(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンカー貫通穴の外縁部分は、前記レール連結部に向かって下方に延びており、該レール連結部に当接するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のようなシート本体を収納可能なシートでは、一般にチャイルドシートを連結するためのテザーアンカーが、シート本体(シートバックやシートクッション)の所定位置に組み付けられている。
このテザーアンカーをシート本体に組み付けるにあたり、テザーアンカーの組み付け剛性を確保することが求められる一方で、安易にテザーアンカーを重量化、大型化してしまうとシート本体が重量化、大型化してしまうといった問題があった。
そこで、テザーアンカーの組み付け剛性を確保しながらも、シート本体の軽量化、小型化を図ることが可能な車両用シートが望まれていた。
特に、シート本体を収納可能なシートにあっては、複雑な収納構造を備えていることから、テザーアンカーの配置を工夫することがさらに求められていた。
【0006】
また、特許文献1のようなシートでは、シート本体を設置する車体フロア面だけでなく、収納フロア面にも収納構造の構成部品を取り付けており、シート本体を収納するために複雑な構造となっていた。
そのため、シンプルな構造で、収納フロアに収納可能なシートが望まれていた。
【0007】
また、特許文献1のようなシートでは、シートクッションを支持する脚部材が、シートクッションと収納フロアとの間で連結されるために長尺な部材となっていた。
そうすると、使用状態とチップアップ状態との切り替え操作で脚部材を保持溝から着脱させるときに、脚部材の全長が長いことで、離脱した脚部材の前後方向の振れ幅が大きくなってしまい、脚部材を保持溝に再装着させる操作が困難になっていた。
そこで、使用状態から切り替え操作が容易なシートが望まれていた。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、テザーアンカーの組み付け剛性を確保し、シート本体の軽量化、小型化を果たした車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シンプルな構造で収納フロアに収納可能な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、使用状態から切り替え操作が容易な車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、背もたれ部となるシートバックと、該シートバックに連結され、着座部となるシートクッションと、を有するシート本体を備えた車両用シートであって、
前記シートクッションの骨格となるクッションフレームと、車体フロア上に固定され、シート前後方向に延びる左右のロアレールと、該ロアレールに沿って摺動可能に取り付けられ、前記シート本体を支持する左右のアッパレールと、
前記左右のアッパレールを連結するレール連結部と、を備え、
前記クッションフレームは、左右側方に配置される左右のサイドフレームと、該左右のサイドフレームの前方部分を連結する第1連結部材と、該第1連結部材よりも後方位置に配置され、前記左右のサイドフレームを連結する第2連結部材と、前記クッションフレームのシート幅方向の中央部分に配置され、前記第1連結部材及び前記第2連結部材を連結するパンフレームと、を有し、前記レール連結部に対して、チャイルドシートを連結するためのアンカー部材が取り付けられ
、前記アンカー部材は、前記パンフレームのシート幅方向の幅内に配置されている
こと、により解決される。
【0010】
上記の車両用シートでは、アンカー部材が、車体フロア上に固定された
左右のアッパレール
を連結するレール連結部に対して取り付けられているため、従来のようにシートバックやシートクッションに取り付けられる場合と比較して、剛性の高い構成部品に組み付けられることになる。
その結果、アンカー部材の組み付け剛性を確保しながらも、アンカー部材の安易な重量化、大型化を抑制できるため、シート本体の軽量化、小型化につながる。
また上記構成により、アンカー部材がコンパクトに配置されるため、アンカー部材と他部材の干渉を抑制することができる。
【0011】
