(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
  以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
 
【0019】
[第1実施形態]
  
図1は、本発明に適用したサブモビリティ50の一例の概観図である。
  
図1に示すように、サブモビリティ50は、卵型のボディ51を有する。ボディ51の内側には、乗員が着座するシート52が配置される。シート52の左右両側にはアームレスト53が配置される。アームレスト53の先端には、操作レバー54が配置される。また、ボディ51の下部には、複数の車輪55が設けられる。
 
【0020】
  図2は、
図1のサブモビリティ50の電気回路の一例の説明図である。
  
図2に示すように、
図1のサブモビリティ50には、電力系回路として、副受電部61、副充電器62、副バッテリ63、副コンバータ64、複数の車輪55を駆動する副動力モータ65、副制動モータ66、副操舵モータ67、副設備機器68、が設けられる。
 
【0021】
  副受電部61は、たとえば商用電源と電源コードにより接続される。副充電器62は、副受電部61から供給される電力により副バッテリ63を充電する。
  副コンバータ64は、副バッテリ63の蓄電電力を変換して、副動力モータ65、副制動モータ66、副操舵モータ67、および副設備機器68といった負荷機器へ供給する。
  副動力モータ65が駆動されることにより、複数の車輪55が回転し、サブモビリティ50は前進または後退できる。
  副操舵モータ67が駆動されることにより、車輪55の向きが変更され、サブモビリティ50は左右に展開できる。
  副制動モータ66が駆動されることにより、複数の車輪55の回転が制動される。これにより、サブモビリティ50は停止できる。
  このようにサブモビリティ50は、副受電部61から供給される電力により充電された副バッテリ63の蓄電電力を用いて、乗員をシート52に乗せて走行できる。
 
【0022】
  また、
図2にはさらに、制御系回路として、副電力監視部71、副電力制御部72、副GPS(Global Positioning System)受信部73、副入力部74、副通信部75、副表示部76、副センサ部77、副ルート生成部78、副自動運転部79、を有する。副電力制御部72、副ルート生成部78、および副自動運転部79は、CPU(Central Processing Unit)80がプログラムを実行することにより実現されてよい。この制御系回路は、上述した副設備機器68の一部として、副コンバータ64から電力供給を受けてよい。
 
【0023】
  副電力監視部71は、副バッテリ63の状態を監視する。副バッテリ63の状態には、たとえば充電電圧、温度などがある。
  副電力制御部72は、副電力監視部71からの情報に基づいて、副充電器62、副コンバータ64を制御する。たとえば副受電部61に電源コードが接続されて副充電器62により副バッテリ63を充電可能な状態である場合、副バッテリ63の電圧が所定の最高電圧となるまで副充電器62による充電を制御する。副バッテリ63の電圧が所定の最低電圧より低い場合には、副コンバータ64による電力変換を停止させる。所定の最低電圧より少し高い電圧以下になると、副コンバータ64が各負荷機器へ供給する電力を減らす。副電力制御部72は、これらの電力制御状態および副バッテリ63の状態についての情報を、副ルート生成部78および副自動運転部79へ適宜に又は周期的に通知する。
 
【0024】
  副GPS受信部73は、GPS衛星から電波を受信する。複数のGPS衛星からの電波を受信することでサブモビリティ50の位置を演算できる。
  副入力部74は、乗員の操作が入力されるデバイスであり、たとえば上述した操作レバー54を有する。
  副通信部75は、他のデバイスたとえば自動車1の主通信部35との間で通信し、データを送受する。また、基地局と通信することにより、基地局の位置情報を取得できる。
  副表示部76は、たとえばタッチパネル式液晶デバイスである。このタッチパネルは、副入力部74の一部として機能し得る。
  副センサ部77は、サブモビリティ50の位置、速度、周囲環境などを検出するものである。
  副ルート生成部78は、たとえば目的地などが入力されることにより、サブモビリティ50の現在位置から目的地までの巡回経路を生成する。
  副自動運転部79は、たとえば生成された巡回経路にしたがって副動力モータ65、副制動モータ66および副操舵モータ67へ制御信号を出力する。これにより、サブモビリティ50は、巡回経路をたどって目的地まで自動的に移動することができる。
 
