(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を明確に説明するため、
図1(A)、
図5(D)(以下、本定義中では単に「図」と記載する。)を次の定義をおく。
(定義1)「第1側部S1側」とは、図に示すように、紙面の表側(正面方向)を意味する。以下「・・・側」は「・・・方向」と記載する場合がある。
(定義2)「第2側部S2側」とは、図に示すように、紙面の裏側(背面方向)を意味する。
(定義3)「第3側部S3側」とは、図に示すように、紙面の右側を意味する。
(定義4)「第4側部S4側」とは、図に示すように、紙面の左側を意味する。
【0012】
(定義5)「上部U側」とは、図に示すように、紙面の上側を意味する。
(定義6)「下部D側」とは、図に示すように、紙面の下側を意味する。
(定義7)「長手L方向」とは、図に示すように接続管1、バルブ5の長尺方向を意味する。
(定義8)「円周CR方向」とは、前記長手L方向の中心Cから、「側部S側」に延びる方向を意味する。側部S側は、第1側部S1側、第2側部S2側、第3側部S3側、第3側部S3側、これらの間の全ての方向を含む。
(定義9)また例えば第1側部S1(第3側部S3)側を側部Sの一方向、これと略180度反対側の第2側部S2(第4側部S4)を他の側部Sの一方向と記載する場合がある。
また例えば第1側部S1(第2側部)側を側部Sの一方向、これと略90度側に位置する第3側部S3(第4側部S4)側を他の側部Sの一方向と記載する場合がある。
また例えば第1側部S1(第2側部)側を側部Sの一方向、これと略90度側に位置する第3側部S3側と第4側部S4側を他の側部Sの二方向と記載する場合がある。
(定義10)(各構成部品の名称の位置・配置等の方向性を示す符号の記載について)
本発明の図面及び発明の説明の中で、例えば
図5に例示するように、台座5Bの
スペース5BSPで、第1側部S1側のスペースを5BSPS1、第2側部S2側のスペースを5BSPS2と記載した。
以下、これらのスペース5BSP並びにこれら以外の各構成部品等の名称で、「第1側部S1側」等の位置・配置等の方向性を示す符号は、発明の理解ができ、必要と認められる範囲内で、図面及び発明の説明の中で一部のみについて記載した。
【0013】
接続管1、バルブ5、15、25、35、45、55、65、75、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FR、75FRは、各部材毎の符号記載の複雑化を回避するため、共通ないし同じ部材はできるだけ同じ符号を記載した。
なお説明の便宜上、バルブ5を配置した接続管1を接続管1.5、バルブ15を配置した接続管1を接続管1.15等と記載する場合ある。以下同様にバルブ25、35、45、55、65、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FRを配置した接続管1は、それぞれ接続管1.25、1.35、1.45、1.55、1.65、1.5FR、1.15FR、1.25FR、1.35FR、1.45FR、1.55FR、1.65FRと記載すべきであるが、接続管1の符号があまり複雑・多岐にならないように、発明の理解ができ、必要と認められる範囲内で接続管1.5、1.15の一部のみ記載した。
【0014】
(接続管1)
本発明の接続管1は、
図1(B)に示すように、上部ハウジング2Uと下部ハウジング2Dを有し、
図1(B)に示すように、下部ハウジング2Dの上部空間から上部ハウジング2Uの内部空間へ立ち上がるように、バルブ5を配置している。
【0015】
(バルブ5)
バルブ5は、
図5に示すように、上部U方向から下部D方向に向けて、頭部5H、脚部5F及び台座5Bを有する。換言すれば台座5B、脚部5F及び頭部5Hは一体成形している。
頭部5Hは、いわゆる略円柱状の形態を有し、側部Sの一方向の略中腹部から他の側部Sの二方向の領域の斜め方向、すなわち第1側部S1の略中腹部から、下部D−第3側部S3−第2側部S2の斜め方向と、下部D−第4側部S4−第2側部S2の斜め方向に削って、傾斜部5SLを形成している。
頭部5Hの形態は、側部Sの一方向から他の側部Sの一方向、すなわち第3側部S3−第4側部S4方向に見て、台座5Bの円周CR方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)に対して、非対称に形成している。
脚部5Fは、いわゆる略円柱状に長手L方向に延びるように形成している。
【0016】
台座5Bは、
図5(C)に示すように、いわゆる略板状(略円形)の形態を有し、略第1側部S1側と略第2側部S2側を、略矩形状に切欠して、スペース5BSPS1、5BSPS2を形成している。これらのスペース5BSPS1とスペース5BSPS2との間に、脚部5Fの配置部5BF(略矩形状)を形成している。
スペース5BSPS1の面積は、スペース5BSPS2の面積よりも大きく形成している。
このため配置部5BFは、台座5Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)よりも、側部Sの一方向、すなわち第2側部S2側にオフセットしている。
【0017】
