(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709638
(24)【登録日】2020年5月27日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法
(51)【国際特許分類】
B23K 37/053 20060101AFI20200608BHJP
B23K 9/028 20060101ALN20200608BHJP
【FI】
B23K37/053 E
!B23K9/028 P
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-46389(P2016-46389)
(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公開番号】特開2017-159326(P2017-159326A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2019年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯藤 尚人
(72)【発明者】
【氏名】谷 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中谷 光良
(72)【発明者】
【氏名】山田 順也
(72)【発明者】
【氏名】成山 達也
【審査官】
竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/132561(WO,A1)
【文献】
特開2010−17731(JP,A)
【文献】
特開2010−65388(JP,A)
【文献】
特開平7−279920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/053
B23K 9/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法であって、
上記鋼管構造体における鋼管の製作誤差を計測する計測工程と、
上記計測工程で計測された製作誤差が吸収される鋼管および継手の位置を算出する算出工程と、
上記継手を設計位置から傾斜させるとともに、上記鋼管を継手に差込んで、上記算出工程で算出された鋼管および継手の位置で当該鋼管と継手とを溶接する溶接工程とを備えることを特徴とする鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法。
【請求項2】
鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法であって、
上記鋼管構造体における鋼管の製作誤差を計測する計測工程と、
上記計測工程で計測された製作誤差が吸収される鋼管および継手の位置を算出する算出工程と、
上記算出工程で算出された鋼管および継手の位置で当該鋼管と継手とを溶接する溶接工程とを備え、
上記算出工程で算出される鋼管および継手の位置が、継手を設計位置から傾斜させる角度である所定角度と、この所定角度で傾斜させた継手への鋼管の差込量とであることを特徴とする鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法。
【請求項3】
所定角度が、設計位置の鋼管の軸に直交する方向への製作誤差に基づいて算出されるものであることを特徴とする請求項2に記載の鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法。
【請求項4】
所定角度で傾斜させた継手への鋼管の差込量が、当該所定角度と、設計位置の鋼管の軸に直交する方向への製作誤差と、設計位置の鋼管の軸に平行な方向への製作誤差とに基づいて算出されるものであることを特徴とする請求項2または3に記載の鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼管同士は、継手を介して接合されることで、単品の鋼管以上の長さにすることが可能である。このような継手による接合は、一般的に、鋼管同士を直線状にする。しかしながら、鋼管が設置される据付現場によっては、鋼管同士を直線状ではなく若干屈曲させて接合したい場合もある。このため、このような用途に適した継手も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の継手は、鋼管(パイプ)の端部外周に一定の角度で傾斜して取り付けられたパイプエンドを、さらに上記角度で傾斜して受け得るように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭46−35481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の継手は、鋼管が設置される据付現場において、上記角度の2倍までボルトおよびナット群により鋼管と継手と傾斜を調整しようとするものである。このような調整は、鋼管の製作誤差および据付誤差の吸収を目的としている。このため、上記継手は、上記製作誤差などの吸収を、鋼管との適切な位置関係での溶接ではなく、ボルトおよびナット群により行おうとするものである。したがって、鋼管と継手との溶接では、上記製作誤差を考慮せず、鋼管と継手とを一律に上記角度で傾斜させた位置にする。この結果、鋼管の製作誤差などが大きい場合、溶接された鋼管と継手とは適切な位置関係でないという問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明は、鋼管と継手とを適切な位置関係で溶接し得る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法は、鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法であって、
