特許第6708885号(P6708885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708885
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】操作機構及び操作機構の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/00 20060101AFI20200601BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20200601BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G05G5/00 C
   F24C15/00 S
   G05G1/02 B
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-58202(P2018-58202)
(22)【出願日】2018年3月26日
(65)【公開番号】特開2019-169073(P2019-169073A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年3月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226507
【氏名又は名称】株式会社ニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 彩人
(72)【発明者】
【氏名】越 和也
(72)【発明者】
【氏名】山岡 匡太
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−2534(JP,U)
【文献】 実開昭64−18685(JP,U)
【文献】 実開平2−116313(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 5/00
F24C 15/00
G05G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有する操作パネルと操作部の前面とが略同一平面となる後方位置と、前記操作部が前記開口を通して前記操作パネルよりも前方側に突出する前方位置との間で変位可能な操作装置に具備される操作機構であって、
前記操作部の軸方向後方側に連結され、少なくとも一端部が開口した筒状の第1ケース部と、
前記第1ケース部内に収容され、前記第1ケース部に対して軸方向に摺動可能に設けられた筒状の第2ケース部と、
前記第2ケース部に対して前記第1ケース部を軸方向に付勢させる弾性部材と、を備え、
前記第2ケース部の外周面及び前記第1ケース部の内周面のいずれか一方に凹部、他方に該凹部内を移動する凸部がそれぞれ軸方向に延在して設けられ、
前記凸部及び前記凹部は、軸方向前方側に向かうに従い、延在方向に対して直交する方向の幅が広くなる傾斜面をそれぞれ有し、
前記操作部が前記前方位置にあるときに、前記凸部の前記傾斜面が前記凹部の前記傾斜面に当接する、操作機構。
【請求項2】
前記凹部は、前記第1ケース部の内周面に形成され、
前記凸部は、前記第2ケース部の外周面から突出して形成されている、
請求項1に記載の操作機構。
【請求項3】
前記凹部及び前記凸部は、それぞれ前記第1ケース部及び前記第2ケース部の周方向に所定間隔をあけて少なくとも3箇所設けられている、
請求項1又は2に記載の操作機構。
【請求項4】
前記凸部の前記傾斜面の傾斜角度は、前記第2ケース部の軸線方向に対して0.25°以上45°以下である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の操作機構。
【請求項5】
前記第1ケース部は、軸方向両端側が開口し、
前記第1ケース部の軸方向前方側の開口部を覆うカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記第1ケース部の係止部と係合して前記第1ケース部の軸方向前方側に固定するための被係止部を有し、
前記弾性部材は、前記第2ケース部と前記カバー部材とにより軸方向に押圧保持される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の操作機構。
【請求項6】
一端が前記第1ケース部の軸方向前方側の端部に位置する孔に差し込まれると共に、他端が前記第2ケース部のカム溝に沿って案内される係止ピンを有し、
前記係止ピンが前記カム溝の所定の係止部に係止されることにより、前記操作部が前記後方位置又は前記前方位置に保持されるものであり、
前記第1ケース部のうち軸方向前方側の端部が前記カバー部材の貫通孔に差し込まれた状態で、前記第1ケース部と前記カバー部材とが固定される、
請求項5に記載の操作機構。
【請求項7】
一端が前記カバー部材に設けられた孔に差し込まれると共に、他端が前記第2ケース部のカム溝に沿って案内される係止ピンを有し、
