(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図面において同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
図1は本実施形態の塗布具10の斜視図である。
図1においては柄部20の表面の立体形状を濃淡で示している。
図2は塗布具10の平面図であり、
図3は塗布具10の底面図である。
図3は、
図2に示す塗布具10を回転軸AXに関して反転させた状態にあたる。
図4は塗布具10の右側面図である。そして、
図5は
図2のA−A線断面図であり、
図6は
図2のB−B線断面図である。A−A線は、第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45を通り且つ回転軸AXに対して平行な切断面である。
図5および
図6に示す断面図において、柄部20の断面形状における外形線に囲まれる領域を左上がりハッチング又は斜めクロスハッチングで示し、各断面に表れる多数のブラシ毛42を包絡する領域を右上がりハッチングで示している。
【0016】
はじめに、本実施形態の概要について説明する。本実施形態の塗布具10は、柄部20と、この柄部20にブラシ毛42が植設されて形成されたブラシ部40と、を備えている。
図2および
図3に示すように、ブラシ部40の幅方向の中心を通りブラシ毛42の先基端方向(
図2における左右方向)に延在する回転軸AXに関して、柄部20は反転非対称形状であり、かつブラシ部40の性状が反転非対称である。回転軸AXは、ブラシ部40の中心軸である。なお、回転軸、反転等の用語は、柄部20及びブラシ毛42の形状及び性状の説明のため便宜的に用いたものであり、塗布具10の実際の操作とは関係はない。
柄部20が回転軸AXに関して反転非対称形状であるとは、操作部20が回転軸AXを対称軸とする反転対称形にはなっていないことを意味する。
また、ブラシ部40の性状が回転軸AXに関して反転非対称であるとは、ブラシ部40の性状が回転軸AXを対称軸とする反転対称にはなっていないことを意味する。
柄部20が回転軸AXに関して反転非対称形状であるため、使用者は、視覚的及び触覚的に柄部20の形状を確認することによって、柄部20の向き、ひいては塗布具10の向きを容易に識別することができる。
【0017】
柄部20には多数のブラシ毛42が植設されている。ここで、ブラシ毛42が多数であるとは、一見して本数を正確に把握できない程度の数量、たとえば100本以上、のブラシ毛42が存在することをいう。柄部20にブラシ毛42が植設されているとは、ブラシ毛42が柄部20から突出するように柄部20に支持されていることをいう。
ここで、各ブラシ毛42において柄部20から突出している部分の集合体がブラシ部40であり、各ブラシ毛42において、柄部20に埋設されている部分は、ブラシ部40には含まれないものとする。
【0018】
また、ブラシ毛42の先基端方向とは、柄部20から突出するブラシ毛42の基端47と毛先46とを結ぶ略直線方向を、多数のブラシ毛42に関して平均化したものである。
図2に示すように、多数のブラシ毛42は柄部20から概略左方に突出しており、ブラシ毛42の先基端方向は
図2の左右方向である。
一方、ブラシ部40の幅方向とは、ブラシ毛42の先基端方向に対して直交する方向であって、かつブラシ部40の形成寸法が最大となる方向である。以下、ブラシ部40の幅方向を毛幅方向DRと呼称する場合がある。また、ブラシ毛42の先基端方向およびブラシ部40の幅方向の双方に対して直交する方向をブラシ部40の厚み方向という。
図2および
図4の上下方向がブラシ部40の幅方向(毛幅方向DR)にあたり、
図4の左右方向がブラシ部40の厚み方向にあたる。回転軸AXは、毛幅方向DRおよび厚み方向に関するブラシ部40の中心を通りブラシ毛42の先基端方向に延在する仮想的な軸線である(
図2および
図3参照)。
【0019】
柄部20は回転軸AXに関して反転非対称形状である。すなわち、回転軸AXを中心に柄部20を180度だけ軸回転させても、元の柄部20の三次元形状と一致しない。柄部20の形状は、好ましくは、回転軸AXを軸心として柄部20を180度、120度、90度など360/N(ただし、Nは2以上の整数)度回転させても、元の柄部20の三次元形状と重ならない回転非対称形状である。
【0020】
ブラシ部40は、回転軸AXに関してその性状が反転非対称である。
ブラシ部40の性状とは、ブラシ部40またはこれを構成するブラシ毛42に関する、使用者が識別可能な視覚的状態または触覚的性質である。ブラシ部40は、視覚的状態または触覚的性質の一方のみが回転軸AXに関して非対称であってもよく、または視覚的状態および触覚的性質の双方が回転軸AXに関して非対称であってもよい。
ブラシ部40の性状が回転軸AXに関して反転非対称であることにより、塗布具10の使用者はブラシ部40の向きを視覚的または触覚的に識別することができる。
ブラシ部40の視覚的状態としては、ブラシ部40の毛先部分の輪郭形状が回転軸AXに関して反転非対称である等の形状的な特性を挙げることができる。上記の形状的な特徴の例としては、第一の毛領域43または第二の毛領域44の一方の毛先部分の輪郭形状を鋸歯状や波状等の凹凸形状とし、他方を平滑な直線状や曲線状とすることが挙げられる。この場合、凹凸形状の凹凸深さを、使用者が第一の毛領域43と第二の毛領域44とを視覚的に識別可能な程度に十分な大きさにするとよい。このほか、ブラシ部40の視覚的状態としては、ブラシ部40を構成するブラシ毛42の色彩や植毛密度など、ブラシ部40の非形状的な特性を挙げることができる。また、ブラシ部40の触覚的性質としては、ブラシ毛42の太さ、硬さ、腰の強さ、毛先の細さのほか、ブラシ毛42が直毛であるか縮毛であるかを示す直毛度合いなどを挙げることができる。
【0021】
このため、使用者が塗布具10を使用するにあたり、柄部20の形状およびブラシ部40の性状を視覚的または触覚的に確認することで塗布具10の向きを容易に認識することができる。よって、使用者が塗布具10を何度も繰り返して使用するにあたり、柄部20を前回把持したときの視覚的または触覚的な記憶や、ブラシ部40の目視状態または指先や肌等にブラシ毛42が触れたときの触覚によって、ブラシ部40の向きが前回と一致しているかまたは不一致であることを感覚的に察知することができる。これにより、使用者が塗布具10を繰り返して使用するに際し、化粧料70、71(
図10参照)などの塗布剤に対してブラシ部40を毎回同じ向きで接触させることが容易となる。よって、異種の塗布剤どうしの混合を避けることができる。
【0022】
次に、本実施形態の塗布具10、および塗布具10を備える化粧品100(
図7参照)を詳細に説明する。
【0023】
塗布具10は、種々の塗布剤の塗布に用いられる。塗布される塗布剤の形態は、粉状のほか液状またはゲル状でもよい。塗布剤としては、後述する化粧料70、71(
図10参照)が例示され、具体的にはチークやハイライトなどの肌用のメイクアップ剤が例示される。すなわち、本実施形態の塗布具10は、たとえばチークブラシやフェイスブラシなどの化粧料を塗布するための化粧用ブラシであり、被塗布物は被化粧者の肌などである。
