特許第6708946号(P6708946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6708946アルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、アルミニウム薄膜付プラスチック、及びアルミニウム薄膜付プラスチックフィルム、並びにインモールド成型用加飾フィルム及びインサート成型用加飾フィルム
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  • 特許6708946-アルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、アルミニウム薄膜付プラスチック、及びアルミニウム薄膜付プラスチックフィルム、並びにインモールド成型用加飾フィルム及びインサート成型用加飾フィルム 図000004
  • 特許6708946-アルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、アルミニウム薄膜付プラスチック、及びアルミニウム薄膜付プラスチックフィルム、並びにインモールド成型用加飾フィルム及びインサート成型用加飾フィルム 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6708946
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】アルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、アルミニウム薄膜付プラスチック、及びアルミニウム薄膜付プラスチックフィルム、並びにインモールド成型用加飾フィルム及びインサート成型用加飾フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09D 133/14 20060101AFI20200601BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20200601BHJP
   C09D 127/12 20060101ALI20200601BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20200601BHJP
   C09D 183/10 20060101ALI20200601BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20200601BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20200601BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20200601BHJP
   C08F 220/12 20060101ALI20200601BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20200601BHJP
【FI】
   C09D133/14
   C09D5/00 D
   C09D127/12
   C09D175/04
   C09D183/10
   B29C45/14
   B29C45/16
   B32B15/08 H
   C08F220/12
   B29L9:00
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-215373(P2015-215373)
(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公開番号】特開2016-104853(P2016-104853A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2018年10月26日
(31)【優先権主張番号】特願2014-222756(P2014-222756)
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山崎 彰寛
(72)【発明者】
【氏名】東本 徹
【審査官】 柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−132521(JP,A)
【文献】 特開2008−273098(JP,A)
【文献】 特開2009−173743(JP,A)
【文献】 特開2016−074888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−101/14
B32B 1/00− 43/00
B29C 45/14
B29C 45/16
B29L 9/00
C08L 33/00− 33/26
C08L 75/00− 75/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル(メタ)アクリレート類(a1)及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(a2)を含むモノマー群の反応物であって、ガラス転移温度が0〜100℃であり、かつ水酸基当量が0.8〜3.5meq/gであるアクリルコポリマー(A)と、
トリイソシアネート類(b1)及びジオール類(b2)の反応物を含み、かつイソシアネート基当量が1〜10meq/gのイソシアネート組成物(B)と、
水酸基含有アクリルシリコーン樹脂(c1)及び/又は水酸基含有フッ素樹脂(c2)からなるポリマー(C)と、
を含有し、
前記ポリマー(C)の水酸基価が5〜150mgKOH/gである
アルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤。
【請求項2】
(a1)成分のアルキル基の炭素数が1〜20である、請求項1のアンダーコート剤。
【請求項3】
(a2)成分のヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜4である、請求項1又は2のアンダーコート剤。
【請求項4】
(b1)成分が芳香族ジイソシアネートの三量体であり、かつ(b2)成分が炭素数2〜8のアルキレンジオールである、請求項1〜3のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項5】
(A)成分の水酸基当量と(B)成分のイソシアネート基当量の比〔NCO/OH〕が1〜6である、請求項1〜4のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項6】
(C)成分の使用量が、(A)成分及び(B)成分の合計を100重量部に対して0.5〜15重量部となる範囲である、請求項1〜5のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項7】