このとき、前記シート本体を前記車体フロアよりも低位置に収納可能であって、前記左右のアッパレール上に取り付けられ、前記シート本体を支持する支持ベースと、該支持ベース上に取り付けられ、前記リクライニング装置の回動軸として前記シート本体のシート前後方向の一端側に連結されるシート回動軸と、上端部が前記シート本体の他端側に取り付けられ、下端部が前記支持ベース上に着脱可能に支持される着脱脚と、を備えていると良い。
上記のように、収納構造の構成部品を車体フロア上に全て配置するため、シンプルな構造で、収納フロアに収納可能なシートを実現できる。
また、着脱脚の下端部分が従来のように収納フロアではなく、車体フロア上に配置されているため、着脱脚の全長を小さくできる。着脱脚の全長が小さい分だけ、着脱脚の前後方向の振れ幅が小さくなることから、着脱脚が脚保持部材に保持され易くなる。従って、使用状態から切り替え操作が容易になる。
【0012】
このとき、
前記シートバックに対して前記シートクッションをクッション回動軸を中心として回動可能に連結するクッション回動装置を備え、前記アンカー部材は、前記クッション回動軸よりもシート幅方向の内側に配置されていると良い。
上記構成により、
シート幅方向においてコンパクトな配置となる。
【0013】
このとき、
前記アッパレールを前記ロアレールに支持された状態でロック可能なレールロック装置を備え、該レールロック装置は、前記アッパレールをロックしたロック状態と、ロック解除した状態との間で切り替えるための操作ストラップと、該操作ストラップと前記アッパレールを連結し、前記操作ストラップの牽引に伴って前記アッパレールに設けられた被係合部を前記ロアレールに設けられた係合部から離脱させることで、前記アッパレールをロック状態から解除するレールロック本体と、を有し、該レールロック本体には、前記操作ストラップの一端を掛け止めするためのストラップ掛け止め溝が設けられ、該ストラップ掛け止め溝の開口部分は、前記レールロック本体の前端部分が切り欠かれて形成されていると良い
。
【0014】
このとき、
前記アンカー部材及び前記操作ストラップを上方から覆うカバーを備え、該カバーには、前記アンカー部材を貫通させるためのアンカー貫通穴と、該アンカー貫通穴の周辺位置に設けられ、前記操作ストラップを貫通させるためのストラップ貫通穴と、が形成されていると良い。
上記構成により、作業者によるアンカー部材及び操作ストラップの組み付け作業が効率化する。
【0015】
このとき、
前記アンカー貫通穴の外縁部分は、前記レール連結部に向かって下方に延びており、該レール連結部に当接するように配置されていると良い。
上記構成により、
カバーの組み付け性が良好になる。
【0016】
このとき、
前記アンカー貫通穴は、シート幅方向に長尺となるように延びており、前記アンカー貫通穴の外縁部分には、前記アンカー貫通穴の延出方向とは直交する方向に延びている補強リブが形成されていると良い。
上記構成により、
カバー、及びカバーに支持されるアンカー部材の組み付け剛性が向上する。
【0017】
このとき、前記ストラップ貫通穴
と前記アンカー貫通穴
が、シート幅方向に
並ぶように形成されていると良い
。
【0018】
このとき、
シートベルトに設けられたタングプレートを装着するためのバックルを備え、前記アンカー部材は、前記バックルよりもシート幅方向の内側に配置されていると良い。
上記構成により、
シート幅方向においてコンパクトな配置となる。
【0019】
このとき、
前記アッパレールを前記ロアレールに支持された状態でロック可能なレールロック装置と、前記車体フロア側に対して前記シート本体を回動可能に連結するリクライニング装置と、前記シートバックに対して前記シートクッションを回動可能に連結するクッション回動装置と、を備え、前記アンカー部材は、前記レールロック装置、前記リクライニング装置及び前記クッション回動装置よりもシート後方に配置されていると良い。
上記構成により、
アンカー部材と、これら装置との干渉を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、チャイルドシート用のアンカー部材が、従来と比較して剛性の高い構成部品に組み付けられることになる。その結果、アンカー部材の組み付け剛性を確保しながらも、アンカー部材の安易な重量化、大型化を抑制できるため、シート本体の軽量化、小型化につながる。
