(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0050】
概して、OLEDは、アノード及びカソードの間に配置され、それらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加されると、アノードが正孔を注入し、カソードが電子を有機層(複数可)に注入する。注入された正孔及び電子は、逆帯電した電極にそれぞれ移動する。電子及び正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在電子正孔対である「励起子」が形成される。光は、励起子が緩和した際に、光電子放出機構を介して放出される。いくつかの事例において、励起子はエキシマー又はエキサイプレックス上に局在し得る。熱緩和等の無輻射機構が発生する場合もあるが、概して望ましくないとみなされている。
【0051】
初期のOLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4,769,292号において開示されている通り、その一重項状態から光を放出する発光分子(「蛍光」)を使用していた。蛍光発光は、概して、10ナノ秒未満の時間枠で発生する。
【0052】
ごく最近では、三重項状態から光を放出する発光材料(「リン光」)を有するOLEDが実証されている。参照によりその全体が組み込まれる、Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、395巻、151〜154、1998;(「Baldo−I」)及びBaldoら、「Very high−efficiency green organic light emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl.Phys.Lett.、75巻、3号、4〜6(1999)(「Baldo−II」)。リン光については、参照により組み込まれる米国特許第7,279,704号5〜6段において更に詳細に記述されている。
【0053】
図1は、有機発光デバイス100を示す。図は必ずしも一定の縮尺ではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子ブロッキング層130、発光層135、正孔ブロッキング層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、カソード160、及びバリア層170を含み得る。カソード160は、第一の導電層162及び第二の導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。これらの種々の層の特性及び機能並びに材料例は、参照により組み込まれるUS7,279,704、6〜10段において更に詳細に記述されている。
【0054】
これらの層のそれぞれについて、更なる例が利用可能である。例えば、フレキシブル及び透明基板−アノードの組合せは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5、844、363号において開示されている。p−ドープされた正孔輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、50:1のモル比でm−MTDATAにF
4−TCNQをドープしたものである。発光材料及びホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれるThompsonらの米国特許第6,303,238号において開示されている。n−ドープされた電子輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、1:1のモル比でBPhenにLiをドープしたものである。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,703,436号及び同第5,707,745号は、上を覆う透明の、導電性の、スパッタリング蒸着したITO層を持つMg:Ag等の金属の薄層を有する複合カソードを含むカソードの例を開示している。ブロッキング層の理論及び使用は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,097,147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号において更に詳細に記述されている。注入層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において提供されている。保護層についての記述は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において見ることができる。
【0055】
図2は、反転させたOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、及びアノード230を含む。デバイス200は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。最も一般的なOLED構成はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するため、デバイス200は「反転させた」OLEDと称されることがある。デバイス100に関して記述されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層において使用してよい。
図2は、いくつかの層が如何にしてデバイス100の構造から省略され得るかの一例を提供するものである。
【0056】
図1及び2において例証されている単純な層構造は、非限定的な例として提供されるものであり、本発明の実施形態は多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記述されている特定の材料及び構造は、事実上例示的なものであり、他の材料及び構造を使用してよい。機能的なOLEDは、記述されている種々の層を様々な手法で組み合わせることによって実現され得るか、又は層は、設計、性能及びコスト要因に基づき、全面的に省略され得る。具体的には記述されていない他の層も含まれ得る。具体的に記述されているもの以外の材料を使用してよい。本明細書において提供されている例の多くは、単一材料を含むものとして種々の層を記述しているが、ホスト及びドーパントの混合物等の材料の組合せ、又はより一般的には混合物を使用してよいことが理解される。また、層は種々の副層を有してもよい。本明細書における種々の層に与えられている名称は、厳しく限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を発光層220に注入し、正孔輸送層又は正孔注入層として記述され得る。幾つかの実施形態において、OLEDは、カソード及びアノードの間に配置された「有機層」を有するものとして記述され得る。有機層は単層を含んでいてよく、又は、例えば
図1及び2に関して記述されている通りの異なる有機材料の多層を更に含んでいてよい。
【0057】
参照によりその全体が組み込まれるFriendらの米国特許第5,247,190号において開示されているもののようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)等、具体的には記述されていない構造及び材料を使用してもよい。更なる例として、単一の有機層を有するOLEDが使用され得る。OLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第5,707,745号において記述されている通り、積み重ねられてよい。OLED構造は、
