(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する害虫発生予測システム、害虫発生予測方法および害虫発生予測プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1の構成の一例を説明するための図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、サーバ2と、ユーザ端末3と、を備える。サーバ2と、ユーザ端末3と、はネットワーク4により通信可能に接続される。
【0011】
サーバ2は、複数の区画に分割される所定範囲の土地を管理する管理者が運用する情報処理装置である。サーバ2は、たとえば、農業協同組合が、所属する農業者による業務管理を支援するために運用する。サーバ2の具体的態様は特に限定されず、物理的に一つの物理サーバであっても、クラウドコンピューティングを用いて実現される仮想サーバであってもよい。
【0012】
ユーザ端末3は、サーバ2が提供するサービスを利用するユーザの情報処理端末である。ユーザ端末3は、たとえば、農業協同組合に所属する農業者が、サーバ2にアクセスするために使用する。ユーザ端末3は、ネットワーク4を介してサーバ2にアクセスすることができれば具体的な態様は特に限定されない。ユーザ端末3は、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯端末、スマートフォン等、任意の情報処理端末であってよい。
【0013】
ネットワーク4は、サーバ2とユーザ端末3とを通信可能に接続する通信ネットワークである。ネットワーク4の具体的態様は特に限定されず、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)等任意のネットワークを含んでよい。また、ネットワーク4は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたはそれらの組み合わせであってもよい。
【0014】
(サーバ2の構成の一例)
図1を参照し、サーバ2の構成の一例について説明する。サーバ2は、通信部10と、入力部20と、出力部30と、記憶部40と、制御部50と、を備える。
【0015】
通信部10は、ネットワーク4を介したサーバ2とユーザ端末3との通信を実現する。
【0016】
入力部20は、サーバ2へ情報を入力するための入力装置である。入力部20は、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン等、サーバ2へ情報を入力することができれば任意の装置であってよい。
【0017】
出力部30は、サーバ2に記憶される情報およびサーバ2において生成される情報を外部に出力する装置である。出力部30は、たとえば、音声または画像として情報を外部に出力する。出力部30は、たとえば、モニタ等の表示装置、スピーカ、プリンタ等を含む。
【0018】
記憶部40は、サーバ2における処理に用いられる情報およびサーバ2における処理によって生成される情報を記憶する。記憶部40には、半導体メモリ素子等を採用できる。例えば、半導体メモリ素子としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。
【0019】
制御部50は、サーバ2の動作および機能を制御する。制御部50にはたとえば、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、制御部50に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
【0020】
(記憶部40に記憶する情報の一例)
記憶部40は、ユーザ記憶部41と、土地記憶部42と、利用記憶部43と、係数記憶部44と、を有する。
【0021】
ユーザ記憶部41は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、害虫発生予測システム1を利用するユーザの情報である。ユーザ情報は、たとえば、サーバ2を運用する農業協同組合に所属する農業者に関する情報である。ユーザ情報は、少なくともユーザを特定する情報と、当該ユーザが現在使用している土地の区画を特定する情報と、を含む。なお、第1の実施形態では、ユーザとして農業者を想定するが、これに限定されるものではなく、害虫発生予測システム1は、実際に土地を利用する農業者以外もユーザとして登録できる構成としてもよい。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1に記憶されるユーザ情報の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ情報は、「ユーザID」と、「氏名」と、「住所」と、「利用中区画」と、を含む。「ユーザID」は、ユーザを一意に特定するための識別子(Identifier)である。「氏名」は、対応するユーザIDによって特定されるユーザの氏名である。「住所」は、対応するユーザIDによって特定されるユーザの住所である。「利用中区画」は、対応するユーザIDによって特定されるユーザが現在利用している区画を特定する情報である。
【0023】
