特許第6708550号(P6708550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6708550除草性4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸を使用する水生雑草の防除方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708550
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】除草性4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸を使用する水生雑草の防除方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20200601BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20200601BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20200601BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   A01N43/40 101J
   A01N25/02
   A01N25/04 102
   A01P13/00
【請求項の数】14
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-549316(P2016-549316)
(86)(22)【出願日】2015年1月29日
(65)【公表番号】特表2017-504645(P2017-504645A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】US2015013396
(87)【国際公開番号】WO2015116745
(87)【国際公開日】20150806
【審査請求日】2018年1月22日
(31)【優先権主張番号】61/934,007
(32)【優先日】2014年1月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マン,リチャード,ケー.
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−519982(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/018359(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/018400(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/018402(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/085988(WO,A1)
【文献】 特表2010−537996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草剤として有効な量の式Iの化合物
【化1】

[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは、
a)
【化2】

(式中、
はハロゲンを表し、
はF、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−CN、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し、
は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンもしくは−CNを表し、またはXおよびYが一緒となる場合には、−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);
b)
【化3】

(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、またはWがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);および
c)
【化4】

(式中
はハロゲン、−CN、または−CFを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)
からなる群から選択される多置換アリール基を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む組成物を水体において供することを含む、前記水体において水生雑草を防除する方法であって、前記水生雑草がクロモ、エビモまたはホザキノフサモからなる群から選択される、方法。
【請求項2】
前記式Iの化合物が
【化5】

[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは多置換アリール基
【化6】

(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式Iの化合物が
【化7】

[式中、
はHまたはFを表し;
はClを表し;
およびRはHを表し;
Arは多置換アリール基
【化8】

(式中
はFを表し;
はC〜Cアルコキシを表し;
はClを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記式Iの化合物が4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル(ハロキシフェン−メチル)である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記式Iの化合物が4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジルである、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記水体における前記式Iの化合物の最終希釈レベルが、十億分の5(ppb)から2000ppbである、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記水体における前記式Iの化合物の最終希釈レベルが、十億分の(ppb)1000未満であり、好ましくは200ppb未満である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記水体における前記式Iの化合物の最終希釈レベルが、十億分の5(ppb)から200ppbである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記水体における前記式Iの化合物の最終希釈レベルが、200ppb未満である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記式Iの化合物を1種または複数の他の除草剤と併用して施用して、より広範に種々の望ましくない植生を防除する、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記さらなる除草剤が、ジクアトジブロミド、銅塩、エンドタール、フルミオキサジン、カルフェントラゾン−エチル、フルリドン、トプラメゾン,2,4−D、2,4−Dコリン塩、トリクロピル、トリクロピルコリン塩、ペノキススラム、イマザモックス、ビスピリバック−ナトリウム、およびそれらの農業的に許容される塩またはエステルからなる群から選択される1種または複数の除草剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水生雑草が除草剤抵抗性または耐性雑草を含む、請求項1から11いずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記抵抗性雑草または耐性雑草が、単一もしくは複数の除草剤、または単一もしくは複数の化学物質クラス、または単一もしくは複数の除草剤作用機序の阻害剤に対して抵抗性もしくは耐性を有する生物型である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抵抗性雑草または耐性雑草が、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤またはアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)阻害剤、光学系II阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害剤、光学系I阻害剤、5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェート(EPSP)シンターゼ阻害剤、微小管構築阻害剤、脂質合成阻害剤、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、カロテノイド生合成阻害剤、漂白剤、極長鎖脂肪酸(VLCFA)阻害剤、フィトエン不飽和化酵素(PDS)阻害剤、グルタミンシンテターゼ阻害剤、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤、有糸分裂阻害剤、セルロース生合成阻害剤、多重作用機序を有する除草剤、キンクロラック、アリールアミノプロピオン酸、ジフェンゾクアット、エンドタールまたは有機ヒ素化合物に対して抵抗性または耐性の生物型である、請求項10または請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2014年1月31日に出願された米国特許仮出願番号第61/934,007号についての利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
水生植物は、米国および他の国々において、水域および湿地に望ましくない雑草として一般に発生する。クロモ、エビモ(curlyleaf pondweed)およびホザキノフサモ(Eurasian watermilfoil)を含むフサモがかかる外来性の3種の雑草であり、これらは池、湖、および他の水体に見られる。望ましくないまたは外来性水生雑草を排除するためにまたは防除するためにそのような水体を処理することは、望ましくない雑草を防除するために使用される薬剤が、望ましいまたは在来植物体の健康にも有害な影響を及ぼすという事実により複雑化することが多い。水中除草剤は、ある時間の間、水生植物または水面下植物と接触すること(曝露時間)が必要であり、この時間は個々の薬剤およびそれが使用される濃度に依存する。一部の除草剤では、水中のある特定の水面下植物、水面上植物または浮水性植物を防除するのに長期の曝露(1カ月またはそれ以上)が必要とされ、このことが非標的種に有害な影響を及ぼす恐れがある。流体環境の中では長期曝露時間は達成が困難なことがある。不十分な曝露により、効能は劣りまたは処理は不成功となる恐れがある。したがって、曝露時間を短縮する方法もしくは手法かつ/または水面下雑草を防除するのに使用される薬剤の濃度を低下させる方法もしくは手法は、効能および/または選択性に好影響を与えることができる。