【0025】
  ところで、サブモビリティ50が広く普及し、その結果として自力歩行が難しい人が活動し易い社会を作るためには、自力歩行が難しい人だけでなく、自力歩行可能な人にもサブモビリティ50を利用してもらうことが重要である。
  このために、人がサブモビリティ50に乗車したまま自動車1などの車両へ乗り込むことができるようにすることが大切であると考えられる。
  また、このように自動車1へサブモビリティ50が乗り込む場合、好ましくは、乗車したサブモビリティ50を自動車1内で充電できるようにするとよい。これにより、乗員は、十分な充電がなされていない状態にあるサブモビリティ50に乗車して移動を開始し、自動車1内でサブモビリティ50を充電できる。そして、自動車1から降車した後には十分に充電されたサブモビリティ50を用いて目的地まで移動したり、目的地において移動したりできる。このような付加価値により、サブモビリティ50と自動車1とが有機的に結合した次世代交通システムの利便性が高まり、その利用促進が期待できる。
 
【0026】
  しかしながら、サブモビリティ50は、自動車1と別体に形成されているため、自動車1の車内において移動してしまう可能性がある。したがって、自動車1に積載したサブモビリティ50は、車内に固定するように位置決めする必要がある。
  しかも、自動車1に積載したサブモビリティ50を充電しようとすると、その位置決めした状態においてサブモビリティ50と自動車1とを電気的に接続しなければならない。
 
【0027】
  このように人が乗車した状態のサブモビリティ50を積載可能な自動車1では、積載したサブモビリティ50を車内において充電できるようにすることが求められている。
 
【0028】
  図3は、本実施形態に係る自動車1の模式的な概観図である。
図3(A)は側面図である。
図3(B)は平面図である。
  
図3の自動車1は、乗車室2を有する車体3、車体3の下部に設けられる車輪4、を有する。そして、乗車室2には、4台のサブモビリティ50が2台ずつ2列で乗車している。
  また、
図3には、車体3の床面に設けられた主受電コイル12と、自動車1が走行可能な道路の路面の走行レーン100に設けられた送電コイル101と、が図示されている。送電コイル101は、路面の走行レーン100を走行している自動車1に非接触に電力を供給できる。主受電コイル12は、自動車1の外にある送電コイル101からの電力供給を受ける。
 
【0029】
  図4は、
図3の自動車1のサブモビリティ充電システムの一例の説明図である。自動車1は、車両の一例である。
  
図4に示すように、
図3の自動車1には、電力系回路として、主受電コネクタ11、主受電コイル12、主充電器13、主バッテリ14、主コンバータ15、複数の車輪4を駆動する主動力モータ16、主制動モータ17、主操舵モータ18、主設備機器19、主給電部20、が設けられる。
 
【0030】
  主受電コネクタ11は、自動車1が駐車している場合に使用されるものであり、たとえば商用電源と電源コードにより接続される。主充電器13は、主受電コイル12または主受電コネクタ11から供給される電力により主バッテリ14を充電する。
  主コンバータ15は、主バッテリ14の蓄電電力を変換して、主動力モータ16、主制動モータ17、主操舵モータ18、主設備機器19、および主給電部20といった負荷機器へ供給する。主コンバータ15は、主受電コネクタ11や主受電コイル12へ供給された電力又は主バッテリ14の蓄電電力を給電コネクタへ供給する。
  主給電部20は、電源コードなどにより、積載したサブモビリティ50の副受電部61と接続される。積載したサブモビリティ50に対して自動車1の電力を供給するために用いられる。
  主動力モータ16が駆動されることにより、複数の車輪4が回転し、自動車1は前進または後退できる。
  主操舵モータ18が駆動されることにより、車輪4の向きが変更され、自動車1は左右に展開できる。
  主制動モータ17が駆動されることにより、複数の車輪4の回転が制動される。これにより、自動車1は停止できる。
  このように自動車1は、主受電コイル12または主受電コネクタ11から供給される電力により充電された主バッテリ14の蓄電電力を用いて、サブモビリティ50を乗せて走行できる。
 
【0031】
  また、
図4にはさらに、制御系回路として、主電力監視部31、主電力制御部32、主GPS受信部33、主入力部34、主通信部35、主表示部36、主センサ部37、主ルート生成部38、主自動運転部39、を有する。主電力制御部32、主ルート生成部38、および主自動運転部39は、制御部としてのCPU40がプログラムを実行することにより実現されてよい。CPU40は、ECUとして自動車1に設けられてよい。これらの制御系の各部は、上述した主設備機器19の一部として、主コンバータ15から電力供給を受けてよい。
 
【0032】
  主電力監視部31は、主バッテリ14の状態を監視する。主バッテリ14の状態には、たとえば充電電圧、温度などがある。
  主電力制御部32は、主電力監視部31からの情報に基づいて、主充電器13、主コンバータ15を制御する。主電力制御部32は、主コンバータ15による主給電部20を通じたサブモビリティ50への給電を制御する。たとえば主受電コネクタ11に電源コードが接続されて主充電器13により主バッテリ14を充電可能である場合、主バッテリ14の電圧が所定の最高電圧となるまで主充電器13による充電を制御する。
 