前記係止ピンが前記カム溝の所定の係止部に係止されることにより、前記操作部が前記後方位置又は前記前方位置に保持される、
請求項5に記載の操作機構。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の操作機構の製造方法であって、
前記凸部及び前記凹部と略平行に設けられた副凸部及び副凹部を有し、前記凸部及び前記凹部と前記副凸部及び前記副凹部の相対的位置をそれぞれ変えた、複数のキャビティを有する金型を用いて、それぞれに対応する前記第1ケース部と前記第2ケース部を作成する工程を含む、操作機構の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作機構及び操作機構の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば加熱調理器具等には、操作パネルの開口部内に配置されたつまみを、プッシュプッシュ機構により操作パネルより押し込み及び突出自在に構成した操作つまみ装置が知られている。熱源の非使用時にはつまみを押し込み、熱源の使用時にはつまみを突出させて回転操作することにより火力を調節することができる。
【0003】
上記プッシュプッシュ機構を備えた操作つまみ装置を開示したものとして、例えば特許文献1がある。特許文献1の操作つまみ装置では、操作ボタン4(以下、操作筒部4と称する)と固定部材5との間にばねを介在させて、操作筒部4を固定部材5に対して進退自在に構成している。詳細には、操作筒部4及びこれと連結されるつまみ4aの前面が操作パネル2の前面と略同一平面となる後退位置(特許文献1の図2)からつまみ4aを押すと、プッシュプッシュ機構のカム溝に設けた第1係止部Aと作動ピン7aとの係合が解かれ、作動ピン7aはカム溝に沿って移動し第2係止部Bと係合する状態となり(特許文献1の図3)、これによってつまみ4aを操作パネル2から突出する前進位置に切換える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平3−18982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載の操作つまみ装置では、作動ピン7aを配置した固定部材5の一方側に対して中央軸を挟んで反対側に、軸方向に延びる長溝8を固定部材5に設けると共に、当該長溝8と係合する係止ピン9を操作筒部4に設けている(特許文献1の図2及び図3)。特許文献1によれば、上記前進位置に操作筒部4が移動したときに、特許文献1の図3に示すように、係止ピン9が軸方向に延びる長溝8の一端側に係合して操作筒部4と固定部材5とが分離することを抑制できるとされている。
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の係止ピン9と長溝8との係合により、操作筒部4の軸方向の動きを固定することはできるものの、固定部材5に対する操作筒部4及びこれに連結されたつまみ4aのがたつきが生じるという問題があった。
【0007】
上記がたつきを抑えることを意図して、例えば、特許文献1の固定部材5に、その外周面の軸方向に延在するリブを設け、当該リブを摺動可能に案内する凹部を操作筒部4の内周面に形成するという考え方もある。この構成によれば、操作筒部の内周面に形成された凹部内に沿ってリブが案内され、プッシュプッシュ機構により操作筒部及びこれと連結されるつまみを前後方向に移動させることができるので、特許文献1記載の構成よりもある程度がたつきを抑えることはできる。しかしながら、このようなリブと凹部を設けたとしても、製造上両者の間には僅かな間隙を設ける必要があるので、特に、つまみの前面が操作パネルから突出する前進位置に移動したときに(すなわち特許文献1の図3に示す状態のとき)、当該間隙により操作筒部及びつまみのがたつきが生じるおそれがあった。がたつきの度合いによっては動作時に操作パネルとの隙間が部分的に無くなり擦れて音が発生するというさらなる問題が発生し、製造上歩留まりが悪くなるおそれもあった。
【0008】
そこで、本発明は、操作部の前面が操作パネルから突出する位置に移動したときの操作部のがたつきを抑制することができる技術を歩留まりを悪くすることなく提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る操作機構は、前面に開口を有する操作パネルと操作部の前面とが略同一平面となる後方位置と、前記操作部が前記開口を通して前記操作パネルよりも前方側に突出する前方位置との間で変位可能な操作装置に具備される操作機構であって、前記操作部の軸方向後方側に連結され、少なくとも一端部が開口した筒状の第1ケース部と、前記第1ケース部内に収容され、前記第1ケース部に対して軸方向に摺動可能に設けられた筒状の第2ケース部と、前記第2ケース部に対して前記第1ケース部を軸方向に付勢させる弾性部材と、を備え、前記第2ケース部の外周面及び前記第1ケース部の内周面のいずれか一方に凹部、他方に該凹部内を移動する凸部がそれぞれ軸方向に延在して設けられ、前記凸部及び前記凹部は、軸方向前方側に向かうに従い、延在方向に対して直交する方向の幅が広くなる傾斜面をそれぞれ有し、前記操作部が前記前方位置にあるときに、前記凸部の前記傾斜面が前記凹部の前記傾斜面に当接する。
