(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709170
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】耐熱性ポリマー被覆オーブンボードを製造する方法、当該方法によって得られるオーブンボード、食品トレー及び食品パッケージ
(51)【国際特許分類】
B29C 65/48 20060101AFI20200601BHJP
B29C 48/08 20190101ALI20200601BHJP
B29C 48/15 20190101ALI20200601BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20200601BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20200601BHJP
B32B 27/34 20060101ALI20200601BHJP
B32B 37/12 20060101ALI20200601BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20200601BHJP
B29K 67/00 20060101ALN20200601BHJP
B29K 77/00 20060101ALN20200601BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20200601BHJP
B29L 9/00 20060101ALN20200601BHJP
【FI】
B29C65/48
B29C48/08
B29C48/15
B29C48/21
B32B27/36
B32B27/34
B32B37/12
B65D81/34 X
B29K67:00
B29K77:00
B29L7:00
B29L9:00
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-562786(P2016-562786)
(86)(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公表番号】特表2017-513736(P2017-513736A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】IB2015052710
(87)【国際公開番号】WO2015159217
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2017年10月12日
(31)【優先権主張番号】1400205-9
(32)【優先日】2014年4月16日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネヴァライネン、キンモ
(72)【発明者】
【氏名】リブ、ヴィレ
【審査官】
今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−506221(JP,A)
【文献】
米国特許第06068897(US,A)
【文献】
特開2006−321183(JP,A)
【文献】
特許第3268455(JP,B2)
【文献】
特開2006−289830(JP,A)
【文献】
特開2003−311888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/48
B29C 48/08
B29C 48/15
B29C 48/21
B32B 27/34
B32B 27/36
B32B 37/12
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
10〜30g/m2の重量を有しポリエチレンテレフタレート(PET)及びグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)を含むあらかじめ作られた固体の耐熱性フィルムを、押出積層によってボードベースに接着し、そこでは、ポリアミド(PA)を含む接着剤層を、当該耐熱性フィルムとボードベースとの間に押出すことを特徴とする、ポリマー被覆オーブンボードを製造する方法。
【請求項2】
製品の表面層を形成しそして押出された接着剤層に接着した耐熱性フィルム及びボードベースに接着した押出された接着剤層から、被覆が成ることを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項3】
ボードベースが、その両面上に同様に被覆されることを特徴とする、請求項1又は2の方法。
【請求項4】
接着剤層が高バリヤーポリアミド(HBPA)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの方法。
