(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の段落0029には、キャリブレーション工程は、1度行えばカセットがカセット室内に搬送されるごとには行う必要がない、と記載されている。しかしながら、長期の使用・経年劣化などによりカセットの各部の寸法が変化することがあり得る。そのため、これを想定してキャリブレーションは定期的に行われることが望ましい。また、複数の異なるサイズのカセットを載置できるロードポートの場合には、少なくともカセットのサイズの数だけ、キャリブレーションを行わなくてはならない。これらより、キャリブレーション、すなわちマッピングセンサのティーチングは、できるだけ容易に行えることが望ましい。
【0007】
ここで、特許文献1に記載されているようなマッピング開始位置のティーチング工程は、特許文献1の段落0036にその具体的な方法が記載されているように、制御により全自動で行えるものではなく、オペレータの手動による煩雑で且つ複雑な作業を伴う。基準スロット位置の算出工程は、最上位スロットから最下位スロットまでのマッピングデータを抽出するとのことであるが、この最上位スロットの位置は、マッピングの開始位置のことである。すなわち、マッピングの開始位置である最上位スロットの位置がティーチングされていることが、基準スロット位置の算出工程を行うにあたっての前提条件となる。
【0008】
すなわち、特許文献1に記載のキャリブレーション(ティーチング)は、マッピング開始位置とされる最上位スロットの位置を、オペレータの手動による煩雑で且つ複雑な作業を伴ってティーチングしないといけないので、容易なものとは言い難い。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マッピングセンサのティーチングを従来よりも容易に行うことができるロードポートの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、搬送空間を区画する隔壁の一部を構成し、ベース開口部を有するベースと、前記ベースの前記搬送空間の側とは反対側に設けられ、複数の被処理物を収容する容器が載置される載置台と、前記容器に収容された前記被処理物をマッピングするマッピングセンサと、を備えるロードポートを制御するための制御装置に関するものである。この制御装置は、前記容器の中の最上段スロットに入れられた最上段被処理物と、前記容器の中の最下段スロットに入れられた最下段被処理物との間のティーチング開始位置に、前記マッピングセンサのセンサ部を移動させ、当該ティーチング開始位置から前記マッピングセンサのティーチング動作を開始するように制御構成されている。
【0011】
この構成によると、容易に決定することができる、換言すれば、さほど精度を要さない前記ティーチング開始位置をオペレータが予め決めて、その位置の値を制御装置に入力しておけば、ティーチング開始指令をオペレータが制御装置に出すだけで、マッピングセンサのティーチングを自動で行うことができる。
このように、本発明の制御装置によると、マッピングセンサのティーチングを従来よりも容易に行うことができる。
【0012】
また本発明において、前記最上段被処理物または前記最下段被処理物へ前記ティーチング開始位置から前記センサ部が向かうときのセンサ移動速度よりも、前記最上段被処理物または前記最下段被処理物を前記センサ部が検知してから前記ティーチング開始位置へ前記センサ部が戻るときのセンサ移動速度のほうが速くなるように制御装置が制御構成されていることが好ましい。
【0013】
この構成によると、マッピングセンサのティーチングをより迅速に行うことができる。
【0014】
さらに本発明において、前記載置台は、複数の異なる前記容器がその上に載置できるように構成されており、前記ティーチング開始位置が、前記載置台の上に前記容器が載置された状態における、前記複数の異なる容器の前記最上段スロットのうちの最も低い位置の前記最上段スロットに入れられた前記最上段被処理物と、前記複数の異なる容器の前記最下段スロットのうちの最も高い位置の前記最下段スロットに入れられた前記最下段被処理物との間の位置とされていることが好ましい。
【0015】
この構成によると、複数の異なる容器を載置できるロードポートの場合に、1つのティーチング開始位置をオペレータ等が決めておくだけで、容器の種類およびサイズに関係なく、ティーチング開始指令をオペレータが制御装置に出すだけで、マッピングセンサのティーチングを自動で行うことができる。
