(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オーダーメイド結果を、所定ネットワーク上にて公開し、当該オーダーメイド結果に対する意見表明の受け付け及び集計を行い、当該集計の結果を前記ネットワーク上にて公開する集計部を更に備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の購入支援サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0015】
<実施形態>
(実施形態の概要)
オンライン上でシャツや靴(以後、まとめて衣服)などのカスタマイズをユーザから受け付けるオーダーメイドサービスが存在する。また、ユーザの身体形状、サイズを採寸する特定のスーツやそれと連動するアプリケーションなども提案されはじめている。
【0016】
こうしたオーダーメイドサービスや自動採寸等によれば、確かに各ユーザの趣味、嗜好や体型にマッチした衣服が注文可能となる。ただし、こうしたサービスのユーザ層は、衣服に確かな拘りを持っている者が主体となっており、それ以外のいわゆるライトユーザは少数派であった。
【0017】
見方を変えれば、そうしたライトユーザにとって、従来のオーダーメイドサービスの利用には心理的ハードルが存在していると言える。この心理的ハードルとは、例えば、オーダーメイドの諸操作を行うユーザにおいて、設定すべき項目が多岐に亘る点に原因の一つがある。また、そうした項目それぞれに正しく答えうるかはユーザ次第であり、相応の知見や拘りがなければセンス良くまとまったデザインを行うことは難しい。
【0018】
勿論、そうしたユーザにおけるオーダーメイドに伴うカスタマイズ動作を補助するシステムも提案されている。しかしながら、そうしたシステムでは、カスタマイズに際してアドバイスの提供は可能であるものの、当該ユーザとしては、オーダーメイド内容を自ら検討・設定しなければならない点は従来と変わらない。
【0019】
つまり、衣服等に関して相応の知見や拘りを持っていない一般的なユーザからすれば、オーダーメイドサービス利用のハードルは高いままとなっている課題がある。そこで、本実施形態では、衣服等のオーダーメイドサービスをユーザの知見等にかかわらず容易に利用可能とするシステムを提供する。
【0020】
具体的には、本実施形態では、オーダーメイドサービスをネットワーク上で提供する購入支援サーバが、各ユーザのユーザ属性と当該ユーザによる衣服のオーダーメイド内容とを記憶部で保持・管理する。また、購入支援サーバは、新たにオーダーメイドを行うユーザの属性と関連する他ユーザを、記憶部で保持する各ユーザのユーザ属性に基づき特定する。
【0021】
また、購入支援サーバは、上述のように特定した他ユーザのオーダーメイド内容の情報を、新たにオーダーメイドを行う上述のユーザに対し、衣服のカスタマイズ対象として提示することとなる。
【0022】
これを端末で閲覧した上述のユーザは、端末のディスプレイで表示されたオーダーメイド内容に対するカスタマイズ操作を行う。このカスタマイズ操作は、例えば、生地の種類や色、模様やキャラクタ、襟や袖口の形状、各部位のサイズ等々、通常のオーダーメイドにて指定しうる項目の少なくとも1つ以上を含みうる。
【0023】
一方、端末は、上述のユーザによるカスタマイズ操作を受け付けて、その内容を購入支援サーバに通知する。他方、購入支援サーバは、この通知を受けて、カスタマイズ操作の内容を(他ユーザの)オーダーメイド内容へ反映させることでオーダーメイド結果を生成する。購入支援サーバは、こうして得たオーダーメイド結果を含む該当衣服のオーダー処理を実行することとなる。
【0024】
なお、上述の購入支援サーバとしては、衣類のオーダーメイドサービスを提供するWEBサーバの他、従来のオーダーメイドサービスを提供するWEBサーバに対して、本発明の購入支援技術に基づき情報提供を行うサーバも想定しうる。
【0025】
このような形態で提供されるオーダーメイドサービスであれば、衣類に対する特段の拘りや自身の嗜好が明確でないライトユーザであっても、(参考にできる程度のセンスやオーダー実績、或いは人気がある)他者のオーダーメイド内容をベースにした簡便なカスタマイズ操作のみで、センス良くまとまったデザインでのオーダーメイドが実現できる。
【0026】
(購入支援システム1の構成)
図1は、購入支援システム1の構成図である。
図1を参照して、実施形態1に係る購入支援システム1の構成について説明する。
【0027】
購入支援システム1は、購入支援サーバ100と、端末200−1,200−2,…,200−N(Nは自然数)と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。なお、以下の説明では、端末200−1,200−2,…,200−Nは、特に区別する必要のない限り、端末200と記載する。
【0028】
購入支援サーバ100は、本実施形態に係るオーダーメイドサービスをネットワークNW上で提供するサーバ装置である。この購入支援サーバ100は、例えば、ネットワークNWを介してアクセスしてきた端末200に対する、オーダーメイド要求の受付から、これに応じたカスタマイズ対象(属性が同一/類似の他ユーザによる過去のオーダーメイド内容)の配信、当該カスタマイズ対象に対するカスタマイズ操作の受付、および、カスタマイズ操作を反映したオーダーメイド結果での該当衣服のオーダー処理の結果通知、等の処理を行う。
【0029】
一方、端末200は、上述したように購入支援サーバ100から配信されるカスタマイズ対象(過去のオーダーメイド内容)に対する、ユーザによるカスタマイズ操作を受け付け、これを購入支援サーバ100に通知することによって、当該ユーザのカスタマイズ結果およびこれに基づくオーダー処理結果を得る情報処理端末である。
【0030】
(購入支援サーバ100の機能構成)
図2は、購入支援サーバ100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態の購入支援サーバ100は、
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0031】
購入支援サーバ100は、情報処理装置であって、通信部105と、記憶部110と、処理部120と、を備える。
【0032】
