(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記台座テープの上面に第一両面テープまたは接着剤を介してPU又はPETから形成されるフィルムが接着され、前記フィルムの上面に第二両面テープまたは接着剤を介して前記クッション材が接着されることで、前記台座テープの上面に前記クッション材が固定され、
前記糸の向きが下方から上方へと転じる前記糸の中間部は、前記フィルムと前記台座テープとの間に配置される請求項1に記載のパッチ。
前記台座テープの下面に塗布された、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、或いはシリコン系粘着剤により、前記台座テープの下面が患者の皮膚に貼り付けられる請求項1乃至9のいずれかに記載のパッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カテーテルやチューブ(以下、カテーテルと総称する)を縫合糸で皮膚に縫い付ける従来の方法は、患者のQOL(Quality Of Life)の観点から問題がある。つまり、手術で体力の低下した患者に縫合糸でカテーテルの縫合を行うと、縫合痕から患者が細菌により感染する虞がある。また、カテーテルに設けられる突起部などが、患者の皮膚に長期間接触することで、患者に苦痛を感じさせて褥瘡を生じさせる虞がある。
【0007】
また特許文献1の固定具は、カテーテルを貼付部材の上に載置するものであるが、貼付部材が、繊維シート、フォームシート、紙等から形成されて、貼付部材の厚さが10〜150μm程度と薄い。このため特許文献1の固定具では、カテーテルの硬さが貼付部材を介して患者に伝わり、患者に苦痛を感じさせ褥瘡を生じさせる虞がある。
【0008】
またさらに特許文献1の固定具では、第1貼付部材の穴にカテーテルを通すことで、皮膚への貼付位置の自由度が低く、ユーザビリティ(Usability)に欠ける。
【0009】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、患者の体内から延び出たカテーテルを患者に固定するために使用されるパッチであって、患者のQOL(Quality Of Life)を改善でき、ユーザビリティ(Usability)に優れるパッチ、及び当該パッチを用いてカテーテルを固定する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
【0011】
項1.患者の体内から延び出たカテーテルを患者に固定するために使用されるパッチであって、
患者の皮膚に貼り付けられる台座テープと、
スポンジ状のウレタン発泡体、或いはエラストマーから形成されて、前記台座テープの上面に固定されるクッション材と、
前記クッション材の上面に載置される前記カテーテルの部分を、前記クッション材に固定する固定手段とを備えるパッチ。
【0012】
項2.前記固定手段は、糸であり、
前記糸は、前記クッション材の上側から、前記クッション材の内部に入れられて下方に延ばされた後、向きが転じられて、前記クッション材の内部を上方に延ばされて、前記クッション材の上側に延び出されるものであり、
前記糸の一端部や他端部は、前記カテーテルの上側で結ばれる請求項1に記載のパッチ。
【0013】
項3.前記台座テープの上面に第一両面テープまたは接着剤を介してPU又はPETから形成されるフィルムが接着され、前記フィルムの上面に第二両面テープまたは接着剤を介して前記クッション材が接着されることで、前記台座テープの上面に前記クッション材が固定され、
前記糸の向きが下方から上方へと転じる前記糸の中間部は、前記フィルムと前記台座テープとの間に配置される項2に記載のパッチ。
【0014】
項4.前記クッション材は、エラストマーから形成され、
前記糸の向きが下方から上方へと転じる前記糸の中間部は、前記クッション材の内部に配置される項2に記載のパッチ。
【0015】
項5.前記クッション材の上面に載置される前記カテーテルの部分は、両側方に突出する一対の突出部を有しており、
前記一対の突出部には、それぞれ貫通孔が形成されており、当該貫通孔に前記糸が通される項2乃至4のいずれかに記載のパッチ。
【0016】
項6.前記クッション材は、前記カテーテルの上面に載置される前記カテーテルの部分よりも、大きな平面寸法を有する、項5に記載のパッチ。
【0017】
項7.ポリエステルフィルムから形成されたカバーテープをさらに備え、
前記カバーテープは、前記クッション材や、前記クッション材の上面に載置されるカテーテルの部分や、前記糸の一端部や他端部を覆うものであって、前記カバーテープの外縁部の下面は、前記クッション材の外側に延び出た前記台座テープの上面の範囲に接着される項1乃至6のいずれかに記載のパッチ。
【0018】
項8.ポリウレタンフィルムから形成された半透膜であるフィルムドレッシング材をさらに備え、
