特許第6709039号(P6709039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709039
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】接続管
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/04 20060101AFI20200601BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20200601BHJP
   A61M 39/26 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   A61M39/04
   A61M39/10
   A61M39/26
【請求項の数】3
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-224598(P2015-224598)
(22)【出願日】2015年11月17日
(65)【公開番号】特開2017-18566(P2017-18566A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年11月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-137569(P2015-137569)
(32)【優先日】2015年7月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000200035
【氏名又は名称】川澄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正年
【審査官】 田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−510690(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0276466(US,A1)
【文献】 特表2012−501743(JP,A)
【文献】 特開2013−022420(JP,A)
【文献】 特表2016−538917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/04
A61M 39/10
A61M 39/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの空間内にバルブが配置された接続管であって、
前記バルブは、上側に設けられた頭部と、前記頭部よりも下側に設けられた脚部と、前記脚部よりも下側に設けられた台座と、を有し、
前記脚部は、前記頭部の中心と前記台座の中心を結ぶ上下方向と略平行に延在するともに、前記上下方向に略直交する直交方向の長さが前記頭部の前記直交方向の長さよりも小さくされ、且つ、前記上下方向に沿った中心軸よりも側方にオフセットして配置されて、当該バルブ全体の形態が前記中心軸に対して非対称に形成され、
前記頭部の上側の外周が前記ハウジングの上側の内周と密着した状態で、液密性を維持し、
前記頭部の上側から外圧が加えられると、前記脚部の変形に伴って前記頭部が下方に移動し、前記頭部の上側の外周が前記ハウジングの上部側の内周から離間して液体を流通可能な隙間が形成されることを特徴とする接続管。
【請求項2】
前記頭部は、前記ハウジングの上側の内周と密着する部分よりも下側の部分に傾斜部を形成した、ことを特徴とする請求項1に記載の接続管。
【請求項3】
記台座は、側部の一方向の少なくとも一箇所に、変形する前記脚部が配置されるスペースを形成した、ことを特徴とする請求項1に記載の接続管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はニードルレスの接続管に関する。さらに詳述すれば、操作者が接続管を使用して、患者に薬液等の注入及び血液のサンプリング等の操作を行う際に、より速やかで確実にこれらの操作を行うことのできるニードルレスの接続管の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、側注管にシリンジ等を接続する操作者が誤って皮膚に針を刺すことがなく、注入及びサンプリングの両方が可能なニードルレス側注管が開示されている。
当該ニードルレス側注管は、 分岐管と密接した部位を有し、閉塞端を有するゴム状弾性体(本願発明のバルブに相当)が、シリンジのルアーテーパー等より受ける圧縮により変形して、密接した部位に薬液等の流入出ができる間隙が生じるような構造としている。
さらに詳述すれば、一端が開口した混注本管と、当該混注本管に連結し、一端から他端まで連通するル−メンを有する分岐管と、分岐管内壁と密接する部位を有し、且つ閉塞部を有するゴム状弾性体と、ゴム状弾性体を分岐管内に支持する支持部材とを有する。
【0003】
特許文献2には、医療従事者や患者への注射針の誤穿刺事故及び院内感染事故を皆無にできる側注管の発明が開示されている。(以下、特許文献2の符号をそのまま記載し、符号に〈 〉を付けた。)
当該側注管は、下部が段部を介して接続流路〈7〉に連通したストレート状の内腔〈2〉、上部が狭窄された開口端〈3〉に向けて集束されたテーパー状の内腔〈4〉になっている筒状筐体〈1〉を設けている。
当該筒状筐体〈1〉の内腔内に、縦穴〈11〉を開けた頂部〈8〉と筒状胴部〈9〉とからなる弾性栓体〈10〉(本願発明のバルブに相当)を圧迫装填している。
注射針を装着しない注射器〈C〉の先管〈C′〉を、上部の開口端〈3〉から挿入すると、段部に支えられた筒状の弾性栓体〈10〉が圧縮してテーパー状の内腔〈4〉を下降して頂部〈8〉が面方向に拡大することにより閉塞していた縦穴〈11〉が開いて、プランジャ〈P〉の操作によりそのまま側注ができるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開1998−192415号公報(要約、特許請求の範囲の欄)