【0010】
この態様によれば、操作部(つまみ)が前方位置にあるときに、第2ケース部の凸部の傾斜面が第1ケース部の凹部の傾斜面に当接するので、両者(第1ケース部及び第2ケース部)の間のがたつきを抑えることができる。がたつきを抑えることにより、操作部を回す際に良好な操作感覚を得ることができ、操作装置としての高級感が損なわれることを防ぐことができる。また、操作部が前方位置にあるときに凸部の傾斜面と凹部の傾斜面とが当接することにより、操作部が後方位置から前方位置に移動するときの操作部の分離(言い換えれば、第2ケース部に対する第1ケース部の分離)を抑制することができる。その結果、より大きな弾性係数を有する弾性部材を組み込むことができるので、操作部を押したときの操作感覚を重くすることができ、操作感覚の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作部の前面が操作パネルから突出する位置に移動したときの操作部のがたつきを抑制することができる技術を歩留まりを悪くすることなく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る操作機構を加熱調理器に搭載した一例を示す外観図である。
図2】本実施形態に係る操作機構に含まれる操作つまみ装置を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係る操作機構の構成を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る操作機構の構成を示す上面図である。
図5図4のIV−IV断面を示す断面図である。
図6】本実施形態に係る操作機構をカバー部材側から見た図である。
図7】本実施形態に係る操作機構の分解斜視図である。
図8図7のパイププランジャーの構成を示す斜視図である。
図9図8のA方向から見たパイププランジャーの側面図である。
図10図9のV−V断面を示す断面図である。
図11図7のフランジコアの構成を示す斜視図である。
図12図11のC方向から見たフランジコアの側面図である。
図13図11のD方向から見たフランジコアの側面図である。
図14】操作部の後方位置及び前方位置を説明するための要部断面図である。
図15】変形例に係る操作機構の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の便宜上、前後左右及び上下に関しては、図2及び3に示すものを基準にしている。各図において、同一の符号を付したものは、同一の又は同様の構成を有する。
【0014】
図1は、本実施形態における操作機構を加熱調理器に搭載した一例を示す外観図である。図2は、操作つまみ装置の構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、加熱調理器100の前面には操作パネル110が備えられている。この操作パネル110には、操作つまみ装置1を挿入するための開口110aが複数設けられている。操作つまみ装置1のつまみ10(操作部)は、開口110aの内側に配置されている。
【0016】
図1及び図2に示すように、つまみ10は、プッシュプッシュ機構とも称される2度押し係脱機構により、操作パネル110より押し込み及び突出自在に装着される。図1に示す加熱調理器100の非使用時には、つまみ10をプッシュ操作によって操作パネル110より押し込み、加熱調理器100の使用時には、つまみ10をプッシュ操作により突出させ、その後回転操作することで火力を調整することができる。
【0017】
尚、図1では、操作つまみ装置1を加熱調理器100に搭載した例を示したが、この例に限定されず、例えばガス器具や電子レンジ等その他の装置に適宜搭載することが可能である。
【0018】
つまみ10と、エンコーダ40に連結された回動型の操作軸40aとの間には、図2に示すように、プッシュプッシュ機構に含まれるパイププランジャー21及びフランジコア22が配設されている。
【0019】
パイププランジャー21は、つまみ10の筒部10a(図2)に嵌合固定される。パイププランジャー21の内部に遊合するフランジコア22は、その後方側が操作軸40a(図2)の先端に嵌合固定される。操作軸40a及びこれと連結されるフランジコア22は軸方向に固定された状態であるため、フランジコア22に対して摺動可能に嵌合されるパイププランジャー21及びこれと連結されたつまみ10がスプリング23の付勢力により軸方向に前進自在に構成されている。つまみ10が移動する後方位置及び前方位置の詳細は後述する。
【0020】