有機溶剤(D)の溶液として使用する、請求項1〜6のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項8】
プラスチック基材(プラスチックフィルムを除く。)と、請求項1〜7のいずれかのアンダーコート剤からなる層と、アルミニウム薄膜層とを有する、アルミニウム薄膜付プラスチック。
【請求項9】
プラスチックフィルムと、請求項1〜7のいずれかのアンダーコート剤からなる層と、アルミニウム薄膜層とを有する、アルミニウム薄膜付プラスチックフィルム。
【請求項10】
請求項9のアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムを部材とする、インモールド成型用加飾フィルム。
【請求項11】
請求項9のアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムを部材とする、インサート成型用加飾フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック基材にアルミニウム薄膜を密着させるために使用するアンダーコート剤、並びに当該アンダーコート剤を用いて得られるアルミニウム薄膜付プラスチック及びアルミニウム薄膜付プラスチックフィルム、並びに該プラスチックフィルムを部材とするインモールド成型及びインサート成型用の加飾フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム薄膜付プラスチックとは、プラスチック基材の表面にアルミニウムからなる薄膜を真空蒸着法等によって形成したものをいう。特に、数十nm程度の厚みのアルミニウム薄膜をプラスチックフィルムに積層してなるアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムは、インモールド成型用又はインサート成型用の加飾フィルム用の部材として賞用されており、成形品に金属調、ミラー感等の意匠性を付与できることから、近年、例えば、携帯電話やオーディオ製品、パソコン、自動車内装部品等種々の電子製品の筐体に供されている。
【0003】
ところで、アルミニウム薄膜とプラスチック基材とを密着させるためには、各種ポリマーを主成分とするアンダーコート剤が使用されることが多い。
【0004】
例えば特許文献1には、所定のガラス転移温度及び水酸基当量を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを含むアンダーコート剤が記載されており、プラスチックフィルムとアルミニウム薄膜との密着性が良好になるとされる。
【0005】
しかし、特許文献1のアンダーコート剤を用いて得られるアルミニウム薄膜付プラスチックを高温高湿状態に置くと、プラスチックフィルムに対するアルミニウム薄膜の密着性が低下したり、アルミニウム薄膜に白化部分が生じたりする問題があった。
【0006】
そこで本出願人は、特許文献2を通じ、アルキル(メタ)アクリレート類及び水酸基含有(メタ)アクリレート類の反応物である所定水酸基濃度のアクリルコポリマーと、ポリイソシアネートとを含むアンダーコート剤を提案した。これによれば、プラスチックフィルムとアルミニウム蒸着膜との密着性が良好になるだけでなく、該アルミニウム薄膜付プラスチックフィルムを高温状態に置いてもアルミニウム薄膜に白化が生じ難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−227837号公報
【特許文献2】特開2011−132521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、本発明者は、特許文献2に係るアルミニウム薄膜付プラスチックを高温多湿下に置くと、アルミニウム薄膜面に微小な透明部分(以下、「抜け」ともいう。)が多数生じる場合があることを見出した。そこで本発明者は、アルミニウム薄膜付プラスチックを高温高湿下に置いてもアルミニウム薄膜とプラスチック基材との密着性を低下させず、かつ、アルミニウム薄膜面に白化部分や抜けを生じさせない、新規なアンダーコート剤を提供することを主たる課題に設定した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、特許文献2のアンダーコート剤を用いて得られるアルミニウム薄膜付プラスチックを高温高湿下に置いた場合に生じる「抜け」について一つの仮説を立てた。即ち、この部分がアルミニウムと水による何らかの反応物で形成されており、これが可視光に対して透明であることから、図1で示すように、あたかもアルミニウム薄膜に無数の微小な穴が生じているように見えているのであろうと考えた。そこで、アルミニウム層と水とのそうした反応を抑制するような物質を添加することを着想した。
【0010】
そして、抜けの問題を解消しつつ、密着性及び耐白化性は維持する手段について検討した結果、所定のアクリルポリオールとポリイソシアネートを含むアンダーコート剤に所定のポリマーを更に添加することによって、前記課題を解決可能なアンダーコート剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、アルキル(メタ)アクリレート類(a1)及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(a2)を含むモノマー群の反応物であって、ガラス転移温度が0〜100℃であり、かつ水酸基当量が0.8〜3.5meq/gであるアクリルコポリマー(A)と、トリイソシアネート類(b1)及びジオール類(b2)の反応物を含むイソシアネート組成物(B)と、水酸基含有アクリルシリコーン樹脂(c1)及び/又は水酸基含有フッ素樹脂(c2)からなるポリマー(C)とを含有するアルミニウム薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、に関する。
【0012】
また、本発明は、プラスチック(プラスチックフィルムを除く。)と、前記アンダーコート剤からなる層と、アルミニウム薄膜層とを有するアルミニウム薄膜付プラスチックにも関する。
【0013】
また、本発明は、プラスチックフィルムと、前記アンダーコート剤からなる層と、アルミニウム薄膜層とを有する、アルミニウム薄膜付プラスチックフィルムにも関する。
【0014】
また、本発明は、前記アルミニウム薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインモールド成型用加飾フィルム及びインサート成型用の加飾フィルムにも関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアンダーコート剤は透明な組成物であり、室温での経時的な安定性(ポットライフ)にも優れる。また、アルミニウム薄膜とプラスチック基材との初期密着性に優れるのみならず、高温高湿下におけるアルミニウム薄膜とプラスチック基材との密着性(以下、耐湿熱密着性ともいう。)、アルミニウム薄膜面の耐白化性及び耐抜け性にも優れる。
【0016】