【0003】
標的水生雑草に対する除草性薬剤の効能は、施用用量、特定の製剤、植物種、気候条件、水泥分条件、除草剤曝露時間などを含めて、いくつかの因子に左右される。時には、望ましくない雑草を防除できないことを、単に施用率を高めるかまたは特定の除草性薬剤について濃度を高めることで、克服することができる。しかし、このことはいつもあてはまるということではなく、施用率が高いと、有益な植物および水生生物に対する有害なまたは望ましくない影響が悪化する恐れがあり、かつ標的植物との不十分な接触が適切に補償されない恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
水体において水生雑草を防除する方法を本明細書に記載する。この方法は、除草剤として有効な量の式Iの化合物
【0005】
【化1】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは、
a)
【0006】
【化2】
(式中、
はハロゲンを表し、
はF、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−CN、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し、
は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンもしくは−CNを表し、またはXおよびYが一緒となる場合には、−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);
b)
【0007】
【化3】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);および
c)
【0008】
【化4】
(式中
はハロゲン、−CN、または−CFを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)
からなる群から選択される多置換アリール基を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む組成物を水体において供することを含む。
【0009】
式Iの好ましい化合物は、
【0010】
【化5】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは多置換アリール基
【0011】
【化6】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む。
【0012】
式Iの特に好ましい化合物は、
【0013】
【化7】
[式中、
はHまたはFを表し;
はClを表し;
およびRはHを表し;
Arは多置換アリール基
【0014】
【化8】
(式中
はFを表し;
はC〜Cアルコキシを表し;
はClを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む。一部の実施形態では、Xはメトキシである。
【0015】
このような方法では、式Iの化合物は、極めて低濃度で水生植物に施用しても意外にも有効であり、かつ/またはこれを使用して標的水生雑草に対する選択性を改良することができ、したがって除草性薬剤の濃度が低下するので、および/またはそれらへの曝露が短縮するので、非標的植物種に対する有害影響が小さくなる。一実施形態では、水体における式Iの化合物の最終希釈レベルは、十億分の約5(ppb)から約2000ppbであり、好ましくは十億分の約5(ppb)から約200ppbである
【0016】
ある特定の具体的な実施形態では、水生雑草は、例えばクロモ、エビモおよびフサモは、式Iの化合物により効果的に防除することができる。式Iの好ましい化合物は、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル(ハロキシフェン−メチル)および4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジルである。
【0017】
他の実施形態では、方法は、さらなる殺有害生物剤、例えばジクアトジブロミド、銅塩、エンドタール(endothal)、フルミオキサジン(flumioxazin)、カルフェントラゾン(carfentrazone)−エチル、フルリドン(fluridone)、トプラメゾン(topramezone),2,4−D、トリクロピル(triclopyr)、ペノキススラム(penoxsulam)、イマザモックス(imazamox)、ビスピリバック(bispyribac)−ナトリウム、またはそれらの農業的に許容される塩もしくはエステルの使用をさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0018】
I.定義
式Iの化合物は、木本植物、広葉雑草、イネ科雑草、およびカヤツリグサ科雑草に対する雑草防除活性の幅広いスペクトルを有する化合物のファミリーに属し、かつ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,314,849(B2)号に記載されている。本明細書で使用するとき、式Iの化合物は次の構造:
【0019】
【化9】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは、
a)
【0020】
【化10】
(式中、
はハロゲンを表し、
はF、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−CN、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し、
は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンもしくは−CNを表し、または、XおよびYが一緒となる場合には、−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);
b)
【0021】
【化11】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);および
c)
【0022】
【化12】
(式中
はハロゲン、−CN、または−CFを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)
からなる群から選択される多置換アリール基を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を有する。
【0023】
式Iの好ましい化合物は、
【0024】
【化13】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは多置換アリール基を表し、
【0025】
【化14】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む。
【0026】
式Iの特に好ましい化合物は、
【0027】
【化15】
[式中、
はHまたはFを表し;
はClを表し;
およびRはHを表し;
Arは多置換アリール基
【0028】
【化16】
(式中
はFを表し;
はC〜Cアルコキシを表し;
はClを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む。
【0029】
一部の実施形態では、Xはメトキシである。式Iの化合物の一部は、例えば4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸(ハロキシフェン)ならびにその農業的に許容される塩およびエステル、例えばハロキシフェン−メチルを含み、これは、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2−ピリジンカルボン酸メチルである。
【0030】
除草剤という用語は本明細書では、植物の成長を枯死させるか、防除するかまたはその他の形で不利に変更させる活性成分を意味するのに使用される。本明細書で使用するとき、除草剤として有効な量、または植生防除量とは、「除草効果」を、すなわち、不利に変更させる効果を生じる活性成分の量であり、かつ自然の発達からの逸脱、枯死、調節、乾燥、および遅延を包含する。
【0031】
本明細書で使用するとき、望ましくない植生の選択的防除とは、水体において成長の任意の段階にある望ましくない植生の発達を予防するか、低減するか、枯死させるか、またはその他の形で不利に変更させることを意味する。
【0032】
本明細書で使用するとき、「植物」および「植生」という用語は、それらに限定されないが、発芽種子、出芽している苗、植生珠芽から出芽している植物、および定着した植生を包含する。
【0033】
本明細書で使用するとき、未成熟な植生とは、繁殖段階の前の小植生植物をいい、成熟した植生とは繁殖段階中および繁殖段階後の植生植物を指す。
【0034】
本明細書で使用するとき、式Iの化合物の農業的に許容される塩およびエステルとは、(a)除草活性に実質的に影響せずかつ(b)植物もしくは固体中で、pHに依存して解離形態もしくは非解離形態であり得る相当するカルボン酸に加水分解されるか、酸化されるか、代謝されるか、もしくはその他の形で転換されるかまたはされ得る、塩およびエステルを指す。例示的な塩としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属から誘導されるものならびにアンモニアおよびアミンから誘導されるものが含まれる。例示的なカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび式:

のアンモニウムカチオンが含まれ、式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素またはC〜C12アルキル、C〜C12アルケニルもしくはC〜C12アルキニルを表し、それらのそれぞれは場合により1個もしくは複数のヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオまたはフェニル基で置換されており、ただしR、R、RおよびRは立体的に適合性である。さらにR、R、RおよびRのいずれか2個が一緒になって、1〜12個の炭素原子および最高で2個の酸素原子もしくは硫黄原子を含有する脂肪族二官能基性部分を表すことができる。塩は、金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムで、アミン、例えばアンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミンもしくはベンジルアミンで、またはテトラアルキル水酸化アンモニウム、例えばテトラメチル水酸化アンモニウムもしくは水酸化コリンで、処理することにより調製することができる。
【0035】