【0033】
  主GPS受信部33は、GPS衛星から電波を受信する。複数のGPS衛星からの電波を受信することで自動車1の位置を演算できる。なお、主GPS受信部33は、たとえば他の電波を受信し、これにより補正された位置を得るものであってもよい。
  主入力部34は、乗員の操作が入力されるデバイスである。
  主通信部35は、他のデバイスたとえばサブモビリティ50の副通信部75との間で通信し、データを送受する。また、基地局と通信することにより、基地局の位置情報を取得できる。
  主表示部36は、たとえばタッチパネル式液晶デバイスである。このタッチパネルは、主入力部34の一部として機能し得る。タッチパネル式液晶デバイスは、たとえば乗車室2の前面に配置される。これにより、複数のサブモビリティ50に乗車した乗員は、共通の表示を閲覧することができる。
  主センサ部37は、自動車1の位置、速度、周囲環境などを検出するものである。
  主ルート生成部38は、たとえば目的地などが入力されることにより、自動車1の現在位置から立寄地などまでの巡回経路を生成する。立寄地は、目的地と同一であっても、目的地の近くの駐車可能な場所であってもよい。
  主自動運転部39は、たとえば生成された巡回経路にしたがって主動力モータ16、主制動モータ17および主操舵モータ18へ制御信号を出力する。これにより、自動車1は、巡回経路をたどって目的地まで自動的に移動することができる。
 
【0034】
  次に、サブモビリティ50を自動車1に積載して電気的に接続する構造について説明する。
  
図5は、本発明の第1実施形態におけるサブモビリティ50についての位置決め機構および電気的な連結機構の説明図である。
  
図5において、サブモビリティ50は、自動車1の車体3に形成された乗員室2の床面に積載されている。
 
【0035】
  自動車1には、位置決め機構として、前側車止部材81、後側車止部材82、車止アクチュエータ83、を有する。
  前側車止部材81は、乗員室2の床面から上へ突出する。サブモビリティ50の車輪55が当たる。
  車止アクチュエータ83は、乗員室2の床面の下側に配置され、後側車止部材82を昇降する。後側車止部材82は、前側車止部材81に当たる車輪55の後側において、床面から上へ突出し得る。
  これにより、サブモビリティ50の車輪55は、回転しないように乗員室2の床面の上に位置決めされる。
 
【0036】
  また、自動車1には、前側車止部材81の近くにおいて乗員室2の床面から上へ突出する突出部材86、が設けられる。
  突出部材86の上面には、自動車1側の電気的な連結機構として、主給電部20が露出して配置される。主給電部20についての露出部分は、たとえば主コンバータ15に接続された金属板でよい。
  突出部材86の上側には、主給電部20を覆うようにスライド可能に、主カバー部材87が設けられる。主カバー部材87は、絶縁材料により非通電に形成されてよい。これにより、金属板で形成された主給電部20は、通常は絶縁性の主カバー部材87により覆われる。
 
【0037】
  サブモビリティ50には、卵型のボディ51の下面中央に、下へ突出する突起部91、を有する。
  突起部91の下面には、サブモビリティ50側の電気的な連結機構として、副受電部61が露出して配置される。副受電部61についての露出部分は、たとえば副充電器62に接続された金属板でよい。
  突出部の下側には、副受電部61を覆うようにスライド可能に、副カバー部材92が設けられる。副カバー部材92は、絶縁材料により非通電に形成されてよい。これにより、金属板で形成された副受電部61は、通常は絶縁性の副カバー部材92により覆われる。
 
【0038】
  そして、
図5(A)に示すように、サブモビリティ50は、乗員室2の床面へ、突出部材86から離間した位置から乗車する。
  次に、サブモビリティ50は、
図5(B)に示すように、突出部材86へ向けて自走する。
  その結果、サブモビリティ50の突出部の下側においてスライド可能に設けられた副カバー部材92が、突出部材86の上側においてスライド可能に設けられた主カバー部材87に当たる。
  さらにサブモビリティ50が自走すると、
図5(C)に示すように、互いに押し付けられる副カバー部材92と主カバー部材87とが共に押されてスライドし、突出部材86の上面の主給電部20と突起部91の下面の副受電部61とが共に露出して互いに接触する。これにより、主給電部20と副受電部61とは、互いに接触して電気的に接続される。
  また、車止アクチュエータ83により後側車止部材82が上昇駆動され、位置決め機構の前側車止部材81と後側車止部材82とによりサブモビリティ50の車輪55を前後から挟んで押さえる。
  これにより、サブモビリティ50は、車体3の床面の上において、主給電部20と副受電部61とが電気的には、互いに接触して電気的に接続される位置に位置決め固定される。
  また、自動車1は、位置決めされたサブモビリティ50に対して給電することができる。
 
