【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、請求項1に記載の方
法により実現される。また、有利な実施形態については、対応する従属請求項において開示される。
【0011】
本出願の方法は、半製品ソーラーモジュールを供給し、分離溝を形成するとともに、半製品ソーラーモジュールの第1の面において半製品ソーラーモジュールの領域を照射し、且つ、半製品ソーラーモジュールの第2の面において、半製品ソーラーモジュールの被照領域を透過した光の量を検出し、被照領域に形成された分離溝を評価する、とのステップを含んでいる。半製品ソーラーモジュールは、透明基板上の機能層スタックを含み、前記機能層スタックは、第1接触層、光起電力層及び第2接触層のうちの少なくとも1つを含んでいる。即ち、機能層スタックは第1接触層のみを含んでもよく、透明基板上の第1接触層及び第1接触層上の光起電力層を含んでもよく、透明基板上の第1接触層、第1接触層上の光起電力層及び光起電力層上の第2接触層を含んでもよい。
【0012】
分離溝は、レーザービームによって機能層スタックにおける少なくとも1つの層に形成される。前記レーザービームは、分離溝の領域における機能層スタックの少なくとも1つの層を除去する。少なくとも透明基板は、ほぼ未処理のまま維持される。形成される分離溝は、半製品ソーラーモジュールにおける一方の側端から半製品ソーラーモジュールにおける対向する側端まで延伸する連続溝としてもよい。そのため、分離溝は、半製品ソーラーモジュールにおける一方の側端から半製品ソーラーモジュールにおける対向する側端まで延伸する第1の横方向に沿う第1延伸部を有する。また、第2延伸部が第1の横方向と直交する第2の横方向に延伸している。第1の横方向と第2の横方向により、半製品ソーラーモジュールの第1の面と平行に延伸する平面が画定される。
【0013】
第1延伸部は分離溝の長さとも称され、第2延伸部は分離溝の幅とも称される。分離溝の幅は、レーザービームの特性の変化や、機能層スタックのうち除去される層の変化(例えば、結晶構造の変化)に伴って、分離溝の長さに伴って変化する。分離溝の第3延伸部は分離溝の深さとも称され、第1の横方向及び第2の横方向と直交する第3の方向において測定される。通常、分離溝は、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層を貫通するように延伸する。即ち、分離溝の深さは少なくとも1つの層の厚さに等しい。ただし、分離溝の深さは少なくとも1つの層の厚さより小さくてもよく、大きくてもよい。また、幅の変化と同様の理由から、分離溝の深さもまた分離溝の長さに伴って変化し得る。例えば、レーザービームが少なくとも1つの層を完全には除去しない場合、少なくとも1つの層における残りの部分は残留することになる。また、本出願の分離溝は、半製品ソーラーモジュールにおける一方の側端から対向する側端に至る延伸部よりも小さな第1延伸部を有する構造としてもよい。即ち、分離溝は、第1の横方向に延伸する直線上に配置された他の構造とは切り離される小さな構造であってもよい。いずれにしても、分離溝は、透明基板に向かって機能層スタックの表面から延伸する。
【0014】
分離溝を形成した後、半製品ソーラーモジュールの第1の面における半製品ソーラーモジュールの領域を照射する。なお、「分離溝を形成した後」とは、照射前に分離溝が少なくとも被照領域に形成されることをいう。即ち、半製品ソーラーモジュールの特定領域に対して、分離溝を形成するステップと照射ステップとが連続して実行される。ただし、第1の領域を照射しながら、半製品ソーラーモジュールの第2の領域に分離溝を形成してもよい。被照領域は、第1の横方向において分離溝の少なくとも一部を覆っており、第2の横方向において分離溝全体と周辺領域を覆っている。そのため、第1の横方向において測定される被照領域の長さは分離溝の長さより小さくてもよく、等しくてもよく、大きくてもよい。また、第2の横方向において測定される被照領域の幅は分離溝の幅よりも大きい。例えば、被照領域の幅は分離溝の幅よりも36%大きい。照射する光は小さなビーム発散角を有することが好ましく、平行な光線であることがさらに好ましい。
【0015】
半製品ソーラーモジュールにおける第1の面は、レーザービームが照射される面としてもよく、半製品ソーラーモジュールにおける反対側の面としてもよい。レーザービームは、透明基板が半製品ソーラーモジュールの表面を形成する側で半製品ソーラーモジュールを照射してもよく、機能層スタックが位置する前記表面の側を照射してもよい。
【0016】
