(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709098
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
B60L 58/24 20190101AFI20200601BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20200601BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20200601BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/6571 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20200601BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20200601BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20200601BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20200601BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20200601BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20200601BHJP
【FI】
B60L58/24
H01M10/48 301
H01M10/42 P
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/615
H01M10/6571
H01M10/633
H01M10/6563
H01M2/10 S
H01M10/6557
H01M10/647
H01M10/6566
H01M10/617
B60K11/06
B60K1/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-70839(P2016-70839)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-184522(P2017-184522A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和宏
【審査官】
大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−269426(JP,A)
【文献】
特開2014−89922(JP,A)
【文献】
特開2010−108873(JP,A)
【文献】
特開2014−82042(JP,A)
【文献】
特開2011−129429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12,50/00−58/40
B60K 1/04,11/06
H01M 2/10,10/42,10/48
H01M 10/60−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるバッテリシステムであって、
複数のセルと、
隣接する前記セル同士を隔てるセパレータと、
前記セパレータの外面に設けられ、前記セパレータと前記セルとの間に形成される冷却流路に沿って延在する複数の凸部と、
前記セパレータの外面から突出して設けられ、電力供給部から供給された電力で発熱する配線と、
を備え、
前記配線は、前記冷却流路を流れる空気の流れと交差する方向であって、少なくとも2つの前記凸部に亘って延在する交差部を有することを特徴とするバッテリシステム。
【請求項2】
前記複数の凸部を横断して設けられた複数の切欠き部を備え、
前記切欠き部の深さは前記配線の厚みよりも大きく構成され、
前記配線は前記切欠き部に沿って埋設されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項3】
前記セルの温度を測定する温度測定部と、
前記電力供給部を制御する通電制御部と、
を備え、
前記通電制御部は、
前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、第1閾値未満であると前記電力供給部を制御して前記配線への電力の供給を開始し、
前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、前記第1閾値より大きい第2閾値以上であり、かつ、前記電力供給部が前記配線に電力を供給している場合、該電力供給部による該配線への電力の供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリシステム。
【請求項4】
前記冷却流路に空気を供給するブロワと、
前記セルの温度を測定する温度測定部と、
前記ブロワを制御するブロワ制御部と、
を備え、
前記ブロワ制御部は、
前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、第3閾値以上であると前記ブロワを制御して前記冷却流路への空気の供給を開始し、
前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、前記第3閾値未満の第4閾値未満であり、かつ、前記ブロワが前記冷却流路に空気を供給している場合、該ブロワによる該冷却流路への空気の供給を停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載されるバッテリを昇温したり冷却したりするバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両には、複数のセルで構成されたバッテリが搭載されている。このようなバッテリには、性能を効率的に発揮できる所定の温度範囲(以下、「許容温度範囲」と称する)があり、許容温度範囲を下回る低温環境下(例えば、−20℃未満)に曝されると、内部抵抗が大きくなって放電性能が低下してしまう。したがって、低温環境下に曝された状態でバッテリを始動させると、車両の航続距離が短縮してしまうという問題がある。
