(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメインを含むマウス3E10抗体と比較して、増大したDNA結合および/または細胞透過を有する、請求項1に記載の抗体または抗原結合断片。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の概要
本開示は、3E10親抗体に基づいた抗体および抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に記載のように、CDRの新規の組み合わせおよび、任意選択的に、1つまたは複数の改良された特徴を有する新規の抗体および抗原結合断片を提供する。本開示の抗体および抗原結合断片は、DNAに結合し、そして/または1つまたは複数の細胞膜(例えば、原形質膜)を通過する。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、親3E10抗体に類似して、DNAに結合することができ、ENT輸送体(例えば、ENT2輸送体および/またはENT3輸送体)を介して1つまたは複数の細胞膜(例えば、原形質膜)を通過することができる。いくつかの場合、開示の抗体および抗原結合断片は、本明細書中に記載の3E10親抗体と比較して実質的に同一またはさらに改良されたDNA結合活性および/または細胞透過活性を有する。一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、ヒト化重鎖(ヒト化重鎖可変ドメイン−VHなど)および/またはヒト化軽鎖(ヒト化軽鎖可変ドメイン−VLなど)を含む。全長抗体またはFabとして存在する場合、かかるヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト重鎖定常ドメインおよび/またはヒト軽鎖定常ドメインを含む。しかし、開示の抗体をヒト化する場合、重鎖および/または軽鎖の定常ドメインはヒトまたは別の種に由来し得ると認識される。さらに、ヒト化抗体または抗原結合断片がヒト化VH、ヒト化VL、またはヒト化VHとヒト化VLとの両方を含み得ると認識される。最後に、下記のように、ヒト化という用語がマウス親抗体の全てのフレームワーク領域の残基が対応するヒト抗体由来の配列に置換されることを必要としないと認識される。むしろ、この用語には、マウス配列に対応する1つまたは複数のフレームワーク領域の残基が保持され、従って、その位置でより頻繁にヒト配列と異なるという実施形態が含まれる。換言すれば、ヒト化重鎖可変ドメインまたはヒト化軽鎖可変ドメインの全体または一部をヒト化することができる。本開示は、同様に、開示の抗体および抗原結合断片がキメラ抗体またはヒト化抗体であり得ることを意図する。本開示を通して、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片について記載の機能上および構造上の特徴、使用、または組成が本開示の任意の抗体または抗原結合断片に同様に適用されることが意図される。
【0005】
本出願を通して、本開示の抗体または抗原結合断片および本開示のヒト化抗体または抗原結合断片(または本開示の抗体および抗原結合断片)という用語を、本明細書中に記載の抗体軽鎖と抗体重鎖との任意の組み合わせをいうために使用するが、前駆体としておよび比較のために使用されるマウスの親抗体のVHおよびVLの両方を含む抗体は含まれない。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片の一方または両方の鎖をヒト化する。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片という用語は、実施例1に記載の第一世代のヒト化抗体を明確に排除する。一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に記載のように、CDRの新規の組み合わせおよび、任意選択的に、1つまたは複数の改良された特徴を有する新規の抗体および抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、Kabatによる本開示の抗体または抗原結合断片の6つのCDRの組み合わせは、マウス3E10親抗体および実施例1に記載のヒト化抗体のものと異なる。
【0006】
一定の実施形態では、本開示は、重鎖が本明細書中に記載の任意の重鎖可変ドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、本開示は、軽鎖が本明細書中に記載の任意の軽鎖可変ドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、本開示は、重鎖が本明細書中に記載の任意の重鎖可変ドメインを含み、軽鎖が本明細書中に記載の任意の軽鎖可変ドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。例として、本開示は、重鎖が配列番号10、38、または39のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。本開示はまた、軽鎖が配列番号8または40のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。本開示はまた、配列番号10、38、または39のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む重鎖および配列番号8または40のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を意図する。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、抗体または抗原結合断片が本明細書中に記載のVLおよびCLを含む軽鎖を含むように軽鎖定常領域(CL)を含む。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、抗体または抗原結合断片がVHおよび重鎖定常領域の一部(例えば、Fcの一部;CH1、ヒンジ(またはヒンジ上部(upper hinge))、CH2、およびCH3の各ドメインのうちの1つまたは複数)を含む重鎖を含むようにCH1、ヒンジ(ヒンジ上部など)、CH2、およびCH3のうちの1つまたは複数を含む重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域および軽鎖定常領域の例を本明細書中に記載する。一定の実施形態(任意の前述の一定の実施形態など)では、抗体または抗原結合断片は、抗DNA抗体または抗原結合断片(例えば、DNAに結合することができる)である。
【0007】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、その齧歯類の前駆体の有利な性質(例えば、親抗体(DNAに結合して細胞内に透過する能力など))を保持するだけでなく、親マウス前駆体抗体の一方もしくは両方および/または一定の1つまたは複数の他の抗体(例えば、同一の親に基づいた異なるヒト化抗体)と比較して、1つまたは複数の改良された性質を有する。具体的には、本開示は、細胞透過性マウス3E10抗体(親抗体)に基づいた抗体および抗体断片を提供する。開示の抗体(およびその断片)は、そのマウス前駆体のDNA結合活性および細胞透過活性を少なくとも実質的に保持する。しかし、一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、そのマウス前駆体と比較して少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質を有する。この抗体はまた、一定の実施形態では、一定の他のヒト化抗体(例えば、同一の親抗体に基づいた他のヒト化抗体)と比較して少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質を有し得る。
【0008】
一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、マウス3E10抗体と比較して1つまたは複数のCDR(Kabatに従う)が異なる(例えば、6つのCDRの組み合わせが前述の抗体と異なる)。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、VHおよびVLの一方または両方のKabat CDR2が異なる。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、VLのKabat CDR1が異なる。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、本明細書中に記載のマウス3E10抗体と比較して、Kabat VH CDR2、VL CDR2、および、任意選択的に、VL CDR1が異なる。
【0009】
抗体(およびその抗原結合断片)(本開示の抗体が含まれる)を、異種薬剤に会合したコンジュゲートまたは融合タンパク質として提供することができる。
【0010】
かかるコンジュゲート(例えば、化学的コンジュゲートおよび/または融合物)を同様に意図する。本開示の任意の抗体または抗原結合断片は、本開示の抗体または抗原結合断片に会合された異種薬剤(例えば、コンジュゲート化された異種薬剤;本開示の抗体または抗原結合断片および本開示の抗体または抗原結合断片に会合された異種薬剤を含むコンジュゲート)をさらに含むことができる。
【0011】
本開示は、抗体および抗原結合断片、ならびにかかる抗体またはその抗原結合断片の作製方法および使用方法を提供する。文脈上明らかに別の意味を示していない限り、本開示の抗体および抗原結合断片は、任意選択的に異種薬剤を含む。
1つの態様では、本開示は、抗体または抗原結合断片であって、抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;VHドメインがヒト化されており、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み;これらのCDRはIMGTシステムを使用して定義されており(例えば、CDRはIMGTシステムに従っている);
VLドメインがヒト化されており、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み;これらのCDRはIMGTシステムを使用して定義されており(例えば、CDRはIMGTシステムに従っている)、抗体または抗原結合断片のDNA結合および/または細胞透過は、配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメインを含むマウス3E10抗体のDNA結合および/または細胞透過と比較して増加している、抗体または抗原結合断片を提供する。かかるマウス3E10は、存在する場合、マウス定常領域を含む。
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;VHドメインが、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み、
ここで、CDRはKabatシステムによって定義されており(例えば、CDRはKabatに従っている);
VLは、以下:
配列番号35または50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
ここで、CDRはKabatシステムによって定義されており(例えば、CDRはKabatに従っている);
抗体または抗原結合断片はDNAに結合する。
【0012】
いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号50のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインはヒト化されている。いくつかの実施形態では、VLドメインはヒト化されている。いくつかの実施形態では、VHドメインおよびVLドメインの両方はヒト化されている。上述のように、ヒト化は、全体または一部であり得る(例えば、1つまたは複数(または全て)のフレームワーク領域の全てまたは一部をヒト化することができる)。
【0013】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片)は、マウス3E10親抗体のものに少なくともほぼ匹敵するDNA結合活性および細胞透過活性を有し、任意選択的に、DNA結合活性および細胞透過活性の一方または両方が同一であるかさらに改良されている。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体および抗原結合断片)は、DNAに結合することが可能であり、1つまたは複数の細胞膜(例えば、原形質膜)を通過することが可能である。一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、3E10親抗体のものに少なくともほぼ匹敵するDNA結合活性および細胞透過活性を有し、任意選択的に、DNA結合活性および細胞透過活性の一方または両方が同一であるかさらに改良されている。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、DNAに結合することが可能であり、1つまたは複数の細胞膜(例えば、原形質膜;例えば、細胞質内への送達を容易にするため)を通過することが可能である。一定の実施形態では、親抗体との比較は、3E10親のVHドメインおよびVLドメインならびにマウス定常領域を有する抗体との比較である。
【0014】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むV
Lドメイン、または配列番号40と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号40と異なるアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列、または配列番号8と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号8と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む。
【0015】
一定の実施形態では、本開示は、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片であって、軽鎖が、配列番号40に記載のアミノ酸配列、または配列番号40と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号40と異なるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、本開示は、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片であって、軽鎖が、配列番号8に記載のアミノ酸配列、または配列番号8と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号8と異なるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む。
【0016】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むV
Hドメイン、または配列番号38と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号38と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列、または配列番号39と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号39と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列、または配列番号10と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号10と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む。
【0017】
一定の実施形態では、本開示は、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片であって、重鎖が、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むV
Hドメイン、または配列番号38と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号38と異なるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖を含む抗体または抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列、または配列番号39と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号39と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列、または配列番号10と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号10と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む。
【0018】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインはヒト化されており、且つ配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。一定の実施形態では、V
Hドメインは、IMGTシステムによって定義した場合に配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含む。
【0019】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインはヒト化されており、且つ配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。一定の実施形態では、V
Hドメインは、IMGTシステムによって定義した場合に配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含む。
【0020】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインはヒト化されており、且つ配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。一定の実施形態では、V
Lドメインは、IMGTシステムによって定義した場合に配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含む。
【0021】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインはヒト化されており、且つ配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。一定の実施形態では、V
Lドメインは、IMGTシステムによって定義した場合に配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含む。
【0022】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。一定の実施形態では、V
Lドメインは、IMGTシステムによって定義した場合に配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含む。
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片のV
Hドメインは、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
【0023】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片のV
Lドメインは、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
【0024】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片のV
Hドメインは、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V5Q、E6Q、L11V、V12I、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、S88A、M93V、T111L、またはL112Vを含む(例えば、VHドメインは、配列番号9のアミノ酸配列と比較して、対応する位置に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含む)。変化の例は、1つまたは複数のフレームワーク領域中に存在する。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、1つまたは複数の以下を含むVHドメインを含む:配列番号9の5位に対応する位置のQ、配列番号9の6位に対応する位置のQ、配列番号9の11位に対応する位置のV、配列番号9の12位に対応する位置のI、配列番号9の13位に対応する位置のQ、配列番号9の18位に対応する位置のL、配列番号9の19位に対応する位置のR、配列番号9の37位に対応する位置のI、配列番号9の42位に対応する位置のG、配列番号9の49位に対応する位置のS、配列番号9の63位に対応する位置のS、配列番号9の残基75に対応する位置のS、配列番号9の80位に対応する位置のY、配列番号9の84位に対応する位置のN、配列番号9の88位に対応する位置のA、配列番号9の位置93に対応する位置のバリン、配列番号9の111位に対応する位置のL、または配列番号9の112位に対応する位置のV。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V5Q、L11V、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、M93V、T111L、またはL112Vを含む(例えば、VHドメインは、配列番号9のアミノ酸配列と比較して、対応する位置に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含む)。変化の例は、1つまたは複数のフレームワーク領域中に存在する。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10の前記アミノ酸の変化を含む。一定の実施形態では、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はV5Q変化である。一定の実施形態では、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はE6Q変化である。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はL11V変化である。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はV37I変化である。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸88位に対応するアミノ酸の位置にセリンを保持している。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸12位に対応するアミノ酸の位置にバリンを保持している。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸47位に対応するアミノ酸の位置にトリプトファンを保持している。一定の実施形態では、VHドメインは、配列番号9のアミノ酸88位に対応するアミノ酸の位置にセリンを含む。一定の実施形態では、VHドメインは、配列番号9のアミノ酸12位(positon)に対応するアミノ酸の位置にバリンを含む。一定の実施形態では、VHドメインは、配列番号9のアミノ酸47位(positon)に対応するアミノ酸の位置(positon)にトリプトファンを含む。
【0025】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片のV
Lドメインは、配列番号7の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、S22T、M37L、H38A、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、A87F、またはG104A(例えば、VLドメインは、配列番号7のアミノ酸配列と比較して、対応する位置に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含む)。変化の例は、1つまたは複数のフレームワーク領域中に存在する。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、1つまたは複数の以下を含むVLドメインを含む:配列番号7の3位に対応する位置のQ、配列番号7の4位に対応する位置のM、配列番号7の9位に対応する位置のS、配列番号7の12位に対応する位置のS、配列番号7の13位に対応する位置のA、配列番号7の15位に対応する位置のV、配列番号7の17位に対応する位置のD、配列番号7の19位に対応する位置のV、配列番号7の22位に対応する位置のT、配列番号7の37位に対応する位置のL、配列番号7の38位に対応する位置のA、配列番号7の45位に対応する位置のE、配列番号7の46位に対応する位置のK、配列番号7の47位に対応する位置のA、配列番号7の59位に対応する位置のQ、配列番号7の64位に対応する位置のS、配列番号7の76位に対応する位置のT、配列番号7の78位に対応する位置のT、配列番号7の80位に対応する位置のS、配列番号7の81位に対応する位置のS、配列番号7の82位に対応する位置のL、配列番号7の83位に対応する位置のQ、配列番号7の84位に対応する位置のP、配列番号7の87位に対応する位置のV、配列番号7の87位に対応する位置のF、または配列番号7の104位に対応する位置のA。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、またはG104A(例えば、VLドメインは、配列番号7のアミノ酸配列と比較して、対応する位置に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含む)。変化の例は、1つまたは複数のフレームワーク領域中に存在する。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18の前記アミノ酸の変化を含む。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の各位置にセリンを含む。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸53位に対応するアミノ酸の位置にリジンを保持している。一定の実施形態では、V
Lドメインは、1つまたは複数の以下のアミノ酸の組み合わせ:
a)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびセリン;
b)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびグリシン;または
c)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびプロリンのいずれも持たない。
【0026】
配列番号7または9に記載のアミノ酸配列と比較した特定の位置での任意の前述の変動について言及していると理解すべきである。本開示の抗体または抗原結合断片は、配列番号7または9のアミノ酸配列と比較した対応する位置に1つまたは複数のかかるアミノ酸の変化を含むことができる。例として、一定の実施形態では、VHドメインは、配列番号9の11位に対応する位置のLからVへの変化(例えば、L11V変化)を含む。これは、前述の全ての変化を説明することもできる方法の例であり、かかる説明が明確に意図される。別の例として、一定の実施形態では、VLドメインは、配列番号7の3位に対応する位置にVからQへの変化(例えば、V3Q変化)を含む。
【0027】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片はscFvである。一定の実施形態では、scFvは、V
HドメインとV
Lドメインとを相互接続するリンカーを含む。一定の実施形態では、リンカーはグリシン−セリンリンカーである。一定の実施形態では、グリシン−セリンリンカーは(G
4S)
3リンカーである。一定の実施形態では、scFvのV
Hドメインは、V
LドメインのN末端である。一定の実施形態では、scFvのV
Hドメインは、V
LドメインのC末端である。
【0028】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片はFabまたはFab’である。一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片はF(ab’)2断片である。
【0029】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片は、重鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメイン(例えば、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3の各ドメインを含むFc領域を含む重鎖定常ドメイン)を含む全長抗体である。全長未満の抗体も意図する。
【0030】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片はヒト化されており、マウス抗体と比較して、少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連し、マウス抗体は配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むV
Lドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含み、そして/またはオルタナティブ抗体またはその抗原結合断片と比較して、前記オルタナティブ抗体または抗原結合断片は、配列番号7に記載のアミノ酸配列のCDRを含むV
Lドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列のCDRを含むV
Hドメインを含み;前記オルタナティブ抗体または断片は配列番号8または40のアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含まず、そして/または前記オルタナティブ抗体または断片は配列番号10、38、または39のいずれかのアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含まない。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインは配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、オルタナティブ抗体またはその断片は、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、これらのCDRはIMGTシステムによって定義されている。いくつかの実施形態では、オルタナティブ抗体またはその断片は、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号33のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号36のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、これらのCDRはKabatにしたがって定義されている。
【0031】
前述または以下のいずれかの一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、ここで、CDRはIMGTシステムにしたがって定義されており;および/または
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号35または50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、ここで、CDRはKabatによって定義されている。
【0032】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、マウス3E10抗体またはオルタナティブ抗体と比較した本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片の優れた生物学的性質または生理学的性質は、生理学的に許容され得るキャリア中の抗体または断片の溶解性の増加である。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、宿主細胞中で作製された場合の抗体または断片の発現レベルがより高いことである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、細胞内の抗体または断片の毒性がより低いことである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、少なくとも24時間後の生理学的に許容され得るキャリア中の抗体または断片の凝集が減少することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、少なくとも24時間後の生理学的に許容され得るキャリア中の抗体または断片の安定性が増加することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、抗体または断片による細胞透過が改良されることである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、抗体または断片によるDNA結合が改良されることである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、ある細胞型における産生後の抗体または断片のグリコシル化が同一細胞型における産生後のマウス抗体またはオルタナティブ抗体のものと比較して減少することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、ある細胞型における産生後の抗体または断片のグリコシル化が同一細胞型における産生後のマウス抗体またはオルタナティブ抗体のものと比較して増加することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、生理学的に許容され得るキャリア中の抗体または断片の脱アミド化が減少することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、生理学的に許容され得るキャリア中の抗体または断片の酸化が低下することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、ある細胞型における産生後の抗体または断片のリピド化(lipidation)が同一細胞型における産生後のマウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して低下することである。一定の実施形態では、優れた生物学的性質または生理学的性質は、ENT輸送体(例えば、ENT2輸送体および/またはENT3輸送体)を介した抗体または断片の内在化が増加すること、および/またはSPRまたはQCMによって測定するか、ELISAによって測定した場合により低いK
Dによって示されるDNAへのより高い親和性結合である。
【0033】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片が異種薬剤にコンジュゲート化されている(例えば、相互接続されているか;連結されているか、会合されている)(例えば、抗体または抗原結合断片に会合された異種薬剤をさらに含む)。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、異種薬剤にコンジュゲート化されていない(例えば、抗体または抗原結合断片は異種薬剤をさらに含まない)。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は異種治療薬にコンジュゲート化していない。一定の実施形態では、異種薬剤は、ポリペプチドまたはペプチド(治療用ポリペプチドまたはペプチドなど)である。一定の実施形態では、異種薬剤は核酸または有機小分子である。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は異種薬剤のN末端である。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は異種薬剤のC末端である。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片および異種薬剤は、リンカーを介して相互接続している。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片および異種薬剤は、リンカーを使用しないで相互接続している。一定の実施形態では、異種薬剤は、エピトープタグ(HAタグまたはmycタグなど)ではない。一定の実施形態では、エピトープタグ(HAタグまたはmycタグなど)は存在するが、さらなる異種薬剤も存在する(例えば、抗体または抗原結合断片は、エピトープタグのみにコンジュゲート化するわけではない)。一定の実施形態では、異種薬剤は、放射性部分(moiety)や蛍光性部分ではない。誤解を避けるために、シグナル配列は異種薬剤ではない。一定の実施形態では、異種薬剤は治療薬である。一定の実施形態では、抗体または断片および異種薬剤は、化学的にコンジュゲート化している。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片および異種薬剤は融合タンパク質である(例えば、相互接続の全てまたは一部が、抗体の一部と異種薬剤の一部との間の融合タンパク質を介している)。本明細書中に詳述するように、「コンジュゲート化された」は、本開示の任意の抗体または抗原結合部分が相互接続と無関係に異種薬剤と会合または相互接続するシナリオをいう(例えば、相互接続/会合は、化学的コンジュゲート化、共有結合、ジスルフィド結合などまたはその組み合わせを含み得る)。一定の実施形態では、相互接続の少なくとも一部は、共有結合を介する(開示の抗体の重鎖と異種薬剤(開示の抗体の軽鎖とさらに会合することができる)との間での融合タンパク質の形成など)。したがって、本開示は、かかるコンジュゲートおよびかかるコンジュゲートを含む薬学的組成物を提供する。コンジュゲートは、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合部分を含む分子である。同様に、開示の抗体または抗原結合断片は、異種薬剤をさらに含むことができる。
【0034】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化した異種薬剤は、ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置に適切な薬剤である。一定の実施形態では、障害は筋緊張性ジストロフィである。一定の実施形態では、障害はハンチントン病である。一定の実施形態では、障害は神経線維腫症である。一定の実施形態では、薬剤は、CUG反復に結合し(例えば、CUG反復の存在下でCUGに結合し)、そして/またはエクソンスプライシングを制御することが可能であるMBNL1ポリペプチドまたはその断片である。いくつかの実施形態では、薬剤は、CUG反復に結合し、YGCYモチーフに結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することが可能である、配列番号12〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むMBNL1ポリペプチドまたはその断片である。いくつかの実施形態では、薬剤は、CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することが可能である配列番号12〜18または55〜59のいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも90%(または少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一のアミノ酸配列を含むMBNLポリペプチドまたはその断片である。一定の実施形態では、その断片は、少なくとも4つの亜鉛フィンガーモチーフを含むMBNLの断片である。一定の実施形態では、その断片は、少なくとも2つの亜鉛フィンガーモチーフを含むMBNLの断片である。
【0035】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化した異種薬剤は酵素である。一定の実施形態では、酵素は、酵素補充療法としての使用に適切である。一定の実施形態では、酵素補充療法は、筋細管筋障害のための処置法である。一定の実施形態では、異種薬剤は、MTM1タンパク質またはその機能的断片である。一定の実施形態では、MTM1タンパク質は、配列番号11に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%(または少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)同一のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。
【0036】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化した異種薬剤は、糖原貯蔵障害の処置に適切な薬剤である。一定の実施形態では、糖原貯蔵障害はポンペ病である。一定の実施形態では、糖原貯蔵障害はフォーブス・コリ病である。いくつかの実施形態では、異種薬剤は、成熟GAAポリペプチドを含む酸性α−グルコシダーゼ(GAA)ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、異種薬剤は、成熟GAAを含むGAAポリペプチドであり、GAAポリペプチドはおよそ110キロダルトンのGAA前駆体ポリペプチドではない。いくつかの実施形態では、成熟GAAポリペプチドの分子量はおよそ70〜76キロダルトンである。一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸残基1〜56を含まない。一定の実施形態では、成熟GAAポリペプチドは、配列番号22の残基122〜782または配列番号22の残基204〜782から選択されるアミノ酸配列からなる。一定の実施形態では、薬剤はアミログルコシダーゼ(AGL)ポリペプチドまたはその機能的断片であり、AGLポリペプチドまたは断片はアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する。一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、配列番号19〜21のいずれかと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、コンジュゲートは、アミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する。
【0037】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片をコードする核酸を提供する。他の実施形態では、本開示は、本明細書中に開示の任意のコンジュゲート(例えば、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)異種薬剤を含む任意のコンジュゲート)をコードする核酸を提供する。一定の実施形態では、核酸は、異なるベクター上で発現された核酸対である。
【0038】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に開示の任意の核酸を含むベクターを提供する。一定の実施形態では、本開示は、ベクター対を提供し、第1のベクターは本開示の抗体または抗原結合断片の重鎖(または重鎖の一部)をコードするヌクレオチド配列を含み、第2のベクターは本開示の抗体または抗原結合断片の軽鎖(または軽鎖の一部)をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0039】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に開示の任意のベクターを含む宿主細胞を提供する。一定の実施形態では、宿主細胞は、不死化細胞であるか、ベクターを発現するように安定にトランスフェクトされている。前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、ポリペプチドの産生方法であって、宿主細胞を提供する工程および適切な条件下で宿主細胞を培養してポリペプチドを産生する、培養する工程を含む方法を提供する。
【0040】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、ヌクレオチド反復障害の処置を必要とする被験体におけるヌクレオチド反復障害を処置する方法であって、異種薬剤(CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することが可能であるMBNL1ポリペプチドまたはその断片など)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、障害は筋緊張性ジストロフィである。一定の実施形態では、障害はハンチントン病である。
【0041】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、酵素補充処置を必要とする被験体に酵素補充処置を提供する方法であって、異種薬剤(MTM1タンパク質、GAAポリペプチド、またはAGLポリペプチドなど)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0042】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、糖原貯蔵障害の処置を必要とする被験体における糖原貯蔵障害を処置する方法であって、GAAポリペプチドまたはAGLポリペプチド(本明細書中に開示のGAAポリペプチドまたはAGLポリペプチドのいずれかなど)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0043】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、筋細管筋障害の処置を必要とする被験体における筋細管筋障害を処置する方法であって、MTM1タンパク質(本明細書中に開示の任意のMTMタンパク質など)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0044】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、ポンペ病の処置を必要とする被験体におけるポンペ病を処置する方法であって、GAAポリペプチド(本明細書中に開示の任意のGAAポリペプチドなど)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0045】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、フォーブス・コリ病の処置を必要とする被験体におけるフォーブス・コリ病を処置する方法であって、GAAポリペプチドまたはAGLポリペプチド(本明細書中に開示のGAAポリペプチドまたはAGLポリペプチドのいずれかなど)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0046】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、神経線維腫症1の処置を必要とする被験体における神経線維腫症1を処置する方法であって、MBNLポリペプチドまたはその断片(本明細書中に開示の任意のMBNLポリペプチドまたはその断片など)にコンジュゲート化した本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0047】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、腫瘍細胞の成長の阻害および/または癌の処置を必要とする被験体における腫瘍細胞の成長の阻害および/または癌の処置方法であって、本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
【0048】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、生理学的に許容され得るキャリア中に製剤化された本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片を含む組成物を提供する。一定の実施形態では、組成物は発熱物質を含まない。
【0049】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本開示は、異種薬剤を細胞または組織内に(細胞質内などに)送達する方法であって、細胞を、本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片と接触させる工程を含む方法を提供する。一定の実施形態では、細胞または組織は被験体内に存在し、接触させる工程は、抗体または抗原結合断片を被験体に投与することを含む。一定の実施形態では、細胞または組織はin vitroで存在する。一定の実施形態では、細胞は骨格筋細胞であり、組織は骨格筋を含む。一定の実施形態では、細胞は心筋細胞であり、組織は心筋を含む。一定の実施形態では、細胞は肝細胞であり、組織は肝組織を含む。一定の実施形態では、細胞はニューロンであり、組織は神経組織を含む。一定の実施形態では、細胞は腎臓細胞であり、組織は腎臓組織を含む。一定の実施形態では、被験体は、ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害を有する被験体である。一定の実施形態では、被験体は、酵素欠乏障害を有し、且つ酵素補充療法を必要とする被験体である。一定の実施形態では、被験体は、糖原貯蔵障害を有する被験体である。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片を、被験体の細胞内に送達する。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片を細胞質内に送達する。
【0050】
本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせ、ならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態との組み合わせを意図する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインが、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み、
これらのCDRはKabatシステムに従っており;
該VLは、以下:
配列番号35または50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはKabatシステムに従っており;
該抗体または抗原結合断片がDNAに結合する、抗体または抗原結合断片。
(項目2)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインがヒト化されており、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み、
これらのCDRはIMGTシステムに従っており;
該VLドメインがヒト化されており、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはIMGTシステムに従っており;
該抗体または抗原結合断片のDNA結合および/または細胞透過が、配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメインを含むマウス3E10抗体のDNA結合および/または細胞透過と比較して増加している、抗体または抗原結合断片。
(項目3)
前記VHドメインがヒト化されている、項目1に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目4)
前記VLドメインがヒト化されている、項目1または項目3に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目5)
前記VLドメインが、配列番号40に記載のアミノ酸配列、または配列番号40と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号40と異なるアミノ酸配列を含む、項目1〜項目4に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目6)
前記VLドメインが、配列番号8に記載のアミノ酸配列、または配列番号8と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号8と異なるアミノ酸配列を含む、項目1〜項目4に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目7)
前記VLが配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む、項目4または項目5に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目8)
前記VLが配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む、項目4に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目9)
前記VHドメインが、配列番号38に記載のアミノ酸配列、または配列番号38と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号38と異なるアミノ酸配列を含む、項目1〜8のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目10)
前記VHドメインが、配列番号39に記載のアミノ酸配列、または配列番号39と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号39と異なるアミノ酸配列を含む、項目1〜8のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目11)
前記VHドメインが、配列番号10に記載のアミノ酸配列、または配列番号10と比較してIMGTシステムによって定義した場合にフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸置換が存在することが配列番号10と異なるアミノ酸配列を含む、項目1〜8のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目12)
前記VHが配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む、項目9に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目13)
前記VHが配列番号39に記載のアミノ酸配列を含む、項目10に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目14)
前記VHが配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む、項目11に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目15)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VLドメインがヒト化されており、且つ配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;該VHドメインが配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、抗体または抗原結合断片。
(項目16)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VLドメインがヒト化されており、且つ配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;該VHドメインが配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、抗体または抗原結合断片。
(項目17)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインがヒト化されており、且つ配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、抗体または抗原結合断片。
(項目18)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインがヒト化されており、且つ配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、抗体または抗原結合断片。
(項目19)
抗体または抗原結合断片であって、該抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインがヒト化されており、且つ配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、抗体または抗原結合断片。
(項目20)
前記VHドメインがヒト化されており、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む、項目15または項目16に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目21)
