(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光中心波長が互いに異なる複数種類のLED素子を具備し、波長290〜320nmの範囲の連続スペクトル光および波長320〜400nmの範囲の連続スペクトル光の少なくとも一方の連続スペクトル光を出射する光源部と、当該光源部を構成する当該複数種類のLED素子の各々の駆動を独立して制御する制御機構を有する駆動部とを備え、
前記光源部を構成する前記複数種類のLED素子は、少なくとも、1種類のLED素子が波長290〜320nmの範囲に発光中心波長を有し、他の1種類のLED素子が波長320〜400nmの範囲に発光中心波長を有しており、
前記光源部を構成する前記複数種類のLED素子において、発光中心波長が互いに近接する2種類のLED素子の発光中心波長間隔が10〜20nmであり、
前記光源部からの出射光が、人の皮膚における照射部位に照射されることを特徴とする紫外線感応度測定用紫外線照射器。
発光中心波長が互いに異なる複数種類のLED素子を具備し、波長290〜320nmの範囲の連続スペクトル光および波長320〜400nmの範囲の連続スペクトル光の少なくとも一方の連続スペクトル光を出射する光源部と、当該光源部を構成する当該複数種類のLED素子の各々の駆動を独立して制御する制御機構を有する駆動部とを備え、
基準太陽光の相対エネルギー分布に対する、前記光源部からの出射光の相対エネルギー分布の比であるスペクトル合致度が、75〜125%であり、
前記光源部からの出射光が、人の皮膚における照射部位に照射されることを特徴とする紫外線感応度測定用紫外線照射器。
【背景技術】
【0002】
光線過敏症とは、健常人では何ら変化を起こさないような光線、具体的には例えば太陽光の照射により、異常な皮膚反応が生じて紅斑などの皮膚症状が発生する疾患群を示すものである。この光線過敏症は、様々な病因によって発症するものであり、その病因によって、例えば遺伝性光線過敏症、代謝性光線過敏症、光アレルギー性光線過敏症および光毒性光線過敏症などに分類される。
光線過敏症を発症する疾患としては、例えば色素性乾皮症、骨髄性プロトポルフィリン症、種痘様水泡症、多形日光疹、光接触皮膚炎、日光蕁麻疹、光線過敏型薬疹、ポルフィリン症および慢性光線性皮膚炎などが挙げられる。
この光線過敏症は、一般的に、最少紅斑量(MED;Minimal Erythema Dose)、すなわち紅斑を生じさせる最少紫外線量を判定し、その最少紅斑量に基づいて発症が確認される。
【0003】
このような光線過敏症に対しては、現在のところ有効な治療法が確立されていないことから、日常生活における遮光の重要性はいわずもがなであるが、それと同時に、患者自身が季節(夏、冬)、時間帯(朝、昼、夜)、天気(晴、曇り、雨)、地域(北、南)および標高(低地、高地)などの紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間を、検査によって把握することが極めて重要である。
【0004】
紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間を検査によって把握することが極めて重要である理由について以下に説明する。
地表に到達する太陽光に含まれる紫外線の強度は波長によって異なり、また紫外線の人体への影響度も波長によって異なっている。
紫外線の波長毎の人体への相対影響度の指標としては、波長別紫外線強度とCIE作用スペクトルとに基づいて算出される紅斑紫外線量が知られている。ここに、「CIE作用スペクトル」とは、国際照明委員会(CIE)によって定められたものであり、紫外線が人の皮膚に紅斑を引き起こす作用曲線である。また、「紅斑紫外線量」は、波長別紫外線強度にCIE作用スペクトルを乗じることによって得られる紅斑紫外線強度を、波長積分することによって得られる値である。
紅斑紫外線量は、季節によって変動し、北半球においては、7〜8月にピークを示し、12〜1月に向かって減少するサイクルを有しており、例えば、那覇では、7月の紅斑紫外線量は、1月の紅斑紫外線量に比して約3倍の値となる。また、紅斑紫外線量は、地域によっても異なり、例えば那覇の紅斑紫外線量は、各季節において、札幌の紅斑紫外線量に比して、1.5倍程度の値となる。
また、地上に到達する紫外線量のレベルを示す指標としては、WHO(世界保健機関)、WMO(世界気象機関)およびUNEP(国連環境計画)などが共同開発したUVインデックスが知られている。この「UVインデックス」は、地上に到達する紫外線量のレベルを日常において使用しやすい簡単な数値によって示すために定められたものであり、紅斑紫外線量を25mW/m
2 で除することによって得られる値である。
UVインデックスは、時間帯によって異なり、例えば札幌、つくば、鹿児島および那覇の国内4地点においては、昼間(12〜14時)のUVインデックスは、朝(8時)のUVインデックスに比して8〜10倍の値となる。また、UVインデックスは、天気、具体的には主に雲の状態によっても異なり、快晴の場合のUVインデックスは、雨の場合のUVインデックスに比して3倍の値となる。
また、地上に到達する紫外線量は、標高が高くなるに従って増加、具体的には、標高が1000m高くなると約10%高くなることから、紅斑紫外線量およびUVインデックスは、いずれも、標高によって異なるものとなる。
