(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリカーボネート樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B1)と、カーボンブラック(B2)とを含むポリカーボネート樹脂組成物を製造するポリカーボネート樹脂組成物の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂(B1)及び前記カーボンブラック(B2)を含むマスターバッチ原料を溶融混練してマスターバッチ粒子(B)を準備するマスターバッチ粒子準備工程と、
前記マスターバッチ粒子準備工程で得られた前記マスターバッチ粒子(B)と、前記ポリカーボネート樹脂(A)からなるポリカーボネート樹脂粒子とを溶融混練する溶融混練工程とを含み、
前記マスターバッチ粒子準備工程において、前記熱可塑性樹脂(B1)が、ポリカーボネート樹脂(B1−1)及びスチレン系熱可塑性樹脂(B1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種で構成され、前記カーボンブラック(B2)の吸油量が60〜100cm3/100gであり、
前記溶融混練工程において、前記ポリカーボネート樹脂粒子及び前記マスターバッチ粒子(B)中の前記ポリカーボネート樹脂粒子の配合率が80〜99.95質量%であり、前記ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が12,000〜40,000であり、
前記溶融混練工程において、前記ポリカーボネート樹脂粒子として、前記ポリカーボネート樹脂粒子及び前記マスターバッチ粒子(B)をそれぞれ、メッシュ数の異なる3個以上の篩を用いて篩分けした場合に、前記3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩における前記ポリカーボネート樹脂粒子の質量割合の合計が、前記3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩における前記マスターバッチ粒子(B)の質量割合の合計よりも大きくなるポリカーボネート樹脂粒子を用いる、ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
前記溶融混練工程において、前記ポリカーボネート樹脂粒子として、前記ポリカーボネート樹脂粒子及び前記マスターバッチ粒子(B)をそれぞれ、メッシュ数の異なる3個以上の篩を用いて篩分けした場合に、前記3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩における前記ポリカーボネート樹脂粒子の質量割合が、前記3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩における前記マスターバッチ粒子(B)の質量割合よりも大きくなるポリカーボネート樹脂粒子を用いる、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
前記マスターバッチ粒子準備工程において、前記熱可塑性樹脂(B1)及び前記カーボンブラック(B2)中の前記カーボンブラック(B2)の配合率が5〜60質量%である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法により製造されるポリカーボネート樹脂組成物(以下、本明細書において「PC樹脂組成物」と呼ぶ)は、ポリカーボネート(以下、本明細書において「PC」と呼ぶ)樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B1)と、カーボンブラック(B2)とを含む。
【0026】
以下、本発明のPC樹脂組成物の製造方法について説明する。
【0027】
本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を含むマスターバッチ(以下、本明細書において「MB」と呼ぶ)原料を溶融混練してMB粒子(B)を準備するMB粒子準備工程と、MB粒子準備工程で得られたMB粒子(B)と、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子とを溶融混練する溶融混練工程とを含む。そして、溶融混練工程においては、PC樹脂粒子として、PC樹脂粒子及びMB粒子(B)をそれぞれ、メッシュ数の異なる3個以上の篩を用いて篩分けした場合に、3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩におけるPC樹脂粒子の質量割合の合計(以下、「SR
PC」と呼ぶ)が、3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩におけるMB粒子(B)の質量割合の合計(以下、「SR
MB」と呼ぶ)よりも大きくなるPC樹脂粒子を用いる。
【0028】
ここで、PC樹脂粒子及びMB粒子(B)の篩分けは、具体的には以下のようにして行われる。
【0029】
まずPC樹脂粒子の篩分けについて説明する。
【0030】
はじめに、メッシュ数の異なるn個(nは3以上の整数を表す)の篩を、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ね、最上段の篩にPC樹脂粒子を投入し、n個の篩を振とうさせる。こうして、PC樹脂粒子が各篩に振り分けられる。