【0039】
  以上のように、本実施形態では、サブモビリティ50を自動車1に位置決めする機構が設けられているので、サブモビリティ50を自動車1において所定の位置に位置決めできる。
  しかも、その所定の位置にサブモビリティ50を位置決めした状態において、サブモビリティ50の副受電部61を、自動車1に設けられた主給電部20と接触または近接させることができる。サブモビリティ50と自動車1とを電気的に接続できる。
  よって、自動車1は、その主給電部20に接触または近接しているサブモビリティ50の副受電部61に対して電力を供給することができる。
  本実施形態においてサブモビリティ50は、突出部材86へ向かって車体3の床面の上を移動し、位置決め機構により押さえられることにより、車体3の所定の位置に位置決めされる。
  本実施形態では、サブモビリティ50が所定の位置へ移動していない状態では、主給電部20は主カバー部材87により覆われる。よって、少なくとも非通電時には、主給電部20が、積載したサブモビリティ50の汚れなどにより汚れたり濡れたりし難い。
  本実施形態では、主カバー部材87は、所定の位置へ移動するサブモビリティ50により押されてスライド可動する。よって、サブモビリティ50が所定の位置にいる場合にのみ、主カバー部材87による主給電部20の被覆を解除できる。それ以外の場合には、主給電部20を主カバー部材87により被覆した状態に維持できる。
  本実施形態では、サブモビリティ50が所定の位置へ移動していない状態では、副受電部61は副カバー部材92により覆われる。よって、少なくとも非通電時には、副受電部61が汚れたり濡れたりし難い。
  本実施形態では、副カバー部材92は、サブモビリティ50が所定の位置へ移動する際に車体3側の部材と接触して押されてスライド可動する。よって、サブモビリティ50が所定の位置にいる場合にのみ、副カバー部材92による副受電部61の被覆を解除できる。それ以外の場合には、副受電部61を副カバー部材92により被覆した状態に維持できる。
 
【0040】
  なお、本実施形態では、突出部材86は乗員室2の床面から上へ突出している。この他にもたとえば、突出部材86は乗員室2のサイドパネルその他の部材から横向きに突出してもよい。
 
【0041】
[第2実施形態]
  次に、本発明の第2実施形態に係る自動車1について説明する。
  第1実施形態と同様のものについては、第1実施形態と同じ名前を使用して、第1実施形態の説明および図示を利用する。以下においては主に第1実施形態との相違点について説明する。
 
【0042】
  図6は、第2実施形態におけるサブモビリティ50についての位置決め機構および電気的な連結機構の説明図である。
  自動車1には、位置決め機構として、車体3の床面に、車輪用凹部84が形成される。
 
【0043】
  そして、サブモビリティ50は、
図6(A)に示すように乗員室2の床面において突出部材86から離間した位置から、
図6(B)に示すように突出部材86へ向けて移動する。
  そして、
図6(C)に示すように、サブモビリティ50の車輪55が車輪用凹部84に落ち込んで位置決めされる。
  この際、副受電部61が主給電部20へ向かって下がり、副受電部61と主給電部20とは互いに接触して電気的に接続される。
  これにより、サブモビリティ50は、車体3の床面の上において、主給電部20と副受電部61とが電気的には、互いに接触して電気的に接続される位置に位置決め固定される。
  また、自動車1は、位置決めされたサブモビリティ50に対して給電することができる。
 
【0044】
  なお、本実施形態では、主給電部20が主カバー部材87により覆われていない。また、副受電部61は副カバー部材92により覆われていない。この他にもたとえば、主給電部20を主カバー部材87により覆うとともに、副受電部61を副カバー部材92により覆うようにしてもよい。
 
【0045】
[第3実施形態]
  次に、本発明の第3実施形態に係る自動車1について説明する。
  第2実施形態と同様のものについては、第2実施形態と同じ名前を使用して、第2実施形態の説明および図示を利用する。以下においては主に第2実施形態との相違点について説明する。
 
【0046】
  図7は、第3実施形態におけるサブモビリティ50の位置決め機構および電気的な連結機構の説明図である。
  
図7において、副受電部61と主給電部20とは互いに離間した状態で近接する。
  この場合、副受電部61および主給電部20をコイル等で形成することにより、互いに離間した状態で、電気的に結合できる。
 