本発明に係るアルミニウム薄膜付プラスチック(フィルム状のものを除く。)は、例えばボトルやキャップ、携帯電話やオーディオ製品、パソコン及び自動車内装部品等種々の電子製品の筐体等に適する。
【0017】
また、本発明に係るアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムは、例えばインモールド成型用又はインサート成型用の加飾フィルムの部材に適する他、ガスバリアフィルム等の包装材や、透明導電シート、反射フィルム、フィルムコンデンサ及び表示用ラベルの部材等としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】「抜け」が生じているアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(400倍)である。
図2】実施例1に係るアルミニウム蒸着PETフィルムの蒸着面の顕微鏡写真(400倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のアンダーコート剤は、所定のアクリルコポリマー(A)(以下、(A)成分ともいう。)、イソシアネート組成物(B)(以下、(B)成分ともいう。)、並びに水酸基含有アクリルシリコーン樹脂(c1)(以下、(c1)成分ともいう。)及び/又は水酸基含有フッ素樹脂(c2)(以下、(c2)成分ともいう。)からなるポリマー(C)(以下、(C)成分ともいう。)を必須成分とする組成物である。
【0020】
(A)成分は、アルキル(メタ)アクリレート類(a1)(以下、(a1)成分ともいう。)及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(a2)(以下、(a2)成分ともいう。)を含むモノマー群の反応物(共重合体)である。
【0021】
(a1)成分としては、各種公知のアルキル(メタ)アクリレートを使用できる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル及び(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられ、これらは一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。中でもアルキル基の炭素数が1〜20程度、好ましくは1〜8程度のアルキル(メタ)アクリレートは、(A)成分のガラス転移温度を後述の範囲としやすく、かつ、本発明のアンダーコート剤の特に耐抜け性の向上に寄与するため好ましい。
【0022】
(a2)成分は、(A)成分に、(B)成分との反応点になる水酸基を与えるモノマーであり、各種公知のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを使用できる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル及び2−ヒドロキシプロピオン酸4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル等が挙げられる。中でもヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜4程度のものは、本発明のアンダーコート剤のポットライフ等の観点より好ましい。
【0023】
本発明では、前記モノマー群に(a1)成分及び(a2)成分のいずれにも該当しないモノマー(以下、(a3)成分ともいう。)を含めることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、4−カルボキシブチル(メタ)アクリレート、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、マレイン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等のα,β不飽和カルボン酸類;スチレン、α−メチルスチレン及びt−ブチルスチレン等のスチレン類;2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン及び2−メチルビニルシクロヘキサン等のαオレフィン;(メタ)アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1−メチル−3−ブテン−1−オール及び5−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル及び(メタ)アクリル酸4−メチルベンジル等のアリール(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミ及びそれらの塩;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸及びそれらの塩等の連鎖移動性モノマー;ビニルアミン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、アリルメルカプタン及びグリシジル(メタ)アクリレート等の他の単官能モノマー;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド及びヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド;エチレングリコールジ(メタ)アクリルエステル及びジエチレングリコールジ(メタ)アクリルエステル等のジ(メタ)アクリルエステル;アジピン酸ジビニル及びセバシン酸ジビニル等のジビニルエステル;ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート及びジビニルベンゼン等の二官能性モノマー;1,3,5トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテート及びN,N−ジアリルアクリルアミド等の三官能性モノマー;テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート及びN,N,N’,N’−テトラアリル−1,4ジアミノブタン等の四官能性モノマー;アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のアクリロニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロールメタクリルアミド等のアクリルアミドなどが挙げられる。
【0024】
(A)成分の構成モノマーとして(a1)成分及び(a2)成分のみを使用する場合、それらの使用比率は特に限定されないが、通常は以下の通りである。
(a1)成分:通常45〜97モル%程度、好ましくは65〜90モル%程度
(a2)成分:通常3〜45モル%程度、好ましくは10〜35モル%程度
【0025】
また、(a1)成分及び(a2)成分とともに(a3)成分を併用する場合、それらの使用比率も特に限定されないが、通常、以下の通りである。
