(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記冷却ファンの吹出口の内側の領域にある複数の点を、前記吹出口から気流が吹き出す方向へ平行移動させた仮想の複数の軌跡は、前記第一ベースと交わる軌跡と、前記第二通気口を通過する軌跡とを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明装置。
前記電源装置は、前記冷却ファンを駆動するファン駆動回路を備え、前記ファン駆動回路は前記電源筐体に収納されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得る。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による照明装置1Aを斜め上から見た斜視図である。
図2は、実施の形態1による照明装置1Aを斜め下から見た斜視図である。
図3は、実施の形態1による照明装置1Aの断面斜視図である。
図4は、実施の形態1による照明装置1Aの機能ブロック図である。これらの図に示す実施の形態1の照明装置1Aは、天井に設置され、下へ向けて光を照射することで、照明装置1Aよりも下の空間を照らす用途に好ましく使用できる。以下の説明では、照明装置1Aが使用されるときの姿勢を基準として、上及び下の方向を特定する。照明装置1Aは、例えば数千ルーメンから数万ルーメンの光束を発する装置として好適に使用可能である。照明装置1Aは、特に、工場、倉庫、体育館、競技施設などの高い天井に設置して使用することに適する。
【0012】
照明装置1Aは、第一ベース2、発光素子3、放熱フィン4、第二ベース5、冷却ファン6、及び電源装置7を備える。第一ベース2は、全体として実質的に板状の形状を有する。第一ベース2は、上面及び下面を備える。照明装置1Aの使用時には、第一ベース2の上面及び下面は実質的に水平になる。本実施の形態において第一ベース2に対して垂直な方向から見たときの第一ベース2の形状は、長方形または正方形である。第一ベース2は、縁部に形成されたリブ2aを有する。リブ2aは、第一ベース2の上面に対して垂直上方に突出する。リブ2aを設けたことにより第一ベース2の強度及び剛性を向上できる。
【0013】
図2に示すように、第一ベース2の下に複数の発光素子3が配置されている。発光素子3は、照明装置1Aから下へ向けて光を照射する。本実施の形態における発光素子3は、発光ダイオード(LED)を備える。発光素子3は、第一ベース2の下面に対して熱伝導可能となるように設けられている。発光素子3で発生した熱は、第一ベース2へ熱伝導する。発光素子3は、第一ベース2の下面に対して熱伝導性材料を介して接触してもよい。発光素子3が下面に実装された光源基板(図示省略)の上面が、第一ベース2の下面に、直接に、または熱伝導性材料を介して、接触してもよい。熱伝導性材料は、例えば、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤、熱伝導性両面粘着テープのいずれかでもよい。発光素子3が実装された光源基板と第一ベース2とが一体的に形成されてもよい。
【0014】
本実施の形態における発光素子3は、チップ・オン・ボード(COB)タイプのLED光源である。本実施形態であれば、COBタイプのLED光源を発光素子3として用いたことで、以下の効果が得られる。LEDの実装面積を小さくすることが可能であり、照明装置1Aの大きさも小さくすることが可能である。その結果、照明装置1A全体を小型化及び軽量化することができる。複数の青色系のLEDベアチップを配置し、黄色系蛍光体混合の樹脂材料で封止した白色発光のCOBタイプのLED光源を発光素子3として用いてもよい。
【0015】
本発明において、発光素子3は、COBタイプのLED光源でなくてもよく、他の各種のものを用いてよいことは言うまでもない。例えば、発光素子3は、表面実装型LEDパッケージでもよいし、砲弾型LEDパッケージでもよいし、配光レンズ付きLEDパッケージでもよいし、チップ・スケール・パッケージのLEDでもよい。所望の光束を得るために必要な複数のLEDパッケージを分散して配置することにより、光源温度の上昇の抑制に有利になり、より効率の高い照明装置1Aを得ることができる。また、発光素子3は、LEDを備えるものに限らず、例えば、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子、半導体レーザなどを備えるものでもよい。
【0016】
図1及び
図3に示すように、第一ベース2の上に複数の放熱フィン4が配置されている。第一ベース2及び放熱フィン4は、発光素子3で発生した熱を周囲の空気へ散逸させることにより、発光素子3を冷却する。第一ベース2及び放熱フィン4は、ヒートシンクに相当する。放熱フィン4は、第一ベース2の上面から突出する。放熱フィン4は、第一ベース2の上面に対して垂直である。本実施の形態における放熱フィン4は、板状の形状を有する。複数の放熱フィン4が互いに平行に配置されている。図示の構成に代えて、放熱フィン4は、ピン形の形状を有するピンフィンでもよい。発光素子3で発生した熱は、第一ベース2へ熱伝導し、第一ベース2から放熱フィン4へさらに熱伝導する。第一ベース2及び放熱フィン4の表面から周囲の空気へ熱が散逸する。第一ベース2及び放熱フィン4によってヒートシンクの表面積を大きくすることで、発光素子3で発生した熱を効率良く散逸させることができる。その結果、発光素子3の温度を低くできるので、発光素子3のエネルギー効率すなわち発光効率が向上するとともに、発光素子3の寿命を長くできる。変形例として、第一ベース2から放熱フィン4へ熱を移動させるヒートパイプが備えられてもよい。
【0017】
第一ベース2及び放熱フィン4は、軽量かつ熱伝導率の高い金属材料で作られていることが望ましい。そのような金属材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム系合金、銅系合金、ステンレス鋼などが挙げられる。本実施の形態の放熱フィン4は、シートメタルを折り曲げて作られている。これにより、軽量化が図れる。第一ベース2に放熱フィン4を固定する方法は、例えば、カシメ固定、ねじ止め、接着、溶接、ろう接など、いかなる方法でもよい。また、第一ベース2及び放熱フィン4を、例えばダイカスト方式などにより、一体成形してもよい。
【0018】