図1及び2において例証されている単純な層構造から逸脱してよい。例えば、基板は、参照によりその全体が組み込まれる、Forrestらの米国特許第6,091,195号において記述されている通りのメサ構造及び/又はBulovicらの米国特許第5,834,893号において記述されている通りのくぼみ構造等、アウトカップリングを改良するための角度のついた反射面を含み得る。
【0058】
別段の規定がない限り、種々の実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法によって堆積され得る。有機層について、好ましい方法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,013,982号及び同第6,087,196号において記述されているもの等の熱蒸着、インクジェット、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第6,337,102号において記述されているもの等の有機気相堆積(OVPD)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,431,968号において記述されているもの等の有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による堆積を含む。他の適切な堆積法は、スピンコーティング及び他の溶液ベースのプロセスを含む。溶液ベースのプロセスは、好ましくは、窒素又は不活性雰囲気中で行われる。他の層について、好ましい方法は熱蒸着を含む。好ましいパターニング法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,294,398号及び同第6,468,819号において記述されているもの等のマスク、冷間圧接を経由する堆積、並びにインクジェット及びOVJP等の堆積法のいくつかに関連するパターニングを含む。他の方法を使用してもよい。堆積する材料は、特定の堆積法と適合するように修正され得る。例えば、分枝鎖状又は非分枝鎖状であり、且つ好ましくは少なくとも3個の炭素を含有するアルキル及びアリール基等の置換基は、溶液プロセシングを受ける能力を増強するために、小分子において使用され得る。20個以上の炭素を有する置換基を使用してよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を持つ材料は、対称構造を有するものよりも良好な溶液プロセス性を有し得、これは、非対称材料のほうが再結晶する傾向が低くなり得るからである。溶液プロセシングを受ける小分子の能力を増強するために、デンドリマー置換基が使用され得る。
【0059】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、バリア層を更に含んでいてよい。バリア層の1つの目的は、電極及び有機層を、水分、蒸気及び/又はガス等を含む環境における有害な種への損傷性暴露から保護することである。バリア層は、基板、電極の上、下若しくは隣に、又はエッジを含むデバイスの任意の他の部分の上に堆積し得る。バリア層は、単層又は多層を含んでいてよい。バリア層は、種々の公知の化学気相堆積技術によって形成され得、単相を有する組成物及び多相を有する組成物を含み得る。任意の適切な材料又は材料の組合せをバリア層に使用してよい。バリア層は、無機若しくは有機化合物又は両方を組み込み得る。好ましいバリア層は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,968,146号、PCT特許出願第PCT/US2007/023098号及び同第PCT/US2009/042829号において記述されている通りの、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物を含む。「混合物」とみなされるためには、バリア層を構成する前記のポリマー及び非ポリマー材料は、同じ反応条件下で及び/又は同時に堆積されるべきである。ポリマー材料対非ポリマー材料の重量比は、95:5から5:95の範囲内となり得る。ポリマー材料及び非ポリマー材料は、同じ前駆体材料から作成され得る。一例において、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物は、ポリマーケイ素及び無機ケイ素から本質的になる。
【0060】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、テレビ、掲示板、屋内若しくは屋外照明及び/又は信号送信用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ファインダー、マイクロディスプレイ、3−Dディスプレイ、車、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、或いは看板を含む多種多様な消費者製品に組み込まれ得る。パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスを含む種々の制御機構を使用して、本発明に従って製作されたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、摂氏18度から摂氏30度、より好ましくは室温(摂氏20〜25度)等、ヒトに快適な温度範囲内での使用が意図されているが、この温度範囲外、例えば、摂氏−40度〜+80度で用いることもできる。
【0061】
本明細書において記述されている材料及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有し得る。例えば、有機太陽電池及び有機光検出器等の他の光電子デバイスが、該材料及び構造を用い得る。より一般的には、有機トランジスタ等の有機デバイスが、該材料及び構造を用い得る。
【0062】
本明細書において、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
【0063】
本明細書において、「アルキル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルキル基のいずれをも意味する。好ましいアルキル基としては、1〜15個の炭素原子を含むアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどを含む。更に、前記アルキル基は、置換されていてもよい。
【0064】
本明細書において、「シクロアルキル」という用語は、環状アルキル基を意味する。好ましいシクロアルキル基としては、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル基であり、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。更に、前記シクロアルキル基は置換されていてもよい。
【0065】
本明細書において、「アルケニル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルケニル基のいずれをも意味する。好ましいアルケニル基としては、2〜15個の炭素原子を含むアルケニル基である。更に、前記アルケニル基は、置換されていてもよい。
【0066】
本明細書において、「アルキニル」という用語は、直鎖及び分岐鎖アルキン基のいずれをも意味する。好ましいアルキル基は、2〜15個の炭素原子を含むアルキニル基である。更に、前記アルキニル基は置換されていてもよい。