図2の例では、たとえば、「ユーザID、U01」、「氏名、富士太郎」、「住所、XXX」、「利用中区画、L006」が対応付けて記憶される。これは、ユーザID「U01」で特定されるユーザの氏名は「富士太郎」であることを示す。また、ユーザID「U01」で特定されるユーザは「XXX」を住所としていることを示す。また、ユーザID「U01」で特定されるユーザは、現在「L006」という土地ID(
図3参照)で特定される区画の土地を利用していることを示す。
【0024】
土地記憶部42は、害虫発生予測システム1による害虫発生予測の対象である土地に関する情報である土地情報を記憶する。土地記憶部42は、たとえば、農業協同組合が管理対象とする土地に関する情報を記憶する。
【0025】
図3は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システムに記憶される土地情報について説明するための図である。
図3の(A)に示すように、土地情報は、「土地ID」と、「位置」と、「面積(ha)」と、「ユーザ」とを含む。「土地ID」は、害虫発生予測の対象とする所定範囲の土地内に存在する、各区画を特定する識別子である。「位置」は、対応する土地IDで特定される区画の位置を特定するための情報である。「面積(ha)」は、対応する土地IDで特定される区画の面積を示す。「ユーザ」は、対応する土地IDで特定される区画を現在使用しているユーザを特定する情報である。たとえば、「ユーザ」として、現在当該土地を使用しているユーザのユーザID(
図2参照)が記憶される。
【0026】
たとえば、
図3の(B)に示すような所定範囲の土地が存在すると仮定する。このとき、土地全体を9つの区画に分割して農業者に利用させる。
図3の(B)の例では、左上から右下まで、「L001」から「L009」までの土地IDが各区画に割り振られる。そして、各区画が特定の農業者によって使用される。
【0027】
たとえば、
図3の(A)の例では、「土地ID、L001」、「位置、N・・E・・」、「面積(ha)、1」、「ユーザ、U01」が対応付けて記憶される。これは、土地ID「L001」で特定される区画は、位置「N・・E・・」で特定される位置に存在することを示す。また、土地ID「L001」で特定される区画は、面積が「1ヘクタール」であることを示す。また、土地ID「L001」で特定される区画は、ユーザID「U01」のユーザに利用されていることを示す。
【0028】
利用記憶部43は、各区画について、それぞれの年の利用状況が所定の条件を満たすか否かを示す情報である利用情報を記憶する。たとえば、利用情報は、各年において各区画に何が栽培されたかを示す。第1の実施形態では、利用情報は、各年において各区画に稲が栽培されたか否かを示す。第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、稲につく害虫の発生予測を行うものとする。
【0029】
図4は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1に記憶される利用情報の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、利用情報は、「土地ID」と、「2013」〜「2016」までの年度とを対応付けて、各年度における栽培作物を記憶する。たとえば、「土地ID、L001」に対応付けて、「2013」年度について「〇」が記憶されている。また、「土地ID、L004」に対応付けて、「2016」年度について「×」が記憶されている。これは、土地ID「L001」で特定される区画において、2013年度には、稲が栽培されたことを示す。また、土地ID「L004」で特定される区画において、2016年度には、稲以外の作物が栽培されることを示す。このように、利用情報は、各区画について、それぞれの年の利用状況が所定の条件を満たすか否かを示す情報である。
図4の例では、利用情報は、各区画について、それぞれの年に「稲」が栽培されたか、「稲以外の作物」が栽培されたか、を示す情報である。
【0030】
係数記憶部44は、害虫発生予測システム1による害虫発生予測の対象である土地の過去の利用情報に基づいて害虫発生の予測量を補正するための補正係数を算出するルールを記憶する。補正係数は、過去に栽培された作物に基づき、将来当該作物に対して発生する害虫の予測量を補正するための係数である。たとえば、害虫発生予測システム1は、土地の面積に基づき予測される害虫発生量を1として、過去の土地の利用状況に基づき害虫発生に与える個別要因を加味して、今年の害虫発生予測量を数値で算出する。
【0031】
第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、土地全体に対する割合に応じて、将来発生する害虫の予測量を補正する。ここで、所定条件とは、害虫の発生に影響する任意の要因、たとえば害虫が発生する可能性を高める任意の要因とする。たとえば、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、過去に所定の作物が栽培された区画の、全区画に対する割合に応じて、将来当該所定の作物につく害虫が発生する量を予測する。第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、たとえば、前年度に稲が栽培された区画の、全区画に対する割合に応じて、今年稲につく害虫が発生する量を予測する。