【請求項5】
接着剤層の重量が、3〜15g/m2、好ましくは5〜10g/m2であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの方法。
【請求項6】
耐熱性フィルムが、押出積層工程で押出された接着剤PA層に接着する最も内側のPA層を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの方法。
【請求項7】
接着剤層(7)に対して耐熱性フィルムの重量が10〜20g/m2であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの方法。
【請求項8】
押出積層工程の前に耐熱性フィルムを延伸することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかの方法。
【請求項9】
被覆が、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)を含む外側耐熱性単層又は多層フィルム(4)及びボードベース(2)に直接に接着するポリアミド(PA)を含む押出された内層(3)を含み、前記フィルム(4)がPA内層(3)に直接に接着しており、PA内層の重量が3〜15g/m2であり、そして、外側耐熱性フィルムの重量が10〜30g/m2であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかの方法。
【請求項10】
耐熱性フィルム(4)が、延伸され配向したフィルムを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかの方法。
【請求項11】
重ね合わせたポリマー層がトレーの内面上に位置するように請求項1〜10のいずれかの方法によって製造されたオーブンボードを含むことを特徴とする、オーブン中で加熱可能な食品トレーを製造する方法。
【請求項12】
重ね合わせたポリマー層がパッケージ中のボードベースの少なくとも内側に位置するように請求項1〜10のいずれかの方法によって製造されたオーブンボードを含むことを特徴とする、オーブン中で加熱可能な酸素不透過性食品パッケージを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、耐熱性ポリマー被覆オーブンボードを製造する方法、並びに、当該方法によって得られるオーブンボードに関する。更に、本発明は、オーブン中での加熱に耐える、酸素不透過性食品パッケージ(包装)及び食品トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
食品包装(パッケージ)材料は、製品の十分な保存を実現するために蒸気及びガス不浸透性(不透過性)であることを要求する。更に、当該パッケージの特性は、製品をレンジ又は電子レンジ(マイクロウェーブオーブン)中で加熱できることを含むことがある。これらの要求を満たすために、食品パッケージ用に使用されるボードは、異なる層がボード及び完成したパッケージ中で異なる機能を提供するように、1つ又はいくつかのポリマー層で少なくとも片面から普通被覆される。約250℃というその高い融解温度のため、ポリエチレンテレフタレート(PET)がオーブンボードの被覆用の好ましいポリマー材料であった。
【0003】
EP 2 222 462 B1は、ポリアミド(PA)の酸素バリヤー層及びそれに接着するポリエチレンテレフタレート(PET)の表面層を含有するポリマー被覆オーブンボードを開示し、これらの層は、共押出を用いてボード上に適用されており、すなわち、ポリマーの溶融物を押出すことによってダイからボード上に適用されている。PAは、構造を強化してPETによって加えられる不十分なガスバリヤーを改善することをねらいとする。
【0004】
しかし、従来技術の押出技術は、多数の制限を伴う。前記EP 2 222 462 B1によると、押出されたPET被覆層の重量は、20〜50g/m
2、好ましくは30〜40g/m
2である。したがって、この技術は、共押出しプロセス中における下にあるPA層への十分な結合を実現するためにやや厚いPET層を要求する。PET層を薄くすることは、PAとの結合の失敗という結果になるであろう。押出されたPETと他のポリマー層との間の良好な接着は、中間のタイ樹脂層(例えば、Bynell 22E804 from DuPontのような変性エチレンアクリレート樹脂)を用いて実現できるが、不運にも、そのようなタイ樹脂は、二元的にオーブン使用可能な食品包装に適用可能であるような十分な耐熱性に欠ける。
【0005】
押出されたPET被覆層は結晶化せず、これは、バリヤー性を考慮すると更なる不利である。被覆ボードがトレー及びパッケージになる時、最外の厚いPET層は、曲り部及びコーナー(隅部)に亀裂の傾向も持つ。
【0006】
