(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ウレタンプレポリマーと、カーボンブラックと、炭酸カルシウムと、脂肪族イソシアネートと、金属触媒と、アミン触媒とを含有する、一液湿気硬化タイプの接着剤組成物であり、
前記カーボンブラックとして、複数の種類のカーボンブラックを含有し、
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜40cm3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が85〜120cm3/100gであり、
前記第1のカーボンブラックの含有量1が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、25質量部以上であり、
前記第2のカーボンブラックの含有量2が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、9質量部以上であり、
前記炭酸カルシウムの含有量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であり、
前記炭酸カルシウムの含有量が、前記含有量1及び前記含有量2の合計100質量部に対して、5〜50質量部である、接着剤組成物。
前記含有量1と前記含有量2が、下記式(a)〜下記式(d)を満たす、又は、下記式(e)〜下記式(h)を満たす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
式(a) 11×含有量1+20×含有量2≧1080
式(b) 2×含有量1+55×含有量2≧710
式(c) 1×含有量1+35×含有量2≦1165
式(d) 21×含有量1+19×含有量2≦2985
式(e) 59×含有量2<−4×含有量1+2694
式(f) 2×含有量2<−11×含有量1+1004
式(g) 16×含有量2>−1×含有量1+376
式(h) 15×含有量2>−23×含有量1+1235
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようななか、特許文献1をもとにウレタンプレポリマーを含有する組成物を調製し評価したところ、このような組成物は、摩擦安定性が低いことが明らかとなった。
組成物の摩耗安定性が低いと、組成物をポンプで送液するときに、ポンプ内で組成物が固まり、ポンプが動かなくなるという不具合が生じる場合がある。
本発明は、上記実情を鑑みて、摩擦安定性に優れる接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、カーボンブラックとして、特定範囲のジブチルフタレート吸油量を有する複数の種類のカーボンブラックを特定範囲の含有量で含有することによって所定の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
【0007】
1. ウレタンプレポリマーと、カーボンブラックと、炭酸カルシウムと、脂肪族イソシアネートと、金属触媒と、アミン触媒とを含有する、一液湿気硬化タイプの接着剤組成物であり、
カーボンブラックとして、複数の種類のカーボンブラックを含有し、
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜33cm
3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が95〜120cm
3/100gであり、
第1のカーボンブラックの含有量1が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、45質量部以上であり、
第2のカーボンブラックの含有量2が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、9質量部以上であり、
炭酸カルシウムの含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であり、
炭酸カルシウムの含有量が、含有量1及び含有量2の合計100質量部に対して、5〜50質量部である、接着剤組成物。
2. 含有量1と含有量2が下記式(a)及び下記式(b)を満たす、上記1に記載の接着剤組成物。
式(a) 11×含有量1+20×含有量2≧1080
式(b) 2×含有量1+55×含有量2≧710
3. 含有量1と含有量2が下記式(c)及び下記式(d)を満たす、上記1又は2に記載の接着剤組成物。
式(c) 1×含有量1+35×含有量2≦1165
式(d) 21×含有量1+19×含有量2≦2985
4. 脂肪族イソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを変性した3官能の化合物Aである、上記1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
5. 脂肪族イソシアネートの含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、4〜14質量部である、上記1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
6. 金属触媒が有機錫触媒を含む、上記1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
7. 金属触媒の含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.0004〜0.03質量部である、上記1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物。
8. アミン触媒が、ジモルフォリノジエチルエーテル構造を有する、上記1〜7のいずれかに記載の接着剤組成物。
9. アミン触媒の含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.02〜0.4質量部である、上記1〜8のいずれかに記載の接着剤組成物。
10. 第3のカーボンブラックを更に含有し、第3のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量がkcm
3/100gであり、第3のカーボンブラックの含有量がウレタンプレポリマー100質量部に対してw質量部であり、k×w(kとwとの積)が0以上500以下である、上記1〜9のいずれかに記載の接着剤組成物。
【0008】
[1] ウレタンプレポリマーと、カーボンブラックと、炭酸カルシウムと、脂肪族イソシアネートと、金属触媒と、アミン触媒とを含有する、一液湿気硬化タイプの接着剤組成物であり、
カーボンブラックとして、複数の種類のカーボンブラックを含有し、
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜40cm
3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が85〜120cm
3/100gであり、
第1のカーボンブラックの含有量1が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、25質量部以上であり、
第2のカーボンブラックの含有量2が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、9質量部以上であり、
炭酸カルシウムの含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であり、
炭酸カルシウムの含有量が、含有量1及び含有量2の合計100質量部に対して、5〜50質量部である、接着剤組成物。
