(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708024
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタを備えた照明器具
(51)【国際特許分類】
H01R 13/74 20060101AFI20200601BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20200601BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20200601BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20200601BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20200601BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20200601BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200601BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20200601BHJP
【FI】
H01R13/74 Z
H01R13/46 Z
F21S2/00 230
F21V23/06
F21V23/00 170
F21V23/00 120
F21Y103:00
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-132136(P2016-132136)
(22)【出願日】2016年7月4日
(65)【公開番号】特開2018-6177(P2018-6177A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】大森 章裕
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−113924(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0159742(US,A1)
【文献】
特開2009−037822(JP,A)
【文献】
特開平08−222319(JP,A)
【文献】
特開2015−141770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40−13/533
F21S 2/00−45/70
H01R12/00−12/91
H01R24/00−24/86
H01R13/56−13/74
F21V 1/00−99/00
B60R16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の配線と電気的に接続される第1の配線を保持する第1のコネクタであって、
筐体と、
前記第2の配線を保持する第2のコネクタが挿入される挿入口と、
前記筐体から延びる爪と、を有し、
前記挿入口は、前記筐体の底面と直交する第1の面に対して傾斜する第2の面に開口するとともに、前記筐体の底面から離れた位置に設けられ、
前記爪は、前記底面に対して前記第2の面と反対方向へ突設しているととともに、互いに近づくよう弾性変形可能に対に設けられているコネクタ。
【請求項2】
前記第1の面および前記第2の面は、前記筐体の正面であり、
前記第2の面は前記第1の面から前記筐体の天面に向かうにつれ前記筐体の背面側に傾斜している請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載のコネクタと、
交流電源からの電力が供給される端子台を有する本体ユニットと、
前記本体ユニットに取り付けられる光源ユニットと、
前記光源ユニットに直流の電力を供給する点灯装置と、
を備え、
前記端子台には前記第2の配線が接続されるとともに前記点灯装置には前記第1の配線が接続され、前記第1のコネクタの前記爪が前記本体ユニットに嵌合している照明器具。
【請求項4】
請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載のコネクタと、
交流電源からの電力が供給される端子台を有する本体ユニットと、
前記本体ユニットに取り付けられる光源ユニットと、
前記光源ユニットに直流の電力を供給する点灯装置と、
を備え、