複数の放熱フィン4の上に第二ベース5が配置されている。本実施の形態における第二ベース5は、全体として板状の形状を有する。変形例として、第二ベース5の少なくとも一部が、例えば格子状のような、板状以外の形状を有していてもよい。第二ベース5は、複数の放熱フィン4に接触することなく複数の放熱フィン4の上を覆う。本実施の形態であれば、第二ベース5を備えたことで、以下の効果が得られる。照明装置1Aの上から降りかかる埃あるいは油分等を第二ベース5で受けることで、埃あるいは油分等からなる汚れが第一ベース2の上面及び複数の放熱フィン4の表面に付着及び堆積することを防止できる。上記汚れの影響による第一ベース2及び放熱フィン4の放熱効率の低下を確実に軽減できる。照明装置1Aが天井のような高所に設置された場合には、第一ベース2及び放熱フィン4の頻繁な清掃を行うことが困難である。第一ベース2及び放熱フィン4を頻繁に清掃しなくても、上記汚れが第一ベース2及び放熱フィン4の第一ベース2の上面及び複数の放熱フィン4の表面に堆積することを第二ベース5により防止できる。
【0019】
本実施の形態では、上から見たときに、第二ベース5は、実質的に第一ベース2の全体を覆う。第二ベース5は、第一ベース2に対して平行に位置する。照明装置1Aの使用時には、第二ベース5は実質的に水平になる。第二ベース5の下面は、複数の放熱フィン4を介して、第一ベース2の上面に対向する。本実施の形態において第二ベース5を上から見た形状は、長方形または正方形である。第二ベース5は、縁部に形成されたリブ5a,5bを有する。リブ5a,5bは、第二ベース5の下面に対して垂直下方に突出する。リブ5a,5bを設けたことにより第二ベース5の強度及び剛性を向上できる。
【0020】
第一ベース2と第二ベース5との間に第一通気口8及び第二通気口9が形成されている。第一通気口8と第二通気口9との間に複数の放熱フィン4が位置する。冷却ファン6は、第一ベース2及び放熱フィン4を冷却する気流を発生させる。冷却ファン6は、第一通気口8に面して配置されている。第一通気口8及び第二通気口9は、複数の放熱フィン4を介して、互いに反対側にある。各々の放熱フィン4の表面は、第一通気口8と第二通気口9とをつなぐ方向に対して平行である。本実施の形態において冷却ファン6は、プロペラファンと、このプロペラファンを回転させる電動機とを有する軸流ファンである。冷却ファン6の中心線は、第一ベース2及び第二ベース5に対して平行である。冷却ファン6のプロペラファンの回転軸は、第一ベース2及び第二ベース5に対して平行である。冷却ファン6から気流が吹き出される方向は、第一ベース2及び第二ベース5に対して平行である。冷却ファン6の下端は、第一ベース2とほぼ同じ高さにある。冷却ファン6の上端は、第二ベース5とほぼ同じ高さにある。
【0021】
電源装置7は、第二ベース5に固定されている。電源装置7は、発光素子3を点灯させる電流を供給する光源駆動回路7aと、冷却ファン6を駆動する電流を供給するファン駆動回路7bとを有する。
図3に示すように、電源装置7は、電子回路基板7c及び電源筐体7dを備える。電源筐体7d内に電子回路基板7cが収納されている。電源筐体7dは、実質的に直方体の形状を有する。電子回路基板7cは、例えば、半導体素子、リアクトル、抵抗、コンデンサのような、発熱する電気部品を有する。電子回路基板7cにより、光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bが構成されている。変形例として、光源駆動回路7aの電子回路基板と、ファン駆動回路7bの電子回路基板とが分離していてもよい。他の変形例として、冷却ファン6の内部にファン駆動回路7bを設置してもよい。
【0022】
電源装置7の底部は、第二ベース5に支持されている。電源筐体7dの底面が第二ベース5の上面に接触している。電源筐体7dの底面が第二ベース5の上面に対して熱伝導性材料を介して接触してもよい。熱伝導性材料は、前述したものと同様である。変形例として、電源筐体7dの底面が第二ベース5と一体化していてもよい。電源装置7が備える電気部品から発生する熱は、電源筐体7dに伝わり、電源筐体7dの表面から周囲の空気へ散逸する。電源筐体7dに伝わった熱の一部は、さらに第二ベース5へ熱伝導し、第二ベース5の表面、特に第二ベース5の下面から空気へ散逸する。このようにして電源装置7が冷却されることで、電源装置7の効率の低下を防止できる。
【0023】
冷却ファン6が運転されると、以下のようになる。冷却ファン6により発生する気流が第一通気口8及び第二通気口9を通過する。冷却ファン6は、照明装置1Aの外部の空気を、第一通気口8から照明装置1Aの内部空間へ送り込む。照明装置1Aの内部空間は、第一ベース2と第二ベース5との間の空間である。冷却ファン6により照明装置1Aの内部空間へ送り込まれた空気は、第二通気口9から照明装置1Aの外部へ排出される。このようにして、第一通気口8と第二通気口9との間の空間に空気が流れる。この気流には、第一ベース2の上面に沿って流れる気流と、各々の放熱フィン4の表面に沿って流れる気流と、第二ベース5の下面に沿って流れる気流とが含まれる。冷却ファン6による気流が第一ベース2の上面及び放熱フィン4の表面に沿って流れることで、発光素子3の熱をより効率良く散逸させることができ、発光素子3の温度をより低くすることができる。冷却ファン6による気流が第二ベース5の下面に沿って流れることで、電源装置7の熱をより効率良く散逸させることができ、電源装置7の効率の低下をより確実に防止できる。本実施の形態では、冷却ファン6から吹き出される空気の実質的に全量が第一通気口8から照明装置1Aの内部空間へ流入する。すなわち、冷却ファン6から吹き出される空気の実質的に全量が、第一ベース2と第二ベース5との間の空間を通過する。
【0024】
支柱10は、第一ベース2と第二ベース5との間を連結する。支柱10は、第一ベース2に固定された下端と、第二ベース5に固定された上端とを有する。第一ベース2及び第二ベース5の四隅にそれぞれ支柱10が設けられている。すなわち、4本の支柱10により第一ベース2と第二ベース5とが連結されている。支柱10及び第二ベース5により、照明装置1Aの強度及び剛性を高めることができる。支柱10及び第二ベース5により、電源装置7の重量を確実に支えることができる。体育館または競技施設で照明装置1Aが使用されると、競技用のボールが照明装置1Aへ飛んできて衝突する可能性がある。ボールが照明装置1Aに衝突しても、上記のようにして照明装置1Aの強度及び剛性を向上したことで、照明装置1Aへのダメージを確実に軽減できる。本実施の形態において支柱10は、L字型の断面形状を有する。これにより、支柱10が軽量かつ高剛性となる。支柱10と、第一ベース2及び第二ベース5との間の固定方法は、例えば、ねじ止め、溶接、ろう接、接着、嵌合など、いかなる方法でもよい。
【0025】
