即ち、ビーコンフレームのペイロードにMACケーパビリティーフィールド及びPHYケーパビリティーフィールドのデータを格納しない。)。次に、プロセッサ220はプロセスをステップS1030へ移動させる。
【0044】
一方、ハブ200に接続されているノードの数がハブ200の最大接続可能ノード数(NMax)に到達して、これ以上接続するノードの数を増加させたくない場合(ステップS1008:n=NMax)、プロセッサ220はプロセスをステップS1030へ移動させる。即ち、RAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略される(即ち、ビーコンフレームのペイロードに上記フィールドのデータを格納しない。)。
【0045】
ステップS1030において、プロセッサ220はオプションフィールドが存在するかどうかを判断する。上記のように、オプションフィールドはRAP1スタート、ビーコンシフティングシークエンス、チャンネルホッピング状態、次のチャンネルホップ、及び非活動期間フィールドであり、これらのそれぞれは所定の条件の下でのみ存在する。オプションデータの全て又は一部が存在する場合(ステップS1030:Yes)、プロセッサ220はメモリ230から必要な情報を読み出して対応するオプションフィールドに格納する(ステップS1032)。オプションデータが存在していない場合(ステップS1030:No)、ペイロードの生成プロセスは終了する。
【0046】
本実施形態によると、ハブに接続されているノードの数によって、MACケーパビリティーを含む一部フィールドを省略したビーコンフレーム(以下、『省略型ビーコンフレーム』を送信することによって、ハブがビーコンフレームを送信するために消耗する電力を低減することができる。一方、本発明のペイロード生成方法は上記実施形態に限定されない。上記実施形態では1≦n<NMaxである場合、PHYケーパビリティーフィールドを省略するが、他の実施形態ではPHYケーパビリティーフィールドを省略しなくても良い。また、上記実施形態では省略フィールドとしてオプションフィールドを考慮していなかったが、他の実施形態では、オプションフィールドの存在条件が満たされた場合にも当該オプションフィールドを省略しても良い。また、本実施形態ではステップS1008でハブHに接続されているノードの数nを判断したが、他の実施形態ではペイロードの生成を開始する前に上記ステップを実行することも可能である。
【0047】
上記実施形態のようにビーコンフレームの一部フィールドを省略する場合には、ノードにフィールドが省略されたことを通知することが好ましい。本発明の一実施形態によると、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備(Reserved)になっている4ビット(
図6(A)乃至6(C)参照)の中で特定の2ビットを省略(Elision )フィールドとして定義する。
図11に示されたように、本実施形態では、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備になっているb4〜b7ビットの中でb4及びb5が省略フィールドとして用いられる。本実施形態においてb4b5フィールドは次の通り設定される:
(1)ハブ端末の電源をオフ状態からオン状態へ移行した場合、又は、ハブに接続されているノードがない場合(
図10の実施形態において、ステップS1008においてn=0である場合)には、省略されたフィールドが無く、b4b5の値は0b00に設定される。
(2)ハブに接続されているノードの数が接続可能な最大ノード数より少ない場合(
図10の実施形態において、ステップS1008において1≦n<NMaxである場合)には、MACケーパビリティーフィールド及びPHYケーパビリティーフィールドが省略され、b4b5の値は0b01に設定される(第1の省略型ビーコンフレーム)。
(3)ハブに接続されているノードの数が接続可能な最大ノード数に到達している場合(
図10の実施形態において、ステップS1008でn=NMaxである場合)、RAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略され、b4b5の値は0b10に設定される(第2の省略型ビーコンフレーム)。
(4)0b11は予備、即ち、リザーブであることにする。
【0048】
図2を参照してノードが省略型ビーコンフレームを処理する方法について説明する。ノード300の通信部310がビーコンフレームを受信すると、プロセッサ320はビーコンフレームのMACヘッダ、MACフレームボディ、及びFCSに含まれたデータを順次抽出する。プロセッサ320は抽出されたMACヘッダのフレームコントロールフィールドの省略フィールドの値によって、上記ビーコンフレームのペイロードに省略されたフィールドがあるかどうか、そして、省略されたフィールドがある場合はどんなフィールドが省略されたかを判断する。即ち、上記省略フィールドの値はビーコンフレームに省略されたフィールドがあるかを示す判別情報として用いられる。
【0049】
ノード300のプロセッサ320は省略フィールドの値が0b00であれば、省略されたフィールドがないと判断し、