また、半製品ソーラーモジュールの第2の面において、半製品ソーラーモジュールの被照領域を透過した光の量を検出する。なお、前記第2の面は半製品ソーラーモジュールの第3の方向と対向する面である。光検出装置と照射用装置は同一の光軸上に配置されている。即ち、半製品ソーラーモジュールは垂直に放射する。検出された光の量は、透過光の横方向分布を含む画像とは大きく異なり、半製品ソーラーモジュールを透過した光の量又は光の強度を示す値である。よって、本出願では、従来技術のように画像全体ではなく、この値を評価しさえすればよい。
【0017】
従来技術から周知のように、照射される光は半製品ソーラーモジュールにおける第1の面に到達する前に集束するか、或いはその他の方式で処理される。また、半製品ソーラーモジュールを透過した光についても、検出装置に到達する前に集束するか、或いはその他の方式で処理される。
【0018】
そして、検出された光の量と少なくとも1つの基準値とを比較することで、被照領域に形成された分離溝を評価する。基準値は、分離溝に良好な機能要求を満足させるような、被照領域の分離溝の幅又は分離溝の幅及び長さを示す。例えば、基準値を分離溝の幅の下限値に対応させればよい。これによれば、検出された量が当該基準値よりも小さい場合、分離溝は被照領域において狭すぎる、即ち幅が足りないと評価される。一方、基準値を分離溝の幅の上限値に対応させてもよい。これによれば、検出された量が当該基準値よりも大きい場合、分離溝は被照領域において広すぎる、即ち十分に幅狭でないと評価される。なお、言うまでもなく、検出された光の量は2つの基準値と比較することが好ましい。正確には、下限値及び上限値と比較することが好ましい。これによれば、分離溝の適切な幅について被照領域の分離溝を良好に評価できる。
【0019】
例えば、基準値は、取得した分離溝の画像を分析するか、或いは、当該分野におけるその他の従来技術で分離溝の幅を測定することで評価される分離溝に対し光を照射するとともに、光を検出することで取得される。
【0020】
分離溝が被照領域の要求を満たしていないと評価された場合には、この領域において分離溝を再加工すればよい。例えば、1回目に形成した分離溝が狭すぎた場合には、分離溝を形成するステップを繰り返し実行すればよい。
【0021】
照射される光は第1波長を有する。透光基板及び機能層スタックのうち除去されない全ての層は第1波長に対し透光性を有し、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層は前記第1波長に対し不透光性を有する。なお、「透光」及び「不透光」との用語は絶対的な透光又は不透光を意味するわけではない。これらは、第1波長を有する光に対し、透光基板及び機能層スタックのうち除去されない全ての層が、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層の透過率よりも明らかに高い透過率を有することを意味している。これら2つの透過率の差は0.2よりも大きいことが好ましい。太陽電池の場合、第1波長は300nm〜900nmの範囲であることが好ましい。そこで、この範囲である少なくとも1つの波長を含む光を発生する任意の光源を半製品ソーラーモジュールの照射に用いればよい。例えば、通常のランプの「白色」光を用いればよい。ただし、例えば発光ダイオード(LED)のように特定の第1波長の光のみを提供する光源を使用してもよい。
【0022】
特定の実施形態において、半製品ソーラーモジュールは、各サブステップで波長の異なる2種類の光を用いて照射する。これによれば、2つの波長の透過光量を検出して収集されるスペクトル情報から、機能層スタックにおける層別の情報が得られる。また、半製品ソーラーモジュールは2つのサブステップで光を用いて照射するが、第2サブステップで照射する光は、第1サブステップで照射する第1波長を有する光を含まない。或いは、第1サブステップで照射する光は、第2サブステップで照射する第2波長を有する光を含まない。2つの異なるLED光を使用することが好ましい。また、機能層は少なくとも2つの異なる層を含んでいる。機能層スタックにおける少なくとも1つの層が分離溝の領域から除去されるとともに、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層又は機能層スタックのうち除去されない少なくとも1つの層が、第1波長の光と第2波長の光に対し異なる透過率を有する。なお、異なる透過率とは、対応する層が透光から不透光、或いはその逆に変化することを意味する。
【0023】