例示的なエステルには、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C10アリール置換アルキルアルコール、例えばメチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロヘキサノールまたは非置換もしくは置換ベンジルアルコールから誘導されるものが含まれる。ベンジルアルコールは、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される1から3の置換基によって置換されていてもよい。エステルは、いくつかの適した活性化剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはカルボニルジイミダゾール(CDI)などのペプチドカップリングに使用されるものを使用する、アルコールと酸のカップリングにより;塩基、例えばトリエチルアミンまたは炭酸リチウムの存在下で、アルキル化剤、例えばハロゲン化アルキルもしくはスルホン酸アルキルと酸を反応させることにより;適切なアルコールと酸の対応する酸塩化物を反応させることにより;酸触媒の存在下で適切なアルコールと対応する酸を反応させることによりまたはエステル交換反応により調製することができる。
【0036】
II.組成物
A.化合物
除草活性は、化合物を、成長の任意の段階で防除すべき植物を含む水体に施用すると、その化合物により示される。観察される効果は、防除されるべき植物種、植物の成長の段階、希釈に関する施用パラメータ、固体構成成分の粒子径、使用時の環境条件、用いられる具体的な化合物、用いられる具体的な補助剤および担体などならびに施用される化学物質の量に左右される。これらの因子および他の因子を調整して、除草作用を促進することができる。本方法では、本明細書に記載の組成物は、比較的未成熟状態および成熟状態の望ましくない植生に施用して、雑草の最大限の防除を達成する。
【0037】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩もしくはエステルおよび相補的除草剤は、組合せ製剤としてもしくはタンクミックスとしてのいずれかで同時に施用されるか、または順次施用として施用される。
【0038】
本明細書に記載の方法では、式Iの組成物は、従来の散粉機、噴霧機および散粒機の使用により、注入水への添加により、および当業者に公知の他の従来の手段により、処理する水体に施用することができる。
【0039】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物における活性成分の濃度は、0.0005から98重量パーセントである。一部の実施形態では、その濃度は0.0006から90重量パーセントである。濃縮物として用いられるように設計された組成物では、活性成分は、ある特定の実施形態では、0.1から98重量パーセントの濃度で存在し、およびある特定の実施形態では0.5から90重量パーセントの濃度で存在する。かかる組成物は、ある特定の実施形態では、施用前に、水などの不活性担体で希釈される。雑草または雑草の場所に通常施用される希釈された組成物は、ある特定の実施形態では、0.0006から3.0重量パーセントの活性成分を含有し、およびある特定の実施形態では0.01から0.3重量パーセントを含有する。
【0040】
本明細書に記載の方法では、処理する水体に施用する式Iの化合物の量は、式Iの化合物の最終希釈レベルが十億分の1(ppb)から2000ppbの間であるように濃縮形態で施用することができる。本明細書に記載の方法の追加の実施形態では、処理する水体に施用する式Iの化合物の量は、式Iの化合物の最終希釈レベルが、1ppbから1500ppbの間、1ppbから1250ppbの間、1ppbから1000ppbの間、1ppbから900ppbの間、1ppbから800ppbの間、1ppbから700ppbの間、1ppbから600ppbの間、1ppbから500ppbの間、1ppbから450ppbの間、1ppbから400ppbの間、1ppbから375ppbの間、1ppbから350ppbの間、1ppbから325ppbの間、1ppbから300ppbの間、1ppbから275ppbの間、1ppbから250ppbの間、1ppbから225ppbの間、1ppbから200ppbの間、1ppbから190ppbの間、1ppbから180ppbの間、1ppbから170ppbの間、1ppbから160ppbの間、1ppbから150ppbの間、1ppbから140ppbの間、1ppbから130ppbの間、1ppbから120ppbの間、1ppbから110ppbの間、1ppbから100ppbの間、1ppbから90ppbの間、1ppbから80ppbの間、1ppbから70ppbの間、1ppbから60ppbの間、1ppbから50ppbの間、1ppbから40ppbの間、1ppbから30ppbの間、1ppbから20ppbの間、1ppbから10ppbの間、10ppbから200ppbの間、10ppbから150ppbの間、10ppbから100ppbの間、10ppbから90ppbの間、10ppbから80ppbの間、10ppbから70ppbの間、10ppbから60ppbの間、10ppbから50ppbの間、10ppbから40ppbの間、10ppbから30ppbの間、10ppbから20ppbの間、20ppbから200ppbの間、20ppbから150ppbの間、20ppbから100ppbの間、20ppbから90ppbの間、20ppbから80ppbの間、20ppbから70ppbの間、20ppbから60ppbの間、20ppbから50ppbの間、20ppbから40ppbの間、20ppbから30ppbの間、30ppbから200ppbの間、30ppbから150ppbの間、30ppbから100ppbの間、30ppbから90ppbの間、30ppbから80ppbの間、30ppbから70ppbの間、30ppbから60ppbの間、30ppbから50ppbの間、30ppbから40ppbの間、40ppbから200ppbの間、40ppbから150ppbの間、40ppbから100ppbの間、40ppbから90ppbの間、40ppbから80ppbの間、40ppbから70ppbの間、40ppbから60ppbの間、40ppbから50ppbの間、50ppbから200ppbの間、50ppbから150ppbの間、50ppbから100ppbの間、50ppbから90ppbの間、50ppbから80ppbの間、50ppbから70ppbの間、50ppbから60ppbの間であるように濃縮形態で施用することができる。本明細書に記載の方法のさらなる実施形態では、処理する水体に施用する式Iの化合物の量は、式Iの化合物の最終希釈レベルが0.1ppb、0.25ppb、0.5ppb、1ppb、2ppb、3ppb、4ppb,5ppb、6ppb、7ppb、8ppb、9ppb、10ppb、12ppb、14ppb、16ppb、18ppb、20ppb、22ppb、24ppb、26ppb、28ppb、30ppb、32ppb、34ppb、36ppb、38ppb、40ppb、42ppb、44ppb、46ppb、48ppb、50ppb、55ppb、60ppb、65ppb、70ppb、75ppb、80ppb、85ppb、90ppb、95ppb、100ppb、110ppb、120ppb、130ppb、140ppb、150ppb、160ppb、170ppb、180ppb、190ppb、200ppb、220ppb、240ppb、260ppb、280ppb、300ppb、320ppb、340ppb、360ppb、380ppb、400ppb、420ppb、440ppb、460ppb、480ppb、または500ppbであるように濃縮形態で施用することができる。
【0041】
本明細書に記載の方法の他の実施形態では、処理する水体に施用する式Iの化合物の量は、式Iの化合物の最終希釈レベルが5ppb未満であるように濃縮形態で施用することができる。本明細書に記載の方法の追加の実施形態では、処理する水体に施用する式Iの化合物の量は、式Iの化合物の最終希釈レベルが6ppb未満、7ppb未満、8ppb未満、9ppb未満、10ppb未満、12ppb未満、14ppb未満、16ppb未満、18ppb未満、20ppb未満、22ppb未満、24ppb未満、26ppb未満、28ppb未満、30ppb未満、32ppb未満、34ppb未満、36ppb未満、38ppb未満、40ppb未満、42ppb未満、44ppb未満、46ppb未満、48ppb未満、50ppb未満、55ppb未満、60ppb未満、65ppb未満、70ppb未満、75ppb未満、80ppb未満、85ppb未満、90ppb未満、95ppb未満、100ppb未満、110ppb未満、120ppb未満、130ppb未満、140ppb未満、150ppb未満、160ppb未満、170ppb未満、180ppb未満、190ppb未満、200ppb未満、210ppb未満、220ppb未満、230ppb未満、240ppb未満、250ppb未満、275ppb未満、300ppb未満、325ppb未満、350ppb未満、400ppb未満、450ppb未満、500ppb未満、550ppb未満、600ppb未満、650ppb未満、700ppb未満、750ppb未満、800ppb未満、850ppb未満、900ppb未満、950ppb未満、または1000ppb未満であるように濃縮形態で施用することができる。
【0042】
本明細書に記載のように、式Iの化合物は、極めて低濃度で水生植物に施用しても、意外にも有効であり、かつ/またはこれを使用して標的水生雑草に対する選択性を改良することができ、したがって除草性薬剤の濃度が低下するのでまたはそれらへの曝露が短縮するので、非標的植物種に対する影響が小さくなる。
【0043】
B.他の活性体