前記VLドメインがヒト化されており、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、項目15〜19のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目22)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V5Q、E6Q、L11V、V12I、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、S88A、M93V、T111L、またはL112Vを含む、項目1〜8、15または16または20のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目23)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V5Q、L11V、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、M93V、T111L、またはL112Vを含む、項目22に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目24)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10の前記アミノ酸の変化を含む、項目22または項目23に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目25)
配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、前記VHドメイン中の少なくとも1つの変化がV5Q変化である、項目22〜24のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目26)
配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、前記VHドメイン中の少なくとも1つの変化がE6Q変化である、項目22〜25のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目27)
配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、前記VHドメイン中の少なくとも1つの変化がL11V変化である、項目22〜26のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目28)
配列番号9のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、前記VHドメイン中の少なくとも1つの変化がV37I変化である、項目22〜27のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目29)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸88位に対応するアミノ酸の位置にセリンを保持している、項目1〜8、15、16、20、および22〜28のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目30)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸12位に対応するアミノ酸の位置にバリンを保持している、項目1〜8、15、16、20、および22〜29のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目31)
前記VHドメインが、配列番号9のアミノ酸47位に対応するアミノ酸の位置にトリプトファンを保持している、項目1〜8、15、16、20、および22〜30のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目32)
前記VLドメインが、配列番号7のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、S22T、M37L、H38A、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、A87F、またはG104Aを含む、項目1〜4、9〜14、17〜19、および22〜31のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目33)
前記VLドメインが、配列番号7のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、またはG104Aを含む、項目1〜4、9〜14、17〜19、および22〜32に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目34)
前記VLドメインが、配列番号7のアミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合に、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18の前記アミノ酸の変化を含む、項目32または項目33に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目35)
前記VLドメインが、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の各位置にセリンを含む、項目32、33、または34に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目36)
前記VLドメインが、配列番号7のアミノ酸53位に対応するアミノ酸の位置にリジンを保持している、項目32〜35のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目37)
前記VLドメインが、以下のアミノ酸の組み合わせ:
a)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびセリン;または
b)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびグリシン;または
c)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびプロリン
のいずれも持たない、項目32〜36のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目38)
scFvである、項目1〜37のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目39)
Fab’である、項目1〜37のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目40)
F(ab’)2断片である、項目1〜37のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目41)
重鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメインを含む全長抗体である、項目1〜37のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目42)
前記scFvは、VHとVLとを相互接続するリンカーを含む、項目38に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目43)
前記リンカーがグリシン−セリンリンカーである、項目42に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目44)
前記グリシン−セリンリンカーが(G4S)3リンカーである、項目42に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目45)
前記VHドメインが前記VLドメインのN末端である、項目42〜44のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目46)
前記VHドメインが前記VLドメインのC末端である、項目42〜44のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目47)
前記抗体または抗原結合断片がヒト化されており、マウス抗体であって、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むVHドメインを含むマウス抗体と比較した場合に、かつ/またはオルタナティブヒト化抗体またはその抗原結合断片であって、該オルタナティブヒト化抗体または抗原結合断片が、配列番号7に記載のアミノ酸配列のCDRを含むVLドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列のCDRを含むVHドメインを含み;該オルタナティブヒト化抗体または断片が配列番号8または40のアミノ酸配列を含むVLドメインを含まず、かつ/または該オルタナティブヒト化抗体または断片が配列番号10、38、または39のいずれかのアミノ酸配列を含むVHドメインを含まない、オルタナティブヒト化抗体またはその抗原結合断片と比較した場合に、少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する、項目1〜46のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目48)
前記ヒト化抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VLドメインが配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;該VHドメインが配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、項目47に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目49)
前記ヒト化抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VLドメインが配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;該VHドメインが配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、項目47に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目50)
前記ヒト化抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインが配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、項目47に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目51)
前記ヒト化抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインが配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、項目47に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目52)
前記ヒト化抗体または抗原結合断片が軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;該VHドメインが配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;該VLドメインが配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、該抗体または抗原結合断片がDNAに結合し、細胞を透過する、項目47に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目53)
前記オルタナティブヒト化抗体またはその断片が、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはIMGTシステムに従っている、項目47〜52のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目54)
前記オルタナティブヒト化抗体またはその断片が、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号33のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号36のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはKabatシステムに従っている、項目47〜52のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目55)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、生理学的に許容され得るキャリアにおける溶解度が増加することである、項目47〜54のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目56)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、宿主細胞中で作製された場合の発現レベルが高いことである、項目47〜55のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目57)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、細胞における毒性が低いことである、項目47〜56のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目58)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、少なくとも24時間後の生理学的に許容され得るキャリア中の凝集が減少することである、項目47〜57のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目59)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、少なくとも24時間後の生理学的に許容され得るキャリアにおける安定性が増加することである、項目47〜58のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目60)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、細胞透過が改良されることである、項目47〜59のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目61)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、DNA結合が改良されることである、項目47〜60のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目62)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、ある細胞型における産生後のグリコシル化が同一細胞型における産生後の前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して減少することである、項目47〜61のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目63)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、ある細胞型における産生後のグリコシル化が同一細胞型における産生後の前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して増加することである、項目47〜62のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目64)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、生理学的に許容され得るキャリア中の脱アミド化が低下することである、項目47〜63のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目65)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、生理学的に許容され得るキャリア中の酸化が低下することである、項目47〜64のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目66)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、ある細胞型における産生後のリピド化が同一細胞型における産生後の前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して低下することである、項目47〜65のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目67)
前記優れた生物学的性質または生理学的性質が、前記マウス抗体またはオルタナティブ抗体と比較して、ENT2輸送体を介した内在化が増加すること、および/またはSPRまたはQCMによって測定した場合により低いKDによって示されるDNAへのより高い親和性結合である、項目47〜66のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目68)
前記抗体または抗原結合断片が異種薬剤にコンジュゲート化されている、項目1〜67のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目69)
前記抗体または抗原結合断片がコンジュゲート化された異種薬剤をさらに含む、項目1〜67のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目70)
前記異種薬剤がポリペプチドまたはペプチドである、項目68または69に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目71)
前記異種薬剤が核酸または有機小分子である、項目68または項目69に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目72)
前記抗体または抗原結合断片が前記異種薬剤のN末端である、項目68〜71のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目73)
前記抗体または抗原結合断片が前記異種薬剤のC末端である、項目68〜71のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目74)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤がリンカーを介して相互接続している、項目72または項目73に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目75)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤が、リンカーを使用しないで相互接続している、項目72または項目73に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目76)
前記抗体または断片および前記異種薬剤が化学的にコンジュゲート化している、項目72〜75のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目77)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤が融合タンパク質を含む、項目72〜75のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目78)
前記異種薬剤がヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置に適切な薬剤である、項目68〜77のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目79)
前記障害が筋緊張性ジストロフィである、項目78に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目80)
前記障害がハンチントン病である、項目78に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目81)
前記障害が神経線維腫症である、項目78に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目82)
前記異種薬剤が、CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することができるMBNL1ポリペプチドまたはその断片である、項目68〜81のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目83)
前記異種薬剤が、CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することができる、配列番号12〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むMBNL1ポリペプチドまたはその断片である、項目82に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目84)
前記異種薬剤が酵素である、項目68〜77のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目85)
前記酵素が酵素補充療法としての使用に適切である、項目84に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目86)
前記酵素補充療法が筋細管筋障害の処置のための治療法である、項目85に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目87)
前記異種薬剤が、MTM1タンパク質またはその機能的断片である、項目68〜77および84〜86のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目88)
前記MTM1タンパク質が、配列番号11に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目87に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目89)
前記異種薬剤が糖原貯蔵障害の処置に適切な薬剤である、項目68〜76のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目90)
前記糖原貯蔵障害がポンペ病である、項目89に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目91)
前記糖原貯蔵障害がフォーブス・コリ病である、項目90に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目92)
前記薬剤が、成熟GAAポリペプチドを含む酸性α−グルコシダーゼ(GAA)ポリペプチドである、項目68〜77および89〜90のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目93)
前記GAAポリペプチドが配列番号22のアミノ酸残基1〜56を含まない、項目92に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目94)
前記GAAポリペプチドが配列番号22のアミノ酸残基1〜57を含まない、項目92に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目95)
前記成熟GAAポリペプチドの分子量がおよそ70〜76キロダルトンである、項目92〜94のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目96)
前記成熟GAAポリペプチドが、配列番号22の残基122〜782または配列番号22の残基204〜782から選択されるアミノ酸配列からなる、項目92〜95のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目97)
前記薬剤がアミログルコシダーゼ(AGL)ポリペプチドまたはその機能的断片であり、該AGLポリペプチドまたは断片がアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する、項目68〜77、89、および91のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目98)
前記AGLポリペプチドが配列番号19〜21のいずれかと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、コンジュゲートがアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する、項目97に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目99)
(i)項目1〜67のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合断片および(ii)該抗体または抗原結合断片に会合した異種薬剤を含むコンジュゲート。
(項目100)
前記異種薬剤がポリペプチドまたはペプチドである、項目99に記載のコンジュゲート。
(項目101)
前記異種薬剤が核酸または有機小分子である、項目99に記載のコンジュゲート。
(項目102)
前記抗体または抗原結合断片が前記異種薬剤のN末端である、項目99〜101のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目103)
前記抗体または抗原結合断片が前記異種薬剤のC末端である、項目99〜101のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目104)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤がリンカーを介して相互接続されている、項目102または103に記載のコンジュゲート。
(項目105)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤が、リンカーを使用しないで相互接続している、項目102または項目103に記載の抗体または抗原結合断片。
(項目106)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤が化学的にコンジュゲート化している、項目99〜105のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片。
(項目107)
前記抗体または抗原結合断片および前記異種薬剤が融合タンパク質である、項目99〜105のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目108)
前記異種薬剤がヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置に適切な薬剤である、項目99〜107のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目109)
前記障害が筋緊張性ジストロフィである、項目108に記載のコンジュゲート。
(項目110)
前記障害がハンチントン病である、項目108に記載のコンジュゲート。
(項目111)
前記障害が神経線維腫症である、項目108に記載のコンジュゲート。
(項目112)
前記異種薬剤が、CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することができるMBNL1ポリペプチドまたはその断片である、項目108〜111のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目113)
前記異種薬剤が、CUG反復に結合し、そして/またはエクソンスプライシングを制御することができる、配列番号12〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むMBNL1ポリペプチドまたはその断片である、項目112に記載のコンジュゲート。
(項目114)
前記異種薬剤が酵素である、項目99〜111のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目115)
前記酵素が酵素補充療法としての使用に適切である、項目114に記載のコンジュゲート。
(項目116)
前記酵素補充療法が筋細管筋障害の処置のための治療法である、項目115に記載のコンジュゲート。
(項目117)
前記異種薬剤がMTM1タンパク質またはその機能的断片である、項目99〜107および114〜116のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目118)
前記MTM1タンパク質が、配列番号11に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目117に記載のコンジュゲート。
(項目119)
前記異種薬剤が糖原貯蔵障害の処置に適切な薬剤である、項目99〜107のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目120)
前記糖原貯蔵障害がポンペ病である、項目119に記載のコンジュゲート。
(項目121)
前記糖原貯蔵障害がフォーブス・コリ病である、項目119に記載のコンジュゲート。
(項目122)
前記異種薬剤が、成熟GAAポリペプチドを含む酸性α−グルコシダーゼ(GAA)ポリペプチドである、項目99〜107および119〜121のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目123)
前記GAAポリペプチドが配列番号22のアミノ酸残基1〜56を含まない、項目122に記載のコンジュゲート。
(項目124)
前記GAAポリペプチドが配列番号22のアミノ酸残基1〜57を含まない、項目122に記載のコンジュゲート。
(項目125)
前記薬剤がアミログルコシダーゼ(AGL)ポリペプチドまたはその機能的断片であり、該AGLポリペプチドまたは断片がアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する、項目99〜107、119、および121のいずれかに記載のコンジュゲート。
(項目126)
前記AGLポリペプチドが配列番号19〜21のいずれかと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記コンジュゲートがアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する、項目125に記載のコンジュゲート。
(項目127)
項目1〜98のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合断片をコードする核酸。
(項目128)
項目99〜126のいずれかに記載のコンジュゲートをコードする核酸。
(項目129)
項目127または128に記載の核酸を含むベクター。
(項目130)
項目129に記載のベクターを含む宿主細胞。
(項目131)
前記宿主細胞が不死化細胞であるか、または前記ベクターを安定に発現する、項目130に記載の宿主細胞。
(項目132)
ポリペプチドを産生する方法であって、
項目130または131に記載の宿主細胞を提供する工程、および
適切な条件下で該宿主細胞を培養して該ポリペプチドを産生させる、培養する工程
を含む方法。
(項目133)
ヌクレオチド反復障害の処置を必要とする被験体におけるヌクレオチド反復障害を処置する方法であって、項目82または83に記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目134)
前記障害が筋緊張性ジストロフィである、項目133に記載の方法。
(項目135)
前記障害がハンチントン病である、項目133に記載の方法。
(項目136)
酵素補充処置を必要とする被験体に酵素補充処置を提供する方法であって、項目84〜88のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目137)
糖原貯蔵障害の処置を必要とする被験体における糖原貯蔵障害を処置する方法であって、項目89〜98のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目138)
筋細管筋障害の処置を必要とする被験体における筋細管筋障害を処置する方法であって、項目87または88に記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目139)
ポンペ病の処置を必要とする被験体におけるポンペ病を処置する方法であって、項目92〜96のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目140)
フォーブス・コリ病の処置を必要とする被験体におけるフォーブス・コリ病を処置する方法であって、項目97または98に記載の抗体または抗原結合断片を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目141)
生理学的に許容され得るキャリア中に製剤化された、項目1〜98のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片あるいは項目99〜126のいずれかに記載のコンジュゲートを含む組成物。
(項目142)
前記組成物が発熱物質を含まない、項目141に記載の組成物。
(項目143)
細胞または組織内に異種薬剤を送達する方法であって、細胞を、項目1〜98のいずれかに記載の抗体または抗原結合断片あるいは項目99〜126のいずれかに記載のコンジュゲートと接触させる工程を含む、方法。
(項目144)
前記細胞または組織が被験体内に存在し、接触させる工程が、前記抗体または抗原結合断片または前記コンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、項目143に記載の方法。
(項目145)
前記細胞または組織がin vitroで存在する、項目143に記載の方法。
(項目146)
前記細胞は骨格筋細胞であり、前記組織は骨格筋を含む、項目143〜145のいずれかに記載の方法。
(項目147)
前記細胞は心筋細胞であり、前記組織は心筋を含む、項目143〜145のいずれかに記載の方法。
(項目148)
前記細胞は肝細胞であり、前記組織は肝組織を含む、項目143〜145のいずれかに記載の方法。
(項目149)
前記細胞はニューロンであり、前記組織は神経組織を含む、項目143〜145のいずれかに記載の方法。
(項目150)
前記被験体がヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害を有する被験体である、項目144または146〜149に記載の方法。
(項目151)
前記抗体または抗原結合断片を前記被験体の細胞内に送達する、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記被験体が、酵素欠乏障害を有し、かつ酵素補充療法を必要とする被験体である、項目144または146〜149に記載の方法。
(項目153)
前記抗体または抗原結合断片を前記被験体の細胞内に送達する、項目152に記載の方法。
(項目154)
前記被験体が、糖原貯蔵障害を有する被験体である、項目144または146〜149に記載の方法。
(項目155)
前記抗体または抗原結合断片を前記被験体の細胞内に送達する、項目154に記載の方法。
(項目156)
前記抗体または抗原結合断片を細胞質内に送達する、項目154に記載の方法。
(項目157)
ヌクレオチド反復障害の処置を必要とする被験体におけるヌクレオチド反復障害を処置する方法であって、項目108〜113のいずれかに記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目158)
前記障害が筋緊張性ジストロフィである、項目157に記載の方法。
(項目159)
前記障害がハンチントン病である、項目157に記載の方法。
(項目160)
酵素補充処置を必要とする被験体に酵素補充処置を提供する方法であって、項目114〜126のいずれかに記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目161)
糖原貯蔵障害の処置を必要とする被験体における糖原貯蔵障害を処置する方法であって、項目119〜126のいずれかに記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目162)
筋細管筋障害の処置を必要とする被験体における筋細管筋障害を処置する方法であって、項目117または118に記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目163)
ポンペ病の処置を必要とする被験体におけるポンペ病を処置する方法であって、項目122〜124のいずれかに記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目164)
フォーブス・コリ病の処置を必要とする被験体におけるフォーブス・コリ病を処置する方法であって、項目122〜126のいずれかに記載のコンジュゲートを該被験体に投与する工程を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0052】
開示の詳細な説明
本開示は、抗体および抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、これらの抗体および抗原結合断片をヒト化する(例えば、少なくとも1つのヒト化VHまたはヒト化VLを含む)。一定の実施形態では、これらの抗体および抗原結合断片は、DNAに結合し、そして/またはENT輸送体(例えば、ENT2輸送体および/またはENT3輸送体)などを介して細胞膜を透過する。換言すれば、いくつかの実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、本明細書中に記載の3E10親抗体と一致する性質を有する。一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、現在の標準的プロトコールを使用したSPRまたはQCMによって測定した場合に100nM未満、75nM未満、50nM未満、または30nM未満のK
DでDNA(例えば、一本鎖DNAまたは二本鎖DNA)に結合する。一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片は、現在の標準的プロトコールを使用したSPRまたはQCMによって測定した場合に20nM未満、10nM未満、または1nM未満のK
DでDNAに結合する。一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、米国特許第7,189,396号に開示のようにATCCアクセッション番号PTA−2439を有するハイブリドーマによって産生された3E10とDNAへの結合を競合する。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、マウス3E10と比較して異なるKabat CDRを含む(例えば、マウス3E10と比較して1つまたは複数のCDRの変化(VH CDR2、VL CDR1、および/またはVL CDR2のうちの1つまたは複数の相違など)を含む)。
I.内在化部分
【0053】
本明細書中で使用する場合、用語「内在化部分」は、ポリペプチド部分が標的組織または細胞型に内在化されるように標的組織または細胞型と相互作用することができる可能であるポリペプチド部分をいう。好ましい実施形態では、本開示で用いる内在化部分は、ヒト化VHおよび/またはヒト化VL(例えば、ヒト化V
Hドメインおよび/またはヒト化V
Lドメイン)を含む抗体および抗原結合断片などの本開示の抗体および抗原結合断片である。
【0054】
本明細書中で使用する場合、「開示の抗体または抗原結合断片」は、本明細書中に提供した1つまたは複数の抗体および抗原結合断片のいずれか(例えば、親3E10抗体に基づき、一定の実施形態では、少なくとも1つのヒト化V
Hドメインおよび/またはヒト化V
Lドメインを含む抗体および抗原結合断片)をいう。用語「開示の抗体」は、マウス重鎖およびマウス軽鎖の両方を含む親のマウス抗体が含まれることを意図しない。本開示の抗体および抗原結合断片は、重鎖可変ドメインを含む重鎖および軽鎖可変ドメインを含む軽鎖を含む。V
Hドメインは、3つのCDR(KabatシステムまたはIMGTシステムによって定義または同定された本明細書中に提供の任意のCDRなど)を含む。これらのCDRは、典型的には、フレームワーク領域(FR)と共に散在し、V
Hドメインを共有する。同様に、VLは3つのCDR(KabatシステムまたはIMGTシステムによって定義された本明細書中に提供の任意のCDRなど)を含む。これらのCDRは、典型的には、フレームワーク領域(FR)と共に散在し、V
Lドメインを共有する。FR領域(FR1、FR2、FR3、および/またはFR4など)を、KabatシステムまたはIMGTシステムによって同様に定義または同定することができる。本出願を通して、CDRが存在し、KabatシステムまたはIMGTシステムによって同定または定義される場合、CDRがこれらのシステムに従うことを意味する(例えば、Kabat CDRまたはIMGT CDR)。これらの用語のいずれかを、Kabat CDRまたはIMGT CDRのいずれについて言及しているかどうかを示すために使用することができる。
【0055】
本開示は、抗体または抗原結合断片が本明細書中に提供したV
Hドメインと本明細書中に提供したV
Lドメインとの任意の組み合わせを含み得ることを意図する。一定の実施形態では、V
Hドメインおよび/またはV
Lドメインの少なくとも1つがヒト化されている(集合的に、開示の抗体または抗原結合断片)。キメラ抗体も含まれる。本開示の任意の抗体または抗原結合断片を、単独、または、任意選択的に異種薬剤に会合したコンジュゲートとして提供することができる。異種薬剤の非限定的な例を本明細書中に提供し、この例には、ポリペプチド、ペプチド、小分子(例えば、化学療法薬小分子)、またはポリヌクレオチドが含まれ得る。コンジュゲートは、異種薬剤に会合した抗体または抗原結合断片をいうことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は、単離および/または精製されている。本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片(単離形態または精製形態で提供されるものが含まれる)を、1つまたは複数の薬学的および/または生理学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤を使用して製剤化された抗体または抗原結合断片を含む組成物などの組成物として提供することができる。本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片(組成物(例えば、薬学的組成物)が含まれる)を、本明細書中に記載の任意の方法で使用することができ、任意選択的に異種薬剤とコンジュゲート化(例えば、相互接続;会合)することができる。かかるコンジュゲートを、組成物として同様に提供することができ、本明細書中に記載の任意の方法で使用することができる。
1つの実施形態では、本開示は、ヒト化抗体または抗原結合断片を含む抗体または抗原結合断片であって、ヒト化抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;V
Hドメインはヒト化されており、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み;
VLはヒト化されており、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み;
これらのCDRはIMGTシステムに従っており、ヒト化抗体または抗原結合断片のDNA結合および/または細胞透過は、配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメインを含むマウス3E10抗体のDNA結合および/または細胞透過と比較して増加している、抗体または抗原結合断片を提供する。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片をマウス抗体または別のヒト化抗体と比較する場合、適切な比較は、同一の構造の2つのタンパク質間の比較である(例えば、ある全長抗体と別の全長抗体との比較またはあるFabの別のFabとの比較)。
【0057】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗体または抗体断片のN結合型グリコシル化を減少させるためにVHドメインまたはVLドメイン中のアスパラギンを別のアミノ酸残基に変異させる。このヒト化抗体または抗体断片は、マウス親抗体(具体的には、重鎖および軽鎖を含み、軽鎖が配列番号7のアミノ酸配列を含むVLを含み、重鎖が配列番号9のアミノ酸配列を含むVHを含むマウス3E10抗体)に基づく。好ましい実施形態では、内在化部分および断片は、少なくともマウス3E10抗体に関連する細胞透過性に関連する(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または95%を超えて保持される)。一定の実施形態では、ヒト化抗体または抗体断片は、1つまたは複数の好ましい細胞透過特性(改良された透過効率など)を有する。
【0058】
本明細書中で使用する場合、ヒト化抗体部分の「断片」もしくは「抗原結合断片(antigen−binding fragment)」または「抗原結合断片(antigen binding fragment)」という用語には、少なくともマウス3E10抗体に関連する細胞透過性および/またはDNA結合性を保持するヒト化内在化部分の任意の断片が含まれる。本出願では、用語「断片」および「抗原結合断片」を、互換的に使用する。例示的な抗体断片には、scFv断片およびFab断片(例えば、Fab’またはF(ab’)2)などが含まれる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分(例えば、開示のヒト化抗体および抗原結合断片)を、任意の異種薬剤に直接融合しない。しかし、かかる実施形態では、以下により詳細に記載するように、内在化部分を、さらに翻訳後に修飾し(例えば、グリコシル化し)、そして/または組成物の一部として提供することができる。
【0060】
他の実施形態では、ヒト化内在化部分(例えば、ヒト化抗体または抗体結合断片などの開示の抗体または抗原結合断片)を、異種薬剤に融合する。いくつかの実施形態では、内在化部分は、細胞内に異種薬剤を送達する(すなわち、所望の細胞を透過し;細胞膜を横切って輸送し;細胞膜を通過して少なくとも細胞質に送達する)。一定の実施形態では、本開示は、筋肉細胞(例えば、骨格筋)および一定の他の細胞型内への異種薬剤の送達を促進する内在化部分に関する。この部分は、細胞内へのコンジュゲートの侵入を促進する。マウスの親抗体と同様に、本開示のヒト化抗体および抗原結合断片は、ENT輸送体(ENT2輸送体および/またはENT3輸送体など)を介した細胞内への侵入を測定する。理論に拘束されないが、ENT2は、一定の細胞型(筋肉細胞(骨格筋細胞および心筋細胞)、神経細胞、肝臓細胞、および/または腫瘍細胞が含まれる)で優先的に発現される。したがって、コンジュゲート(例えば、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片が異種薬剤にコンジュゲート化されたコンジュゲート)は細胞内に送達されるが、一般に遍在性に送達されない。むしろ、コンジュゲートを、特定の組織(骨格筋、心筋、横隔膜、ならびにENT2および/またはENT3発現癌細胞が含まれる)でいくらか富化されるレベルで送達することができる。
【0061】
一定の実施形態では、内在化部分は、ポリヌクレオチドに結合することが可能である(例えば、本開示の抗体の標的/抗原はDNAである)。これは、DNAに結合する(例えば、DNAに特異的に結合する)ことが公知の3E10抗体の性質と一致する。一定の実施形態では、内在化部分はDNAに結合することが可能である。一定の実施形態では、内在化部分は、100nM未満のK
DでDNAに結合することが可能である。一定の実施形態では、内在化部分は、500nM未満、100nM未満、75nM未満、50nM未満、またはさらに30nM未満、20nM未満、10nM未満、またはさらに1nM未満のK
DでDNA(例えば、一本鎖DNAまたは平滑末端二本鎖DNA)に結合することが可能である。K
Dを、現在標準的な方法にしたがって表面プラズモン共鳴(SPR)または水晶振動子マイクロバランス(QCM)を使用するか、ELISAによって測定することができる。例として、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するVHおよび配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するVLを含む抗体または抗体断片は、100nM未満のK
DでDNAに特異的に結合し、これは抗DNA抗体の一例である。一定の実施形態では、内在化部分は二本鎖平滑末端DNAに結合し、DNA結合活性を、ELISA、QCM、またはBiacoreなどによる平滑末端DNAを使用した結合アッセイ(例えば、Xuら(2009)EMBO Journal 28:568−577;Hansenら,(2012)Sci Translation Med 4:DOI 10.1126/scitranslmed.3004385を参照のこと)で証明するか、証明することができる。一定の実施形態では、前述の抗体または抗体断片(抗原結合断片を含む抗体断片など)のK
Dを、二本鎖平滑末端DNA基質(Xuらに記載のDNA基質(例えば、2本の鎖を含み、そのうちの1本が以下の配列からなるDNA:5’−GGG TGA ACC TGC AGG TGG GCA AAG ATG TCC−3’(配列番号63))など)に対して評価する。一定の実施形態では、内在化部分は抗DNA抗体である。したがって、一定の実施形態では、単独または異種薬剤と会合させて使用するための内在化部分(例えば、抗体または抗原結合断片)は、細胞膜を通過して細胞質および/または核内に到達することができる抗体または抗体断片を含み、DNAに結合することが可能である。一定の実施形態では、本開示の抗体および抗原結合断片(ヒト化抗体および抗原結合断片など)は、上記のVHドメインおよびVLドメインを有するマウスの親3E10抗体に基づく。
【0062】
好ましくは、ヒト化抗体は、マウスの親抗体(存在する場合にマウス定常ドメインを含むマウス親抗体が含まれる)と比較して同一の、実質的に同一の、またはさらに改良された細胞透過特性および/またはDNA結合特性を有する。
【0063】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、IMGTシステムを使用して定義した場合に、マウスの親抗体(例えば、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖および配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖を含む抗体)と同一のCDRを有する。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、マウスの親抗体と異なる重鎖および/または軽鎖の少なくとも1つのCDRを有する(例えば、Kabatに従うとVH CDR2および/またはVL CDR2および/またはVL CDR1が異なる)。いくつかの実施形態では、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片は、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含むV
HドメインおよびV
Lドメインを含み、CDRはIMGTシステムに従っている。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片は、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号33のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3(CDRはKabatに従っている);ならびに
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3(CDRはIMGTシステムに従っている)を含むV
HドメインおよびV
Lドメインを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片は、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3(CDRはIMGTシステムに従っている)、ならびに
配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号36のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3(CDRはKabatに従っている)を含むV
HドメインおよびV
Lドメインを含む。
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3(CDRはKabatシステムに従っている)を含むV
Hドメイン、ならびに以下:
配列番号35または50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3(CDRはKabatに従っている)を含むV
Lドメインを含む。
【0066】
本出願を通して詳述するように、本開示の抗体または抗原結合断片(ヒト化抗体または抗原結合断片など)を、マウスの親抗体と比較することができる。さらにまたはあるいは、本開示の抗体(またはその抗原結合断片)を、代理抗体および断片(例えば、同一のマウス親に基づいた他のヒト化抗体)と比較することができる。かかるシナリオでは、比較すると、代理抗体または抗原結合断片は、前述の6つのIMGT CDRまたはKabat CDRを有するが、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片と比較して1つまたは複数のフレームワーク領域が変化しているであろう。活性を比較した場合、ENT2および/またはENT3を介して骨格筋細胞などの細胞を透過する能力および効率を評価することができる。活性は、活性がマウスの親抗体のおよそ70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約95%を超える場合、同等または実質的に同一であると見なされるであろう。マウスの親抗体と比較して、特徴が少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%向上する場合、活性が改良されたと見なす(例えば、マウスの親抗体または代理ヒト化抗体の活性のおよそ105%、110%、115%、120%、125%、130%、150%、または150%超)。一定の実施形態では、別の抗体と比較して、特徴が少なくとも2倍向上した場合、活性が改良されたと見なす。他の実施形態では、特徴が少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、8倍、または10倍向上した場合、活性が改良されたと見なす。
【0067】
理論に拘束されないが、本明細書中に記載の内在化部分は、一定の実施形態では、以下のうちの1つまたは複数のいずれかが可能である:a)内在化部分(例えば、本明細書中に記載の任意の異種薬剤)にコンジュゲート化した薬剤の筋肉細胞(例えば、心筋細胞または骨格筋細胞)、肝臓細胞、ニューロン、膠細胞、および/または腫瘍細胞もしくは癌性細胞へのターゲティング(例えば、送達)、b)ターゲティングされた腫瘍細胞または癌細胞の成長、増殖、サイズ、生存、または移動の死滅および/または減少、c)腫瘍細胞または癌細胞に対する内在化部分にコンジュゲート化した任意の薬剤(例えば、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドまたはMBNLポリペプチドに付着した化学療法薬)の効果を増加させること、および/またはd)腫瘍細胞または癌細胞に対する任意の個別に施した薬剤または治療(例えば、化学療法薬または放射線療法)の効果を増加せること。一定の実施形態では、内在化部分を、異種治療薬の非存在下で(例えば、異種薬剤に相互接続していない;治療薬に相互接続していない)細胞に投与/送達する。例えば、一定の実施形態では、内在化部分を、異種治療薬の非存在下で(例えば、癌を処置するために)腫瘍内へ送達するために細胞に投与する。
【0068】
一部の実施形態において、抗体またはヒト化抗体は、高原結合断片を含む抗体断片、例えば、Fv断片、一本鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、シングルドメイン抗体、ならびに前述のものの多価バージョンを限定ではないが含む、抗体断片、それらの誘導体または類似体;Fv断片、一本鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、シングルドメイン抗体、ラクダ化抗体および抗体断片、ヒト化抗体および抗体断片、ヒト抗体および抗体断片、ならびに前述のものの多価バージョンを限定ではないが含む、多価内在化部分;単一特異性または二重特異性抗体、例えばジスルフィド安定化Fv断片、scFvタンデム((scFv)2断片)、典型的に共有結合で連結されたまたは別様に安定化された(すなわち、ロイシンジッパーもしくはヘリックス安定化された)scFv断片であるダイアボディー、トリボディーまたはテトラボディーを限定ではないが含む、多価内在化部分;所望の標的分子と自然に相互作用する受容体分子を含むことがある。一定の実施形態では、抗原結合断片はscFvであり、ペプチドリンカーはVHドメインとVLドメインとを相互接続する。一部の実施形態において、抗体またはそれらの変異体は、いくつかの異なる抗体サブクラス定常ドメインのハイブリッド(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgG4の任意の組み合わせ)である定常領域を含むこともある。
【0069】