【0067】
本明細書において、「アラルキル」又は「アリールアルキル」という用語は、置換基として芳香族基を有するアルキル基を意味する。更に、前記アラルキル基は、置換されていてもよい。
【0068】
本明細書において、「ヘテロ環基」という用語は、非芳香族環基を意味する。好ましいヘテロ非芳香族環基は、3又は7個の環原子を含む少なくとも1つのヘテロ原子であり、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノなどの環状アミンを含み、及びテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテルを含む。更に、前記ヘテロ環基は、置換されていてもよい。
【0069】
本明細書において、「アリール」又は「芳香族基」は、単環及び多環系を意味する。多環とは、2つの隣接する環(前記環は、「縮合」している)により2つの炭素が共有されている2つ以上の環を有することができ、前記環の少なくとも1つは、芳香族であり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環、及び/又はヘテロアリールである。更に、前記アリール基は、置換されていてもよい。
【0070】
本明細書において、「ヘテロアリール」は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、及びピリミジンなど、1〜3個のヘテロ原子を含む単環の複素芳香族基を意味する。ヘテロアリールという用語も、2つの隣接する環(前記環は、「縮合」している)により2つの原子が共されている2つ以上の環を有する多環のヘテロ芳香族系を含み、前記環の少なくとも1つは、ヘテロアリールであり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環、及び/又はヘテロアリールであることができる。更に、前記ヘテロアリールは、置換されていてもよい。
【0071】
前記アルキル、前記シクロアルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記アラルキル、前記ヘテロ環、前記アリール、及び前記ヘテロアリールは、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組合せから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0072】
本明細書において、「置換(された)」という用語は、水素以外の置換基が関連している炭素又は窒素原子に結合していることを示す。したがって、R
1が一置換である場合、R
1は水素以外でなくてはならない。同様に、R
1が二置換である場合、R
1のうちの2つは、水素以外でなくてはならない。同様に、R
1が無置換である場合、R
1は全ての置換位置において水素である。
【0073】
拡張された共役を有するヘテロレプティックIr(III)錯体を含む化合物が提供される。ヘテロレプティックイリジウム錯体は、その光物理的性質、熱的性質、及び電子的性質を金属中心に結合する配位子に応じて調節することができるので重要である。ヘテロレプティックイリジウム錯体を用いることの一つの利点は、ホモレプティックIr(III)錯体と比べて、改善されたデバイス寿命をもたらし、且つより低い昇華温度を有することから製造を改善することである。例えば、2−フェニルピリジンと2−(ビフェニル−3−イル)ピリジンを含むヘテロレプティック錯体は、関連するホモレプティック錯体に比べて改善した寿命を示す。更に、ヘテロレプティック錯体の昇華温度は、ホモレプティック錯体よりも約70℃低い。米国特許第8,119,255号参照。本明細書に開示するヘテロレプティック錯体などの、改善した安定性と低い昇華温度を示すヘテロレプティック錯体は、OLEDにおける使用に非常に望ましい。中でも、ヘテロレプティックIr(III)錯体は、白色有機発光デバイス(WOLED)における使用に特に望ましい場合がある。
【0074】
アルキル置換2−フェニルピリジン配位子を含むイリジウム錯体が、リン光OLEDにおける発光体として用いられている。2−フェニルピリジン配位子のフェニル環の4位におけるアルキル置換は、通常、デバイス効率を低下させる。例えば、トリス(2−(5−メチル−フェニル)ピリジン)イリジウム(III)を含むデバイスは、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)に比べて、遥かに低い外部量子効率(EQE)を示した。12%の発光体ドーピング濃度で4,4’−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,1’−ビフェニル(CBP)をホストとして用いる同一のデバイス構造において、トリス(2−(5−メチル−フェニル)ピリジン)イリジウム(III)を含むデバイスは、6.6%のEQEを示したが、一方でトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)を含むデバイスは、9.0%のEQEを示した。したがって、この位置におけるアルキル置換の導入は、望ましいと考えられていない。本発明においては、フェニルピリジン配位子のフェニル環の4−アルキル置換が、ヘテロレプティック錯体でのデバイスのEQEを改善することができることを発見した。
【0075】
幾つかの実施形態においては、次式で表される化合物が提供される。
【化12】
式Iの化合物において、L
Aは、
【化13】
であり、L
Bは、
【化14】
からなる群から選択され、
R
Eは、モノ又はジ置換、若しくは無置換であり、R
2、R
A、及びR
Dは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、Xは、O、S、及びSeからなる群から選択され、R
1、R
2、R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0076】
幾つかの実施形態においては、L
Bは、下記からなる群から選択される。
【化15】
【化16】
【0077】
幾つかの実施形態においては、L
Bは、
【化17】
であり、式中、R
Gは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、R
Gは、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0078】
L
Bが式(VI)である幾つかの実施形態においては、R
B及びR
Eが無置換を表し、R
F及びR
Gが、それぞれ独立して、水素、重水素、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、及びこれらの組合せからなる群から選択される。L
Bが式(VI)である幾つかの実施形態においては、R
Gはフッ素である。
【0079】
幾つかの実施形態においては、L
Aは、下記のL
A1〜L
A86からなる群から選択される。
【化18】
【化19】
【化20】
【0080】
幾つかの実施形態においては、L
Aは、下記のL
A87〜L
A172からなる群から選択される。
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【0081】
幾つかの実施形態においては、L
Aは、L
A1、L
A2、L
A3、L
A4、L
A5、及びL