以上のようにバルブ5は、下部D側の台座5Bから上部U方向に立ち上がるように、いわゆる略円柱状の脚部5Fを立設し、当該脚部5Fの上部U側に頭部5Hの傾斜部5SLの最下部Dを接続している。
脚部5Fは、配置部5BFとともに側部Sの一方向、すなわち第2側部S2方向にオフセットしている。
【0018】
(ハウジング2)
ハウジング2は、上部ハウジング2Uと下部ハウジング2Dとを有する。
(上部ハウジング2U)
上部ハウジング2Uは、上部U側に開口を有する上部管状部2UTと下部D側に開口を有する上部鍔部2UFとからなる。
上部鍔部2UFは、内周に、後述する下部ハウジング2Dの下部接続部2DCと接続する第1上部接続部(いわゆる溝)2UC1を形成している。
上部管状部2UTの外周にシリンジとの第2上部接続部(いわゆる螺子状突起)2UC2を形成している。
【0019】
(下部ハウジング2D)
下部ハウジング2Dは、上部U側に開口を有する下部鍔部2DFと下部D側に開口を有する下部管状部2DTとからなる。
下部鍔部2DFの上部U側に、下部接続部(いわゆる略環状の突起)2DCを形成している。
下部接続部2DCの内側に、載置部2DPを形成している。
【0020】
(接続管1内へのバルブ5の配置、バルブ5を配置した接続管1.5)
図4(A)に示すように、バルブ5の台座5Bを、下部ハウジング2Dの載置部2DPの上部Uに載置し、下部接続部2DCの内周に圧入して装着する。
図4(B)に示すように、上部ハウジング2Uを、バルブ5を覆うように、下部ハウジング2Dに装着する。
図1(B)に示すように、第1上部接続部2UC1と下部接続部2DCは嵌合し、台座5Bの外縁は、上部鍔部2UFの内縁と載置部2DPとの間で固定される。
バルブ5の頭部5Hの略円柱状の部分(傾斜部5SLを除く)は、上部管状部2UTの上部内周と密着する。当該密着部により、液密性を維持することができる。
【0021】
(上部ハウジング2U、下部ハウジング2D、バルブ5の材質)
上部ハウジング2Uの材質は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、ナイロン等の熱可塑性プラスチックが好適に使用することができる。
下部ハウジング2Dの材質は、例えばポリカーボネート、ABS、ナイロン等の
熱可塑性プラスチックが好適に使用することができる。
バルブ5の材質は、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムやエラストマー等熱可塑性樹脂の弾性体が好適に使用することができる。
【0022】
(接続管1内へのバルブ15の配置、バルブ15を配置した接続管1.15)
図6(B)から
図7に示すようにバルブ15を接続管1内へ配置する。
バルブ15がバルブ5と異なる点は、頭部15Hと台座15Bである。
(頭部15H)
図8に示すように頭部15Hがバルブ5の頭部5Hと異なる点は以下の二点である。
第一にバルブ5の傾斜部5SLに代えて、側部Sの一方向に異なる上下方向に傾斜する二種類の傾斜部15SLU、15SLD、すなわち第1側部S1方向に、上部傾斜部15SLUと下部傾斜部15SLDを形成した点である。
第二に頭部15Hの上部Uに上部鍔部15FU、下部Dに下部鍔部15FDを新たに形成した点である。
【0023】
上部傾斜部15SLUは、頭部15Hの略中腹部領域(一部上部U側から下部D側まで含む)の傾斜で、上部Uから下部Dに下る傾斜である。
上部傾斜部15SLUは、第1側部S1方向から見て、いわゆる略半円状(略半楕円、略放物線状、略舌状ともいう。)である。
下部傾斜部15SLDは、頭部15Hの下部D領域に下部D側から上部U側に上る傾斜で、第1側部S1方向から見て、いわゆる略矩形状(第3側部S3から第4側部S4方向に延びる)である。
上部傾斜部15SLUは、下部傾斜部15SLDよりも長く形成している。
以上のように頭部15Hの形態は、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
図6に示すように上部鍔部15FUは、上部管状部2UTの内周に上部領域で密着し、下部鍔部15FDは、上部管状部2UTの内周に中腹部領域近傍で密着し、これらの密着部により液密性を維持することができる。
【0024】
(台座15B)
台座15Bが台座5Bと異なる点は、以下のとおりである。
第一に、略第3側部S3側と略第4側部S4側を、略矩形状に切欠して、スペース15BSPS3、15BSPS4を形成している点。
第二に、スペース15BSPS3とスペース15BSPS4の面積は、実質的に同じである点。
第三に、脚部5Fの配置部15BFは、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5CL)と一致している点。
なお、脚部5Fが台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)から第2側部S2側にオフセットしている点は、バルブ5と同じである。
【0025】
(その他のバルブ25、35、45)
(バルブ25)
バルブ25がバルブ5、15と異なる点は、頭部25Hと台座25B、脚部25Fの配置位置である。
(頭部25H)
図9に示すように、頭部25Hは、側部Sの一方向と他の側部Sの一方向に異なる長さの二種類の傾斜部、すなわち第1側部S1方向に長い傾斜部25SLS1を形成し、第2側部S2方向に短い傾斜部25SLS2を形成している。
