(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記登録部が、前記利用情報を格納するか否かを前記商品情報および前記状況情報の少なくとも一方に基づいて判定し、前記利用情報を格納すると判定した場合に前記利用情報の生成および格納を実行する、
請求項1または2に記載の情報収集システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1〜
図4を参照しながら、実施形態に係る情報収集システム1の機能および構成を説明する。情報収集システム1は、商品に関する情報を複数のユーザから収集するコンピュータ・システムである。より具体的には、情報収集システム1は、商品がどのような状況で利用されたかを示す利用情報を収集する。
【0013】
図1は情報収集システム1の全体構成を示す。情報収集システム1はサーバ10と、複数のユーザ端末20と、データベース群30とを備える。データベース群30は利用データベース31を含み、さらに店舗データベース32または商品データベース33を含んでもよい。これらの装置はインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークNを通じて互いにデータを送受信することができる。通信ネットワークNの具体的な構成、すなわち装置間の具体的な接続の態様は何ら限定されない。サーバ10の管理者はデータベース群30の各データベースの管理者と同じであってもよいし互いに異なってもよい。データベース群30内の各データベースの管理者は同一であってもよいし互いに異なってもよい。
【0014】
図1に模式的に示すように、利用情報の収集を目的として商品40にはバーコード41が付与される。ユーザはユーザ端末20を操作して、そのバーコード41を読み取ることで得られる商品情報と、該バーコードが読み取られた状況を示す状況情報とをサーバ10に送信する。「バーコードが読み取られた状況」とは、バーコードが読み取られた際の周囲の環境である。サーバ10はその商品情報および状況情報に基づいて利用情報を生成し、その利用情報を利用データベース31に格納する。この登録処理が繰り返されることで多くの利用情報が情報収集システム1内に蓄積される。
【0015】
「商品」とは有償または無償で取引される有体物または無体物であり、したがってサービスを含む概念である。例えば、商品は飲食物であってもよい。「ユーザ」とは何らかのかたちで商品を認識した人であり、例えば、店舗で商品を手に取った人、商品を購入した人、商品を他人から譲り受けた人などを含む。したがって、ユーザは商品の購入者または消費者であってもよい。
【0016】
利用情報とは、ある特定の商品が利用された態様(あるいは、その推定)を示す情報である。「商品の利用」は消費(例えば、食べる、飲むなど)を含む概念である。「商品が利用された態様」とは、商品が利用された際の、該商品の周囲の状況または環境である。例えば、商品が利用された場所(地理的位置)または日時、商品を利用した人、または利用された商品の周囲に存在した物は、「商品が利用された態様」の一種である。利用情報は、実際に起こった事実を示してもよいし、起こったと推定される事実を示してもよい。
【0017】
バーコード41の例として一次元バーコードおよび二次元バーコードが挙げられるが、バーコード41の種類は何ら限定されない。二次元バーコードの代表例としてQRコード(登録商標)およびカラーバーコードが挙げられるが、任意の種類の二次元バーコードが採用されてよい。
【0018】
「商品に付与されたバーコード」とは、商品が未開封の状態においてその商品と共に提供されるバーコードを意味する。例えば、商品の包装に印刷または貼付されたバーコード、商品と共に包装内に入れられたバーコード、商品そのものに印刷または貼付されたバーコードはいずれも、「商品に付与されたバーコード」の一態様である。もちろん、バーコードを商品に付与する方法はこれらに限定されない。
【0019】
本実施形態では、ユーザが購入または譲受けにより商品を取得した後にその商品のバーコードを読むことを前提とする。実際には、悪意を持ったユーザが店内で未購入の商品のバーコードを読み取るなどの不正行為が発生し得、このような不正行為に起因する情報が利用データベース31に格納され得る。しかし、本実施形態ではその不正行為の発生については考慮しない。その一方で、バーコードの不正な読み取りを抑制するための仕組みが提供されてもよい。例えば、商品を実際に利用するときになって初めてバーコードの全体を露出させることができるように、商品が開けられる前の時点ではバーコードの少なくとも一部が視認不可能な態様で該バーコードが商品に付与されてもよい。例えば、バーコードは、容器の内側(例えば蓋の裏)に付与されてもよいし、缶のステイオンタブにより該バーコードの少なくとも一部が覆われた状態で付与されてもよい。
【0020】