図7に示されたフォーマットに従ってビーコンフレームのペイロードを処理する。プロセッサ320は省略フィールドの値が0b01であれば、
図7に示されたフォーマットからMACケーパビリティーフィールド及びPHYケーパビリティーフィールドが省略された第1の省略型フォーマットに従ってビーコンフレームのペイロードを処理する。プロセッサ320は省略フィールドの値が0b10であれば、
図7に示されたフォーマットからRAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略された第2の省略型フォーマットに従ってビーコンフレームのペイロードを処理する。このようにしてノード300のプロセッサ320はビーコンフレームのヘッダに含まれた上記判別情報に従ってビーコンフレームのペイロードを処理することができる。
【0050】
一方、本発明の省略フィールドとして用いられるフィールドは上記実施形態に限定されない。上記実施形態ではMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備になっているb4〜b7ビットの中でb4b5ビットが省略フィールドとして用いられるが、他の実施形態では他のビット(例えば、b6b7ビット)が使われることができる。また、他の実施形態では、フレームコントロールの他のフィールドに含まれている予備である2ビットを省略フィールドとして用いる。例えば、フレームタイプフィールドの予備やフレームサブタイプフィールドの予備を用いることができる(表1参照)。省略フィールドとして用いられるフィールドの種類は本発明の本質的な思想を構成しないことに留意しなければならない。
【0051】
以下、本発明の一実施形態に係る電力消費を低減するハブとノードとの接続手続きについて説明する。まず、
図12(A)及び
図12(B)は通常の接続手続きを示す信号フローダイヤグラムである。
図12(A)はハブへの接続が可能な場合の信号フローを示す一方、
図12(B)は接続が不可能な場合の信号フローを示す。
図12(A)に示されたように、ハブはBANの存在を知らせるビーコンフレームを発信する。ハブにまだ接続されていないノードがウェークアップ状態でハブから発信されたビーコンフレームを受信すれば、このビーコンフレームからスーパーフレーム及びネットワークに関する多様な情報を取得する。上記情報は、ビーコンフレームのヘッダ(
図6(B)及び
図6(C)参照)に含まれるネットワークID(本実施形態の場合、BAN ID)とハブのアドレス、及びペイロードデータ(
図7参照)を含む。上記ノードはビーコンフレームから取得された情報に基づいて接続要請(Connection Request)フレームを生成し、これをハブへ送信する。接続要請フレームはハブとの接続の生成又は変更を要請するためにノードによって送信されるフレームである。接続要請フレームは
図13(A)に示されたフォーマットを有するフレームペイロードを含む。接続要請フレームのフレームペイロードの各フィールドはIEEEStd802.15.6−2012のセクション5.3.6に定義されている。ハブが受信待機時間中にノードから接続要請フレームを受信すれば、成功的なフレーム受信をノードに確認させるための確認応答フレームであるI−Ack(Immediate Acknowledgement)フレームをノードへ送信する。ノードとの接続が可能であると判断されれば、ハブは接続割当(Connection Assignment)フレームを生成してノードへ送信する。接続割当フレームは接続要請に答えたり、接続割当を開始又は変更したりするためにハブから送信されるフレームである。接続割当フレームは
図13(B)に示されたフォーマットを有するフレームペイロードを含む。接続割当フレームのフレームペイロードの各フィールドはIEEEStd802.15.6−2012のセクション5.3.7に定義されている。この場合、接続割当フレームのモード/状態(Mode/Status)フィールドの接続状態(Connection Status)フィールドは0(Connection Request Accepted)に設定される。ハブから接続割当フレームを受信したノードはI−Ackフレームをハブへ送信する。これによって、ノードとハブとが接続され、互いに必要な情報(データ)を通信することができる状態になる。
【0052】
図12(B)はハブへの接続が不可能である場合、ハブとノード間の信号のフローを示す。次の場合にハブはノードの接続を拒否する:(1)アクセス政策上許されない場合;(2)フレームフォーマットが無効であるとかサポートされない場合;(3)通信がセキュアでない場合;(4)新しい接続のためのこれ以上のチャンネル帯域幅がない場合;(5)新しい接続のためのこれ以上のConnected_NIDがない場合;(6)新しい接続のためのこれ以上の内部リソースがない場合;(7)ノードの最大同期化間隔が長すぎてサポートできない場合;(8)ノードのクロックppmが多すぎてサポートできない場合;(9)ビーコンシフティングが可能であるがノードによってサポートされない場合;又は(10)チャンネルホッピングが可能であるがノードによってサポートされない場合(IEEEStd802.15.6−2012のセクション5.3.7.3.2参照)。
