(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709911
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】指先を潤す器具
(51)【国際特許分類】
B43M 11/00 20060101AFI20200608BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
B43M11/00 B
B65D83/00 G
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-86759(P2016-86759)
(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公開番号】特開2017-196737(P2017-196737A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】515307272
【氏名又は名称】千葉 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100178102
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 晃
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂雄
【審査官】
藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3199616(JP,U)
【文献】
特開2014−231373(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0226176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43M 1/00−99/00
B65D 83/00
B65D 83/08−83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジ袋・ポリ袋の開口又は書類・紙幣の捲り作業の際に指先を潤すための器具であって、
貯水タンク及び前記貯水タンクに着脱自在に着設された給水キャップを具備する給水部と、
前記給水部を支持する本体部と、
を有し、
前記給水キャップの底部には給水孔が形成された薄厚の金属板が着設され、
前記給水キャップの底部近傍には通気孔が形成され、
前記給水孔に指先を接触させることにより前記貯水タンク内の水が前記給水孔を通過し前記指先を潤すことを特徴とする器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリ袋を開口したり、書類・紙幣を捲るなどの作業を行い易くするために、指先を潤す器具に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等において購入物を入れるポリオレフィン製のポリ袋(通称「レジ袋」)や、濡れ物を区別して入れる極薄のポリ袋は、乾いた手では開きにくいため、多くの店では、濡れ雑巾又は水分を含ませた海綿を置いて、客に使用させている。しかしながら、不特定多数の消費者が指をつける濡れ雑巾や海綿は抵抗を感じる消費者が多く、店の側も乾燥防止や衛生面において、こまめな管理が必要となる。
【0003】
また、事務所等において書類を捲ったり紙幣を数えたりする際には、水で湿らせた事務用の海綿に指をつけたり、ゴム製のサックを指にはめるなどすることが多く、迂遠である。
【0004】
上述の問題を踏まえ、出願人は下記特許文献において、上記レジ袋等を開口するに必要な水分だけを指先に供給し、濡れ雑巾等を使用せず、容易に指を潤すことができる器具を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3199616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人が提案した上記「指先を潤す器具」は、
図3に示すように、貯水タンク11及び該貯水タンクに着脱自在に着設された給水キャップ12を具備する給水部1と、給水部1を支持する本体部2とを有し、給水キャップ12の底部に直径3mmの給水孔131を有する小キャップ13が着脱自在に着設されている構成になっており、給水孔131に指先を接触させることにより貯水タンク11内の水が給水孔131を通過し指先を潤すという構造のものであった。
【0007】
しかしながら、前記給水孔の構造では、ポリ袋等の開口や書類・紙幣等の捲り作業時に指先を潤す水量としては、やや多すぎて使用感が悪いものとなっていた。一方、水量を減らすために前記給水孔の直径を小さくすると、指先で給水孔に触れても、指先表面が水に触れないことがあり、この場合は毛細管現象の原理が働かず、水が全く出ないといった不具合が生じていた。
【0008】
上述の問題に鑑み、本発明に係る指先を潤す器具においては、特許文献1で提案した前記器具の給水孔及びその近傍の構造と素材を変えることにより、タンク内の水量に関わらず、ポリ袋等の開口や書類・紙幣等の捲り作業時に指先を潤すのに適量の水量を確実に供給することができる器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本考案に係る器具は、貯水タンク及び前記貯水タンクに着脱自在に着設された給水キャップを具備する給水部と、前記給水部を支持する本体部を有し、前記給水キャップの底部には、給水孔が形成された薄厚の金属板が着設され、前記給水キャップの底部近傍には通気孔が形成され、前記給水孔に指先を接触させることにより前記
貯水タンク内の水が前記給水孔を通過し前記指先を潤すことを特徴とする。
【0010】
前記先行技術文献の器具との差異点、すなわち本願発明の特定技術は、(1)前記器具において採用した金属製の小キャップの給水孔からの給水を廃し、給水キャップの下端に着設された極薄の金属板に設けた給水孔からの給水としたこと、(2)給水キャップの底部近傍に通気孔を形成したこと、の2点である。この構成により、給水孔部分を薄くできたため、水が出過ぎないよう給水孔の直径を小さくしても、指先が確実に水に触れることができるようになった。また、通気孔から空気が入ることによりタンク内が負圧になることを回避することができ、給水機能が安定した。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、タンク内の水量に関わらず、指先で給水孔に触れることにより、ポリ袋等の開口や書類・紙幣等の捲り作業に必要十分な量の水を確実に得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本実施形態に係る器具の部品構成を示す斜視図である。
【
図3】先行技術文献(実用新案登録第3199616号)に係る器具の縦断面図である。
【
図4】本実施形態の器具の給水キャップの、(A)縦断面図、(B)底面図、(C)金属板(抗菌ステンレス板)の部分拡大図、である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の指先を潤す器具について、先行技術文献(実用新案登録第3199616号、以下単に「前考案」という)との違いについて、図を用いて説明する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の器具は前考案の器具と同様、給水部1及び本体部2を基本部品とする。このうち、本体部2の構成は前考案と変わらない。一方、給水部1の構成は、前考案では
図3に示すようなものであった。すなわち、給水キャップ12には、金属製の小キャップ13が着脱自在に着設されており、小キャップ13の底部に直径3mmの給水孔131が配設されていた。この構成では、タンク内の水量により給水量が多くなり過ぎる場合があり、給水孔の直径を小さくする必要があったが、逆に給水孔が小さすぎる場合には、給水孔部分の金属の厚さとタンク内の圧力により、指先表面が水に触れることができず、給水自体が不可能になることがあった。
【0015】
これに対し、本発明においては小キャップ13を廃し、
図4に示すように、給水キャップ12の底部に抗菌ステンレス板5を着設した。ステンレス板5の中心には直径1mmの給水孔51が形成されている。ステンレス板5の厚さは0.1mmとなっていて、指先が容易に水に触れることができる構成となっている。
【0016】
また、ステンレス板5を樹脂にインサートする工法の関係で、抗菌ステンレス板5の着接部に至る導水壁121に30度程度の勾配を設け、該導水壁に、鉛直方向に貫通する直径1mmの通気孔123を設置した。この構成により、給水のたびに通気孔123から空気が貯水タンク内に入り、給水孔51の直径を小さくしても、タンク内の圧力が負圧となって水が出なくなるのを回避することができた。
【符号の説明】
【0017】
1 給水部
11 貯水タンク
12 給水キャップ
121 導水壁(抗菌樹脂)
123 通気孔
2 本体部
21 タンク受入溝
22 錘挿入口
23 トレイ載置部
3 錘
4 トレイ
5 抗菌ステンレス板
51 給水孔
(
図3)
13 小キャップ
131 給水孔
14 パッキン