【0031】
このとき、最上段の篩に投入したPC樹脂粒子の質量、及び、各篩に振り分けられたPC樹脂粒子の質量を測定すれば、n個の篩の各々におけるPC樹脂粒子の質量割合を下記式により算出することができる。
n個の篩の各々におけるPC樹脂粒子の質量割合(質量%)=100×(各篩に振り分けられたPC樹脂粒子の質量)/(最上段の篩に投入したPC樹脂粒子の質量)
【0032】
以上のようにしてPC樹脂粒子の篩分けが行われる。こうして、メッシュ数が最小の篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩におけるPC樹脂粒子の質量割合が求められる。
【0033】
一方、MB粒子(B)の篩分けは、PC樹脂粒子をMB粒子(B)に代えたこと以外は、上述したPC樹脂粒子の篩分けと同様にして行われる。こうして、メッシュ数が最大の篩及びメッシュ数が2番目に小さい篩におけるMB粒子(B)の質量割合が求められる。
【0034】
本発明のPC樹脂組成物の製造方法によれば、良好な外観を有する成形品を製造することが可能なPC樹脂組成物を製造できる。
【0035】
以下、上記MB粒子準備工程及び溶融混練工程について詳細に説明する。
【0036】
<MB粒子準備工程>
MB粒子準備工程では、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を含むMB原料を溶融混練してMB粒子(B)を準備する。
【0037】
(B1)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂(B1)は、PC樹脂(B1−1)、スチレン系熱可塑性樹脂(B1−2)又はこれらの混合物で構成される。
【0038】
(B1−1)PC樹脂
PC樹脂(B1−1)としては、芳香族PC樹脂、脂肪族PC樹脂、芳香族−脂肪族PC樹脂が挙げられる。PC樹脂(B1−1)としては、芳香族PC樹脂が好ましい。
【0039】
芳香族PC樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸のジエステルとを重合させることによって得られる。芳香族PC樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等の従来法によることができる。
【0040】
芳香族PC樹脂の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的なものとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
【0041】
上記芳香族PC樹脂を製造する場合、上記芳香族ジヒドロキシ化合物に、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン(THPE)、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等の分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノール等を分岐化剤として少量添加してもよい。
【0042】
上記芳香族ジヒドロキシ化合物のなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。上記芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
【0043】
分岐した芳香族PC樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、その使用量は、該芳香族ジヒドロキシ化合物を基準(100モル%)として0.01〜10モル%となる量であり、好ましくは0.1〜2モル%となる量である。
【0044】
エステル交換法による重合においては、ホスゲンの代わりに炭酸ジエステルがモノマーとして使用される。炭酸ジエステルの代表的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(DPC)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0045】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで炭酸ジエステルの一部を置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0046】
エステル交換法により芳香族PC樹脂を製造する際には、通常、触媒が使用される。触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。中でもアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。エステル交換法では、上記触媒をp−トルエンスルホン酸エステル等で失活させることが一般的である。
【0047】
芳香族PC樹脂として好ましいものは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるPC樹脂又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるPC共重合体が挙げられる。また、難燃性等を付与する目的で、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合させることができる。芳香族PC樹脂は、原料の異なる2種以上の重合体及び/又は共重合体の混合物であってもよく、分岐構造を0.5モル%まで含有していてもよい。
