特許第6708743号(P6708743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708743
(24)【登録日】2020年5月25日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】二酸化炭素供給装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/02 20060101AFI20200601BHJP
   A01G 9/18 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   A01G7/02
   A01G9/18
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-535943(P2018-535943)
(86)(22)【出願日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】JP2016074406
(87)【国際公開番号】WO2018037459
(87)【国際公開日】20180301
【審査請求日】2019年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】弓達 昌樹
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−220626(JP,A)
【文献】 特開2015−126708(JP,A)
【文献】 特開2013−74887(JP,A)
【文献】 特開2012−29688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/02
A01G 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培する温室を加温するための燃焼にて生じた排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する二酸化炭素供給装置であって、
前記排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する蓄積部と、
前記排ガスを前記蓄積部に誘導する蓄積流路と、
空気を前記蓄積部に誘導すると共に、前記蓄積部を通過した前記空気を前記温室に誘導する供給流路と、
前記排ガス及び前記空気の流れを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記加温が行われている加温期間に、該加温により生じた前記排ガスを、前記蓄積流路を介して前記蓄積部を通過させることで、該排ガスに含まれる二酸化炭素を前記蓄積部に蓄積する蓄積制御を行い、
前記加温が行われていない期間に、前記空気を、前記供給流路を介して前記蓄積部を通過させた後、前記温室に流入させることで、前記蓄積部に蓄積されている二酸化炭素を前記温室に供給する供給制御を行い、
さらに、前記加温期間において、前記蓄積制御を行っている際、予め定められた開始条件が充足されると、前記供給制御と前記蓄積制御とを交互に行う継ぎ足し処理を行い、
前記二酸化炭素供給装置は、前記供給流路により前記蓄積部に誘導される前記空気の一部を、前記蓄積部を通過させること無く前記温室に誘導するバイパス流路をさらに備え、
前記制御部は、
前記供給制御において、前記バイパス流路により誘導される前記空気の量を調整することで、前記蓄積部を通過する前記空気の量を調整し、
前記継ぎ足し処理での前記供給制御では、前記蓄積部を通過する前記空気の量を、予め定められた水準よりも多い状態とする
二酸化炭素供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素供給装置において、
前記蓄積部は、二酸化炭素を吸着させる少なくとも1つの吸着部を有し、
前記少なくとも1つの吸着部は、その外面に蓄積面と供給面とを有し、
前記蓄積制御では、前記蓄積部を通過する前記排ガスが、前記蓄積面を介して前記少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、前記供給面を介して該吸着部の外部に流出することで、該排ガスに含まれる二酸化炭素が該吸着部に吸着し、これにより、前記蓄積部に該二酸化炭素が蓄積され、
前記供給制御では、前記蓄積部を通過する前記空気が、前記供給面を介して前記少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、前記蓄積面を介して該吸着部の外部に流出することで、該吸着部に吸着している二酸化炭素が該空気と共に流出し、これにより、前記蓄積部に蓄積されている二酸化炭素が前記温室に供給される
二酸化炭素供給装置。
【請求項3】
植物を栽培する温室を加温するための燃焼にて生じた排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する二酸化炭素供給装置であって、
前記排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する蓄積部と、
前記排ガスを前記蓄積部に誘導する蓄積流路と、
空気を前記蓄積部に誘導すると共に、前記蓄積部を通過した前記空気を前記温室に誘導する供給流路と、
前記排ガス及び前記空気の流れを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記加温が行われている加温期間に、該加温により生じた前記排ガスを、前記蓄積流路を介して前記蓄積部を通過させることで、該排ガスに含まれる二酸化炭素を前記蓄積部に蓄積する蓄積制御を行い、
前記加温が行われていない期間に、前記空気を、前記供給流路を介して前記蓄積部を通過させた後、前記温室に流入させることで、前記蓄積部に蓄積されている二酸化炭素を前記温室に供給する供給制御を行い、
さらに、前記加温期間において、前記蓄積制御を行っている際、予め定められた開始条件が充足されると、前記供給制御と前記蓄積制御とを交互に行う継ぎ足し処理を行い、
前記蓄積部は、二酸化炭素を吸着させる少なくとも1つの吸着部を有し、
前記少なくとも1つの吸着部は、その外面に蓄積面と供給面とを有し、
前記蓄積制御では、前記蓄積部を通過する前記排ガスが、前記蓄積面を介して前記少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、前記供給面を介して該吸着部の外部に流出することで、該排ガスに含まれる二酸化炭素が該吸着部に吸着し、これにより、前記蓄積部に該二酸化炭素が蓄積され、