つまみ10を軸方向に駆動するための操作機構の構成について説明する。図3は、図2の操作つまみ装置に含まれる操作機構の構成を示す斜視図である。図4は、図2の操作つまみ装置に含まれる操作機構の上面図である。図5は、図4のIV−IV断面を示す断面図である。図6は、図2の操作つまみ装置に含まれる操作機構を軸方向前方側から見た図である。図7は、図2の操作つまみ装置に含まれる操作機構の分解斜視図である。図8は、図7のパイププランジャーの構成を示す斜視図である。図9は、図8のA方向から見たパイププランジャーの側面図である。図10は、図9のV−V断面を示す断面図である。図11は、図7のフランジコアの構成を示す斜視図である。図12は、図11のC方向から見たフランジコアの側面図である。図13は、図11のD方向から見たフランジコアの側面図である。
【0021】
図3に示すように、操作機構20は、パイププランジャー21、フランジコア22、スプリング23、カバー部材24、ロックピン25を備える。
【0022】
パイププランジャー21は、例えば合成樹脂材料から成り、軸方向両端部が開口した形状を呈する筒状本体21aを有する。筒状本体21aは、図8に示すように、上面部21cと、側面部21dと、上面部21cと側面部21dとの間及び側面部21d同士の間を連接する連接面部21eとから成る略円筒形状を呈している。
【0023】
上面部21cは、パイププランジャー21の上面に位置する、略平板状に形成された部材である。上面部21cは、筒状本体21aの端部21a1から軸方向前方側に突出する突出部21c1を有する。突出部21c1の軸方向前方側の端部には、ロックピン25の先端25aが差し込まれる支点孔Ha(図4、5等)が形成されている。突出部21c1のうち軸方向前方側に位置する部分(言い換えれば、突出部21c1のうち支点孔Haが形成される部分の近傍)は、後述のカバー部材24の貫通孔24c(図6)に嵌合して固定される
【0024】
側面部21dは、パイププランジャー21の側面に位置する、略平板状に形成された部材である。側面部21dは、パイププランジャー21の軸方向前方側から後方側まで延在している。側面部21dは、その軸方向前方側の部分が筒状本体21aの端部21a1(図8)から突出しており、当該突出した部分の先端に、カバー部材24と係合する係止部21d1が設けられている。この係止部21d1は、カバー部材24の底板24aの左右両端側に形成された溝状の被係止部24d1に係止めされるように、径方向内側に屈曲した形状を有する。
【0025】
前述のパイププランジャー21の突出部21c1及び係止部21d1と篏合するカバー部材24は、パイププランジャー21の軸方向前方側の開口を覆うように組み付けられる。カバー部材24は、例えば合成樹脂材料から成り、少なくとも一面が開口した四角箱形状を呈する。カバー部材24は、底板24aと側板24bとを備える。側板24bには、前述のパイププランジャー21の側面部21dの突出箇所を案内する軸方向に延在した凹形状のガイド溝24d(図7)が形成されている。底板24aには、前述の突出部21c1が嵌合する貫通孔24c(図6)と、パイププランジャー21の係止部21d1に係合される被係止部24d1(図6及び7)とが形成されている。パイププランジャー21の突出部21c1がガイド溝24dに沿って被係止部24d1に案内されるように、ガイド溝24dと被係止部24d1とは連接して形成されている。パイププランジャー21の軸方向前方側にカバー部材24を組み付けるときには、側面部21dのうち軸方向前方側に突出した箇所がカバー部材24のガイド溝24dに案内され、側面部21dの係止部21d1がカバー部材24の被係止部24d1に係止されて固定される。尚、底板24aには、その中央部に立設されたスプリングガイド突起24eが設けられる。スプリング23は、その一方の端部が当該スプリングガイド突起24eに差し込まれた状態で載置される。後述するように、スプリング23は、底板24aと、後述のフランジコア22内部に位置する支持板22m(図5)との間で押圧保持される。
【0026】
パイププランジャー21の内周面には、フランジコア22のリブRを案内する凹形状の溝G(凹部)が形成されている。溝Gは、パイププランジャー21の内周面の周方向に所定間隔をあけて複数設けられている。
【0027】
溝Gは、軸方向両端が開口した筒状本体21aの軸方向一端から他端まで延在して設けられている。溝Gは、図9に示すように、底壁面Gd及び一対の側壁面(Ga、Gb、Gc)から成る側面視凹形状を呈している。
【0028】
底壁面Gdは、パイププランジャー21の軸方向に沿って略平行な平面形状を呈している。側壁面Ga、側壁面Gb、側壁面Gcは、軸方向前方側からこの順に設けられている。側壁面Ga及び側壁面Gcは、軸方向に略平行に延在する平面形状を呈している。側壁面Gaと側壁面Gcとの間をつなぐ側壁面Gbは、軸方向に対して所定角度傾斜した傾斜面(テーパ面)を構成している。側壁面Gbは、図10に示すように、軸方向前方側に向かうに従い(図10において右方向に向かうに従い)、溝Gの延在方向に直交する方向の幅が広くなるように傾斜している。このような側壁面Gbが形成されているため、溝Gのうち軸方向前方側に位置する溝Gの幅(図10に示すD2)は、軸方向後方側に位置する溝Gの幅(図10に示すD1)より大きくなっている。