前記フィルムドレッシング材は、その下面が前記カバーテープの上面に接着されて、前記カバーテープを覆う項7に記載のパッチ。
【0019】
項9.前記カバーテープの上面の易剥離処理として、前記カバーテープの上面にシリコン系剥離剤が塗布される項8に記載のパッチ。
【0020】
項10.前記台座テープは、綿系伸縮織布、ポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、或いはポリウレタン不織布から形成される項1乃至9のいずれかに記載のパッチ。
【0021】
項11.前記台座テープの下面に塗布された、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、或いはシリコン系粘着剤により、前記台座テープの下面が患者の皮膚に貼り付けられる項1乃至10のいずれかに記載のパッチ。
【0022】
項12.前記台座テープの撥水処理として、前記台座テープにシリコン系撥水剤又はフッ素系撥水剤が塗布される項1乃至11のいずれかに記載のパッチ1。
【0023】
項13.前記台座テープは、矩形を呈する項1乃至12のいずれかに記載のパッチ。
【0024】
項14.前記台座テープは、円形を呈する項1乃至12のいずれかに記載のパッチ。
【0025】
項15.前記台座テープは、矩形の本体部と、当該本体部の両側から突出する一対の突出部とを備えており、
前記クッション材は、前記本体部の上面に配置される項1乃至14のいずれかに記載のパッチ。
【0026】
項16.項1に記載のパッチを用いて、患者の体内から延び出たカテーテルを患者に固定する固定方法であって、
前記固定手段としての糸を用いて前記カテーテルを前記クッション材に固定するステップと、
前記台座テープの下面を患者の皮膚に貼り付けるステップとが順次実行される固定方法。
【0027】
項17.項1に記載のパッチを用いて、患者の体内から延び出たカテーテルを患者に固定する固定方法であって、
前記台座テープの下面を患者の皮膚に貼り付けるステップと、
前記固定手段としての糸を用いて前記カテーテルを前記クッション材に固定するステップとが順次実行される固定方法。
【発明の効果】
【0028】
本発明のパッチによれば、カテーテルがクッション材に固定され、且つ、クッション材と一体の台座テープが患者の皮膚に貼り付けられることで、カテーテルが患者に固定される。これにより、カテーテルを患者に固定するために、糸でカテーテルを皮膚に縫い付ける必要がないため、縫合痕が生じない。したがって、縫合痕から患者が細菌に感染する虞がない。さらに、カテーテルがクッション材の上面に載置されることで、カテーテルが患者に触れることがなく、カテーテルの硬さが患者に伝わることもない。このため、カテーテルによって、患者が苦痛を感じたり、患者に褥瘡が生じる虞もない。以上のことから、本発明のパッチによれば、患者のQOL(Quality Of Life)を改善できる。
【0029】
さらに本発明のパッチによれば、術者の判断で、皮膚に貼り付ける台座テープの位置や向きを調整できる。さらに、カテーテル固定のために設けられているクッション材は、ウレタン発泡体或いはエラストマーから形成されていることで、針の使用により糸を通したり、粘着シートを貼り付けることが可能である。したがって、カテーテルの誤抜去を防止するために、従来の方法と同様、糸や粘着シートを使用できるので、糸でカテーテルの縫合(固定)を行ってきた術者の技術・経験を活かせる。以上のことから本実施形態のパッチは、ユーザビリティ(Usability)に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のパッチは、患者の体内から延び出たIVH(Intravenous Hyperalimentation)用のカテーテルや、腸瘻用カテーテルや、手術に伴い体内に分泌された体液を排出するためのドレーンチューブを、患者に固定するために使用される。以下、本発明の実施形態のパッチとして、IVH用のカテーテル2を患者に固定するために使用されるパッチ1について説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るパッチ1を用いてカテーテル2を患者に固定した状態を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係るパッチ1を示す平面図である。
図3は、
図2のA−A線断面図である。
図4は、本発明の実施形態に係るパッチ1を示す側面図である。
【0033】
図1〜
図4に示すように、本実施形態のパッチ1は、台座テープ3と、クッション材4と、固定手段としての糸T1,T2,T3と、カバーテープ5と、フィルムドレッシング材6とを備えている。以下では、台座テープ3やクッション材4やカバーテープ5やフィルムドレッシング材6の寸法等を説明するために、「縦方向」や「横方向」との表現を使用する。「縦方向」は、カテーテル2の軸方向(後述の主管が延びる方向)と略平行な方向であり、「横方向」は「縦方向」と直交する方向である。