【0024】
ブラシ部40は、多数のブラシ毛42の集合体であり、ブラシ毛42の全体または先端などの一部に塗布剤を取って被塗布物に塗布するために用いられる。柄部20は、塗布具10を使用するにあたり使用者が指や掌で把持する部位である。塗布具10の大きさは特に限定されないが、たとえば、
図2に示す平面視にて直径3cm以上10cm以下の円形領域に包含される程度の大きさであり、使用者は塗布具10の柄部20を指で摘むようにして使用することができる。なお、塗布具10の使用者と、化粧料などの塗布剤が塗布される被塗布者(被化粧者)とは一致する場合と一致しない場合がある。柄部20は、
図2に示すように、ブラシ部40の基端47に連接されており、ブラシ部40を基準として、ブラシ部40の先基端方向のうち基端側(基端方向)に位置している。すなわち、柄部20において使用者が指で摘む部分は、ブラシ部40を基準として、ブラシ部40の先基端方向のうち基端側(基端方向)に位置している。
柄部20は板状に形成されており、柄部20の板面方向は、ブラシ部40の先基端方向を含んでいる。つまり、柄部20の板面の法線方向は、ブラシ部40の先基端方向に対して直交している。
【0025】
<ブラシ部40およびブラシ毛42について>
ブラシ毛42には、天然繊維または合成繊維を用いることができる。天然繊維としては、たとえば、馬や山羊などの動物の毛や、パームなどの植物繊維を用いることができる。合成繊維としては、ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂;またはポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
【0026】
ブラシ部40の形状(柄部20に植設された多数のブラシ毛42において柄部20から突出している部分を包絡する領域の形状)は特に限定されず、板状に形成されていてもよいし、或いは、円柱状や角柱状に形成されていてもよい。また、多数のブラシ毛42は全体にひとまとまりに植設されてもよく、または互いに離間する複数箇所に植設されてもよい。言い換えると、塗布具10はブラシ部40を1個のみ備えてもよく、または複数個の互いに離間するブラシ部40を備えてもよい。
【0027】
本実施形態のブラシ部40は板状をなし、
図4に示すように、毛幅方向DRにおけるブラシ部40の最大寸法(ブラシ幅WB)は、毛幅方向DRに直交する厚み方向におけるブラシ部40の最大寸法(ブラシ厚みTB)よりも大きい。本実施形態のブラシ部40は扁平形状であり、具体的には柄部20より突出するブラシ毛42の基端47を通り回転軸AX(
図2参照)に直交する断面においてブラシ部40の毛幅方向DRの寸法が厚み方向の寸法よりも大きい扁平形状となっている。柄部20も同様に、毛幅方向DRの最大寸法(柄幅W)が厚み方向の最大寸法(柄厚みT)よりも大きい板状をなしている。言い換えると、柄部20も回転軸AXに直交する断面が扁平形状となっている。ブラシ部40の厚み方向と柄部20の厚み方向とは一致している。これにより本実施形態の塗布具10は全体としても板状をなし、使用者は柄部20の表裏の主面21(
図2、
図5参照)を指で摘むことにより柄部20を把持して塗布具10を用いることができる。なお、主面21は、柄部20の外面において、第一の毛領域43及び第二の毛領域44の並び方向と回転軸AXとを含む平面に対して並列な面である。
そして、肌などの被塗布物の表面(以下、「作用面」という場合がある)に対してブラシ部40の毛先46を接触させた状態で塗布具10を任意の方向に移動させて使用することができる。これにより、塗布剤を作用面に対して最大でブラシ幅WBにて塗布することができる。
【0028】
ここで、ブラシ部40の毛幅方向DRは、塗布具10を用いて作用面に塗布剤を最大幅で塗布する際に塗布領域の幅方向となる方向であり、言い換えると、ブラシ毛42の作用面の法線方向と塗布具10の送り方向(ブラシ毛42の移動方向)との双方に対して交差する方向である。
【0029】
より具体的には、
図2に示すように、本実施形態の塗布具10のブラシ部40の外形は、回転軸AXを中心とする回転対称(反転対称)形状、かつブラシ部40の先端に向けて毛幅方向DRの両側に広がるように放射状に形成されている。これにより、ブラシ部40の毛幅方向DRの両側における塗布条件が均等になり、作用面に対して塗布剤をむら無く塗布することができる。また、柄部20の柄幅Wよりもブラシ部40のブラシ幅WBを大きくすることができる。
【0030】
本実施形態の塗布具10においては、上述したように柄部20が回転軸AXまわりに反転非対称形状であることに加えて、ブラシ部40の第一の毛領域43および第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42の色彩を互いに異ならせている。これにより、ブラシ部40の外形が上記のように回転対称形状であっても、ブラシ毛42の色彩に基づいてブラシ部40の向きを視覚的に識別することができる。
【0031】
すなわち、ブラシ部40は、毛幅方向DRの一方側と他方側に、ブラシ毛42をそれぞれ含む第一の毛領域43および第二の毛領域44を有している。毛領域とはブラシ毛42の集合であり、ブラシ部40の部分領域である。第一の毛領域43および第二の毛領域44に含まれる少なくとも一部のブラシ毛42の性状は互いに異なる。本実施形態の塗布具10では、上記のブラシ毛42同士で互いに異なる性状は、色彩である。以下、第一の毛領域43に含まれるブラシ毛42をブラシ毛42Bと呼称し、第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42をブラシ毛42Wと呼称するとともに、ブラシ毛42Bおよびブラシ毛42Wをあわせてブラシ毛42と総称する場合がある。
塗布具10を回転軸AXに関して反転させたことを使用者が認知できるよう、第一の毛領域43および第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42の一部または全部の性状が互いに異なることが好ましい。第一の毛領域43と第二の毛領域44にそれぞれ含まれるブラシ毛42が各領域の全体において互いに性状が異なることがより好ましい。これにより、第一の毛領域43および第二の毛領域44を使用者が混同することをより防止し、塗布具10の繰り返しの使用時にブラシ部40の向きが反転して使用されて化粧料が混合することが避けられる。本実施形態では、
図1に示すように、第一の毛領域43と第二の毛領域44にそれぞれ含まれるブラシ毛42は、各領域の全体において色彩が互いに異なっている。
【0032】
