特許第6709841号(P6709841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709841
(24)【登録日】2020年5月27日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】無線アグリゲーション
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20200608BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20200608BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20200608BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20200608BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20200608BHJP
【FI】
   H04W72/04 111
   H04W16/14
   H04W88/06
   H04W48/18 113
   H04W28/08
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-506912(P2018-506912)
(86)(22)【出願日】2015年8月11日
(65)【公表番号】特表2018-527816(P2018-527816A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】EP2015068415
(87)【国際公開番号】WO2017025129
(87)【国際公開日】20170216
【審査請求日】2018年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】509275817
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケ ユキチュア
【氏名又は名称原語表記】Nokia Solutions and Networks Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ラセレヴァ ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ウィガード イェルン
(72)【発明者】
【氏名】コヴァチ イストバン ツォルト
【審査官】 大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/162905(WO,A1)
【文献】 LG Electronics Inc.,RAN/WLAN aggregation procedure[online],R2-151654,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_89bis/Docs/R2-151654.zip>,2015年 4月24日,2節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信することを含む方法であって、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、前記通信デバイスにて優先することを促進する情報を備える、方法。
【請求項2】
前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件を示し、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件を示す、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で前記第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが前記アグリゲーションの能力を有するかを示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1ノードとの新たな接続を開始するのに加えて第2無線アクセス技術に従って動作するノードをいずれか選択するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号をさらに送信する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
第2無線アクセス技術により動作するノードをいずれか選択するために前記情報を使用するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号をさらに送信する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、優先するかどうかを決定することと、アソシエーションを開始する第2無線アクセス技術ノードを選択することと、前記選択された第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとを含む、方法。
【請求項7】
前記決定することは、前記通信デバイスにて検出された無線信号から復元された評価情報に少なくとも部分的に基づいて行われる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記情報は、前記アグリゲーションの能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件1つ以上と、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件1つ以上とを示す、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有するかをさらに示す、請求項または請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2無線アクセス技術に従ってノードにより送信される無線信号の測定を実行することを含む、請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記通信デバイスにて検出されたいずれかの無線信号が前記情報において識別された1つ以上の第2無線アクセス技術ノードを識別するかどうかを判断することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記情報において識別されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第1セットの条件を満たすかどうかを、前記通信デバイスにて検出された前記無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードを検出しなかった場合、検出されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第2セットの条件を満たすかどうかを、前記通信デバイスにて検出された前記無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第2セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