[2] 含有量1が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、140質量部以下である、上記[1]に記載の接着剤組成物。
[3] 含有量2が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、45質量部以下である、上記[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4] 脂肪族イソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを変性した3官能の化合物Aである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[5] 脂肪族イソシアネートの含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、4〜14質量部である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[6] 金属触媒が有機錫触媒を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[7] 金属触媒の含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.0004〜0.03質量部である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[8] アミン触媒が、ジモルフォリノジエチルエーテル構造を有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[9] アミン触媒の含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.02〜0.4質量部である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[10] 第3のカーボンブラックを更に含有し、第3のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量がkcm
3/100gであり、第3のカーボンブラックの含有量がウレタンプレポリマー100質量部に対してw質量部であり、k×wが650以下である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[11] 含有量1と含有量2が、下記式(a)〜下記式(d)を満たす、又は、下記式(e)〜下記式(h)を満たす、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の接着剤組成物。
式(a) 11×含有量1+20×含有量2≧1080
式(b) 2×含有量1+55×含有量2≧710
式(c) 1×含有量1+35×含有量2≦1165
式(d) 21×含有量1+19×含有量2≦2985
式(e) 59×含有量2<−4×含有量1+2694
式(f) 2×含有量2<−11×含有量1+1004
式(g) 16×含有量2>−1×含有量1+376
式(h) 15×含有量2>−23×含有量1+1235
[12] 第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜33cm
3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が95〜120cm
3/100gであり、
含有量1と含有量2が、下記式(a)〜下記式(d)を満たす、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の接着剤組成物。
式(a) 11×含有量1+20×含有量2≧1080
式(b) 2×含有量1+55×含有量2≧710
式(c) 1×含有量1+35×含有量2≦1165
式(d) 21×含有量1+19×含有量2≦2985
[13] 第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が28〜40cm
3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が85〜115cm
3/100gであり、
含有量1と含有量2が、下記式(e)〜下記式(h)を満たす、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の接着剤組成物。
式(e) 59×含有量2<−4×含有量1+2694
式(f) 2×含有量2<−11×含有量1+1004
式(g) 16×含有量2>−1×含有量1+376
式(h) 15×含有量2>−23×含有量1+1235
【発明の効果】
【0009】
本発明の接着剤組成物は、摩擦安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の物質を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルとはアクリルまたはメタクリルを表す。
【0012】
本発明の接着剤組成物(本発明の組成物)は、
ウレタンプレポリマーと、カーボンブラックと、炭酸カルシウムと、脂肪族イソシアネートと、金属触媒と、アミン触媒とを含有する、一液湿気硬化タイプの接着剤組成物であり、
カーボンブラックとして、複数の種類のカーボンブラックを含有し、
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜40cm
3/100gであり、
第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が85〜120cm
3/100gであり、
第1のカーボンブラックの含有量1が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、25質量部以上であり、
第2のカーボンブラックの含有量2が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、9質量部以上であり、
炭酸カルシウムの含有量が、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であり、
炭酸カルシウムの含有量が、含有量1及び含有量2の合計100質量部に対して、5〜50質量部である、接着剤組成物である。
【0013】
本発明の組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
一般的に、ウレタンプレポリマー、炭酸カルシウム及びカーボンブラックを含有する組成物をポンプで送液する場合、上記組成物がポンプ内の薄い隙間を通過するときに炭酸カルシウムの動きが遅く、上記の薄い隙間で上記組成物から炭酸カルシウムが分離して、上記薄い隙間における炭酸カルシウム濃度が上昇する。その結果上記の薄い隙間の材料がアルカリ側にシフトし、摩擦等の熱によってウレタンプレポリマーが反応して組成物が硬化すると考えられる。
これに対して本発明の組成物は、カーボンブラックとして、ジブチルフタレート吸油量が95〜120cm
3/100gであるカーボンブラック及びジブチルフタレート吸油量が23〜33cm
3/100gであるカーボンブラックを特定の含有量で含有するため、上記分離を押さえ、組成物がポンプ内で均一なまま送液され、熱によって組成物が反応しにくく、これによって、本発明の組成物は摩擦安定性に優れると本発明者らは推察する。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
【0014】
[接着剤組成物]
<ウレタンプレポリマー>
