特許第6708329号(P6708329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6708329ヌクレオチド類似体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708329
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】ヌクレオチド類似体
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6561 20060101AFI20200601BHJP
   C07F 9/6574 20060101ALI20200601BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20200601BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20200601BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   C07F9/6561 ZCSP
   C07F9/6574 Z
   A61K31/675
   A61P31/20
   A61P15/00
【請求項の数】63
【全頁数】227
(21)【出願番号】特願2017-514471(P2017-514471)
(86)(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公表番号】特表2017-530118(P2017-530118A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】US2015050202
(87)【国際公開番号】WO2016044281
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年9月14日
(31)【優先権主張番号】62/050,624
(32)【優先日】2014年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506138351
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホステトラー,カール・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】ビードル,ジェームズ・アール
(72)【発明者】
【氏名】バリアエバ,ナデジダ
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6462659(JP,B2)
【文献】 特表2011−514336(JP,A)
【文献】 特表2007−517065(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0122818(US,A1)
【文献】 特表2013−509433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群から選択される化合物:
【化1】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
以下からなる群から選択される化合物:
【化2】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
以下からなる群から選択される化合物:
【化3】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
以下からなる群から選択される化合物:
【化4】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
以下からなる群から選択される化合物:
【化5】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
以下からなる群から選択される化合物:
【化6】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
以下からなる群から選択される化合物:
【化7】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
以下からなる群から選択される化合物:
【化8】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
以下からなる群から選択される化合物:
【化9】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
以下からなる群から選択される化合物:
【化10】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
以下からなる群から選択される化合物:
【化11】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
以下からなる群から選択される化合物:
【化12】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
以下からなる群から選択される化合物:
【化13】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
以下からなる群から選択される化合物:
【化14】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
以下からなる群から選択される化合物:
【化15】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
以下からなる群から選択される化合物:
【化16】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
以下からなる群から選択される化合物:
【化17】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
以下からなる群から選択される化合物:
【化18】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
以下からなる群から選択される化合物:
【化19】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
以下からなる群から選択される化合物:
【化20】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
以下からなる群から選択される化合物:
【化21】
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またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
以下からなる群から選択される化合物:
【化22】
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(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、−C(=S)R、−OC(=O)N(R)、ROC(=O)N(R)−、−OC(=S)−N(R)、ROC(=S)N(R)−、−C(=O)N(R)、RC(=O)N(R)−、−SON(R)、RSON(R)−、−C(=O)OR、RC(=O)O−、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、−SR、−S(=O)−R、−SOR、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアラルキルであり;
およびRは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキル及び(ヘテロシクリル)アルキルから選択され;並びに
フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換されている)、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
以下からなる群から選択される化合物:
【化23】
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(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、−C(=S)R、−OC(=O)N(R)、ROC(=O)N(R)−、−OC(=S)−N(R)、ROC(=S)N(R)−、−C(=O)N(R)、RC(=O)N(R)−、−SON(R)、RSON(R)−、−C(=O)OR、RC(=O)O−、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、−SR、−S(=O)−R、−SOR、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアラルキルであり;
およびRは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキル及び(ヘテロシクリル)アルキルから選択され;並びに
フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある)、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
以下からなる群から選択される化合物:
【化24】
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(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、−C(=S)R、−OC(=O)N(R)、ROC(=O)N(R)−、−OC(=S)−N(R)、ROC(=S)N(R)−、−C(=O)N(R)、RC(=O)N(R)−、−SON(R)、RSON(R)−、−C(=O)OR、RC(=O)O−、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、−SR、−S(=O)−R、−SOR、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはアラルキルであり;
およびRは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキル及び(ヘテロシクリル)アルキルから選択され;並びに
フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある)、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式(I):
【化25】
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[式中、
は、
【化26】
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であり;
及びZは独立して、酸素原子及びNRから選択され;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
は、C1−24アルキル、C2−24アルケニル、−(CHR−O−C1−24アルキル、−(CHR−O−C2−24アルケニル、アリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロアリール、及び、
【化27】
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から選択され;
は、アリール(C1−4アルキル)−であり;
は、C1−6アルキル及びC3−6シクロアルキルから選択され;
は、H、−(CH−S−C1−24アルキル及び−O−(CH−R4Aから選択され;
4Aは、H、C1−24アルキル及びアリールから選択され;
は、H及びC1−6アルキルから選択され;
10は、H、C1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、−CH−フェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化28】
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、−CH(C=O)OH、−CHCH(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化29】
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及び−(CHNHから選択され;
11は、H、C1−8アルキル、シクロアルキル、アリール及びアリール(C1−6アルキル)−から選択され;
a及びbは独立して、1、2、3及び4から選択され;並びに
c及びdは独立して、0、1、2及び3から選択される。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
がメチルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
が酸素原子であり、及びZが酸素原子である、請求項25または26に記載の化合物。
【請求項28】
が、酸素原子であり;
が、NRであり;及び
が、Hである;
請求項25または26に記載の化合物。
【請求項29】
が、−(CHR−O−C1−24アルキルであり;
が、Hであり;及び
aが、2である;
請求項2528のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
がベンジルである、請求項2529のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
が、
【化30】
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であり;
が、Hであり;
10が、メチルであり;及び
11が、メチルまたはエチルである;
請求項25262728または30の化合物。
【請求項32】
次の構造:
【化31】
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の請求項25に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
次の構造:
【化32】
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の請求項25に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
次の構造:
【化33】
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の請求項25に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
式(I):
【化34】
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[式中、
は、
【化35】
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であり;
は、NRであり;
は、酸素原子であり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
は、C2−24アルケニル、−(CHR−O−C1−24アルキル、−(CHR−O−C2−24アルケニル、ヘテロアリール及び
【化36】
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から選択され;
は、アリール(C1−4アルキル)−であり;
は、H、−(CH−S−C1−24アルキル及び−O−(CH−R4Aから選択され;
4Aは、H、C1−24アルキル及びアリールから選択され;
は、H及びC1−6アルキルから選択され;
10は、H、C1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、−CH−フェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化37】
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、−CH(C=O)OH、−CHCH(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化38】
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及び−(CHNHから選択され;
11は、H、C1−8アルキル、シクロアルキル、アリール及びアリール(C1−6アルキル)−から選択され;
a及びbは独立して、1、2、3及び4から選択され;並びに
c及びdは独立して、0、1、2及び3から選択される。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
がHである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】

【化39】
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である、請求項35または36に記載の化合物。
【請求項38】
が、Hであり;
10が、メチルであり;
11が、メチルまたはエチルである;
請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
がベンジルである、請求項3538のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
次の構造:
【化40】
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の請求項35に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
次の構造:
【化41】
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の請求項35に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
次の構造:
【化42】
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の化合物のジュウテリウム同位体
[式中、少なくとも1つのHが、H(ジュウテリウム)に置換されている。]。
【請求項43】
次の構造:
【化43】
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の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
次の構造:
【化44】
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の請求項25に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
次の構造:
【化45】
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の化合物のジュウテリウム同位体
[式中、少なくとも1つのHが、H(ジュウテリウム)に置換されている。]。
【請求項46】
ジュウテリウムを含まない類似体よりも、高い代謝安定性を有する、請求項42または45に記載の化合物のジュウテリウム同位体。
【請求項47】
ジュウテリウムを含まない類似体と比較して、in vivoにおける半減期が増加している、請求項42または45に記載の化合物のジュウテリウム同位体。
【請求項48】
薬学的に許容される担体に、有効量の請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項49】
前記組成物が局所送達に適している、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を治療するための、有効量の請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容される担体に含む、医薬組成物。
【請求項51】
前記ヒトパピローマウイルスが、HPV−11、HPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39及びHPV−45からなる群から選択される、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記ヒトパピローマウイルスが、HPV−51、HPV−52、HPV−56、HPV−58、HPV−59、HPV−68、HPV−73及びHPV−82からなる群から選択される、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記ヒトパピローマウイルスがHPV−16である、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記ヒトパピローマウイルスがHPV−18である、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記宿主がヒトである、請求項5054のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を治療するための医薬組成物であって、
次の構造:
【化46】
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を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容可能な担体に含む、医薬組成物。
【請求項57】
ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を治療するための医薬組成物であって、
次の構造:
【化47】
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を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容可能な担体に含む、医薬組成物。
【請求項58】
ヒトパピローマウイルスがHPV−52である、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項59】
ヒトパピローマウイルスがHPV−58である、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項60】
坐剤として投与される、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記坐剤が膣内リングである、請求項60に記載の医薬組成物。
【請求項62】
頸部、直腸、陰茎、膣及び口咽頭のがんに感染した宿主を治療するための医薬組成物であって、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容可能な担体に含む、医薬組成物。
【請求項63】
子宮頸部上皮内腫瘍、膣または肛門上皮内腫瘍に感染した宿主を治療するための医薬組成物であって、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容可能な担体に含む、医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月15日に出願された米国特許仮出願第62/050,624号の利益を主張するものであり、その内容全体が目的を問わず参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、とりわけ、ヌクレオチド類似体、開示されたヌクレオチド類似体を含む医薬組成物、及びその合成のための工程に関する。また、開示されたヌクレオチド類似体を単独で、または1種以上の他の薬剤と併用して用いて、疾患及び/または病状を治療する方法も含む。これには特に、パピローマウイルスを原因とするものなどのウイルス感染症の治療が含まれる。
【背景技術】
【0003】
ウイルスは、宿主細胞内でのみ自身のDNAまたはRNAを複製できる感染性粒子である。ウイルス感染は、ヒト及び哺乳動物に軽度から重度の疾病をもたらすことがあり、その結果、場合によっては死亡する可能性もある。ウイルス感染の例としては、B型及びC型肝炎、痘瘡、単純ヘルペス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザ、アデノウイルス、水痘、BKウイルス、JCウイルス及びパピローマウイルスが挙げられる。ウイルス感染は、ヒト及びその他の種に癌をもたらす可能性がある。癌を引き起こすことが知られているウイルスとしては、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、HIV及びエプスタインバーウイルス(EBV)が挙げられる。
【0004】
パピローマウイルスは非エンベロープ型のDNAウイルス群であり、ヒトの肛門性器領域内を含む皮膚及び粘膜のケラチノサイトに感染する。パピローマウイルスは、皮膚疣贅、生殖器疣贅、及び呼吸器乳頭腫症及び癌を引き起こすことが知られている。女性の場合、パピローマウイルスは、子宮頸部上皮内腫瘍、膣及び肛門上皮内腫瘍ならびに最終的には子宮頸癌に至る、子宮頸部前癌病変を引き起こす可能性がある。
【0005】
アルファ−パピローマウイルス属のいくつかの種は、ヒト癌を起こしやすい高リスク型のHPVをもつ。大部分の発癌性型のHPVは、アルファ−7及びアルファ−9の種に由来し、これには16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73及び82型が含まれる。HPVによって生じる癌としては、頸部、直腸、陰茎、膣及び口咽頭の癌が挙げられる。最も一般的な発癌性HPVは、16型及び18型である。HPV−16及びHPV−18は、子宮頸癌の70%の原因であることが報告されており、また性病性疣贅の90%は、低リスクHPVである6型及び11型によって生じる。CEREVISTA(登録商標)(Hologic)、COBAS(登録商標)(Roche)などの製品及びその他市販製品を用いた、PAPスメア試験及び/またはDNAプローブ試験を使用して、HPV感染の有無を検出することができる。現在利用可能なHPV DNA試験は、HPV−16及びHPV−18を含む14の高リスク型HPV由来のDNAを検出する。HPV−6、11、16及び18に対するワクチンはすでに開発されており、これらは性交渉を経験する前に投与した場合に有効であり得る。しかしながら、このHPVワクチンは、HPVにすでに感染している性交渉経験のある女性には、ほとんど効果を与えることができない。
【0006】