本実施形態では、ブラシ毛42の色彩が互いに異なる2個の領域(第一の毛領域43および第二の毛領域44)をブラシ部40が有する態様を例示するが、本発明はこれに限られない。ブラシ毛42が呈する色彩に基づいて使用者がブラシ部40の向きを識別できるかぎり、ブラシ毛42の色彩が異なる領域は3個以上あってもよい。ここで、複数の毛領域においてブラシ毛42の色彩が異なるとは、当該複数の領域を対比観察したときにブラシ毛42の色彩に基づいて互いに識別できることをいう。各領域に含まれるブラシ毛42の色彩はそれぞれ均一であってもよく、または色彩が異なる個々のブラシ毛42の集合体として各領域の色彩が巨視的に識別可能であってもよい。すなわち一例として、第一の毛領域43に含まれる多数のブラシ毛42Bの色彩が均一であり、また第二の毛領域44に含まれる多数のブラシ毛42Wの色彩がブラシ毛42Bと異色かつ均一であってもよい。または、第一の毛領域43と第二の毛領域44の色彩が巨視的に識別可能であるかぎり、第一の毛領域43に含まれる多数のブラシ毛42Bの一部本数の色彩と、第二の毛領域44に含まれる多数のブラシ毛42Wのうちの一部本数の色彩とが共通していてもよい。また、巨視的に観察される第一の毛領域43の色彩は、当該第一の毛領域43の内部において均一であってもよく、または第一の毛領域43の内部で色彩のむらや、色調差または階調差を有していてもよい。第二の毛領域44に関しても同様である。したがって、第一の毛領域43と第二の毛領域44とで明瞭に色分けがされていてもよく、または第一の毛領域43から第二の毛領域44に亘ってブラシ毛42の色が多段階に変化してもよい。
【0033】
このうち、本実施形態の塗布具10では、第一の毛領域43に含まれるブラシ毛42Bおよび第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42Wは互いに異色であり、かつそれぞれ単一色を呈する。
【0034】
ここで、ブラシ毛42同士の色彩が異なるとは、当該ブラシ毛42同士の明度、彩度または色相のいずれか1つ以上が異なることをいう。このうち、特に暗所(薄暗い場所)での視覚的な識別性が良好である観点から、明度が異なることが好ましい。本実施形態の塗布具10では、第一の毛領域43に含まれるブラシ毛42Bおよび第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42Wの色彩は、明度が互いに異なる。そして、明度がより高い色を呈するブラシ毛42Wが第二の毛領域44に植設されており、明度がより低い色を呈するブラシ毛42Bが第一の毛領域43に植設されている。ブラシ毛42Wは白色などの淡色を呈し、ブラシ毛42Bは黒色や茶色などの濃色を呈する。
【0035】
ブラシ毛42としてナイロンなどの合成繊維を用いる場合、ブラシ毛42Wは白色などの淡色に着色された樹脂材料を用いて作成し、ブラシ毛42Bは黒色や茶色などの濃色に着色された樹脂材料を用いて作成することができる。また、ブラシ毛42として、たとえば馬の毛を用いる場合、ブラシ毛42Wには白毛や芦毛を選択して用い、ブラシ毛42Bには黒鹿毛や鹿毛を選択して用いることができる。
【0036】
図1および
図2に示すように、ブラシ毛42の基端47における、毛幅方向DRに沿った第一の毛領域43の寸法を毛幅寸法WB1とし、第二の毛領域44の寸法を毛幅寸法WB2とする。第一の毛領域43の毛幅寸法WB1と第二の毛領域44の毛幅寸法WB2とは同じ幅でもよく、また互いに異なる幅でもよい。このうち、本実施形態の第一の毛領域43の毛幅寸法WB1は第二の毛領域44の毛幅寸法WB2よりも大きい。これにより、性状が互いに異なる第一の毛領域43のブラシ毛42Bおよび第二の毛領域44のブラシ毛42Wの集合同士の境界45は、ブラシ部40における毛幅方向DRの中心よりも一方側(第一の毛領域43)または他方側(第二の毛領域44)に偏って位置している。より具体的には、第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45は毛幅方向DRの中心から第二の毛領域44の側に偏った位置に存在する。これにより、ブラシ部40を目視した使用者に非対称性な印象を想起させるため、後述する柄部20の非対称形状と相俟って、塗布具10の向きを使用者が誤ることを好適に防止することができる。本実施形態のブラシ部40は、毛幅寸法WB2が狭い第二の毛領域44に、明度が高い色を呈するブラシ毛42Wが植設されているため、第二の毛領域44の印象を強くすることができ、ブラシ部40の向きを取り違え難くなる。
【0037】
本実施形態のブラシ部40は、第一の毛領域43と第二の毛領域44が呈する色彩が互いに異なる点を除き、ブラシ毛42の性状は第一の毛領域43と第二の毛領域44とで共通としてもよい。具体的には、第一の毛領域43および第二の毛領域44にそれぞれ含まれて色彩が互いに異なるブラシ毛42B、42Wの径および曲げ剛性は、互いに共通である。このため、ブラシ毛42の腰の強さや肌触りは第一の毛領域43と第二の毛領域44とで共通であり、作用面に対する塗布性も共通化することができる。
【0038】
本実施形態のブラシ部40は、縮毛のブラシ毛と直毛のブラシ毛とが混在して形成されている。これにより、塗布剤がブラシ毛42に良好に絡みついて塗布性が向上するとともに、柔軟な肌触りを実現することができる。なお、縮毛のブラシ毛は、ブラシ毛42の材料となる合成繊維に捲縮加工を施すことにより作成することができる。
【0039】
上述のようにブラシ部40は毛幅方向DRの両側に広がるように放射状に形成され、かつ第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45は第二の毛領域44の側に偏って位置している。このため、
図4に示すように、ブラシ部40を構成するブラシ毛42のうち、少なくともこの境界45の近傍に植設されたブラシ毛42aは、毛幅方向DRに対して第二の毛領域44の側に傾斜して柄部20から突出している。具体的には、ブラシ毛42aは、基端47から毛先46に向かって毛幅方向DRの外向き傾斜している。これにより、ブラシ毛42を化粧料70、71などの塗布剤に押し当てることでブラシ毛42aの毛先46が毛幅方向DRの外側に移動し、境界45の近傍のブラシ毛42に対して異種の化粧料70、71を適度に混合させて付着させることができる。
【0040】
<柄部20について>
柄部20は使用者が手指で把持して用いる部位である。柄部20の寸法のうち、ブラシ毛42の先基端方向における長さ(
図2における左右方向の長さ)を把持長さL2と呼称する。本実施形態の柄部20は、
図2に示すように、毛幅方向DRに関する一部領域に、ブラシ毛42の基端側に延在する把持長さL2が他の領域よりも長く形成された張出部24を有し、第一の毛領域43に対応する位置よりも第二の毛領域44に対応する位置において、ブラシ毛42よりも基端側に延在する把持長さが長く形成されている。ここでいう基端側とは、いずれも、ブラシ毛42の先基端方向のうち基端方向を意味し、把持長さは、ブラシ毛42から基端方向に向けての柄部20の長さ寸法である。すなわち、柄部20において、第一の毛領域43に対応する部分での把持長さよりも、第二の毛領域44に対応する部分での把持長さが長い。