【特許文献2】特開2003−305129号公報(要約、特許請求の範囲の欄)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のゴム状弾性体(分岐管と密接した部位を有し、閉塞端を有する)と、特許文献2に記載の弾性栓体〈10〉(縦穴〈11〉を開けた頂部〈8〉と筒状胴部〈9〉とからなる)とは、双方ともに長手方向の中心から見て左右対称に形成しているので、両方ともにシリンジのルアーテーパー等で上部U側から押して変形させる時に変形しにくく、薬液等を注入しずらい。
さらに特許文献2に記載の弾性栓体〈10〉は、頂部〈8〉の縦穴〈11〉にルアーテーパー等を差しにくい等の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の発明に到達した。
本発明は、ハウジングの空間内にバルブが配置された接続管であって、
前記バルブは、上側に設けられた頭部と、前記頭部よりも下側に設けられた脚部と、前記脚部よりも下側に設けられた台座と、を有し、
前記脚部は、前記頭部の中心と前記台座の中心を結ぶ上下方向と略平行に延在するともに、前記上下方向に略直交する直交方向の長さが前記頭部の前記直交方向の長さよりも小さくされ、且つ、前記上下方向に沿った中心軸よりも側方にオフセットして配置されて、当該バルブ全体の形態が前記中心軸に対して非対称に形成され、
前記頭部の上側の外周が前記ハウジングの上側の内周と密着した状態で、液密性を維持し、
前記頭部の上側から外圧が加えられると、前記脚部の変形に伴って前記頭部が下方に移動し、前記頭部の上側の外周が前記ハウジングの上部側の内周から離間して液体を流通可能な隙間が形成される接続管を提供する。
【0007】
[2]本発明は、前記頭部は、前記ハウジングの上側の内周と密着する部分よりも下側の部分に傾斜部を形成した、[1]に記載の接続管を提供する。
【0008】
[3]本発明は、前記バルブは、前記脚部よりも下側に設けられた台座をさらに有し、
前記台座は、側部の一方向の少なくとも一箇所に、変形する前記脚部が配置されるスペースを形成した、[1]に記載の接続管を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の前記解決手段を有する接続管は、
(1)バルブは、上部方向からシリンジのルアーテーパー等からの圧力を受けると容易に変形・移動して、ハウジングの上部から下部に至るまでの液体の流通路を容易に開放することができるので、薬液等の注入、血液のサンプリング等の操作がより、速やかで確実に行うことができる。
(2)ルアーテーパー等からの圧力がなくなると、より速やかに基の形状に復元し、ハウジング内の液密性を維持して、シリンジのルアーテーパー等と、患者側の液体流路を遮断することができる。

【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、(A)は第1側部S1方向から見た側面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
図2図2は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、(A)は第1側部S1方向から見た側面図、(B)は第2側部S2方向から見た側面図、(C)は(A)のB−B断面図である。
図3図3は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、(A)は上部U方向から見た平面図、(B)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図である。
図4図4は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図(三部品)である。(B)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図(二部品)である。
図5図5は本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ5の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は上部U方向から見た平面図、(C)は下部D方向から見た底面図、(D)は第1側部S1方向から見た側面図、(E)は第3側部S3方向から見た側面図である。
図6図6は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、(A)は第1側部S1方向から見た側面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は第2側部S2方向から見た側面図、(D)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図である。
図7図7は本発明の接続管1の全体図(組立時)で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図(二部品)である。
図8図8は本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ15の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は上部U方向から見た平面図、(C)は下部D方向から見た底面図、(D)は第1側部S1方向から見た側面図、(E)は第3側部S3方向から見た側面図である。
図9図9は本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ25の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は上部U方向から見た平面図、(C)は下部D方向から見た底面図、(D)は第1側部S1方向から見た側面図、(E)は第3側部S3方向から見た側面図、(F)は第2側部S2方向から見た側面図である。
図10図10は本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ35の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は上部U方向から見た平面図、(C)は下部D方向から見た底面図、(D)は第1側部S1方向から見た側面図、(E)は第3側部S3方向から見た側面図、(F)は上部U−第2側部S2−第3側部S3方向から見た斜視図である。