前記供給制御では、前記蓄積部を通過する前記空気が、前記供給面を介して前記少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、前記蓄積面を介して該吸着部の外部に流出することで、該吸着部に吸着している二酸化炭素が該空気と共に流出し、これにより、前記蓄積部に蓄積されている二酸化炭素が前記温室に供給される
二酸化炭素供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の二酸化炭素供給装置において、
前記蓄積部における前記二酸化炭素の蓄積量を検出する検出部をさらに備え、
前記開始条件とは、前記検出部により検出された前記二酸化炭素の蓄積量が、予め定められた閾値に達するという条件である
二酸化炭素供給装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の二酸化炭素供給装置において、
前記開始条件とは、前記蓄積制御が行われた時間が、予め定められた閾値に達するという条件である
二酸化炭素供給装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の二酸化炭素供給装置において、
前記開始条件とは、予め定められた時刻が到来するという条件である
二酸化炭素供給装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の二酸化炭素供給装置において、
前記蓄積部における前記二酸化炭素の蓄積量を検出する検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記継ぎ足し処理において、前記蓄積制御中に、前記検出部により検出された前記二酸化炭素の蓄積量が予め定められた供給閾値に達すると、前記供給制御を開始し、前記供給制御中に、前記検出部により検出された前記二酸化炭素の蓄積量が予め定められた蓄積閾値を下回ると、前記蓄積制御を開始し、
前記蓄積閾値は、前記供給閾値よりも小さい
二酸化炭素供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素を蓄積し、温室に供給する二酸化炭素供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1における二酸化炭素供給装置は、夜間に園芸用施設を加温するボイラーの排ガスに含まれる二酸化炭素を、タンクに蓄積する。そして、二酸化炭素供給装置は、昼間に、タンクに蓄積された二酸化炭素を園芸用施設に供給する。これにより、園芸作物の光合成が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−74887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の二酸化炭素供給装置では、明け方等にはタンクにおける二酸化炭素の蓄積量が上限に達する可能性がある。このような場合には、ボイラーによる加温中にも関わらず、二酸化炭素の蓄積ができなくなる。
【0005】
加温により生じた二酸化炭素を、より有効に活用するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面である二酸化炭素供給装置は、植物を栽培する温室を加温するための燃焼にて生じた排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する。二酸化炭素供給装置は、蓄積部と、蓄積流路と、供給流路と、制御部とを備える。蓄積部は、排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する。また、蓄積流路は、排ガスを蓄積部に誘導する。また、供給流路は、空気を蓄積部に誘導すると共に、蓄積部を通過した空気を温室に誘導する。また、制御部は、排ガス及び空気の流れを制御する。
【0007】
そして、制御部は、蓄積制御と供給制御とを行う。蓄積制御では、制御部は、加温が行われている加温期間に、該加温により生じた排ガスを、蓄積流路を介して蓄積部を通過させることで、該排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積部に蓄積する。また、供給制御では、制御部は、加温が行われていない期間に、空気を、供給流路を介して蓄積部を通過させた後、温室に流入させることで、蓄積部に蓄積されている二酸化炭素を温室に供給する。さらに、加温期間において、蓄積制御を行っている際、予め定められた開始条件が充足されると、制御部は、供給制御と蓄積制御とを交互に行う継ぎ足し処理を行う。
【0008】
このような構成によれば、加温期間における蓄積制御中、開始条件が充足されると、継ぎ足し処理が開始される。継ぎ足し処理により、蓄積部に蓄積された二酸化炭素の温室への供給と、蓄積部への二酸化炭素の蓄積とが交互に行われる。このため、加温期間に蓄積部に蓄積される二酸化炭素の総量を、蓄積部の容量よりも多くすることが可能となる。また、継ぎ足し処理の実行期間と、温室の加温が行われていない期間とにわたって、蓄積部の容量よりも多くの二酸化炭素を温室に供給することが可能となる。つまり、加温により生じたより多くの二酸化炭素を、蓄積部を経て温室に供給することが可能となる。したがって、加温により生じた二酸化炭素を、より有効に活用することが可能となる。
【0009】
また、上記構成において、二酸化炭素供給装置は、蓄積部における二酸化炭素の蓄積量を検出する検出部をさらに備えても良い。そして、開始条件とは、検出部により検出された二酸化炭素の蓄積量が、予め定められた閾値に達するという条件であっても良い。
【0010】
また、上記構成において、開始条件とは、蓄積制御が行われた時間が、予め定められた閾値に達するという条件であっても良い。
また、上記構成において、開始条件とは、予め定められた時刻が到来するという条件であっても良い。
【0011】
このような構成によれば、より適切な時期に継ぎ足し処理を開始することが可能となる。
また、上記構成において、二酸化炭素供給装置は、蓄積部における二酸化炭素の蓄積量を検出する検出部をさらに備えても良い。そして、制御部は、継ぎ足し処理において、蓄積制御中に、検出部により検出された二酸化炭素の蓄積量が予め定められた供給閾値に達すると、供給制御を開始しても良い。また、制御部は、継ぎ足し処理において、供給制御中に、検出部により検出された二酸化炭素の蓄積量が予め定められた蓄積閾値を下回ると、蓄積制御を開始しても良い。そして、蓄積閾値は、供給閾値よりも小さくても良い。
【0012】
このような構成によれば、継ぎ足し処理の実行中、より適切な時期に供給制御及び蓄積制御を開始することが可能となる。