このうち通信部105は、端末200と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものである。その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0033】
また、記憶部110は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。この記憶部110は、オーダー履歴DB111、集計結果DB112および買い換え管理DB113を含む。
【0034】
オーダー履歴DB111は、本実施形態に係るオーダーメイドサービスにおけるオーダー履歴を蓄積するデータベースである。このオーダー履歴DB111で保持する情報は、例えば、過去に、通信部105を介して端末200から受けたオーダーメイド要求に伴って生成したカスタマイズ結果、それによるオーダー処理の結果、および当該ユーザの属性などの情報である。なお、記憶部110は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。
【0035】
また、集計結果DB112は、各ユーザに関して生成したオーダーメイド結果を、ネットワークNW上にて公開し、当該オーダーメイド結果それぞれに対する他者の意見表明に関するデータの集計結果や、それに伴って該当ユーザに付与されるインセンティブの情報を格納したデータベースである。
【0036】
上述の意見表明に関するデータとは、単純に好悪の感情(例:“好き”、“嫌い”)を示すものの他、他者への推奨記事であるいわゆるレコメンド、当該オーダーメイド結果ないしそのカスタマイズ操作を行ったユーザに対するフォロー、および、当該オーダーメイド結果を引用するシェア、といったSNS(Social Network Service)上での操作に該当するものも含まれうる。
【0037】
また、上述の集計結果としては、オーダーメイド結果に対する好悪、レコメンド、フォロー、およびシェア、の少なくともいずれかの規模(総数や頻度)の他、当該規模に応じて決まるオーダーメイド結果間での人気順位の概念も含まれうる。
【0038】
また、上述のインセンティブとは、ネットワークNW上で公開したオーダーメイド結果に関する、レコメンド、フォロー、およびシェアの少なくともいずれかのイベントに応じ、当該オーダーメイド結果の起源であるカスタマイズ操作を行った該当ユーザに関して付与されるものとなる。具体的には、オーダーメイドサービスでの代金決済に充当可能な各種ポイントや金員、或いは、オーダーメイドサービスで登場する各種キャラクタのグッズ、当該グッズの購入優待券などを想定できる。
【0039】
また、買い換え管理DB113は、上述のオーダーメイド結果が示す当該衣類における素材の耐久度に基づいた当該衣類の買い換え時期、に関する情報を蓄積したデータベースである。この買い換え管理DB113で蓄積する情報は、例えば、ユーザごとのオーダーメイド結果に対する、当該衣類の購入時期と次回の買い換え時期の情報である。なお、買い換え管理DB113は、当該衣類に関して当該ユーザがオーダーメイドサービスでの買い換え、すなわちオーダーを行うごとに更新される。
【0040】
また、処理部120は、購入支援サーバ100において実行される各種の情報処理を実行する。処理部120は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有し、CPUがメモリを用いて、記憶部110に記憶された情報処理プログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。
【0041】
処理部120は、対象提示部121と、オーダー処理部122と、集計部123と、を含む。
【0042】
このうち対象提示部121は、オーダーメイド要求を送ってきたユーザの属性と関連する他ユーザを、記憶部110のオーダー履歴DB111における各ユーザの属性情報に基づき特定する。この場合のユーザの属性とは、例えば、年齢、性別、居住地域、職業、趣味、好きな色、オーダーメイド実績といった一般的な情報の他、当該ユーザが好んでいる又は選択、指定した、生地やそのプリント、柄、ゲームやアニメ、映画等の各種コンテンツにおけるキャラクタ、アイコン、フレーズ、模様、など種々のものを想定しうる。
【0043】
また、対象提示部121は、ここで特定した他ユーザのオーダーメイド内容の情報を、上述のユーザにおける衣服のカスタマイズ対象として当該ユーザの端末200に出力する。
【0044】
なお、対象提示部121は、上述の他ユーザを特定するに際し、オーダーメイドを行うユーザが選択したキャラクタ情報と同一または類似のキャラクタ情報(オーダー履歴DB111における各ユーザの属性情報が示す好みのキャラクタの情報すなわちキャラクタ情報)が対応付けられた他ユーザを特定するとすれば好適である。
【0045】
キャラクタが同一とは、例えば、キャラクタ同士の名称など識別情報が一致していることを意味する。また、キャラクタが類似とは、例えば、キャラクタ同士の名称の一部(例:名称を構成する語彙のうち先頭/末尾のもの)が共通する、或いは、名称は異なるもののコンテンツにおける当該キャラクタのタイプ(例:ノーマルタイプ、みずタイプ、ドラゴンタイプ、はがねタイプ、エスパータイプ、フェアリータイプ等々)や、分類(例:ねずみ、かえん、こうら等々)が一致しているなど、キャラクタに対応付けた各種のキャラクタ情報が一致していることを意味する。
【0046】
また、対象提示部121は、オーダーメイド結果が示す当該衣類における素材の耐久度に基づき、当該衣類の買い換え時期に関する通知を上述のユーザの端末200に行う。そのため対象提示部121は、上述の素材の耐久度の情報として、例えば素材寿命の年数値をオーダー履歴DB111における該当オーダーメイド結果から取得する。
【0047】
また、対象提示部121は、この耐久度の情報である寿命の年数値の所定割合分を、現在日時に加算して買い換え時期を特定し、これをユーザ側に通知する。この通知のタイミングとしては、特に限定しないが、例えば買い換え時期到来の所定期間前や、オーダー処理時点などを想定できる。
【0048】
また、オーダー処理部122は、上述の対象提示部121が端末200に出力したオーダーメイド内容に対するカスタマイズ操作を、当該端末200から受け付ける。この場合のオーダー処理部122は、カスタマイズ操作を受け付けるためのインターフェイスを含む画面を端末200に配信しているものとする。
【0049】
