(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった配置や向き等は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。装置、器具、部品等の構成について、その材質、形状、大きさ等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の正面図である。
図2は、照明装置10の背面図である。
図3は、照明装置10の右側面図である。
図4は、照明装置10の左側面図である。
図5は、照明装置10の上面図である。
図6は、照明装置10の下面図である。
図7は、照明装置10の分解図であり、灯具30を照明器具20に取り付ける様子を示す図である。
【0012】
図1〜7に示すように、照明装置10は、照明器具20と、灯具30とを備える。灯具30は、プッシュ操作によりロックされる取り付け機構を用いて照明器具20に取り付けられる。灯具30がプッシュ操作の方向(上下方向)と同じ方向に押されることで取り付け機構がロックされて照明器具20への灯具30の取り付けが完了する。本実施の形態において、取り付け機構はラッチ機構11である。即ち、灯具30は、プッシュ操作によりロックされるラッチ機構11を用いて照明器具20に取り付けられる。灯具30がプッシュ操作の方向(上下方向)と同じ方向に押されることでラッチ機構11がロックされて照明器具20への灯具30の取り付けが完了する。
【0013】
本実施の形態において、灯具30は、照明器具20に着脱自在に取り付けられる。即ち、灯具30は、取り付け機構のロックが解除されることで照明器具20から取り外される。前述したように、本実施の形態において、取り付け機構はラッチ機構11である。即ち、灯具30は、ラッチ機構11のロックが解除されることで照明器具20から取り外される。
【0014】
取り付け機構は、ロックされた状態でプッシュ操作されることによりロックが解除される。本実施の形態において、ラッチ機構11は、プッシュロック・プッシュオープン方式(オルタネイト方式)のラッチ(プッシュプッシュラッチ、或いは、単にプッシュラッチともいい、プッシュキャッチということもある)である。
【0015】
なお、取り付け機構として、ロックされた状態でプル操作されることによりロックが解除されるものを用いてもよい。本実施の形態において、ラッチ機構11は、プッシュロック・プルオープン方式のラッチ(プッシュプルラッチ)であってもよい。
【0016】
照明器具20は、器具本体21と、器具本体21に取り付けられる器具係合部22とを備える。
【0017】
灯具30は、灯具本体31と、灯具本体31に取り付けられる灯具係合部32とを備える。
【0018】
ラッチ機構11は、照明器具20の器具係合部22と、灯具30の灯具係合部32とからなる。
【0019】
本実施の形態では、灯具30を、ラッチ機構11をロックするためのプッシュ操作の方向(上下方向)と同じ方向に押すことで、ラッチ機構11がロックされて照明器具20への灯具30の取り付けが完了する。従来の構成であれば、灯具本体31の下面に指を押し当てながら灯具30を回転させるといった操作が必要であるが、本実施の形態によれば、灯具本体31の下面を指で押し上げる操作によってラッチ機構11をロックし、照明器具20への灯具30の取り付けを完了させることができる。よって、灯具30を照明器具20に取り付ける操作が容易になる。
【0020】
照明器具20の器具係合部22は、受け部(例えば、挿入口)が形成されたラッチ本体に相当する。灯具30の灯具係合部32は、押し込み部(例えば、凸形状の先端)が形成されたキーパ(ストライカともいう)に相当する。ラッチ機構11は、プッシュ操作によりキーパの押し込み部がラッチ本体の受け部に挿入されてラッチ本体の内部のロック作動点まで押し込まれると、キーパがラッチ本体に引っ掛かってロックされた状態になる。また、ラッチ機構11は、キーパがラッチ本体に引っ掛かった状態(即ち、ロックされた状態)で再度のプッシュ操作によりキーパの押し込み部がラッチ本体の内部のロック解除点まで押し込まれると、ロックが解除されてキーパの押し込み部がラッチ本体の受け部から解放される。
【0021】
なお、照明器具20の器具係合部22をキーパ、灯具30の灯具係合部32をラッチ本体として構成してもよい。