また、上記構成において、二酸化炭素供給装置は、供給流路により蓄積部に誘導される空気の一部を、蓄積部を通過させること無く温室に誘導するバイパス流路をさらに備えても良い。そして、制御部は、供給制御において、バイパス流路により誘導される空気の量を調整することで、蓄積部を通過する空気の量を調整しても良い。また、制御部は、継ぎ足し処理での供給制御では、蓄積部を通過する空気の量を、予め定められた水準よりも多い状態としても良い。
【0013】
このような構成によれば、継ぎ足し処理での供給制御にて、蓄積部に蓄積されている二酸化炭素を、より迅速に外部に流出させることが可能となる。これにより、継ぎ足し処理において、より早期に供給制御から蓄積制御に切り替えることが可能となる。したがって、より多くの二酸化炭素を、蓄積部を経て温室に供給することが可能となる。
【0014】
また、上記構成において、蓄積部は、二酸化炭素を吸着させる少なくとも1つの吸着部を有しても良い。また、少なくとも1つの吸着部は、その外面に蓄積面と供給面とを有しても良い。そして、蓄積制御では、蓄積部を通過する排ガスが、蓄積面を介して少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、供給面を介して該吸着部の外部に流出することで、該排ガスに含まれる二酸化炭素が該吸着部に吸着し、これにより、蓄積部に該二酸化炭素が蓄積されても良い。また、供給制御では、蓄積部を通過する空気が、供給面を介して少なくとも1つの吸着部の内部に流入した後、蓄積面を介して該吸着部の外部に流出することで、該吸着部に吸着している二酸化炭素が該空気と共に流出し、これにより、蓄積部に蓄積されている二酸化炭素が温室に供給されても良い。
【0015】
上述した二酸化炭素の吸着部の外面において、吸着部に流入する排ガス又は空気が通過する部分を、流入面とし、吸着部から流出する排ガス又は空気が通過する部分を、流出面とする。また、蓄積制御での流入面,流出面と、供給制御での流入面,流出面とが、それぞれ同一であるとする。そして、蓄積制御と供給制御とが、短周期で交互に行われたとする。この時、吸着部では、二酸化炭素が高濃度である高濃度部分と低濃度である低濃度部分とが、流入面から流出面にかけて多層状に分布する可能性がある。
【0016】
そして、供給制御中、吸着部における高濃度部分及び低濃度部分は、空気の流入面から流出面に移動する。低濃度部分が該流出面に接している場合、吸着部から流出する二酸化炭素の濃度は低くなると考えられる。一方、高濃度部分が該流出面に接している場合、吸着部から流出する二酸化炭素の濃度は高くなると考えられる。このため、吸着部で高濃度部分及び低濃度部分が多層状に分布すると、吸着部から流出する二酸化炭素の濃度が不安定となる恐れがある。
【0017】
これに対し、上記構成では、蓄積制御の際は、吸着部の蓄積面が排ガスの流入面に、供給面が排ガスの流出面になる。一方、供給制御の際は、これとは反対に、供給面が空気の流入面に、蓄積面が空気の流出面になる。このため、仮に、蓄積制御と供給制御とが短周期で交互に行われたとしても、吸着部を、蓄積面側が高濃度部分であり、供給面側が低濃度部分である状態に維持することが可能となる。これにより、供給制御の際、吸着部の蓄積面から流出する二酸化炭素の濃度の変動を、抑制するこが可能となる。したがって、安定した濃度で二酸化炭素を供給することが可能となる。
【符号の説明】
【0018】
1…二酸化炭素供給装置、2…温室、3…加温機、10…流路制御部、30…ブロア、40…蓄積部、41…吸着部材、43…吸着部、43a…蓄積面、43b…供給面、45…蓄積面センサ、46…供給面センサ、60…冷却バルブ、61…流入バルブ、61…冷却バルブ、62…第1室外バルブ、63…第2室外バルブ、64…第1室内バルブ、65…第2室内バルブ、70…加温機流路、71…水タンク流路、72…ブロア流路、73…流入流路、74…室外流路、75…室内流路、76…制御流路、76a…蓄積区間、76b…蓄積分岐区間、76c…供給分岐区間、76d…供給区間、100…蓄積流路、101…冷却流路、102…高速供給流路、103…低速供給流路、103a…バイパス流路。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態の二酸化炭素供給装置のブロック図である。
図2図2Aは、蓄積部の構成を示す説明図である。図2Bは、吸着部材の構成を示す説明図である。
図3図3Aは、蓄積流路及び冷却流路の説明図である。図3Bは、高速供給流路及び低速供給流路の説明図である。
図4図4Aは、蓄積制御及び供給制御の実行タイミング等の説明図である。図4Bは、供給制御処理の説明図である。
図5図5Aは、蓄積制御と供給制御とにおける流入面及び流出面が同一である場合の、吸着部における二酸化炭素の高濃度部分及び低濃度部分の分布を示す説明図である。図5Bは、本実施形態の吸着部における二酸化炭素の高濃度部分及び低濃度部分の分布を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0021】
[構成の説明]
図1における本実施形態の二酸化炭素供給装置1は、植物を栽培するための温室2に用いられる。具体的には、温室2は、施設園芸に用いられても良い。温室2には、植物の生長を促進するために温室2の室内(以後、単に室内と記載)を加温する加温機3が設けられる。加温機3は、夜間に、例えば灯油,重油等の燃料を燃焼させることで、室内を加温する。
【0022】
二酸化炭素供給装置1は、夜間の加温機3による加温により生じた排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する。そして、二酸化炭素供給装置1は、昼間に、蓄積された二酸化炭素を室内に供給する。これにより、室内の植物の光合成が促進される。
【0023】
二酸化炭素供給装置1は、流路制御部10と、第1,第2水タンク20,21と、ブロア30と、蓄積部40と、浄化部50とを有する。
流路制御部10は、CPU、RAM、ROM、及び、記憶装置等を有する周知のコンピュータを中心に構成されていても良い。なお、記憶装置とは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置(例えば、HDD等)であっても良い。流路制御部10のCPUは、記憶装置からRAMにロードされたプログラムを実行することで、各種処理を行う。これにより、二酸化炭素供給装置1が制御される。なお、記憶装置及びRAMは、非遷移的実態的記録媒体に相当する。また、流路制御部10は、多数のデジタル回路等により構成されていても良い。そして、流路制御部10は、ソフトウェアではなく、ハードウェアを用いて各種処理を実現しても良い。
【0024】