第一通気口8は、第一ベース2の第一の辺と、第二ベース5の第一の辺と、2本の支柱10とにより囲まれることで形成されている。第二通気口9は、第一ベース2の第一の辺の反対側の第二の辺と、第二ベース5の第一の辺の反対側の第二の辺と、2本の支柱10とにより囲まれることで形成されている。
【0026】
本実施の形態であれば、冷却ファン6により対流を発生させることで、発熱源となる発光素子3及び電源装置7の双方を効率良く同時に冷却することができる。
図3に示すように、本実施の形態において、冷却ファン6による強制対流の方向D1は、冷却ファン6から放熱フィン4へ向かう方向である。変形例として、その逆方向、すなわち放熱フィン4から冷却ファン6へ向かう方向を、冷却ファン6による強制対流の方向としてもよい。冷却ファン6により、外部から流入した冷気が対流を起こすことで、第一ベース2、放熱フィン4及び第二ベース5からの熱を受けた空気を照明装置1Aの外部空間へ効率良く逃がすことができる。これにより、発光素子3及び電源装置7の温度を低下させることができる。冷却ファン6は、例えば、第一ベース2、第二ベース5、支柱10の少なくとも一つに取り付けることで固定される。冷却ファン6を固定する方法は、例えば、ねじ止め、接着、溶接、スナップフィット、ホルダへの収納など、いかなる方法でもよい。
図1に示す例では、以下のように構成される。複数のねじ16により、冷却ファン6が、第一ベース2の四辺のうちの冷却ファン6に対向する辺のリブ2aと、第二ベース5の四辺のうちの冷却ファン6に対向する辺のリブ5bとに対して取り付けられている。冷却ファン6は、ファン回転軸の方向から見て正方形の筐体を有し、当該筐体の四隅に形成された貫通孔のそれぞれにねじ16が挿通している。
【0027】
なお、
図3は、冷却ファン6の中心線を含み、第一ベース2に対して垂直な平面で照明装置1Aを切断した断面図に相当する。換言すれば、
図3は、冷却ファン6による強制対流の方向D1に平行かつ、第一ベース2に対して垂直な平面で照明装置1Aを切断した断面図に相当する。
【0028】
変形例として、本実施の形態のような軸流ファンに代えて、遠心ファン、斜流ファン、横流ファンなどを冷却ファン6として用いてもよい。冷却ファン6は、強制空冷方式となるファンであればいかなるものでもよい。冷却ファン6は、その吹出口または吸込口が第一通気口8に面して配置されればよい。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態において照明装置1Aは、第一サポート11及び第二サポート12を備える。第一サポート11は、第一ベース2に対して固定されている。第一サポート11は、第一ベース2の両側にそれぞれ設置されている。第一ベース2の四辺のうち、第一通気口8及び第二通気口9を形成しない、平行な二辺にそれぞれ第一サポート11が設置されている。第一サポート11と第一ベース2との間の固定方法は、例えば、ねじ止め、溶接、ろう接、接着、嵌合など、いかなる方法でもよい。第一サポート11は、第一ベース2及び第二ベース5の両方に対して固定されていてもよい。また、第一サポート11は、第一ベース2と一体になっていてもよい。
【0030】
第二サポート12は、細長い板状の固定部12aと、固定部12aの両端から突出する一対の腕部12bとを有する。各腕部12bは、固定部12aの長手方向に対して垂直な方向に突出する。各腕部12bの先端部分には、円弧状に湾曲した長孔12cが形成されている。第二サポート12は、第一サポート11に対して、回転可能に連結されている。第二サポート12の回転軸の位置は、長孔12cの円弧に沿う円の中心の位置である。図示しないボルトが長孔12cを通って第一サポート11のネジ孔に対して締め付けられることで、第二サポート12が第一サポート11に対して回転しないように強固に固定される。第二サポート12の固定部12aは、建造物の天井または梁などの取付面に固定される。固定部12aには、その固定用のボルトを通すための孔が形成されている。
図1の状態では、固定部12aが第一ベース2及び第二ベース5に対して平行である。取付面が水平である場合には、
図1の状態で第二サポート12の固定部12aが取付面に対して固定される。このようにすることで、第一サポート11及び第二サポート12により取付面に対して照明装置1Aが適正な姿勢で固定される。取付面が、水平面に対して傾斜した傾斜面である場合には、その傾斜面に対して第二サポート12の腕部12bが垂直になるように、第一サポート11に対する第二サポート12の角度を変えることができる。すなわち、腕部12bの長孔12cを通るボルト(図示省略)を緩めると、第二サポート12が第一サポート11に対して回転可能になり、第二サポート12を第一サポート11に対して傾斜させることができる。第二サポート12が第一サポート11に対して傾斜すると、長孔12cに対して当該ボルトが相対的に移動する。当該ボルトを再び締め付けることで、第二サポート12を任意の傾斜角度で第一サポート11に対して固定できる。取付面が傾斜面である場合には、第二サポート12を第一サポート11に対して傾斜させて固定することで、照明装置1Aを適正な姿勢で設置できる。
【0031】
第二ベース5、電源筐体7d、支柱10、第一サポート11及び第二サポート12は、高い強度及び熱伝導率を有する金属材料で作られていることが望ましい。当該金属材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム系合金、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0032】
図3に示すように、照明装置1Aは、電源装置7から発光素子3へ電力を供給するケーブル13を備える。ケーブル13は、防水性を有するように、ゴム系材料等で覆われることが望ましい。電源装置7からケーブル13を介して発光素子3に電流を流すことで、発光素子3が点灯する。なお、
図3は、ケーブル13が途中で切断された状態を示す。また、電源装置7と冷却ファン6との間も図示しないケーブルにより接続され、当該ケーブルを介して電源装置7から冷却ファン6に電流を流すことで、冷却ファン6が回転する。
【0033】
図2及び
図3に示すように、本実施の形態の照明装置1Aは、リフレクター14及び透光カバー15を備える。リフレクター14は、各発光素子3の周囲に反射面を形成する。当該反射面は、各発光素子3の発光面の周囲に、円錐面状に形成される。各発光素子3から側方に照射された光を、リフレクター14の反射面が、下方に向けて反射させる。これにより、照明装置1Aから下方に照射される光量を増加させることができる。リフレクター14の少なくとも反射面は、反射率が高く、吸収率が低い、白色系の材料もしくは白色系塗装がされた材料で構成されていることが望ましい。