このように、紅斑紫外線量およびUVインデックスが、季節、時間帯、天気、地域および標高などの紫外線量変動要因によって大きく異なり、最も紫外線量(放射照度)が大きいとされる環境下の紫外線量は、最も紫外線量が小さいとされる環境下の紫外線量の100倍程度となる。而して、患者の個人差を考慮すると、紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間を、机上計算によって把握することは極めて困難であり、かつ危険である。
【0005】
現在、最少紅斑量を判定するための紫外線光源としては、光治療において一般的に用いられている紫外線照射器が用いられている。具体的には、波長290〜320nmのUVB領域(中波長紫外線領域)の紫外線に係る最少紅斑量を判定するためのUVB照射テストには、ブロードバンドUVBランプを備えた紫外線照射器などが用いられており、また波長320〜400nmのUVA領域(長波長紫外線)の紫外線に係る最少紅斑量を判定するためのUVA照射テストには、ブロードバンドUVAランプを備えた紫外線照射器などが用いられている。
しかしながら、これらのランプを備えた紫外線照射器は、出射光が太陽光のスペクトルとは異なるスペクトルを有するものであることから、最少紅斑量の判定に用いた場合には、光線過敏症を見逃す可能性があり、また日光曝露許容時間(定量値)の判定には用いることができない。
【0006】
一方、ソーラシミュレータ(擬似太陽光照射装置)としては、一般的に、放電ランプ、具体的には、短波長域から長波長域までの連続光を放射するキセノンランプと、エアマスフィルタなどの波長選択フィルタ(減光フィルタ)とを備えたものが知られている。このソーラシミュレータは、キセノンランプからの放射光の赤外波長域の光を、波長選択フィルタによってカットすることにより、太陽光に近似した擬似太陽光を得るものである。
このような放電ランプを備えたソーラシミュレータは、大変高価であり、また煩雑なメンテナンスを必要とするものであることから、クリニック等において最少紅斑量を判定するための紫外線光源として用いることは、コストおよびメンテナンス性の観点から、普及性が懸念される。また、波長選択フィルタを備える必要があることから、波長選択フィルタが反射系フィルタである場合には、反射光が照射される部材の冷却機構が必要され、また、波長選択フィルタが吸収系フィルタである場合には、当該吸収系フィルタを冷却するための冷却機構が必要とされるため、装置が大型のものとなる。その結果、クリニック等において装置の配置位置を確保することが容易ではなくなる。
しかも、放電ランプを備えたソーラシミュレータは、紫外線量(放射照度)を大きく変化させることができないものであるため、紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間の判定に用いることはできない。
具体的に説明すると、ソーラシミュレータにおいては、放電ランプの出力可能範囲は、一般的に50〜80%であり、また高放射照度を得るためには、波長選択フィルタ(反射系フィルタ)の反射光が照射される部材、または、波長選択フィルタ(吸収系フィルタ)を冷却するための大掛かりな冷却機構が必要とされる。そのため、放電ランプを備えたソーラシミュレータを、紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間を判定するために必要とされる紫外線量変動能、すなわち紫外線量(放射照度)の最大値を、紫外線量(放射照度)の最小値の100倍程度とする可変性能を有するものとすることは、実際上不可能である。
【0007】
また、ソーラシミュレータとしては、放電ランプに代えてLEDランプを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、これらのソーラシミュレータは、紫外域から赤外域にわたる広い波長範囲の光を出射する大型のものであり、よって光線過敏症の検査に好適に用いることのできるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の紫外線感応度測定用紫外線照射器の構成の一例を示す説明図であり、
図2は、
図1の紫外線感応度測定用紫外線照射器の光源部における光源ユニットの構成を示す説明図である。
この紫外線感応度測定用紫外線照射器10は、光線過敏症の検査に用いられるもの、具体的には、最少紅斑量(MED)、日光曝露許容時間および感応波長を判定するための紫外線感応度測定を行うためのものである。この紫外線感応度測定は、所定の波長あるいは所定の波長範囲の紫外線を、照射面F、具体的には人の皮膚上の任意の照射部位に対して、所定の照射量(積算照射量)となるように照射し、当該照射部位における、照射から一定時間経過後の紅斑の発生の有無を目視にて確認することによって実施されるものである。
【0021】
紫外線感応度測定用紫外線照射器10は、複数種類のLED素子27を具備する光源ユニット25が筒状の支持部材21によって支持された光源部20と、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々の駆動を独立に制御する制御機構が直方体状の筐体31の内部に収容された駆動部30とを備えたものである。支持部材21は、円筒状の小径部22と、この小径部22に連続し、当該小径部22から離間するに従って径方向外方に湾曲した曲面を有する略四角筒状の大径部23とを有するものである。この支持部材21において、大径部側の端部には、正方形状の大径部側開口を閉塞するように光源ユニット25が配設されており、一方、小径部側の端部においては、円形状の小径部側開口が、中央部にケーブル用貫通孔(図示省略)が形成された蓋部材24によって閉塞されている。