【0034】
台座テープ3は、綿系伸縮織布、ポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、或いは、ポリウレタン不織布から形成される。台座テープ3は、矩形を呈しており、横方向の長さが55mm以上70mm以下とされ、縦方向の長さが35mm以上50mm以下とされ、厚さが150μm以上900μm以下とされる。
【0035】
台座テープ3の下面には、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、或いはシリコン系粘着剤が塗布されており、この粘着剤により、台座テープ3の下面が患者の皮膚Mに貼り付けられる。患者の肌の保護を図る観点においては、粘着剤は、皮膚Mに優しいシリコン系粘着剤であることが好ましい。台座テープ3の貼り付け期間を長くする観点においては、粘着剤は、アクリル系粘着剤であることが好ましい。本発明者らは、アクリル系粘着剤を塗布した綿系伸縮織布の材料を使用して、30日の長期に亘って、台座テープ3を皮膚に貼り付けることが可能であることを実験で確認している。
【0036】
また、カテーテルが腸瘻用カテーテルやドレーンチューブである場合には、カテーテルの外側面に液体が付着している可能性が高いので、台座テープ3に撥水処理を施すことが好ましい。この撥水処理は、例えば、台座テープ3にフッ素系撥水剤又はシリコン系撥水剤を塗布することである。このような撥水処理を行うことで、カテーテルの外側面に付着した液体が台座テープ3に染み込ない。したがって、台座テープ3を皮膚に貼り付けた状態を安定して維持できる。
【0037】
以上説明した台座テープ3として、スリーエムジャパン社製の綿系伸縮織布基材(2743WL)、スリーエムジャパン社製 ポリエステルフィルム基材(2475P)、或いは、スリーエムジャパン社製 ポリエステル不織布基材(2476P)を使用できる。2743WLは、その下面にアクリル系粘着剤が塗布されているとともに、上述した撥水処理(フッ素系撥水剤又はシリコン系撥水剤の塗布)が施されたものである。2475Pや2476Pは、その下面にシリコン系粘着剤が塗布されたものである。本発明者らは、上記3種のテープ(2743WL、2475P、2476P)の各々について、液体に対する耐性を確認する実験を行っている。この実験は、以下の(1)〜(4)の手順を順次実行するものである。
(1)上記3種のテープ(2743WL、2475P、2476P)の各々の上面に、従来使用されている医療用テープや工業用テープを接着することで、2743WLと医療用テープとの接着物、2743WLと工業用テープとの接着物、2475Pと医療用テープとの接着物、2475Pと工業用テープとの接着物、2476Pと医療用テープとの接着物、2476Pと工業用テープとの接着物とを準備する。
(2)接着物の各々を、24時間、トレーに入れた水に浸漬させる。
(3)接着物の各々を、2時間、乾燥する。
(4)接着物の各々を、日本電産シンポ株式会社製のフォースゲージFGP−20を使用して、接着物の各々で、2743WL、2475P、或いは2476Pと、医療用テープ或いは工業用テープとが離れるときの力を計測する。
【0038】
上記の実験の結果、撥水処理を施した綿系伸縮織布(2743WL)は、液体により粘着剤が損なわれることなく良好な粘着力を維持することが確認された。また、綿系伸縮織布(2743WL)は、これと接着した医療用テープや工業用テープとの相性も良いことが確認された。
【0039】
また本発明者らは、撥水処理を施した綿系伸縮織布(2743WL)を20日間皮膚に貼り付ける実験も行っている。この結果、撥水処理を施した綿系伸縮織布(2743WL)では、皮膚に貼り付けてから20日が経過しても、かゆみや痛みを伴う発赤が皮膚に生じないことが確認された。
【0040】
クッション材4は、スポンジ状のウレタン発泡体、または、エラストマーから形成されている。クッション材4は、その縦横の長さが、台座テープ3の縦横の長さよりも小さくされる。例えば、台座テープ3の縦方向の長さが40mmであり、台座テープ3の横方向の長さが70mmである場合には、クッション材4の縦横の長さは30mm×30mmとされる。クッション材4の厚さは、例えば、2mm以上5mm以下とされる。
図4に示すように、クッション材4の縦断面(すなわちクッション材4を縦方向に切断した断面)は、略矩形状を呈しており、上側の角が丸みを帯びたものとされる。なお、クッション材4の縦断面の形状は、上記の略矩形状に限定されず、上方に凸となる半楕円形や半円形や台形であってもよい。
【0041】