【0029】
本実施形態では、図10に示すように、側壁面Gaの軸方向の長さは側壁面Gbの軸方向の長さよりも長く、側壁面Gbの軸方向の長さは側壁面Gcの軸方向の長さよりも長い。つまり、側壁面Gbは、パイププランジャー21の内周面に形成される溝Gのうち、軸方向後方側の位置に配設されている。後述するように、溝Gの側壁面Gb(以下、傾斜面Gbとも称する)は、つまみ10が後方位置から前方位置に移動したときに、フランジコア22のリブRの側面Rb(以下、傾斜面Rbとも称する)と当接する。
【0030】
溝Gの傾斜面Gb同士がなす角度(図10に示す角度θ1)は、0.5°以上90°以下の範囲であればよい(言い換えれば、傾斜面Gbの傾斜角度は、パイププランジャー21の軸線AX方向に対して0.25°以上45°以下の範囲であればよい)。好適には、角度θ1は、2°以上60°以下であることが好ましい。
【0031】
尚、本実施形態では、溝Gは、パイププランジャー21の内周面の周方向に沿って3箇所設けられているが、この例に限定されず、適宜その個数を変更することができる。また本実施形態における溝Gの側壁面は傾斜している部分を有していればよく、図示の形状(側壁面Ga、側壁面Gb、側壁面Gc)に限定されず適宜変更することができる。
【0032】
また本実施形態では、パイププランジャー21の内周面に前述の溝Gが形成されている他、溝Gsが形成されている。溝Gsは、パイププランジャー21の内周面から窪む凹形状を有し、溝Gと異なる形状を呈している。溝Gsは、前述の溝Gと同様、フランジコア22のリブRsを案内するように形成されている。
【0033】
また、各溝Gのうち下方側に位置する溝G´の中央部は、軸AXを通り鉛直方向(上下方向)に延びる中央軸C1から外れた位置に設けられている。すなわち、溝G´は、パイププランジャー21を軸方向前方側又は軸方向後方側から見たときに、中央軸C1から左右方向に僅かにずれた位置に設けられている。図9では、パイププランジャー21を軸方向前方側から見たときに、溝G´を中央軸C1から左側にずれた位置に設けると共に、前述の溝Gsを中央軸C1よりも右側の位置(中央軸C1を挟んで溝G´が設けられる位置とは反対側)に設けているが、図9に破線で示すように溝を形成してもよい。
【0034】
具体的には、パイププランジャー21を軸方向前方側から見たときに、図9に破線で示す溝G´を中央軸C1から右側にずれた位置に設けると共に、溝Gsを中央軸C1から左側にずれた位置に設けてもよい。このような位置に設けた溝G´、Gsと対応するように後述のフランジコア22のリブR´、Rs(図12に破線で示すリブR´、Rs)を設けてもよい。このように、溝G´、Gsの位置を異ならせたパイププランジャー21及びリブR´、Rsの位置を異ならせたフランジコア22を成型することにより、各溝及びリブが全て同一位置の成型品を製造する場合と比較して次のような効果を奏する。すなわち、各溝及びこれらに案内されるリブが全て同一位置のパイププランジャー及びフランジコアを、所定の金型(図示略)を用いて複数成型する場合、当該所定の金型を用いて成型された各成型品(パイププランジャー及びフランジコア)において、各溝及びこれに案内されるリブの形成位置に寸法誤差が生じ得る。そのため、仮に、各成型品の組合せで互いに最大寸法誤差が生じている成型品をそれぞれ組み合わせた場合、不良品が生じてしまうおそれがある。
【0035】
これに対して、本実施形態では、前述したように、溝G´、Gsの位置を異ならせたパイププランジャー21及びこれらに案内されるリブR´、Rsの位置を異ならせたフランジコア22を所定の金型を用いて成型している。すなわち、当該所定の金型を用いて、図9に実線で示す溝G´、Gsを有するパイププランジャー21と図12に実線で示すリブR´、Rsを有するフランジコア22とを組み合わせ、更に、図9に破線で示す溝G´、Gsを有するパイププランジャー21と図12に破線で示すリブR´、Rsを有するフランジコア22とを組み合わせる。これにより、それぞれの各成型品(パイププランジャー21及びフランジコア22)の組合せにおいて生じる寸法誤差を、前述のような各溝及びリブが全て同一位置の成型品を製造する場合に生じる寸法誤差と比較して抑えることができる。その結果、製造された製品の信頼性を向上させることができる。
【0036】
以上のような図9及び図12を参照しながら説明したパイププランジャー21及びフランジコア22の製造工程は、次のような工程を含む。すなわち、リブR´及び溝G´と略平行に設けられたリブRs(副凸部)及び溝Gs(副凹部)を有し、リブR´及び溝G´とリブRs及び溝Gsの相対的位置をそれぞれ変えた、複数のキャビティを有する所定の金型を準備し、当該金型を用いて、それぞれに対応するパイププランジャー21及びフランジコア22を作成する工程を含む。このような複数のキャビティを有する所定の金型を用いて、それぞれに対応するパイププランジャー21及びフランジコア22を得ることで、パイププランジャー21とフランジコア22との組合せを限定することができる。