そして、光源部20は、蓋部材24におけるケーブル用貫通孔から導出された、電線が絶縁材によって被覆されてなるフレキシブルケーブル16により、駆動部30に対して可動自在に機械的および電気的に接続されている。
光源部20がフレキシブルケーブル16によって可動自在に接続されていることにより、当該光源部20を移動したり、配置状態を変更したりすることによって、光源部20を構成する複数種類のLED素子27を、照射部位を臨む状態とすることができる。そのため、光源部20からの出射光を、人の皮膚(照射面F)上における所期の照射部位に対して照射することができる。
この図の例において、支持部材21の小径部22は握り手として機能するものである。そして、紫外線感応度測定用紫外線照射器10は、紫外線感応度測定に際して、片手で小径部22を握って光源部20を移動して所期の位置に配置することのできるハンディタイプのものである。
【0022】
光源部20は、発光中心波長が互いに異なる複数種類(この図の例においては、8種類)のLED素子27を有するものである。そして、この光源部20は、複数種類のLED素子27のうちの1種類が点灯されることにより、当該1種類のLED素子27からの光が光源部20から出射され、また2種類以上のLED素子27が選択的に同時に点灯されることにより、当該2種類以上のLED素子27からの光が、連続スペクトル光として光源部20から出射されるものである。
【0023】
この光源部20を構成する複数種類のLED素子27は、少なくとも1種類のLED素子27が波長290〜320nmの範囲(以下、「UVB範囲」ともいう。)に発光中心波長を有し、少なくとも他の1種類のLED素子27が波長320〜400nmの範囲(以下、「UVA範囲」ともいう。)に発光中心波長を有していることが好ましい。ここに、本明細書中において、光源部20を構成する複数種類のLED素子27に波長320nmに発光中心波長を有するLED素子が含まれる場合において、その波長320nmに発光中心波長を有するLED素子は、UVB範囲に発光中心波長を有するLED素子とされる。すなわち、波長320nmは、UVB範囲に含まれる。また、光源部20を構成する複数種類のLED素子27において、発光中心波長が互いに近接する2種類のLED素子27の発光中心波長間隔が10〜20nmであることが好ましい。
光源部20を構成する複数種類のLED素子27が、UVB範囲に発光中心波長を有するLED素子27とUVA範囲に発光中心波長を有するLED素子27を含み、かつ、発光中心波長が互いに近接する2種類のLED素子27の発光中心波長間隔が10〜20nmであることにより、紫外線感応度測定用紫外線照射器10の利用性が大きくなり、また信頼性のより高い紫外線感応度測定を行うことができる。
具体的に説明すると、光源部20は、UVB範囲の連続スペクトル光、UVA範囲の連続スペクトル光、および波長290〜400nmの範囲(以下、「UVB+UVA範囲」ともいう。)の連続スペクトル光の3種類の連続スペクトル光、並びに、UVB+UVA範囲における波長の異なる複数種類の紫外線(具体的には、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々に係る紫外線)を出射することのできるものとなる。そのため、紫外線感応度測定用紫外線照射器10は、UVB範囲の紫外線またはUVA範囲の紫外線を利用する最少紅斑量を判定するための紫外線感応度測定、UVB+UVA範囲の紫外線を利用する日光曝露許容時間を判定するための紫外線感応度測定、並びにUVB+UVA範囲における波長の異なる複数種類の紫外線を利用する感度波長を判定するための紫外線感応度測定に好適に用いることのできるものとなる。
しかも、光源部20から出射される3種類の連続スペクトル光を、基準太陽光における対応波長範囲(具体的には、UVB範囲、UVA範囲またはUVB+UVA範囲)の相対エネルギー分布に近似した相対エネルギー分布を有するものとすることができる。そのため、最少紅斑量を判定するための紫外線感応度測定、および、日光曝露許容時間を判定するための紫外線感応度測定を、高い精度で行うことができる。
また、UVB+UVA範囲において、波長の異なる複数種類の紫外線を、略等波長間隔、かつ短波長間隔で出射させることができる。そのため、複数種類の紫外線に係る紫外線感応度測定結果に基づいて、UVB+UVA範囲における感度波長を正確に判定することができる。
【0024】
光源部20を構成する複数種類のLED素子27の好ましい具体例としては、波長310nmに発光中心波長を有するLED素子、波長325nmに発光中心波長を有するLED素子、波長340nmに発光中心波長を有するLED素子、波長355nmに発光中心波長を有するLED素子、波長365nmに発光中心波長を有するLED素子、波長375nmに発光中心波長を有するLED素子、波長385nmに発光中心波長を有するLED素子および波長395nmに発光中心波長を有するLED素子の少なくとも8種類のLED素子が挙げられる。