上記のクッション材4は、台座テープ3の上面に固定される。図示例では、台座テープ3の上面に第一両面テープ10を介してフィルム11が接着され、フィルム11の上面に第二両面テープ12を介してクッション材4が接着されることで、台座テープ3の上面にクッション材4が固定される。フィルム11は、ポリウレタン又は(polyurethane:以下、PU)又はポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate:以下、PET)から形成されるものであり、フィルム11の厚さは、例えば0.1mmとされる。クッション材4とフィルム11との接着に使用する第一両面テープ10は、例えばスリーエムジャパン社製のDCX1018である。フィルム11と台座テープ3との接着に使用する第二両面テープ12は、例えばスリーエムジャパン社製の1522Hである。これらの両面テープ(DCX1018,1522H)によれば、強力な接着剤が塗布されているので、クッション材4とフィルム11との接着や、フィルム11と台座テープ3との接着を安定して維持できる。なお、第一両面テープ10や第二両面テープ12の代わりに接着剤が使用されてもよい。当該接着剤は、例えばホットメルト接着剤である。
【0042】
クッション材4の上面には、カテーテル2の分岐部20が載置される。この分岐部20は、主管21を2股の枝管22,22に分岐させるためにカテーテル2に設けられたものであり、プラスチックから形成されている。
【0043】
カテーテル2の分岐部20は、横方向に突出する一対の突出部23,23を有している。一対の突出部23,23には、それぞれ貫通孔24が形成される。突出部23,23が皮膚に接触することを防止すべく、クッション材4の平面寸法(縦横の寸法)は、突出部23,23を含めた分岐部20の平面寸法(縦横の寸法)よりも、大きなものとされる。
【0044】
糸T1,T2,T3は、カテーテル2の分岐部20をクッション材4に固定するために使用される。糸T1,T2,T3は、例えば、従来縫合に使用されている絹糸である。この絹糸は、例えば、薬事法による基準(平成11年3月3日 厚生省告示医薬発第393号)で2-0或いは3-0の太さを有する。
【0045】
糸T1,T2は、分岐部20における突出部23,23を固定するために使用される。糸T3は、分岐部20における主管21側の範囲を固定するために使用される。
図3に示すように、糸T1,T2,T3は、いずれも、クッション材4の上側から、クッション材4の内部に入れられて、下方に延ばされた後、向きが転じられて、クッション材4の内部を上方に延ばされて、クッション材4の上側に延び出される。クッション材4から延び出た糸T1,T2,T3の範囲は、クッション材4の表面近傍で結ばれる。この結び目Taは、カテーテル2をクッション材4に固定する前に予め形成される(後述の
図5(A)の工程で結び目Taは形成される)。
【0046】
そして
図2や
図3に示すように、糸T1,T2では、結び目Taよりも一端側或いは他端側の範囲が突出部23の貫通孔24に通されて、一端部及び他端部が突出部23,23の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる。また
図2や
図4に示すように、糸T3では、結び目Taよりも一端側及び他端側の範囲が分岐部20の主管21側の範囲に巻き付けられて、一端部及び他端部が分岐部20の主管21側範囲の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる。カテーテル2の上側で糸T1,T2,T3の一端部と他端部とを結ぶことは、カテーテル2をクッション材4に固定する際に行われる(後述の
図5(B)の工程で糸T1,T2,T3の一端部と他端部とが結ばれる)。なお
図4に示すように、分岐部20の主管21側の範囲には、分岐部20の周回りに延びる溝25が形成されている。この溝25に糸T3が巻き付けられることで、糸T3の位置ずれが防止される。
【0047】
また、糸T1,T2,T3でカテーテル2を強固に固定することを可能とすべく、
図3や
図4に示すように、糸T1,T2,T3の向きが下方から上方へと転じる糸T1,T2,T3の中間部Tbは、フィルム11と台座テープ3との間に配置される。この配置によれば、PU又はPETから形成されるフィルム11の硬度が高いことで、糸T1,T2,T3の一端部と他端部とを強く結ぶべく、糸T1,T2,T3の一方側及び他方側を強く引き上げても、糸T1,T2,T3の中間部Tbは、フィルム11の位置で止まる。これにより、糸T1,T2,T3の中間部Tbによってクッション材4が切断されないので、この切断による切れ目から糸T1,T2,T3が抜け出る虞がない。
【0048】
カバーテープ5は、透明なポリステルフィルムから形成されたものである。カバーテープ5は、例えば、矩形の平面形状を呈するものであって、台座テープ3とほぼ同一の縦横の寸法、或いは、台座テープ3よりも大きな縦横の寸法を有している。このカバーテープ5は、クッション材4や、クッション材4の上面に載置されるカテーテル2の分岐部20や、カテーテル2の上側で結ばれる糸T1,T2,T3の一端部及び他端部を覆うものであり、カバーテープ5の外周部の下面は、クッション材4の外側に延び出た台座テープ3の上面の範囲に接着されている(