また、オーダー処理部122は、受け付けたカスタマイズ操作を上述のオーダーメイド内容へ反映させたオーダーメイド結果での、当該衣服のオーダー処理を実行する。このオーダー処理は、オーダーメイド結果すなわち衣服の生地、色、各部の寸法、およびデザイン(体型等に応じたA形、Y型等々)、といった情報を含んだ注文電文を、所定の受注システム等に送信する処理を想定できる。
【0050】
なお、上述の衣服の生地としては、既製の色柄のものの他、当該ユーザがカスタマイズ操作で指定したキャラクタないし当該ユーザの属性情報が示す好みのキャラクタ、がプリント/刺繍されたもの、も想定しうる。
【0051】
なお、上述の受注システムとは、衣服のオーダーメイド制作を請け負う事業者が運営する業務システムを想定する。受注システムは、上述の注文電文を受信したならば、当該事業者における関係部署に対し制作指示として通知する。勿論、この受注システムが、購入支援サーバ100と一体となっている、或いは、購入支援サーバ100の機能の一部である、としてもよい。
【0052】
また、オーダー処理部122は、上述のオーダーメイド結果と、同一または類似のオーダーメイドを行った他ユーザの有無または数を、上述のカスタマイズ操作に際し端末200に出力するとすれば好適である。
【0053】
自身が行ったカスタマイズ操作に基づくオーダーメイド結果が、実は他ユーザが既に行っているオーダーメイド内容と同一か酷似しているとなれば、他者との差別化を図って自分らしさを追求する、といったオーダーメイドの意義が希薄化しかねない。こうした、いわゆる「かぶり」を回避したいというニーズは、オーダーメイドサービスのヘビーユーザかライトユーザかに係わらず存在する。
【0054】
そこで、ユーザとしては、当該ユーザによるオーダーメイド結果と同一または類似のオーダーメイドを行った他ユーザの有無または数を認識し、該当他ユーザの数が自身で考える限界(すなわち“かぶり”が生じていると考える数)を超えているようであれば、更なるカスタマイズ操作を行って、効率的に「かぶり」を回避できる。
【0055】
ここで、こうした「かぶり」をさらに効率的に回避するため、オーダー処理部122は、同一または類似のオーダーメイドを行った他ユーザを、当該他ユーザの所在地(オーダー履歴DB111における“ユーザの属性情報”の項目で特定可能。住所の概念も現在位置の概念も含みうる)に基づいて更に絞り込むとすれば好適である。
【0056】
この場合、オーダー処理部122は、例えば、今回オーダーメイドを行うユーザが首都圏在住である場合、同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザのうち所在地が首都圏である者について絞り込みを行う。これにより、オーダーメイドを行うユーザは、自分のオーダーメイド内容と酷似したデザインの衣服等を着用した者のうち、身近に遭遇しうる者のみの有無、数を知りうることになる。つまり、オーダーメイドの意義を更に確かなものすることが期待出来る。
【0057】
一方、首都圏在住のユーザにとって、自身のオーダーメイド内容と同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザが、遠方(例:北海道や九州、海外など)に存在する(すなわち該当地域で人気)のであれば、「同じデザインの人に出くわして恥ずかしい」などといった心持ちになる機会は少ないと予想できる。
【0058】
また、上述のごとき所在地による他ユーザの絞り込みの他にも又は更に加えて、上述の他ユーザによるオーダー時期の新しさを踏まえた絞り込みを行うとしても好適である。この場合、オーダー処理部122は、上述の他ユーザのうち、例えば直近2年以内(オーダー履歴DB111における“オーダー日”の項目で特定可能)のオーダーメイド内容に関して同一/類似と判定された者のみに絞り込みを行う。換言すると、この直近2年間よりも古い時期のオーダーメイドに基づき、同一/類似のオーダーメイドを行ったと特定される他ユーザは除外する。
【0059】
過去には同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザが多く存在していたとしても、その衣服等は、(買い換えも行っていないため)生地寿命との関係で現時点ではもう着用されていない状況が想定される場合、当該他ユーザの存在は「かぶり」回避の観点では、考慮に当たらないと言える。
【0060】
なお、対象提示部121は、他ユーザのオーダーメイド内容の情報をカスタマイズ対象として出力するに際し、オーダーメイド要求を送ってきたユーザに加え、当該ユーザによる指定ユーザの端末200にも、当該オーダーメイド内容の情報を出力するとしてもよい。
【0061】
つまり、オーダーメイド要求を行ったユーザ一人ではなく、他の多くの人にもカスタマイズ操作を行ってもらうという状況が生まれる。この場合の指定ユーザは、オーダーメイド要求を行ったユーザの家族や知人であるケース、好みのオーダーメイドを行っている他ユーザであるケース、或いは、オーダーメイドサービスにおいて人気順位(後述)が上位のユーザであるケース、などを想定しうる。
【0062】
そうした場合、オーダー処理部122は、カスタマイズ操作を当該ユーザおよび指定ユーザのそれぞれの端末200から受け付け、カスタマイズ対象たるオーダーメイド内容へのそれぞれの端末200から受けたカスタマイズ操作を反映したオーダーメイド結果でのオーダー処理を実行する。
【0063】
また、集計部123は、上述の対象提示部121およびオーダー処理部122により得たオーダーメイド結果を、ネットワークNW上のオーダーメイドサービスサイト等にて公開し、オーダーメイドサービスにおける不特定多数のユーザからの、当該オーダーメイド結果に対する意見表明の受け付けと、その集計、および当該集計の結果のネットワークNW上での公開、の各処理を行う。
【0064】
上述の意見表明とは、単純に好悪の感情(例:“好き”、“嫌い”)を示すものの他、他者への推奨記事であるいわゆるレコメンド、当該オーダーメイド結果ないしそのカスタマイズ操作を行ったユーザに対するフォロー、および、当該オーダーメイド結果を引用するシェア、といったSNS(Social Network Service)上での操作に該当するものも含まれうる。
【0065】
また、上述の集計の処理としては、上述の意見表明である、好悪、レコメンド、フォロー、およびシェア、の少なくともいずれかの規模について、その総数や頻度をカウントする処理が想定できる。また、こうした処理の他、当該規模の大きさに応じて決まるオーダーメイド結果間での人気順位を決定する概念も含まれうる。