また、アンカー部材がコンパクトに配置されるため、アンカー部材と他部材の干渉を抑制することができる。
また本発明によれば、シンプルな構造で、収納フロアに収納可能なシートを実現できる。また、使用状態から切り替え操作が容易になる。
また本発明によれば、
シート幅方向においてコンパクトな配置となる。
また本発明によれば、作業者によるアンカー部材及び操作ストラップの組み付け作業が効率化する。
また本発明によれば、カバーの組み付け性が良好になる。
また本発明によれば、カバー、及びカバーに支持されるアンカー部材の組み付け剛性が向上する。
また本発明によれば、操作ストラップの操作性が良好になる。
また本発明によれば、シート幅方向においてコンパクトな配置となる。
また本発明によれば、アンカー部材と、これら装置との干渉を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、
図1〜
図11を参照しながら説明する。
本実施形態は、シート本体を収納フロアに収納可能な車両用シートであって、車体フロア上に取り付けられ、シート本体を前後方向に移動可能に支持する左右のレール装置と、左右のレール装置の後方部分を連結するレール連結部とを備えており、チャイルドシート用のアンカー部材が当該レール連結部に組み付けられていることを特徴とする車両用シートの発明に関するものである。
なお、車両用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
【0030】
本実施形態の車両用シートSは、例えば車両の後部座席に相当するリアシートである。
車両用シートSは、
図1に示すように、シートバック1と、シートクッション2と、ヘッドレスト3とを有するシート本体と、シート本体を下方から支持する着脱脚30と、着脱脚30を下方から支持する支持ベース40と、支持ベース40上に取り付けられ、着脱脚30の下端を着脱可能に保持する脚保持部材50と、支持ベース40を上方から覆うベースカバー60と、から主に構成されている。
また、車両用シートSは、
図2に示すように、車体フロア上に固定され、シート本体を前後移動可能に支持する左右のレール装置7と、レール装置7をロック可能なレールロック装置8と、支持ベース40に対してシートバック1を回動可能に連結するリクライニング装置13と、を備えている。
さらに、レール装置7の後方部分には、チャイルドシートを連結するためのアンカー部材9が取り付けられている。
車両用シートSのシート前方側には、
図8に示すように、車体フロアよりも低位置に形成された凹型の収納フロアが設けられている。
【0031】
車両用シートSは、乗員が着座可能な使用状態と、シート本体を収納フロアに収納させた収納状態と、シート本体を上方に跳ね上げたチップアップ状態との3種類の形態のシートアレンジが可能なシートである。
具体的には、車両用シートSは、
図8(a)に示す使用状態から、乗員が
図1の操作レバー1cを引っ張ると、シート本体が前倒れして折り畳まれ、収納フロアに収納された
図9(c)に示す収納状態に切り替わる。また、収納状態から、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで
図10(b)に示すチップアップ状態に切り替わる。さらに、チップアップ状態から、乗員が操作部分として機能する着脱脚30を引っ張ると、シートバック1に対してシートクッション2がシート下方に回転し、
図11(b)に示す使用状態に復帰する。詳細は後述する。
【0032】
シートバック1は、
図1に示すように、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる
図2のバックフレーム10に、クッションパッド1aを載置して、表皮1bで被覆されて構成されている。シートバック1上面においてシート幅方向の右側には操作レバー1cが配置されている。
シートクッション2は、
図1に示すように、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる
図2のクッションフレーム20に、クッションパッド2aを載置して、クッションパッド2aの上から表皮2bによって被覆されて構成されている。
【0033】
ヘッドレスト3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる公知なヘッドレストピラーにクッションパッド3aを載置して表皮3bで被覆されて構成されている。