傾斜部25SLS1は、頭部25Hの下部D側から上部U側へ上部U領域まで、上るように形成している。
傾斜部25SLS2は、頭部25Hの下部D側から上部U側へ略中腹部領域まで、上るように形成している。
以上のように頭部25Hの形態は、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0026】
(台座25B)
台座25Bは、略第1側部S1側と略第2側部S2側を、略矩形状に切欠して、スペース25BSPS1、25BSPS2を形成している点で、台座15Bと異なるのみで、その他は台座15Bと実質的に同じである。脚部25Fの配置部15BFも台座15Bと同じである。
脚部25Fの配置位置は、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)と一致し、第2側部S2側にオフセットしているバルブ5、15と異なる。
【0027】
(バルブ35)
バルブ35がバルブ15と異なる点は、頭部35Hと脚部35F、脚部35Fの配置位置である。
(頭部35H)
頭部35Hは、側部Sの一方向に略湾曲状に窪んだ傾斜部35SLS1、すなわち第1側部S1方向にいわゆる略楕円形状の窪み、傾斜部35SLS1を形成している。
脚部15Fに代えて、側部Sの一方向と他の側部Sの一方向に湾曲した二個の脚部35FS1、35FS2、すなわち第1側部S1方向に向けて湾曲している脚部35FS1と、第2側部S2方向に向けて湾曲している脚部35FS2を有する。
第1側部S1−第2側部S2方向に見て、脚部35FS1の幅は、脚部35FS2の幅よりも狭く形成している。
第3側部S3−第4側部S4方向に見た厚み(幅)は、実質的に同じに形成している。
以上のように頭部35Hの形態と、二つの脚部35FS1、35FS2を、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0028】
台座は、バルブ15の台座15Bと同じである。脚部35FS1、35FS2の配置部15BFも台座15Bと同じである。二つの脚部35FS1、35FS2の下部Dは、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5CL)近傍の第1側部S1寄りと、第2側部S2寄りにそれぞれ配置している。
【0029】
(バルブ45)
バルブ45がバルブ35と異なる点は、第2側部S2方向に脚部45FS2を一個のみ配置した点である。
バルブ45は頭部35Hの形態と、脚部45Fを、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0030】
(接続管1とバルブ5、15、25、35、45の使用方法)
接続管1の組み立て時は、頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側の外周[傾斜部(5SL、15SLU、15SLD、25SLS1、25SLS2、35SL)を除く)]と、ハウジング2の上部U側の内周は密着して、液密性を維持している。
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側から外圧を加えた際に、頭部(5H、15H、25H、35H、45H)は、脚部(5F、25F、35FS1、35FS2、45FS2)及び台座(5B、15B、25B)の変形とともに、上部U側から下部D側に移動する。
【0031】
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側の外周とハウジング2の上部U側の内周との密着は解除し、上部ハウジング2Uの上部U側の内周に隙間spができ、当該隙間spから下部ハウジング2Uの下部D側へ、液体を流通させることができる。
また下部管状部2DT、上部管状部2UTを経て、液体を採取することができる。
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)は上部U側からの外圧を解除すると、バルブ(5、15、25、35、45)は自己の弾性により元の形状に復元でき、再び液密性を維持することができる。
【0032】
以下
図8のバルブ15を装填した
図6の接続管1の使用方法の一例について説明する。
図12に例示するように、シリンジのルアーテーパーSYRの下部D側を、上部ハウジング2の上部管状部2UTの開口より挿入して、頭部15Hの上部Uを下部D方向に押して外圧を加える。
頭部15Hは、上部U側からルアーテーパーSYRの圧力を受け、当該圧力は、脚部5Fを経て台座15Bの脚部の配置部15BFに伝達される。脚部5F(略直立円柱状)は中間部で屈曲し、配置部15BF(略矩形状)は脚部5Fに上部U側から押されて、下部D側に屈曲する。(
図12のようにS1−D―S2方向に湾曲ラインを描く。)
頭部15Hは、脚部5F及び配置部15BFの変形に連動して、上部U側から下部D側に移動する。
【0033】
ルアーテーパーSYRの挿入前は、
図6のように上部管状部2UTの内周は、バルブ15の上部鍔部15FUと下部鍔部15FDと密着して、液密性を維持している。