【0022】
図8は、照明器具20の斜視図である。
図9は、照明器具20の正面図である。
図10は、照明器具20の背面図である。
図11は、照明器具20の右側面図である。
図12は、照明器具20の左側面図である。
図13は、照明器具20の上面図である。
図14は、照明器具20の下面図である。
【0023】
また、
図15は、灯具30の正面図である。
図16は、灯具30の背面図である。
図17は、灯具30の右側面図である。
図18は、灯具30の左側面図である。
図19は、灯具30の上面図である。
図20は、灯具30の下面図である。
【0024】
図8〜14に示すように、照明器具20の器具本体21は、円形状のベースプレート部41と、ベースプレート部41から延出する1対のアーム部42と、アーム部42に取り付けられる枠部43とを備える。器具本体21は、器具取り付けばね(図示していない)等によって天井等の器具設置部に取り付けられる。
【0025】
ベースプレート部41には、前述した器具係合部22のほか、器具接続部23と、端子台44とが取り付けられる。端子台44は、外部からの電源配線45によって商用電源等の外部電源(図示していない)と電気接続されるとともに、接続配線46によって器具接続部23と電気接続される。
【0026】
ベースプレート部41には、灯具30を照明器具20に着脱自在に装着するための器具係合部22として、第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52が取り付けられている。第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52は、それぞれ前述したラッチ本体に相当する。詳細は後述するが、灯具30の灯具本体31には、灯具係合部32として、前述したキーパが2個取り付けられている。第1ラッチ部51は一方のキーパに、第2ラッチ部52は他方のキーパに、それぞれ対応させた位置に、それぞれ係合可能な向きで、ベースプレート部41に取り付けられている。
【0027】
第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52は、鍵型形状をなす可動突出片を有する。キーパが第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52に挿入されると、キーパの側面部が可動突出片に挟み込まれるとともに、キーパの先端部が可動突出片に係り合うことで、キーパが第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52と係合する。この係合機構は、オルタネイト動作(位置保持型)機構である。
【0028】
なお、器具本体21に設けられるラッチ体の数は2個に限られるものではなく、任意の数であってよい。ラッチ体の数は、例えば、照明装置10の寸法、灯具30の質量等に応じて適宜決定される。
【0029】
ラッチ体は、可動部を除く部分がベースプレート部41と一体成形されてもよい。ラッチ体の材質は、例えば、樹脂又は金属である。
【0030】
ベースプレート部41には、照明器具20と灯具30との電気接続を行うための器具接続部23として、ソケットが取り付けられている。詳細は後述するが、灯具30の灯具本体31には、灯具接続部33として、プラグが取り付けられている。器具接続部23は、灯具接続部33に対応させた位置に、接続可能な向きで、ベースプレート部41に取り付けられている。第1ラッチ部51及びそれに対応するキーパが係合状態であって、且つ、第2ラッチ部52及びそれに対応するキーパが係合状態であるときに、器具接続部23は灯具接続部33と電気接続される。このような構成を採用することで、例えば、灯具30が照明器具20に傾いたまま取り付けられた状態で、器具接続部23から灯具接続部33に不完全な電力供給が行われないようにして、安全性を確保することができる。なお、器具接続部23であるソケットと灯具接続部33であるプラグとの接続をスムーズに行うために、ソケットの先端部又はソケットの周辺部がテーパ状になっていてもよい。
【0031】