ユーザは、バーコード読取機能を備えるユーザ端末20を用いて商品40のバーコード41を読み取り、この操作により得られた商品情報をサーバ10に送信してもよい。あるいは、ユーザは他の端末または装置(例えばバーコードリーダ)がバーコード41を読み取ることで取得した商品情報を自分のユーザ端末20に受信および記憶させ、その商品情報をサーバ10に向けてサーバ10に送信してもよい。すなわち、バーコードを読み取るユーザ端末と商品情報をサーバに送信するユーザ端末とが同じであってもよいし異なってもよい。
【0021】
本実施形態では、商品情報は商品ID、シリアル番号、ロット番号、および消費期限を含むものとする。商品IDは、商品管理のために商品の型または種類を一意に特定するための識別子である。シリアル番号は、一つ一つの個体を一意に特定するための識別子である。ある一つの商品IDで示される複数個の商品の中で、ある一つのシリアル番号を持つ商品(個体)は一つしか存在しない。ロット番号は、商品の生産または在庫を管理するための識別子であり、例えば製造ライン毎に一意のロット番号が割り当てられる。もちろん、バーコードで示される商品情報の内容は何ら限定されず、例えば、商品情報は製造時期を含んでもよいし、懸賞の応募に必要な情報を含んでもよい。バーコード41は、店舗にあるレジでの精算の際に読み取られるバーコードとは独立したものであってもよいし、購入手続に必要な情報を含んでもよい。
【0022】
本実施形態では、状況情報は地理的位置、読取日時(読取時期の一例)、ユーザID、および他商品情報のうちの少なくとも一つを含む。地理的位置とは、ユーザ端末20が商品情報をサーバ10に送信した時の該ユーザ端末20の位置であり、商品が利用された位置として扱われる。読取日時は、バーコードが読み取られた時点、または商品が利用された時点として扱われる情報である。読取時期は、実際にバーコードが読み取られた時点であってもよいし、その読み取りが行われた時点と見なすことができる時点であってもよい。ユーザIDは、商品情報を送信したユーザ端末20のユーザを一意に特定する識別子であり、商品を利用したユーザのIDとして扱われる。ユーザIDは、ユーザが情報収集システム1の利用を事前に申し込んだ際に付与または設定される。他商品情報は、バーコードが読み取られた商品とほぼ同じタイミングで利用された他の商品に関する情報である。「ほぼ同じタイミング」とは、ある商品と他の商品とが限定された時間内(例えば、1時間以内、30分以内、または10分以内)で利用されたことを示す。
【0023】
サーバ10は、1以上のユーザ端末20から商品情報および状況情報を受信して、これらの情報に基づく利用情報を利用データベース31に登録するコンピュータである。サーバ10は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数台のコンピュータで構成されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータがインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構築される。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザが所有または利用するコンピュータである。ユーザ端末20の例として、タブレット端末および高機能携帯電話機(スマートフォン)などの携帯端末と、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータとが挙げられるが、ユーザ端末20の具体的な種類は限定されない。本実施形態では、ユーザ端末20は商品情報および状況情報をサーバ10に登録させるためのアプリケーション・プログラム(登録アプリケーション)を実行可能であるとする。
【0025】
データベース群30は、1以上のデータベースの集合である。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作(例えば、抽出、追加、削除、上書きなど)に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素(記憶部)である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、テキストファイルでもよい。上述したように、本実施形態では、データベース群30は利用データベース31を含み、さらに店舗データベース32または商品データベース33を含んでもよい。
【0026】
利用データベース31は、利用情報を記憶する装置である。
図2は、利用データベース31に記憶される利用情報の例を示す。本実施形態では、利用情報の各レコードは商品情報(シリアル番号、ロット番号、商品ID、および消費期限)および状況情報(地理的位置、読取日時、ユーザID、および他商品情報(他商品の商品ID))の組合せを示す。すなわち、利用情報は、バーコードが読み取られた商品と、該バーコードが読み取られた状況との組合せを示す。