機能層スタックのうち除去されない少なくとも1つの層は、第1波長と第2波長の間で透過率が変化する場合には、除去されない少なくとも1つの層について、少なくとも1つの他の層を除去する際に生じた孔や擦傷等の損傷情報を取得可能となる。これは、例えば光起電力層に形成されるが第1接触層には形成されない分離溝を検査する際に実行可能である。
【0024】
また、他の実施例では、機能層スタックにおける少なくとも2つの層が除去される。このとき、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの第1層は第1波長と第2波長の間で透過率を変化させ、少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つの第2層は透過率を変化させない。即ち、第1波長について、機能層スタックのうち除去されない全ての層は透光性を有し、且つ、少なくとも1つの第1層及び少なくとも1つの第2層は不透光性を有する。また、第2波長について、透光基板及び少なくとも1つの第1層は透光性を有するが、少なくとも1つの第2層は不透光性を有する。これにより、分離溝における第1層の残留部分を検出可能となる。これは、例えば光起電力層に形成されるとともに第1接触層にも形成される分離溝を検査する際に実行可能である。
【0025】
例えば、第1波長は可視光線範囲である400nm〜700nmの間とすればよい。また、例えば、第2波長は赤外光範囲である780nm〜1mmの間とするか、或いは、紫外光範囲である10nm〜380nmの間とすればよい。
【0026】
なお、形成された分離溝に充填される材料の評価にも同様の技術を適用可能である。例えば、前記材料は、従来技術により第1分離溝に充填されるフォトレジストとしてもよい。前記材料は、第3波長を有する光に対して第1透過率を有する。また、前記第3波長に対し、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層は不透光性を有し、透光基板及び機能層スタックのうち除去されない全ての層は透光性を有する。第3波長は上述の第1波長と等しくてもよく、上述の第2波長と等しくてもよく、これらと異なるものでもよい。材料の第1透過率は、透光基板及び機能層スタックのうち除去されない全ての層を含む層スタックの特性を表す第2透過率とは異なっている。透過光の量が基本的には材料の第1透過率に対応するよう、第2透過率は第1透過率よりも大きいことが好ましい。また、前記第1透過率は、材料の種類、材料の品質及び材料の厚さにより決定される。半製品ソーラーモジュールの領域は、材料を分離溝に充填するステップの後に照射される。このとき第3波長を有する光が照射に用いられ、検出された光の量が材料の特性評価に使用される。
【0027】
好ましい実施形態において、分離溝を形成するレーザービームは、半製品ソーラーモジュールにおける第1又は第2の面の上方で相対的に移動する。また、照射用装置及び光検出装置は、レーザービームと同様の方式で半製品ソーラーモジュールにおける第1又は第2の面の上方で相対的に移動する。即ち、レーザービームと照射用装置及び検出装置が半製品ソーラーモジュールの静止時に移動してもよく、半製品ソーラーモジュールがレーザービームと照射用装置及び光検出装置の静止時に移動してもよい。ただし、半製品ソーラーモジュールが一方に移動しながら、レーザービームと照射用装置及び検出装置が他方に移動することで相対移動を形成してもよい。いずれにしても、照射、検出及び評価のステップは、第1の横方向において分離溝の延伸部に沿って配置される複数の領域に対し実行される。換言すれば、レーザービームを相対的に移動させて形成される長尺の分離溝は、複数の領域を繰り返し照射、検出及び評価することで検査及び評価される。これらの領域のうち各領域は他の領域と隣接しているか、或いは、隣接する領域と部分的に重なっていることが好ましい。これにより、分離溝全体を監視可能となる。
【0028】
照射用装置と検出装置は、一定の距離を置いてレーザービームの直後に追随することが好ましい。即ち、ビームがレーザービームと一定の距離を置いて半製品ソーラーモジュールに照射される。これにより、一定の時間間隔ごとに、半製品ソーラーモジュール上に前記時間間隔で分離溝が形成された領域と、半製品ソーラーモジュールにおける光を照射する領域との間に一定の距離が置かれる。この距離は、5mm〜20mmの範囲とすればよい。
【0029】