図11図11は本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ45の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は上部U方向から見た平面図、(C)は下部D方向から見た底面図、(D)は第1側部S1方向から見た側面図、(E)は第3側部S3方向から見た側面図である。
図12図12は、図8のバルブ15を装填した図6の接続管1の使用方法の一例を示す断面図で、(A)は、第1側部S1−第2側部S2の縦断面図、(B)は(A)のA−A断面図(第3側部S3−第4側部S4の縦断面図)である。
図13図13は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ15FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第4側部S4方向から見た斜視図、(B)はバルブ15FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図14図14は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ55FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)はバルブ55FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図15図15は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ5FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)はバルブ5FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図16図16は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ25FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)はバルブ25FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図17図17は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ35FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図で、(B)はバルブ35FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図18図18は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ45FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図で、(B)はバルブ45FRを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図19図19は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ65FRの全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)はバルブ15Fを下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図20図20は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ55の全体図で、上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図である。
図21図21は、バルブ55を下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図、(B)は(A)にパッキンPを装着したところの分解斜視図である。
図22図22は、本発明の接続管1に装填(配置)するバルブ65の全体図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た斜視図、(B)は、バルブ65を下部ハウジング2Dに装着したところの斜視図で、(A)は上部U−第1側部S1−第3側部S3方向から見た分解斜視図である。
図23図23は、バルブ75FRをハウジング12に装填した接続管11の使用方法の一例を示す第1側部S1−第2側部S2の縦断面図で、(A)はルアーテーパーSYRを差し込む前、(B)はルアーテーパーSYRを差し込んで、液体流路を開通させた時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を明確に説明するため、図1(A)、図5(D)(以下、本定義中では単に「図」と記載する。)を次の定義をおく。
(定義1)「第1側部S1側」とは、図に示すように、紙面の表側(正面方向)を意味する。以下「・・・側」は「・・・方向」と記載する場合がある。
(定義2)「第2側部S2側」とは、図に示すように、紙面の裏側(背面方向)を意味する。
(定義3)「第3側部S3側」とは、図に示すように、紙面の右側を意味する。
(定義4)「第4側部S4側」とは、図に示すように、紙面の左側を意味する。
【0012】
(定義5)「上部U側」とは、図に示すように、紙面の上側を意味する。
(定義6)「下部D側」とは、図に示すように、紙面の下側を意味する。
(定義7)「長手L方向」とは、図に示すように接続管1、バルブ5の長尺方向を意味する。
(定義8)「円周CR方向」とは、前記長手L方向の中心Cから、「側部S側」に延びる方向を意味する。側部S側は、第1側部S1側、第2側部S2側、第3側部S3側、第3側部S3側、これらの間の全ての方向を含む。
(定義9)また例えば第1側部S1(第3側部S3)側を側部Sの一方向、これと略180度反対側の第2側部S2(第4側部S4)を他の側部Sの一方向と記載する場合がある。
また例えば第1側部S1(第2側部)側を側部Sの一方向、これと略90度側に位置する第3側部S3(第4側部S4)側を他の側部Sの一方向と記載する場合がある。
また例えば第1側部S1(第2側部)側を側部Sの一方向、これと略90度側に位置する第3側部S3側と第4側部S4側を他の側部Sの二方向と記載する場合がある。