ヘッドレストピラーは、一般に左右のピラー本体部と、左右のピラー本体部の上端を連結するピラー連結部と、から構成されている。
【0034】
レール装置7は、上下方向においてシート本体と車体フロアとの間に配置されており、
図2に示すように、車体フロア上にフロア連結部材6を介して固定され、シート前後方向に延びる左右のロアレール7aと、ロアレール7aに沿って摺動可能に支持される左右のアッパレール7bと、左右のアッパレール7bの後方部分を連結するレール連結部7cと、から主に構成されている。
左右のアッパレール7bの上面には支持ベース40が架設されており、支持ベース40上には、
図3に示すように、アッパレール7bをロアレール7aに支持された状態でロック可能なレールロック装置8が取り付けられている。
レール連結部7cには、アンカー部材9と、アンカー部材9に隣接した位置に配置され、レールロック装置8の操作部となる第1操作ストラップ8dと、が取り付けられている。
【0035】
レールロック装置8は、
図3、
図4に示すように、左右のアッパレール7bの間に配置されており、レールロック本体8aと、レールロック本体8aと操作ストラップとを連結し、操作ストラップの牽引に伴って回動軸8cを中心として回動する回動バー8bと、回動バー8bの一端に掛け止めされる第1操作ストラップ8d及び第2操作ストラップ8eと、から主に構成されている。
詳しく言うと、第1操作ストラップ8dは、回動バー8bの一端に設けられたストラップ掛け止め溝8gに掛け止めされている。第2操作ストラップ8eは、回動バー8bの一端に掛け止めされた牽引ケーブル8fを介して取り付けられている。
【0036】
レールロック本体8aは、アッパレール7bと回動バー8bとを連結し、回動バー8b回転動作に伴ってアッパレール7bに設けられた不図示の係合溝をロアレール7aに設けられた不図示の係合爪から離脱させることで、アッパレール7bをロック状態から解除可能な機構となっている。
回動バー8bは、長尺方向の略中央部分において回動軸8cを軸支すると共に、回動軸8cを挟んでレールロック本体8aと操作ストラップとを連結している。
【0037】
第1操作ストラップ8dは、一端がストラップ掛け止め溝8gに掛け止めされ、他端がシート後方に延びて、レール連結部7cに設けられたガイドワイヤに摺動可能にガイドされて、レール連結部7cの上方に延びるように形成されている。
第2操作ストラップ8eは、一端が牽引ケーブル8fに連結され、他端が支持ベース40上に設けられたガイドワイヤに摺動可能にガイドされて、ややシート幅方向の外側に傾きながらシート前方に延びるように形成されている。
牽引ケーブル8fは、一端が回動バー8bにおいてストラップ掛け止め溝8gよりも端の部分に掛け止めされ、他端がシート後方に延びて、レール連結部7cのガイドワイヤにガイドされて折り返され、シート前方に延びて第2操作ストラップ8eに連結されている。
【0038】
ストラップ掛け止め溝8gは、
図5に示すように、その開口部分よりも幅広な溝空間を有している。
ストラップ掛け止め溝8gの開口部分は、第1操作ストラップ8dの一端を溝内に案内するためのガイド形状を有している。
具体的には、当該開口部分は、ストラップ掛け止め溝8gの深さ方向において底部分に向うほどテーパー状に幅狭になるように形成されている。
また、当該開口部分において回動バー8bの長尺方向の一端側の部分が、他端側の部分よりも深さ方向において窪むように一部切り欠かれており、開口部分に段差が生じている。
そのため、回動バー8bに第1操作ストラップ8dを組み付け易くすることができ、組み付けられた第1操作ストラップ8dの抜けを抑制できる。
【0039】
アンカー部材9は、チャイルドシートを連結するための略コ字形状のワイヤ部材からなり、
図3、
図4に示すように、レール連結部7cの前面に取り付けられている。
アンカー部材9は、シート幅方向において左右のアッパレール7bの中央部分に配置された第1操作ストラップ8dよりもリクライニング装置13側の位置に配置されている。
また、アンカー部材9は、シート幅方向においてヘッドレスト3の芯材となる左右のピラー本体部の間に配置されている。
アンカー部材9、第1操作ストラップ8dは、