本明細書に記載の混合物は、より広範に種々の望ましくない植生を防除するために1つまたは複数の他の除草剤と併用して施用することができる。他の除草剤と併用するとき、組成物は、他の除草剤(単数または複数)とともに配合することができるか、他の除草剤(単数または複数)とタンク混合することができるか、または他の除草剤(単数または複数)とともに順次施用することができる。本明細書に記載の組成物および方法と併用して用いることができる除草剤の一部として、それらに限定されないが、次の除草剤の酸、塩およびエステル型があげられる:4−CPA、4−CPB、4−CPP、3,4−DA、2,4−D、2,4−Dコリン塩、2,4−DB、3,4−DB、3,4−DP、2,3,6−TBA、2,4,5−T、2,4,5−TB、アセトクロール(acetochlor)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、アクロレイン(acrolein)、アラクロール(alachlor)、アリドクロール(allidochlor)、アロキシジム(alloxydim)、アリルアルコール、アロラック(alorac)、アメトリジオン(ametridione)、アメトリン(ametryn)、アミブジン(amibuzin)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノシクロピラクロール(aminocyclopyrachlor)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミプロホス−メチル(amiprofos-methyl)、アミトロール(amitrole)、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス(anilofos)、アニスロン(anisuron)、アスラム(asulam)、アトラトン(atraton)、アトラジン(atrazine)、アザフェニジン(azafenidin)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アジプロトリン(aziprotryne)、バルバン(barban)、BCPC、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフルラリン(benfluralin)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンスルフロン−メチル(bensulfuron-methyl)、ベンスリド(bensulide)、ベンタゾン(bentazone)、ベンチオカルブ(benthiocarb)、ベンザドックス(benzadox)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンジプラム(benzipram)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンゾフルオル(benzofluor)、ベンゾイルプロップ(benzoylprop)、ベンズチアズロン(benzthiazuron)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、ビフェノックス(bifenox)、ビラナホス(bilanafos)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ホウ砂、ブロマシル(bromacil)、ブロモボニル(bromobonil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロムピラゾン(bromopyrazon)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、ブテナクロール(butenachlor)、ブチダゾール(buthidazole)、ブチウロン(buthiuron)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、ブツロン(buturon)、ブチレート(butylate)、カコジル酸、カフェンストロール(cafenstrole)、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド(calcium cyanamide)、カムベンジクロール(cambendichlor)、カルバスラム(carbasulam)、カルベタミド(carbetamide)、カルボキサゾール(carboxazole)、クロルプロカルブ(chlorprocarb)、カルフェントラゾン(carfentrazone)(例えば、カルフェントラゾン−エチル(carfentrazone-ethyl))、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロラムベン(chroramben)、クロラノクリル(chloranocryl)、クロラジホップ(chlorazifop)、クロラジン(chlorazine)、クロルブロムロン(chlorbromuron)、クロルブファム(chlorbufam)、クロレツロン(chloreturon)、クロルフェナック(chlorfenac)、クロルフェンプロップ(chlorfenprop)、クロルフルラゾール(chlorflurazole)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、クロリダゾン(chloridazon)、クロリムロン(chlorimuron)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、クロロポン(chloropon)、クロロトルロン(chlorotoluron)、クロロクスロン(chloroxuron)、クロロキシニル(chloroxynil)、クロルプロファム(chlorpropham)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、クロルタール(chlorthal)、クロルチアミド(chlorthiamid)、シニドン(cinidon)(例えば、シニドン−エチル)、シンメチリン(cinmethylin)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シスアニリド(cisanilide)、クレトジム(clethodim)、クリオジネート(cliodinate)、クロジナホップ−プロパルギル(clodinafop-propagyl)、クロホップ(clofop)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロプロップ(cloprop)、クロプロキシジム(cloproxydim)、クロピラリド(clopyralid)、クロランスラム−メチル(cloransulam-methyl)、CMA、硫酸銅、CPMF、CPPC、クレダジン(credazine)、クレゾール、クミルロン(cumyluron)、シアナトリン(cyanatryn)、シアナジン(cyanazine)、シクロエート(cycloate)、シクロピリモレート(cyclopyrimorate)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロキシジム(cycloxydim)、シクルロン(cycluron)、シハロホップ(cyhalofop)(例えば、シハロホップ−ブチル)、シペルクアット(cyperquat)、シプラジン(cyprazine)、シプラゾール(cyprazole)、シプロミド(cypromid)、ダイムロン(daimuron)、ダラポン(dalapon)、ダゾメット(dazomet)、デラクロール(delachlor)、デスメジファム(desmedipham)、デスメトリン(desmetryn)、ジアレート(di-allate)、ジカムバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロラール尿素(dichloralurea)、ジクロルメート(dichlormate)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ−メチル(diclofop-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、ジエタムクアット(diethamquat)、ジエタチル(diethatyl)、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、ジフェンゾクアット(difenzoquat)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジメフロン(dimefuron)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジメテンアミド(dimethenamid)、ジメテンアミド−P、ジメキサノ(dimexano)、ジミダゾン(dimidazon)、ジニトラミン(dinitramine)、ジノフェネート(dinofenate)、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサム(dinosam)、ジノセブ(dinoseb)、ジノテルブ(dinoterb)、ジフェンアミド(diphenamid)、ジプロペトリン(dipropetryn)、ジクアット(diquat)、ジスル(disul)、ジチオピル(dithiopyr)、ジウロン(diuron)、DMPA、DNOC、DSMA、EBEP、エグリナジン(eglinazine)、エンドタール(endothal)、エプロナズ(epronaz)、EPTC、エルボン(erbon)、エスプロカルブ(esprocarb)、エトベンズアミド(ethbenzamide)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エチジムロン(ethidimuron)、エチオレート(ethiolate)、エトベンズアミド(ethobenzamid)、エトベンズアミド(etobenzamid)、エトフメセート(ethofumesate)、エトキシフェン(ethoxyfen)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エチノフェン(etinofen)、エトニプロミド(etnipromid)、エトベンザニド(etobenzanid)、EXD、フェナスラム(fenasulam)、フェノプロップ(fenoprop)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)(例えば、フェノキサプロップ−P−エチル)、フェノキサプロップ−P−エチル+イソオキサジフェン−エチル(isoxadifen-ethyl)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェンキノトリオン(fenquinotrione)、フェンテラコール(fenteracol)、フェンチアプロップ(fenthiaprop)、フェントラザミド(fentrazamide)、フェヌロン(fenuron)、硫酸第一鉄、フラムプロップ(flamprop)、フラムプロップ−M、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(fluazifop)(例えば、フルアジホップ−P−ブチル)、フルアゾレート(fluazolate)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルクロラリン(fluchloralin)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェニカン(flufenican)、フルフェンピル(flufenpyr)(例えば、フルフェンピル−エチル)、フルメツラム(flumetsulam)、フルメジン(flumezin)、フルミクロラック(flumiclorac)(例えば、フルミクロラック−ペンチル)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミプロピン(flumipropyn)