本発明の組成物に含有されるウレタンプレポリマーは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであれば特に制限されない。ウレタンプレポリマーとしては例えば、ポリイソシアネートと1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(活性水素化合物)とを、活性水素化合物が有する活性水素含有基に対してポリイソシアネートが有するイソシアネート基が過剰になるように反応させたものが使用できる。ウレタンプレポリマーは、ウレタンプレポリマー全量に対して0.5〜5質量%のイソシアネート基を分子末端に含有することができる。
【0015】
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)のような、脂肪族ポリイソシアネート(脂環式ポリイソシアネートを含む);これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。
【0016】
ポリイソシアネートは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、硬化性に優れる理由から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、MDIがより好ましい。
【0017】
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用される1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(活性水素化合物)は特に限定されない。活性水素含有基としては、例えば、水酸(OH)基、アミノ基、イミノ基が挙げられる。
活性水素化合物としては、例えば、1分子中に2個以上の水酸(OH)基を有するポリオール化合物等が好適に挙げられ、中でも、ポリオール化合物であることが好ましい。
【0018】
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。例えば、ポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール;アクリルポリオール、ポリブタジエンジオール、水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール;低分子多価アルコール類;これらの混合ポリオールが挙げられる。なかでも、ポリエーテルポリオールが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0019】
ポリエーテルポリオールは、主鎖としてポリエーテルを有し、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。ポリエーテルとは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−R
a−O−R
b−を合計して2個以上有する基が挙げられる。ここで、上記構造単位中、R
aおよびR
bは、それぞれ独立して、炭化水素基を表す。炭化水素基は特に制限されない。例えば、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレンジオール(ポリプロピレングリコール:PPG)、ポリオキシプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコール、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
【0020】
ポリエーテルポリオールは、ポリイソアネートとの相溶性に優れるという観点から、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールの重量平均分子量は、イソシアネートとの反応によって得られるウレタンプレポリマーの粘度が常温において適度な流動性を有することができるという観点から、500〜20,000であることが好ましい。本発明において上記重量平均分子量は、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により得られたポリスチレン換算値である。
活性水素化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
ウレタンプレポリマーは、接着性により優れ、硬化性に優れるという観点から、ポリエーテルポリオールと芳香族ポリイソシアネートとを反応させてなるウレタンプレポリマーであることが好ましく、ポリオキシプロピレンジオール及びポリオキシプロピレントリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種とジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させることによって得られるウレタンプレポリマーがより好ましい。
ウレタンプレポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
ウレタンプレポリマーの製造方法は特に制限されない。例えば、活性水素化合物が有する活性水素含有基(例えばヒドロキシ基)1モルに対し、1.5〜2.5モルのイソシアネート基が反応するようにポリイソシアネートを使用し、これらを混合して反応させることによってウレタンプレポリマーを製造することができる。
【0023】
<カーボンブラック>
本発明の組成物はカーボンブラックとして、複数の種類のカーボンブラックを含有する。つまり、本発明の組成物は、カーボンブラックとして、第1のカーボンブラックと第2のカーボンブラックとを少なくとも含有する。
【0024】
(第1のカーボンブラック)
本発明において、第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)は23〜40cm
3/100gである。
第1のカーボンブラックのDBP吸油量は、本発明の効果(摩耗安定性。以下同様。)がより優れ、組成物の粘度を余り上げずにカーボンブラックの添加量を増やすことができ、硬化物の破断伸び性、引張り弾性率付与に優れる点で、23〜33cm
3/100gが好ましく、27〜30cm
3/100gがより好ましい。
第1のカーボンブラックのDBP吸油量は、本発明の効果がより優れ、配合組成物の形状保持性と流動性のバランスに優れる点で、28〜40cm
3/100gが好ましく、28〜32cm
3/100gがより好ましい。
本発明において、カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量は、JIS K 6217−4:2008「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部:オイル吸収量の求め方」に準じて測定された。
【0025】
第1のカーボンブラックとしては、例えば、FT(Fine Thermal)級が挙げられる。
第1のカーボンブラックとして使用することができる市販品としては、例えば、ニテロン#20(新日化カーボン社製、DBP吸油量29cm
3/100g)、旭サーマル(旭カーボン社製、DBP吸油量28cm
3/100g)が挙げられる。
第1のカーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
(第2のカーボンブラック)
本発明において、第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量は85〜120cm
3/100gである。
第2のカーボンブラックのDBP吸油量は、本発明の効果がより優れ、耐垂下性(組成物がほとんど垂下しない又は垂下が小さい。)の付与に優れる点で、95〜120cm