検出された第2無線アクセス技術ノードがいずれも前記第2セットの条件を満たさないと判断された場合、いずれの第2無線アクセス技術ノードとも何らアソシエーションを開始せずに前記第1ノードとの新たな接続を開始することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1からの何れかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項16】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1からの何れかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項17】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項6から14の何れかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項18】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項6から14の何れかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
無線アグリゲーションは、2つの無線アクセスノードのうちの1つ(マスタノード)の制御の下で前記2つの無線アクセスノードを介して、無線ネットワークエンティティへ/からユーザプレーンデータを送信および/または受信することを伴う。
【0002】
同じ無線アクセス技術に従って動作する2つ以上のノードが関与する無線アグリゲーションは、現在、3GPP(Third Generation Partnership Project:第三世代パートナーシッププロジェクト)リリース12において標準化中である。さらに、3GPPリリース13で、異なる無線アクセス技術により動作する2つ以上のノードが関与する無線アグリゲーションを導入することも提案されている。
【0003】
本願の発明者らは、異なる無線アクセス技術により動作する2つ以上のノードが関与する無線アグリゲーションをいっそう促進するという目標を特定した。
【0004】
第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信することを含む方法であって、前記情報は、(i)第1ノードへの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方についての通信デバイスでの決定を促進する情報を備える、方法がここに提供される。
【0005】
一実施形態によれば、前記情報は、(ii)前記第2無線アクセス技術に従って動作するいずれのノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードへの新たな接続を開始することか、または第1ノードへの新たな接続を開始せずに前記無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することかを優先した、(i)についての通信デバイスでの決定を促進する情報を備える。
【0006】
さらに、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信することを含む方法であって、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、通信デバイスにて優先することを促進する情報を備える、方法がここに提供される。
【0007】
一実施形態によれば、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件を示し、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件を示す。
【0008】
一実施形態によれば、前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で前記第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが前記アグリゲーションの能力を有するかを示す。
【0009】
一実施形態によれば、本方法は、前記第1ノードとの新たな接続を開始するのに加えて第2無線アクセス技術に従って動作するノードをいずれか選択するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号を送信することをさらに含む。
【0010】
一実施形態によれば、本方法は、第2無線アクセス技術により動作するノードをいずれか選択するために前記情報を使用するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号を送信することをさらに含む。
【0011】
さらに、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、(i)第1ノードとの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方について決定することを含む、方法がここに提供される。
【0012】
一実施形態によれば、本方法は、(ii)前記第2無線アクセス技術に従って動作するいずれのノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードへの新たな接続を開始することか、または第1ノードへの新たな接続を開始せずに前記無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することかを優先して、(i)について決定することをさらに含む。
【0013】
さらに、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、優先するかどうかを決定することと、アソシエーションを開始する第2無線アクセス技術ノードを選択することと、選択された第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとを含む、方法がここに提供される。
【0014】
一実施形態によれば、前記決定することは、通信デバイスにて検出された無線信号から復元された評価情報に少なくとも部分的に基づいて行われる。
【0015】
一実施形態によれば、前記情報は、前記アグリゲーションの能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件1つ以上と、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件1つ以上とを示す。
【0016】
一実施形態によれば、前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有するかをさらに示す。
【0017】
一実施形態によれば、本方法は、前記第2無線アクセス技術に従ってノードにより送信される無線信号の測定を実行することをさらに含む。
【0018】
一実施形態によれば、本方法は、通信デバイスにて検出されたいずれかの無線信号が前記情報において識別された1つ以上の第2無線アクセス技術ノードを識別するかどうかを判断することをさらに含む。