【0034】
透光カバー15は、第一ベース2の下に固定されている。透光カバー15は、複数の発光素子3及びリフレクター14の全体を覆う。発光素子3からの光、及びリフレクター14で反射した光は、透光カバー15を透過して、照明装置1Aの外部へ照射される。透光カバー15は、発光素子3及びリフレクター14を、汚れあるいは水などから確実に保護する。透光カバー15を設けたことで、発光素子3の劣化あるいは故障を確実に防止することができる。透光カバー15は、光を正透過させる、透明材料で作られていることが望ましい。または、透光カバー15は、光を拡散透過させるものでもよい。透光カバー15は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂材料、またはガラス材料で作られていてもよい。透光カバー15の表面に、経年劣化の抑制に有利な、例えばハードコート処理のようなコーティング処理が施されてもよい。透光カバー15は、防水性を有してもよい。透光カバー15と第一ベース2との接合部に、防水性を有するシール材または接着剤が備えられてもよい。当該シール材または接着剤は、例えば、軟性樹脂材料、シリコーン系などのシーリング材料、ゴム系材料などで構成されてもよい。
【0035】
図4に示すように、本実施の形態において電源装置7は、光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bに加えて、制御部7eをさらに備える。制御部7eは、光源駆動回路7aを介して、光源部17を駆動する。制御部7eは、ファン駆動回路7bを介して、冷却ファン6を駆動する。制御部7eは、プロセッサ7f及びメモリ7gを備える。典型的には、制御部7eは、マイクロコンピュータを含んだ構成を有する。制御部7eは、電源筐体7d内に設けられている。制御部7eは、電子回路基板7cに設けられている。変形例として、制御部7eを構成する電子回路基板と、光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bを構成する電子回路基板とが分離していてもよい。
【0036】
光源部17は、複数の発光素子3により構成される。
図4の例では、光源部17において複数の発光素子3が直列方式で接続されている。この例に代えて、光源部17における複数の発光素子3は、並列方式で接続されていてもよいし、直並列方式で接続されていてもよい。
【0037】
光源駆動回路7aは、光源部17の発光素子3に電流を流す。光源駆動回路7aは、照明装置1Aの外部の交流電源100から供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路を備える。電源回路は、例えば、半導体スイッチ素子を用いたスイッチング電源を備えるものでもよい。交流電源100は、典型的には商用電源である。光源駆動回路7aは、制御部7eからの指令に応じて、発光素子3に流れる電流を調整することで、発光素子3から発せられる光束を調整可能である。これにより、照明装置1Aによる照度及び輝度を調整可能である。
【0038】
光源部17の発光素子3の温度に相関する温度を以下「光源温度」と称する。光源温度センサ18は、光源温度を検出する。光源温度センサ18は、光源温度検出手段の例である。第一ベース2または放熱フィン4の温度は、発光素子3の温度に相関する。よって、光源温度センサ18を第一ベース2または放熱フィン4に取り付けることで光源温度を検出できる。あるいは発光素子3自体に光源温度センサ18を取り付けてもよい。光源温度センサ18により検出された光源温度の情報は、制御部7eに入力される。制御部7eは、光源温度センサ18により検出された光源温度の情報に基づき、光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bを個別に制御可能である。
【0039】
ファン駆動回路7bは、制御部7eからの指令に応じて、冷却ファン6の電動機に電力を供給する。ファン駆動回路7bは、冷却ファン6の電動機に供給する電力の、電流、電圧及び周波数のうちの少なくとも一つを調整することで、冷却ファン6の回転速度を調整可能である。冷却ファン6の回転速度を以下「ファン速度」と称する。ファン速度を検出するファン速度センサ19が冷却ファン6に備えられている。ファン速度センサ19は、ファン速度検出手段の例である。
【0040】
以下の説明では、光源部17の発光素子3に供給される直流電流の電流値を「光源電流」と称する。ファン速度センサ19により検出されたファン速度の情報は、ファン駆動回路7bを介して、制御部7eに入力される。制御部7eは、ファン速度センサ19により検出されたファン速度の情報に基づき、光源駆動回路7aを制御することにより、光源電流を制御することができる。制御部7eは、光源温度センサ18により検出された光源温度の情報に基づき、光源駆動回路7aを制御することにより、光源電流を制御することができる。さらに、制御部7eは、当該光源温度の情報に基づき、ファン駆動回路7bを制御することにより、冷却ファン6のファン速度を制御することができる。
【0041】
図5は、発光素子3が発する光束と、光源電流と、光源温度との関係を示す図である。
図5に示すように、発光素子3は、以下のような特性を有する。光源電流を増加させると光束が増加する。光源電流が等しい場合には、光源温度が高い条件よりも、光源温度が低い条件の方が、光束が大きくなる。所定の光束を得るためには、光源電流を制御すると共に、光源温度を制御する必要がある。
【0042】
本実施の形態では、光源温度の情報に基づき、制御部7eが光源駆動回路7aを制御することで、光源電流と光源温度の両方を制御することが可能である。以下、制御の例について説明する。
【0043】
(例1)前述の通り、所定の光束を得るためには、光源電流と光源温度の両方を制御する必要がある。例えば、光源電流が一定となるように光源駆動回路7aを制御した場合には、光源温度の変化に応じて光束が変化するため、光源温度を一定にする必要がある。この場合、制御部7eは、光源温度センサ18により検出される光源温度が一定となるように、ファン駆動回路7bにより冷却ファン6のファン速度を制御することで、光源温度を一定にすることができる。つまり、光源電流が一定かつ光源温度が一定となるように、制御部7eが光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bを制御することにより、一定の光束が得られる照明装置1Aを提供することができる。一定の光束を得ることで、一定の照度及び輝度が得られる。変形例として、制御部7eは、光源温度センサ18により検出される光源温度が一定となるように、冷却ファン6のオン/オフを制御してもよい。