図12(A)に関連して説明したように、ハブにまだ接続されていないノードがウェークアップ状態でハブから発信されたビーコンフレームを受信すると、このビーコンフレームからスーパーフレーム及びネットワークに関する多様な情報を取得する。上記ノードはビーコンフレームから取得された情報に基づいて接続要請フレームを生成し、これをハブへ送信する。ノードから接続要請フレームを受信したハブは成功的なフレーム受信を確認させるための確認応答フレームであるI−Ackフレームをノードへ送信する。ハブは接続を拒否する理由によってモード/状態(Mode/Status)フィールドの接続状態(Connection Status)フィールドの値を1〜10(Connection Request Rejected)のうち一つに設定した接続割当フレームを生成してノードへ送信する。上記接続割当フレームを受信したノードは接続が不可能であると判断し、接続プロセスを終了する。
【0053】
上記のように、通常の接続手続き(又はノーマルモード)ではハブへの接続が可能であるかどうかに関係なくビーコン周期ごとに多量のデータを含むビーコンフレームを送信する。また、ハブはノードの接続を許容しない場合にもノードが送信する接続要請フレームを受信できる受信待機時間を確保する。それだけでなく、ハブへの接続が可能でない場合にも、ノードは接続要請フレームを生成して送信する。
【0054】
図14(A)及び
図14(B)は本実施形態によるハブとノードの接続手続きを図示する信号フローダイヤグラムである。まず、
図14(A)は、現在のハブに接続されているノードの数が接続可能な最大ノード数より少なくて(例えば、
図10の実施形態において、ステップS1008において0≦n<NMaxである場合)、他の接続拒否理由が存在しないので、ハブへの接続が可能な状況での接続手続きを示す。ハブはまだ接続されているノードがない場合には通常のビーコンフレームを発信する。一方、接続されたノードの数が1以上で、最大接続可能ノード数よりは少ない場合にはMACケーパビリティーフィールとPHYケーパビリティーフィールドが省略された第1の省略型ビーコンフレームを発信する。この時、
図11に関連して説明したように、上記フィールドが省略されたことをノードに知らせる省略フィールドである、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備である4ビットの中の2ビットの値を0b01に設定することが好ましい。他のフィールドを省略フィールドとして使用できることは勿論のことである。上記ビーコンフレームを受信したノードは接続要請フレームを生成し、これをハブへ送信する。ノードから接続要請フレームを受信したハブは、I−Ackフレームをノードへ送信する。ハブは接続割当フレームを生成してノードへ送信する。接続割当フレームの接続状態フィールドは0(Connection Request Accepted)に設定される。ハブから接続割当フレームを受信したノードはI−Ackフレームをハブへ送信する。これによって、ノードとハブとが接続され、互いに必要な情報(データ)を交わすことができる状態になる。
【0055】
図14(B)はハブに接続されているノードの数が接続可能な最大ノード数に到達している状況(
図10の実施形態において、ステップS1008においてn=NMaxである場合)での接続手続きを示す。示されたように、ハブはRAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略された第2の省略型ビーコンフレームを発信する。本実施形態では、
図11に関連して説明したように、上記フィールドが省略されたことをノードに知らせる省略フィールドである、ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備である4ビットの中の2ビット(b4b5)の値を0b10に設定する。上記ビーコンフレームを受信したノードは上記省略フィールドの値が0b10に設定されていることを確認すれば、ハブへの接続が可能でない状態であると判断して接続要請フレームの生成及び送信を行わない。また、ハブはノードから接続要請フレームを受信できる状態を維持する必要がなくなることになるので、接続要請フレームの受信待機区間を無くす少電力モードで動作できることになる。
【0056】
本実施形態では、接続ノードの数が接続可能な最大ノード数に到達している場合にRAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略されたビーコンフレームを発信する。しかし、他の理由でハブがノードの接続を許容しない場合にも、上記フィールドが省略されたビーコンフレームを発信しても良い。
【0057】
図14(B)に示された実施形態によると、次の理由で
図12(B)に示された接続手続きに比べて消費電力をより低減することができる。
第一に、ハブがRAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドが省略された第2の省略型ビーコンフレームを発信するので、ビーコンフレームの発信のために必要になるハブの電力消費を低減することができる。