【0037】
以上説明した本実施形態では、パイププランジャー21及びフランジコア22について、2つの組合せの例(図9及び12において、実線で示す溝G´、Gs及びこれらに案内されるリブR´、Rs、破線で示す溝G´、Gs及びこれらに案内されるリブR´、Rs)を説明したが、3つ以上の組合せに基づき溝及びリブを成形しても良い。これにより、個体差間の寸法誤差による組合せ最大誤差を更に抑制することができ、より一層製品の信頼性を向上させることができる。
【0038】
フランジコア22は、例えば合成樹脂材料から成り、その一部がパイププランジャー21の開口部から突出するようにパイププランジャー21内に収容される。フランジコア22は、軸方向両端部が開口しており、略平板状の上面22a及び一対の側面22bと、略円弧状の底面22cとからなる略円筒形状を呈している。上面22aにはハート型のカム溝Mが設けられ、一対の側面22b及び底面22cにはリブRが設けられている。尚、図12に示すように、側面22bの下端には、円弧状の曲面から成る底面22cよりも下方側に突出したリブRsが設けられている。
【0039】
リブR、Rsは、パイププランジャー21の溝G内を移動可能なように、フランジコア22の外周面の軸方向に沿って延在して設けられている。前述したように、略同一形状を呈する3つのリブRは、パイププランジャー21の溝G内を摺動し、リブRsはパイププランジャー21の溝Gs内を摺動する。
【0040】
リブRは、頂面Rd及び一対の側面(Ra、Rb、Rc)から成る側面視凸部形状を呈している。頂面Rdは、図12に示すように、フランジコア22の軸方向に沿って略平行な平面形状を呈している。側面Ra、側面Rb及び側面Rcは、軸方向前方側からこの順に配設されている。側面Ra及び側面Rcは、図13に示すように、軸方向に平行に延在する平面形状を呈している。側面Raと側面Rcとの間を接続する側面Rbは、軸方向に対して所定角度傾斜した傾斜面(テーパ面)を構成している。側面Rbは、図13に示すように、軸方向前方側に向かうに従い、リブRの延在方向に直交する方向の幅が広くなるように傾斜している。このような側面Rbが形成されているため、リブRのうち軸方向前方側に位置する部分の幅(図13に示すD4)は、リブRのうち軸方向後方側に位置する部分の幅(図13に示すD3)より大きくなっている。
【0041】
リブRの側面Rb(傾斜面)同士がなす角度(図13に示す角度θ2)は、0.5°以上90°以下の範囲であればよい(言い換えれば、傾斜面Rbの傾斜角度は、フランジコア22の軸線AX方向に対して0.25°以上45°以下の範囲であればよい)。好適には、角度θ2は、2°以上60°以下であることが好ましい。角度θ1、θ2は必ずしも同一でなくてもよく、角度θ1よりも角度θ2の角度を僅かに大きくすることで、楔状に溝GのリブRが嵌合し、フランジコア22とパイププランジャー21とのがたつき(言い換えれば、パイププランジャー21に連結されるつまみ10のがたつき)を更に抑えることができる。
【0042】
尚、リブRのうち軸方向後方側に位置する部分の幅D3は、前述の溝Gに沿ってリブRが摺動可能に案内されるように、溝Gのうち軸方向後方側に位置する部分の幅D1より小さく設定される。また、側面Rcの軸方向の長さは、側面Rbの軸方向の長さよりも長く、側面Rbの軸方向の長さは、側面Raの軸方向の長さよりも長く、側面Rbは、リブRにおける軸方向前方側の部分に位置している。
【0043】
以上説明した実施形態では、凸形状を呈するリブRの側面は、前述の側面Ra、側面Rb及び側面Rcを含むものであるが、図示に示した側面形状に限定されない。すなわち、本実施形態のリブRは、軸方向(図13に示す軸線AX方向)に対して所定角度傾斜した傾斜面を有していればよく、その他の形状に適宜変更可能である。
【0044】
また以上説明した実施形態では、フランジコア22の外周面に略同一形状のリブRを3箇所、当該リブRと異なる形状のリブRsを一箇所設けているが、この態様に限定されることなくその個数についても適宜変更可能である。フランジコア22に対するパイププランジャー21のがたつきをより一層抑制する観点からは、フランジコア22の外周面の周方向に所定間隔をあけて少なくとも3箇所のリブRを設け、当該リブRを摺動可能に案内する溝Gをパイププランジャー21の内周面の周方向に所定間隔をあけて少なくとも3箇所設けることが好適である。
【0045】
続いて、以上説明した構成を備える操作機構20の組み付け方法について、図7に示す分解斜視図を参照しながら説明する。
【0046】
まず、軸方向両端部が開口したパイププランジャー21を準備し、パイププランジャー21の開口部を通してパイププランジャー21の内部に収容可能なフランジコア22を準備する。
