(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オブジェクト識別情報特定手段によりオブジェクトの識別情報が特定された後、前記オブジェクト識別情報特定手段により当該識別情報とは異なる識別情報が特定された場合、ユーザにエラーを通知する通知手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、本実施形態に帳票システム100は、情報処理装置101およびサーバ102が、ネットワーク103により通信可能に接続された構成をとる。
【0012】
情報処理装置101は、カメラ等を用いて帳票の画像を取り込み、サーバ102に送信する。サーバ102は、受信した帳票画像の記入不備チェックするために必要な、記入内容の認識領域と認識条件を帳票フォーム識別情報(以下、フォームIDと記す)毎に管理している。
【0013】
なお、この実施形態においては、サーバ102において記入不備チェックを行うとしたが、これに限定するものではなく、情報処理装置101がサーバ102から認識領域と認識条件を受信し、情報処理装置101において記入不備チェックを行うとしてもよい。
【0014】
情報処理装置101は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、およびPDA端末などの持ち運び可能な端末であって、ブラウザまたは帳票システムのアプリケーションがインストールされており、無線通信によりネットワーク103を介して、サーバ102と通信可能である。
【0015】
以下、
図2を用いて、
図1に示した情報処理装置101に適用可能なハードウエア構成の一例について説明する。
【0016】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ212には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0017】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ212からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0018】
また、205は入力コントローラで、タッチセンサ210からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ211等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、ディスプレイ211と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて情報処理装置101のユーザが使用するものである。
【0019】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ212へのアクセスを制御する。
【0020】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク103を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0021】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ211上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ211上のタッチセンサ210におけるユーザのタッチ操作指示を受付けることを可能とする。
【0022】
本発明を実現するための後述する各種プログラムや各種テーブルは、外部メモリ212に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされ、CPU201によって実行されるものである。
【0023】
209は撮像画像入力コントローラで、撮像画像入力処理部214を介してカメラ215からの入力を制御する。カメラ215から入力された撮像画像を認識し、撮像することが可能となっている。
【0024】
図3は、情報処理装置101とサーバ102の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
取込部301は、帳票を撮像装置で撮像することにより電子データとして取込む機能部である。
【0026】
管理部302は、帳票の認識領域と認識条件とを含む帳票フォーム定義情報を管理する機能部である。
【0027】
記入不備判定部303は、管理部302により管理されている認識領域と認識条件とを用いて、取込部301により取込まれた電子データに含まれる、認識領域に記入された内容が正常またはエラーを判定する機能部である。
【0028】
再取込部304は、記入不備判定部303によりエラーと判定された場合、帳票を撮像装置で再撮像することにより電子データとして取込む機能部である。
【0029】
同一帳票判定部305は、取込部301により取込まれた電子データに含まれる帳票と、再取込部304により取込まれた電子データに含まれる帳票とが、同じ帳票であるか否かを判定する機能部である。
を備え、
記入不備判定部303は、同一帳票判定部305により同じ帳票であると判定された場合に、再取込部304により取込まれた電子データに含まれる記入不備判定部303によりエラーと判定された認識領域に記入された内容が正常またはエラーを判定する機能部である。
【0030】
再取込部304は、同一帳票判定部305により同じ帳票であることを判定するために必要な帳票の全体若しくは部分、並びに管理部302により管理されている認識領域のうちエラーと判定された認識領域を含む動画を撮像することにより電子データとして取込む機能部である。
【0031】
ガイド表示部306は、動画を撮像すべく、帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域を撮像するためのガイドを表示する機能部である。
【0032】
撮像判定部307は、ガイド表示部306により表示されたガイドに従って、帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域が撮像されたか否かを判定する機能部である。
【0033】
ガイド表示部306は、撮像判定部307により撮像されたと判定された場合、まだ撮像されていない帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域を撮像するためのガイドを順次表示する機能部である。