図2は例えば、ユーザ「U001」が、2016年3月20日の19時45分に地理的位置(x1,y1)で、シリアル番号が「102340567」で商品IDが「P1230」である商品を他の商品「P3405」と一緒に利用したことを示す。
【0027】
なお、利用情報の構成および表現方法は
図2の例に限定されず、商品および状況の組合せを示す限り何ら限定されない。
図2に示す2レコードではすべてのデータ項目に値が設定されているが、いくつかのデータ項目が空値(null)であってもよい。商品情報は商品の属性を示す任意の情報(例えば商品名)を含んでもよい。地理的位置は緯度経度ではなく住所で表されてもよい。利用情報は、ユーザIDに代えてまたは加えて、ユーザを示す任意の情報(例えばユーザ名)を含んでもよい。本実施形態では読取時期として読取日時を例示するが、時刻を取得することなく日にちのみを読取時期として処理してもよい。利用情報は他商品に関して商品ID以外の情報(例えばシリアル番号または商品名)を含んでもよい。
【0028】
店舗データベース32は、実店舗に関する店舗情報を記憶する装置である。「実店舗」とは、実際に商品を陳列し販売している店舗である。店舗情報の各レコードは店舗IDにより区別され、店舗に関する様々な属性(例えば店舗名、位置(例えば住所、地理的位置、または地理的範囲)、電話番号)を含み得る。
【0029】
商品データベース33は、商品の基本的な情報(商品基本情報)を記憶する装置である。商品基本情報の各レコードは商品IDにより区別され、商品に関する様々な属性(例えば商品名、型番、メーカ名、消費可能期間)を含み得る。
【0030】
データベース群30内の各データベースおよび各レコードの構成は上記のものに限定されず、各データベースに対して任意の正規化または冗長化を行ってよい。
【0031】
図3は、サーバ10として機能するコンピュータ100の一般的なハードウェア構成を示す。コンピュータ100は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するプロセッサ(例えばCPU)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、モニタなどの出力装置106とを備える。
【0032】
サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に所定のソフトウェア(例えば、後述する情報収集プログラムP1)を読み込ませてそのソフトウェアを実行させることで実現される。プロセッサ101はそのソフトウェアに従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
【0033】
図4は、サーバ10の機能構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ10は機能的構成要素として受信部11および登録部12を備える。
【0034】
受信部11は、ユーザ端末20から商品情報および状況情報を受信する機能要素である。本実施形態では、受信部11は商品情報および状況情報を含む登録要求をユーザ端末20から受信するものとする。しかし、受信部11が商品情報および状況情報を同時に受信することは必須ではなく、受信部11はこれらの情報を異なるタイミングで受信してもよい。いずれにしても、受信部11は受信した商品情報および状況情報を登録部12に出力する。
【0035】
ユーザ端末20は、バーコードの読み取りにより得られた商品情報、または他の端末または装置から受信した商品情報を取得する。その後にユーザが登録要求の送信をユーザ端末20に指示すると、ユーザ端末20は状況情報を取得する。
【0036】
ユーザ端末20は、自機の地理的位置(現在位置)を取得してもよい。ユーザ端末20がGPS(全地球測位システム)を備える場合には、ユーザ端末20はそのGPSで得られた地理的位置(例えば、緯度経度)を取得することができる。あるいは、ユーザ端末20は無線通信ネットワークのアクセスポイントの位置に基づいて自機の地理的位置を推定してもよい。ユーザ端末20はバーコードが読み取られた日時または現在日時を読取日時として取得してもよい。また、ユーザ端末20はユーザIDを取得してもよい。例えば、ユーザ端末20は、ユーザが情報収集システム1を利用する前にユーザ端末20上で所定の処理(例えば情報収集システム1へのログイン)を行った際に用いられたユーザIDを取得する。ユーザ端末20は上記の登録アプリケーションを介してユーザIDを取得してもよい。他商品情報に関しては、ユーザ端末20はバーコードの読み取りにより得られた他商品の商品情報を他商品情報として取得してもよいし、ユーザがユーザ端末20上で入力した情報を他商品情報として取得してもよい。ユーザ端末20は地理的位置、読取日時、ユーザID、および他商品情報のうちの少なくとも一つを状況情報として取得する。
【0037】
商品情報および状況情報を取得すると、ユーザ端末20はこれらの情報を含む登録要求を生成し、この登録要求をサーバ10に送信する。受信部11はその登録要求を受信して登録部12に出力する。