前記端子台には前記第1の配線が接続されるとともに前記点灯装置には前記第2の配線が接続され、前記第1のコネクタの前記爪が前記本体ユニットに嵌合している照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線と電線を接続するコネクタおよびコネクタを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線と電線を接続するコネクタは、コネクタが納められた装置内に固定されずに移動可能な状態で置かれるタイプが多い。しかし、移動可能な状態で置かれるタイプのコネクタは、コネクタが納められた装置に振動などが加わった場合、コネクタが周辺の部材とぶつかることで異音が発生したり、電線の被覆が破損したりする恐れがあった。また振動により電線に張力が加わった場合、コネクタからコンタクトが脱出したり、コネクタの嵌合部が外れたりするなど通電状態が不安定になる恐れがあった。
【0003】
そのため、コネクタをクリップで装置に固定し、コネクタの移動を防止する固定装置を備えたコネクタが提案されている。(例えば、特許文献1。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】公開実用平成1−130277公報 (
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の固定装置を備えたコネクタは、コネクタを嵌合させた状態でコネクタをパネルに固定する。そのため、他方のコネクタと接続された器具の交換の度に、パネルに挿入されたコネクタのクリップ(爪)を取り外す必要があるため作業性が悪く、また、取り外しの際にクリップ(爪)が変形するおそれがあり、コネクタをパネルに固定できず器具の交換後再度使用できないという課題が生じていた。
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、コネクタが納められた装置に振動などが加わった場合であっても、異音の発生や不安定な通電状態を防ぐとともに、取り付け作業性に優れ、繰り返し使用することができる経済的なコネクタおよびコネクタを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、筐体と、第2の配線を保持する第2のコネクタが挿入される挿入口と、筐体から延びる爪とを有し、挿入口は、筐体の底面と直交する第1の面に対して傾斜する第2の面に開口するとともに、筐体の底面から離れた位置に設けられ、第2の配線と電気的に接続される第1の配線を保持するコネクタおよびコネクタを備えた照明器具を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一方のコネクタにのみ本体ユニットに固定される爪を設けたので、コネクタの取り外しを行う際、本体ユニットに固定された爪を外すことなく、嵌合部を外すだけで本体ユニットに固定されていない他方のコネクタを取り外すことができる。よって、コネクタの着脱によってコネクタの爪が変形する恐れがなく、繰り返し使用することができる経済的なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の外観を示す下方からの斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外した状態を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の本体ユニットの内部に形成された穴を示す拡大図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタとオス型コネクタが本体ユニット内部に固定された様子を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタの構造を示す図であり、(a)はメス型コネクタの構造を示す斜視図、(b)はメス型コネクタの構造を示す側面図、(c)はメス型コネクタの構造を示す正面図ある。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具の本体ユニットに固定されたメス型コネクタの爪のひとつを拡大して示す断面図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタが本体ユニットに形成された穴と嵌合した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態に係るコネクタおよびコネクタを備えた照明器具について、図面を参照し説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。また、同一の要素に関して重複する説明は省略する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されることはない。
【0011】
図1は、実施の形態1に係る照明器具の外観を示す下方からの斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外した状態を示す図である。
図3は本体ユニットの内部に形成された穴を示す拡大図である。