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオロジフェン(fluorodifen)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、フルオロミジン(fluoromidine)、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、フルオチウロン(fluothiuron)、フルポキサム(flupoxam)、フルプロパシル(flupropacil)、フルプロパネート(flupropanate)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルルタモン(flurtamone)、フルチアセット(fluthiacet)、ホメサフェン(fomesafen)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ホサミン(fosamine)、フミクロラック(fumiclorac)、フリルオキシフェン(furyloxyfen)、ハロキシフェン(halauxifen)、ハロサフェン(halosafen)、ハロスルフロン(halosulfuron)(例えば、ハロスルフロン−メチル)、ハロキシジン(haloxydine)、ハロキシホップ−メチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ−P(例えば、ハロキシホップ−P−メチル)、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルレート(hexaflurate)、ヘキサジノン(hexazinone)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダノファン(indanofan)、インダジフラム(indaziflam)、ヨードボニル(iodobonil)、ヨードメタン、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロン−エチル−ナトリウム、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)、アイオキシニル(ioxynil)、イパジン(ipazine)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、イプリミダム(iprymidam)、イソカルバミド(isocarbamid)、イソシル(isocil)、イソメチオジン(isomethiozin)、イソノルロン(isonoruron)、イソポリネート(isopolinate)、イソプロパリン(isopropalin)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、カルブチレート(karbutilate)、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ラクトフェン(lactofen)、レナシル(lenacil)、リヌロン(linuron)、MAA、MAMA、MCPAエステルおよびアミン、MCPA−チオエチル、MCPB、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップ−P、メジノテルブ(medinoterb)、メフェナセット(mefenacet)、メフルイジド(mefluidide)、メソプラジン(mesoprazine)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソトリオン(mesotrione)、メタム(metam)、メタミホップ(metamifop)、メタミトロン(metamitron)、メタザクロール(metazachlor)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メトフルラゾン(metflurazon)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メタルプロパリン(methalpropalin)、メタゾール(methazole)、メチオベンカルブ(methiobencarb)、メチオゾリン(methiozolin)、メチウロン(methiuron)、メトメトン(methometon)、メトプロトリン(methoprotryne)、臭化メチル、メチルイソチオシアネート(methyl isothiocyanate)、メチ

ルジムロン(methyldymron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトラクロール(metolachrol)、メトスラム(metosulam)、メトクスロン(metoxuron)、メトリブジン(metribuzin)、メトスルフロン(metsulfuron)、メトスルフロン−メチル、モリネート(molinate)、モナリド(monalide)、モニソウロン(monisouron)、モノクロロ酢酸、モノリヌロン(monolinuron)、モヌロン(monuron)、モルファムクアット(morfamquat)、MSMA、ナプロアニリド(naproanilide)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロパミド−M、ナプタラム(naptalam)、ネブロン(neburon)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、ニトラリン(nitralin)、ニトロフェン(nitrofen)、ニトロフルオルフェン(nitrofluorfen)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ノルロン(noruron)、OCH、オルベンカルブ(orbencarb)、オルト−ジクロロベンゼン、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサピラゾン(oxapyrazon)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、パラフルフェン−エチル(paraflufen-ethyl)、パラフルロン(parafluron)、パラクアット(paraquat)、ペブレート(pebulate)、ペラルゴン酸、ペンジメタリン(pendimethalin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ペンタクロロフェノール、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ペルフルイドン(perfluidone)、ペトキサミド(pethoxamid)、フェニソファム(phenisopham)、フェンメジファム(phenmedipham)(例えば、フェンメジファム−エチル)、フェノベンズロン(phenobenzuron)、酢酸フェニル水銀、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピペロフォス(piperophos)、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン化カリウム、プレチラクロール(pretilachlor)、プリミスルフロン(primisulfuron)(例えば、プリミスルフロン−メチル)、プロシアジン(procyazine)、プロジアミン(prodiamine)、プロフルアゾール(profluazol)、プロフルラリン(profluralin)、プロホキシジム(profoxydim)、プログリナジン(proglinazine)、プロヘキサジオン−カルシウム(prohexadione-calcium)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパクロール(propachlor)、プロパニル(propanil)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロパジン(propazine)、プロファム(propham)、プロピソクロール(propisochlor)、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、プロピザミド(propyzamide)、プロスルファリン(prosulfalin)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(prosulfuron)、プロキサン(proxan)、プリナクロール(prynachlor)、ピダノン(pydanon)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェン(pyraflufen)(例えば、ピラフルフェン−エチル)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾスルフロン−エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリクロール(pyriclor)、ピリダホール(pyridafol)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバック(pyriminobac)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック−ナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロクススラム(pyroxsulam)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、キノクラミン(quinoclamine)、キノナミド(quinonamid)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップ−P−エチル、ロデタニル(rhodethanil)、リムスルフロン(rimsulfuron)、サフルフェナシル(saflufenacil)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、セブチラジン(sebuthylazine)、セクブメトン(secbumeton)、セトキシジム(sethoxydim)、シズロン(siduron)、シマジン(simazine)、シメトン(simeton)、シメトリン(simetryn)、SMA、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン(sulcotrione)、スルファレート(sulfallate)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホサート(sulfosate)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