3/100gが好ましく、98〜115cm
3/100gがより好ましい。
第2のカーボンブラックのDBP吸油量は、本発明の効果がより優れ、形状保持性に優れる点で、85〜115cm
3/100gが好ましく、90〜115cm
3/100gがより好ましい。
【0027】
第2のカーボンブラックとしては、例えば、HAF(High Abrasion Furnace)級、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)級が挙げられる。
第2のカーボンブラックとして使用することができる市販品としては、例えば、ニテロン#200(DBP吸油量101cm
3/100g)、ニテロン#300(DBP吸油量115cm
3/100g)(いずれも新日化カーボン社製)が挙げられる。
第2のカーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
本発明において、第1のカーボンブラックの含有量1は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、25質量部以上である。含有量1は、本発明の効果がより優れ、配管流動性に優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して140質量部以下が好ましい。
含有量1は、本発明の効果がより優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、45質量部以上が好ましく、60〜130質量部がより好ましく、75〜100質量部が更に好ましい。この場合の含有量1を含有量1−1と称する場合がある。
含有量1は、本発明の効果がより優れ、配合組成物の形状保持性と流動性のバランスに優れ点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、25〜95質量部が好ましく、35〜65質量部がより好ましい。この場合の含有量1を含有量1−2と称する場合がある。
【0029】
第2のカーボンブラックの含有量2は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、9質量部以上である。含有量2は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、本発明の効果がより優れ、流動性に優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、45質量部以下が好ましい。
含有量2は、本発明の効果がより優れ、耐垂下性に優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、10〜30質量部が好ましく、15〜25質量部であることが好ましい。この場合の含有量1を含有量2−1と称する場合がある。
含有量2は、本発明の効果がより優れ、流動性と形状保持性のバランスに優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、15〜45質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。この場合の含有量1を含有量2−2と称する場合がある。
【0030】
含有量1と含有量2は、摩耗安定性により優れ、耐垂下性、引張り弾性率に優れるという点で、下記式(a)及び下記式(b)を満たすことが好ましい。
式(a) 11×含有量1+20×含有量2≧1080
式(b) 2×含有量1+55×含有量2≧710
【0031】
また、含有量1と含有量2は、組成物の粘度が低く吐出性が確保できるという点で、下記式(c)及び下記式(d)を満たすことが好ましい。
式(c) 1×含有量1+35×含有量2≦1165
式(d) 21×含有量1+19×含有量2≦2985
【0032】
含有量1と含有量2は、摩耗安定性により優れ、流動性と形状保持性のバランスに優れるという点で、下記式(e)及び下記式(f)を満たすことが好ましい。
式(e) 59×含有量2<−4×含有量1+2694
式(f) 2×含有量2<−11×含有量1+1004
【0033】
また、含有量1と含有量2は、摩耗安定性により優れ、流動性と形状保持性のバランスに優れるという点で、下記式(g)及び下記式(h)を満たすことが好ましい。
式(g) 16×含有量2>−1×含有量1+376
式(h) 15×含有量2>−23×含有量1+1235
【0034】
含有量1と含有量2は、摩耗安定性により優れ、耐垂下性、引張り弾性率に優れ、組成物の粘度が低く吐出性が確保できるという点で、上記式(a)〜式(d)のすべてを満たす、又は、上記式(e)〜式(h)のすべてを満たすことが好ましい。
【0035】
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が23〜33cm
3/100gであり、第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が95〜120cm
3/100gである場合、摩耗安定性により優れ、耐垂下性、引張り弾性率に優れ、組成物の粘度が低く吐出性が確保できるという点で、含有量1が上記含有量1−1でありかつ含有量2が上記含有量2−1であることが好ましく、含有量1と含有量2が上記式(a)〜式(d)の全てを満たすことがより好ましい。
【0036】
第1のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が28〜40cm
3/100gであり、第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が85〜115cm
3/100gである場合、摩耗安定性により優れ、耐垂下性、引張り弾性率に優れ、組成物の粘度が低く吐出性が確保できるという点で、含有量1が上記含有量1−2でありかつ含有量2が上記含有量2−2であることが好ましく含有量1と含有量2が上記式(e)〜式(h)の全てを満たすことがより好ましい。
【0037】
<炭酸カルシウム>
本発明の組成物に含有される炭酸カルシウムは特に制限されない。例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウムが挙げられる。
炭酸カルシウムの50%積算粒子径は、1〜10μmが好ましい。本発明において、炭酸カルシウムの50%積算粒子径は、JIS M 8511に準じて測定された。
炭酸カルシウムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
本発明において、炭酸カルシウムの含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であり、本発明の効果がより優れ、深部硬化性に優れる点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、6〜20質量部が好ましく、8〜20質量部であることがより好ましい。
【0039】
また、本発明において、炭酸カルシウムの含有量は、含有量1(第1のカーボンブラックの含有量)及び含有量2(第2のカーボンブラックの含有量)の合計100質量部に対して、5〜50質量部であり、本発明の効果がより優れ、深部硬化性に優れる点で、含有量1及び含有量2の合計100質量部に対して、10〜30質量部が好ましく、12〜18質量部であることがより好ましい。
【0040】
<脂肪族イソシアネート>
脂肪族イソシアネートについて以下に説明する。本発明の組成物に含有される脂肪族イソシアネートは、1分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有する脂肪族炭化水素化合物であれば特に制限されない。