成熟ウイルス粒子を産生するHPV複製及びウイルスDNA合成は、頸部上皮細胞の基底層で最初に起こり、感染が進行するにつれて基底上細胞にまで拡大する。感染の数か月または数年後、HPV DNAエピソーム要素は上皮細胞ゲノムDNAへと組み込まれ得る。組み込まれる要素には、一般的に、ウイルスL1、長鎖の調節領域(long control region:LCR)、ならびにE6及びE7癌遺伝子が含まれる。組み込みの結果、細胞周期調節の欠損と子宮頸癌への進行を経時的に引き起こすE6及びE7腫瘍性タンパク質の過剰発現が生じる。他方で、HeLa(HPV18)、SiHa(HPV16)、CaSki(HPV16)及びMe 180(HPV39)などのHPV DNAが組み込まれた子宮頸癌細胞株では、増殖性のウイルス複製は発生しない。したがって、組み込まれたE6及びE7を含むヒト子宮頸癌細胞株の細胞分裂を阻害する化合物の研究は、増殖性のウイルスDNA合成の阻害について知見を提供しない。HPV及びその複製に関する追加情報は、Fields Virology 1662−1703(David M.Knipe,Ph.D.and Peter M.Howley,MD eds.,6th ed.,Wolters Kluwer,2013)(2001)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。現在、ヒトパピローマウイルス感染に対する承認済み抗ウイルス治療薬は存在しない。
【0007】
抗ウイルス薬の種類の1つとして、ウイルス増殖に必要なDNAまたはRNAの複製を妨げるヌクレオシドまたはヌクレオチド類似体がある。抗ウイルス性ヌクレオシド類似体の例として、RETROVIR(登録商標)、ZOVIRAX(登録商標)、CYTOVENE(登録商標)、EPIVIR(登録商標)及びEMTRIVA(登録商標)が挙げられる。
【0008】
ヌクレオチド類似体には、非環式ヌクレオシドホスホネート(ANP)が含まれている。ヌクレオチド類似体は当初、親ヌクレオシドの初期リン酸化を迂回するように設計された。この初期リン酸化は、活性ヌクレオシド三リン酸生成の段階を制限することが確認された。ANPの例としては、例えば、それぞれHBV、HIV及びCMVのヒト感染に対して有効であるアデホビル、テノホビル及びシドホビル(CDV)が挙げられる。ANPは、1)その分子量及び2)ホスホネート部分での二倍の負電荷の存在により、哺乳動物の消化管からあまり吸収されないことが当技術分野において既知である。このように経口薬物動態特性に劣るため、ANPは、臨床的に有用な治療薬を得るためプロドラッグに変換されている。例えば、テノホビルは、HIV治療用のジソプロキシル(ジエステル)フマル酸塩であるVIREAD(登録商標)として市販されている。アデホビルは、HBV治療用のジピボキシルエステルであるHEP SERA(登録商標)として市販されている。
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0009】
それ以外のANPプロドラッグの例として、第II相のプラデホビル及び第III相のGS−7340が挙げられる(Pradere,U.et al.,“Synthesis of Nucleoside and Phosphonate Prodrugs”,Chemical Reviews,.2014,114,9154−9218及び以下の構造を参照)。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0010】
ANPの経口生物学的利用能を増加させる別の方法は、アルコキシアルキルモノエステルまたはアルキルモノエステルを調製することである。例えば、Beadle et al.,“Synthesis and Antiviral Evaluation of Alkoxyalkyl Derivatives;of 9−(S)−(3−Hydroxy−2−phosphono−methoxypropyl)adenine against Cytomegalovirus”,J.Med.Chem.,2006,49:2010−215;Painter et al.,“Evaluation of Hexadecyloxypropyl−9−R−[2−(Phosphonomethoxy)Propyl]−Adenine,CMX157,as a Potential Treatment for Human Immunodeficiency Virus Type 1 and Hepatitis B Virus Infections,” Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2007,51:3505−3509;Valiaeva et al.,“Synthesis and antiviral evaluation of alkoxyalkyl esters of acyclic purine and pyrimidine nucleoside phosphonates against HIV−1 in vitro”,Antiviral Research,2006,72:10−19;Aldern et al.,“Update and Metabolism of Cidofovir and Oleyloxyethyl−cidofovir in Human Papillomavirus Positive ME−180 Human Cervical Cancer Cells” Abstract 173 Antiviral Res.,2007,74(3):A83;Hostetler et al.,“Enhanced Anti−proliferative effects of alkoxyalkyl esters of cidofovir in human cervical cancer cells in vitro” Mol.Cancer Ther.,2006,51(1):156−158;Trahan et al.,“Antiproliferative Effects of Octadecyloxyethyl−Phosphonomethoxyethylguanine(ODE−PMEG)on the Growth of Human Papilloma Virus Positive Cervical Carcinoma(ME−180)Cells in Vitro and Solid Tumors in Athymic Nude Mice” Abstract 85 Antiviral Res.,2009,82(2):A42;Valiaeva et al.,“Anti−proliferative Effects of Octadecyloxyethyl 9−[2−(Phosphonomethoxy)Ethyl]Guanine against Me−180 Human Cervical Cancer Cells in vitro and in vivo”,Chemotherapy,2010,56:(l)54−59;Valiaeva et al.,“Synthesis and antiviral evaluation of 9−(S)−[3−alkoxy−2−(phosphonomethoxy)−propyl]nucleoside alkoxyalkyl esters:Inhibitors of hepatitis C virus and HIV−1 replication”,Bioorganic and Medicinal Chemistry,2011,19:4616−4625を参照されたい。加えて、Hostetler:US6,716,825;US7,034,014;US7,094,772;US7,098,197;US7,652,001;US7,452,898;US7,790,703;US7,687,480;US7,749,983;US7,994,143;US8,101,745;US8,008,308;US8,193,167;US8,309,565;US8,318,700;US8,846,643;US8,710,030;US8,889,658,US2015/0080344及びUS 2015/0051174、The Regents of The University of California:WO1996/39831;WO2001/039724;WO2005/087788;WO2006/066074;WO2006/076015;及びWO2011/130557、ならびにDana Farber Cancer Institute,Inc.:WO/1998/38202の特許出願及び特許を参照されたい。
【0011】
現在、シドホビルのヘキサデシルオキシプロピルエステル、HDP−CDV(brincidofovir)が、HCTレシピエントのアデノウイルス及びCMV感染症治療に向け開発されている。この薬剤は現在、第III相段階である。例えば、US9,006,218;US8,993,542;US8,962,829;US8,614,200;US8,569,321;US7,994,143;US7,749,983;US6,599,887;US6,448,392;WO2007/130783;WO2008/133966;WO2009/094190;WO2011/011519;WO2011/011710;WO2011/017253及びWO2011/053812を参照されたい。
【0012】
非環式ヌクレオシドホスホネートのホスホノメトキシエチルまたは1,3−ビス(ホスホノメトキシ)プロパン−2−イルの親油性エステル、及びANPのアルキルジエステルの合成が開示されている(Holy et al.,“Structure−Antiviral Activity Relationship in the Series of Pyrimidine and Purine N−[2−(2−Phosphono−methyloxy)ethyl]Nucleotide Analogues.Derivatives Substituted at the Carbon Atoms of the base”,J.Med.Chem.,1999,42(12):2064−2086;Holy et al.,“Synthesis of phosphonomethoxyethyl or 1,3−bis(phosphonomethoxy)propan−2−yl lipophilic esters of acyclic nucleoside phosphonates”,Tetrahedron,2007,63:11391−11398を参照)。抗癌性ホスホネート類似体の合成についても研究されている(WO2004/096235、WO2005/066189及びWO2007/002808を参照)。ANPのプロドラッグの合成についても研究されている(WO2006/114064及びWO2006/114065を参照)。癌及びウイルス感染症治療のためのプリンヌクレオシド一リン酸プロドラッグの合成についても研究されている(WO2010/091386を参照)。
【0013】
ある特定の非環式ヌクレオシドホスホネートジエステルは、U.S.8,835,630(本出願の優先日に発行された)及びUS2014/0364397に開示されている。
【0014】
PMEG二リン酸は、DNAポリメラーゼアルファ、デルタ及びイプシロンの鎖末端処理された阻害剤である(Kramata P,Votruba I,Otova B,Holy A.Different inhibitory potencies of acyclic phosphonomethoxyalkyl nucleotide analogs toward DNA polymerases alpha,delta and epsilon.Mol Pharmacol.1996 Jun;49(6):1005−11.PubMed PMID:8649338)。しかしながら、ポリメラーゼベータ、ガンマ及びイプシロンのその阻害はあまり顕著ではない。Polデルタ及びイプシロンは、DNA修復に関与しており、エキソヌクレアーゼ活性を有する。Kramataらは、PMEGで末端処理されたプライマーはPolデルタによって修復できないことを示している(Kramata P,Downey KM,Paborsky LR.Incorporation and excision of 9−(2−phosphonylmethoxyethyl)guanine(PMEG)by DNA polymerase delta and epsilon in vitro.J Biol.Chem.1998 Aug 21;273(34):21966−71.PubMed PMID:9705337)。
【0015】
まだ癌へと進行していない初期のHPV感染症治療に使用される承認済み薬剤は現在存在していないが、生殖器疣贅を治療するためのテオブロマ・カカオ(Theobroma cacao)由来のある種のエピカテキン、エピカテキンオリゴマーまたはチオレート化エピカテキンは開示されている(US2015/0011488を参照)。
【0016】
ピリミジン(5−フルオロウラシル)は、HPVに対して活性であるが、非常に有毒である。広域性抗ウイルス薬GSK983は、抗HPV活性を有することを示したが、ヒトでの広範な研究はまだ実施されていない。抗HPV活性を有する他の小分子としては、コバルト錯体CDC−96、インドール−3−カルビノール(I3C)及び免疫調節薬イミキモドが挙げられる(US2015/0011488を参照)。
【化3】
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【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,716,825号明細書
【特許文献2】米国特許第7,034,014号明細書
【特許文献3】米国特許第7,094,772号明細書
【特許文献4】米国特許第7,098,197号明細書
【特許文献5】米国特許第7,652,001号明細書
【特許文献6】米国特許第7,452,898号明細書
【特許文献7】米国特許第7,790,703号明細書
【特許文献8】米国特許第7,687,480号明細書
【特許文献9】米国特許第7,749,983号明細書
【特許文献10】米国特許第7,994,143号明細書
【特許文献11】米国特許第8,101,745号明細書
【特許文献12】米国特許第8,008,308号明細書
【特許文献13】米国特許第8,193,167号明細書
【特許文献14】米国特許第8,309,565号明細書
【特許文献15】米国特許第8,318,700号明細書
【特許文献16】米国特許第8,846,643号明細書
【特許文献17】米国特許第8,710,030号明細書
【特許文献18】米国特許第8,889,658号明細書
【特許文献19】米国特許出願第2015/0080344号明細書
【特許文献20】米国特許出願第2015/0051174号明細書
【特許文献21】国際公開第96/39831号
【特許文献22】国際公開第2001/039724号
【特許文献23】国際公開第2005/087788号
【特許文献24】国際公開第2006/066074号
【特許文献25】国際公開第2006/076015号
【特許文献26】国際公開第2011/130557号
【特許文献27】国際公開第98/38202号
【特許文献28】米国特許第9,006,218号明細書
【特許文献29】米国特許第8,993,542号明細書
【特許文献30】米国特許第8,962,829号明細書
【特許文献31】米国特許第8,614,200号明細書
【特許文献32】米国特許第8,569,321号明細書
【特許文献33】米国特許第7,994,143号明細書
【特許文献34】米国特許第7,749,983号明細書
【特許文献35】米国特許第6,599,887号明細書
【特許文献36】米国特許第6,448,392号明細書
【特許文献37】国際公開第2007/130783号
【特許文献38】国際公開第2008/133966号
【特許文献39】国際公開第2009/094190号
【特許文献40】国際公開第2011/011519号
【特許文献41】国際公開第2011/011710号
【特許文献42】国際公開第2011/017253号
【特許文献43】国際公開第2011/053812号
【特許文献44】国際公開第2004/096235号
【特許文献45】国際公開第2005/066189号
【特許文献46】国際公開第2007/002808号
【特許文献47】国際公開第2006/114064号
【特許文献48】国際公開第2006/114065号
【特許文献49】国際公開第2010/091386号
【特許文献50】米国特許第8,835,630号明細書
【特許文献51】米国特許出願第2014/0364397号明細書
【特許文献52】米国特許出願第2015/0011488号明細書
【特許文献53】米国特許出願第2015/0011488号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Fields Virology 1662−1703(David M.Knipe,Ph.D.and Peter M.Howley,MD eds.,6th ed.,Wolters Kluwer,2013)(2001)
【非特許文献2】Pradere,U.et al.,“Synthesis of Nucleoside and Phosphonate Prodrugs”,Chemical Reviews,.2014,114,9154−9218
【非特許文献3】Beadle et al.,“Synthesis and Antiviral Evaluation of Alkoxyalkyl Derivatives;of 9−(S)−(3−Hydroxy−2−phosphono−methoxypropyl)adenine against Cytomegalovirus”,J.Med.Chem.,2006,49:2010−215
【非特許文献4】Painter et al.,“Evaluation of Hexadecyloxypropyl−9−R−[2−(Phosphonomethoxy)Propyl]−Adenine,CMX157,as a Potential Treatment for Human Immunodeficiency Virus Type 1 and Hepatitis B Virus Infections,” Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2007,51:3505−3509
【非特許文献5】Valiaeva et al.,“Synthesis and antiviral evaluation of alkoxyalkyl esters of acyclic purine and pyrimidine nucleoside phosphonates against HIV−1 in vitro”,Antiviral Research,2006,72:10−19
【非特許文献6】Aldern et al.,“Update and Metabolism of Cidofovir and Oleyloxyethyl−cidofovir in Human Papillomavirus Positive ME−180 Human Cervical Cancer Cells” Abstract 173 Antiviral Res.,2007,74(3):A83
【非特許文献7】Hostetler et al.,“Enhanced Anti−proliferative effects of alkoxyalkyl esters of cidofovir in human cervical cancer cells in vitro” Mol.Cancer Ther.,2006,51(1):156−158
【非特許文献8】Trahan et al.,“Antiproliferative Effects of Octadecyloxyethyl−Phosphonomethoxyethylguanine(ODE−PMEG)on the Growth of Human Papilloma Virus Positive Cervical Carcinoma(ME−180)Cells in Vitro and Solid Tumors in Athymic Nude Mice” Abstract 85 Antiviral Res.,2009,82(2):A42
【非特許文献9】Valiaeva et al.,“Anti−proliferative Effects of Octadecyloxyethyl 9−[2−(Phosphonomethoxy)Ethyl]Guanine against Me−180 Human Cervical Cancer Cells in vitro and in vivo”,Chemotherapy,2010,56:(l)54−59
【非特許文献10】Valiaeva et al.,“Synthesis and antiviral evaluation of 9−(S)−[3−alkoxy−2−(phosphonomethoxy)−propyl]nucleoside alkoxyalkyl esters:Inhibitors of hepatitis C virus and HIV−1 replication”,Bioorganic and Medicinal Chemistry,2011,19:4616−4625
【非特許文献11】Holy et al.,“Structure−Antiviral Activity Relationship in the Series of Pyrimidine and Purine N−[2−(2−Phosphono−methyloxy)ethyl]Nucleotide Analogues.Derivatives Substituted at the Carbon Atoms of the base”,J.Med.Chem.,1999,42(12):2064−2086
【非特許文献12】Holy et al.,“Synthesis of phosphonomethoxyethyl or 1,3−bis(phosphonomethoxy)propan−2−yl lipophilic esters of acyclic nucleoside phosphonates”,Tetrahedron,2007,63:11391−11398
【非特許文献13】Kramata P,Votruba I,Otova B,Holy A.Different inhibitory potencies of acyclic phosphonomethoxyalkyl nucleotide analogs toward DNA polymerases alpha,delta and epsilon.Mol Pharmacol.1996 Jun;49(6):1005−11.PubMed PMID:8649338
【非特許文献14】Kramata P,Downey KM,Paborsky LR.Incorporation and excision of 9−(2−phosphonylmethoxyethyl)guanine(PMEG)by DNA polymerase delta and epsilon in vitro.J Biol.Chem.1998 Aug 21;273(34):21966−71.PubMed PMID:9705337
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
現在まで、まだ癌へと進行していない初期のHPV感染症の治療に使用される承認済み薬剤は存在しない。本明細書では、当技術分野での上記及びその他課題に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一実施形態では、本発明は、宿主細胞に有意な抗増殖性効果なしに、パピローマウイルスに対して抗ウイルス活性を有する化合物について記載する。
【0021】
したがって、本発明は、ウイルスDNA合成及び/または高リスク型HPVのウイルス粒子の産生を選択的に阻害及び/またはブロックする抗ウイルス薬を含む。更に、ウイルスDNA合成及び/または高リスク型HPVウイルス粒子の産生を阻害及び/または遮断することにより、例えば、本明細書に記載するような、浸潤癌に至る可能性がある細胞変化が起こる前に、パピローマウイルス感染症を根絶することができる。したがって、これは当技術分野の進歩を意味する。
【0022】
本発明の一実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を改善または治療するために、有効量の式(I)の抗ウイルス化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。本明細書で開示する別の実施形態は、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、ヒトパピローマウイルスに感染した細胞に接触させること及び/またはヒトパピローマウイルスに感染した対象に投与することを含む、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を改善または治療する方法であり、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を選択的に阻害することによって改善または治療することができる。
【0023】
本発明は、少なくとも以下の特徴を含む:
【0024】
(a)本明細書に記載する式Iの抗ウイルス化合物、ならびにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグ(その亜属及び種の各々及びすべてを個々に検討し、具体的に記載する);
【0025】
(b)パピローマウイルスなどのウイルス感染症の治療または予防に使用される、本明細書に記載する抗ウイルス性の式Iならびにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグ;
【0026】
(c)パピローマウイルスなどのウイルス疾患の治療または予防に使用される医薬の製造における、式Iならびにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグの使用;
【0027】
(d)本明細書に記載する式Iを製造に使用することを更に特徴とする、本明細書に記載のパピローマウイルスなどのウイルス疾患の治療または予防での治療的使用を目的とした医薬の製造工程;
【0028】
(e)有効な宿主治療量の、式Iまたはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグに加え、薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬製剤;
【0029】
(f)他の化学要素から実質的に単離された形態を含む、実質的に純粋な形態(例えば、少なくとも90または95%)の本明細書に記載する式I;
【0030】
(g)式Iの化合物及びその塩、組成物、剤形を製造するための工程;ならびに
【0031】
(h)本明細書に記載する、有効量の式Iを含有する治療製品を調製するための工程。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義
【0033】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語及び科学的用語は、当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照するすべての特許、特許出願、公開特許及び他の刊行物は、特に明記しない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の用語に複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、本セクションの定義を優先する。
【0034】
本明細書で使用される場合、例えばこれらに限定されないが、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11などの「R」基(複数可)は、示された原子に結合できる置換基を表す。R基は、置換されていても非置換であってもよい。2つの「R」基が「一体となって」と記載される場合、該R基及びそれらが結合している原子はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環を形成することができる。例えば、限定されないが、NR基のR及びRが「一体となって」と表された場合、それは互いに共有結合して環:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