一定の実施形態では、内在化部分は、抗原結合断片を含む抗体断片である。換言すれば、一定の実施形態では、内在化部分は、全長抗体ではないが、抗原結合断片を含むその断片である。一定の実施形態では、内在化部分は、scFv、Fab、Fab’、またはFab2’である。一定の実施形態では、内在化部分は、本明細書中に記載のように、任意選択的にヒンジドメインおよび/またはCH2ドメインなどにおけるエフェクター機能を低下させるように置換されたCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3の各ドメインを含む重鎖を含む全長抗体である。一定の実施形態では、重鎖は、VHドメイン、ならびにCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3の各ドメインを含む定常ドメインを含む。一定の実施形態では、重鎖は、VHドメイン、ならびにCH1ドメインおよび任意選択的にヒンジ上部を含む定常ドメインを含む。ヒンジ上部は、例えば、ヒンジ領域の1、2、3、または4個のアミノ酸残基を含み得る。一定の実施形態では、ヒンジ上部は、システイン残基を含まない。一定の実施形態では、ヒンジ上部は、未変性のヒンジ配列中に存在するシステインのN末端側に1つまたは複数の保存的残基を含む。一定の実施形態では、重鎖は、CH領域ならびにCH1ドメインおよびヒンジを含む定常ドメインを含む。一定の実施形態では、ヒンジ(全長抗体または抗体断片のいずれかの一部として存在する)は、Kabat222位に対応する位置でのCからSへの置換を含む(例えば、変異がKabat222位に対応する位置に存在するヒンジ中のC222S)。換言すれば、一定の実施形態では、内在化部分は、ヒンジドメイン中のKabat222に対応する位置にシステイン残基よりもむしろセリン残基を含む。一定の実施形態では、重鎖は、CH1、ヒンジ、CH2、および、任意選択的にCH3ドメインを含む定常ドメインを含む。一定の実施形態では、CH2ドメインは、Kabat297位に対応する位置にNからQへの置換を含む(例えば、変異がKabat297位に対応する位置に存在するCH2ドメイン中のN297Q)。換言すれば、一定の実施形態では、内在化部分は、Kabat297位に対応する位置にアスパラギンよりもむしろグルタミンを含む。
【0070】
一定の実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は、重鎖定常ドメインのCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3ならびに軽鎖定常ドメインを含む全長抗体である。一定の実施形態では、重鎖定常領域は、CH1、CH2、およびCH3の各ドメインのうちの1つまたは複数を、任意選択的にヒンジと共に含む。
【0071】
モノクローナル抗体3E10は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)にATCCアクセッション番号PTA−2439で永久寄託されているハイブリドーマ3E10によって生産することができ、米国特許第7,189,396号明細書に開示されている。この抗体はDNAに結合することが示されている。加えて、またはあるいは、前記3E10抗体は、その3E10抗体の重鎖および軽鎖をコードするヌクレオチド配列を宿主細胞において発現させることによって生産することができる。用語「3E10抗体」または「モノクローナル抗体3E10」はまた、抗体を産生するために使用した方法と無関係に、配列番号7のアミノ酸配列を含むVLドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を含むVHドメインを含むマウス抗体(または抗原結合断片)をいうために本明細書中で使用する。したがって、本出願に関連して、そうではないと述べない限り、3E10抗体は、ハイブリドーマの配列を有する抗体、または配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む可変重鎖ドメイン(これは、本明細書に記載され、そして以前に細胞侵入およびDNA結合活性を保持するとして実証されたATCCに寄託されている3E10抗体のものに比べて1つのアミノ酸置換を有する)と、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む抗体を指すことになる。しかし、本開示の文脈では、ヒト化の基礎として使用した親マウス抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVLドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む抗体であった。本開示は、一定の実施形態では、マウス3E10に基づいたヒト化抗体を提供する。
【0072】
同様に、3E10の変異体または抗原結合断片に言及するとき、かかる用語は、当該抗体が生産される様式に関係なく用いている。現在のところ、3E10は一般に組換えによって産生される。
【0073】
前記ヒト化内在化部分は、mAb 3E10の変異体、例えば、mAb 3E10と同じ細胞透過特性を保持する3E10の変異体、ならびにその有用性を改善するような突然変異によって修飾された変異体(例えば、特異的細胞タイプに対する改善された標的化能力、細胞膜に対する改善された透過能力、細胞DNAに対する改善された局在化能力、適便なコンジュゲート化した部位など)から誘導されることもある。かかる変異体は、1つ以上の保存的置換が抗体の重鎖、軽鎖および/または定常領域(単数または複数)に導入されている変異体を含む。一部の実施形態において、前記軽鎖または重鎖は、N末端またはC末端が修飾されていることがある。さらに、抗体または抗体断片を、異種薬剤へのコンジュゲート化を容易にするように改変することができる。同様に、変異体についての上述の説明は、抗原結合断片にもあてはまる。これらのいずれの抗体、変異体または断片も、宿主細胞でのヌクレオチド配列(単数または複数)の発現によって組換えにより作製され得る。かかる内在化部分は、ENT2および/またはENT3などのENT輸送体を介して細胞を通過し、そして/または3E10と同一のエピトープ(例えば、DNAなどの標的)に結合することができる。
【0074】
モノクローナル抗体3E10は、細胞を透過して、タンパク質および核酸を標的組織の細胞質または核空間に送達することが証明されている(Weisbart RHら、J Autoimmun.1998 Oct;11(5):539−46;Weisbart RHら、Mol Immunol.2003 Mar;39(13):783−9;Zack DJら、J Immunol.1996 Sep 1;157(5):2082−8)。3E10の一本鎖Fv断片は、原モノクローナル抗体の細胞透過能すべてを有し、タンパク質、例えばカタラーゼ、ジストロフィン、HSP70およびp53は、Fv3E10とコンジュゲート化した後にそれらの活性を保持する(Hansen JEら、Brain Res.2006 May 9;1088(1):187−96;Weisbart RHら、Cancer Lett.2003 Jun 10;195(2):211−9;Weisbart RHら、J Drug Target.2005 Feb;13(2):81−7;Weisbart RHら、J Immunol.2000 Jun 1;164(11):6020−6;Hansen JEら、J Biol Chem.2007 Jul 20;282(29):20790−3)。さらに、上述のように、本明細書中の3E10親抗体の一部として使用されるVH中の1つのアミノ酸置換は、以前と同様に、DNAに結合して細胞を透過することを示している。3E10は、すべての哺乳動物に存在する抗体足場;マウス可変重鎖および可変κ軽鎖に基づき構築される。3E10は、特に骨格筋および癌細胞に多く含まれているENT2ヌクレオチドトランスポーターによって細胞に入り、またインビボ研究により3E10は非毒性であることが証明されている(Weisbart RHら、Mol Immunol.2003 Mar;39(13):783−9;Pennycooke Mら、Biochem Biophys Res Commun.2001 Jan 26;280(3):951−9)。3E10は、ENT3を介して膜を通過することもできる。
【0075】
前記ヒト化内在化部分は、mAb 3E10の突然変異体、例えば、mAb 3E10と同じまたは実質的に同じ細胞透過特性を保持する3E10の変異体、ならびにその有用性を改善するような突然変異によって修飾された変異体(例えば、特異的細胞タイプに対する改善された標的化能力、細胞膜に対する改善された透過能力、細胞DNAに対する改善された局在化能力、改善された結合親和性など)から誘導されることもある。かかる突然変異体は、1つ以上の保存的置換が重鎖または軽鎖に導入される変異体を含む。mAb 3E10の非常に多くの変異体が、例えば、米国特許第7,189,396号明細書および国際公開第2008/091911号パンフレットにおいて特性評価されており、前記特許文献の教示は、それら全体が参照により本明細書に援用されている。本明細書中に提供した例では、親のマウス3E10は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0076】
一定の実施形態では、内在化部分は、抗原結合断片(ヒト化単鎖Fv(scFv)など)である。他の実施形態では、ヒト化抗体はFab’断片である。
【0077】
いくつかの実施形態では、内在化部分は、免疫グロブリン重鎖定常領域またはその断片を含む抗体または抗体断片である。公知であるように、各免疫グロブリン重鎖定常領域は、4または5つのドメインを含む。これらのドメインは、次のように順次名づけられる:C
H1−ヒンジ−C
H2−C
H3(−C
H4)。前記重鎖ドメインのDNA配列は、免疫グロブリンクラス間で交差相同性を有し、例えば、IgGのC
H2ドメインは、IgAおよびIgDのC
H2ドメインと相同であり、かつIgMおよびIgEのC
H3ドメインと相同である。本明細書中で使用する場合、用語「免疫グロブリンFc領域」は、免疫グロブリン重鎖定常領域のカルボキシル末端部分、好ましくは免疫グロブリン重鎖定常領域、またはその一部を意味すると理解される。例えば、免疫グロブリンFc領域は、1)CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメイン、2)CH1ドメインおよびCH2ドメイン、3)CH1ドメインおよびCH3ドメイン、4)CH2ドメインおよびCH3ドメイン、または5)2つ以上のドメインと免疫グロブリンヒンジ領域の組み合わせを含むことがある。1つの実施形態では、免疫グロブリンFc領域は、少なくとも1つの免疫グロブリンのヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含み、CH1ドメインを欠く。1つの実施形態において、重鎖定常領域が由来する免疫グロブリンのクラスは、IgG(Igγ)(γサブクラス1、2、3または4)である。免疫グロブリンの他のクラス、IgA(Igα)、IgD(Igδ)、IgE(Igε)およびIgM(Igμ)を用いてもよい。適切な免疫グロブリン重鎖定常領域の選択は、米国特許第5,541,087号および同第5,726,044号明細書において詳細に論じられている。特定の結果を達成するための、ある一定の免疫グロブリンクラスおよびサブクラスからの特定の免疫グロブリン重鎖定常領域配列の選択は、当該技術分野における技術レベルの範囲内であると考えられる。免疫グロブリンFc領域をコードするDNA構築物の一部は、ヒンジドメインの少なくとも一部、および好ましくはFcγのCH3ドメインまたはIgA、IgD、IgE、またはIgMのいずれかの相同ドメインの少なくとも一部を含み得る。さらに、免疫グロブリン重鎖定常領域内のアミノ酸の置換または欠失が本開示の実施で有用であり得ることが意図される。一定の実施形態では、定常領域ドメインはヒトである。
【0078】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は、ハイブリッド重鎖定常領域を含む(すなわち、抗体または抗原結合断片は、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、およびCH4ドメインから選択される複数の重鎖定常領域ドメインを含み;抗体または抗原結合断片中の定常領域ドメインの少なくとも1つは抗体または抗原結合断片中の別のドメインのクラスまたはサブクラスと異なる免疫グロブリンのクラスまたはサブクラスの定常領域ドメインである)。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片中の定常領域ドメインの少なくとも1つはIgG定常領域ドメインであり、抗体または抗原結合断片中の定常領域ドメインの少なくとも1つは異なる免疫グロブリンクラスの定常領域ドメイン(すなわち、IgA、IgD、IgE、またはIgMの各定常領域ドメイン)である。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片中の定常領域ドメインの少なくとも1つはIgG1定常領域ドメインであり、抗体または抗原結合断片中の定常領域ドメインの少なくとも1つは、異なるIgGサブクラス(すなわち、IgG2A、IgG2B、IgG3、またはIgG4)の定常領域ドメインである。適切な定常領域は、ヒト定常領域であり得るか、別の種(例えば、マウス)に由来し得る。本開示のヒト化抗体および抗原結合断片は、定常領域の配列(重鎖または軽鎖)が、存在する場合、ヒト免疫グロブリンの定常領域の配列に対応するか、別の種の定常領域の配列に対応するかと無関係にヒト化されたと見なされる。
【0079】
ヒト化内在化部分または断片またはバリアントの細胞透過能を、異種薬剤の送達を促進するために利用することができる。3E10由来のヒト化部分は、筋肉細胞(骨格筋細胞および心筋細胞が含まれる)および横隔膜への送達を有効に促進する能力が証明されているので、この用途のために特に十分に適合する。したがって、ヒト化内在化部分は、被験体(ヒト患者またはモデル生物など)の細胞内への有効な送達の促進に特に有用である。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、異種薬剤(異種タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、または小分子など)へのさらなるコンジュゲート化のための中間体として有用である。
【0080】
抗体またはその断片(例えば、V
H−リンカー−V
LもしくはV
L−リンカー−V
Hによってコードされた一本鎖Fv断片)の調製は、当該技術分野において周知である。特に、mAb 3E10抗体断片の組換え生産方法は、国際公開第2008/091911号に記載されている。さらに、抗体またはFabのscFv断片の生成方法は、当該技術分野において周知である。抗体または抗体断片を組換え生産する場合、リンカーを使用することがある。例えば、柔軟なタンパク質領域における典型的な表面アミノ酸としては、Gly、AsnおよびSerが挙げられる。1つの例示的リンカーを配列番号30または31に提供する。Gly、AsnおよびSerを含有するアミノ酸配列の並べ替えは、リンカー配列の基準(例えば、柔軟性で最小の疎水性または荷電性)を満たすと予想される。もう1つの例示的リンカーは、式(G
4S)n(この式中のnは、1〜10の整数、例えば2、3または4である)のものである。他のほぼ中性のアミノ酸、例えばThrおよびAlaもリンカー配列に使用することができる。
【0081】
例えば、scFvの一部を相互接続するリンカーに加えて、本開示は、例えば、異種薬剤をコンジュゲートの抗体部分に相互接続するか、異種薬剤部分をコンジュゲートの抗体部分に相互接続するためのさらなるリンカーの使用を意図する。
【0082】
モノクローナル抗体を産生するための任意の数の周知の方法によって抗体の調製を遂行してもよい。これらの方法は、典型的に、動物、典型的にはマウスを所望の免疫原(例えば、所望の標的分子またはその断片)で免疫するステップを含む。マウスを免疫し、好ましくは所望の免疫原(単数または複数)で1回以上追加免疫したら、周知の方法に従ってモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマを調製し、スクリーニングしてよい(例えば、モノクローナル抗体生産の総括(この部分は参照により本明細書に援用されている)については、Kuby、Janis、Immunology、第3版、pp.131−139、W.H.Freeman & Co.(1997)を参照されたい)。過去数十年の間に、抗体生産は極めて堅固なものになってきた。抗体認識法とファージディスプレイ技術を併用するインビトロ法は、極めて特異的な結合能を有する抗体の増幅および選択を可能にする。例えば、参照により本明細書に援用されているHolt,L.J.ら、「The Use of Recombinant Antibodies in Proteomics」、Current Opinion in Biotechnology、2000、11:445−449を参照されたい。これらの方法は、典型的に、旧来のモノクローナル抗体調製方法によるハイブリドーマの調製よりはるかに扱いやすい。1つの実施形態では、ファージディスプレイ技術を用いて、所望の標的分子に対して特異的な内在化部分を産生することがある。選択された免疫原に対する免疫応答を動物(例えば、マウス、ウサギ、ヤギまたは他の動物)において惹起し、その応答を追加刺激して免疫原特異的B細胞集団を増やす。メッセンジャーRNAをそれらのB細胞から、または場合によりモノクローナルもしくはポリクローナルハイブリドーマ集団から単離する。ポリ−Aプライマーを使用するか、または典型的には所望のV
HおよびV
L鎖に隣接した配列に特異的な、マウス免疫グロブリン特異的プライマー(単数もしくは複数)を使用して、公知の方法によりmRNAを逆転写してcDNAを得る。V
HおよびV
L特異的プライマーセットを典型的に使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって所望のV
HおよびV
L鎖を増幅し、リンカーによって隔てて互いにライゲートする。V
HおよびV
L特異的プライマーセットは、例えばカリフォルニア州ラホーヤのStratagene Inc.から、市販されている。(scFv断片をコードする)組み立てられたV
H−リンカー−V
L産物をPCRによって選択し、増幅する。制限部位を含むプライマーを用いるPCRによってそのV
H−リンカー−V
L産物の末端に制限部位を導入し、ファージディスプレイに適する発現ベクター(典型的にはプラスミド)にそのscFv断片を挿入する。Fab’断片などの他の断片をファージ粒子上での表面発現のためにファージディスプレイベクターにクローニングしてもよい。前記ファージは、ラムダなどの任意のファージであってよいが、典型的には糸状ファージ、例えば、fdおよびM13、典型的にはM13である。
【0083】
ある一定の実施形態では、抗体または抗体断片を宿主細胞において組換えにより作製する。言い換えると、抗体の配列が(例えば、上で説明した方法を用いて)判ったら、標準的な技術を用いてその抗体を組換えにより作製することができる。
【0084】
ある一定の実施形態では、前記ヒト化内在化部分を、プロテアーゼによる切断に対してより耐性にするように修飾することがある。例えば、(L)立体配置の天然に存在するアミノ酸の1つ以上をD−アミノ酸で置換することによって、ポリペプチドを含む内在化部分の安定性を増加させてもよい。様々な実施形態において、内在化部分のアミノ酸残基の少なくとも1%、5%、10%、20%、50%、80%、90%または100%は、D立体配置のものであってよい。Lアミノ酸からDアミノ酸への切り換えは、消化管内で見いだされる多くの遍在ペプチダーゼの消化能を中和する。あるいは、ペプチド結合を含む内在化部分の向上した安定性を、旧来のペプチド結合の修飾の導入によって実現してもよい。例えば、ポリペプチド主鎖内へのシクロ環の導入は、胃または他の消化器官内および血清中のポリペプチドを消化することが公知の多くのタンパク質分解酵素の影響を回避するために向上した安定性をもたらすことがある。さらに他の実施形態では、内在化部分のアミノ酸間に1つ以上の右旋性アミノ酸(例えば、右旋性フェニルアラニンまたは右旋性トリプトファン)を挿入することによって内在化部分の向上した安定性を実現することもある。例示的実施形態において、かかる修飾は、所望の標的分子との相互作用の活性または特異性に影響を及ぼすことなく、内在化部分のプロテアーゼ耐性を増加させる。
【0085】
「Fab断片」は、1つの軽鎖ならびに1つの重鎖のC
H1および可変領域から構成される。一般に、Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。Fabは、任意選択的に、ヒンジ上部などのヒンジの一部を含み得る。
【0086】
「Fab’断片」は、C
H1ドメインとC
H2ドメインとの間により多くの定常領域を含む1つの軽鎖および1つの重鎖を含み、その結果、2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合を形成してF(ab’)
2分子を形成することができる。
【0087】
「F(ab’)
2断片」は、CH1ドメインとCH2ドメインとの間に定常領域の一部を含む2つの軽鎖および2つの重鎖を含み、その結果、2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合が形成される。
【0088】
未変性抗体は、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は1つの共有結合性のジスルフィド結合によって重鎖に連結され、ジスルフィド結合数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変動する。それぞれの重鎖および軽鎖はまた、間隔が規則的な鎖間ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)を有し、いくつかの定常ドメイン(CH)が続く。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)を有し、他方の端に定常ドメイン(CL)を有し;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインと並列し、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並列する。軽鎖は、軽鎖定常領域のアミノ酸配列に基づいてλ鎖またはκ鎖のいずれかに分類される。κ軽鎖の可変ドメインを、本明細書中でVKと表示することもできる。
【0089】
本開示の抗体には、全長抗体またはインタクトな抗体、抗体断片、未変性配列の抗体またはアミノ酸バリアント、ヒト抗体、ヒト化抗体(キメラ抗体の形態)、翻訳後修飾された抗体、キメラ抗体、免疫コンジュゲート、およびその機能的断片が含まれる。所望のエフェクター機能または血清半減期を得るために、抗体のFc領域を改変することができる。
抗体の調製
【0090】
天然に存在する抗体の構造単位は、典型的には、四量体を含む。かかる各四量体は、典型的には、2つの同一のポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの全長「軽」鎖(典型的には、分子量約25kDa)および1つの全長「重」鎖(典型的には分子量約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、典型的には、典型的に抗原認識を担う約100〜110個または複数のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、典型的には、エフェクター機能を担う定常領域を定義する。ヒト軽鎖は、典型的には、κ鎖およびλ軽鎖に分類される。重鎖は、典型的には、μ、δ、γ、α、またはεに分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEと定義する。IgGは、いくつかのサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4が含まれるが、これらに限定されない)を有する。IgMは、サブクラス(IgM1およびIgM2が含まれるが、これらに限定されない)を有する。IgAも同様にサブクラス(IgA1およびIgA2が含まれるが、これらに限定されない)に分類される。例えば、Fundamental Immunology,Ch.7,2.sup.nd ed.,(Paul,W.,ed.),1989,Raven Press,N.Y.(全ての目的のためにその全体が参考として組み込まれる)を参照のこと。典型的には、各軽鎖/重鎖対の可変領域を組み合わせて抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、以下の定常ドメインスキームを含む:IgG2a CH1−IgG1ヒンジ−IgG1 CH2−CH3。他の適切な組み合わせも意図される。他の実施形態では、抗体は、全長抗体を含み、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3は、同一の定常ドメインサブクラス(例えば、IgG1)に由来する。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は、免疫グロブリンの定常ドメインの一部を含む抗原結合断片を含む(例えば、以下の定常ドメインスキーム:IgG2a CH1−IgG1ヒンジ上部)。いくつかの実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、κ定常ドメイン(例えば、配列番号60)を含む。
【0091】
重鎖および軽鎖の各々の可変領域は、典型的には、同一の一般的構造を示し、この構造は、3つの超可変領域(相補性決定領域またはCDRと呼ばれる)によって接合された4つの比較的保存されたフレームワーク領域(FR)を含む。各対の2本の鎖由来のCDRは、典型的には、フレームワーク領域によって整列され、この整列によって特異的標的(例えば、抗原、本開示の文脈におけるDNA)に結合することが可能である。N末端からC末端の方向で、軽鎖可変領域および重鎖可変領域の両方は、典型的には、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4の各ドメインを含む。アミノ酸の各ドメイン(FRまたはCDR)への割り当ては、典型的には、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)の定義に従う。一定の実施形態では、特定の抗体(本明細書中に提供した抗体など)のCDRは、このKabatシステムによって定義されたCDRである(例えば、抗体または抗原結合断片について言及したCDRは、Kabatシステムを使用して同定される)。同様に、一定の実施形態では、特にCDRがKabatシステムによって定義または同定される場合、FR領域も、Kabatシステムを使用して定義および/または同定される。しかし、CDR領域およびFR領域の代替的な同定システム(IMGTシステム(本明細書中に記載)が含まれる)も利用可能である。一定の実施形態では、特定の抗体(本明細書中に提供した抗体など)のCDRは、IMGTシステムによって定義されたCDRである(例えば、抗体または抗原結合断片のCDRを、IMGTシステムを使用して同定する)。
【0092】
モノクローナル抗体の開発を機に、抗体は有用且つ医薬品として関心が持たれるようになった。モノクローナル抗体は、継代細胞株の培養によって抗体分子を産生する任意の方法を使用して産生される。モノクローナル抗体の適切な調製方法の例には、Kohlerらのハイブリドーマ法(1975,Nature 256:495−497)およびヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbor,1984,J.Immunol.133:3001;およびBrodeurら,1987,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,(Marcel Dekker,Inc.,New York),pp.51−63)が含まれる。多くの場合、ハイブリドーマを、マウスまたは齧歯類起源の最初の抗体を生成するために使用する。次いで、この最初の抗体を、組換え技術などを使用して改変して齧歯類のバリアント、キメラ抗体、およびヒト化抗体などを産生することができる。最初の抗体を産生するための他の方法が存在し、かかる方法は当該分野で公知である。しかし、次いで、最初の抗体またはさらに最初の抗体のバリアントを生成するに使用される方法と無関係に、非ヒト起源の任意の所与の抗体を、そのヒトらしさを増大させるように改変することができる。
【0093】
診断、治療、または研究のために、ヒト被験体およびヒト細胞での使用にさらに適切になるように非ヒト抗体のヒトらしさを増大させることが有利であり得る。抗体を、治療薬として使用するために改変することができる。かかる抗体(抗体断片が含まれる)の例には、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体が含まれる。キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体の生成方法は、当該分野で多数存在する。本開示の文脈では、VHドメインまたはVLドメインのうちの少なくとも1つがヒト化されている場合、抗体はヒト化されたと見なされる。さらに、親マウス抗体と比較して、少なくとも1つのFR領域の少なくとも一部のアミノ酸配列が、そのアミノ酸配列がヒト抗体またはヒトコンセンサス配列のアミノ酸配列に対応するように改変されている場合、VHドメインまたはVLドメインはヒト化されている。一定の実施形態では、VHドメインの少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つのFR領域および/またはVLドメインの少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つのFR領域は、その配列がヒト配列とより密接に関係するように(全体または一部が)改変されている。前述のいずれかについて、一定の実施形態では、ヒトまたは非ヒトの軽鎖定常領域および/または重鎖定常領域(例えば、1つのCLならびにCH1、ヒンジ、CH2、および/またはCH3の各ドメインのうちの1つまたは複数を含む)の文脈においてヒト化抗体断片を提供することができる。一定の実施形態では、存在する場合、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片を、ヒトの軽鎖定常ドメインおよび/または重鎖定常ドメインの文脈において提供する。3E10親抗体に基づいたヒト化された軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインの多数の例を本明細書中に提供する。本明細書中に記載の任意のヒト化された軽鎖可変ドメインおよび/または重鎖可変ドメインを含む抗体および抗体結合断片は、開示の抗体および抗原結合断片の例である。
【0094】
一旦かかる抗体をコードするヌクレオチド配列が決定されると、キメラ抗体またはヒト化抗体を、組換え法によって産生することができる。当該分野で一般に公知の材料および手順を使用して、抗体をコードする核酸を宿主細胞に導入し、発現させる。
【0095】
一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、IgG1、IgG2、またはIgG4の各アイソタイプに由来する。本開示の一定の実施形態では、抗体は、ヒトκ軽鎖およびヒトIgG1、IgG2、またはIgG4の各重鎖を含む。一定の実施形態では、本開示の抗体を、哺乳動物細胞内で発現させるためにクローン化した。
【0096】
本開示の抗体が全長抗体または抗原結合断片である場合と無関係に、開示の抗体および抗原結合断片を、細胞株中で組換え発現させることができる。これらの実施形態では、特定の抗体をコードする配列を、適切な宿主細胞(哺乳動物宿主細胞または酵母宿主細胞など)の形質転換のために使用することができる。これらの実施形態によれば、任意の公知の宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入方法(例えば、ウイルス(またはウイルスベクター内)へのポリヌクレオチドのパッケージングおよびウイルス(またはベクター)を使用するか当該分野で公知のトランスフェクション手順による宿主細胞への形質導入が含まれる)を使用して形質転換を行うことができる。一般に、使用される形質転換手順は、形質転換されるべき宿主に依存し得る。哺乳動物細胞への異種ポリヌクレオチドの導入方法は当該分野で周知であり、デキストラン媒介トランスフェクション、硫酸カルシウム沈降、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチドのカプセル化、および核内へのDNAの直接微量注入が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
本開示の一定の実施形態によれば、重鎖定常領域(全てまたは一部)、本開示の重鎖可変領域、軽鎖定常領域、または本開示の軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする核酸分子を、標準的なライゲーション技術を使用して適切な発現ベクターに挿入する。1つの好ましい実施形態では、重鎖定常領域または軽鎖定常領域を適切な可変領域のC末端に付加し、発現ベクターにライゲーションする。ベクターを、典型的には、使用される特定の宿主細胞中で機能的である(すなわち、遺伝子の増幅および/または遺伝子発現が起こり得るように宿主細胞機構にベクターが適合する)ように選択する。発現ベクターの概説については、Goeddel(ed.),1990,Meth.Enzymol.Vol.185,Academic Press.N.Y.を参照のこと。抗体発現の文脈において、重鎖および軽鎖の両方を同一のベクターから(例えば、同一のベクター上の同一または異なるプロモーターから)発現させることができるか、重鎖および軽鎖を、異なるベクターから発現させることができる。一定の実施形態では、重鎖および軽鎖を、同一の宿主細胞にトランスフェクトして同時発現する異なるベクターから発現させる。重鎖および軽鎖が同一の宿主細胞中の同一または異なるベクターから発現される場合と無関係に、次いで、鎖を、抗体(または抗体断片、発現される重鎖および軽鎖部分に依存する)が形成されるように会合することができる。
【0098】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片を、異種薬剤にコンジュゲート化する。一定の実施形態では、異種薬剤はタンパク質またはペプチドである。このタンパク質またはペプチドを、インフレームの、例えば重鎖との同時翻訳融合タンパク質として発現させ、本明細書中に記載のように発現させることができる。化学的コンジュゲート化も可能である。他で規定しない限り、本明細書中に詳述のコンジュゲート化は、相互接続と無関係に、本開示の任意の抗体または抗原結合部分を異種薬剤と会合するか相互接続するシナリオをいう(例えば、相互接続および/または会合は、化学的コンジュゲート化、共有結合、ジスルフィド結合など、またはその組み合わせを含み得る)。一定の実施形態では、相互接続の少なくとも一部は、本開示の抗体の重鎖と異種薬剤との間の融合タンパク質の形成などの共有結合を介する(本開示の抗体の軽鎖とさらに会合することができる)。したがって、本開示は、かかるコンジュゲートおよびかかるコンジュゲートを含む薬学的組成物を提供する。コンジュゲートは、異種薬剤と会合した本開示の抗体または抗原結合部分を含む分子である。同様に、開示の抗体または抗原結合断片は、異種薬剤をさらに含み得る。コンジュゲートは、分子の2つの部分が会合または相互接続されている(例えば、相互接続は、化学的コンジュゲート化、共有結合、ジスルフィド結合など、またはその組み合わせを含み得る)。一定の実施形態では、相互接続の少なくとも一部は、本開示の抗体の重鎖と異種薬剤との間の融合タンパク質の形成などの共有結合を介する(本開示の抗体の軽鎖または抗体断片とさらに会合することができる)。
【0099】
典型的には、任意の宿主細胞中で使用される発現ベクターは、プラスミドの維持ならびに外来性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のための配列を含むであろう。かかる配列は、一定の実施形態において集合的に「隣接配列」と呼ばれ、典型的には、1つまたは複数の以下のヌクレオチド配列を含むであろう:プロモーター、1つまたは複数のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナースプライス部位およびアクセプタースプライス部位を含む完全なイントロン配列、ポリペプチド分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現すべきポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、および選択マーカーエレメント。これらのベクター部分は周知であり、タンパク質発現のために選択および使用することができる一般的に利用可能なベクターが多数存在する。所望の宿主細胞および適用に基づいてベクターを容易に選択することができる。
【0100】
複製起点は、典型的には、市販の真核生物発現ベクターの一部であり、複製起点は、宿主細胞中のベクターの増幅に役立つ。最適なベクターが複製起点部位を含まない場合、既知の配列に基づいて化学合成し、ベクターにライゲーションすることができる。例えば、プラスミドpBR322由来の複製起点(New England Biolabs,Beverly,Mass.)はほとんどのグラム陰性菌に適切であり、種々のウイルスの複製起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口内炎ウイルス(vesicular stomatitus virus)(VSV)、またはパピローマウイルス(HPVまたはBPVなど))は哺乳動物細胞中のベクターのクローニングに有用である。一般に、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターには必要ない(例えば、SV40複製起点は、ウイルス初期プロモーターも含むことのみを理由としてしばしば使用される)。
【0101】
開示の発現ベクターおよびクローニングベクターは、典型的には、宿主生物によって認識され、重鎖および/または軽鎖をコードする分子に作動可能に連結されたプロモーターを含むであろう。プロモーターは、構造遺伝子(一般に、約100〜1000bp以内)の開始コドンの上流(すなわち、5’側)に存在し、構造遺伝子の転写を調節する非転写配列である。プロモーターは、慣習的に以下の2つのクラスのうちの1つに分類される:誘導性プロモーターおよび構成性プロモーター。誘導性プロモーターは、栄養素の有無または温度変化などの培養条件のいくらかの変化に応答してこのプロモーターの調節下でDNAからの転写レベルの増加を惹起する。他方では、構成性プロモーターは、連続的な遺伝子産物の産生を惹起する;すなわち、遺伝子発現をほとんどまたは全く調節しない。種々の潜在的な宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。適切なプロモーターは、本開示の抗体または抗原結合断片を含む重鎖または軽鎖をコードするDNAに作動可能に連結される。一定の実施形態では、同一のプロモーターを、重鎖および軽鎖の両方のために使用する。他の実施形態では、異なるプロモーター(同一または異なるベクター上に存在する)をそれぞれのために使用する。
【0102】
酵母宿主との使用に適切なプロモーターも当該分野で周知である。酵母エンハンサーを、酵母プロモーターと共に使用することが有利である。哺乳動物宿主細胞との使用に適切なプロモーターが周知であり、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉種ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、および最も好ましくはサルウイルス40(SV40)などのウイルスゲノムから得たプロモーターが含まれるが、これらに限定されない。他の適切な哺乳動物プロモーターには、異種哺乳動物プロモーター(例えば、熱ショックプロモーターおよびアクチンプロモーター)が含まれる。
【0103】
関心が持たれ得るさらなるプロモーターには、以下が含まれるが、これらに限定されない:SV40初期プロモーター領域(Bernoist and Chambon,1981,Nature 290:304−10);CMVプロモーター;ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復中に含まれるプロモーター(Yamamotoら,1980,Cell 22:787−97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1444−45);メタロチオネイン(metallothionine)遺伝子の制御配列(Brinsterら,1982,Nature 296:39−42);原核生物発現ベクター(ベータ−ラクタマーゼプロモーターなど)(Villa−Kamaroffら,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727−31);またはtacプロモーター(DeBoerら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21−25)。組織特異性を示し、且つトランスジェニック動物で利用されている以下の動物転写調節領域も興味深い:膵腺房細胞で活性なエラスターゼI遺伝子調節領域(Swiftら,1984,Cell 38:639−46;Ornitzら,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409(1986);MacDonald,1987,Hepatology 7:425−515);膵β細胞で活性なインスリン遺伝子調節領域(Hanahan,1985,Nature 315:115−22);リンパ球系細胞で活性な免疫グロブリン遺伝子調節領域(Grosschedlら,1984,Cell 38:647−58;Adamesら,1985,Nature 318:533−38;Alexanderら,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−44);精巣細胞、乳房細胞、リンパ系細胞、および肥満細胞で活性なマウス乳癌ウイルス調節領域(Lederら,1986,Cell 45:485−95);肝臓で活性なアルブミン遺伝子調節領域(Pinkertら,1987,Genes and Devel.1:268−76);肝臓で活性なα−フェトタンパク質遺伝子調節領域(Krumlaufら,1985,Mol.Cell.Biol.5:1639−48;Hammerら,1987,Science 235:53−58);肝臓で活性なα1−抗トリプシン遺伝子調節領域(Kelseyら,1987,Genes and Devel.1:161−71);骨髄性細胞で活性なβ−グロビン遺伝子調節領域(Mogramら,1985,Nature 315:338−40;Kolliasら,1986,Cell 46:89−94);脳内の乏突起膠細胞で活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子調節領域(Readheadら,1987,Cell 48:703−12);骨格筋で活性なミオシン軽鎖−2遺伝子調節領域(Sani,1985,Nature 314:283−86);および視床下部で活性な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropic releasing hormone)遺伝子調節領域(Masonら,1986,Science 234:1372−78)。
【0104】
ベクターはまた、軽鎖または重鎖をコードするDNAの転写を増加させるためのエンハンサー配列を含むことができる。
【0105】
本開示の発現ベクターを、市販のベクターなどの出発ベクターから構築することができる。かかるベクターは、全ての所望の隣接配列を含んでいても含んでいなくても良い。本明細書中に記載の1つまたは複数の隣接配列がベクター中に事前に存在しない場合、隣接配列を個別に入手し、ベクターにライゲーションすることができる。各隣接配列を得るために使用される方法は、当業者に周知である。
【0106】
ベクターを構築し、本開示の抗体または抗原結合断片を含む軽鎖もしくは重鎖または軽鎖および重鎖をコードする核酸分子をベクターの適切な部位に挿入した後、完全なベクターを増幅および/またはポリペプチド発現に適切な宿主細胞に挿入することができる。選択された宿主細胞への発現ベクターの形質転換を、周知の方法(トランスフェクション、感染、リン酸カルシウム共沈、エレクトロポレーション、微量注入、リポフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、または他の公知の技術が含まれる)によって行うことができる。選択された方法は、その一部が、使用すべき宿主細胞型の機能であろう。これらの方法および他の適切な方法は当業者に周知であり、例えば、Sambrookら,前出に記載されている。
【0107】
宿主細胞は、適切な条件下で培養した場合、本開示の抗体または抗原結合断片を合成し、その後に培養培地から回収することができるか(宿主細胞が培地中に分泌する場合)、産生宿主細胞から直接回収することができる(分泌しない場合)。適切な宿主細胞の選択は、所望の発現レベル、活性を得るためい望ましいか必要なポリペプチド修飾(グリコシル化またはリン酸化など)、および生物学的に活性な分子への折りたたみの容易さなどの種々の要因に依存するであろう。
【0108】
発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で周知であり、American Type Culture Collection(A.T.C.C.)から利用可能な多数の不死化細胞株(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、HepG2)、および多数の他の細胞株が含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態では、B細胞系譜自体の抗体を作製しないが、異種抗体(例えば、マウス骨髄腫細胞株NS0およびSP2/0)を作製および分泌する能力を有するB細胞系譜由来の細胞株を選択することができる。他の実施形態では、哺乳動物細胞以外の細胞(酵母細胞株(例えば、Pichia)など)が使用される。
【0109】
一定の実施形態では、細胞株は、本開示の抗体または抗原結合断片を安定に発現する。他の実施形態では、細胞は、本開示の抗体または抗原結合断片を一過性に発現する。
【0110】
一定の実施形態では、実質的に精製/単離された本開示の抗体(抗原結合断片が含まれる)を提供する。組換え細胞培養で成長した抗体を実質的に精製するための多数の方法、フィルター、およびデバイスが利用可能である。
【0111】
抗体断片を、全長抗体の酵素消化によって作製することもできる。
【0112】
一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片を、単独または異種薬剤とのコンジュゲートとして提供されるかどうかにかかわらず、検出可能に標識する。一定の実施形態では、検出可能な標識自体が異種薬剤の例である。検出可能な標識などの物質へのコンジュゲート化方法は、当該分野で周知である。1つの実施形態では、付着した物質は、検出可能な標識である(本明細書中でレポーター分子とも呼ばれる)。付着に適切な物質には、フルオロフォア、発色団、色素、放射性同位体、およびその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。抗体に別の物質をコンジュゲート化または共有結合する方法は、当該分野で周知である。
【0113】
用語「標識」または「標識された」は、例えば放射性標識アミノ酸の組み込みによる検出可能なマーカーの組み込み、またはマーキングしたアビジン(例えば、光学的方法または比色法によって検出することができる蛍光マーカー、化学発光マーカー、または酵素活性などの検出可能なマーカーを含むことが好ましいストレプトアビジン)によって検出することができるビオチン部分のポリペプチドへの付着をいう。ポリペプチドおよび糖タンパク質の種々の標識方法が当該分野で公知であり、本明細書中に開示の方法で有利に使用することができる。ポリペプチド標識の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:放射性同位体または放射性核種(例えば、
3H、
14C、
15N、
35S、
90Y、
99mTc、
111In、
125I、
131I)。一定の実施形態では、標識は放射性同位体である。適切な放射性物質の例には、ヨウ素(
121I、
123I、
125I、
131I)、炭素(
14C)、硫黄(
35S)、トリチウム(
3H)、インジウム(
111In、
112In、
113mIn、
115mIn)、テクネチウム(
99Tc、
99mTc)、タリウム(
201Ti)、ガリウム(
68Ga、
67Ga)、パラジウム(
103Pd)、モリブデン(
99Mo)、キセノン(
135Xe)、フッ素(
18F)、
153SM、
177Lu、
159Gd、
149Pm、
140La、
175Yb、
166Ho、
90Y、
47Sc、
186Re、
188Re、
142Pr、
105Rh、および
97Ru)が含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
標識のさらなる例には、蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアナート(fluoroscein isothiocyanate)(FITC)、ローダミン、またはランタニドリン光体)、酵素標識(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光標識、ビオチニル基などのハプテン標識、および二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)によって認識される所定のポリペプチドエピトープが含まれる。一定の実施形態では、標識を、立体障害の可能性を軽減するための種々の長さのスペーサーアームによって付着させる。
【0115】
存在する場合、特定の標識と無関係に、当業者は、精製、診断、または研究を容易にするための適切な標識を選択することができる。他の実施形態では、異種薬剤は治療分子であり、検出可能な標識および/またはエピトープタグを含まないか、検出可能な標識および/またはエピトープタグに加えて治療分子を含む。
【0116】
「ヒト化」は、重鎖および軽鎖の抗原結合に直接関与するアミノ酸(いわゆる相補性決定領域(CDR))が必ずしもヒト起源ではない一方で、免疫グロブリン分子の一方または両方の鎖の残りの可変ドメインの少なくとも一部(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4のうちの1つまたは複数)(いわゆる可変重鎖および/または可変軽鎖のフレームワーク領域)、および、存在する場合、任意選択的に重鎖および軽鎖の定常領域を、そのアミノ酸配列がヒト配列により密接に対応するように改変された抗体などの免疫グロブリンをいう。
【0117】
本明細書中で使用する場合、「ヒト化抗体」は、2つまたはそれを超える鎖の場合、抗体は、少なくとも1つの鎖がヒト化された抗体である。ヒト化抗体鎖は、マウス親と比較して1つまたは複数のフレームワーク領域がマウス親よりもヒトであるように1つまたは複数のフレームワーク領域がヒトであるか変化している可変領域を有する。単鎖であるヒト化抗体は、鎖が、マウス親と比較して1つまたは複数のフレームワーク領域がよりヒトであるように1つまたは複数のフレームワーク領域がヒトであるか変化している可変領域を有する鎖である抗体である。ヒト化抗体鎖または抗原結合断片の可変領域の非ヒト部分は、非ヒト、特に非ヒト抗体起源、典型的には齧歯類起源である。非ヒト部分は、典型的には、1つ(または複数の)ヒト免疫グロブリン由来のフレームワーク領域中に散在する少なくとも1つのCDR領域の形態でヒト化抗体に寄与する。さらに、フレームワーク支持残基は、結合親和性を保存するように変更することができる。したがって、当該分野で理解されるように、抗体がヒト化されたと見なすためにフレームワーク領域全体または特定の鎖上の全フレームワーク領域がヒト抗体に対応する残基を含む必要はない。
【0118】
「ヒト化抗体」は、定常領域(例えば、軽鎖の場合、少なくとも1つの定常領域またはその一部、いくつかの実施形態では、重鎖の場合、3つの定常領域)をさらに含むことができる。ヒト化抗体の定常領域は、存在する場合、典型的には、ヒト起源である。
【0119】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗体を、配列類似性において上位にある密接なヒト免疫グロブリンのκ鎖ホモログまたは重鎖ホモログ(例えば、上位1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10番目に密接な免疫グロブリンのκ鎖ホモログまたは重鎖ホモログ)を同定するためにマウス3E10の軽鎖または重鎖の抗体配列(例えば、それぞれ配列番号7および9のマウス3E10抗体の軽鎖および重鎖アミノ酸配列)を配列データベース検索(例えば、BLAST)に最初に供することによって生成する。上位にある最も密接なヒト免疫グロブリンのκ鎖ホモログまたは重鎖ホモログを、κ鎖または重鎖のCDRグラフティングの候補と見なす。いくつかの実施形態では、次いで、配列アラインメントツール(Vector NTi配列アラインメントツールなど)を使用して、上位のヒト免疫グロブリンのκ鎖ホモログまたは重鎖ホモログのうちのいずれか1つの3E10のκ鎖または重鎖およびフレームワーク領域由来のCDRからなるキメラアミノ酸配列を分析する。
【0120】
一般に、本明細書中で使用する場合、ヒト化抗体は、CDR領域の全部または一部が非ヒト親配列由来の部分に対応し、FR領域の全部または一部がヒト免疫グロブリン配列に由来する1つまたは2つの可変ドメインを含む。次いで、ヒト化抗体は、任意選択的に、免疫グロブリンの定常領域の少なくとも1つの部分(Fc)、特に選択された基準ヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも1つの部分を含むことができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片(例えば、ヒト化抗体または抗原結合断片などの抗体または抗原結合断片)は、3E10抗体の1つまたは複数のCDRを含む。一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むV
Hドメインおよび配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含む3E10抗体の1つまたは複数のCDRを含む。Kabat CDRまたはIMGT CDRのいずれかまたは両方を、抗体をいうか記載するために使用することができる。3E10抗体または開示の抗体のCDRを、当該分野で利用可能な任意のCDR同定スキームを使用して決定することができ、かかるスキームを、抗体を記載するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、CDRを、Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)に記載のKabat定義に従って定義する。他の実施形態では、CDRを、Chothiaら,1987,J Mol Biol.196:901−917およびChothiaら,1989,Nature.342:877−883に従って定義する。他の実施形態では、CDRを、LeFrancら,2003,Development and Comparative Immunology,27:55−77に記載の国際ImMunoGeneTicsデータベース(IMGT)に従って定義する。他の実施形態では、3E10抗体のCDRを、Honegger A,Pluckthun A.,2001,J Mol Biol.,309:657−670に従って定義する。いくつかの実施形態では、CDRを、Kunikら,2012,PLoS Comput Biol.8(2):e1002388で考察された任意のCDR同定スキームに従って定義する。一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、マウスの親抗体と比較してKabat CDR中に1つまたは複数の相違を含む。例えば、一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、マウスの親抗体と比較してVH CDR2および/またはVL CDR2が異なり、任意選択的に、VL CDR1が異なる。しかし、一定の実施形態では、かかる抗体は、マウスの親抗体のIMGT CDRを共有する。
【0122】
本明細書中で、VHドメインおよびVLドメイン中の残基のアミノ酸の位置を、例えば、配列番号7または9と比較した直鎖配列によって言及する。したがって、本開示の抗体または抗原結合断片のVHおよび/またはVLの配列を、配列番号7または9の対応するアミノ酸の位置と比較して記載することができる。例えば、VHドメインまたはVLドメインは特定のアミノ酸の位置に変化を含むことができ、この位置は、配列番号7または9中の特定の位置に対応し得る。
【0123】
しかし、CDR同定スキームはまた、抗体間の比較を容易にするために使用することができるナンバリングシステムを提供する。本明細書中で具体的に使用されないが、当業者は、直鎖配列の言及によるよりもむしろ、一定のナンバリングシステムを使用した本明細書中に記載のCDRに言及するために利用可能なナンバリングスキームを容易に使用することができる。一定の実施形態では、当該分野で公知の任意のCDR同定スキームにしたがってCDRを同定するために抗体の残基をナンバリングするために、抗体を、抗体の配列の相同領域で、選出されたCDR同定スキームのための当該分野で公知の「標準的な」ナンバリング配列とアラインメントすることができる。フレームワーク残基の最大アラインメントは、Fv領域に用いられるような、番号付け体系への「スペーサー」残基の挿入を必要とすることが多い。加えて、任意の所与の部位番号におけるある一定の個々の残基の同一性は、種間または対立遺伝子多様性のため抗体鎖ごとに変わることがある。これらの一定の残基ナンバリングスキームを本明細書中に明確に使用しないが、開示の配列および同定されたCDRに基づいて容易に使用することができる。
【0124】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片)は、Kabat CDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体および抗原結合断片は、配列番号9のアミノ酸残基31〜35に対応するV
HCDR1、配列番号9のアミノ酸残基50〜66に対応するV
HCDR2、および/または配列番号9のアミノ酸残基99〜105に対応するV
HCDR3を含む。本発明者らは、このアミノ酸残基のナンバリングが配列番号9の直鎖アミノ酸配列を参照することに留意している。当業者は、Kabatナンバリングを使用してこれらの残基を同定するためにKabatシステムを容易に使用することができる。一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸残基24〜38に対応するV
LCDR1、配列番号7のアミノ酸残基54〜60に対応するV
LCDR2、および/または配列番号7のアミノ酸残基93〜101に対応するV