ルアーテーパーSYRを前記のように挿入すると、頭部15Hは下部U側へ移動して、上部管状部2UTの内周とバルブ15の上部鍔部15FU及び下部鍔部15FDとの密着は解除される。
さらにルアーテーパーSYRの下部D側と頭部15Hの上部U側との間に隙間spができる。
以上より、ルアーテーパーSYRの下部D側から隙間spを経て、さらにハウジング2内の空間SPを経て、下部ハウジング2Uの下部管状部2DTの下部Dへ、薬液(液体)を流通させ、患部へ注入することができる。
さらに患部より、下部管状部2DT、ハウジング2内の空間SP、隙間spを経て、患者の血液等をサンプリングすることができる。
【0034】
薬液(液体)の注入後(血液等をサンプリング終了後)、ルアーテーパーSYRの下部Dを、上部管状部2UTから引き抜いて、ルアーテーパーSYRの下部Dの頭部15Hへの圧力を解除すると、バルブ15は自己の弾性力により、基の形状に復元して、
図6のように上部管状部2UTの内周は、バルブ15の上部鍔部15FUと下部鍔部15FDと密着して、液密状態を維持することができる。
なおバルブ5、25は、頭部5H、25Hの上部U側(傾斜部5SL、25SL1、25SL2を除く)が上部管状部2UTの内周と密着する点で、バルブ15と異なる。
その他の点は、バルブ5、25は、バルブ15と実質的に同じであり、またバルブ35、45もバルブ15と実質的に同じであるから詳細な説明は省略する。
【0035】
前記した
図5、
図8〜
図11の各バルブ5、15、25、35、45は、
図13、
図15〜
図18の各バルブ5FR、15FR、25FR、35FR、45FRに示すように、各台座5B、15B、25Bの各スペース5BSP、15BSP、25BSPの外縁に、縁部FRを形成することができる。
図13、17、18の各バルブ15FR、35FR、45FRでは、第3側部S3−第4側部S4方向にそれぞれ縁部FRS3、FRS4を形成している。
図15、16の各バルブ5FR、25FRでは、第1側部S1−第2側部S2方向にそれぞれ縁部FRS1、FRS2を形成している。
なお
図13のバルブ15FRは、
図8のバルブ15と比較して、前記縁部FRを形成した他にも、次の点で相違している。
台座15Bの脚部5Fの配置部15BFは、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、円周方向の中心5BC(長手L方向の中心5LC)よりも第2側部S2方向にオフセットしている。
これに伴い脚部5Fも配置部15BFと同様に中心5BC(中心5LC)よりも第2側部S2方向きにオフセットしている。スペース15BSPは、S1とS2側に形成し(15BSPS1、15BSP2)、スペース15BSPS1は、スペース15BSPS2よりも大きくなっている。
【0036】
このように縁部FRを形成することにより、各スペース5BSP、15BSP、25BSPの外縁が埋まるので、各バルブ5FR、15FR、25FR、35FR、45FRの各台座5B、15B、25Bを、下部ハウジング2Dの載置部2DPに装着し、続いて上部U側から上部ハウジング2Uで覆い、上部鍔部2UFの内縁の壁面と(台座の)載置部2DPの壁面との間で、各台座5B、15B、25Bの外縁(縁部FRを含む)を挟持することにより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0037】
図14は、好適な実施例のバルブ55FRの一例を示している。バルブ55FRが
図8のバルブ15と異なる点は、脚部55Fの形態と、台座55Bのスペース55BSPの外縁に縁部FRを形成した点、下部鍔部55FDを面取り(R)加工している点である。
脚部55Fは、二個の略管状体を上部Uと下部Dで結合し、上部開口部55OUと下部開口部55ODを形成している。
脚部55Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略眼鏡状の形態を有する。第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。
上部開口部55OUと下部開口部55ODは、略同一(実質的に同じ)の大きさ(径)を有する。
【0038】
バルブ55FRは、前記のようにハウジング2内に装着して、接続管1として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部55OUと下部開口部55ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部55Hには、傾斜部55SL があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部55Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部55OUと下部開口部55ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部55OUと下部開口部55ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ55FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0039】
使用時において、
図14のバルブ55FRが