図1、2に示すように、本実施の形態1に係る照明器具1は、金属製の長尺状の本体ユニット10と、本体ユニット10に取り付けられ、円弧形状を有する半円柱のカバー部材20とを備えている。
【0012】
図2に示すように、カバー部材20の内側には、点灯装置30と、点灯装置30に接続された光源ユニット40とが固定されている。点灯装置30は光源ユニット40に直流の電力を供給し、光源ユニット40の点灯や消灯、光源ユニット40から発せられる光の強さ等を制御する装置である。点灯装置30には光源側電源配線である第1の配線51が接続され、第1の配線51の端部にはメス型コネクタ52が設けられている。光源ユニット40としては、例えばLEDや有機EL、蛍光管等が適用可能であり、中でも、省エネルギー化の観点から、LEDが好ましい。
【0013】
本体ユニット10の内部には、電源端子台11が固定され、電源端子台11には、図示しない交流電源からの電力を電源端子台11へと流す電源端子台配線60、図示しないアース線、第2の配線61が接続されている。第2の電線61の端部にはオス型コネクタ62が設けられ、第2の配線61は交流電源からの電力をオス型コネクタ62へと流す電源配線である。また、本体ユニット10内部の表面には点灯装置30から延びる第1の配線51の端部に設けられたメス型コネクタ52が嵌め込まれる2つの係止穴10aが形成されている。
【0014】
図3に示すように、2つの係止穴10aのうちのひとつである第1の係止穴101aは、本体ユニット10の長手方向に延びる長尺状の穴であり、長手方向の長さは奥行D1、短手方向の長さは幅W1である。
【0015】
2つの係止穴10aのうちのひとつである第2の係止穴102aの形状は、本体ユニット10の短手方向において、第1の係止穴101aの形状と鏡像対称であり、第1の係止穴101aと間を開けて形成されている。なお、形状が同じであるため以降の説明では、第1の係止穴101aと第2の係止穴102aの区別をつけずに係止穴10aで説明する。
【0016】
第1の配線51を保持するメス型コネクタ52には第2の配線61を保持するオス型コネクタ62が挿入され、電源端子台11と点灯装置30とは、第2の配線61、オス型コネクタ62、メス型コネクタ52及び第1の配線51を介して接続されている。これにより、交流電源からの電力が点灯装置30に供給されるようになっており、点灯装置30に供給された電力は、光源ユニット40の駆動に用いられる。なお、本体ユニット10にカバー部材20を取り付ける際、メス型コネクタ52は本体ユニット10に形成された係止穴10aに固定され、オス型コネクタ62はメス型コネクタ52と嵌合して本体ユニット10内に保持される。
【0017】
このように、照明器具1は、メス型コネクタ52と、オス型コネクタ62を備えることで、電源端子台11と点灯装置30との接続を分離させることができるので、電源端子台11と点灯装置30の接続や脱着を天井から離れた位置でおこなうことができる。
【0018】
次に、メス型コネクタの詳細について説明する。
図4は、実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタとオス型コネクタが本体ユニット内部に固定された様子を示す図である。
図5(a)は、実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタの構造を示す斜視図、
図5(b)は、実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタの構造を示す側面図、
図5(c)は、実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタの構造を示す正面図である。
【0019】
図4、5に示すように、メス型コネクタ52は、天面521、底面522、正面523、背面524、第1の側面525、第2の側面526の6面を有する箱型の筐体で構成されている。底面522は本体ユニット10と対向する面であり、天面521は底面521の反対側の面であり、カバー部材20と対向する面である。
【0020】
正面523は、メス型コネクタ52がオス型コネクタ62と嵌合した際にオス型コネクタ62と対向する面であり、背面425は正面523の反対側の面である。また、正面523は角度が異なる2つの面で構成されており、第1の面は底面522から底面522と垂直に延びる第1の正面523aであり、第2の面は、底面522と直交する第1の正面523aに対して傾斜する第2の正面523bである。また第2の正面523bは、底面522から垂直方向に5mm以上離れた位置にあり、第1の正面523aから天面521に向かうにつれ背面524側に傾斜し、底面522に対して5度以上30度以内の角度を有している。
【0021】