LCDR3を含む。本発明者らは、このアミノ酸残基のナンバリングが配列番号7の直鎖アミノ酸配列を参照することに留意している。当業者は、Kabatナンバリングを使用してこれらの残基を同定するためにKabatシステムを容易に使用することができる。
【0125】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、IMGTシステムを使用して定義されるCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体および抗原結合断片は、配列番号9のアミノ酸残基26〜33に対応するV
HCDR1、配列番号9のアミノ酸残基51〜58に対応するV
HCDR2、および/または配列番号9のアミノ酸残基97〜105に対応するV
HCDR3を含む。本発明者らは、このアミノ酸残基のナンバリングが配列番号9の直鎖アミノ酸配列を参照することに留意している。一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸残基27〜36に対応するV
LCDR1、配列番号7のアミノ酸残基54〜56に対応するV
LCDR2、および/または配列番号7のアミノ酸残基93〜101に対応するV
LCDR3を含む。本発明者らは、このアミノ酸残基のナンバリングが配列番号7の直鎖アミノ酸配列を参照することに留意している。一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、前述のCDRの6つ全てを含む。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、前述のCDRのうちの4つ、ならびに配列番号49に記載のVH CDR2および配列番号51に記載のVL CDR2を含む。
【0126】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、Kabat CDR同定スキームを使用して決定した3E10のCDR(例えば、配列番号32〜37に記載のCDR)のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つを含む。一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、配列番号49に記載のVH CDR2および/または配列番号51に記載のVL CDR2および/または配列番号50に記載のVL CDR1をさらに含む。一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、IMGT同定スキームを使用して決定した3E10のCDR(例えば、配列番号1〜6に記載のCDR)のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つを含む。一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、Kabat CDR同定スキームを使用して決定した3E10の6つ全てのCDRを含む(例えば、配列番号32〜37を含む)。他の実施形態では、抗体および抗原結合断片は、IMGT同定スキームを使用して決定した3E10の6つ全てのCDR(例えば、配列番号1〜6に記載)を含む。前述のうちのいずれかについて、一定の実施形態では、抗体および抗原結合断片は3E10と同一のエピトープ(例えば、DNAなどの同一の標的)に結合する抗体であり、そして/または内在化部分は3E10と抗原(例えば、DNA)への結合を競合する。例示的な抗体および抗原結合断片は、ENT2および/またはENT3を介して細胞を通過することができる。
【0127】
一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片)は、IMGTナンバリングを使用した1つまたは複数のCDR中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸が変化したアミノ酸配列(例えば、配列番号1〜6のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDR中、1〜2、1〜3、1〜4、または1〜5つなどの変化を有する)またはKabatナンバリングを使用した1つまたは複数のCDR中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸が変化したアミノ酸配列(例えば、配列番号32〜37のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDR中、1〜2、1〜3、1〜4、または1〜5つなどの変化を有する)を含む。一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片)は、Kabatナンバリングを使用した1つまたは複数のCDR中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸が変化したアミノ酸配列(例えば、配列番号32〜37のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つまたは複数のCDR中、2、3、4、または5つなどの変化を有する)を含む。いくつかの実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含むV
Lドメインを含む:配列番号7の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合のM37L、H38A、またはE59Q。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片は、配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合にT63S変化を含むV
Hドメインを含む。いくつかの実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、配列番号7の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合にE59Q変化を含むV
Lドメイン、および配列番号9の直鎖アミノ酸配列に関して比較し、ナンバリングした場合にT63S変化を含むV
Hドメインを含む。
【0128】
理論に拘束されることを望まないが、本開示の驚くべき発見の1つは、マウス3E10と比較して改良されたDNA結合活性を有し、一定のKabat CDR中にアミノ酸の変化(ここでは、置換)をさらに含む抗体および抗原結合断片を生成することができることである。さらに、一定の実施形態では、CDR置換を有するこれらの改良された抗体も、一定の実施形態では、ヒト化する。
【0129】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、Kabat CDR同定スキームを使用して決定した場合に配列番号9に記載の対応するCDRと異なる少なくとも1つのCDRを含む可変重鎖ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの異なるCDRは、配列番号49に記載のV
H CDR2である。
【0130】
一定の実施形態では、開示の抗体および抗原結合断片は、Kabat CDR同定スキームを使用して決定した場合に配列番号7に記載の対応するCDRと異なる少なくとも1つのCDRを含む可変軽鎖ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの異なるCDRは、配列番号50に記載のV
L CDR1である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの異なるCDRは、配列番号51に記載のV
L CDR2である。
【0131】
アクセプターがヒト免疫グロブリンに由来する場合、ドナーフレームワーク配列をヒトフレームワーク配列群中の種々のヒトフレームワーク配列とアラインメントすることによってドナーフレームワーク配列に対する相同性に基づいて選択したヒトフレームワーク配列を任意選択的に選択し、最も相同性の高いフレームワーク配列をアクセプターとして選択することができる。アクセプターヒトフレームワークは、公的なデータベースで利用可能なヒト抗体生殖系列配列に由来するか、この系列配列から誘導され得る。
【0132】
ヒト化抗体または抗体断片を生成するために使用される特定の方法と無関係に、抗体を、(i)親のマウス抗体の所望の機能を保持し(または任意選択的に増強された機能を有し);(ii)作製または使用を困難にする有害な性質を持たず;好ましくは、(iii)マウスの親抗体と比較して1つまたは複数の有利な性質を保有することを確認するために評価しなければならない。これらのいずれかまたは全てが任意の特異的ヒト化抗体で起こるかどうかおよびその範囲は予測不可能であり、不確実である。置換がまたCDR内に導入された場合、これは特に当てはまる。さらに、ヒト化抗体または抗体断片の抗体パネルのうちで、いくつかは必要な活性を持たなくてもよく、必要な活性を持つ1つまたは複数の抗体は、他のヒト化抗体と比較して有利な性質を有し得る。これについても予測不可能であり、不確実である。
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;VLドメインはヒト化されており、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み;これらのCDRはIMGTシステムに従っており、
VHドメインはヒト化されており、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
【0133】
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み;CDRはIMGTシステムに従っており、抗体または抗原結合断片のDNA結合および/または細胞透過は、配列番号7のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメインおよび配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメインを含むマウス3E10抗体のDNA結合および/または細胞透過と比較して増加している。
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;VHドメインは、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み、
これらのCDRはKabatシステムに従っており;
VLは、以下:
配列番号50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはKabatシステムに従っており;
抗体または抗原結合断片はDNAに結合する。
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを含み;VHドメインは、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含み、
これらのCDRはKabatに従っており;
VLは、以下:
配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、
これらのCDRはKabatに従っており;
抗体または抗原結合断片はDNAに結合する。
【0134】
一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片は、細胞を透過する(例えば、原形質膜を通過し、細胞(ENT2を発現する細胞など)に侵入することができる)。
【0135】
いくつかの実施形態では、VHドメインはヒト化されている。いくつかの実施形態では、VLドメインはヒト化されている。
【0136】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、配列番号40に記載のアミノ酸配列、またはIMGTシステムによって定義した場合に配列番号40と比較してフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が存在することが配列番号40と異なるアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含む。他の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列、またはIMGTシステムによって定義した場合に配列番号8と比較してフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が存在することが配列番号8と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VLドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む。
【0137】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、配列番号38に記載のアミノ酸配列、またはIMGTシステムによって定義した場合に配列番号38と比較してフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が存在することが配列番号38と異なるアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含む。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列、またはIMGTシステムによって定義した場合に配列番号39と比較してフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が存在することが配列番号39と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、V
Hドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列、またはIMGTシステムによって定義した場合に配列番号10と比較してフレームワーク領域中に全部で1、2、3、4、5、または6つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が存在することが配列番号10と異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号39に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、VHドメインは、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む。
【0138】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインはヒト化されており、且つ配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0139】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインはヒト化されており、且つ配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0140】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインはヒト化されており、且つ配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0141】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインはヒト化されており、且つ配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0142】
一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0143】
一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片のV
Hドメインは、以下:
配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2;および
配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
【0144】
一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片のV
Lドメインは、以下:
配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Lドメインは配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み;V
Hドメインは配列番号9に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号38に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の抗体または抗原結合断片は軽鎖可変(V
L)ドメインおよび重鎖可変(V
H)ドメインを含み;V
Hドメインは配列番号39に記載のアミノ酸配列を含み;V
Lドメインは配列番号7に記載のアミノ酸配列の3つのCDRを含み、抗体または抗原結合断片はDNAに結合し、細胞を透過する。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号7のアミノ酸配列を含むV
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号40のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号38のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号7のアミノ酸配列を含むV
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号38のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号38のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号40のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号39のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号7のアミノ酸配列を含むV
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号39のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号39のアミノ酸配列を含むヒト化V
Hドメイン、およびb)配列番号40のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号9のアミノ酸配列を含むV
Hドメイン、およびb)配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、以下を含む:a)配列番号9のアミノ酸配列を含むV
Hドメイン、およびb)配列番号40のアミノ酸配列を含むヒト化V
Lドメイン。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、シグナル配列を含む。いくつかの実施形態では、シグナル配列を、本明細書中に開示の任意のV
L配列(例えば、配列番号8)のN末端部分にコンジュゲート化する。いくつかの実施形態では、軽鎖にコンジュゲート化したシグナル配列は配列番号61である。いくつかの実施形態では、シグナル配列を、本明細書中に開示の任意のV
H配列(例えば、配列番号10)のN末端部分にコンジュゲート化する。いくつかの実施形態では、重鎖にコンジュゲート化したシグナル配列は配列番号62である。抗体または抗体断片の発現のためにシグナル配列を含める場合、そのシグナル配列は一般に切断され、完成したポリペプチド中に存在しない(例えば、シグナル配列は一般に切断され、タンパク質産生中に一過性にのみ存在する)と理解される。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の本開示の任意の抗体または抗原結合断片のV
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V5Q、E6Q、L11V、V12I、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、S88A、M93V、T111L、またはL112V。換言すれば、一定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、対応する位置を配列番号9と比較した場合に、上述に対応する位置に1つまたは複数のアミノ酸の変化を含む。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V5Q、L11V、K13Q、R18L、K19R、V37I、E42G、A49S、T63S、A75S、F80Y、T84N、M93V、T111L、またはL112V。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、前記変化の少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、または少なくとも17個を含む。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はV5Q変化である。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はE6Q変化である。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、V
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はL11V変化である。一定の実施形態では、配列番号9のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合にV
Hドメイン中の少なくとも1つの変化はV37I変化である。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸88位に対応するアミノ酸の位置にセリンを保持している。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸12位に対応するアミノ酸の位置にバリンを保持している。一定の実施形態では、V
Hドメインは、配列番号9のアミノ酸47位に対応するアミノ酸の位置にトリプトファンを保持している。VLについて本明細書中で提供した任意の態様および実施形態との組み合わせと同様に、上記の全ての操作可能な組み合わせを意図する。前述のアミノ酸残基のナンバリングは、所与のVHの直鎖アミノ酸配列を参照し、本開示は、マウスの親VHまたはVL中の列挙した位置に対応する位置に1つまたは複数の列挙した置換を有するヒト化抗体および抗原結合断片を意図する。
【0149】
前述のいずれかまたは本明細書中に開示の態様および実施形態のいずれかの一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意のヒト化抗体または抗原結合断片のV
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、S22T、M37L、H38A、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、A87F、またはG104A。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、1つまたは複数の以下のアミノ酸の変化を含む:V3Q、L4M、A9S、A12S、V13A、L15V、Q17D、A19V、G45E、Q46K、P47A、E59Q、A64S、H76T、N78T、H80S、P81S、V82L、E83Q、E84P、A87V、またはG104A。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を参照して比較し、ナンバリングした場合に、前記アミノ酸変化の少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、または少なくとも22個を含む。
【0150】
配列番号7または9に記載のアミノ酸配列と比較した特定の位置での任意の上述の変動について言及していると理解すべきである。本開示の抗体または抗原結合断片は、配列番号7または9のアミノ酸配列と比較した対応する位置の1つまたは複数のかかるアミノ酸の変化を含むことができる。例として、一定の実施形態では、VHドメインは、配列番号9の11位に対応する位置のLからVへの変化(例えば、L11V変化)を含む。これは、前述の全ての変化を説明することもできる方法の例であり、かかる説明が明確に意図される。別の例として、一定の実施形態では、VLドメインは、配列番号7の3位に対応する位置にVからQへの変化(例えば、V3Q変化)を含む。
【0151】
一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の各位置にセリンを含む。一定の実施形態では、V
Lドメインは、配列番号7のアミノ酸53位に対応するアミノ酸の位置にリジンを保持している。一定の実施形態では、V
Lドメインは、1つまたは複数の以下のアミノ酸の組み合わせ:
a)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびセリン;
b)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびグリシン;
c)それぞれ、配列番号7のアミノ酸80位および81位に対応するアミノ酸の位置のアスパラギンおよびプロリンのいずれも持たない。VHについて本明細書中で提供した任意の態様および実施形態との組み合わせと同様に、前述の全ての操作可能な組み合わせを意図する。前述のアミノ酸残基のナンバリングは、所与のVHの直鎖アミノ酸配列を参照し、本開示は、マウスの親VHまたはVL中の列挙した位置に対応する位置に1つまたは複数の列挙した置換を有するヒト化抗体および抗原結合断片を意図する。
【0152】
いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分(例えば、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(V
L)ドメインおよび配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変(V
H)ドメインを含むヒト化抗体または抗原結合断片)は、基準非ヒト化内在化部分(例えば、マウスの親3E10抗体)と比較して、少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。他の実施形態では、ヒト化内在化部分は、基準非ヒト化内在化部分と比較して、少なくとも2つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。他の実施形態では、ヒト化内在化部分は、基準非ヒト化内在化部分(例えば、マウスの親3E10抗体)と比較して、少なくとも3つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。いくつかの実施形態では、基準非ヒト化内在化部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号7のアミノ酸配列を含むVLを含むマウス親抗体を含む。いくつかの実施形態では、基準ヒト化内在化部分は、配列番号43のアミノ酸配列を含む抗体である。いくつかの実施形態では、基準内在化部分は、配列番号42のV
Hアミノ酸配列および配列番号41のV
Lアミノ酸配列を含むヒト化抗体または抗原結合断片である。
【0153】
一定の実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片はヒト化されており、マウス抗体と比較して、少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連し、マウス抗体は配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むV
Lドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含み、そして/またはオルタナティブ抗体またはその抗原結合断片と比較して、前記オルタナティブ抗体または抗原結合断片は、配列番号7に記載のアミノ酸配列のCDRを含むV
Lドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列のCDRを含むV
Hドメインを含み;前記オルタナティブ抗体または断片は配列番号8または40のアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含まず、そして/または前記オルタナティブ抗体または断片は配列番号10、38、または39のいずれかのアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含まず;または、いくつかの実施形態では、前記オルタナティブ抗体または断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含まず、そして/または前記オルタナティブ抗体または断片は、任意の配列番号10のアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含まない。
【0154】
いくつかの実施形態では、本開示のヒト化内在化部分(例えば、ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(V
L)ドメインおよび配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変(V
H)ドメインを含む)は、オルタナティブ内在化部分またはその断片(例えば、同一の親のマウス抗体に基づき、任意選択的に、同一のCDRを有する異なるヒト化抗体)と比較して、少なくとも1つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。他の実施形態では、本開示のヒト化内在化部分は、オルタナティブ内在化部分(例えば、同一の親のマウス抗体に基づき、任意選択的に、同一のCDRを有する異なるヒト化抗体)と比較して、少なくとも2つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。他の実施形態では、本開示のヒト化内在化部分は、オルタナティブ内在化部分(例えば、同一の親のマウス抗体に基づき、任意選択的に、同一のCDRを有する異なるヒト化抗体)と比較して、少なくとも3つの優れた生物学的性質または生理学的性質に関連する。いくつかの実施形態では、オルタナティブ抗体は、ヒト化抗体が由来する親抗体(例えば、親のマウス抗体)である。いくつかの実施形態では、オルタナティブ抗体は、3E10抗体に由来するが、本開示のヒト化内在化部分またはその抗原結合断片と異なるアミノ酸配列を有する別のヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片は、マウス親抗体および/またはオルタナティブヒト化抗体と比較して1つまたは複数の改良された特徴を有する。いくつかの実施形態では、オルタナティブヒト化抗体は、開示の抗体と比較してKabat CDR中に1、2、または3つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、オルタナティブ内在化部分またはその断片は、以下:
配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
配列番号33のアミノ酸配列を有するVH CDR2;
配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
配列番号35のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
配列番号36のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および
配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、CDRはKabatに従って定義されるが、本開示のヒト化内在化部分またはその断片(例えば、配列番号8、10、または38〜40のうちのいずれかのアミノ酸配列を含むヒト化内在化部分またはその断片)中に同一の足場アミノ酸配列を含まない。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のヒト患者における免疫原性が非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片のヒト患者における免疫原性と比較して減少することに関連する。当業者は、抗体の免疫原性を決定するための多数のアッセイに精通している。好ましい実施形態では、本開示のヒト化抗体は、ヒト患者における免疫原性の減少に関連するが、マウス3E10抗体に関連する細胞透過性を保持している。
【0156】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ある生理学的に許容され得るキャリア中のヒト化内在化部分または抗原結合断片の溶解性が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の溶解性と比較して高いことに関連する。本明細書中で使用する場合、生理学的に許容され得るキャリアには、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールなど)、およびその適切な混合物、植物油(オリーブ油など)、ならびに注射用有機エステル(オレイン酸エチルなど)が含まれる(includes include)。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、生理学的に許容され得るキャリア中の溶解性が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%高いことに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の溶解性の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。溶解性アッセイの例には、標準的な混濁度アッセイまたは光散乱アッセイ、市販の溶解性アッセイ(OptiSol(商標)溶解性アッセイキット(DiLyx,Seattle,WA)など)が含まれるか、Bondosら,2003,Analytical Biochemistry,316:223−231に記載のタンパク質溶解性アッセイスクリーニングを利用することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型における発現レベルが同型細胞における非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の発現レベルと比較して高いことに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ある細胞中の発現レベルが同型細胞中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片の発現レベルと比較して、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%高いことに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の発現レベルの試験のために利用することができる日常的試験を承知している。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型における毒性(例えば、細胞傷害性および/または遺伝毒性)が非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片に関連する同型細胞における毒性と比較して低いことに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片の毒性は、同型細胞中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片の毒性と比較して、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%低いことに関連する。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物などの生物内に存在する。いくつかの実施形態では、細胞は、人体中のヒト細胞である。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の毒性の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。例えば、本開示のヒト化内在化部分またはその断片および非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分またはその断片の毒性を、in vitro細胞または細胞培養物(ヒト細胞由来の細胞または細胞培養物など)中で試験することができるか、マウスまたはラットなどのin vitro動物モデル中で試験することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ある生理学的に許容され得るキャリア中のヒト化内在化部分または抗原結合断片の凝集が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の凝集と比較して減少することに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ある生理学的に許容され得るキャリア中の凝集が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%低いことに関連する。いくつかの実施形態では、ある薬学的に許容され得るキャリア中のヒト化抗体または抗原結合断片(antigen−binding antigen−binding fragment)は、少なくとも1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、2日後、5日後、1週間後、2週間後、4週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、または1年後の凝集の減少に関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の凝集の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。凝集アッセイの例には、標準的な混濁度アッセイまたは光散乱アッセイ(例えば、A600nmアッセイ)、目視検査、SDS−PAGE、市販の凝集アッセイ(OptiSol(商標)凝集アッセイキット(DiLyx,Seattle,WA)など)、HP−SEC分析が含まれるか、Bondosら,2003,Analytical Biochemistry,316:223−231に記載のタンパク質凝集アッセイスクリーニングを利用することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または抗原結合断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある生理学的に許容され得るキャリア中の安定性が同型の生理学的に許容され得るキャリア中での非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の安定性と比較して増加することに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ある生理学的に許容され得るキャリア中の安定性が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%高いことに関連する。いくつかの実施形態では、ある薬学的に許容され得るキャリア中のヒト化抗体または抗原結合断片(antigen−binding antigen−binding fragment)は、同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して、少なくとも1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、2日後、5日後、1週間後、2週間後、4週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、または1年後の安定性の増加に関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の安定性の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。例えば、当業者は、生理学的に許容され得るキャリア中での種々の期間の保存後のヒト化内在化部分および非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分またはその断片の安定性を試験することができる。ProteoStat(商標)熱シフト安定性アッセイ(Enzo,Farmingdale,NY)などの市販のアッセイを、部分またはその断片の安定性の評価で利用することができる。あるいは、部分またはその断片の安定性を、HP−SEC分析またはSDS−PAGE分析によって決定することができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または抗原結合断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片の細胞透過が非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の細胞透過と比較して改良されることに関連する。いくつかの実施形態では、透過性の改良は、ENT輸送体(例えば、ENT2および/またはENT3輸送体)によるヒト化内在化部分または抗原結合断片の内在化効率の増加に起因する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、細胞透過が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%高いことに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の細胞透過の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。例えば、ヒト化内在化部分またはその断片の細胞透過を決定するために、ヒト化内在化部分またはその断片を(例えば、蛍光または放射性に)標識し、細胞または細胞培養物に投与することができる。あるいは、ヒト化内在化部分またはその断片の細胞透過を決定するために、ヒト化内在化部分またはその断片を、細胞または細胞培養物に投与し、次いで、二次因子(例えば、蛍光標識されたか放射性標識された二次抗体)を使用して検出することができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型におけるグリコシル化が同一細胞型における非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片のグリコシル化と比較して減少することに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体または抗体断片のN連結グリコシル化を減少させるために、VHまたはVLドメイン中のアスパラギンを別のアミノ酸残基に変異する。他の実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型中のグリコシル化が同一細胞型中の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片のグリコシル化と比較して増加することに関連する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型中の特定のグリコシル化パターンが同一細胞型中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片のグリコシル化パターンと異なることに関連する。例えば、ヒト化内在化部分または抗原結合断片をある細胞型中でヘミグリコシル化(hemi−glycosylated)することができる一方で、非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片は、同型細胞中でヘミグリコシル化されない。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片がある細胞型中で特異的グリコシル化基にて翻訳後修飾され、これが、同型細胞中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片の翻訳後修飾と異なることである。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片のグリコシル化パターンの試験のために利用することができる日常的試験を承知している。内在化部分およびその断片のグリコシル化レベルおよびグリコシル化パターンの試験のための実験例には、Mohammad,2002,Protein Protocols Handbook,pages 795−802に記載のプロトコール;質量分析および/またはHPLCを含む標準的な手順;GLYCO−PROTM(Sigma−Aldrich);ならびにQproteome総糖タンパク質キット(商標)(Qiagen,Valencia,CA)が含まれる。タンパク質配列中の正確なグリコシル化部位を同定するために、Zauner Gら,2010,J Sep Sci.,33:903−10に記載のプロトコールと同様に、標準的なエンドプロテイナーゼ切断(例えば、トリプシン消化)を行い、その後にLC/MSまたはHILIC−MS/MSによる分析を行うことができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある生理学的に許容され得るキャリア中の脱アミド化が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の脱アミドと比較して減少することに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ある生理学的に許容され得るキャリア中の脱アミドが同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%低いことに関連する。いくつかの実施形態では、ある薬学的に許容され得るキャリア中のヒト化抗体または抗原結合断片は、同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、2日後、5日後、1週間後、2週間後、4週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、または1年後の脱アミド化が減少することに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の脱アミド化の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。タンパク質脱アミド化の試験のためのアッセイの例には、市販の脱アミド化アッセイ(ISOQUANT(登録商標)イソアスパラギン酸検出キット(Promega,Madison WI)またはDionex UltiMate 3000チタンシステム(Dionex,Sunnyvale,CA)など)が含まれる。他のアッセイには、ペプチドマッピングが含まれ得る。一般に、Kalgahtgi,K.,& Horvath,C.“Rapid Peptide Mapping by High Performance Liquid Chromatography”,J.Chromatography 443,343−354(1988)を参照のこと。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある生理学的に許容され得るキャリア中の酸化が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片の酸化と比較して減少することに関連する。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ある生理学的に許容され得るキャリア中の酸化が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%低いことに関連する。いくつかの実施形態では、ある薬学的に許容され得るキャリア中のヒト化抗体または抗原結合断片(antigen−binding antigen−binding fragment)は、同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、2日後、5日後、1週間後、2週間後、4週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、または1年後の酸化が減少することに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の酸化の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。例えば、酸化レベルを、いくつかの市販の酸化アッセイのうちのいずれか1つ(メチオニンスルホキシド免疫ブロッティングキット(Cayman Chemical,Ann Arbor,MI)など)を使用して評価することができる。他のアッセイにはペプチドマッピングが含まれ得る。一般に、Kalgahtgi,K.,& Horvath,C.“Rapid Peptide Mapping by High Performance Liquid Chromatography”,J.Chromatography 443,343−354(1988)を参照のこと。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型で産生された場合のリピド化が同型の細胞中で産生された場合の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または断片のリピド化と比較して減少することに関連する。他の実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型で産生された場合のリピド化が同型の細胞中で産生された場合の非ヒト化抗体もしくはオルタナティブ抗体または抗原結合断片のリピド化と比較して増加することに関連する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片のある細胞型中で産生された場合の特定のリピド化パターンが同型細胞中で産生された場合の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片のリピド化パターンと異なることに関連する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片がある細胞型で産生された場合に特異的リピド化基にて翻訳後修飾され、これが、同型の細胞中で産生された場合の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片の翻訳後修飾と異なることである。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片のリピド化パターンの試験のために利用することができる日常的試験を承知している。例えば、内在化部分またはその断片を、Gelbら,1999,Protein Lipidation Protocols,Humana Press,pages 1−256に記載のプロトコールによって評価することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の開示のヒト化内在化部分または断片に関連する優れた生物学的性質または生理学的性質は、ヒト化内在化部分または抗原結合断片が、非ヒト化抗体、親抗体、もしくはオルタナティブ抗体、または断片(異なるヒト化抗体など)の結合親和性と比較して、高い親和性(低K
D)でポリヌクレオチド(例えば、DNA)に結合することができることである。いくつかの実施形態では、ヒト化内在化部分または断片は、ポリヌクレオチド(例えば、DNA;二本鎖平滑末端DNA)に対する結合親和性が同型の生理学的に許容され得るキャリア中の非ヒト化内在化部分もしくはオルタナティブ内在化部分または抗原結合断片と比較して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、または300%強いことに関連する。当業者は、ヒト化内在化部分またはその断片の結合親和性(K
D)の試験のために利用することができる日常的試験を承知している。結合親和性を、現在標準的な方法および製造者のプロトコールにしたがって表面プラズモン共鳴(SPR)または水晶振動子マイクロバランス(QCM)を使用して測定することができる。
III.異種薬剤
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体またはその抗原結合断片)を、異種薬剤にコンジュゲート化することができる。したがって、本開示は、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲートを提供する。異種とは、薬剤自体が抗体または抗原結合断片の一部ではなく、そして/または、抗体または抗原結合断片の天然の内因性の標的ではないことを意味する。一定の実施形態では、異種薬剤を、抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化する(例えば、2つの部分を、共有結合(同時翻訳融合または化学的コンジュゲート化など)によって接合する。
【0168】
いくつかの実施形態では、異種薬剤はポリペプチドまたはペプチドである。他の実施形態では、異種薬剤はポリヌクレオチドである(例えば、DNAまたはRNAなどの核酸(アンチセンスDNAまたはRNAが含まれる)を含む)。他の実施形態では、異種薬剤は有機小分子である。一定の実施形態では、ポリペプチド、ペプチド、またはポリヌクレオチドは治療薬である。一定の実施形態では、有機小分子は治療薬である。他の実施形態では、異種薬剤は毒素である。他の実施形態では、異種薬剤は、放射性核種(radionucleide)または他の検出可能な標識である。例示的な放射性核種(radionucleide)および検出可能な標識は、in vivoまたはin vitroでのコンジュゲートの視覚化または局在化を容易にし、したがって、本開示のコンジュゲートの診断での使用およびこれを使用したin vitro研究を容易にする。
【0169】
いくつかの実施形態では、異種薬剤はポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを、遺伝子療法の形態として細胞に投与する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、細胞中で既に発現した遺伝子の発現を増加させる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは遺伝子の野生型コピーであり、細胞は遺伝子の変異体コピーを発現する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、遺伝子の変異体コピーである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは遺伝子の変異体コピーであり、細胞は遺伝子の野生型コピーを発現する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは遺伝子の変異体コピーであり、細胞は遺伝子の変異体コピーを発現する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはアンチセンス分子である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはRNAi分子である。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドはsiRNA分子である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、CRISPRテクノロジーで用いるtrRNAおよび/またはcrRNAの一方または両方である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、合成シングルガイドRNA(sgRNA)である。例えば、Jinek,M.ら(2012)Science,337,816−821を参照のこと。いくつかの実施形態では、trRNA、crRNA、および/またはsgRNAを、Cas9タンパク質またはCas9タンパク質をコードするポリヌクレオチドと組み合わせて投与する。いくつかの実施形態では、Cas9タンパク質またはCas9タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、本明細書中に記載の任意の内在化部分によって細胞に投与する。いくつかの実施形態では、Cas9タンパク質は、D10A変異および/またはH840A変異を有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、D10A変異および/またはH840A変異を有するCas9タンパク質をコードする。例えば、Cong L.ら(2013)Science,339,819−823;Jinek,M.ら(2012)Science,337,816−821;Gasiunas,G.ら(2012)Proc.Natl.Acad.Sci.U S A,109,E2579−2586;およびMali,P.ら(2013)Science,339,823−826(それぞれ、その全体が本明細書中で参考として組み込まれる)を参照のこと。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の任意の内在化部分を、D10A変異およびH840A変異の両方を有するCas9タンパク質にコンジュゲート化し、いくつかの実施形態では、この変異Cas9タンパク質を使用して、転写制御(Perez−Pinera,P.ら(2013)Nat.Methods,10,239−242.,Mali,P.ら(2013)Nat.Biotechnol.31,833−838;Cheng,A.W.ら(2013)Cell Res.23,1163−1171)、後成的修飾(Hu,J.ら(2014)Nucleic Acids Res.doi:10.1093/nar/gku109)、および特定のゲノム遺伝子座の微視的視覚化(Chen,B.ら(2013)Cell,155,1479−1491)のためにタンパク質ドメインをターゲティングすることができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片(例えば、本開示のヒト化抗体またはその抗原結合断片)と異種薬剤との間のコンジュゲート化を、1つの連続ポリペプチド鎖として発現する異種薬剤ポリペプチドおよび内在化部分を含む融合タンパク質の生成によって行う。全長抗体またはFabのコンジュゲート化の場合、最終産物が1つを超えるポリペプチド鎖を含むが、異種薬剤を重鎖などの鎖の1つに共有結合性に会合させる(例えば、インフレームの同時翻訳融合物として産生する)ことができると認識される。いずれにしても、かかるポリペプチドを、本明細書中で組換えによってコンジュゲート化したか融合タンパク質を含むという。これは、抗体または抗原結合断片と異種薬剤との間のコンジュゲート化(例えば、相互接続;会合)の一例である。かかる融合タンパク質の調製では、異種薬剤ポリペプチドおよび内在化部分、ならびに、任意選択的に、異種薬剤ポリペプチドと内在化部分とを繋ぐためのペプチドリンカー配列をコードする核酸を含む融合遺伝子を構築する。本開示は、適切な複合体(融合タンパク質など)はいずれの方向でもよいことが意図される。換言すれば、ヒト化抗体またはその抗原結合断片部分は、異種薬剤のN末端側またはC末端側に存在し得る。最終産物が1つのポリペプチド鎖、例えば、宿主細胞中での発現後に重鎖および軽鎖が会合する抗体を含む場合、本開示は、重鎖および軽鎖(任意選択的に、例えば重鎖との融合タンパク質として発現する異種薬剤を有する)を同一の宿主細胞中で発現する単一のベクターまたはベクター組から発現させることができることを意図する。