、硫酸、スルグリカピン(sulglycapin)、スウェプ(swep)、TCA、テブタム(tebutam)、テブチウロン(tebuthiuron)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テムボトリオン(tembotrione)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、テルバシル(terbacil)、テルブカルブ(terbucarb)、テルブクロール(terbuchlor)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、テトラフルロン(tetrafluron)、テニルクロール(thenylchlor)、チアザフルロン(thiazafluron)、チアゾピル(thiazopyr)、チジアジミン(thidiazimin)、チジアズロン(thidiazuron)、チエンカルバゾン−メチル(thiencarbazone-methyl)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ(thiobencarb)、チアフェナシル(tiafenacil)、チオカルバジル(tiocarbazil)、チオクロリム(tioclorim)、トルピラレート(tolpyralate)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアファモン(triafamone)、トリ−アレート(tri-allate)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリアジフラム(triaziflam)、トリベヌロン(tribenuron)(例えば、トリベヌロン−メチル)、トリカムバ(tricamba)、トリクロピル(triclopyr)(例えば、トリクロピルコリン塩)、トリクロピルエステルおよび塩、トリジファン(tridiphane)、トリエタジン(trietazine)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルジモキサジン(trifludimoxazine)、トリフルラリン(trifluralin)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリホップ(trifop)、トリホプシム(trifopsime)、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン(trimeturon)、トリプロピンダン(tripropindan)、トリタック(tritac)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、ベルノレート(vernolate)、キシラクロール(xylachlor)、4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジルおよびその塩、コリン塩、エステル、場合により活性異性体ならびに混合物。
【0044】
例示的なさらなる殺有害生物剤としては、それらに限定されないが、カルボン酸含有殺有害生物剤に関しては、それらの農業的に許容される塩もしくはエステルを含めて、ジクアトジブロミド、銅塩、エンドタール(endothal)、フルミオキサジン(flumioxazin)、カルフェントラゾン(carfentrazone)−エチル、フルリドン(fluridone)、トプラメゾン(topramezone),2,4−D、2,4−Dコリン塩、トリクロピル(triclopyr)、トリクロピルコリン塩、ペノキススラム(penoxsulam)、イマザモックス(imazamox)、およびビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)があげられる。
【0045】
C.毒性緩和剤
一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、AD−67(MON4660)、ベノキサコル(benoxacor)、ベンチオカルブ(benthiocarb)、ブラッシノリド(brassinolide)、クロキントセット(cloquintocet)(メキシル)、シオメトリニル(cyometrinil)、ダイムロン(daimuron)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonon)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジスルホトン(disulfoton)、フェンクロラゾール−エチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、ハーピン(harpin)タンパク質、イソキサジフェン−エチル(isoxadifen-ethyl)、ジエカオワン(jiecaowan)、ジエカオキシ(jiecaoxi)、メフェンピル−ジエチル(mefenpyr-diethyl)、メフェナート(mephenate)、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル(oxabetrinil)、R29148およびN−フェニルスルホニル安息香酸アミド(phenyl-sulfonylbenzoic acid amide)などの、1種または複数の除草剤毒性緩和剤と組み合わせて用いて、それらの選択性を増強する。
【0046】
D.補助剤/担体
一部の実施形態では、本明細書で提供される組成物は、少なくとも1つまたは複数の農業的に許容される補助剤または担体をさらに含む。適切な補助剤または担体は、特に選択的に水生雑草を防除するために組成物を施用する際に用いられる濃度で、価値のある植物種に対して植物毒性であってはならず、かつ除草剤成分または他の組成物成分と化学的に反応してはならない。かかる混合物は、雑草へもしくは雑草の場所へ直接施用するように設計することができるか、または施用前にさらなる担体および補助剤で通常には希釈される濃縮物もしくは製剤とすることもできる。混合物は、例えば粉剤、顆粒剤、顆粒水和剤、もしくは水和剤などの固体、または例えば乳剤、液剤、エマルジョン製剤もしくは懸濁剤などの液体とすることができる。混合物は、プレミックスとして供することも、またはタンク混合することもできる。
【0047】
適切な農業用補助剤および担体としては、それらに限定されないが、作物油濃縮物;ノニルフェノールエトキシレート(nonylphenol ethoxylate);ベンジルココアルキルジメチル(benzylcocoalkyldimethyl)第四級アンモニウム塩;石油炭化水素とアルキルエステルと有機酸と陰イオン界面活性剤とのブレンド;C〜C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート(phosphated alcohol ethoxylate);天然第一アルコール(C12〜C16)エトキシレート(ethoxylate);ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロック共重合体;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート(nonylphenol ethoxylate)+尿素硝酸アンモニウム(urea ammonium nitrate);乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(ethoxylate)(8EO);牛脂アミンエトキシレート(tallow amine ethoxylate)(15EO);PEG(400)ジオレエート(dioleate)−99;パラフィン系油;アルコキシル化アルコール非イオン系界面活性剤;鉱油、界面活性剤のブレンドがあげられる。
【0048】
用いることができる液体担体としては、水および有機溶媒があげられる。有機溶媒として、石油留分または炭化水素、例えば鉱油、芳香族溶媒、パラフィン系油等;植物油、例えばダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等;上記植物油のエステル;モノアルコールまたは二価、三価もしくは他の低級多価アルコール(4〜6個のヒドロキシを含有)のエステル、例えばステアリン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジ−オクチル、アジピン酸ジ−ブチル、フタル酸ジ−オクチル等;モノ、ジおよびポリカルボン酸のエステル等があげられるが、それらに限定されない。具体的な有機溶媒としては、それらに限定されないが、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料等があげられる。ある特定の実施形態では、水が、濃縮物の希釈用の担体である。
【0049】
適切な固体担体としては、それらに限定されないが、タルク、パイロフィライトクレー、シリカ、アタパルガスクレー(attapulgus clay)、カオリンクレー、多孔質珪藻土、白亜、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレー、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石粉、木粉、クルミ殻粉、リグニン、セルロース等があげられる。