(定義10)(各構成部品の名称の位置・配置等の方向性を示す符号の記載について)
本発明の図面及び発明の説明の中で、例えば図5に例示するように、台座5Bの
スペース5BSPで、第1側部S1側のスペースを5BSPS1、第2側部S2側のスペースを5BSPS2と記載した。
以下、これらのスペース5BSP並びにこれら以外の各構成部品等の名称で、「第1側部S1側」等の位置・配置等の方向性を示す符号は、発明の理解ができ、必要と認められる範囲内で、図面及び発明の説明の中で一部のみについて記載した。
【0013】
接続管1、バルブ5、15、25、35、45、55、65、75、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FR、75FRは、各部材毎の符号記載の複雑化を回避するため、共通ないし同じ部材はできるだけ同じ符号を記載した。
なお説明の便宜上、バルブ5を配置した接続管1を接続管1.5、バルブ15を配置した接続管1を接続管1.15等と記載する場合ある。以下同様にバルブ25、35、45、55、65、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FRを配置した接続管1は、それぞれ接続管1.25、1.35、1.45、1.55、1.65、1.5FR、1.15FR、1.25FR、1.35FR、1.45FR、1.55FR、1.65FRと記載すべきであるが、接続管1の符号があまり複雑・多岐にならないように、発明の理解ができ、必要と認められる範囲内で接続管1.5、1.15の一部のみ記載した。
【0014】
(接続管1)
本発明の接続管1は、図1(B)に示すように、上部ハウジング2Uと下部ハウジング2Dを有し、図1(B)に示すように、下部ハウジング2Dの上部空間から上部ハウジング2Uの内部空間へ立ち上がるように、バルブ5を配置している。
【0015】
(バルブ5)
バルブ5は、図5に示すように、上部U方向から下部D方向に向けて、頭部5H、脚部5F及び台座5Bを有する。換言すれば台座5B、脚部5F及び頭部5Hは一体成形している。
頭部5Hは、いわゆる略円柱状の形態を有し、側部Sの一方向の略中腹部から他の側部Sの二方向の領域の斜め方向、すなわち第1側部S1の略中腹部から、下部D−第3側部S3−第2側部S2の斜め方向と、下部D−第4側部S4−第2側部S2の斜め方向に削って、傾斜部5SLを形成している。
頭部5Hの形態は、側部Sの一方向から他の側部Sの一方向、すなわち第3側部S3−第4側部S4方向に見て、台座5Bの円周CR方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)に対して、非対称に形成している。
脚部5Fは、いわゆる略円柱状に長手L方向に延びるように形成している。
【0016】
台座5Bは、図5(C)に示すように、いわゆる略板状(略円形)の形態を有し、略第1側部S1側と略第2側部S2側を、略矩形状に切欠して、スペース5BSPS1、5BSPS2を形成している。これらのスペース5BSPS1とスペース5BSPS2との間に、脚部5Fの配置部5BF(略矩形状)を形成している。
スペース5BSPS1の面積は、スペース5BSPS2の面積よりも大きく形成している。
このため配置部5BFは、台座5Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)よりも、側部Sの一方向、すなわち第2側部S2側にオフセットしている。
【0017】
以上のようにバルブ5は、下部D側の台座5Bから上部U方向に立ち上がるように、いわゆる略円柱状の脚部5Fを立設し、当該脚部5Fの上部U側に頭部5Hの傾斜部5SLの最下部Dを接続している。
脚部5Fは、配置部5BFとともに側部Sの一方向、すなわち第2側部S2方向にオフセットしている。
【0018】
(ハウジング2)
ハウジング2は、上部ハウジング2Uと下部ハウジング2Dとを有する。
(上部ハウジング2U)
上部ハウジング2Uは、上部U側に開口を有する上部管状部2UTと下部D側に開口を有する上部鍔部2UFとからなる。
上部鍔部2UFは、内周に、後述する下部ハウジング2Dの下部接続部2DCと接続する第1上部接続部(いわゆる溝)2UC1を形成している。
上部管状部2UTの外周にシリンジとの第2上部接続部(いわゆる螺子状突起)2UC2を形成している。
【0019】
(下部ハウジング2D)
下部ハウジング2Dは、上部U側に開口を有する下部鍔部2DFと下部D側に開口を有する下部管状部2DTとからなる。
下部鍔部2DFの上部U側に、下部接続部(いわゆる略環状の突起)2DCを形成している。
下部接続部2DCの内側に、載置部2DPを形成している。
【0020】
(接続管1内へのバルブ5の配置、バルブ5を配置した接続管1.5)
図4(A)に示すように、バルブ5の台座5Bを、下部ハウジング2Dの載置部2DPの上部Uに載置し、下部接続部2DCの内周に圧入して装着する。
図4(B)に示すように、上部ハウジング2Uを、バルブ5を覆うように、下部ハウジング2Dに装着する。
図1(B)に示すように、第1上部接続部2UC1と下部接続部2DCは嵌合し、台座5Bの外縁は、上部鍔部2UFの内縁と載置部2DPとの間で固定される。
バルブ5の頭部5Hの略円柱状の部分(傾斜部5SLを除く)は、上部管状部2UTの上部内周と密着する。当該密着部により、液密性を維持することができる。
【0021】
(上部ハウジング2U、下部ハウジング2D、バルブ5の材質)
上部ハウジング2Uの材質は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、ナイロン等の熱可塑性プラスチックが好適に使用することができる。
下部ハウジング2Dの材質は、例えばポリカーボネート、ABS、ナイロン等の
熱可塑性プラスチックが好適に使用することができる。
バルブ5の材質は、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムやエラストマー等熱可塑性樹脂の弾性体が好適に使用することができる。
【0022】
(接続管1内へのバルブ15の配置、バルブ15を配置した接続管1.15)
図6(B)から図7に示すようにバルブ15を接続管1内へ配置する。
バルブ15がバルブ5と異なる点は、頭部15Hと台座15Bである。