【0032】
また、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、土地全体に対する割合と、所定年度の利用情報が所定条件を満たす区画の、土地全体に対する割合と、の比較に基づき、所定年度の害虫発生量を予測する。たとえば、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、過去に所定の作物が栽培された区画の、土地全体に対する割合と、今年所定の作物が栽培される区画の、土地全体に対する割合との比較に基づき予測を行う。たとえば、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、前年度に稲が栽培された区画の全区画に対する割合と、今年度稲が栽培される予定の区画の全区画に対する割合との比較に基づき、今年の害虫発生量を予測する。
【0033】
第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、害虫発生量の予測を補正するため、予め補正係数を算出するための数値およびルールを記憶する。係数記憶部44は、害虫発生量予測に用いる補正係数を算出するための数値およびルールを係数情報として記憶する。
【0034】
図5および
図6を参照し、害虫発生予測に用いる補正係数について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1が算出する補正係数の一例を示す図である。
図6は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1における補正係数の算出手法について説明するための図である。
【0035】
害虫発生予測システム1は、以下の3つのルールに基づき、補正係数を算出する。
(第1のルール)補正係数=第1項+第2項
(第2のルール)第1項は、前年度の割合と今年度の割合との比較に基づき決定される。
今年度の割合が前年度の割合より大きい場合、第1項は1.0より大きい数値とする。
今年度の割合が前年度の割合と等しい場合、第1項は1.0とする。
今年度の割合が前年度の割合より小さい場合、第1項は1.0より小さい数値とする。
(第3のルール)第2項は、前年度の割合に比例する値とする。
たとえば、前年度の稲の作付面積が土地全体の10分の1であった場合、第2項は、(1/10×補正値)とする。
【0036】
図6に示すように、補正係数は、前年度の割合と今年度の割合の比較に基づいて予測される害虫量の変動(第2のルール)と、前年度の割合が今年度の害虫発生に与える影響(第3のルール)と、を考慮して設定される(第1のルール)。
【0037】
まず、第2のルールについて説明する。基本的に、害虫は栽培される作物に対して発生するため、前年度よりも今年度の方が当該作物の作付面積が少なければ、当該作物に対して発生する害虫は減ると考えられる。また、前年度よりも今年度の方が当該作物の作付面積が多ければ、当該作物に対して発生する害虫は増加すると考えられる。そこで、害虫発生予測システム1は、前年度よりも今年度の方が作付面積の割合が増えるほど、第1項が大きくなるよう、第1項の値を設定する。
【0038】
図5および
図6の例では、害虫発生予測システム1は、前年度よりも今年度の方が作付面積の割合が大きい場合、「1.0」より大きい「1.2」を第1項とする。また、害虫発生予測システム1は、前年度と今年度の作付面積の割合が同じであれば、第1項を「1.0」とする。また、害虫発生予測システム1は、前年度よりも今年度の方が作付面積の割合が減少する場合、1.0よりも小さい「0.8」を第1項とする。
【0039】
次に、第3のルールについて説明する。害虫発生予測システム1は、前年度の稲の作付面積の割合に基づいて第2項を設定する。第2項の値は、前年度の稲の割合が多いほど大きくなるよう設定される。たとえば、
図5および
図6の例では、第2項は、前年度の稲の作付面積の土地全体に占める割合に、補正値0.1をかけた値とする。
【0040】
このように第2項を設定するのは、前年度の作付状況が、今年度の作物の生育に与える影響を害虫発生予測に加味するためである。前年度に今年度栽培する作物と同じ作物を栽培している場合、前年度発生した害虫の卵等が残っている可能性がある。したがって、今年の作付面積が大きくない場合でも、前年度の作付面積が大きければ、前年度の栽培区画に残存している卵等の影響により害虫が発生する可能性がある。そこで、害虫発生予測システム1は、前年度の作付面積の割合が多いほど大きくなるよう第2項を設定する。
【0041】
係数記憶部44は、上記のように設定される第1乃至第3のルールと、前年度の割合と今年度の割合に対応づけて設定される第1項の値と、第2項の補正値と、を記憶する。
【0042】
なお、第1項および第2項の補正値の具体的な数値は、
図5および
図6の例に限定されない。第1項および第2項の補正値の値は、実際に観測される害虫発生状況等に基づいて機械学習等を行い設定してもよい。また、農業者が経験にもとづき、第1項および第2項の補正値の値を設定してもよい。
【0043】