【0019】
一実施形態によれば、本方法は、前記情報において識別されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第1セットの条件を満たすかどうかを、通信デバイスにて検出された無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさらに含む。
【0020】
一実施形態によれば、本方法は、前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードを検出しなかった場合、検出されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第2セットの条件を満たすかどうかを、通信デバイスにて検出された無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第2セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさらに含む。
【0021】
一実施形態によれば、本方法は、検出された第2無線アクセス技術ノードがいずれも前記第2セットの条件を満たさないと判断された場合、いずれの第2無線アクセス技術ノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードとの新たな接続を開始することをさらに含む。
【0022】
さらに、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、第2無線アクセス技術に従った無線信号の通信デバイスでの測定を実行することの命令が前記第1ノードによって送信された無線信号から復元されたかを確認することを含む、方法がここに提供される。
【0023】
さらに、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信することをさせるよう構成され、前記情報は、(i)第1ノードへの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方についての通信デバイスでの決定を促進する情報を備える、装置がここに提供される。
【0024】
一実施形態によれば、前記情報は、(ii)前記第2無線アクセス技術に従って動作するいずれのノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードへの新たな接続を開始することか、または第1ノードへの新たな接続を開始せずに前記無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することかを優先した、(i)についての通信デバイスでの決定を促進する情報を備える。
【0025】
さらに、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信することをさせるよう構成され、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、通信デバイスにて優先することを促進する情報を備える、装置がここに提供される。
【0026】
一実施形態によれば、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件を示し、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件を示す。
【0027】
一実施形態によれば、前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で前記第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが前記アグリゲーションの能力を有するかを示す。
【0028】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、前記第1ノードとの新たな接続を開始するのに加えて第2無線アクセス技術に従って動作するノードをいずれか選択するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号を送信させるようさらに構成される。
【0029】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第2無線アクセス技術により動作するノードをいずれか選択するために前記情報を使用するかどうかについての指示を備える1つ以上の無線信号を送信させるようさらに構成される。
【0030】
さらに、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに既に接続された通信デバイスにて、(i)第1ノードとの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方、について決定させるよう構成される、装置がここに提供される。
【0031】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、(ii)前記第2無線アクセス技術に従って動作するいずれのノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードへの新たな接続を開始することか、または第1ノードへの新たな接続を開始せずに前記無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することかを優先して、(i)について決定させるようさらに構成される。
【0032】
さらに、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、優先するかどうかを決定することと、アソシエーションを開始する第2無線アクセス技術ノードを選択することと、選択された第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさせるよう構成される、装置がここに提供される。
【0033】
一実施形態によれば、前記決定することは、通信デバイスにて検出された無線信号から復元された評価情報に少なくとも部分的に基づいて行われる。
【0034】
一実施形態によれば、前記情報は、前記アグリゲーションの能力を有し前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第1セットの条件1つ以上と、無線アグリゲーション手法を用いる以外で前記第1ノードからデータをオフロードするため、前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することの評価を行うための第2セットの条件1つ以上とを示す。
【0035】
一実施形態によれば、前記情報は、前記第1ノードによりサービスされているエリア内で第2無線アクセス技術に従って動作するどのノードが、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有するかをさらに示す。
【0036】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、前記第2無線アクセス技術に従ってノードにより送信された無線信号の測定を実行させるようさらに構成される。