照射用装置と検出装置の移動時には、連続的に検出される一連の光の量として、これら装置の位置変化に伴って検出される光の量を示す信号曲線が得られる。前記連続的に検出される一連の光の量によって、分離溝を経時監視することが可能となる。また、レーザービームの全異常、分離溝の欠陥増加、或いはレーザービームにおけるパラメーターのドリフトを検出し、これらの問題を解消することが可能となる。上記の目的のために、評価ステップでは、所定の時間内に検出される光の量の平均値、最小値又は最大値を決定するといった別の統計評価ルーチンを実行する。更に、前記方法は、所定のイベントのうちのいずれかが発生し、且つ、統計評価ルーチンによりパラメーターの変更が必要であることが検出された場合に、レーザービーム発生装置のパラメーターを変更するステップを含んでいる。
【0030】
本出願におけるソーラーモジュールに分離溝を形成するレーザースクライビング過程を監視するシステムは、レーザービーム発生装置、半製品ソーラーモジュールの領域の照射用装置、光量検出装置、及び形成された分離溝の評価装置を含んでいる。これらの装置のうちの少なくとも一部は1つのデバイスに統合してもよい。即ち、上記の装置を物理的に互いに固定してもよく、密封ユニットを形成してもよい。ただし、全ての装置を、光量検出装置から評価装置にデータを送信するデータ接続を少なくとも有する別々のデバイスで実現してもよい。
【0031】
レーザービーム発生装置は、分離溝の領域における機能層スタックのうち少なくとも1つの層を除去することで、半製品ソーラーモジュールの機能層スタックのうち少なくとも1つの層に分離溝を形成することに適している。機能層スタックは、第1接触層、光起電力層及び第2接触層のうちの少なくとも1つを含むとともに、透光基板上に配置されている。レーザービーム発生装置は、第1波長の少なくとも1つのレーザービームを発生させてもよく、同一又は異なる波長の2つ以上のレーザービームを発生させてもよい。
【0032】
照射用装置は、半製品ソーラーモジュールの第1の面における半製品ソーラーモジュールの領域を照射するのに適している。被照領域は、第1の横方向において分離溝の少なくとも一部を覆っており、第1の横方向と直交する第2の横方向において分離溝全体と周辺領域を覆っている。なお、横方向については上述した通りである。
【0033】
光量検出装置は、半製品ソーラーモジュールの第2の面において、半製品ソーラーモジュールの被照領域を透過した光の量を検出するのに適している。第2の面は、半製品ソーラーモジュールにおける第1の面と対向する面である。第1の面と第2の面は、ソーラーモジュールの厚さと直交する平面において延伸している。光検出装置は照射用装置と同一の光軸上に位置しており、例えば、光を検出するための光度計又は1つの光センサ、或いは複数の光センサを含んでもよい。
【0034】
形成された分離溝の評価装置は、検出された光の量と基準値を比較することで、被照領域に形成された分離溝を評価することに適している。この目的のために、評価装置は1又は複数の閾値を含んでもよい。例えば、下限値と上限値を含んでもよく、前記閾値がメモリユニット、比較ユニット及び出力ユニットに記録される。前記出力ユニットは、少なくとも1つの閾値について逸脱があった場合に信号を出力する。
【0035】
照射用装置は第1波長を含む光の出射に適している。透光基板及び機能層スタックのうち除去されない全ての層は第1波長に対し透光性を有し、機能層スタックのうち除去される少なくとも1つの層は前記第1波長に対し不透光性を有する。例えば、照射用装置は「白色」光を出射する通常のランプとしてもよく、特定波長の光を出射する発光ダイオードとしてもよい。好ましくは、照射用装置は小さなビーム発散角を有する光を出射し、より好ましくは平行な光線を出射する。この目的のために、照射用装置は例えばレンズといった光学デバイスを含んでもよい。
【0036】
実施形態の一例において、照射用装置は第1波長を有する光の出射に適するとともに、第2波長を有する光の出射に適しており、前記第2波長は前記第1波長と異なっている。機能層スタックのうちの少なくとも1つの層は、第2波長に対して第1波長とは全く異なる透過率を有することが好ましい。即ち、透光から不透光、又はその逆に変化可能である。一の実施例において、第1波長は可視光領域に属しており、第2波長は赤外線領域又はUV領域に属している。
【0037】