本実施の形態において、器具接続部23と灯具接続部33との接続は、電気的接続に加え、機械的接続も担う接続であるが、器具係合部22と灯具係合部32との接続が、主の機械的接続を担っている。この構成を、器具接続部23と灯具接続部33との接続が主の機械的接続を担うように変更してもよい。即ち、ラッチ機構11と同様の機構を、器具接続部23と灯具接続部33とで構成してもよい。例えば、器具接続部23にソケットとラッチ本体とを兼ねる構造を採用し、灯具接続部33にプラグとキーパとを兼ねる構造を採用することができる。或いは、器具接続部23にソケットとキーパとを兼ねる構造を採用し、灯具接続部33にプラグとラッチ本体とを兼ねる構造を採用することができる。このように、器具係合部22の機能と器具接続部23の機能とを統合した複合部品を用いた照明器具20に、灯具係合部32の機能と灯具接続部33の機能とを統合した複合部品を用いた灯具30を着脱自在に装着できるようにすることで、より自由度の高い設計が可能となる。
【0032】
器具接続部23は、照明器具20に灯具30が装着されていない状態で指が接触しても感電しないように、活電部である端子には接触できない構造であることが安全上好ましい。例えば、指が入らない程度の細さの凹部が形成された絶縁部材をベースプレート部41に設置し、その凹部の内側(底)に端子を設けることが望ましい。一方、灯具30の灯具接続部33は、単体では活電部とならないため、端子に接触できる構造でも安全上問題にはならない。
【0033】
なお、照明器具20の器具接続部23をプラグ、灯具30の灯具接続部33をソケットとして構成してもよい。
【0034】
枠部43は、第1開口部53及び第2開口部54が形成されたドーム形状のリフレクタ部55と、第1開口部53の周縁部から外方に突出する器具鍔部56とを備える。リフレクタ部55の中央部に形成された第2開口部54は、灯具30が挿入される円形状の開口部に相当する。
【0035】
なお、照明器具20の器具本体21は、灯具30を装着可能な構成であれば、任意の形状の枠部43を備えていてよい。或いは、枠部43自体を備えていなくてもよい。
【0036】
図15〜20に示すように、灯具30の灯具本体31は、光源部34を収容する円筒状の筐体61と、光源部34の光の出射側を覆うように筐体61に取り付けられる透光性のカバー部62と、カバー部62の枠に一体形成された灯具鍔部63とを備える。
【0037】
図示していないが、光源部34は、固体発光素子と、固体発光素子が実装された基板とを備える。光源部34として、交換可能なモジュールが用いられてもよい。
【0038】
固体発光素子としては、例えば、複数のLEDが用いられる。なお、有機EL、レーザダイオード等、他の種類の固体発光素子が用いられてもよい。
【0039】
カバー部62は、透光性を有する材料で形成された部分と、その部分を支持する枠とからなる。透光性を有する材料としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂材料、又は、ガラスを用いることができる。カバー部62には、照明装置10又は灯具30の用途や仕様に応じて、光拡散、光波長変換等の機能が付加されてもよい。また、カバー部62には、光学的な要求性能に対応して、表面を凹凸形状にする等の加工が施されてもよい。
【0040】
従来の構成であれば、カバー部62の表面に滑り止め用の加工を施す必要があるため、カバー部62の表面が変形することによって光学性能に影響が出たり、意匠性が損なわれたりするおそれがある。しかし、本実施の形態では、カバー部62を指で押し上げることができればよいため、そのような加工を省略することができる。
【0041】
筐体61は、金属、樹脂、セラミック等の材料を用いて形成される。筐体61は、複数の材料を組み合わせて形成されてもよい(例えば、複数の材料を混合して使用してもよいし、異なる材料で形成された別々の部品を組み合わせてもよい)。筐体61に熱伝導性に優れた材料を用いたり、筐体61を放熱性に優れた形状に成形したりすることもできる。筐体61の内部には、光源部34に発光用の電力を供給するための電源部(図示していない)が収容される。筐体61は、灯具30を照明器具20に取り付けたときに照明器具20との間に極力隙間ができない寸法とすることが好ましい。筐体61の光の出射側には、光学的な要求性能に対応して、表面を凹凸形状にする等の変形を加えてもよい。
【0042】