を形成することを意味する。
【0035】
加えて、2つの「R」基が、それらが結合している原子(複数可)と「一体となって」、それに代わる環を形成すると記載される場合、このR基は上記で定義した変形形態または置換基に限定されない。
【0036】
ある基が「場合により置換された」と記載される場合は常に、その基は非置換であっても、あるいは示された置換基のうち1つ以上と置換されていてもよい。同様に、ある基が「非置換または置換」と記載されている場合で、基が置換されている場合、その置換基(複数可)は示された置換基の1つ以上から選択されてよい。置換基が示されていない場合、示された「場合により置換された」または「置換された」基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基及び二置換アミノ基から個別に及び独立して選択される1つ以上の基(複数可)で置換されていてもよいことを意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「a」及び「b」が整数である「CからC」、「C〜C」、「Ca−b」などは、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基内の炭素原子数、またはシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基の環内の炭素原子数を指す。すなわち、このアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環またはヘテロシクリルの環は、「a」〜「b」個(端点を含む)の炭素原子を含有し得る。したがって、例えば、「C〜Cアルキル」基は、1〜4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH−、CHCH−、CHCHCH−、(CHCH−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−及び(CHC−を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基に関して、「a」も「b」も指定されていない場合、この定義に記載される最も広い範囲が想定されるものとする。
【0038】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全飽和した(二重結合も三重結合も有さない)炭化水素基を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖を指す。アルキル基は1〜20個の炭素原子を有し得る(本明細書中に出現する場合は常に、「1〜20」などの数値範囲は所与の範囲内の各々の整数を指す。例えば、「1〜20個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、20個以下の炭素原子からなり得ることを意味し、ただし、本定義は数値範囲が指定されていない場合の用語「アルキル」の存在も包含する)。アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する中型アルキルであってもよい。アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。本化合物のアルキル基は、「C−Cアルキル」または同様の名称で称され得る。例示のみを目的として、「C−Cアルキル」は、アルキル鎖内に1〜4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びt−ブチルから選択されることを示す。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は置換されていても非置換であってもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖内に1つ以上の二重結合を含有するアルキル基を指す。アルケニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖内に1つ以上の三重結合を含有するアルキル基を指す。アルキニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全飽和した(二重結合も三重結合も有さない)単環式または多環式の炭化水素環系を指す。2つ以上の環から構成される場合、これらの環同士が縮合様式で結合される場合がある。シクロアルキル基は、環(複数可)内に3〜10個の原子、または環(複数可)内に3〜8個の原子を含有し得る。シクロアルキル基は非置換であっても置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環内に1つ以上の二重結合を含有する単環式または多環式の炭化水素環系を指す。ただし、2つ以上存在する場合、二重結合はすべての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成できるわけではない(形成できる場合、その基は、本明細書で定義される「アリール」となる)。2つ以上の環から構成される場合、これらの環同士が縮合様式で結合される場合がある。シクロアルケニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、すべての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(すべて炭素)の単環式または多環式の芳香環系(2個の環状炭素が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基内の炭素原子数は変動し得る。例えば、アリール基はC−C14アリール基、C−C10アリール基、またはCアリール基であり得る。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は置換されていても非置換であってもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素及び硫黄を含むがこれらに限定されない炭素以外の元素を含有する、単環式または多環式の芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環(複数可)内の炭素原子数は変動し得る。ヘテロアリール基は、環(複数可)内に4〜14個の原子、環(複数可)内に5〜10個の原子または環(複数可)内に5〜6個の原子を含有し得る。更に、用語「ヘテロアリール」は、2個の環、例えば、少なくとも1個のアリール環及び少なくとも1個のヘテロアリール環、または少なくとも2個のヘテロアリール環が少なくとも1つの化学結合を共有する縮合環系も包含する。ヘテロアリール環の例としては、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソキサゾール、ベンゾイソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は置換されていても非置換であってもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ脂環式」は、炭素原子が1〜5個のヘテロ原子と共に環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式環系、二環式環系及び三環式環系を指す。ヘテロ環は1つ以上の不飽和結合を場合により含有し得るが、この不飽和結合はすべての環にわたって完全に非局在化したπ電子系が生じないように位置する。ヘテロ原子(複数可)は炭素以外の元素、例えば、限定されないが、酸素、硫黄及び窒素である。ヘテロ環は1つ以上のカルボニル官能基またはチオカルボニル官能基を更に含有していてもよく、その結果、この定義にはラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系が包含される。2つ以上の環から構成される場合、これらの環同士が縮合様式で結合される場合がある。加えて、ヘテロシクリルまたはヘテロ脂環式内のいずれかの窒素が四級化されていてもよい。ヘテロシクリル基またはヘテロ脂環式基は非置換であっても置換されていてもよい。このような「ヘテロシクリル」または「ヘテロ脂環式」基の例としては、1,3−ダイオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,3−オキサチオラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツル酸、チオバルビツル酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN−オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、4−ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2−オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H−ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びこれらのベンゾ縮環類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン及び3,4−メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されたアリール基を指す。アリール(アルキル)の低級アルキレン及びアリール基は置換されていても非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2−フェニル(アルキル)、3−フェニル(アルキル)及びナフチル(アルキル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されたヘテロアリール基を指す。ヘテロアリール(アルキル)の低級アルキレン及びヘテロアリール基は置換されていても非置換であってもよい。例としては、2−チエニル(アルキル)、3−チエニル(アルキル)、フリル(アルキル)、チエニル(アルキル)、ピロリル(アルキル)、ピリジル(アルキル)、イソオキサゾリル(アルキル)、イミダゾリル(アルキル)及びそれらのベンゾ縮環類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「(ヘテロ脂環)アルキル」及び「(ヘテロシクリル)アルキル」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されたヘテロ環式基またはヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロ脂環)アルキルの低級アルキレン及びヘテロシクリルは置換されていても非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル(メチル)、ピペリジン−4−イル(エチル)、ピペリジン−4−イル(プロピル)、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル(メチル)及び1,3−チアジナン−4−イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
「低級アルキレン基」は直鎖状−CH−係留基であり、その末端炭素原子を介して分子断片を連結するための結合を形成する。例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)及びブチレン(−CHCHCHCH−)が挙げられるが、これらに限定されない。低級アルキレン基は、低級アルキレン基の1つ以上の水素を、「置換された」の定義下に列挙された置換基(複数可)で置換することにより、置換され得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は式−ORを指し、式中Rは、本明細書で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、ヘテロアリール(アルキル)または(ヘテロシクリル)アルキルである。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘキサデシルオキシ及びオクタデシルオキシが非限定的に列挙される。アルコキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、カルボニル基を介して置換基として連結された水素 アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環、アラルキル、ヘテロアリール(アルキル)またはヘテロシクリル(アルキル)を指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル及びアクリルが挙げられる。アシルは置換されていても非置換であってもよい。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がヒドロキシ基で置換されているアルキル基を指す。例示的なヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル及び2,2−ジヒドロキシエチルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシアルキルは置換されていても非置換であってもよい。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンで置換されているアルキル基(例えば、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びトリハロアルキル)を指す。このような基としては、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−クロロ−2−フルオロメチル及び2−フルオロイソブチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは置換されていても非置換であってもよい。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンで置換されているアルコキシ基(例えば、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ及びトリハロアルコキシ)を指す。このような基としては、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−クロロ−2−フルオロメトキシ及び2−フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0055】
「スルフェニル」基は、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−SR」基を指す。スルフェニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0056】
「スルフィニル」基は、Rがスルフェニルに関して定義されたものと同一であり得る「−S(=O)−R」基を指す。スルフィニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0057】
「スルホニル」基は、Rがスルフェニルに関して定義されたものと同一であり得る「SOR」基を指す。スルホニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0058】
「O−カルボキシ」基は、Rが本明細書で定義されるような水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RC(=O)O−」基を指す。O−カルボキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0059】
用語「エステル」及び「C−カルボキシ」は、RがO−カルボキシに関して定義されたものと同一であり得る「−C(=O)OR」基を指す。エステル及びC−カルボキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0060】
「チオカルボニル」基は、RがO−カルボキシに関して定義されたものと同一であり得る「−C(=S)R」基を指す。チオカルボニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0061】
「トリハロメタンスルホニル」基は、各Xがハロゲンである「XCSO−」基を指す。
【0062】
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、各Xがハロゲンであり、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルである、「XCS(O)N(R)−」基を指す。
【0063】
用語「アミノ」は、本明細書で使用される場合、「−NH」基を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシ」は「−OH」基を指す。
【0065】
「シアノ」基は「−CN」基を指す。
【0066】
用語「アジド」は、本明細書で使用される場合、「−N」基を指す。
【0067】
「イソシアナト」基は「−NCO」基を指す。
【0068】
「チオシアナト」基は「−CNS」基を指す。
【0069】
「イソチオシアナト」基は「−NCS」基を指す。
【0070】
「メルカプト」基は「−SH」基を指す。
【0071】
「カルボニル」基は「C=O」基を指す。
【0072】
「S−スルホンアミド」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−SON(R)」基を指す。S−スルホンアミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0073】
「N−スルホンアミド」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RSON(R)−」基を指す。N−スルホンアミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0074】
「O−カルバミル」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−OC(=O)N(R)」基を指す。O−カルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0075】
「N−カルバミル」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「ROC(=O)N(R)−」基を指す。N−カルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0076】
「O−チオカルバミル」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−OC(=S)−N(R)」基を指す。O−チオカルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0077】
「N−チオカルバミル」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「ROC(=S)N(R)−」基を指す。N−チオカルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0078】
「C−アミド」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−C(=O)N(R)」基を指す。C−アミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0079】
「N−アミド」基は、R及びRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RC(=O)N(R)−」基を指す。N−アミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0080】
用語「ハロゲン原子」または「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などの、元素周期表第7列の放射線安定性(radio−stable)原子のいずれか1つを意味する。
【0081】
置換基の数が指定されていない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在し得る。例えば「ハロアルキル」は、1つ以上の同じまたは異なるハロゲンを含み得る。別の例として、「C−Cアルコキシフェニル」は、1個、2個または、3個の原子を含んでいる同じまたは異なるアルコキシ基を1つ以上含み得る。
【0082】
本明細書で使用される場合、いかなる保護基、アミノ酸及び他の化合物の略語も、特に指示がない限り、それらの通常の用法、認知されている略語、または生化学命名法に関するIUPAC−IUB Commission(Biochem.11:942−944 1972)を参照)に従う。
【0083】
本明細書で使用される場合、用語「ホスホネート」は、当業者によって理解されるその通常の意味で使用され、そのプロトン化形態(例えば、
【化5】
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)を含む。
【0084】
本明細書で使用される場合、用語「モノホスホネート」及び「ジホスホネート」は、当業者によって理解されるその通常の意味で使用され、プロトン化形態を含む。加えて、本明細書で使用される場合、用語「ホスフェート」は、当業者によって理解されるその通常の意味で使用され、そのプロトン化形態(例えば、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
)を含む。
【0085】
用語「一リン酸」、「二リン酸」及び「三リン酸」は、当業者によって理解されるその通常の意味で使用され、プロトン化形態を含む。
【0086】
用語「保護基(protecting group及びprotecting groups)」は、本明細書で使用される場合、分子内の既存の基が望ましくない化学反応を起こすことを防ぐために分子に付加される、何らかの原子または原子団を指す。保護基部分の例は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3.Ed.John Wiley&Sons,1999、及びJ.F.W.McOmie,Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press,1973に記載されており、いずれも好適な保護基を開示するという限定された目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。保護基部分は、ある特定の反応条件に対し安定であり、かつ当技術分野で既知の方法論を用いて好都合な段階で容易に除去されるように選択され得る。保護基としては、ベンジル;置換ベンジル;アルキルカルボニル及びアルコキシカルボニル(例えば、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アセチル、またはイソブチリル);アリールアルキルカルボニル及びアリールアルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル);置換メチルエーテル(例えばメトキシメチルエーテル);置換エチルエーテル;置換ベンジルエーテル;テトラヒドロピラニルエーテル;シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−イソ−プロピルシリルオキシメチル、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルまたはt−ブチルジフェニルシリル);エステル(例えば安息香酸エステル);炭酸(例えばメトキシメチルカーボネート);スルホネート(例えばトシレートまたはメシレート);非環式ケタール(例えばジメチルアセタール);環式ケタール(例えば、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び本明細書に記載のもの);非環式アセタール;環式アセタール(例えば、本明細書に記載のもの);非環式ヘミアセタール;環式ヘミアセタール;環式ジチオケタール(例えば、1,3−ジチアンまたは1,3−ジチオラン);オルトエステル(例えば、本明細書に記載のもの)及びトリアリールメチル基(例えば、トリチル;モノメトキシトリチル(MMTr);4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr);4,4’,4”−トリメトキシトリチル(TMTr);及び本明細書に記載のもの)が非限定的に列挙される。
【0087】
用語「薬学的に許容される塩」は、投与された生物に対し有意な刺激を生じず、化合物の生物活性及び特性を抑止しない、化合物の塩を指す。いくつかの実施形態において、塩は化合物の酸付加塩である。医薬塩は、化合物を、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸と反応させることによって得ることができる。医薬塩は、化合物を、脂肪族または芳香族のカルボン酸またはスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸またはナフタレンスルホン酸などの有機酸と反応させることによっても得ることができる。医薬塩は、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩などの塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒロドキシメチル)メチルアミン、C1−C7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの有機塩基の塩、ならびにアルギニン及びリジンなどのアミノ酸との塩を形成することによっても得ることができる。
【0088】