ここで、第一の毛領域43に対応する位置における柄部20の把持長さとは、第一の毛領域43のブラシ毛42Bが植設された毛幅寸法WB1の範囲における柄部20の把持長さL2の平均である。同様に、第二の毛領域44に対応する位置における柄部20の把持長さとは、第二の毛領域44のブラシ毛42Wが植設された毛幅寸法WB2の範囲における柄部20の把持長さL2の平均である。張出部24は、第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45の対向位置に形成されている。
図2に示すA−A線は、境界45および張出部24を通過する切断面である。
ここで、柄部20において、第一の毛領域43よりも明度が高い第二の毛領域44と対応する部分(張出部24)での把持長さが、第一の毛領域43と対応する部分での把持長さよりも長くなっている。これにより、第二の毛領域44の印象と柄部20において第二の毛領域44と対応する部分の印象とを相乗的に強くすることができ、ブラシ部40の向きを取り違えをより確実に抑制することができる。
【0041】
柄部20は、ブラシ毛42が植設されている内縁部26と、この内縁部26に対して基端側に対向する外縁部28と、を有している。ここでいう基端側も、ブラシ毛42の先基端方向のうち基端方向を意味する。すなわち、外縁部28は、内縁部26を基準として基端方向に位置し、且つ、内縁部26と外縁部28とは、ブラシ毛42の先基端方向において互いに反対端に位置している(つまり対向している)。柄部20の内縁部26は、ブラシ毛42が突出する端面であり、毛幅方向DRに沿って延在する柄部20の側面である。本実施形態の内縁部26は、平面状に形成されており、且つ、先端凹部22(
図5、
図6参照)が開口している。外縁部28は柄部20の側面のうちブラシ部40とは反対側の側面である。本実施形態の外縁部28は滑らかに湾曲する凸面状に形成されている。
多数のブラシ毛42は柄部20から放射状に突出している。柄部20の内縁部26はブラシ部40の毛幅方向DRと平行に形成されている。一方、外縁部28は毛幅方向DRに対して斜めに傾斜している。具体的には、外縁部28は、第一の毛領域43から第二の毛領域44に向かって、把持長さL2が拡大するように傾斜している(言い換えると内縁部26から離間する向きに傾斜している)。
柄部20における内縁部26は、ブラシ部40の毛幅方向DRおよび厚み方向の中心を通りブラシ毛42の先基端方向に延在する回転軸AXに関して反転対称かつ回転対称形状である。一方、柄部20における外縁部28は、回転軸AXに関して反転非対称形状である。また、
図2に示すように、柄部20は内縁部26において毛幅方向DRの寸法(幅寸法)が最大(柄幅W)であり、外縁部28においては内縁部26よりも幅寸法が小さくなっている。本実施形態の塗布具10は、柄部20の寸法が過大とならず後述する化粧品100の容器本体60(
図7参照)への収納性が良好であるうえに、張出部24が毛幅方向DRにおける片側に偏って形成されていて柄部20が回転軸AXに関して反転非対称形状であるため塗布具10の向きを容易に識別することができる。
【0042】
図2に示すように、ブラシ毛42の先基端方向の最大長さ(毛長L1)は、柄部20の把持長さL2の最大長よりも大きい。これにより、塗布具10の全体の寸法に比してブラシ毛42の長さL1を大きく確保することができるため塗布具10は塗布性に優れる。ブラシ毛42ごとの先基端方向の長さは、多数のブラシ毛42に亘って均一でもよく、または異なってもよい。本実施形態の塗布具10では、ブラシ部40のうち毛幅方向DRの中心に位置するブラシ毛42において、先基端方向の長さが最大になっている。
【0043】
塗布具10は、柄部20の表面(例えば主面21)に窪み部30を有している。窪み部30はブラシ部40の毛幅方向DRに非対称形状である。これにより、窪み部30に指を掛けて柄部20を把持したときに、使用者は触覚的に柄部20の向きを認識することができる。ここで、窪み部30が毛幅方向DRに非対称形状であるとは、柄部20における窪み部30の形成位置および/または窪み部30自体の形状が、毛幅方向DRに見て非対称、すなわち柄部20の柄幅Wの中心を通り回転軸AX(
図2参照)に平行な軸線を含み且つ柄部20の厚み方向に対して平行な平面に関して鏡面非対称であることをいう。本実施形態の塗布具10において、ブラシ部40と柄部20の幅中心は一致している。したがって、窪み部30は回転軸AXを含み且つ柄部20の厚み方向に対して平行な平面に関して鏡面非対称である。
【0044】
本実施形態の塗布具10は、柄部20が回転軸AXまわりに反転非対称形状であり、かつ柄部20の表面に形成された窪み部30が毛幅方向DRに非対称形状である。このため、使用者は柄部20を把持する指を通じて、柄部20の張出部24の位置および窪み部30の向きを触覚的に感知することができ、これにより視覚に頼らずとも塗布具10の向きを認識することができる。このため、塗布具10の向きを使用者が誤ることが好適に防止される。
【0045】
窪み部30のうち、ブラシ毛42に近接している近傍縁34は柄部20の内縁部26に沿って形成され、ブラシ毛42から離間している遠方縁36は柄部20の外縁部28に沿って形成されている。これにより、
図2および
図3に示すように、窪み部30は柄部20の外形と略同一形状をなし、より具体的には平面視にてD字状をなしている。
【0046】
図5および
図6に示すように、窪み部30は、板状の柄部20の表裏両面に鏡面対称に形成されている。これにより使用者は、たとえば親指と人差指で柄部20を表裏両面から摘んで把持したときに、当該親指と人差指を柄部20の表裏の窪み部30にそれぞれ掛けて柄部20を良好に把持することができる。
【0047】
窪み部30の最深部32は、柄部20のうち第二の毛領域44の側に偏った位置に形成されている。より具体的には、窪み部30の最深部32は、境界45と張出部24とを結ぶライン(A−A線)上に形成されている。これにより、柄部20を自然な動作で把持する使用者の親指の腹が窪み部30の最深部32にあてがわれる。よって、第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45を注視して塗布動作を行うことが容易となる。
【0048】
図5および
図6に示すように、窪み部30は、板状の柄部20の主面21に滑らかに連なる凹状に形成されている。これにより、窪み部30に指を掛けたときに使用者が触覚的な違和感を受けることが抑えられ、また窪み部30に指を掛ける位置を過度に制約することがない。
【0049】
多数のブラシ毛42は柄部20の先端凹部22の内部で互いに束ねられて埋込部48が形成されている。第一の毛領域43を構成するブラシ毛42Bと、第二の毛領域44を構成するブラシ毛42Wとが、それぞれ多数本ずつ束ねられたうえで、ブラシ毛42Bの束とブラシ毛42Wの束とが毛幅方向DRにおいて互いに隣接する状態でブラシ毛42B及びブラシ毛42Wの一端部が柄部20に埋め込まれることにより、埋込部48が形成されている。これにより、ブラシ毛42の根元が柄部20に固定され、ブラシ毛42が柄部20から抜けることが規制されている。埋込部48は先端凹部22に対して接着固定されてもよい。本実施形態の柄部20は、一対の半体が接合部29で接着接合されて構成されている。多数のブラシ毛42は、埋込部48で折り曲げられて互いに束ねられてもよく、またはブラシ毛42の端部が基材(図示せず)に植え付けられることにより埋込部48が形成されてもよい。