図3参照)。
【0049】
また、カバーテープ5の上面には、易剥離処理が施されている。この易剥離処理は、例えば、カバーテープ5の上面にシリコン系剥離剤を塗布することである。
【0050】
フィルムドレッシング材6は、ポリウレタンフィルムから形成されている。フィルムドレッシング材6は、透明な半透膜であって、水蒸気の透過性が皮膚と同等であり、細菌や水等の液体を透過させない性質を有している。このフィルムドレッシング材6として、例えば、スリーエム社製のテガダーム(登録商標)を使用できる。このフィルムドレッシング材6(スリーエム社製のテガダーム(登録商標))は、24時間あたりの水蒸気の透過量が500g/m
2/24Hである。
【0051】
上記のフィルムドレッシング材6は、例えば、矩形の平面形状を呈するものであって、カバーテープ5よりも大きな縦横の寸法を有している。フィルムドレッシング材6は、分岐部20やカテーテル2の刺入部26を覆うものであって、フィルムドレッシング材6の下面は、易剥離処理が施されたカバーテープ5の上面に接着される。
【0052】
なおフィルムドレッシング材6を設けることの主な目的は、フィルムドレッシング材6でカテーテル2の刺入部26を覆うことにある。図示例では、分岐部20の全体がフィルムドレッシング材6で覆われているが、分岐部20の少なくとも一部がフィルムドレッシング材6で覆われればよい。
【0053】
図5及び
図6は、本実施形態のパッチ1を用いて、カテーテル2を患者に固定する方法を示す概略図である。以下、
図5及び
図6に示す固定方法について説明する。
【0054】
まず
図5(A)に示すように、針を用いて、糸T1,T2,T3を、クッション材4の上側から、クッション材4の内部に入れて下方に延ばし、クッション材4、第二両面テープ12、フィルム11を順次貫通させた後、糸T1,T2,T3の向きを転じて、糸T1,T2,T3を、上方に延ばし、フィルム11、第二両面テープ12、クッション材4を再度貫通させて、クッション材4の上側に延び出させることが行われる(糸T3については
図4参照)。そして、クッション材4の上側に延び出た糸T1,T2,T3の範囲を、クッション材4の表面近傍で結んで、結び目Taを形成することが行われる。
【0055】
ついで、糸T1,T2,T3でカテーテル2の分岐部20をクッション材4に固定することが行われる(
図5(B))。この際には、
図4に示したように、カテーテル2の軸方向(主管21が延びる方向:縦方向)が、クッション材4の矩形縦断面が延びる方向と平行になるように、カテーテル2やクッション材4の向きが調整される。そして
図5(B)に示すように、糸T1,T2は、結び目Taよりも一端側或いは他端側の範囲が、突出部23の貫通孔24に通されて、一端部及び他端部が、突出部23の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる。また
図4に示したように、糸T3は、結び目Taよりも一端側及び他端側の範囲が分岐部20の主管21側にある溝25に巻き付けられて、一端部及び他端部が分岐部20の主管21側範囲の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる。
【0056】
なお、
図5(A)及び
図5(B)の工程が実施される際には、台座テープ3の下面には剥離紙Hが貼り付けられており、この剥離紙Hによって台座テープ3の下面に塗布された接着材が露出しないものとされる。
【0057】
ついで、台座テープ3から剥離紙Hを剥離して、
図5(C)に示すように、台座テープ3の下面を患者の皮膚Mに貼り付けることが行われる。この際、皮膚Mへの台座テープ3の貼り付け位置や向きは、術者の判断で適宜調整可能である。なお、カテーテル2の刺入部26から5mm〜10mm程度の距離内に、台座テープ3が貼り付けられる場合には、パッチ1(台座テープ3・クッション材4・カバーテープ5・フィルムドレッシング材6)の滅菌を行っておくことが好ましい。
【0058】
ついで
図6(A)に示すように、カバーテープ5で、クッション材4やカテーテル2の分岐部20や糸T1,T2,T3の一端部や他端部を覆うようにして、カバーテープ5の外縁部を、クッション材4の外側に延び出た台座テープ3の上面の範囲に接着する。
【0059】
ついで
図6(B)に示すように、フィルムドレッシング材6をカバーテープ5に接着して、フィルムドレッシング材6で刺入部26(
図2,
図4)や分岐部20を覆った状態にする。
【0060】
以上の作業が行われることで、本実施形態のパッチ1が患者に固定されるとともに、このパッチ1を介して、カテーテル2が患者に固定された状態になる。
【0061】