【0038】
登録部12は、登録要求(すなわち、商品情報および状況情報)に基づいて利用情報を生成し、その利用情報を利用データベース31に格納する機能要素である。登録部12は登録要求から商品情報および状況情報を抽出する。続いて、登録部12は、利用情報を格納するか否かを商品情報および状況情報の少なくとも一方に基づいて判定する。そして、登録を行うと判定した場合にのみ、登録部は商品情報および状況情報に基づいて利用情報を生成し、その利用情報を利用データベース31に格納する。
【0039】
登録を行うか否かの判定の方法は限定されない。例えば、登録部12は店舗データベース32を参照して、状況情報で示される地理的位置と各店舗の位置とを比較する。その地理的位置がどの実店舗の位置とも対応しない場合には、登録部12は利用情報を格納すると判定し、利用情報の生成および格納を実行する。一方、その地理的位置がいずれかの実店舗の位置と対応する場合には、登録部12は利用情報を格納しないと判定し、処理を終了する。ここで、「地理的位置が実店舗の位置と対応する」とは、地理的位置が実店舗の位置を示すと言い得る程度に双方の位置が近いことを意味する。例えば、地理的位置が店舗の位置と一致するかまたは店舗の地理的範囲に含まれる場合には、地理的位置が店舗の位置と対応するといえる。この判定処理は、実店舗内でユーザが商品を購入する前にバーコードを読み取ったと推定される場合に利用情報を登録しないことを意図するものである。
【0040】
あるいは、登録部12は商品情報で示される消費期限と読取日時とを比較する。または、登録部12は商品情報で示される製造時期と、商品データベース33から得られるバーコード情報とに基づいて商品の消費期限を推定してもよい。その消費期限が現在以降の時点であれば、登録部12は利用情報を格納すると判定し、利用情報の生成および格納を実行する。一方、その消費期限が読取日時よりも過去の時点であれば、登録部12は利用情報を格納しないと判定し、処理を終了する。この判定処理は、もはや利用できない商品のバーコードをユーザが読み取ったと推定される場合に利用情報を登録しないことを意図するものである。
【0041】
利用情報の生成方法は限定されない。例えば、登録部12は商品情報および状況情報を互いに関連付けることで利用情報のレコードを一つ生成してもよい。あるいは、登録部12は、利用情報の少なくとも一つのデータ項目の値を商品情報または状況情報に基づいて生成し、商品情報、状況情報、または生成した情報を用いて利用情報のレコードを一つ生成してもよい。例えば、登録要求から抽出した他商品情報が商品IDではない値である場合には、登録部12は商品データベース33を参照して他商品の商品IDを特定し、その商品IDを他商品情報として用いて利用情報を生成してもよい。あるいは、登録要求から抽出した状況情報が読取日時を含んでいない場合には、登録部12は自機のタイマを参照して現在日時を取得し、その現在日時を読取日時として設定してもよい。あるいは、登録部12は受信部11が登録要求を受信した日時を読取日時として設定してもよい。
【0042】
次に、
図5を参照しながら、情報収集システム1(サーバ10)の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報収集方法について説明する。
【0043】
まず、受信部11が登録要求をユーザ端末20から受信する(ステップS11、受信ステップ)。続いて、登録部12がその登録要求に応じて利用情報を格納するか否かを判定する(ステップS12)。登録部12は、利用情報を格納すると判定した場合にのみ(ステップS12においてYES)、その登録要求(すなわち、商品情報および状況情報)に基づいて利用情報を生成し、その利用情報を利用データベース31に格納する(ステップS13、登録ステップ)。
【0044】
次に、
図6を参照しながら、コンピュータをサーバ10として機能させるための情報収集プログラムP1を説明する。
【0045】
情報収集プログラムP1はメインモジュールP10、受信モジュールP11、および登録モジュールP12を含む。メインモジュールP10は、各ユーザからの情報の収集を統括的に実行する部分である。受信モジュールP11および登録モジュールP12を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の受信部11および登録部12の機能と同様である。
【0046】
情報収集プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、情報収集プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0047】
以上説明したように、本発明の一側面に係る情報収集システムは、商品に付与されたバーコードを読み取ることで得られる商品情報と、該バーコードが読み取られた状況を示す状況情報とをユーザ端末から受信する受信部と、商品情報および状況情報に基づいて、商品および状況の組合せを示す利用情報を生成し、該利用情報を利用データベースに格納する登録部とを備える。