図6に示すベースカバー60によって上方から覆われており、ベースカバー60に設けられたアンカー貫通穴65、ストラップ貫通穴66を貫通して上方に露出している。
【0040】
バックフレーム10は、シートバック1の骨格となる略矩形状の枠状体からなり、
図3に示すように、バックフレーム10の左右外側面の下方部分には、支持ベース40と連結するための左右の連結ブラケット11が取り付けられている。
連結ブラケット11は、上下方向に延出する略弓形状の板金部材からなり、連結ブラケット11の上端がバックフレーム10に取り付けられ、その下端が支持ベース40に取り付けられている。
左側の連結ブラケット11の下端には、左右方向において支持ベース40に軸支されたシート回動軸12が設けられ、右側の連結ブラケット11の下端部には、支持ベース40に対してバックフレーム10を回動可能に連結するリクライニング装置13が取り付けられている。
【0041】
リクライニング装置13は、公知の装置からなり、
図3に示すように、右側の連結ブラケット11のシート幅方向の内側面に収容されており、リクラ取り付けブラケット14を介して支持ベース40の外側面に組み付けられている。
リクライニング装置13は、リクラ本体13aと、リクライニング装置13の回動軸となるシート回動軸12と、バックフレーム10をシート回動軸12を中心として前方側に回転させるように付勢する不図示の渦巻きバネと、から主に構成されている。
シート回動軸12は、シート幅方向において連結ブラケット11と、リクラ本体13aと、リクラ取り付けブラケット14とに軸支されている。
不図示の渦巻きバネは、その一端がバックフレーム10側に係止され、他端が支持ベース40側に係止されている。
【0042】
リクライニング装置13は、バックフレーム10の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能であって、バックフレーム10を
図1の起立姿勢にロックし、操作レバー1cが操作されることでロック状態を解除し、渦巻きバネの付勢力によってバックフレーム10を前方側に回転させて車体フロア側に折り畳むことができる。
【0043】
クッションフレーム20は、シートクッション2の骨格となる略矩形状の枠状体からなり、
図2に示すように、左右側方に配置されたサイドフレーム21と、各サイドフレーム21の前方部分を連結する前方連結パイプ22と、各サイドフレームの前後方向の中央部分を連結する中央連結パイプ23と、前方連結パイプ22と中央連結パイプ23を連結する板状のパンフレーム24と、から主に構成されている。
【0044】
サイドフレーム21は、シート前後方向に延出する板金部材からなり、その前方部分が前方連結パイプ22と連結され、その後端部分には、バックフレーム10に対してクッションフレーム20を回動可能に連結するクッション回動装置25が取り付けられている。
前方連結パイプ22は、コ字形状のパイプ部材からなり、その左右内側面には、クッションフレーム20に対して着脱脚30を回動可能に連結する脚回動装置28が取り付けられている。
【0045】
クッション回動装置25は、公知の装置からなり、
図3に示すように、クッション回動軸26と、クッションフレーム20をクッション回動軸26を中心として下方側に付勢する渦巻きバネ27と、を備えている。
クッション回動軸26は、左右方向においてバックフレーム10側とクッションフレーム20側とに軸支され、渦巻きバネ27は、その一端がバックフレーム10側に係止され、他端がクッションフレーム20側に係止されている。
クッション回動装置25は、クッションフレーム20の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能である。
クッション回動装置25は、
図9(c)に示すように、シート本体を収納フロアに収納させたときに、具体的には、バックフレーム10をクッションフレーム20側に折り畳んだ状態のときに、クッションフレーム20の回動動作をロックする。そして、
図11(a)に示すように、操作レバーとして機能する着脱脚30が引っ張られるとロック状態を解除し、渦巻きバネ27の付勢力によってバックフレーム10に対してクッションフレーム20を下方側に回転させることができる。
【0046】
脚回動装置28は、脚回動軸28aと、着脱脚30を脚回動軸28aを中心としてクッションフレーム20とは逆側に、言い換えれば、クッションフレーム20から離れる方向に付勢するバネ部材28bと、を備えている。