また、流路制御部10には、加温機3から着火信号が入力される。着火信号は、加温機3にて加温が行われているか否かを示す。また、流路制御部10には、室内センサ2aと、供給面センサと、蓄積面センサとから、濃度信号が入力される。室内センサ2aは、室内における二酸化炭素の濃度を検出する。また、供給面センサ、及び、蓄積面センサは、二酸化炭素供給装置1の内部で二酸化炭素の濃度を検出する。そして、これらのセンサからの濃度信号は、該センサにて検出された二酸化炭素の濃度を示す。なお、供給面センサ及び蓄積面センサについては、後述する。
【0025】
また、二酸化炭素供給装置1は、加温機流路70と、水タンク流路71と、ブロア流路72と、流入流路73と、室外流路74と、室内流路75と、制御流路76とを有する。また、二酸化炭素供給装置1は、冷却バルブ60と、流入バルブ61と、第1,第2室外バルブ62,63と、第1,第2室内バルブ64,65とを有する。
【0026】
加温機流路70は、加温機3と第1水タンク20とを繋ぐ。
また、水タンク流路71は、温室2の室外(以後、単に室外と記載)と第1水タンク20とを繋ぐ。水タンク流路71には、冷却バルブ60が設けられている。冷却バルブ60は、水タンク流路71を開閉する。
【0027】
また、ブロア流路72の一端を上流端部と記載し、他端を下流端部72aと記載する。ブロア流路72は、上流端部が第2水タンク21に繋がっている。また、ブロア流路72には、ブロア30が設けられている。
【0028】
また、流入流路73は、室外と、ブロア流路72における分岐点とを繋ぐ。該分岐点は、ブロア流路72における上流端部とブロア30との間に設けられる。また、流入流路73には、流入バルブ61が設けられている。流入バルブ61は、流入流路73を開閉する。
【0029】
また、室外流路74は、その一端が、ブロア流路72の下流端部72aに繋がっている。また、室外流路74の他端は、室外に繋がっている。また、室外流路74には、第1,第2室外バルブ62,63が設けられている。第1室外バルブ62は、第2室外バルブ63のブロア30側に位置する。第1,第2室外バルブ62,63は、それぞれ、該バルブが設けられた位置で室外流路74を開閉する。
【0030】
また、室内流路75は、その一端が、ブロア流路72の下流端部72aに繋がっている。また、室内流路75の他端は、室内に繋がっている。また、室内流路75には、第1,第2室内バルブ64,65が設けられている。第1室内バルブ64は、第2室内バルブ65のブロア30側に位置する。第1,第2室内バルブ64,65は、それぞれ、該バルブが設けられた位置で室内流路75を開閉する。
【0031】
また、制御流路76は、室内流路75と室外流路74とを繋ぐ。より詳しくは、制御流路76の一端は、室内流路75における第1,第2室内バルブ64,65の間の分岐点に繋がる。また、制御流路76の他端は、室外流路74における第1,第2室外バルブ62,63の間の分岐点に繋がる。制御流路76には、蓄積部40と浄化部50とが設けられている。蓄積部40は、浄化部50の室外流路74側に配置される。
【0032】
そして、ブロア30が作動すると、ブロア流路72に存在する気体が圧縮される。これにより、該気体は、上流端部から下流端部72aに向かってブロア流路72を流下する。その結果、加温機3から排出された排ガスが、加温機流路70から流入する。また、室外の空気が、流入流路73又は水タンク流路71から流入する。そして、排ガス又は空気は、各流路により、第1,第2水タンク20,21、浄化部50、蓄積部40、室内、又は、室外に誘導される。なお、ブロア30に替えて、例えばファン等により、排ガス又は空気を流下させても良い。
【0033】
第1,第2水タンク20,21は、排ガスの冷却及び中和を行う。第1,第2水タンク20,21には、アルカリ性の水溶液が蓄えられている。また、第1,第2水タンク20,21は、接続管により繋がっている。また、第1水タンク20は、流路制御部10からの指示に従い、加温機流路70と水タンク流路71とのうちのいずれかに接続する。第1水タンク20に接続された流路から、排ガス又は空気が第1水タンク20に流入する。
【0034】
加温機流路70により誘導される排ガスは、第1水タンク20に流入すると、第1水タンク20に蓄えられた水溶液の中を通過する。これにより、排ガスが冷却される。また、第1水タンク20を通過した排ガスは、接続管を介して第2水タンク21に流入し、第2水タンク21に蓄えられた水溶液の中を通過する。これにより、排ガスがさらに冷却される。また、排ガスが第1,第2水タンク20,21を通過する際に、排ガスに含まれる硫黄酸化物等が中和される。
【0035】
また、水タンク流路71により誘導される空気も、同様にして、第1,第2水タンク20,21を通過する。これにより、第1,第2水タンク20,21に蓄えられた水溶液が冷却される。
【0036】
また、第2水タンク21は、流路制御部10からの指示に従い、ブロア流路72と接続するか否かを切り替える。第2水タンク21がブロア流路72と接続している場合、第2水タンク21を通過した排ガス又は空気は、ブロア流路72に流入する。一方、第2水タンク21がブロア流路72と接続していない場合、該排ガス又は空気は、ブロア流路72に流入しない。
【0037】
蓄積部40は、排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積する。蓄積部40に蓄積された二酸化炭素は、室内に供給される。なお、蓄積部40の詳細については、後述する。
浄化部50は、植物の育成に悪影響を及ぼす有害物質(例えば、硫黄酸化物,窒素酸化物等)を、排ガスから除去する。具体的には、例えば、浄化部50は、粒状活性炭を含むフィルタ等を有していても良い。そして、浄化部50は、浄化部50を通過する排ガスに含まれる有害物質を粒状活性炭に吸着させることで、有害物質を除去しても良い。
【0038】
[蓄積部の説明]
次に、図2Aにより、蓄積部40の構成について説明する。蓄積部40は、複数の吸着部材41と、蓄積面センサ45と、供給面センサ46とを有する。本実施形態では、一例として、蓄積部40は4つの吸着部材41を有する。これらの吸着部材41は、制御流路76に並列に配置される。なお、蓄積部40は、1つの吸着部材を有していても良い。
【0039】
図2Bに示すように、4つの吸着部材41の各々は、直線状に延びる細長い形状の容器42を有する。本実施形態では、容器42の外面の形状は、一例として円柱状になっている。しかし、容器42の外面の形状は、例えば、多角形柱状等であっても良い。容器42の外面は、排ガス及び空気等の気体を通過させない非透過性の材料により構成されている。また、容器42の両端は、それぞれ、制御流路76に繋がっている。
【0040】