光源部20を構成する複数種類のLED素子27として上記の8種類のLED素子を用いることにより、光源部20からの出射光として、太陽光に極めて近似した連続スペクトル光、具体的には、基準太陽光における対応波長範囲の相対エネルギー分布に対する、当該光源部20からの出射光の相対エネルギー分布の比であるスペクトル合致度が75〜125%である連続スペクトル光を得ることができる。そのため、最少紅斑量を判定するための紫外線感応度測定、および、日光曝露許容時間を判定するための紫外線感応度測定を、より高い精度で行うことができる。
また、UVB+UVA範囲において、波長の異なる複数種類の紫外線(具体的には、光源部20を構成する8種類のLED素子の各々に係る紫外線)を、短波長間隔、具体的には10〜15nmの略等波長間隔で出射させることができる。そのため、複数種類の紫外線に係る紫外線感応度測定結果に基づいて、UVB+UVA範囲における感度波長をより正確に判定することができる。
この図の例において、光源部20を構成する8種類のLED素子27としては、波長310nmに発光中心波長を有するLED素子、波長325nmに発光中心波長を有するLED素子、波長340nmに発光中心波長を有するLED素子、波長355nmに発光中心波長を有するLED素子、波長365nmに発光中心波長を有するLED素子、波長375nmに発光中心波長を有するLED素子、波長385nmに発光中心波長を有するLED素子および波長395nmに発光中心波長を有するLED素子(以下、これらをまとめて「特定8種類LED素子」ともいう。)が用いられている。
【0025】
また、光源部20は、分光放射照度可変性の観点から、同一種類のLED素子を複数備えたものであることが好ましい。
この図の例において、光源部20は、8種類のLED素子27を2個ずつ有するものである。すなわち、光源部20を構成するLED素子27の個数は、16個である。
【0026】
具体的に、光源部20は、複数種類のLED素子27が、正方形平板状の基板26上に、当該基板26の外周縁に沿って縦横に並ぶよう配置されてなる光源ユニット25を備えている。この光源ユニット25において、基板26は、支持部材21における大径部側の端部の外径と同等の縦横寸法を有している。
そして、光源ユニット25は、支持部材21における大径部側の端部において、固定部材(図示省略)によって支持固定されることにより、当該光源ユニット25を構成する複数種類のLED素子27が支持部材21の筒軸方向外方(
図1における下方)を臨むようにして、支持部材21の筒軸に垂直な状態に配置されている。この光源ユニット25には、フレキシブルケーブル16が電気的に接続されている。また、光源ユニット25の前方(
図1における下方)には、光源ユニット25からの光を集光するための集光光学系が設けられている。この集光光学系は、入射光を擬似平行化する平行化用凸レンズ28Aと、入射光を集光する集光用凸レンズ28Bとよりなり、平行化用凸レンズ28Aがより光源ユニット25に近接して並設されたものである。すなわち、平行化用凸レンズ28Aが、光源ユニット25と集光用凸レンズ28Bとの間に配置されている。この平行化用凸レンズ28Aおよび集光用凸レンズ28Bは、各々、固定部材(図示省略)によって支持されて基板26に固定されている。
このようにして、光源部20は、光源ユニット25からの光を、集光光学系(平行化用凸レンズ28Aおよび集光用凸レンズ28B)により集光して出射する構成のものとされている。
図1においては、光源ユニット25からの光が照射面F(人の皮膚)に至るまでの光路が一点鎖線によって示されている。
【0027】
光源ユニット25において、複数種類のLED素子27は、
図2に示されているように、基板26上に、所定の間隔、具体的には所定の大きさのピッチ(中心間距離)で縦横に並んで格子状に配置されていることが好ましい。
また、この図の例のように、同一種類のLED素子27を複数備えたものである場合には、製造容易性の観点、具体的には配線設計の便宜上、同一種類のLED素子27同士を互いに隣接するように配置することが好ましい。
この図の例において、光源部20を構成する8種類16個のLED素子27は、基板26の外周縁に沿って、等間隔で格子状(縦4行横4行)に配列されている。そして、同一種類の複数(2個)のLED素子27は、横方向(
図2における左右方向)に並列して配置されている。
【0028】
光源部20を構成する複数種類のLED素子27としては、各LED素子27に必要とされる放射光の波長範囲に応じ、InGaN系半導体よりなるLED素子、およびAlGaN系半導体よりなるLED素子などが適宜に用いられる。
この図の例において、波長310nmに発光中心波長を有するLED素子、波長325nmに発光中心波長を有するLED素子、波長340nmに発光中心波長を有するLED素子および波長355nmに発光中心波長を有するLED素子としては、各々、出力が20mWであって、縦横寸法が3.5mmの正方形状のAlGaN系半導体よりなる表面実装型LED素子が用いられている。また、波長365nmに発光中心波長を有するLED素子、波長375nmに発光中心波長を有するLED素子、波長385nmに発光中心波長を有するLED素子および波長395nmに発光中心波長を有するLED素子としては、各々、出力が20mWであって、縦横寸法が3.5mmの正方形状のInGaN系半導体よりなる表面実装型LED素子が用いられている。
