特許第6707973号(P6707973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707973プリント基板への電気部品の固定方法、並びに、該固定方法に用いられるプリント基板、電気部品および補助プリント基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707973
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】プリント基板への電気部品の固定方法、並びに、該固定方法に用いられるプリント基板、電気部品および補助プリント基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   H05K1/18 N
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-87879(P2016-87879)
(22)【出願日】2016年4月26日
(65)【公開番号】特開2017-199750(P2017-199750A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】小太刀 圭一
(72)【発明者】
【氏名】青木 功
【審査官】 鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−122894(JP,A)
【文献】 特開平10−242612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H05K 3/34
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を有した電気部品をプリント基板に固定する方法において、
前記接続端子を有した面と同じ電気部品の面に、先端部が折り曲げられたL字状の固定脚を設け、
前記プリント基板に、前記固定脚が挿入可能な係合孔と、前記先端部の折り曲げ方向に沿って延びたスリット状のスルーホールと、を形成し、
前記接続端子および前記固定脚を前記スルーホールおよび前記係合孔にそれぞれ挿入し、
前記固定脚の先端部が前記係合孔の開口縁と係合するように前記電気部品を前記プリント基板の面に沿って移動させ、
前記プリント基板に、補助端子を設け、
前記接続端子および前記補助端子に対応した円形の第2のスルーホールおよび円形の第3のスルーホールを有するとともに、両スルーホールを接続するパターンを有してなる補助プリント基板を設け、
前記接続端子および前記補助端子を前記第2のスルーホールおよび前記第3のスルーホールにそれぞれ挿入し、
前記接続端子および前記補助端子を前記補助プリント基板にはんだ付けにより固定する、プリント基板への電気部品の固定方法。
【請求項2】
前記補助プリント基板に、前記プリント基板を貫通して前記電気部品側に突出する突出部を設け、前記突出部が、前記電気部品の側面に接することで前記電気部品を拘束するようにしたことを特徴とする請求項に記載のプリント基板への電気部品の固定方法。
【請求項3】
請求項1または2の固定方法に用いられるプリント基板。
【請求項4】
請求項1または2の固定方法に用いられる電気部品。
【請求項5】
前記電気部品は、4つの接続端子および4つの固定脚を備えることを特徴とする請求項に記載の電気部品。
【請求項6】
請求項またはの固定方法に用いられる補助プリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子を有した電気部品をプリント基板に固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気部品をプリント基板に固定する電気部品取付構造が開示されている。この電気部品は、裏面から、断面概ね円形の複数の接続端子が延びている。また、プリント基板には、電気部品の複数の接続端子に対応した複数のスルーホールがそれぞれ形成されており、各スルーホール間には、パターンが配線されている。プリント基板の各スルーホールに電気部品の各接続端子を挿入した上で両者をはんだ付けすることにより、電気部品は、プリント基板に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−134225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電気部品取付構造では、電気部品の接続端子がプリント基板の対応したスルーホールに挿入されてはんだ付けにより固定されているだけなので、輸送時に発生する振動や外部からの力により、接続端子とプリント基板との間のはんだ固定部に集中的に負荷がかかり、電気部品の接続端子の破損やプリント基板からの電気部品の離脱が生じる虞がある。
【0005】
また、比較的大型で重量のある電気部品をプリント基板にはんだ付けにより固定する場合には、はんだ固定部にかかる負荷がさらに大きくなるので、上述した接続端子の破損や電気部品の離脱の問題が、より顕著なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、接続端子を有した電気部品をプリント基板に固定する方法において、前記接続端子を有した面と同じ電気部品の面に、先端部が折り曲げられたL字状の固定脚を設け、前記プリント基板に、前記固定脚が挿入可能な係合孔と、前記先端部の折り曲げ方向に沿って延びたスリット状のスルーホールと、を形成する。そして、前記接続端子および前記固定脚を前記スルーホールおよび前記係合孔にそれぞれ挿入し、前記固定脚の先端部が前記係合孔の開口縁と係合するように前記電気部品を前記プリント基板の面に沿って移動させる。