【0016】
また本発明は、前記した制御装置を備えるロードポートでもある。
【0017】
また本発明は、ロードポートの載置台に載置された容器に収容された被処理物をマッピングするマッピングセンサのティーチング方法でもある。このティーチング方法は、前記容器の中の最上段スロットに入れられた最上段被処理物と、前記容器の中の最下段スロットに入れられた最下段被処理物との間のティーチング開始位置に、前記マッピングセンサのセンサ部を移動させ、当該ティーチング開始位置から前記マッピングセンサのティーチング動作を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、マッピングセンサのティーチングを従来よりも容易に行うことができるロードポートの制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
(ロードポートを含む装置全体の構成)
図1に示す装置は、半導体の製造に用いられる装置であって、複数のロードポート1(本実施形態では3つ)と、搬送室2と、処理装置3とで構成される。ロードポート1は、ウエハ(Wafer)などの被処理物を、搬送室2の中の空間(搬送空間S)に出し入れするために、当該被処理物を収容する容器(例えば、カセット51,52(
図4,5参照))が載置される装置である。なお、ウエハは、ウエハのみが容器に収容される場合もあるし、FFC(Film Flame Carrier)やフープリング(Hoop Ring)の上面(または下面)に貼ったテープに貼られた状態で容器に収容される場合もある。以下で単に「FFC」と言う場合は、FFC(Film Flame Carrier)の上面(または下面)に貼ったテープにウエハが貼られた状態のFFCのことを指す。
【0022】
搬送室2の中には搬送ロボット22が配置されており、この搬送ロボット22によって、ロードポート1と処理装置3との間で被処理物の受け渡しが行われる。搬送ロボット22は、ロードポート1に載置された容器の中から被処理物を取り出し、搬送空間Sを経由して被処理物を処理装置3に供給する。なお、搬送空間Sは、搬送室2を構成する外壁である隔壁21でその側方を区画される空間である。
【0023】
ロードポート1は、制御装置4によってその動作が制御される。なお、制御装置4は、ロードポート1だけでなく搬送ロボット22などの搬送室2内の機器も制御するものである場合もある。
図1における制御装置4の図示は、ロードポート1が制御装置4で制御されるということを示すための図示であり、制御装置4の配置位置を示すものではない。ロードポート1の中に制御装置4が組み込まれている場合もあるし、搬送ロボット22などの制御も含む制御装置4が搬送室2の中に配置される場合もある。処理装置3の中に制御装置4が配置される場合もある。
【0024】
なお、搬送室2(搬送空間S)から見てロードポート1が接続される側の向きを前方、その反対方向を後方と定義し、さらに、前後方向および鉛直方向に直交する方向を側方と定義し、それを
図1中に示した。
図2以降の図中に示す前方、後方、側方は、
図1中に示す前方、後方、側方と一致する。
【0025】
(ロードポートの構成)
主として
図2〜
図6を参照しつつ、ロードポート1の構成を説明する。
図2に示すように、ロードポート1は、搬送空間Sを区画する隔壁21の一部を構成する板形状のベース10を有する。ベース10は立設配置され、このベース10には、被処理物を搬送空間Sに出し入れするための開口としてのベース開口部10a(
図2(b)参照)が設けられている。搬送空間Sをクリーンな状態に保つため、通常時、ベース開口部10aはドア12で閉じられている。
【0026】
ベース10の搬送空間Sの側とは反対側、すなわちベース10の前方には、複数の被処理物を収容する容器が載置される載置台11が設けられる。
【0027】
被処理物を収容する容器の一例を
図4,5に示している。
図4,5に示すカセット51,52は、それぞれ、複数のFFCを収容する容器であり、
図4に示すカセット51は、
図5に示すカセット52よりも小径のFFCを収容する容器である。
図4,5にはそれぞれ1つのFFCしか示していないが、カセット51,52には、それぞれ、複数のFFCが、上下方向に一定の間隔をあけて水平姿勢でカセット51,52の中に収容される。カセット51,52は、載置台11の上に載置された状態における後方(搬送空間Sの側)、および前方(その反対側)に、それぞれ、開口部51a,52a、開口部51b,52bを有する。