【0029】
集光光学系を構成する平行化用凸レンズ28Aおよび集光用凸レンズ28Bは、各々、基板26上のLED素子配置領域以上の大きさを有するものとされており、当該LED素子配置領域全域に対向するように配置されている。
この図の例において、平行化用凸レンズ28Aは、光源ユニット25における各LED素子27に対応する正方形状の領域に、各LED素子27の縦横寸法と同等の縦横寸法を有する正方形状凸部が形成されたものである。
【0030】
駆動部30は、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々の駆動を独立に制御する制御機構を有するものである。この制御機構は、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々を独立にON−OFF制御する種類別ON−OFF制御機能を有するものであることが好ましい。
制御機構が種類別ON−OFF制御機能を有するものであることにより、光源部20において、実施する紫外線感応度測定に応じた所期の紫外線を出射させることができる。
この図の例において、駆動部30の制御機構は、光源部20を構成する特定8種類LED素子の各々を独立にON−OFF制御する種類別ON−OFF制御機能を有しており、実施する紫外線感応度測定に応じて、特定8種類LED素子の全部を点灯すること、および特定8種類LED素子の1種類または2種類以上を選択的に点灯することができる。
ここに、制御機構により、特定8種類LED素子の全部を点灯すること(以下、「UVB+UVA範囲モード」ともいう。)によれば、光源部20からの出射光として、UVB+UVA範囲の連続スペクトル光が得られる。また、特定8種類LED素子のうちの、波長310nmに発光中心波長を有するLED素子および波長325nmに発光中心波長を有するLED素子の2種類のLED素子を同時に点灯させること(以下、「UVB範囲モード」ともいう。)によれば、光源部20からの出射光として、UVB範囲の連続スペクトル光が得られる。また、特定8種類LED素子のうちの、波長325nmに発光中心波長を有するLED素子、波長340nmに発光中心波長を有するLED素子、波長355nmに発光中心波長を有するLED素子、波長365nmに発光中心波長を有するLED素子、波長375nmに発光中心波長を有するLED素子、波長385nmに発光中心波長を有するLED素子および波長395nmに発光中心波長を有するLED素子の7種類のLED素子を同時に点灯させること(以下、「UVA範囲モード」ともいう。)によれば、光源部20からの出射光として、UVA範囲の連続スペクトル光が得られる。また、特定8種類LED素子のうちの1種類のLED素子を点灯させること(以下、「波長別モード」ともいう。)によれば、光源部20からの出射光として、当該1種類のLED素子の放射光に係るスペクトルを有する紫外線が得られる。
【0031】
また、制御機構は、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々の出力を独立に制御することによって光源部20からの出射光の光強度(放射照度)を調整する種類別出力制御機能を有するものであることが好ましい。
制御機構が種類別出力制御機能を有するものであることにより、光源部20において、実施する紫外線感応度測定に応じた所期の光強度の紫外線を出射させることができる。
この図の例において、駆動部30の制御機構は、光源部20を構成する特定8種類LED素子の各々の出力を独立に制御して光源部20からの出射光の光強度を調整する種類別出力制御機能を有しており、実施する紫外線感応度測定に応じて、光源部20からの出射光の光強度を大きな可変幅によって可変させることができる。具体的には、光源部20からの出射光において、当該出射光の光強度を、最大値が最小値の100倍程度となるように可変することができる。
【0032】
駆動部30は、筐体31の内部に、外部電源19に電気的に接続される電源ユニット33と、光源部20を構成する複数種類のLED素子27の各々に電気的に接続された複数(この図の例においては、8個)のLED素子駆動ユニット34と、制御ユニット35とを備えたものである。制御ユニット35は、種類別ON−OFF制御手段と種類別出力制御手段とを有しており、電源ユニット33および複数のLED素子駆動ユニット34の各々と電気的に接続されている。この駆動部30において、制御機構は、複数のLED素子駆動ユニット34と制御ユニット35とによって構成されている。
また、筐体31の内部には、紫外線感応度測定条件に応じたLED素子制御情報が記録された情報記録ユニット36と、照射器操作者が紫外線感応度測定条件を入力するためのグラフィック操作パネルを供えた入力ユニット37と、当該グラフィック操作パネルによって入力された紫外線感応度測定条件を表示するための表示パネルを供えた表示ユニット38とが設けられている。ここに、「紫外線感応測定条件に応じたLED素子制御情報」としては、例えば、実施する紫外線感応度測定の種類に応じた駆動LED素子選択情報(モード選択情報)、並びに、日光曝露許容時間を判定するための紫外線感応度測定を行う場合に必要とされる、季節(夏、冬)、時間帯(朝、昼、夜)、天気(晴、曇り、雨)、地域(北、南)および標高(低地、高地)などの紫外線量変動要因に応じた紫外線量情報などが挙げられる。情報記録ユニット36は、制御ユニット35に電気的に接続されており、また、入力ユニット37と表示ユニット38とは、各々、電源ユニット33と制御ユニット35とに電気的に接続されている。また、筐体31の側面には、グラフィック操作パネルと表示パネルとが配設されている。