補正係数を算出する際の手順について説明する。まず、害虫発生予測システム1は、ユーザ記憶部41、土地記憶部42、利用記憶部43に記憶される情報に基づき、前年度に各区画において栽培された作物を特定する。そして、害虫発生予測システム1は、特定した作物が稲である区画の面積が、土地全体に占める割合を算出する。たとえば、害虫発生予測システム1は、前年度に稲が栽培された区画と、稲以外の作物が栽培された区画との割合を、「多・少」、「中・中」、「少・多」の3種類に区別する。また、害虫発生予測システム1は、ユーザ記憶部41、土地記憶部42、利用記憶部43に記憶される情報に基づき、今年度に各区画において栽培される予定の作物を特定する。そして、害虫発生予測システム1は、特定した作物が稲である区画の面積が、土地全体に占める割合を算出する。たとえば、害虫発生予測システム1は、前年度についての情報と同様に、今年度について、稲が栽培される区画と、稲以外の作物が栽培される区画との割合を、「多・少」、「中・中」、「少・多」の3種類に区別する。
【0044】
そして、害虫発生予測システム1は、算出される前年度の割合と今年度の割合との対応に応じて、第1項を選択する。
図6の例では、第1項は、前年度の割合と今年度の割合との大小に応じて、1.2、1.0、0.8となる。
【0045】
したがって、
図5の例において、「前年:稲、稲以外」が「多、少」の場合に、「今年:稲、稲以外」が「多、少」の割合であると、「第1項」は、前年度の割合と今年度の割合とが等しいため、「1.0」となる。
【0046】
そして、害虫発生予測システム1は、次に、前年度の割合に基づいて、第2項を算出する。
図5の例において、「前年:稲、稲以外」が「多、少」の場合であって、稲の作付面積の土地全体に占める割合が10分の8であるとする。この場合、
図6の例では補正値が「0.1」であるため、第2項は、10分の8×0.1すなわち0.08となる。害虫発生予測システム1はさらに、第1項と第2項とを加算して補正係数を算出する。
図6の1番上の列では、第1項が「1.0」、第2項が「0.08」であるため、補正係数は、「1.08」となる。
【0047】
(制御部50の構成の一例)
図1に戻り、制御部50の構成について説明する。制御部50は、入力受付部51と、算出部52と、を有する。
【0048】
入力受付部51は、入力部20またはユーザ端末3からの入力を受け付ける。たとえば、入力受付部51は、入力部20またはユーザ端末3から害虫発生予測を実行するよう要求する指示入力を受け付ける。
【0049】
算出部52は、入力受付部51が受け付けた指示入力に応じて、記憶部40に記憶される情報を参照して、補正係数を算出する。算出部52は、算出した補正係数を出力部30または通信部10に送信する。
【0050】
(害虫発生予測処理の流れの一例)
図7は、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1における害虫発生予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、害虫発生予測システム1が備えるサーバ2の入力受付部51は、まず、入力部20またはユーザ端末3から、害虫発生予測の実行を指示する指示入力を受け付ける(ステップS71)。
【0051】
次に、算出部52は、入力受付部51が受け付けた指示入力に基づき、記憶部40に記憶される情報を参照して、前年度に所定の作物たとえば稲が栽培された区画の土地全体に対する割合を算出する(ステップS72)。次に、算出部52は、記憶部40に記憶される情報を参照して、今年度に所定の作物たとえば稲が栽培される区画の土地全体に対する割合を算出する(ステップS73)。そして、算出部52は、算出した前年度の割合と今年度の割合とに基づき、補正係数を算出する(ステップS74)。算出部52は、算出した補正係数を、指示入力の送信元に応じて出力部30または通信部10に送信する。出力部30は、補正係数を受信すると、外部に害虫発生予測処理の結果として出力する。また、通信部10は、補正係数を受信すると、指示入力を送信したユーザ端末3に対して、害虫発生予測処理の結果として当該補正係数を送信する(ステップS75)。これで害虫発生予測処理が終了する。
【0052】
このようにして算出される補正係数は、害虫発生予測量を補正するために用いることができる。たとえば、ユーザは、土地の面積に応じて、発生する害虫量を予測する。そして、ユーザは、予測量に対して上記補正係数を乗算することで、過去の土地の状況を考慮したより正確な害虫発生量を予測することができる。
【0053】
害虫発生予測システム1は、予め単位面積あたりの害虫発生予測量を記憶部40に記憶しておき、算出した補正係数を当該予想量に乗算して出力するように構成してもよい。また、害虫発生予測システム1は、上記のように、補正係数そのものを出力してもよい。このようにすることで、害虫発生予測システム1は、単位面積につき予想される害虫発生量に対して、土地の状況を考慮すると害虫発生量がどう増減するのか、認識容易な指標をユーザに提供することができる。
【0054】
なお、上記実施形態においては、害虫発生予測システム1は、今年度と前年度の作付面積に基づき害虫発生予測処理を実行するものとした。しかし、これに限定されず、害虫発生予測システム1は、任意の年度の作付面積と当該任意の年度の前の年度の作付面積と、に基づき、害虫発生予測処理を実行するように構成してもよい。この場合、入力受付部51は、指示入力として、年度の指定を受付ける。そして、算出部52は、入力受付部51が受け付けた指示入力において指定された年度の作付面積と、当該年度の前年度の作付面積とにもとづき補正係数を算出する。このように構成することで、害虫発生予測システム1は、任意の年度について害虫発生予測処理を実行し、実際の害虫発生状況等と比較することができる。これにより、害虫発生予測システム1は、補正係数の算出式の有効性を検証したり、ほかに害虫発生に影響した要因を検討することを可能にできる。