【0028】
また、図示を省略しているが、各カセット51,52の両側壁51c,52cの内壁面には、FFCが差し込まれる複数のスロットが設けられている。これらスロットは、溝形状であり、各カセット51,52の両側壁51c,52cの内壁面に沿って前後方向に延びる。上下方向においては、スロットは、一定の間隔で設けられる。
【0029】
ここで、カセット51,52は、カセット51,52に共通のFFC用アダプタ20を介して載置台11の上に載せられる。FFC用アダプタ20は、光学式のカセットサイズ検知センサ42(42a、42b)を有する。2組のセンサからなるカセットサイズ検知センサ42は、カセット51,52のうちのどちらのカセットがFFC用アダプタ20の上に載置されているかを検知するためのセンサである。
【0030】
カセットのサイズと、FFCのサイズとは一対一の関係にあるため、カセットのサイズが検知されることは、FFCのサイズが検知されることでもある。すなわち、カセットサイズ検知センサ42により、FFCのサイズが検知される。
【0031】
<マッピングセンサ>
カセット51,52に収容された複数のFFCをマッピングするマッピングセンサ30をロードポート1は備えている。
図2、
図3に示されているように、マッピングセンサ30は、ベース10の搬送空間Sの側とは反対側、すなわちベース10の前方に配置される。マッピングセンサ30は光学式のセンサである。なお、光学式のセンサは、レーザー光式のセンサを含む。
【0032】
図6に示したように、マッピングセンサ30は、センサ部31、およびセンサ部31を昇降させる昇降部32を有する。
【0033】
センサ部31は、平面視でコ字形状のセンサ支持部材34の両端先端部分に発光素子部33aおよび受光素子部33bがそれぞれ取り付けられてなるものである。1組の発光素子部33aと受光素子部33bとでセンサ33を構成する。発光素子部33aおよび受光素子部33bにはケーブル35が接続されており、センサ33からの信号は、ケーブル35を介して制御装置4に送られる。
図6中に示すケーブルベア(登録商標)39は、センサ33用のケーブルベアである。
【0034】
昇降部32は、センサ支持部材34の中央部に端部が固定されたセンサ部支持部材36と、センサ部支持部材36を昇降させるためのボールネジ37と、ボールネジ37を回転させるモータ38とを有する。モータ38は、例えばステッピングモータであり、モータ38が発するパルス情報から、センサ部31(センサ33)の高さ方向の位置が、制御装置4内にて演算により求められる。
【0035】
マッピングセンサ30は、非マッピング時、所定の退避位置に退避している。この退避位置は、マッピングセンサ30の移動可能な範囲のうち、カセット51・52やFFC用アダプタ20と干渉しない位置に設定しておく。本実施形態では、載置台11よりも下方に退避位置を設定しているため、カセット51・52またはFFC用アダプタ20を載置台11に取付ける際、マッピングセンサ30と、カセット51・52またはFFC用アダプタ20との干渉を防止することができる。
【0036】
(マッピングセンサのティーチング)
前記したように、マッピング機能とは、容器内に収容されたウエハなどの複数の被処理物の各スロット毎での有無や、被処理物が正常積載の状態にあるか否かといった被処理物の収容状態を検出してHOSTのコンピュータに通知する機能のことである。容器内に収容されたウエハなどの複数の被処理物を正しくマッピングするには、マッピングパラメータを設定しておく必要がある。以下、本実施形態で例示する、カセット51,52、FFCを例にとって、マッピングセンサのティーチングについて説明する。
【0037】
マッピングパラメータとは、マッピングを実施するのに必要な情報データのことである。具体的には、マッピングパラメータは、カセットのスロット数、最上段のスロット位置、最下段のスロット位置、FFCの厚み異常の閾値、FFCの薄さ異常の閾値、FFCの斜め積載判定の閾値、マッピング開始位置、およびマッピング終了位置などである。
【0038】
カセット51,52というようにサイズが異なるカセットについては、上記したマッピングパラメータのうちの、カセットのスロット数、最上段のスロット位置、および最下段のスロット位置については、各カセット51,52毎に値を設定する必要がある。その他のマッピングパラメータについては、カセット51,52に共通の値を設定すればよい。