第二に、ハブが第2の省略型ビーコンを発信した後に、不必要な受信待機区間を減らす少電力モードで動作できるので、ハブの電力消費を低減することができる。
第三に、ノードはビーコンフレームのMACヘッダに含まれた省略フィールドの値からハブへの接続が可能である状態であるかどうかを判断することができ、接続が不可能であれば接続要請フレームを送信しない。従って、ノードが接続要請フレームを生成して送信するために無駄に電力を消費することがなくなる。
【0058】
一方、上述したように、省略されるフィールドはRAP1エンドフィールド、RAP2スタートフィールド、RAP2エンドフィールド、MACケーパビリティーフィールド、及びPHYケーパビリティーフィールドに限定されないし、他の実施形態ではこれらの中で一部のフィールドは省略されない。また、オプションフィールドの少なくとも一部を省略することも可能である。また、省略フィールドとして用いられるフィールドはビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備である4ビットの中のb4b5に限定されないし、他のフィールドを用いることも可能である。
【0059】
[第2実施形態]
図15はBAN内のハブ又はノードとして機能することができる装置の例示的な実施形態を示し、
図15(A)は外観を示す図であり、
図15(B)は当該装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態において、上記装置は電子時計である。
図15(B)に示したように、電子時計1500は通信モジュール1510を備え、通信モジュール1510はアンテナ1512、通信部1514及びプロセッサ1516を含む。プロセッサ1516はアンテナ1512及び通信部1514を介して、及び/又は、インターネット又は他のBANに連結されたワイヤーライン(図示せず)を介して交換されるメッセージを処理する。プロセッサ1516は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ハードウェアによって構成されることができる。アンテナ1512、通信部1514、プロセッサ1516の構成及び機能は、
図2に関連して説明したアンテナ212又は312、通信部210又は310、プロセッサ220又は320の構成及び機能と同様であるので、より詳細な説明は省略する。また、通信モジュール1510は他の装置と送受信するフレームデータ、フレーム構造、媒体アクセス制御及び電力管理情報等のデータ、プロセッサ1516によって使われるコンピュータプログラム命令、ソフトウェア、及び/又は、ファームウェア等を格納するメモリ(図示せず)をさらに備えても良い。
【0060】
中央制御部1520は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置によって構成され、電子時計1500全体の動作を制御する。例えば、中央制御部1520はROM1560に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。なお、
図2に関連して説明したプロセッサ220又は320と同様の構成及び機能を中央制御部1520で実現しても良いし、中央制御部1520とプロセッサ1516とが協働して実現しても良い。
【0061】
入力部1530は電子時計1500の端末本体に対して各種情報及び指示の入力を行う機能を備えた複数個のボタン(ここでいうボタンには、ハードウェアのみならずソフトウェアによって実現されるものも含む。)等により構成されている。ユーザにより各種ボタンが操作されると、入力部1530は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部1520に出力する。中央制御部1520は、入力部1530から入力された指示に従って所定の動作を各部に実行させる。
【0062】
表示部1540は中央制御部1520からの指示に従って、時刻や外部から受信したメッセージ等の各種情報を表示する。
時計部1550はシステムクロック又は発振器によって生成される信号から時刻信号を生成し、現在の時刻を出力する。
ROM1560は中央制御部1520で実行される制御プログラム等を格納する。また、ROM1560はプロセッサ1516によって使われるコンピュータプログラム命令、ソフトウェア、及び/または、ファームウェア等を格納しても良い。
RAM1570は中央制御部1520が各種処理を実行する際の作業領域(work area)を提供し、電子時計1500の各部により処理されるデータを格納する。また、RAM1570は送受信されるフレームデータを格納するのみならず、フレーム構造、媒体アクセス制御及び電力管理情報、等のデータを格納しても良い。
【0063】
なお、電子時計1500は、他の装置と連結されることができる。上記他の装置は、例えば、体温、呼吸、心拍数、血糖、等の身体からのデータをモニターするために使われるセンサー、又は、心拍調節期、呼吸器、インスリンポンプを制御する等の機能を提供する装置である。
【0064】