【0037】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、通信デバイスにて検出されたいずれかの無線信号が、前記情報において識別された1つ以上の第2無線アクセス技術ノードを識別するかどうかを判断させるようさらに構成される。
【0038】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、前記情報において識別されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第1セットの条件を満たすかどうかを、通信デバイスにて検出された無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさせるようさらに構成される。
【0039】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、前記第1セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードを検出しなかった場合、検出されたいずれか1つ以上の第2無線アクセス技術ノードが前記第2セットの条件を満たすかどうかを、通信デバイスにて検出された無線信号に少なくとも部分的に基づいて判断することと、肯定的な判断が下された場合、前記第2セットの条件を満たす第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをさせるようさらに構成される。
【0040】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、検出された第2無線アクセス技術ノードがいずれも前記第2セットの条件を満たさないと判断された場合、いずれの第2無線アクセス技術ノードとも何らアソシエーションを開始せずに第1ノードとの新たな接続を開始することをさせるようさらに構成される。
【0041】
さらに、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備えた装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに実行されると、前記装置に、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、第2無線アクセス技術に従った無線信号の通信デバイスでの測定を実行することの命令が前記第1ノードによって送信された無線信号から復元されたかを確認することをさせるよう構成される、装置がここに提供される。
【0042】
さらに、プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード手段は、コンピュータにロードされると、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信するようコンピュータを制御し、前記情報は、(i)第1ノードへの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方についての通信デバイスでの決定を促進する情報を備える、コンピュータプログラム製品がここに提供される。
【0043】
プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード手段は、コンピュータにロードされると、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにより使用される情報を有する1つ以上の無線信号を送信するようコンピュータを制御し、前記情報は、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、通信デバイスにて優先することを促進する情報を備える、コンピュータプログラム製品がここに提供される。
【0044】
さらに、プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード手段は、コンピュータにロードされると、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、(i)第1ノードとの新たな接続を開始することと、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することとの両方について決定するようコンピュータを制御する、コンピュータプログラム製品がここに提供される。
【0045】
さらに、プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード手段は、コンピュータにロードされると、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは既に前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、マスタノードとして前記第1ノードが関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能する能力を有し第2無線アクセス技術に従って動作するノードとのアソシエーションを開始することを、前記アグリゲーションの能力をもたず前記第2無線アクセス技術により動作するノードとのアソシエーションを開始することよりも、優先するかどうかを決定することと、アソシエーションを開始する第2無線アクセス技術ノードを選択することと、選択された第2無線アクセス技術ノードとのアソシエーションを開始することとをするようコンピュータを制御する、コンピュータプログラム製品がここに提供される。
【0046】
さらに、プログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品であって、プログラムコード手段は、コンピュータにロードされると、第1無線アクセス技術に従って動作する第1ノードにアイドルモードでキャンプオンしたまたは前記第1ノードに接続された通信デバイスにて、第2無線アクセス技術に従った無線信号の通信デバイスでの測定を実行することの命令が前記第1ノードによって送信された無線信号から復元されたかを確認するようコンピュータを制御する、コンピュータプログラム製品がここに提供される。
【0047】
以下、添付の図面を参照しながら、単なる例として実施形態について詳細に記載する。
【0048】
図1は、別々の無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードのカバレッジエリア内の通信デバイスを示す。
図2は、図1の無線アクセスノードで使用する装置の例を示す。
図3は、図1の通信デバイスで使用する装置の例を示す。
図4は、別々の無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードが関与する無線アグリゲーション手法の例を示す。
図5は、第1無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードにアイドルモードでキャンプオンしている間に、第2無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードのみを介して通信デバイスとコアネットワークとの間でユーザプレーンデータを送信する例を示す。