【0039】
最上段のスロット位置、および最下段のスロット位置についてのティーチング(マッピングパラメータの設定)が制御装置4にて自動で行われるようにされている。なお、カセットのスロット数を含むその他のマッピングパラメータは、オペレータなどにより手動で制御装置4に入力される。以下、最上段のスロット位置、および最下段のスロット位置についてのマッピングセンサ30のティーチングについて、カセット51を例にして、
図7等を参照しつつ詳述する。
【0040】
なお、
図2に示されているように、マッピングセンサ30は、当初、載置台11よりも下方の位置に退避している。
図7中の左上の図(A状態)は、この状態を示す。
【0041】
まず、カセット51の内側面に一定間隔で設けられた溝形状の複数のスロット61のうちの最上段スロット61T、および最下段スロット61Bに、それぞれ1枚ずつFFCを入れる。FFCを入れたカセット51を、FFC用アダプタ20を介して載置台11の上に載せる。制御装置4は、カセットサイズ検知センサ42(
図4)からの信号により、カセット51のサイズを検出する。なお、説明を省略するが、制御装置4は、載置台11の上にFFC用アダプタ20が取り付けられていることで、カセット51がFFC用のカセットであることを認識している。
【0042】
オペレータは、ティーチング名およびカセット51のスロット数を制御装置4に入力する。なお、ティーチング名は、例えば「FFC 150」といいうような、容器の種類とサイズとからなる名前とされる。その後、オペレータは、ティーチング開始ボタン(不図示)を押す。
【0043】
ティーチング開始ボタンが押されると、制御装置4は、マッピングセンサ30のセンサ部31(発光素子部33aおよび受光素子部33b)を、最上段スロット61Tに入れられたFFCと、最下段スロット61Bに入れられたFFCとの間のティーチング開始位置に移動させる(
図7中のB状態)。本実施形態では、ティーチング開始位置は、カセット51の高さ方向の中央とされている。なお、このティーチング開始位置は、オペレータなどにより予め決められて、制御装置4に入力されている。最上段スロット61Tに入れられたFFCと最下段スロット61Bに入れられたFFCとの間の任意の位置をティーチング開始位置にすればよいので、オペレータなどはティーチング開始位置を容易に決定することができる。
【0044】
次に、制御装置4は、マッピングセンサ30のセンサ部31を上記ティーチング開始位置からカセット51の天板51dを超える高さまで上昇させながら、マッピングセンサ30で物体の検知を試みるティーチング動作を行う(
図7中のB状態からC状態)。このとき、一番最初に、最上段スロット61Tに入れられたFFCが検知される。制御装置4は、この検知された位置を最上段のスロット位置として記憶(格納)する。なお、最上段および最下段を除くスロットにはFFCが入れられていないため、最上段および最下段を除いては、対向するスロット61同士の間には何も存在しない。そのため、マッピングセンサ30のセンサ部31を上昇させていって、一番最初に検知されるのは、最上段スロット61Tに入れられたFFCである。これは、後述するマッピングセンサ30のセンサ部31を下降させるときも同様である。
【0045】
次に、制御装置4は、マッピングセンサ30のセンサ部31を、前記ティーチング開始位置、すなわち、カセット51の高さ方向の中央位置に戻す(
図7中のD状態)。
【0046】
その後、制御装置4は、マッピングセンサ30のセンサ部31をティーチング開始位置から載置台11よりも下方の位置まで下降させながら、マッピングセンサ30で物体の検知を試みるティーチング動作を行う(
図7中のD状態からE状態)。このとき、一番最初に、最下段スロット61Bに入れられたFFCが検知される。制御装置4は、この検知された位置を最下段のスロット位置として記憶(格納)する。
【0047】
上記したようにして、最上段のスロット位置、および最下段のスロット位置についてのティーチングが制御装置4にて自動で行われる。なお、最上段スロット61Tに入れられたFFCまた最下段スロット61Bに入れられたFFCへ前記ティーチング開始位置からセンサ部31が向かうときのセンサ移動速度よりも、最上段スロット61Tに入れられたFFCまたは最下段スロット61Bに入れられたFFCをセンサ部31が検知してから前記ティーチング開始位置へセンサ部31が戻るときのセンサ移動速度のほうが速くされる。