従来の構成であれば、筐体61の光の出射側に、指で掴むための窪みや突起等を設ける必要があるため、周端縁部を含む表面が変形することによって光学性能に影響が出たり、意匠性が損なわれたりするおそれがある。しかし、本実施の形態では、カバー部62を指で押し上げることができればよいため、そのような窪みや突起等を設ける必要がなくなる。
【0043】
筐体61の全体又は一部(例えば、ヒートシンク部)が金属製である場合は、電源部と筐体61(の金属部分)との間に絶縁部材(図示していない)を配置する。このとき、電気絶縁性を有する限りにおいて、絶縁部材の態様は限定されない。例えば、電源部の動作熱を効率よく灯具30の外部に伝達するために、絶縁部材の少なくとも一部を熱伝導性材料としてもよい。
【0044】
ここで、ラッチ機構11がストローク(ロックストローク及びロック解除ストローク)を有する場合、ストロークの寸法を調整することによって、灯具30が照明器具20に取り付けられたときの、灯具30の筐体61と照明器具20のベースプレート部41との間隔を調整することができる。例えば、この間隔を大きくすることによって、より効率的に灯具30の熱を外部に放散させることができる。
【0045】
なお、筐体61の内部に電源部を収容する代わりに、外部電源(例えば、直流電源)から光源部34に発光用の電力が直接供給されるような構成を採用してもよい。
【0046】
筐体61の上面部には、灯具30を照明器具20に着脱自在に装着するための灯具係合部32として、第1キーパ部71及び第2キーパ部72が取り付けられている。第1キーパ部71及び第2キーパ部72は、それぞれ前述したキーパに相当する。前述した通り、照明器具20のベースプレート部41には、器具係合部22として、第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52が取り付けられている。第1キーパ部71は第1ラッチ部51に、第2キーパ部72は第2ラッチ部52に、それぞれ対応させた位置に、それぞれ係合可能な向きで、筐体61に取り付けられている。
【0047】
第1キーパ部71及び第2キーパ部72は、T字形状をなす突出片を有する。第1キーパ部71及び第2キーパ部72がそれぞれ第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52に挿入されると、第1キーパ部71及び第2キーパ部72の側面部が第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52の可動突出片に挟み込まれるとともに、第1キーパ部71及び第2キーパ部72の先端部が第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52の可動突出片に係り合うことで、第1キーパ部71及び第2キーパ部72がそれぞれ第1ラッチ部51及び第2ラッチ部52と係合する。この係合機構は、前述したように、オルタネイト動作(位置保持型)機構である。
【0048】
なお、灯具本体31に設けられるキーパの数は2個に限られるものではなく、器具本体21に設けられるラッチ体の数に応じて適宜変更される。
【0049】
キーパは、筐体61と一体成形されてもよい。キーパの材質は、例えば、樹脂又は金属である。なお、キーパとラッチ体との両方が金属で形成される場合、キーパとラッチ体とが係合することにより、灯具30と照明器具20との間に放熱経路を形成することができる。放熱経路を形成する目的において、キーパとラッチ体との両方或いはいずれか一方が金属以外の熱伝導性材料を用いて形成されてもよい。
【0050】
筐体61の上面部には、照明器具20と灯具30との電気接続を行うための灯具接続部33として、プラグが取り付けられている。前述した通り、照明器具20のベースプレート部41には、器具接続部23として、ソケットが取り付けられている。灯具接続部33は、器具接続部23に対応させた位置に、接続可能な向きで、筐体61に取り付けられている。第1ラッチ部51と第1キーパ部71とが係合状態であって、且つ、第2ラッチ部52と第2キーパ部72とが係合状態であるときに、灯具接続部33は器具接続部23と電気接続される。灯具接続部33は、筐体61に収容された電源部と電気接続されているため、灯具接続部33と器具接続部23とが接続されると、電源部への給電が可能となる。なお、灯具接続部33であるプラグと器具接続部23であるソケットとの接続をスムーズに行うために、プラグの先端部又はプラグの周辺部がテーパ状になっていてもよい。