【0050】
なお、上述した柄部20の構造は一例であり、柄部20に植設されたブラシ毛42を固定する態様は上記に限られない。たとえば金属製の口金部(図示せず)を柄部20の内縁部26に設けてもよい。
【0051】
本実施形態の塗布具10は種々の用途に用いられる。たとえば後述するように化粧料を塗布する化粧用途に用いられるほか、染料や顔料等のインクを紙やスタンプ等に塗布する文房具などの用途に用いることができる。
【0052】
<化粧品100について>
図7から
図10を用いて、本実施形態の塗布具10を備える化粧品100について説明する。
図7は塗布具10を容器本体60から取り出した状態を示す化粧品100の斜視図であり、
図8は塗布具10が容器本体60に収容された化粧品100の開放状態の平面図である。
図9は保護シート82の平面図である。
図10は化粧品100の使用状態を説明する平面図である。
【0053】
本実施形態の塗布具10を用いて塗布される化粧料70、71としては、たとえば、チーク、ハイライト、シェーディング、ファンデーションまたはコンシーラー等のメイクアップ剤のほか、美容液や美白クリームなどのスキンケア剤、染毛剤や毛髪脱色剤などの毛髪手入れ用製剤、育毛剤などの発毛促進あるいは発毛抑制をする剤、香水などの香料用の製剤などが挙げられる。
【0054】
化粧品100は、上記の塗布具10と、化粧料収容部62を有する容器本体60と、この化粧料収容部62に所定の配列方向(
図10における上下方向)に並べて充填された異種の(互いに異種の)化粧料70、71と、塗布具10を収容するブラシ収容部80と、を備えている。ブラシ収容部80は、後述する蓋部90と保護シート82との間に形成される空間であり、異種の化粧料70、71に跨る上方に形成されている。すなわち、ブラシ収容部80は、化粧料70の上方から化粧料71の上方に跨がる空間により構成されている。そして、本実施形態の塗布具10は、ブラシ部40の毛幅方向DRを化粧料70、71の配列方向(並び方向)に向けてブラシ収容部80に収容されている。
【0055】
容器本体60には蓋部90がヒンジ部92を介して連結されている。蓋部90は鏡91および爪部93を備え、容器本体60はロック部94を備えている。爪部93とロック部94とは解除可能に掛止する。ブラシ収容部80に塗布具10を収容した状態で蓋部90を閉じて爪部93をロック部94に掛止することで、塗布具10は化粧料70、71と共に容器本体60の内部に収められる。
【0056】
化粧品100は、容器本体60に取り付けられて化粧料70、71の表面を開放可能に覆う保護シート82を更に備えている。
図9に示すように、保護シート82の周囲(周縁部)には、ブラシ収容部80に収容された塗布具10の移動を規制する起立片84a〜84dが形成されている。
【0057】
保護シート82は、略円形の保護部83と、この保護部83よりも小さい固定片86とを備えている。保護部83の周囲に起立片84a〜84dが上方に曲げ形成されている。
保護部83と固定片86とは折曲片85を介して連結されている。
図7に示すように、折曲片85は保護部83の下方(すなわち起立片84a〜84dの起立方向と逆方向)に略垂直に折り曲げられ、更に固定片86は折曲片85を略垂直に折り曲げて保護部83に対向させて用いられる。固定片86は容器本体60における化粧料収容部62の底面上に固定されている。
保護シート82は透明でもよく、または不透明でもよい。保護シート82のうち、特に保護部83を透明にすることで、
図7に示すように保護シート82の保護部83を容器本体60に嵌合させて保護部83で化粧料収容部62の表面を覆った状態で、透明な保護部83を通じて化粧料70、71を外部から視認することができる。
【0058】
起立片84a〜84dは、ブラシ収容部80に収容された塗布具10が、化粧品100の蓋部90を開けた際にブラシ収容部80からずれたり不測に落下したりすることを防止する移動規制部である。起立片の数は特に限定されず、1つ以上であればよい。本実施形態では4つの起立片84a〜84dが保護部83の周囲に分散配置されている態様を例示する。保護部83で化粧料収容部62の上部を覆うように保護シート82を容器本体60に配置すると、保護部83の上面に、起立片84a〜84dによって画成される空間であるブラシ収容部80が形成される。
図8に示すように、ブラシ収容部80に塗布具10を収容することで、複数の起立片84a〜84dが塗布具10の柄部20およびブラシ部40の近傍に位置する。起立片84cは塗布具10がヒンジ部92の側に移動することを防止する。起立片84aは柄部20の外縁部28のうち第一の毛領域43に対応する位置を保持し、起立片84dは第一の毛領域43の毛先46を保持する。これにより、起立片84aおよび起立片84dはロック部94の側(
図8における下方)に塗布具10が移動してブラシ収容部80から落下することを防止する。起立片84bは、柄部20の外縁部28の中間部を支持し、柄部20に対して使用者が指でアクセスする側(
図8における右方)に塗布具10が移動または落下することを防止する。また、複数の起立片84a〜84dの少なくとも一つは、ブラシ収容部80に収容された塗布具10がブラシ収容部80に沿って回転することを規制する。より具体的には、起立片84bは、
図2に示す収容状態の塗布具10がブラシ収容部80の深さ方向(同図の紙面面直方向)を回転軸として時計回りに回転することを規制する。また起立片84cは、同じく塗布具10が反時計回りに回転することを規制する。ブラシ収容部80に収容された塗布具10において、柄部20の張出部24は、ブラシ収容部80の中央からの距離(以下、最大張出長さ)が柄部20における他の部位よりも大きくなる領域である。一方、ブラシ収容部80に収容された塗布具10における張出部24の両側を挟むように配置される起立片84bおよび84cは、ブラシ収容部80の中央からの距離が上記の最大張出長さよりも小さい。このため、ブラシ収容部80に沿って塗布具10を回転させようとすると張出部24が起立片84bおよび84cと干渉し、当該回転は規制される。
【0059】
塗布具10はブラシ収容部80に反転不可に収容されてもよい。塗布具10がブラシ収容部80に反転不可に収容されているとは、所定の向き(たとえば
図2に示す平面視状態)の塗布具10がブラシ収容部80に容易に収容可能であり(
図8参照)、かつ、この塗布具10を回転軸AX(
図2参照)まわりに反転させた向き(
図8における上下反転)または柄部20の内縁部26に関してブラシ部40と柄部20とを反転させた向き(
図8における左右反転)の少なくとも一方で、塗布具10がブラシ収容部80と干渉して収容不可または収容困難となることをいう。これにより、使用後の塗布具10をブラシ収容部80に対して上記反転不可の方向に過って反転させて収容することが防止される。
【0060】