(a1)成分:通常65〜90モル%程度、好ましくは70〜85モル%程度
(a2)成分:通常5〜35モル%程度、好ましくは10〜30モル%程度
(a3)成分:通常1〜20モル%程度、好ましくは1〜15モル%程度
【0026】
(A)成分は、各種公知の方法で製造できる。具体的には、例えば、(a1)成分及び(a2)成分並びに必要に応じて前記(a3)成分を、無溶剤下又は後述の有機溶剤(D)の中で、通常はラジカル重合開始剤の存在下、80〜180℃程度において、1〜10時間程度共重合反応させればよい。
【0027】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられ、その使用量は通常、(A)成分を構成するモノマー群の総重量に対して0.1〜2重量%程度となる範囲である。
【0028】
こうして得られる(A)成分は、ガラス転移温度が0〜100℃であり、かつ水酸基当量0.8〜3.5meq/gである。そして、そのような(A)成分は、(B)成分及び(C)成分と良く相溶するため、本発明のアンダーコート剤が透明となり、また室温での長期保存が可能になる。また、そのような(A)成分と後述の(C)成分とを後述の(B)成分と反応させることにより、本発明のアンダーコート剤の硬化層に架橋構造が導入される結果、該硬化層の初期密着性、耐湿熱密着性、耐白化性及び耐抜け性が良好になると考えられる。かかる観点より、(A)成分のガラス転移温度は好ましくは25〜80℃程度であり、水酸基当量は好ましくは1〜2.5meq/g程度である。
【0029】
また、前記(a3)成分のうちα,β不飽和カルボン酸類を併用する場合、(A)成分のカルボキシル基当量は通常、0.06〜0.4meq/g程度、好ましくは0.09〜0.18meq/g程度である。
【0030】
また、(A)成分の他の物性は特に限定されないが、本発明のアンダーコート剤の初期密着性、耐湿熱密着性、耐白化性及び耐抜け性の観点より、重量平均分子量が通常3000〜100000程度、好ましくは10000〜80000程度である。
【0031】
(B)成分は、トリイソシアネート類(b1)(以下、(b1)成分ともいう。)及びジオール類(b2)(以下、(b2)成分ともいう。)の反応物を含む組成物である。
【0032】
(b1)成分としては、各種公知のジイソシアネートの多量体としてのトリイソシアネートが好ましい。該ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、並びにジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート及び水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。また、多量体としては、ヌレート体やアダクト体等が挙げられる。また、(b1)成分は一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に耐湿熱性、耐白化性及び耐抜け性の観点より、芳香族ジイソシアネートの多量体が、特にヌレート体及び/又はアダクト体が好ましい。
【0033】
(b2)成分としては、各種公知のジオール及び/又は水が挙げられる。ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、特にアルミニウム薄膜との密着性の観点より、炭素数2〜20程度、好ましくは2〜8程度、特に4〜8程度のアルキレンジオール、及び/又は水が好ましい。
【0034】
(B)成分は、各種公知のウレタン化反応により製造することができる。(b1)成分と(b2)成分の使用比率は特に限定されないが、特にアルミニウム薄膜との密着性の観点より、通常、(b1)成分のイソシアネート基(NCO’)と(b2)成分のうちジオール類の水酸基(OH’)との当量比[NCO’/OH’]が通常5〜20程度、好ましくは10〜20程度となる範囲であればよい。一方、(b2)成分として水(HO)を用いる場合には、(b1)成分のイソシアネート基と水分子が反応した後、脱炭酸(CO↑)過程を経て一級アミノ基(−NH)が生成する。次いで、この一級アミノ基と、別の(b1)成分のNCO’基とが反応する。ここに、この一連の反応過程において、水分子1モルによって(b1)成分のイソシアネート基2モルが消費される。そのため、(b2)成分として水(HO)を用いる場合は、これが水酸基を二つ有するものと見做して、前記当量比[NCO’/OH’]を計算する。反応の際、必要に応じ、後述の有機溶剤(D)のうち、イソシアネート基と反応しないもの、例えばケトン系溶剤やエステル系溶剤、グリコール系溶剤を使用できる。
【0035】
こうして得られる(B)成分は、そのイソシアネート基当量が1〜10meq/gであるため、本発明のアンダーコート剤の相溶性やポットライフ、初期密着性、耐湿熱密着性、耐白化性及び耐抜け性が良好になる。かかる観点より、該当量は好ましくは3〜6meq/g程度である。
【0036】
なお、本発明においては、(B)成分とともに、必要に応じ、前記ジイソシアネートや、リジントリイソシアネート等の(b1)成分以外のトリイソシアネート、6官能のポリイソシアネート(製品名「デュラネートMHG−80B」、旭化成ケミカルズ(株)製)等を使用できる。
【0037】
(A)成分及び(B)成分の使用比率は特に制限されないが、本発明のアンダーコート剤の相溶性やポットライフ、特に耐白化性及び耐抜け性を考慮すると、通常、(A)成分の水酸基当量と(B)成分のイソシアネート基当量の比〔NCO/OH〕が1〜6程度、好ましくは2〜5程度となる範囲である。
【0038】
(C)成分は、分子内に疎水部位(シリコーン鎖、フッ素鎖)と水酸基とを有するポリマーであり、(A)成分とともに前記(B)成分とウレタン化反応してネットワーク構造を形成する結果、本発明のアンダーコート剤の耐湿熱密着性と耐白化性が向上し、特に前記当該疎水部に基づき耐抜け性が改善されるのであろうと考えられる。
【0039】
(c1)成分としては、分子内に水酸基を有するアクリルシリコーン樹脂であれば各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、アクリル樹脂にシリコーン鎖をグラフトさせたものが挙げられ、例えば特開2003−192988号公報、特開2009−052019号公報、特開2009−249584号公報及び特開2010−228116号公報等に記載されたものを使用できる。また、(c1)成分の物性は特に限定されないが、通常、水酸基価(mgKOH/g)が5〜150程度である。また、重量平均分子量が3000〜100000程度である。(c1)成分の市販品としては例えばT&K TOKA製のZX−028−B等が挙げられる。
【0040】