A61からなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A1である。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A2である。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A3である。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A4である。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A5である。幾つかの実施形態においては、L
AはL
A61である。
【0082】
幾つかの実施形態においては、L
Bは、下記のL
B1〜L
B259からなる群から選択される。
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0083】
幾つかの実施形態においては、L
Bは、L
B57、L
B58、L
B61、L
B67、及びL
A69からなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、L
BはL
B57である。幾つかの実施形態においては、L
BはL
B58である。幾つかの実施形態においては、L
BはL
B61である。幾つかの実施形態においては、L
BはL
B67である。幾つかの実施形態においては、L
BはL
B69である。
【0084】
幾つかの実施形態においては、L
Aが式IIであり、L
Bが式IIIである。L
Aが式IIであり、L
Bが式IIIである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Aで表される。
【化42】
式I−Aの化合物において、R
2及びR
Aは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
A、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0085】
幾つかの実施形態においては、L
Aが式IIであり、L
Bが式IVである。L
Aが式IIであり、L
Bが式IVである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Bで表される。
【化43】
式I−Bの化合物において、R
2及びR
Dは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
B、R
D、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0086】
幾つかの実施形態においては、L
Aが式IIであり、L
Bが式Vである。L
Aが式IIであり、L
Bが式Vである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Cで表される。
【化44】
式I−Cの化合物において、R
Eは、モノ又はジ置換、若しくは無置換であり、R
2は、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、及びX
4は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
B、R
E、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0087】
幾つかの実施形態においては、mは1である。幾つかの実施形態においては、mは2である。
【0088】
幾つかの実施形態においては、XはOである。幾つかの実施形態においては、XはSである。幾つかの実施形態においては、XはSeである。
【0089】
幾つかの実施形態においては、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5の2個以下が窒素である。幾つかの実施形態においては、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5の1個以下が窒素である。幾つかの実施形態においては、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5が炭素である。
【0090】
幾つかの実施形態においては、R
3は、少なくとも2個の炭素を有するアルキルである。幾つかの実施形態においては、R
3は、少なくとも3個の炭素を有するアルキルである。幾つかの実施形態においては、R
3はシクロアルキルである。幾つかの実施形態においては、R
3は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルからなる群から選択され、これらは部分的に又は完全に重水素化されていてもよい。
【0091】
幾つかの実施形態においては、R
1は、水素、重水素、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0092】
幾つかの実施形態においては、R
2は無置換を表す。
【0093】
幾つかの実施形態においては、R
Fは、水素、重水素、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、及びこれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、R
Fはフッ素である。
【0094】
幾つかの実施形態においては、R
C、R
D、及びR
Eは、それぞれ無置換を表す。
【0095】
幾つかの実施形態においては、式Iの化合物は、下記の化合物I−1〜化合物I−15からなる群から選択される。
【化45】
【化46】
【化47】
【0096】
幾つかの実施形態においては、式Iの化合物は、下記の化合物I−16〜化合物I−19からなる群から選択される。
【化48】
【0097】
幾つかの実施形態においては、第1のデバイスが提供される。前記第1のデバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置され、次式で表される化合物を含む有機層とを含む。
【化49】
式Iの化合物において、L
Aは、
【化50】
であり、L
Bは、
【化51】
からなる群から選択され、
R
Eは、モノ又はジ置換、若しくは無置換であり、R
2、R
A、及びR
Dは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、Xは、O、S、及びSeからなる群から選択され、R
1、R
2、R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0098】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置され、式I−Aで表される化合物を含む有機層とを含む。L
Aが式IIであり、L
Bが式IIIである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Aで表される。
【化52】
式I−Aの化合物において、R
2及びR
Aは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
A、R
C、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0099】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置され、式I−Bで表される化合物を含む有機層とを含む。L
Aが式IIであり、L
Bが式IVである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Bで表される。
【化53】
式I−Bの化合物において、R