以上、本発明をBAN通信に適用した実施形態について説明したが、本発明の適用分野はBANに限定されないし、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Wi−Fi Direct(登録商標)等の他の無線通信技術にも適用可能である。
【0065】
上述したプロセスは、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。特定のプロセスをソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ハブ又はノードとして機能する通信装置に、ネットワークや記録媒体からインストールされる。このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア(図示せず)等により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成されても良い。
【0066】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、上記説明及び関連図面から本発明の多くの変形及び他の実施形態を導出することができる。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されない。本明細書では、複数の特定用語が使われているが、これらは一般的な意味として単に説明の目的のために使われただけであり、発明を制限する目的で使われたものではない。添付の特許請求の範囲及びその均等物により定義される一般的な発明の概念及び思想を抜け出さない範囲で多様な変形が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0067】
[付記]
<請求項1>
特定の通信プロトコルに従う通信のためにフレームを生成する装置であって、
前記通信プロトコルは前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを生成し、
前記通信プロトコルにより定義されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中で少なくとも一つが省略されるようにビーコンフレームを生成することを特徴とするフレーム生成装置。
<請求項2>
前記ビーコンフレームフォーマットは、ビーコンフレームのペイロードが装置識別情報フィールド、複数のアクセス期間情報フィールド、及びMACケーパビリティーフィールドを含むことを示し、
他装置が前記フレーム生成装置に接続されている場合に、MACケーパビリティーフィールドが省略されるようにビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項1に記載のフレーム生成装置。
<請求項3>
前記フレーム生成装置が他装置の接続をこれ以上許容しない場合に、前記複数のアクセス期間情報フィールドの中で少なくとも一つが省略されるように前記ビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項2に記載のフレーム生成装置。
<請求項4>
前記フレーム生成装置が前記他装置と接続されていない場合に、前記通信プロトコルにより定義された前記ビーコンフレームフォーマットが規定する前記複数のフィールドが含まれるようにビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のフレーム生成装置。
<請求項5>
他装置が前記フレーム生成装置に接続した履歴情報を記憶する記憶部を備え、
前記履歴情報に基づいて前記通信プロトコルにより定義された前記ビーコンフレームフォーマットが規定する前記複数のフィールドの中で省略するフィールドを決め、前記決められたフィールドが省略されるようにビーコンフレームを生成することを特徴とする請求項1に記載のフレーム生成装置。
<請求項6>
前記履歴情報は前記フレーム生成装置に接続されている他装置の数を示すことを特徴とする請求項5に記載のフレーム生成装置。
<請求項7>
前記ビーコンフレームに少なくとも一つのフィールドが省略されていることを示す判別情報を含めることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のフレーム生成装置。
<請求項8>
前記判別情報は、前記ビーコンフレームのMACヘッダのフレームコントロールフィールドの予備フィールドに含まれることを特徴とする請求項7に記載のフレーム生成装置。
<請求項9>
前記判別情報は省略されているフィールドの種類によって変更されることを特徴とする請求項7又は8に記載のフレーム生成装置。
<請求項10>
前記フレーム生成装置は、前記判別情報が第1の値である場合にノーマルモードで動作し、前記判別情報が前記第一の値と異なる第2の値である場合に前記ノーマルモードよりも消費電流が低い低電力モードで動作することを特徴とする、請求項7乃至9の何れか1項に記載のフレーム生成装置。
<請求項11>
請求項1乃至10の何れか1項に記載のフレーム生成装置と、
現在の日時を計数する計時部と、
を備えることを特徴とする電子時計。
<請求項12>