本実施形態のパッチ1によれば、カテーテル2がクッション材4に固定され、且つ、クッション材4と一体の台座テープ3が患者の皮膚に貼り付けられることで、カテーテル2が患者に固定される。これにより、カテーテル2を固定すべく、糸1でカテーテル2を皮膚に縫い付ける必要がないので、患者の皮膚に縫合痕が生じない。したがって、縫合痕から患者が細菌に感染する虞がない。さらに、カテーテル2の固定部分(分岐部20)がクッション材4の上面に載置されることで、カテーテル2の固定部分(分岐部20)が患者に触れず、カテーテル2の固定部分(分岐部20)の硬さが患者に伝わらない。このため、カテーテル2によって、患者が苦痛を感じたり、患者に褥瘡が生じることを防止できる。以上のことから、本実施形態のパッチ1によれば、患者のQOL(Quality Of Life)を改善できる。
【0062】
さらに本実施形態のパッチ1によれば、術者の判断で、皮膚Mに貼り付ける台座テープ3の位置や向きを調整できる。さらに、カテーテル2の固定に使用されるクッション材4は、ウレタン発泡体或いはエラストマーから形成されていることで、針を用いて糸Tを通すことができる。したがって、カテーテル2の誤抜去を防止するために、従来と同様、糸Tを使用できるので、糸Tを用いてカテーテル2の縫合を行ってきた術者の技術・経験を活かせる。以上のことから本実施形態のパッチ1は、ユーザビリティ(Usability)に優れる。
【0063】
さらに本実施形態のパッチ1によれば、糸T1,T2,T3の向きが下方から上方へと転じる中間部Tbを、PU又はPETから形成されるフィルム11と台座テープ3との間に配置することで、糸T1,T2,T3の一端部や他端部を強い力で上方に引き上げても、糸T1,T2,T3の中間部Taは、フィルム11の位置で止まる。このため、糸T1,T2,T3の中間部Tbによってクッション材4が切断されないので、当該切断によるクッション材4の切れ目から糸T1,T2,T3が抜け出る虞がない。このため、糸Tの一端部や他端部を強く結ぶことができる。したがって、カテーテル2を強固に固定できるので、カテーテル2の位置ずれを防止できる。そして
図5及び
図6に示した本実施形態の固定方法によれば、
図5(C)の工程で台座テープ3を患者の皮膚Mに接着する以前に、
図5(B)の工程で糸Tを用いてカテーテル2をクッション材4に固定することで、容易に糸Tの中間部Tbをフィルム11と台座テープ3との間に配置できる。なお、本発明は、台座テープ3を患者の皮膚Mに接着した後に、糸Tでカテーテル2をクッション材4に固定することを排除するものではない。湾曲した針を使用すれば、台座テープ3の下面が患者の皮膚Mに接着されている状態で、糸Tの中間部Tbをフィルム11と台座テープ3との間に配置することや、糸Tでカテーテル2をクッション材4に固定することが可能である。
【0064】
さらに本実施形態のパッチ1によれば、カテーテル2の分岐部20が、カバーテープ5で覆われるので、カテーテル2の位置ずれが、より確実に防止される。また糸Tの一端部や他端部もカバーテープ5で覆われることで、糸Tの一端部や他端部の結び目Taがほどけない。これにより、糸Tでカテーテル2を固定した状態が安定して維持される。
【0065】
さらに本実施形態のパッチ1によれば、クッション材4の厚さが2mm以上5mm以下と薄いことで、クッション材4から刺入部26へ延びるカテーテル2の部分(主管21)はなだらかに湾曲するものとなり、急激に屈曲するものとならない(
図4)。これにより、患者がカテーテル2の刺入部26に痛みを感じることがないとともに、カテーテル2(主管21や枝管22,22)の内部を液体が円滑に流れる。
【0066】
さらに本実施形態のパッチ1によれば、刺入部26を覆うフィルムドレッシング材6が透明であることで刺入部26を観察できる。このため、刺入部26における液漏れ・感染・出血を確認できる。
【0067】
また、カバーテープ5の上面に易剥離処理が施されていることで、フィルムドレッシング材6をカバーテープ5から容易に剥離できる。これにより、フィルムドレッシング材6以外のパッチ1の構成(台座テープ3・クッション材4・カバーテープ5)は患者の皮膚Mに長期間貼り付けてカテーテル2を長期間患者に固定しつつ、この間、フィルムドレッシング材6のみを新品に交換することができる。このため、長期に亘って患者が細菌に感染することを防止できる。なお例えば、フィルムドレッシング材6以外の構成(台座テープ3・クッション材4・カバーテープ5)は、一ヶ月間、カテーテル固定のため患者の皮膚に貼り付けたままとされ、この間、フィルムドレッシング材6は5日〜1週間の間隔で新品に交換される。
【0068】
なお本発明のパッチは、上記実施形態に示すものに限定されず、種々改変できる。以下、本発明の変形例について説明する。なお変形例が備える構成のうち、上記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0069】
例えば、本発明のパッチは、クッション材4を2つ備えるものであってもよい。
図7は、
図3の対応図であって、クッション材4を2つ備える変形例のパッチ40を、横方向に切断した断面を示している。
図8は、