(頭部15H)
図8に示すように頭部15Hがバルブ5の頭部5Hと異なる点は以下の二点である。
第一にバルブ5の傾斜部5SLに代えて、側部Sの一方向に異なる上下方向に傾斜する二種類の傾斜部15SLU、15SLD、すなわち第1側部S1方向に、上部傾斜部15SLUと下部傾斜部15SLDを形成した点である。
第二に頭部15Hの上部Uに上部鍔部15FU、下部Dに下部鍔部15FDを新たに形成した点である。
【0023】
上部傾斜部15SLUは、頭部15Hの略中腹部領域(一部上部U側から下部D側まで含む)の傾斜で、上部Uから下部Dに下る傾斜である。
上部傾斜部15SLUは、第1側部S1方向から見て、いわゆる略半円状(略半楕円、略放物線状、略舌状ともいう。)である。
下部傾斜部15SLDは、頭部15Hの下部D領域に下部D側から上部U側に上る傾斜で、第1側部S1方向から見て、いわゆる略矩形状(第3側部S3から第4側部S4方向に延びる)である。
上部傾斜部15SLUは、下部傾斜部15SLDよりも長く形成している。
以上のように頭部15Hの形態は、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
図6に示すように上部鍔部15FUは、上部管状部2UTの内周に上部領域で密着し、下部鍔部15FDは、上部管状部2UTの内周に中腹部領域近傍で密着し、これらの密着部により液密性を維持することができる。
【0024】
(台座15B)
台座15Bが台座5Bと異なる点は、以下のとおりである。
第一に、略第3側部S3側と略第4側部S4側を、略矩形状に切欠して、スペース15BSPS3、15BSPS4を形成している点。
第二に、スペース15BSPS3とスペース15BSPS4の面積は、実質的に同じである点。
第三に、脚部5Fの配置部15BFは、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5CL)と一致している点。
なお、脚部5Fが台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)から第2側部S2側にオフセットしている点は、バルブ5と同じである。
【0025】
(その他のバルブ25、35、45)
(バルブ25)
バルブ25がバルブ5、15と異なる点は、頭部25Hと台座25B、脚部25Fの配置位置である。
(頭部25H)
図9に示すように、頭部25Hは、側部Sの一方向と他の側部Sの一方向に異なる長さの二種類の傾斜部、すなわち第1側部S1方向に長い傾斜部25SLS1を形成し、第2側部S2方向に短い傾斜部25SLS2を形成している。
傾斜部25SLS1は、頭部25Hの下部D側から上部U側へ上部U領域まで、上るように形成している。
傾斜部25SLS2は、頭部25Hの下部D側から上部U側へ略中腹部領域まで、上るように形成している。
以上のように頭部25Hの形態は、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0026】
(台座25B)
台座25Bは、略第1側部S1側と略第2側部S2側を、略矩形状に切欠して、スペース25BSPS1、25BSPS2を形成している点で、台座15Bと異なるのみで、その他は台座15Bと実質的に同じである。脚部25Fの配置部15BFも台座15Bと同じである。
脚部25Fの配置位置は、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5LC)と一致し、第2側部S2側にオフセットしているバルブ5、15と異なる。
【0027】
(バルブ35)
バルブ35がバルブ15と異なる点は、頭部35Hと脚部35F、脚部35Fの配置位置である。
(頭部35H)
頭部35Hは、側部Sの一方向に略湾曲状に窪んだ傾斜部35SLS1、すなわち第1側部S1方向にいわゆる略楕円形状の窪み、傾斜部35SLS1を形成している。
脚部15Fに代えて、側部Sの一方向と他の側部Sの一方向に湾曲した二個の脚部35FS1、35FS2、すなわち第1側部S1方向に向けて湾曲している脚部35FS1と、第2側部S2方向に向けて湾曲している脚部35FS2を有する。
第1側部S1−第2側部S2方向に見て、脚部35FS1の幅は、脚部35FS2の幅よりも狭く形成している。
第3側部S3−第4側部S4方向に見た厚み(幅)は、実質的に同じに形成している。
以上のように頭部35Hの形態と、二つの脚部35FS1、35FS2を、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0028】
台座は、バルブ15の台座15Bと同じである。脚部35FS1、35FS2の配置部15BFも台座15Bと同じである。二つの脚部35FS1、35FS2の下部Dは、台座15Bの円周(CR)方向の中心5BC(バルブ5の長手L方向の中心5CL)近傍の第1側部S1寄りと、第2側部S2寄りにそれぞれ配置している。
【0029】
(バルブ45)
バルブ45がバルブ35と異なる点は、第2側部S2方向に脚部45FS2を一個のみ配置した点である。
バルブ45は頭部35Hの形態と、脚部45Fを、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、中心5BC(5LC)に対して非対称に形成している。
【0030】
(接続管1とバルブ5、15、25、35、45の使用方法)
接続管1の組み立て時は、頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側の外周[傾斜部(5SL、15SLU、15SLD、25SLS1、25SLS2、35SL)を除く)]と、ハウジング2の上部U側の内周は密着して、液密性を維持している。
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側から外圧を加えた際に、頭部(5H、15H、25H、35H、45H)は、脚部(5F、25F、35FS1、35FS2、45FS2)及び台座(5B、15B、25B)の変形とともに、上部U側から下部D側に移動する。
【0031】
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)の上部U側の外周とハウジング2の上部U側の内周との密着は解除し、上部ハウジング2Uの上部U側の内周に隙間spができ、当該隙間spから下部ハウジング2Uの下部D側へ、液体を流通させることができる。