好ましい実施形態において、前記システムは搬送装置を含み、前記搬送装置は、半製品ソーラーモジュールの第1又は第2の面の上方において、レーザービーム発生装置の第1の横方向に沿う相対移動を実現し、照射用装置と光検出装置は、レーザービーム発生装置と同様の方式で、半製品ソーラーモジュールにおける第1又は記第2の面の上方で相対的に移動する。例えば、当該搬送システムは、搬送ベルト又は複数のローラー又は軸としてもよい。搬送システムは、第1の横方向においてシステム内で半製品ソーラーモジュールを移動させる。その結果、半製品ソーラーモジュールが移動し、レーザービーム発生装置で発生したレーザービームが透過するとともに、照射用装置から出射された光ビームが透過する。レーザービーム発生装置、照射用装置及び光量検出装置は、システム内で静止していてもよく、移動してもよい。
【0038】
照射用装置は時間の推移とともに連続的に光を出射することに適していることが好ましい。また、光量検出装置は時間の推移とともに連続的に光を検出することに適していることが好ましい。このほか、評価装置は、連続的に検出された一連の光の量を評価することに適している。したがって、半製品ソーラーモジュールと照射用装置及び光量検出装置が相対的に移動する場合、大量の被照領域において(即ち、長さ方向において大きく)連続的に分離溝を評価可能となる。これによれば、確実且つ迅速に分離溝の欠陥及び/又は分離溝の評価パラメーターにおける少なくとも1つのドリフト(即ち、ゆっくりとした変動)を検出可能となる。
【0039】
特定の実施形態において、レーザービーム発生装置と照射用装置は、第1の横方向において第1の距離を隔てるよう、レーザースクライビング過程を実行するデバイスに配置されている。好ましくは、第1の距離は5mm〜20mmの範囲であり、より好ましくは5mm〜15mmの範囲であり、例えば10mmとする。この距離は、特定のレーザースクライビング過程において一定とする。よって、分離溝における欠陥は、分離溝の形成後において非常に迅速に識別される。
【0040】
好ましい実施形態において、半製品ソーラーモジュールは、第1の時間帯において、レーザースクライビング過程を実行するデバイス内で第1の横方向において第1の方向へと搬送されるとともに、第2の時間帯において、第1の横方向に沿って第2の方向へと搬送される。なお、第2の方向は第1の方向と逆である。また、第1の方向と第2の方向は、それぞれ第1の横方向における正の方向及び負の方向とも称される。即ち、半製品ソーラーモジュールに複数の分離溝を形成するために、半製品ソーラーモジュールは、レーザービーム上を、まず第1の方向に移動し、続いて第2の方向へと移動し、その度ごとに分離溝が形成される。これら2つのレーザースクライビングステップの間に、半製品ソーラーモジュールは第2の横方向に移動する。前記第2の横方向は第1の横方向と直交しており、且つ、半製品ソーラーモジュールにおける第1の面と平行な平面を画定する。形成された分離溝を2つの方向において評価するために、第1の照射用装置と第1の光検出装置は、第1の横方向においてレーザービーム発生装置の第1の側方に配置されており、第2の照射用装置と第2の光検出装置は、第1の横方向においてレーザービーム発生装置の第2の側方に配置されている。また、第2の側方と第1の側方は対向している。
【0041】
前記システムは、半製品ソーラーモジュールの領域の位置を記憶するメモリ装置を更に含み、前記領域について、評価装置で分離溝の欠陥を識別してもよい。その後、記憶された情報は、当該位置における分離溝の修正に使用されてもよい。前記位置は、半製品ソーラーモジュール上の基準点(例えば、半製品ソーラーモジュールの隅)に対応している。
【0042】
前記システムは制御装置を更に含み、前記制御装置は、評価装置から提供された結果に基づいてレーザービーム発生装置を制御してもよい。よって、評価装置がパラメーターの変更が必要であることを検出した場合には、レーザービームのパラメーターのうち少なくとも1つを変更又は修正すればよい。このほか、制御装置は搬送装置を制御してもよい。
【0043】
前記システムは、更に吸引装置を含んでもよい。前記吸引装置は、スクライビング過程で発生するガスや粒子を半製品ソーラーモジュールの周辺から吸引することに適している。吸引装置は半製品ソーラーモジュールにおける第2の側方に配置されることが好ましい。また、透光基板は第1の側方において半製品ソーラーモジュールの表面を形成しており、且つ、第2の側方と第1の側方は対向している。
【0044】
本発明の更なる理解のために図面を提供する。なお、図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を説明するとともに、原理を説明するために本発明の記載と合わせて使用される。なお、本発明においてはその他の実施形態も可能であり、且つこれらもまた本発明の範囲に含まれる。且つ、図面に示される部品は相対的な比率で記載されているとは限らない。また、同じ符号は対応する同一部分を示している。