図6は、一実施形態による無線アクセスノードでの動作の例を示す。
図7は、一実施形態による、通信デバイスでの動作の例を示す。
【0049】
図1は、セルラ無線アクセスネットワークの一部の例を概略的に示す。以下の記載は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)無線アクセスネットワークの例に関するが、同じ手法を他の種類の無線アクセスネットワークにも適用することができる。同じく、以下の記載は、LTEおよびWiFi無線アクセス技術のアグリゲーションの例に関するが、同じ手法を、例えば5GおよびWiFi無線アクセス技術の組み合わせなど、他の無線アクセス技術の組み合わせにも適用することができる。
【0050】
図1は、単一のLTE eNodeB(eNB)2しか示していないが、LTEセルラネットワークは、典型的には、広範な地理的領域にわたり実質的に連続したカバレッジを提供する無数のLTE eNBを備える。同じく図1は、LTE eNB2を介して運用される1つのLTEセルのカバレッジエリア12を示すが、異なるカバレッジエリアを有する複数のLTEセルが同じLTE eNB2を介して運用されてもよい。LTE eNB2は、LTEセル間の通信デバイス(UE)8のハンドオーバを管理するモバイル管理エンティティ(MME:mobile management entity)に接続される。LTE eNB2は、コアネットワーク6にも接続される。LTEセルラ無線アクセスネットワークは他の構成要素も含んでもよいが、これらは簡潔性のために図1には示されない。
【0051】
図1に示されるように、LTE eNB2のカバレッジエリアには、例えばWiFiプロトコルに従って動作するWLANアクセスノードなどの異なる無線アクセス技術(RAT:radio access technology)に従って動作する複数の無線アクセスノード4が存在する。一部のWLANアクセスノード4aは、LTE eNB2に接続されており、マスタノードとして前記LTE eNB2が関与する無線アグリゲーション手法におけるスレーブノードとして機能することができる。他のWLANアクセスノード4bは、そのような無線アグリゲーション能力はもたないが、コアネットワーク6に接続されていて、例えば、オフロードとして知られる3GPPリリース12の手法において、UE8がLTE eNB2にアイドルモードでキャンプオンしている間、LTE eNB2による制御なしでのUE8とコアネットワーク6との間のユーザプレーンデータのアップリンク/ダウンリンク伝送に使用することができる。
【0052】
図4は、図1に示されたシステムにおける無線アグリゲーション手法の例を示す。破線は、ユーザプレーンデータの伝送を示す。ユーザプレーンデータは、(a)UE8とLTE eNB2との間の無線接続、ならびに(b)UE8とWLANアクセスポイント4aとの間の無線リンクおよびWLAN AP4aとLTE eNB2との間の有線リンク、の両方を介して、UEとLTE eNB2との間で同時に伝送され、すべてLTE eNB2の無線リソース制御(RRC:radio resource control)下にある。LTE eNB2は、マスタノード(MeNB)として機能し、WLAN AP4aは、スレーブノード(またはセカンダリノード)(SeNB)として機能する。
【0053】
図5は、ユーザプレーンデータ伝送のLTE eNB2からWLANアクセスノード4へのオフロードの例を示す。この場合もやはり、破線は、ユーザプレーンデータの伝送を示す。UE8とLTE eNB2との間の波線は、UE8がアイドルモードでLTE eNB2にキャンプオンしていることの例を示し、つまり、UE8とLTE eNB2との間にRRC接続はない。ただし、UE8がRRC接続モードのときにもWLANアクセスノード4への一部のユーザプレーンデータのオフロードは生じることができる。オフロードの主要な特徴は、WLANノード4を介したコアネットワーク6へ/からのデータの伝送が、LTE eNB2のRRC制御下にないということである。ユーザプレーンデータは、コアネットワーク6とWLAN AP4との間で直接やり取りされ、LTE eNB2を経由しない。
【0054】
図2は、UE8の装置の例の概略図を示す。通信デバイス(UE)8は、電話の発信および受信、データネットワークとの間のデータの送受信、および例えばマルチメディアまたは他のコンテンツの体験などの様々なタスクに使用されてもよい。UE8は、図2のLTE eNB2およびWiFiアクセスノード4により送信された無線信号からデータ/情報を復元すること、ならびにLTE eNB2およびWiFiアクセスノード4により復元可能なデータ/情報を含む無線信号を送信することの両方を少なくともすることができる任意のデバイスとしてもよい。ユーザ機器(UE)8の非限定的な例は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、およびマシンタイプコミュニケーション(MTC:machine type communication)のために設計されたデバイスなどユーザインターフェースの一切ないデバイスを含む。
【0055】
図2を参照する。メモリ32に記憶されたプログラムコードに従って動作するアプリケーションプロセッサ30が、(i)ベースバンドプロセッサ34(それ自体がメモリ32に記憶されたプログラムコードに従って動作する)、無線周波数フロントエンド36、およびアンテナ38の組み合わせか、または(ii)WiFiモジュール40か、のいずれかを介したユーザプレーンデータを備える無線信号の生成および送信を制御する。RFフロントエンドは、アナログトランシーバ、フィルタ、デュプレクサ、およびアンテナスイッチを含んでもよい。アンテナ38、RFフロントエンド36、およびベースバンドプロセッサ34の組み合わせは、アプリケーションプロセッサ30での処理のために、LTE eNB2により送信された無線信号からユーザプレーンデータを復元する。
【0056】
ベースバンドプロセッサ34およびWiFiモジュール40はさらに、それぞれLTEおよびWiFi無線信号からユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの両方を復元すること、ならびに復元されたデータを、例えばアプリケーションプロセッサなどによる処理のためにメモリ32に記憶することができる。
【0057】
アプリケーションプロセッサ30およびベースバンドプロセッサ34は、別々のチップとして実装されてもよく、または単一のチップに統合されてもよい。メモリ32は、1つ以上のチップとして実装されてもよい。メモリ32は、読み取り専用メモリおよびランダムアクセスメモリの両方を含んでもよい。上記の構成要素は、1つ以上の回路基板上に設けられてもよい。
【0058】
UEは、図2に示されていない他の構成要素を含んでもよい。例えばUE8は、キーパッドなどのユーザインターフェース、音声コマンド、タッチセンシティブ画面もしくはパッド、その組み合わせ、または同様のものを含んでもよく、それを介してユーザはUE8の動作を制御してもよい。UE8はさらに、ディスプレイ、スピーカ、およびマイクを含んでもよい。さらにUE8は、他のデバイスに対する、および/または例えばハンズフリー機器などの外部アクセサリをUE8に接続するための適切なコネクタ(有線または無線いずれか)を備えてもよい。