したがって、課題は、耐熱性及び十分な蒸気及びガスバリヤーの要求を満たしながら、ボードがトレー又は容器になる時に亀裂の危険を避け、PET被覆層の要求厚さを低減することによってポリマー材料の節約をもたらす、オーブンボードを製造するための改善技術を見つけることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概要
本発明によれば、上記課題は、以下の新規な方法によって解決される:
ポリエチレンテレフタレート(PET)又はその誘導体を含む耐熱性フィルムを、押出積層によって繊維状のボードベースに接着し、そこでは、ポリアミド(PA)を含む接着剤層を、当該耐熱性フィルムとボードベースとの間に押出す、ポリマー被覆オーブン使用可能なボードを製造する方法。
【0008】
以下では、一般にPETへの言及は、実質的に同様の耐熱特性及びオーブン使用可能性を有するPET誘導体をもカバーする。
【0009】
本発明では、押出されたPA層は、あらかじめ作られた固体のPETフィルムをボードベースに結合するための結合媒体として作用している。共押出されたPET層と比較すると、本発明に従ってあらかじめ作られたフィルムを使用すると、多数の改善された特性を生じる。
【0010】
従って、耐熱性PETフィルムは、押出積層工程で押出されたPAと接合する前に延伸されて配向してもよい。延伸は、結晶化をもたらし、それによって増大強度及び改善ガスバリヤー性をもたらす。
【0011】
当該フィルムは、ガスバリヤーも改善する高い結晶化度を有してもよく、そして、それに様々の機能性を加えたり又はそうでなくてもその特性を調整するためにポリマー又は無機被覆が添加されてもよい。例えば、当該フィルムは、その外側上が金属化されてもよく、それは、大いに改善されるガス、グリース及びアロマバリヤー性を持つ最終製品の表面を形成する。コロナ処理などの他の処理は、下にあるPA層へのフィルムの結合を改善するであろう。
【0012】
当該PETフィルムは、共押出しによって製造されるそれ自身の多層ポリマー構造も有してもよい。単層と比較して、多層フィルムは、改善された機械的強度を一般に有する。様々のPETグレード又は誘導体は、合計のフィルム厚さが抑えられ得るように、非常に薄い層として共押出で結合されてもよい。
【0013】
特に、あらかじめ作られたPETフィルムは、ポリマー坪量を約50%まで低減できる。本発明によれば、接着剤PA層(7)に対してPETフィルム層の重量は、10〜30g/m
2、好ましくは10〜20g/m
2の範囲でもよい。接着剤PA層の重量は、3〜15g/m
2、好ましくは5〜10g/m
2でもよい。
【0014】
その最も単純では、当該被覆は、製品の表面層を形成しそしてPA層に接着した耐熱性PETフィルム及びボードベースに接着した押出された接着剤PA層から成る二重層被覆でもよい。
【0015】
最終用途に応じて、ボードベースのみの片面上にポリマー被覆があってもよく、又は、ボードベースはその両面上に同様に被覆されてもよい。
【0016】
使用される当該PAは、ボードベースへの接着及びPETへの結合を促進するために特殊グレードでもよい。実質的に同様の特性を持つ異なるPAグレード及びポリイミドのブレンドを含む、PAの様々の誘導体の使用が、本発明によってカバーされる。PETなどの他のポリマーとのPAのブレンドもまたカバーされ、ただし、PAは、ブレンド中で50%よりも多い占有を有する主成分である。CaCO
3などのフィラー又は酸素スカベンジャーを、PA層中に含んでもよい。PA6(Nylon 6)及びMXD6(Nylon MXD6)などのPAグレードを本発明で使用してもよい。好ましい材料は、商品名Grivory HB 5299で販売されている高バリヤーポリアミド(HBPA)である。HBPAは、PETと比較して優れたバリヤー性を有し、曲げた又は折り目をつけた時に亀裂の傾向がない。
【0017】
押出されたPA単層の代わりに、接着剤層は、あらかじめ作られたフィルムに及びボードベースに隣接した両面上にPA又はPAブレンド層を有する共押出された多層構造でもよい。そのような構造の例は、PA6/MXD6、PA6/HBPA、HPBA/MXD6及びPA6/PGA/PA6(PGA=ポリグリコール酸)である。従って、オーブン温度に耐えて押出しでPA層に接着するPA以外のポリマーが、共押出された構造中の中間層として含まれてもよい。
【0018】
本発明によって含まれるPET誘導体は、特にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)を含む。当該耐熱性フィルムは、PET及び/又はPETGを含んでもよい。PETGは、非晶質であるという有利な点を有しており、それにより、被覆ボードがトレー中に押されて従って気密シールとなりトレーパッケージがヒートシールされた蓋で閉じられる時、しわ及びひだを埋める。当該フィルムは、PET及びPETGの複数の共押出層から成るか又は含んでもよい。延伸配向において、PETは、結晶化して強度及びバリヤーを付加するであろうし、その一方で、表面層としてのPETGは、非晶質のままでいて、トレーコーナーでの優れた結合及び蓋への気密シールを確保する。しかも、当該フィルムは、押出積層工程で押出された接着剤PA層に緊密に結合するのが容易な、最も内側のPA層を含んでもよい。