(c2)成分としては、分子内に水酸基を有するフッ素系の樹脂であれば各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、水酸基を有するフルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体が挙げられ、このものは、フルオロオレフィン系モノマー(テトラフルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロプロピルビニルエーテル等)と、炭化水素系モノマー(ビニルエーテル類、カルボン酸ビニル類、アリルエーテル類、カルボン酸アリル類、イソプロペニルエーテル類等)と、ヒドロキシブチルビニルエーテルやグリシジルビニルエーテル等の硬化反応性部位を有する単量体とを反応させてなる共重合体である。また、該フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体の物性は特に限定されないが、通常、水酸基価(mgKOH/g)が5〜150程度である。また、重量平均分子量は5000〜50000程度である。また、フッ素含有率は通常20〜30質量%程度である。(c2)成分の市販品としては、例えば旭硝子(株)製のルミフロンLF916F、ルミフロンLF200、ルミフロンLF400、ルミフロンLF710F及びルミフロンLF810等や、T&K TOKA製のZX−022−H、ZX−007−C、ZX−001及びZX−022、ビックケミージャパン(株)製のBYK−SILCLEAN3700等が挙げられる。
【0041】
(C)成分の使用量は特に限定されないが、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して通常0.5〜15重量部程度、好ましくは通常2〜10重量部程度である。かかる範囲の場合、本発明のアンダーコート剤の初期密着性、耐湿熱密着性、耐白化性及び耐抜け性が特に良好になる。
【0042】
本発明のアンダーコート剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を各種公知の方法で混合することによって得ることができる。また、該アンダーコート剤は、有機溶剤(D)(以下、(D)成分ともいう。)の溶液として使用するのが好ましく、その固形分重量は通常5〜50重量%程度である。
【0043】
(D)成分としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコール等の低分子アルコール系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート及びセロソルブアセテート等のエステル系溶剤;ソルベッソ#100及びソルベッソ#150(いずれも商品名。エクソン社製。)等の石油系溶剤;その他クロロホルム及びジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの中でも(A)成分〜(C)成分の溶解力や、本発明のアンダーコート剤のポットライフ等の点より、(D)成分にはケトン系溶剤を、特にメチルエチルケトンを含めるのが好ましい。また、(D)成分の使用量も特に限定されないが、通常、本発明のアンダーコート剤の固形分重量が10〜50重量%程度となる範囲である。
【0044】
また、本発明のアンダーコート剤には、他にも、ウレタン化触媒(スズ系、第3級アミン系等)、ルイス酸触媒、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤や、希釈溶剤として前記反応溶媒を加えることができる。
【0045】
本発明のアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムは、各種公知のプラスチックフィルムと、本発明のアンダーコート剤からなる層と、アルミニウム薄膜層とを有する複合フィルムである。具体的には、該プラスチックフィルムに、本発明のコーティング剤を各種公知の手段で塗工し、通常80〜185℃程度において10秒〜5分程度加熱硬化させることによりアンダーコート層を形成した後、該アンダーコート層の上にアルミニウム種を各種公知の薄膜形成法により更に積層することにより得ることができる。
【0046】
前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0047】
前記塗工手段としては、スプレー、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター及びドットコーター等が挙げられる。また、塗工量は特に限定されないが、通常は乾燥固形分として0.01〜10g/m程度である。
【0048】
前記薄膜形成法としては、各種の物理的方法(真空熱蒸着、スパッタリング等)、化学的方法(化学的気相反応等)が挙げられる。また、アルミニウム薄膜の厚みは特に限定されないが、通常5〜500nm程度、好ましくは5〜50nm程度である。
【0049】
本発明のアルミニウム薄膜付プラスチックフィルムは、その用途に応じ、他の機能性層が設けられていてよい。例えば当該フィルムをインモールド成形転写箔用途に供する場合には、プラスチックフィルム層とアンダーコート層との間に離型層、ハードコート層、ハードコート層用アンカー層及び柄インキ層等を設けることができる。また、アルミニウム薄膜層の上には接着剤層を設けることもできる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。
【0051】
また、実施例中の「部」は重量基準を表す。また、ガラス転移温度は、市販の測定器具(製品名「DSC8230B」、理学電機(株)製)を用いて測定した値である。水酸基当量及びイソシアネート基当量は、原料の仕込み部数から算出される計算値である。また、重量平均分子量は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー機器(製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製)を用いて測定した値である。また、図1〜2における顕微鏡写真は、市販の共焦点レーザー顕微鏡(製品名「VK−9500」、(株)キーエンス製)を用いて撮影したものである。
【0052】
<(A)成分の調製>
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、(a1)成分としてメタクリル酸メチル192部(1.92モル)、アクリル酸ノルマルブチル7.2部(0.06モル)、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル40.8部(0.35モル)、並びにメチルエチルケトン360部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度70℃、水酸基当量1.42meq/g、重量平均分子量50000アクリルコポリマー(A−1)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0053】