【0048】
本発明の一側面に係る情報収集方法は、プロセッサを備える情報収集システムにより実行される情報収集方法であって、商品に付与されたバーコードを読み取ることで得られる商品情報と、該バーコードが読み取られた状況を示す状況情報とをユーザ端末から受信する受信ステップと、商品情報および状況情報に基づいて、商品および状況の組合せを示す利用情報を生成し、該利用情報を利用データベースに格納する登録ステップとを含む。
【0049】
本発明の一側面に係る情報収集プログラムは、商品に付与されたバーコードを読み取ることで得られる商品情報と、該バーコードが読み取られた状況を示す状況情報とをユーザ端末から受信する受信ステップと、商品情報および状況情報に基づいて、商品および状況の組合せを示す利用情報を生成し、該利用情報を利用データベースに格納する登録ステップとをコンピュータに実行させる。
【0050】
このような側面においては、商品に付与されたバーコードで示される商品情報と、該バーコードが読み取られた状況を示す状況情報とがユーザ端末から提供され、これらの情報に基づいて、該商品および該状況の組合せがデータベースに登録される。ユーザが商品のバーコードを読み取った状況を該商品が利用される状況と見做してデータベースに蓄積することで、商品の利用態様を示す情報を収集することができる。POS(Point Of Sales)システムでは商品が購入された時点での情報を得ることができるが、その商品が実際にどのように利用されたかという情報を得ることはできない。すなわち、本発明の一側面は、POSシステムでは不可能な情報収集を実現することができる。
【0051】
他の側面に係る情報収集システムでは、登録部が、利用情報を格納するか否かを商品情報および状況情報の少なくとも一方に基づいて判定し、利用情報を格納すると判定した場合に利用情報の生成および格納を実行してもよい。登録の要否を事前に判定することで、必要でないと推定される利用情報の蓄積を回避することができる。また、データベースの利用量を抑制することにも貢献する。
【0052】
他の側面に係る情報収集システムでは、状況情報が、ユーザ端末の地理的位置と、バーコードの読取時期と、ユーザを一意に特定するためのユーザIDと、商品とは別の商品に関する他商品情報とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。このような状況情報を用いることで、どこで商品が利用されたか、いつ商品が利用されたか、誰が商品を利用したか、または商品が何と一緒に利用されたかを把握することが可能になる。
【0053】
他の側面に係る情報収集システムでは、状況情報が少なくとも地理的位置を含み、登録部が、地理的位置と所定の実店舗の位置とを比較し、地理的位置がどの実店舗の位置とも対応しない場合に利用情報の生成および格納を実行してもよい。バーコードが実店舗で読み取られたということは、ユーザが購入前に商品のバーコードを不正に読み取った可能性がある。ユーザ端末の地理的位置を実店舗の位置と比較することで、そのような不正行為に起因する利用情報の蓄積を回避することができる。これは、利用情報の精度の向上と、データベースの利用量の抑制とにも貢献し得る。
【0054】
他の側面に係る情報収集システムでは、状況情報が少なくとも読取時期を含み、登録部が、商品情報に基づいて商品の消費期限を判定し、消費期限と読取時期とを比較し、消費期限が読取時期以降である場合に利用情報の生成および格納を実行してもよい。消費期限を過ぎた商品のバーコードが読み取られたということは、本来は利用できない商品のバーコードをユーザが不正に読み取った可能性がある。消費期限と読取時期とを比較することで、そのような不正行為に起因する利用情報の蓄積を回避することができる。これは、利用情報の精度の向上と、データベースの利用量の抑制とにも貢献し得る。
【0055】
他の側面に係る情報収集システムでは、商品が開けられる前の時点ではバーコードの少なくとも一部が視認不可能な態様でバーコードが商品に付与されてもよい。この場合には、商品が開けられる前の時点でバーコードを読み取ることが困難である。したがって、不正行為に起因する利用情報の蓄積を回避して利用情報の精度を上げることが期待できる。
【0056】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0057】
上記実施形態では、登録部12が利用情報を格納するか否かを判定したが、登録部12はこれらのような判定処理を実行することなく利用情報の生成および格納を無条件に実行してもよい。
【0058】
サーバ10とデータベース群30内の少なくとも一つのデータベースとは一体でもよい。上記実施形態では情報収集システム1がデータベース群30を備えたが、各データベースの設置箇所は限定されない。例えば、データベース群30またはその中のデータベースの少なくとも一つが、情報収集システム1とは別のコンピュータ・システムの中に存在してもよい。