【0034】
一枚帳票判定部308は、再取込部304により動画撮像された帳票が1枚の帳票であるか否かを判定する機能部である。
【0035】
通知部309は、一枚帳票判定部308により1枚の帳票でないと判定された場合は、再取込部304による再撮像をやり直させることまたはエラーをユーザに通知する機能部である。
【0036】
指示受付部310は、記入不備判定部303によりエラーと判定された場合、当該エラーと判定された認識領域を含む領域を当該帳票の撮像時よりも拡大した動画を撮像するかまたは当該帳票の全体を撮像するかの選択を受け付ける機能部である。
【0037】
取込部311は、撮像装置を用いてオブジェクトを撮像することにより電子データとして取込む機能部である。
【0038】
オブジェクト識別情報特定部312は、取込部311により取込まれた電子データから、オブジェクトを識別する識別情報を特定する機能部である。
【0039】
読取項目決定部313は、オブジェクト識別情報特定部312により特定されたオブジェクトの識別情報に基づき、電子データから読取る項目を決定する機能部である。
【0040】
項目読取部314は、取込部311により取込まれた電子データに基づく画像の表示を行いつつ、当該電子データから読取項目決定部313により決定した項目を読取る機能部である。
【0041】
再取込部315は、撮像装置を用いてオブジェクトを再撮像することにより電子データとして取込む機能部である。
【0042】
同一オブジェクト判定部316は、取込部311により取込まれた電子データに含まれるオブジェクトと、再取込部315により取込まれた電子データに含まれるオブジェクトとが、同一オブジェクトであるか否かを判定する機能部である。
【0043】
項目読取部314は、同一オブジェクト判定部316により同一オブジェクトであると判定された場合に、再取込部315により取込まれた電子データから読取項目決定部313により決定した項目を読取る機能部である。
【0044】
管理部317は、項目読取部314により読取られた項目の値が正常又は異常を判定する条件を管理する機能部である。
【0045】
値判定部318は、管理部317により管理されている条件に基づき、項目読取部314により読取られた値が正常又は異常を判定する機能部である。
【0046】
項目読取部314は、値判定部318により異常と判定された項目を読取る機能部である。
【0047】
ガイド表示部319は、値判定部318により異常と判定された項目を撮像するためのガイドを表示する機能部である。
【0048】
ガイド表示部319は、値判定部318により異常と判定された項目のうち、まだ撮像されていない項目を撮像するためのガイドを表示する機能部である。
【0049】
指示受付部320は、値判定部318により異常と判定された項目があった場合、オブジェクトの全体を撮像した電子データを取込むか又はオブジェクトのうち当該異常と判定された項目を拡大して撮像した電子データを取込むかの選択を受け付ける機能部である。
【0050】
通知部321は、オブジェクト識別情報特定部312によりオブジェクトの識別情報が特定された後、オブジェクト識別情報特定部312により当該識別情報とは異なる識別情報が特定された場合、ユーザにエラーを通知する機能部である。
【0051】
図4は、帳票システム100における記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
また、
図8の記入不備チェック結果画面(記入不備なし)800は、情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面の一例で、記入不備がないケースである。画面上部に「記入不備はありませんでした。」を表示し、その下に撮像した帳票画像を表示する。
【0053】
また、
図9の記入不備チェック結果画面(記入不備あり)900は、情報処理装置101において表示する記入不備チェック結果画面の一例で、記入不備があるケースである。画面上部に「○箇所の記入不備があります。」を表示し、その下に撮像した帳票画像の記入不備箇所(902、903)を赤で塗りつぶした画像を表示する。
【0054】
なお、記入不備箇所902、903の表示は、赤による塗りつぶしに限定するものではなく、赤以外の色による塗りつぶし、枠による囲み、点滅、拡大、反転表示など、ユーザによる識別が可能となる表示であればよい。また、表示による識別方法に限定するものではなく、音声による記入不備箇所の読み上げなど音声による識別方法であってもよい。
【0055】
また、
図11は、帳票システム100において帳票フォームを管理するテーブルの一例を示す図である。フォームテーブル1100は、サーバ102の外部メモリ212に記憶され、サーバ102で管理する帳票フォームについて、「フォームID」「フォーム名」「フォーム画像のファイル名」を管理する。
【0056】
なお、フォームテーブル1100のレコードは、帳票システム100のシステム管理者が登録し、システム管理者がメンテナンス画面(不図示)を用いてメンテナンスを行う。具体的には、帳票フォームが新規作成された場合は、フォームテーブル1100に新規レコードを登録する。また、帳票のレイアウト変更や文言変更によってフォーム画像ファイルが変更された場合は、フォームテーブル1100のフォーム画像の値を変更後のフォーム画像ファイルに更新する。
【0057】
図4の記入不備チェック処理について、説明する。
【0058】
ステップS401において、情報処理装置101は、帳票システムのユーザによって行われる帳票システムへのログインを受け付ける。なお、この記入不備チェック処理において、ユーザインターフェースとなる帳票アプリケーションは、情報処理装置101にインストールされたアプリケーションであってもよいし、ブラウザに表示されるWebアプリケーションなどのアプリケーションであってもよい。
【0059】
ステップS402において、情報処理装置101は、カメラ215を用いて記入不備チェックを行う記入済帳票を撮像し、撮像された画像(以下、撮像画像)を外部メモリ212に記憶する。すなわち、ステップS402は、帳票を撮像装置で撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。また、ステップS402は、撮像装置を用いてオブジェクトを撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。なお、この実施形態においては、情報処理装置101のカメラ215を用いて撮像画像を得るとしたが、デジタルカメラなどを用いて撮像された画像やスキャナーなどを用いてスキャンされた画像を情報処理装置101に取り込むとしてもよい。