上記鋼管構造体における鋼管の製作誤差を計測する計測工程と、
上記計測工程で計測された製作誤差が吸収される鋼管および継手の位置を算出する算出工程と、
上記継手を設計位置から傾斜させるとともに、上記鋼管を継手に差込んで、上記算出工程で算出された鋼管および継手の位置で当該鋼管と継手とを溶接する溶接工程とを備えるものである。
【0007】
また、第2の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法は、
鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法であって、
上記鋼管構造体における鋼管の製作誤差を計測する計測工程と、
上記計測工程で計測された製作誤差が吸収される鋼管および継手の位置を算出する算出工程と、
上記算出工程で算出された鋼管および継手の位置で当該鋼管と継手とを溶接する溶接工程とを備え、
上記算出工程で算出される鋼管および継手の位置が、継手を設計位置から傾斜させる角度である所定角度と、この所定角度で傾斜させた継手への鋼管の差込量とであるものである。
【0008】
さらに、第3の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法は、第2の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法において、所定角度が、設計位置の鋼管の軸に直交する方向への製作誤差に基づいて算出されるものである。
【0009】
加えて、第4の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法は、第2または3の発明に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法において、所定角度で傾斜させた継手への鋼管の差込量が、当該所定角度と、設計位置の鋼管の軸に直交する方向への製作誤差と、設計位置の鋼管の軸に平行な方向への製作誤差とに基づいて算出されるものである。
【発明の効果】
【0010】
上記鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法によると、製作誤差が吸収される鋼管および継手の位置を溶接する前に算出し、この位置で鋼管と継手とが溶接されるので、鋼管と継手とを適切な位置関係で溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る鋼管構造体から構成される連結鋼管構造体を示す側面図である。
【
図2】同連結鋼管構造体の鋼管構造体における鋼管と連結用鋼管との継手による接合を示す断面図である。
【
図3】同鋼管の製作誤差によるズレを示す模式図である。
【
図5】同ズレのうちXY方向の成分のみを抽出して示す側面図である。
【
図6】同ズレのうち傾きの成分のみを抽出して示す側面図である。
【
図7】同ズレのうちZ方向の成分のみを抽出して示す側面図である。
【
図8】同鋼管と継手との溶接方法における計測工程で計測される複数点を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る鋼管構造体における鋼管と継手との溶接方法について説明する。鋼管構造体における鋼管と継手とを溶接するのは、
図1に示すように、複数(
図1では一例として2つ)の鋼管構造体2,3を、これら鋼管構造体2,3とは異なる鋼管4(以下では連結用鋼管4という)で連結してなる、連結鋼管構造体1を製造するためである。
【0013】
まず、上記連結鋼管構造体1の概略について図面に基づき説明する。
この連結鋼管構造体1は、
図1に示すように、複数(
図1では一例として2つ)の鋼管構造体2,3と、これら鋼管構造体2,3を連結する連結用鋼管4と、鋼管構造体2,3における鋼管10と連結用鋼管4とを接合する継手20とを備える。
【0014】
上記鋼管構造体2,3は、多数の短い鋼管10を、これらの全ての軸が1点(以下では格点Rという)に向くようにして放射状に溶接してなるものである。このため、上記鋼管構造体2,3は、その構成部材である多数の短い鋼管10同士の溶接線が非常に複雑になってしまう。したがって、鋼管構造体2,3およびその構成部材である鋼管10は、必然的に製作誤差を有することになる。
【0015】
上記継手20は、