また下部管状部2DT、上部管状部2UTを経て、液体を採取することができる。
頭部(5H、15H、25H、35H、45H)は上部U側からの外圧を解除すると、バルブ(5、15、25、35、45)は自己の弾性により元の形状に復元でき、再び液密性を維持することができる。
【0032】
以下図8のバルブ15を装填した図6の接続管1の使用方法の一例について説明する。
図12に例示するように、シリンジのルアーテーパーSYRの下部D側を、上部ハウジング2の上部管状部2UTの開口より挿入して、頭部15Hの上部Uを下部D方向に押して外圧を加える。
頭部15Hは、上部U側からルアーテーパーSYRの圧力を受け、当該圧力は、脚部5Fを経て台座15Bの脚部の配置部15BFに伝達される。脚部5F(略直立円柱状)は中間部で屈曲し、配置部15BF(略矩形状)は脚部5Fに上部U側から押されて、下部D側に屈曲する。(図12のようにS1−D―S2方向に湾曲ラインを描く。)
頭部15Hは、脚部5F及び配置部15BFの変形に連動して、上部U側から下部D側に移動する。
【0033】
ルアーテーパーSYRの挿入前は、図6のように上部管状部2UTの内周は、バルブ15の上部鍔部15FUと下部鍔部15FDと密着して、液密性を維持している。
ルアーテーパーSYRを前記のように挿入すると、頭部15Hは下部U側へ移動して、上部管状部2UTの内周とバルブ15の上部鍔部15FU及び下部鍔部15FDとの密着は解除される。
さらにルアーテーパーSYRの下部D側と頭部15Hの上部U側との間に隙間spができる。
以上より、ルアーテーパーSYRの下部D側から隙間spを経て、さらにハウジング2内の空間SPを経て、下部ハウジング2Uの下部管状部2DTの下部Dへ、薬液(液体)を流通させ、患部へ注入することができる。
さらに患部より、下部管状部2DT、ハウジング2内の空間SP、隙間spを経て、患者の血液等をサンプリングすることができる。
【0034】
薬液(液体)の注入後(血液等をサンプリング終了後)、ルアーテーパーSYRの下部Dを、上部管状部2UTから引き抜いて、ルアーテーパーSYRの下部Dの頭部15Hへの圧力を解除すると、バルブ15は自己の弾性力により、基の形状に復元して、図6のように上部管状部2UTの内周は、バルブ15の上部鍔部15FUと下部鍔部15FDと密着して、液密状態を維持することができる。
なおバルブ5、25は、頭部5H、25Hの上部U側(傾斜部5SL、25SL1、25SL2を除く)が上部管状部2UTの内周と密着する点で、バルブ15と異なる。
その他の点は、バルブ5、25は、バルブ15と実質的に同じであり、またバルブ35、45もバルブ15と実質的に同じであるから詳細な説明は省略する。
【0035】
前記した図5図8図11の各バルブ5、15、25、35、45は、図13図15図18の各バルブ5FR、15FR、25FR、35FR、45FRに示すように、各台座5B、15B、25Bの各スペース5BSP、15BSP、25BSPの外縁に、縁部FRを形成することができる。
図13、17、18の各バルブ15FR、35FR、45FRでは、第3側部S3−第4側部S4方向にそれぞれ縁部FRS3、FRS4を形成している。
図15、16の各バルブ5FR、25FRでは、第1側部S1−第2側部S2方向にそれぞれ縁部FRS1、FRS2を形成している。
なお図13のバルブ15FRは、図8のバルブ15と比較して、前記縁部FRを形成した他にも、次の点で相違している。
台座15Bの脚部5Fの配置部15BFは、第3側部S3−第4側部S4方向に見て、円周方向の中心5BC(長手L方向の中心5LC)よりも第2側部S2方向にオフセットしている。
これに伴い脚部5Fも配置部15BFと同様に中心5BC(中心5LC)よりも第2側部S2方向きにオフセットしている。スペース15BSPは、S1とS2側に形成し(15BSPS1、15BSP2)、スペース15BSPS1は、スペース15BSPS2よりも大きくなっている。
【0036】
このように縁部FRを形成することにより、各スペース5BSP、15BSP、25BSPの外縁が埋まるので、各バルブ5FR、15FR、25FR、35FR、45FRの各台座5B、15B、25Bを、下部ハウジング2Dの載置部2DPに装着し、続いて上部U側から上部ハウジング2Uで覆い、上部鍔部2UFの内縁の壁面と(台座の)載置部2DPの壁面との間で、各台座5B、15B、25Bの外縁(縁部FRを含む)を挟持することにより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0037】
図14は、好適な実施例のバルブ55FRの一例を示している。バルブ55FRが図8のバルブ15と異なる点は、脚部55Fの形態と、台座55Bのスペース55BSPの外縁に縁部FRを形成した点、下部鍔部55FDを面取り(R)加工している点である。
脚部55Fは、二個の略管状体を上部Uと下部Dで結合し、上部開口部55OUと下部開口部55ODを形成している。
脚部55Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略眼鏡状の形態を有する。第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。
上部開口部55OUと下部開口部55ODは、略同一(実質的に同じ)の大きさ(径)を有する。
【0038】
バルブ55FRは、前記のようにハウジング2内に装着して、接続管1として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部55OUと下部開口部55ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部55Hには、傾斜部55SL があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部55Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部55OUと下部開口部55ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部55OUと下部開口部55ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ55FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0039】