本実施形態の化粧品100においては、非対称形状の柄部20と起立片84a〜84dとの位置関係により、塗布具10はブラシ収容部80に反転不可に収容される。具体的には、ブラシ収容部80の周囲のうち、塗布具10の柄部20に張出部24が非形成の一方側(
図8における下方側)に対応する位置に起立片84aが形成され、張出部24が形成された他方側(
図8における上方側)に対応する位置には起立片が非形成である。このため、柄部20の張出部24が起立片84a〜84dと干渉することなく塗布具10はブラシ収容部80の内周近傍に収容される。言い換えると、張出部24に対応する位置に起立片84a〜84dを非形成とするとともに、回転軸AX(
図2参照)に関する張出部24の対称位置に対応させて起立片84aを形成することで、塗布具10をブラシ収容部80に反転不可に収容することができる。また、
図8に示す収容状態から塗布具10を左右反転不可とする場合は、起立片84aの点対称位置(
図8における左上位置)に他の起立片(図示せず)を形成してもよい。
【0061】
化粧料収容部62には異種の化粧料70、71が充填されている。化粧料70、71が異種であるとは、化粧料70、71の色彩、成分、組成比率、硬度または粘度などに例示される性状が互いに異なることをいう。本実施形態の化粧品100においては、化粧料収容部62に充填されている異種の化粧料70、71の色彩が互いに異なる。ここで、化粧料の色彩とは、当該化粧料を被化粧者に塗布した場合に呈する色彩をいうものであり、化粧料収容部62に充填されている状態における化粧料の色彩を必ずしも意味しない。
化粧料70、71は、明度、彩度または色相のいずれか1つ以上が互いに異なる。化粧料70、71には、隣接する被化粧部位にそれぞれ塗布される化粧料を選択するとよい。本実施形態の化粧品100では、化粧料70、71の一方は他方よりも明度が低い。たとえば、明度がより低い一方(たとえば化粧料70)として、頬に塗布されるチークを例示し、明度がより高い他方(たとえば化粧料71)として、目の下に塗布されるハイライトを例示することができる。このほか、明度がより低い一方(たとえば化粧料70)として頬の下に塗布されるシャドウ、明度がより高い他方(たとえば化粧料71)として上記のチークを例示することができる。
化粧料71はヒンジ部92に近い側に収容され、化粧料70はヒンジ部92から遠い側に収容されている。このため、使用者が化粧品100を自然に保持したとき化粧料70は使用者に近い側に位置し、化粧料71は使用者から遠い側に位置することとなる。
【0062】
化粧料70、71は、化粧料収容部62の内部に直接に充填されてもよく、または中皿等の補助容器(図示せず)に充填された状態で化粧料収容部62の内部に設置されてもよい。補助容器を用いる場合、固定片86(
図7参照)は化粧料収容部62の底面と当該容器との間に保持される。
本実施形態の化粧料収容部62は円形の凹部であり、化粧料70、71を互いに仕切る隔壁を任意で有していてもよい。化粧料70、71の配列方向は
図10における上下方向である。隔壁は、化粧料収容部62の底面に一体形成されていてもよく、または中皿等の補助容器の壁面でもよい。
より詳細には、これら異種の化粧料70、71の境界線64は、化粧料70、71の配列方向(
図10の上下方向)に対して斜めに形成されている。これにより、化粧料70、71の配列方向に直交する横方向に塗布具10を動かして化粧料70、71をブラシ毛42に取る場合、ブラシ毛42の一部は斜めに形成された境界線64を横切ることとなる。このため、当該一部のブラシ毛42に対して、化粧料70、71が適度に混合して付着する。よって、被化粧部位に対して化粧料70、71が過度に明瞭に塗り分けられてしまうことなく自然で連続的な仕上がりで、化粧料70(たとえばチーク)を頬に、そして化粧料71(たとえばハイライト)を目の下に、それぞれ塗布することができる。
【0063】
上述したように、塗布具10のブラシ部40は、毛幅方向DRの一方側と他方側に、ブラシ毛42をそれぞれ含む第一の毛領域43および第二の毛領域44を有し、これら第一の毛領域43および第二の毛領域44に含まれる少なくとも一部のブラシ毛42の性状は互いに異なり、具体的には色彩が異なる。そして、毛幅方向DRに関する第一の毛領域43の毛幅寸法WB1および第二の毛領域44の毛幅寸法WB2は互いに異なり、具体的には毛幅寸法WB2は毛幅寸法WB1よりも小さい。
一方、化粧料収容部62には、第一の化粧料70と第二の化粧料71とが充填されており、これら第一の化粧料70および第二の化粧料71の配列方向に関する寸法(
図10の上下幅寸法)は、第一の化粧料70よりも第二の化粧料71の方が小さい。
塗布具10は、第一の化粧料70の上方に第一の毛領域43が配置され、第二の化粧料71の上方に第二の毛領域44が配置されるようにブラシ収容部80に収容されている。
【0064】
これにより、塗布具10をブラシ収容部80に収容することで、毛幅寸法WB1が大きい第一の毛領域43と上下幅寸法が大きい第一の化粧料70とが対応して配置され、毛幅寸法WB2が小さい第二の毛領域44と上下幅寸法が小さい第二の化粧料71とが対応して配置される。したがって、自然な把持動作をすることで、第一の化粧料70を専ら第一の毛領域43のブラシ毛42Bに付着させ、第二の化粧料71を専ら第二の毛領域44のブラシ毛42Wに付着させることができる。
【0065】
上述したように、第一の毛領域43および第二の毛領域44に含まれるブラシ毛42B、42Wの色彩は明度が互いに異なり、明度がより高い色を呈するブラシ毛42Wが第二の毛領域44に植設されている。すなわち、使用者が柄部20を指で把持すると、使用者に近い側に濃色のブラシ毛42Bが位置し、使用者から遠い側に淡色のブラシ毛42Wが位置する。一方、ブラシ収容部80に収容された塗布具10における第二の毛領域44に対向する第二の化粧料71の明度は、第一の化粧料70の明度よりも高い。
これにより、塗布具10をブラシ収容部80に収容することで、明度が低い濃色の第一の化粧料70の上に濃色のブラシ毛42Bが対応して配置され、明度が高い淡色の第二の化粧料71の上に淡色のブラシ毛42Wが対応して配置されることとなる。このため、化粧料70、71とブラシ部40とが正しく対応した状態で塗布具10がブラシ収容部80に収容されていることを直感的に理解することができる。また、上述のように第一の化粧料70をチークとし、第二の化粧料71をハイライトとする場合、使用者に近い側にあたる第一の毛領域43にチークが付着し、使用者から遠い側にあたる第二の毛領域44にハイライトが付着する。したがって、塗布具10を頬の上部に当てることで、頬にチークを塗布し、それと同時に目の下にハイライトを塗布することができる。
【0066】
<変形例>
次に、
図11及び
図12を用いて、変形例に係る塗布具10について説明する。
図11及び
図12の各図のうち、
図11(a)は塗布具10を先端側から視た斜視図、
図11(b)は塗布具10を基端側から視た斜視図、
図12(a)は塗布具10の平面図、
図12(b)は塗布具10を
図12(a)の矢印B方向に視た側面図、
図12(c)は塗布具10を
図12(a)の矢印C方向に視た側面図である。