【0066】
また、集計部123は、上述の集計の結果をネットワークNW上で公開するに際し、当該集計の結果である、オーダーメイド結果に対する好悪、レコメンド、フォローの、およびシェアの少なくともいずれかの規模に応じて、オーダーメイド結果間での人気順位を特定し、各オーダーメイド結果のうち所定の人気順位のものを人気デザインとして公開する。
【0067】
また、集計部123は、ネットワークNW上で公開したオーダーメイド結果に関する、好悪、レコメンド、フォロー、およびシェアの少なくともいずれかのイベントに応じ、当該オーダーメイド結果の起源であるカスタマイズ操作を行った該当ユーザに関して、所定のインセンティブ付与の処理を行う。
【0068】
また、上述のインセンティブとは、ネットワークNW上で公開したオーダーメイド結果に関する、レコメンド、フォロー、およびシェアの少なくともいずれかのイベントに応じ、当該オーダーメイド結果の起源であるカスタマイズ操作を行った該当ユーザに関して付与されるものとなる。
【0069】
具体的には、オーダーメイドサービスでの代金決済に充当可能な各種ポイントや金員、或いは、オーダーメイドサービスで登場する各種キャラクタのグッズ、当該グッズの購入優待券などを想定できる。
【0070】
なお、本実施形態では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、サーバが複数のサーバ装置によって構成される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。また、本実施形態においては、購入支援サーバ100を一体的な構成として説明するが、購入支援サーバ100は、機能および/または役割に応じて分けられた複数のサーバ装置を含む構成であってもよい。
【0071】
(端末200の機能構成)
図3は、端末200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態の端末200は、
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0072】
端末200は、ユーザが所持する端末に相当する情報処理装置であり、本実施形態においては、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯ゲーム機、据置ゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、又は、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(スマートテレビ)等の多機能デバイスである。
【0073】
すなわち、端末200は、一般的な多機能デバイスが有する各種の機能(例えば、入力機能、出力(表示)機能、情報処理機能、ネットワーク通信機能、センサ機能、通話機能、カメラ機能等)を有している。なお、ネットワーク通信機能は、インターネット等を介した通信機能、および/または、モバイル通信網を介した通信機能である。
【0074】
端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、位置情報取得部235と、記憶部240と、処理部250と、を備える。
【0075】
通信部210は、購入支援サーバ100と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0076】
入力部220は、ユーザからの入力を受け付けるためのインターフェイスであり、ユーザの入力を処理部250に送る。入力部220は、例えば、タッチパネルやボタン、コントローラ等である。
【0077】
また、入力部220は、端末200の種々の状態を検知する計測機器であってもよい。例えば、端末200の周囲の音を収音する音センサや、端末自体の姿勢や傾きを検知する姿勢センサ(加速度センサやジャイロセンサ)、ユーザの視線方向を検知する注視センサや、周囲の明るさを検知する光センサ、太陽光等に含まれる紫外線(Ultraviolet)量を検知するUVセンサ、ユーザの動作を検知する赤外線センサであってもよい。
【0078】
また、入力部220は、カメラ(不図示)で捉えた映像から、対象物の画像的な特徴を抽出する画像センサ、端末200の周囲の湿度を検知する湿度センサ、端末200の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ、端末200の近傍にある対象物を検知する近接センサ、端末200の周囲の明るさを検知する照度センサ等であってもよい。入力部220は、検知されたセンシングデータをユーザの入力として処理部250に送る。
【0079】
出力部230は、例えば、ディスプレイ等の表示装置やスピーカなどのオーディオ出力装置であり、入力部220に対する入力に応じて端末200において生成される各種の画像や音声を表示、出力したり、購入支援サーバ100から受信されたデータに基づく各種の画像や音声を表示、出力したりする。
【0080】
こうした出力部230は、人工知能搭載型スピーカ(スマートスピーカ)を含む。また、出力部230は、端末200を振動させるバイブレータや、発光するライトを含んでもよい。
【0081】
位置情報取得部235は、端末200すなわちユーザの位置情報を、例えばユーザの属性情報の一つとして取得する。この位置情報取得部235は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ(例えば、GPSモジュール)であり、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて位置を検出する。
【0082】
なお、位置情報取得部235における位置情報取得方法は任意であり、位置情報取得部235は、例えば、ビーコンを用いて位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得部235は、例えば、端末200が特定のアクセスポイントと通信を行う際に、アクセスポイントから取得可能な位置情報を検出してもよい。
【0083】
また、位置情報取得部235は、端末200がインターネットに接続された際の識別情報(IPアドレス等)に基づいて、端末200が所在すると推定される位置を検出してもよい。
【0084】