図4の対応図であって、変形例のパッチ40の側面図である。
【0070】
図7及び
図8に示すパッチ40は、患者の皮膚Mに貼り付けられる台座テープ3や、台座テープ3の上面に固定される第一クッション材4Aや、第一クッション材4Aの上面に固定されるフィルム11や、フィルム11の上面に固定される第二クッション材4Bや、第二クッション材4Bに載置されるカテーテル2の分岐部20を第一及び第二クッション材4A,4Bに固定する糸T1,T2,T3を備えている。台座テープ3の上面は、第一両面テープ10を介して、第一クッション材4Aの下面に接着される。第一クッション材4Aの上面は、第二両面テープ12を介して、フィルム11の下面に接着される。フィルム11の上面は、第3両面テープ13を介して第二クッション材4Bの下面に接着される。第一クッション材4Aや第二クッション材4Bは、厚さが例えば2mm程度に設定される。
【0071】
図7及び
図8に示すパッチ40でも、フィルム11は、PU又はPETから形成されており、糸T1〜T3の中間部Tbは、フィルム11と台座テープ3との間にある第一クッション材4Aの内部に配置される。
【0072】
さらに
図7に示すパッチ40でも、カバーテープ5によって、クッション材4や、クッション材4に載置されるカテーテル2の分岐部20や、糸Tの一端部や他端部が覆われており、カバーテープ5の外縁部の下面が、クッション材4の外側に延び出た台座テープ3の上面の範囲に接着される。またフィルムドレッシング材6によって、分岐部20やカテーテル2の刺入部26が覆われて、フィルムドレッシング材6の下面が、易剥離処理が施されたカバーテープ5の上面に接着される。
【0073】
図9及び
図10は、パッチ40を用いてカテーテル2を患者に固定する方法を示す断面図である。以下、
図9及び
図10に示す固定方法について説明する。
【0074】
まず
図9(A)に示すように、台座テープ3の下面を患者の皮膚Mに貼り付けることが行われる。
【0075】
ついで
図9(B)に示すように、糸T1,T2,T3を、第二クッション材4Bの上側から、第二クッション材4Bの内部に入れて、第二クッション材4B、第3両面テープ13、フィルム11、第二両面テープ12を順次貫通して第一クッション材4Aの内部に到るように下方に延ばした後、糸T1,T2,T3の向きを転じて、糸T1,T2,T3を、第二両面テープ12、フィルム11、第3両面テープ13、第二クッション材4Bを順次貫通するよう上方に延ばし、第二クッション材4Bの上側に延び出させることが行われる。この作業は、湾曲した針を用いて行われる。そして、第二クッション材4Bの上側に延び出た糸T1,T2,T3の範囲を、第二クッション材4Bの表面近傍で結ぶことが行われる。
【0076】
ついで、糸T1,T2,T3でカテーテル2の分岐部20をクッション材4に固定することが行われる。この際には、
図9(C)に示すように、糸T1,T2は、結び目Taよりも一端側或いは他端側の範囲が突出部23の貫通孔24に通されて、一端部及び他端部が突出部23の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる。また、糸T3は、結び目Taよりも一端側及び他端側の範囲が分岐部20の主管21側範囲に巻き付けられて、一端部及び他端部が分岐部20の主管21側範囲の上側(つまりカテーテル2の上側)で結ばれる(
図8参照)。
【0077】
ついで
図10(A)に示すように、カバーテープ5で、第一クッション材4A・フィルム11・第二クッション材4Bや、カテーテル2の分岐部20や、糸T1,T2,T3の一端部や他端部を覆うようにして、カバーテープ5の外縁部を、第二クッション材4Aの外側に延び出た台座テープ3の上面の範囲に接着する。
【0078】
ついで
図10(B)に示すように、フィルムドレッシング材6をカバーテープ5に接着して、フィルムドレッシング材6で刺入部26(
図8)や分岐部20を覆った状態にする。
【0079】
以上の作業が行われることで、パッチ40が患者に固定されるとともに、このパッチ40を介して、カテーテル2が患者に固定された状態になる。
【0080】
図7及び
図8に示したパッチ40によれば、上記実施形態と同様の効果が得られる上、糸Tでカテーテル2を強固に固定することと、クッション材4が患者に固定された状態でカテーテル2の固定位置を選択可能にすることとを、両立できる。つまりパッチ40によれば、糸Tの中間部TbをPU又はPETからなるフィルム11と台座テープ3との間に配置することで、糸Tの一端部や他端部を強い力で上方に引き上げても、糸Tによって第二クッション材4Bが切断されない。このため当該切断による第二クッション材4Bの切れ目から糸Tが抜け出る虞がないので、糸Tの一端部や他端部を強く結ぶことができる。したがって、カテーテル2を強固に固定できる。そしてさらに、フィルム11と台座テープ3との間に第1クッション材4Aが設けられることで、
図9(A)及び