【0051】
灯具鍔部63は、灯具本体31の光の出射側の周縁部から外方に突出するように形成されている。灯具鍔部63の役割については、後述する。
【0052】
図21は、照明器具20の内側を示す部分斜視図である。
【0053】
図21において、照明器具20のそれぞれのアーム部42の内周面部81には、灯具30を照明器具20に対して着脱する過程において、照明器具20に対する灯具30の着脱経路を特定する器具ガイド部82(ガイド溝部)が1つずつ形成されている。器具ガイド部82は、照明器具20の枠部43が有するリフレクタ部55の略中央部に形成された円形状の第2開口部54の開口面に対して略垂直方向に形成された第1溝部91及び第3溝部93と、第1溝部91と第3溝部93とを繋ぎ、第2開口部54の開口面に対して略平行方向に形成された第2溝部92とで構成される。なお、器具ガイド部82は、第2開口部54側から、第3溝部93、第2溝部92、第1溝部91の順で連続して形成されている。第1溝部91と第2溝部92との接続部分には、落下防止部94が形成されている。
【0054】
図15〜19に示したように、灯具30の灯具本体31には、外周面から突出する2つの灯具ガイド部73(ガイド突部)が設けられている。本実施の形態において、それぞれの灯具ガイド部73は円筒形状である。それぞれの灯具ガイド部73は、照明器具20のアーム部42に形成された器具ガイド部82と嵌合して摺動可能な寸法で、灯具本体31の外周面に形成されている。
【0055】
灯具30を照明器具20に対して着脱する過程において、2つの灯具ガイド部73が2つの器具ガイド部82と嵌合しながら移動することによって、照明器具20に対する灯具30の着脱経路が特定される。具体的には、灯具30を照明器具20に取り付ける際には、それぞれの灯具ガイド部73が、対応する器具ガイド部82の第3溝部93、第2溝部92、第1溝部91の順で移動する。灯具30を照明器具20から取り外す際には、それぞれの灯具ガイド部73が、対応する器具ガイド部82の第1溝部91、第2溝部92、第3溝部93の順で移動する。
【0056】
灯具30の灯具鍔部63は、灯具30が照明器具20に取り付けられたときに、灯具本体31に形成される灯具ガイド部73と、照明器具20のアーム部42の内周面部81に形成される第3溝部93と、内周面部81及び灯具本体31の間の隙間とを覆い隠す。これにより、灯具30を照明器具20に取り付けた際に、照明器具20と灯具30との一体性が高まり、照明装置10の意匠性が向上する。特に、照明装置10が、(コスト抑制を目的として)灯具が着脱できない他の照明装置とともに設置される場合、照明装置10と他の照明装置との外観を共通化することが容易になる。また、照明装置10と他の照明装置とを1つの商品ラインアップとして扱う場合、商品群全体の統一感が向上する。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態では、灯具30が、円柱状の灯具本体31を備える。灯具本体31は、円形の一端面(上面)と円形の他端面(下面)と外周面とを有する。灯具本体31の円形の一端面には、キーパ(灯具係合部32)が設けられている。灯具本体31の円形の一端面には、ラッチ機構11がロックされた状態のときに照明器具20と電気接続するコネクタ(灯具接続部33)も設けられている。
【0058】
なお、キーパ(灯具係合部32)は、灯具本体31の外周面に設けられてもよい。その場合のキーパの構造は、ラッチ機構11をロックするためのプッシュ操作の方向が、キーパを灯具本体31の円形の一端面に設ける場合と同じ方向(上下方向)になるようなものとする。キーパを灯具本体31の外周面に設ける場合、キーパを灯具本体31の円形の一端面に設ける場合よりも灯具30に対する照明器具20の高さを低くすることができる。キーパと同様に、コネクタ(灯具接続部33)も、灯具本体31の外周面に設けられてよい。
【0059】
灯具30の形状は、円柱状に限られるものではなく、直方体状等、他の形状であってもよい。
【0060】