【0048】
PC樹脂(B1−1)の粘度平均分子量は特に制限されないが、12,000〜40,000であることが好ましい。この場合、粘度平均分子量が上記範囲を外れる場合と比べて、より良好な外観、着色性、及び機械的強度を有する成形品の製造が可能なPC樹脂組成物を得ることができる。ここで、粘度平均分子量とは、溶媒としてメチレンクロライドを用い、20℃の温度で測定した溶液粘度より換算した値を言う。PC樹脂(B1−1)は、粘度平均分子量の異なる2種以上のPC樹脂を混合してもよく、粘度平均分子量が上記好適範囲外であるPC樹脂を混合し、上記粘度平均分子量の範囲内としてもよい。PC樹脂(B1−1)の粘度平均分子量は、より好ましくは14,000〜36,000であり、さらに好ましくは16,000〜32,000である。
【0049】
(B1−2)スチレン系熱可塑性樹脂
スチレン系熱可塑性樹脂(B1−2)は、スチレン単位を含有する熱可塑性樹脂であればよく、具体的には、スチレン系単量体の単独重合体、又は、スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体およびゴム成分からなる群より選ばれる1種以上との共重合体で構成される。ここで、スチレン系熱可塑性樹脂(B1−2)成分中のゴム成分の含有量は50質量%未満である。ゴム成分の含有量は好ましくは45質量%未満である。
【0050】
上記スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好ましい。さらにこれらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
上記スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびその無水物が挙げられる。
【0052】
上記スチレン系単量体と共重合可能なゴム成分としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステルとブタジエンの共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(以下、「IPN型ゴム」と呼ぶ)等が挙げられる。
【0053】
スチレン系熱可塑性樹脂(B1−2)としては、例えばポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(水添SBS樹脂)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(水添SIS樹脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MAS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)、スチレン−IPN型ゴム共重合体等の樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
これらの中でもポリスチレン(PS樹脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)からなる群より選択される1種または2種以上を混合して使用することが好ましく、中でもABS樹脂、AS樹脂が最も好ましい。
【0055】
(B2)カーボンブラック
カーボンブラック(B2)は、PC樹脂組成物に黒色を付与するためのものである。
【0056】
カーボンブラック(B2)の平均粒径は特に制限されるものではないが、10〜20nmであることが好ましい。この場合、カーボンブラック(B2)の平均粒径が上記範囲を外れる場合に比べて、カーボンブラック(B2)が熱可塑性樹脂(B1)に分散しやすくなる。カーボンブラック(B2)の平均粒径は12〜18nmであることがより好ましい。ここで、平均粒径とは、各カーボンブラックの粒径の平均値を言い、粒径とは、走査型電子顕微鏡で1個のカーボンブラック(B2)を観察した場合に、そのカーボンブラック(B2)を横切る直線とカーボンブラック(B2)の輪郭との2つ交点間の距離の最大値を言うものとする。
【0057】
カーボンブラック(B2)の吸油量は特に制限されるものではないが、吸油量は40〜100cm
3/100gであることが好ましい。この場合、カーボンブラック(B2)の吸油量が上記範囲を外れる場合に比べて、カーボンブラック(B2)が熱可塑性樹脂(B1)に分散しやすくなる。カーボンブラック(B2)の吸油量は60〜80cm
3/100gであることがより好ましい。
【0058】
カーボンブラック(B2)のBET比表面積は特に制限されるものではないが、100〜300m
2/gであることが好ましい。この場合、カーボンブラック(B2)のBET比表面積が上記範囲を外れる場合に比べて、マスターバッチ製造時の加工性及びカーボンブラックの分散性の点でより優れる。カーボンブラック(B2)のBET比表面積は150〜250m
2/gであることがより好ましい。
【0059】