2及びR
Dは、それぞれ独立して、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
B、R
D、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0100】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置され、式I−Cで表される化合物を含む有機層とを含む。L
Aが式IIであり、L
Bが式Vである幾つかの実施形態においては、前記化合物は式I−Cで表される。
【化54】
式I−Cの化合物において、R
Eは、モノ又はジ置換、若しくは無置換であり、R
2は、モノ、ジ又はトリ置換、若しくは無置換であり、R
1、R
B、及びR
Fは、それぞれ独立して、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換、若しくは無置換であり、X
1、X
2、X
3、X
4、及びX
5は、それぞれ独立して、炭素又は窒素であり、R
1、R
2、R
B、R
E、及びR
Fは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、アルキル、シクロアルキル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、R
3は、部分的に又は完全に重水素化されていてもよく、mは、1又は2である。
【0101】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスは、照明パネルを含む。
【0102】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記有機層が発光層であり、前記化合物が非発光性ドーパントである。
【0103】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記有機層が更にホストを含む。
【0104】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記ホストは、ベンゾ縮合チオフェン又はベンゾ縮合フランを含むトリフェニレンを含み、前記ホスト中の任意の置換基は、C
nH
2n+1、OC
nH
2n+1、OAr
1、N(C
nH
2n+1)
2、N(Ar
1)(Ar
2)、CH=CH−C
nH
2n+1、C≡CC
nH
2n+1、Ar
1、Ar
1−Ar
2、C
nH
2n−Ar
1からなる群から独立して選択される非縮合置換基である又は無置換であり、nは、1〜10であり、Ar
1及びAr
2は、独立して、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、トリフェニレン、カルバゾール、及びこれらのヘテロ芳香族類似体からなる群から選択される。
【0105】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記ホストは、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、アザカルバゾール、アザ−ジベンゾチオフェン、アザ−ジベンゾフラン、及びアザ−ジベンゾセレノフェンからなる群から選択される少なくとも1つの化学基を含む。
【0106】
幾つかの実施形態においては、前記ホストは、
【化55】
及びこれらの組合せからからなる群から選択される。
【0107】
幾つかの実施形態においては、前記第1のデバイスの前記ホストは、金属錯体を含む。
【0108】
幾つかの実施形態においては、式Iの化合物を含む組成物が提供される。
他の材料との組合せ
【0109】
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書において記述されている材料は、デバイス中に存在する多種多様な他の材料と組み合わせて使用され得る。例えば、本明細書において開示されている発光性ドーパントは、多種多様なホスト、輸送層、ブロッキング層、注入層、電極、及び存在し得る他の層と併せて使用され得る。以下で記述又は参照される材料は、本明細書において開示されている化合物と組み合わせて有用となり得る材料の非限定的な例であり、当業者であれば、組み合わせて有用となり得る他の材料を特定するための文献を容易に閲覧することができる。
HIL/HTL:
【0110】
本発明の実施形態において使用される正孔注入/輸送材料は特に限定されず、その化合物が正孔注入/輸送材料として典型的に使用されるものである限り、任意の化合物を使用してよい。材料の例は、フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フッ化炭化水素を含有するポリマー;伝導性ドーパントを持つポリマー;PEDOT/PSS等の導電性ポリマー;ホスホン酸及びシラン誘導体等の化合物に由来する自己集合モノマー;MoO
x等の金属酸化物誘導体;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル等のp型半導体有機化合物;金属錯体、並びに架橋性化合物を含むがこれらに限定されない。
【0111】
HIL又はHTL中に使用される芳香族アミン誘導体の例は、下記の一般構造:
【化56】
を含むがこれらに限定されない。
【0112】
Ar
1からAr
9のそれぞれは、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基である2から10個の環式構造単位からなる群から選択され、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して、互いに結合している。ここで、各Arは、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0113】
幾つかの実施形態において、Ar
1からAr
9は、
【化57】
からなる群から独立に選択される。
【0114】
kは1から20までの整数であり;X
101からX
108はC(CHを含む)又はNであり;Z
101はNAr
1、O、又はSであり;Ar
1は、上記で定義したものと同じ基を有する。
【0115】
HIL又はHTL中に使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化58】
を含むがこれに限定されない。
【0116】
Metは金属であり;(Y
101−Y
102)は二座配位子であり、Y
101及びY
102は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;L
101は別の配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、k’+k’’は、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0117】
幾つかの実施形態において、(Y
101−Y
102)は2−フェニルピリジン誘導体である。
【0118】
幾つかの実施形態において、(Y
101−Y
102)はカルベン配位子である。
【0119】
幾つかの実施形態において、Metは、Ir、Pt、Os及びZnから選択される。
【0120】
更なる態様において、金属錯体は、Fc
+/Fcカップルに対して、溶液中で約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
ホスト:
【0121】