特に添付の特許請求の範囲において、本出願で使用される用語及び句、ならびにその変形語は、特に明示されない限り、限定的ではなく非限定的(open ended)と解釈されるべきである。上記の例として、用語「including(を含む)」は、「including,without limitation」または「including but not limited to」(を含むが限定されない)などを意味すると読まれるべきであり;用語「comprising(を含む)」は、本明細書で使用される場合、「including(を含む)」、「containing(を含有する)」または「characterized by(を特徴とする)」と同義であり、包含的または非限定的であり、追加の未記載の要素または方法段階を除外せず;用語「having(を有する)」は、「having at least(を少なくとも有する)」と解釈されるべきであり;用語「includes(含む)」は、「includes but is not limited to(含むが限定されない)」と解釈されるべきであり;用語「例」は、考察されている項目の例示的な事例を提供するために使用され、その網羅的または限定的な列挙ではなく;「preferably(好ましくは)」、「preferred(好ましい)」、「desired(所望の)」、または「desirable(望ましい)」のような用語、及び同様の意味の語の使用は、ある特定の特徴が構造または機能にとって不可欠、必須、または更には重要であることを意味すると理解されるべきではなく、特定の実施形態において利用されてもされなくてもよい代替的または付加的な特徴を単に強調する目的であると理解されるべきである。加えて、用語「comprising(を含む)」は、句「having at least(を少なくとも有する)」または「including at least(を少なくとも含む)」と同義であると解釈されるべきである。工程に関連して使用される場合、用語「comprising(を含む)」は、この工程が少なくとも列挙された段階を含むが、追加の段階を含んでいてもよいことを意味する。化合物、組成物またはデバイスに関連して使用される場合、用語「comprising(を含む)」は、この化合物、組成物またはデバイスが少なくとも列挙された特徴または成分を含むが、追加の特徴または成分を含んでいてもよいことを意味する。同様に、接続詞「and(及び)」で連結された項目群は、それら項目の各々すべてがその分類中に存在する必要があると読まれるべきではなく、特に明示されない限り、むしろ「and/or(及び/または)」と読まれるべきである。同様に、接続詞「or(または)」で連結された項目群は、その群中の相互排他性を要求していると読まれるべきではなく、特に明示されない限り、むしろ「and/or(及び/または)」と読まれるべきである。
【0089】
本明細書で実質的にいかなる複数形及び/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/または使用法に適合している場合、複数形から単数形に、及び/または単数形から複数形に読み換えることができる。明確さのため、様々な単数形/複数形の変換が本明細書に明記される場合がある。不定冠詞「a」または「an」は多数性を排除するものではない。単一の請求項構成要素は、特許請求の範囲に列挙されるいくつかの項目の機能を果たし得る。単にある特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせを有益に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲の中のいかなる引用符号も、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0090】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載のあらゆる化合物において、絶対立体化学が明示されていない場合、各々の中心は独立してR−配置もしくはS−配置またはその混合物であり得ると理解される。したがって、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋である、鏡像異性的に濃縮されている、ラセミ混合物である、ジアステレオ異性的に純粋である、ジアステレオ異性的に濃縮されている、または立体異性体の混合物である場合がある。加えて、EまたはZと定義できる幾何異性体を生み出す1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載のあらゆる化合物において、各々の二重結合が独立してEまたはZ、その混合であり得ると理解される。
【0091】
同様に、記載されるあらゆる化合物に、すべての互変異性体も包含されることを意図していると理解される。例えば、当技術分野で既知のホスホネート及びヘテロ環塩基のすべての互変異性体が包含されることが意図される。これには、天然及び非天然のプリン塩基及びピリミジン塩基の互変異性体が、包含されることが意図される。
【0092】
本明細書で開示される化合物が空の原子価を有する場合、これらの原子価は、水素またはその同位元素、例えば、水素−1(プロチウム)及び水素−2(ジュウテリウム)で充填され得ると理解されるべきである。
【0093】
本明細書に記載の化合物は同位体標識できると理解される。ジュウテリウムなどの同位元素との置換は、例えば、in vivoにおける半減期の延長または必要用量の減少などの、代謝安定性の向上から得られるある種の治療的利点を与えることができる。化合物構造内に示される各化学元素は、前記元素のあらゆる同位元素を包含し得る。例えば、ある化合物構造において、水素原子が明示的に開示される場合もあれば、化合物内に存在すると理解される場合もある。化合物の水素原子が存在し得る位置を問わず、水素原子は、限定されないが、水素−1(プロチウム)及び水素−2(ジュウテリウム)を含む水素のあらゆる同位元素であり得る。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈によって特に明示されない限り、すべての可能な同位体形態を包含する。
【0094】
本明細書に記載の方法及び組み合わせは、結晶形態(多形体としても知られており、同一の元素組成の化合物の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物及び水和物を含むと理解される。複数の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いた結晶化の過程で形成され得る。溶媒が水である場合には水和物が形成され、あるいは溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。加えて、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態だけでなく、非溶媒和形態でも存在し得る。一般に、本明細書で提供される化合物及び方法を目的とする場合、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であると見なされる。
【0095】
数値範囲が提供される場合、上限及び下限、ならびに範囲の上限と下限との間にある各数値は、実施形態に包含されるものと理解される。
【0096】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、本明細書に記載されるウイルス感染の宿主である動物を指す。「動物」には哺乳動物を含む。「哺乳動物」としては、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、ウマ、サル、チンパンジー及び類人猿などの霊長類、ならびに特にヒトが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な実施形態では、対象はヒトである。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療」、「治療的」または「療法」は、必ずしも疾患または病状の完全な治癒または消滅を意味するものではない。疾患または病状のいかなる望まない徴候または症状のいかなる緩和も、程度を問わず治療及び/または療法と見なすことができる。更に治療には、患者の全体的な幸福感または外見を悪化させ得る行為を含む場合がある。
【0098】
用語「治療的有効量」及び「有効量」は、示された生物学的応答または薬剤応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を示すために使用される。例えば、化合物の有効量は、疾患の症状を予防、緩和または改善する、あるいは治療中の対象の生存時間を延長させるのに必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物またはヒトに生じる場合があり、治療中の疾患の徴候または症状の緩和を含む。有効量の決定は、本明細書で提供される開示を考慮して、当業者が十分に行える範囲である。用量として必要とされる本明細書で開示される化合物の有効量は、投与経路、治療中の動物の種類(例えばヒト)、及び検討中の特定の動物の身体的特徴に依存する。この用量は、所望の効果を達成するよう調節できるが、体重、食事、同時投薬などの要因及び医薬分野の当業者が認識する他の要因に依存する。
【0099】
本明細書で開示するいくつかの実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主の改善または治療のための薬剤の調製に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用することに関し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。本明細書で開示する他の実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を改善または治療するために、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用することに関し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。本明細書で開示する実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した対象の、ヒトパピローマウイルスに感染した細胞に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を接触させることを含み得る、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を改善または治療する方法に関し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。本明細書で開示する実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した対象に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み得る、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主を改善または治療する方法に関し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。本明細書で開示するいくつかの実施形態は、ヒトパピローマウイルスに感染した宿主の改善または治療に使用される、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩に関し、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療することができる。
【0100】
複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスは、本明細書に記載するような高リスクのヒトパピローマウイルスであり得る。例えば、高リスクのヒトパピローマウイルスは、HPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−45、HPV−51、HPV−52、HPV−56、HPV−58、HPV−59、HPV−68、HPV−73及びHPV−82から選択することができる。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスはHPV−16であり得る。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスはHPV−18であり得る。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスは、以下の高リスク型の1つ以上であり得る:HPV−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−45、HPV−51、HPV−52、HPV−56、HPV−58、HPV−59、HPV−68、HPV−73及びHPV−82。本明細書に記載するように、HPV感染の存在は、PAPスメア試験及び/またはDNAプローブ試験(例えば、1つ以上の高リスク型HPVに対するHPV DNAプローブ試験)を使用して検出することができる。したがって、複数の実施形態において、DNA試験、例えば本明細書に記載するHPV DNA試験のいずれかなどによって、HPV感染、例えば高リスクHPV感染であると診断された対象に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することができる。
【0101】
複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスは、本明細書に記載するものを含む、低リスクのヒトパピローマウイルスであり得る。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスはHPV−6であり得る。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスはHPV−11であり得る。
【0102】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1種以上のヒトパピローマウイルス型に感染した宿主の改善及び/または治療に使用することができる。例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HPV−16及びHPV−18の改善及び/または治療に使用することができる。複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、高リスク及び低リスク両方のHPVの改善及び/または治療に使用することができる。
【0103】
当業者であれば容易に判断できるが、投与されて有用となるin vivo用量及び特定の投与様式は、年齢、体重、病気の重症度、及び治療される哺乳動物種、用いられる特定の化合物、ならびにこれらの化合物を用いる具体的用途に応じて異なる。有効用量レベル、すなわち所望の結果を達成するのに必要な用量レベルの決定は、通常の方法、例えば、ヒト臨床試験及びin vitro研究を用いて当業者が実現することができる。
【0104】
用量は、所望の効果及び治療指標に応じて広範囲にわたる場合がある。あるいは、当業者によって理解されるように、用量を患者の体表面積に基づいて算出してもよい。正確な用量は薬剤ごとに決定されるが、ほとんどの場合、用量に関してある程度の一般化を行うことができる。成人患者に対する一日用量レジメンは、例えば、0.01mg〜3000mgの各活性成分の経口用量、好ましくは1mg〜700mg、例えば5〜200mgであり得る。局所投与または膣内投与の場合、用量は0.02mg〜200mgであり得る。用量は、単回分であってもよく、対象が必要とする場合は1日以上にわたって与えられる一連の2回以上分であってもよい。複数の実施形態において、化合物は持続的療法の期間中、例えば、1週間以上または数か月間または数年間投与される。複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、別の薬剤の投与頻度と比較して少ない頻度で投与することができる。複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を用いた治療レジメンの合計時間を、別の薬剤を用いた治療レジメンの合計時間と比較して短くすることができる。
【0105】
化合物のヒト用量が少なくとも一部の病状に対して確立されている場合、それと同用量か、または確立されたヒト用量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%である用量を使用してよい。ヒト用量が確立されていない場合、新たに発見された医薬組成物の場合、好適なヒト用量は、ED50値もしくはID50値、または動物における毒性試験及び有効性試験によって承認されるような、in vitroもしくはin vivo試験から導かれる他の適切な値から推定することができる。
【0106】
薬学的に許容される塩の投与の場合、用量は遊離塩基として算出してよい。当業者に理解されているように、ある特定の状況では、特に侵攻性の疾患または感染症を効果的かつ積極的に治療するために、本明細書に開示する化合物を上記の好ましい用量域を上回る量で、更には大きく上回る量で投与することが必要となる場合がある。
【0107】
用量及び投与間隔を個別に調整することで、調節効果を維持するのに十分な活性部分の血漿レベル、すなわち最小有効濃度(MEC)を得ることができる。MECは化合物ごとに異なるが、in vitroデータから推定することができる。MECを達成するのに必要な用量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。他方で、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いることで、血漿中濃度を決定することができる。投与間隔も、MEC値を用いて決定することができる。組成物は、10〜90%の期間、好ましくは30〜90%の期間、最も好ましくは50〜90%の期間、MECを上回る血漿レベルを維持するレジメンを用いて投与されるべきである。局所投与または選択的摂取の場合、薬剤の有効局所濃度は血漿中濃度とは相関しない場合がある。
【0108】
尚、主治医であれば、毒性または臓器不全に起因して投与をいつどのように終了、中断または調節するかを理解できる。逆に、(毒性を除く)臨床応答が十分でない場合には、より高レベルへと治療を調節することも主治医は理解している。目的の障害に対処する際の用量の大きさは、治療しようとする病状の重症度及び投与経路によって異なる。病状の重症度は、例えば、標準的な予後評価法によって部分的に評価することができる。更に、用量及びおそらくは投与頻度もまた、個々の患者の年齢、体重及び応答によって異なる。上記で考察したものと類似する計画を、獣医学に用いてもよい。
【0109】
本明細書で開示する化合物は、既知の方法を使用して有効性及び毒性を評価することができる。細胞株、例えば哺乳類細胞株、好ましくはヒト細胞株に対するin vitro毒性を決定することにより、例えば、特定の化合物の毒性学、またはある特定の化学的部分を共有する該化合物の一部の毒性学を確定することができる。多くの場合、このような試験の結果から、動物、例えば哺乳動物、またはより具体的にはヒトにおける毒性が予測される。あるいは、既知の方法を使用して、マウス、ラット、ウサギまたはサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性を決定することができる。in vitro法、動物モデルまたはヒト臨床試験などのいくつかの認知された方法を使用して特定の化合物の有効性を確定することができる。有効性を決定するためのモデルを選択する場合、当業者は現況技術を参考として、適切なモデル、用量、投与経路及び/またはレジメンを選択することができる。
【0110】
本明細書に記載するように、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ホスホネートの電荷を中和する部分(複数可)を有することができる。ホスホネートの電荷を中和することにより、化合物の親油性増加の結果として、細胞膜の浸透が促進され得る。細胞内に吸収され取り込まれると、このリンに結合した基は、エステラーゼ、プロテアーゼ及び/または他の酵素によって容易に除去され得る。複数の実施形態において、リンに結合した基は、単純な加水分解によって除去され得る。細胞内において、このように放出されたホスホネートはその後、細胞酵素によって活性代謝産物である一リン酸または二リン酸に代謝され得る。更に、複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩などの本明細書に記載の化合物の置換基を変化させることで、異性化などの望ましくない作用を低減することにより、化合物の有効性の維持を助けることができる。
【0111】
複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNA合成の連鎖停止剤として作用することができる。この化合物がDNA鎖内に組み込まれると、更なる伸長の発生は観察されなくなる。複数の実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は代謝され、その結果、リン原子に結合した基が除去されてホスホン酸が生成する。次に、ホスホン酸は活性代謝産物である二リン酸に同化代謝され、これがDNA合成の連鎖停止剤として作用することができる。この化合物がDNA鎖内に組み込まれると、更なる伸長の発生は観察されなくなる。
【0112】
加えて、複数の実施形態において、ホスホネートの電荷を中和する部分(複数可)の存在により、その分解を阻害することによって化合物の安定性を増加させることができる。加えて、複数の実施形態において、ホスホネートの電荷を中和する部分(複数可)の存在により、化合物をin vivoでの開裂に対してより抵抗性にし、持続的で拡張された有効性を提供することができる。複数の実施形態において、ホスホネートの電荷を中和する部分(複数可)は、化合物を親油性にすることで、式(I)の化合物による細胞膜の浸透を促進することができる。複数の実施形態において、ホスホネートの電荷を中和する部分(複数可)は、経口生物学的利用能を増加させ、水溶液中での安定性を増加させ、及び/または副生物に関連する毒性のリスクを低減させることができる。
【0113】
化合物
【0114】
本明細書に開示する実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する:
【化7】
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[式中、Bは、
【化8】
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であり得;
及びZは独立して、−O−(酸素)または−NR−であり得、ここでのRはH(水素)または場合により置換されたC1−4アルキルであり得;Rは、不在、H(水素)、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
から選択することができ;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化10】
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から選択することができ;またはZ及びZは−O−であり得;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化11】
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及び場合により置換された
【化12】
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から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が6員環系から10員環系を形成し;Rは、非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり得;各Rは独立して、H(水素)、−(CH−S−C1−24アルキルまたは−O−(CH−R4Aであり得;各R4Aは、H(水素)、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたアリールであり得;各R、各R及び各Rは独立して、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたC2−8アルケニル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり得;各Rは独立して、H(水素)または場合により置換されたC1−6アルキルであり得;各R10は独立して、H、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化13】
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−CH(C=O)OH、−CHCH(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化14】
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及び−(CHNHからなる群から選択され;各R11は独立して、H(水素)、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)であり得;各a及び各bは独立して、1、2、3または4であり得;各c及び各dは独立して、0、1、2または3であり得;ならびに、Rが不在である場合、Zは−O−である]。
【0115】
複数の実施形態において、Rは不在またはHであり得;及びRは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化15】
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から選択することができる。他の実施形態では、R及びRは独立して、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化16】
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から選択することができる。
【0116】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態を表1に示す。表1では、
【化17】
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である。
【表1】
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【0117】
表1の−(CHR−O−C1−24アルキル、−(CHR−O−C2−24アルケニル、アリール(フェニルを含む)、アリール(C1−4アルキル)(ベンジルを含む)
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
は、各々場合により置換され得る。Rが不在である場合、Zの酸素が付随する負電荷を有することを当業者は理解している。
【0118】
複数の実施形態において、R及びRのうち少なくとも一方は、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたC2−24アルケニルであり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、場合により置換されたC1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、場合により置換されたC2−24アルケニルであり得る。R及びRの一方または両方が、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたC2−24アルケニルであるとき、場合により置換されたC1−24アルキル及び/または場合により置換されたC2−24アルケニルは脂肪酸からの脂肪族鎖であり得る。脂肪酸の脂肪族鎖は、長さによって異なる。脂肪酸の種類として、短鎖脂肪酸(6個未満の炭素)、中鎖脂肪酸(6〜12個の炭素)、長鎖脂肪酸(13〜21個の炭素)及び極長鎖脂肪酸(22個超の炭素)が挙げられる。脂肪族鎖の例としては、ミリストレイル、ミリスチル、パルミトレイル、パルミチル、サピエニル(sapienyl)、オレイル、エライジル、バクセニル、リノレイル、α−リノレニル、アラキドニル、エイコサペンタエニル、エルシル、ドコサヘキサエニル、カプリリル、カプリル、ラウリル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、リグノセリル及びセロチルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。