【0047】
次いで、パイププランジャー21の軸方向前方側の開口から、フランジコア22をパイププランジャー21の内部に収容する。前述したように、パイププランジャー21の内周面に形成される溝Gは側壁面Gb(傾斜面)を有し、この溝G内を摺動するフランジコア22のリブRも側面Rb(傾斜面)を有するため、フランジコア22は、パイププランジャー21の軸方向前方側からのみパイププランジャー21内に収容することが可能である。
【0048】
次いで、フランジコア22の軸方向前方側から、スプリング23及びカバー部材24を組み付ける。前述したように、フランジコア22をパイププランジャー21の軸方向前方側から組み付ける必要があるため、パイププランジャー21の軸方向両端部が開口している。一方、スプリング23の付勢力によりフランジコア22に対してパイププランジャー21を軸方向前方側に付勢させるためには、パイププランジャー21の軸方向前方側の開口を覆う必要がある。そのため、パイププランジャー21の軸方向前方側にカバー部材24を連結して、このカバー部材24とフランジコア22との間でスプリング23を軸方向に押圧保持している。
【0049】
ところで、パイププランジャー21及びカバー部材24内において押圧保持するスプリング23について、より弾性係数の大きいスプリング23を組み込む場合、パイププランジャー21とカバー部材24とを強固に固定する必要がある。
【0050】
そこで本実施形態では、フランジコア22内の支持板22m(図5)とカバー部材24の底板24aとの間にスプリング23を押圧保持した状態で、パイププランジャー21の係止部21d1(図6及び7)をカバー部材24の被係止部24d1に固定している。これにより、パイププランジャー21及びカバー部材24を強固に固定することができ、スプリング23によりパイププランジャー21及びカバー部材24を一体的に軸方向前方側に付勢させることができる。また本実施形態では、パイププランジャー21における平板状の突出部21c1は、その先端がカバー部材24の貫通孔24cに篏合される。以下で説明するように、一端がパイププランジャー21の軸方向前方側の端部に形成された支点孔Ha(突出部21c1に形成される孔)に差し込まれると共に、他端がフランジコア22のカム溝Mに沿って案内されるロックピン25が組み付けられ、このロックピン25がカム溝Mの所定の係止部(例えばカム溝Mのa点及びc点)に係止される。このようなロックピン25が差し込まれる支点孔Haが形成された、パイププランジャー21の軸方向前方側の端部(突出部21c1の先端)がカバー部材24の貫通孔24cに差し込まれた状態で、パイププランジャー21とカバー部材24とが固定される。
【0051】
次いで、両端が屈曲しているロックピン25の一端25aを、パイププランジャー21の支点孔Haに差し込むと共に、ロックピン25の他端25bを、フランジコア22のハートカムのカム溝Mに差し込む。ロックピン25の他端25bは、フランジコア22のハートカムのカム溝Mに沿って案内される。尚、ロックピン25の一端25aを、パイププランジャー21に設けられた支点孔Haに差し込む態様に限定されず、例えば図15に示すように、カバー部材24´に設けられた支点孔Ha´に差し込むようにしてもよい。図15に示す態様では、ロックピン25の一端25aがカバー部材24´に設けられた支点孔Ha´に差し込まれると共に、ロックピン25の他端25bがフランジコア22のカム溝Mに沿って案内され、ロックピン25がカム溝Mの所定の係止部(例えばカム溝Mのa点及びc点)に係止されることにより、つまみ10が後述の後方位置又は前方位置に保持される。尚、図15に示す操作機構20´のパイププランジャー21´には、図7に示すパイププランジャー21の突出部21c1が設けられていなく、また図15に示すカバー部材24´には、図5に示すカバー部材24の貫通孔24cが設けられていない。
【0052】
尚、カム溝Mは、図7に示すように、4個の変向点a、b、c、dを有し、各変向点には、ロックピン移動方向に下りの段差が設けられてロックピン25の端部25bの戻し止めがされている。ロックピン25の端部25bがカム溝Mのa点にあるとき、フランジコア22はスプリング23で押出された状態になる。しかし、フランジコア22は、移動しない操作軸40a(図2)に固定されているから、パイププランジャー21及びこれと一体のつまみ10は反対に押出された状態(すなわち、つまみ10が操作パネル110から突出した状態)になる。ここでつまみ10を押すと、ロックピン25の端部25bは、図7のd点まで移動し、押圧を止めると距離Kだけ戻り、c点に係止され、つまみ10が器具本体内に収納された状態になる。この状態で再度つまみ10を押すと、ロックピン25の端部25bは距離Kだけ動いて図7のb点に達し、手を離すとa点に戻り、突出状態に返る。このように、ハートカムのカム溝Mに沿って案内されるロックピン25の駆動によりプッシュプッシュ動作が行われるようになっている。
【0053】