位置情報取得部235は、取得した位置情報をユーザに関する属性情報として処理部250に送ってもよい。また、位置情報取得部235は、気圧センサの検出結果に基づいて高度の変化を算出することで、ユーザの高度を示す情報(例えばビルの何階にいるかを示す情報)を算出してもよい。この情報もユーザに関する属性情報となりうる。
【0085】
記憶部240は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。この記憶部240は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。
【0086】
記憶部240は、本端末200のユーザの属性情報や、購入支援サーバ100から配信されたカスタマイズ対象たるオーダーメイド内容等を記憶しうる。
【0087】
また、処理部250は、端末200において実行される各種の情報処理を実行する。処理部250は、CPUおよびメモリを有する。端末200においては、CPUがメモリを用いて、記憶部240に記憶されたプログラムを実行することによって必要な処理が実行される。また、端末200が多機能デバイスとして動作する場合、処理部250は、各機能を実現するための情報処理を実行する。
【0088】
処理部250は、データ送信部251と、データ受信部252と、出力制御部253と、を含む。このうちデータ送信部251は、通信部210に対し、入力部220が受け付けたユーザの入力に関するデータ(例:オーダーメイド要求やユーザの属性情報)を購入支援サーバ100に送信するよう制御する。
【0089】
また、データ送信部251は、通信部210に対し、位置情報取得部235が取得した位置情報をユーザの属性情報として購入支援サーバ100に送信するよう制御してもよい。
【0090】
一方、データ受信部252は、通信部210を介して、購入支援サーバ100から配信されたカスタマイズ対象たるオーダーメイド内容や、それに対するカスタマイズ操作を反映したオーダーメイド結果、およびオーダー処理結果等を受け付ける。
【0091】
また、出力制御部253は、データ受信部252が受け付けたデータに基づき、オーダーメイドに関する画面において、画像(動画および静止画の概念を含む。)や音声、振動等を出力するよう出力部230を制御する。
【0092】
なお、上述のように、本実施形態に係る購入支援システム1では、購入支援サーバ100が主たる処理に関する制御を行うが、同様の機能を備えた端末200が行うとしてもよい。具体的には、購入支援サーバ100が有する機能部の少なくとも一部を、購入支援サーバ100の処理部120に設けない構成にする一方で、端末200の処理部250に設ける構成にしてもよい。
【0093】
(購入支援サーバ100における処理)
図4は、購入支援サーバ100における処理の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、購入支援サーバ100における処理の一例について説明する。
【0094】
ステップS101において、購入支援サーバ100の対象提示部121は、通信部105を介して、端末200からログイン要求を受け付け、ログイン処理を行う。例えば、対象提示部121は、端末200からユーザを識別するユーザIDやパスワード等のログインのための情報を受け付け、記憶部110のオーダー履歴DB111で記憶されたユーザに関する情報を参照して、ユーザの認証を行う。対象提示部121は、正常にユーザが認証されると、ログイン履歴などのユーザ情報を更新する。
【0095】
図6は、オーダー履歴DB111の一例を示す図である。
図6において、オーダー履歴DB111において各レコードは、ユーザIDをキーとして、当該ユーザの属性情報、オーダーID、オーダー日、カスタマイズ対象、オーダーメイド結果、素材寿命、およびオーダー処理結果を項目として含む。
【0096】
このうちユーザIDは、オーダーメイド要求を行ったユーザを一意に識別する情報である。また、その属性情報は、当該ユーザの性別、年齢層、職業、ユーザにより選択されたり、図示しないゲームサーバから取得された好きなキャラクタやキャラクタタイプ、現在地(あるいは住所)、生地やそのプリント、柄、などといった情報を含みうる。こうした情報のうち、好きなキャラクタやキャラクタタイプの情報は、キャラクタ情報にあたる。
図6の例では、キャラクタ情報の例として、ユーザ「P01」については、好みのキャラクタタイプが「みずタイプ」、実際のオーダーメイド結果として含むキャラクタ(好きなキャラクタ)が「ヤドラン」や「タッツー」であることを示している。すなわち、「みずタイプ」のキャラクタとして「ヤドラン」や「タッツー」が紐付けされていることがわかる。
【0097】
また、ユーザ「P02」については、好みのキャラクタタイプが「ドラゴンタイプ」、実際のオーダーメイド結果として含むキャラクタ(好きなキャラクタ)が「ハクリュー」や「ラティオス」であることを示している。すなわち、「ドラゴンタイプ」のキャラクタとして「ハクリュー」や「ラティオス」が紐付けされていることがわかる。また、ユーザ「P03」については、好みのキャラクタタイプが「みずタイプ」、実際のオーダーメイド結果として含むキャラクタ(好きなキャラクタ)が「ギャラドス」や「カイオーガ」であることを示している。すなわち、「みずタイプ」のキャラクタとして、「ヤドラン」や「タッツー」の他にも「ギャラドス」や「カイオーガ」も紐付けされていることがわかる。
【0098】
こうしたキャラクタタイプに基づくキャラクタの分類に関する情報は、例えば、購入支援サーバ100の記憶部110で保持しているものとする。購入支援サーバ100は、例えば、ユーザ「P01」による各オーダーメイドの結果が示す「ヤドラン」および「タッツー」を、上述の分類に関する情報に照合して、該当キャラクタのキャラクタタイプはいずれも「みずタイプ」と特定できる。したがって、購入支援サーバ100は、当該ユーザ「P01」はオーダーメイドごとに「みずタイプ」のキャラクタを選択していると認識し、上述の属性情報における好みのキャラクタタイプを「みずタイプ」と設定できる。
【0099】
なお、上述のように、「〜タイプ」が好みのキャラクタタイプである、という情報は、当該ユーザに関する過去のオーダーメイド結果だけに基づき特定する形態の他にも、オーダーメイドの要求を当該ユーザから受ける際(或いはそれに先だって)、好みのキャラクタタイプの指定を当該ユーザから受け付ける形態や、当該キャラクタが登場するオンラインゲームのサーバから得たゲーム情報(例:使用キャラクタのキャラクタタイプの情報を含む)から判定する形態も採用できる。