図2に示すように、例えばスリップオンフランジであり、一方側から鋼管構造体2,3における鋼管10が差込まれるとともに溶接され、他方側から連結用鋼管4が差込まれるとともに溶接されて、一方側の鋼管10と他方側の連結用鋼管4とを接合するものである。このため、上記継手20は、上記鋼管10および連結用鋼管4の外径よりも大きな内径を有する。この内径は、上記製作誤差を吸収可能な程度まで、鋼管10および連結用鋼管4を傾斜して差込ませ得る寸法にされる。また、上記継手20は、上記鋼管構造体2,3における鋼管10が差込まれて溶接される第一フランジ21と、上記連結用鋼管4が差込まれて溶接される第二フランジ22と、これら第一フランジ21および第二フランジ22を円周上の複数位置で接合するボルトおよびナット群23とを有する。
【0016】
次に、上記連結鋼管構造体1の製造方法について説明する。
まず、工場において、鋼管構造体2,3における鋼管10を継手20に差込んだ後、当該鋼管10と継手20(具体的には第一フランジ21)とを溶接する。鋼管10に継手20が溶接された鋼管構造体2,3を例えば2つ準備した後、これら鋼管構造体2,3を精密な位置に設置する。この設置と並行して、一方の鋼管構造体3における鋼管10に溶接された継手20に連結用鋼管4の一端部を差込み、他方の鋼管構造体2における鋼管10に溶接された継手20に連結用鋼管4の他端部を差込む。そして、継手20(具体的には第二フランジ22)と連結用鋼管4の両端部とを溶接することにより、上記連結鋼管構造体1が製造される。その後、当該連結鋼管構造体1の継手20からボルトおよびナット群23を取り外すことにより、連結鋼管構造体1を、3種類のパーツに分解でき、すなわち、運搬が容易な状態にできる。この3種類のパーツとは、第一フランジ21が鋼管10に溶接された鋼管構造体2,3(2つ)と、両端部に第二フランジ22が溶接された連結用鋼管4と、第一フランジ21および第二フランジ22を接合するボルトおよびナット群23とである。これら3種類のパーツを連結鋼管構造体1の据付現場まで運搬し、据付現場において、2つの鋼管構造体2,3のパーツを精密な位置に設置し、これら鋼管構造体2,3のパーツの間に連結用鋼管4のパーツを配置し、第一フランジ21および第二フランジ22をボルトおよびナット群23で接合する。これにより、据付現場において、工場での精度に近い状態で連結鋼管構造体1を組み立てることができる。
【0017】
以下、上記鋼管構造体3における鋼管10と継手20との溶接方法、すなわち、上記連結鋼管構造体1の製造方法における鋼管10と継手20との溶接方法について説明する。
上述のように、鋼管構造体3およびその鋼管10には製作誤差があるので、
図2および
図3に示すように、上記鋼管10と継手20とを設計上の位置(二点鎖線で図示する)で溶接するのではなく、製作誤差が吸収される位置(実線で図示する)で溶接する。このため、上記溶接方法では、上記製作誤差を計測する計測工程と、上記製作誤差が吸収される鋼管10および継手20の位置を算出する算出工程と、算出された鋼管10および継手20の位置で鋼管10と継手20と溶接する溶接工程とを備える。ここで、鋼管10および継手20の、設計上の位置(以下では設計位置といい二点鎖線で図示する)と、製作誤差が吸収される位置(以下では調整位置といい実線で図示する)とを以下において説明する。この説明を分かりやすくするために、便宜上、
図2および
図3に示すように、設計位置での鋼管10の軸方向(例えば水平方向)をZ方向とし、このZ方向に直交する方向をXY方向(X方向およびY方向)とする。また、
図4に示すように、X方向(例えば他の水平方向)とY方向(例えば鉛直方向)とは、直交するものとする。設計位置から見た調整位置であるズレは、
図3に示すように、XY方向の最大ズレ量pと、Z方向のズレ量dzと、傾きαとに分解可能である。なお、XY方向の最大ズレ量pは、
図4に示すように、X方向のズレ量dxの二乗とY方向のズレ量dyの二乗との和についての平方根である{p=√(dx
2+dy
2)}。
図5に示すように、XY方向の最大ズレ量pは継手20を設計位置から所定角度θで傾斜させるために差込量を調整することで対応し、
図6および
図7に示すように、傾きαおよびZ方向のズレ量dzは、鋼管10の継手20への差込量を調整することで対応する。これらの対応により、上記製作誤差が吸収される。
【0018】
上記計測工程では、鋼管構造体3における鋼管10の端部での複数点における位置を、3次元計測器により計測する。これら複数点は、任意に選択されるが、例えば、鋼管10の外周上で等ピッチに選択される点を含むのが精度上好ましい。このように選択された複数点は、
図8に示すように、例えば、鋼管10の端部における外周上で、Y方向が最大となるa点と、X方向が最大となるb点と、Y方向が最小となるc点と、X方向が最小となるd点と、当該鋼管10の軸とこれらa〜d点を含む面との交点であるo点とである。この場合、3次元計測器により計測されるのは、
図8に示すa〜d点でのそれぞれのZ方向のズレ量dz(a),dz(b),dz(c),dz(d)と、
図4に示すo点でのXY方向の各ズレ量dx,dyとである。
【0019】