【0007】
従って、本発明の固定方法では、プリント基板への電気部品の固定を、接続端子およびL字状の固定脚の双方を介して行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、L字状の固定脚の先端部が係合孔の開口縁に機械的に係合して支持されるとともに、プリント基板と電気部品との固定箇所が、プリント基板と固定脚との間の固定部の分だけ増加するので、プリント基板に対する電気部品の固定強度が増加する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、一実施例の電気部品の底面図であり、(b)は、電気部品の側面図である。
図2図1(b)の電気部品の下側の固定脚周辺の拡大図である。
図3】(a)は、一実施例のプリント基板を裏面側から見た図であり、(b)は、プリント基板の側面図である。
図4】一実施例の固定方法における電気部品の挿入工程を示しており、(a)は、プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は、側面図である。
図5】一実施例の固定方法における電気部品の移動工程を示しており、(a)は、プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は側面図である。
図6】一実施例の固定方法のはんだ付け工程を示しており、(a)は、プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は側面図である。
図7】(a)は、第2の実施例のプリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は、プリント基板の側面図である。
図8】(a)は、第2の実施例の補助プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は、補助プリント基板の側面図である。
図9】第2の実施例の固定方法における補助プリント基板の取付工程を示す斜視である。
図10】補助プリント基板の取付後の電気部品、プリント基板および補助プリント基板の配置を示す説明図であり、(a)は、補助プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は、側面図である。
図11】第2の実施例のはんだ付け工程を示しており、(a)は、補助プリント基板の裏面側から見た図であり、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
【0011】
図1には、本発明の固定方法に用いられる電気部品1が示されている。電気部品1は、例えば、パルストランスやコンデンサ等である。電気部品1は、上壁面2、下壁面3および4つの側壁面4,4,4,4を有している。上壁面2には、図1(b)に示すように、図示せぬプラグを挿入するためのコネクタ5が取り付けられている。
【0012】
また、下壁面3には、金属製の4つの接続端子6,6,6,6が設けられており、これらの接続端子6,6,6,6は、図1(a)に示すように、矩形の下壁面3の4つの角部7,7,7,7付近にそれぞれ位置している。各接続端子6は、円柱状をなしており、図1(b)に示すように、下壁面3と概ね直交するように下壁面3から延びている。
【0013】
さらに、接続端子6を有した下壁面3には、金属製の4つの固定脚8,8,8,8が設けられている。4つの固定脚8,8,8,8は、図1(a)に示すように、矩形の下壁面3の4つの角部7,7,7,7にそれぞれ位置している。4つの固定脚8,8,8,8は、実質的に同じ形状に形成されており、各固定脚8は、四角柱状をなす部材の先端部を折り曲げることにより全体として概ねL字状をなしている。従って、各固定脚8は、図2に示すように、下壁面3と概ね直交して延びる基部9と、下壁面3と概ね平行となるように下方に折り曲げられた先端部10と、を備えている。
【0014】
図1(a)の上側の2つの固定脚8,8では、図1(b)に示すように、各基部9の上側面9aが上側の側壁面4と同一平面上にあり、各先端部10は、該側壁面4よりも下方に延びている。一方、図1(a)の下側の2つの固定脚8,8では、図1(b)に示すように、各基部9の下側面9bが下側の側壁面4と同一平面上にあり、各先端部10は、下側の側壁面4よりも下方に延びている。従って、電気部品1を下壁面3側から見ると、図1(a)に示したように、上側の2つの固定脚8,8の先端部10,10は、下壁面3の上側の角部7,7内にそれぞれ位置しているが、下側の固定脚8,8の先端部10,10は、下壁面3の下側の角部7,7よりも外側に突出している。
【0015】
ここで、図2において、先端部10を含む固定脚8の図1の上下方向に沿った長さ(以下、「固定脚上下方向長さ」と称す)を「L1」する。
【0016】
また、図2に示すように、電気部品1の下壁面3と固定脚8の先端部10との間の距離を「D」とする。距離Dは、後述するプリント基板11の厚さT(図3(b)等参照)に対応するように設定されている。
【0017】
次に、図3を参照して、上記電気部品1が取り付けられるプリント基板11について説明する。プリント基板11は、例えば合成樹脂基板からなり、印刷形成された適宜な回路を備えている。プリント基板11は、取付時に電気部品1の下壁面3側となる表面(図3(b)の右側の面)11aと、この表面11aと反対側の裏面(図3(b)の左側の面)11bと、を有している。プリント基板11には、上記電気部品1の4つの固定脚8,8,8,8に対応した位置に、スリット状の4つの係合孔12,12,12,12がそれぞれ形成されている。係合孔12は、概ね長方形をなしており、図3(a)の上下方向に沿って延びている。係合孔12の長辺13の長さL2は、固定脚上下方向長さL1よりも多少大きくなるように設定されている。係合孔12の短辺14の長さL3は、固定脚8の幅W(図1(a)参照)に対応している。従って、各係合孔12は、固定脚8の先端部10が挿入可能となっている。