脚回動軸28aは、左右方向において前方連結パイプ22と、着脱脚30の上端部とに軸支され、バネ部材28bは、その一端がクッションフレーム20側に係止され、他端が着脱脚30側に係止されている。
脚回動装置28は、着脱脚30の回動動作をロックするロック状態に切り替え可能であって、
図9(a)に示すように、着脱脚30が脚保持部材50から離脱し、クッションフレーム20側に収納されたときに、着脱脚30の回動動作をロックする。そして、
図11(a)に示すように、ロックされた着脱脚30が引っ張られるとロック状態を解除し、バネ部材28bの付勢力によって、使用状態に復帰させるように着脱脚30を脚保持部材50に装着可能な位置に移動させることができる。
【0047】
着脱脚30は、
図3に示すように、シートクッション2を支持する略コ字形状のパイプ部材であり、左右側方に配置された脚本体部31と、各脚本体部31の下端を連結する脚連結部32と、を備えている。
脚本体部31の上端は、クッションフレーム20の前後方向の略中央部分において左右内側面に連結されており、脚連結部32の左右方向の略中央部は、脚保持部材50に着脱可能に保持されている。
着脱脚30の上端部は、着脱脚30の下端部よりもシート前方に張り出しており、着脱脚30の下端部から着脱脚30の上端部に向かって前方に上方傾斜している。
【0048】
支持ベース40は、シート本体を支持する部材であり、
図4に示すように、左右のアッパレール7b上に沿って配置された左右のサイドベース部41と、各サイドベース部41の前方部分を連結する第1ベース連結部42と、各サイドベース部41の略中央部分を連結する第2ベース連結部43と、各サイドベース部41の上面に取り付けられる左右の補強ベース部44と、第1ベース連結部42及び第2ベース連結部43を連結し、脚保持部材50を支持する保持部材支持部45と、を備えている。
【0049】
サイドベース部41、補強ベース部44は、
図4に示すように、前後方向に長尺な略クランク形状の板金部材からなり、サイドベース部41はアッパレール7b上面に連結され、補強ベース部44はサイドベース部41と上下で重なり合って閉断面構造を形成している。
【0050】
第1ベース連結部42、第2ベース連結部43それぞれの左右両端は、
図3に示すように、サイドベース部41と補強ベース部44とで挟まれて連結されている。
保持部材支持部45は、脚保持部材50を支持する湾曲形状の板金部材であり、その前方部分は第1ベース連結部42に取り付けられ、その後方部分は第2ベース連結部43に取り付けられている。
【0051】
脚保持部材50は、
図3、
図4に示すように、着脱脚30を着脱可能に保持する略U字形状のクリップ部材からなり、その開口部分を前方斜め上方に向けた位置で保持部材支持部45に支持されている。
脚保持部材50は、一対の側壁部51と、各側壁部51の下端部を連結する底壁部52と、から構成されている。
各側壁部51は、その下端部から上端部に向かって互いに近接する方向に折り曲げられており、言い換えれば、脚保持部材50の開口部分を狭めるように折り曲げられており、その上端部には、開口部外側方向に反り曲げられたカール部53が形成されている。
一対のカール部53は、
図7に示すベースカバー60に設けられた開口部を各々貫通し、着脱脚30側の外部に露出している。
【0052】
脚保持部材50に隣接した部分には、車両の後面衝突時に着脱脚30の脚連結部32を脚保持部材50に保持させた状態でロックする慣性ロック装置54が配置される。
【0053】
ベースカバー60は、支持ベース40全体を上方から覆う樹脂カバーからなり、
図6、
図7に示すように、シート前方側に配置される前方カバー61と、前方カバー61の後方に配置される後方カバー64と、から構成されている前方カバー61と後方カバー64とは、スナップフィット結合されている。
前方カバー61は、シート本体と共に移動する着脱脚30をガイドするガイド形状を有しており、具体的には、着脱脚30を収容する脚収容凹部62と、着脱脚30が脚収容凹部62よりも後方に移動することを規制する脚移動規制部63と、を備えている。
【0054】
脚収容凹部62は、ベースカバー60上面の略中央部分から下方側に向かって窪んだ略U字形状の凹部からなり、その開口部分を前方斜め上方に向けた位置で配置されている。