メス型コネクタ52の筐体の第2の正面523bにはオス型コネクタ62が挿入されるコネクタ挿入口52aが形成され、背面524には第1の配線51が挿入される電線挿入口52bが形成されている。なお、コネクタ挿入口52aは、底面522から離れた位置に設けられた第2の正面523bに設けられているため、オス型コネクタ62と本体ユニット10との間に指が入れやすく、オス型コネクタ62が掴みやすくなるので嵌合作業を容易に行うことができる。
【0022】
また、オス型コネクタ62の嵌合だけを考慮すると、コネクタ挿入口52aは作業者が力を入れやすいメス型コネクタ52の筐体の天面521に形成されていることが望ましいが、天面521に形成すると嵌合時の高さが高くなり場所をとってしまう。そのため、傾斜した第2の正面523bに形成させることで、コネクタ嵌合時の高さを極力低くし、また作業性を改善することができる。さらに、メス型コネクタ52とオス型コネクタ62が発熱した場合であっても、空気の循環による放熱効果が期待できる。
【0023】
メス型コネクタ52の筐体の天面521にはメス型コネクタ52とオス型コネクタ62の嵌合の外れを防止する嵌合部52cが形成され、対向する第1の側面525及び第2の側面526にひとつずつ、本体ユニット10に係合される爪52dが2つ形成されている。
【0024】
なお、メス型コネクタ52の筐体内には、コネクタ挿入口52aと電線挿入口52bが連通された空間が形成され、第1の配線51は電線挿入口52bから筐体内の空間に挿入される。第1の配線51の端部には端子接続部(コンタクト)53が圧入されており、端子接続部53がコネクタ挿入口52aに挿入され、保持されることで第1の配線51がメス型コネクタ52に保持される。なお、コネクタ挿入口52a、電線挿入口52b及び接続端子は、第1の配線51の数と同じ個数設けられ、本実施の形態1では3つずつ設けられている。
【0025】
嵌合部52cは、メス型コネクタ52の筐体の天面に一体成型され、正面523と平行する面に開口部を有する箱型の筐体で形成されている。オス型コネクタ62の図示しない嵌合部はバネ性を有しており、バネを縮めた状態で嵌合部52cに挿入される。
【0026】
次に、爪52dについて詳細に説明する。
図6は実施の形態1に係る照明器具の本体ユニットに固定されたメス型コネクタの爪のひとつを拡大して示す断面図である。
図6に示す断面は、メス型コネクタ52の底面と直交する第1の正面523aと平行する面で切断した面である。
図7は、実施の形態1に係る照明器具に備えられたメス型コネクタが本体ユニットに形成された穴と嵌合した状態を示す平面図であり、本体ユニットの表面の裏側から眺めた図である。
【0027】
なお、メス型コネクタ52の底面522から天面521に延びる方向を高さ方向、底面522から天面521に延びる方向を高さ方向、メス型コネクタ52の第1の正面523aから背面524に延びる方向を奥行方向、メス型コネクタ52の第1の側面525から第2の側面526に延びる方向を幅方向とする。また、メス型コネクタ52の爪52dが本体ユニット10に係合された際に、本体ユニット10における、メス型コネクタ52が固定される面に投影される形状を投影形状とし、投影形状の面積を投影面積とする。
【0028】
図5(a)、
図5(b)に示すように、メス型コネクタ52の第1の側面525の中央および第2の側面526の中央の底面522側の面は切り欠かれており、切り欠かれた箇所から爪52dが延びている。爪52dは、メス型コネクタ52の底面522方向に向かって、メス型コネクタ52の外側に広がるように角度をつけて延びており、メス型コネクタ52の外側もしくは内側にひずむ弾性を有している。
【0029】
爪52dは、メス型コネクタ52の側面から延びる支持部522dと、支持部522dの先端に設けられ、本体ユニット10に引っかかる引掛り部521dとで構成されている。
【0030】
図6に示すように、爪52dの引掛り部521dは、メス型コネクタ52を本体ユニット10に固定する際、本体ユニット10の係止穴10aに差し込まれ、本体ユニット10を介してメス型コネクタ52の筐体と反対側の面に突出する部分であり台形形状の断面を有している。爪52dの支持部522dは、メス型コネクタ52が本体ユニット10に固定された場合に本体ユニット10の係止穴10aに差し込まれている部分である。
【0031】
図7に示すように、爪52dの引掛り部521dの幅は幅W2であり、幅W2は本体ユニット10の係止穴10aの幅W1よりも狭い。爪52dの引掛り部521dの奥行は奥行D2であり、奥行D2は本体ユニット10の係止穴10aの奥行D1よりも狭い。
【0032】
また、支持部522dの投影形状の幅は幅W3であり、幅W3は本体ユニット10の係止穴10aの幅W1よりも狭い。支持部522dの投影形状の対角線の長さは長さAであり、本体ユニット10の係止穴10aの幅W1よりも長い。このように、本体ユニット10の係止穴10aの短手方向の長さより、係止穴10aに差し込まれる支持部522dの対角線方向の長さの方が長いため、爪52dが係止穴10aで回転することを防止することができる。