【0119】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、−(CHR−O−C1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、−(CHR−O−C1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、各Rは水素であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは−O−(CH−R4Aであり得る。複数の実施形態において、aは1であり得る。複数の実施形態において、aは2であり得る。複数の実施形態において、aは3であり得る。複数の実施形態において、aは4であり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。
【0120】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、−(CHR−O−C2−24アルケニルであり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、−(CHR−O−C2−24アルケニルであり得る。複数の実施形態において、各Rは水素であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは−O−(CH−R4Aであり得る。複数の実施形態において、bは1であり得る。複数の実施形態において、bは2であり得る。複数の実施形態において、bは3であり得る。複数の実施形態において、bは4であり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。
【0121】
部分が存在するとき、複数の実施形態において、R4AはH(水素)であり得る。複数の実施形態において、R4Aは、場合により置換されたC1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、R4Aは、場合により置換されたアリールであり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得、及びcは0であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得、及びcは1であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得、及びcは2であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−(CH−S−C1−24アルキルであり得、及びcは3であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−O−(CH−R4Aであり得、及びdは0であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−O−(CH−R4Aであり得、及びdは1であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−O−(CH−R4Aであり得、及びdは2であり得る。複数の実施形態において、少なくとも1つのRは、−O−(CH−R4Aであり得、及びdは3であり得る。複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、1−O−オクタデシル−2−O−ベンジル−snグリセリルであり得る。複数のRが存在するとき、R部分は同じであり得るか、あるいは少なくとも1つのRが異なり得る。
【0122】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、場合により置換されたアリールであり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、場合により置換されたアリールであり得る。例えば、R及びRの一方または両方は、場合により置換されたフェニルであり得る。複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)であり得る。好適な、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)は、場合により置換されたベンジルである。アリール及び/またはアリール(C1−4アルキル)が置換されているとき、アリール環は1、2、3または3つ以上の置換基で置換され得る。3つ以上の置換基が存在するとき、置換基は同じであるかまたは異なり得る複数の実施形態において、アリール環はパラ置換、オルト置換またはメタ置換されたフェニルであり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。
【0123】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC1−8アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC2−8アルケニル、例えば場合により置換されたアリルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたシクロアルキル、例えば、場合により置換されたC3−6シクロアルキルまたは場合により置換されたC5−6シクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたアリール、例えば場合により置換されたフェニルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC1−8アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC2−8アルケニルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたシクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたアリール、例えば場合により置換されたフェニルであり得る。好適なR基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖または直鎖)、ヘキシル(分枝鎖または直鎖)、場合により置換されたアリル、場合により置換されたC3−6シクロアルキル、場合により置換されたC5−6シクロアルキル及び場合により置換されたフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。複数の実施形態において、R及びRの一方または両方は、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル(POC)であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル(POC)基であり得、更にビス(イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル)(ビス(POC))プロドラッグを形成することができる。複数の実施形態において、R及びRの一方または両方は、ピバロイルオキシメチル(POM)であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、ピバロイルオキシメチル(POM)基であり得、更にビス(ピバロイルオキシメチル)(ビス(POM))プロドラッグを形成することができる。
【0124】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は、
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC1−8アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC2−8アルケニル、例えば場合により置換されたアリルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたシクロアルキル、例えば、場合により置換されたC3−6シクロアルキルまたは場合により置換されたC5−6シクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたアリール、例えば場合により置換されたフェニルであり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、S−アシルチオエチル(SATE)基であり得、SATEエステルプロドラッグを形成することができる。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、S−[(2−ヒドロキシエチル)スルフィジル]2−チオエチル(DTE)基であり得、DTEエステルプロドラッグを形成することができる。複数の実施形態において、R及びRの一方が、S−アシルチオエチル(SATE)基であり得、及びR及びRの他方が、場合により置換されたフェニル基であり得、フェニル(SATE)プロドラッグを形成することができる。複数の実施形態において、R及びRの一方が、S−アシルチオエチル(SATE)基であり得、及びR及びRの他方が、N結合型アルファ−アミノ酸エステルであり得、(SATE)−ホスホンアミデートのジエステルプロドラッグを形成することができる。
【0125】
用語「N結合型アルファ−アミノ酸エステル」は、主鎖のアミノ基または一置換アミノ基を介して指示部分に結合しており、主鎖のカルボン酸基がエステル基に変換されたアミノ酸を指す。アルファ−アミノ酸の例としては、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン及びバリンが挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸が−N連結型アミノ酸に結合している場合、主鎖のアミノ基または一置換アミノ基の一部である水素の1つは存在せず、アミノ酸は窒素を介して結合している。複数の実施形態において、エステル基は、アルキル−O−C(=O)−、シクロアルキル−O−C(=O)−、アリール−O−C(=O)−及びアリール(アルキル)−O−C(=O)−から選択される式を有する。N結合型アルファ−アミノ酸エステルは置換されていても非置換であってもよい。R及び/またはRがN結合型アルファ−アミノ酸エステルである場合、主鎖のアミノ基または一置換アミノ基の主鎖窒素は、それぞれZ及び/またはZの窒素である。
【0126】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、Rは水素であり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC1−8アルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、C1−4アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたシクロアルキル、例えば、場合により置換されたC3−6シクロアルキルまたは場合により置換されたC5−6シクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたアリール、例えば場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたナフチルであり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、ジオキソレノン基であり得、ジオキソレノンプロドラッグを形成することができる。
【0127】
複数の実施形態において、R及びRは一体となって、場合により置換された
【化27】
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を形成することができ、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分は、6員環系を形成し、「*」はそれぞれZ及びZとの連結点を示す。R及びRが一体となって、場合により置換された
【化28】
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を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が、6員環系を形成する例は以下である:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(Phは場合により置換されたフェニルである)。
【0128】
置換される場合、
【化30】
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の環は1、2、3または3回以上置換されている場合がある。複数の置換基で置換されている場合、置換基は同じであるかまたは異なり得る。複数の実施形態において、
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
環は、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリールまたは場合により置換されたヘテロシクリルで置換されている場合がある。複数の実施形態において、R及びRは一体となって、場合により置換された
【化32】
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、例えば
【化33】
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を形成することができ、ここでRは、場合により置換されたフェニル、場合により置換された単環式ヘテロアリール(例えばピリジニル)または場合により置換された単環式ヘテロシクリルであり得る。複数の実施形態において、R6A及びR7Aは、環式1−アリール−1,3−プロパニルエステル(HEPDIRECT(商標))プロドラッグ部分を形成し得る。
【0129】
複数の実施形態において、R及びRは一体となって、場合により置換された
【化34】
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を形成することができ、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分は、10員環系を形成し、「*」はそれぞれZ及びZとの連結点を示す。場合により置換された
【化35】
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の例として、
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。複数の実施形態において、R及びRはシクロサリゲニル(cycloSal)プロドラッグを形成することができる。R及びRが一体となって、場合により置換された
【化37】
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を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が、10員環系を形成する例は以下である:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
複数の実施形態において、少なくともR
【化39】
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であり得、ここでZ1は−NR−、例えば−NH−であり得る。
複数の実施形態において、R及Rはいずれも
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、ここでZ及びZはいずれも−NR−、例えば−NH−であり得る。複数の実施形態において、Rは水素であり得る。複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたC1−6アルキルであり得る。複数の実施形態において、R10は水素であり得る。複数の実施形態において、R10は、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化41】
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、−CH(C=O)OH、−CHCH(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
または−(CHNHであり得る。複数の実施形態において、R11は水素であり得る。複数の実施形態において、R11は、場合により置換されたC1−8アルキルであり得る。複数の実施形態において、R11は、場合により置換されたシクロアルキル、例えば場合により置換されたC3−6シクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、R11は、場合により置換されたアリールであり得る。例えば、R11は置換または非置換のフェニルであり得る。複数の実施形態において、R11は、場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)(例えば場合により置換されたベンジル)であり得る。
【0131】
及びRならびに/またはZ及びR
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するとき、N結合型アルファアミノ酸エステルであり得る。N結合型アルファアミノ酸エステルは、本明細書に記載されている。複数の実施形態において、
【化44】
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は、
【化45】
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であり得る。複数の実施形態において、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、ここでZはNHであり得る。更にRは、場合により置換されたアリール(例えば、場合により置換されたフェニル)であり得、アリールホスホンアミデートプロドラッグを形成することができる。複数の実施形態において、式(I)の化合物はホスホロジアミデートプロドラッグであり得、ここでR及びRはいずれも
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、ここでZ及びZはいずれも−NR−、例えば−NH−であり得る。
【0132】
及び/またはZが−NR−である場合、RはH(水素)または場合により置換されたC1−4アルキルであり得る。複数の実施形態において、Z及び/またはZは−NH−であり得る。複数の実施形態において、Z及び/またはZは、−N−場合により置換されたC1−4アルキル−であり得る。複数の実施形態において、Z及び/またはZは、−N−非置換C1−4アルキル−であり得る。例えば、Z及び/またはZは、−N−メチル−、−N−エチル−、−N−(n−プロピル)−、−N−(イソプロピル)−、−N−(n−ブチル)−、−N−(イソブチル)−または−N−(t−ブチル)−であり得る。複数の実施形態において、−N−場合により置換されたC1−4アルキルは、−N(CH)−CH(OH)−CHOHであり得る。
【0133】
複数の実施形態において、R及びRの少なくとも一方は
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRはいずれも、
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。複数の実施形態において、R及びRの一方は
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、R及びRの他方は、場合により置換されたC1−24アルキルであり得る。複数の実施形態において、Z及びZの少なくとも一方は−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZはいずれも−O−であり得る。複数の実施形態において、Z及びZの一方は−O−であり得、Z及びZの他方は−NR−であり得る。
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
を含むプロドラッグの例としては、以下が挙げられる:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
複数の実施形態において、式(I)の化合物はニトロフラニルメチルホスホノアミデート(phosphonoamidate)のプロドラッグであり得、ここでR
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、Rは−(CHCHC1であり得、ZはOであり得、及びZはNCHであり得る。複数の実施形態において、式(I)の化合物はニトロフラニルメチルN−ジヒドロキシプロピルホスホノアミデートのプロドラッグであり得、ここでR
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、Rは−(CHCHClであり得、ZはOであり得、及びZは−N(CH)−CH(OH)−CHOHであり得る。
【0135】
複数の実施形態において、R及びRは同一であり得る。複数の実施形態において、R及びRは異なり得る。
【0136】
本明細書に記載するように、Bは天然に存在するグアニンまたは修飾グアニン塩基であり得る。例えば、B
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、ここでRは非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり得る。複数の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖または直鎖)またはヘキシル(分枝鎖または直鎖)であり得る。複数の実施形態において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。
【0137】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
または前述の薬学的に許容される塩。
【0138】
式(I)またはその薬学的に許容される塩の付加的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
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【0139】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基である)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0140】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0141】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0142】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0143】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0144】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0145】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基である)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0146】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0147】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0148】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0149】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0150】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0151】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基である)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0152】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0153】
更に別の実施形態では、化合物は次式を有する:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0154】
複数の実施形態において、化合物は次式を有する:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0155】
別の実施形態では、化合物は次式を有する:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0156】
一実施形態において、化合物は次式を有する:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは上記に定義される)。フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある。
【0157】
複数の実施形態において、上記の構造中のRは、アルキル、アルコキシ、ハロゲン及びシアノから独立して選択される。
【0158】
複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたヘテロアリール、例えばピリジン、ピリミジン、イミダゾール、ピロール、フランまたはチオフェンである。
【0159】
複数の実施形態において、Rは、フェニルを含むがこれに限定されない、場合により置換されたアリールである。
【0160】
複数の実施形態において、Rは、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)である。
【0161】
複数の実施形態において、Rは場合により置換されたヘテロアリール、例えばピリジン、ピリミジン、イミダゾール、ピロール、フランまたはチオフェンであり、Rは−(CHR−O−(C1−24アルキルまたはアルケニル)である。複数の実施形態において、Rはフェニルを含むがこれに限定されない、場合により置換されたアリールであり、Rは−(CHR−O−(C1−24アルキルまたはアルケニル)である。複数の実施形態において、Rは場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)であり、Rは−(CHR−O−(C1−24アルキルまたはアルケニル)である。
【0162】