容器42は、その内部に、容器42と同様の細長い形状の空間である配置領域を有する。配置領域は、容器42の側面に接し、且つ、容器42の端部との間に端部空間42c,42dを有した状態で設けられる。配置領域の両端は、蓋部42a,42bにより塞がれている。蓋部42a,42bは、排ガス及び空気等の気体を通過させる透過性の材料により構成されている。そして、配置領域には、二酸化炭素を吸着させる吸着部43が配置される。吸着部43とは、例えば、配置領域に充填された、粉状又は粒状の二酸化炭素の吸着材の集合体であっても良い。一例として、吸着材とは、活性炭であっても良い。この他にも、吸着材とは、例えば、ゼオライト等であっても良い。
【0041】
ここで、吸着部43の外面には、蓄積面43a及び供給面43bが設けられる。蓄積面43a及び供給面43bは、それぞれ、吸着部43の両端をなす部分である。蓄積面43aは蓋部42aに接し、供給面43bは蓋部42bに接する。
【0042】
また、制御流路76は、蓄積区間76aと、蓄積分岐区間76bと、供給分岐区間76cと、供給区間76dとを有する。
蓄積区間76aは、その一端が、浄化部50に繋がっている。また、蓄積分岐区間76bは、その一端が、蓄積区間76aの他端に繋がっている。蓄積分岐区間76bは、1又は複数の分岐点を有しており、蓄積区間76aの他端と、4つの吸着部材41の各々における蓄積面43a側の端部とを繋ぐ。
【0043】
また、供給区間76dは、その一端が、室外流路74に繋がっている。また、供給分岐区間76cは、その一端が、供給区間76dの他端に繋がっている。供給分岐区間76cは、1又は複数の分岐点を有しており、供給区間76dの他端と、4つの吸着部材41の各々における供給面43b側の端部とを繋ぐ。
【0044】
そして、蓄積部40による二酸化炭素の蓄積は、以下のようにして行われる。すなわち、浄化部50を通過した排ガスは、蓄積区間76aを経て蓄積分岐区間76bに流入する。その後、該排ガスは、蓄積分岐区間76bにより4つの吸着部材41の各々に誘導され、各吸着部材41を通過する。さらにその後、該排ガスは、供給分岐区間76c及び供給区間76dを経て室外流路74に流入する。
【0045】
排ガスは、各吸着部材41を通過する際、蓄積面43a側の端部から容器42の内部に流入する。そして、該排ガスは、端部空間42c及び蓋部42aを通過し、蓄積面43aを介して吸着部43の内部に流入する。該排ガスは、吸着部43を、蓄積面43aから供給面43bに向かって流下する。この時、該排ガスに含まれる二酸化炭素が、吸着部43(換言すれば、吸着部43を構成する吸着材)に吸着する。これにより、二酸化炭素が吸着部43に蓄積される。その後、該排ガスは、供給面43bを介して吸着部43の外部に流出する。そして、排ガスは、蓋部42b及び端部空間42dを通過し、供給分岐区間76cに流入する。
【0046】
一方、蓄積部40からの二酸化炭素の供給は、以下のようにして行われる。すなわち、室外流路74から供給区間76dに流入した空気は、供給区間76dを経て供給分岐区間76cに流入する。該空気は、供給分岐区間76cにより4つの吸着部材41の各々に誘導され、各吸着部材41を通過する。そして、該空気は、蓄積分岐区間76b及び蓄積区間76aを経て浄化部50に流入する。
【0047】
空気は、各吸着部材41を通過する際、供給面43b側の端部から容器42の内部に流入する。そして、該空気は、端部空間42d及び蓋部42bを通過し、供給面43bを介して吸着部43の内部に流入する。該空気は、吸着部43を、供給面43bから蓄積面43aに向かって流下する。この時、吸着部43(換言すれば、吸着部43を構成する吸着材)に吸着している二酸化炭素が、該空気に流出する。これにより、該空気の二酸化炭素の濃度が高くなる。その後、該空気は、蓄積面43aを介して吸着部43の外部に流出する。そして、該空気は、蓋部42a及び端部空間42cを通過し、蓄積分岐区間76bに流入する。該空気を室内に誘導することで、蓄積部40に蓄積されていた二酸化炭素が室内に供給される。
【0048】
つまり、蓄積部40は、機械的な加圧及び加熱を伴わずに、吸着部43と排ガス又は空気とを単に接触させることで、二酸化炭素の蓄積及び供給を行う。しかしながら、蓄積部40は、例えば、圧力スイング法等のように、機械的な加圧を伴った方法により、二酸化炭素の蓄積及び供給を行っても良い。また、蓄積部40は、加熱を伴って二酸化炭素の蓄積及び供給を行っても良い。このような場合、二酸化炭素を蓄積する部材として、例えば、リチウム複合酸化物が用いられても良い。
【0049】
また、蓄積部40は、上述した蓄積面センサ45及び供給面センサ46を有する。
蓄積面センサ45は、蓄積面43a側から各吸着部材41に流入する気体、及び、各吸着部材41の蓄積面43a側から流出した気体に含まれる二酸化炭素の濃度を検出する。蓄積面センサ45は、蓄積区間76aに設けられる。なお、蓄積面センサ45は、蓄積分岐区間76bに設けられていても良い。また、蓄積面センサ45は、蓄積区間76aと蓄積分岐区間76bとの接続箇所、又は、該接続箇所の付近に配置されるのが好適である。
【0050】
また、供給面センサ46は、供給面43b側から各吸着部材41に流入する気体、及び、各吸着部材41の供給面43b側から流出した気体に含まれる二酸化炭素の濃度を検出する。供給面センサ46は、供給区間76dに設けられる。なお、供給面センサ46は、供給分岐区間76cに設けられていても良い。また、供給面センサ46は、供給区間76dと供給分岐区間76cとの接続箇所、又は、該接続箇所の付近に配置されるのが好適である。
【0051】
[動作の説明]
二酸化炭素供給装置1の流路制御部10は、蓄積制御と、冷却制御と、供給制御とを行う。なお、供給制御として、高速供給制御と低速供給制御との2種類が設けられている。そして、流路制御部10は、これらの制御を組み合わせることで、二酸化炭素の蓄積及び供給を行う。まず、これらの制御の内容について説明する。
【0052】
(1)各制御の説明
蓄積制御では、加温機3からの排ガスに含まれる二酸化炭素が、蓄積部40に蓄積される。蓄積制御の際、流路制御部10は、第2室外バルブ63と、第1室内バルブ64とを開放する。また、流路制御部10は、冷却バルブ60と、流入バルブ61と、第1室外バルブ62と、第2室内バルブ65とを閉鎖する。また、流路制御部10は、第1水タンク20を、加温機流路70に繋がった状態とする。また、流路制御部10は、第2水タンク21を、ブロア流路72に繋がった状態とする。これにより、図3Aの蓄積流路100が形成される。
【0053】
そして、流路制御部10は、ブロア30を作動させることで、加温機3からの排ガスを蓄積流路100に沿って流下させる。この時、排ガスは、第1,第2水タンク20,21と、浄化部50と、蓄積部40とを順次通過する。その後、排ガスは、室外に流出する。
【0054】