特定の通信プロトコルに従う通信のためにフレームを処理する装置であって、
前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを処理し、
他装置から受信されたフレームに特定のフィールドが省略されたことを示す判別情報が含まれている場合は、前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットと、前記判別情報とに基づいて前記フレームを処理することを特徴とするフレーム処理装置。
<請求項13>
フレームを生成するフレーム生成部を含み、
前記他装置から受信されたフレームはビーコンフレームであり、
前記判別情報が所定の値である場合、前記フレーム生成部は前記他装置と通信するフレームの生成を中断することを特徴とする請求項12に記載のフレーム処理装置。
<請求項14>
請求項12又は13に記載のフレーム処理装置と、
現在の日時を計数する計時部と、
を備えることを特徴とする電子時計。
<請求項15>
第1の装置と第2の装置とを含み、特定の通信プロトコルに従う通信のためのシステムであって、
前記第1の装置は、
前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを生成し、
前記第2の装置は、
前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを処理し、
前記第1の装置は、前記通信プロトコルにより定義されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中で少なくとも一つが省略されるように、かつ、少なくとも一つのフィールドが省略されたことを示す判別情報が含まれるように、ビーコンフレームを生成し、
前記第2の装置は、前記第1の装置から受信されたビーコンフレームに前記判別情報が含まれている場合、前記通信プロトコルにより定義された前記ビーコンフレームフォーマットと、前記判別情報とに基づいて前記ビーコンフレームを処理することを特徴とするシステム。
<請求項16>
特定の通信プロトコルに従う通信のできる装置のフレーム生成方法であって、
前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを生成するステップと、
前記通信プロトコルにより定義されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中で少なくとも一つが省略されるようにビーコンフレームを生成するステップと、
を含むことを特徴とするフレーム生成方法。
<請求項17>
特定の通信プロトコルに従う通信のできる装置のフレーム処理方法であって、
他装置から受信されたフレームに特定のフィールドが省略されたことを示す判別情報が含まれているかどうかを判断するステップと、
前記受信されたフレームに前記判別情報が含まれている場合、前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットと、前記判別情報とに基づいて前記フレームを処理するステップと、
を含むことを特徴とするフレーム処理方法。
<請求項18>
特定の通信プロトコルに従う通信のための第1の装置及び第2の装置を含むシステムの通信方法であって、
前記第1の装置において、前記通信プロトコルにより定義されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中で少なくとも一つが省略されるように、かつ、少なくとも一つのフィールドが省略されたことを示す判別情報が含まれるように、ビーコンフレームを生成するステップと、
前記第2の装置において、前記第1の装置から受信されたビーコンフレームに前記判別情報が含まれているかどうかを判断するステップと、
前記第2の装置において、前記受信されたビーコンフレームに前記判別情報が含まれている場合、前記通信プロトコルにより定義された前記ビーコンフレームフォーマットと、前記判別情報とに基づいて前記ビーコンフレームを処理するステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
<請求項19>
特定の通信プロトコルに従う通信が可能な装置を制御するプログラムであって、
前記装置に、
前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットに基づいてフレームを生成するステップと、
前記通信プロトコルにより定義されたビーコンフレームフォーマットにより規定された複数のフィールドの中で少なくとも一つが省略されるようにビーコンフレームを生成するステップと、
を実行させるプログラム。
<請求項20>
特定の通信プロトコルに従う通信が可能な装置を制御するプログラムであって、
前記装置に、
他装置から受信されたフレームに特定のフィールドが省略されたことを示す判別情報が含まれているかどうかを判断するステップと、
前記受信されたフレームに前記判別情報が含まれている場合、前記通信プロトコルにより定義されたフレームフォーマットと、前記判別情報とに基づいて前記フレームを処理するステップと、
を実行させるプログラム。