【0003】
そこで、バッテリの近傍にヒータを設けておき、バッテリの温度が許容温度範囲を下回った場合に、ヒータを駆動させて、バッテリを昇温する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−76898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の技術では、バッテリのうち、外気の近傍に位置するセルと、ヒータの近傍に位置するセルとで昇温速度が異なるため、セル間の性能にバラツキが生じて、バッテリ全体の性能を向上させることができないという問題がある。
【0006】
また、バッテリは、使用状況によって、許容温度範囲を上回ることもあり、この場合、バッテリを許容温度範囲内に冷却する必要がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、バッテリを効率よく昇温したり、冷却したりすることが可能なバッテリシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のバッテリシステムは、車両に搭載されるバッテリシステムであって、複数のセルと、隣接する前記セル同士を隔てるセパレータと、
前記セパレータの外面に設けられ、前記セパレータと前記セルとの間に形成される冷却流路に沿って延在する複数の凸部と、前記セパレータの外面から突出して設けられ、電力供給部から供給された電力で発熱する配線と、を備え、前記配線は、前
記冷却流路を流れる空気の流れと交差する方向
であって、少なくとも2つの前記凸部に亘って延在する交差部を有することを特徴とする。
【0009】
また
、前記複数の凸部を横断して設けられた複数の切欠き
部を備え、前記切欠き部の深さは前記配線の厚みよりも大きく構成され、前記配線は前記切欠き部に沿って埋設されるとしてもよい。
【0010】
また、前記セルの温度を測定する温度測定部と、前記電力供給部を制御する通電制御部と、を備え、前記通電制御部は、前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、第1閾値未満であると前記電力供給部を制御して前記配線への電力の供給を開始し、前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、前記第1閾値より大きい第2閾値以上であり、かつ、前記電力供給部が前記配線に電力を供給している場合、該電力供給部による該配線への電力の供給を停止するとしてもよい。
【0011】
また、前記冷却流路に空気を供給するブロワと、前記セルの温度を測定する温度測定部と、前記ブロワを制御するブロワ制御部と、を備え、前記ブロワ制御部は、前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、第3閾値以上であると前記ブロワを制御して前記冷却流路への空気の供給を開始し、前記温度測定部が測定した前記セルの温度が、前記第3閾値未満の第4閾値未満であり、かつ、前記ブロワが前記冷却流路に空気を供給している場合、該ブロワによる該冷却流路への空気の供給を停止するとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バッテリを効率よく昇温したり、冷却したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】セルスタックを構成するセルを説明する図である。
【
図5】配線を構成する交差部の機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
図1は、車両10の側面図である。ここでは、車両10として、エンジン12とモータ14を駆動源とするハイブリッド車両を例に挙げて説明するが、電気自動車であってもよい。
図1に示すように、車両10には、エンジン12、モータ14、および、バッテリ110が搭載される。エンジン12およびモータ14は、車体10aの前後方向(
図1中、左右方向)の前方側に配される。バッテリ110は、車体10aの後方側に配される。
【0016】
ここで、車両10は、要求トルクなどの走行状態に応じて、モータ14に優先してエンジン12で走行したり、エンジン12に優先してモータ14で走行したり、モータ14とエンジン12とを併用して走行したりする。
【0017】
また、車両10には、PCU(パワーコントロールユニット)200が搭載されている。PCU200は、例えば、車室10bの床下に配置され、車体10aの前後方向における、モータ14とバッテリ110との間に位置している。PCU200は、昇圧器やインバータなどを含んで構成される。昇圧器は、バッテリ110からの直流電力を昇圧し、インバータは、その直流電力を交流電力に変換してモータ14へ供給する。
【0018】
(バッテリシステム100)
図2は、本実施形態にかかるバッテリシステム100の機能ブロック図である。なお、
図2中、信号の流れを破線の矢印で示す。
図2に示すように、バッテリシステム100は、バッテリ110と、配線120と、電力供給部130と、ブロワ140と、温度測定部150と、通電制御部162、ブロワ制御部164を有するBCU(バッテリコントロールユニット)160と、を含んで構成される。
【0019】
図3は、バッテリ110を説明する図であり、