【0050】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つまたは複数の表面活性剤をさらに含む。一部の実施形態では、かかる表面活性剤は、固体組成物と液体組成物との両方において用いられ、ある特定の実施形態では、施用前に担体で希釈されるように設計されたものが用いられる。表面活性剤は、性質が陰イオン性、陽イオン性、または非イオン性であってよく、乳化剤、湿潤剤、沈殿防止剤として、または他の目的で用いることができる。本発明の製剤に使用することもできる界面活性剤は、とりわけ、McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual, MC Publishing Corporation: Ridgewood, NJ, 1998およびEncyclopedia of Surfactants, Vol. I-III, Chemical Publishing Company: New York, 1980-81に記載されている。表面活性剤としては、それらに限定されないが、以下があげられる:ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム(diethanolammonium lauryl sulfate)などのアルキル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(calcium dodecylbenzenesulfonate)などのアルキルアリールスルホン酸塩;ノニルフェノール−C18エトキシレート(nonylphenol-C18 ethoxylate)などのアルキルフェノール−アルキレンオキシド付加生成物;トリデシルアルコール−C16エトキシレート(tridecyl alcohol-C16 ethoxylate)などのアルコール−アルキレンオキシド付加生成物;ステアリン酸ナトリウムなどの石鹸;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(sodium dibutyl-naphthalenesulfonate)などのアルキルナフタレン−スルホン酸塩;ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(sodium di(2-ethylhexyl)sulfosuccinate)などのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル;ソルビトールオレエート(sorbitol oleate)などのソルビトールエステル;ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(lauryl trimethylammonium chloride)などの第四級アミン;ポリエチレングリコールステアレート(polyethylene glycol stearate)などの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体;モノおよびジアルキルホスフェートエステルの塩;植物油または種子油、例えば、ダイズ油、ナタネ/キャノーラ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等;ならびに上記植物油のエステル、およびある特定の実施形態では、メチルエステル。
【0051】
一部の実施形態では、植物油または種子油およびそれらのエステルなどのこれらの材料は、農業用補助剤として、液体担体として、または界面活性剤として交換可能に使用することができる。
【0052】
本明細書で提供される組成物において使用される他の例示的添加剤としては、それらに限定されないが、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、色素、着臭剤、展着剤、浸透助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤等があげられる。組成物はまた、他の適合性成分、例えば他の除草剤、植物成長調節剤、殺真菌剤、殺虫剤等を含有してもよく、かつ液体肥料または硝酸アンモニウム、尿素等などの固体の粒状肥料担体とともに配合することができる。
【0053】
III.使用の方法
除草剤として有効な量の式Iの化合物
【0054】
【化17】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは、
a)
【0055】
【化18】
(式中、
はハロゲンを表し、
はF、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−CN、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し、
は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンもしくは−CNを表し、またはXおよびYが一緒となる場合には、−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);
b)
【0056】
【化19】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す);および
c)
【0057】
【化20】
(式中
はハロゲン、−CN、または−CFを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)
からなる群から選択される多置換アリール基を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む組成物を水体において供することを含む、水体において水生雑草を防除する方法。
【0058】
式Iの好ましい化合物は、
【0059】
【化21】
[式中、
はHまたはFを表し;
はハロゲンを表し、ただしQはHである場合には、QはClまたはBrであるものとし、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CトリアルキルシリルもしくはC〜Cジアルキルホスホニルを表し、またはRおよびRはNと一緒になって5員飽和環もしくは6員飽和環を表し;
Arは多置換アリール基
【0060】
【化22】
(式中、
はFまたはClを表し;
はF、Cl、−CN、−NO、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ、−NR、またはフッ素化アセチルもしくはフッ素化プロピオニルを表し;
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルもしくは−CNを表し、または、WがFを表す場合には、XおよびYが一緒になって−O(CHO−を表し、ここでn=1または2であり;
およびRは独立してHまたはC〜Cアルキルを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含む。
【0061】
式Iの特に好ましい化合物は、
【0062】
【化23】
[式中、
はHまたはFを表し;
はClを表し;
およびRはHを表し;
Arは多置換アリール基
【0063】
【化24】
(式中
はFを表し;
はC〜Cアルコキシを表し;
はClを表す)を表す]
およびカルボン酸基の農業的に許容される誘導体を含み、これらが本明細書に記載されている。一部の実施形態では、Xはメトキシである。ある特定の実施形態では、方法は本明細書に記載の組成物を用いる。
【0064】
別の実施形態では、本発明の方法および組成物は、多くの有害な浮水性、水面上、および水面下水生植物、ならびに水近傍のイネ科草本を完全にまたは部分的に防除する際に使用することができる。例えば、浮水性植物としては、それらに限定されないが、コウキクサ(common duckweed(Lemna minor))、キクモ(limnophila(Limnophila sessiliflora))、アメリカンフロッグビット(frog's bit(Limnobium spongia))、モスキートファーン(mosquito fern(Azolla caroliniana))、エスコバリア・ミニマおよびオオサンショウモ(water fern(Salvinia minima および S. molesta))、サンショウモ属(salvinia(Salvinia spp.))、ホテイアオイ(water hyacinth(Eichhornia crassipes))、ボタンウキクサ(water lettuce(Pistia stratiotes))およびウォルフィア・コロンビアナ(common watermeal(Woffia columbiana))があげられ;水面上植物としては、それらに限定されないが、ヌファル・ルテウム(spatterdock(Nuphar luteum))、スイレン属(water-lily(Nymphaea spp.))、ナガエツルノゲイトウ(alligatorweed(Alternanthera philoxeroides))、キバナハス(American lotus(Nelumbo lutea))、ガマ属(cattail(Typha spp.))、コバノミズキンバイ(creeping waterprimrose(Ludwigia peploides))、オオフサモ(parrotfeather(Myriophyllum aquaticum))、タデ属(smartweed(Polygonum spp.))、ハリイ属(spikerush(Eleocharis spp.))、セイヨウミズユキノシタ(waterpurslane(Ludwigia palustris))、ヒュドロコティレ・ウンベラータ(water pennywort(Hydrocotyle umbellate))、アサザ属(floating heart(Nymphoides spp.))、フトイ属(bulrush(Schoenoplectus spp.))、ラテンミズアオイ属(lanceleaf pickerelweed(Pontederia spp.))、オモダカ属(arrowhead(Sagittaria spp.))およびジュンサイ(watershield(Brasenia schreberi))があげられ;水面下植物としては、それらに限定されないが、タヌキモ属(bladderwart(Utricularia spp.))、ミクランテマム属(baby's tears(Micranthemum spp.))、マツモ(common coontail(Ceratophyllum demersum))、カナダモ(common elodea(Elodea canadensis))、オオカナダモ(Brazilian elodea(Egeria densa))、ハゴロモモ(fanwort(Cabomba caroliniana))、クロモ(hydrilla(Hydrilla verticillata))、イバラモ属(naiad(Najas spp.))、ヒルムシロ属(pondweed(Potamogeton spp.))、より具体的にはエビモ(curlyleaf pondweed(Potamogeton crispus))およびP.イリノエンシス(Illinois pondweed(P. illinoensis))、イトクズモ(horned pondweed(Zannichellia palustris))、ウキアゼナ属(bacopa(Bacopa spp.))、ホザキノフサモ(Eurasian watermilfoil(M. spicatum))を含めてフサモ属(watermilfoil(Myriophyllum spp.))、アメリカセキショウモ(tapegrass またはAmerican eelgrass(Vallisneria americana))、およびミリオフィルム・ヘテロフィルム(variable leaf watermilfoil(Myriophyllum heterophyllum))があげられ;ならびに水近傍のイネ科草本としては、それらに限定されないが、イヌビエ(barnyardgrass(Echinochloa crus-galli))、およびヒドロクロア・カロリニエンシス(southern watergrass(Hydrochloa caroliniensis))があげられる。本発明により防除に特に好ましい植物種としては、クロモ、ホザキノフサモおよびエビモがあげられる。
【0065】