【0018】
同様に、プリント基板11には、上記電気部品1の円柱状の4つの接続端子6,6,6,6に対応した位置に、スリット状の4つのスルーホール15,15,15,15がそれぞれ形成されている。各スルーホール15は、長円形をなしており、係合孔12と平行に延びている。換言すれば、スルーホール15は、係合孔12に固定脚8を挿入したときの固定脚8の折り曲げ方向(先端部10が延びる方向)に沿って延びている。スリット状のスルーホール15の図3の上下方向に沿った長さL4は、係合孔12の長辺13の長さL2から基部の上側面9aと下側面9bとの間の長さを減算したものよりも多少大きくなるように設定されている。スルーホール15の図3(a)の左右方向に沿った長さL5は、断面概ね円形の接続端子6の直径に対応している。
【0019】
なお、図3(b)において、係合孔12は、破線で示されており、一方、スルーホール15は、一点鎖線で示されている。
【0020】
次に、本発明の一実施例における上記プリント基板11への上記電気部品1の固定方法について説明する。
【0021】
まず、図4(b)に示すように、電気部品1の各接続端子6および各固定脚8を、プリント基板11の対応したスルーホール15および係合孔12にそれぞれ挿入する。各接続端子6および各固定脚8の挿入は、表面11aおよび裏面11bが概ね垂直方向に延びる向きでプリント基板11を配置した上で、図4(b)の右側から左側へ向かう方向(挿入方向A)に電気部品1を移動させることにより行われる。各接続端子6および各固定脚8を挿入した状態では、図4(b)に示すように、接続端子6は、長円形のスルーホール15の上端部15Aに位置しており、一方、固定脚8の基部9は、概ね長方形の係合孔12の上端部12Aに位置している。つまり、接続端子6および固定脚8は、スルーホール15および係合孔12にそれぞれ遊嵌されている。
【0022】
なお、図4(b)の側面図において、実際には、係合孔12内の固定脚8の基部9およびスルーホール15内の接続端子6は隠れているが、説明の便宜上、これらの基部9および接続端子6を実線で示してある。
【0023】
次に、図5(b)に示すように、電気部品1の固定脚8の先端部10が係合孔12の下端部12Bで係合孔12の開口縁18と係合するように、電気部品1をプリント基板11の表面11aに沿って下方(移動方向B)に移動させる。電気部品1の移動後には、厚さTを有したプリント基板11が、厚さTに対応した距離Dだけ互いに離間した電気部品1の下壁面3と固定脚8の先端部10との間に挟まれた状態となる。
【0024】
そして、図6(a)に示すように、プリント基板11の裏面11b側から、ドットで示すはんだ付けにより、各接続端子6とプリント基板11とを互いに固定する。これにより、接続端子6は、プリント基板11に電気的に接続される。
【0025】
同様に、プリント基板11の裏面11b側から、同じくドットで示すはんだ付けにより、各固定脚8とプリント基板11とを互いに固定する。
【0026】
上記のように、本実施例では、接続端子6および概ねL字状の固定脚8を介してプリント基板11に電気部品1をはんだ付けにより固定するので、固定脚8の先端部10と係合孔12の開口縁18との機械的な係合による支持が得られるとともに、プリント基板11と電気部品1との固定箇所を、プリント基板11と固定脚8との間の付加的なはんだ固定部の分だけ増加させることができる。これにより、プリント基板11に対する電気部品1の固定強度が増加し、プリント基板11と接続端子6との間のはんだ固定部にかかる負荷が軽減される。従って、輸送時の振動や外部からの力によりプリント基板11と接続端子6との間のはんだ固定部に集中的に負荷がかかり、接続端子6が破損して、電気部品1がプリント基板11から離脱するという不具合を抑制することができる。なお、上記不具合は、例えば、プリント基板11に比較的大型で重量のある電気部品、例えばパルストランスやコンデンサを固定する場合に、より顕著なものとなるが、付加的な固定箇所を提供する本実施例の固定方法は、このような場合にも対処することができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施例で用いられるプリント基板11について説明する。第2の実施例のプリント基板11は、図7(a)に示すように、各スルーホール15の下端部15Bから側方にオフセットした位置に、円柱状の補助端子19を備えている。補助端子19は、図7(b)に示すように、プリント基板11と概ね直交するようにプリント基板11の裏面11bから突出している。補助端子19は、プリント基板11内の図示せぬ回路と電気導通を生じさせるパターン20に接続されている。
【0028】
また、プリント基板11は、図7(a)に示すように、上側の2つの係合孔12,12の間に概ね長方形の2つの突出部用貫通穴21,21を有しており、各突出部用貫通穴21は、各係合孔12の長手方向と概ね直交するように延びている。
【0029】