【0171】
一定の特定の実施形態では、本開示の方法で用いるコンジュゲートを、ユニバーサルキャリアシステムの使用によって産生することができる。例えば、異種薬剤ポリペプチドを、プロテインA、ポリ−L−リジン、およびhex−ヒスチジンなどの一般的なキャリアにコンジュゲート化することができる。次いで、コンジュゲート化されたキャリアは、内在化部分として作用する抗体(例えば、本開示のヒト化抗体またはその抗原結合断片)と複合体を形成するであろう。免疫グロブリン結合を担うキャリア分子のほんの一部をキャリアとして使用することができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、本開示のヒト化抗体または抗原結合断片を、異種薬剤に化学的にコンジュゲート化する。一定の実施形態では、ヒト化抗体またはその抗原結合断片を、周知の架橋試薬およびプロトコールを使用して化学的にコンジュゲート化する。例えば、当業者に公知であり、異種薬剤のヒト化抗体またはその抗原結合断片との架橋に有用な化学的架橋剤が多数存在する。例えば、架橋剤は、段階的様式で分子を連結させるために使用することができるヘテロ二官能性架橋剤であり得る。代表的な架橋剤(代表的なヘテロ二官能性架橋剤が含まれる)の例を本明細書中に提供する。
【0173】
前述は例である。異種薬剤がタンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、または小分子(例えば、化学療法薬小分子)のいずれであるかと無関係に、本開示の抗体または抗原結合断片を異種薬剤にコンジュゲート化するか、そうでなければ接合する方法は多数存在する。当業者は、本開示の抗体または抗原結合断片を異種薬剤と会合するための適切なスキーム(直接またはリンカー(例えば、ポリペプチドまたは他のリンカー)を介した会合が含まれる)を選択することができる。
【0174】
上記のように、本開示は、本開示の抗体または抗原結合断片へのコンジュゲート化に適切な異種薬剤がポリペプチド、ペプチド、小分子(例えば、有機小分子または無機小分子)(例えば、化学療法薬小分子)、またはポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNAなどの核酸)であり得ることを意図する。さらに、以下の異種薬剤のカテゴリーを意図する。それぞれの例を提供する。例示的な異種薬剤を、以下に簡潔に記載する。これらは、本テクノロジーを使用して細胞内に送達することができる異種薬剤および特異的薬剤のカテゴリーの例にすぎない。しかし、ペプチド、ポリペプチド(酵素が含まれる)、ポリヌクレオチド、および小分子を含むコンジュゲートおよびこれらの送達方法を意図し、提供する。
A.ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害
【0175】
異種薬剤の1つのカテゴリーは、ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置または研究に適切な薬剤である。適切な異種薬剤には、ポリペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、および小分子が含まれる。ヌクレオチド反復障害およびエクソンスプライシング障害(筋緊張性ジストロフィ、ハンチントン病、および神経線維腫症など)の分野に多数の例が存在する。多数のヌクレオチド反復障害およびエクソンスプライシング障害について、疾患の病理に関与する1つまたは複数のタンパク質が公知であり、in vitroまたはin vivo(細胞もしくは動物内で疾患を研究するためまたは治療目的のいずれか)での送達のために本開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化することができる異種薬剤を示す。一定の実施形態では、コンジュゲートは、異種薬剤がin vitro系またはin vivo系で結合することができる標的を同定するのに適切である。ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置または研究に適切な異種薬剤のいくつかの具体例を以下に提供する。これらは、異種薬剤およびこの異種薬剤のカテゴリーの例にすぎない。
【0176】
いくつかの実施形態では、異種薬剤は、MBNLポリペプチドまたはその断片、変異体、もしくはバリアントである。したがって、本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)MBNLポリペプチド(例えば、MBNLポリペプチドにコンジュゲート化したか、そうでなければ会合した本開示の抗体)を含むコンジュゲートを提供する。異種薬剤として使用することができるMBNLポリペプチド、ならびにその断片、変異体、およびバリアントの詳細な説明を、PCT出願WO2010/044894号(その全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドを、ユニバーサルキャリアシステムにおいてかまたは化学的コンジュゲート化によって融合タンパク質として本開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化する。
【0177】
本明細書中で使用する場合、用語「MBNLポリペプチド」または「MBNLタンパク質」には、明確に別記しない限り、野生型MBNLポリペプチド(例えば、MBNL1、MBNL2、またはMBNL3)の種々のスプライシングイソ型、断片、バリアント、融合タンパク質、および修飾形態が含まれる。かかるMBNLポリペプチドのイソ型、断片、バリアント、融合タンパク質、および修飾形態は、未変性のMBNLタンパク質と実質的に配列が同一のアミノ酸配列の少なくとも一部を有し、少なくとも2つの亜鉛フィンガーモチーフを保持する。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片、バリアント、または融合タンパク質は、MBNL1ポリペプチド(例えば、配列番号12〜18)、MBNL2ポリペプチド(例えば、配列番号55〜56)、またはMBNL3ポリペプチド(例えば、配列番号57−58)、またはその断片(例えば、配列番号59)のうちのいずれかと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。任意の前述の一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片はN末端メチオニンを欠く。
【0178】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチド(MBNLの断片など)は、少なくとも2つの亜鉛フィンガーモチーフを含むが、4つを超えない亜鉛フィンガーモチーフを含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドは、全長MBNLポリペプチドの少なくとも1つの天然の機能の活性が低く、この活性の減少を、例えば、MBNL断片に最も密接に連関する全長MBNLポリペプチドとの比較(同一アッセイにおける)によって評価する。例えば、MBNLポリペプチドがMBNL1ポリペプチドの断片である場合、全長MBNL1ポリペプチド(断片に最も密接に連関する全長MBNLポリペプチドなど)と比較することができる。
【0179】
ここおよび本明細書中の他の場所において、配列同一性は、配列をアラインメントし、配列全体について同一率を最大にすることが必要な場合は配列同一性の一部としていかなる保存的置換を考慮せずにギャップを導入した後に候補配列中の残基が比較される対応配列の残基と同一である比率をいう。一定の実施形態では、N末端またはC末端の伸長や挿入による同一性または相同性の低下を考慮しないであろう。
【0180】
配列のアラインメントおよび同一率の計算のための方法およびコンピュータプログラムは当該分野で周知であり、容易に利用可能である。配列同一性を、配列解析ソフトウェアを使用して測定することができる。例えば、ExPasyバイオインフォマティクスリソースポータルから利用可能なアラインメントおよび解析ツール(ClustalWアルゴリズム)のパラメータをデフォルトに設定する。ペアワイズアラインメントまたは大域アラインメントに基づいた適切な配列アラインメントおよび比較を容易に選択することができる。配列同一率および配列類似率の決定に適切なアルゴリズムの一例はBLASTアルゴリズムであり、Altschulら,J Mol Biol 215:403−410(1990)に記載されている。BLAST分析用ソフトウェアは、国立生物工学情報センター(www.ncbi.nlm.nih.gov/)から公的に利用可能である。一定の実施形態では、特定のプログラム用の現在のデフォルト設定を、配列のアラインメントおよび同一率の計算のために使用する。
【0181】
MBNLポリペプチドの構造および種々のモチーフは、当該分野で公知である(例えば、Kinoら,2004,Human Molecular Genetics,13:495−507を参照のこと)。一定の実施形態では、本明細書中に記載のポリペプチドは、MBNLポリペプチドの断片を含む。一定の特定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、C末端の一部を欠く。任意選択的に、MBNLポリペプチドの断片は、4つ全ての亜鉛フィンガーモチーフを含む。他の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、4つ未満の亜鉛フィンガーモチーフを含む。いくつかの実施形態では、MBNL1ポリペプチドの断片は、1、2、または3つの亜鉛フィンガーモチーフを含み、任意選択的に、4つの亜鉛フィンガーモチーフを含まない。特定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、2つの亜鉛フィンガーモチーフを含む。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、第2の亜鉛フィンガーモチーフと第3の亜鉛フィンガーモチーフとの間のアミノ酸配列の少なくとも一部を欠く。特定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12のアミノ酸73〜178に対応するアミノ酸の少なくとも一部を欠く。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、少なくとも2つの亜鉛フィンガーモチーフを含むが、4つ全てより少ない亜鉛フィンガーモチーフを含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、全長MBNLポリペプチドと比較した場合および比較して、および/または4つ全ての亜鉛フィンガーモチーフを含むMBNLポリペプチドと比較して少なくとも1つの機能活性が減少している。かかる機能活性の比較は、同一のアッセイで行われるであろう。一定の実施形態では、MBNLの断片は、その機能活性に関して、ドミナントネガティブとして機能する。
【0182】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、天然に存在するMBNLポリペプチドが短縮されている。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、Edgeら,2013,BMC Molecular Biology,14(29):1−16およびGrammatikakisら,2011,Nucleic Acids Research,39(7):2769−2780に記載の任意のMBNL断片(例えば、配列番号12のアミノ酸残基41〜382、81〜382、121〜382、161〜382、201〜382、241〜382、1〜342、1〜302、1〜262、1〜222、1〜182、1〜142、1〜102、2〜183、2〜116、2〜102、2〜91、2〜72、73〜183、73〜253、116〜253、または184〜253のうちのいずれかを含むMBNLポリペプチドの断片)(それぞれ本明細書中で参考として組み込まれる)を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12〜18または55〜58のいずれかの残基1〜75、1〜80、1〜85、1〜90、1〜95、1〜100、1〜110、1〜120、1〜130、1〜140、1〜150、1〜160、1〜170、1〜180、1〜190、1〜200、1〜210、1〜220、1〜230、もしくは1〜240、または前述の任意の断片と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一のバリアントを含む(または含まない)。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12または13の残基1〜116を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号59のアミノ酸配列、または配列番号59に記載のアミノ酸配列と比較して対応する位置に1、2、3、または4つのアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12〜18または55〜58のいずれかの残基75〜240、80〜240、90〜240、100〜240、110〜240、120〜240、130〜240、140〜240、もしくは150〜240、または前述の任意の断片と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一のそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の任意のMBNL断片は、本明細書中に記載の任意の断片のN末端またはC末端の少なくとも1、2、3、4、または5つのアミノ酸残基を欠く。例えば、いくつかの実施形態では、MBNL断片は、配列番号12または13の残基2〜116、3〜116、4〜116、5〜116、1〜115、1〜114、1〜113、1〜112、1〜111、2〜115、3〜115、2〜114、もしくは3〜114に対応するアミノ酸配列、または前述の任意の断片と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一のそのバリアントを含む。
【0183】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたは断片は、CUG反復に結合する(例えば、CUG反復に結合することが可能であり;CUG反復に結合することができ;CUGがCUG反復として存在する場合にCUGに結合することができる)。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片はCUG反復に結合する。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片を含む本開示のポリペプチドは、エクソンスプライシングを制御し、および/または異常なスプライシングを救出する。
【0184】
いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、4つ全ての亜鉛フィンガーモチーフを含む。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12〜18または55〜58のいずれかの残基1〜250、1〜260、1〜270、1〜280、1〜290、1〜300、1〜310、1〜320、1〜330、1〜340、1〜350、または1〜360を含む。特定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号12または13の残基1〜252または1〜253を含む。特定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、配列番号13の残基1〜253を含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の任意のMBNL断片は、本明細書中に記載の任意の断片のN末端および/またはC末端の少なくとも1、2、3、4、または5個のアミノ酸を欠く。一定の実施形態では、他のMBNLポリペプチド(例えば、MBNL2または3)由来の類似の機能的断片を使用することができる。一定の実施形態では、分子量が約40kDである他のMBNLポリペプチド由来の類似の機能的断片を使用することができる。いくつかの実施形態では、MBNLペプチドまたはその断片の分子量を、当該分野で日常的に使用される任意の方法(例えば、SDS PAGE)を使用して決定することができる。
【0185】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、少なくとも2つの亜鉛フィンガーモチーフを含むが、4つ全てより少ない亜鉛フィンガーモチーフを含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、全長MBNLポリペプチドと比較した場合および比較して、および/または4つ全ての亜鉛フィンガーモチーフを含むMBNLポリペプチドと比較して少なくとも1つの機能活性が減少している。かかる機能活性の比較は、同一のアッセイで行われるであろう。一定の実施形態では、MBNLの断片は、その機能活性に関して、ドミナントネガティブとして機能する。一定の実施形態では、機能活性はスプライシング活性であり、MBNLの断片のスプライシング活性は、全長MBNLポリペプチドの未変性のスプライシング活性より低い。一定の実施形態では、コンジュゲート中に存在する断片に最も密接に連関する全長MBNLポリペプチドと比較する(例えば、MBNLポリペプチドがMBNL1ポリペプチドの断片である場合、未変性の全長MBNL1ポリペプチドを使用する)。
【0186】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片(本明細書中に記載の任意の断片など)は、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかに記載のMBNLポリペプチドの対応部分と比較して1、2、3、4、または5つのアミノ酸の変化(置換、欠失、付加)を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片(本明細書中に記載の任意の断片など)は、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかに記載のMBNLポリペプチドの対応部分と比較して1、2、3、4、または5つのアミノ酸置換(独立して保存的なまたは非保存的な置換)を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片(本明細書中に記載の任意の断片など)は、1、2、3、4、または5つのアミノ酸置換(独立して保存的なまたは非保存的な置換)を含み、少なくとも1つの置換が配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかに記載のMBNLポリペプチドの対応部分と比較して保存的置換である。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片は、1つの置換(配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかに記載のMBNLポリペプチドの対応部分と比較した保存的置換など)を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片は、野生型MBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド(MBNL1ポリペプチド(配列番号12〜18のうちのいずれかのアミノ酸配列を有する(配列番号13のアミノ酸配列を有するなど)全長MBNLポリペプチドなど)など)の少なくとも1つの同一の生物学的活性を有する。用語「生物学的活性」、「生物活性」、または「機能的」は、MBNLポリペプチドまたはその断片が野生型MBNLタンパク質に関連する少なくとも1つの機能(例えば、細胞中でのエクソンスプライシングの制御)を実施する能力、および/またはポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)配列中のYGCYモチーフに結合する能力を意味する。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたは断片は、CUG反復に結合する(例えば、CUG反復に結合することが可能である;CUG反復に結合することができる)。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片は、CUG反復に結合する。用語「生物学的活性」、「生物活性」、および「機能的」を、本明細書中で互換的に使用する。
【0188】
用語「能力を有する」または「可能である」は、列挙したポリペプチドが適切な条件下で(例えば、生理学的条件下または標準的な実験条件下で)記載の生物活性を実行することを意味する。一定の実施形態では、用語「できる」を、この能力を説明するために使用することができる(例えば、所与の配列に「結合できる」または「結合する」)。例えば、MBNLポリペプチドがCUGモチーフを結合する能力を有するか、結合することが可能である場合、MBNLポリペプチドは、CUGモチーフを有するポリヌクレオチドの存在下および通常の生理学的条件下でCUGモチーフに結合するであろう。当業者は、ポリペプチドが列挙した生物活性を実施する能力を有するか実施することが可能であるかどうかを試験するためにどの条件が必要であるかを理解するであろう。
【0189】
一定の実施形態では、本明細書中に記載されるように、MBNLタンパク質または生物学的活性を有するその断片は、ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)中のコンセンサス結合部位に結合する能力を有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド中のコンセンサス結合部位は、ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)配列中のCUGモチーフ(Warf、2007、RNA、12:2238−51)および/またはYGCYモチーフ(例えば、UGCUモチーフ)である。他の実施形態では、MBNLタンパク質または生物学的活性を有するその断片は、CAGモチーフに結合する能力を有する(Ho、2005、J.Cell Science、118:2923−2933)。他の実施形態では、MBNLタンパク質または生物学的活性を有するその断片は、CUG、CAG、CCUG、CCG、CGG、および/またはUGCUGUモチーフのうちの1つまたは複数に結合する能力を有する。本明細書において用いる場合、「断片」は、本明細書に記載するような「生物活性」を示す生物活性断片(機能性断片とも呼ばれる)または生物活性変異体を含むと解される。すなわち、MBNLの生物活性断片またはバリアントは、測定および試験することができる生物活性を示す。いくつかの実施形態では、生物活性断片/機能的断片またはバリアントは、未変性の(すなわち、野生型または通常の)MBNLタンパク質と同一または実質的に同一の生物活性を示し、かかる生物活性を、断片またはバリアントが、(in vitroまたはin vivoで評価した場合に)ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)配列中のYGCYモチーフ(例えば、UGCUモチーフ)に結合する能力によって評価することができる。本明細書において用いる場合、「実質的に同じ」は、対照(これに対してパラメータを測定する)の少なくとも70%である任意のパラメータ(例えば、活性)を指す。ある一定の実施形態において、「実質的に同じ」は、同じまたは実質的に同じ条件下で評定したとき、対照(これに対してパラメータを測定する)の少なくとも75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、100%、102%、105%または110%である任意のパラメータ(例えば、活性)も指す。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片またはバリアントは、未変性MBNLポリペプチドに関連する少なくとも1つのMBNL生物学的活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%を保持する。
【0190】
一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドの任意の断片またはバリアントは、全長未変性(すなわち、野生型または通常の)MBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド)の1つの生物学的活性を保持し得るが、野生型または通常のMBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド)と比較して別の生物学的活性を欠くかそのレベルが減少している。一定の実施形態では、全長MBNL1ポリペプチド(配列番号12〜18のうちのいずれかのアミノ酸配列(配列番号13のアミノ酸配列など)を有する全長MBNLポリペプチドなど)と比較する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のMBNLポリペプチドまたはその断片は、(例えば、YGCYモチーフへの結合によって)DNAまたはRNAなどのポリヌクレオチドに結合することが可能であるが、全長未変性(すなわち、野生型または通常の)MBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド)と比較してpre−mRNAスプライシングの制御効率が低い(例えば、活性が低い)。一定の実施形態では、全長MBNL1ポリペプチド(配列番号12〜18のうちのいずれかのアミノ酸配列(配列番号13のアミノ酸配列など)を有する全長MBNLポリペプチドなど)と比較する。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片は、野生型または通常のMBNLポリペプチドと比較してpre−mRNAスプライシングの制御効率が10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%低い。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドまたはその断片は、全長MBNLポリペプチドと比較してpre−mRNAスプライシングの制御が不可能である。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のいずれかのMBNLポリペプチドは、「ドミナントネガティブ」MBNLポリペプチドとして作用し得る(例えば、MBNLポリペプチドは、野生型または通常のMBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド)とRNA結合部位(例えば、YGCYモチーフ)への結合を競合することが可能であるが、野生型または通常のMBNLポリペプチドと比較して、pre−mRNAスプライシングの制御が不可能であるか効率が低い)。一定の実施形態では、全長MBNL1ポリペプチド(配列番号12〜18のうちのいずれかのアミノ酸配列(配列番号13のアミノ酸配列など)を有する全長MBNLポリペプチドなど)と比較する。
【0191】
一定の実施形態では、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドの断片またはバリアントの半減期(t
1/2)は、未変性タンパク質の半減期と比較して高い。好ましくは、MBNL断片またはバリアントの半減期は、未変性MBNLタンパク質の半減期と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%、もしくは500%、またはさらに1000%増加している。。一部の実施形態では、前記タンパク質半減期をインビトロで、例えば、緩衝食塩溶液中または血清中で判定する。他の実施形態において、前記タンパク質半減期は、インビボ半減期、例えば、動物の血清または他の体液中のタンパク質の半減期である。加えて、断片または変異体を当該技術分野において公知の技術、例えば、従来のメリフィールド固相f−Mocまたはt−Bocケミストリーを用いて化学合成することができる。前記断片または変異体を(組換えによりまたは化学合成によって)生産し、試験して、ネイティブMBNLタンパク質と同程度にまたは実質的に同様に機能することができる断片または変異体を同定することができる。
【0192】
本明細書中に記載の任意のポリペプチドの投与または本明細書中に記載の任意のポリペプチドとの細胞の接触に基づいた記載の方法を、in vitro(例えば、細胞中または培養物中)またはin vivo(例えば、患者中または動物モデル中)で行うことができる。一定の実施形態では、方法はin vitro法である。一定の実施形態では、方法はin vivo法である。
【0193】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドの断片またはバリアントを、MBNLポリペプチドをコードする核酸の対応する断片から組換えによって産生されたポリペプチドのスクリーニングによって得ることができる。加えて、当該技術分野において公知の技術、例えば、従来のメリフィールド(Merrifield)固相f−Mocまたはt−Bocケミストリーを用いて、断片または変異体を化学合成することができる。断片または変異体を(組換えによりまたは化学合成によって)生産し、試験して、例えば、グリコーゲンを加水分解する、および/またはポンペ病の症状を処置するそれらの能力を試験することにより、所望の機能を有する断片または変異体を同定することができる。機能活性の減少を、所与のアッセイにおいて全長未変性MBNLポリペプチド(配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかに記載のポリペプチドなど)と比較して測定することができる。一定の実施形態では、MBNL1ポリペプチドの断片を評価する場合、(例えば、MBNL3ポリペプチドに対するよりもむしろ)全長未変性MBNL1ポリペプチドに対するその機能を評価する。一定の実施形態では、全長MBNL1ポリペプチド(配列番号12〜18のうちのいずれかのアミノ酸配列(配列番号13のアミノ酸配列など)を有する全長MBNLポリペプチドなど)と比較する。
【0194】
一定の実施形態では、本開示は、治療有効性もしくは予防有効性または安定性(例えば、ex vivo貯蔵期間およびin vivoでのタンパク質分解耐性)の向上などの目的のためのMBNLポリペプチドの構造の改変を意図する。かかる改変されたMBNLポリペプチドは、天然に存在するMBNLポリペプチドの機能的等価物と見なされる。修飾ポリペプチドは、例えば、アミノ酸置換、欠失または付加によって生産することができる。例えば、ロイシンのイソロイシンもしくはバリンでの、アスパラギン酸のグルタミン酸での、トレオニンのセリンでの孤立した置換、またはアミノ酸の構造的関連性のあるアミノ酸での同様の置換(例えば、保存的突然変異)が、結果として得られる分子のMBNL生物学的活性に対して大きな影響を及ぼさないことを、例えば予想することは、理に適っている。保存的置換は、それらの側鎖において関連性のあるアミノ酸のファミリー内で起こるものである。
【0195】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたは断片(例えば、上記の任意のポリペプチドまたは断片)は、野生型または通常のMBNLポリペプチドのバリアントまたはその断片であり、MBNLポリペプチドバリアントは、配列番号12または配列番号13のアミノ酸残基73〜178に対応するアミノ酸残基中に少なくとも1つのアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、置換)を有する。一定の実施形態では、バリアントは、配列番号12または配列番号13のアミノ酸残基73〜178に対応するアミノ酸残基中に1、2、3、4、または5つのアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、置換)を有する。一定の実施形態では、バリアントは、配列番号12または配列番号13のアミノ酸残基73〜178に対応するアミノ酸残基中に1つのアミノ酸置換を有する。別の実施形態では、バリアントは、配列番号12または配列番号13のアミノ酸残基73〜178に対応するアミノ酸残基中に1、2、3、または4つのアミノ酸置換を有する。一定の実施形態では、バリアントは、配列番号12または配列番号13の残基127に対応するアミノ酸残基中にアミノ置換を有する。一定の実施形態では、変化は置換である。一定の実施形態では、置換は、保存的置換および非保存的置換から独立して選択される。一定の実施形態では、少なくとも1つの置換は保存的置換である。一定の実施形態では、全ての置換は保存的置換である。一定の実施形態では、127位の置換は保存的置換である。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたは断片は、配列番号12または13の127位に対応する位置にNからセリンへの置換を含む。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドまたは断片は、配列番号12または13の127位に対応する位置にセリンを含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドまたはMBNLポリペプチドのバリアントは、RNA(例えば、YGCYモチーフへの結合によって)に結合することが可能であるが、野生型または通常のMBNLポリペプチド(例えば、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチド)と比較してpre−mRNAスプライシングの制御効率が低い。いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドは異常スプライシングを救済する。
【0197】
いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチド(例えば、断片)は、減少したか、喪失したか、不適切なニューロフィブロミン活性を置換、修復、または増強することができる。
【0198】
本開示は、MBNLポリペプチドの組み合わせ変異体組および短縮変異体の生成をさらに意図し、本開示は、機能的バリアント配列の同定に特に有用である。天然に存在するMBNLポリペプチドと比較して選択的な効力を有する組み合わせ由来バリアントを生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、MBNLポリペプチドを、配列番号12〜18または55〜58のうちのいずれかのアミノ酸配列を有するMBNLポリペプチドよりも高い親和性でポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)配列中のYGCYに結合するように変異させることができる。同様に、変異誘発により、対応する野生型MBNLポリペプチドと劇的に異なる細胞内半減期を有するバリアントを生じ得る。例えば、タンパク質の変化により、目的のタンパク質(例えば、MBNL1、MBNL2、もしくはMBNL3、またはその断片)を破壊するか不活化させるタンパク質分解または他の細胞過程に対してより安定にするか不安定にすることができる。かかるバリアントを、半減期の調整によってMBNLポリペプチドレベルを変化させるために利用することができる。可能性のあるMBNL変異体配列のライブラリーを、例えば縮重オリゴヌクレオチド配列から、生成することができる多くの方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成装置で行い、その後、合成遺伝子を発現のために適切な遺伝子にライゲートすることができる。縮重遺伝子セットの目的は、可能性のあるポリペプチド配列の所望のセットをコードする配列すべてを1つの混合物で提供することである。縮重オリゴヌクレオチドの合成は、当該技術分野において周知である(例えば、Narang,SA(1983)Tetrahedron 39:3;Itakuraら、(1981)Recombinant DNA、Proc.3rd Cleveland Sympos.Macromolecules、AG Walton編、Amsterdam:Elsevier pp.273−289;Itakuraら、(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら、(1984)Science 198:1056;Ikeら、(1983)Nucleic Acid Res.11:477を参照されたい)。かかる技術は、他のタンパク質の定向進化に活用されている(例えば、Scottら、(1990)Science 249:386−390;Robertsら、(1992)PNAS USA 89:2429−2433;Devlinら、(1990)Science 249:404−406;Cwirlaら、(1990)PNAS USA 87:6378−6382;ならびに米国特許第5,223,409号、同第5,198,346号および同第5,096,815号明細書を参照されたい)。
【0199】
あるいは、他の変異誘発形態を、組み合わせライブラリーの生成のために利用することができる。例えば、MBNLポリペプチドバリアントを生成し、例えば、アラニンスキャニング変異誘発など(Rufら,(1994)Biochemistry 33:1565−1572;Wangら,(1994)J.Biol.Chem.269:3095−3099;Balintら,(1993)Gene 137:109−118;Grodbergら,(1993)Eur.J.Biochem.218:597−601;Nagashimaら,(1993)J.Biol.Chem.268:2888−2892;Lowmanら,(1991)Biochemistry 30:10832−10838;およびCunninghamら,(1989)Science 244:1081−1085)、リンカースキャニング変異誘発(Gustinら,(1993)Virology 193:653−660;Brownら,(1992)Mol.Cell Biol.12:2644−2652;McKnightら,(1982)Science 232:316);飽和変異誘発(Meyersら,(1986)Science 232:613);PCR変異誘発(Leungら,(1989)Method Cell Mol Biol 1:11−19);またはランダム変異誘発(化学的変異誘発などが含まれる)(Millerら,(1992)A Short Course in Bacterial Genetics,CSHL Press,Cold Spring Harbor,NY;およびGreenerら,(1994)Strategies in Mol Biol 7:32−34)を使用したスクリーニングによってライブラリーから単離することができる。特に組み合わせにおけるリンカースキャニング変異誘発は、MBNLポリペプチド(例えば、MBNL1、MBNL2、またはMBNL3)の短縮形態の魅力的な同定方法である。MBNLポリペプチドの特異的変異誘発実験の例を、Edgeら,2013,BMC Molecular Biology,14(29):1−16およびGrammatikakisら,2011,Nucleic Acids Research,39(7):2769−2780(それぞれ、本明細書中で参考として組み込まれる)に見出すことができる。
【0200】
点突然変異およびトランケーションによって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、ついでに言えば、ある一定の特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための広範な技術が当該技術分野において公知である。かかる技術は、一般に、MBNLポリペプチドのコンビナトリアル突然変異誘発によって生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適応させることができるであろう。最も広範に使用されている巨大遺伝子ライブラリーのスクリーニング技術は、典型的には、複製可能な発現ベクターへの遺伝子ライブラリーのクローニング、得られたベクターライブラリーを使用した適切な細胞の形質転換、および所望の活性の検出により遺伝子産物が検出される遺伝子をコードするベクターの単離が比較的容易な条件下での組み合わせ遺伝子の発現を含む。下記のそれぞれのアッセイの例を、組み合わせ変異誘発技術によって作製された多数の縮重配列をスクリーニングすることが必要な高処理分析に利用可能である。
【0201】
ある一定の実施形態において、MBNLポリペプチドは、ペプチドおよびペプチドミメティックを含むことがある。本明細書において用いる場合、用語「ペプチドミメティック」は、天然に存在しないアミノ酸、ペプトイドなどを含有する化学修飾ペプチドおよびペプチド様分子を含む。ペプチドミメティックは、被験体に投与されたとき、向上された安定性をはじめとするペプチドに対する様々な利点を提供する。ペプチドミメティックを同定するための方法は当該技術分野において周知であり、可能性のあるペプチドミメティックのライブラリーを収録しているデータベースのスクリーニングを含む。例えば、Cambridge Structural Databaseは、結晶構造が判っている300,000を超える化合物のコレクションを収録している(Allenら、Acta Crystallogr.Section B、35:2331(1979))。標的分子の結晶構造を入手できない場合、例えば、プログラムCONCORD(Rusinkoら、J.Chem.Inf.Comput.Sci.29:251(1989))を使用して構造を作成することができる。もう1つのデータベース、Available Chemicals Directory(Molecular Design Limited、Informations Systems;San Leandro Calif.)は、市販されている約100,000の化合物を収録しており、このデータベースを検索して、MBNLポリペプチドについての可能性のあるペプチドミメティックを同定することもできる。
【0202】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドは、翻訳後修飾をさらに含むことができる。例示的な翻訳後タンパク質修飾には、リン酸化、アセチル化、メチル化、ADP−リボシル化、ユビキチン化、グリコシル化、カルボニル化、SUMO化、ビオチン化、またはポリペプチド側鎖もしくは疎水性基の付加が含まれる。結果として、修飾されたMBNLポリペプチドは、非アミノ酸エレメント(脂質、ポリサッカリドまたはモノサッカリド、およびリン酸塩など)を含み得る。MBNLポリペプチドの機能に及ぼすかかる非アミノ酸エレメントの影響を、その生物学的活性について試験することができる。一定の実施形態では、MBNLポリペプチドは、in vivo安定性、in vivo半減期、取り込み/投与、および/または精製のうちの1つまたは複数を向上させる1つまたは複数のポリペプチド部分をさらに含み得る。他の実施形態では、ターゲティング部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0203】
本開示の1つの特定の実施形態では、MBNLポリペプチドを、非タンパク質性ポリマーで改変することができる。1つの特定の実施形態において、前記ポリマーは、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号または同第4,179,337号明細書に示されているように、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンである。PEGは周知の水溶性ポリマーであり、このポリマーは、市販されており、または当該技術分野において周知の方法に従ってエチレングリコールの開環重合によって調製することができる(Sandler and Karo、Polymer Synthesis, Academic Press、New York、第3巻、138−161頁)。
【0204】
いくつかの態様では、本開示はまた、本明細書中に記載のように、前述の任意のポリペプチド(例えば、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドまたはMBNLコンジュゲート)の産生方法を提供する。さらに、本開示は、前述の方法および組成物の多くの組み合わせを意図する。
【0205】
一定の態様では、MBNLポリペプチドは、1つまたは複数の融合ドメインをさらに含む融合タンパク質であり得る。かかる融合ドメインの周知の例としては、ポリヒスチジン、Glu−Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、および免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)が挙げられるがこれらに限定されず、これらはアフィニティークロマトグラフィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。アフィニティー精製を目的として、アフィニティークロマトグラフィーのための適切なマトリックス、例えば、グルタチオン結合樹脂、アミラーゼ結合樹脂、およびニッケル結合樹脂またはコバルト結合樹脂を使用する。融合ドメインは「エピトープタグ」も含み、エピトープタグは、通常、特異的抗体が利用可能である短鎖ペプチド配列である。特異的モノクローナル抗体が容易に利用可能である周知エピトープタグとしては、FLAG、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、His、およびc−mycタグが挙げられる。例示的なHisタグは配列HHHHHH(配列番号47)を有し、例示的なc−mycタグは配列EQKLISEEDL(配列番号48)を有する。場合によっては、前記融合ドメインは、適切なプロテアーゼに融合タンパク質を部分的に消化させ、それによってそれらから組換えタンパク質を遊離させるプロテアーゼ切断部位、例えば、第Xa因子またはトロンビンについてのプロテアーゼ切断部位を有する。その後、遊離されたタンパク質を後続のクロマトグラフィー分離によって融合ドメインから単離することができる。ある一定の実施形態において、前記MBNLポリペプチドは、それらのポリペプチドを安定化することが可能である1つ以上の修飾を含むことがある。例えば、かかる修飾は、前記ポリペプチドのインビトロ半減期を向上させるか、前記ポリペプチドの循環半減期を向上させるか、または前記ポリペプチドのタンパク質分解を低減させる。
【0206】
一定の実施形態では、MBNLポリペプチドは、N末端メチオニンを含んでも含まなくても良い。
【0207】
本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドおよびその断片を、本開示のコンジュゲートで使用することができる。本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドおよび断片を、上記または下記の任意の構造および/または機能的特徴を使用して説明することができる。例えば、本開示は、本明細書中に記載のように、上記または本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドおよびその断片を内在化部分とコンジュゲート化することができる(相互接続する;会合する;化学的コンジュゲート化によるか融合タンパク質の一部として)ことを意図する。任意のかかるコンジュゲートを、本明細書中に記載の任意の方法で使用することができ、薬学的組成物などの組成物として製剤化することができる。一定の実施形態では、本開示のコンジュゲートをMBNL部分または内在化部分の一部の一方または両方の機能的特徴に基づいて説明することもでき、したがって、上記の任意の機能的特徴を使用することができる。
【0208】
本開示は、適切な複合体または融合タンパク質がいずれかの方向で存在し得ることを意図する。換言すれば、内在化部分の一部は、MBNLポリペプチドまたは生物活性断片のN末端側またはC末端側に存在し得る。非限定的な具体例を本明細書中に提供する。
B.タンパク質補充療法に適切なタンパク質欠乏症またはタンパク質障害
【0209】
異種薬剤の第2のカテゴリーは、タンパク質欠乏症の処置または研究に適切な薬剤(タンパク質補充療法の提供に適切な薬剤など)である。いくつかの実施形態では、タンパク質は酵素である。一般に、このカテゴリーにおける異種薬剤は、欠乏タンパク質(例えば、酵素)を補充するためのタンパク質である。当該分野でタンパク質(例えば、酵素)欠乏症の例は多数存在する(ポンペ病、ゴーシェ病、および筋細管筋障害が含まれる)。タンパク質(例えば、酵素)欠乏症の場合、欠損しているか活性が不十分なタンパク質(例えば、酵素)は典型的には公知であり、このタンパク質を有効に補充ことを可能にすることが最大の難関である。有効量のタンパク質を適切な細胞型内に送達することが困難であるので、これは多くの例で困難であることが証明されている。これらのタンパク質(例えば、酵素)は、細胞または動物中の疾患の研究または治療のためのin vitroまたはin vivoでの送達のために本開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化することができる異種薬剤を意味する。タンパク質(例えば、酵素)欠乏症の処置または研究に適切な異種薬剤の少数の具体例を以下に提供する。これらは例示のみを目的とし、他のタンパク質(酵素など)を同様に提供することができる。さらなる酵素の例には、キナーゼ、ホスファターゼ、およびリコンビナーゼなどが含まれる。
【0210】
いくつかの実施形態では、異種薬剤は、MTM1ポリペプチドまたはその機能的断片である。異種薬剤として使用することができるMTM1ポリペプチド、ならびにその断片、変異体、およびバリアントの詳細な説明を、PCT出願WO 2010/148010号(その全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、MTMポリペプチドを、ユニバーサルキャリアシステムにおいてかまたは化学的コンジュゲート化によって融合タンパク質として本開示のヒト化抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化する。
【0211】
本明細書中で使用する場合、本明細書中に記載の方法および組成物で用いるMTM1ポリペプチドには、野生型MTM1ポリペプチドの種々のスプライシングイソ型、融合タンパク質、および修飾形態が含まれる。一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドの生物活性断片、バリアント、または融合タンパク質は、MTM1ポリペプチド(配列番号11に記載のMTM1ポリペプチドなど)と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。本明細書中で使用する場合、「断片」は、本明細書中に記載の「生物活性」を示す生物活性断片または生物活性バリアントが含まれると理解される。すなわち、MTM1の生物活性断片またはバリアントは、測定および試験することができる生物活性を示す。例えば、生物活性断片またはバリアントは、未変性の(すなわち、野生型、すなわち通常の)MTM1タンパク質と同一または実質的に同一の生物活性を示し、かかる生物活性を、断片またはバリアントが、例えば、当該分野で公知の内因性ホスホイノシチド基質(すなわち、in vitroアッセイ(すなわち、ホスホイノシチドホスファターゼ活性)のための人工ホスホイノシチド基質)を切断または加水分解し、他のタンパク質(例えば、GTPアーゼRab5、PI3−キナーゼVps34またはVps15(すなわち、適切な局在化)など)を動員し、そして/またはこれらのタンパク質に会合するか、筋細管筋障害を処置する能力によって評価することができる。これらの基準のいずれかを評価する方法を本明細書中に記載する。
【0212】
MTM1ポリペプチドの構造および種々のモチーフは、当該分野で十分に特徴づけられている(例えば、Laporteら,2003,Human Molecular Genetics,12(2):R285−R292;Laporteら,2002,Journal of Cell Science 15:3105−3117;Lorenzoら,2006,119:2953−2959を参照のこと)。そのようなものとして、一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドの種々の生物活性断片またはバリアントをデザインし、例えば、MTM1ポリペプチドをコードする核酸の対応する断片から組換えによって作製されたポリペプチドのスクリーニングによって同定することができる。例えば、MTM1のいくつかのドメインは、そのホスファターゼの活性または局在化に重要であることが示されている。例示のために、これらのドメインには、以下が含まれる:グルコシルトランスフェラーゼ、Rab様GTPアーゼアクチベーターおよびミオチューブラリン(Myotubularin)(GRAM;配列番号11のアミノ酸29〜97位または160位まで)、Rac誘導性動員ドメイン(RID;配列番号11のアミノ酸161〜272位)、PTP/DSP相同性(配列番号11のアミノ酸273〜471位;触媒性システインは、配列番号11のアミノ酸375である)、およびSET相互作用ドメイン(SID;配列番号11のアミノ酸435〜486位)。したがって、未変性MTM1と同一または実質的に同一の生物活性を示すMTM1の断片またはバリアントを同定するために、かかるドメインの任意の組み合わせを構築することができる。適切な生物活性断片をコンジュゲート作製のために使用することができ、かかるコンジュゲートを、本明細書中に記載の任意の方法で使用することができ、そして/または本開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化することができる。
【0213】
コンジュゲート(例えば、(ii)異種薬剤に会合した(i)本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲート)の一部として使用することができる例示的な断片には、例えば、配列番号11の約残基29〜486が含まれる。したがって、一定の実施形態では、コンジュゲートは、配列番号11の残基29〜486を含む(例えば、本開示の抗体または抗原結合断片を、配列番号11の残基29〜486を含むかこれらの残基からなるポリペプチドに会合する)。
【0214】
一定の実施形態では、コンジュゲートのMTM1部分は、ヒトMTM1配列に対応する。例えば、コンジュゲートのMTM1部分は、配列番号11と少なくとも90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。
【0215】
さらに、断片またはバリアントを、当該分野で公知の技術(従来のMerrifield固相f−Mocまたはt−Boc化学など)を使用して化学合成することができる。断片またはバリアントを、(組換えまたは化学合成によって)産生し、例えば、内因性ホスホイノシチド基質または合成ホスホイノシチド基質を切断または加水分解するか(すなわち、ホスホイノシチドホスファターゼ活性)、他のタンパク質(例えば、GTPアーゼRab5、PI3−キナーゼhVps34、またはhVps15など)を動員し、そして/または会合するか(すなわち、適切な局在化)、筋細管筋障害を処置する能力を試験することによって、未変性のMTM1タンパク質のように機能するか、実質的に同様に機能することができる断片またはバリアントを同定するために試験することができる。
【0216】
一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドは、翻訳後修飾をさらに含むことができる。例示的な翻訳後タンパク質修飾には、リン酸化、アセチル化、メチル化、ADP−リボシル化、ユビキチン化、グリコシル化、カルボニル化、SUMO化、ビオチン化、またはポリペプチド側鎖もしくは疎水性基の付加が含まれる。結果として、修飾されたMTM1ポリペプチドは、非アミノ酸エレメント(脂質、ポリサッカリドまたはモノサッカリド、およびリン酸塩など)を含み得る。MTM1ポリペプチドの機能に及ぼすかかる非アミノ酸エレメントの影響を、その生物学的活性(例えば、筋細管筋障害を処置する能力またはホスホイノシチド(例えば、PIP3)を切断する能力)について試験することができる。未変性MTM1ポリペプチドがグリコシル化されることを考慮すると、一定の実施形態では、本開示のコンジュゲートで使用されるMTM1ポリペプチドをグリコシル化する。一定の実施形態では、グリコシル化のレベルおよびパターンは、未変性MTM1ポリペプチドと同一であるか、実質的に同一である。他の実施形態では、グリコシル化のレベルおよび/またはパターンは、未変性MTM1ポリペプチドと異なる(例えば、不十分にグリコシル化されているか、過剰にグリコシル化されている、グリコシル化されていない)。
【0217】
本開示の1つの特定の実施形態では、MTM1ポリペプチドを、非タンパク質性ポリマーで改変することができる。1つの特定の実施形態では、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号、または同第4,179,337号に記載の様式で、ポリマーは、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンである。PEGは、周知の水溶性ポリマーであり、市販されているか、当該分野で周知の方法に従ったエチレングリコールの開環重合(Sandler and Karo,Polymer Synthesis,Academic Press,New York,Vol.3,pages 138−161)によって調製することができる。