本発明の有機ELデバイスの発光層は、発光材料として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、前記金属錯体をドーパント材料として用いるホスト材料を含んでいてもよい。前記ホスト材料の例は、特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントのものより大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。下記の表において、各色を発光するデバイスに好ましいホスト材料が分類されているが、三重項の基準が満たされれば、いずれのホスト材料もいずれのドーパントと共に用いてもよい。
【0122】
ホスト材料として使用される金属錯体の例は、下記の一般式を有することが好ましい。
【化59】
【0123】
Metは金属であり;(Y
103−Y
104)は二座配位子であり、Y
103及びY
104は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;L
101は他の配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、k’+k’’は、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0124】
幾つかの実施形態において、金属錯体は、下記の錯体である。
【化60】
【0125】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。
【0126】
幾つかの実施形態において、Metは、Ir及びPtから選択される。
【0127】
更なる態様において、(Y
103−Y
104)はカルベン配位子である。
【0128】
ホスト材料として使用される有機化合物の例は、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基であり、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して互いに結合している2から10個の環式構造単位からなる群から選択される。各基は、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0129】
幾つかの実施形態において、ホスト化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化61】
【0130】
R
101からR
107は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0131】
kは、1から20までの整数であり;k’’’は、0から20までの整数である。
【0132】
X
101からX
108はC(CHを含む)又はNから選択される。
【0133】
Z
101及びZ
102はNR
101、O、又はSである。
HBL:
【0134】
正孔ブロッキング層(HBL)を使用して、発光層から出る正孔及び/又は励起子の数を低減させることができる。デバイスにおけるそのようなブロッキング層の存在は、ブロッキング層を欠く同様のデバイスと比較して大幅に高い効率をもたらし得る。また、ブロッキング層を使用して、発光をOLEDの所望の領域に制限することもできる。
【0135】
幾つかの実施形態において、前記HBL中に使用される前記化合物は、上述したホストとして使用されるものと同じ分子を含有する。
【0136】
幾つかの実施形態において、前記HBL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化62】
【0137】
kは1から20までの整数であり;L
101は他の配位子であり、k’は1から3までの整数である。
ETL:
【0138】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送することができる材料を含み得る。電子輸送層は、真性である(ドープされていない)か、又はドープされていてよい。ドーピングを使用して、伝導性を増強することができる。ETL材料の例は特に限定されず、電子を輸送するために典型的に使用されるものである限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0139】
幾つかの実施形態において、前記ETL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群の少なくとも1つを含有する。
【化63】
【0140】
R
101は、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0141】
Ar
1からAr
3は、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0143】
X
101からX
108はC(CHを含む)又はNから選択される。
【0144】
幾つかの実施形態において、前記ETL中に使用される金属錯体は、下記の一般式を含有するがこれらに限定されない。
【化64】
【0145】
(O−N)又は(N−N)は、原子O、N又はN、Nに配位された金属を有する二座配位子であり;L
101は他の配位子であり;k’は、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値である。
【0146】
OLEDデバイスの各層中に使用される任意の上記で言及した化合物において、水素原子は、部分的に又は完全に重水素化されていてよい。故に、メチル、フェニル、ピリジル等であるがこれらに限定されない任意の具体的に挙げられている置換基は、それらの重水素化されていない、部分的に重水素化された、及び完全に重水素化されたバージョンを包含する。同様に、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール等であるがこれらに限定されない置換基のクラスは、それらの重水素化されていない、部分的に重水素化された、及び完全に重水素化されたバージョンも包含する。
【0147】
本明細書において開示されている材料に加えて且つ/又はそれらと組み合わせて、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、励起子/正孔ブロッキング層材料、電子輸送及び電子注入材料がOLEDにおいて使用され得る。OLED中で本明細書において開示されている材料と組み合わせて使用され得る材料の非限定的な例を、以下の表3に収載する。表3は、材料の非限定的なクラス、各クラスについての化合物の非限定的な例、及び該材料を開示している参考文献を収載する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【実施例】
【0148】
化合物実施例
本明細書で用いる化学略語は次の通りである。DMFは、ジメチルホルムアミドを、DCMは、ジクロロメタンを表す。
【0149】
実施例1
化合物I−1の合成
【化65】
【0150】
イリジウム前駆体(2.5g、3.37mmol)(合成方法については、US2011227049に開示)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(2.15g、6.07mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−1(1.8g、収率60.6%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0151】
実施例2
化合物I−2の合成
【化66】
【0152】