【0060】
ステップS403において、情報処理装置101は、変数「フォームID」=NULL、変数「グループID」=“0”とし、RAM202に記憶する。なお、「グループID」は、帳票を再撮像した場合、帳票のどの部分を拡大して再撮像されたかを示す変数である。
【0061】
ステップS404において、情報処理装置101は、「撮像画像」「フォームID」「グループID」をサーバ102に送信する。
【0062】
具体的には、サーバ102に送信する前に、情報処理装置101は、送信画像確認画面700(
図7)を表示し、送信ボタン704の押下を受け付けると、「撮像画像701」「フォームID」「グループID」を送信する。なお、この実施例においては、筆圧が弱い、撮像時に光が反射してきれいに撮像できなかった等の理由によって、記入内容が不鮮明と判定されてしまう箇所があったとする(
図7の702、703)。
【0063】
なお、後述するステップS427またはステップS429の次にこのステップS404を実行する場合は、後述するステップS425またはステップS428にて再撮像した撮像画像を送信するため、撮像画像の「フォームID」は後述するステップS407にて特定されている。よって、「フォームID」にはステップS413にて受信した記入不備チェック結果リストに含まれる「フォームID」の値を設定してサーバ102に送信する。
【0064】
ステップS405において、サーバ102は、「撮像画像」「フォームID」「グループID」を受信する。なお、後述するステップS427で説明するが、再撮像を動画にて行った場合、「グループID」はリスト形式の場合もある。
【0065】
ステップS406において、サーバ102は、グループIDの値を判定し、“0”の場合はステップS407に進み、“0”以外の場合はステップS409に進む。
【0066】
ステップS407において、サーバ102は、撮像画像の帳票のフォームIDを特定する。すなわち、ステップS407は、取込まれた電子データから、オブジェクトを識別する識別情報を特定する処理の一例を示すステップである。具体的には、フォームテーブル1100の全レコードを検索し、「フォーム画像」カラムに記憶されているファイルパスを用いて外部メモリ212から取り出したフォーム画像と撮像画像とを比較することで、記入不備チェックを行う帳票フォームのフォームIDを特定する。外部メモリ212から取り出したフォーム画像と撮像画像を比較し、所定の値以上の割合で画像が一致した場合、撮像画像は外部メモリ212から取り出したフォーム画像の帳票フォームであると判定し、撮像した帳票のフォームIDは、画像比較で一致したフォーム画像に対応するフォームIDであると特定する。
【0067】
なお、この画像比較に用いる2つの画像は未加工のまま画像を比較してよいし、画像比較の精度を上げるために、輪郭を抽出するなどの画像加工を施した後に画像比較を行うとしてもよい。
【0068】
なお、この実施形態においては、撮像画像とサーバ102で管理するフォーム画像とを比較することで、記入不備チェックを行う帳票フォームの特定を行ったが、この方法に限定するものではなく、フォームIDを示すバーコードや番号を帳票に記しておき、撮像時の読み取りまたは撮像画像の解析から帳票のフォームIDを特定する方法などであってもよい。本実施例においては、撮像画像からフォームID=FORM01の「ショッピングクレジット申込書」が特定されたとする。
【0069】
ステップS408において、サーバ102は、全体記入不備チェック処理(
図5)を行う。すなわち、ステップS408は、管理されている認識領域と認識条件とを用いて、取込まれた電子データに含まれる、認識領域に記入された内容が正常またはエラーを判定する処理の一例を示すステップである。
【0071】
図5は、帳票システム100における全体記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
また、
図12は、帳票システム100においてフォームごとの記入不備チェック認識領域およびチェック方法を管理するフォーム定義テーブルの一例を示す図である。フォーム定義テーブル1200は、サーバ102の外部メモリ212に記憶され、「フォームID」「(複数の認識領域をまとめたグループを識別する)グループID」「(記入不備チェックにおいて認識領域を識別する)チェックID」「(記入不備チェックの)認識条件」「(認識領域の)起点座標(X、Y))」と「終点座標(X、Y)」を管理する。
【0073】
すなわち、フォーム定義テーブル1200は、帳票の認識領域と認識条件とを含む帳票フォーム定義情報を管理する手段の一例である。また、フォーム定義テーブル1200は、読取られた項目の値が正常又は異常を判定する条件を管理する手段の一例である。
【0074】
なお、この実施形態においては、サーバ102においてフォームテーブル1100およびフォーム定義テーブル1200を管理し、サーバ102において記入不備チェックを行うとしたが、これに限定するものではなく、情報処理装置101においてフォームテーブル1100およびフォーム定義テーブル1200を管理し、情報処理装置101において記入不備チェックを行うとしてもよい。
【0075】
図5の全体記入不備チェック処理について説明する。
【0076】
ステップS501において、サーバ102は、ステップS407にて特定された「フォームID」を検索キーとして、フォーム定義テーブル1200を検索し、フォーム定義情報リストを取得する。すなわち、ステップS501は、特定されたオブジェクトの識別情報に基づき、電子データから読取る項目を決定する処理の一例を示すステップである。
【0077】
ステップS502において、サーバ102は、変数iに1を代入し、RAM202に記憶する。
【0078】
ステップS503において、サーバ102は、ステップS501にて取得したフォーム定義情報リストのレコード数だけ、ステップS504〜ステップS509を繰り返す。
【0079】
ステップS504において、サーバ102は、フォーム定義情報リストのi番目のレコードから、認識領域の起点(X座標、Y座標)と終点(X座標、Y座標)と認識条件を取得する。
【0080】
ステップS505において、サーバ102は、取得した認識条件の値について判定する。認識条件=“必須”の場合はステップS506に進み、認識条件=“丸囲み”の場合はステップS507に進む。