【0044】
(例2)別の例として、光源温度が所定温度以下の範囲で照明装置1Aが点灯している場合を想定する。この所定温度とは、発光素子3の使用可能な温度範囲内であると共に、発光素子3をこの所定温度で長時間点灯させた場合に、所期の光束が得られ、所期の寿命時間を達成できるような温度である。光源温度が所定温度以下の範囲で照明装置1Aが点灯している場合には、光源温度が低いほど光源電流を低くし、光源温度が高いほど光源電流を高くするように、制御部7eが光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bを制御することにより、一定の光束が得られる。一定の光束を得ることで、一定の照度及び輝度が得られる。この例2によれば、冷却ファン6の運転時間及びファン速度の少なくとも一方を低減できる。その結果、冷却ファン6の寿命を延長することができ、照明装置1Aの信頼性をさらに向上できる。
【0045】
制御部7eがファン駆動回路7bを介して冷却ファン6を運転するように指令している状態で、ファン速度センサ19により検出されたファン速度がゼロまたは非常に低速である場合には、例えば経年劣化または寿命により、冷却ファン6が故障していると考えられる。このようにして、制御部7eは、冷却ファン6の故障、経年劣化、あるいは寿命の到来のような、冷却ファン6の異常を検出することが可能である。
【0046】
冷却ファン6の異常が検出された場合には、制御部7eは、冷却ファン6の異常がない場合よりも光源電流が低くなるように光源駆動回路7aを制御してもよい。冷却ファン6の異常が検出された場合には、制御部7eは、光源温度センサ18で検出される光源温度が所定温度以下になるように、光源電流を低減させてもよい。上記のようにすることで、冷却ファン6の異常が発生した場合に、光源温度が大幅に上昇することを確実に防止できるので、発光素子3の熱劣化を確実に防止できる。
【0047】
制御部7eは、端末装置60との間でデータ通信が可能となるように構成されていてもよい。端末装置60は、照明装置1Aをユーザーが遠隔操作可能となるように構成されている。制御部7eと端末装置60との間の通信方式は、有線通信でもよいし無線通信でもよい。端末装置60は、ユーザーが操作するための操作部61と、文字、図形、キャラクタ等を表示することで情報を報知するディスプレイ62とを備える。端末装置60は、ユーザー操作に応じて、例えば、照明装置1Aの点灯、消灯、調光などに関する指令を制御部7eに送信可能である。例えばタッチスクリーンにより操作部61及びディスプレイ62が一体に構成されてもよい。ディスプレイ62は、報知手段の例である。端末装置60は、ディスプレイ62に加えて、またはディスプレイ62に代えて、例えば音声出力装置などの他の報知手段を備えてもよい。端末装置60は、部屋の壁などに固定されるものでもよい。端末装置60は、持ち運び可能な携帯端末でもよい。端末装置60と制御部7eとが直接的に通信可能でもよい。端末装置60と制御部7eとが、例えば照明制御システムのコントローラのような他の機器またはネットワークを経由して、間接的に通信可能でもよい。
【0048】
照明装置1Aが使用される環境または照明装置1Aからの光を受ける環境に関する情報を検出する環境センサ(図示省略)から受け取った情報に基づいて制御部7eが光源駆動回路7a及びファン駆動回路7bを制御してもよい。すなわち、環境センサで検出された情報に基づいて、制御部7eが、発光素子3の点灯、消灯、調光などを制御したり、冷却ファン6の動作を制御したりしてもよい。環境センサは、例えば、環境の気温を検出する気温センサ、環境の明るさを検出する明るさセンサ、環境にいる人を検出する人感センサのうちの少なくとも一つでもよい。例えば、以下のようにしてもよい。
【0049】
環境センサとしての気温センサにより気温を検出し、気温が比較的高い場合には、気温が比較的低い場合に比べて、冷却ファン6のファン速度が高くなるように制御部7eが制御してもよい。環境センサとしての明るさセンサにより環境の明るさを検出し、環境の明るさが一定になるように照明装置1Aからの光出力を制御部7eが増減してもよい。環境センサとしての人感センサが人を検出した場合に、制御部7eが照明装置1Aを点灯させてもよい。人感センサが人を検出していない場合に、制御部7eが照明装置1Aを減光または消灯させてもよい。
【0050】
本実施の形態1によれば、以下のような効果を奏する。
(効果1)冷却ファン6を照明装置1Aの側面に配置したことで、照明装置1Aの内部に冷却ファン6を設置する空間を設ける必要がない。仮に、放熱フィン4の上、または電源装置7の上にファンを配置すると、ファンの設置空間を設ける必要があり、かつ、少なくともファンの厚さ寸法の分だけ、照明装置1Aの高さ寸法が大きくなる。そのような構成に比べて、照明装置1Aの高さ寸法を小さくすることができる。その結果、照明装置1Aを天井などに設置する際の施工性が良好になる。さらに、地震のときに照明装置1Aの振幅を低減でき、耐震性を向上できる。
【0051】
(効果2)冷却ファン6により、第一ベース2、放熱フィン4、及び電源装置7からの熱の散逸を促進できる。これにより、発光素子3及び電源装置7の両方を効果的に冷却できる。その結果、発光素子3の高効率化、長寿命化、及び大光束化が図れる。また、第一ベース2及び放熱フィン4からなるヒートシンクの小型化及び軽量化が図れる。さらに、電源装置7の小型化及び高効率化が可能となる。
【0052】
(効果3)冷却ファン6を照明装置1Aの側面に配置したことで、平行に配置された板状の複数の放熱フィン4により、効果的に風路を形成できる。平行に配置された板状の複数の放熱フィン4を含むヒートシンクは、簡易的かつ安価な製造方法により製造できる。例えば、押出成形により当該ヒートシンクを製造することもできる。これに対し、ヒートシンクの上にファンを配置する構成の場合には、効果的に風路を確保するためには、コストが比較的高いピンフィンを設けたり、重量化しやすい鋳造型のヒートシンクを選択したりせざるを得ない可能性がある。
【0053】
(効果4)電源装置7において、発光素子3を点灯させる光源駆動回路7aと、冷却ファン6を駆動するファン駆動回路7bとの双方を制御部7eが制御可能であることで、以下のような効果が得られる。設置環境に合わせて、冷却ファン6を適切に駆動できる。照明装置1Aの周囲の温度、あるいは光源温度に応じて、冷却ファン6のファン速度を制御できる。例えば工場のような、高温になりやすい環境においても、発光素子3及び冷却ファン6の長寿命化が可能となる。
【0054】