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル189.6部、アクリル酸ノルマルブチル4.8部、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル45.6部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度90℃、水酸基当量1.42meq/g、及び重量平均分子量50000のアクリルコポリマー(A−2)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0054】
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル117.6部、アクリル酸ノルマルブチル81.6部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル40.8部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度10℃、水酸基当量1.42meq/g、及び重量平均分子量55000のアクリルコポリマー(A−3)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0055】
製造例4
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル194.4部、アクリル酸ノルマルブチル14.4部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル31.2部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度70℃、水酸基当量1.07meq/g、及び重量平均分子量50000のアクリルコポリマー(A−4)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0056】
製造例5
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル201.6部、アクリル酸ノルマルブチル4.8部、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル33.6部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度90℃、水酸基当量1.07meq/g、及び重量平均分子量52000のアクリルコポリマー(A−5)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0057】
製造例6
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル70.8部、アクリル酸ノルマルブチル84.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル64.8部、及びスチレン20.4部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度0℃、水酸基当量2.31meq/g、及び重量平均分子量55000のアクリルコポリマー(A−6)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0058】
製造例7
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル148.8部、アクリル酸ノルマルブチル60.0部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル31.2部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度30℃、水酸基当量1.07meq/g、及び重量平均分子量50000のアクリルコポリマー(A−7)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0059】
製造例8
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル166.8部、アクリル酸ノルマルブチル8.4部、アクリル酸ステアリル24.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル40.8部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度60℃、水酸基当量1.42meq/g、及び重量平均分子量53000のアクリルコポリマー(A−8)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0060】
製造例9
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル184.8部、アクリル酸ノルマルブチル7.2部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル40.8部、アクリル酸7.2部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度70℃、水酸基当量1.42meq/g、カルボキシル基当量0.41meq/g及び重量平均分子量54000のアクリルコポリマー(A−9)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0061】
製造例10
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル184.8部、アクリル酸ノルマルブチル7.2部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル40.8部、メタクリル酸7.2部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度70℃、水酸基当量1.42meq/g、カルボキシル基当量0.34meq/g及び重量平均分子量55000のアクリルコポリマー(A−10)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0062】
比較製造例1
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル177.6部、アクリル酸ノルマルブチル20.9部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル17.5部、及びスチレン24.0部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度70℃、水酸基当量0.62meq/g、及び重量平均分子量45000のアクリルコポリマー(イ)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0063】
比較製造例2