MB粒子(B)においては、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)中のカーボンブラック(B2)の配合率は特に制限されるものではないが、5〜60質量%であることが好ましい。この場合、カーボンブラック(B2)の配合率が5質量%未満である場合に比べて、PC樹脂組成物を製造する際の着色効率が良くなる。また熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)中のカーボンブラック(B2)の配合率が5〜60質量%である場合、カーボンブラック(B2)の配合率が60質量%を超える場合に比べて、マスターバッチ製造時の加工性とカーボンブラックの分散性が良くなる。
【0060】
カーボンブラック(B2)の配合率は好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは20〜40質量%である。
【0061】
(B3)その他の成分
MB原料は、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)のほか、分散剤、滑剤、安定剤、加工助剤、カーボンブラック以外の着色剤などの他の成分を含んでいてもよい。
【0062】
(MB粒子の製造方法)
MB粒子(B)は、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を含むMB原料を溶融混練した後、粉砕機で粉砕するか、又は、溶融混練により得られる溶融混練物を押し出してから冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化することにより得ることができる。
【0063】
上記溶融混練は、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどによって行うことができる。
【0064】
なお、溶融混練を行う前に、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合してもよい。
【0065】
MB粒子(B)を製造する際の単軸押出機のバレル温度は、熱可塑性樹脂(B1)が溶融する温度であればよく、特に制限されるものではないが、通常230〜285℃であり、好ましくは240〜280℃である。スクリューの回転数は特に制限されるものではないが、通常50〜100rpm、好ましくは60〜80rpmである。
【0066】
<溶融混練工程>
溶融混練工程では、MB粒子準備工程で得られたMB粒子(B)と、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子とを溶融混練する。
【0067】
PC樹脂粒子としては、上述したように、SR
PCがSR
MBよりも大きくなるPC樹脂粒子を用いる。このようなPC樹脂粒子を得るためには、MB粒子準備工程において、例えばMB粒子(B)を、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を含むMB原料を溶融混練した後、溶融混練により得られる溶融混練物を粉砕機で粉砕することにより得る場合には、粉砕機の回転数及び粉砕時間を調整すればよい。また、例えばMB粒子(B)を、熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を含むMB原料を溶融混練した後、溶融混練により得られる溶融混練物を押し出してから冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化することにより得る場合には、ぺレタイザーの回転数を調整すればよい。
【0068】
PC樹脂粒子及びMB粒子(B)の篩分けを行う場合、測定に用いる篩の数nは3個以上であれば特に制限されるものではないが、通常は10個以下である。但し、粒度管理と作業効率とのバランスを考慮すると、篩の数nは4〜8個であることが好ましい。
【0069】
各篩のメッシュ数の大きさは、n個の篩にPC樹脂粒子又はMB粒子(B)が必ず残るメッシュ数の大きさにすればよく、特に制限されるものではない。
【0070】
SR
PCは、SR
MBよりも大きければ特に制限されるものではないが、SR
PC−SR
MBは、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。但し、SR
PC−SR
MBは、PC樹脂粒子とMB粒子(B)の溶融混練工程において、分級が生じにくいことから、20質量%以下であることが好ましい。
【0071】
またPC樹脂粒子としては、PC樹脂粒子及びMB粒子(B)をそれぞれ、メッシュ数の異なる3個以上の篩を用いて篩分けした場合に、3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩におけるPC樹脂粒子の質量割合(以下、単に「R
PC」と呼ぶ)が、3個以上の篩のうちメッシュ数が最も小さい篩におけるMB粒子(B)の質量割合(以下、単に「R
MB」と呼ぶ)よりも大きくなるポリカーボネート樹脂粒子を用いることが好ましい。このようなPC樹脂粒子とMB粒子(B)の関係を得るためには、MB粒子(B)の製造時の粉砕条件やペレット化条件を適正化すればよい。
【0072】
R
PCは、R
MBよりも大きければ特に制限されるものではないが、R
PC−R
MBは、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。但し、R
PC−R
MBは、PC樹脂粒子とMB粒子(B)の溶融混練工程において、分級が生じにくいことから、10質量%以下であることが好ましい。