脚収容凹部62の前後の側壁部には四角形状の開口部が形成されており、ベースカバー60裏面側から脚保持部材50の一部が、
図1に示すように、当該開口部を介して外部に露出している。
また、後方の側壁部には、上下に延びる開口部が形成されており、ベースカバー60裏面側から慣性ロック装置54の一部が、当該開口部を介して外部に露出している。
【0055】
脚移動規制部63は、ベースカバー60上面の略中央部分からシート前方側に向かって張り出した部分からなり、脚収容凹部62の後方部分から連続して形成されている。
脚移動規制部63は、着脱脚30を脚収容凹部62に収容するときに、着脱脚30の後方移動を規制し、着脱脚30を脚収容凹部62側にガイドできる。
【0056】
後方カバー64は、アンカー部材9及び第1操作ストラップ8dを上方から覆うカバーであって、アンカー部材9を貫通させるためのアンカー貫通穴65と、第1操作ストラップ8dを貫通させるためのストラップ貫通穴66と、アンカー部材9と第1操作ストラップ8dの間を区画する区画壁部67と、を備えている。
アンカー貫通穴65、ストラップ貫通穴66のそれぞれの外縁部分は、
図7に示すように、アンカー部材9、第1操作ストラップ8dの延出方向に沿って下方に延びている。
また、アンカー貫通穴65の外縁部分の底面には、当該底面から下方に延びて
図4のレール連結部7cに当接する補強リブ68が形成されている。
【0057】
上記構成において、アンカー貫通穴65、ストラップ貫通穴66のぞれぞれの外縁部分と、補強リブ68とが、レール連結部7cに当接するように形成されている。
そのため、ベースカバー60の位置決めがし易くなり、組み付け性が良好になる。
【0058】
<シート収納動作>
次に、
図8、
図9に基づいてシート本体を使用状態から収納状態へ移動させる動作を説明する。なお、
図8、
図9において、リクライニング装置13、クッション回動装置25、及び脚回動装置28は、黒丸で図示されるときにロック状態を示し、白丸で図示されるときにロック解除状態を示すものとする。
図10、
図11も同様である。
【0059】
車両用シートSが
図8(a)に示す使用状態にあるとき、シートバック1は、支持ベース40に支持され、リクライニング装置13によって起立姿勢にロックされており、シートバック1に連結されたシートクッション2は、脚保持部材50に保持された着脱脚30によって下方から支持されている。
【0060】
車両用シートSを使用状態から収納状態へ移動させるときには、シートバック1上面に設けられた
図1の操作レバー1cを操作する。
乗員が操作レバー1cを操作することで、
図8(b)に示すように、リクライニング装置13のロック状態が解除され、シートバック1は、渦巻きバネの付勢力によって、シートクッション2を収納フロアまで移動させるようにシート回動軸12を中心としてシート前方側に回転を開始する。
着脱脚30は、シートバック1の回転に連動して、シートクッション2に対して脚回動軸28aを中心としてシートクッション2側に回転を開始する。このとき、着脱脚30は、シートクッション2と車体フロア側との間で突っ張った状態となるため、シートクッション2及びシートバック1を安定して移動させることができる。
なお、操作レバー1cとリクライニング装置13との間には、不図示の公知なケーブルが連結されており、操作レバー1cの操作によってケーブルが牽引され、ロック状態を解除する機構となっている。
【0061】
シートバック1が、
図9(a)に示すように所定の回転位置に到達したときに、着脱脚30が脚保持部材50から離脱する。
離脱した着脱脚30は、ベースカバー60上面を乗り上げることで、バネ部材28bの付勢力に抗して脚回動軸28aを中心としてシートクッション2側に折り畳まれるように回転する。そして、着脱脚30は、所定の回転位置に到達したときに、脚回動装置28によってシートクッション2側に収納された状態でロックされる。
【0062】
さらに、シートバック1が、
図9(b)に示すように所定の回転位置に到達したときに、シートクッション2の前方部分が、着脱脚30よりも先に収納フロア面に当接する。
上記一連の動作によって、
図9(c)に示すように、シート本体が収納フロアに収納され、車両用シートSが収納状態に切り替わる。