この図の例において、外部電源19としては、商用電源が用いられる。
【0033】
また、紫外線感応度測定用紫外線照射器10においては、
図1に示されているように、光源部20の光出射方向前方に、紫外線遮断材料よりなり、光源部20からの出射光の光路を包囲するように配置された光出射開口用枠状部材41が設けられていることが好ましい。この光出射開口用枠状部材41は、光入射側(
図1における上側)において基板26の縦横寸法と同等の縦横寸法の内径を有する略正方形筒状のものとされている。
光出射開口用枠状部材41が設けられていることにより、照射部位と光源部20(集光光学系)との離間距離、すなわち照射距離を、測定毎に変動させることなく、常に一定とすることができる。その結果、信頼性の高い紫外線感応度測定を安定的に行うことができる。
また、光出射開口用枠状部材41が紫外線遮断材料よりなるものであることから、光源部20からの出射光が光出射開口用枠状部材41の光出射口42を介することなく照射器外部に出射されることを防止できると共に、当該光出射開口用枠状部材41を、照射領域制御機能を有するものとすることができる。
この図の例において、光出射開口用枠状部材41は、支持部材21の筒軸に沿って伸びる筒状部41Aと、この筒状部41Aの光出射側(
図1における下側)の端部から内方に突出し、当該筒状部41Aに垂直に伸びる鍔部41Bとを有しており、この鍔部41Bの先端縁によって光出射口42の開口縁が構成されたものである。このように、光出射開口用枠状部材41は、鍔部41Bを有するものであることによって照射領域制御機能を有するものとされている。そして、照射面F(人の皮膚)における照射領域は、縦横寸法が10mmの正方形とされている。
【0034】
また、光出射開口用枠状部材41には、可視光透過性領域が形成されていることが好ましい。
光出射開口用枠状部材41に可視光透過性領域が形成されていることにより、当該可視光透過性領域を介して当該光出射開口用枠状部材41の内側を視認することができるため、照射部位を目視によって確認することができ、よって、光源部20からの出射光を人の皮膚(照射面F)上における所期の照射部位に確実に照射することができる。
この図の例の例において、光出射開口用枠状部材41は、可視光透過性を有するものとされている。すなわち、光出射開口用枠状部材41の全体が可視光透過性領域とされている。
【0035】
また、光出射開口用枠状部材41は、人の皮膚に直接接触するものであるため、衛生面の観点から、交換自在に設けられていることが好ましい。
この図の例において、光出射開口用枠状部材41は、嵌合ツメ部(図示省略)を有する嵌合機構を介して支持部材21に嵌脱自在に設けられている。
【0036】
光出射開口用枠状部材41を構成する紫外線遮断材料としては、例えば紫外線吸収剤が添加されたポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂などが挙げられる。
【0037】
また、紫外線感応度測定用紫外線照射器10には、光源ユニット25の前方に、波長320nm以下の光をカットするロングパスフィルタ(以下、「特定ロングパスフィルタ」ともいう。)が着脱自在に設けられていることが好ましい。
特定ロングパスフィルタが着脱自在に設けられていることにより、照射部位に対して、UVA範囲モードによって光源部20からの出射光を照射する場合において、当該照射部位に、UVA範囲以外の波長範囲の紫外線、具体的にはUVB範囲の紫外線が照射されることを防止できる。その結果、UVA範囲の紫外線に係る最少紅斑量を判定するための紫外線感応度測定を、より高い精度で行うことができる。なお、照射部位に対して、UVB範囲モードによって光源部20からの出射光を照射する場合においては、当該照射部位に、UVA範囲の紫外線が照射されていても、UVB範囲に係る最少紅斑量を判定するための紫外線感応度測定を高い精度で行うことができる。すなわち、照射部位に対して、UVB範囲モードによって光源部20からの出射光を照射する場合においては、当該照射部位に対して、UVB範囲以外の波長範囲の紫外線、具体的にはUVA範囲の紫外線が照射されていてもよい。
特定ロングパスフィルタとしては、例えば、Schott社製のフィルターガラス(吸収型)「UV N−WG320」などが用いられる。
この図の例においては、特定ロングパスフィルタが、平行化用凸レンズ28Aと集光用凸レンズ28Bとの間において着脱自在に設けられている。
【0038】
このような紫外線感応度測定用紫外線照射器10は、光源部20を、光源ユニット25(複数種類のLED素子27)が集光光学系(具体的には、平行化用凸レンズ28Aおよび集光用凸レンズ28B)を介して照射部位と対向するようにして、当該照射部位から離間して配置する。そして、光源部20においては、駆動部30から電力が供給されたLED素子27が点灯され、照射部位に対して、当該光源部20からの出射光が照射(面照射)される。