【0100】
また、オーダーIDは、当該ユーザによる各オーダーを一意に特定する識別情報である。また、オーダー日は、当該オーダーの要求を端末200から受け付けた日である。
【0101】
また、カスタマイズ対象は、当該ユーザのオーダーメイド要求に際し、購入支援サーバ100が提示したカスタマイズ対象たるオーダーメイド内容を示す。本実施形態では、このオーダーメイド内容の値として、カスタマイズ対象となったオーダーメイド内容のオーダーIDを例示している。
【0102】
また、オーダーメイド結果は、上述のカスタマイズ対象であるオーダーメイド内容に対し、上述のユーザが行ったカスタマイズ操作の内容を示すものである。
図5の例では、カスタマイズ対象に対応したオーダーIDに、カスタマイズ操作の内容である、素材やその色、当該素材にプリントされたキャラクタ、衣服のサイズや型、といった値を「+」で追加している形態で表現している。
【0103】
また、素材寿命は、オーダーメイド結果が示す該当衣服の素材に関して予め定められた寿命(図の例では月数)の期間を示す。購入支援サーバ100は、この素材寿命の値として、素材ごとの寿命情報を別途保持し、オーダーメイド結果が確定するごとに(すなわちユーザにより素材が確定されるごとに)、当該寿命情報から該当値を取得し設定するものとする。
【0104】
また、オーダー処理結果は、上述のオーダーメイド結果を踏まえたオーダー処理のステータスを示す。
図6の例では、オーダー処理完了を示す「済」、現在、オーダー処理の途中である「オーダー中」の各値が設定されている。なお、オーダー処理完了とは、例えば、上述の受注システムがオーダーを受信して既に該当衣服の制作業務が着手された状況か、或いは、該当衣服の制作および配送まで完了した状況を想定できる。また、オーダー処理の途中とは、例えば、上述の受注システムがオーダーを受信しただけの状況か、或いは、該当衣服の制作途中である状況を想定できる。
【0105】
図4に戻って、ステップS102において、対象提示部121は、S101でログインしたユーザ、すなわちオーダーメイドを行うユーザの属性と関連する他ユーザを、記憶部110のオーダー履歴DB111における各ユーザの属性情報に基づき特定する。
【0106】
上述の他ユーザの特定に際し、対象提示部121は、性別や年齢層、職業、所在(端末200の位置情報取得部235にて得られた現在位置に由来)といった属性の他、オーダーメイドを行うユーザが選択したキャラクタ情報と同一または類似のキャラクタ情報が対応付けられた他ユーザを、記憶部110のオーダー履歴DB111における各ユーザの属性情報が示す好みのキャラクタの情報に基づき特定する。
【0107】
ステップS103において、対象提示部121は、ステップS102で特定した他ユーザについて、過去のオーダーメイド内容の情報をオーダー履歴DB111から抽出し、これを上述のユーザの端末200に対し、衣服のカスタマイズ対象として出力する。
【0108】
この時、対象提示部121は、上述のユーザの端末200のみならず、当該ユーザによる指定ユーザの端末200にも、オーダーメイド内容の情報を出力するとしてもよい。
【0109】
ステップS104において、オーダー処理部122は、対象提示部121が端末200(や指定ユーザの端末200)に出力したオーダーメイド内容に対する、素材の種類や色、衣服のサイズや型、プリントされたキャラクタ、といった各種項目に関するカスタマイズ操作を、例えば
図5に示す画面500を通じて当該端末200から受け付ける。
【0110】
図5の画面500では、各項目に対するカスタマイズ操作を受け付けるためのインターフェイスとして例えばプルダウンメニュー501が配置されている。ユーザは、各項目におけるプルダウンメニュー501を操作して、所望の設定値を選択することとなる。
【0111】
ステップS105において、オーダー処理部122は、ステップS104で受け付けたカスタマイズ操作を、カスタマイズ対象たるオーダーメイド内容へ反映させ、オーダーメイド結果を生成する。
図6のオーダー履歴DB111で示した例では、カスタマイズ対象に対応したオーダーIDに、カスタマイズ操作で変更した項目の各値を追記したデータを、オーダーメイド結果、として生成している。
【0112】
なお、指定ユーザの端末200にもカスタマイズ対象たるオーダーメイド内容を出力し、そのカスタマイズ操作を受けた場合、S105におけるオーダー処理部122は、ユーザおよび指定ユーザのそれぞれの端末200から受け付けたカスタマイズ操作を、オーダーメイド内容へ反映させ、オーダーメイド結果を生成する。
【0113】
ステップS106において、オーダー処理部122は、S105で得たオーダーメイド結果と、同一または類似のオーダーメイドを行った他ユーザの有無または数を特定する。具体的には、オーダーメイド結果の内容が同じレコードを、オーダー履歴DB111において検索し、ヒットしたレコードの数をカウントすることで、当該他ユーザの数が特定できる。
【0114】
上述のステップS106におけるオーダー処理部122は、「かぶり」をさらに効率的に回避すべく、同一または類似のオーダーメイドを行った他ユーザを、当該他ユーザの所在地(オーダー履歴DB111における“ユーザの属性情報”の項目で特定可能。住所の概念も現在位置の概念も含みうる)に基づいて更に絞り込むとすれば好適である。
【0115】
この場合、オーダー処理部122は、例えば、今回オーダーメイドを行うユーザが首都圏在住である場合、同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザのうち所在地が首都圏である者について絞り込みを行う。これにより、オーダーメイドを行うユーザは、自分のオーダーメイド内容と酷似したデザインの衣服等を着用した者のうち、身近に遭遇しうる者のみの有無、数を知りうることになる。つまり、オーダーメイドの意義を更に確かなものすることが期待出来る。
【0116】
一方、首都圏在住のユーザにとって、自身のオーダーメイド内容と同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザが、遠方(例:北海道や九州、海外など)に存在する(すなわち該当地域で人気)のであれば、「同じデザインの人に出くわして恥ずかしい」などといった心持ちになる機会は少ないと予想できる。
【0117】