本変形例に係る塗布具10は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る塗布具10と相違する。なお、本変形例に係る塗布具10において、上記の実施形態に係る塗布具10と同様の構成については、説明を省略する。
【0067】
本変形例の場合、ブラシ部40の第一の毛領域43と第二の毛領域44とが、回転軸AXを対称軸とする反転対称形となっている。より詳細には、第一の毛領域43と第二の毛領域44とが、回転軸AXを含み且つ柄部20の厚み方向に対して平行な平面を対称面とする鏡面対称形となっている。ただし、第一の毛領域43と第二の毛領域44とは、形状以外の性状(色彩または触覚的性質の少なくとも一方)が回転軸AXに関して反転非対称となっている。ブラシ部40は、少なくとも色彩が回転軸AXに関して反転非対称となっている。
【0068】
また、本変形例の場合、
図12(a)に示すように、ブラシ毛42の先基端方向の最大長さ(毛長L1)よりも把持長さL2の方が長い。つまり、回転軸AXの延在方向において、ブラシ部40の長さよりも柄部20の長さの方が長い。
【0069】
更に、ブラシ部40の幅方向(毛幅方向DR)におけるブラシ部40の幅よりも、回転軸AXの延在方向における柄部20の長さ(把持長さL2)の方が長い。
より詳細には、柄部20の長さ(把持長さL2)は、毛幅寸法WB1と毛幅寸法WB2との和よりも長い。更に詳細には、柄部20の長さ(把持長さL2)は、毛幅方向DRにおけるブラシ部40の最大幅よりも長い。
【0070】
また、本変形例の場合、張出部24は、第一の毛領域43と第二の毛領域44との境界45の対向位置からずれた位置(例えば第二の毛領域44側にずれた位置)に形成されている。よって、使用者は、視覚的及び触覚的に張出部24の位置を確認することよって、柄部20の向きを容易に認識することができる。
なお、単一の張出部24が境界45の対向位置からずれた位置に配置されていることにより、柄部20は回転軸AXに関して反転非対象形状且つ回転非対称形状に形成されていることになる。
【0071】
また、本変形例の場合、柄部20の両面の一部分ずつは、回転軸AXと毛幅方向DRとを含む仮想平面(以下、第一中心面と称する)に対して、毛幅方向DRにおいて傾斜している傾斜面38となっている。柄部20の両面の傾斜面38は、第一中心面を対称面とする鏡面対称に配置されている。このため、柄部20において傾斜面38が形成されている部位の厚みは、毛幅方向DRにおいて変化している。より詳細には、例えば、柄部20において傾斜面38が形成されている部位の厚みは、第二の毛領域44と対応する部位から、第一の毛領域43と対応する部位にかけて、薄くなっている。
よって、使用者は、柄部20の部位毎の厚みを触覚で確認することによって、柄部20の向きを容易に認識することができる。また、張出部24及び傾斜面38による厚みの変化により、柄部20の向きを一層容易に認識することができる。
なお、柄部20の両面の傾斜面38が中心面を対称面とする鏡面対称に配置されているため、柄部20の両面の傾斜面38は回転軸AXに関して回転非対称に配置されていることになるとともに、柄部20は回転軸AXに関して反転非対象形状且つ回転非対称形状に形成されていることになる。
なお、傾斜面38を含む主面21は、内縁部26側から外縁部28側に向けて柄部20の厚みが小さくなる方向に傾斜していても良い。
【0072】
更には、柄部20の両面の各々において、傾斜面38と、主面21における傾斜面38の周囲の部分との境界の稜線39は、回転軸AXを含み且つ第一中心面に対して直交する仮想平面(以下、第二中心面と称する)に関して、非対称な形状に形成されている。このため、使用者は、柄部20の一方の面の稜線39の形状を触覚で確認することによっても、柄部20の向きを容易に認識することができる。
【0073】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、本発明は上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記実施形態では柄部20およびブラシ部40が扁平な薄い板状である態様を例示したが、これに限られず、たとえば柄部20を棒状とし、当該棒状の柄部20の端部にブラシ毛42を植設してなるブラシ部40を円柱状に形成してもよい。この場合、棒状の柄部20の周面に使用者の指を掛けるための凹部を形成して、柄部20を回転軸AXに関して反転非対称形状としてもよい。また、円柱状のブラシ部40を複数の毛領域に区画し、各毛領域に含まれるブラシ毛42が呈する色彩を互いに相違させてもよい。
また、上記実施形態では柄部20に窪み部30を形成することを例示したが、これに限らず、使用者が指を掛けて用いるための突部(図示せず)を柄部20の主面21に形成してもよい。
また、上記実施形態では第一の毛領域43のブラシ毛42Bと第二の毛領域44のブラシ毛42Wとが2色に色分けされて明瞭な境界45が形成されている態様を例示したが、これに限られない。第一の毛領域43と第二の毛領域44とを色分けするとともに、境界45を含む所定の毛幅寸法の毛領域において、第一の毛領域43と第二の毛領域44との色調差や階調差をグラデーション変化させてもよい。
上記実施形態では、ブラシ収容部80に対して使用者に近い側に収容される第一の毛領域43の毛幅寸法WB1が、使用者に遠い側に収容される第二の毛領域44の毛幅寸法WB2よりも大きい場合を例示した(
図2、
図8参照)が、これに限られない。毛幅寸法WB1と毛幅寸法WB2とは同じ幅でもよく、または第一の毛領域43の毛幅寸法WB1が第二の毛領域44の毛幅寸法WB2よりも小さくてもよい。たとえば、第一の毛領域43によって塗布される第一の化粧料70がシャドウであり、第二の毛領域44によって塗布される第二の化粧料71がチークである場合、毛幅寸法WB1を毛幅寸法WB2よりも小さくすることで、チークに比してシャドウを細幅で頬の下に塗布することができる。
また、
図8に示す収容状態は一例であり、塗布具10を
図8から上下反転させた向きでブラシ収容部80に収容してもよい。すなわち、ブラシ収容部80に対してロック部94に近い側に淡色のブラシ毛42Wで構成される第二の毛領域44を収容し、ヒンジ部92に近い側に濃色のブラシ毛42Bで構成される第一の毛領域43を収容してもよい。そして、色彩が互いに異なる化粧料70、71のうち、明度がより高い化粧料70を化粧料収容部62のうちヒンジ部92に近い側に充填し、明度がより低い化粧料71をロック部94に近い側に充填してもよい。この場合、たとえば明度がより高い化粧料70として目の下に塗布されるハイライト、明度がより低い化粧料71として目の周囲に塗布されるアイシャドウを例示することができる。
【0074】
本発明の塗布具10および化粧品100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0075】
本発明は、上述した実施形態に関し、以下の塗布具10および化粧品100を開示する。