図3(a)はバッテリ110の斜視図を示し、
図3(b)はバッテリ110の内部構成を説明する図を示す。なお、
図3(b)中、理解を容易にするために上面112a、ブロワ140を省略するとともに、空気の流れを実線の矢印で示す。また、本実施形態にかかる
図3を始めとする以下の図では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。
【0020】
図3に示すように、バッテリ110は、箱型の筐体112と、セルスタック300と、ブロワ140とを含んで構成される。筐体112は、上面112a、底面112b、側面112c〜112fで構成され、内部に複数のセルスタック300(例えば、5個)を収容する。また、筐体112の側面112cには、ダクト114が設けられており、ダクト114にブロワ140が接続されている。
【0021】
セルスタック300は、複数のセル310(例えば、19個)を含んで構成される。セル310は、例えば、リチウム(Li)イオン電池等の2次電池で構成され、放電したり、充電されたりする。
【0022】
ブロワ140は、ダクト114を通じて、筐体112内に空気を供給する。本実施形態において、筐体112とセルスタック300との間、および、セルスタック300における隣接するセル310の間には、間隙が形成されている。そして、ブロワ140によって供給された空気は、筐体112(側面112c)とセルスタック300との間に形成された間隙(以下、「冷却流路142a」と称する)を流れた後、隣接するセル310の間に形成された間隙(以下、「冷却流路142b」と称する)を流れることとなる。したがって、ブロワ140によって供給された空気によってセル310が冷却される。
【0023】
図4は、セルスタック300を構成するセル310を説明する図であり、
図4(a)はセル310の斜視図を示し、
図4(b)はセル310の側面図を示し、
図4(c)はセル310の正面図を示す。なお、理解を容易にするために、
図4中、セル310を3つのみ示し、また、
図4(c)中、凸部324を強調して示すとともに配線120を黒い塗りつぶしで示す。
【0024】
図4に示すように、セルスタック300には、隣接するセル310の間にセパレータ320が配される。セパレータ320は、隣接するセル310同士を隔てて絶縁する。また、セパレータ320には、セパレータ320の両端部から立設した絶縁部材322が設けられている。したがって、セパレータ320と絶縁部材322とは、
図4中XY断面がコの字形状に形成されることとなり、セル310は、セパレータ320と絶縁部材322とに囲繞された空間に収容されることとなる。
【0025】
セパレータ320、絶縁部材322は、例えば、プラスチック、セラミック等の絶縁体で構成される。また、隣接するセル310とセパレータ320との間には、間隙が形成されており、この間隙が上記冷却流路142bを構成することとなる(
図4(c)参照)。
【0026】
セパレータ320の外面320aには、セパレータ320の強度を維持するとともに、空気を整流する複数の凸部324が形成されている。凸部324は、空気の流れ方向(
図4中、X軸方向)に延在しており(冷却流路142bに沿って延在しており)、複数の凸部324は、
図4中、Z軸方向に並列して配されている。
【0027】
また、セパレータ320の外面320aには、銅等の金属線で構成された配線120が配される。配線120は、電力供給部130(
図2参照)によって電力が供給されることで、熱を生じる。配線120をセパレータ320の外面320aに直接配する構成により、セル310を効率よく昇温することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態において、セパレータ320の外面320aに設けられた凸部324には、凸部324の延在方向(
図4中、X軸方向)と直交する方向(
図4中、Z軸方向)に延在する切欠き部326が、所定の間隔で
図4中、X軸方向に複数設けられている。また、この切欠き部326は、Z軸方向の位置を等しくして、すべての凸部324を横断して設けられている。
【0029】
そして、配線120が外面320aに設置される際には、配線120は、
図4中、Z軸方向に並んだ切欠き部326に沿って埋設され、最も端部に配される凸部324の切欠き部326に到達したら、
図4中、X軸方向に沿って所定長さ配され、その後、X軸方向に隣接する切欠き部326に沿って埋設されることとなる。これにより、配線120は、
図4中、X軸方向に交互に配されることとなる。なお、本実施形態において、凸部324の高さと、切欠き部326の深さは、実質的に等しく設定され、配線120の厚みよりも大きく構成される。
【0030】
したがって、配線120は、外面320aから突出するとともに、空気の流れ方向に延在する延在部122と、空気の流れ方向と直交する方向(
図4中、Z軸方向)に延在する交差部124とを含んで構成されることとなる。換言すれば、交差部124は、冷却流路142bの延在方向と直交する方向、もしくは、セパレータ320の延在方向に延在する。
【0031】
図5は、配線120を構成する交差部124の機能を説明する図であり、
図5(a)は
図4(b)のVa線断面図を示し、
図5(b)は本実施形態のセパレータ320の外面320a(冷却流路142b)における温度境界層を説明する図であり、
図5(c)は比較例のセパレータSの外面Gにおける温度境界層を説明する図である。なお、
図5(b)、(c)中、温度境界層を黒い塗りつぶしで示す。
【0032】
セパレータ320の外面320aの表面(冷却流路142b)に形成される温度境界層について説明すると、温度境界層は、流体(ここでは、空気)の流れ方向上流側から下流側(