本発明の接着剤組成物は脂肪族イソシアネートを含有することによって、例えば硬化後において接着剤と被着面の間に空気層ができにくく、接着性に優れる。
脂肪族イソシアネートが有する脂肪族炭化水素基は、特に制限されない。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、直鎖状であることが好ましい。上記脂肪族炭化水素基は、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが好ましい。
脂肪族イソシアネートが1分子中に有するイソシアネート基は、接着性に優れるという観点から、2個以上であることが好ましく、2〜3個であることがより好ましい。1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを、以下、脂肪族ポリイソシアネートということがある。
【0041】
脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)のような、脂肪族ジイソシアネート(脂環式を含む。);脂肪族ポリイソシアネートsの変性体が挙げられる。
脂肪族イソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートの変性体が好ましい。
【0042】
脂肪族ポリイソシアネートの変性体は、本発明の効果がより優れ、塗板に対するプライマーレス接着性に優れる点で、脂肪族ジイソシアネートを変性した3官能以上の化合物が好ましい。
【0043】
脂肪族ジイソシアネートを変性した3官能以上の化合物としては、例えば、3官能以上のポリオールと脂肪族ジイソシアネートとの反応物、脂肪族ジイソシアネートのアロファネート体、脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート体(ヌレート体)及び脂肪族ジイソシアネートのビウレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族イソシアネート変性体aであることが好ましい。
【0044】
脂肪族イソシアネート変性体aに使用される脂肪族ジイソシアネートは、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族炭化水素化合物であれば特に制限されない。例えば、上記の脂肪族ジイソシアネートと同様のものが挙げられる。なかでも、貯蔵安定性と接着性という点で、直鎖状の脂肪族ジイソシアネートであることが好ましく、HDIがより好ましい。
【0045】
脂肪族イソシアネート変性体aは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を変性した3官能の化合物Aであることが好ましい。
【0046】
ヘキサメチレンジイソシアネートを変性した3官能の化合物Aとしては、例えば、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリンのような3官能ポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物;ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(ヌレート体)、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体が挙げられる。
【0047】
3官能ポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物としては、例えば、TMPとHDIとの反応物(例えば下記式(5)で表される化合物)、グリセリンとHDIとの反応物(例えば下記式(6)で表される化合物)が挙げられる。
【0050】
ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体は特に制限されない。アロファネート体を構成するすべてのイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート由来であってもよい。また一部のイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートとは別のイソシアネート化合物由来であってもよい。上記別のイソシアネート化合物は特に制限されない。
【0051】
ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体としては例えば、下記式(7)で表される化合物が挙げられる。
【化3】
【0052】
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(ヌレート体)としては、例えば、下記式(8)で表される化合物が挙げられる。
【化4】
【0053】
脂肪族イソシアネートはその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。脂肪族イソシアネートはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0054】
脂肪族イソシアネートの量は、本発明の効果により優れ、塗板に対するプライマーレス接着性に優れるという点で、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、4〜14質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。
【0055】
<金属触媒>
本発明の組成物に含有される金属触媒はイソシアネート基の反応を促進できる化合物であれば特に制限されない。例えば、有機金属触媒、有機基を有さない金属のみからなる金属触媒(無機金属触媒ともいう)が挙げられる。
金属触媒が有する金属としては、例えば、錫、ビスマス、チタンが挙げられる。
【0056】
有機金属触媒が有する有機基は特に制限されない。有機金属触媒としては、金属のカルボン酸塩、アルコキシド、錯体が挙げられる。有機金属触媒は、例えば、カルボン酸、アルコキシ基及び配位子からなる群から選ばれる少なくとも1種を有することができる。カルボン酸、アルコキシ基及び配位子は特に制限されない。
【0057】
金属触媒は有機錫触媒を含むことが好ましい。
【0058】
有機錫触媒としては、例えば、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、第一錫オクテート、ジブチル錫ジアセチルアセトネート、ジオクチル錫マレエートのような錫のカルボン酸塩;1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチル−ジスタノキサンとエチルシリケートとをモル比が1:0.8〜1:1.2となるように反応させた反応物等が挙げられる。
【0059】
有機チタン触媒としては、例えば、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が挙げられる。
【0060】
金属触媒はその製造ついて等に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
金属触媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0061】
金属触媒の含有量は、本発明の効果により優れ、塗板に対するプライマーレス接着性に優れるという点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.0003〜0.04質量部が好ましく、0.0004〜0.03質量部がより好ましく、0.005〜0.02質量部が更に好ましい。
【0062】
<アミン触媒>
本発明の組成物に含有されるアミン触媒は、窒素原子を有し、イソシアネート基の反応を促進する化合物である。
