特許第6709837号(P6709837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6709837-テープカッター 図000002
  • 特許6709837-テープカッター 図000003
  • 特許6709837-テープカッター 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709837
(24)【登録日】2020年5月27日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】テープカッター
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20200608BHJP
【FI】
   B65H35/07 L
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-227869(P2018-227869)
(22)【出願日】2018年12月5日
(65)【公開番号】特開2020-90350(P2020-90350A)
(43)【公開日】2020年6月11日
【審査請求日】2018年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】504474323
【氏名又は名称】宇野 公二
(72)【発明者】
【氏名】宇野 公二
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−066476(JP,U)
【文献】 実開平02−052870(JP,U)
【文献】 実公昭35−007879(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3156434(JP,U)
【文献】 実開昭61−086362(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/00
B65H 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状テープを回転自在且つ着脱可能に支持する筒状の支持部と、
前記ロール状テープが前記支持部に装着された状態で、前記ロール状テープを覆うカバーと、
前記カバーの貫通穴に設けられ、前記ロール状テープから引き出されたテープの非粘着面を案内する案内部と、
前記案内部に案内されたテープを切断する切断部と、
前記支持部の内側の収納部の蓋及び底と、
を具備し、
前記蓋を開けた状態で、前記収納部に被収納物を出し入れ可能である、
テープカッター。
【請求項2】
ロール状テープを回転自在且つ着脱可能に支持する筒状の支持部と、
前記ロール状テープが前記支持部に装着された状態で、前記ロール状テープを覆うカバーと、
前記ロール状テープから引き出されたテープを切断する切断部と、
前記支持部の内側の収納部の蓋及び底と、
を具備し、
前記カバーを装着した状態で、前記蓋の開閉が可能であり、
前記蓋を開けた状態で、前記収納部に被収納物を出し入れ可能である、
テープカッター。
【請求項3】
前記蓋を閉じた状態で、前記収納部と外部をつなぐ通気構造を備える、
請求項1から請求項2のいずれかに記載のテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
テープカッターにおいては、特許文献1や特許文献2の実施例のように、ロール状テープがリールに装着され半分ほど本体から露出する状態で回転自在且つ着脱可能に支持する支持部と、ロール状テープから引き出されたテープを切断する切断部と、を備えるものが知られている。
【0003】
また、テープカッターにおいては、特許文献3や特許文献4の実施例のように、円筒の外周でロール状テープを回転自在且つ着脱可能に支持し、ロール状テープから引き出されたテープを切断部で切断可能であり、円筒の内側にペン等の被収納物を差し込み収納するアイデアが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−094613号公報
【特許文献2】特開2008−120527号公報
【特許文献3】特開2002−002183号公報
【特許文献4】特許第4484164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テープカッターにおいては、テープを切断する際に切断部に加わる力によってずれ動きにくく、持ち運ぶ際には持ち運びやすく、ロール状テープの内周空間を有効活用できるものが求められている。しかし、特許文献3のように机の天板等に固定してしまうアイデアでは、例えば机から床に移動してテープ貼り作業をしたい場合に気軽に持ち運べないし、特許文献3や特許文献4のようにロール状テープの内周空間をペン立てとして活用するアイデアでは、ペンがこぼれ出てしまわないように注意しながらテープカッターを使用したり持ち運んだりする必要があるので、機能的な相乗効果が得られにくい。
【0006】
また、ロール状テープは製造の際の巻き付け力が残留することで、保管時に円筒芯材からテープがずれることがあると知られている。このような問題や経年劣化や埃の付着を緩和するには、風通しの良い日陰に袋に入れた状態で保管することが推奨されることがあるが、テープカッターにロール状テープを装着してしまうと、テープカッターあるいは使用後のロール状テープを外して毎回そのような環境に置くことは手間がかかり利便性を大きく損なってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態図等を用いて以下に説明するが、これは本発明の内容をより把握しやすいようにする為で、添付の特許請求の範囲を縮小するものではない。
【0008】
発明1に係るテープカッターは、例えば図1のように、
ロール状テープ1を回転自在且つ着脱可能に支持する筒状の支持部2と、
ロール状テープ1が支持部2に装着された状態で、ロール状テープ1を覆うカバー9と、
カバー9の貫通穴17に設けられ、ロール状テープ1から引き出されたテープ5の非粘着面を案内する案内部14と、
案内部14に案内されたテープ5を切断する切断部6と、
支持部2の内側の収納部3の蓋4及び底10と、
を具備し、
蓋4を開けた状態で、収納部3に被収納物を出し入れ可能である、
テープカッターである。
【0009】
発明2に係るテープカッターは、例えば図1及び2又は図1及び3のように
ロール状テープ1を回転自在且つ着脱可能に支持する筒状の支持部2と、
ロール状テープ1が支持部2に装着された状態で、ロール状テープ1を覆うカバー9と、