【0055】
(第1の実施形態の効果)
このように、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1は、複数の区画を含む所定範囲の土地の、各区画の過去の利用情報を記憶する記憶部を備える。また、害虫発生予測システム1は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合に基づき補正係数を算出する。補正係数は、所定範囲の土地における所定年度の害虫発生予測量を補正するための係数である。このように構成することで、害虫発生予測システム1は、複数の区画を含む土地において、土地の具体的な利用状況を考慮にいれて、害虫の発生量の予測を補正することができる。このため、害虫発生予測システム1は害虫発生予測の精度を高めることができる。
【0056】
また、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1において、算出部52は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合が大きいほど、より大きい補正係数を算出する。このため、害虫発生予測システム1は、害虫発生の可能性を高める条件を所定条件として補正係数を算出することで、多様な条件に基づき、予測される害虫の発生量を補正することができる。
【0057】
また、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1において、記憶部40はさらに、各区画の所定年度の利用情報を記憶する。そして、算出部52は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。また、算出部52は、所定年度の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。そして、算出部52は二つの割合の比較に基づき、補正係数を算出する。このため、害虫発生予測システム1は、過去の土地の使用状況だけでなく、所定年度の土地の使用状況も加味して、予測される害虫の発生量を補正することができる。
【0058】
また、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1において、算出部52は、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。また、算出部52は、所定年度の利用情報が所定条件を満たす区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。そして、算出部52は、過去の割合に対して所定年度の割合が大きいほど、より大きい補正係数を算出する。このため、害虫発生予測システム1は、過去の土地の使用状況だけでなく、所定年度の土地の使用状況も加味して、予測される害虫の発生量を補正することができる。
【0059】
また、第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1において、算出部52は、過去の利用情報が稲を栽培したことを示す区画の、複数の区画全体に占める割合に基づき、補正係数を算出する。また、算出部52は、過去の利用情報が稲を栽培したことを示す区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。また、算出部52は、所定年度の利用情報が稲を栽培予定であることを示す区画の、複数の区画全体に占める割合を算出する。そして、算出部52は、算出した割合の比較に基づき、補正係数を算出する。このため、害虫発生予測システム1は、稲という具体的な作物にフォーカスして、予測される害虫の発生量を補正することができる。
【0060】
(第1の実施形態の変形例)
上記第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1では、稲につく害虫の発生予測を補正する観点から説明した。ただし、これに限定されず、害虫発生予測システム1は、他の条件に基づく害虫発生予測を実行するよう構成することもできる。たとえば、稲以外の作物についての害虫発生予測を実行するよう、害虫発生予測システム1を変形してもよい。
【0061】
また、上記第1の実施形態において補正係数の算出に用いた第1項と第2項の補正値とは経験に応じて修正してもよい。また、補正係数の計算式も、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の土地全体に占める割合が加味されていれば、異なる計算式を採用してもよい。また、過去の利用情報が所定条件を満たす区画の割合と、今年の利用情報が所定条件を満たす区画の割合との比較が加味されていれば、異なる計算式を採用してもよい。