また、上述のごとき所在地による他ユーザの絞り込みの他にも又は更に加えて、上述の他ユーザによるオーダー時期の新しさを踏まえた絞り込みを行うとしても好適である。この場合、オーダー処理部122は、上述の他ユーザのうち、例えば直近2年以内(オーダー履歴DB111における“オーダー日”の項目で特定可能)のオーダーメイド内容に関して同一/類似と判定された者のみに絞り込みを行う。換言すると、この直近2年間よりも古い時期のオーダーメイドに基づき、同一/類似のオーダーメイドを行ったと特定される他ユーザは除外する。
【0118】
過去には同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザが多く存在していたとしても、その衣服等は、(買い換えも行っていないため)生地寿命との関係で現時点ではもう着用されていない状況が想定される場合、当該他ユーザの存在は「かぶり」回避の観点では、考慮に当たらないと言える。
【0119】
ステップS107において、オーダー処理部122は、ステップS106で特定した他ユーザの有無または数の情報(
図7の画面700)を、上述のユーザの端末200に出力する。
図7の画面700で示す例では、オーダーメイド結果701とともに、上述のステップS106で特定した他ユーザの数の情報705を併記している。
【0120】
図7の例では、ステップS106で特定した他ユーザの条件として、「首都圏内かつ直近2年以内の範囲」なるものを表示している。この条件は、例えば、今回オーダーメイドを行うユーザが予め指定したもの、ないし購入支援サーバ100の管理者等が規定したものを想定できる。このように、同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザ全ての数ではなく、物理的距離の関係で実際に遭遇する可能性がありそう、かつ当該衣服等を現在も着用対象としうるであろう他ユーザを対象として、その有無や数を提示するとすれば、ユーザとしては「かぶり」回避の対象を現実的に意味のある範囲に絞って、自身のオーダーメイド内容を検討することが可能となる。
【0121】
一方、こうした絞り込みをせず、同一/類似のオーダーメイドを行った他ユーザ全てを対象とすれば、ユーザがどのようにオーダーメイド内容を選択しても、「かぶり」の回避が難しくなる可能性もある。したがって、購入支援サーバ100を介したオーダーメイドサービスのユーザ数やオーダーメイド要求の頻度が増えるに従い、上述の絞り込みの処理を行うとすればより好適である。
【0122】
また、この画面700におけるオーダーメイド結果701では、当該ユーザ(指定ユーザを含みうる)によるカスタマイズ操作があった項目702〜704のそれぞれについて、下線を付して該当項目を明示している。
【0123】
なお、オーダー処理部122は、画面700において、上述のユーザによるオーダーメイド結果701や他ユーザの数の情報705に加えて、オーダーメイド結果すなわちデザイン内容を示すデザインID706を出力するとしてもよい。このデザインIDは、オーダーメイド結果たるデザイン内容を一意に示す識別情報であり、
図7の例では、「L104RED116」すなわちオーダー「L104」をベースに色を「RED」にし、キャラクタを「116」にしたデザインであることを示している。なお、この「116」は当該キャラクタの識別番号である。当然ながら購入支援サーバ100は、各キャラクタの情報を当該キャラクタの識別番号と紐付けて記憶部110で管理しているものとする。
【0124】
また、オーダー処理部122は、上述のデザインIDにオーダーメイドサイトのURLを組み合わせた値を、所定の変換アルゴリズムに適用して得た二次元コード707を、画面700において表示するとしてもよい。ユーザやその知人等としては、こうした二次元コード707を所定の端末で読み取らせることで、手間無く迅速に、オーダーメイドサイトにアクセスし、該当デザインをベースにしたオーダーメイドや、或いはオーダーを行うことが至極容易となる。勿論、上述のユーザが知人等に対し、自身のデザインを薦めることも容易である。
【0125】
なお、オーダー処理部122は、上述の二次元コード707を該当衣類に印字する指示を、オーダー処理(下記S108)に含めるとしてもよい。この場合、当該指示を含む正式発注が、当該衣服のオーダーメイド制作を請け負う事業者になされる。この事業者は、当該指示を受けて、例えば、該当衣服等のタグや裏地など所定位置に上述の二次元コード707を印字する。こうした処理を経て二次元コード707が印字された衣服等は、ユーザが再オーダーや再オーダーメイドをする際、または、当該衣服等を目の前にした知人等がオーダーやオーダーメイドをする際、やはり手間無く迅速に、オーダーメイドサイトにアクセスし、該当デザインをベースにしたオーダーメイドや、或いはオーダーを行うことが至極容易となる。
【0126】
ステップS108において、オーダー処理部122は、例えば
図7の画面700におけるオーダーボタン708の押下を端末200から受け付けて、オーダーメイド結果701での衣服のオーダー処理を実行する。このオーダー処理に伴い、オーダー処理部122は、オーダー履歴DB111において該当オーダーに応じた内容を含むレコードを登録することとなる。
【0127】
上述のオーダー処理の後、衣服の制作業務が正式発注され、制作完了した該当衣服は当該ユーザに配送される。こうしてユーザの手に渡った衣服は使用され、経年劣化や使用に伴う傷みが生じることとなる。したがって、少なくとも当該衣服の素材に関する寿命が尽きるまでには、ユーザとして通常使用に耐えない状況となることが予想される。
【0128】
そこで、購入支援サーバ100の対象提示部121は、上述のオーダーメイド結果が示す当該衣類における素材の耐久度に基づき、当該衣類の買い換え時期を管理し、所定の時期が到来した場合に買い換えを推奨する通知を当該ユーザの端末200に行う。
【0129】
そのため購入支援サーバ100は、
図8に示すごとき買い換え管理DB113を保持している。買い換え管理DB113は、ユーザIDをキーとして、当該ユーザの属性情報、オーダーID、オーダー日、素材寿命、および寿命の残り期間といった値が対応づけられたレコードから構成される。このうち残り期間は、オーダー日に素材寿命の期間値を足した日付と、現在日との間の期間として算定できる。
【0130】
対象提示部121は、この買い換え管理DB113の各レコードにおける残り期間の値を日付が変わるごとに更新し、これが所定基準(例:2週間)に達した場合、買い換えを推奨する通知(