本実施の形態では、照明器具20が、灯具本体31を挿入するための円形の開口部(第2開口部54)が形成された器具本体21を備える。器具本体21の開口部の奥(具体的には、内側の上面)には、ラッチ本体(器具係合部22)が設けられている。また、器具本体21の開口部の奥には、ラッチ機構11がロックされた状態のときに灯具30と電気接続するコネクタ(器具接続部23)も設けられている。コネクタは、ラッチ機構11がロックされた状態のときだけ灯具30と電気接続できるようになっていることが安全上望ましい。
【0061】
なお、ラッチ本体(器具係合部22)は、器具本体21の内周面に設けられてもよい。その場合のラッチ本体の構造は、ラッチ機構11をロックするためのプッシュ操作の方向が、ラッチ本体を器具本体21の内側の上面に設ける場合と同じ方向(上下方向)になるようなものとする。ラッチ本体を器具本体21の内周面に設ける場合、ラッチ本体を器具本体21の内側の上面に設ける場合よりも灯具30に対する照明器具20の高さを低くすることができる。ラッチ本体と同様に、コネクタ(器具接続部23)も、器具本体21の内周面に設けられてよい。
【0062】
本実施の形態では、灯具30が、器具本体21の開口部(第2開口部54)から挿入されて照明器具20に取り付けられる。灯具本体31には、突起(灯具ガイド部73)が設けられている。器具本体21の内周面(内周面部81)には、灯具本体31の突起に対応する、灯具30の取り付けを案内するための溝(器具ガイド部82)が形成されている。なお、この構成とは逆に、器具本体21に突起が設けられ、灯具本体31の外周面に、器具本体21の突起に対応する、灯具30の取り付けを案内するための溝が形成されてもよい。その場合、溝が灯具本体31の円形の他端面(下面)に達しないようにすれば、灯具30を照明器具20に取り付けたときに溝が見えないため、灯具鍔部63は不要となる。
【0063】
本実施の形態では、上記の溝(器具ガイド部82)の途中に、灯具本体31の回転を案内するための領域(第2溝部92)が形成されている。なお、そのような領域が形成されていなくてもよい。例えば、溝が、ラッチ機構11をロックするためのプッシュ操作の方向と同じ方向(即ち、灯具30が押される方向)に沿って一直線状に形成されていてもよい。
【0064】
本実施の形態では、上記の溝(器具ガイド部82)の途中に、灯具30を半取り付け状態で保持するための領域(落下防止部94)が形成されている。なお、そのような領域を形成するために、溝の一部(第1溝部91と第2溝部92との接続部分)を窪ませてもよいし、或いは、溝の一部(第2溝部92全体)を傾斜させてもよい。また、そのような領域が形成されていなくてもよい。
【0065】
上記の溝(器具ガイド部82)は1つのみ形成されてもよいし、2つ以上形成されてもよいし、全く形成されていなくてもよい。溝に対応する突起(灯具ガイド部73)は、溝と同数設けられる。
【0066】
本実施の形態では、灯具30が照明器具20に取り付けられたときに、灯具本体31の円形の他端面(下面)の位置が器具本体21の開口部(第2開口部54)と同じ位置になる。なお、灯具30が照明器具20に取り付けられたときに、灯具本体31の円形の他端面の位置が器具本体21の開口部より奥になってもよい。いずれの場合でも、灯具本体31の下面を指で押し上げる操作には支障がないため、灯具30を照明器具20に容易に取り付けることができる。
【0067】
以下では、本実施の形態に係る照明器具20への灯具30の取り付け方法について説明する。
【0068】
まず、灯具30を枠部43が有するリフレクタ部55側から、リフレクタ部55の略中央部に形成された円形状の第2開口部54に挿入する。2つの灯具ガイド部73を2つの器具ガイド部82に挿入する(嵌合させる)。それぞれの灯具ガイド部73が第3溝部93に嵌合することによって、灯具30を、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略垂直方向に移動させることができる。つまり、灯具30は、挿入方向(上方)に第2開口部54内に押し込まれる。
【0069】
灯具ガイド部73が、第3溝部93内を移動して、第3溝部93と第2溝部92との接続部に達すると、灯具ガイド部73は、第2溝部92内を、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略平行方向に移動することができる。このとき、灯具30は照明器具20に対して回転方向に移動する。回転方向の移動量(回転角度)と回転の向きは、照明装置10又は照明器具20の用途や仕様に応じて適宜決定され、第2溝部92の長さや形状等によって調整される。