【0081】
ステップS506において、サーバ102は、撮像画像の認識領域が記入必須項目に該当するため、文字や記号が記入されているか否かを判定する。文字や記号が記入されている場合は“OK”と判定しステップS509に進み、文字や記号が記入されていない場合は“NG”と判定しステップS508に進む。なお、この判定処理は、OCR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。
【0082】
ステップS507において、サーバ102は、撮像画像の認識領域が複数の選択肢のうち1つを丸印で囲む項目に該当するため、丸印が記入されているか否かを判定する。丸印が記入されている場合は“OK”と判定しステップS509に進み、丸印が記入されていない場合は“NG”と判定しステップS508に進む。なお、この判定処理は、OMR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。なお、本実施例では丸印の有無を判定しているが、丸印に限定するものではなく、レ点やその他の図形などの判定であってもよい。
【0083】
なお、上記において、丸印の数を「1つ」としたが、「1つ」に限定するものではなく、フォーム定義テーブル1200に、「チェック上限数」や「チェック数」などのカラムを設け、丸印の数が「チェック上限数」を超えた場合は“NG”、丸印の数が「チェック数」以外の場合は“NG”と判定するとしてもよい。
【0084】
なお、この実施形態においては、認識条件は、“必須”および“丸囲み”の2種類としたが、これに限定するものではなく、“桁数”や“文字属性”などとしてもよい。その場合、フォーム定義テーブル1200に「桁数」カラムを設け、記入された文字が許可された桁数であれば“OK”、許可されていない桁数であれば“NG”と判定するとしてもよい。
【0085】
また、フォーム定義テーブル1200に「文字属性」カラムを設け、記入された文字の属性、例えば「数字」「ひらがな」「カタカナ」「英数字」などによって、“OK”または“NG”と判定するとしてもよい。
【0086】
また、OCR等による解析結果で、記入された文字を認識できなかった場合、“NG”と判定するとしてもよい。
【0087】
また、認識領域が認識条件に適合しているかの判定結果は、“OK”および“NG”の2つに限定するものではなく、“矛盾”、“不鮮明”、“認識不可”などの値を持つとしてもよい。
【0088】
ステップS508において、サーバ102は、記入不備チェック結果リスト1300(
図13)にフォーム定義情報リストのi番目のレコードを挿入する。
図13の記入不備チェック結果リスト1300は、記入不備チェックの結果=“NG”となったフォーム定義情報レコードを要素に持つリストである。
【0089】
なお、記入不備チェック結果リスト1300には、
図13のように「エラー詳細」項目を持ち、“必須”、“丸囲み”、“矛盾”、“不鮮明”、“認識不可”など、記入不備チェックの結果=“NG”と判定された理由を記録する。「エラー詳細」=NULLであるレコード1303、1304については、ステップS411の説明にて後述する。
【0090】
以上から、ステップS505〜ステップS507は、管理されている条件に基づき、読取られた値が正常又は異常を判定する処理の一例を示すステップである。
【0091】
ステップS509において、サーバ102は、変数iの値をインクリメントする。
【0092】
ステップS510において、ステップS501にて取得したフォーム定義情報リストのレコードが残っている場合、ステップS504〜ステップS509を繰り返す。
【0093】
以上で、
図5の全体記入不備チェック処理の説明を終了する。
図5の全体記入不備チェック処理によって、記入不備チェック結果リスト1300には、記入不備チェックの結果=“NG”となったフォーム定義情報レコードが登録されていることになる。
【0094】
図4の記入不備チェック処理の説明に戻る。
【0095】
ステップS409において、サーバ102は、部分記入不備チェック処理(
図6)を行う。すなわち、ステップS409は、同じ帳票であると判定された場合に、取込まれた電子データに含まれるエラーと判定された認識領域に記入された内容が正常またはエラーを判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS409は、異常と判定された項目を読取る処理の一例を示すステップである。ここで、
図6について説明しておく。
【0096】
図6は、帳票システム100における部分記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。
図5の全体記入不備チェック処理のフローチャートを部分記入不備チェック処理用に置き換え、
図5のステップと同じ処理については、同じステップ番号を付与し説明を省略する。
図6の処理により、再撮像された部分帳票の記入不備チェックを行う。
【0097】
ステップS601において、サーバ102は、ステップS405にて取得した「グループID」の数だけ、ステップS602〜ステップS510を繰り返す。
【0098】
ステップS602において、サーバ102は、ステップS405にて受信した「フォームID」と、ステップS601で対象とした「グループID」を検索キーとして、フォーム定義テーブル1200を検索し、フォーム定義情報リストを取得する。すなわち、ステップS602は、特定されたオブジェクトの識別情報に基づき、電子データから読取る項目を決定する処理の一例を示すステップである。
【0099】
以降のステップS502〜ステップS510は、
図5の説明と同様である。
【0100】
ただし、ステップS506〜ステップS507の認識領域は、撮像画像に含まれるガイド枠画像からの距離に従って決定する。具体的には、グループID=2の認識領域を拡大した撮像画像の場合、撮像画像に含まれるガイド枠に囲まれた矩形は、フォーム定義テーブル1200のフォーム定義レコード1201から起点座標(100、100)と終点座標(450、300)の2点を対角とする矩形であると捉えることができる。
【0101】
また、ガイド枠に囲まれた矩形の大きさがヨコ=3500ピクセル、タテ=2000ピクセルであって、グループID=2、チェックID=8のチェックを行う場合、認識領域はフォーム定義テーブル1200のレコード1203から起点座標(225、250)と終点座標(350、300)であるため、ステップS506の認識領域は、ガイド枠に囲まれた矩形画像の左上から、