本発明による方法で処理すべき水体は、一般には淡水体、例えば、池、湖、湿地、貯水池、河川、小川、排水溝または灌漑用水路であるが、本発明によって他の水体も処理することができる。ある特定の実施形態では、水体には水田または田地は含まれない。
【0066】
一部の実施形態では、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル(ハロキシフェン−メチル)および4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジルを使用して、除草剤抵抗性または耐性雑草を防除することができる。他の実施形態では、4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチル(ハロキシフェン−メチル)または4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジルと本明細書に記載の組成物との組合せを用いる方法を用いて、除草剤抵抗性または耐性雑草を防除することもできる。例示的抵抗性または耐性雑草としては、それらに限定されないが、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤またはアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)阻害剤(例えば、イミダゾリノン、スルホニル尿素、ピリミジニルチオベンゾエート、ジメトキシ−ピリミジン、トリアゾロピリミジンスルホンアミド、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン)、光学系II阻害剤(例えば、フェニルカルバメート、ピリダジノン、トリアジン、トリアジノン、ウラシル、アミド、尿素、ベンゾチアジアジノン、ニトリル、フェニルピリダジン)、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害剤(例えば、アリールオキシフェノキシプロピオネート、シクロヘキサンジオン、フェニルピラゾリン)、合成オーキシン(例えば、安息香酸、フェノキシカルボン酸、ピリジンカルボン酸、キノリンカルボン酸)、オーキシン輸送阻害物質(例えば、フタラメート、セミカルバゾン)、光学系I阻害剤(例えば、ビピリジリウム(bipyridylium))、5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェート(EPSP)シンターゼ阻害剤(例えば、グリホサート)、グルタミンシンテターゼ阻害剤(例えば、グルフォシネート、ビアラホス(bialafos))、微小管構築阻害剤(例えば、ベンズアミド、安息香酸、ジニトロアニリン、ホスホルアミダート、ピリジン)、有糸分裂阻害剤(例えば、カルバメート)、極長鎖脂肪酸(VLCFA)阻害剤(例えば、アセトアミド、クロロアセトアミド、オキシアセトアミド、テトラゾリノン)、脂肪酸および脂質合成阻害剤(例えば、ホスホロジチオエート、チオカルバメート、ベンゾフラン、クロロ炭酸)、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤(例えば、ジフェニルエーテル、N−フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、フェニルピラゾール、ピリミジンジオン、チアジアゾール、トリアゾリノン)、カロテノイド生合成阻害剤(例えば、クロマゾン(clomazone)、アミトロール(amitrole)、アクロニフェン(aclonifen)、フルリドン(fluridone))、フィトエン不飽和化酵素(PDS)阻害剤(例えば、アミド、アニリデクス(anilidex)、フラノン、フェノキシブタン−アミド、ピリダイアジノン(pyridiazinone)、ピリジン)、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤(例えば、カリステモン(callistemone)、イソキサゾール、ピラゾール、トリケトン)、セルロース生合成阻害剤(例えば、ニトリル、ベンズアミド、キンクロラック(quinclorac)、トリアゾールカルボキサミド(triazolocarboxzmide))、キンクロラック(quinclorac)などの多重作用機序を有する除草剤、ならびに未分類除草剤、例えば、アリールアミノプロピオン酸、ジフェンゾクアット(difenzoquat)、エンドタール(endothall)および有機ヒ素化合物(organoarsenical)に対して抵抗性または耐性の生物型があげられる。例示的抵抗性または耐性雑草としては、それらに限定されないが、単一または複数の除草剤に対して抵抗性または耐性を有する生物型、単一または複数の化学物質クラスに対して抵抗性または耐性を有する生物型、単一または複数の除草剤作用機序に対して抵抗性または耐性を有する生物型、および単一または複数の抵抗性または耐性機構を有する生物型(例えば、標的部位抵抗性または代謝抵抗性)があげられる。
【0067】
利用される式Iの化合物は、防除を達成するように、水体中で除草剤として有効レベルで標的植物との接触を維持しなければならない。したがって、本発明の好ましい方法によれば、約1〜4週間の処理中、好ましい実施形態では少なくとも約4週間、一般には約4〜16週間またはそれ以上の範囲で、除草性薬剤を処理領域または水体に維持することになる。必要な場合には、例えば、同一薬剤を使用して、順次処理またはバンプ処理の使用によって、または連続的注入によって、効能を確実とするために、除草性薬剤の濃度を標的植物とともに維持することもある。記載された実施形態および以下の実施例は、例示が目的であって、本請求項の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載の組成物に関する他の改変、使用、または組合せは、本発明の請求された主題の精神と範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかとなるであろう。
[実施例]
【実施例1】
【0068】
クロモの防除
クロモ(HYLLI)の頂端部(長さ12〜15センチメーター(cm))を、緩効性オスモコート(Osmocote(登録商標))肥料14−14−14(土壌1kg当たりオスモコート約2.5グラム(g))による改良表土を含む小ポット(長さ13.5cmx径3.75cm)に植付けた。植付けをした底質部より上へ概5〜7cmの頂端部を伸長させて、培養土上面をサンドキャップで覆った(深さ約2cm)。次いで、植物体を井戸水で満たした12リッター(L)のアクリル水槽に移した。水槽は、26℃(±2℃)、14:10時間(h)光周期でグロースチャンバに保持した。植物体を17日(d)間成長させた後、3重複で処理を開始した。植物体は、十億分の0、10、100、1000(ppb)の化合物I(ハロキシフェン−メチル)で、それぞれ3重複で処理した。処理は1回のみ行った。植物体は、最初の処理から33日後に採集した。採集時に、植物体は、藻類を含まないように洗浄し、2d間、70℃の温度で乾燥機に置いた紙袋の中に入れた。平均乾燥重量を決定し、最小有意差を使用して平均値を分別した(表1)。
【0069】
【表1】
【0070】
クロモ(HYLLI)の頂端部を、小ポット(長さ13.5cmx径3.75cm)中のオスモコート(Osmocote(登録商標))肥料による改良培養土に植付けた。培養土の上層を砂層2.54cmで覆った。クロモを含むポットを井戸水で満たした14リッター(L)のアクリルシリンダーに移し、処理する前に軽度の成長を確立させた。次いでシリンダーを化合物1(ハロキシフェン−メチル96グラム酸等価体/リッター(gae/L)懸濁液濃縮物(SC))または化合物2(4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸ベンジル(125グラム活性成分/リッター(gai/L)SC))で、十億分の50、100および200(ppb)で処理した。処理は全て、4回重複であった。25dの曝露の後、植物体を採集し、秤量し、未処理防除処理と比較した(表2)。
【0071】
【表2】
【実施例2】
【0072】
ホザキノフサモおよびエビモの防除
ホザキノフサモ(MYPSP)およびエビモ(PTMCR)の頂端部(長さ12〜15cm)を、緩効性オスモコート(Osmocote(登録商標))肥料14−14−14(土壌1kg当たりオスモコート約2.5g)による改良表土を含む小ポット(長さ13.5cmx径3.75cm)に植付けた。植付けをした底質部より上へ概5〜7cmの頂端部を伸長させて、培養土上面をサンドキャップで覆った(深さ約2cm)。次いで、植物体を井戸水で満たした12リッター(L)のアクリル水槽に移した。植物体を7d間成長させた後、3重複で処理を開始した。植物体は、50、100、500、1000ppbで化合物I(ハロキシフェン−メチル96gae/L SC)で処理した。植物体は、40dに採集した。採集時に、植物体は、藻類を含まないように洗浄し、根および芽を分離して、4日間、70℃の温度で乾燥機に置いた紙袋の中に入れた。乾燥重量を測定し、未処理防除処理と比較した(表3)。
【0073】
【表3】
【0074】
添付の請求項にある組成物および方法は、本明細書に記載の具体的な組成物および方法によって範囲において制限されるものではなく、これらは、本請求項の一部の態様の例示を意図したものであり、ならびに機能的に等価である任意の組成物および方法は、本請求項の範囲に包合されることを意図するものである。本明細書で示されかつ記載されているものに加えて、本組成物および方法の様々な改変は、添付の請求項の範囲に包合されることを意図するものである。さらに、本明細書に開示の、ある特定の代表的な組成物および方法のステップのみが具体的に記載されているが、具体的に記述されていなくても、本組成物および方法のステップの他の組合せも添付の請求項の範囲に包含されることを意図するものである。したがって、ステップ、要素、成分、または構成成分のある組合せについて、本明細書に明記するが、明示的に述べられていなくとも、ステップ、要素、成分、または構成成分の他の組合せが含まれる。本明細書で使用するとき、用語「含んでいる(comprising)」およびその変形は、用語「含んでいる(including)」およびその変形と同意に使用され、かつオープンで、非限定的用語である。用語「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」を本明細書で使用して様々な実施形態について記載したが、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」の代わりに使用して、本発明のより具体的な実施形態を提供することができ、かつ開示もされる。実施例以外で、または特に指定のない限り、本明細書および請求項において使用されている成分の量、反応条件などを表現する数字全ては、少なくとも、本請求項の範囲への均等論の適用を制限する意図ではないことが理解されるべきであり、かつ数字全ては有効数字の数字および通常の四捨五入のアプローチに照らして解釈すべきものである。