<1> 柄部と、前記柄部にブラシ毛が植設されて形成されたブラシ部と、を備え、前記ブラシ部の幅方向の中心を通り前記ブラシ毛の先基端方向に延在する回転軸に関して、前記柄部が反転非対称形状かつ前記ブラシ部の性状が反転非対称であることを特徴とする塗布具。
<2> 前記ブラシ部が、前記幅方向の一方側と他方側に、前記ブラシ毛をそれぞれ含む第一および第二の毛領域を有し、第一および第二の前記毛領域に含まれる少なくとも一部の前記ブラシ毛の性状が互いに異なることを特徴とする<1>に記載の塗布具。
<3> 前記性状が互いに異なる前記ブラシ毛の集合同士の境界が、前記ブラシ部における前記幅方向の中心よりも前記一方側または前記他方側に偏って位置している<2>に記載の塗布具。
<4>前記性状は、色彩である<2>または<3>に記載の塗布具。
<5> 第一および第二の前記毛領域に含まれる前記ブラシ毛の色彩は明度が互いに異なり、前記明度がより高い色を呈する前記ブラシ毛が第二の前記毛領域に植設されている<4>に記載の塗布具。
<6−1> 前記柄部は、第一の前記毛領域に対応する位置よりも、第二の前記毛領域に対応する位置において、前記ブラシ毛よりも基端側に延在する把持長さが長く形成されている<2>から<5>のいずれか一項に記載の塗布具。
<6−2> 前記性状は、色彩であり、第一および第二の前記毛領域に含まれる前記ブラシ毛の色彩は明度が互いに異なり、前記明度がより高い色を呈する前記ブラシ毛が第二の前記毛領域に植設されており、前記柄部は、第一の前記毛領域に対応する位置よりも、第二の前記毛領域に対応する位置において、前記ブラシ毛よりも基端側に延在する把持長さが長く形成されている<2>に記載の塗布具。
<7> 前記ブラシ部の前記幅方向に関する第一の前記毛領域の毛幅寸法が、第二の前記毛領域の前記毛幅寸法よりも大きい<2>から<6>のいずれか一項に記載の塗布具。
<8> 前記柄部の表面に窪み部を有し、前記窪み部が前記ブラシ部の前記幅方向に非対称形状であることを特徴とする<1>から<7>のいずれか一項に記載の塗布具。
<9> <1>から<8>のいずれか一項に記載の塗布具と、化粧料収容部を有する容器本体と、前記化粧料収容部に所定の配列方向に並べて充填された異種の化粧料と、前記塗布具を収容するブラシ収容部と、を備える化粧品。
<10> 前記ブラシ収容部が異種の前記化粧料に跨る上方に形成されており、前記塗布具が前記ブラシ部の幅方向を前記配列方向に向けて前記ブラシ収容部に収容されている<9>に記載の化粧品。
<11> 前記塗布具の前記ブラシ部は、前記幅方向の一方側と他方側に、前記ブラシ毛をそれぞれ含む第一および第二の毛領域を有し、第一および第二の前記毛領域に含まれる少なくとも一部の前記ブラシ毛の性状は互いに異なり、第二の前記毛領域の前記幅方向に関する毛幅寸法は、第一の前記毛領域の前記毛幅寸法よりも小さく、前記化粧料収容部には、第一の前記化粧料と、第一の前記化粧料よりも前記配列方向に関する寸法が小さい第二の前記化粧料と、が充填されており、第一の前記化粧料の上方に第一の前記毛領域が配置され、第二の前記化粧料の上方に第二の前記毛領域が配置されるように前記塗布具が記ブラシ収容部に収容されている<10>に記載の化粧品。
<12> 前記容器本体に取り付けられて前記化粧料の表面を開放可能に覆う保護シートを更に備え、前記保護シートの周囲に、前記ブラシ収容部に収容された前記塗布具の移動を規制する起立片が形成されている<9>から<11>のいずれか一項に記載の化粧品。
<13> 前記塗布具の前記柄部は、前記ブラシ部の前記幅方向に関する一部領域に、前記ブラシ毛の基端側に延在する把持長さが他の領域よりも長く形成された張出部を有し、複数の前記起立片が前記保護シートの周囲に形成されて前記ブラシ収容部が画成されており、かつ前記ブラシ収容部に収容された前記塗布具における前記張出部に対応する位置に前記起立片が非形成であることを特徴とする<12>に記載の化粧品。
<14> 前記ブラシ部の外形が、前記回転軸を中心とする回転対称形状、かつ前記ブラシ部の幅方向の両側に広がるように放射状に形成されている<1>から<8>のいずれか一項に記載の塗布具。
<15> 幅方向に関する前記ブラシ部の最大寸法が、前記幅方向に直交する厚み方向の最大寸法よりも大きい<1>から<8>または<14>のいずれか一項に記載の塗布具。
<16> 前記柄部は、前記幅方向の最大寸法が前記厚み方向の最大寸法よりも大きい板状をなしている<15>に記載の塗布具。
<17> 前記ブラシ毛の先基端方向の長さが、前記柄部の前記把持長さの最大長よりも大きいことを特徴とする<6>に記載の塗布具。
<18> 第一および第二の前記毛領域にそれぞれ含まれて色彩が互いに異なる前記ブラシ毛の径および曲げ剛性が互いに共通である<4>または<5>に記載の塗布具。
<19> 前記柄部は、前記ブラシ毛が植設されている内縁部と、前記内縁部に対して基端側に対向する外縁部と、を有し、多数の前記ブラシ毛が前記内縁部から突出する長さは互いに略等しく、前記内縁部は前記ブラシ部の毛幅方向と平行に形成され、前記外縁部は前記毛幅方向に対して斜めに傾斜している<1>から<8>のいずれか一項に記載の塗布具。
<20> 前記柄部が、前記毛幅方向に非対称形状に形成された窪み部を有し、前記窪み部のうち、前記ブラシ毛に近接している近傍縁は前記柄部の前記内縁部に沿って形成され、前記ブラシ毛から離間している遠方縁は前記柄部の前記外縁部に沿って形成されている<19>に記載の塗布具。
<21> 前記窪み部が、板状の前記柄部の主面に滑らかに連なる凹状に形成されている<8>に記載の塗布具。
<22> 前記窪み部が、板状の前記柄部の表裏両面に鏡面対称に形成されている<8>または<21>に記載の塗布具。
<23> 前記柄部が、前記幅方向に非対称形状に形成された窪み部を有し、前記窪み部の最深部が、前記柄部のうち第二の前記毛領域の側に偏った位置に形成されている<2>から<7>のいずれか一項に記載の塗布具。
<24> 前記ブラシ部は、縮毛の前記ブラシ毛と直毛の前記ブラシ毛とが混在して形成されている<1>から<7>のいずれか一項に記載の塗布具。
<25> 前記ブラシ部を構成する前記ブラシ毛のうち、少なくとも第一および第二の前記毛領域の境界近傍に植設された前記ブラシ毛が、前記ブラシ部の前記幅方向に対して傾斜して前記柄部から突出している<2>から<7>のいずれか一項に記載の塗布具。
<26> 異種の前記化粧料の色彩が互いに異なる<9>から<13>のいずれか一項に記載の化粧品。
<27> <5>に記載の塗布具を備える<26>に記載の化粧品であって、前記ブラシ収容部に収容された前記塗布具における第二の前記毛領域に対向する第二の前記化粧料の明度が、第一の前記化粧料の明度よりも高い前記化粧料が充填されていることを特徴とする化粧品。
<28> 異種の前記化粧料の境界線が、前記配列方向に対して斜めに形成されている<9>から<13>、または<25>から<27>のいずれか一項に記載の化粧品。
<29> 前記回転軸の延在方向において、前記ブラシ部の長さよりも前記柄部の長さの方が長い、上記のいずれか一項に記載の塗布具。
<30> 前記ブラシ部の幅方向における前記ブラシ部の幅よりも、前記回転軸の延在方向における前記柄部の長さの方が長い、上記のいずれか一項に記載の塗布具。