起点((225−100)*3500/(450−100)、(250−100)*2000/(300−100)=(1250ピクセル、1500ピクセル)、
終点((350−100)*3500/(450−100)、(300−100)*2000/(300−100)=(2500ピクセル、2000ピクセル)
の距離だけ離れた2点を対角とする矩形となる。
【0102】
これにより、再撮像された画像を受信した102サーバが、帳票のどの部分が拡大された画像なのかを特定できず、記入内容の判定ができないという課題を解決することができる。つまり、帳票のどの部分が拡大された画像かを特定することができるため、再撮像された画像を用いて、記入不備チェックを行うことができるようになる。
【0103】
なお、この実施形態においては、拡大して再撮像された撮像画像に含まれるガイド枠画像からの距離に従って認識領域を決定するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、再撮像時の拡大率を記憶しておき、その拡大率を用いて認識領域を決定する方法、認識領域のグループで再撮像するのではなく、不備箇所のみを再撮像しその再撮像画像全体を認識領域とする方法などであってもよい。
【0104】
ステップS506において、サーバ102は、撮像画像の認識領域が記入必須項目に該当するため、文字や記号が記入されているか否かを判定する。文字や記号が記入されている場合は“OK”と判定しステップS509に進み、文字や記号が記入されていない場合は“NG”と判定しステップS508に進む。なお、この判定処理は、OCR等による解析技術を用いるが、既知の技術であるため説明を省略する。
【0105】
以上で、
図6の部分記入不備チェック処理の説明を終了する。
図6の部分記入不備チェック処理によって、再撮像された部分帳票の記入不備チェックを行い、記入不備チェック結果リスト1300には、再撮像された部分帳票の記入不備チェックの結果=“NG”となったフォーム定義情報レコードが登録されていることになる。
図4の記入不備チェック処理の説明に戻る。
【0106】
ステップS410において、サーバ102は、後述するステップS425にて再撮像するために必要となるガイド枠座標を取得する。具体的には、ステップS405にて受信したまたはステップS407にて特定した「フォームID」と、ステップS408またはステップS409にて生成した記入不備チェック結果リスト1300に含まれる「グループID」と、「チェックID」=NULLとを検索キーとして、フォーム定義テーブル1200を検索し、認識領域グループの座標を取得する。
【0107】
ここでは、「フォームID」=“FORM01“と、
図13の記入不備チェック結果リスト1300から「グループID」=2,3と、「チェックID」=NULLとを検索キーとして、フォーム定義テーブル1200を検索することで、フォーム定義レコード1201および1202を取得する。
【0108】
ステップS411において、サーバ102は、ステップS410にて取得したガイド枠座標を記入不備チェック結果リスト1300に追加する。ここでは、ステップS410にて取得したフォーム定義レコード1201および1202を、記入不備チェック結果リスト1300に追加する(1303と1304)。
【0109】
ステップS412において、サーバ102は、記入不備チェック結果リスト1300を情報処理装置101に送信する。
【0110】
ステップS413において、情報処理装置101は、記入不備チェック結果リスト1300を受信する。
【0111】
ステップS414において、情報処理装置101は、記入不備チェックにて不備が検出されたか否かを判定する。具体的には、記入不備チェック結果リスト1300にレコードが存在するか否かによって判定する。不備が無いと判定された場合はステップS415に進み、不備が有ると判定された場合はステップS416に進む。
【0112】
ステップS415において、情報処理装置101は、記入不備チェック結果画面(記入不備なし)800(
図8)を表示する。具体的には、ステップS402にて撮像した撮像画像801をディスプレイ211に表示し、「記入不備はありませんでした。」のメッセージを重畳させ、
図4の記入不備チェック処理を終了する。
【0113】
ステップS416において、情報処理装置101は、記入不備チェック結果画面(記入不備あり)900(
図9)を表示する。具体的には、ステップS402にて撮像した撮像画像901をディスプレイ211に表示し、「記入不備があります。」のメッセージを重畳させ、記入不備領域を識別して表示する(
図9の902、903)。なお、記入不備領域の識別表示は、ステップS413で取得した記入不備チェック結果リスト1300にレコード(1301、1302)から、「認識領域」の起点座標(X、Y)と終点座標(X、Y)を取得し、その2点を対角とする矩形を撮像画像上に描き、赤く塗りつぶすことで行う。これにより、記入不備のあった領域を識別可能に表示することができる。
【0114】
また、記入不備チェック結果画面(記入不備あり)900には、「全体を再撮像するボタン904」と「不備箇所を再撮像する(動画)ボタン905」を表示し、記入不備チェックの内容によって、ユーザが再撮像の方法を選択できるようにする。
【0115】
ステップS417において、情報処理装置101は、ユーザによる操作を受け付ける。「全体を再撮像するボタン904」が押下された場合はステップS428に進み、「不備箇所を再撮像する(動画)ボタン905」場合はステップS418に進む。
【0116】
すなわち、ステップS417は、エラーと判定された場合、当該エラーと判定された認識領域を含む領域を当該帳票の撮像時よりも拡大した動画を撮像するかまたは当該帳票の全体を撮像するかの選択を受け付ける処理の一例を示すステップである。また、ステップS417は、異常と判定された項目があった場合、オブジェクトの全体を撮像した電子データを取込むか又はオブジェクトのうち当該異常と判定された項目を拡大して撮像した電子データを取込むかの選択を受け付ける処理の一例を示すステップである。
【0117】
具体的には、誤記など帳票への記入内容が原因でエラーが発生したとユーザが判断した場合、記入内容を修正した後、ユーザは「全体を再撮像するボタン904」を押下する。撮像画像が不鮮明であることが原因でエラーが発生した、つまり拡大して再撮像すればエラーは解消されるとユーザが判断した場合、ユーザは「不備箇所を再撮像する(動画)ボタン905」を押下する。これにより、帳票を再撮像する場合、上記のようにエラー部分を拡大して再撮像するか、エラー部分を記入し直したため帳票全体を再撮像するか、をユーザが自由に選択できないという課題を解決することができる。