続いて、プッシュプッシュ動作について説明する。図14(A)は、つまみ10の前面が操作パネル110と略同一平面となる後方位置を説明するための要部断面図である。図14(B)は、つまみ10が開口を通して操作パネル110よりも前方側に突出する前方位置を説明するための要部断面図である。
【0054】
パイププランジャー21及びこれと連結されるつまみ10は、プッシュ操作により後方位置及び前方位置に移動可能に構成されている。
【0055】
後方位置とは、図14(A)に示すように、両端が屈曲しているロックピン25の一端25aがパイププランジャー21の支点孔Haに係止したまま、ロックピン25の他端25bが、プッシュプッシュ機構のハート型のカム溝Mに設けられたc点に係止して保持されることにより、つまみ10の前面が操作パネル110と略同一平面となる状態である。この状態からつまみ10を押すと、ロックピン25の他端25bとカム溝Mに設けられたc点との係合が解かれ、ロックピン25の他端25bはカム溝Mに沿って移動し、カム溝Mに設けられたa点に位置する状態となる。これによってつまみ10を操作パネル110から突出する以下の前方位置に切換えることができる。
【0056】
前方位置とは、図14(B)に示すように、両端が屈曲しているロックピン25の一端25aがパイププランジャー21の支点孔Haに係止したまま、ロックピン25の他端25bが、プッシュプッシュ機構のハート型のカム溝Mに設けられたa点に位置することにより、つまみ10の前面が操作パネル110よりも前方側に突出した状態である。尚、フランジコア22は、前述したように、エンコーダ40に連結された操作軸40aに固定されている。操作つまみ装置1は、前方位置(図14(B))において回転自在となり、つまみ10を回転操作すればパイププランジャー21と共にフランジコア22が回転し、操作軸40aを介して器具本体内に電源が供給されて、例えば火力等を調整することができる。
【0057】
ところで、フランジコアのリブ及び当該リブを摺動可能に案内するパイププランジャーの溝が、それぞれ軸方向に略平行に延在して形成されている場合、つまみのがたつきが生じることがある。具体的には、つまみが操作パネルよりも前方側に突出する前方位置の状態のとき、リブと当該リブを案内する溝との間の間隙により、パイププランジャー及びこれと連結されるつまみががたつくことがある。つまみのがたつきが生じると高級感が損なわれるおそれがある。
【0058】
本実施形態では、がたつきを抑制するために、リブR及び溝Gが前述した構成を備えている。すなわち、つまみ10の前面が操作パネル110と略同一平面となる後方位置から、スプリング23により付勢されてつまみ10の前面が操作パネル110よりも前方側に突出した前方位置に移動したときに、フランジコア22のリブRの傾斜面Rbが、パイププランジャー21の溝Gの傾斜面Gbに圧接される。このようにスプリング23により付勢されてリブRの傾斜面Rbが溝Gの傾斜面Gbに圧接されるので、つまみ10が前方位置にあるときのつまみ10のがたつきを抑制することができる。その結果、つまみ10ががたつくことによる高級感が損なわれることを防ぐことができる。
【0059】
また、リブRの傾斜面Rbと溝Gの傾斜面Gbとが圧接される構成とすることにより、フランジコア22に対するパイププランジャー21の分離も抑制することができる。これにより、より大きな弾性係数を有するスプリング23を組み込むことができる。その結果、つまみ10を押したときの操作感覚を重くすることができ、操作感覚の向上を図ることができる。
【0060】
以上説明した実施形態では、パイププランジャー21の内周面から径方向外側に窪む凹形状の溝G及びフランジコア22の外周面から径方向外側に突出する凸形状のリブRを形成しているがこの例に限定されない。例えば、パイププランジャー21の内周面から径方向内側に突出する凸形状のリブ(凸部)を設け、当該リブを摺動可能に案内するように、フランジコア22の外周面に径方向内側に窪む凹形状の溝(凹部)を形成してもよい。
【0061】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、本実施形態において、パイププランジャー21は軸方向両端側が開口した形状を有するが、軸方向一端側が開口した形状のパイププランジャー21を用いて、予めフランジコア22とパイププランジャー21を組み合わせたものを成形してもよい。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…操作つまみ装置、10…つまみ、20…プッシュプッシュ機構(操作機構)、21…パイププランジャー(第1ケース部)、22…フランジコア(第2ケース部)、23…スプリング、24…カバー部材、25…ロックピン(係止ピン)、100…加熱調理器、110…操作パネル、G…凹部、Gb…傾斜面、R…凸部、Rb…傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15