図9(B)に示したように、皮膚Mへの台座テープ3の接着でクッション材4A,4Bを患者に固定した後に、針を用いて糸Tをフィルム11の下側へ挿通させる作業を行っても、針が患者に突き刺さる事態を回避できる。このため、クッション材4A,4Bが患者に固定された状態で、糸の挿通作業を行うことができる。そしてこのことから、クッション材4A,4Bが患者に固定された状態で、クッション材4Bへの糸の挿通位置を選択できるので、クッション材4Bの上面におけるカテーテル2の固定位置を選択できる。
【0081】
また上記実施形態では、クッション材4をスポンジ状のウレタン発泡体から形成していたが、クッション材4は、スチレン系のエラストマーから形成されてもよい。
図11は、
図3の対応図であって、クッション材4がエラストマーから形成された変形例のパッチ41を、横方向に切断した断面図を示している。
【0082】
図11に示すパッチ41では、向きが下方から上方へと転じる糸Tの中間部Tbは、クッション材4の内部に配置される。そして、両面テープ10を介して、クッション材4と台座テープ3とが接着されており、
図3に示したフィルム11は省略される。以上のパッチ41では、エラストマーから形成されたクッション材4が硬いので、クッション材4の内部に糸Tの中間部Tbが配置されても、糸Tの一端部や他端部を結ぶときなどに、糸Tの張力でクッション材4が切れない。したがって、上記実施形態に示すパッチ1のようにPU又はPETから形成されるフィルム11を設ける必要がない。このため、部品点数が少なく抑えられる。
【0083】
またカテーテル2の固定に用いる糸Tの本数も、上記実施形態に示す3本に限定されず、1本、或いは3本以外の複数にすることができる。
【0084】
また上記実施形態では、カテーテル2の分岐部20が2つの突出部23,23を有する例を示したが、分岐部20に形成する突出部23の数は、1つであってもよく、2以外の複数であってもよい。分岐部20から突出部23が突出する方向も、上述した横方向に限定されず、分岐部20には、縦方向に突出する突出部23や、放射状に突出する複数の突出部23が設けられてもよい。このように突出部23が、分岐部20に形成される場合であっても、当該突出部23の貫通孔24に通した糸Tによって、カテーテル2の分岐部20を固定できる。
【0085】
クッション材4に固定するカテーテル2の部分も、上記の分岐部20に限定されない。例えば、主管21や枝管22,22の途中部分が、糸Tでクッション材4に固定されてもよい。なお、クッション材4に固定するカテーテル2の部分は、糸Tの締め付けで変形しないように、プラスチック等で補強されることが好ましい。
【0086】
また、台座テープ3の平面形状も、
図2に示すような矩形に限定されない。例えば、固定対象のカテーテルがIVH用のカテーテル2である場合には、本発明のパッチは、
図12に示すように変形され得る。
図12に示すパッチ42では、台座テープ3は、矩形の本体部30と、本体部30の両側から突出する一対の突出部31,31とを備えており、クッション材4は本体部30の上面に配置される。そして、突出部31,31の間にカテーテル2の刺入部26が位置するように台座テープ3が患者の皮膚に貼り付けられて、糸T1〜T3を用いて、カテーテル2の分岐部20がクッション材4に固定される。このようにすれば、カテーテルの刺入部26と、クッション材4に固定されるカテーテルの部分(分岐部20)との間の距離を短くできる。またさらに、台座テープ3に突出部31,31が設けられることで、本体部30の縦方向の長さが短い場合であっても、皮膚に対する台座テープ3の接着面積を大きくできる。
【0087】
また、固定対象のカテーテルが腸瘻用カテーテルやドレーンチューブである場合には、本発明のパッチは、例えば
図13〜
図15に示すように変形され得る。
図13〜
図15に示すパッチ43は、円形の台座テープ3と、台座テープ3の上面に固定される矩形のクッション材4と、クッション材4の上面に載置される腸瘻用カテーテル7或いはドレーンチューブの部分を、クッション材4に固定する糸Tとを備えており、上記実施形態に示したカバーテープ5やフィルムドレッシング材6は省略されている。糸Tは、クッション材4の上側から、クッション材4の内部に入れられて下方に延ばされた後、向きが転じられて、クッション材4の内部を上方に延ばされて、クッション材4の上側に延び出されるものであり、糸Tの一端部や他端部は、腸瘻用カテーテル7或いはドレーンチューブの上側で結ばれる。
【0088】
また、カテーテル2をクッション材4に固定する手段は、上述した糸Tに限定されず、粘着材が表面に塗布された粘着シートであってもよい。この粘着シートが使用される場合には、
図16に示すように、カテーテル2の表面及びクッション材4の表面の双方に跨るように粘着シートNが貼付られることで、カテーテル2がクッション材4に固定される。上記の粘着シートNとして、例えば、スリーエム社製のメカニカルファスナーを使用できる。