【0039】
而して、紫外線感応度測定用紫外線照射器10においては、光源部20が、発光中心波長が互いに異なる8種類のLED素子27、具体的には特定8種類LED素子を具備することによって、3種類の連続スペクトル光(具体的には、UVB範囲の連続スペクトル光、UVA範囲の連続スペクトル光およびUVB+UVA範囲の連続スペクトル光)を出射するものとされている。また、駆動部30が、光源部20を構成する8種類のLED素子27の各々を独立に制御する制御機構を有しており、当該制御機構が、種類別ON−OFF制御機能および種類別出力制御機能を有するものとされている。そのため、駆動部30により、光源部20からの出射光の相対エネルギー分布および出力(光強度)を容易に調整することができ、よってUVB範囲モード、UVA範囲モード、UVB+UVA範囲モードおよび波長別モードにおいて、各々、所期の紫外線を得ることができる。具体的に、UVB範囲モードにおいては、UVB範囲の連続スペクトル光として、
図3に示すような相対エネルギー分布(分光放射照度)を有する紫外線が得られ、UVA範囲モードにおいては、UVA範囲の連続スペクトル光として、
図4に示すような相対エネルギー分布(分光放射照度)を有する紫外線が得られ、また、UVB+UVA範囲モードにおいては、UVB+UVA範囲の連続スペクトル光として、
図5に示すような相対エネルギー分布(分光放射照度)を有する紫外線が得られる。このUVB+UVA範囲の連続スペクトル光は、基準太陽光における対応波長範囲(UVB+UVA範囲)の相対エネルギー分布(分光放射照度(JIS C 8904−3:2011))に対する、当該連続スペクトル光の相対エネルギー分布の比であるスペクトル合致度が102%である。また、波長別モードにおいては、光源部20を構成する8種類のLED素子27の1種類を選択的に点灯させることにより、光源部20から、
図6において曲線(a)〜曲線(h)によって示すような放射照度スペクトルを有する紫外線を出射させることができる。
図3〜
図5においては、基準太陽光の分光放射照度(相対エネルギー分布)が破線によって示されており、また連続スペクトル光の分光放射照度(相対エネルギー分布)が実線によって示されている。また、
図3〜
図6において、曲線(a)は、波長310nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(b)は、波長325nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(c)は、波長340nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(d)は、波長355nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(e)は、波長365nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(f)は、波長375nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(g)は、波長385nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示し、曲線(h)は、波長395nmに発光中心波長を有するLED素子の放射光の放射照度スペクトルを示す。
従って、紫外線感応度測定用紫外線照射器10によれば、紫外線感応度測定に必要とされる相対エネルギー分布および光強度(放射照度)の光を、必ずしも波長選択フィルタを用いることなく、光源部20から出射させることができ、よって、紫外線感応度測定を高い信頼性によって行うことができ、また照射器自体を小型のものとすることができる。
【0040】
また、紫外線感応度測定用紫外線照射器10においては、光源部20がフレキシブルケーブル16によって駆動部30に対して可動自在に機械的および電気的に接続されていることから、光源部20からの出射光を、人の皮膚(照射面F)上の所期の照射部位に対して照射することができる。
【0041】
また、紫外線感応度測定用紫外線照射器10においては、光出射開口用枠状部材41が設けられていることから、照射部位と光源部20(集光光学系)との離間距離(照射距離)を、測定毎に変動させることなく、常に一定とすることができる。また、光源部20からの出射光が光出射開口用枠状部材41の光出射口42を介することなく照射器外部に出射されることを防止できると共に、照射領域を常に所期の形状寸法とすることができる。そのため、信頼性の高い紫外線感応度測定を、安定的にかつ安全に行うことができる。
しかも、光出射開口用枠状部材41が可視光透過性を有するものであることから、光出射開口用枠状部材41の内側を視認することができるため、光源部20からの出射光を人の皮膚上における所期の照射部位に確実に照射することができる。
【0042】
この紫外線感応度測定用紫外線照射器10によれば、光線過敏症に係る下記の(1)〜(4)の検査項目の判定をするための紫外線感応度測定を行うことができる。
【0043】
(1)UVB範囲の紫外線に係る最少紅斑量
(2)UVA範囲の紫外線に係る最少紅斑量