排ガスは、第1,第2水タンク20,21を通過する際に、冷却及び中和がなされる。また、排ガスは、浄化部50を通過する際に、有害物質が除去される。また、排ガスが蓄積部40を通過する際に、該排ガスに含まれる二酸化炭素が蓄積部40に蓄積される。
【0055】
また、冷却制御では、第1,第2水タンク20,21に蓄えられた水溶液が冷却される。冷却制御の際、流路制御部10は、冷却バルブ60と、第1,第2室外バルブ62,63とを開放する。また、流路制御部10は、流入バルブ61と、第1,第2室内バルブ64,65とを閉鎖する。また、流路制御部10は、第1水タンク20を、水タンク流路71に繋がった状態とする。また、流路制御部10は、第2水タンク21を、ブロア流路72に繋がった状態とする。これにより、図3Aの冷却流路101が形成される。
【0056】
そして、流路制御部10は、ブロア30を作動させることで、室外の空気を水タンク流路71から流入させ、該空気を冷却流路101に沿って流下させる。この時、該空気は、第1,第2水タンク20,21を通過する。その後、該空気は、室外に流出する。
【0057】
室外の空気が第1,第2水タンク20,21を通過することで、第1,第2水タンク20,21に蓄えられた水溶液が冷却される。なお、室内の空気を水タンク流路71から流入させることで、冷却制御が行われても良い。また、冷却に用いられた空気を、室内に流出させても良い。
【0058】
また、高速供給制御及び低速供給制御では、蓄積部40に蓄積された二酸化炭素が、室内に供給される。なお、高速供給制御は、低速供給制御に比べて早いペースで二酸化炭素が供給される。
【0059】
高速供給制御の際、流路制御部10は、流入バルブ61と、第1室外バルブ62と、第2室内バルブ65とを開放する。また、流路制御部10は、冷却バルブ60と、第2室外バルブ63と、第1室内バルブ64とを閉鎖する。また、流路制御部10は、第2水タンク21を、ブロア流路72に繋がっていない状態とする。これにより、図3Bの高速供給流路102が形成される。
【0060】
そして、流路制御部10は、ブロア30を作動させることで、室外の空気を流入流路73から流入させ、該空気を高速供給流路102に沿って流下させる。この時、該空気は、蓄積部40と浄化部50とを順次通過し、室内に流入する。
【0061】
一方、低速供給制御の際、流路制御部10は、流入バルブ61と、第1室外バルブ62と、第1,第2室内バルブ64,65とを開放する。また、流路制御部10は、冷却バルブ60と、第2室外バルブ63とを閉鎖する。また、流路制御部10は、第2水タンク21を、ブロア流路72に繋がっていない状態とする。これにより、図3Bの低速供給流路103が形成される。なお、低速供給流路103は、高速供給流路102に対し、バイパス流路103aを加えた構成となっている。
【0062】
そして、流路制御部10は、ブロア30を作動させることで、室外の空気を流入流路73から流入させ、該空気を低速供給流路103に沿って流下させる。この時、該空気は、ブロア流路72の下流端部72aで分岐する。該空気の一部は、蓄積部40と浄化部50とを順次通過し、室内に流出する。一方、該空気の残りは、蓄積部40及び浄化部50を通過することなく、バイパス流路103aを通って室内に流入する。
【0063】
高速供給制御の際は、室外から流入した空気は、全て蓄積部40を通過する。一方、低速供給制御の際は、該空気の一部が蓄積部40を通過する。また、該空気の残りは、蓄積部40を通過すること無く、バイパス流路103aを通過する。このため、低速供給制御では、高速供給制御に比べ、蓄積部40を通過する空気の量が少なくなる。換言すれば、空気が蓄積部40を通過する際の圧力が小さくなる。したがって、低速供給制御の際は、高速供給制御に比べ、より遅いペースで蓄積部40から二酸化炭素が流出する。また、蓄積部40を通過した空気は、バイパス流路103aを通過した空気と合流した後に室内に流入する。このため、低速供給制御の際は、高速供給制御に比べ、より低濃度の二酸化炭素が室内に供給される。
【0064】
(2)供給制御処理の説明
上述したように、加温機3は夜間に室内を加温する。具体的には、加温は、例えば、夕方から朝にかけての加温期間にわたって行われても良い。二酸化炭素供給装置1は、加温期間に蓄積制御を行うことで、加温により生じた排ガスに含まれる二酸化炭素を蓄積部40に蓄積する。一方、朝から夕方にかけての非加温期間では、加温機3による加温が行われない。二酸化炭素供給装置1は、非加温期間に供給制御を行うことで、蓄積部40に蓄積された二酸化炭素を室内に供給する。
【0065】
しかし、蓄積部40に蓄積された二酸化炭素の量が上限に達すると、蓄積部40での二酸化炭素の蓄積が不可能となる。このため、図4Aに示すように、二酸化炭素供給装置1は、加温期間に開始条件が充足されると、継ぎ足し処理を開始する。なお、開始条件とは、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量が予め定められた水準に達するという条件である。具体的には、開始条件とは、二酸化炭素の蓄積量が、予め定められた開始閾値以上となるという条件である。なお、開始閾値とは、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量の上限値であっても良いし、上限値をやや下回る値であっても良い。
【0066】
継ぎ足し処理では、供給制御と蓄積制御とが交互に行われる。その結果、加温期間に蓄積部40に蓄積される二酸化炭素の総量、及び、蓄積部40から室内に供給される二酸化炭素の総量が増加する。
【0067】
二酸化炭素の蓄積及び供給を行う一連の処理は、流路制御部10が供給制御処理を実行することで実現される。以下では、図4Bにより、供給制御処理について説明する。なお、供給制御処理は、二酸化炭素供給装置1の作動中、流路制御部10により周期的に実行される。
【0068】
S200では、流路制御部10は、着火信号に基づき、加温機3による加温が行われているか否かを判定する。そして、流路制御部10は、肯定判定が得られた場合には(S200:Yes)、S205に移行し、否定判定が得られた場合には(S200:No)、S210に移行する。
【0069】
S205では、流路制御部10は、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量に基づき、蓄積制御と供給制御とのうちのどちらを行うかを決定する。二酸化炭素の蓄積量は、蓄積部40に設けられた蓄積面センサ45及び供給面センサ46の検出結果に基づき検出される。
【0070】