使用時において、図14のバルブ55FRが図8のバルブ15と異なる最大の特徴は以下のとおりである。
図12のバルブ15は、ルアーテーパーSYRの圧力が前記段落[0032]のように脚部の配置部15BFに伝達されて、当該配置部15BFは図12のようにS1−D−S2側へ屈曲する。
これに対して図14のバルブ55FRは、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部55OUと下部開口部55ODの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部55BFは、S1−D−S2側へほとんど屈曲しない。屈曲しても極わずかである。このためルアーテーパーSYRから接続管1内に流入する液体は、上部ハウジング2Uからスペース55BSPを経て(バルブ15と比較して)速やかに下部ハウジング2D側へ流通することができる。
またバルブ55FRは、ルアーテーパーSYRのからの圧力から開放された後は、(バルブ15と比較して)速やかに安定した元の形状に復元することができる。
後述する図20のバルブ55も図14のバルブ55FRと実質的に同じである。
【0040】
図19は、好適な実施例のバルブ65FRの一例を示している。
バルブ65FRが、バルブ55FRと異なる点は、脚部65Fの形態、上部傾斜部65SLUと下部傾斜部65SLDを有する点、台座65Bは第3側部S3−第4側部S4側にスペース65BSPS3、65BSPS4を有し、当該スペース65BSPS3、65BSPS4の外縁に縁部FRS3、FRS4を形成した点である。
脚部65Fは、二個の略半円柱状体ないし略角柱状体を、屈曲部65Rを介して上部Uと下部Dで結合している。
下部D側−第1S1側に下部開口部65OD、上部U側−第3側部S3側に上部開口部65OUを形成している。上部開口部65OUと下部開口部65ODは繋がっている。
脚部65Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。
第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略S字状の形態を有する。
上部開口部65OUと下部開口部65ODは、上下方向に同一の大きさ(長さ)を有する。
脚部65Fは、第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、長手L方向の中心5LCに対して、上部U側は第1側部S1寄りにオフセットし、下部D側は第2側部S2寄りにオフセットしている。
【0041】
バルブ65FRは、前記のようにハウジング2内に装着して、接続管1として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部65OUと下部開口部65ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部65Hには、傾斜部65SLU、65SLD があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部65Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部65OUと下部開口部65ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部65OUと下部開口部65ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ65FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0042】
図19のバルブ65FRも図14のバルブ55FRと同様に、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部65OUと下部開口部65ODの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部65BFは、S1−D−S2側へほとんど屈曲しない。屈曲しても極わずかである。このためルアーテーパーSYRから接続管1内に流入する液体は、上部ハウジング2Uからスペース65BSPを経て(バルブ15と比較して)速やかに下部ハウジング2D側へ流通することができる。
またバルブ65FRは、ルアーテーパーSYRのからの圧力から開放された後は、(バルブ15と比較して)速やかに安定した元の形状に復元することができる。
後述する図22のバルブ65も図19のバルブ65FRと実質的に同じである。
【0043】
図20は、図14のバルブ55FRから、縁部FRを削除したバルブ55の例である。
このようなバルブ55は、図21のように別部品として略環状のパッキンPを使用して、接続管1を組み立てることより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
すなわち上部ハウジング2U(図示せず)と下部ハウジング2Dとの間にパッキンPを配置する。
さらに詳述すれば、バルブ55の台座55Bを下部ハウジング2Dの載置部2DPの上部Uに装着(載置)し、下部ハウジング2Dの下部接続部(突起)2DCの
内周に圧入して装着する。
当該下部接続部(突起)2DCの上部UにパッキンPを載置する。続いて上部U側から上部ハウジング2Uで覆い、第1上部接続部(2UC1)と下部接続部(2DC)を嵌合して、第1上部接続部(溝)2UC1と前記下部接続部(突起)2DCとの間で、パッキンPを挟持し、台座55Bの外縁を、上部鍔部2UFの内縁と載置部2DPとの間で固定することにより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0044】
図22は、図19のバルブ65FRから縁部FRを削除したバルブ65の例で、図21と同様に別部品としてパッキンPを使用することより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
前記した図5図8図11の縁部FRのない各バルブ5、15、25、35、45も図21と同様に別部品としてパッキンPを使用することより、接続管1は十分な液密性を発揮することができる。