【0019】
上述の方法によって得られてオーブン温度に耐える、本発明によるポリマー被覆ボード製品は、以下を特徴とする:当該被覆は、ポリアミド(PA)を含みボードベースに直接に接着する押出された内層、及び、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はその誘導体を含む外側耐熱性単層又は多層フィルム、を含み、前記フィルムは、当該PA内層に直接に接着しており、PA内層の重量は3〜15g/m
2であり、外側耐熱性フィルムの重量は10〜30g/m
2である。
【0020】
好ましくは、当該耐熱性フィルムは、延伸され配向したフィルムである。PETの代わりに又はPETに加えて、当該フィルムはPETGを有利に含んでもよい。有利には、当該押出されたPA層は、MXD6及び/又はHBPAを含む。
【0021】
本発明によるオーブン使用可能な食品トレーは、少なくともトレーの内面上に重ね合わせたポリマー層が存在するように配置された、上述のオーブンボードを含む。
【0022】
レンジ又は電子レンジ中で加熱可能で酸素気密であるようにヒートシールされている本発明による食品パッケージは、重ね合わせたポリマー被覆層がパッケージ中のボードベースの内側上に少なくとも位置するように、上述のオーブンボードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面の簡単な説明
本発明は、以下のように、添付の図面を参照して、例を用いて例証される。
【
図1】
図1は、本発明によるポリマー被覆ボードの製造を示す。
【
図2】
図2は、本発明による被覆ボード構造の例を示す。
【
図3】
図3は、本発明による被覆ボード構造の例を示す。
【
図4】
図4は、本発明による被覆ボード構造の例を示す。
【
図5】
図5は、本発明による被覆ボード構造の例を示す。
【
図6】
図6は、本発明による被覆ボード構造の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
図1は、ボードベース、ポリアミド(PA)の内部被覆層及びポリエチレンテレフタレート(PET)の外側被覆層を含む、オーブン使用可能な被覆包装ボード1を製造するための本発明によるプロセス(方法)を示す。当該プロセスは、押出積層の1つであり、そこでは、溶融PAの層3が、ボードベース(board base)2とあらかじめ作られた固体のPETフィルム4との間に押出されて、それらの間に結合を形成する。当該フィルム4は、単層又は多層フィルムでもよく、そして、ボード製品1への取込み前に延伸され配向してもよい。
【0025】
図1によれば、ペーパーボード2のウェブ及びPETフィルム4のウェブは、それぞれのロール5、6から、ドライブロール8及びチルロール9によって形成されるニップ7に引出され、そして、PA溶融物3は、ノズル10から押出されてニップ7でボードウェブ及びフィルムウェブ2、4に会う。チルロール9は溶融PAを冷却し、そして、ロール8、9は、層2、3、4を一緒に押して完成したボード製品1を形成する。
【0026】
図2は、最も単純な、
図1のプロセスに従って製造されたボード製品1の構造を示す。ボードベース(board base)2は、PAの内部被覆層3及びPETの外側被覆層4を有する。当該図では、押出された内層3と外側フィルム層4との間のボーダーライン10がただ例証のためだけに強調されており;実際には層3と4との間には滑らかな接着剤結合が存在する。
【0027】
図3は、
図2に対応するが、押出されてあらかじめ作られたフィルム層3、4の別の材料としてHBPA及びPETGを示す。もちろん、当該2つの層3、4としてPAとPETGとの組合せ又はHDPAとPETとの組合せも可能である。
【0028】
ペーパーボードベース2の重量は、約120〜250g/m
2の範囲で変わり得る。ベース2のためにより重い厚紙を使用することも可能である。ボードベース2は、業界で通例の普通は多層構造として、化学的又は機械的パルプ又はその組合せを含んでもよい。
【0029】
押出された接着剤層3の重量は、約3〜15g/m
2、好ましくは5〜10g/m
2の範囲で変わり得る。外側フィルム層4の重量は、約10〜30g/m
2、好ましくは10〜20g/m
2の範囲で、変わり得る。
【0030】