【0047】
[第4実施形態]
  次に、本発明の第4実施形態に係る自動車1について説明する。
  第1実施形態と同様のものについては、第1実施形態と同じ名前を使用して、第1実施形態の説明および図示を利用する。以下においては主に第1実施形態との相違点について説明する。
 
【0048】
  図8は、第4実施形態におけるサブモビリティ50についての電気的な連結機構の説明図である。
図8において、位置決め機構の図示は省略している。
  
図8において、主カバー部材87は、突出部材86の上側において主非通電部材を覆う被覆部88と、被覆部88の両側に設けられる一対のガイド部89と、を有する。一対のガイド部89は、サブモビリティ50が突出部材86へ接近する方向に沿って、被覆部88よりも後へ向かって突出している。
 
【0049】
  この場合、サブモビリティ50は、
図8(A)の乗車位置から
図8(B)のように突出部材86へ向けて自走する。そして、サブモビリティ50の突出部の下側においてスライド可能に設けられた副カバー部材92は、突出部材86の上側においてスライド可能に設けられた主カバー部材87の一対のガイド部89の間にはまる。
  さらにサブモビリティ50が自走すると、
図8(C)に示すように、互いに押し付けられる副カバー部材92と主カバー部材87とが共に押されてスライドし、突出部材86の上面の主給電部20と突起部91の下面の副受電部61とが共に露出して互いに接触する。これにより、主給電部20と副受電部61とは、互いに接触して電気的に接続される。
  自動車1は、位置決めされたサブモビリティ50に対して給電することができる。
 
【0050】
  以上のように、本実施形態では、主カバー部材87は、所定の位置決めの位置へ向かうサブモビリティ50の移動方向に沿って延在する一対のガイド部89を有する。
  よって、サブモビリティ50が該方向から接近することにより、主カバー部材87の一対のガイド部89の間にサブモビリティの副カバー部材92が入り込み、主給電部20と副受電部61とが電気的に接触できるようにサブモビリティ50の移動方向を微調整することができる。サブモビリティ50を位置決め位置に安定的に位置決めできる。
  しかも、サブモビリティ50が一定の方向から移動することになるので、サブモビリティ50の移動により押されてスライド可動する主カバー部材87および副カバー部材92は適切な方向へ押されてスライドできる。
 
【0051】
[第5実施形態]
  次に、本発明の第5実施形態に係る自動車1について説明する。
  第1実施形態と同様のものについては、第1実施形態と同じ名前を使用して、第1実施形態の説明および図示を利用する。以下においては主に第1実施形態との相違点について説明する。
 
【0052】
  図9は、第5実施形態におけるサブモビリティ50についての位置決め機構および電気的な連結機構の説明図である。
  
図9において、車体3の床面には、サブモビリティ50が積載されるプラットフォーム85を有する。
  プラットフォーム85は、車体3の床面において、図示外のアクチュエータにより、サブモビリティ50の乗車位置から突出部材86へ向けてスライド移動可能に設けられている。
 
【0053】
  この場合、サブモビリティ50は、
図9(A)の乗車位置において、プラットフォーム85の上に乗る。なお、サブモビリティ50は、この乗車した時点で、プラットフォーム85に位置決めするように固定されてよい。
  次に、プラットフォーム85は、
図9(B)に示すように、突出部材86へ向けて移動する。そして、サブモビリティ50の突出部の下側においてスライド可能に設けられた副カバー部材92は、突出部材86の上側においてスライド可能に設けられた主カバー部材87と当たる。
  さらにプラットフォーム85が移動すると、
図9(C)に示すように、互いに押し付けられる副カバー部材92と主カバー部材87とが共に押されてスライドし、突出部材86の上面の主給電部20と突起部91の下面の副受電部61とが共に露出して互いに接触する。
  これにより、主給電部20と副受電部61とは、互いに接触して電気的に接続される。
  自動車1は、プラットフォーム85の上で位置決めされたサブモビリティ50に対して給電することができる。
 
【0054】
  以上のように、本実施形態では、車体3の床面に、所定の位置決め位置へ向けてスライド移動可能なプラットフォーム85が設けられ、サブモビリティ50はプラットフォーム85に乗った状態で位置決め位置へ向けて移動する。よって、自動車1に積載したサブモビリティ50を車内で自走させることなく、位置決め位置に安定的に位置決めすることができる。各種部材が配置された車内でサブモビリティ50が自走することに起因する不都合の発生を抑制できる。
 
【0055】
  以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。