図5中、X軸方向)に向かうに従って厚くなる(表面からの距離が大きくなる)。温度境界層が厚い程、熱伝達率が低下するため、ブロワ140を駆動してセル310を冷却する際には、温度境界層をなるべく薄くすることが好ましい。
【0033】
しかし、
図5(c)に示すように、比較例のセパレータSは外面Gが面一であるため、下流側に向かうに従って温度境界層の厚みが増大し、熱伝達率が低下し、効率的な冷却が困難であった。
【0034】
そこで、
図5(a)に示すように、本実施形態では、セパレータ320の外面320aの表面(冷却流路142b)に配された配線120が、空気の流れ方向と直交する方向に延在する交差部124を有する構成としている。これにより、冷却流路142bに供給された空気は、交差部124に衝突しながら冷却流路142bを流れ、
図5(b)に示すように、温度境界層は、交差部124に到達するごとに消滅(破壊)することとなる。したがって、温度境界層の厚みの増大を抑制することができ、熱伝達率の低下を低減することが可能となる。
【0035】
このように、セル310を加熱する機能を有する配線120が、セル310を冷却する際の熱伝達率の低下を低減することができ、セル310の昇温、および、冷却をともに効率よく行うことが可能となる。
【0036】
図2に戻って説明すると、温度測定部150は、例えば、サーミスタで構成され、セルスタック300(複数のセル310)の温度を測定する。
【0037】
通電制御部162は、温度測定部150が測定したセルスタック300の温度が、第1閾値(例えば、−20℃)未満であると電力供給部130を制御して配線120への電力の供給を開始する。また、通電制御部162は、温度測定部150が測定したセルスタック300の温度が、第1閾値より大きい第2閾値(例えば、10℃)以上であり、かつ、電力供給部130が配線120に電力を供給している場合、電力供給部130による配線120への電力の供給を停止する。なお、第2閾値は、例えば、セル310の許容温度範囲の下限値に基づいて設定される。
【0038】
これにより、低温環境下においてもバッテリ110(セル310)の放電性能を向上させることが可能となる。また、配線120による不要な昇温を防止することができる。
【0039】
ブロワ制御部164は、温度測定部150が測定したセルスタック300の温度が、第3閾値(例えば、30℃)以上であるとブロワ140を制御して冷却流路142a、142bへの空気の供給を開始する。また、ブロワ制御部164は、温度測定部150が測定したセルスタック300の温度が、第3閾値未満の第4閾値未満(例えば、20℃)であり、かつ、ブロワ140が冷却流路142a、142bに空気を供給している場合、ブロワ140による冷却流路142a、142bへの空気の供給を停止する。なお、第3閾値は、第2閾値を上回る値であり、例えば、セル310の許容温度範囲の上限値に基づいて設定される。
【0040】
これにより、バッテリ110(セル310)が許容温度範囲の上限値に近づいた場合に、バッテリ110を効率よく冷却することができ、バッテリ110の劣化を防止することが可能となる。また、ブロワ140による不要な冷却を防止することができる。
【0041】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0042】
例えば、上記実施形態において、配線120の交差部124が冷却流路142bを流れる空気の流れと直交する方向に延在する構成を例に挙げて説明した。しかし、交差部124は、冷却流路142bを流れる空気の流れと交差する方向に延在していればよい。いずれにせよ、交差部124が温度境界層を消滅させることができればよい。
【0043】
また、上記実施形態において、バッテリシステム100が、ブロワ140を備える構成を例に挙げて説明したが、ブロワ140は必須の構成ではない。例えば、車両10の走行風を冷却流路142a、142bに供給するとしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態において、バッテリシステム100が、温度測定部150、通電制御部162、ブロワ制御部164を備える構成を例に挙げて説明したが、これらは必須の構成ではない。
【0045】
また、上記実施形態において、電力供給部130、温度測定部150が、セルスタック300それぞれに設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、電力供給部130はすべてのセルスタック300の配線120に電力を供給してもよい。この場合、温度測定部150の複数のセルスタック300のうち、代表点となるセルスタック300の温度を測定してもよい。また、温度測定部150が複数のセルスタック300すべての温度を測定し、通電制御部162は、電力供給部130を制御して、測定された温度に基づいて、セルスタック300ごとに、配線120に供給する電力を調整してもよい。また、温度測定部150は、複数のセルスタック300の温度の平均値を導出してもよい。この場合、通電制御部162は、平均値に基づいて、配線120への通電を制御するとよい。さらに、第1〜第4閾値として特定の温度を例示したが、固定値ではなく、車速や吸気温度等の車両状況に応じて変化するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載されるバッテリを昇温したり冷却したりするバッテリシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0047】
10 車両
100 バッテリシステム
120 配線
124 交差部
130 電力供給部
140 ブロワ
142b 冷却流路
150 温度測定部
162 通電制御部
164 ブロワ制御部
310 セル
320 セパレータ
320a 外面
324 凸部
326 切欠き部