(効果5)冷却ファン6を照明装置1Aの側面に配置したことで、照明装置1Aの組み立てが容易となる。冷却ファン6の有無で製品展開することが容易であり、製品の標準化に寄与する。例えば、冷却ファン6を備えず、器具光束が1万ルーメンである照明装置に対して、冷却ファン6を付加することで、光源電流を増やすことが可能となり、例えば器具光束が1万5千ルーメンの照明装置1Aを達成できる。このように、冷却ファン6の有無により、異なる性能の照明装置を簡易かつ低コストで製造できる。
【0055】
(効果6)照明装置1Aを上から見たときに、第一ベース2の外縁の内側に電源筐体7dの全体が位置する。これにより、以下のような効果が得られる。照明装置1Aの実質的な占有空間を削減できるので、省スペースで照明装置1Aを配置できる。照明装置1Aの重量バランスが良好になるので、地震のときの照明装置1Aの振幅を低減でき、耐震性をさらに向上できる。また、照明装置1Aを上から見たときに、第二ベース5の外縁の内側に電源筐体7dの全体が位置する。これにより、上記効果をさらに顕著に奏することができる。
【0056】
実施の形態2.
次に、
図6を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図6は、実施の形態2による照明装置1Bを斜め上から見た斜視図である。
【0057】
図6に示すように、実施の形態2の照明装置1Bが備える冷却ファン6は、実施の形態1よりもやや高い位置に設置されている。冷却ファン6の上端は、第二ベース5よりも高い位置にある。冷却ファン6の下端は、第一ベース2と第二ベース5との間の高さにある。冷却ファン6は、電源筐体7dに対して、2本のねじ16により固定されている。冷却ファン6は、電源筐体7dに対向する部分と、第一通気口8に対向する部分とを有する。
【0058】
冷却ファン6により発生する気流のうちの一部の気流は、電源筐体7dの表面に当たる。電源筐体7dは、第一通気口8と同じ方向を向く側面を有する。冷却ファン6により発生する気流のうちの一部の気流は、電源筐体7dの当該側面に当たる。冷却ファン6により発生する気流のうちの残りの気流は、実施の形態1の気流と同じように、第一通気口8から、第一ベース2と第二ベース5との間の空間に流入し、第二通気口9から外部へ排出される。
【0059】
実施の形態2によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。冷却ファン6により発生する気流のうちの一部の気流が、電源筐体7dの表面に当たることで、電源筐体7dの表面からの熱の散逸をさらに促進できる。その結果、電源装置7が備える電気部品の温度をさらに低くすることができ、電源装置7の効率をさらに向上できる。また、冷却ファン6が比較的高い位置にあることで、放熱フィン4の上側部分、すなわち放熱フィン4の先端部分に、より多くの冷却風が流れる。これにより、発光素子3の放熱が改善する効果も奏する。
【0060】
冷却ファン6は、第二ベース5には固定されておらず、電源筐体7dにねじ16で固定されている。第二ベース5の四辺のうちの冷却ファン6に対向する辺のリブ5bが設けられていない。本実施の形態であれば、第二ベース5に冷却ファン6をねじ16で固定する必要がないので、第二ベース5のリブ5bを省略できる。これにより、第二ベース5を軽量化及び低コスト化することができ、ひいては照明装置1Bの軽量化及び低コスト化が図れる。
【0061】
実施の形態3.
次に、
図7を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図7は、実施の形態3による照明装置1Cの側面図である。
【0062】
図7に示すように、実施の形態3の照明装置1Cは、冷却ファン6の中心線AXが、第一ベース2に対して平行ではなく斜めになっている点において実施の形態1と異なる。中心線AXは、冷却ファン6から遠ざかるにつれて第一ベース2に近づくように傾斜している。
【0063】
冷却ファン6の吹出口の内側の領域にある複数の点を、冷却ファン6の吹出口から気流が吹き出す方向へ平行移動させた仮想の複数の軌跡は、第一ベース2と交わる軌跡L1と、第二通気口9を通過する軌跡L2とを含む。冷却ファン6の吹出口から気流が吹き出す方向は、中心線AXに対して平行である。軌跡L1は、冷却ファン6の吹出口の内側の領域にある点P1を、冷却ファン6の吹出口から気流が吹き出す方向へ平行移動させたものである。軌跡L1は、第一通気口8を通過した後、第一ベース2と交わる。軌跡L2は、冷却ファン6の吹出口の内側の領域にある点P2を、冷却ファン6の吹出口から気流が吹き出す方向へ平行移動させたものである。軌跡L2は、第一通気口8を通過した後、第一ベース2と交わることなく、第二通気口9を通過する。
【0064】
第一ベース2は、放熱フィン4よりも高温になる。発光素子3の熱は、まず第一ベース2に伝わるからである。実施の形態3によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。第一ベース2と交わる軌跡L1が存在するように冷却ファン6を配置することで、冷却ファン6の吹出口からの気流を第一ベース2に対してさらに効率良く当てることができる。これにより、高温となる第一ベース2から熱をさらに効率良く散逸させることができるので、発光素子3の温度をさらに低くできる。これと同時に、第二通気口9を通過する軌跡L2が存在するように冷却ファン6を配置することで、放熱フィン4の表面に沿って流れる気流も十分に多くすることができる。このため、放熱フィン4の表面からも熱を効率良く散逸させることができる。
【0065】
本実施の形態では、冷却ファン6の中心線AXは、第一通気口8を通過した後、第一ベース2と交わることなく、第二通気口9を通過する。これにより、放熱フィン4の表面に沿って流れる気流を十分に多くすることができる。このため、放熱フィン4の表面からも熱を効率良く散逸させることができる。
【0066】
変形例として、
図7の例とは反対側に冷却ファン6を傾けて配置してもよい。すなわち、冷却ファン6の中心線AXが、冷却ファン6から遠ざかるにつれて第一ベース2から遠ざかるように、冷却ファン6を傾けて配置してもよい。この変形例によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。冷却ファン6の吹出口からの気流を第二ベース5に対してさらに効率良く当てることができる。これにより、電源装置7の熱を受ける第二ベース5から、熱をさらに効率良く散逸させることができるので、電源装置7の温度をさらに低くできる。また、電源装置7の小型化も図ることが可能となる。
【0067】
実施の形態4.