【0063】
アミン触媒は、第3級アミノ基(1個の窒素原子が3個の炭素原子と単結合する、又は、1つの窒素原子が1つの炭素原子と単結合し別の炭素原子と二重結合する)を有することが好ましい。
第3級アミノ基を有するアミン触媒(第3級アミン)としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルアミルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、トリアリルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、4,4′−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス−モルフォリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−1、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、トリエタノールアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、テトラメチルブタンジアミン、ビス(2,2−モルフォリノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
【0064】
アミン触媒は、本発明の効果により優れ、湿気硬化性に優れるという点で、ジモルフォリノジエチルエーテル構造を含むことが好ましい。
ジモルフォリノジエチルエーテル構造は、ジモルフォリノジエチルエーテルを基本骨格とする構造である。
ジモルフォリノジエチルエーテル構造において、モルフォリン環が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。置換基は特に制限されない。例えば、アルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。
【0065】
ジモルフォリノジエチルエーテル構造を含むアミン触媒としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化5】
上記式(1)中、R
1、R
2はそれぞれ独立にアルキル基であり、m、nはそれぞれ独立に0、1又は2である。
ジモルフォリノジエチルエーテル構造を含むアミン触媒としては、具体的には例えば、ジモルフォリノジエチルエーテル、ジ(メチルモルフォリノ)ジエチルエーテル、ジ(ジメチルモルフォリノ)ジエチルエーテルが挙げられる。
アミン触媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0066】
アミン触媒の含有量は、本発明の効果により優れ、湿気硬化性に優れるという点で、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.02〜0.4質量部がより好ましく、0.08〜0.2質量部が更に好ましい。
【0067】
<任意成分>
(第3のカーボンブラック)
本発明の組成物は、本発明の効果により優れ、耐垂下性、硬化物性に優れるという点で、第3のカーボンブラックを更に含有することができる。
【0068】
本発明において、第3のカーボンブラックとは第1のカーボンブラック、第2のカーボンブラックとジブチルフタレート吸油量が異なるカーボンブラックを意味する。
第3のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量は、第1のカーボンブラック及び第2のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量の範囲外であれば、特に限定されない。
【0069】
第3のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量は、40cm
3/100gを超え、85cm
3/100g未満の範囲、又は、120cm
3/100gを超え140cm
3/100g以下の範囲が好ましい。
【0070】
また、第3のカーボンブラックの種類は特に制限されない。例えば、FEF(Fast Extruding Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、MT(Medium Thermal)が挙げられる。
第3のカーボンブラックとして使用することができる市販品としては、例えば、
#60HN(旭カーボン社製、DBP吸油量130cm
3/100g)、
ニテロン♯300IN(新日化カーボン社製、DBP吸油量126cm
3/100g)
#70L(旭カーボン社製、DBP吸油量75cm
3/100g)、
ニテロン200L(新日化カーボン社製、(DBP吸油量75cm
3/100g)、
#50HG(旭カーボン社製、DBP吸油量42cm
3/100g)が挙げられる。
【0071】
第3のカーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
第3のカーボンブラックを更に使用し、第3のカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量がkcm
3/100gであり、第3のカーボンブラックの含有量がウレタンプレポリマー100質量部に対してw質量部である場合、k×w(kとwとの積)が0以上650以下であることが好ましく、500以下がより好ましい。
なお、第3のカーボンブラックとして複数の種類のカーボンブラックを使用する場合、上記k×wは、各第3のカーボンブラックのk×wの合計とする。
【0072】
(添加剤)
本発明の組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外の充填剤、脂肪族イソシアネート以外のイソシアネート化合物、金属触媒及びアミン触媒以外の触媒、可塑剤、垂れ止め剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤などの添加剤を含有することができる。
【0073】
これらのうち、本発明の組成物はさらに可塑剤を含有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
可塑剤は、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
可塑剤の含有量は、組成物全量に対して、5〜35質量%であることが好ましい。
【0074】
本発明の組成物はその製造方法について特に限定されない。例えば、ウレタンプレポリマーとカーボンブラックと炭酸カルシウムと脂肪族イソシアネートと金属触媒とアミン触媒と必要に応じて使用することができる任意成分とを、室温下または加熱下(40〜60℃、例えば40℃)の条件下で、ロール、ニーダー、押出し機又は万能攪拌機等を用いて撹拌し混合することによって、本発明の組成物を製造することができる。
【0075】
本発明の組成物は、1液型である。
本発明の組成物は、湿気硬化することができる。例えば、大気中の湿気によって−20〜+50℃の条件下で硬化することができる。
【0076】
本発明の組成物を送液する際に使用されるポンプは特に制限されない。例えば、外歯車と内歯車がかみ合って回転する内接歯車方式のポンプが挙げられる。ポンプの市販品として、例えば、トロコイド(登録商標)ポンプ(日本オイルポンプ社製)が挙げられる。
【0077】
本発明の組成物の用途としては、接着剤が挙げられる。
本発明の組成物を適用することができる被着体は特に制限されない。例えば、金属(塗板を含む。)、プラスチック、ゴム、ガラスが挙げられる。
被着体に対してプライマーを使用せずに本発明の組成物を被着体に適用することができる。プライマーを使用しない被着体としては例えば、塗板が挙げられる。