【0218】
一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドの断片またはバリアントは、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%の未変性MTM1ポリペプチドに関連する生物学的活性を保持するであろう。一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドの断片またはバリアントの半減期(t1/2)は、未変性タンパク質の半減期と比較して高い。半減期が高い実施形態について、MTM1断片またはバリアントの半減期は、未変性MTM1タンパク質の半減期と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%、または500%、またはさらに1000%高い。いくつかの実施形態では、タンパク質半減期を、in vitroで(緩衝化生理食塩水中または血清中などで)決定する。他の実施形態では、タンパク質半減期は、in vivo半減期(血清中または他の動物の体液中のタンパク質の半減期など)である。同様に、任意の上記特徴を、コンジュゲートの文脈でMTM1について評価し、未変性MTM1の特徴と比較することができる。
【0219】
一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドは、ポリペプチドを安定化することが可能である1つまたは複数の修飾を含み得る。例えば、かかる修飾は、ポリペプチドのin vitro半減期を向上させるか、ポリペプチドの循環半減期を向上させるか、ポリペプチドのタンパク質分解を減少させる。
【0220】
本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)MTM1部分を含むコンジュゲートを意図し、ここで、MTM1部分は、本明細書中に記載されるか、当該分野で公知の任意のMTM1ポリペプチド、断片、またはバリアントを含む。例示的なMBNL1ポリペプチドを配列番号11に記載し、本開示は、本明細書で用いる異種薬剤が、一定の実施形態では、上記の配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、または任意の断片もしくはバリアントであることを意図する。さらに、一定の実施形態では、任意の前述のコンジュゲートのMTM1部分は、一定の実施形態では、融合タンパク質であり得る。本明細書中に開示の任意のMTM1ポリペプチドを、異種薬剤として使用し、本開示の抗体または抗原結合断片と会合することができる(同時翻訳融合を介して化学的にコンジュゲート化または融合するなど)。
【0221】
本開示のコンジュゲートの任意の部分をエピトープタグおよびPEG部分などで同様に修飾することができることに留意すべきである。換言すれば、エピトープタグは、MTM1および/または内在化部分に対するタグであり得る。さらに、コンジュゲートは、1つを超えるエピトープタグ(2つのエピトープタグなど)を含むことができるか、エピトープタグが0個であり得る。
【0222】
一定の態様では、MTM1ポリペプチドは、1つまたは複数の融合ドメインをさらに含む融合タンパク質であり得、ここで、1つまたは複数の融合ドメインはMTM1ポリペプチドの精製を容易にする。かかる融合ドメインの周知の例には、ポリヒスチジン、Glu−Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、および免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)が含まれるが、これらに限定されず、これらはアフィニティクロマトグラフィによる融合タンパク質の単離に特に有用である。アフィニティ精製のために、アフィニティクロマトグラフィ用の連関マトリックス(グルタチオン、アミラーゼ、およびニッケル、またはコバルトにコンジュゲート化した樹脂など)を使用する。融合ドメインは「エピトープタグ」も含み、これは、特異的抗体が利用可能な通常は短いペプチド配列である。特異的モノクローナル抗体が容易に利用可能な周知のエピトープタグには、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)、およびc−mycタグが含まれる。いくつかの場合、融合ドメインは、連関プロテアーゼが融合タンパク質を部分的に消化し、それにより、融合タンパク質から組換えタンパク質が遊離する第Xa因子またはトロンビンなどのためのプロテアーゼ切断部位を有する。次いで、遊離したタンパク質を、その後のクロマトグラフィ分離によって融合ドメインから単離することができる。
【0223】
いくつかの実施形態では、MTM1タンパク質は、MTM1タンパク質の精製ための免疫グロブリンのFc領域の全てまたは一部との融合タンパク質であり得る。
【0224】
一定の実施形態では、MTM1ポリペプチドは、ポリペプチドを安定化することが可能である1つまたは複数の修飾を含み得る。例えば、かかる修飾は、ポリペプチドのin vitro半減期を向上させるか、ポリペプチドの循環半減期を向上させるか、ポリペプチドのタンパク質分解を減少させる。
【0225】
本開示は、適切な複合体(融合タンパク質など)がいずれかの方向で存在し得ることを意図する。換言すれば、内在化部分の一部は、MTMポリペプチドのN末端側またはC末端側に存在し得る。
【0226】
ここでの、および本明細書中の他の箇所での、配列同一性は、候補配列を比較する対応配列の残基と同一である候補配列中の残基であって、配列全体について最大同一性パーセントを達成するために必要な場合には配列をアラインし、ギャップを導入した後の、そして一切の保存的置換を配列同一性の一部と見なさない、残基の百分率を指す。NまたはC末端伸長も挿入も、同一性または相同性を低下させるとみなさないものとする。
【0227】
配列のアラインメントおよび同一性パーセントの計算のための方法およびコンピュータプログラムは、当該技術分野において周知であり、容易に利用できる。配列解析ソフトウェアを使用して配列同一性を測定してもよい。例えば、デフォルトパラメータに設定された、ClustalWアルゴリズムなどの、ExPasyバイオインフォマティクスリソースポータルを通して利用できるアラインメントおよび解析ツール。ペアワイズまたはグローバルアラインメントに基づく適切な配列アラインメントおよび比較を容易に選択することができる。配列同一性および配列類似性パーセントの決定に適しているアルゴリズムの一例は、Altschulら、J Mol Biol 215:403−410(1990)に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公的に入手できる。ある一定の実施形態では、特定のプログラムの今の最新のデフォルト設定を配列のアラインメントおよび同一性パーセントの計算に使用する。
C.糖原貯蔵障害
【0228】
異種薬剤の第3のカテゴリーは、糖原貯蔵障害の処置または研究に適切な薬剤である。適切な異種薬剤には、ポリペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、および小分子が含まれる。糖原貯蔵障害分野に多数の例が存在する。多数のこれらの障害について、喪失もしくは欠失した酵素または疾患の他の原因は公知であり、in vitroまたはin vivo(細胞もしくは動物内で疾患を研究するためまたは治療目的のいずれか)での送達のために本開示の抗体または抗原結合断片にコンジュゲート化することができる異種薬剤を示す。糖原貯蔵障害の処置または研究に適切な異種薬剤のいくつかの具体例を以下に提供する。
1.AGLポリペプチド
【0229】
いくつかの実施形態では、異種薬剤は、AGLポリペプチドまたはその機能的断片である。本明細書中で使用する場合、AGLポリペプチドには、野生型AGLポリペプチドの種々の機能的断片およびバリアント、融合タンパク質、ならびに修飾形態が含まれる。かかるAGLポリペプチドの機能的断片またはバリアント、融合タンパク質、および修飾形態は、未変性AGLタンパク質と実質的に配列が同一のアミノ酸配列の少なくとも一部を有し、未変性AGLタンパク質の機能を保持する(例えば、未変性AGLの2つの酵素活性を保持する)。「機能を保持する」は、いくつかの実施形態ではそうかもしれないが、特定の断片の活性が未変性タンパク質の活性と同一または実質的に同一でなければならないことを意味していないことに留意すべきである。しかし、元の活性を保持するために、元の活性は、同一または類似の条件下でかかる活性が比較される未変性タンパク質の活性の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%であるべきである。いくつかの実施形態では、元の活性の残存は、断片またはバリアントが、活性が比較される未変性タンパク質より改善された活性(例えば、同一または類似の条件下で比較して、少なくとも105%、少なくとも110%、少なくとも120%、または少なくとも125%)を有するシナリオであり得る。
【0230】
一定の実施形態では、AGLポリペプチドの機能的断片、バリアント、または融合タンパク質は、AGLポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一(例えば、配列番号19〜21と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一)のアミノ酸配列を含む。
【0231】
一定の実施形態では、本開示のコンジュゲートおよび方法で用いるAGLポリペプチドは、全長または実質的に全長のAGLポリペプチドである。一定の実施形態では、本開示のコンジュゲートおよび方法で用いるAGLポリペプチドは、アミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有する機能的断片である。
【0232】
一定の実施形態では、AGLポリペプチドの断片またはバリアントを、AGLポリペプチドをコードする核酸の対応する断片から組換えによって産生されたポリペプチドのスクリーニングによって得ることができる。さらに、断片またはバリアントを、当該分野で公知の技術(従来のMerrifield固相f−Mocまたはt−Boc化学など)を使用して化学合成することができる。断片またはバリアントを、(組換えまたは化学合成によって)産生し、例えば、in vivoでフォーブス・コリ病を処置する能力の試験によって、および/またはin vitro(例えば、無細胞アッセイまたは細胞ベースのアッセイで)で断片またはバリアントがアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性および4−α−グルコトランスフェラーゼ活性を有することを確認することによって、未変性AGLタンパク質として機能することができる断片またはバリアントを同定するために試験することができる。本明細書中に開示のAGLポリペプチド活性を試験するためのin vitroアッセイの例は、AGL含有コンジュゲートを使用するか使用しないでForbes−Cori細胞を処置し、次いで、インキュベーション後、例えば、過ヨウ素酸シッフ(PAS)色素の使用によってグリコーゲンの存在について細胞を染色することであろう。
【0233】
一定の実施形態では、本開示は、治療有効性もしくは予防有効性または安定性(例えば、ex vivo貯蔵期間およびin vivoでのタンパク質分解耐性)の向上などの目的のためのAGLポリペプチドの構造の改変を意図する。改変されたポリペプチドを、例えば、アミノ酸の置換、欠失、または付加によって産生することができる。例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンとの単独置換、アスパラギン酸のグルタミン酸との単独置換、トレオニンのセリンとの単独置換、またはあるアミノ酸の構造的に連関するアミノ酸との類似の置換(例えば、保存的変異)が得られた分子のAGL生物学的活性に大きな影響を及ぼさないと予想することが妥当である。保存的置換は、その側鎖が連関するアミノ酸ファミリー内で起こる置換である。
【0234】
本開示は、AGLポリペプチドの組み合わせ変異体組および短縮変異体の生成をさらに意図し、本開示は、機能的バリアント配列の同定に特に有用である。天然に存在するAGLポリペプチドと比較して選択的な効力を有する組み合わせ由来バリアントを生成することができる。同様に、変異誘発により、対応する野生型AGLポリペプチドと劇的に異なる細胞内半減期を有するバリアントを生じ得る。例えば、タンパク質の変化により、AGLを破壊するか不活化させるタンパク質分解または他の細胞過程に対してより安定にするか不安定にすることができる。かかるバリアントを、半減期の調整によってAGLポリペプチドレベルを変化させるために利用することができる。潜在的なAGLバリアント配列のライブラリーを、例えば、縮重オリゴヌクレオチド配列から生成することができる方法が多数存在する。縮重遺伝子配列を自動化DNA合成機で化学合成し、次いで、合成遺伝子を発現用の適切な遺伝子にライゲーションすることができる。縮重遺伝子組の目的は、1つの混合物中に所望の潜在的なポリペプチド配列組をコードする全配列を提供することである。縮重オリゴヌクレオチドの合成は、当該分野で周知である(例えば、Narang,SA(1983)Tetrahedron 39:3;Itakuraら,(1981)Recombinant DNA,Proc.3rd Cleveland Sympos.Macromolecules,ed.AG Walton,Amsterdam:Elsevier pp273−289;Itakuraら,(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら,(1984)Science 198:1056;Ikeら,(1983)Nucleic Acid Res.11:477を参照のこと)。かかる技術は、他のタンパク質の定向進化で使用されている(例えば、Scottら,(1990)Science 249:386−390;Robertsら,(1992)PNAS USA 89:2429−2433;Devlinら,(1990)Science 249:404−406;Cwirlaら,(1990)PNAS USA 87:6378−6382;ならびに米国特許第5,223,409号、同第5,198,346号、および同第5,096,815号を参照のこと)。
【0235】
あるいは、他の変異誘発形態を、組み合わせライブラリーの生成のために利用することができる。例えば、AGLポリペプチド変異体を生成し、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発などを用いるスクリーニング(Rufら、(1994)Biochemistry 33:1565−1572;Wangら、(1994)J.Biol.Chem.269:3095−3099;Balintら、(1993)Gene 137:109−118;Grodbergら、(1993)Eur.J.Biochem.218:597−601;Nagashimaら、(1993)J.Biol.Chem.268:2888−2892;Lowmanら、(1991)Biochemistry 30:10832−10838;およびCunninghamら、(1989)Science 244:1081−1085)によって、リンカースキャニング突然変異誘発(Gustinら、(1993)Virology 193:653−660;Brownら、(1992)Mol.Cell Biol.12:2644−2652;McKnightら、(1982)Science 232:316)によって、飽和突然変異誘発(Meyers et al., (1986) Science 232:613)によって、PCR突然変異誘発(Leungら、(1989)Method Cell Mol Biol 1:11−19)によって、または化学的突然変異誘発などを含むランダム突然変異誘発(Millerら、(1992)A Short Course in Bacterial Genetics、CSHL Press、Cold Spring Harbor、NY;およびGreenerら、(1994)Strategies in Mol Biol 7:32−34)によって、ライブラリーから単離することができる。特にコンビナトリアル設定での、リンカースキャニング突然変異誘発は、トランケート(生物活性)形態のAGLポリペプチドの魅力的な同定方法である。
【0236】
点変異および短縮によって作製された組み合わせライブラリーの遺伝子産物のスクリーニング、および、さらには、一定の性質を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーのスクリーニングのための広範な技術が当該分野で公知である。かかる技術は、一般に、AGLポリペプチドの組み合わせ変異誘発によって生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適応可能であろう。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために最も広範に用いられている技術は、遺伝子ライブラリーを複製可能発現ベクターにクローニングするステップ、得られたベクターライブラリーで適切な細胞を形質転換させるステップ、および所望の活性の検出が、産物が検出された遺伝子をコードするベクターの比較的容易な単離を助長する条件下で、コンビナトリアル遺伝子を発現させるステップを典型的に含む。下で説明する実例となるアッセイの各々は、コンビナトリアル突然変異誘発技術によって作り出された多数の縮重配列をスクリーニングするために必要に応じて高スループット解析に適用できる。
【0237】
一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、ペプチド模倣物が含まれ得る。本明細書中で使用する場合、用語「ペプチド模倣物」には、天然に存在しないアミノ酸およびペプトイドなどを含む化学修飾されたペプチドおよびペプチド様分子が含まれる。ペプチド模倣物は、被験体に投与した場合にペプチドを超える種々の利点(安定性の向上が含まれる)を示す。ペプチド模倣物の同定方法は当該分野で周知であり、潜在的なペプチド模倣物のライブラリーを含むデータベースのスクリーニングが含まれる。例えば、Cambridge Structural Databaseは、既知の結晶構造が知られている300,000種を超える化合物のコレクションを含む(Allenら,Acta Crystallogr.Section B,35:2331(1979))。標的分子の結晶構造が利用できない場合、例えば、プログラムCONCORD(Rusinkoら,J.Chem.Inf.Comput.Sci.29:251(1989))を使用して構造を作成することができる。別のデータベースであるAvailable Chemicals Directory(Molecular Design Limited,Informations Systems;San Leandro Calif.)は、有料で利用可能であり、AGLポリペプチドの潜在的なペプチド模倣物を同定するために検索することもできる約100,000種の化合物を含む。
【0238】
一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、翻訳後修飾をさらに含むことができる。例示的な翻訳後タンパク質修飾には、リン酸化、アセチル化、メチル化、ADP−リボシル化、ユビキチン化、グリコシル化、カルボニル化、SUMO化、ビオチン化、またはポリペプチド側鎖もしくは疎水性基の付加が含まれる。結果として、修飾されたAGLポリペプチドは、非アミノ酸エレメント(脂質、ポリサッカリドまたはモノサッカリド、およびリン酸塩など)を含み得る。AGLポリペプチドの機能に及ぼすかかる非アミノ酸エレメントの影響を、その生物学的活性(例えば、グリコーゲンを加水分解するかフォーブス・コリ病を処置する能力)について試験することができる。一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、in vivo安定性、in vivo半減期、取り込み/投与、および/または精製のうちの1つまたは複数を向上させる1つまたは複数のポリペプチド部分をさらに含み得る。他の実施形態では、内在化部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、AGLポリペプチドは、N−グリコシル化されていないか、野生型AGLポリペプチド中に存在する1つまたは複数のN−グリコシル化基を欠く。例えば、本開示で用いるAGLポリペプチドは、未変性AGLと比較して全てのN−グリコシル化部位を欠いていてよいか、本開示で用いるAGLポリペプチドは、未変性AGLと比較して不十分にグリコシル化され得る。いくつかの実施形態では、AGLポリペプチドは、1つまたは複数のN−グリコシル化部位でN−グリコシル化が不可能な修飾アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、AGLポリペプチド中の少なくとも1つの予測されるN−グリコシル化部位(すなわち、アミノ酸配列Asn−Xaa−SerまたはAsn−Xaa−Thrによって示されるコンセンサス配列)のアスパラギン(Asn)を、別のアミノ酸に置換する。AGLアミノ酸配列中のAsn−Xaa−Ser配列ストレッチの例には、配列番号19のアミノ酸813〜815、839〜841、927〜929、および1032〜1034位に対応するアミノ酸が含まれる。AGLアミノ酸配列中のAsn−Xaa−Thr配列ストレッチの例には、配列番号19のアミノ酸69〜71、219〜221、797〜799、1236〜1238、および1380〜1382位に対応するアミノ酸が含まれる。いくつかの実施形態では、配列番号19のアミノ酸69、219、797、813、839、927、1032、1236、および1380位に対応するアミノ酸位のうちのいずれか1つまたは組み合わせにおけるアスパラギンを、置換するか欠失させる。いくつかの実施形態では、配列番号19のアミノ酸815、841、929、および1034位に対応するアミノ酸位のうちのいずれか1つまたは組み合わせにおけるセリンを、置換するか欠失させる。いくつかの実施形態では、配列番号19のアミノ酸71、221、799、1238、および1382位に対応するアミノ酸位のうちのいずれか1つまたは組み合わせにおけるトレオニンを、置換するか欠失させる。いくつかの実施形態では、配列番号19のアミノ酸220、798、814、840、928、1033、1237、および1381位のうちのいずれか1つまたは組み合わせに対応するXaaアミノ酸を、欠失させるか、プロリンに置換する。本開示は、本開示のAGLポリペプチドが1つまたは複数のN−グリコシル化部位を欠き、したがって、未変性AGLと比較してグリコシル化されないか、不十分にグリコシル化されるように任意の1つまたは複数の前述の例を組み合わせることができることを意図する。
【0240】
いくつかの実施形態では、AGLポリペプチドは、O−グリコシル化されていないか、野生型AGLポリペプチド中に存在する1つまたは複数のO−グリコシル化基を欠く。いくつかの実施形態では、AGLポリペプチドは、1つまたは複数のO−グリコシル化部位でO−グリコシル化が不可能な修飾アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、AGLポリペプチド配列中の任意の1つまたは複数の予測されるO−グリコシル化部位のセリンまたはトレオニンを、置換するか欠失させる。本開示は、本開示のAGLポリペプチドが1つまたは複数のN−グリコシル化および/またはO−グリコシル化部位を欠き、したがって、未変性AGLと比較してグリコシル化されないか、不十分にグリコシル化されるように任意の1つまたは複数の前述の例を組み合わせることができることを意図する。
【0241】
本開示の1つの特定の実施形態では、AGLポリペプチドを、非タンパク質性ポリマーで改変することができる。1つの特定の実施形態では、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号、または同第4,179,337号に記載の様式で、ポリマーは、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンである。PEGは、周知の水溶性ポリマーであり、市販されているか、当該分野で周知の方法に従ったエチレングリコールの開環重合(Sandler and Karo,Polymer Synthesis,Academic Press,New York,Vol.3,pages 138−161)によって調製することができる。
【0242】
用語「生物学的活性」、「生物活性」、または「機能的」は、AGLタンパク質が、例えば、オリゴ−1,4−1,4−グルコトランスフェラーゼ活性および/またはアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性を有する野生型AGLタンパク質に関連する機能を果たす能力を意味する。用語「生物学的活性」、「生物活性」、および「機能的」を、本明細書中で互換的に使用する。本明細書中で使用する場合、「断片」には、本明細書中に記載の「生物活性」を示す生物活性断片(機能的断片ともいう)または生物活性バリアントが含まれると理解される。すなわち、AGLの生物活性断片またはバリアントは、測定および試験することができる生物活性を示す。例えば、生物活性断片/機能的断片またはバリアントは、未変性(すなわち、野生型、すなわち、通常の)AGLタンパク質と同一または実質的に同一の生物活性を示し、かかる生物活性を、断片またはバリアントが、例えば、AGL断片のまたはバリアントの4−α−グルコトランスフェラーゼ活性および/またはアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性を介してグリコーゲンを脱分枝する能力によって評価することができる。本明細書中で使用する場合、「実質的に同一」は、任意のパラメータ(例えば、活性)が、コントロールで測定されたパラメータの少なくとも70%であることをいう。一定の実施形態では、「実質的に同一」はまた、任意のパラメータ(例えば、活性)が、コントロールで測定されるパラメータの少なくとも75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、100%、102%、105%、または110%であることをいう。一定の実施形態では、AGLポリペプチドの断片またはバリアントは、好ましくは、同一または実質的に同一の条件下で評価した場合、未変性AGLポリペプチドに関連するAGL生物学的活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%を保持するであろう。
【0243】
一定の実施形態では、AGLポリペプチドの断片またはバリアントの半減期(
t1/2)は、未変性タンパク質の半減期と比較して高い。好ましくは、AGL断片またはバリアントの半減期は、未変性AGLタンパク質の半減期と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%、または500%、またはさらに1000%高い。いくつかの実施形態では、タンパク質半減期を、in vitroで(緩衝化生理食塩水中または血清中などで)決定する。他の実施形態では、タンパク質半減期は、in vivo半減期(血清中または他の動物の体液中のタンパク質の半減期など)である。さらに、断片またはバリアントを、当該分野で公知の技術(従来のMerrifield固相f−Mocまたはt−Boc化学など)を使用して化学合成することができる。断片またはバリアントを、(組換えまたは化学合成によって)産生し、未変性AGLタンパク質のように機能するか、実質的に同様に機能することができる断片またはバリアントを同定するために試験することができる。
【0244】
細胞中のAGL生物活性を増加させる方法に関して、本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせ、ならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態との組み合わせを意図する。コンジュゲートの投与または細胞のコンジュゲートとの接触に基づいた記載の方法を、in vitro(例えば、細胞中または培養物中)またはin vivo(例えば、患者中または動物モデル中)で行うことができる。一定の実施形態では、方法はin vitro法である。一定の実施形態では、方法はin vivo法である。
【0245】
いくつかの態様では、本開示はまた、本明細書中に記載の前述の任意のコンジュゲートを産生する方法を提供する。さらに、本開示は、前述の方法および組成物の多数の組み合わせを意図する。
【0246】
一定の態様では、AGLポリペプチドは、1つまたは複数の融合ドメインをさらに含む融合タンパク質であり得る。かかる融合ドメインの周知の例には、ポリヒスチジン、Glu−Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、および免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)が含まれるが、これらに限定されず、これらはアフィニティクロマトグラフィによる融合タンパク質の単離に特に有用である。アフィニティ精製のために、アフィニティクロマトグラフィ用の連関マトリックス(グルタチオン、アミラーゼ、およびニッケル、またはコバルトにコンジュゲート化した樹脂など)を使用する。融合ドメインはまた、特異的抗体が利用可能な通常は短いペプチド配列である「エピトープタグ」を含む。特異的モノクローナル抗体が容易に利用可能な周知のエピトープタグには、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)、His、およびc−mycの各タグが含まれる。例示的なHisタグは配列HHHHHH(配列番号47)を有し、例示的なc−mycタグは配列EQKLISEEDL(配列番号48)を有する。いくつかの場合、融合ドメインは、連関プロテアーゼが融合タンパク質を部分的に消化し、それにより、融合タンパク質から組換えタンパク質が遊離する第Xa因子またはトロンビンなどのためのプロテアーゼ切断部位を有する。次いで、遊離したタンパク質を、その後のクロマトグラフィ分離によって融合ドメインから単離することができる。一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、ポリペプチドを安定化することが可能である1つまたは複数の修飾を含み得る。例えば、かかる修飾は、ポリペプチドのin vitro半減期を向上させるか、ポリペプチドの循環半減期を向上させるか、ポリペプチドのタンパク質分解を減少させる。
【0247】
いくつかの実施形態では、AGLタンパク質は、免疫グロブリンのFc領域との融合タンパク質であり得る。
【0248】
任意の前述の一定の実施形態では、本開示のコンジュゲートのAGL部分は、AGLポリペプチドを含み、一定の実施形態では、AGLポリペプチドは、AGLポリペプチドの機能的断片であり得るか、実質的に全長のAGLポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、AGLポリペプチドは、最もN末端側のアミノ酸位置にメチオニンを欠く(すなわち、配列番号19〜21のうちのいずれか1つの第1のアミノ酸にメチオニンを欠く)。本開示のコンジュゲートおよび方法での使用に適切なAGLポリペプチドは、in vitroまたはin vivoで評価した場合、オリゴ−1,4−1,4−グルコトランスフェラーゼ活性およびアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性を有する。例示的な機能的断片は、全長AGLポリペプチド(例えば、配列番号19〜21)の少なくとも500、少なくとも525、少なくとも550、少なくとも575、少なくとも600、少なくとも625、少なくとも650、少なくとも675、少なくとも700、少なくとも725、少なくとも750、少なくとも775、少なくとも800、少なくとも825、少なくとも850、少なくとも875、少なくとも900、少なくとも925、少なくとも925、少なくとも950、少なくとも975、少なくとも1000、少なくとも1025、少なくとも1050、少なくとも1075、少なくとも1100、少なくとも1125、少なくとも1150、少なくとも1175、少なくとも1200、少なくとも1225、少なくとも1250、少なくとも1275、少なくとも1300、少なくとも1325、少なくとも1350、少なくとも1375、少なくとも1400、少なくとも1425、少なくとも1450、少なくとも1475、少なくとも1500、少なくとも1525、または少なくとも1532個のアミノ連続アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、機能的断片は、全長AGLポリペプチド(例えば、配列番号19〜21)の500〜750、500〜1000、500〜1200、500〜1300、500〜1500、1000〜1100、1000〜1200、1000〜1300、1000〜1400、1000〜1500、1000〜1532個の連続するアミノ酸を含む。同様に、一定の実施形態では、本開示は、AGL部分が任意の前述のAGLポリペプチドまたは生物活性断片のバリアントであるコンジュゲートを意図する。例示的なバリアントは、未変性AGLポリペプチドまたはその機能的断片のアミノ酸配列と少なくとも90%、92%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有し、かかるバリアントは、AGLバリアントのオリゴ−1,4−1,4−グルコトランスフェラーゼ活性およびアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性を介してグリコーゲンを脱分枝する能力を保持する。本開示は、コンジュゲートおよびかかるポリペプチドの使用を意図し、ここで、AGL部分は本明細書中に記載の任意の内在化部分と組み合わせた明細書中に記載のAGLポリペプチド、断片、またはバリアントのうちのいずれかを含む。さらに、一定の実施形態では、任意の前述のコンジュゲートのAGL部分は、一定の実施形態では、融合タンパク質であり得る。AGL部分と内在化部分の一部との任意の組み合わせを含み、任意選択的に、1つまたは複数のリンカー、1つまたは複数のタグなどを含む任意のかかるコンジュゲートを、本開示の任意の方法で使用することができる。
2.GAAポリペプチド
【0249】
いくつかの実施形態では、異種薬剤は、GAAポリペプチド(例えば、成熟GAAを含むGAAポリペプチド)である。成熟GAAポリペプチドが、低pH(すなわち、リソソームまたは自己貪食空胞のpH)条件においてであろうと、中性pH(すなわち、細胞質のpH)条件においてであろうと、完全長前駆体GAAと比較して向上されたグリコーゲンクリアランスを有することは立証されている(Bijvoetら、1998、Hum Mol Genet、7(11):1815−24)。加えて、成熟GAAは、より低いpHで最適な活性を有するリソソームタンパク質でありながら、成熟GAAは、中性pH(すなわち、細胞質のpH)で約40%活性を保持する(Martin−Touauxら、2002、Hum Mol Genet、11(14):1637−45)。したがって、成熟GAAを含むGAAポリペプチドは、細胞質送達に適しており、それ故、ポンペ病の未対処問題点、すなわち細胞質グリコーゲン蓄積、に対処するのに適している。
【0250】
本明細書において用いる場合、成熟GAAポリペプチドは、当該タンパク質の変異体、および特に、成熟、活性形態(活性約76kDaもしくは約70kDa形態または代替開始残基および/もしくは終了残基を有する類似の形態、総称して「成熟GAA」)を含む。用語「成熟GAA」は、内因的にプロセッシングされたとき、SDS−PAGEにより約70kDaから約76kDaの見かけの分子量を有する未成熟GAAタンパク質の部分に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記の代替開始残基および/または終了残基を有する類似のポリペプチドも指す。開示のコンジュゲートは、成熟GAAを含むGAAポリペプチドを含み、一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、シグナル配列(配列番号22または23のアミノ酸1〜27または配列番号22または23のアミノ酸1〜56によって示される配列)を欠く。例示的な成熟GAAポリペプチドには、配列番号22または23の残基122〜782;配列番号22または23の残基123〜782;または配列番号22または23の残基204〜782を有するポリペプチドが含まれる。用語「成熟GAA」は、内因性成熟タンパク質と同じまたは実質的に同じ方法でグリコシル化される、およびそれ故、予測分子量と同じまたは同様である分子量を有する、ポリペプチドを含む。この用語は、グリコシル化されていないまたは過剰グリコシル化されているので同じ一次アミノ酸配列を含むにもかかわらず見かけの分子量が異なるポリペプチドも含む。成熟GAAポリペプチドのいずれのかかる変異体またはアイソフォーム、機能性断片または変異体、融合タンパク質および修飾形も、ネイティブ成熟GAAタンパク質と実質的配列同一性のアミノ酸配列の少なくとも一部分を有し、酵素活性を保持する。一定の実施形態では、成熟GAAポリペプチドの機能的断片、バリアント、または融合タンパク質は、配列番号24および25の一方または両方に記載の成熟GAAポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一であるか、配列番号22または23の残基122〜782;配列番号22または23の残基123〜782;または配列番号22または23の残基204〜782のうちの1つまたは複数に対応する成熟GAAポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一定の実施形態では、GAAポリペプチドの機能的断片、バリアント、または融合タンパク質は、配列番号26、27、および44のうちのいずれか1つに記載のGAAポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、GAAポリペプチドは、非ヒト種(例えば、マウス、ラット、イヌ、ゼブラフィッシュ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、サル、または類人猿)由来のGAAポリペプチドである。一部の実施形態において、前記GAAタンパク質は、配列番号52のアミノ酸配列を有する、完全長形態ではないが、成熟形態のウシGAAタンパク質を含む。
【0251】
一定の特定の実施形態では、コンジュゲートは、成熟GAAを含むGAAポリペプチドを含む(例えば、異種薬剤は、成熟GAAを含むGAAポリペプチドである)。成熟GAAポリペプチドは、76kDaもしくは70kDaのGAA形態、または代替の出発残基および/または終結残基を使用する類似の形態であり得る。Morelandら(Lysosomal Acid α−Glucosidase Consists of Four Different Peptides Processed from a Single Chain Precursor,Journal of Biological Chemistry,280(8):6780−6791,2005)に記述のように、GAAのプロセシング形態のために使用した命名法は、SDS−PAGEによって決定した見かけ上の分子量に基づく。いくつかの実施形態では、成熟GAAは、通常は小胞体中でグリコシル化されるN末端部位を欠き得る。例示的な成熟GAAポリペプチドは配列番号24または配列番号25を含む。さらに例示的な成熟GAAポリペプチドは、およそ以下に対応するアミノ酸配列を含み得るか、これらからなり得る:配列番号22または23の残基122〜782;配列番号22または23の残基123〜782(配列番号24などに示される);配列番号22または23の残基204〜782;配列番号22または23の残基206〜782;配列番号22または23の残基288〜782(配列番号25などに示される)。成熟GAAポリペプチドはまた、上記のN末端残基および/またはC末端残基を有し得る。
【0252】
一定の実施形態では、コンジュゲートは、全長GAAポリペプチドを含まないが、成熟GAAポリペプチドおよび全長GAAポリペプチドの少なくとも一部を含む。一定の実施形態では、コンジュゲートは、GAAポリペプチドを含むが、配列番号22または23の残基1〜56を含まない。一定の実施形態では、コンジュゲートは、GAAポリペプチドを含むが、配列番号22または23の残基1〜56を含まない。一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、110キロダルトンのGAA前駆体を含まない。これらの全ては、開示の異種薬剤の例、具体的には、異種薬剤が成熟GAAを含むGAAポリペプチドである実施形態の例である。
【0253】
一定の実施形態では、本明細書中に記載のコンジュゲートのGAAポリペプチド部分は、配列番号22のGAA翻訳産物を含まないGAAの成熟形態を含む。いくつかの実施形態では、GAAポリペプチドおよびコンジュゲートのいずれも配列番号22または23のアミノ酸1〜27または1〜56に対応する連続アミノ酸配列を含まない。いくつかの実施形態では、GAAポリペプチドは、GAA全リンカー領域(配列番号46)の少なくとも一部を欠き、全リンカー領域は、配列番号22または23のアミノ酸57〜78に対応する。特定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22または23のアミノ酸1〜60に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、GAAポリペプチドは、配列番号26のアミノ酸配列を含む)。他の実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜66に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、GAAポリペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含む)。いくつかの実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜69に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、GAAポリペプチドは、配列番号44のアミノ酸配列を含む)。他の実施形態では、成熟GAAポリペプチドを、グリコシル化してもグリコシル化しなくてもよい。グリコシル化されるGAAポリペプチドについて、グリコシル化パターンは、天然に存在するヒトGAAのグリコシル化パターンと同一であり得るか、異なり得る。前駆体GAAタンパク質上の1つまたは複数のグリコシル化部位を、最終成熟GAA構築物中で除去することができる。さらに例示的な成熟GAAポリペプチドは、配列番号26、27、および44のうちのいずれか1つに対応するアミノ酸配列を含み得るか、これらからなり得る。
【0254】
一定の実施形態では、成熟GAAを含むGAAポリペプチドはヒトである。
【0255】
用語「生物学的活性」、「生物活性」または「機能的」は、GAAポリペプチドを含むコンジュゲートが野生型GAAタンパク質に関連する機能(例えば、グリコーゲン(例えば、リソソームグリコーゲン)のα−1,4−グリコシド結合およびα−1,6−グリコシド結合の加水分解)を果たす能力を意味する。用語「生物学的活性」、「生物活性」、および「機能的」を、本明細書中で互換的に使用する。一定の実施形態では、生物学的活性は、グリコーゲンを加水分解する能力を含む。他の実施形態では、生物学的活性は、リソソームグリコーゲンおよび/または細胞質グリコーゲンの濃度を低下させる能力である。さらなる他の実施形態では、コンジュゲートは、ポンペ病に関連する症状を処置する能力を有する。本明細書中で使用する場合、「断片」には、本明細書中に記載の「生物活性」を示す生物活性断片(機能的断片ともいう)または生物活性バリアントが含まれると理解される。すなわち、成熟GAAの生物活性断片またはバリアントは、測定および試験することができる生物活性を示す。例えば、生物活性断片/機能的断片またはバリアントは、未変性(すなわち、野生型、すなわち、通常の)GAAタンパク質と同一または実質的に同一の生物活性を示し、かかる生物活性を、断片またはバリアントが、例えば、in vitroまたはin vivoでグリコーゲンを加水分解する能力によって評価することができる。本明細書中で使用する場合、「実質的に同一」は、任意のパラメータ(例えば、活性)が、コントロールで測定されたパラメータの少なくとも70%であることをいう。一定の実施形態では、「実質的に同一」はまた、同一または実質的に同一の条件下で評価した場合、任意のパラメータ(例えば、活性)が、コントロールで測定されるパラメータの少なくとも75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、100%、102%、105%、または110%であることをいう。一定の実施形態では、成熟GAAポリペプチドの断片またはバリアントは、好ましくは、同一または実質的に同一の条件下で評価した場合、未変性GAAポリペプチドに関連するGAA生物学的活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%を保持するであろう。一定の実施形態では、成熟GAAポリペプチドの断片またはバリアントの半減期(t
1/2)は、未変性タンパク質の半減期と比較して高い。好ましくは、成熟GAA断片またはバリアントの半減期は、同一または実質的に同一の条件下で評価した場合、未変性GAAタンパク質の半減期と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%、または500%、またはさらに1000%高い。いくつかの実施形態では、タンパク質半減期を、in vitroで(緩衝化生理食塩水中または血清中などで)決定する。他の実施形態では、タンパク質半減期は、in vivo半減期(血清中または他の動物の体液中のタンパク質の半減期など)である。さらに、断片またはバリアントを、当該分野で公知の技術(従来のMerrifield固相f−Mocまたはt−Boc化学など)を使用して化学合成することができる。断片またはバリアントを、(組換えまたは化学合成によって)産生し、未変性GAAタンパク質のように機能するか、実質的に同様に機能することができる断片またはバリアントを同定するために試験することができる。
【0256】
一定の実施形態では、GAAポリペプチドおよび内在化部分を含むコンジュゲートは、マンノース−6−リン酸受容体(MPR)をブロックする薬剤の存在下で細胞内(細胞質内など)に侵入することができる。
【0257】
細胞におけるGAA生物活性を増加させる方法に関して、本開示は、任意の上述の態様および実施形態のすべての組み合わせ、ならびに「発明を実施するための形態」および「実施例」で述べる任意の実施形態との組み合わせも企図している。コンジュゲートの投与または細胞のコンジュゲートとの接触に基づいた記載の方法を、in vitro(例えば、細胞中または培養物中)またはin vivo(例えば、患者中または動物モデル中)で行うことができる。一定の実施形態では、方法はin vitro法である。一定の実施形態では、方法はin vivo法である。
【0258】
いくつかの態様では、本開示はまた、本明細書中に記載の前述の任意のコンジュゲートを産生する方法を提供する。さらに、本開示は、前述の方法および組成物の多数の組み合わせを意図する。
【0259】
一定の態様では、成熟GAAポリペプチドは、1つまたは複数の融合ドメインをさらに含む融合タンパク質であり得る。かかる融合ドメインの周知の例には、ポリヒスチジン、Glu−Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、および免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)が含まれるが、これらに限定されず、これらはアフィニティクロマトグラフィによる融合タンパク質の単離に特に有用である。アフィニティ精製のために、アフィニティクロマトグラフィ用の連関マトリックス(グルタチオン、アミラーゼ、およびニッケル、またはコバルトにコンジュゲート化した樹脂など)を使用する。融合ドメインはまた、特異的抗体が利用可能な通常は短いペプチド配列である「エピトープタグ」を含む。特異的モノクローナル抗体が容易に利用可能な周知のエピトープタグには、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)、His、およびc−mycの各タグが含まれる。例示的なHisタグは配列HHHHHH(配列番号47)を有し、例示的なc−mycタグは配列EQKLISEEDL(配列番号48)を有する。任意のかかるタグまたは融合物をコンジュゲートの成熟GAA部分に付加することができるか、コンジュゲートの内在化部分の一部に付加することができるか、その両方であると認識される。一定の実施形態では、コンジュゲートは、コンジュゲートのN末端上(またはN末端の10アミノ酸残基以内)に「AGIH」部分(配列番号28)を含み、かかるコンジュゲートを、1つまたは複数のエピトープタグの存在下または非存在下で提供することができる。さらなる実施形態では、コンジュゲートは、ポリペプチドの最もN末端側の位置にセリンを含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、ポリペプチドのN末端(またはN末端の10アミノ酸残基以内)に「SAGIH」(配列番号29)部分を含み、かかるコンジュゲートを、1つまたは複数のエピトープタグの存在下または非存在下で提供することができる。
【0260】
いくつかの場合、融合ドメインは、連関プロテアーゼが融合タンパク質を部分的に消化し、それにより、融合タンパク質から組換えタンパク質が遊離する第Xa因子またはトロンビンなどのためのプロテアーゼ切断部位を有する。次いで、遊離したタンパク質を、その後のクロマトグラフィ分離によって融合ドメインから単離することができる。一定の実施形態では、成熟GAAポリペプチドは、ポリペプチドを安定化することが可能である1つまたは複数の修飾を含み得る。例えば、かかる修飾は、ポリペプチドのin vitro半減期を向上させるか、ポリペプチドの循環半減期を向上させるか、ポリペプチドのタンパク質分解を減少させる。
【0261】
いくつかの実施形態では、GAAポリペプチドは、免疫グロブリンのFc領域との融合タンパク質であり得る。
【0262】
任意の前述の一定の実施形態では、コンジュゲートのGAA部分は、GAAの成熟形態(例えば、76kDa断片、70kDa断片)、代替の開始部位および/または終結部位を使用する類似の形態、またはその機能的断片のうちの1つを含む。一定の実施形態では、かかる成熟GAAポリペプチドまたはその機能的断片は、in vitroまたはin vivoで評価した場合にグリコーゲンの加水分解能力を保持する。さらに、ある一定の実施形態において、かかる成熟GAAポリペプチドまたはその機能性断片を含むコンジュゲート化体は、グリコーゲンを加水分解することができる。例示的生物活性断片は、完全長成熟GAAポリペプチドの連続した少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも250、少なくとも260、少なくとも275、または少なくとも300のアミノ酸残基を含む。
【0263】
一定の実施形態では、本明細書中に記載のコンジュゲートのGAAポリペプチド部分は、配列番号22に記載のGAAポリペプチドを含まないGAAの成熟形態を含む。いくつかの実施形態では、GAAポリペプチドは、GAA全リンカー領域(配列番号46)の少なくとも一部を欠き、全リンカー領域は、配列番号22または23のアミノ酸57〜78に対応する。特定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22または23のアミノ酸1〜60に対応する連続アミノ酸配列を含まない。他の実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜66に対応する連続アミノ酸配列を含まない。いくつかの実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜69に対応する連続アミノ酸配列を含まない。
【0264】
特定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22または23のアミノ酸1〜60に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、コンジュゲートは配列番号22または23のアミノ酸1〜60を含まない)。他の実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜66に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、コンジュゲートは配列番号22または23のアミノ酸1〜60または1〜66に対応する連続アミノ酸配列を含まない)。いくつかの実施形態では、GAA部分は、配列番号22または23のアミノ酸1〜69に対応する連続アミノ酸配列を含まない(例えば、コンジュゲートは配列番号22または23のアミノ酸1〜60または1〜66または1〜69に対応する連続アミノ酸配列を含まない)。本明細書中に記載の適切な組み合わせを特に意図する。
【0265】
一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸61〜952に対応するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、配列番号22のアミノ酸61〜952を含み、配列番号22のアミノ酸1〜60に対応する連続アミノ酸配列を含まない。一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸67〜952に対応するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、配列番号22のアミノ酸67〜952を含み、配列番号22のアミノ酸1〜60または、一定の実施形態では、1〜66に対応する連続アミノ酸配列を含まない)。一定の実施形態では、GAAポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸70〜952に対応するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、配列番号22のアミノ酸70〜952を含み、配列番号22のアミノ酸1〜60または、一定の実施形態では、1〜66または、一定の実施形態では、1〜70に対応する連続アミノ酸配列を含まない。成熟GAAを含む任意のかかるGAAポリペプチドを含むコンジュゲートを、細胞内にGAA活性を送達するために使用することができる。
【0266】
ある一定の実施形態において、本開示は、成熟GAA部分が任意の上述の成熟GAAポリペプチドまたは機能性断片の変異体である、コンジュゲート化体を企図している。例示的変異体は、ネイティブGAAポリペプチドまたはその生物活性断片のアミノ酸配列と少なくとも90%、92%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有し、かかる変異体は、インビトロまたはインビボで評価してグリコーゲンを加水分解するネイティブGAAの能力を保持する。本開示は、コンジュゲートおよびかかるタンパク質の使用を意図し、ここで、GAA部分は本明細書中に記載の任意の内在化部分と組み合わせた本明細書中に記載の成熟GAAポリペプチド、形態、またはバリアントのうちのいずれかを含む。さらに、一定の実施形態では、任意の前述のコンジュゲートの成熟GAA部分は、一定の実施形態では、融合タンパク質であり得る。GAA部分と内在化部分の一部との任意の組み合わせを含み、任意選択的に、1つまたは複数のリンカー、1つまたは複数のタグなどを含む任意のかかるコンジュゲートを、本開示の任意の方法で使用することができる。
IV.コンジュゲート
【0267】
一定の実施形態では、本開示は、開示のコンジュゲートを提供する。本開示のコンジュゲートは、(ii)異種薬剤に会合した(融合した、またはそうでなければコンジュゲート化した)(i)本開示の抗体または抗原結合断片を含む。本開示のコンジュゲートおよび本開示で用いるコンジュゲートを、種々の様式で作製することができる。一定の実施形態では、異種薬剤はポリペプチドであり、異種薬剤のC末端をヒト化内在化部分のN末端に連結することができる。あるいは、ヒト化内在化部分のC末端を異種薬剤のN末端に連結することができる。例えば、コンジュゲートを、抗体(または抗体断片)の重鎖または軽鎖のいずれかのアミノ末端またはカルボキシ末端に異種薬剤が配置されるようにデザインすることができる。ある一定の実施形態において、可能性のある構成は、付着異種薬剤の機能的完全性を維持するために必要に応じて抗体の重鎖および軽鎖配列(例えば、3E10)のトランケート部分の使用を含む。さらになお、前記ヒト化内在化部分を異種薬剤の露出された内部(非末端)残基に連結させることができる。さらなる実施形態では、異種薬剤−内在化部分構成の任意の組み合わせを用いることができ、それによって、1:1より大きい異種薬剤:内在化部分比(例えば、2異種薬剤分子対1内在化部分)が得られる。
【0268】
一定の実施形態では、コンジュゲートは、ポリペプチドのN末端上に「AGIH」部分(配列番号28)を含み、かかるコンジュゲートを、1つまたは複数のエピトープタグの存在下または非存在下で提供することができる。さらなる実施形態では、キメラポリペプチドは、ポリペプチドの最もN末端側の位置にセリンを含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、ポリペプチドのN末端に「SAGIH」(配列番号29)部分を含み、かかるコンジュゲートを、1つまたは複数のエピトープタグの存在下または非存在下で提供することができる。
【0269】
異種薬剤および内在化部分を、相互に直接コンジュゲート化することができる。あるいは、前記異種薬剤および前記内在化部分を、各ドメインが適正にその二次および三次構造に確実にフォールディングするのに十分な距離だけ離隔するリンカー配列を介して、互いに連結させてもよい。好ましいリンカー配列は、(1)柔軟な伸長された高次構造をとるべきであり、(2)異種薬剤ポリペプチドまたは内在化部分の機能性ドメインと相互作用することができる規則二次構造を発生させる傾向を示してはならず、そして(3)機能性タンパク質ドメインとの相互作用を促進することができる最小の疎水性または荷電性を有するべきである。柔軟なタンパク質領域の典型的な表面アミノ酸としては、Gly、AsnおよびSerが挙げられる。Gly、AsnおよびSerを含有するアミノ酸配列の並べ替えは、リンカー配列についての上記基準を満たすと予想される。他のほぼ中性のアミノ酸、例えばThrおよびAlaもリンカー配列に使用することができる。特定の実施形態では、約15アミノ酸のリンカー配列長を使用して、機能性タンパク質ドメインの適する離隔をもたらすことができるが、より長いまたはより短いリンカー配列を使用してもよい。異種薬剤と内在化部分を離隔するリンカー配列の長さは、長さ5から500アミノ酸、またはさらに好ましくは長さ5から100アミノ酸であることができる。好ましくは、前記リンカー配列は、長さ約5〜30アミノ酸である。好ましい実施形態において、前記リンカー配列は、約5から約20アミノ酸であり、有利には約10から約20アミノ酸である。他の実施形態において、異種薬剤を内在化部分に連結させるリンカーは、抗体の定常ドメイン(例えば、Ab 3E10の定常ドメイン、または別の抗体のFc領域のすべてもしくは一部分)であることができる。例として、異種薬剤を内在化部分と接合させるリンカーは、GSTSGSGKSSEGKG(例えば、配列番号31を参照のこと)であり得る。一定の実施形態では、リンカーは切断可能なリンカーである。上述のように、コンジュゲートは、1つを超えるリンカー(内在化部分を異種薬剤に接合させるリンカーおよび内在化部分の一部を相互に接合させるリンカー(例えば、単鎖Fv断片のVHとVLドメインとを接合させるリンカー)など)を含み得る。コンジュゲートが1つを超えるリンカー(2つのリンカーなど)を含む場合、リンカーを独立して選択し、リンカーは、同一でも異なっていてもよい。