(3)季節(夏、冬)、時間帯(朝、昼、夜)、天気(晴、曇り、雨)、地域(北、南)および標高(低地、高地)などの紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間(定量値)
(4)UVB+UVA範囲における感応波長
【0044】
以下、紫外線感応度測定用紫外線照射器10を用いて上記の(1)〜(4)の検査項目の判定をするための具体的な手法について説明する。
【0045】
UVB範囲の紫外線に係る最少紅斑量の判定は、UVB範囲モードによって行われる。
先ず、紫外線感応度測定用紫外線照射器10により、人の皮膚上における皮疹のない任意の10箇所の照射部位に対して、照射量(積算照射量)が、10mJ/cm
2 、20mJ/cm
2 、30mJ/cm
2 、40mJ/cm
2 、50mJ/cm
2 、60mJ/cm
2 、80mJ/cm
2 、100mJ/cm
2 、120mJ/cm
2 および160mJ/cm
2 となる条件により、光源部20からの出射光を照射する。次いで、照射から24時間経過後に、10箇所の照射部位における紅斑の発生の有無を目視にて確認する。そして、紅斑が発生した最も小さな照射量を最少紅斑量とする。
このようにして得られた最少紅斑量に基づいて、最少紅斑量が50mJ/cm
2 以下である場合、すなわち照射量が50mJ/cm
2 以下の照射部位において紅斑の発生が確認された場合には、UVB範囲の紫外線に対して過敏であると判断する。
【0046】
UVA範囲の紫外線に係る最少紅斑量の判定は、UVA範囲モードによって行われる。
先ず、紫外線感応度測定用紫外線照射器10により、人の皮膚上における皮疹のない任意の3箇所の照射部位に対して、照射量(積算照射量)が、3J/cm
2 、6J/cm
2 および9J/cm
2 となる条件により、光源部20からの出射光を照射する。次いで、照射から24時間経過後、48時間経過後および72時間経過後に、3箇所の照射部位における紅斑の発生の有無を目視にて確認する。そして、紅斑が発生した最も小さな照射量を最少紅斑量とする。
このようにして得られた最少紅斑量に基づいて、最少紅斑量が3J/cm
2 以下である場合、すなわち3箇所の照射部位のいずれかにおいて紅斑の発生が確認された場合には、UVA範囲の紫外線に対して過敏であると判断する。
【0047】
季節(夏、冬)、時間帯(朝、昼、夜)、天気(晴、曇り、雨)、地域(北、南)および標高(低地、高地)などの紫外線量変動要因に応じた日光曝露許容時間の判定は、UVB+UVA範囲モードによって行われる。
先ず、紫外線感応度測定用紫外線照射器10により、人の皮膚上における皮疹のない任意の複数個所の照射部位に対して、紫外線量変動要因に応じた照射量(積算照射量)となる条件により、光源部20からの出射光を照射する。具体的には、例えば、紫外線感応度測定用紫外線照射器10により、光源部20からの出射光を、3箇所の照射部位に対して、東京の夏の昼間における、晴れ、曇りおよび雨の3つの天気下の1時間分の照射量(積算照射量)となる条件によって照射する。次いで、照射から一定時間経過後に、3箇所の照射部位における紅斑の発生の有無を目視にて確認する。そして、紅斑の発生が確認されなかった照射部位に係る条件においては、日光曝露許容時間が1時間であると判定する。
また、照射部位に対してサンスクリーン剤を塗布することによって上記の手法によって日光曝露許容時間の判定を行うことによれば、サンスクリーン剤を塗布した場合の日光曝露許容時間を把握することができる。
【0048】
UVB+UVA範囲における感応波長の判定は、波長別モードによって行われる。
先ず、紫外線感応度測定用紫外線照射器10により、人の皮膚上における皮疹のない任意の8箇所の照射部位に対して、所定の照射量(積算照射量)となる条件により、光源部からの出射光(8種類の紫外線)を照射する。次いで、照射から一定時間経過後に、8箇所の照射部位における紅斑の発生の有無を目視にて確認する。そして、紅斑の発生が確認された照射部位に係る波長の紫外線に対して感応性があると判定する。
【0049】
本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、光源部は、紫外線感応度測定用紫外線照射器の利用性の観点からは、3種類の連続スペクトル光(具体的には、UVB範囲の連続スペクトル光、UVA範囲の連続スペクトル光およびUVB+UVA範囲の連続スペクトル光)とUVB+UVA範囲における波長の異なる複数種類の紫外線を出射することのできるものであることが好ましいが、UVB範囲の連続スペクトル光およびUVA範囲の連続スペクトル光の少なくとも一方の連続スペクトル光を出射するものであればよい。
また、本発明の紫外線感応度測定用紫外線照射器は、光源部と駆動部とを備えたものであればよく、光源部の構成および駆動部の構成は、各々、
図1および
図2に示した構成に限定されず、また、光源部および駆動部以外の構成部材としては種々のものを用いることができる。
具体的には、
図7に示すように、光源部において、集光光学系は、光源ユニット25を構成する複数のLED素子27の各々に対向するように設けられた平行化用凸レンズ29と、当該平行化用凸レンズ29を介して複数のLED素子27に対向するように設けられた集光用凸レンズ28Bとにより構成されたものであってもよい。
図7においては、LED素子27からの放射光が照射面F(人の皮膚)に至るまでの光路が一点鎖線によって示されている。