塗板は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。塗板に使用される塗装は特に制限されない。
【0078】
本発明の組成物をウィンドウガラスとボディー(塗板)とを接着させるダイレクトグレージング方式に用いる場合、ボディーにはプライマーを使用せず、ボディーに直接本発明の組成物を塗布することができる。ガラス側にはプライマーを使用してもよい。被着体に使用されるプライマーは特に制限されない。
【実施例】
【0079】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<組成物の製造>
下記各表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、組成物を製造した。
【0080】
<評価>
上記のとおり製造された組成物を用いて以下の評価を行った。第1表に摩耗安定性の評価結果を示す。第2表及び第3表にはすべての評価結果を示す。
【0081】
・摩擦安定性
図1及び
図2に示す剪断装置を用いて摩擦安定性を評価した。
図1は本発明の実施例において摩擦安定性を評価するために使用された剪断装置の内部を模式的に表す平面図である。
図1において、剪断装置10は、外枠2が有する内空の中にリング1を有する。外枠2とリング1とのクリアランスCは0.1mmである。リング1の半径rは50mmである。リング1は軸3を有する。なお
図1において上蓋は剪断装置10から外されている。
【0082】
図2は、
図1のA−A断面図である。
図2では上蓋4が剪断装置10に取り付けられている。
図2おいて、剪断装置10は、外枠2の上下にそれぞれ上蓋4、下蓋5を有し、剪断装置10は密封される。
上蓋4は、剪断装置10の外部から外枠2が有する内空へ通じる材料充填口を有する。
下蓋5は、外枠2が有する内空から剪断装置10の外部へ通じる材料排出口を有する。
外枠2が有する内空の高さHは20mmである。リング1の高さは19.9mmである。
【0083】
摩擦安定性の評価は、まず、上蓋4が有する材料充填口から上記のとおり製造した組成物を注入し、下蓋5が有する材料排出口から組成物が排出したのち、下蓋5の材料排出口を閉じ、外枠2の内圧が8MPaになるまで組成物を外枠2の内空に注入し、上蓋4の材料充填口を閉じた。
次に、外枠2の内空に組成物を上記のとおり充填した状態で、50℃の条件下で、軸3及びリング1を
図1に示す矢印の方向に毎分500回転で4時間回転させた。
4時間後、上蓋4を外枠2から外して、外枠2が有する内空内部における硬化物の有無を目視で確認した。また、外枠2が有する内空内部の温度を温度センサーによって測定した。
外枠2が有する内空に硬化物がなかった場合を摩擦安定性に非常に優れると評価し、これを〇と表示した。
外枠2が有する内空に硬化物があったがリング1が試験終了まで回転し外枠2の温度が70℃以下の場合を摩擦安定性に優れると評価し、これを△と表示した。
外枠2が有する内空に硬化物がありリング1が試験途中で回転しなくなった場合または外枠2の温度が70℃を越えた場合を摩擦安定性が悪いと評価し、これを×と表示した。
【0084】
・SOD粘度
上記のとおり製造した組成物のSOD粘度(初期粘度)を、JASO M338−89に準拠して、圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。
【0085】
・粘度安定性
上記のとおり製造した組成物を容器に密封し、40℃で7日間貯蔵した後のSOD粘度(Pa・s)を測定し、貯蔵前のSOD粘度(初期粘度)からの粘度上昇率を算出した。上記粘度上昇率を貯安増粘率とする。
SOD粘度は、JASO M338−89に準拠して、圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。
貯安増粘率が30%以下である場合、粘度安定性(貯蔵安定性)に優れると評価できる。
【0086】
・TFT(タックフリータイム)
上記のとおり製造した組成物を23℃、50%RH(相対湿度)の条件下に置き、組成物(硬化物)の表面のべたつきを指で確認し、硬化開始から上記べたつきがなくなるまでの時間(分)を測定した。
【0087】
・耐垂下性
上記のとおり製造した各組成物を、ガラス板の上に、底辺6mm、高さ10mmの直角三角形ビードで帯状(長さ15cm)に押し出した。その後、上記の帯状の組成物の高さ10mmの辺が属する面が水平でありかつ帯状の組成物の上面に位置するように、ガラス板を垂直(90°の角度)に立て、ガラス板を固定し、ガラス板を垂直に保持したまま、20℃、65%相対湿度の条件下で30分放置した。
ガラス板を垂直にした後から30分の間に、各組成物の直角三角形の頂点が、下へ垂れ下がった距離h(mm)を測定し、この値で耐垂下性を評価した。
【0088】
・深部硬化速度
ポリエチレン製の枠(枠内の大きさは縦5cm×横5cm×高さ5cm)を準備し、この枠の中に気泡が入り込まないように枠内の高さまで上記のとおり製造された各組成物を流し込み、上端の大気に触れている組成物の表面を平らにならして試験体とした。この試験体をただちに23℃、50%湿度条件下におき、このときの時間を硬化時間を測定するための開始時間とした。
上記開始時間から6時間後に上記上端の大気に触れている表面(空気に面した面)を垂直に切り出し、未硬化の組成物(接着剤)を除去して、得られた硬化物の上記表面からの厚さ(単位mm)を測定した。
【0089】
・引っ張り弾性率
(サンプルの作製)
上記のとおり製造された各組成物を20℃、65%RHの条件下で336時間硬化させ、得られた硬化物からダンベル状3号形でサンプルを切りだし、厚さ3mmのサンプルを作製した。
【0090】
(引っ張り弾性率の測定)
上記のとおり作製したサンプルを用いて、JIS K 6251に準じて、23℃の条件下において引張速度500mm/分で引っ張り弾性率(単位:MPa)を測定した。応力10N、20Nの2点より引っ張り弾性率を算出した。引っ張り弾性率が8〜14MPaである場合、得られる硬化物の硬度が高い、つまり剛性が高いと言える。
【0091】
・初期接着発現性
(初期接着評価用サンプルの作製)
被着材としてガラス(縦25mm×横100mm×厚み0.8mm、プライマー処理済み、プライマーは商品名MS−90、横浜ゴム社製)を1枚準備した。上記各組成物を室温下で上記ガラスに塗布した。塗板NP(商品名O−1810、日本ペイント社製。プライマー無し)を上記ガラスと重ね合わせて両被着体を圧着した。上記塗板NPと上記ガラスとの接合部(塗板NPと上記ガラスとが重なる部分)の長さを10mmとした。接合部における組成物の厚さは3mmであった。上記圧着後、これを、20℃、65%RHの条件下に7日間おいて、初期接着評価用サンプルを作製した。
【0092】
(手剥離試験)
上記のとおり得られた初期接着評価用サンプルを用いてカッターナイフによる手剥離試験を実施した。
手剥離試験の結果、接着剤層の全体が凝集破壊した場合を「CF」と表示した。この場合初期接着性の発現に非常に優れる。
また界面剥離が確認された場合、初期接着性の発現に劣ると評価して、これを「×」と表示した。
【0093】
・促進硬化接着性
上記のとおり作製した各組成物を被着体(プライマー(MS−90、横浜ゴム社製)を塗布したガラス)に塗布し、塗布から3時間20℃、65%RHの条件下に置き、その後更に40℃、95%相対湿度の条件下で24時間置いて、促進硬化接着評価用サンプルを作製した。
上記のとおり得られた促進硬化接着評価用サンプルを用いて、上記の手剥離試験と同様の試験、評価を行った。
【0094】
・促進耐候接着性