【0062】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、害虫が発生する可能性を高める要因を所定の条件として設定し、当該条件を満たす区画が土地全体に占める割合に応じて、害虫発生予測を補正するように害虫発生予測システムを構成した。第2の実施形態では、害虫発生予測システムは、害虫が発生する可能性を高める要因である、前年度における所定の作物の栽培という条件に着目し、作物ごとに異なる値を第2項の補正値として採用する。
【0063】
連作が病害虫の発生に影響することはよく知られている。しかし、連作による影響を受けやすい作物と、連作による影響をほとんど受けない作物とが存在する。そこで、第2の実施形態では、作物ごとに第2項の補正値を変動させて、より実情に即した害虫発生予測を実現する。
【0064】
図8は、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aの構成の一例を説明するための図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aの構成は概ね第1の実施形態に係る害虫発生予測システム1と同様である。したがって、第1の実施形態と共通する構成要素については説明を省略し、相違する点について以下説明する。
【0065】
図8に示す第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aは、サーバ2Aを備える。サーバ2Aの記憶部40Aに記憶される情報および制御部50Aにおける処理は、第1の実施形態の記憶部40および制御部50と相違する。まず、記憶部40Aは、第1の実施形態の記憶部40が記憶する情報に加えて、作物対応係数情報を記憶する。このため、記憶部40Aは、作物対応係数情報を記憶する作物対応係数記憶部45を有する。また、記憶部40Aは、各区画において栽培された作物を記憶する。このため、利用記憶部43Aは、
図4に示した第1の実施形態の利用記憶部43とは異なり、稲か稲以外かを判別する情報だけでなく、各区画で栽培された作物を特定する情報を記憶する。
【0066】
図9は、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aに記憶される作物対応係数情報の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、作物対応係数記憶部45が記憶する作物対応係数情報は、第1の実施形態において説明した第2項の補正値について、作物ごとに異なる値を含む。第1の実施形態において、第2項は、前年度の作付面積の割合が大きいほど大きい係数を設定した。しかし、連作による影響を大きく受ける作物については、前年度の作付面積が大きい場合、病害虫が増加する可能性がある。そこで、連作による影響を大きく受ける作物については、連作の影響を受けない作物よりも第2項が大きくなるよう補正値を設定する。
【0067】
図9の例に示す作物のうち、「トマト」は連作による影響を大きく受ける作物であり、一度栽培すると同じ場所では4〜5年の間栽培しない方がよい。他方、「サツマイモ」は連作による障害がほとんどないため、毎年同じ場所に栽培することができる。「オクラ」は若干連作による影響を受けるが、1年程度間をあけて栽培することができる。
図9の例では、連作障害がでやすい作物の補正値を大きくし、連作障害がでにくい作物ほど補正値を低くしている。たとえば、連作障害がでやすい「トマト」については、補正値を「0.5」とし、連作障害がでにくい「サツマイモ」については、補正値を「0.1」とする。
【0068】
このように、作物ごとに第2項の補正値を変動させることで、一つの区画だけでなく、土地全体としてみた場合に、作物の生育に影響する可能性がある要因を考慮にいれて害虫発生予測を補正することができる。このような補正係数の設定手法は、特に、複数の区画を共同で管理している場合で、区画間で土壌が混じり合う可能性がある場合に有効と考えられる。
【0069】
図10は、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aに記憶される利用情報の構成の一例を示す図である。
図4に示した第1の実施形態の例とは異なり、第2の実施形態の利用記憶部43Aは、「稲」か「稲以外」かだけでなく、
図10に示すように「稲以外」のどの作物かを記憶する構成となっている。
【0070】
第2の実施形態の制御部50Aは、ユーザ端末3または入力部20からの指示入力に含まれる作物の指定を受け付け、当該作物に対応する補正値を特定した上で補正係数を算出する。このため、制御部50Aは、入力受付部51Aと算出部52Aとを有する。入力受付部51Aは、作物の指定を含む指示入力を受け付ける。そして、算出部52Aは、指示入力に含まれる作物の指定に基づき、作物対応係数記憶部45が記憶する第2項の補正値を特定する。そして、算出部52Aは、特定した第1項と第2項の補正値とを用いて、補正係数を算出する。
【0071】
図11は、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aにおける害虫発生予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0072】