【0073】
(A)PC樹脂
PC樹脂粒子を構成するPC樹脂(A)としては、PC樹脂(B1−1)と同様のものを用いることができる。
【0074】
PC樹脂(A)の粘度平均分子量は特に制限されるものではないが、12,000〜40,000であることが好ましい。この場合、PC樹脂(A)の粘度平均分子量が上記範囲を外れる場合に比べて、より良好な外観、着色性、及び機械的強度を有する成形品の製造が可能なPC樹脂組成物を得ることができる。
【0075】
PC樹脂(A)は、粘度平均分子量の異なる2種以上のPC樹脂を混合してもよく、粘度平均分子量が上記好適範囲外であるPC樹脂を混合し、上記粘度平均分子量の範囲内としてもよい。PC樹脂(A)の粘度平均分子量は、より好ましくは14,000〜36,000であり、さらに好ましくは16,000〜32,000である。
【0076】
PC樹脂(B1−1)の粘度平均分子量は、PC樹脂(A)の粘度平均分子量以下であることが好ましい。PC樹脂(A)に対するカーボンブラック(B2)の分散性がより良好となる。ここで、PC樹脂(B1−1)の粘度平均分子量とPC樹脂(A)の粘度平均分子量との差は4000以下であることがより好ましい。
【0077】
PC樹脂(A)及びMB粒子(B)中のPC樹脂(A)の配合率は特に制限されるものではないが、80〜99.95質量%であることが好ましい。この場合、PC樹脂(A)の配合率が上記範囲を外れる場合に比べて、得られるPC樹脂組成物において外観と着色性のバランスに優れる。PC樹脂(A)の配合率は、好ましくは80〜99質量%であり、より好ましくは85〜98質量%である。
【0078】
PC樹脂(A)とMB粒子(B)とを溶融混練する場合には、上記PC樹脂(A)及びMB粒子(B)に対し、必要に応じて、熱安定剤(C)及び分散剤(D)をさらに配合してもよい。
【0079】
(C)熱安定剤
上記熱安定剤(C)としては、例えばフェノール系熱安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤等の熱安定剤を用いることができる。
【0080】
MB粒子(B)及びPC樹脂粒子の合計100質量部に対する熱安定剤(C)の配合割合は、特に制限されるものではないが、0.01〜0.5質量部の割合で含まれていることが好ましい。この場合、MB粒子(B)及びPC樹脂粒子の合計100質量部に対する熱安定剤(C)の配合割合が0.01質量部未満である場合と比べて、安定剤としての効果がより向上し、0.5質量部を超えると、機械的特性の低下がより十分に抑制される。
【0081】
MB粒子(B)及びPC樹脂粒子の合計100質量部に対する熱安定剤(C)の配合割合は0.05〜0.4質量部の割合で含まれていることがより好ましい。
【0082】
(D)分散剤
分散剤(D)は、MB粒子(B)をPC樹脂(A)中に容易に分散させることができるものであれば特に制限されない。分散剤(D)としては、例えば脂肪酸ワックス、脂肪酸、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪族アマイド、アクリル共重合体などを用いることができる。
【0083】
(押出機)
MB粒子(B)とPC樹脂(A)とを溶融混練する場合には押出機が用いられる。押出機としては、一般的に使用される単軸押出機、二軸押出機のいずれも使用可能である。
【0084】
PC樹脂組成物を製造する際の単軸押出機及び二軸押出機のバレル温度は、PC樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B1)が溶融する温度であればよく、特に制限されるものではないが、通常260〜320℃であり、好ましくは270〜300℃である。スクリューの回転数は特に制限されるものではないが、通常100〜400rpm、好ましくは150〜300rpmである。
【0085】
単軸押出機及び二軸押出機により押し出される押出物は、例えば水槽等で冷却することが好ましい。また押出物は通常、ペレタイザー等を用いてペレット化される。
【0086】
<用途>
本発明の製造方法により得られるPC樹脂組成物は、例えば自動車内外装品(ドアハンドル、ヘッドランプエスカッション、フェンダー、ルーフレール、アンテナカバー及びピラーなど)及びOA機器ハウジング(複写機ハウジング;ラップトップ、タブレット及びスマートフォンの筐体)などに適用可能である。
【実施例】
【0087】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0088】
実施例および比較例において用いた材料は次のとおりである。
【0089】
(A)PC樹脂
1)PC樹脂A1
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族PC樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)S−3000
粘度平均分子量 22,000
2)PC樹脂A2
溶融重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族PC樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバレックス(登録商標)M7022
粘度平均分子量 23,500
【0090】
(B)MB粒子
(B1)熱可塑性樹脂
1)PC樹脂B1−1