蓄積制御が行われている場合、蓄積面センサ45により、蓄積部40を通過する前の排ガスの二酸化炭素濃度(以後、通過前の排ガス濃度と記載)が検出される。また、この場合、供給面センサ46により、蓄積部40を通過した後の排ガスの二酸化炭素濃度(以後、通過後の排ガス濃度と記載)が検出される。流路制御部10は、通過後の排ガス濃度から通過前の排ガス濃度を減算した値(以後、排ガス濃度減算値と記載)に基づき、二酸化炭素の蓄積量を推定する。該値が大きくなるに従い、二酸化炭素の蓄積量がより多いと推定される。なお、流路制御部10は、通過前の排ガス濃度を考慮すること無く、通過後の排ガス濃度に基づき二酸化炭素の蓄積量を推定しても良い。この場合、通過後の排ガス濃度が大きくなるに従い、二酸化炭素の蓄積量がより多いと推定される。
【0071】
一方、供給制御が行われている場合、供給面センサ46により、蓄積部40を通過する前の空気の二酸化炭素濃度(以後、通過前の空気濃度と記載)が検出される。また、この場合、蓄積面センサ45により、蓄積部40を通過した後の空気の二酸化炭素濃度(以後、通過後の空気濃度と記載)が検出される。流路制御部10は、通過後の空気濃度から通過前の空気濃度を減算した値(以後、空気濃度減算値と記載)に基づき、二酸化炭素の蓄積量を推定する。該値が大きくなるに従い、二酸化炭素の蓄積量がより多いと推定される。なお、流路制御部10は、通過前の空気濃度を考慮すること無く、通過後の空気濃度に基づき二酸化炭素の蓄積量を推定しても良い。この場合、通過後の空気濃度が大きくなるに従い、二酸化炭素の蓄積量がより多いと推定される。
【0072】
そして、加温期間の開始後、継ぎ足し処理が開始されるまでの期間は、流路制御部10は、二酸化炭素の蓄積量に基づき、上述した開始条件が充足されたか否かを判定する。具体的には、流路制御部10は、排ガス濃度減算値又は通過後の排ガス濃度が、予め定められた閾値を上回った場合には、開始条件が充足されたと判定しても良い。開始条件が充足されていない場合、流路制御部10は、S215に移行し、蓄積制御を継続する。一方、開始条件が充足された場合、流路制御部10は、継ぎ足し処理を開始する。すなわち、流路制御部10は、S210に移行し、蓄積制御を終了して供給制御を実行する。
【0073】
一方、継ぎ足し処理の実行中は、流路制御部10は、二酸化炭素の蓄積量に基づき、蓄積制御と供給制御とを切り替えるか否かを判定する。ここで、二酸化炭素の蓄積量が予め定められた蓄積閾値未満となるという条件を、蓄積切替条件と記載する。また、二酸化炭素の蓄積量が予め定められた供給閾値以上となるという条件を、供給切替条件と記載する。なお、蓄積閾値<開始閾値、且つ、蓄積閾値<供給閾値となる。また、供給閾値は、開始閾値と同じ値、又は、開始閾値と同程度の値であっても良い。
【0074】
継ぎ足し処理において供給制御が行われている場合、流路制御部10は、蓄積切替条件が充足されたか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には、流路制御部10は、S215に移行し、供給制御を終了して蓄積制御を実行する。一方、否定判定が得られた場合には、流路制御部10は、S210に移行し、供給制御を継続する。
【0075】
これに対し、継ぎ足し処理において蓄積制御が行われている場合、流路制御部10は、供給切替条件が充足されたか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には、流路制御部10は、S210に移行し、蓄積制御を終了して供給制御を実行する。一方、否定判定が得られた場合には、流路制御部10は、S215に移行し、供給制御を継続する。
【0076】
なお、流路制御部10は、排ガス濃度減算値或いは通過後の排ガス濃度、又は、空気濃度減算値或いは通過後の空気濃度と予め定められた閾値とを比較することで、蓄積切替条件及び供給切替条件が充足されたか否かを判定しても良い。
【0077】
S210では、流路制御部10は、供給制御を実行し、本処理を終了する。ここで、非加温期間には、供給制御の種類は、室内の二酸化炭素の濃度に応じて定められても良い。具体的には、室内の二酸化炭素の濃度が予め定められた室内閾値以上の場合には、低速供給制御が行われても良い。一方、室内の二酸化炭素の濃度が室内閾値未満の場合には、高速供給制御が行われても良い。これにより、室内の二酸化炭素の濃度を、植物の育成に好適な濃度に保つことが可能となる。なお、室内の二酸化炭素の濃度は、室内センサ2aにより検出される。
【0078】
また、継ぎ足し処理の実行中には、高速供給制御が常時行われても良い。無論、これに限らず、低速供給制御が常時行われても良い。また、例えば、非加温期間と同様にして、高速供給制御又は低速供給制御が行われても良い。
【0079】
S215では、流路制御部10は、蓄積制御を実行し、本処理を終了する。なお、流路制御部10は、第1,第2水タンクに蓄えられた水溶液が高温である場合には、蓄積制御に替えて、冷却制御を行っても良い。そして、流路制御部10は、該水溶液の温度が十分に低下した後に、蓄積制御を行っても良い。
【0080】
[効果]
(1)本実施形態の二酸化炭素供給装置1では、加温期間における蓄積制御中、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量が多くなると、継ぎ足し処理が開始される。継ぎ足し処理により、二酸化炭素の供給と蓄積とが交互に行われる。このため、加温期間に蓄積部40に蓄積される二酸化炭素の総量を、蓄積部40の容量よりも多くすることが可能となる。また、継ぎ足し処理の実行期間と非加温期間とにわたって、蓄積部40の容量よりも多くの二酸化炭素を室内に供給することが可能となる。つまり、加温により生じたより多くの二酸化炭素を、蓄積部40を経て室内に供給することが可能となる。したがって、加温により生じた二酸化炭素を、より有効に活用することが可能となる。
【0081】
特に、室内への二酸化炭素の供給量を多くするためには、蓄積部40の大型化が必要となる。しかし、温室2における作物の作付面積を多くするため、二酸化炭素供給装置1の小型化が求められている。これに対し、本実施形態の二酸化炭素供給装置1は、継ぎ足し処理が行われる。これにより、室内への二酸化炭素の供給量を増やすことができ、蓄積部40の小型化が可能となる。
【0082】
(2)また、継ぎ足し処理は、加温期間において、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量が開始閾値に達すると開始される。これにより、より適切な時期に継ぎ足し処理を開始することが可能となる。
【0083】
(3)また、継ぎ足し処理での蓄積制御中、二酸化炭素の蓄積量が供給閾値に達すると、蓄積制御から供給制御に切り替えられる。また、継ぎ足し処理での供給制御中、二酸化炭素の蓄積量が蓄積閾値を下回ると、供給制御から蓄積制御に切り替えられる。このため、継ぎ足し処理において、より適切な時期に供給制御及び蓄積制御を開始することが可能となる。
【0084】