次に、
図8を参照して、実施の形態4について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図8は、実施の形態4による照明装置1Dを模式的に示す平面図である。
【0068】
図8に示すように、照明装置1Dは、冷却ファン6から複数の放熱フィン4への風路を形成する導風板20を備える。導風板20は、冷却ファン6から複数の放熱フィン4へ向かって風路が徐々に拡大するように当該風路を形成する。図示の例では、導風板20は、第一ベース2に対して垂直な平板状の形状を有する。なお、
図8では、第一ベース2、放熱フィン4、冷却ファン6、及び導風板20以外の照明装置1Dの構成要素の図示を省略している。
図8中の矢印は、冷却ファン6により発生する気流の向きを表す。
【0069】
実施の形態3によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。導風板20を備えたことで、第一ベース2及び放熱フィン4の各部の温度の均等化、及び冷却ファン6の圧力損失の低減が図れる。その結果、第一ベース2及び放熱フィン4による冷却効率が向上し、発光素子3の温度をさらに低くすることができる。また、風路の圧力損失の低下により、静音化も図ることができる。変形例として、導風板20は、図示の形状に代えて、例えばベルマウスのような形状を有するものでもよい。
【0070】
実施の形態5.
次に、
図9を参照して、実施の形態5について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図9は、実施の形態5による照明装置1Eの断面斜視図である。
【0071】
図9に示すように、照明装置1Eの電源筐体7dは、第一開口7h及び第二開口7iを有する。第一開口7h及び第二開口7iのそれぞれは、電源筐体7dの内部と外部とを連通させる。冷却ファン6により発生する気流は、気流S1及び気流S2を含む。気流S1は、電源筐体7dの第一開口7h及び第二開口7iを通過する。気流S2は、実施の形態1の気流と同じように、第一通気口8から、第一ベース2と第二ベース5との間の空間に流入し、第二通気口9から外部へ排出される。
【0072】
冷却ファン6は、実施の形態1よりもやや高い位置に設置されている。冷却ファン6の上端は、第二ベース5よりも高い位置にある。冷却ファン6の下端は、第一ベース2と第二ベース5との間の高さにある。冷却ファン6は、第一開口7hに面する部分と、第一通気口8に面する部分とを有する。電源筐体7dは、冷却ファン6に対向する側面を有する。第一開口7hは、電源筐体7dの当該側面に形成されている。第二開口7iは、電源筐体7dの当該側面と反対側の側面に形成されている。
【0073】
実施の形態5によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。冷却ファン6により発生する気流S1が電源筐体7dの内部を通過することで、電源筐体7dの内部にある、発熱する電気部品をさらに効率良く冷却することができる。これにより、電源装置7の温度をさらに低くすることができ、電源装置7の高効率化及び小型化が図れる。これらの効果をさらに向上するために、以下のようにしてもよい。電源筐体7dの内部において、発熱する電気部品を、気流S1に当たりやすい位置に配置してもよい。電源筐体7dの内部において、発熱する電気部品の熱を受けるヒートシンク(図示省略)を設け、当該ヒートシンクを気流S1に当たりやすい位置に配置してもよい。
【0074】
実施の形態6.
次に、
図10を参照して、実施の形態6について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図10は、実施の形態6による照明装置1Fの断面斜視図である。
【0075】
図10に示すように、照明装置1Fの第一ベース2は、第一開口2b及び第二開口2cを有する。第一開口2b及び第二開口2cのそれぞれは、第一ベース2の上の空間と第一ベース2の下の空間21とを連通させる。第一ベース2の下の空間21は、第一ベース2と透光カバー15との間にある。第一開口2bは、第一通気口8に近い位置にある。第二開口2cは、第二通気口9に近い位置にある。
【0076】
照明装置1Fの冷却ファン6により発生する気流は、気流S3及び気流S4を含む。気流S3は、第一ベース2の下を通過する。気流S3は、第一通気口8及び第一開口2bを通って、第一ベース2の下の空間21に流入する。気流S3は、第一ベース2の下の空間21から、第二開口2c及び第二通気口9を通って、外部へ排出される。気流S4は、実施の形態1の気流と同じように、第一通気口8から、第一ベース2と第二ベース5との間の空間に流入し、第二通気口9から外部へ排出される。
【0077】
実施の形態6によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。冷却ファン6により発生する気流S3が第一ベース2の下を通過し、気流4が第一ベース2の上を通過することで、第一ベース2を両面から効率良く熱を散逸させることができる。その結果、発光素子3の温度をさらに低くすることができる。
【0078】
実施の形態7.