【0270】
ある一定の実施形態において、本開示の方法において使用するためのコンジュゲート化体は、周知の架橋試薬または架橋プロトコルを用いて生成することができる。例えば、当業者に公知であり、異種薬剤と内在化部分(例えば、抗体)を架橋させるのに有用である、多数の化学的架橋剤がある。例えば、前記架橋剤は、段階的に分子を連結させるために使用することができるヘテロ二官能性架橋剤である。タンパク質をコンジュゲート化させるより特異的なカップリング方法が、ヘテロ二官能性架橋剤によって設計できるようになり、それによりホモタンパク質ポリマーなどの望ましくない副反応の発生を低減させることができる。多種多様なヘテロ二官能性架橋剤が当該技術分野において公知であり、それらとしては、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS);N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC);4−スクシンイミジルオキシカルボニル−a−メチル−a−(2−ピリジルジチオ)−トルエン(SMPT)、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル6−[3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート]ヘキサノエート(LC−SPDP)が挙げられる。N−ヒドロキシスクシンイミド部分を有する架橋剤を、より大きい水溶性を一般に有するN−ヒドロキシスルホスクシンイミド類似体として得ることができる。加えて、連結する鎖内にジスルフィドブリッジを有する架橋剤をアルキル誘導体としてその代りに合成して、インビボリンカー切断量を低減させることができる。ヘテロ二官能性架橋剤に加えて、ホモ二官能性および光反応性架橋剤をはじめとする多数の他の架橋剤が存在する。ジスクシンイミジルスベレート(disuccinimidyl subcrate)(DSS)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)およびジメチルピメルイミデート・2HCl(DMP)は、有用なホモ二官能性架橋剤の例であり、ならびにビス[B−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)およびN−スクシンイミジル−6(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(SANPAH)は、本開示における使用のために有用な光反応性架橋剤の例である。タンパク質カップリング技術の最近の概説については、参照により本明細書に援用されているMeansら(1990)Bioconjugate Chemistry.1:2−12を参照されたい。
【0271】
上に含めたヘテロ二官能性架橋剤の1つの特に有用なクラスは、第一級アミン反応性基、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、またはその水溶性類似体N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(スルホ−NHS)を含む。アルカリpHでの第一級アミン(リジンε基)は、プロトン化されず、NHSまたはスルホ−NHSエステルに対する求核攻撃によって反応する。この反応は、アミド結合の形成、そしてNHSまたはスルホ−NHSの副生成物としての遊離をもたらす。ヘテロ二官能性架橋剤の一部として有用なもう1つの反応性基は、チオール反応性基である。一般的なチオール反応性基としては、マレイミド、ハロゲン、およびピリジルジスルフィドが挙げられる。マレイミドは、弱酸性から中性(pH6.5〜7.5)条件下で数分で遊離スルフヒドリル(システイン残基)と特異的に反応する。ハロゲン(ヨードアセチル官能基)は、生理pHで−−SH基と反応する。これら両方の反応性基は、安定したチオエーテル結合の形成をもたらす。ヘテロ二官能性架橋剤の第三の構成要素は、スペーサーアームまたはブリッジである。ブリッジは、2つの反応性末端を接続する構造である。ブリッジの最も明白な特質は、立体障害に対するその効果である。場合によっては、長いブリッジほど、2つの複雑な生体分子を連結させるために必要な距離に容易に架かることができる。
【0272】
ヘテロ二官能性試薬を使用するタンパク質コンジュゲート化体の調製は、アミン反応とスルフヒドリル反応を含む二工程プロセスである。第一の工程、アミン反応のために選択されるタンパク質は、第一級アミンを含有すべきである。これは、リジンεアミンまたは殆どのタンパク質のN末端に見いだされる第一級αアミンであることができる。前記タンパク質は、遊離スルフヒドリル基を含有してはならない。コンジュゲート化される両方のタンパク質が遊離スルフヒドリル基を含有する場合、例えばN−エチルマレイミドを使用してすべてのスルフヒドリルをブロックするように一方のタンパク質を修飾することができる(参照により本明細書に援用されているPartisら(1983)J.Pro.Chem.2:263を参照されたい)。エルマン試薬を使用して、特定のタンパク質中のスルフヒドリルの量を計算することができる(例えば、参照により本明細書に援用されているEllmanら(1958)Arch.Biochem.Biophys.74:443およびRiddlesら(1979)Anal.Biochem.94:75を参照されたい)。
【0273】
ある一定の特定の実施形態では、ユニバーサル担体系を使用して本開示の方法において使用するためのコンジュゲート化体を生産することができる。例えば、異種薬剤ポリペプチドを一般的な担体、例えば、プロテインA、ポリ−L−リジン、hex−ヒスチジンなどにコンジュゲート化させることができる。その場合、そのコンジュゲート化された担体は、内在化部分として作用する抗体と複合体を形成することになる。免疫グロブリンと結合する役割を担う担体分子の小部分を担体として使用することもできよう。
【0274】
ある一定の実施形態では、Bodansky,M.、Principles of Peptide Synthesis、Springer Verlag、Berlin(1993)およびGrant G. A.(編集)、Synthetic Peptides:A User’s Guide、W.H.Freeman and Company、New York(1992)に記載されているものなどの標準的なタンパク質化学技術を用いることにより、本開示の方法において使用するためのコンジュゲート化体を生産することができる。加えて、自動ペプチド合成装置が市販されている(例えば、Advanced ChemTech Model 396;Milligen/Biosearch 9600)。異種薬剤の内在化部分への化学的コンジュゲート化のための上述のいずれの架橋方法においても、切断可能ドメインまたは切断可能リンカーを使用することができる。切断は、内在化部分と異種薬剤の分離を可能にする。例えば、コンジュゲート化体が細胞を透過した後に、切断可能リンカーの切断によって異種薬剤の内在化部分から分離することが可能になる。
【0275】
一定の実施形態では、本開示の方法で用いるコンジュゲートを、1つの連続ポリペプチド鎖として発現する異種薬剤ポリペプチドおよび内在化部分を含む融合タンパク質として生成する。かかるコンジュゲートを、本明細書中で組換えコンジュゲート化したという。かかる融合タンパク質の調製では、異種薬剤ポリペプチドおよび内在化部分、ならびに、任意選択的に、異種薬剤ポリペプチドと内在化部分とを繋ぐためのペプチドリンカー配列をコードする核酸を含む融合遺伝子を構築する。あるいは、1つまたは複数のコンジュゲートの一部を、個別に組換え産生し、一部をその後に化学的または組換えによって組み合わせることができる。翻訳産物が所望の融合タンパク質である、融合遺伝子を生じさせるための組換えDNA技術の使用は、当該技術分野において周知である。遺伝子のコード配列とその調節領域の両方を設計しなおして、タンパク質産物の機能特性、作製されるタンパク質の量、またはそのタンパク質が生産される細胞タイプを変えることができる。遺伝子のコード配列を−−例えば、その一部を異なる遺伝子のコード配列に融合させることによって−−大幅に変更して、融合タンパク質をコードする新規ハイブリッド遺伝子を生産することができる。融合タンパク質の生産方法の例は、参照により本明細書に援用されているPCT出願第PCT/US87/02968号、同第PCT/US89/03587号および同第PCT/US90/07335号パンフレット、ならびにTrauneckerら、(1989)Nature 339:68に記載されている。本質的に、異なるポリペプチド配列をコードする様々なDNA断片の連結は、ライゲーションのための平滑末端またはジグザグ端(stagger−ended)末端、適切な末端を生じさせるための制限酵素消化、適宜の付着末端の充填、望ましくない連結を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的ライゲーションを用いる、従来の技術に従って行う。あるいは、自動DNA合成装置をはじめとする従来の技術によって融合遺伝子を合成することができる。別の方法では、連続した2つの遺伝子断片間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して遺伝子断片のPCR増幅を行うことができ、その後、それらのオーバーハングをアニールしてキメラ遺伝子配列を生成することができる(例えば、Current Protocols in Molecular Biologym、Ausubelら編、John Wiley & Sons:1992を参照されたい)。融合遺伝子によってコードされたコンジュゲート化体を、当該技術分野において周知であるような様々な発現系を使用して組換え生産してもよい(下記も参照されたい)。
【0276】
組換えコンジュゲート化したコンジュゲートは、異種薬剤ポリペプチドを内在化部分のN末端またはC末端にコンジュゲート化する実施形態を含む。
【0277】
一部の実施形態では、米国特許出願公開第2003/0166877号明細書に記載されているように、コンジュゲート化体に架かる連結領域内の候補T細胞エピトープを同定し、その連結領域内のアミノ酸を変えることによって、コンジュゲート化体の免疫原性を低減させることがある。
V.核酸および発現
【0278】
一定の実施形態では、本開示は、本開示の任意の抗体または抗原結合断片(例えば、ヒト化内在化部分またはその断片)または本明細書中に開示の任意のコンジュゲートを産生するために核酸を使用する。
【0279】
核酸は、一本鎖または二本鎖のDNA分子またはRNA分子であり得る。さらなる実施形態では、ヒト化内在化部分またはその断片の核酸配列は、単離核酸配列、組換え核酸配列、および/または異種ヌクレオチド配列と融合された核酸配列、またはDNAライブラリー中の核酸配列であり得る。
【0280】
一定の実施形態では、ヒト化内在化部分またはその断片の核酸はまた、高ストリンジェンシー条件下で上記ヒト化内在化部分またはその断片のヌクレオチド配列、またはその相補配列のうちのいずれかをコードするポリヌクレオチドにハイブリッド形成するヌクレオチド配列を含む。DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件を変えることができることは、通常の当業者には容易に理解されるであろう。例えば、約45℃で6.0x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)でのハイブリダイゼーション、続いて50℃で2.0xSSCの洗浄を行うことができよう。例えば、洗浄工程での塩濃度を50℃で約2.0xSSCの低ストリンジェンシーから50℃で約0.2xSSCの高ストリンジェンシーまで選択することができる。加えて、洗浄工程の温度を室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から約65℃での高ストリンジェンシー条件に上昇させることができる。温度と塩の両方を変えてもよく、または他の変数を変化させつつ温度もしくは塩濃度を一定に保ってもよい。1つの実施形態において、本開示は、室温で6xSSCの低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を提供し、ハイブリダイズ後、室温で2xSSCで洗浄する。
【0281】
遺伝コードの縮重のためにヒト化内在化部分またはその断片の核酸とは異なっている単離された核酸も本開示の範囲内である。例えば、多数のアミノ酸が複数のトリプレットによって表される。同じアミノ酸を指定するコドン、すなわちシノニム(例えば、CAUおよびCACは、ヒスチジンのシノニムである)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を及ぼさない「サイレント」突然変異をもたらすことがある。しかし、対象タンパク質のアミノ酸配列の変化につながるDNA配列多型が哺乳動物細胞間に存在すると予想される。特定のタンパク質をコードする核酸の1つ以上のヌクレオチド(ヌクレオチドの約3〜5%またはそれ未満)のこれらの変異が、天然対立遺伝子変異のため所与の種の個体間に存在することがあることは、当業者には理解されるであろう。任意のおよびすべてのかかるヌクレオチド変異および結果として生ずるアミノ酸多型が本開示の範囲内である。
【0282】
ある一定の実施形態では、前記組換えヒト化内在化部分またはその断片の核酸を発現構築物中の1つ以上の調節ヌクレオチド配列に作動可能に連結させることがある。調節ヌクレオチド配列は、一般に、発現に用いられる宿主細胞に適切であるだろう。非常に多くのタイプの適切な発現ベクターおよび適する調節配列が当該技術分野において様々な宿主細胞について公知である。典型的に、前記1つ以上の調節ヌクレオチド配列としては、プロモーター配列、リーダーまたはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列、ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列を挙げることができるが、これらに限定されない。当該技術分野において公知であるような構成的または誘導性プロモーターを本開示は企図している。前記プロモーターは、天然に存在するプロモーターであってもよく、または1つより多くのプロモーターの要素を兼備するハイブリッドプロモーターであってもよい。発現構築物は、細胞内のプラスミドなどのエピソーム上に存在することもあり、または発現構築物は、染色体に挿入されることもある。好ましい実施形態において、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするために選択マーカー遺伝子を含有する。選択マーカー遺伝子は、当該技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって異なることになる。ある一定の態様において、本開示は、ヒト化内在化部分またはその断片をコードし、かつ少なくとも1つの調節配列に作動可能に連結されているヌクレオチド配列を含む発現ベクターに関する。調節配列は当該技術分野において認知されており、そしてコードされたポリペプチドの発現を命じるために選択される。したがって、調節配列という用語は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御要素を含む。例示的調節配列は、Goeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、Academic Press、San Diego、CA(1990)に記載されている。発現ベクターの設計が、形質転換させる宿主細胞の選択、および/または発現させることを所望するタンパク質タイプなどの因子に依存し得ることは、理解されるはずである。さらに、ベクターのコピー数、コピー数を制御する能力、および抗生物質マーカーなどのベクターによってコードされた任意の他のタンパク質の発現も考慮すべきである。
【0283】
本開示はまた、本開示の方法で用いるヒト化内在化部分もしくはその断片またはコンジュゲートをコードする組換え遺伝子でトランスフェクトした宿主細胞に関する。宿主細胞は、任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、ヒト化内在化部分もしくはその断片またはコンジュゲートを、細菌細胞(大腸菌など)、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)、酵母、または哺乳動物細胞中で発現させることができる。他の適切な宿主細胞が当業者に公知である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、不死化細胞であるか、ベクターを発現するように安定にトランスフェクトされている。本開示はまた、ポリペプチド(例えば、本明細書中に記載の任意の抗体または抗原結合断片)の産生方法であって、宿主細胞を提供する工程および適切な条件下で宿主細胞を培養してポリペプチドを産生する、培養する工程を含む方法を提供する。
【0284】
本開示は、さらに、本開示の方法において使用するためのヒト化内在化部分もしくはその断片、内在化部分、および/またはコンジュゲート化体を生産する方法に関する。例えば、ヒト化内在化部分もしくはその断片またはコンジュゲート化体をコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を、そのポリペプチドの発現を起こさせるような適切な条件下で培養することができる。そのポリペプチドを含有する細胞と培地の混合物からそのポリペプチドを分泌させ、単離してもよい。あるいは、そのポリペプチドを細胞質にまたは膜画分中に保持し、細胞を回収し、溶解し、タンパク質を単離してもよい。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。細胞培養に適する培地は、当該技術分野において周知である。イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、および前記ポリペプチド(例えば、MTM1ポリペプチド)の特定のエピトープに対して特異的な抗体を用いるイムノアフィニティー精製をはじめとする、当該技術分野において公知のタンパク質精製技術を用いて、前記ポリペプチドを細胞培養培地、宿主細胞または両方から単離することができる。好ましい実施形態において、前記ポリペプチドは、融合タンパク質であり、任意選択でその精製を助長するドメインを含有してもよい。
【0285】
組換えヒト化内在化部分またはその断片の核酸(または本開示の他の抗体もしくは抗原結合断片)は、クローン遺伝子またはその一部分を、原核細胞、真核細胞(酵母、鳥類、昆虫もしくは哺乳動物)または両方のいずれかにおける発現に適するベクターにライゲートすることによって生産することができる。組換えポリペプチドの生産のための発現ビヒクルとしては、プラスミドおよび他のベクターが挙げられる。例えば、適するベクターとしては、次のタイプのプラスミドが挙げられる:大腸菌などの原核細胞における発現のためのpBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミドおよびpUC由来プラスミド。好ましい哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるそのベクターの増殖を助長するための原核性配列と、真核細胞において発現される1つ以上の真核性転写ユニットの両方を含有する。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2−dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko−neoおよびpHyg由来ベクターが、真核細胞のトランスフェクションに適している哺乳動物発現ベクターの例である。これらのベクターの一部をpBR322などの細菌プラスミドからの配列で修飾して、原核細胞および真核細胞両方における複製および薬剤耐性選択を助長する。あるいは、ウシ乳頭腫ウイルス(BPV−1)またはエプスタイン・バー・ウイルス(pHEBo、pREP由来およびp205)などのウイルスの誘導体を、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現に使用することができる。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換に用いられる様々な方法が当該技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞両方のための他の適する発現系、ならびに一般組換え手順については、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)第16および17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイルス発現系の使用により組換えポリペプチドを発現させることが望ましいこともある。かかるバキュロウイルス発現系の例としては、pVL由来ベクター(例えば、pVL1392、pVL1393およびpVL941)、pAcUW由来ベクター(例えば、pAcUW1)、およびpBlueBac由来ベクター(例えば、β−gal含有pBlueBac III)が挙げられる。
【0286】
融合遺伝子の作製技術は周知である。本質的に、異なるポリペプチド配列をコードする様々なDNA断片の連結は、ライゲーションのための平滑末端またはジグザグ端(stagger−ended)末端、適切な末端を生じさせるための制限酵素消化、適宜の付着末端の充填、望ましくない連結を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的ライゲーションを用いる、従来の技術に従って行う。別の実施形態では、自動DNA合成装置をはじめとする従来の技術によって融合遺伝子を合成することができる。あるいは、連続した2つの遺伝子断片間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して遺伝子断片のPCR増幅を行うことができ、その後、それらのオーバーハングをアニールしてキメラ遺伝子配列を生成することができる(例えば、Current Protocols in Molecular Biologym、Ausubelら編、John Wiley & Sons:1992を参照されたい)。
【0287】
多数の方法でコンジュゲートを作製することができることを理解すべきである。例えば、ヒト化内在化部分(またはその断片)および異種薬剤を個別に作製することができる(2つの個別の細胞培養物中でその各タンパク質をコードする核酸構築物からの組換え産生など)。一旦作製されると、タンパク質を、直接またはリンカーを介して化学的にコンジュゲート化することができる。別の例として、コンジュゲートを、任意選択的に1つまたは複数のリンカー、および任意選択的に1つまたは複数のエピトープタグを含む全コンジュゲートを、異種薬剤および内在化部分の両方をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物から作製するインフレーム融合物として作製することができる。別の例として、コンジュゲートは、以下を含む:a)インフレーム融合物によって重鎖可変(V
H)ドメイン(例えば、配列番号10)に融合した軽鎖可変(V
L)ドメイン(例えば、配列番号8)を含むヒト化内在化部分(またはその断片);およびb)異種薬剤(ヒト化内在化部分および異種薬剤がユニバーサルキャリアシステムまたは化学的コンジュゲート化によって相互にコンジュゲート化している)。
【0288】
単独または異種薬剤とのコンジュゲートとして提供した本開示の抗体は、多数の使用方法(in vitroでの使用およびin vivoでの使用が含まれる)を有する。in vivoでの使用には、治療上の使用だけでなく、診断および研究での使用(例えば、特定の疾患の動物モデルでの使用)も含まれる。例として、本開示のコンジュゲートを、研究試薬として使用し、健康な動物または罹患動物における生物活性、局在化および輸送、タンパク質間相互作用、酵素活性、ならびに動物生理学に及ぼす異種薬剤の影響を理解するために動物に送達することができる。
【0289】
コンジュゲートを、例えば、培養細胞(培養物中の健康な細胞および罹患細胞(例えば、MTM、GAA、および/またはAGLを欠く細胞)が含まれる)における異種薬剤の生物活性、局在化および輸送、タンパク質間相互作用、ならびに酵素活性を評価するためにin vitroで使用することもできる。本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)異種薬剤を含むコンジュゲート(例えば、本開示の抗体または抗原結合断片および異種タンパク質またはペプチドを含むコンジュゲートなど)を、細胞質、リソソーム、および/または細胞(培養細胞が含まれる)の自己貪食小胞に異種薬剤を送達するために使用することができることを意図する。
VI.投与方法
【0290】
種々の送達系が公知であり、本開示の抗体または抗原結合断片(単独で提供されるか、別の薬剤とのコンジュゲートとして提供される)(その1つまたは複数のいずれかを、「本開示の組成物」または「本開示のヒト化組成物」ということができる)を、例えば、種々の製剤、化合物を発現することができるリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、組換え細胞中のカプセル化、受容体媒介エンドサイトーシス(例えば、Wu and Wu,1987,J.Biol.Chem.262:4429−4432を参照のこと)によって投与するために使用することができる。導入方法は、経腸または非経口経路(皮内、経皮、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、肺内、鼻腔内、眼内、硬膜外が含まれるが、これらに限定されない)、および経口経路であり得る。特定の実施形態では、非経口導入には、筋肉内、皮下、静脈内、血管内、および心膜内の各投与が含まれる。
【0291】
本開示は、1回または複数回用量の本開示の抗体または抗原結合断片(単独で提供されるか、別の薬剤とのコンジュゲートとして提供される)(その1つまたは複数のいずれかを、「本開示の組成物」または「本開示のヒト化組成物」ということができる)の全身送達を提供する。全身送達には、例えば、皮下、静脈内、または筋肉内が含まれる。実際に、公開されたPCT出願WO2013/177428号に記載の結果は、3E10内在化抗体またはその断片またはコンジュゲートの筋肉内送達後、治療有効性が他の筋肉内(例えば、注射した筋肉に限定されない)で認められることを証明している。これは、全ての薬剤の筋肉内送達後に当てはまらず、ヒト化内在化抗体またはその断片またはコンジュゲートが筋肉内投与後に全身で利用可能であることを示す。
【0292】
開示の抗体または抗原結合断片(異種薬剤にコンジュゲート化された内在化部分またはその断片が含まれる)を、任意の従来の経路によって(例えば、注入またはボーラス注射によって)投与することができる。
【0293】
一定の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片(異種薬剤にコンジュゲート化されたものが含まれる)を、静脈内注入によって投与する。一定の実施形態では、コンジュゲートを、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、または少なくとも30分間にわたって注入する。他の実施形態では、開示の抗体または抗原結合断片(単独または異種薬剤とのコンジュゲートとして提供される)を、少なくとも60分間、90分間、または120分間にわたって注入する。注入期間と無関係に、本開示は、各注入が本開示の組成物を規則的なスケジュール(例えば、週間、月間など)に従って投与する全処置計画の一部であることを意図する。
【0294】
組成物および投与経路を、テクノロジーの特定の用途に応じて選択する。例えば、ヒト患者における診断目的または治療目的のために使用する場合と比較して、in vitroまたは動物モデルなどの研究目的で開示の組成物を使用する場合に異なる組成物および/または投与経路が適切であり得る。当業者は、テクノロジーの特定の適用に応じて適切な投与経路を選択することができる。
VII.薬学的組成物
【0295】
本開示の一定の実施形態では、本開示の抗体または抗原結合断片(単独で提供されるか、別の薬剤とのコンジュゲートとして提供される)(その1つまたは複数のいずれかを、「本開示の組成物」または「本開示のヒト化組成物」という)を、薬学的に許容され得るキャリアを使用して製剤化する。例えば、本開示は、1つまたは複数の薬学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤を使用して製剤化した本開示の抗体または抗原結合断片(任意選択的に、別の薬剤とコンジュゲート化される)を含む組成物を提供する。1つまたは複数のかかる開示の組成物(単独で提供されるか、別の薬剤とのコンジュゲートとして提供される)を、単独か薬学的製剤(組成物)の成分として投与することができる。ヒトまたは獣医学での使用のための任意の適便な方法で投与するために本開示の組成物(単独で提供されていようが、または他の薬剤とのコンジュゲート化体として提供されていようが)を製剤化してよい。湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および酸化防止剤も前記組成物中に存在することができる。
【0296】
本開示の組成物の製剤は、経口、鼻、局所、非経口、直腸および/または膣内投与に適しているものを含む。前記製剤を単位剤形で適便に提供してよく、および薬学技術分野において周知の任意の方法によって調製してよい。単一剤形を製造するために担体材料と併せることができる活性成分の量は、処置される宿主、および特定の投与方式に依存して変わることになる。単一剤形を製造するために担体材料と併せることができる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じさせる化合物の量であろう。
【0297】
ある一定の実施形態において、これらの製剤または組成物を調製する方法は、治療剤および担体、ならびに場合により1つ以上の補助成分を併せる工程を含む。一般に、液体担体、または微粉固体担体、または両方を用いて製剤を調製し、その後、必要に応じて生成物を成形する。
【0298】
非経口投与に適する医薬組成物は、酸化防止剤、緩衝剤(例えば、HEPES緩衝剤)、静菌剤、その製剤を所期のレシピエントの血液と等張にさせる溶質、または懸濁化もしくは増粘剤を含有し得る1つ以上の薬学的に許容され得る滅菌等張水性または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に滅菌注射用溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末との組み合わせで、1つ以上の本開示の組成物を含むこともある。本開示の医薬組成物において用いてもよい、適する水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適する混合物、植物油、例えばオリーブ油、ならびに注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合は必要粒径の維持により、および界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。
【0299】
これらの組成物は、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤も含有することがある。微生物の作用の予防を、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実なものにしてもよい。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを組成物に含めることが望ましいこともある。加えて、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによって、注射用医薬剤形の持続性吸収をもたらしてもよい。
【0300】
本開示のある一定の実施形態において、本開示の組成物を、日常的手順に従って、ヒトへの静脈内投与に適合した医薬組成物として製剤化する。必要な場合には、前記組成物は、可溶化剤、および注射部位の痛みを和らげるためのリドカインなどの局所麻酔薬も含むことがある。前記組成物を注入によって投与すべき場合、医薬品グレードの滅菌水または食塩水が入っている輸液ボトルでそれを投薬することができる。前記組成物を注射によって投与する場合、成分を投与前に混合してもよいように注射用滅菌水または食塩水のアンプルを提供することができる。
【0301】
本開示の方法で用いる本開示の組成物の量を、標準的な臨床技術によって決定することができ、この量は、特定の適応症または使用に応じて変動し得る。有効用量を、in vitroまたは動物モデル試験系から誘導された用量応答曲線から外挿することができる。
【0302】
ある一定の実施形態において、医薬調製物を含めて、本開示の組成物は、非発熱性である。言い換えると、ある一定の実施形態において、前記組成物は、実質的に発熱物質不含である。1つの実施形態において、本開示の製剤は、エンドトキシンおよび/または関連発熱物質が実質的にない発熱物質不含製剤である。エンドドキシンは、微生物内に閉じ込められている毒素であり、微生物が破壊されるか、死滅したときにのみ放出される毒素を含む。発熱物質は、細菌および他の微生物の外膜からの発熱誘起性、熱安定性物質(糖タンパク質)も含む。これら両方の物質は、ヒトに投与されると発熱、低血圧およびショックを惹き起こす場合がある。潜在的有害作用のため、少ないエンドトキシン量であっても静脈内投与される医薬薬物溶液から除去しなければならない。米国食品医薬品局(「FDA」)は、静注薬物適用について1回1時間で体重1キログラムにつき5エンドトキシン単位(EU)の上限を設定している(The United States Pharmacopeial Convention、Pharmacopeial Forum 26(1):223(2000))。治療用タンパク質を比較的多い投薬量でおよび/または長期間にわたって(例えば、患者の全生涯の間など)投与する場合、たとえ少ない有害かつ危険な内毒素量でも危険であり得る。ある一定の特定の実施形態において、前記組成物中のエンドドキシンおよび発熱物質レベルは、10EU/mg未満(less then)、または5EU/mg未満(less then)、または1EU/mg未満(less then)、または0.1EU/mg未満(less then)、または0.01EU/mg未満(less then)、または0.001EU/mg未満(less then)である。
【0303】
上述は、本明細書に記載する組成物および方法のいずれにも当てはまる。本開示は、本開示の組成物の(単独でのまたは組み合わせでの)特徴と、この節に記載する様々な医薬組成物および投与経路について記載する特徴との任意の組み合わせを具体的に企図している。
VII.処置方法
【0304】
本明細書中に記載の方法のために、本開示は、本開示の任意の組成物(本出願を通して記載のように、単独で適用するか、異種薬剤にコンジュゲート化する)の使用を意図する。加えて、本明細書に記載するいずれの方法についても、本開示は、1つの方法の任意のステップ(単数もしくは複数)と別の方法からの任意のステップ(単数もしくは複数)の組み合わせを企図している。一定の実施形態では、異種薬剤にコンジュゲート化した抗体または抗原結合断片を、処置方法でおよび/または異種薬剤をin vitroまたはin vivo(例えば、ヒト被験体への送達など)で細胞内に送達する方法で使用することができる。これらの方法は、有効量の特定の疾患または容態に適切な本開示の化合物を必要とする個体に投与する工程を含む。特定の実施形態では、これらの方法は、本明細書中に開示の任意の抗体または抗原結合断片を必要とする被験体の細胞に送達する工程を含む。
【0305】
用語「処置(treatment)」および「処置(treating)」などを、本明細書中で、一般に所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するために使用する。効果は、疾患、容態、またはその症状の発生または再発の完全なまたは部分的な遅延の観点からは予防的であり得、そして/または疾患または容態ならびに/または疾患もしくは容態に寄与する有害作用の部分的または完全な治癒の観点からは治療的であり得る。「処置(treatment)」は、本明細書中で使用する場合、哺乳動物(特に、ヒト)の疾患または容態の任意の処置を対象とし、以下を含む:(a)疾患または容態にかかりやすいかもしれないが依然として罹患していると診断されていない被験体において疾患または容態の発症を防止すること;(b)疾患または容態の抑制(例えば、その発症の停止);または(c)疾患または容態の緩和(例えば、疾患または容態の後退、1つまたは複数の症状の改善)。
【0306】
一定の実施形態では、本開示は、ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害を処置する方法を提供する。他の実施形態では、本開示は、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲートを必要とする被験体に送達する方法であって、必要とする被験体がヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害を有する、方法を提供する。一定の実施形態では、コンジュゲートを、被験体の細胞内に送達する。一定の実施形態では、異種薬剤は、ヌクレオチド反復障害またはエクソンスプライシング障害の処置、診断、または評価に適切な薬剤である。
【0307】
一定の実施形態では、本開示は、異常なマイクロサテライト拡大に関連する障害(筋緊張性ジストロフィなど)を処置する方法を提供する。他の実施形態では、本開示は、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲートを必要とする被験体に送達する方法であって、必要とする被験体が異常なマイクロサテライト拡大に関連する障害(筋緊張性ジストロフィなど)を有する、方法を提供する。一定の実施形態では、コンジュゲートを被験体の細胞内に送達する。
【0308】
筋緊張性ジストロフィ1型(DM1)は、筋強直性ジストロフィ−プロテインキナーゼ(DMPK)遺伝子の3’−非翻訳領域(3’UTR)中のトリヌクレオチド(CTG)
n拡大(n=50〜>3000)に原因する。筋緊張性ジストロフィ2型(DM2)は、亜鉛フィンガータンパク質9(ZNF9)遺伝子の第1のイントロン中のテトラヌクレオチド(CCTG)
n拡大(n=75〜約11,000)に原因する(Ranumら,2002,Curr.Opin.in Genet.and Dev.12:266−271)。DM1およびDM2の病理発生は、マイクロサテライト拡大を有するRNA上のMBNL1隔離による骨格筋細胞中のMBNL1の機能喪失に一部起因すると考えられている(Millerら,2000,EMBO J 19:4439−4448)。骨格筋細胞をターゲティングする内在化部分(例えば、本明細書中に開示のヒト化抗体およびその抗体断片)は、本明細書中に開示のMBNL1タンパク質またはアンチセンスオリゴヌクレオチドをDM1患者およびDM2患者の骨格筋細胞に送達するのに有用であろう。DM1およびDM2の「処置」には、DM1、DM2、またはその組み合わせに関連する任意の以下の効果の改良が含まれる:筋力低下、筋消耗、握力、白内障、握力弛緩困難(difficulty relaxing grasp)、不整脈(irregularities in heartbeat)、便秘、および他の消化器系の問題、網膜変性、低IQ、認知障害、前頭部脱毛、皮膚障害、精巣萎縮症、インスリン抵抗性、ならびに睡眠時無呼吸。これらの容態のいずれかの改善を、当該分野で公知の標準的な方法および技術にしたがって容易に評価することができる。例えば、筋緊張性ジストロフィの処置について、この処置を必要とする被験体に、配列番号13のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその機能的断片にコンジュゲート化した本開示の抗体または抗原結合断片を投与することができる。一定の実施形態では、これらの方法は、動物、より具体的にはヒトの治療的処置および予防的処置を目的とする。筋緊張性ジストロフィの処置方法に関して、本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態の組み合わせを意図する。筋緊張性ジストロフィの処置における本明細書中に記載の任意の異種薬剤にコンジュゲート化した任意のヒト化内在化部分/断片の有効性の試験に適切な動物モデルは当業者に周知であり、MBNL1
−/−マウス、MBNL2
−/−マウス、DMPK−CTGマウス、およびhas1r41が含まれる。例えば、公開PCT出願WO2010/044894号を参照のこと。
【0309】
一定の実施形態では、本開示は、神経線維腫症(neurofibramotosis)1型(NF1)遺伝子RNA転写物の異常なスプライシングに関連する障害を処置する方法を提供する。これは、エクソンスプライシング障害または異常なエクソンスプライシングによって特徴づけられる障害の例である。MBNLタンパク質がNF1遺伝子RNA転写物の適切なスプライシングに関与することが最近証明された。Fleming,2012,BMC,Mol.Biol.,13:35を参照のこと。そのようなものとして、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドまたはその断片(例えば、配列番号59)にコンジュゲート化した本明細書中に記載の本開示の任意の抗体または抗原結合断片は、異常なエクソンスプライシングに関連する障害を有する被験体の処置に治療的に有用であり得る。いくつかの実施形態では、障害は神経線維腫症(neurofibramotosis)である。
【0310】
一定の実施形態では、本開示は、異常なマイクロサテライト拡大に関連する障害(ハンチントン病など)を処置する方法を提供する。ハンチントン病は、筋肉の協調に影響を及ぼし、認知低下および精神医学上の問題を引き起こす遺伝性神経変性障害である。この疾患は、典型的には、中年期に顕著となり、舞踏病と呼ばれる異常な不随意性の身悶えするような動きに関連する。ハンチンチン遺伝子は、「ハンチンチン」タンパク質をコードする。ハンチンチン遺伝子内のCAGトリプレットリピートストレッチの拡大によって異なる(変異)形態のタンパク質が生じ、脳内の細胞を徐々にに損傷する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書中に記載の任意のMBNLポリペプチドまたはその機能的断片にコンジュゲート化した任意の本明細書中に記載のヒト化内在化部分またはその断片を必要とする被験体に投与することによるハンチントン病を処置する方法を提供する。ハンチントン病の「処置」には、認知および/または精神医学上の欠損症および/または舞踏病の症状の改善、またはハンチントン病のさらなる進行の遅延もしくは停止が含まれる。これらの方法は、動物、より詳細にはヒトの治療的処置および予防的処置を特に目的とする。ハンチントン病の処置方法に関して、本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態の組み合わせを意図する。ハンチントン病の処置における本明細書中に記載の任意の異種薬剤(例えば、MBNLポリペプチドまたはその機能的断片)にコンジュゲート化した任意のヒト化内在化部分/断片の有効性の試験に適切な動物モデルは当業者に周知であり、例えば、Pouladiら,2013,Nature Review Neuroscience,14:708−721で考察した任意の動物モデルが含まれる。
【0311】
任意の前述の一定の実施形態では、本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)MBNLポリペプチドを含むコンジュゲートの投与による、in vitroまたは被験体において細胞中のMBNL活性を増加させる方法を提供する。
【0312】
一定の実施形態では、本開示は、酵素補充療法(例えば、酵素欠乏症の処置または研究)としての使用に適切な酵素を提供する方法を提供する。同様に、本開示は、タンパク質補充療法(例えば、タンパク質欠乏症の処置または研究)としての使用に適切なタンパク質を提供する方法を提供する。任意の適切な酵素または他のタンパク質を異種薬剤として使用することができ、開示の抗体および抗原結合断片は、かかるタンパク質および酵素の細胞内への送達に有用である。
【0313】
いくつかの実施形態では、酵素は、MTM1、GAA、またはAGLである。他の適切な酵素および他のタンパク質を同様に意図する。他の実施形態では、本開示は、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲートを必要とする被験体に送達する方法であって、必要とする被験体は、酵素欠乏症を有し、そして/または酵素補充療法を必要とする、方法を提供する。一定の実施形態では、コンジュゲートを被験体の細胞内に送達する。一定の実施形態では、異種薬剤は、酵素欠乏症の処置、診断、または評価に適切な薬剤である。一定の実施形態では、本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)酵素(酵素補充療法としての使用に適切な酵素など)を含むコンジュゲートの投与によるin vitroでまたは被験体において細胞中の酵素活性を増加させる方法を提供する。
【0314】
いくつかの実施形態では、本開示は、筋細管筋障害に関連する容態を処置する方法を提供する。筋細管筋障害(MTM)は、ミオチューブラリン1(MTM1)タンパク質であるホスホイノシチドホスファターゼの欠乏に原因する(Bello ABら,Human Molecular Genetics,2008,Vol.17,No.14)。MTM1は遍在性に発現されるが、骨格筋内のMTM1の不在はMTMの病態生理を唯一説明し(Taylor GSら,Proc Natl Acad Sci U S A.2000 Aug 1;97(16):8910−5;Bello ABら,Proc Natl Acad Sci U S A.2002 Nov 12;99(23):15060−5)、MTM1のホスホイノシチドホスファターゼ活性が正常な骨格筋機能に特に不可欠な固有の細胞内機能を保有することを示唆する。骨格筋細胞をターゲティングする内在化部分(例えば、本明細書中に開示のヒト化抗体およびその抗体断片は、MTM1タンパク質の筋細管筋障害患者中の骨格筋細胞への送達に有用であろう。MTMの「処置」には、MTMに関連する任意の以下の効果またはその組み合わせの改善が含まれる:短命、呼吸機能不全(部分的または完全)、筋緊張の低下、眼瞼下垂、近位筋力の低下、遠位筋力の低下、眼の筋力低下を伴うか伴わない顔面脱力、脊椎の異常な弯曲、関節変形、および眼球運動を制御する筋肉の脱力(眼筋麻痺)。これらの容態のいずれかの改善を、当該分野で公知の標準的な方法および技術にしたがって容易に評価することができる。これらの方法は、治療有効量の筋細管筋障害(myotublar myopathy)の処置に適切な本開示の組成物を必要とする個体に投与する工程を含む。これらの方法は、特に、動物、より具体的にはヒトの治療的処置および予防的処置を目的とする。筋細管筋障害を処置する方法に関して、本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態の組み合わせを意図する。筋細管筋障害の処置における有効性の試験に適切な動物モデルは当業者に周知であり、筋細管筋障害のMTM
−/−マウス、Mtm1p.R69Cマウス、およびゼブラフィッシュの各モデルが含まれる。例えば、WO2010/148010号;Piersenら,2012,Hum Mol Genet,21:811−825;Dowlingら,2009,PLoS Genetics,5(2):e1000372を参照のこと。
【0315】
一定の実施形態では、本開示は、糖原貯蔵障害を処置する方法を提供する。他の実施形態では、本開示は、異種薬剤に会合した本開示の抗体または抗原結合断片を含むコンジュゲートを必要とする被験体に送達する方法であって、必要とする被験体は、糖原貯蔵障害を有する、方法を提供する。一定の実施形態では、コンジュゲートを被験体の細胞内に送達する。一定の実施形態では、異種薬剤は、糖原貯蔵障害の処置、診断、または評価に適切な薬剤である。
【0316】
一定の実施形態では、本開示は、ポンペ病を処置する方法を提供する。ポンペ病は、リソソーム酵素酸性α−グルコシダーゼ(GAA)の欠乏を特徴とする常染色体劣性代謝障害である。この障害に罹患している患者は、グリコーゲンのリソソーム貯蔵をグルコースに変換することができず、その結果、最初はリソソームにグリコーゲンが蓄積することになり、そして後に細胞の細胞質および自己貪食小胞にグリコーゲンが蓄積することになる。最終的には、毒性レベルのグリコーゲンの集積が細胞を損傷させ、適正な機能を損なわせる。リソソーム酵素酸性α−グルコシダーゼ(GAA)は、グリコーゲン加水分解を媒介する酵素の1つである。これらの方法は、治療有効量のポンペ病の処置に適切な本開示の組成物を必要とする個体に投与する工程を含む。一定の態様では、(i)成熟形態のGAAの送達、(ii)GAAポリペプチド(成熟形態より長いが110kDaの前駆体形態より短い)の送達、および/または(iii)細胞内、さらには適切な細胞内区画内へのポリペプチドの送達を容易にするための内在化部分に接続したコンジュゲートとしての任意のサイズの活性を有するGAAポリペプチドの送達のいずれかに有利であり得る。理論により拘束されないが、たとえ本開示のポリペプチドが前駆体GAAポリペプチドと実質的に同じ活性を有しても、細胞質への送達を促進する内在化部分によって場合により助長される適正な細胞位置への送達は、細胞に送達される有効なGAA活性を増加させることになる。
【0317】
ポンペ病の「処置」には、GAA(またはその組み合わせ)の機能障害に関連する以下の影響のうちのいずれかの改善が含まれる:GAA活性の減少(例えば、処置によりGAA活性が増加する)、細胞中のグリコーゲン蓄積(例えば、処置によりグリコーゲン蓄積が減少する)、クレアチンキナーゼレベルの増加、尿中グルコーステトラサッカリドの上昇、心臓サイズの減少、肥大型心筋症、呼吸器合併症、人工呼吸器の依存、筋肉の機能不全および/または衰弱、運動機能の喪失、車椅子または他の運動補助具形態の依存、直立のための頸部または腹部の支持装具の依存、筋線維の超微細構造の損傷、筋肉の緊張および機能の喪失。これらの症状のうちのいずれかの改善を、当該分野で公知の標準的な方法および技術にしたがって容易に評価することができる。ポンペ病処置の有効性を決定するために、上記で列挙していない他の症状もモニタリングすることができる。これらの方法は、動物、より具体的にはヒトの治療的処置および予防的処置を特に目的とする。ポンペ病を処置する方法に関して、本開示は、任意の前述の態様および実施形態の全ての組み合わせならびに詳細な説明および実施例に記載の任意の実施形態の組み合わせを意図する。ポンペ病の処置における有効性の試験に適切な動物モデルは当業者に周知であり、ブラーマンおよびショートホーン、ラップランド犬、ネコ、ヒツジ、ならびにウズラの一系統などの動物が含まれる(Kikuchiら,Clinical and Metabolic Correction of Pompe Disease by Enzyme Therapy in Acid Maltase−deficient Quail,J.Clin.Invest.,101(4):827−833,1998)。さらに,GAA遺伝子の標的破壊によるマウスモデルが開発されている(Geelら,Pompe disease:Current state of treatment modalities and animal models,Molecular Genetics and Metabolism,92:299−307,2007にまとめられている)。
【0318】
一定の実施形態では、本開示は、フォーブス・コリ病を処置する方法を提供する。糖原貯蔵障害III型またはグリコーゲン脱分枝酵素欠損症としても公知のフォーブス・コリ病は、推定頻度が出生数100,000人に対して1人の常染色体劣性神経筋疾患/肝疾患である。フォーブス・コリ病の臨床像はある程度確立されているが、非常に変動する。一般に肝腫大および硬変を伴う肝臓疾患と考えられているが、フォーブス・コリ病は、種々の他の系の異常によっても特徴づけられる。筋力低下、筋消耗、低血糖、異常脂質血症、および精神遅滞(稀に)も本疾患で認められ得る。一部の患者で顔面異常が認められる。一部の患者は、骨粗鬆症リスクの増加も認められ得る。フォーブス・コリ病は、AGL遺伝子の変異に原因する。AGL遺伝子はアミロ−1,6−グルコシダーゼ(AGL)タンパク質をコードし、このタンパク質は、グリコーゲンおよび類似の分子中の末端α−1,6−グルコシド結合の切断の触媒を担う細胞質酵素である。AGLタンパク質は、以下の2つの個別の酵素活性を有する:4−α−グルコトランスフェラーゼ活性およびアミロ−1,6−グルコシダーゼ活性。両触媒活性は、正常なグリコーゲン脱分枝活性に必要である。本明細書中に提供した方法および組成物を、機能的AGLを置換し、そして/またはそうでなければ肝細胞および筋細胞などの細胞の細胞質中の有害なグリコーゲン構築を減少させるために使用することができる。これらの方法は、治療有効量のフォーブス・コリ病の処置に適切な本開示の組成物(例えば、GAAまたはAGLポリペプチドにコンジュゲート化した本明細書中に記載の任意のヒト化内在化部分またはその断片を含む組成物)を必要とする個体に投与する工程を含む。フォーブス・コリ病の「処置」には、フォーブス・コリ病に関連する以下の影響またはその組み合わせのいずれかの改善が含まれる:骨格筋障害、心筋症、肝硬変、肝腫大、低血糖、低身長、異常脂質血症、発育不全、精神遅滞、顔面異常、骨粗鬆症、筋力低下、疲労、および筋萎縮。処置には、異常なレベルの細胞質グリコーゲンの低下、高レベルのアラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アルカリホスファターゼ、またはクレアチンホスホキナーゼのうちの1つまたは複数の低下(血清中のかかるレベルの低下など)のうちの1つまたは複数も含まれ得る。これらの容態のいずれかの改善を、当該分野で公知の標準的な方法および技術にしたがって容易に評価することができる。フォーブス・コリ病処置の有効性を決定するために、上記で列挙していない他の症状もモニタリングすることができる。筋細管筋障害の処置における有効性の試験に適切な動物モデルは当業者に周知であり、ヒトにおけるフォーブス・コリ病に類似の疾患を示すAGL遺伝子がフレームシフト変異したカーリーコーテッドレトリヴァー(Yiら,2012,Disease Models and Mechanisms,5:804−811)およびマウスがAGL遺伝子内に単一のENU誘導性塩基対変異を保有するForbes−Coriのマウスモデルが含まれる。Ansteeら,2011,J.Hepatology,54(Supp 1−Abstract 887):S353。
【0319】
任意の前述の一定の実施形態では、本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)成熟GAAを含むGAAポリペプチドを含むコンジュゲートの投与による、in vitroまたは被験体において細胞中のGAA活性を増加させる方法を提供する。任意の前述の一定の実施形態では、本開示は、(i)本開示の抗体または抗原結合断片および(ii)AGLポリペプチドを含むコンジュゲートの投与による、in vitroまたは被験体において細胞中のAGL活性を増加させる方法を提供する。
【0320】
任意の前述の一定の実施形態では、本開示は、本明細書中に記載の任意の内在化部分を使用して腫瘍細胞または癌細胞を処置する方法を提供する。理論に拘束されないが、本明細書中に記載の内在化部分は、一定の実施形態では、以下のうちの1つまたは複数のいずれかが可能である:a)内在化部分(例えば、本明細書中に記載の任意の異種薬剤)にコンジュゲート化した薬剤の腫瘍細胞または癌性細胞へのターゲティング(例えば、送達)、b)ターゲティングされた腫瘍細胞または癌細胞の成長、増殖、サイズ、生存、または移動の死滅および/または減少、c)腫瘍細胞または癌細胞に対する内在化部分にコンジュゲート化した任意の薬剤(例えば、化学療法薬)の効果を増加させること、および/またはd)腫瘍細胞または癌細胞に対する任意の個別に施した薬剤または治療(例えば、化学療法薬または放射線療法)の効果を増加せること。一定の実施形態では、内在化部分を、異種薬剤の非存在下で(例えば、異種薬剤に相互接続していない)または異種薬剤の非存在下で細胞に投与/送達する。例えば、一定の実施形態では、内在化部分を、異種薬剤の非存在下で腫瘍内へ送達するために細胞に投与する。
VIII.他の用途
【0321】
本開示の組成物には種々の用途がある。例えば、単独または異種薬剤にコンジュゲート化したヒト化抗体および抗原結合断片は、in vitroおよび/またはin vivoでの細胞および組織中の優先的な細胞および組織の分布の研究に有用である。同様に、単独または異種薬剤にコンジュゲート化したヒト化抗体および抗原結合断片は、ex vivoまたはin vivoでの診断での適用などのための造影剤として有用である。例えば、放射性部分にコンジュゲート化したヒト化抗体または抗原結合断片は、ex vivoまたはin vivo画像化研究に有用である。かかる研究は、癌ならびに骨格筋および心筋の欠損または傷害(かかる組織への抗体部分の局在化に起因する)の画像化に特に有用である。WO2012/145125号を参照のこと。同様に、任意の開示の抗体または抗原結合断片が同様に有用である。
【0322】
さらに、本開示の抗体および抗原結合断片(ヒト化抗体および抗原結合断片など)は、in vitroまたはin vivoのいずれかでの細胞および組織内への異種薬剤の送達に有用である。例として、本開示は、異種薬剤を含むコンジュゲートまたは他のコンジュゲートを細胞内へ送達する方法を提供する。in vitroで使用する場合、本開示のコンジュゲートは、送達される異種薬剤の結合パートナーの同定(例えば、異種薬剤に結合するタンパク質またはペプチドの同定)、ならびに局在化および輸送の評価に適切である。同様に、in vivoで使用する場合、本開示のコンジュゲートは、送達される異種薬剤の結合パートナーの同定(例えば、異種薬剤に結合するタンパク質またはペプチドの同定)、局在化および輸送の評価、生体内分布および半減期の評価、ならびに免疫原性の評価に適切である。