イリジウム前駆体(2.5g、3.25mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(2.071g、5.85mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−2(1.88g、収率63.6%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0153】
実施例3
化合物I−3の合成
【化67】
【0154】
イリジウム前駆体(2.5g、3.25mmol)、8−(5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(2.071g、5.85mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−3(1.75g、収率59.2%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0155】
実施例4
化合物I−4の合成
【化68】
【0156】
イリジウム前駆体(2.0g、2.507mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.599g、4.51mmol)、2−エトキシエタノール(25mL)及びDMF(25mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−4(1.18g、収率50.2%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0157】
実施例5
化合物I−5の合成
【化69】
【0158】
イリジウム前駆体(1.55g、1.943mmol)、8−(4−(4−イソブチルフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.525g、3.89mmol)及びエタノール(60mL)の混合物を85℃で3日間加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−5(1.0g、収率52.7%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0159】
実施例6
化合物I−6の合成
【化70】
【0160】
イリジウム前駆体(2.2g、2.76mmol)、2−メチル−8−(4−フェニルピリジン−2−イル)ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.669g、4.96mmol)及びエタノール(100mL)の混合物を85℃で3日間加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−6(1.1g、収率43.3%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0161】
実施例7
化合物I−7の合成
【化71】
【0162】
イリジウム前駆体(1.8g、2.256mmol)、8−(4−(4−フルオロ−3−イソブチルフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.482g、4.51mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−7(1.00g、収率44.6%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0163】
実施例8
化合物I−8の合成
【化72】
【0164】
8−(4−(4−フルオロ−3,5−ジイソプロピルフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(2.325g、5.30mmol)及び前記イリジウム前駆体(2.35g、2.95mmol)を、DMF40mL及び2−エトキシエタノール40mLを含む反応フラスコに入れた。この混合物を窒素で脱気し、次いで油浴中130℃で18時間加熱した。溶媒を真空下で除去した。粗残渣をシリカゲルプラグに通した。この粗残渣を、DCM/ヘプタンをカラム溶出に用いるシリカゲルカラムに通した。清澄な画分を合一し、真空下で濃縮して、化合物I−8(1.6g、収率53.1%)を橙色固体として得た。LC−MS分析により、所望生成物のマスであることを確認した。
【0165】
実施例9
化合物I−9の合成
【化73】
【0166】
イリジウム前駆体(2.5g、3.13mmol)、8−(5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.99g、5.64mmol)、2−エトキシエタノール(30mL)及びDMF(30mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−9(1.6g、収率57.5%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0167】
実施例10
化合物I−10の合成
【化74】
【0168】
イリジウム前駆体(2.5g、3.03mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.931g、5.45mmol)及びエタノール(100mL)の混合物を85℃で3日間加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−10(1.3g、収率44.5%)を得て、これをLC−MSで確認した。
実施例11
化合物I−11の合成
【化75】
【0169】
イリジウム前駆体(2.5g、3.03mmol)、8−(4−(4−イソブチルフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(2.138g、5.45mmol)及びエタノール(100mL)の混合物を85℃で3日間加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−11(2.3g、収率76.0%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0170】
実施例12
化合物I−12の合成
【化76】
【0171】
イリジウム前駆体(1.9g、2.30mmol)、8−(4−(4−フルオロ−3−イソブチルフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.51g、3.68mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−12(1.5g、収率63.8%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0172】
実施例13
化合物I−13の合成
【0173】
イリジウム前駆体(2.5g、3.03mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.931g、5.45mmol)及びエタノール(120mL)の混合物を85℃で3日間加熱した。溶媒混合物を真空下で蒸発させた。残渣をショートシリカプラグに通した。得られた混合物を、DCM/ヘプタンを溶離液とするシリカゲルカラムで更に精製して、化合物I−13(0.75g、収率25.7%)を得て、これをLC−MSで確認した。
【0174】
実施例14
化合物I−14の合成
【0175】