複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rはフェニル(置換または非置換のフェニル)ではあり得ない。複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rはベンジル(置換または非置換のベンジル)ではあり得ない。複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは水素ではあり得ない。複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH15CHである場合、ZはOではあり得ず、Rはフェニル(置換または非置換のフェニル)ではあり得ない。複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH15CHである場合、ZはOではあり得ず、Rはベンジル(置換または非置換のベンジル)ではあり得ない。複数の実施形態において、Rが−(CH−O−(CH15CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは水素ではあり得ない。複数の実施形態において、Rは−(CH−O−C1−24アルキルではあり得ない。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスは、HPV−16及び/またはHPV−18ではあり得ない。複数の実施形態において、ヒトパピローマウイルスは、HPV−11ではあり得ない。
【0163】
いかなる特定の理論にも束縛されないが、上皮細胞の迅速な分裂により、PMEG末端処理されたウイルスプライマーを効果的に修復できない可能性がある。複数の実施形態において、本明細書に記載する化合物はPMEGを極ゆっくりと放出することにより、抗ウイルス活性とHPV DNA合成の阻害を優勢にする活性代謝産物であるPMEG二リン酸の細胞内レベルを調節する一方で、PMEG二リン酸の細胞内レベルの上昇(PMEG二リン酸の細胞への放出を迅速化するプロドラッグから生じる)により、多くのヒト癌の細胞分裂の阻害をもたらす。とりわけ本明細書では、プロドラッグ部分の綿密な選択によって細胞内での活性代謝産物の放出速度を調節することにより、活性代謝産物PMEG二リン酸の増殖抑制作用を、活性代謝産物PMEG二リン酸の抗ウイルス作用と分離できることを見出した。
【0164】
医薬組成物
【0165】
本明細書に記載の有効量の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくはその実施形態、またはその薬学的に許容される塩)及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはこれらの組合せを含み得る医薬組成物を提供する。複数の実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の単一のジアステレオマーを含み得る(例えば、単一のジアステレオマーは、他のジアステレオマーの合計濃度と比較して、99%超の濃度で医薬組成物中に存在する)。複数の実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩のジアステレオマーの混合物を含み得る。例えば、医薬組成物は、他のジアステレオマーの合計濃度と比較して、50%超、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または98%以上の、ある濃度の1つのジアステレオマーを含み得る。複数の実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の2つのジアステレオマーの1:1混合物を含む。
【0166】
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示する1つ以上の化合物と、希釈剤または担体などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、生物に対する化合物の投与を促進する。医薬組成物は、化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びサリチル酸などの無機酸または有機酸と反応させることによっても得ることができる。医薬組成物は、一般的に、特定の意図される投与経路に適合される。医薬組成物はヒト及び/または動物への適用に適している。
【0167】
用語「生理学的に許容される」は、化合物の生物活性及び特性を抑止しない担体、希釈剤または賦形剤を定義する。
【0168】
本明細書で使用される場合、「担体」は、細胞または組織内への化合物の取り込みを促進する化合物を指す。例えば、限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、対象の細胞または組織内への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
【0169】
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、薬理学的活性を有さないが、製薬上必要であるまたは望ましい場合がある医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/または投与するには質量が小さすぎる、効力のある薬剤の嵩を増加させるために使用される場合がある。注射、摂取または吸入によって投与される薬剤の溶解のために、希釈剤は液体であってもよい。当技術分野での希釈剤の一般的な形態は、限定されないが、ヒト血液の組成を模倣するリン酸緩衝食塩水などの緩衝水溶液である。
【0170】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定されないが、嵩、粘度、安定性、結合性、潤滑性、崩壊性などを医薬組成物に与えるために医薬組成物に添加される、不活性な物質を指す。「希釈剤」は賦形剤の一種である。
【0171】
本明細書に記載の医薬組成物は、単独で、または医薬組成物の形態で、ヒト患者に投与するこができ、医薬組成物においては、併用療法などでの他の活性成分、もしくは担体、希釈剤、賦形剤またはこれらの組み合わせと混合される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の化合物の製剤及び投与の手法は、当業者に既知である。
【0172】
本明細書に開示する医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば、従来の混合工程、溶解工程、造粒工程、糖剤化工程、研和工程、乳化工程、カプセル封入(encapsulating)工程、封入(entrapping)工程または錠剤化工程によって製造してよい。加えて、活性成分は、その使用目的を達成するのに有効な量で含有される。本明細書に開示する薬学的組み合わせに使用される化合物の多くは、薬学的に適合性である対イオンとの塩として提供してよい。
【0173】
化合物を投与する複数の手法が当技術分野に存在し、これには、限定されないが、経口、経直腸、局所的、エアロゾル、注射及び非経口送達、例えば、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、膣内及び眼内注射が含まれる。
【0174】
例えば、感染部位への直接的な化合物の適用によって、全身的にではなく局所的な方式で化合物を投与してもよい。化合物は、ゲル、クリーム及び/または坐剤として投与することができる。加えて、化合物は、デポーまたは徐放性製剤の形態で(例えば、ナノ粒子及び/または膣内リングとして)投与することができる。更に、標的化された薬剤送達系で、例えば、組織特異的な抗体で被膜されたリポソームで化合物を投与してもよい。リポソームは器官に標的化され、器官ごとに選択的に取り込まれる。
【0175】
組成物は、所望する場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得るパック、アプリケーターまたはディスペンサー装置の形態で存在してよい。パックは、例えば、ブリスター包装などの金属箔またはプラスチック箔を含んでよい。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための説明書が付属してもよい。パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局が定める形態で、容器に添付される表示も伴う場合があり、その表示は、ヒトまたは動物への投与に対して、この薬剤の形態が機関により承認されたことを表すものである。このような表示は、例えば、処方薬に対する米国食品医薬品局によって承認されたラベル、または承認された製品添付文書であり得る。適合性のある医薬担体中で製剤化された本明細書に記載の化合物を含み得る組成物はまた、適応症の治療に合わせて調製され、適切な容器に入れ、ラベリングされてもよい。
【0176】
合成
【0177】
式(I)の化合物及び本明細書に記載の化合物は、様々な方法で調製することができる。式(I)の化合物への一般的な合成経路、及び式(I)の化合物を合成するために使用される出発物質のいくつかの例が、スキーム1及び2に示され、本明細書に記載される。本明細書に示され記載される経路は、例示のみを目的としており、いかなる形態であっても特許請求の範囲を限定することを意図せず、そう解釈されるべきでもない。当業者は、本明細書の開示に基づいて、開示された合成物の変更形態を判断でき、代替経路を考案することができ、またすべてのそのような変更形態及び代替経路は特許請求の範囲に含まれる。
【化78】
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【0178】
スキーム1に示すように、非環式ヌクレオシドホスホネートを、LGが好適な脱離基(例えば、Cl)であるR−LG及び/またはR−LGと結合することができる。あるいは、リンに結合したOH基を変換した後、R及び/またはRと置換することができる。例えば、OH基の水素をアルカリ金属イオン(例えばNa+)に変換することができる(スキーム1にR′で示す)。非環式ヌクレオシドホスホネートの結合方法は当業者に既知である。例えば、Pradere,U.et al.,Chem.Rev.,2014,114:9154−9218に記載及び引用された方法を参照されたい。
【実施例】
【0179】
実施例1。9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]−2−アミノ−6−クロロプリン,トリブチルアミン塩(7)
【0180】
スキームAに示すように化合物6を調製し、ブロモトリメチルシランによる処理に続いて加水分解することによりホスホン酸(6−a)に変換した。詳細な方法は、Holy,A.et al.J.Med.Chem.(1999)42(12):2064−2086に記載されている。7を調製するために、1Lのフラスコにマグネチックスターラー、窒素導入口及び滴下漏斗を取り付けた。化合物6−a(18.8g、61mmol)及びN,N−DMF(200mL)を添加し、生じるスラリーを撹拌した。トリブチルアミン(14.9mL、62mmol)を15〜20分にわたって滴加した。得られた溶液を周囲温度で10分間撹拌した。トルエン(470mL)を添加して、撹拌を30〜40分間継続した。化合物7の種結晶(50mg)を添加した。混合物を5時間撹拌した後、沈殿固体を濾過した。濾過した固体をトルエン(150mL)で洗浄し、真空下で数時間乾燥させ、7(25.6g、収率85%)をオフホワイト粉末として得た。この固体をH NMR及び31P NMR分光法により分析した。H NMR (DMSO−d) d 8.20 (s, 1H), 6.91 (s, 2H), 4.20 (t, 2H), 3.81 (t, 2H), 3.45 (d, 2H), 2.73 (m, 2H), 1.51 (m, 2H), 1.26 (septet, 2H), 0.87 (t, 3H).
【0181】
スペクトルが7と一致することを検出した。
【化79】
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【0182】
実施例2。9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]グアニン(PMEG、9)
【0183】
スキームBに示すように、6の酸加水分解によって化合物9を調製した。化合物6(4.95g、12.6mmol)を80%CHCOOH水溶液に溶解した。混合物を3時間還流状態にて撹拌及び加熱した。その後、混合物を冷却した。溶媒を真空下で蒸発させ、粗生成物8をオフホワイト粉末として得て、これを真空オーブンにて45℃で乾燥させた。化合物8をCHCN(30mL)に溶解し、ブロモトリメチルシラン(11.6g、76mmol)で処理し、一晩撹拌した。混合物を真空下で蒸発させた。水/砕氷(50mL)を残渣に添加した。スラリーを1時間撹拌し、沈殿物を濾過によって回収し、9(PMEG、3.1g、収率85%)を得た。PMEGの調製に関する追加の詳細は、Holy,A.et al.J.Med.Chem.(1999)42(12):2064−2086に記載されている。
【化80】
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【0184】
実施例3。オクタデシルオキシエチルPMEG(ODE−PMEG、11)
【0185】
方法A:スキームCに従って、7のエステル化により化合物11を調製した。1Lのフラスコにマグネチックスターラーを取り付け、次いで化合物7(21.7g、44mmol)、2−オクタデシルオキシエタノール(ODE−OH、14.2g、45mmol)及び無水N,N−DMF(300mL)を添加した。混合物を撹拌して、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP(登録商標)、35g、67.5mmol)を5等分(それぞれ7g)に細分し、その後各部分を30分間隔で添加した。PYBOP(登録商標)の添加後、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、5.8g、45mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、3.0g、22.5mmol)を添加した。得られた混合物を22〜25℃で撹拌し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250ミクロン)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃縮NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応の完了を判定した後(16〜20時間)、反応混合物を濃HCl(10mL)、水(750mL)及び砕氷(750mL)からなる撹拌された酸性混合物に徐々に注入した。撹拌を10分間継続した。沈殿固体を濾過により回収し、冷水(2x100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、粗生成物10(32.7g)を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、90:10のCHCI:MeOHで生成物を溶出させ、10(9.5g、収率30.7%)を得た。
【0186】
1Lの反応フラスコにマグネチックスターラー及び冷却管を取り付けた。化合物10(9.5g、13.5mmol)、酢酸(240mL)及び水(60mL)を添加した。得られた混合物を還流状態にて撹拌及び加熱した。UVランプを使用して炭化し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250ミクロン)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応完了後(3.5時間)、反応混合物を5℃に冷却し、2時間撹拌して、濾過した。生成物を真空下で乾燥させ、11(7.5g)を得た。粗生成物を80:20のイソプロパノール:水で再結晶させた。脱色炭による処理の後、濾過物を室温(RT)まで冷却してから氷浴させた。沈殿固体を濾過して、真空下で乾燥させ、11(6.2g、78%)をオフホワイト粉末として得た。
【0187】
方法B:Valiaeva,N.et al.;Antiviral Research(2006)72:10−19に記載された方法に従って、オクタデシルオキシエチル9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]グアニン(ODE−PMEG)を調製した。
【化81】
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【0188】
実施例4。ベンジルPMEG(Bn−PMEG、13)
【0189】
スキームDに従って、7をベンジルアルコールでエステル化することにより化合物13を調製した。100mLのフラスコにマグネチックスターラーを取り付け、次いで化合物7(2.0g、4mmol)、ベンジルアルコール(860mg、8mmol)及び無水N,N−DMF(30mL)を添加した。混合物を撹拌した(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP(登録商標)、3.2g、6mmol)を5等分(それぞれ640mg)に細分し、その後各部分を30分間隔で添加した。PYBOP(登録商標)の添加後、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、516mg、4mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、270mg、2mmol)を添加した。反応混合物を22〜25℃で撹拌し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250マイクロメートル)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応の完了を判定した後(16〜20時間)、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、55:45のCHCI:MeOHで生成物を溶出させ、12(840mg)を得た。
【0190】
100mLの反応フラスコにマグネチックスターラー及び冷却管を取り付けた。化合物12(840mg)、酢酸(24mL)及び水(6mL)を添加した。得られた混合物を還流状態にて撹拌及び加熱した。UVランプを使用して炭化し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250マイクロメートル)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応完了後(3時間)、反応混合物を真空下で蒸発させた。生成物を真空下で乾燥させ、13(7.5g)を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、50:50のCHCI:MeOHで生成物を溶出させ、精製された13(620mg)をオフホワイト粉末として得た。H NMR (400 MHz, CDCl+メタノール) δ 7.87(s, 1 H) 7.20 − 7.36 (m, 5 H) 4.92 (d, J=7.33 Hz, 2 H) 4.17 (br. s., 2 H) 3.78 (br. s., 2 H) 3.66 (d, J=8.07 Hz, 2 H).
【化82】
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【0191】
実施例5。1−O−オクタデシル−2−O−ベンジル−sn−グリセリルPMEG(ODBG−PMEG、14)
【化83】
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【0192】
7を1−O−オクタデシル−2−O−ベンジル−sn−グリセロール(ODBG−OH)でエステル化することによりODBG−PMEGを調製した。500mLのフラスコにマグネチックスターラーを取り付け、次いで化合物7(9.0g、18.25mmol)、ODBG−OH(20.7mmol)及び無水N,N−DMF(200mL)を添加した。混合物を撹拌して、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP(登録商標)、15.6g、30mmol)を5等分(それぞれ5.2g)に細分し、その後各部分を30分間隔で添加した。PYBOP(登録商標)の添加後、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、2.6g、20mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、1.2g、9mmol)を添加した。反応混合物を22〜25℃で撹拌し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250ミクロン)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応の完了を判定した後(16〜20時間)、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、80:20のCHCI:EtOHで生成物を溶出させ、エステル化された中間体(7.5g、収率50%)を得た。
【0193】
500mLの反応フラスコにマグネチックスターラー及び冷却管を取り付けた。前の段階で得たエステル化された中間体(7.5g)、酢酸(80mL)及び水(20mL)を添加した。得られた混合物を還流状態にて撹拌及び加熱した。UVランプを使用して炭化し、シリカゲルプレート(Analtech、UNIPLATES(商標)シリカゲルG、250マイクロメートル)上でTLC(70:30:3:3のCHCl:MeOH:濃NHOH:HO)によって反応の進捗をモニターした。反応完了後(3時間)、反応混合物を真空下で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、80:20のCHCI:MeOHで生成物を溶出させ、14(5.2g、収率81%)をオフホワイト粉末として得た。
【0194】
実施例6。9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]−グアニンのアシルオキシアルキルエステル
【0195】
Srivasta,et al.Bioorg.Chem.(1984)12:118−129及びStarrett et al.J.Med.Chem.(1994)37 1857−1864に記載されたものと類似した方法を使用して、PMEGのアシルオキシアルキルエステルを調製する。合成の典型的方法をスキームEに示す。
【化84】
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【0196】
実施例7。9−[2−(ホスホノメトキシ)−エチル]グアニンの(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル
【0197】
9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]−グアニン(PMEG)を1Mのメタノール性テトラブチルアンモニウムブロミドのMeOH溶液で中和する。溶液を蒸発させ、EtOH及びトルエンと共蒸留する。対応するアデホビルプロドラッグを調製する手順に従って、残渣を無水DMFに溶解し、室温で4日間、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルブロミドで処理する(Tichy et al.,Bioorg.& Med.Chem.(2011)19(11):3527−3539を参照)。
【化85】
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【0198】
実施例8。PMEGのS−アシルチオエチル(SATE)エステル
【0199】
PMEGの(S−アシルチオエチル)(SATE)エステルの合成のための一般的手順をスキームGに示す。手順は、アデホビルSATEエステルの調製についてBenzaria,S.et a l,J.Med.Chem.(1996)39(25):4958−4965に記載されたものと同様である。
【化86】
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【0200】
実施例9。PMEGのビス[S−2−ヒドロキシエチルスルフィジル)−2−チオエチル]エステル
【0201】
Puech,F.et al.Antiviral Research(1993)22:155−174に記載された類似の手順に従って、ビス[S−2−ヒドロキシエチルスルフィジル)−2−チオエチル]PMEGエステル(スキームH)を調製する。
【化87】
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【0202】
実施例10。アリールホスホノアミデートPMEGプロドラッグ
【0203】
U.S.8,088,754に記載された類似の手順に従って、アリールホスホノアミデートPMEGプロドラッグを調製する。例を以下に示す。
【化88】
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【0204】
9−[2−(フェニルオキシ−(エトキシ−L−アラニニル))−ホスホノメトキシ)エチル]グアニンの合成:
【化89】
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【0205】
ジイソプロピルPMEG(1.0g、3mmol)の乾燥アセトニトリル(30mL)溶液に、ブロモトリメチルシラン(2.3g、15mmol)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣を無水Et3N(6mL)に溶解し、ピリジン(25mL)、L−アラニンエチルエステルHCl(0.69g、4.5mmol)及びフェノール(0.42g、4.5mmol)を添加した。Aldrithiol−2(4.0g、18mmol当量)及びPhP(4.7g、18mmol)の無水ピリジン(30ml)溶液を反応物に添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、3時間撹拌した。冷却後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルに吸着させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン中の0〜5%MeOHで溶出される生成物をジアステレオマーの混合物として分離した(410mg、29%)。H NMR (DMSO−d6 ) d 10.65 (s, 2H), 7.69 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.35−7.30 (m, 4H), 7.17 − 7.11 (m, 6H), 6.52 (s, 4H), 5.71 (t, 4H), 5.64 (t, 4H), 4.15 −4.11 (m, 2H), 4.03−3.99 (m, 2H), 3.91−3.81 (m, 4H), 3.36 (s, 2H), 3.07 (q, 2H), 1.20 (d, 3H), 1.15 (d, 3H), 1.13 (t, 6H). MS (ESI) 465.20 [M+H]+, 487.19 [M+Na]+, 509.17 M−H+2Na]+.