次に、プリント基板11への電気部品1の固定を強化する補助プリント基板23について説明する。補助プリント基板23は、例えば合成樹脂基板により形成されている。本実施例では、補助プリント基板23は、プリント基板11の裏面11b側から、プリント基板11の上側の2つの係合孔12,12と、2つの突出部用貫通穴21,21および4つの補助端子19,19,19,19とを覆うことができる程度の大きさに形成されている。補助プリント基板23は、取付時にプリント基板11の裏面11bと接する表面(図8(b)の右側の面)23aと、この表面23aと反対側の裏面(図8(b)の左側の面)23bと、を有している。
【0030】
補助プリント基板23には、上記電気部品1の4つの接続端子6,6,6,6に対応した位置に、円形の4つの接続端子用スルーホール24,24,24,24がそれぞれ形成されている。各接続端子用スルーホール24は、円柱状をなす接続端子6に対応した口径を有している。
【0031】
さらに、補助プリント基板23には、上記プリント基板11の4つの補助端子19,19,19,19に対応した位置に、円形の4つの補助端子用スルーホール25,25,25,25がそれぞれ形成されている。各補助端子用スルーホール25は、円柱状をなす補助端子19に対応した口径を有している。
【0032】
図8(a)に示すように、接続端子用スルーホール24と補助端子用スルーホール25とは、パターン26によって互いに接続されている。
【0033】
なお、接続端子用スルーホール24および補助端子用スルーホール25は、特許請求の範囲に記載の「第2のスルーホール」および「第3のスルーホール」にそれぞれ相当する。
【0034】
さらに、補助プリント基板23は、電気部品1の上側の2つの固定脚8,8の先端部10,10との干渉を避けるように長方形の2つの固定脚用貫通穴27,27をそれぞれ備えている。
【0035】
また、補助プリント基板23の表面23aには、板状の2つの突出部28,28が、図8(b)に示すように、補助プリント基板23と概ね直交する方向に突出して設けられている。2つの突出部28,28は、プリント基板11の対応した2つの突出部用貫通穴21,21にそれぞれ挿入される。突出部28の突出長さL6は、プリント基板11の厚さTよりも大きくなるように設定されている。そして、2つの突出部用貫通穴21,21は、電気部品1の最終的な取付位置における上側の側壁面4の位置に対応している。
【0036】
次に、第2の実施例の固定方法について説明する。第2の実施例における電気部品1の挿入工程および移動工程は、第1の実施例と同様である。電気部品1の移動後には、図9に示すように、プリント基板11の長円形のスルーホール15を貫通した接続端子6と、プリント基板11の補助端子19とは、図9の左右方向に互いに隣接しており、プリント基板11の裏面11bから突出している。
【0037】
図9に示した補助プリント基板23の取付工程では、上記のように接続端子6および補助端子19が突出したプリント基板11に、補助プリント基板23を取り付ける。このとき、上記接続端子6、補助端子19および固定脚8の先端部10が補助プリント基板23の対応した接続端子用スルーホール24、補助端子用スルーホール25および固定脚用貫通穴27に挿入されるように、図9の矢印Cで示す方向に補助プリント基板23を移動させる。このとき、補助プリント基板23に設けられた2つの突出部28,28は、プリント基板11の対応した2つの突出部用貫通穴21,21にそれぞれ挿入される。
【0038】
プリント基板11に補助プリント基板23を取り付けた状態では、各突出部28は、図10(b)に示すように、プリント基板11の表面11aから電気部品1側に突出しており、突出部28の下側面28aは、電気部品1の上側の側壁面4と接触している。
【0039】
そして、図11(a)に示すように、補助プリント基板23の裏面23b側から、各接続端子6および各補助端子19を、補助プリント基板23に対し、ドットで示すはんだ付けによりそれぞれ固定する。これにより、互いに対応する接続端子6と補助端子19とが、パターン26を介して電気的に接続される。また、補助端子19がプリント基板11内の図示せぬ回路と電気導通されているので、補助端子19に電気的に接続された接続端子6は、プリント基板11内の回路と電気導通される。
【0040】
上記のように、第2の実施例では、補助プリント基板23に設けられた接続端子用スルーホール24および補助端子用スルーホール25に接続端子6および補助端子19をそれぞれ挿入した上ではんだ付けを行うようにしたことから、はんだ付けを安定して行うことができる。
【0041】
また、第2の実施例では、補助プリント基板23に設けられた突出部28により電気部品1の上方への移動を拘束するようにしたことから、輸送時の振動や外部からの力により電気部品1にかかる負荷を軽減するとともに、固定脚8の係合がより確実に維持され、プリント基板11に対する電気部品1の固定を強化することができる。
【0042】
なお、上記各実施例では、接続端子6、スルーホール15、固定脚8および係合孔12を4つずつ用いた例を開示したが、これらの構成要素の数は任意であり、例えば、接続端子6、スルーホール15、固定脚8および係合孔12を1つずつ用いた構成にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・電気部品
6・・・接続端子
8・・・固定脚
9・・・基部
10・・・先端部
11・・・プリント基板
12・・・係合孔
15・・・スルーホール
19・・・補助端子
20・・・パターン
21・・・突出部用貫通穴
23・・・補助プリント基板
24・・・接続端子用スルーホール
25・・・補助端子用スルーホール
26・・・パターン
28・・・突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11