図8のバルブ15と異なる最大の特徴は以下のとおりである。
図12のバルブ15は、ルアーテーパーSYRの圧力が前記段落[0032]のように脚部の配置部15BFに伝達されて、当該配置部15BFは
図12のようにS1−D−S2側へ屈曲する。
これに対して
図14のバルブ55FRは、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部55OUと下部開口部55ODの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部55BFは、S1−D−S2側へほとんど屈曲しない。屈曲しても極わずかである。このためルアーテーパーSYRから接続管1内に流入する液体は、上部ハウジング2Uからスペース55BSPを経て(バルブ15と比較して)速やかに下部ハウジング2D側へ流通することができる。
またバルブ55FRは、ルアーテーパーSYRのからの圧力から開放された後は、(バルブ15と比較して)速やかに安定した元の形状に復元することができる。
後述する
図20のバルブ55も
図14のバルブ55FRと実質的に同じである。
【0040】
図19は、好適な実施例のバルブ65FRの一例を示している。
バルブ65FRが、バルブ55FRと異なる点は、脚部65Fの形態、上部傾斜部65SLUと下部傾斜部65SLDを有する点、台座65Bは第3側部S3−第4側部S4側にスペース65BSPS3、65BSPS4を有し、当該スペース65BSPS3、65BSPS4の外縁に縁部FRS3、FRS4を形成した点である。
脚部65Fは、二個の略半円柱状体ないし略角柱状体を、屈曲部65Rを介して上部Uと下部Dで結合している。
下部D側−第1S1側に下部開口部65OD、上部U側−第3側部S3側に上部開口部65OUを形成している。上部開口部65OUと下部開口部65ODは繋がっている。
脚部65Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。
第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略S字状の形態を有する。
上部開口部65OUと下部開口部65ODは、上下方向に同一の大きさ(長さ)を有する。
脚部65Fは、第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、長手L方向の中心5LCに対して、上部U側は第1側部S1寄りにオフセットし、下部D側は第2側部S2寄りにオフセットしている。
【0041】
バルブ65FRは、前記のようにハウジング2内に装着して、接続管1として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部65OUと下部開口部65ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部65Hには、傾斜部65SLU、65SLD があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部65Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部65OUと下部開口部65ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部65OUと下部開口部65ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ65FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0042】
図19のバルブ65FRも
図14のバルブ55FRと同様に、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部65OUと下部開口部65ODの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部65BFは、S1−D−S2側へほとんど屈曲しない。屈曲しても極わずかである。このためルアーテーパーSYRから接続管1内に流入する液体は、上部ハウジング2Uからスペース65BSPを経て(バルブ15と比較して)速やかに下部ハウジング2D側へ流通することができる。
またバルブ65FRは、ルアーテーパーSYRのからの圧力から開放された後は、(バルブ15と比較して)速やかに安定した元の形状に復元することができる。
後述する
図22のバルブ65も
図19のバルブ65FRと実質的に同じである。
【0043】
図20は、
図14のバルブ55FRから、縁部FRを削除したバルブ55の例である。
このようなバルブ55は、
図21のように別部品として略環状のパッキンPを使用して、接続管1を組み立てることより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
すなわち上部ハウジング2U(図示せず)と下部ハウジング2Dとの間にパッキンPを配置する。
さらに詳述すれば、バルブ55の台座55Bを下部ハウジング2Dの載置部2DPの上部Uに装着(載置)し、下部ハウジング2Dの下部接続部(突起)2DCの
内周に圧入して装着する。