【0206】
実施例11。ビス(ホスホノアミデート)PMEGプロドラッグ
【0207】
U.S.8,088,754に記載された類似の手順に従って、ビス(ホスホノアミデート)PMEGプロドラッグを調製する。例を以下に示す。
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
Lansa,P.et al.European Journal of Medicinal Chemistry,2011,46:3748−3754に記載されているように、上記に例示する化合物9−[2−(ビス−(エチルオキシ−L−アラニニル)−ホスホノメトキシ)エチル]グアニンを調製した。
【0209】
実施例12。環式1−アリール−1,3−プロパニルPMEGエステル
【0210】
Reddy,et al.,J.Med.Chem.(2008)51:666−676に記載された類似の手順に従って、環式1−アリール−1,3−プロパニルPMEGエステルを調製する。環式1−アリール−1,3−プロパニルPMEGエステルを調製するための一般的手順をスキームIに示す。
【化91】
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【0211】
実施例13。Cyclosal PMEGエステル
【0212】
Meier,C.et al,J.Med.Chem.(2005)48:8079−8086に記載された類似の手順に従って、Cyclosal PMEGエステルを調製する。Cyclosal PMEGエステルを調製するための一般的手順をスキームJに示す。
【化92】
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【0213】
実施例14。ニトロフラニルメチルPMEGプロドラッグ
【0214】
スキームKに示すように、PMEGのニトロフラニルメチルホスホノアミデート誘導体を、5−ニトロフルフリルアルコール及びN−メチル−N−4−クロロブチルアミンで化合物7を連続エステル化することにより合成する。ニトロフラニルメチル基は細胞によって速やかに取り込まれ、次に還元酵素によって細胞内で開裂し、それにより中間体クロロブチルホスホノアミデートの形成に至ることが示されている(Tobias,S.C.et al.,Mol.Pharmaceutics(2004)1:112−116)。窒素原子の求核攻撃による中間体の環化により、加水分解後にマスク除去されるホスホネートPMEGを得ることができるN−ホスホノトリアルキルアンモニウム種を形成する。
【化93】
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【0215】
実施例15。ODE−(4−Me−Bn)−PMEGの合成
【化94】
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【0216】
ODE−PMEG(150mg、0.26mmol)、4−メチルベンジルアルコール(70mg、0.52mmol)及び(1H−ベントリアゾール(bentriazol)−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウム六フッ化物(PyBOP、200mg、0.4mmol)を計量して、乾燥した100mLの丸底フラスコに入れた。次に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.52mmol)を添加して、反応物を室温で4時間撹拌した。次に、混合物を真空下で油に濃縮した。残渣をシリカゲルに吸着させ、生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離液:ジクロロメタン中0〜10%のMeOH)、ODE−(4−Me−Bn)−PMEGをオフホワイトのワックス状固体として得た。(60mg、収率33%)。H NMR (400 MHz, CDCl+メタノール−d4) d 7.64 (s, 1 H) 7.22 − 7.28 (m, 2 H) 7.15 − 7.20 (m, 2 H) 5.04 (dd, J=8.80, 2.20 Hz, 2 H) 4.19 (t, J=4.95 Hz, 2 H) 4.12 (m, 2 H) 3.82 − 3.87 (m, 2 H) 3.55 − 3.59 (m, 2 H) 3.43 (t, J=6.60 Hz, 2 H) 3.35 (dt, J=3.30, 1.65 Hz, 2 H) 2.35 (s, 3 H) 1.49 − 1.60 (m, 2 H) 1.16 − 1.37 (m, 30 H) 0.86 (t, J=7Hz, 3H). MS (ESI): 690.67 (M+H)+, 712.53 (M+Na)+,734.5 l(M+2Na−H)+.
【0217】
実施例16。ODE−(3−F−4−OMe−Bn)−PMEGの合成
【化95】
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【0218】
実施例4の方法によって、3−フルオロ−4−メトキシベンジルアルコールを使用して、ODE−(3−F−4−OMe−Bn)−PMEGを調製した。生成物をワックス状の固体(100mg、52%)として得た。H NMR (400 MHz, CDC1 + メタノール−d4) δ 7.65 (s, 1 H) 7.06 − 7.17 (m, 2H) 6.96 − 7.05 (m, 1 H) 5.00 (dd, J=8.80, 1.83 Hz, 2 H) 4.21 (t, J=5.13 Hz, 2 H) 4.14 (m, 2 H) 3.81 − 3.93 (m, 2 H) 3.59 (dd, J=4.95, 3.85 Hz, 2 H) 3.45 (t, J=6.78 Hz, 2 H) 3.35 (s, 3 H) 1.49 − 1.60 (m, 2 H) 1.07 − 1.45 (m, 30 H) 0.86 (t, J=7Hz, 3H). MS (ESI): 724.56 (M+H)+, 746.49 (M+Na)+.
【0219】
実施例17。ODE−(3−Cl−4−OMe−Bn)−PMEGの合成
【化96】
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【0220】
実施例4の方法によって、3−クロロ−4−メトキシベンジルアルコールを使用して、ODE−(3−Cl−4−OMe−Bn)−PMEGを調製した。生成物をワックス状の固体(90mg、46%)として得た。H NMR (400 MHz, CDCl+メタノール−d4) δ ppm 7.66 (s., 1 H) 7.64 − 7.68 (m, 1 H) 7.38 − 7.42 (m, 1 H) 7.40 (d, J=2.20 Hz, 1 H) 4.95 − 5.05 (m, 2 H) 4.21 (t, J=5.13 Hz, 2 H) 4.11 − 4.17 (m, 2 H) 3.87−3.91 (m, 2 H) 3.84 − 3.89 (m, 2 H) 3.58 (dd, J=4.95, 3.85 Hz, 2 H) 3.44 (t, J=6.60 Hz, 2 H) 3.35 (s, 3 H) 1.51 − 1.59 (m, 2 H) 1.06 − 1.45 (m, 30 H) 0.89 (t, J=7Hz, 3 H ) .). MS (ESI): 740.52 (M+H)+, 762.47 (M+Na)+.
【0221】
実施例18。ODE−(3−F−Bn)−PMEGの合成
【化97】
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【0222】
実施例4の方法によって、3−フルオロベンジルアルコールを使用して、ODE−(3−F−Bn)−PMEGを調製した。生成物をオフホワイト固体(80mg、44%)として得た。H NMR (400 MHz, CDC1+ メタノール−d) d 7.64 (s, 1 H) 7.42 − 7.50 (m, 1 H) 7.33 − 7.40 (m, 1 H) 6.97 − 7.19 (m, 2 H) 5.03 − 5.16 (m, 2 H) 4.11 − 4.25 (m, 4 H) 3.84 − 3.95 (m, 2 H) 3.55 − 3.65 (m, 2 H) 3.41 − 3.49 (m, 4 H) 3.35 (s, 3 H) 1.49 − 1.61 (m, 2 H) 1.07−1.39 (m, 30 H) 0.88 (t, J=7Hz, 3 H). MS (ESI): 694.45 (M+H)+, 716.44 (M+Na)+, 738.44(M+2Na−H)+.
【0223】
実施例19。ODE−(3−Cl−Bn)−PMEGの合成
【化98】
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【0224】
実施例4の方法によって、3−クロロベンジルアルコールを使用して、ODE−(3−Cl−Bn)−PMEGを調製した。生成物をオフホワイト固体(80mg、42%)として得た。H NMR (400 MHz, CDCl+メタノール−d) δ 7.63 (s, 1 H) 7.45 (t, J=6.42 Hz, 1 H) 7.23 − 7.41 (m, 3 H) 5.06 (d, J=8.80 Hz, 2 H) 4.17−4.21 (m, 4 H) 3.80 − 3.94 (m, 4 H) 3.59 (d, J=4.77 Hz, 2 H) 3.44 (t, J=6.78 Hz, 2 H) 3.36 (s, 4 H) 1.50−1.56 (m, 2 H) 1.11−1.24 (m, 30 H) 0.88 (t, J=6.78 Hz, 3 H). MS (ESI) [M+H]+ 710.46, [M+Na]+ 732.43.
【0225】
実施例20。ODE−(3−ピコリル)−PMEGの合成
【化99】
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【0226】
実施例4の方法によって、3−ピリジンメタノールを使用して、ODE−(3−ピコリル)−PMEGを調製した。生成物をオフホワイト固体(110mg、40%)として得た。H NMR (400 MHz, CDCl+メタノール−d) δ 7.60 (s, 1 H) 7.40−7.42 (m, 1 H) 7.23 − 7.31 (m, 3 H) 5.16 (d, J=8.80 Hz, 2 H) 4.15−4.20 (m, 4 H) 3.86 − 3.95 (m, 4 H) 3.56 − 3.60 (m, 2 H) 3.41 − 3.49 (m, 2 H) 3.36 (s, 3 H) 1.50−1.56 (m, 2 H) 1.11−1.24 (m, 30 H) 0.88 (t, J=6.78 Hz, 3 H). MS (El): 677.46 (M+H)+, 699.47 (M+Na)+, 721.41(M+2Na−H)+.
【0227】
実施例21。低リスク及び高リスクHPVアッセイ
【0228】
起点を含む低リスクまたは高リスクHPVプラスミドを、相同性E1及びE2タンパク質発現ベクターとともにHEK293細胞に同時トランスフェクトした。トランスフェクションから4時間後、細胞を試験化合物の希釈液で処理し、その後48時間インキュベートした。HPVのプラスミド複製起点を、DpnI及びエキソヌクレアーゼIIIでの消化後に検出し、未複製のトランスフェクトされたプラスミドを除去した。残存する複製されたDNAを、定量的リアルタイムPCR(qPCR)によって定量した。非感染細胞での並行実験において、トリパンブルー色素排除またはCELLTITER−GLO(登録商標)によって生存細胞数を50%減少させる濃度(CC50)を求め、細胞毒性を判定した。CC50値をトリパンブルー色素排除またはCELLTITER−GLO(登録商標)で測定し、選択性指数を算出した(選択性指数=CC50/EC50)。試験した低リスクHPVはHPV−11であり、試験した高リスクHPVはHPV−16及びHPV−18であった。
【0229】
結果を以下の表A及び表Bに示す。表Aに示すように、式(I)の化合物は、低リスク及び高リスク両方のHPVに対して活性がある。
【表2】
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「A」は0.3μM未満のEC50を示し、「B」は0.3μM以上3.0μM未満のEC50を示し、「C」は3.0μM以上30μM未満のEC50を示す。全試験化合物で選択性指数は10超であった。
【0230】
結果を表Bに示す。表Bに示すように、式(I)の化合物は、低リスク及び高リスク両方のHPVに対して活性がある。
【表3】
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【0231】
実施例22。細胞毒性アッセイ:
【0232】
HEK−293細胞での細胞毒性アッセイ。細胞毒性アッセイは、同一の化合物曝露を確実にするため、同一細胞株及び培地を使用して、すべての抗ウイルスアッセイと並行して実施する。HEK−293細胞でのHPV11に対する抗ウイルス試験の場合、トランスフェクトした細胞を複製プレートに播種する。2時間の曝露後、化合物の希釈液を、抗ウイルスプレート及び複製した細胞毒性プレートの両方で調製する。化合物の添加から48時間後に、CELLTITER−GLO(登録商標)(Promega)を各ウェルに添加して、照度計で発光を測定する。細胞生存性を50%減少させるのに十分な化合物の濃度を、実験データ(CC50値)から算出する。
【0233】
初代ヒト包皮線維芽細胞の細胞毒性アッセイ。ヒト包皮線維芽細胞(HFF)は毒性の感度が高い指標であるため、7日間の化合物曝露での標準アッセイにおいて、この細胞での細胞毒性も評価した。2%のウシ胎児血清及び抗生物質を含む細胞培養培地を入れた384ウェルプレートに合計4000細胞/ウェルを播種する。24時間のインキュベーション後、HFF細胞の単層を含んでいるプレートの複製ウェル内で直接、化合物の5倍希釈を実施する。化合物の添加から7日目に、CellTiter−Glo試薬を各ウェルに添加して、生じた発光を照度計で測定し、各ウェル内の生存細胞数を評価する。次に、データを用いてCC50値を算出する。このデータを以下の表2に開示する。
【表4】
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【0234】
実施例23。9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]−2−アミノ−6−メトキシプリン,トリブチルアミン塩,1、別名:((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホン酸,トリブチルアミン塩の合成
【化100】
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【0235】
上記スキームは、9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]−2−アミノ−6−メトキシプリン,トリブチルアミン塩を得るための化学合成スキームを示している。
【0236】
実施例24。オクタデシルオキシエチル9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンの合成
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0237】
上記スキームは、9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンを得るための化学合成スキームを示している。
【0238】
実施例25。ベンジル9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンの合成
【化102】
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【0239】
上記スキームは、ベンジル9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンを得るための化学合成スキームを示している。
【0240】
実施例26。1−O−オクタデシル−2−O−ベンジル−sn−グリセリル9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンの合成
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0241】
上記スキームは、1−O−オクタデシル−2−O−ベンジル−sn−グリセリル9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]6−O−Me−グアニンを得るための化学合成スキームを示している。
【0242】
実施例27.(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル水素((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホネートの合成。
【化104】
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【0243】
上記スキームは、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル水素((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホネートを得るための化学合成スキームを示している。
【0244】
実施例28。S,S′−(((((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ジエタンチオエートの合成
【化105】
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【0245】
上記スキームは、S,S′−(((((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ジエタンチオエートを得るための化学合成スキームを示している。
【0246】
実施例29。ビス(2−((2−ヒドロキシエチル)スルフィノチオイル(sulfinothioyl))エチル)((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホネートの合成
【化106】
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【0247】
上記スキームは、ビス(2−((2−ヒドロキシエチル)スルフィノチオイル)エチル)((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)ホスホネートを得るための化学合成スキームを示している。
【0248】
実施例30。2−アミノ−9−(2−((4−(3−クロロフェニル)−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナン−2−イル)メトキシ)エチル)−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンの合成
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
上記スキームは、2−アミノ−9−(2−((4−(3−クロロフェニル)−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナン−2−イル)メトキシ)エチル)−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンを得るための化学合成スキームを示している。
【0250】
実施例31。2−((2−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)−8−(tert−ブチル)−4H−ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサホスフィニン2−オキシドの合成
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
上記スキームは、2−((2−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)−8−(tert−ブチル)−4H−ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサホスフィニン2−オキシドを得るための化学合成スキームを示している。
【0252】
実施例32。(5−ニトロフラン−2−イル)メチルP−((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)−N−(4−クロロブチル)−N−メチルホスホンアミデートの合成
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
上記スキームは、(5−ニトロフラン−2−イル)メチルP−((2−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)エトキシ)メチル)−N−(4−クロロブチル)−N−メチルホスホンアミデートを得るための化学合成スキームを示している。
【0254】
実施例33。ジベンジルPMEGの合成
【0255】
ジベンジルPMEGは、以下に示すようにベンジルPMEG(実施例4)から調製することができる。
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
実施例34。ジベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]−6OMe−グアニンの合成
【0257】
ジベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]−6OMe−グアニンは、9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]2−アミノ−6−メトキシプリン,トリブチルアミン塩(実施例23)から調製することができる。
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0258】
実施例35。オクタデシルオキシエチルベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMe−グアニンの合成
【0259】
化合物オクタデシルオキシエチルベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMe−グアニンは、以下に示すように9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]2−アミノ−6−メトキシプリン,トリブチルアミン塩(実施例23)から調製することができる。
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
実施例36。ヘキサデシルオキシプロピルベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMe−グアニンの合成
【0261】
化合物ヘキサデシルオキシプロピルベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMe−グアニンは、以下に示すように9−[(2−ホスホノメトキシ)エチル]2−アミノ−6−メトキシプリン,トリブチルアミン塩(実施例23)から調製することができる。
【化113】
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【0262】
実施例37。ニトロフラニルメチルPMEGプロドラッグの合成
【0263】
以下に示すように、ベンジルPMEGを、5−ニトロフルフリルアルコール、ByBOP、ジイソプロピルエチルアミン及びN,N−ジメチルホルムアミドで、室温にて18時間処理する。
【化114】
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【0264】
実施例38。ニトロフラニルメチルベンジルプロドラッグの合成
【0265】
以下に示すように、化合物ベンジル9−[(2−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMe−グアニンを、5−ニトロフルフリルアルコール、ByBOP、ジイソプロピルエチルアミン及びN,N−ジメチルホルムアミドで、室温にて18時間処理する。
【化115】
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【0266】
実施例39。9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−D−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]グアニンの合成
【0267】
化合物9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−D−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]グアニンは、以下に示すように合成する。
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0268】
実施例40。9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−L−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]グアニンの合成
【0269】
化合物9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−L−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]グアニンは、以下に示すように合成する。
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0270】
実施例41。9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−D−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMeグアニンの合成
【0271】
化合物9−[2−(フェノキシ−(エトキシ−D−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMeグアニンは、以下に示すように合成する。
【化118】
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【0272】
実施例42。9−[2−(ベンジルオキシ−(エトキシ−L−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMeグアニンの合成
【0273】
化合物9−[2−(フェノキシ−(ベンジルオキシ−L−アラニル)−ホスホノメトキシル)エチル]6−OMeグアニンは、以下に示すように合成する。
【化119】
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【0274】
実施形態
【0275】
本明細書に開示する組成物及び方法の実施形態は以下を含む。
【0276】
実施形態P1。ヒトパピローマウイルスの改善または治療のための薬剤の調製に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用することであり、式(I)の該化合物は以下の構造を有し:
【化120】
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[式中、B
【化121】
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であり;Z及びZは独立して、−O−または−NR−であり、ここでのRはHまたは場合により置換されたC1−4アルキルであり;Rは、不在、H、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、
【化122】
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からなる群から選択され;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化123】
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からなる群から選択され;またはZ及びZはOであり;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化124】
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及び場合により置換された
【化125】
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からなる群から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が、6員環系から10員環系を形成し;Rは、非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり;各Rは独立して、H、−(CH−S−C1−24アルキルまたは−O−(CH−R4Aであり;各R4Aは、H、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各R、各R及び各Rは独立して、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたC2−8アルケニル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、Hまたは場合により置換されたC1−6アルキルであり;各R10は独立して、H、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化126】