(4)また、継ぎ足し処理では、供給制御として高速供給制御が行われる。このため、蓄積部40に蓄積されている二酸化炭素を、より迅速に外部に流出させることが可能となる。これにより、継ぎ足し処理において、より早期に供給制御から蓄積制御に切り替えることが可能となる。したがって、より多くの二酸化炭素を、蓄積部40を経て室内に供給することが可能となる。
【0085】
(5)また、本実施形態の吸着部43と同様に構成された図5Aの吸着部300の外面において、吸着部300に流入する排ガス又は空気が通過する部分を、流入面301とし、吸着部300から流出する排ガス又は空気が通過する部分を、流出面302とする。また、蓄積制御での流入面301,流出面302と、供給制御での流入面301,流出面302とが、それぞれ同一であるとする。そして、蓄積制御と供給制御とが、短周期で交互に行われたとする。この時、吸着部300では、二酸化炭素が高濃度である高濃度部分303と低濃度である低濃度部分304とが、流入面301から流出面302にかけて多層状に分布する可能性がある。
【0086】
そして、供給制御中、吸着部300における高濃度部分303及び低濃度部分304は、空気の流入面301から流出面302に移動する。低濃度部分304が該流出面302に接している場合、吸着部300から流出する二酸化炭素の濃度は低くなると考えられる。一方、高濃度部分303が該流出面302に接している場合、吸着部300から流出する二酸化炭素の濃度は高くなると考えられる。このため、吸着部300で高濃度部分303及び低濃度部分304が多層状に分布すると、吸着部300から流出する二酸化炭素の濃度が不安定となる恐れがある。
【0087】
これに対し、図5Bに示されているように、本実施形態では、蓄積制御の際、吸着部43の蓄積面43aが排ガスの流入面に、供給面43bが排ガスの流出面になる。一方、供給制御の際は、これとは反対に、供給面43bが空気の流入面に、蓄積面43aが空気の流出面になる。このため、仮に、蓄積制御と供給制御とが短周期で交互に行われたとしても、吸着部43を、蓄積面43a側が高濃度部分43cであり、供給面43b側が低濃度部分43dである状態に維持することが可能となる。これにより、供給制御の際、吸着部43の蓄積面43aから流出する二酸化炭素の濃度の変動を、抑制するこが可能となる。したがって、安定した濃度で二酸化炭素を供給することが可能となる。
【0088】
[他の実施形態]
(1)本実施形態における継ぎ足し処理の開始条件は、蓄積部40における二酸化炭素の蓄積量が開始閾値以上となるという条件である。しかしながら、例えば、開始条件とは、加温期間における蓄積制御の継続時間が、予め定められた開始閾値に達するという条件であっても良い。また、例えば、開始条件とは、予め定められた開始時刻が到来するという条件であっても良い。つまり、蓄積制御が一定時間にわたって行われた場合には、二酸化炭素の蓄積量が予め定められた水準に達したとみなされても良い。
【0089】
なお、開始閾値又は開始時刻は、例えば、ユーザにより設定されたものであっても良い。また、例えば、二酸化炭素供給装置1は、ネットワークを介して外部から夜明けの時刻を取得し、該夜明けの時刻に基づき、開始閾値又は開始時刻を定めても良い。また、例えば、二酸化炭素供給装置1は、現在の月日等に基づき夜明けの時刻を予測し、予測結果に基づき、開始閾値又は開始時刻を定めても良い。
【0090】
また、開始条件とは、例えば、二酸化炭素供給装置1が、操作部を介して、ユーザから予め定められた開始操作を受け付けるという条件であっても良い。なお、操作部とは、例えば、二酸化炭素供給装置1に設けられたスイッチ等であっても良い。また、操作部とは、例えば、自装置が受け付けた操作の内容を、有線通信又は無線通信により二酸化炭素供給装置1に通知する操作端末であっても良い。より詳しくは、操作端末とは、例えば、リモコン、スマートフォン等の携帯端末、又は、PC等であっても良い。
【0091】
また、開始条件とは、温室2の外部環境に基づく条件であっても良い。つまり、外部環境に基づき、夜が明けた、又は、夜明けが近づいたと推定される場合に、開始条件が充足されたとみなされても良い。具体的には、例えば、センサにより検出された温度及び/又は照度が予め定められた閾値に達した場合には、開始条件が充足されたとみなされても良い。
【0092】
なお、このような開始条件を用いる場合には、蓄積部40には、蓄積面センサ45及び供給面センサ46が設けられていなくても良い。
また、継ぎ足し処理において、蓄積制御を供給制御に切り替える供給切替条件は、二酸化炭素の蓄積量が供給閾値以上となるという条件である。しかしながら、例えば、実行中の蓄積制御の開始時からの経過時間が、予め定められた供給切替閾値以上になるという条件を、供給切替条件としても良い。同様に、継ぎ足し処理において、供給制御を蓄積制御に切り替える蓄積切替条件は、二酸化炭素の蓄積量が蓄積閾値未満となるという条件である。しかしながら、例えば、実行中の供給制御の開始時からの経過時間が、予め定められた蓄積切替閾値以上になるという条件を、蓄積切替条件としても良い。
【0093】
(2)本実施形態では、流路制御部10は、供給制御において、第1室内バルブ64を開放又は閉鎖する。これにより、供給制御の種類が定められる。しかしながら、流路制御部10は、供給制御において、第1室内バルブ64の開度を3段階以上で調整しても良い。そして、流路制御部10は、継ぎ足し処理において供給制御を行う際、第1室内バルブ64の開度を予め定められた閾値未満に設定しても良い。つまり、継ぎ足し処理での供給制御にて蓄積部40を通過する空気の量を、予め定められた水準よりも多くしても良い。このような場合であっても、継ぎ足し処理での供給制御において、蓄積部40に蓄積された二酸化炭素を迅速に流出させることが可能となる。
【0094】
(3)本実施形態では、蓄積部40の吸着部材41の容器42及び容器42内部の配置領域は、直線状に伸びる細長い形状となっている。そして、配置領域に配される吸着部43は、配置領域と同様の形状を有する。しかしながら、例えば、配置領域及び吸着部43は、湾曲又は屈曲した細長い形状を有していても良い。そして、本実施形態と同様、吸着部43の一端を蓄積面とし、他端を供給面としても良い。また、配置領域及び吸着部43は、細長い形状に限らず、様々な形状とすることができる。なお、このような場合において、例えば、吸着部43の外面における対面する2つの領域を、それぞれ、蓄積面及び供給面としても良い。
【0095】
[特許請求の範囲との対応]
本実施形態の二酸化炭素供給装置1における流路制御部10、ブロア30、及び、バルブ60〜65が、制御部の一例に相当する。また、蓄積面センサ45、及び、供給面センサ46が、検出部の一例に相当する。
図1
図2
図3
図4
図5