【0045】
(バルブ75FRとバルブ75FRを配置した接続管11(11.75FR)とその使用例)
図23は、好適な実施例のバルブ75FRと当該バルブ75FRをハウジング12に装填した接続管11(11.75FR)とその使用例の一例を示している。
バルブ75FRが図14バルブ55FRと異なる点は、脚部75Fの形態と向き[(これに伴う脚部の配置部75BFの向き/S1−S2方向、スペース75BSP(図14のバルブ55FRのスペース55BSPに対応)の配置方向/75BSPS3と75BSPS4方向) ]である。
脚部75Fは、二個の略管状体と一個の略半管状体を上部Uから下部Dに向けて結合し、上部開口部75OU、下部口部75ODを形成し、当該下部口部75ODと台座75B(脚部の配置部75BF)との間に、半開口部75OMDを形成している。
脚部75Fは、第1側部S1(第2側部S2)方向から見て、いわゆる略矩形状の形態を有する。第3側部S3(第4側部S4)方向から見て、いわゆる略眼鏡状の形態を有する。
上部開口部75OUと下部開口部75ODは、略同一(実質的に同じ)の大きさ(径)を有する。
半開口部75OMDは、上部開口部75OU(下部開口部75OD)の約半分の大きさ(径)を有する。
ハウジング12がハウジング2と異なる点は、下部ハウジング2Dの形態である。
ハウジング12は、下部ハウジング2Dに、側部S及び下部D側に傾斜した側管2SDTを装着している。
バルブ75FRとバルブ75FRを配置した接続管11は、バルブ55FRとバルブ55FRを配置した接続管1と、前記異なる点(部材)以外は実質的に前記バルブ55FRとバルブ55FRを配置した接続管1と同じであるから、説明の煩雑さを軽減するめにあえて記載せず、図23にもその符号はあえて記載していない。
【0046】
バルブ75FRは、前記のように、ハウジング12内に配置して、接続管11として使用する時に、シリンジのルアーテーパーSYR の末端(先端)が上部ハウジング2U内に入る長さL(例えば5mm)を100とすると、上部開口部75OUと下部間口部75ODの大きさ(径)は、 各50(例えば2.5mm)に形成している。
頭部75Hには、傾斜部75SL があるため、ルアーテーパーSYRにより、上部U側からの圧力を受けると、頭部75Hは第1側部S1− 下部D側に変形し(押し下げられ)、上部開口部75OUと下部開口部75ODは潰れる。
すなわち、ルアーテーパーSYRが「100」上部ハウジング2U内に入る分だけ、上部開口部75OUと下部開口部75ODの各大きさ(径)「50」は、実質的に「0」となるので、バルブ75FRは、「100」の分だけ略直線的に 下部D側に移動する(垂下する。)。
【0047】
図23のバルブ75FRは、図14のバルブ55FRと比較して、さらに半開口部75OMDを有するので、ルアーテーパーSYRの圧力は、上部開口部75OU、下部開口部75OD及び半開口部75OMDの空間で吸収・緩和されるので、脚部の配置部75BFは、S1−D−S2側へ実質的に屈曲しない。屈曲してもバルブ55FRの配置部55BFよりもさらに極小である。
このためバルブ75FRは、バルブ55FRよりもさらに液体の流通や、安定した形状の復元に優れる。
後述するバルブ75もバルブ75FRと実質的に同じである。
【0048】
図23のバルブ75FRは、前記ハウジング2(ハウジング12の側管2SDTがないもの)に配置して、接続管1として使用することができる。
また図23のバルブ75FRから縁部FRを削除したバルブ75も、図20のバルブ55と同様に図21のようにパッキンPを使用して、接続管1(1.75)として使用することができる。
また前記バルブ(5、15、25、35、45、55、65、75、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FR)も、バルブ75FRと同様にハウジング12に配置して、接続管11として使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1(1.5、1.15、1.25、1.35、1.45、1.55、1.65、1.5FR、1.15FR、1.25FR、1.35FR、1.45FR、1.55FR、1.65FR) 、11(11.75FR) 接続管
2、12 ハウジング
2U 上部ハウジング
2UT 上部管状部
2UF 上部鍔部
2UC1 第1上部接続部(溝)
2UC2 第2上部接続部(螺子状突起)
2D 下部ハウジング
2DT 下部管状部
2SDT 側管
2DF 下部鍔部
2DC 下部接続部(突起)
2DP (台座の)載置部
5、15、25、35、45、55、65、75、5FR、15FR、25FR、35FR、45FR、55FR、65FR、75FR バルブ
FR 縁部
5H、15H、25H、35H、45H、55H、65H、75H 頭部
5LC 長手L方向の中心
5SL、35SL、55SL、75SL 傾斜部
15SLU、65SLU 上部傾斜部(上部U方向)
15SLD、65SLD 下部傾斜部(下部D方向)
25SLS1 傾斜部(第1側部S1方向)
25SLS2 傾斜部(第2側部S2方向)
15FU、55FU、65FU、75FU 上部鍔部
15FD、55FD、65FD、75FD 下部鍔部
5F 脚部(オフセット)
25F 脚部
35FS1 脚部(第1側部S1方向)
35FS2 脚部(第2側部S2方向)
45FS2 脚部(第2側部S2方向)
5B、15B、25B、55B、65B、75B 台座
5BC 円周CR方向の中心
5BF、15BF、25BF、55BF、65BF、75BF (脚部の)配置部
5BSPS1、15BSPS1、25BSPS1、55BSPS1 スペース(第1側部S1)
5BSPS2、15BSPS2、25BSPS2、55BSPS1 スペース(第2側部S2)
15BSPS3、65BSPS3、75BSP3 スペース(第3側部S3)
15BSPS4、65BSPS4、75BSP4 スペース(第4側部S4)
SYR ルアーテーパー(シリンジ)
55OU、65OU、75OU 上部開口部
55OD、65OD、75OD 下部開口部
75OMD 半開口部
65R 屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23