図11に示すように、第2の実施形態では、入力受付部51Aは、作物の指定を含む指示入力を受け付ける(ステップS101)。そして、算出部52Aは、利用記憶部43Aを参照し、当該作物について前年度の作付面積の割合を算出する(ステップS102)。また、算出部52Aは、利用記憶部43Aを参照し、当該作物について今年度の作付面積の割合を算出する(ステップS103)。そして、算出部52Aは、指定された作物に対応する第2項の補正値を、作物対応係数記憶部45を参照して特定する。さらに、算出部52Aは、算出した割合に基づき、第1項を特定する(ステップS104)。そして、算出部52Aは、当該作物に適用する補正係数を算出する(ステップS105)。そして、算出部52Aは、算出した補正係数を出力部30または通信部10に送信し、算出した係数が結果として出力される(ステップS106)。これで害虫発生予測処理が終了する。
【0073】
このように、第2の実施形態においては、作物ごとに、前年度の作付面積の影響の大小を加味して係数を算出する。このため、より精度高い害虫発生予測を実現することができる。
【0074】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、ユーザ端末3からの入力に基づいて、当該ユーザの使用している土地を特定し、当該土地の位置を考慮して、害虫発生予測の補正を実現する。
【0075】
農業協同組合が管理する土地は、必ずしも一つの場所にまとまって存在するわけではなく、複数の場所に分散されていることがあると予想される。そこで、害虫発生予測についても、ユーザが指定する土地の位置に応じて、当該土地に影響を与える区画を特定して実行することが有効と考えられる。
【0076】
第3の実施形態では、指示入力に、ユーザの情報を含めることで、土地の位置に応じた害虫発生予測を実現する。
【0077】
第3の実施形態の害虫発生予測システム1B(
図8参照)の構成および機能は概ね、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aと同様である。ただし、制御部50Bが有する入力受付部51Bが受け付ける情報と、算出部52Bにおける処理が、第2の実施形態と異なる。以下、第2の実施形態と異なる点について説明する。
【0078】
図12は、第2の実施形態に係る害虫発生予測システム1Aにおいてユーザ端末3に表示される画面の一例を説明するための図である。
図13は、第3の実施形態に係る害虫発生予測システム1Bにおいてユーザ端末3に表示される画面の他の例を説明するための図である。
図14は、第3の実施形態に係る害虫発生予測システム1Bにおける土地配置の例について説明するための図である。
【0079】
まず、
図12を参照し、第2の実施形態において、ユーザ端末3に表示される画面について説明する。ユーザ端末3のユーザがサーバ2Aにアクセスして害虫発生予測サービスを利用するとき、
図12の(A)に示すような画面がユーザ端末3に表示される。画面には、「害虫発生量を予測する作物を入力してください」というメッセージと、作物名を入力するためのボックスが表示される。ユーザは、作物名をボックスに入力し、「計算」ボタンをクリックすることで、サーバ2Aに対して指示入力を送信する。
【0080】
指示入力を受信したサーバ2Aは、指示された作物に対応する補正係数を算出し、ユーザ端末3に対して、算出した補正係数を送信する。たとえば、サーバ2Aは、
図12の(B)に示すような画面をユーザ端末3に表示させる。
図12の(B)に示す画面には、「害虫発生量予測」として、「補正係数:1.5」と「作物名:稲」が表示される。これは、サーバ2Aにおける害虫発生予測の結果、補正係数1.5が算出されたことを示す。また、害虫発生予測は、「稲」について行われたことを示す。画面の右上には「レポート出力」のボタンがあり、ユーザは、当該ボタンをクリックして、画面をプリントすることができる。
【0081】
次に
図13を参照し、第3の実施形態においてユーザ端末3に表示される画面について説明する。
図13の例では、
図12の例と比べると、「ユーザID」を入力するボックスが増えている。また、
図13の例では、「あなたのユーザIDを入力してください」というメッセージが表示される。これは、指示入力にユーザを特定することができる情報を含めることで、サーバ2B側でユーザの利用土地を特定することを可能にするためである。
【0082】
たとえば、
図14に示すような土地配置の場合を考える。
図14の場合、6つの区画「L01」から「L06」を含むひとまとまりの土地と、11個の区画「L07」から「L17」を含むひとまとまりの土地とが間隔をおいて配置されている。この場合に、たとえば、「L16」の土地における作物の生育状況に対して、「L02」の土地における作物の生育状況が与える影響は小さいと考えられる。特に二つの土地が相当の距離をおいて配置されている場合、相互の影響は無視できると考えられる。
【0083】
そこで、第3の実施形態においては、サーバ2Bは、指示入力に含まれるユーザIDにもとづき、記憶部40Aに記憶される情報を参照して、当該ユーザが利用する区画に隣接する区画を特定する。たとえば、ユーザが「L16」を利用している場合、サーバ2Bは、区画「L07」から「L17」までを害虫発生予測処理の対象として扱う。この場合、サーバ2Bは、区画「L01」から「L06」までの区画については害虫発生予測処理の対象から除外する。
【0084】