【0059】
図3は、図1のLTE eNB2およびWLANアクセスノード4で使用される装置の例を示す。プロセッサ20は、メモリ22に記憶されているプログラムコードに従って動作し、(a)ユーザプレーンデータを備えるLTEまたはWiFi無線信号の生成ならびに無線周波数フロントエンド24およびアンテナ26の組み合わせを介した送信を制御し、(b)LTE eNB2またはWLANアクセスノード4により送信された無線信号からデータを復元する。RFフロントエンドは、アナログトランシーバ、フィルタ、デュプレクサ、およびアンテナスイッチを含んでもよい。プロセッサ20およびメモリはいずれも、1つ以上のチップとして実装されてもよい。メモリ22は、読み取り専用メモリおよびランダムアクセスメモリの両方を含んでもよい。上記の構成要素は、1つ以上の回路基板上に設けられてもよい。装置はさらに、データを、例えばコアネットワーク6(例えば上述した無線アグリゲーションおよびオフロードの両手法において)および他のアクセスノード2、4(例えば上述した無線アグリゲーション手法において)などの他の1つ以上のネットワークノードとの間で伝送し合うためのインターフェース28を備える。
【0060】
当然のことながら、上述した図2および3それぞれに示されている装置は、後述する本発明の実施形態に直接関与しないさらなる構成要素を備えてもよい。
【0061】
図6は、一実施形態によるLTE eNB2での一連の動作の例を示す。
【0062】
プロセッサ20により実行されるすべての動作は、メモリ22に記憶されているプログラムコードに従う。
【0063】
LTE eNB2のプロセッサ20は、RFフロントエンド24およびアンテナ26を介して、検出されたWLAN無線信号に関する測定を実行することの命令を備えたLTE無線信号を送信する(ステップ600)。この命令は例えば、「WLAN測定有効化フラグ」の形態をとってもよい。
【0064】
LTE eNB2のプロセッサ20はさらに、RFフロントエンド24およびアンテナ26を介して、LTE eNB2のカバレッジエリア内のどのWLANアクセスノードが、マスタノードとしてLTE eNB2が関与する無線アグリゲーション手法においてスレーブノードとして機能できるかについての情報を有するLTE無線信号を送信する(ステップ602)。この情報は、無線アグリゲーション対応のWLANノードに関する識別子(例えばサービスセット識別子(SSID:Service Set Identifier)、基本サービスセット識別子(BSSID:Basic Service Set Identifier)、または同種拡張サービスセット識別子(HESSID:Homogenous Extended Service Set Identifier)セット)のリストを備えてもよい。
【0065】
LTE eNB2のプロセッサ20は、無線アグリゲーション対応WLANノードとのアソシエーションを開始するための1つ以上の閾値についての情報を有するLTE無線信号をRFフロントエンド24およびアンテナ26を介して送信する(ステップ604)。例えばこれらの閾値は、最大WLANチャネル利用値、最小WLANダウンリンクバックホールレート、最小WLANアップリンクバックホールレート、および最小ビーコンRSSI(received signal strength indicator:受信信号強度インジケータ)、最小RSRP(reference signal received power:参照信号受信電力)またはRSRQ(reference signal received quality:参照信号受信品質)レベル、のうちの1つ以上を含んでもよい。これらの閾値は、WLANノードがまだ無線アグリゲーションの条件をすべて満たしていなくても、かつ/またはLTE eNB2による制御なしのオフロード手法でのUE8とコアネットワーク6との間のデータ伝送により適しアグリゲーション能力のないWLANノードが他にあっても、アグリゲーション対応WLANノード4aの選択を優先させる効果を有するようにセットされてもよい。さらにLTE eNB2のプロセッサ20は、検出された無線アグリゲーション対応WLANノードをこれらの閾値に対し評価するか、または単に、無線アグリゲーション能力を有するノードとしてLTE eNB2により識別されたWLANノードをUE8にて検出したことを(UE8が次にLTE eNB2とのRRC接続を確立したらそのとき)LTE eNBに通知するか、についての命令を備えるLTE無線信号をRFフロントエンド24およびアンテナ26を介して送信してもよい。この命令は、例えば、2つの値「TRUE」および「FALSE」の1つを有することができる「リリース13アグリゲーションルール有効化フラグ」の形態を取ってもよい。
【0066】
LTE eNB2のプロセッサ20は、LTE eNB2による制御なしにWLANノードを介して、すなわち無線アグリゲーション手法を用いる以外で、コアネットワーク6へ/からユーザプレーンデータを伝達するためにWLANノードとのアソシエーションを開始するための1つ以上の閾値についての情報を備えるLTE無線信号を、RFフロントエンド24およびアンテナ26を介して送信する(ステップ606)。例えば、これらの閾値はさらに、最大WLANチャネル利用値と、最小WLANダウンリンクバックホールレートと、最小WLANアップリンクバックホールレートと、最小ビーコンRSSIと、最小RSRPまたはRSRQレベルとのうちの1つ以上などの、無線および負荷閾値をも含んでもよい。さらにLTE eNB2のプロセッサは、例えば3GPPリリース12へ向けて既に開発中である非アグリゲーションWi−Fiオフロード手法など、LTE eNB2による制御なしにコアネットワーク6とUE8との間でデータを伝送するのに用いることができるWLANアクセスノード4のリストをUE8のベースバンドプロセッサ34が復元できるLTE無線信号を、RFフロントエンド24およびアンテナ26を介して送信してもよい。さらに、ステップ606における上述の閾値は、リリース12無線インターワーキング支援およびルール/条件の一部であってもよい。
【0067】
LTE eNB2が図6に示される無線信号を送信する順序は、図6に示されている順序に限定されない。LTE eNB2は、任意の順序で無線信号を送信してもよく、かつ/または2つ以上の無線信号を同時に送信してもよい。
【0068】
上述の無線信号は、LTE eNB2にアイドルモードでキャンプオンし、情報/命令を無線信号から復元する能力を備えた任意のUE8を対象としたブロードキャストシグナリングの一部であってもよい。例えば無線信号は、1つ以上のシステム情報ブロック(SIB:system information block)を含むブロードキャストシグナリングの一部であってもよい。あるいは無線信号は、単一のUEを対象とした専用シグナリングの一部であってもよい。例えば情報は、RRC接続再設定メッセージまたはRRC接続解放メッセージの一部を構成することができるであろう。
【0069】
図7は、一実施形態によるUEでの一連の動作の例を示す。プロセッサ30、34により実行されるすべての動作は、メモリ22に記憶されているプログラムコードに従う。