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族PC樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)H−4000
粘度平均分子量 16,000
2)PC樹脂B1−2
溶融重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族PC樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバレックス(登録商標)M7022
粘度平均分子量 23,500
3)ポリスチレン樹脂(PS樹脂)B1−3
PSジャパン社製 「HH102」
(B2)カーボンブラック
1)カーボンブラックB2−1
キャボット社製「BP−800」
(平均粒径:17nm、DBP吸油量:68cm
3/100g、BET比表面積:210m
2/g)
2)カーボンブラックB2−2
三菱化学社製「#850」
(平均粒径:17nm、DBP吸油量:74cm
3/100g、BET比表面積:220m
2/g)
【0091】
(C)熱安定剤
ADEKA(株)製、商品名「アデカスタブAS2112」(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)
【0092】
(実施例1〜5及び比較例1〜2)
熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を表1に示す配合割合(単位:質量部)で小容量加圧式ニーダー(製品名「D3−7.5」、日本スピンドル製造社製)に投入し、加熱温度220℃で30分間溶融混練し、混練物を得た。そして、混練物をニーダーから取り出し、室温で十分に冷却した後、粉砕機で粉砕を行った。こうしてMB粒子(B)としてMB1−1〜1−6を得た。このとき、粉砕は、粉砕機の回転数(単位:rpm)及び粉砕時間(単位:分)を表1に示す通りに設定して行った。
【0093】
次に、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子及びMB粒子(B)について以下のようにして篩分けを行った。まずPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子の篩分けについては以下のようにして行った。
はじめに、メッシュ数の異なる6個の篩を電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、6個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。具体的には、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、10、14、20、32、42、80とした。そして、最上段の篩にPC樹脂粒子を投入し、振動数50回/分、振幅2mmの条件下で10分間篩を振とうさせた。こうしてPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子の篩分けを行った。そして、各篩におけるPC樹脂粒子の質量割合(単位:質量%)を算出した。結果を表7に示す。
【0094】
一方、MB粒子(B)の篩分けは以下のようにして行った。
はじめに、メッシュ数の異なる6個の篩を、電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、6個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。具体的には、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、10、14,20,32、42、80とした。そして、最上段の篩にMB粒子(B)を投入し、6個の篩をPC樹脂粒子の場合と同様の条件で振とうさせた。こうしてMB粒子(B)の篩分けを行った。このとき、各篩におけるMB粒子(B)の質量割合(単位:質量%)を算出した。結果を表7に示す。
【0095】
なお、表7において、メッシュ数が10,14,20,32,42,80である篩における粒子の粒径の範囲はそれぞれ以下の通りである。
メッシュ数が10である篩:1700μmより大きい
メッシュ数が14である篩:1180μmより大きく1700μm以下
メッシュ数が20である篩:850μmより大きく1180μm以下
メッシュ数が32である篩:500μmより大きく850μm以下
メッシュ数が42である篩:350μmより大きく500μm以下
メッシュ数が80である篩:180μmより大きく350μm以下
また表7において、メッシュ数が14である篩(2番目にメッシュ数が小さい篩)における括弧中の数値は、SR
PC又はSR
MBを意味する。
【0096】
次に、表4に示す配合割合(単位:質量部)となるように、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)を配合し、これらをタンブラーミキサーにて20分間混合し、混合物を得た。
【0097】
その後、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)の混合物を、フルフライトスクリュー及びベントを備えた単軸押出機(製品名「VS−40」、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で溶融混練し、押出ノズル先端からストランド状に押出し、押出物を得た。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットすることにより、PC樹脂組成物のペレットを作製した。