上記のとおり得られた初期接着評価用サンプルを用いて、サンシャインウェザーメーター試験機による2,000時間の促進耐候試験を施した後、上記の手剥離試験と同様の試験、評価を行った。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
第1表又は第2表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
なお各表において、カーボンブラックの吸油量はジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)であり、その単位はcm
3/100gである。
また、各表においてウレタンプレポリマー1及び2の量はウレタンプレポリマーの正味の量である。
【0099】
・ウレタンプレポリマー1:ポリオキシプロピレンジオール(重量平均分子量2000)500g、ポリオキシプロピレントリオール(重量平均分子量5000)750g、および4,4′−ジイソシアネートフェニルメタン(分子量250)214gを混合し(この時NCO/OH=1.8)、更にフタル酸ジイソノニル160gを加えて、窒素気流中、80℃で24時間撹拌を行い、反応させて、イソシアネート基を1.95%含有するウレタンプレポリマー1を合成した。
【0100】
(第3のカーボンブラック)
・カーボンブラックE:商品名#60HN、旭カーボン社製、DBP吸油量130cm
3/100g
・カーボンブラックC:商品名ニテロン♯300IN、新日化カーボン社製、DBP吸油量126cm
3/100g
【0101】
(第2のカーボンブラック)
・カーボンブラックA:商品名ニテロン#300、新日化カーボン社製、DBP吸油量115cm
3/100g、ISAF級
・カーボンブラックB:商品名ニテロン#200、新日化カーボン社製、DBP吸油量101cm
3/100g、HAF級
【0102】
(第3のカーボンブラック)
・カーボンブラックD:商品名#70L、旭カーボン社製、DBP吸油量75cm
3/100g
・カーボンブラックH:商品名#50HG、旭カーボン社製、DBP吸油量42cm
3/100g
【0103】
(第1のカーボンブラック)
・カーボンブラックF:商品名ニテロン#20、新日化カーボン社製、DBP吸油量29cm
3/100g、FT級
・カーボンブラックG:商品名旭サーマル、旭カーボン社製、DBP吸油量28cm
3/100g、FT級
【0104】
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート、旭化成ケミカル社製
・HDI−ビュレット体:上記式(7)で表されるHDIビウレット体(D165N、三井武田ウレタン社製)
・HDI−イソシアヌレート体:上記式(8)で表されるHDIイソシアヌレート体(D170N、三井武田ウレタン社製)
・HDI−TMP変性体:上記式(5)で表されるHDI−TMP付加体(合成品)。なお、合成は、HDIを予め添加したフラスコ内に、NCO/OHが2.0となる当量比でTMPを撹拌しながら滴下し、その後、80℃で24時間反応させることにより行った。
【0105】
・炭酸カルシウムA:重質炭酸カルシウム、50%積算粒子径8.5μm(スーパーS、丸尾カルシウム社製)
・炭酸カルシウムB:重質炭酸カルシウム、50%積算粒子径2.2μm(商品名スーパー2000、丸尾カルシウム社製)
【0106】
・Sn触媒:ジオクチル錫ラウレート(ネオスタンU−810、日東化成社製)
・Bi触媒:無機ビスマス(ネオスタンU−600、日東化成社)
・Ti触媒:チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(オルガチックスTC−750、マツモトファインケミカル社製)
【0107】
・DMDEE:ジモルフォリノジエチルエーテル(サンアプロ社製)
・DMMDEE:ジ(メチルモルフォリノ)ジエチルエーテル(商品名U−CAT651M、サンアプロ社製)
・TEDA:トリエチレンジアミン(DABCO、エアプロダクツ社製)
【0108】
第1表に示すように、第2のカーボンブラックだけを含有する比較例1は、摩耗安定性が悪かった。
第2のカーボンブラックの含有量が特定の範囲を外れる比較例2、3は、摩耗安定性が悪かった。
ウレタンプレポリマーに対する炭酸カルシウムの含有量が特定の範囲を外れる比較例4は、摩耗安定性が悪かった。
ウレタンプレポリマーに対する炭酸カルシウムの含有量、並びに、含有量1及び含有量2の合計に対する炭酸カルシウムの含有量が特定の範囲を外れる比較例5は、摩耗安定性が悪かった。
含有量1及び含有量2の合計に対する炭酸カルシウムの含有量が特定の範囲を外れる比較例6は、摩耗安定性が悪かった。
【0109】
これに対して、第2表に示すように、本発明の組成物は、所望の効果が得られることが確認された。
【0110】
また、本発明の組成物において、脂肪族イソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートを変性した3官能の化合物Aである場合、高い剛性の硬化物が得られることが確認された(実施例1と実施例33との比較)。
【0111】
本発明の組成物において、第1のカーボンブラック及び第2のカーボンブラックが式(a)〜式(d)を満たす場合(実施例1〜25)、式(a)〜式(d)のいずれかを満たさない場合(実施例26〜32)よりも、摩耗安定性により優れ、組成物の粘度が低く、耐垂下性に優れ、又は、高い剛性の硬化物が得られることが確認された。
【0112】
本発明の組成物において、金属触媒が有機錫触媒を特定の含有量で含む場合、塗板に対してプライマーを施すことなしに組成物が塗板に接着する性能(初期接着発現性で評価できる)に優れ、組成物の硬化速度を高くでき、高い剛性の硬化物が得られることが確認された(実施例1と実施例34、35、40との比較)。
【0113】
本発明の組成物において、アミン触媒がジモルフォリノジエチルエーテル構造を有する化合物を特定の含有量で含む場合、組成物の粘度を低くし、耐垂下性に優れ、組成物の硬化速度を高くでき、高い剛性の硬化物が得られることが確認された(実施例1、21と実施例36との比較)。
【0114】
【表4】
【0115】
第3表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
【0116】
・ウレタンプレポリマー2:ポリオキシプロピレンジオール(重量平均分子量2000)200g、ポリオキシプロピレントリオール(重量平均分子量4000)300g、および4,4′−ジイソシアネートフェニルメタン(分子量250)92gを混合し(この時NCO/OH=1.7)、更にフタル酸ジイソノニル130gを加えて、窒素気流中、80℃で24時間撹拌を行い、反応させて、イソシアネート基を1.95%含有するウレタンプレポリマー2を合成した。
【0117】
(第1のカーボンブラック)
・カーボンブラックF:商品名ニテロン#20、新日化カーボン社製、DBP吸油量29cm
3/100g、FT級
【0118】
(第2のカーボンブラック)
・カーボンブラックA:商品名ニテロン#300、新日化カーボン社製、DBP吸油量115cm
3/100g、ISAF級
【0119】
・HDI−ビュレット体:上記式(7)で表されるHDIビウレット体(D165N、三井武田ウレタン社製)
【0120】
・炭酸カルシウムA:重質炭酸カルシウム、50%積算粒子径8.5μm(スーパーS、丸尾カルシウム社製)
【0121】
・Sn触媒:ジオクチル錫ラウレート(ネオスタンU−810、日東化成社製)
【0122】
・DMDEE:ジモルフォリノジエチルエーテル(サンアプロ社製)
【0123】
第3表に示す結果から明らかなように、第1のカーボンブラックの含有量が特定の範囲を外れる比較例1は、摩耗安定性が悪かった。
【0124】
これに対して、第3表において、本発明の組成物は、所望の効果が得られることが確認された。