8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.740g、4.91mmol)及び前記イリジウム前駆体(2.1g、2.73mmol)を、エタノール100mLを含む反応フラスコに入れた。この混合物を窒素で脱気し、次いで3日間還流加熱した。溶媒を真空下で除去した。粗残渣をシリカゲルプラグに通した。濾液を真空下で濃縮した。粗残渣を、DCM/ヘプタンをカラム溶出に用いるシリカゲルカラムに通した。清澄な画分を合一し、真空下で濃縮して、化合物I−14(0.9g、収率36.3%)を橙色固体として得た。LC−MS分析により、所望生成物のマスであることを確認した。
【0176】
実施例15
化合物I−15の合成
【化77】
【0177】
8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.876g、5.29mmol)及びイリジウム前駆体(2.5g、2.94mmol)を、エタノール100mLを含む反応フラスコに入れた。この混合物を窒素で脱気し、次いで85℃に設定した油浴中で3日間加熱した。加熱を止めた。反応混合物を真空下で濃縮した。粗残渣をDCMに溶解させ、シリカゲルプラグに通した。次いで、この粗残渣をDCM/ヘプタンで溶出する2×300gシリカゲルカラムに通した。清澄な生成物画分を合一し、真空下で濃縮して、化合物I−15(1.52g、収率52.2%)を橙色固体として得た。LC−MS分析により、所望生成物のマスであることを確認した。
【0178】
実施例16
化合物I−16の合成
【化78】
【0179】
前記イリジウム前駆体(2.0g、2.342mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.494g、4.22mmol)、DMF25mL及び2−エトキシエタノール25mLを、250mLの一口丸底フラスコ中で合わせた。冷却管を取り付けた後、系を窒素で3回脱気した。反応物を130℃に設定した油浴中で一晩加熱した。反応物を粘調な橙色固体になるまで濃縮した。この固体を200mLの温DCMに一部溶解させ、DCMを含むフリットブフナー漏斗中のシリカゲル200mgに通して濾過した。濾液を0.84gの橙色固体まで濃縮した。この0.84g試料を75/25〜25/75ヘプタン/DCM溶媒系を用いるシリカゲルで精製し、0.45gの橙黄色固体を収率19.3%で得た。HPLCから純度が99.7%であることが示され、LC/MSにより、得られた固体が所望化合物のマスを有することが示された。
【0180】
実施例17
化合物I−17の合成
【化79】
【0181】
イリジウム前駆体(2.3g、2.69mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.72g、4.85mmol)、2−エトキシエタノール(40mL)及びDMF(40mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルの小プラグに通し濾過して、更にクロマトグラフィーを行い、所望生成物0.69gを得た(収率26%)。
【0182】
実施例18
化合物I−18の合成
【化80】
【0183】
イリジウム前駆体(1.3g、1.37mmol)、2−メチル−8−(ピリジン−2−イル)ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−d
6(0.65g、2.46mmol)、2−エトキシエタノール(20mL)及びDMF(20mL)の混合物を130℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルの小プラグに通し濾過して、更にクロマトグラフィーを行い、所望生成物0.76gを得た(収率55%)。(1.52g、収率52.2%)橙色固体として。LC−MS分析により、所望生成物のマスであることを確認した。
【0184】
実施例19
化合物I−19の合成
【化81】
【0185】
前記イリジウム前駆体(2.5g、2.93mmol)、8−(4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−2−メチルベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(1.867g、5.27mmol)、DMF25mL及び2−エトキシエタノール25.0mLを、250mLの一口丸底フラスコ中で合わせた。冷却管を取り付けた後、系を窒素で3回脱気した。反応物を130℃に設定した油浴中で一晩加熱した。反応物を粘調な橙色固体になるまで濃縮した。この固体をDCM100mLに溶解させ、DCMを含むフリットブフナー漏斗中のシリカゲル200gに通して濾過した。濾液を2.3gの橙色固体まで濃縮した。この固体を25/75〜15/85ヘプタン/DCM溶媒系を用いるシリカゲルで更に精製し、0.75gの橙黄色固体を得た(収率25.8%)。HPLCから純度が254nmで99.5%であることが示され、LC/MSにより、得られた固体が所望化合物のマスを有することが示された。
【0186】
デバイス実施例
デバイス実施例はいずれも、高真空(<10
−7トール)熱蒸着によって作成した。アノード電極は1200Åのインジウムスズ酸化物(ITO)である。カソードは、10ÅのLiF、続いて1,000ÅのAlからなるものであった。デバイスはいずれも、作成直後に、窒素グローブボックス(<1ppmのH
2O及びO
2)中、エポキシ樹脂で密閉したガラスの蓋でカプセル化されており、水分ゲッターをパッケージの内側に組み込んだ。
【0187】
デバイス実施例の有機積層は、下記の構造を順次有する:ITO表面から、正孔注入層(HIL)として化合物Bを100Å、正孔輸送層(HTL)として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)を300Å、発光層(EML)として、ホストとしての化合物Cにドープした本発明化合物を300Å、ブロッキング層として化合物Cを50Å、及びETLとしてAlq
3(トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)を450Å。化合物AをEML中の発光体として用いたこと以外はデバイス実施例と同様にして、化合物Aを含む比較例を作成した。
【0188】
これらのデバイスから得られたデバイスの結果及びデータを表1及び2にまとめる。本明細書中、NPD、Alq、化合物A、化合物B、及び化合物Cは、下記の構造を有する。
【化82】
【表2】
【表3】
【0189】
表3に各デバイスの性能をまとめる。外部量子効率(EQE)は1000ニトで測定した。表3に示すように、本発明の化合物I−2と化合物I−4を用いて作成したデバイスは、比較化合物Aを用いて作成したデバイスと同様の色を示した。しかしながら、化合物I−2と化合物I−4を含むデバイスのEQEは、比較化合物Aを含むデバイスよりも遥かに高かった。したがって、フェニルピリジンにおけるフェニル環の4位にアルキル基を有する化合物で作成したデバイスは、この位置に水素を有する化合物よりも遥かに高いEQEを示した。
【0190】
本明細書において記述されている種々の実施形態は、単なる一例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。例えば、本明細書において記述されている材料及び構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料及び構造に置き換えることができる。したがって、特許請求されている通りの本発明は、当業者には明らかとなるように、本明細書において記述されている特定の例及び好ましい実施形態からの変形形態を含み得る。なぜ本発明が作用するのかについての種々の理論は限定を意図するものではないことが理解される。