【0118】
なお、この実施形態においては、「全体を再撮像する」か「不備箇所を再撮像する」かをユーザが選択するとしたが、これに限定するものではなく、記入不備チェック結果リスト1300の「エラー詳細」の値が“必須”、“丸囲み”、“矛盾”の場合は、誤記など記入内容がエラーの原因と捉え、帳票を修正するようメッセージを表示して全体を再撮像させ、「エラー詳細」の値が“不鮮明”、“認識不可”の場合は、撮像がエラーの原因と捉え、不備箇所のみを拡大して再撮像させるなど、記入不備チェック結果リスト1300に含まれる値に従って、情報処理装置101が「全体を再撮像する」か「不備箇所を再撮像する」かを決定するとしてもよい。
【0119】
ステップS418において、情報処理装置101は、不備箇所再撮像画面1010(
図10)を表示する。
【0120】
なお、
図10の不備箇所再撮像画面1010に表示されている帳票の画像は、カメラ215が捉えた帳票の画像をリアルタイムに表示したものである。
【0121】
ステップS419において、情報処理装置101は、動画による撮像を開始する。すなわち、ステップS419は、撮像装置を用いてオブジェクトを再撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。
【0122】
ステップS420において、情報処理装置101は、帳票全体を再撮像するためのガイド枠1011またはガイドメッセージ1012を表示する。すなわち、ステップS420は、動画を撮像すべく、帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域を撮像するためのガイドを表示する処理の一例を示すステップである。これにより、ユーザは帳票をどの部分を再撮像すればよいかわからないという課題を解決することができる。
【0123】
ステップS421において、情報処理装置101は、ステップS420にて表示されたガイドに従って撮像された画像を、ステップS402にて撮像された撮像画像と比較し、同一の帳票か否かを判定する。同一帳票と判定された場合はステップS422に進み、異なる帳票であると判定された場合は「記入不備チェックした帳票と異なります」などのエラーメッセージを表示してステップS420に戻る。
【0124】
すなわち、ステップS421は、取込まれた電子データに含まれる帳票と、取込まれた電子データに含まれる帳票とが、同じ帳票であるか否かを判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS421は、先に取込まれた電子データに含まれるオブジェクトと、後に取込まれた電子データに含まれるオブジェクトとが、同一オブジェクトであるか否かを判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS421は、同一オブジェクトであると判定された場合に、取込まれた電子データから項目を読取ること処理の一例を示すステップである。
【0125】
なお、本実施形態においては、ステップS420にて帳票全体を再撮像し、ステップS402にて撮像された撮像画像と比較したが、この方法に限定するものではなく、例えば、ステップS420にて「お申込者」欄を拡大して再撮像し、ステップS402にて撮像された撮像画像の「お申込者」欄の画像と比較してもよい。また、ステップS420にて帳票を特定する通し番号などを撮像することで、ステップS402にて撮像された撮像画像の通し番号部分と比較してもよい。つまり、同一帳票と判断することができるものであれば、帳票の全体であっても部分であってもよい。
【0126】
これにより、エラー箇所を拡大して再撮像した場合、先に記入不備チェックを行った帳票と同じ帳票かどうかがわからないという課題を解決することができ、記入不備チェック後における再撮像を好適に行う仕組みを提供することができる。
【0127】
ステップS422において、情報処理装置101は、不備のあった認識領域グループの数だけ、ステップS423〜ステップS425を繰り返すグループの数だけ、ステップS423〜ステップS425を繰り返す。具体的には、ステップS413にて受信した記入不備チェック結果リスト1300に含まれる重複を省いた「グループID」の個数だけ繰り返す。ここでは、
図13の記入不備チェック結果リスト1300のレコード1301、1302から、「グループID」={2,3}の2つであるため、「グループID」=2と3について、ステップS423〜ステップS425をそれぞれ行う。
【0128】
ステップS423において、情報処理装置101は、帳票が変更されたか否かを検知し、変更されたことを検知した場合はステップS420に戻り、変更されたことを検知しなかった場合はステップS424に進む。つまり、動画撮像している間に、帳票が変更されて(すり替えられて)いないかを判定する。
【0129】
すなわち、ステップS423は、動画撮像された帳票が1枚の帳票であるか否かを判定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS423は、オブジェクトの識別情報が特定された後、当該識別情報とは異なる識別情報が特定された場合、ユーザにエラーを通知する処理の一例を示すステップである。
【0130】
具体的には、帳票の罫線や文字などを目印にして、その目印が撮像画像内をスムーズ(連続的)に移動していれば、帳票が変更されていないと判定し、その目印が撮像画像内から突然消えたり、(ジャイロ機能やGPS機能を用いて)情報処理装置101の移動とは別の方向から撮像画像内に帳票画像が侵入してきたり、撮像中の画像が帳票のどの範囲の画像かを認識し、帳票の端に達したはずなのに更に帳票画像が続いていたりした場合は、動画撮像中に帳票が変更された(すり替えられた)と判定する。
【0131】
なお、本実施形態においては、帳票が変更されたことを検知した場合は、ステップS420に戻り、動画撮像をやり直すこととしたが、これに限定するものではなく、「動画撮像中に帳票が変更されました。1枚の帳票をゆっくり撮像してください。」などエラーメッセージを表示するとしてもよい。すなわち、ステップS423は、1枚の帳票でないと判定された場合は、再撮像をやり直させることまたはエラーをユーザに通知する処理の一例を示すステップである。
【0132】