図4は、本発明による形態を示し、そこでは、あらかじめ作られた外側フィルムは、お互いに結合した2つの層4’、4’’から成る。当該フィルムの材料は、PET及びPETGである。PETGは良好な成形性を有し、したがって、完成した製品中に最も外側の層4’’を形成する。当該フィルム層4’、4’’の組合せた重量は、約10〜30g/m
2の上記の範囲内に好ましくは適合する。
【0031】
図4に従った材料でさえ、
図1に示すやり方で製造された。当該フィルムは、PET及びPETG層を共押出して当該フィルムを固形化することによって、本発明のプロセスでの引き続いての使用のために、調製された。
【0032】
図5は、本発明による更なる形態を示し、そこでは、あらかじめ作られた外側フィルムは、お互いに結合した3つの層4’、4’’、4’’’から成る。当該フィルム層の材料は、順番に、PETG、PET及びPETGである。
【0033】
図6は、本発明による別の更なる形態を示し、そこでは、あらかじめ作られた外側フィルムは、PA及びPETGの層4’、4’’から成る。PAは、押出された最も内側のPA層3とすばらしく結合し、そして、PETGは、被覆ボードの外側表面用の好ましい材料を形成する。
【0034】
当該被覆層は、食品トレー又は容器中で食品との接触層を形成してレンジ又は電子レンジ中での加熱に耐えるために、主として設計される。従って、当該被覆ボードは、少なくともトレーの内部の食品接触側上に被覆が存在する食品トレーに形成されてもよく、又は、少なくとも容器の食品と接触する内面上に被覆が存在する密封した食品容器に形成されてもよい。しかし、トレー又は容器の外側にも同様の被覆を提供するのが望ましいかもしれない。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)又はその誘導体を含む耐熱性フィルムを、押出積層によってボードベースに接着し、そこでは、ポリアミド(PA)を含む接着剤層を、当該耐熱性フィルムとボードベースとの間に押出すことを特徴とする、ポリマー被覆オーブンボードを製造する方法。
[2]
製品の表面層を形成しそして押出された接着剤層に接着した耐熱性フィルム及びボードベースに接着した押出された接着剤層から、被覆が成ることを特徴とする、[1]の方法。
[3]
ボードベースが、その両面上に同様に被覆されることを特徴とする、[1]又は[2]の方法。
[4]
接着剤層が高バリヤーポリアミド(HBPA)を含むことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5]
接着剤層の重量が、3〜15g/m2、好ましくは5〜10g/m2であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかの方法。
[6]
耐熱性フィルムがPET及び/又はPETGを含むことを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかの方法。
[7]
耐熱性フィルムが、PET及びPETGの複数の共押出層を含むことを特徴とする、[6]の方法。
[8]
耐熱性フィルムが、押出積層工程で押出された接着剤PA層に接着する最も内側のPA層を含むことを特徴とする、[6]又は[7]の方法。
[9]
接着剤層(7)に対して耐熱性フィルムの重量が10〜30g/m2、好ましくは10〜20g/m2であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかの方法。
[10]
押出積層工程の前に耐熱性フィルムを延伸することを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかの方法。
[11]
被覆が、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はその誘導体を含む外側耐熱性単層又は多層フィルム(4)及びボードベース(2)に直接に接着するポリアミド(PA)を含む押出された内層(3)を含み、前記フィルム(4)がPA内層(3)に直接に接着しており、PA内層の重量が3〜15g/m2であり、そして、外側耐熱性フィルムの重量が10〜30g/m2であることを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかの方法によって得られるポリマー被覆オーブンボード(1)。
[12]
耐熱性フィルム(4)が、延伸され配向したフィルムを含むことを特徴とする、[11]のオーブンボード。
[13]
重ね合わせたポリマー層がトレーの内面上に位置するように[11]又は[12]に記載のオーブンボードを含むことを特徴とする、オーブン中で加熱可能な食品トレー。
[14]
重ね合わせたポリマー層がパッケージ中のボードベースの少なくとも内側に位置するように[11]又は[12]に記載のオーブンボードを含むことを特徴とする、オーブン中で加熱可能な酸素不透過性食品パッケージ。