【0323】
さらに、本開示の抗体および抗原結合断片(本開示のヒト化抗体または抗原結合断片など)は、in vitroまたはin vivo(ヒト被験体中など)での診断薬として有用である。例えば、本開示の抗体または抗原結合断片を、画像化に適切な検出可能な標識などを使用して標識することができる。標識された抗体または抗原結合断片を、細胞に投与することができるか、ex vivoで投与することができるか、被験体に投与することができ、細胞および組織内の抗体の局在化を評価し、そして/またはクリアランスを評価するために使用することができる。3E10抗体がENT2発現癌に局在することを考慮すると、一定の実施形態では、標識した抗体は、ENT2発現癌の画像化および/または診断のための診断試薬として有用である。
【0324】
一定の実施形態では、ヒト化抗体および抗原結合断片は、マウス抗体と比較して免疫原性が低いので、ヒト被験体での使用に好ましい。最後に、単独または異種薬剤にコンジュゲート化したヒト化抗体および抗原結合断片は、マウス親抗体と比較したこのヒト化抗体の相対的な性質の解明に有用であり、他のヒト化抗体も同様である。かかる比較は、有効性の見込みおよび製造能力を改良する特徴の両方の観点からの送達剤の最適化に有用である。同様に、任意の開示の抗体または抗原結合断片が同様に有用である。
【実施例】
【0325】
実施例
本開示をここに一般的に説明し、以下の実施例を参照してより容易に理解されるであろう。実施例は、本開示の一定の態様および実施形態の例示のみを目的として含まれ、本開示を制限することを意図しない。
実施例1:第一世代ヒト化3E10抗体の調製
【0326】
第一世代ヒト化3E10抗体を、ヒト化抗体フレームワークの選択およびデザインプロトコールを使用して生成した。親のマウス抗体は、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変(V
L)ドメインおよび配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変(V
H)ドメインを含むマウス3E10抗体であった。本発明者らは、この重鎖可変ドメインはATCCに寄託された元の3E10抗体の重鎖可変ドメインではなく、むしろ、単一のアミノ酸置換(例えば、V
H中のDからNへの置換)を含むことに留意している。しかし、このバリアントV
Hを事前に生成し、細胞透過およびDNA結合活性を保持することを示していた。前述のV
LおよびV
Hを含むマウス抗体を、親のマウス3E10抗体として使用した。
【0327】
マウス抗体V
Lアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(配列番号53)をBLASTデータベース検索に供し、上位5つの最も密接なヒト免疫グロブリン軽鎖ホモログを同定し、軽鎖CDRグラフティングの候補と見なした。同様に、マウス抗体V
Hアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(配列番号54)をBLASTデータベース検索に供し、上位5つの最も密接なヒト免疫グロブリン重鎖ホモログを同定し、重鎖CDRグラフティングの候補と見なした。この分析では、Kabatに従って決定したCDRを同定し、連関CDRと見なした。Kabat CDRを配列番号32〜37に記載する。
【0328】
次いで、Vector NTi配列アラインメントツールを利用して、前述のマウス3E10の軽鎖および重鎖由来のKabat CDRならびに5つのヒト免疫グロブリン軽鎖および重鎖ホモログのうちのいずれか1つのフレームワーク領域(FR)からなるキメラアミノ酸配列を分析した。次いで、Vector NTi分析に基づいて、ヒト化軽鎖アミノ酸配列の上位3つの候補のアミノ酸配列およびヒト化重鎖アミノ酸配列の上位3つの候補のアミノ酸配列を、種々の組み合わせで組み合わせてヒト化scFvアミノ酸配列群を生成した。このヒト化scFv群の分析に基づいて、配列番号41のアミノ酸配列を含むV
Lドメインおよび配列番号42のアミノ酸配列を含むV
Hドメインを含むヒト化scFvを、第一世代のリードヒト化抗体断片として選択した。したがって、このアプローチに基づいて、リード候補ヒト化抗体(または断片)は、配列番号42のアミノ酸配列を含むV
Hドメインおよび配列番号41のアミノ酸配列を含むV
Lドメインを含む。上述のように、第一世代ヒト化抗体を、Kabatスキームによって定義したCDRを使用して生成した(Kabatら Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))。本実施例では、親抗体のKabat CDRをこのヒト化抗体中に維持する(例えば、この第一世代ヒト化抗体のVHおよびVLは配列番号32〜37に記載の6つのCDRを含む)。
【0329】
第一世代リードヒト化抗体を、哺乳動物細胞中に断片(scFv)として最初に産生した。具体的には、1×200mlのCHO−K1細胞を、Hisタグ化ヒト化scFv抗体断片をコードするポリヌクレオチド配列を含むDNAベクターで一過性にトランスフェクトした。配列番号43は、そのベクターによって産生されたscFvの配列を提供する(シグナル配列を示さない)。トランスフェクトした細胞培養物を、10%CO
2にて振盪しながら37℃でインキュベートした。トランスフェクションから6日後、回収時に認められた細胞生存率は97%であり、培養上清を回収し、遠心分離(2000rpm、10分間)によって明澄化した。明澄化した上清を、5mlのHisTrapFFニッケル−アフィニティカラム(GE Healthcare)および500mMイミダゾールを含む50mM Tris(pH7.6)に向かう直線溶離勾配を使用して精製した。溶離中に1つの大きなピークが認められ、3つのピークの3ml画分を採取し、SDS−PAGE、抗His
6ウェスタンブロット、およびSE−HPLCによって分析した。
【0330】
3つの溶離ピーク画分は全て抗His−タグ検出の正の結果を示し、Hisタグ化scFv産物の存在が確認された。非還元条件下にて抗His
6ウェスタンブロットを実施した画分サンプルは、単量体、二量体、およびより大きなオリゴマーのバンドの存在を示し、scFv産物が二量体化または三量体化することが示唆された。
実施例2:第二世代抗体の生成
【0331】
実施例1に記載の抗原結合断片の精製が困難であり、且つ優れたヒト化抗体を開発するために、本発明者らはオルタナティブヒト化抗体の開発を試みた。第二世代のヒト化軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインをデザインする場合、実施例1に記載のマウス3E10可変ドメインを親VHおよびVLとして再度使用した。このアプローチのために、潜在的なFRの変化がIMGTスキームと比較して評価されるようにIMGTスキーム(LeFrancら,2003,Development and Comparative Immunology,27:55−77)に従ったCDRを一定に保持した一方で、Kabatスキームに従ってCDR中にいくつかの置換を導入した。このアプローチを使用して、産生された第二世代のヒト化軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインは、第一世代のヒト化抗体およびマウスの親抗体と比較していくつかの配列が異なる。IMGTスキームを使用して決定したCDRを配列番号1〜6に記載し、Kabatスキームを使用して決定したCDRを以下に示す:配列番号32のアミノ酸配列を有するVH CDR1;配列番号49のアミノ酸配列を有するVH CDR2;配列番号34のアミノ酸配列を有するVH CDR3;配列番号35または50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;および配列番号37のアミノ酸配列を有するVL CDR3。
【0332】
オルタナティブな第二世代の軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインを、配列番号41の第一世代リードVLアミノ酸配列および配列番号42の第一世代リードVHアミノ酸配列と比較していくつかのアミノ酸配列が変化するようにデザインした。さらに、第一世代ヒト化抗体(それぞれ配列番号41および42を含む)で改変された配列番号7のマウス3E10のVLのアミノ酸配列および配列番号9のマウス3E10のVHのアミノ酸配列のいくつかの特異的アミノ酸残基が、第二世代のヒト化軽鎖配列および重鎖配列のそれぞれに特異的に保持されていた。例えば、配列番号9のアミノ酸47位のトリプトファンを、第二世代ヒト化重鎖のいずれにおいても変化させなかった。これは、この位置が適切な重鎖の折りたたみに関与する可能性があることが後に認識されたからである。また、配列番号7の53位のリジンを第二世代ヒト化軽鎖のいずれにおいても変化させなかった。これは、この位置が適切なDNA標的結合に関与すると考えられたからである。さらに、実施例1に記載の配列番号41の第一世代リード軽鎖可変ドメインがそれぞれアミノ酸80位および81位にアスパラギンおよびプロリンを有していた一方で、これら2つのアミノ酸により、大量産生中に非酵素自己切断が起こり得る。そのようなものとして、第二世代ヒト化軽鎖配列は、配列番号41のアミノ酸80位および81位にそれぞれ対応する(配列番号7の80位および81位にも対応する)アミノ酸位にアスパラギンおよびプロリンの組み合わせを含まなかった。また、実施例1で生成した全てのヒト化軽鎖配列がV−light7−3軽鎖配列に由来していた一方で、第二世代ヒト化軽鎖配列は、軽鎖のV−light1ファミリーに由来していた。本発明者らは、ここで、本発明者らが、配列番号7もしくは9(マウス)または配列番号41もしくは42(第一世代ヒト化)に記載の直鎖配列と比較したアミノ酸の位置によってVHまたはVLに導入した変化を記載したことに留意している(例えば、直鎖アミノ酸配列を参照して変化を記載し、他の分子中の変化が直鎖配列中の引用した位置に対応する位置にあると理解される)。配列番号7、9、41、または42と長さが異なる分子などの他の分子と比較するために、配列番号7、9、41、42中の引用した位置に対応する位置の変化を理解することができる。対応する位置を、容易に利用可能な配列アラインメントツールおよびデフォルトパラメータなどを使用した配列アラインメントによって容易に決定することができる。さらに、配列番号7、9、41、または42の直鎖アミノ酸配列と比較して記載したアミノ酸の位置を、KabatのナンバリングスキームまたはIMGTのナンバリングスキームを使用して記載することもできる。いずれかのシステムは、異なる可変ドメインを比較する場合にCDR領域またはFR領域中の対応するアミノ酸を同定するためのスキームを提供する。当業者は、Kabatナンバリングスキーム(例えば、http://www.biocomputing.it/digit/index.phpを参照のこと)またはIMGTナンバリングスキーム(http://www.imgt.org/IMGT_vquest/vquest?livret=0&Option=mouseIgを参照のこと)を参照して本明細書中に開示の可変ドメイン中のアミノ酸残基を容易に同定することができ、このナンバリングスキームを使用して開示のVHドメインおよびVLドメインを他の抗体と比較することができる。
【0333】
2つの配列番号7のマウス配列由来の第二世代のヒト化軽鎖可変ドメイン(例えば、配列番号7は親V
Lであった)および3つの配列番号9のマウス配列由来の第二世代のヒト化重鎖可変ドメイン(例えば、配列番号9は親V
Hであった)をデザインした。本発明者らは、3つの第二世代のヒト化V
HドメインをHH1、HH2、およびHH3と呼ぶ。本発明者らは、2つの第二世代のヒト化V
LドメインをHL1およびHL2と呼ぶ。
【0334】
マウスの配列番号7または配列番号9の親配列と比較したそれぞれのデザインした第二世代のヒト化配列の配列アラインメントを、
図1に示す。作製および試験したマウス親VHおよびVLならびにそれぞれの異なる第二世代の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの説明を、表1に提供する。マウスの親VHは配列番号1〜3に記載のIMGT CDRを含み、各ヒト化VHはこれらのIMGT CDRも含む。さらに、マウスの親VLは配列番号4〜6に記載のIMGT CDRを含み、各ヒト化VLはこれらのIMGT CDRも含む。しかし、Kabat CDRは、ヒト化VHおよびVLとマウスVHおよびVLの間で異なる。
【表1】
【0335】
マウス3E10の重鎖可変ドメイン(MH1−配列番号9)ならびにHH1、HH2、およびHH3の各重鎖可変ドメインを、以下から選択される軽鎖可変ドメインとの種々の対の組み合わせで示した:(i)マウス3E10(ML1−配列番号7)、(ii)HL1、および(iii)HL2。簡潔にするために、各対の組み合わせを、これらの実施形態において各抗体中に存在する重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインに関して言及するであろう(例えば、HH1/HL1は、HH1重鎖可変ドメインおよびHL1軽鎖可変ドメインを含む抗体である)。これらの実験のために、全長抗体を作製し、ヒトIgG1Fc上に組換え発現されたVHおよびVLの各対の組み合わせを使用して試験したことに留意のこと。抗体断片(重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの組み合わせを含むFabまたはscFvなど)を同様に意図し、本明細書中に記載のように作製および評価することができる。さらに、抗体を、他の免疫グロブリン骨格(非ヒト骨格が含まれる)上に容易に作製することができるが、好ましくは、他のヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖の定常骨格(IgG2a、IgG3、またはIgG4の各骨格など)上に作製することができる。
【0336】
各対の重鎖/軽鎖組み合わせ(全部で12種−表2を参照のこと)をコードするDNAを、GS Xceed遺伝子発現系(Lonza)を使用して単一のベクターに挿入し、得られたベクターを安定にトランスフェクトし、CHOK1SV GS−KO細胞中で発現させた。
【表2-1】
【表2-2】
【0337】
12種の各構築物のための1つのトランスフェクションを、125mLのエルレンマイヤーフラスコ中に確立した。培養物を、その生存細胞密度が0.6×10
6細胞/mLを超えた場合に、100mL培養物に継代した。細胞をさらに継代して、各バリアントについて1Lの曝気エルレンマイヤーフラスコ中に2×400mLの培養物(全部で800mL)を産生した。培養4〜6日後に、上記の全ての抗体について、安定にトランスフェクトした培養物において良好な生存度および抗体発現が認められた。培養6日後に細胞を回収し、明澄化した上清をプールし、5mLのHiTrap MabSelect SuReプロテインAカラムで精製した。溶離された産物を、1M Tris(体積比1:40)で中和し、0.22μmフィルターでろ過した。全産物の最終pH値は、7.2〜7.6の範囲であった。
【0338】
図2Aに示すように、明確な凝集が認められない推定抗体サイズ(150kDa)の単一の主なバンドが、SDS−PAGEを使用して非還元条件下で作製および試験した全ての抗体で認められた。同様に、
図2Bに示すように、明確なタンパク質分解物が認められない推定された抗体重鎖および軽鎖のサイズ(それぞれ、50kDaおよび28kDa)の2つのバンドが、還元条件下で作製および試験した全ての抗体で認められた。
【0339】
Zorbax GF−250(内径9.4mm×25cm)カラム(Agilent)でのSEC−HPLC分析は、全ての第二世代ヒト化抗体が精製後に高純度であることを示す。
図3Aおよび3B中の各抗体について示すように、SE−HPLCは、試験した全ての抗体産物が高純度であることが証明され、SDS−PAGE分析と一致していた。試験した抗体について保持時間約8.7分にメインピークが検出され、ほとんどの抗体産物(>99%)が単量体として存在することが示唆された。しかし、SE−HPLC分析は低レベル(<0.5%)の高分子量の夾雑物の存在を示し、MH1/ML1抗体およびHH3/ML1抗体の精製組成物中の低レベルの可溶性凝集物と一致した。
実施例3:QCM結合アッセイ
【0340】
配列番号7に記載のVLおよび配列番号9に記載のVHを含む特異的3E10を含むマウス3E10は、そのDNA結合能が知られている(例えば、DNAは、3E10によって認識される抗原/エピトープ(例えば、標的)である)。したがって、実施例2で生成した異なる各抗体のDNA結合性を、QCMを使用して評価した。使用したDNA基質は、一方の鎖が配列番号63に記載のヌクレオチド配列からなる短い平滑末端DNAであった。1つまたは複数のヒト化VHおよび/またはVLドメインの任意の組み合わせを有する実施例2に記載の全ての抗体を試験し、これらはDNA結合活性を有していた。ネガティブコントロールとして、マウスの親重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含むが、VL中にR92N変異(DNA結合活性を破壊することが公知の変異)を有する抗体を生成し、使用した。
【0341】
さらに、予め生成したヒトFc骨格上のMH1/ML1抗体サンプル(3E10 HuIgG1)を、これらの実験において、経時的に(すなわち、QCM試験の開始から終了まで)QCMアッセイの感度をモニタリングするためのコントロールとして利用した。3E10 HuIgG1について実験の開始から終了までK
Dの有意な増加が認められ、この増加は、一連の実験にわたるアッセイ対象の分解を示す。これは、特定の実験中の後半に得られたデータが親和性を過小評価する可能性がある(例えば、実際よりも高いK
Dを示すかもしれない)ことを示す。したがって、実験中の後半に評価したヒト化抗体が本発明者らのヒト化抗体を使用して得られたK
Dの改善を過小評価する可能性がある(例えば、ヒト化抗体サンプルが特定のQCM実験中の早期に試験されていたならば、実験の終了前に試験したヒト化抗体サンプルはさらに低いK
D(より改善された親和性)に関連していたであろうということが示唆される)。キメラ抗体(ヒト定常領域上のマウス可変ドメイン)のこのサンプルを、ヒト化抗体と同時に作製および精製しなかったので、本明細書中で第二世代ヒト化抗体との特異的比較のために使用しなかった。むしろ、MH1/ML1に関して比較する。
【0342】
QCM結合アッセイの結果を、表3に示す。
【表3】
【0343】
実施例4:ヒト化抗体濃度の研究
各抗体重鎖/軽鎖の組み合わせを、30K MWCO遠心濾過器、5mL(Millipore)を使用して濃縮した。抗体を約30mg/mLまで濃縮した製剤中の各ヒト化抗体の安定性を評価した。それぞれの濃縮前および濃縮後の抗体サンプルの安定性および性質を、多数のアッセイ(目視検査、A280、A600−混濁度、pH、HP−SEC、およびSDS−PAGE(還元条件下および非還元条件下)が含まれる)によって評価した。
【0344】
目視検査のために、それぞれの出発抗体材料および濃縮抗体材料をタイプ−Iガラスバイアルをライトボックス(非USP)中に入れて、透明性、乳白光、および任意の目視可能な粒子の存在を決定した。
【0345】
抗体濃縮過程後の各抗体の回収率を決定するために、A280nm分析を行った。A280nm分析のために、濃縮材料を40倍希釈し、A280nm分析によって分析した。濃縮サンプルの回収率を、濃縮前に回収した総タンパク質(負荷8mg)と濃縮後に回収したタンパク質(体積×A280濃度)との比較によって決定した。
【0346】
A600nm混濁度分析のために、各抗体組成物中の濃縮前A600nmレベルと濃縮後A600nmレベルとの間の相違の測定によって混濁度を決定した。
【0347】
pH分析のために、濃縮前および濃縮後の抗体サンプルを、マイクロプローブを使用して適切に分析した。
【0348】
HP−SEC分析のために、約60μgの出発抗体サンプルおよび濃縮抗体サンプルをHP−SECに適切にロードし、280nmでモニタリングした。使用カラムは、Sepax Zenix−C300であり、以下の条件を使用した:MP=0.2M KPO
4、0.25M KCl(pH6.0)。HPLCプロフィールを、濃縮前および濃縮後の比較のために標準化した。SDS−PAGE分析のために、濃縮前および濃縮後の抗体サンプルを、非還元条件下および還元条件下で分析した。
【0349】
ヒト化抗体濃縮研究の結果を、
図4に提供する。
実施例5:Biacore結合アッセイ
【0350】
実施例2で調製した異なる各抗体の結合特性をさらに評価するために、Biacore結合アッセイを行った(SPRによる結合親和性)。Xantec CMD500mセンサチップを備え、ランニング緩衝液(PBS、0.01%Tween−20、pH7.4)で平衡化した3つのBiacore2000光学バイオセンサーを使用して25℃で結合研究を行った。各DNA結合サイクルの終了時に、3M NaCl、1%Tween−20の14秒間の注入によって抗体表面を再生させた。固定化のために、抗体を10mM酢酸ナトリウム(pH5.0)でそれぞれ50倍希釈し、標準的なアミンカップリングを使用して約15,000〜27,000RUの密度に固定化した。鎖の一方が配列番号63の配列からなる2本の鎖を含む短い平滑末端DNAを、67nMから出発する3倍連続希釈物において結合について2連で試験した。
【0351】
1つまたは複数のヒト化VHおよび/またはVLドメインの任意の組み合わせを有する実施例2に記載の全ての抗体を試験し、これらの抗体はDNA結合活性を有していた。
実施例6:細胞透過アッセイ
【0352】
マウス3E10抗体は、細胞質膜および核膜の両方を透過することができる。生成したヒト化抗体の細胞透過活性を評価するために細胞透過アッセイを行った。COS7細胞を、96ウェルプレート中に10,000細胞/ウェル/100μlでプレートし、ウェルあたり100μlの各実施例2抗体を含む10%PBSを添加した。ウェルあたりの最終抗体濃度は50μg/mlであった。抗体を細胞と共にインキュベーター中で1時間インキュベートし、その後に吸引し、100μlPBSで2回洗浄した。次いで、細胞を、EtOHで10分間透過処理し、2回のPBS洗浄によって再水和した。次いで、ウェルを、100μlの2%血清を含むPBST(PBS+0.1%Tween−20)でブロッキングした。次いで、サンプルを希釈した二次抗体とインキュベートした。このインキュベーション後、細胞をPBSで2回洗浄し、アルカリホスファターゼ色素原(BCIP/NBT)とインキュベートした。595nmの吸光度を測定し、次いで、各ウェルを顕微鏡で観察し、沈殿強度スコア(precipitate intensity score)を記録した。この実験を2回行った。研究Aでは、評価者は盲検法で評価せず、沈殿物の強度を1(最小強度)から5(最大強度)までのスケールで点数化した。研究Bでは、評価者は盲検法で評価し、沈殿強度を1(最小強度)から10(最大強度)までのスケールで点数化した。強度スコアが高いほど観察された細胞透過レベルが高い。
【0353】
1つまたは複数のヒト化VHおよび/またはVLドメインの任意の組み合わせを有する実施例2に記載の全ての抗体を試験し、これらの抗体は原形質膜および核膜を透過することが可能であった。換言すれば、これらの抗体はCOS細胞を透過した。
実施例7:遺伝毒性および細胞傷害性の評価
【0354】
1つのヒト化抗体の遺伝毒性(すなわち、薬剤が核酸を損傷させる能力)および細胞傷害性を、GreenScreen HCアッセイで評価した。本試験の実施において、ヒト化抗体の連続希釈物を、底が光学的に透明な96ウェルの黒色マイクロプレート中で生成した。標準的な遺伝毒性化合物(メチルメタンスルホン酸、MMS)も、プレート内の品質管理チェックとして添加した。2系統の培養ヒトリンパ芽球様TK6細胞を使用した。これらは試験株(GenM−T01)および非蛍光コントロール株(GenM−C01)であり、後者は試験化合物からの任意の自己蛍光の補正のために使用した。遺伝毒性ストレスに対する適応応答を媒介するGADD45a遺伝子の適切な制御を活用する緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター系を試験株に組み込んだ。遺伝毒性化合物への曝露によりGFP発現が増加し、それ故、試験株中の細胞蛍光が誘導される。各抗体希釈物を、等体積のGreenScreen HC細胞を含む特化した成長培地と合わせた。マイクロプレートを通気性膜で被覆し、5%CO
2および湿度95%にて37℃で48時間インキュベートした。プレートを、マイクロプレートリーダーを使用して24時間後および48時間後に分析し、マイクロプレートウェル中の細胞および溶液についての吸光度および蛍光を測定する。吸光度は、細胞増殖に比例し、細胞増殖は有毒分析物によって低下する。蛍光は細胞のDNA修復系の活性に比例し、この活性は遺伝毒性分析物によって増加する。蛍光を、細胞傷害性に原因する細胞収率の変動を補正するために吸光度のシグナルに標準化した。GreenScreen HCアッセイは、非蛍光コントロール株、試験株の蛍光データから差し引いた蛍光データ(細胞あたり)を使用した試験化合物の自己蛍光の自動補正機能を有する。次いで、被験物質の自己蛍光(データ分析テンプレート中で自動的に合図される)がより強い場合、蛍光偏光(FP)データ収集プロトコールを使用する。本質的に、これは、GFP蛍光を試験化合物の自己蛍光と区別するためにGFPの高蛍光異方性を活用する。FPデータを、各マイクロプレートウェルに平行偏光を照射し、励起光に対して平行(Ipara)および垂直(Iperp)の両方の蛍光強度を測定することによって収集した。データ分析のために使用した蛍光強度は、これらの測定値の間の差であり(Ipara−Iperp)、この差はGFPで大きく、一般にサイズが遥かに小さく、蛍光異方性が低い自己蛍光試験分子では不釣り合いに小さい。Cyprotex GreenScreenアッセイによって判断したところ、健康なヒト細胞中のヒト化抗体に関連する遺伝毒性や細胞毒性は認められなかった。
実施例8:ヒト化抗体の安定性、脱アミド化、および酸化の評価
【0355】
任意の実施例2のヒト化抗体のさらなる性質(親のマウス抗体と比較して改善され得る任意の1つまたは複数の性質)は、安定性、脱アミド化、および酸化である。さらにまたはあるいは、任意の1つまたは複数のこれらの性質はまた、独立して、任意のヒト化抗体について、実施例1のヒト化抗体などのこの同一のマウス親から生成した他のヒト化抗体と比較してより良好であり得る。研究、診断、または治療での使用に適切なヒト化抗体がそのマウス親抗体および/または別のヒト化抗体と比較して1つまたは複数の改善された性質を有し得るにもかかわらず、そうでなくてもよいことに留意のこと。例えば、適切なヒト化抗体は、マウス親抗体と比較して、特定のパラメータが単に同等であり得るか最小または有意でない減少のみ示して良い。さらに、いくつかの性質が改善され得る一方で、抗体の使用を有意に害する方法で他の性質が単に同等であるか減少しない。
【0356】
任意の実施例2のヒト化抗体がマウス親3E10抗体および1つまたは複数の他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)のいずれかまたは両方と比較した場合に安定性、脱アミド化特性、および/または酸化特性の改善に関連するのかという疑問に取り組むために、以下のアッセイを行うことができる。これらのアッセイは例であり、他の利用可能なアッセイも利用することができる。本発明者らはまた、全長抗体に加えて、ヒト化された重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインのこれらの種々の組み合わせを含む抗体断片も意図し、本明細書中に教示することに留意している。ヒトIg骨格上にないが、かかる抗体断片をヒト化ということもできる。適切な断片には、例えば、リンカーを介して相互接続されたVHおよびVLを含むscFvまたはFabが含まれる。抗体および抗体断片の性質を、本明細書中に記載の任意の方法または他の利用可能な方法を使用して容易に評価することができる。
【0357】
所与の溶液(例えば、生理食塩水)中の所与の温度(例えば、0℃、4℃、25℃)でのインキュベーション後(例えば、6時間後、24時間後、1週間後)、実施例2のヒト化抗体またはその抗体断片、マウスの親抗体、および、任意選択的に、1つまたは複数のさらなる同一のマウス親抗体から生成したヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)のうちの任意の1つまたは複数の安定性、脱アミド化レベルおよび酸化レベルを評価することができる。
【0358】
ヒト化抗体およびマウス抗体の安定性を試験するために、市販のProteoStat(商標)熱シフト安定性アッセイ(Enzo,Farmingdale,NY)を利用することができる。ヒト化抗体またはマウス3E10抗体が適切に折り畳まれるか、所与の溶液中で経時的に分解するかどうかを評価するための他の市販のアッセイまたは日常的に行われるアッセイは、当業者に周知である。任意の実施例2のヒト化抗体がマウス抗体および/または1つまたは複数のこの同一の親から生成された他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)と比較して分解または非折りたたみの減少を示す場合、これは、実施例2のヒト化抗体が安定性の増加に関連することを示す。一定の実施形態では、ヒト化抗体は、安定性が減少しなかったかもしれないが、わずかに低下したとしても、類似の安定性を有し得る。
【0359】
脱アミド化はアミド官能基が有機分子から除去される化学反応であり、アミノ酸脱アミド化は、タンパク質の安定性および活性に影響を及ぼすことが公知である。脱アミド化することができるアミノ酸の例には、アスパラギンおよびグルタミンが含まれる。実施例2のヒト化抗体およびマウスキメラコントロール抗体のグルタミン脱アミド化レベルの試験手段には、Liuら,2008,Rapid Commun Mass Spectrom.(24):4081−8に記載のアッセイが含まれ得る。実施例2のヒト化抗体およびマウスキメラコントロール抗体のアスパラギン脱アミド化レベルの試験手段には、いくつかの市販の脱アミド化アッセイ(ISOQUANT(登録商標)イソアスパラギン酸検出キット(Promega,Madison WI)またはDionex UltiMate 3000チタンシステム(Dionex,Sunnyvale,CA)など)のうちのいずれか1つが含まれ得る。ヒト化抗体またはマウスキメラコントロール3E10抗体が所与の溶液中で経時的に脱アミド化されるかどうかを評価するための他の市販のアッセイまたは日常的に行われるアッセイは、当業者に周知である。ヒト化抗体の脱アミド化レベルがマウスコントロール抗体および/または1つまたは複数のこの親から生成された他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)より低い場合、これは、ヒト化抗体がマウス抗体と比較して脱アミド化が低下することに関連することを示す。
【0360】
アミノ酸酸化は、タンパク質の構造、活性、および分解速度に影響を及ぼすことが公知である。酸化することができるアミノ酸の例には、メチオニン、システイン、およびトリプトファンが含まれる。実施例2のヒト化抗体およびマウスキメラ抗体のうちのいずれかのトリプトファン酸化レベルの試験手段には、Henselら,2011,PLoS One,6(3):e17708で考察されたアッセイが含まれ得る。実施例2のヒト化抗体およびマウス抗体のメチオニン酸化レベルの試験手段には、いくつかの市販の酸化アッセイ(メチオニンスルホキシド免疫ブロッティングキット(Cayman Chemical,Ann Arbor,MI)などのうちのいずれか1つが含まれ得る。ヒト化抗体またはマウスキメラ3E10抗体が所与の溶液中で経時的に酸化されるかどうかを評価するための他の市販のアッセイまたは日常的に行われるアッセイは、当業者に周知である。ヒト化抗体の酸化レベルがマウスキメラコントロール抗体よりも低い場合、これは、ヒト化抗体がマウスキメラコントロール抗体および/または1つまたは複数の他のヒト化抗体と比較して酸化が低下することに関連することを示す。
【0361】
アミノ酸酸化、脱アミド化、および他の可能な化学的変化も、ペプチドマッピングによってモニタリングすることができる。具体的には、ヒト化抗体およびマウス抗体を、ジチオトレイトールの存在下でエンドプロテアーゼ(エンドプロテイナーゼLys−C(Wako Pure Chemicals)など)で消化し、得られたペプチド断片を、逆相HPLCによって分離する。一般に、Kalgahtgi,K.,& Horvath,C.”Rapid Peptide Mapping by High Performance Liquid Chromatography”,J.Chromatography 443,343−354(1988)を参照のこと。
実施例9:ヒト化抗体のグリコシル化およびリピド化の評価
【0362】
タンパク質の相違により、タンパク質は、その一次アミノ酸配列およびその対応する構造に応じて、しばしば細胞中で異なる翻訳後修飾を受ける。特定の翻訳後修飾の有無により、親のマウス抗体および/または1つまたは複数の同一のマウスの親抗体から生成された他のヒト抗体(実施例1のヒト化抗体など)と比較して1つまたは複数の改善された性質を有する実施例2のヒト化抗体のいずれかを得ることができる。ヒト化抗体のさらなる性質(親のマウス抗体と比較して改善され得る任意の1つまたは複数の性質)は、グリコシル化状態およびリピド化状態である。さらにまたはあるいは、これらの性質のうちの任意の1つまたは複数はまた、独立して、このヒト化抗体について、この同一のマウス親に基づいた他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)と比較してより良好であり得る。任意の実施例2のヒト化抗体がマウスの親3E10抗体および/またはこの同一の親に基づいた1つまたは複数の他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)と比較して異なるグリコシル化パターンまたはリピド化パターンに関連するのかという疑問に取り組むために、いくつかの標準的なアッセイを使用することができる。これらのアッセイは例であり、他の利用可能なアッセイも利用することができる。
【0363】
グリコシル化パターンおよびグリコシル化レベルは、患者における抗体のクリアランスおよび活性に影響を及ぼし得る(Wrightら,1997,Trends in Biotechnology,15(1):26−32)。実際、グリコシル化が低下した抗体は、半減期および生物活性の低下に関連することが示されている(Naoko,2009,MAbs.2009,1(3):230−236)。さらに、グリコシル化はまた、モノクローナル抗体のin vivo安全性および有効性プロフィールに有意に影響を及ぼし得る。グリコシル化レベルまたはグリコシル化パターンの評価のために、ヒト化抗体およびマウス抗体を、実施例2に記載の様式に類似の様式で、所与の細胞株(例えば、CHO細胞)中で産生することができる。実験制御のために、ヒト化抗体およびマウス抗体を同一の細胞型中で産生する。細胞によって産生されたヒト化抗体およびマウス抗体の精製後、抗体を、日常的に使用されるか市販のグリコシル化分析プロトコール(Mohammad,2002,Protein Protocols Handbook,pages 795−802のプロトコール;質量分析および/またはHPLCプロトコールを含む標準的な手順;GLYCO−PRO(商標)(Sigma−Aldrich);Qproteome Total Glycoproteinキット(商標)(Qiagen,Valencia,CA)など)のうちのいずれか1つに供する。タンパク質配列中の正確なグリコシル化部位を同定するために、標準的なエンドプロテイナーゼ切断を行い(例えば、トリプシン消化)、その後にZauner Gら,2010,J Sep Sci.,33:903−10に記載のプロトコールに類似のLC/MSまたはHILIC−MS/MSによる分析を行うことができる。他の市販のグリコシル化パターンを評価するためのアッセイが当業者に周知である。
【0364】
任意の実施例2のヒト化抗体がマウスの親抗体および/またはこの親から生成された他のヒト化抗体(実施例1のヒト化抗体など)よりグリコシル化事象が少ない場合、これは、ヒト化抗体がグリコシル化の低下に関連することを示す。ヒト化抗体がマウスの親抗体および/またはこの親から生成された他のヒト化抗体より多数のグリコシル化事象を示す場合、これは、ヒト化抗体がグリコシル化の増加に関連することを示す。上記で考察したアッセイを使用して、ヒト化抗体が、マウス抗体で認められるグリコシル化パターンと比較して異なるグリコシル化基または異なるパターンでグリコシル化されるかどうかを決定することもできる。グリコシル化のパターンおよび特徴が、タンパク質が産生される細胞株に応じて変動し得ることに留意のこと。したがって、1つの細胞株(例えば、タンパク質製造を意図する細胞型)においてか、異なる細胞型中での産生後のグリコシル化の特徴についての情報を得るために複数の異なる細胞型にわたってこの評価を行うことができる。
【0365】
タンパク質のリピド化レベルは、タンパク質の半減期および/または生物活性に影響を及ぼし得る。そのようなものとして、ヒト化抗体(または断片)にコンジュゲート化した特異的リピド化基を有することが有利であり得る。リピド化レベルまたはリピド化パターンの評価のために、ヒト化抗体およびマウス抗体を、実施例2に記載の様式に類似の様式で、所与の細胞株(例えば、CHO細胞)中で産生することができる。実験制御のために、ヒト化抗体およびマウス抗体を同一の細胞型中で産生する。細胞によって産生されたヒト化抗体およびマウス3E10抗体の精製後、抗体を、多数の市販のリピド化分析プロトコール(Gelbら,1999,Protein Lipidation Protocols,Humana Press,pages 1−256に記載のプロトコールなど)のうちのいずれか1つに供する。他の市販のヒト化抗体またはマウス抗体のリピド化パターンを評価するためのアッセイが当業者に周知である。リードヒト化抗体がマウスの親抗体および/または1つまたは複数の同一の親から生成された他のヒト化抗体よりリピド化事象が少ない場合、これは、実施例2のヒト化抗体がリピド化の低下に関連することを示す。ヒト化抗体がマウスの親抗体および/または他のヒト化抗体より多数のリピド化事象を示す場合、これは、ヒト化抗体がリピド化の増加に関連することを示す。上記で考察したアッセイを使用して、ヒト化抗体が、マウスの親抗体または他のヒト化抗体で認められるリピド化パターンと比較して異なるリピド化基または異なるリピド化パターンでリピド化されるかどうかを決定することもできる。リピド化ならびにリピド化のパターンおよび特徴が、タンパク質が産生される細胞株に応じて変動し得ることに留意のこと。したがって、1つの細胞株(例えば、タンパク質製造を意図する細胞型)においてか、異なる細胞型中での産生後のリピド化の特徴についての情報を得るために複数の異なる細胞型にわたってこの評価を行うことができる。
実施例10:MBNLポリペプチドにコンジュゲート化した開示の抗体
【0366】
MBNLポリペプチドの2つの異なる断片に相互接続した(例えば、会合した;相互接続した)開示の抗体を含むコンジュゲートを生成した。具体的には、ヒト化重鎖(配列番号38、配列番号39、または配列番号10のうちの1つのアミノ酸配列を含む;IgG1定常ドメインに会合する)のC末端を、MBNL断片(配列番号12のアミノ酸1〜253またはアミノ酸1〜116のいずれかを含む)のN末端にリンカー(配列番号45)を介して組換え的に連結した(例えば、融合物を生成するように遺伝的に連結した)。このヒト化重鎖−MBNL融合物をコードするヌクレオチド配列を含むベクターおよびヒト化軽鎖(配列番号8または配列番号40のうちの1つを含む)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを共にHEK293細胞中で発現させ、結果として得られる一過性にトランスフェクトした細胞によって産生されたコンジュゲートを、MabSelect SuReカラムを使用して培養細胞の細胞ペレット画分から精製した。ヒト化mAb−MBNLポリペプチド(MBNL1−253またはMBNL1−116のいずれかを含む)が、SDS PAGEによって精製サンプル中に検出された。簡潔に述べれば、HEK293細胞を、fectin293を使用して前述の各ベクターで一過性にトランスフェクトし、回収するまで培養した。キメラポリペプチドを、M−PERまたは0.1M K
2HPO4のいずれか+20%グリセロール+0.1mM ZnSO
4+ヌクレアーゼ+(i)1Mアルギニン、(ii)1Mアルギニン+0.8%CHAPS、または(iii)1Mアルギニン+0.5M NaClのいずれかで溶解した細胞ペレットから回収した。可溶化後、50mL細胞培養物由来の細胞ペレットを、0.5mL MabSelect SuReカラムで精製した。0.1M酢酸+20%グリセロール+1Mアルギニン+0.8%CHAPS(pH3.6)でのpH勾配を使用してカラムから溶離した。0.1M K
2HPO
4+20%グリセロール+1Mアルギニン+0.8%CHAPS(pH7.4)を使用して、プール画分の透析および濃縮を行った。
【0367】
同様に、MBNLポリペプチドにコンジュゲート化した(例えば、会合した;相互接続した)本開示のFabを含むコンジュゲートを生成した。具体的には、ヒト化重鎖(配列番号38、配列番号39、または配列番号10のうちの1つおよびIgG2a CH1−IgG1ヒンジ上部ドメインを含む定常ドメインのアミノ酸配列を含む)のC末端を、MBNL断片(配列番号12のアミノ酸1〜253またはアミノ酸1〜116のいずれかを含む)のN末端にリンカー(配列番号45)を介して組換え的に連結した(例えば、融合物を生成するように遺伝的に連結した)。このヒト化重鎖−MBNL融合物をコードするヌクレオチド配列を含むベクターおよびヒト化3E10軽鎖(配列番号8または配列番号40のうちの1つを含む)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを共にHEK293細胞中で発現させた。
実施例11:GAAポリペプチドにコンジュゲート化した開示の抗体断片
【0368】
GAAポリペプチドに会合した(例えば、コンジュゲート化した;相互接続した)本開示の抗体断片を含むコンジュゲートを生成した。具体的には、ヒト化重鎖(配列番号38、配列番号39、または配列番号10のうちの1つおよびG1m17アロタイプのIgG1定常ドメインのアミノ酸配列を含む)のC末端を、GAAポリペプチドのN末端にリンカー(配列番号45)を介して組換え的に連結した。ヒト化重鎖−GAA融合物およびヒト化軽鎖(配列番号8または配列番号40のうちの1つを含むVLを含む)を共に細胞中で発現させ、結果として得られるトランスジェニック細胞によって産生されたキメラポリペプチドを、SephadexG100精製によって精製した。ヒト化Fab−GAAポリペプチドを、SDS PAGEによって精製サンプル中で検出した。シグナル配列は、軽鎖(シグナル配列=配列番号61)またはヒト化重鎖−GAA融合物(シグナル配列=配列番号62)のN末端部分に存在したが、これらのシグナル配列は、最終キメラポリペプチド産物中に存在しない。
【0369】
本開示の抗原結合断片およびGAAポリペプチドを含むこのコンジュゲートの活性を、4−メチルウンベリフェリルα−D−グルコシダーゼ(MU−α−Glu)基質の触媒作用を測定するプレートベースの蛍光定量アッセイを利用して試験した。このアッセイを使用して、GAAポリペプチドにコンジュゲート化した本開示のこの抗原結合断片が酵素活性を有すると判断された。
【0370】
さらなるアッセイでは、このFab−GAAポリペプチドがグリコーゲンを加水分解する能力を、比色アッセイで試験した。このアッセイのために、Fab−GAAを、pH4.3の緩衝液で1mg/mL、0.5mg/mL、または0.25mg/mLに希釈した。次いで、5マイクロリットルの前述の各希釈Fab−GAAを、30μLの0.2mg/mLグリコーゲンに添加し(すなわち、5μg、2.5μg、および1.25μgのFab−GAAを連続サンプルに添加した)、サンプルを37℃で2時間インキュベートした。10マイクロリットルのサンプルを、10μLの0.3M Tris(pH8.0)で反応停止させた。Abcamアッセイキット(Abcamカタログ番号ab65620)のグリコーゲン標準を、ポジティブコントロールとして使用し、0.1M酢酸ナトリウム(pH4.3)緩衝液で0.2mg/mLに希釈し、次いで、水でさらに希釈して、1mM〜0.031mMの範囲のグルコース濃度を有する標準を調製した。次いで、20マイクロリットルの各サンプルまたは標準を、96ウェルプレートに添加した。80マイクロリットルのグルコースアッセイ試薬(Glucoseアッセイキット;Sigmaカタログ番号GAGO20−1KT)を、マルチチャネルピペットを使用して各ウェルに添加し、プレートを覆い、37℃で30分間インキュベートした。
【0371】
次いで、100μLの12N硫酸で反応停止させ、サンプルを540nmで読み取った。540nmで読み取った桃色の強度は、グルコース濃度に比例する。GAAの機能がグリコーゲンのグルコースへの加水分解であることを考慮すると、グルコース濃度の測定は、GAA機能活性を示す(Fab−GAAコンジュゲートとして存在する場合)。Fab−GAAコンジュゲートポリペプチドは、試験した全ての濃度のFab−GAAでグリコーゲンをグルコースに加水分解することが可能であった。さらに、本実験における比活性の計算値は、およそ330マイクロモル/分/mgであった(例えば、5ugの反応混合物中にFabGAAが存在する場合、306マイクロモル/分/mg;2.5ugの反応混合物中にFabGAAが存在する場合、328マイクロモル/分/mg;1.25ugの反応混合物(reaction micture)中にFabGAAが存在する場合、360マイクロモル/分/mgの範囲)。
【0372】
配列情報
配列番号1−例示的な3E10分子の重鎖可変(V
H)ドメインCDR1(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
GFTFSNYG
配列番号2−例示的な3E10分子の重鎖可変(V
H)ドメインCDR2(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
ISSGSSTI
配列番号3−例示的な3E10分子の重鎖可変(V
H)ドメインCDR3(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
ARRGLLLDY
配列番号4−例示的な3E10分子の軽鎖可変(V
L)ドメインCDR1(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
KSVSTSSYSY
配列番号5−例示的な3E10分子の軽鎖可変(V
L)ドメインCDR2(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
YAS
配列番号6−例示的な3E10分子の軽鎖可変(V
L)ドメインCDR3(IMGTシステムによって定義されたCDRに従う)
QHSREFPWT
配列番号7−親VLとして使用したマウス3E10軽鎖可変ドメイン(V
L)のアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASKSVSTSSYSYMHWYQQKPGQPPKLLIKYASYLESGVPARFSGSGSGTDFHLNIHPVEEEDAATYYCQHSREFPWTFGGGTKLELK
配列番号8−ヒト化3E10軽鎖可変ドメイン(hVL2)のアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTISCRASKSVSTSSYSYMHWYQQKPEKAPKLLIKYASYLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQHSREFPWTFGAGTKLELK
配列番号9−親VHとして使用したマウス3E10重鎖可変ドメイン(V
H)のアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSRKLSCAASGFTFSNYGMHWVRQAPEKGLEWVAYISSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCARRGLLLDYWGQGTTLTVSS
配列番号10−ヒト化3E10重鎖可変ドメイン(hVH3)のアミノ酸配列
EVQLQESGGGVVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMHWIRQAPGKGLEWVSYISSGSSTIYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRSEDTAVYYCARRGLLLDYWGQGTLVTVSS
配列番号11−ヒトMTM1タンパク質のアミノ酸配列(NP_000243.1)
【化1】
配列番号12−ヒトMBNL1タンパク質イソ型aのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_066368.2).
【化2】
【0373】
配列番号13−ヒトMBNL1タンパク質イソ型bのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997175.1).
【化3】
【0374】
配列番号14−ヒトMBNL1タンパク質イソ型cのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997176.1).
【化4】
【0375】
配列番号15−ヒトMBNL1タンパク質イソ型dのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997177.1).
【化5】
【0376】
配列番号16−ヒトMBNL1タンパク質イソ型eのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997178.1).
【化6】
【0377】
配列番号17−ヒトMBNL1タンパク質イソ型fのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997179.1).
【化7】
【0378】
配列番号18−ヒトMBNL1タンパク質イソ型gのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997180.1).
【化8】
配列番号19−ヒトAGLタンパク質イソ型1のアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_000019.2)
【化9】
配列番号20−ヒトAGLタンパク質イソ型2のアミノ酸配列(Genbank受入番号NM_000645.2)
【化10】
配列番号21−ヒトAGLタンパク質イソ型3のアミノ酸配列(Genbank受入番号NM_000646.2)
【化11】
【0379】
配列番号22=全長未成熟GAAアミノ酸配列(952アミノ酸;シグナル配列を太字/下線で示した)
【化12】
配列番号23=全長未成熟GAAアミノ酸配列(957アミノ酸;シグナル配列を太字/下線で示した)
(Genbank受入番号EAW89583.1)
【化13】
配列番号24=例示的な成熟GAAアミノ酸配列(配列番号22の残基123〜782に対応;成熟GAAポリペプチドの1つの実施形態)
【化14】
配列番号25=例示的な成熟GAAアミノ酸配列(配列番号22の残基288〜782に対応;成熟GAAポリペプチドの1つの実施形態)
【化15】
配列番号26−成熟GAAを含む例示的なGAAポリペプチド(残基61〜952;GAAポリペプチドの1つの実施形態)
【化16】
配列番号27−成熟GAAを含む例示的なGAAポリペプチド(残基67〜952;GAAポリペプチドの1つの実施形態)
【化17】
配列番号28−“AGIH”
AGIH
配列番号29−“SAGIH”
SAGIH
配列番号30−リンカー配列”GS3”
GGGGSGGGGSGGGGS
配列番号31−リンカー配列”GSTS”
GSTSGSGKSSEGKG
配列番号32−VHの重鎖可変ドメインCDR1(VHは配列番号9を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
NYGMH
配列番号33−VHの重鎖可変ドメインCDR2(VHは配列番号9を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
YISSGSSTIYYADTVKG
配列番号34−VHの重鎖可変ドメインCDR3(VHは配列番号9を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
RGLLLDY
配列番号35−VLの軽鎖可変ドメインCDR1(VLは配列番号7を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
RASKSVSTSSYSYMH
配列番号36−VLの軽鎖可変ドメインCDR2(VLは配列番号7を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
YASYLES
配列番号37−VLの軽鎖可変ドメインCDR3(VLは配列番号7を参照して定義される)(Kabatによって定義されたCDRに従う)
QHSREFPWT
配列番号38−ヒト化3E10重鎖(hVH1)のアミノ酸配列
EVQLVQSGGGLIQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMHWVRQAPGKGLEWVSYISSGSSTIYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRG LLLDYWGQGTTVTVSS
【0380】
配列番号39−ヒト化3E10重鎖(hVH2)のアミノ酸配列
EVQLVESGGGLIQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMHWVRQAPGKGLEWVSYISSGSSTIYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMTSLRAEDTAVYYCARRG LLLDYWGQGTTLTVSS
配列番号40−ヒト化3E10軽鎖(hVL1)のアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASKSVSTSSYSYLAWYQQKPEKAPKLLIKYASYLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHSREFPWTFGAGTKLELK
配列番号41−ヒト化3E10軽鎖のアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSPGQRATITCRASKSVSTSSYSYMHWYQQKPGQPPKLLIYYASYLESGVPARFSGSGSGTDFTLTINPVEANDTANYYCQHSREFPWTFGQGTKVEIK
配列番号42−ヒト化3E10重鎖のアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCSASGFTFSNYGMHWVRQAPGKGLEYVSYISSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNSKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCVKRGLLLDYWGQGTLVTVSS
配列番号43−ヒト化Fv3E10
【化18】
配列番号44−成熟GAAを含む例示的なGAAポリペプチド(残基70〜952;GAAポリペプチドの1つの実施形態)
【化19】
配列番号45−リンカー配列
GGSGGGSGGGSGG
配列番号46−全リンカー領域(GAAの残基57〜78)
HILLHDFLLVPRELSGSSPVLEETHPAH
配列番号47−Hisタグ
HHHHHH
配列番号48−例示的なc−mycタグ
EQKLISEEDL(配列番号24)
配列番号49−本開示の一定の抗体の重鎖可変ドメインCDR2(Kabatによって定義されたCDRに従う)
YISSGSSTIYYADSVKG
配列番号50−本開示の一定の抗体の軽鎖可変ドメインCDR1(Kabatによって定義されたCDRに従う)
RASKSVSTSSYSYLA
配列番号51−本開示の一定の抗体の軽鎖可変ドメインCDR2(Kabatによって定義されたCDRに従う)
YASYLQS
配列番号52−ウシGAA前駆体タンパク質(Genbank受入番号NP_776338.1)
【化20】
配列番号53 マウス3E10軽鎖をコードするヌクレオチド配列 Genbank 受入番号 L34051
【化21】
配列番号54 マウス重鎖配列をコードするヌクレオチド配列(Genbank 受入番号 L16982)
【化22】
配列番号55=ヒトMBNL2タンパク質イソ型1のアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_659002.1)
【化23】
配列番号56=ヒトMBNL2タンパク質イソ型3のアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_997187.1)
【化24】
【0381】
配列番号57=ヒトMBNL3タンパク質イソ型Gのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_060858.2)
【化25】
配列番号58=ヒトMBNL3タンパク質イソ型Rのアミノ酸配列(Genbank受入番号NP_597846.1)
【化26】
配列番号59=ヒトMBNL1タンパク質イソ型a(Genbank受入番号NP_066368.2)またはイソ型bのアミノ酸1〜116
MAVSVTPIRDTKWLTLEVCREFQRGTCSRPDTECKFAHPSKSCQVENGRVIACFDSLKGRCSRENCKYLHPPPHLKTQLEINGRNNLIQQKNMAMLAQQMQLANAMMPGAPLQPVP
配列番号60−ヒトκ軽鎖
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号61−例示的なシグナル配列
MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARC
配列番号62−例示的なシグナル配列
MEFGLSWLFLVAILKGVQC
配列番号63−例示的な平滑末端DNA基質
5’−GGG TGA ACC TGC AGG TGG GCA AAG ATG TCC−3’
【0382】
参照による援用
本明細書の中で言及するすべての出版物および特許は、個々の出版物または特許各々が具体的にかつ個々に参照により援用されていると示されているがごとく、それら全体が参照により本明細書に援用されている。
【0383】
本開示の特定の実施形態を論じたが、上記明細書は説明的なものであり、制限的なものではない。本明細書および下記請求項の再考により当業者には本開示の多くの変形形態が明らかになるであろう。本開示の全範囲は、本請求項をそれらの全範囲の均等物とともに、および本明細書をかかる変形形態ともに参照することにより決定されるべきものである。