上記算出工程では、上記計測工程で計測されたa〜d点でのZ方向のズレ量dz(a)〜dz(d)およびo点でのXY方向の各ズレ量dx,dyに基づいて、継手20を設計位置から傾斜させる所定角度θと、鋼管10のa〜d点での継手20への差込量とが算出される。
【0020】
具体的に説明すると、継手20を設計位置から傾斜させる所定角度θは、
図5に示すように、他方の鋼管構造体2における格点Rからo点の設計位置までの長さLと、o点でのXY方向の最大ズレ量pとに基づいて、アークタンジェントにより算出される。ここで、上記長さLは、他方の鋼管構造体2および連結用鋼管4の設計位置から明らかであり、o点でのXY方向の最大ズレ量pは、o点でのXY方向の各ズレ量dx,dyから算出される。一方で、鋼管10のa〜d点での継手20への差込量は、o点のXY方向での最大ズレ量pのみに基づいて仮算出された上で、a〜d点でのZ方向のズレ量dz(a)〜dz(d)を考慮した補正により算出される。上記仮算出では、上記所定角度θと、
図4に示すo点のズレにより生ずる角度ω(面内変位が最大となる鋼管10の角度ω)とから、鋼管10のa〜d点での継手20への暫定的な差込量が求められる。上記補正では、上記暫定的な差込量にa〜d点でのZ方向のズレ量dz(a)〜dz(d)が加算されることで、鋼管10のa〜d点での継手20への精密な差込量が求められる。なお、上記算出工程では、例えば表計算用のソフトウェアなどが用いられる。
【0021】
上記溶接工程は、上記算出工程で算出された所定角度θおよび精密な差込量に従って、継手20を設計位置から傾斜させるとともに、鋼管構造体3における鋼管10を継手20に差込んで、鋼管10と継手20とを組み合わせた後に溶接する。この溶接では、必要に応じて、鋼管10と継手20との隙間を溶接ビードで埋めるようにする。
【0022】
以下、上記鋼管構造体3における鋼管10と継手20との溶接方法を
図9に示すフローチャートにより説明する。
この溶接方法では、
図9に示すように、まず計測工程として、a〜d点でのZ方向のズレ量dz(a)〜dz(d)およびo点でのXY方向の各ズレ量dx,dyを、3次元計測器により計測する(
図9のS1参照)。次に算出工程として、他方の鋼管構造体2における格点Rからo点の設計位置までの長さLと、計測されたo点でのXY方向の各ズレ量dx,dyとに基づいて、継手20を設計位置から傾斜させる所定角度θを算出する(同S2参照)。算出された所定角度θと、o点のズレにより生ずる角度ωとから、鋼管10のa〜d点での継手20への暫定的な差込量を仮算出する(同S3参照)。仮算出された鋼管10のa〜d点での継手20への暫定的な差込量を、a〜d点でのZ方向のズレ量dz(a)〜dz(d)に基づき、精密な差込量に補正する(同S4参照)。最後に溶接工程として、算出された所定角度θで継手20を設計位置から傾斜させるとともに、算出された精密な差込量で鋼管10を継手20に差込んでから、鋼管10と継手20とを溶接する(同S5参照)。
【0023】
このように、上記鋼管構造体3における鋼管10と継手20との溶接方法によると、製作誤差が吸収される鋼管10および継手20の位置を溶接する前に算出し、この位置で鋼管10と継手20とが溶接されるので、鋼管10と継手20とを適切な位置関係で溶接することができる。
【0024】
また、溶接する前に算出される位置が、継手20を設計位置から傾斜させる所定角度θと、この所定角度θで傾斜させた継手20への鋼管10の差込量とであるから、この位置に鋼管10および継手20を合わせるのが容易となる結果、鋼管10と継手20とを一層適切な位置関係で溶接することができる。
【0025】
さらに、上記所定角度θがo点でのXY方向の最大ズレ量pに基づいて算出されるので、溶接する前に算出される位置が一層適切となる結果、鋼管10と継手20とを一層適切な位置関係で溶接することができる。
【0026】
加えて、上記所定角度θで傾斜させた継手20への鋼管10の差込量が、上記所定角度θ、上記最大ズレ量p、および鋼管10の端部における複数点でのZ方向のズレ量に基づいて算出されるので、溶接する前に算出される位置が一層適切となる結果、鋼管10と継手20とを一層適切な位置関係で溶接することができる。
【0027】
ところで、上記実施の形態において、鋼管構造体2,3は、多数の短い鋼管10を放射状に溶接してなるものとして説明したが、継手20に溶接される鋼管10を有する構造体であればよい。
【0028】
また、上記実施の形態において、継手20は、スリップオンフランジとして説明したが、一方側から鋼管構造体2,3における鋼管10が製作誤差を吸収する程度の傾きで差込まれるとともに溶接されて、一方側の鋼管10と他方側の鋼構造物とを接合し得る物であればよい。
【0029】
さらに、上記実施の形態において、長さLは、他方の鋼管構造体における格点Rからo点の設計位置までとして説明したが、この格点Rを通るZ方向での他の点からo点の設計位置までであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
R 格点
1 連結鋼管構造体
2,3 鋼管構造体
4 連結用鋼管
10 鋼管
20 継手
21 第一フランジ
22 第二フランジ
23 ボルトおよびナット群