【0098】
(実施例6及び比較例3〜4)
熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を表2に示す配合割合(単位:質量部)で小容量加圧式ニーダー(製品名「D3−7.5」、日本スピンドル製造社製)に投入し、加熱温度280℃で30分間溶融混練し、混練物を得た。そして、混練物をニーダーから取り出し、室温で十分に冷却した後、粉砕機で粉砕を行った。こうしてMB粒子(B)としてMB2−1〜2−3を得た。このとき、粉砕は、粉砕機の回転数(単位:rpm)及び粉砕時間(単位:分)を表2に示す通りに設定して行った。
【0099】
次に、MB粒子(B)について以下のようにして篩分けを行った。
まずPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子の篩分けは以下のようにして行った。
はじめに、メッシュ数の異なる6個の篩を電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、6個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。具体的には、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、10、14、20、32、42、80とした。そして、最上段の篩にPC樹脂粒子を投入し、振動数50回/分、振幅2mmの条件下で10分間振とうさせた。こうしてPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子の篩分けを行った。そして、各篩におけるPC樹脂粒子の質量割合(単位:質量%)を算出した。結果を表8に示す。
【0100】
一方、MB粒子(B)の篩分けは以下のようにして行った。
はじめに、メッシュ数の異なる6個の篩を、電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、6個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。具体的には、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、10、14,20,32、42、80とした。そして、最上段の篩にMB粒子(B)を投入し、6個の篩をPC樹脂粒子の場合と同様の条件で振とうさせた。こうしてMB粒子(B)の篩分けを行った。このとき、各篩におけるMB粒子(B)の質量割合を算出した。結果を表8に示す。
【0101】
なお、表8において、メッシュ数が10,14,20,32,42,80である篩における粒子の粒径の範囲はそれぞれ既に述べた通りである。また表8において、メッシュ数が14である篩(2番目にメッシュ数が小さい篩)における括弧中の数値は、SR
PC又はSR
MBを意味する。
【0102】
次に、表5に示す配合割合(単位:質量部)となるように、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)を配合し、これらをタンブラーミキサーにて20分間混合し、混合物を得た。
【0103】
その後、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)の混合物を、フルフライトスクリュー及びベントを備えた単軸押出機(製品名「VS−40」、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で溶融混練し、押出ノズル先端からストランド状に押出し、押出物を得た。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットすることにより、PC樹脂組成物のペレットを作製した。
【0104】
(実施例7及び比較例5〜6)
熱可塑性樹脂(B1)及びカーボンブラック(B2)を表3に示す配合割合(単位:質量部)でタンブラーミキサーにて均一に混合し、二軸押出機(製品名「TEX30XCT」、日本製鋼所社製)でシリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmにて溶融混練した後、ストランド状に押し出して水槽にて冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化した。こうしてMB粒子(B)としてMB3−1〜3−3を得た。このとき、ペレット化は、ぺレタイザーの回転数(単位:rpm)を表3に示す通りに設定して行った。
【0105】
次に、PC樹脂(A)及びMB粒子(B)について以下のようにして篩分けを行った。
まずPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子について以下のようにして篩分けを行った。