ロール状テープ1から引き出されたテープ5を切断する切断部6と、
支持部2の内側の収納部3の蓋4及び底10と、
を具備し、
カバー9を装着した状態で、蓋4の開閉が可能であり、
蓋4を開けた状態で、収納部3に被収納物を出し入れ可能である、
テープカッターである。
【0010】
発明3に係るテープカッターは、発明1から発明2のいずれかのテープカッターにおいて、
蓋4を閉じた状態で、収納部3と外部をつなぐ通気構造を備える、
テープカッターである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明では、ロール状テープ1を支持する筒状の支持部2の内側の収納部3によってロール状テープ1の内周空間を有効活用でき、収納部3に蓋4を備えることで蓋4と底10を指先で挟んでテープ5を切断する際にテープカッターを制御しやすいのでテープカッターがずれ動きにくく、持ち運びや切断作業に専念しても被収納物がこぼれ出たり蓋4が不意に開いてしまうことが起こりにくい、というようなテープカッターの設計が容易となる。
【0012】
また本発明では、カバー9によって、テープカッターに装着されたロール状テープ1を日陰で袋に入れ経年劣化や埃の付着を緩和するような環境に近付ける、というようなテープカッターの設計が容易となる。
【0013】
また発明3では、本発明の効果に加えて、収納部3に例えば調湿剤を被収納物として収納することで、通気孔7、18又は21のような通気構造を通してテープカッターに装着されたロール状テープ1の周囲を風通しの良い環境に近付ける、というようなテープカッターの設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態のテープカッターにロール状テープ1を装着した第三角法による図(一部隠れ線を表示)
図2】第2実施形態の正面図
図3】第3実施形態の正面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。
【0016】
ロール状テープ1は透明フィルムに粘着剤を塗布したテープを芯材となる厚紙製の円筒に巻き回したものであり、この円筒内周に隙間をあけて外周8が嵌まる支持部2の円筒状の一端に円盤状の蓋4、他端に円盤状の底10が配置され、蓋4及び底10には互いの方向に凹み指先がフィットするような輪状の凹形状12及び11がそれぞれ設けられており、親指とそれ以外の指を凹形状11及び12にフィットさせて挟むことで持ちやすく、テープカッター使用中や持ち運び時に蓋4を底10の方向へ押すことになるので不意に蓋4が外れないようになっている。また円筒状の支持部2は長さ方向の中間部で2分割されており互いに嵌め外し自在な摺動嵌合構造によって嵌合し、蓋4及び底10に支持部2はそれぞれ一体に接続されており、ロール状テープ1を覆うカバー9は当接部13を境に2分割されそれぞれ支持部2に一体に接続されており、蓋4側と底10側を分離させることでロール状テープ1の着脱が可能となり、且つ支持部2の内側の収納部3の蓋4が開いた状態となるので、被収納物の出し入れが可能となる。また蓋4側と底10側を完全に嵌め合わせた状態で、支持部2を貫通する通気孔7及び18は収納部3と外部をつなぐ通気構造であり、カバー9内部空間との通気構造として機能し、収納部3に収納されたシリカゲルなどの調湿材を機能させる。また蓋4を貫通する通気孔21など8個の小さな貫通穴も収納部3と外部をつなぐ通気構造であり、テープカッターが例えば接地部19を机に接地させ置かれた状況や湿気っぽい引き出しの中で周囲環境や引き出されたテープ5の為に周囲環境の改善に努める通気構造となる。ここで例えば通気孔の代わりにメッシュや不織布などによる通気構造も考えられる。また底10に通気構造を設ける案も考えられる。また調湿材の代わりにドライポプリなどの芳香材を収納部3に入れて生臭い引き出し内の環境改善に努めたりロール状テープ1にほのかな香りを付加して価値を高めることも可能だろう。また収納部3に仕切りを設けて一方に調湿材、他方に芳香材を収納するというような使い方も考えられる。
また、カバー9に一体に接続されるアーム状の接続部20は円筒状の支持部2の径方向に離れたところに配置される切断部6を先端に備え、切断部6には刃16及び貼り付け部15が備えられ、ロール状テープ1から引き出されカバー9のスリット状の貫通穴17の縁に設けられた滑らかな円柱状の案内部14に非粘着面が案内されるテープ5は貼り付け部15に貼り付けられてから刃16によって切断される。このような構造によってロール状テープ1の露出を極力減らしている。
【0017】
本発明の第2実施形態は第1実施形態と共通する部分が多いので、主に違いについて図2に基づいて説明する。
【0018】
円盤状の蓋4はカバー9と別体構造となっており、蓋4の縁23に押さえられる構造のカバー9は蓋4を外すことで当接部13を境に2分割可能となり、2分割後にはロール状テープ1の着脱が可能となっている。また、蓋4の中央に設けられたツマミ22を摘まむことで蓋4の着脱が容易となっており、蓋4に一体に接続される支持部2を摺動嵌合の代わりに螺合構造にすることで蓋4の確実性を増すことができる。また、蓋4と支持部2を一体とせずカバー9と支持部2を一体とし、支持部2の内周あるいは底10に一体成形された収納部3の仕切りに蓋4が摺動嵌合や螺合するような構造も考えられる。
また、カバー9の貫通穴17は、ロール状テープ1からテープ5が出る位置のバラつきを考慮してスリット状よりも大きめに開口しているが、ロール状テープ1はカバー9によっておおよそ覆われているといえるだろう。
また、接続部20の付け根付近に揺動軸構造を設けて、接続部20をロール状テープ1方向に揺動させることで貫通穴17を閉じることが可能な構造としても良いだろう。
【0019】
本発明の第3実施形態は第2実施形態と共通する部分が多いので、主に違いについて図3に基づいて説明する。
【0020】
カバー9外周に沿うよう移動可能且つ着脱可能にスナップフィットされたカバー24を備えており、カバー24を開けた図3の状態からカバー24を接続部20方向に移動させることで貫通穴17を閉じ、且つテープ5や刃16もカバーすることができる。
また、カバー9がカバー24を揺動可能に支持し、揺動によってカバー24を開閉する構造としても良いだろう。
【符号の説明】
【0021】
1. ロール状テープ
2. 支持部
3. 収納部
4. 蓋
5. テープ
6. 切断部
7,18,21. 通気孔
8. 外周
9,24. カバー
10. 底
11,12. 凹形状
13. 当接部
14. 案内部
15. 貼り付け部
16. 刃
17. 貫通穴
19. 接地部
20. 接続部
22. ツマミ
23. 縁
図1
図2
図3