マッピングセンサ30で物体の検知を試みるティーチング動作は、低速で行われるほうがティーチングの精度を高めるのに好ましいが、ティーチング開始位置へセンサ部31が戻るときのその移動速度は高速であっても、ティーチングの精度に影響はない。なお、ティーチング開始ボタンが押されたときの最初の動作、すなわち、マッピングセンサ30がその退避位置からティーチング開始位置へ移動する速度も、高速であってよい。
【0048】
なお、カセット51が有する複数のスロット61の各位置は、最上段のスロット位置、最下段のスロット位置、およびスロット数から演算により求まる。(最上段のスロット位置−最下段のスロット位置)÷(スロット数−1)で、スロット61間の距離(ピッチ)が求まる。下段のスロット位置の値に当該距離の値をたしていったり、または、最上段のスロット位置の値から当該距離の値をひいていったりすることで、スロット61の各位置が求まる。
【0049】
ここで、カセット51,52というように、複数の異なるサイズや種類の容器を載置できるロードポートの場合には、制御装置4内に、マッピングパラメータが格納される格納領域が複数設けられる。この構成によると、各容器毎にそれぞれマッピングパラメータ群が格納されているため、マッピングパラメータを参照してのメンテナンスが容易になる。
【0050】
また、制御装置4は、容器の種類やサイズをもとに、複数のマッピングパラメータ群から自動的に該当する容器のマッピングパラメータを選択する。そのため、オペレータは、ロードポート1に容器をおくだけでマッピングを行うことができる。
【0051】
ティーチングを行ったことがない新たな容器を使用する場合には、複数の上記格納領域のうちの空領域に、その新たな容器のマッピングパラメータが格納される。
【0052】
また、被処理物を収容する容器は、長期の使用・経年劣化などにより容器各部の寸法が変化することがあり得るため、マッピングセンサ30のティーチングを行ったことがある容器であっても、そのティーチングは定期的に行われることが望ましい。再度のティーチングが行われた際は、同じ格納領域が使用されて、マッピングパラメータは上書きされる。
【0053】
上記した各容器毎のマッピングパラメータ群の格納(保存)によると、製造ラインの変更によるカセットの変更にも容易に対応することができる。
【0054】
(マッピング動作)
制御装置4によるロードポート1のマッピング動作を説明する。ここでは、一例として、
図4,5に示すFFC用アダプタ20がロードポート1の載置台11の上に取り付けられていることとする。前記したように、FFC用アダプタ20がロードポート1の載置台11の上に取り付けられていることで、ロードポート1(制御装置4)は、処理対象がFFCであること(載置されるカセット51がFFC用のカセットであること)を認識している。
【0055】
代表して、小さい方のカセット51に収容されたFFCのマッピングについて説明する。複数のFFCを収容する
図4に示すカセット51が、FFC用アダプタ20の上に載せられると、カセットサイズ検知センサ42により、カセット51のサイズが検出され、これにより、処理対象のFFCのサイズが特定される。
【0056】
オペレータは、カセット51のスロット数を制御装置4に入力する。制御装置4は、カセット51の種類(カセット51がFFC用のカセットであること)、サイズ、および入力されたスロット数から、当該制御装置4内のマッピングパラメータに関する複数の格納領域の1か所から、該当するマッピングパラメータを取り出す。そして制御装置4は、取り出したマッピングパラメータを用いて、カセット51に収容されたFFCのマッピングを行う。制御装置4は、マッピングセンサ30のセンサ部31を上昇させつつ、カセット51の中に多段で収容されたFFCのマッピングを行う。カセット51の開口部を通過するように発光素子部33aから受光素子部33bへ光を照射すると、FFCが存在する場合はFFCで遮光されるので、これによりFFCの存在が検知される。一方、FFCが存在しない場合は照射された光が受光素子部33bへ到達するので、これによりFFCが存在しないことが検知される。マッピングが終わったら、マッピングセンサ30のセンサ部31を載置台11の高さレベル以下にまで下げる。
【0057】
(複数の異なる容器が載置可能なロードポートの場合のティーチング開始位置の決め方について)