図15は、第3の実施形態に係る害虫発生予測システム1Bにおける害虫発生予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15に示すように、害虫発生予測システム1Bのサーバ2Bは、まず、ユーザIDと作物の指示とを含む指示入力を受け付ける(ステップS1401)。そして、サーバ2Bは、受け付けたユーザIDに基づき、当該ユーザの利用区画を含むひとまとまりの土地を処理対象として特定する(ステップS1402)そして、サーバ2Bは、特定された処理対象にもとづき、指定された作物が前年度に栽培された区画の割合を算出する(ステップS1403)。また、サーバ2Bは、特定された処理対象にもとづき、指定された作物が今年度栽培される区画の割合を算出する(ステップS1404)。そして、算出部52Bは、算出された割合と指定された作物に基づき、対応する第1項および第2項の補正値を特定する(ステップS1405)。そして、算出部52Bは、補正係数を算出する(ステップS1406)。算出部52Bは、算出した補正係数を、指示入力の送信元に応じて出力部30または通信部10に送信し、結果を出力する(ステップS1407)。
図15に示すステップS1403〜S1407の処理は、
図11に示すステップS102〜S106の処理と同様である。これで第3の実施形態に係る害虫発生予測処理が終了する。
【0085】
なお、上記第3の実施形態に係る害虫発生予測システム1Bでは、区画を含むひとまとまりの土地ごとに害虫発生予測を行うものとした。これに限らず、たとえば、害虫発生予測システムは、指定入力によって特定された区画に直接隣接する区画のみを害虫発生予測処理の対象とするように構成してもよい。
【0086】
このように、指定される区画における害虫の生育状況に影響を与える可能性が大きい区画のみを特定して、害虫発生予測を実行することにより、害虫発生予測の精度をさらに向上させることができる。
【0087】
(第4の実施形態)
これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0088】
(分散および統合)
図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0089】
(害虫発生予測プログラム)
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをサーバ等のコンピュータからタブレット端末やノート型コンピュータ等のコンピュータに配布し、サーバとコンピュータとが処理を協働して実行することによって実現することができる。そこで、以下では、
図16を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する害虫発生予測プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0090】
図16は、第1〜4の実施形態に係る害虫発生予測プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
図16に示すように、コンピュータ1000は、操作部1100と、ディスプレイ1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1400と、ROM(Read Only Memory)1500と、RAM(Random Access Memory)1600と、HDD(Hard Disk Drive)1700とを有する。これら1100〜1700の各部はバス1800を介して接続される。
【0091】
HDD1700には、
図16に示すように、上記の第1の実施形態で示した各部と同様の機能を発揮するモジュールを実装することができる害虫発生予測プログラム1700aが予め記憶される。この害虫発生予測プログラム1700aについては、
図1等に示した各々の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。すなわち、HDD1700に記憶される各データは、常に全てのデータがHDD1700に記憶される必要はなく、処理に必要なデータのみがHDD1700に記憶されればよい。
【0092】
そして、CPU1400が、害虫発生予測プログラム1700aの各モジュールをHDD1700から読み出してRAM1600に展開する。これによって、
図16に示すように、害虫発生予測プログラム1700aは、害虫発生予測プロセス1600aとして機能する。この害虫発生予測プロセス1600aは、HDD1700から読み出した各種データを適宜RAM1600上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、害虫発生予測プロセス1600aは、
図1等に示した各処理部にて実行される処理を含む。また、CPU1400上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU1400上で動作する必要はなく、必要な処理部のみが仮想的に実現されればよい。
【0093】
なお、上記の害虫発生予測プログラム1700aについては、必ずしも最初からHDD1700やROM1500に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。または、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。