【0070】
UE8は、LTE eNB2にアイドルモードでキャンプオンしている。ベースバンドプロセッサ34は、UE8にて検出されたLTE無線信号から上述の情報/命令をすべて復元し、その情報/命令をメモリ32に記憶する。
【0071】
アプリケーションプロセッサ30は、コアネットワーク6に送るべきユーザプレーンデータまたはコアネットワーク6から受信されるべきユーザプレーンデータがあると検出すると、所定のデータフロー/ベアラについて、(i)LTE eNB2だけとのRRC接続を開始するか、(ii)WLANノード4だけとのアソシエーションを開始するか、または(iii)LTE−WLAN無線アグリゲーションのためにLTE eNB2とのRRC接続を開始しかつWLANノードとのアソシエーションを開始するか、を決定する。アプリケーションプロセッサ30はまず、メモリ32に記憶された情報を確認して、WLAN無線信号に関するWLAN測定を実行することの命令、および/またはUE8にて検出されたWLANビーコンからWLAN負荷レベルについての情報(BSS(Basic Service Set:基本サービスセット)負荷など)を読み取ることの命令があるかどうかを判断する(ステップ702)。より詳細には、アプリケーションプロセッサ30は、ベースバンドプロセッサ34によりメモリ32に記憶された「WLAN測定有効化フラグ」が「TRUE」であるかまたは「FALSE」であるかを確認する。
【0072】
その判断が否定的であれば(つまりフラグが「FALSE」)、アプリケーションプロセッサ32は、検出されたWLANノードをいずれもRRC接続リクエストメッセージにおいて識別することなく、ベースバンドプロセッサ34、RFフロントエンド36、およびアンテナ38を介して、LTE eNB2との無線リンクを介したコアネットワーク6へ/からのユーザプレーンデータの伝達のためにLTE eNB2とのRRC接続の確立を開始する。このフラグは、UE8がWLAN測定を実行しなくても、すなわちWiFi無線および負荷条件についてのUE8での発見および記憶された知識を使用しなくても、かつどのWLANノード4が無線アグリゲーションをできるかについての指示を使用しなくても、LTE−WLAN無線アグリゲーションをアクティブ化するためにアイドルモードのUE8がEUTRANにおける接続セットアップを優先すべきかどうかを、LTE eNB2が制御できるようにする。これは例えば、WLANアクセスノードがLTE eNB2と共同設置されていて、ネットワークにより、無線アグリゲーションのために共同設置のWLANアクセスノードを使用することがUE8により検出可能な他のいずれのWLANノードよりも優先される場合に、有用となり得る。
【0073】
他方、ステップ702の判断が肯定的であれば(フラグが「TRUE」)、アプリケーションプロセッサ30は、UE8にて検出されたWLAN無線信号の測定を行うようWiFiモジュール40に命令する。WiFiモジュール40は、検出されたWLAN無線信号から特定された1つ以上のWLANノードID、検出された各WLANノードのビーコンRSSIの測定結果、ならびに検出された各WLANノード4の無線および負荷条件(チャネル利用率、ダウンリンクバックホールレート、およびアップリンクバックホールレートなど)についてWLAN無線信号から復元されたメトリクス情報を含む、検出されたWLAN無線信号についての情報をメモリ32に記憶する。
【0074】
アプリケーションプロセッサ30は、WiFiモジュール40によってメモリ32に記憶されたWLANノードIDのうちの任意の1つ以上が、ベースバンドプロセッサ34によりLTE無線信号から復元されたどのWLANノードが無線アグリゲーション能力を有するかについての情報において識別されたWLANノードIDと一致するかどうかを判断する(ステップ704)。
【0075】
ステップ704の判断が肯定的であれば、アプリケーションプロセッサ30は、WiFiモジュール40によってメモリ32に記憶されたWiFi信号測定情報およびベースバンドプロセッサ34によってメモリ32に記憶された閾値情報に基づき、検出された無線アグリゲーション対応WLANノード4aのいずれかがWLANノードとのアソシエーションを開始する条件を満たすかどうかを判断する(ステップ706)。2つ以上の無線アグリゲーション対応WLANノード4aが条件を満たせば、アプリケーションプロセッサ30は、条件を最もよく満たす無線アグリゲーション対応WLANノード4aを選択する。
【0076】
ステップ706の判断が肯定的であれば、アプリケーションプロセッサ30は、(a)ベースバンドプロセッサ34、RFフロントエンド36、およびアンテナ38を介して、LTE eNB2とのRRC接続の確立を開始し、(b)さらに、LTE eNB2および選択されたWLANノード4aの両方が関与する無線アグリゲーション手法を用いてユーザプレーンデータをコアネットワークへ/から伝達するために、選択されたWLANノードとのアソシエーションをWiFiモジュール40を介して開始する(ステップ712)。アプリケーションプロセッサ30は、できるだけ早くWLAN APアソシエーション手続き(例えば、最大数秒間かかることもあり、典型的には必要なRRC接続をLTE eNB2と確立するのに要する時間よりも長い)を完了するために、動作(a)および(b)を同時に実行してもよい。UE8は、指定された無線および負荷条件を最もよく満たすものとしてアプリケーションプロセッサ30により選択された無線アグリゲーション対応WLANノード4aのIDをLTE eNB2へのRRC接続リクエストメッセージに含める。さらに、選択されたWLANノードの無線および負荷条件(例えばRSSI閾値など)を含めてもよい。次にLTE eNB2のプロセッサ20は、UE8からのこのフィードバック情報に基づいて、すなわちさらなる測定およびレポートのためにUE8を設定する必要なしに、UE8の無線アグリゲーションを確立するかどうか決定してもよい。
【0077】
より一般的には、ステップ710および712におけるRRC接続リクエストは、「Establishment Cause(確立要因)」を、「mo−Date−R13Aggregation」、「mo−Data−NoR12Interworking」、もしくは「mo−Data−R12InterworkingAssociationFailure」として、または同様の要因識別子によって特定してもよい。「mo」は、「mobile originating(モバイル発信)」を表す。
【0078】
ステップ704またはステップ706のいずれかの判断が否定的である場合(またはベースバンドプロセッサ34がUE8にて検出された無線信号からステップ706のための閾値情報を復元していない場合)、アプリケーションプロセッサ30は、WiFiモジュール40によってメモリ32に記憶されたWiFi信号測定情報およびベースバンドプロセッサ34によってメモリ32に記憶された閾値情報に基づき、検出されたWLANノード4のいずれかがWLANノードとのアソシエーションを開始する条件を満たすかどうかを判断する(ステップ708)。2つ以上のWLANノード4が条件を満たせば、アプリケーションプロセッサ30は、条件を最もよく満たすWLANノードを選択する。上述のとおり、LTE eNB2のプロセッサはさらに、例えば3GPPリリース12に既に提案されている非アグリゲーションWi−Fiオフロード手法など、LTE eNB2による制御なしにコアネットワーク6とUE8との間でのデータ伝送に用いることができるWLANアクセスノード4のリストを送信してもよく、UE8は、その選択を、当該リストに含まれたWLANノードに限定してもよい。さらに、ステップ708の上述の閾値/条件は、リリース12無線インターワーキング支援およびルール/条件の一部であってもよい。