【0070】
灯具ガイド部73が、第2溝部92内を移動して、第2溝部92と第1溝部91との接続部に達すると、灯具ガイド部73は、第1溝部91内を、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略垂直方向に移動することができる。灯具30は、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略垂直方向にさらに移動する。つまり、灯具30は、挿入方向に第2開口部54内にさらに深く押し込まれる。
【0071】
灯具30を挿入する向きに完全に押し込むと、オルタネイト動作(位置保持型)機構である器具係合部22と灯具係合部32とが係合する。具体的には、第1ラッチ部51に第1キーパ部71が押し込まれることで、第1ラッチ部51が第1キーパ部71を挟み込んで第1キーパ部71と係合され、この係合状態を維持する。同様に、第2ラッチ部52に第2キーパ部72が押し込まれることで、第2ラッチ部52が第2キーパ部72を挟み込んで第2キーパ部72と係合され、この係合状態を維持する。これにより、照明器具20への灯具30の取り付けが完了する。第1ラッチ部51と第1キーパ部71との係合、第2ラッチ部52と第1キーパ部71との係合は同時に行われる。このとき、器具接続部23が灯具接続部33に挿入されて、灯具30が照明器具20と電気的にも接続される。なお、前述したように、灯具接続部33と器具接続部23との接続は、電気的接続に加え、機械的接続も担う接続である。
【0072】
以下では、本実施の形態に係る照明器具20からの灯具30の取り外し方法について説明する。
【0073】
まず、灯具30を挿入する向き(上方)に押し込むと、オルタネイト動作(位置保持型)機構である器具係合部22と灯具係合部32との係合状態が解除される。具体的には、第1ラッチ部51と第1キーパ部71とが係合状態であるときに、第1ラッチ部51に再び第1キーパ部71が押し込まれると、第1ラッチ部51は第1キーパ部71を解放し、両者の係合状態は解除される。同様に、第2ラッチ部52と第2キーパ部72とが係合状態であるときに、第2ラッチ部52に再び第2キーパ部72が押し込まれると、第2ラッチ部52は第2キーパ部72を解放し、両者の係合状態は解除される。第1ラッチ部51と第1キーパ部71との係合状態の解除、第2ラッチ部52と第1キーパ部71との係合状態の解除は同時に行われる。
【0074】
灯具ガイド部73は、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略垂直方向に第1溝部91内を移動可能となるが、灯具30の自重によって、移動の向きは灯具30を抜去する向き(下方)となる。灯具ガイド部73は、落下防止部94に捕捉されるまで第1溝部91内を移動する。つまり、灯具30は、抜去方向(下方)に第2開口部54から飛び出すので、手指で灯具30を掴むことが可能となる。
【0075】
ここで、2つの落下防止部94は、灯具30の質量、枠部43の材質等を勘案して強化された構造を有しているものとする。そのため、灯具30が第2溝部92に沿って勢いよく移動しても、灯具30が照明器具20から外れて落下するおそれがない。また、2つの灯具ガイド部73が2つの落下防止部94に捕捉された状態(仮保持状態)で灯具30に振動が加わっても、それぞれの灯具ガイド部73は第2溝部92に移動しないので、灯具30が照明器具20から外れて落下するおそれがない。
【0076】
灯具30を挿入する向き(上方)に少し移動させながら、つまり、灯具30の捕捉状態を解除しながら、灯具30に対して回転方向の力を加えると(即ち、灯具30を回転させると)、灯具ガイド部73は、第2溝部92内を、照明器具20の第2開口部54の開口面に対して略平行方向に移動することができる。このとき、灯具30は照明器具20に対して回転方向に移動する。回転方向の移動量(回転角度)と回転の向きは、第2溝部92の長さや形状等による。回転の向きは、灯具30を照明器具20に取り付ける際の向きと逆になる。灯具ガイド部73は、第2溝部92と第3溝部93との接続部まで、第2溝部92内を移動する。