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、−CHC−(C=O)OH、−CHCHC(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化127】
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及び−(CHNHからなる群から選択され;各R11は独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)であり;各a及び各bは独立して、1、2、3または4であり;各c及び各dは独立して、0、1、2または3であり;ただし、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは非置換フェニルではあり得ず;及び、ただしRが不在である場合、ZはOである]、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療される。
【0277】
実施形態P2。ヒトパピローマウイルスの改善または治療に使用される、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式(I)の化合物は以下の構造を有し:
【化128】
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[式中、Bは、
【化129】
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であり;Z及びZは独立して、−O−または−NR−であり、ここでのRはHまたは場合により置換されたC1−4アルキルであり;Rは、不在、H、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;またはZ及びZはOであり;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
及び場合により置換された
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が6員環系から10員環系を形成し;Rは、非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり;各Rは独立して、H、−(CH−S−C1−24アルキルまたは−O−(CH−R4Aであり;各R4Aは、H、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各R、各R及び各Rは独立して、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたC2−8アルケニル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、Hまたは場合により置換されたC1−6アルキルであり;各R10は独立して、H、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHC−(C=O)OH、−CHCHC(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
及び−(CHNHからなる群から選択され;各R11は独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)であり;各a及び各bは独立して、1、2、3または4であり;各c及び各dは独立して、0、1、2または3であり;ただし、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは非置換フェニルではあり得ず;及び、ただしRが不在である場合、ZはOである]、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療される。
【0278】
実施形態P3。ヒトパピローマウイルスに感染した細胞に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を接触させることを含む、ヒトパピローマウイルスの改善または治療方法であり、式(I)の化合物は以下の構造を有し:
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、B
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
であり;Z及びZは独立して、−O−または−NR−であり、ここでのRはHまたは場合により置換されたC1−4アルキルであり;Rは、不在、H、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;またはZ及びZはOであり;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
及び場合により置換された
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が6員環系から10員環系を形成し;Rは、非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり;各Rは独立して、H、−(CH−S−C1−24アルキルまたは−O−(CH−R4Aであり;各R4Aは、H、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各R、各R及び各Rは独立して、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたC2−8アルケニル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、Hまたは場合により置換されたC1−6アルキルであり;各R10は独立して、H、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHC−(C=O)OH、−CHCHC(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
及び−(CHNHからなる群から選択され;各R11は独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)であり;各a及び各bは独立して、1、2、3または4であり;各c及び各dは独立して、0、1、2または3であり;ただし、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは非置換フェニルではあり得ず;及び、ただしRが不在である場合、ZはOである]、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療される。
【0279】
実施形態P4。ヒトパピローマウイルスに感染した対象に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ヒトパピローマウイルスの改善または治療方法であり、式(I)の化合物は以下の構造を有し:
【化144】
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[式中、B
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
であり;Z及びZは独立して、−O−または−NR−であり、ここでのRはHまたは場合により置換されたC1−4アルキルであり;Rは、不在、H、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;またはZ及びZはOであり;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
及び場合により置換された
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が6員環系から10員環系を形成し;Rは、非置換のC1−6アルキルまたは非置換のC3−6シクロアルキルであり;各Rは独立して、H、−(CH−S−C1−24アルキルまたは−O−(CH−R4Aであり;各R4Aは、H、場合により置換されたC1−24アルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各R、各R及び各Rは独立して、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたC2−8アルケニル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキルまたは場合により置換されたアリールであり;各Rは独立して、Hまたは場合により置換されたC1−6アルキルであり;各R10は独立して、H、非置換のC1−6アルキル、−CHSH、−CHCH(C=O)NH、−CHCHSCH、CH−場合により置換されたフェニル、−CHOH、−CH(OH)CH
【化150】
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−CHC−(C=O)OH、−CHCHC(C=O)OH、−(CHNH(C=NH)NH
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
及び−(CHNHからなる群から選択され;各R11は独立して、H、場合により置換されたC1−8アルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたアリール(C1−6アルキル)であり;各a及び各bは独立して、1、2、3または4であり;各c及び各dは独立して、0、1、2または3であり;ただし、Rが−(CH−O−(CH17CHである場合、ZはOではあり得ず、Rは非置換フェニルではあり得ず;及び、ただしRが不在である場合、ZはOである]、該ヒトパピローマウイルスは、ウイルスDNA合成の阻害によりウイルス複製を阻害することによって改善または治療される。
【0280】
実施形態P5。実施形態P1の使用、実施形態P2の化合物または実施形態P3またはP4の方法であり、該ヒトパピローマウイルスは、高リスクのヒトパピローマウイルスである。
【0281】
実施形態P6。実施形態P5の使用、化合物または方法であり、該ヒトパピローマウイルスは、HPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−45、HPV−51、HPV−52、HPV−56、HPV−58、HPV−59、HPV−68、HPV−73及びHPV−82からなる群から選択される。
【0282】
実施形態P7。実施形態P5の使用、化合物または方法であり、ここでヒトパピローマウイルスはHPV−16である。
【0283】
実施形態P8。実施形態P5の使用、化合物または方法であり、ここでヒトパピローマウイルスはHPV−18である。
【0284】
実施形態P9。実施形態P1の使用、実施形態P2の化合物または実施形態P3またはP4の方法であり、ここでヒトパピローマウイルスは、低リスクのヒトパピローマウイルスである。
【0285】
実施形態P10。実施形態P9の使用、化合物または方法であり、ここでヒトパピローマウイルスはHPV−6である。
【0286】
実施形態P11。実施形態P9の使用、化合物または方法であり、ここでヒトパピローマウイルスはHPV−11である。
【0287】
実施形態P12。実施形態P1〜P11のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでRは、不在またはHであり;Rは、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0288】
実施形態P13。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは、不在またはHであり;Rは、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキルまたは場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニルである。
【0289】
実施形態P14。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは、不在またはHであり;各Rは、場合により置換された−C1−24アルキルまたは場合により置換された−C2−24アルケニルである。
【0290】
実施形態P15。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは、不在またはHであり;Rは、場合により置換されたアリールである。
【0291】
実施形態P16。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは、不在またはHであり;Rは、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)である。
【0292】
実施形態P17。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは不在またはHであり;R
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0293】
実施形態P18。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは不在またはHであり;R
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0294】
実施形態P19。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは不在またはHであり;R
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0295】
実施形態P20。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは不在またはHであり;R
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0296】
実施形態P21。実施形態P12の使用、化合物または方法であり、ここでRは不在またはHであり;R
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0297】
実施形態P22。実施形態P1〜P11のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、場合により置換された−C1−24アルキル、場合により置換された−C2−24アルケニル、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキル、場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)、
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0298】
実施形態P23。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、場合により置換された−(CHR−O−C1−24アルキルまたは場合により置換された−(CHR−O−C2−24アルケニルである。
【0299】
実施形態P24。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、場合により置換された−C1−24アルキルまたは場合により置換された−C2−24アルケニルである。
【0300】
実施形態P25。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、場合により置換されたアリールである。
【0301】
実施形態P26。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、場合により置換されたアリール(C1−4アルキル)である。
【0302】
実施形態P7。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0303】
実施形態P28。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0304】
実施形態P29。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びR
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0305】
実施形態P30。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR及びRは独立して、
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0306】
実施形態P31。実施形態P22の使用、化合物または方法であり、ここでR
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
であり;Rは、場合により置換された−C1−24アルキルである。
【0307】
実施形態P32。実施形態P1〜P31のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZはOである。
【0308】
実施形態P33。実施形態P1〜P31のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZはNHである。
【0309】
実施形態P34。実施形態P1〜P31のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZは、N−場合により置換されたC1−4アルキルである。
【0310】
実施形態P35。実施形態P1〜P34のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZはOである。
【0311】
実施形態P36。実施形態P1〜P34のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZはNHである。
【0312】
実施形態P37。実施形態P1〜P34のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZは、N−場合により置換されたC1−4アルキルである。
【0313】
実施形態p38。実施形態P1〜P11のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでZ及びZはOであり;かつR及びRは一体となって、場合により置換された
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
及び場合により置換された
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される部分を形成し、ここでZ、Z、R及びR、リン及びこの部分が6員環系から10員環系を形成する。
【0314】
実施形態P39。実施形態P1〜P38のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでB
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0315】
実施形態P40。実施形態P1〜P38のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、ここでB
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0316】
実施形態P41。実施形態P1〜P11のいずれか1つの使用、化合物または方法であり、該化合物は:
【化168】
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、または前述の薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0317】
本明細書に開示する組成物及び方法の更なる実施形態は以下の通りである。
【0318】
実施形態1。以下からなる群から選択される化合物:
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0319】
実施形態2。以下からなる群から選択される化合物:
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0320】
実施形態3。以下からなる群から選択される化合物:
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0321】
実施形態4。以下からなる群から選択される化合物:
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0322】
実施形態5。以下からなる群から選択される化合物:
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0323】
実施形態6。以下からなる群から選択される化合物:
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0324】
実施形態7。以下からなる群から選択される化合物:
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0325】
実施形態8。以下からなる群から選択される化合物:
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0326】
実施形態9。以下からなる群から選択される化合物:
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0327】
実施形態10。以下からなる群から選択される化合物:
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0328】
実施形態11。以下からなる群から選択される化合物:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0329】
実施形態12。以下からなる群から選択される化合物:
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0330】
実施形態13。以下からなる群から選択される化合物:
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0331】
実施形態14。以下からなる群から選択される化合物:
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容される塩。
【0332】
実施形態15。以下からなる群から選択される化合物:
【化183】
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[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容される塩。
【0333】
実施形態16。以下からなる群から選択される化合物:
【化184】
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[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容される塩。
【0334】
実施形態17。以下からなる群から選択される化合物:
【化185】
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0335】
実施形態18。以下からなる群から選択される化合物:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0336】
実施形態19。以下からなる群から選択される化合物:
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0337】
実施形態20。以下からなる群から選択される化合物:
【化188】
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[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容される塩。
【0338】
実施形態21。以下からなる群から選択される化合物:
【化189】
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[この文献は図面を表示できません]


またはその薬学的に許容される塩。
【0339】
実施形態22。以下からなる群から選択される化合物:
【化190】
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[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0340】
実施形態23。以下からなる群から選択される化合物:
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩。
【0341】
実施形態24。以下からなる群から選択される化合物:
【化192】
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(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある)、またはその薬学的に許容される塩。
【0342】
実施形態25。以下からなる群から選択される化合物:
【化193】
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(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある)、またはその薬学的に許容される塩。
【0343】
実施形態26。以下からなる群から選択される化合物:
【化194】
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(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基または二置換アミノ基であり;フェニル環は、Rによって1、2または3回、置換される場合がある)、またはその薬学的に許容される塩。
【0344】
実施形態27。薬学的に許容される担体に、有効量の実施形態1〜26のいずれか1つの化合物を含む医薬組成物。
【0345】
実施形態28。組成物が局所送達に適している実施形態27の医薬組成物。
【0346】
実施形態29。ヒトパピローマウイルスに感染した宿主の治療方法であって、有効量の実施形態1〜28のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容される担体で投与することを含む。
【0347】
実施形態30。ヒトパピローマウイルスに感染した宿主の治療方法であって、有効量の実施形態1〜28のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を、場合により薬学的に許容される担体で投与することを含み、ここでヒトパピローマウイルスは、高リスクのヒトパピローマウイルスである。
【0348】
実施形態31。ヒトパピローマウイルスがHPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−45、HPV−51、HPV−52、HPV−56、HPV−58、HPV−59、HPV−68、HPV−73及びHPV−82からなる群から選択される、実施形態30の方法。
【0349】
実施形態32。ヒトパピローマウイルスがHPV−16である実施形態30の方法。
【0350】
実施形態33。ヒトパピローマウイルスがHPV−18である実施形態30の方法。
【0351】
実施形態34。宿主がヒトである実施形態29のいずれかの方法。
【0352】
実施形態35。宿主がヒトである実施形態30のいずれかの方法。
【0353】
実施形態36。宿主がヒトである実施形態31のいずれかの方法。
【0354】
実施形態37。宿主がヒトである実施形態32のいずれかの方法。
【0355】
実施形態38。パピローマウイルス感染の治療のための医薬の製造での、実施形態1〜28のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0356】
実施形態39。実施形態1〜28のいずれかに記載の化合物を製造に使用することを特徴とする、パピローマウイルス感染治療での治療的使用を目的とした医薬の製造方法。
【0357】
実施形態40。次の構造を有する化合物:
【化195】
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またはその薬学的に許容される塩の、パピローマウイルス感染治療のための医薬の製造での使用。
【0358】
実施形態41。次の構造を有する化合物:
【化196】
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またはその薬学的に許容される塩の、パピローマウイルス感染治療のための医薬の製造での使用。
上記は明確さ及び理解を目的とする実例及び例示として、一部を詳細に記述しているが、本開示の趣旨を逸脱することなく多数の様々な変更を行うことができることは当業者によって理解される。したがって、本明細書で開示する形態は例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ本開示の真の範囲及び趣旨に属するいかなる変更形態及び代替形態も包含されることを意図していることは、明確に理解されるべきである。