シートクッション2は、収納状態のときに、具体的にはシートバック1がシートクッション2側に折り畳まれた状態のときに、クッション回動装置25によってロックされる。
【0063】
<シートチップアップ動作>
次に、
図10に基づいてシート本体を収納状態からチップアップ状態へ移動させる動作を説明する。
車両用シートSが
図10(a)に示す収納状態にあるときに、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで
図10(b)に示すチップアップ状態に切り替わる。
このとき、クッション回動装置25がシートクッション2の回動動作をロックしているため、シートバック1を上方に起こすことでシートクッション2も一体的に上方に起こすことができる。
なお、チップアップ状態のときに、アッパレール7bをロアレール7aに対してシート後方側に摺動させることによって、シート前方側に広い荷室スペースを確保できる。
【0064】
車両用シートSが
図10(b)に示すチップアップ状態に切り替わったとき、シートバック1は、使用状態の位置と同じ位置に復帰し、リクライニング装置13によって起立姿勢でロックされることになる。
【0065】
<シート復帰動作>
次に、
図11に基づいてシート本体をチップアップ状態から使用状態へ移動させる動作を説明する。
車両用シートSをチップアップ状態から使用状態へ移動させるときには、
図11(a)に示すように、例えば操作部分として機能する着脱脚30を操作する。
乗員が着脱脚30を脚回動軸28aを中心として上方回転させるように、言い換えれば、シートクッション2側から離れる方向に引っ張ることで、クッション回動装置25及び脚回動装置28のロック状態が解除される。
なお、着脱脚30と、クッション回動装置25との間には、不図示の公知なケーブルが連結されており、着脱脚30の操作によってケーブルが引っ張られ、ロック状態を解除する構成となっている。
【0066】
シートクッション2は、クッション回動装置25の解除に伴い、
図11(b)に示すように、渦巻きバネ27の付勢力によって、シートバック1に対して下方側に回転する。
着脱脚30は、脚回動装置28の解除に伴い、バネ部材28bの付勢力によって、脚保持部材50に装着可能な位置まで脚回動軸28aを中心として回転し、脚保持部材50に装着される。
このとき、着脱脚30は、ベースカバー60のうち、脚収容凹部62及び脚移動規制部63にガイドされることよって、脚収容凹部62の下端側に取り付けられた脚保持部材50に向かって移動するようになる。
上記一連の動作により、車両用シートSが
図11(b)に示す使用状態に復帰する。
【0067】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、
図8に示すように、車両用シートSのシート前方に収納フロアが形成されているが、特に限定されることなく、車両用シートSの後方に収納フロアが形成されていても良い。
その場合、シート回動軸12と着脱脚30のシート前後方向における位置関係が逆の配置になることが望ましい。
【0068】
上記実施形態において、
図2に示すように、アンカー部材9は、レール連結部7cを介してアッパレール7bに連結されているが、特に限定されることなく、アッパレール7bに直接連結されていても良いし、他の構成部品をさらに介して連結されていても良い。
【0069】
上記実施形態において、
図2、
図3に示すように、リクライニング装置13は、支持ベース40を介して車体フロア上のレール装置7(アッパレール7b)に連結されているが、特に限定されることなく、支持ベース40を不要として直接アッパレール7bに取り付けられていても良い。
また、リクライニング装置13は、連結ブラケット11を不要として直接シートバック1と支持ベース40とを連結させても良い。さらに支持ベース40を不要として直接シートバック1とアッパレール7bとを連結させても勿論良い。
【0070】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる収納可能な車両用シートについて説明したが、これに限定されることなく、電車、バス等の車両用シートのほか、飛行機、船等の乗物用シートとしても利用することができる。
【0071】
本実施形態では、主として本発明に係る車両用シートSに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。