ステップS424において、情報処理装置101は、記入不備のあった記入領域グループのみを再撮像するためのガイド枠1021またはガイドメッセージ1022を表示する。すなわち、ステップS424は、動画を撮像すべく、帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域を撮像するためのガイドを表示する処理の一例を示すステップである。また、ステップS424は、まだ撮像されていない帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域を撮像するためのガイドを順次表示する処理の一例を示すステップである。また、ステップS424は、異常と判定された項目を撮像するためのガイドを表示する処理の一例を示すステップである。また、ステップS424は、異常と判定された項目のうち、まだ撮像されていない項目を撮像するためのガイドを表示する処理の一例を示すステップである。
【0133】
なお、このガイド枠は、ステップS413にて受信した記入不備チェック結果リスト1300に含まれる「チェックID」=NULLのレコード(1303、1304)の起点座標(X、Y)と終点座標(X、Y)の縦横比率を保持したまま、ディスプレイ211に収まる程度に拡大して表示する。これにより、ユーザは帳票をどの部分をどの程度拡大して再撮像すればよいかわからないという課題を解決することができる。
【0134】
例えば、「グループID」=2(「(2)お申込者」欄)の場合は、記入不備チェック結果リスト1300のレコード1303の起点座標(100、100)と終点座標(450、300)の縦横比率を保持したまま、ディスプレイ211に収まる程度に拡大して、不備箇所再撮像画面1020にガイド枠1021を表示する。また、「グループID」=3(「(3)お勤め先」欄)の場合は、記入不備チェック結果リスト1300のレコード1304の起点座標(100、400)と終点座標(450、700)の縦横比率を保持したまま、ディスプレイ211に収まる程度に拡大して、不備箇所再撮像画面1020にガイド枠1021を表示する。
【0135】
なお、
図10の不備箇所再撮像画面1020に表示されている帳票の画像は、カメラ215が捉えた帳票の画像をリアルタイムに表示したものである。
【0136】
ステップS425において、情報処理装置101は、不備箇所を含む認識領域グループを動画により再撮像する。すなわち、ステップS425は、取込まれた電子データに基づく画像の表示を行いつつ、当該電子データから項目を読取る処理の一例を示すステップである。
【0137】
なお、この実施形態においては、動画により不備箇所を含む認識領域グループを再撮像するとしたが、動画に限定するものではなく、例えば、カメラ215が捉えた帳票の画像を解析し、不備箇所を含む認識領域グループがガイド枠内に収まったと判定したことをトリガーにして、情報処理装置101が自動で静止画撮像する方法や、帳票に認識領域グループ毎にマークを印刷しておき、カメラ215が捉えた帳票の画像を解析し、そのマークの大きさを測定することによって、不備箇所を含む認識領域グループが所定の大きさに拡大されたと判定したことをトリガーにして、情報処理装置101が静止画撮像する方法などの方法であってもよい。
【0138】
すなわち、ステップS425は、エラーと判定された場合、帳票を撮像装置で再撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。また、ステップS425は、表示されたガイドに従って、帳票の全体若しくは部分並びにエラーと判定された認識領域が撮像されたか否かを判定する処理の一例を示すステップである。
【0139】
また、再撮像は、ステップS424にて表示したガイド枠1021も含めて撮像する。これにより、利用者端末から送信された帳票が記入内容の判定によりエラーとなった場合、帳票全体の記入内容を再撮像、再送信しなければならないという課題を解決することができる。また、撮像画像の不鮮明さ、文字や記号の潰れ、かすれ、重なり、用紙汚れ、ゴミ等が原因で、文字や記号を正しく読み取れず発生した“読取エラー”は、帳票全体を再撮像しても解消されにくいという課題を解決することができる。
【0140】
不備のあった認識領域グループの数だけ、ステップS423〜ステップS425を繰り返す。すなわち、ステップS419〜ステップS426は、同じ帳票であることを判定するために必要な帳票の全体若しくは部分、並びに管理されている認識領域のうちエラーと判定された認識領域を含む動画を撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。
【0141】
ステップS426において、情報処理装置101は、動画による撮像を終了し、撮像した動画を電子データとして外部メモリ212に記憶する。なお、本実施形態においては、撮像した動画を外部メモリ212に記憶し、その後の記入不備チェック(ステップS409)で利用するとしたが、この方法に限定するものではなく、撮像した動画からエラー箇所の撮像画像を静止画として抜き出し、その静止画を外部メモリ212に記憶し、その静止画を記入不備チェックに利用するとしてもよい。
【0142】
ステップS427において、情報処理装置101は、グループIDに再撮像したグループIDのリストを設定する。例えば、再撮像した「グループID」={2,3}の場合は、グループID={2,3}となる。
【0143】
ステップS428において、情報処理装置101は、帳票全体を再撮像する(不図示)。
【0144】
ステップS429において、情報処理装置101は、グループID=“0”を設定する。
【0145】
以上で、
図4の記入不備チェック処理の説明を終了する。
【0146】
なお、この実施形態においては、不備箇所を含む認識領域グループを再撮像するとしたが、これに限定するものではなく、不備箇所のみを再撮像する方法、不備箇所を含む認識領域グループを再撮像するが不備箇所の認識領域のみにトリミングする方法などであってもよい。
【0147】
以上により、エラー箇所を拡大して再撮像した場合、先に記入不備チェックを行った帳票と同じ帳票かどうかがわからないという課題を解決することができ、記入不備チェック後における再撮像を好適に行う仕組みを提供することができる。また、この動画撮像を用いて、同一帳票を判定する箇所およびエラー箇所を一連の動画により撮像することにより、先に記入不備チェックを行った帳票と同じ帳票を撮像した画像であることを保証することができる。
【0148】