製造例1と同様の反応容器に、メタクリル酸メチル123.6部、アクリル酸ノルマルブチル16.8部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル99.6部、並びにメチルエチルケトン360.0部を仕込み、反応系を80℃に設定した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を仕込み、80℃付近で5時間保温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に4時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度30℃、水酸基当量3.56meq/g、及び重量平均分子量48000のアクリルコポリマー(ロ)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0064】
【表1】
【0065】
MMA:メタクリル酸メチル
nBA:アクリル酸n−ブチル
SMA:アクリル酸ステアリル
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
St:スチレン
【0066】
<(B)成分の調製>
製造例11
製造例1と同様の反応容器に、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(製品名「コロネート2030」、イソシアネート基当量3.8meq/g)を445.5部、1,6−ヘキサンジオールを5.0部、及びメチルエチルケトンを308.6部仕込み、60℃で3時間ウレタン化反応を実施した。その後室温に冷却することによって、イソシアネート組成物(B−1)(イソシアネート基当量3.3meq/g)を得た。
【0067】
製造例12
製造例1と同様の反応容器に、コロネート2030を445.5部、水を0.75部、メチルエチルケトンを273.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを25.2部仕込み、60℃で3時間ウレタン化反応を実施した。その後室温に冷却することによって、イソシアネート組成物(B−2)(イソシアネート基当量3.3meq/g)を得た。
【0068】
<(B)成分の調製>
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、コロネート2030を445.5部、1,6−ヘキサンジオールを5.0部、メチルエチルケトンを308.6部仕込み、60℃で3時間ウレタン化反応を実施した。その後室温に冷却することによって、イソシアネート基当量が1meq/gの変性トリレンジイソシアネートヌレート体(以下、「変性TDI」という。)を得た。
【0069】
<アンダーコート剤の調製>
【0070】
実施例1
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、(c1)成分として水酸基含有アクリルシリコーン樹脂(製品名「ZX−028−G」、T&K TOKA(株)製、水酸基価115mgKOH/g)0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0071】
実施例2
(A−2)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0072】
実施例3
(A−3)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0073】
実施例4
(A−4)成分10.0部、(B−1)成分6.5部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.2部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0074】
実施例5
(A−5)成分10.0部、(B−1)成分6.5部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.2部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0075】
実施例6
(A−6)成分10.0部、(B−1)成分14.0部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン14.8部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0076】
実施例7
(A−7)成分10.0部、(B−1)成分6.5部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.2部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0077】
実施例8
(A−8)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0078】
実施例9
(A−9)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0079】
実施例10
(A−10)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0080】
実施例11
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、(c1)成分として水酸基含有アクリルシリコーン樹脂(製品名「BYK-SILCLEAN3700」、ビックケミージャパン(株)製、水酸基価30mgKOH/g)1.0部、及びメチルエチルケトン10.2部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0081】
実施例12
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、BYK-SILCLEAN3700 0.5部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0082】
実施例13
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、(c2)成分として水酸基を含有するフルオロエチレン・ビニルエーテル共重合物(製品名「ルミフロンLF916F」、旭硝子(株)製、水酸基価98mgKOH/g、弗素含有率25.6質量%)0.3部、及びメチルエチルケトン10.3部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0083】
実施例14
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ルミフロンLF916F 0.15部、及びメチルエチルケトン10.1部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0084】
実施例15