複数の異なる容器が載置台11の上に載置可能なロードポート1の場合、例えば次のようにティーチング開始位置がオペレータなどにより設定される。
図8に、一例として、スロット数および一部の寸法が異なるFFC用のカセット51,53を示している。カセット51のスロット61の数は、25であり、カセット53のスロット62の数は、20である。
【0058】
FFC用アダプタ20を介して載置台12の上にカセット51,53が載置された状態における、カセット51,53の最上段スロット61T,62Tのうちの低いほうの最上段スロット62Tに入れられたFFCと、カセット51,53の最下段スロット61B,62Bのうちの高いほうの最下段スロット62Bに入れられたFFCと、の間の任意の位置にティーチング開始位置が設定される。
【0059】
(変形例)
図1に示す搬送ロボット22にセンサ33を取り付けて、当該搬送ロボット22をマッピングセンサとして用い、前記したティーチングを行ってもよい。また、上記実施形態では、マッピングセンサ30をロードポート側に設置しているが、マッピングセンサ30を搬送ロボット22側に設けてもよい。
【0060】
ティーチング開始位置は、容器の中の最上段スロットに入れられた最上段被処理物と、容器の中の最下段スロットに入れられた最下段被処理物との間の中央である必要はなく、前記最上段被処理物と前記最下段被処理物との間の任意の位置でよい。
【0061】
前記した実施形態では、マッピングセンサ30のセンサ部31を、ティーチング開始位置から上昇させ、その後ティーチング開始位置に戻し、その後ティーチング開始位置から下降させているが、これとは反対に、マッピングセンサ30のセンサ部31を、ティーチング開始位置から下降させ、その後ティーチング開始位置に戻し、その後ティーチング開始位置から上昇させてもよい。
【0062】
前記した実施形態では、マッピングパラメータが制御装置4に格納されていることとしているが、マッピングパラメータは、制御装置4以外の外部の装置に格納されていてもよい。この場合、上記外部の装置から、有線または無線で制御装置4がマッピングパラメータを受信する。
【0063】
被処理物は、ウエハのような半導体基板以外に、ガラス基板(液晶パネル、有機/無機EL等のディスプレイ用基板)、細胞等を内部に収容可能なプレートやシャーレなどを挙げることができる。容器としては、前記した実施形態で示したカセット51,52のようなオープンカセットと呼ばれる開放型の容器以外に、FOUPと呼ばれる開閉可能な蓋を備える密閉型の容器などを挙げることができる。
【0064】
マッピングセンサに関し、被処理物を平面視において間に挟む位置に配置される発光素子部33aおよび受光素子部33bとすることに代えて、発光素子部33aと受光素子部33bとを近接させ、被処理物に当たって反射してきた光を受光素子部33bで検知して、被処理物の有無などを検出するセンサ構成(反射式のセンサ)としてもよい。反射式のセンサの場合、上記実施形態のように発光素子部33aと受講素子部33bとを容器を挟んで対向配置する必要がないので、センサの構造・設置スペースの設計自由度が増す。
【0065】
また、センサ部31を昇降させる駆動手段として、ボールネジ37と、ボールネジ37を回転させるモータ38とで構成される駆動手段を示したが、これに代えて、センサ部31を昇降させる駆動手段としてリニアモータ、エアシリンダーなどを用いてもよい。
【0066】
また、マッピングセンサ30は光学式のセンサであるが、これに代えて、電磁波や超音波のような検出波を利用したセンサを用いてもよい。
【0067】
前記した実施形態では、ロードポートの載置台の上にアダプタを介して容器(カセット)を載置しているが、載置台の上に直接、容器を載置するロードポートであってもよい。
【0068】
前記したロードポートにFOUPを載置する場合、ドア12は、容器に対する蓋体の固定及び固定の解除を行って前記容器から前記蓋体の取外し及び取付けを可能に構成しておくとよい。具体的には、容器に対する蓋体の固定および固定の解除は、ドア12にラッチキーを設け、ラッチキーを蓋の鍵穴に挿入した後、ラッチキーを回動することで蓋体を容器から着脱可能にする。蓋体の取外し及び取付けは、ドア12に吸着部を設け、ドア12で蓋体を吸着して保持した状態で、載置台11またはドア12のうち一方を水平方向に移動させることで、容器に対する蓋体の取外しおよび取付けが可能になる。
【0069】
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。