【0077】
灯具ガイド部73は、第2溝部92と第3溝部93との接続部に達すると、第3溝部93内を灯具30の自重のみで抜去方向に移動可能となる。そのため、灯具30は照明器具20から外れる。このようにして、照明器具20からの灯具30の取り外しが完了する。なお、灯具ガイド部73が第2溝部92内を移動しているときに、既に、灯具30を手指で掴んで回転させているため、誤って灯具30を落下させてしまうリスクが少なく、照明器具20から灯具30を安全に取り外すことができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、照明器具20に対して着脱自在の灯具30を照明器具20に装着するための構成として、プッシュプッシュ式(オルタネイト方式)のラッチ機構11を採用している。これにより、灯具30を照明器具20へ押し込むことで灯具30を照明器具20に固定することができるため、照明器具20に対する灯具30の着脱が容易になる。また、灯具30と照明器具20との間に隙間や段差等を設ける必要がほとんどないため、灯具30を照明器具20に取り付けた際に、照明器具20と灯具30との一体性が高まり、照明装置10の意匠性が向上する。
【0079】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0080】
図22は、本実施の形態に係る照明装置10の下面図である。
【0081】
図22において、灯具30のカバー部62の枠の表面には、照明器具20に対する灯具30の取り付け及び取り外しを支援するための各種表示が施されている。例えば、灯具30を照明器具20に押し込む際に指を当てる位置が文字64によって表示されている。灯具30を照明器具20に取り付ける際に灯具30を回転させる向きが矢印65によって表示されている。灯具30を照明器具20から取り外す際に灯具30を回転させる向きが矢印66によって表示されている。これらの表示を施すことで、灯具30の取り付け及び取り外しが、より一層容易になる。
【0082】
照明器具20のリフレクタ部55の内側の表面と、灯具30のカバー部62の枠の表面には、位置合わせ用の2つの矢印57,67が向かい合わせに印刷されている。これにより、2つの灯具ガイド部73と2つの第3溝部93との位置合わせが容易になる。
【0083】
図22に示した各種表示の態様は、適宜変更することができる。例えば、文字64、矢印65,66,67は、それぞれ異なる色とすることができる。大きさや形状等も任意である。また、文字64、矢印65,66,67は、カバー部62の枠の表面にインク、レーザ等で直接印字されてもよいし、シール部材に印字されて、カバー部62の枠の表面にそのシール部材が貼付されてもよいし、カバー部62の枠の表面にレーザ、金型成型等により直接刻印されてもよい。矢印57についても同様である。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態では、灯具本体31の円形の他端面(下面)に、プッシュ操作のために灯具30を指で押すべき位置が文字64によって表示されている。プッシュ操作のために灯具30を指で押すべき位置とは、その位置が指で押し上げられたときに、照明器具20に対して灯具本体31が傾かず、プッシュ操作によりラッチ機構11がロックされる位置のことである。例えば、灯具本体31の円周方向における灯具係合部32の位置に対応する位置(灯具係合部32が灯具本体31の上面において0度の位置と180度の位置とに設けられているとすれば、灯具本体31の下面において0度の位置と180度の位置)を指で押せば、照明器具20に対して灯具本体31が傾くことなく、プッシュ操作によりラッチ機構11をロックすることができる。なお、文字64は、任意の図柄に置き換えてもよいし、任意の図柄とともに付されていてもよい。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。例えば、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組み合わせを採用してもよい。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。