次に、
図11を参照して、実施の形態7について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図11は、実施の形態7による照明装置1Gを斜め上から見た斜視図である。
【0079】
図11に示すように、実施の形態7の照明装置1Gは、二つの冷却ファン6を備える。二つの冷却ファン6は、互いに隣接している。二つの冷却ファン6は、第一通気口8の縁を形成する第一ベース2の一辺に沿って並んでいる。なお、
図11では、実施の形態7の特徴部分を見やすくするための便宜上、照明装置1Gが備える第二ベース5、電源装置7、及び第二サポート12を除去した状態を表している。
【0080】
支柱10の長手方向に対して垂直な断面において支柱10は、第一長さL3及び第二長さL4を有する。第一長さL3は、冷却ファン6により発生する気流の方向に平行な方向の長さである。換言すれば、第一長さL3は、第一通気口8と第二通気口9とを結ぶ方向に平行な方向の長さである。第二長さL4は、第一長さL3に対して垂直な方向の長さである。第二長さL4は、第一長さL3よりも短い。照明装置1Gが備える4本の支柱10のそれぞれが、上述した関係を満足する。
【0081】
実施の形態7によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。支柱10において第二長さL4を第一長さL3よりも短くしたことで、第一通気口8及び第二通気口9を広くすることができる。その結果、冷却ファン6の圧力損失が低くなり、風量が増加し、冷却効率が向上する。また、圧力損失の低下が静音化にも寄与する。支柱10において第一長さL3を第二長さL4よりも長くしたことで、上記の効果を奏しつつ、支柱10の強度及び剛性を十分に高くすることができる。
【0082】
実施の形態8.
次に、
図12を参照して、実施の形態8について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図12は、実施の形態8による連結照明装置1Hを斜め上から見た斜視図である。
【0083】
図12に示すように、連結照明装置1Hは、連結された二つの照明装置1Jを備える。各照明装置1Jは、実施の形態1の照明装置1Aから第二サポート12を除去したものに相当する。二つの照明装置1Jは、それらの冷却ファン6により発生する気流の通路が並列になるように連結されている。二つの照明装置1Jは、それらの第一通気口8同士が横に並び、かつ第二通気口9同士が横に並ぶように配置されている。二つの照明装置1J同士を固定する方法は、ねじ止め、溶接、ろう接、接着、嵌合など、いかなる方法でもよい。照明装置1J同士を連結するための部材を介して照明装置1J同士が固定されてもよい。
【0084】
連結照明装置1Hは、第二サポート22を備える。第二サポート22は、細長い板状の固定部22aと、固定部22aの両端から突出する一対の腕部22bとを有する。腕部22bの先端部分には、円弧状に湾曲した長孔22cが形成されている。一方の腕部22bは、一方の照明装置1Jの、外側に面する第一サポート11に固定される。他方の腕部22bは、他方の照明装置1Jの、外側に面する第一サポート11に固定される。図示しないボルトが長孔22cを通って第一サポート11のネジ孔に対して締め付けられることで、第二サポート22が第一サポート11に固定されている。固定部22aには、連結照明装置1Hを取付面に固定するボルトを通すための孔が形成されている。第二サポート22は、実施の形態1の第二サポート12と類似の機能及び構造を有する。
【0085】
変形例として、三つ以上の照明装置1Jを、それらの冷却ファン6により発生する気流の通路が並列になるように連結することにより連結照明装置を構成してもよい。
【0086】
実施の形態8によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。複数の照明装置1Jを連結することで、光束の大きい連結照明装置を容易に達成できる。光束クラスの異なる複数種類の製品を、共通の部品を用いて、低コストで容易に製造することが可能となる。よって、製品の標準化に寄与することができる。気流の通路が並列になることで、連結された複数の照明装置1Jの冷却ファン6同士が干渉することがなく、冷却ファン6の安定した駆動が可能となる。
【0087】
実施の形態9.
次に、
図13を参照して、実施の形態9について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図13は、実施の形態9による連結照明装置1Kを斜め上から見た斜視図である。
【0088】
図13に示すように、連結照明装置1Kは、実施の形態1の照明装置1Aと、この照明装置1Aに連結された照明装置1Lとを備える。照明装置1Lの冷却ファン6は、照明装置1Aの冷却ファン6よりも小さい。その他の点では、照明装置1Lは、照明装置1Aと同一または類似の構成を有する。照明装置1Aと照明装置1Lとは、それらの冷却ファン6により発生する気流の通路が直列になるように連結されている。照明装置1Aの第二通気口9は、照明装置1Jの冷却ファン6に対向する。照明装置1Aと照明装置1Lとを互いに固定する方法は、ねじ止め、溶接、ろう接、接着、嵌合など、いかなる方法でもよい。照明装置1Aと照明装置1Lとを連結するための部材を介して両者が固定されてもよい。照明装置1Lの冷却ファン6を小型化したことで、当該冷却ファン6を連結照明装置1Kの内部に容易に配置できる。
【0089】
図13中の気流S5は、連結照明装置1Kにおいて冷却ファン6により発生する空気の流れを模式的に示す。照明装置1Aの第二通気口9から出た空気は、照明装置1Lの冷却ファン6により照明装置1L内に吸い込まれる。この空気は、照明装置1Lの第二通気口9から外部へ排出される。
【0090】
変形例として、照明装置1Lの第二通気口9が照明装置1Aの第二通気口9に対向するように両者を連結するとともに、照明装置1Lの冷却ファン6が照明装置1Lの内部の空気を外部へ排出するように構成してもよい。この場合、照明装置1Lの冷却ファン6は、照明装置1Aの冷却ファン6と同じ大きさでもよい。
【0091】
他の変形例として、三つ以上の照明装置を、それらの冷却ファン6により発生する気流の通路が直列になるように連結することにより連結照明装置を構成してもよい。
【0092】
実施の形態9によれば、実施の形態1と類似の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。複数の照明装置を連結することで、光束の大きい連結照明装置を容易に達成できる。光束クラスの異なる複数種類の製品を、共通の部品を用いて、低コストで容易に製造することが可能となる。よって、製品の標準化に寄与することができる。気流の通路が直列になることで、気圧の高い環境で用いられる場合に、実施の形態8よりも効果的に冷却ファン6を駆動させることができる。