また、エラー箇所を拡大して再撮像した場合にも、帳票の特定を行っているため、どの帳票を撮像しているか特定できないという課題を解決することができ、撮像対象のオブジェクトを識別した後、オブジェクトに含まれる項目を読取る仕組みを提供することができる。
【0149】
なお、本実施形態においては、動画で再撮像するとしたが、この方法に限定するものではなく、動画による再撮像ではなく、撮像装置によって取得した画像がガイド枠に収まったときに静止画を撮像することで、帳票の全体または部分並びにエラー箇所を再撮像する方法であってもよい。
【0150】
また、撮像した動画を記憶することは必須ではなく、例えば、カメラ215が捉えた画像を外部メモリ212に記憶せず、当該画像に基づいて、認識領域がガイド枠内に収まったと判定したこと等をトリガーにして、リアルタイムに当該画像を解析して、文字認識及びチェック処理を行う方法であってもよい。この際、カメラ215が捉えた画像は、ディスプレイ211に表示しなくてもよいが、どこを撮像・解析しているかがわかるため表示する方が好ましい。
【0151】
また、カメラ215が捉えた画像をディスプレイ211に表示する場合、ディスプレイ211に表示している画像と、文字認識及びチェック処理を行っている画像とが同一の画像でなくてもよい。つまり、カメラ215が捉えた画像をディスプレイ211に表示し、少し遅れたタイミングでその画像を用いて文字認識及びチェック処理を行うとしてもよい。逆に、カメラ215が捉えた画像を用いて文字認識及びチェック処理を行い、少し遅れたタイミングでその画像をディスプレイ211に表示するとしてもよい。また、カメラ215が捉えた画像を用いて文字認識及びチェック処理を行い、その画像にガイドやメッセージ等を重畳した画像をディスプレイ211に表示するとしてもよい。
【0152】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態は、帳票を識別する箇所および文字認識を行う箇所を撮像することにより、文字認識後の再撮像を好適に行う仕組みであり、第2の実施形態は、帳票を識別する箇所および文字認識を行う箇所を撮像することにより、撮像対象の帳票を識別した後、帳票に含まれる項目を読取る仕組みである。つまり、第1の実施形態はエラー箇所の再撮像時に項目を拡大して撮像するユースケースであり、第2の実施形態は再撮像に限らず、項目を拡大して撮像するユースケースである。
【0153】
図14は、第2の実施形態の帳票システム100における記入不備チェック処理の一例を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態における
図4のフローチャートを
図14に置き換え、第1の実施形態のステップと同じ処理については、同じステップ番号を付与し説明を省略する。
【0154】
なお、第2の実施形態は簡単のため、情報処理装置101がサーバ102から認識領域と認識条件を受信し、
図5、
図6の記入不備チェックは情報処理装置101が行うとする。
【0155】
ステップS1401において、情報処理装置101は、ユーザによる操作を受け付ける。「全体を再撮像するボタン904」が押下された場合はステップS402に戻り、「不備箇所を再撮像する(動画)ボタン905」場合はステップS419に進む。
【0156】
ステップS1402において、情報処理装置101は、ステップS419にて撮像された画像(動画又は動画から切り出した静止画等)を、ステップS402にて撮像された撮像画像と比較し、同一の帳票か否かを判定する。同一帳票と判定された場合はステップS409に進み、異なる帳票であると判定された場合は「記入不備チェックした帳票と異なります」などのエラーメッセージを表示してステップS419に戻る。すなわち、ステップS1402は、取込まれた電子データに含まれる帳票と、取込まれた電子データに含まれる帳票とが、同じ帳票であるか否かを判定する処理の一例を示すステップである。
【0157】
なお、本実施形態においては、ステップS402にて撮像された画像とステップS419にて撮像された画像とを比較することで、同一帳票か否かの判定を行ったが、この方法に限定するものではなく、フォームIDを示すバーコードや番号を帳票に記しておき、撮像時の読み取りまたは撮像画像の解析から帳票のフォームIDを特定して同一帳票か否かを判定する方法などであってもよい。
【0158】
図14のステップS402は、撮像装置を用いてオブジェクトを撮像することにより電子データとして取込む処理の一例を示すステップである。
【0159】
図14のステップS407は、取込まれた電子データから、オブジェクトを識別する識別情報を特定する処理の一例を示すステップである。
【0160】
図14のステップS409(正確には、
図6のステップS602)は、特定されたオブジェクトの識別情報に基づき、電子データから読取る項目を決定する処理の一例を示すステップである。
【0161】
図14のステップS409(正確には、
図6のステップS506及びステップS507)は、取込まれた電子データに基づく画像の表示を行いつつ、当該電子データから項目を読取る処理の一例を示すステップである。
【0163】
なお、本実施形態においては、撮像する対象を帳票としたが、帳票に限定するものではなく、文書、伝票、印刷物、チラシ、ポスター、看板、答案用紙、アンケート、メニュー、表、商品、商品パッケージ、動物、植物、生物、風景、自然、天体、建物、写真、物体、画像、動画等、カメラを用いて撮像できる対象物(オブジェクト)であればよい。
【0164】
以上により、撮像対象のオブジェクトを識別した後、オブジェクトに含まれる項目を読取る仕組み提供することができる。
【0165】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0166】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0167】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0168】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0169】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0170】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0171】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。