はじめに、メッシュ数の異なる5個の篩を、電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、5個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。具体的には、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、6、7、8、9、16とした。そして、最上段の篩にPC樹脂粒子を投入し、振動数50回/分、振幅2mmの条件下で10分間振とうさせた。こうしてPC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子の篩分けを行った。このとき、各篩におけるPC樹脂粒子の質量割合(単位:質量%)を算出した。結果を表9に示す。
【0106】
一方、MB粒子(B)の篩分けは以下のようにして行った。
はじめに、メッシュ数の異なる5個の篩を、電磁式篩振とう器(製品名「AS−200」、Retsch社製)にセットした。このとき、5個の篩は、下から上に向かうにつれてメッシュ数が小さくなるように上下に積み重ねた。そして、最上段の篩にMB粒子(B)を投入し、5個の篩をPC樹脂粒子の場合と同様の条件で振とうさせた。このとき、各篩のメッシュ数は、最上段側から順次、6、7、8、9、16とした。こうしてMB粒子(B)の篩分けを行った。このとき、各篩におけるMB粒子(B)の質量割合(単位:質量%)を算出した。結果を表9に示す。
【0107】
なお、表9において、メッシュ数が6、7、8、9、16である篩における粒子の粒径の範囲はそれぞれ以下の通りである。
メッシュ数が6である篩:3.35mmより大きい
メッシュ数が7である篩:2.80mmより大きく3.35mm以下
メッシュ数が8である篩:2.36mmより大きく2.80mm以下
メッシュ数が9である篩:2.00mmより大きく2.36mm以下
メッシュ数が16である篩:1.00mmより大きく2.00mm以下
また表9において、メッシュ数が7である篩(2番目にメッシュ数が小さい篩)における括弧中の数値は、SR
PC又はSR
MBを意味する。
【0108】
次に、表6に示す配合割合(単位:質量部)となるように、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)を配合し、これらをタンブラーミキサーにて20分間混合し、混合物を得た。
【0109】
その後、PC樹脂(A)からなるPC樹脂粒子、MB粒子(B)及び熱安定剤(C)の混合物を、フルフライトスクリュー及びベントを備えた単軸押出機(製品名「VS−40」、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で溶融混練し、押出ノズル先端からストランド状に押出し、押出物を得た。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットすることにより、PC樹脂組成物のペレットを作製した。
【0110】
<外観の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜6で得られたPC樹脂組成物のペレットについて、以下のようにして外観を評価した。
【0111】
すなわちまず実施例1〜7及び比較例1〜6で得られたPC樹脂組成物ペレットを、120℃で5時間以上乾燥した。その後、PC樹脂組成物ペレットを、射出成形機(製品名「J55AD−60H」、日本製鋼所社製)を用意し、シリンダー温度280℃、金型温度100℃、冷却時間14秒の条件で、厚さ1.0mmの部分と、厚さ2.0mmの部分と、厚さ3.0mmの部分とを有する3段プレートを10枚射出成形した。このとき、射出成形した3段プレートの半分(5枚)については通常条件(射出時間:3秒)で行い、残りの半分については低速条件(射出時間:7秒)で行った。そして、得られた3段プレートを目視にて観測し、外観を以下の5段階で評価した。結果を表4〜6に示す。
1:表面のブツが全く見られない
2:表面のブツが極わずかに見られる
3:表面のブツがわずかに見られる
4:表面のブツが多く見られる
5:表面のブツがかなり多く見られる
【0112】
ここで、外観が、隣り合う2段階の中間にあると判断された場合には、隣り合う2段階の平均値を評価結果として示した。例えば外観が2段階と3段階の中間にあると判断された場合には、「2.5」を評価結果として示した。
【0113】
さらに、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、VHX―1000)を使用し、低速条件で射出成形した5枚の3段プレート中に生じた50μmを超える大きさを有するブツをカウントした。ここで、ブツの大きさは、走査型電子顕微鏡で1個のブツを観察した場合に、そのブツを横切る直線とブツの輪郭との2つ交点間の距離の最大値とした。
【0114】
外観に関する評価の合格基準は以下の通りとした。
(合格基準)
以下の(1)〜(3)を全て満たすこと
(1)外観評価結果が通常条件(射出時間3秒)で3以下であること
(2)外観評価結果が低速条件(射出時間7秒)で7以下であること
(3)50μmを超える大きさを有するブツの個数が15個未満であること
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0115】
表1〜表9に示す結果より、実施例1〜7は、外観の点で合格基準を満足することがわかった。これに対し、比較例1〜6は、外観の点で合格基準を満足しないことがわかった。
【0116】
以上より、本発明のPC樹脂組成物の製造方法によれば、良好な外観を有する成形品を製造することが可能なPC樹脂組成物を製造できることが確認された。