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.3部、及びメチルエチルケトン10.2部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0085】
実施例16
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.9部、及びメチルエチルケトン11.0部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0086】
実施例17
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分4.3部(NCO/OH=1.0)、ZX−028−G 0.46部、及びメチルエチルケトン9.3部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0087】
実施例18
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分12.8部(NCO/OH=3.0)、ZX−028−G 0.73部、及びメチルエチルケトン10.8部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0088】
実施例19
(A−1)成分10.0部、(B−2)成分6.5部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−G 0.6部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0089】
比較例1
製造例1の(A−1)成分を10部、(B−1)成分8.6部をよく混合することにより、アンダーコート剤を調製した。
【0090】
比較例2
(イ)成分を10部、(B−1)成分3.8部、及びZX−028−Gを0.44部、及びメチルエチルケトン8.6部をよく混合することにより、アンダーコート剤を調製した。
【0091】
比較例3
(ロ)成分10.0部、(B−1)成分10.7部(NCO/OH=2.0)、ZX−028−Gを0.67部、及びメチルエチルケトン11.0部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0092】
比較例4
(イ)成分を10部、(B−1)成分3.8部、及びルミフロンLF916Fを0.22部、及びメチルエチルケトン8.4部をよく混合することにより、アンダーコート剤を調製した。
【0093】
比較例5
(ロ)成分10.0部、(B−1)成分10.7部(NCO/OH=2.0)、ルミフロンLF916Fを0.33部、及びメチルエチルケトン10.8部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0094】
比較例6
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、(c1)成分に代えてポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(製品名「BYK−370」、ビックケミージャパン(株)製、水酸基価35mgKOH/g)0.5部、及びメチルエチルケトン10.6部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0095】
比較例7
(A−1)成分10.0部、(B−1)成分8.6部(NCO/OH=2.0)、(c1)成分に代えて3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(商品名「KBE−9007」信越化学工業(株)製)0.56部、及びメチルエチルケトン11.5部をよく混合し、アンダーコート剤を調製した。
【0096】
<試験用パネルの作製>
離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムに、市販のハードコート剤(商品名「アロニックスM305」、東亜合成(株)製)を、バーコーターにて、乾燥・硬化後の膜厚が5μとなるように塗工し、照度100mj/cm2にて硬化処理を実施した。次いで、ハードコート層上に、実施例1に係るアンダーコート剤を、バーコーターにて、乾燥膜厚が1μとなるように塗工した。次いで、得られた塗工フィルムを、循風乾燥機にて硬化処理した(150℃、60秒間)。次いで当該塗工フィルムを市販の蒸着装置(製品名「NS−1875−Z」、西山製作所(株)製)を使用し、蒸着層の厚みが50nmであるアルミニウム蒸着フィルムを得た。次いで、アルミ蒸着層上に、接着剤を、バーコーターにて、乾燥膜厚が1μとなるように塗工した。次いで、得られた塗工フィルムを、循風乾燥機にて乾燥処理した(80℃、10秒間)。これを市販のアクリル板に熱転写し、実施例1の試験用パネルとして用いた。他の実施例及び比較例のアンダーコート剤についても同様にして試験用パネルを作製した。
【0097】
(初期密着性)
各試験用パネルについてハードコート面にカッターナイフで100マスの碁盤目を入れ、粘着テープ(製品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン(株)製)を貼り付け、垂直方向に勢い良く引き剥がしたが、アルミニウム面は剥がれなかった。(各表において5と示した。)
【0098】
(耐湿熱密着性)
各試験用パネルを65℃、95%×24時間の恒温恒湿条件下に置いた後の密着性について、上記初期密着性と同様の方法にて評価した。
【0099】
5…剥離が認められない
4…アルミニウム層とアンダーコート層との間で5%未満の剥離が認められる。
3…アルミニウム層とアンダーコート層との間で5%以上〜20%未満の剥離が認められる。
2…アルミニウム層とアンダーコート層との間で20%以上〜50%未満の剥離が認められる。
1…アルミニウム層とアンダーコート層との間で50%以上〜100%の剥離が認められる。
【0100】
(耐白化性)
各試験用パネルを65℃、95%×24時間の恒温恒湿条件下に置いた後の白化状態を以下の規準で目視評価した。
5…アルミニウム面に白化が生じておらず、金属光沢を維持している
4…アルミニウム面に部分的に白化が僅かに生じているが、ほぼ金属光沢を維持している
3…アルミニウム面の全体に白化が僅かに生じており、若干の金属光沢の消失が見られる
2…アルミニウム面の全体に白化が強く生じており、金属光沢の消失が見られる
1…アルミニウム面の全体に白化がより強く生じており、金属光沢が完全に消失している
【0101】
(耐抜け性)
各試験用パネルを65℃、95%×24時間の恒温恒湿条件下に置いた後のアルミニウム層の抜けの状態を以下の規準で目視評価した。
【0102】
5…アルミニウム層に抜けが生じていない
4…アルミニウム面に局所的に抜けが僅かに生じている
3…アルミニウム面の全体に抜けが僅かに生じている
2…アルミニウム面の全体に抜けが多数生じている。
1…アルミニウム面の全体に大きな抜けが多数生じている。
【0103】
【表2】
図1
図2