【0079】
ステップ708の判断が肯定的であれば、アプリケーションプロセッサは、WLANノード4bを介した、すなわちLTE eNB2による制御なしでの、コアネットワーク6へ/からのユーザプレーンデータの伝達のために、選択されたWLANノード4bとのアソシエーションをWiFiモジュール40を介して開始する(ステップ714)。
【0080】
ステップ708の判断が否定的である場合(またはベースバンドプロセッサ34がステップ708のための閾値情報をUE8にて検出された無線信号から復元していない場合)、アプリケーションプロセッサ30は、RRC接続リクエストメッセージにおいていずれのWLANノードも識別することなく、ベースバンドプロセッサ34、RFフロントエンド36、およびアンテナ38を介して、LTE eNBとの無線リンクを介したコアネットワーク6へ/からのユーザプレーンデータの伝達のためにLTE eNBとのRRC接続の確立を開始する(ステップ710)。
【0081】
LTE eNB2により送信されたLTE無線信号が上述した「リリース13アグリゲーションルール有効化フラグ」を含む場合、ステップ704での肯定的な判断の後、UEアプリケーションプロセッサ30は、ベースバンドプロセッサ34によってメモリ32に記憶されたこのフラグのステータスを確認する。アプリケーションプロセッサ30は、フラグが「TRUE」であればステップ706に進む。フラグが「FALSE」であれば、アプリケーションプロセッサ30は、LTE eNB2とのRRC接続の確立を開始し、例えば(a)信号レベル、負荷、バックホール容量、ユーザスループットのうちの1つ以上の測定に基づくUE実装および/またはIEEE802.11/WiFiアライアンス(WFA:WiFi Alliance)仕様、または(b)一定のWLANノードを選択することの命令などのUE8にて検出されたLTE eNB無線信号から復元された他の何らかの命令などのWLANノードを選択するための他の基準(すなわちステップ706の条件以外の基準)に基づき、検出された無線アグリゲーション対応WLANノード4aのうちの1つとのアソシエーションを開始する。
【0082】
上述した実施形態では、LTE eNB2との新たな接続の開始は、例えば3GPP TS36.331のセクション5.3.3に従って進行してもよく、WLANノード4とのアソシエーションの開始は、例えばIEEE標準802.11のセクション10.3に従って進行してもよい。
【0083】
LTE eNB2のカバレッジエリア内のどのWLANノードが無線アグリゲーション能力を有するかについての情報をアイドルモードのUE8に提供することで、無線および負荷条件を満たす(ただしUE8により検出されたすべてのWLANノードの中で無線および負荷条件を最もよく満たすとは必ずしも限らない)無線アグリゲーションWLANノードとのアソシエーションを、WiFiオフロードのための無線および負荷条件をよりよく満たすが同じ無線アグリゲーション能力をもたないWLANノードよりも優先することが可能になる。
【0084】
上述した実施形態は、UE8にて検出されたLTE eNB2無線信号から復元された閾値情報に基づきWLANノードを選択すること(またはいずれのWLANノードも選択せずLTE eNBとの新たな接続のみ開始すること)を含む。1つの例示の変形では、閾値情報はUEメモリ32に事前に記憶され、閾値情報を無線信号に含めることをLTEネットワークに要求しなくてもアプリケーションプロセッサ30は閾値情報を利用できる。
【0085】
上述した実施形態には、LTE eNB2にアイドルモードでキャンプオンしたUE8が関与する。1つの例示の実施形態では、UE8は、LTE eNB2に既に接続されている(すなわち既にRRC接続モードである)が、UE8は、UE8とコアネットワーク6との間の新たなデータフロー/ベアラのために(例えば新たな通話のために)上述した動作を実行する。
【0086】
適切に適合されたコンピュータプログラムコード製品は、コンピュータにロードされると実施形態を実装するように使用されてもよい。動作を提供するプログラムコード製品は、保持体であるディスク、カード、またはテープなどの保持媒体に記憶されそれによって提供されてもよい。1つの可能性は、プログラムコード製品をデータネットワークを介してダウンロードすることである。実装は、サーバにおいて適切なソフトウェアを用いて提供されてもよい。
【0087】
本発明の実施形態は、集積回路モジュールなどの様々なコンポーネントで実施されてもよい。集積回路の設計は、全体として、高度に自動化されたプロセスである。論理レベルの設計を、すぐに半導体基板上にエッチングおよび形成できる半導体回路設計へと変換するために、複雑かつ強力なソフトウェアツールが利用可能である。
【0088】
カリフォルニア州マウンテンビューのシノプシス社(Synopsys,Inc.)およびカリフォルニア州サンノゼのケイデンスデザイン(Cadence Design)により提供されるものなどのプログラムは、確立した設計規則ならびに事前に記憶された設計モジュールのライブラリを使用して、半導体チップ上で自動的に導体を配線してコンポーネントを配置する。半導体回路の設計が完了すると、結果として生じる設計は、標準化された電子フォーマット(例えばOpus、GDSII、または同様のもの)で、半導体製造施設または「製造工場」に製造のために送られてもよい。
【0089】
明示的に上述した変更に加え、当業者には当然のことながら、記載された実施形態の他の様々な変更が本発明の範囲内で加えられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】別々の無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードのカバレッジエリア内の通信デバイスを示す。
図2図1の無線アクセスノードで使用する装置の例を示す。
図3図1の通信デバイスで使用する装置の例を示す。
図4】別々の無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードが関与する無線アグリゲーション手法の例を示す。
図5】第1無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードにアイドルモードでキャンプオンしている間に、第2無線アクセス技術に従って動作する無線アクセスノードのみを介して通信デバイスとコアネットワークとの間でユーザプレーンデータを送信する例を示す。
図6】一実施形態による無線アクセスノードでの動作の例を示す。
図7】一実施形態による、通信デバイスでの動作の例を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7