【0033】
なお、
図7において、本体ユニット10のふたつの係止穴10aである係止穴101aの外側の辺と係止穴102aの外側の辺との距離は距離L1であり、メス型コネクタ52のふたつの爪52dのうちひとつ爪52dの引掛り部521dの外側の辺ともうひとつの爪52dの引掛り部521dの外側の辺との距離は距離L2である。距離L2は距離L1よりも長い。
【0034】
なお、本実施の形態ではメス型コネクタ52に爪52dが形成された例を示したが、オス型コネクタ62に爪が形成され、オス型コネクタ62が本体ユニット10に固定されても良く、形態はメス型コネクタに限定されない。また、本実施の形態ではメス型コネクタ52が第1の配線51に接続され、オス型コネクタ62が第2の配線61に接続されているが、メス型コネクタ52が第2の配線61に接続され、オス型コネクタ62が第1の配線51に接続されていても良い。
【0035】
次に、本体ユニット10にカバー部材20を取り付ける作業方法について説明する。
まず、メス型コネクタ52を本体ユニット10に固定する。具体的には、メス型コネクタ52の両側面に形成された爪52dの支持部522dをメス型コネクタ52の内側に押し込みひずませ、爪52dの引掛り部521d間の距離L2を本体ユニット10の係止穴10a間の距離L1よりも短くし、引掛り部521dを係止穴10aに入り込ませる。すると爪52dが係止穴10aに嵌合し、メス型コネクタ52が本体ユニット10に固定される。
【0036】
次に、本体ユニット10に固定されたメス型コネクタ52のコネクタ挿入口52aに、オス型コネクタ62を挿入し、メス型コネクタ52とオス型コネクタ62を嵌合させる。すると、同時にオス型コネクタ62の嵌合部が図示しないバネ部を縮めながらメス型コネクタ52の嵌合部52cに挿入される。
【0037】
オス型コネクタ62の嵌合部がメス型コネクタ52の嵌合部52cに挿入されると、オス型コネクタ62の嵌合部のバネ部が嵌合部52c内で元に戻り、メス型コネクタ52に係止される。これにより、オス型コネクタ62とメス型コネクタ52の嵌合の外れが防止される。
【0038】
メス型コネクタ52とオス型コネクタ62が嵌合することで、メス型コネクタ52の筐体内に保持された端子接続部53とオス型コネクタ62の筐体内に保持された端子接続部53が接続され、第1の配線51と第2の配線61とが電気的に接続され、交流電源からの電力がカバー部材20の内側に備えられた電源装置30や光源ユニット40に供給される。そして、カバー部材20を本体ユニット10に取り付けて作業が完了する。
【0039】
以上説明したように、メス型コネクタコネクタとオス型コネクタのうち、一方のコネクタが本体ユニットに固定されているため、コネクタを周辺の部材とぶつからない位置や、配線に張力が加わらない位置に固定させることができるので、異音の発生や不安定な通電状態を防ぐことができる。
【0040】
また、爪をコネクタの両側面に設けたので、作業者はコネクタの爪を片手で押すことができる。すなわち、作業者は、本体ユニットへのコネクタの固定を片手でおこなうことができるので作業性が向上する。また、コネクタの挿入口は、本体ユニットと接するコネクタの底面から離れた位置に設けられ斜面に設けられているため、コネクタと本体ユニットとの間に指が入れやすく、コネクタが掴みやすくなるので嵌合作業をさらに容易に行うことができる。なお、爪はコネクタの正面と背面など対向した面に設けられていれば良い。
【0041】
さらに、一方のコネクタに他方のコネクタと嵌合する嵌合部を設けると共に、一方のコネクタにのみ本体ユニットに固定される爪を設けたので、コネクタの取り外しを行う際、本体ユニットに固定された爪を外すことなく、嵌合部を外すだけで本体ユニットに固定されていない他方のコネクタを取り外すことができ、コネクタが着脱によって変形する恐れがなく、繰り返し使用することができる経済的なコネクタを提供することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 照明器具、10 本体ユニット、10a 係止穴、101a 第1の係止穴、102a 第2の係止穴、11 電源端子台、20 カバー部材、30 点灯装置、40 光源ユニット、51 第1の配線、52 メス型コネクタ、521 天面、522 底面、523 正面、523a 第1の正面、523b 第2の正面、524 背面、525 第1の側面、526 第2の側面、52a コネクタ挿入口、52b 電線挿入口、52c 嵌合部、52d 爪、521d 引掛り部、522d 支持部、53 端子接続部、60 電源端子台配線、61 第2の配線、62 オス型コネクタ。