当該下部接続部(突起)2DCの上部UにパッキンPを載置する。続いて上部U側から上部ハウジング2Uで覆い、第1上部接続部(2UC1)と下部接続部(2DC)を嵌合して、第1上部接続部(溝)2UC1と前記下部接続部(突起)2DCとの間で、パッキンPを挟持し、台座55Bの外縁を、上部鍔部2UFの内縁と載置部2DPとの間で固定することにより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0044】
図22は、
図19のバルブ65FRから縁部FRを削除したバルブ65の例で、
図21と同様に別部品としてパッキンPを使用することより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
前記した
図5、
図8〜
図11の縁部FRのない各バルブ5、15、25、35、45も
図21と同様に別部品としてパッキンPを使用することより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0045】
(バルブ75FRとバルブ75FRを配置した接続管11(11.75FR)とその使用例)
図23は、好適な実施例のバルブ75FRと当該バルブ75FRをハウジング12に装填した接続管11(11.75FR)とその使用例の一例を示している。
バルブ75FRが
図14バルブ55FRと異なる点は、脚部75Fの形態と向き[(これに伴う脚部の配置部75BFの向き/S1−S2方向、スペース75BSP(
図14のバルブ55FRのスペース55BSPに対応)の配置方向/75BSPS3と75BSPS4方向) ]である。
脚部75Fは、二個の略管状体と一個の略半管状体を上部Uから下部Dに向けて結合し、上部開口部75OU、下部口部75ODを形成し、当該下部口部75ODと台座75B(脚部の配置部75BF)との間に、半開口部75OMDを形成している。
脚部75Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略眼鏡状の形態を有する。
上部開口部75OUと下部開口部75ODは、略同一(実質的に同じ)の大きさ(径)を有する。
半開口部75OMDは、上部開口部75OU(下部開口部75OD)の約半分の大きさ(径)を有する。
ハウジング12がハウジング2と異なる点は、下部ハウジング2Dの形態である。
ハウジング12は、下部ハウジング2Dに、側部S及び下部D側に傾斜した側管2SDTを装着している。
バルブ75FRとバルブ75FRを配置した接続管11は、バルブ55FRとバルブ55FRを配置した接続管1と、前記異なる点(部材)以外は実質的に前記バルブ55FRとバルブ55FRを配置した接続管1と同じであるから、説明の煩雑さを軽減するめにあえて記載せず、
図23にもその符号はあえて記載していない。
【0046】
バルブ75FRは、前記のように、ハウジング12内に配置して、接続管11として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部75OUと下部間口部75ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部75Hには、傾斜部75SL があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部75Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部75OUと下部開口部75ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部75OUと下部開口部75ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ75FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0047】
図23のバルブ75FRは、
図14のバルブ55FRと比較して、さらに半開口部75OMDを有するので、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部75OU、下部開口部75OD及び半開口部75OMDの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部75BFは、S1−D−S2側へ実質的に屈曲しない。屈曲してもバルブ55FRの配置部55BFよりもさらに極小である。
このためバルブ75FRは、バルブ55FRよりもさらに液体の流通や、安定した形状の復元に優れる。
後述するバルブ75もバルブ75FRと実質的に同じである。
【0048】
図23のバルブ75FRは、前記ハウジング2(ハウジング12の側管2SDTがないもの)に配置して、接続管1として使用することができる。
また
図23のバルブ75FRから縁部FRを削除したバルブ75も、
図20のバルブ55と同様に
図21のようにパッキンPを使用して、接続管1(1.75)として使用することができる。
また前記バルブ(5、15、25、35、45、55、65、75、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FR)も、バルブ75FRと同様にハウジング12に配置して、接続管11として使用することができる。