図9の画面900)を、当該ユーザの端末200に送信するものとする。
【0131】
図9の画面900では、オーダーメイド結果901に加え、寿命までの残り期間902を表示している。ユーザとしては、この残り期間902の値を確認し、気に入っている衣服のリプレイスを検討する。再購入を決めた場合、このユーザは端末200において再オーダーボタン905を押下する。一方、オーダー処理部122は、この再オーダーボタン905の押下に応じて、オーダーメイド結果901でのオーダー処理を実行することとなる。
【0132】
続いて、集計部123における処理フローについて
図10に基づき説明する。このフローは、例えば、上述の
図4のフローの終了後、または当該フローと平行して実行することを想定できる。
図10のフローのステップS201において、集計部123は、上述の
図4のフローで得たオーダーメイド結果を、ネットワークNW上にて公開して、当該オーダーメイド結果に対する意見表明を不特定多数のユーザ各々の端末200から受け付ける。この意見表明とは、当該オーダーメイド結果に対する好悪、レコメンド、フォロー、およびシェア、の少なくともいずれかが該当する。
【0133】
ステップS202において、集計部123は、S201で受け付けた意見表明を一定期間分ごとに記憶部110にて蓄積し、これに関して、例えばポジティブな意見表明の数をカウントする集計を行い、当該集計の結果を集計結果DB112に格納する。
【0134】
図11は、集計結果DB112の一例を示す図である。
図11に示す集計結果DB112は、
図6で示したオーダー履歴DB111におけるユーザIDおよびオーダーIDをキーに、ポジティブ評価数、ポジティブ評価割合、人気順位、およびインセンティブといった値を対応づけた情報から構成されている。
【0135】
このうちポジティブ評価数は、S202でカウントしたポジティブな意見表明の数であり、ポジティブ評価割合は、意見表明の総数に占めるポジティブ評価数の割合である。また、人気順位は、例えばポジティブ評価数およびポジティブ評価割合のそれぞれについて、全オーダーメイド結果の間での高さ順位を判定し、いずれか高い方を、当該オーダーメイド結果の人気順位とする、といったアルゴリズムを想定できる。この人気順位は、オーダーメイド結果間での人気度の高さを示すが、これは当該オーダーメイド結果を生成したユーザの人気度の高さともみなせる。
【0136】
ステップS203において、集計部123は、ステップS202における集計の結果である上述のポジティブ評価数ないしポジティブ評価割合に基づき、上述の集計結果DB112での説明で述べたように、オーダーメイド結果間での人気順位を特定する。
【0137】
ステップS204において、集計部123は、ステップS203で得た人気順位に基づき、各オーダーメイド結果のうち所定の人気順位のものを人気デザインとしてネットワークNW上にて公開(
図12の画面1200)する。この画面1200では、ランクインしたオーダーメイド結果について、カスタマイズ対象として指定するためのボタン1202〜1204が配置され、ユーザによるカスタマイズ対象指定を受け付けることもできる。
【0138】
ステップS205において、集計部123は、ネットワークNW上で公開したオーダーメイド結果に関する、好悪、レコメンド、フォロー、およびシェアの少なくともいずれかのイベントに応じ、当該オーダーメイド結果の起源であるカスタマイズ操作を行った該当ユーザに関して、所定のインセンティブ付与の処理を実行する。
【0139】
具体的には、集計部123は、上述のインセンティブとして、上述のイベントの数、頻度、ないし、その内容であるポジティブ評価数ないしポジティブ評価割合を、予め定めた変換ルールに適用し、オーダーメイドサービスでの代金決済に充当可能な各種ポイントや金員、或いは、オーダーメイドサービスで登場する各種キャラクタのグッズ、当該グッズの購入優待券、などを特定する。
【0140】
また、上述のインセンティブの付与は、当該オーダーメイド結果の起源であるカスタマイズ操作を行った該当ユーザに関して付与されるもので、集計結果DB112のインセンティブ欄に値を格納することで管理される。
【0141】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態では、衣服のオーダーメイドサービスにおいて、趣味、嗜好に近い他人のオーダーメイド内容をベースにカスタマイズを行うことが可能となり、簡便な操作でユーザ好みのセンス良好な衣服をオーダー可能となる。その際、ユーザのニーズによっては、他ユーザとの“かぶり”を回避することも可能である。
【0142】
また、他ユーザと協働でカスタマイズを行うこととすれば、多くのユーザにおける知見を踏まえたデザインでオーダーメイドを行うことも可能である。
【0143】
また、オーダーメイド結果を他者にレコメンド/利用されることに応じ、インセンティブ付与やランキング表示を行うとすれば、カスタマイズに伴うモチベーション維持、経済的利益の追求を図ることも可能である。
【0144】
また、衣服の耐久性を踏まえ、所定の時間経過を経て買い換えを推奨するとすれば、当該ユーザにとって該当衣服が使用不可となる状態を的確に回避して、快適に使用を継続しやすくなる。一方、オーダーメイドサービスの提供者とすれば、受注機会の逸失回避を図る効果も期待出来る。
【0145】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0146】
また、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。
【0147】
本サーバを実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【解決手段】購入支援サーバ100において、各ユーザの属性情報および衣服のオーダーメイド内容を保持する記憶部110と、オーダーメイドを行うユーザの属性と関連する他ユーザを、記憶部110における各ユーザの属性情報に基づき特定し、当該他ユーザのオーダーメイド内容の情報を衣服のカスタマイズ対象として、オーダーメイドを行うユーザの端末200に出力する対象提示部121と、出力したオーダーメイド内容に対するカスタマイズ操作を端末200から受け付け、オーダーメイド内容へのカスタマイズ操作を反映したオーダーメイド結果でのオーダー処理を実行するオーダー処理部122を備える構成とする。