(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性ラッチは、前記回転軸部を前記可動体の内面に向かってバイアスして前記カム作用面が前記可動体の内面と接触するように前記可動体に配置される、請求項1に記載のリールシート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0027】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0028】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open−ended terms)と理解されるべきである。
【0029】
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0030】
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0031】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
【0032】
本開示で用いられる「前方」、「前」等の方向指示語は、釣り竿のチップ(tip)に向かう方向を意味し、「後方」、「後」等の方向指示語は、釣り竿のバット(butt)に向かう方向を意味する。
【0033】
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるものではない。
【0034】
本開示の一実施例による釣り竿を示す
図1を参照する。
図1において、前方方向(FD)は釣り竿のチップ(tip)に向かい、後方方向(RD)は釣り竿のバット(butt)に向かう。
【0035】
釣り竿10は、竿体11を含む。竿体11は、釣り竿10に作用する多様な外力に抵抗して釣り竿10の形状を維持する構造物として機能する。竿体11は、長い円筒形状を有する。竿体11は、1つの管状竿からなり得るか、複数の管状竿からなり得る。釣り竿10は、本開示の一実施例によるリールシート100を含み、リールシート100は竿体11に取り付けられる。リールシート100を介してリール12が竿体11に装着される。
【0036】
リール12は、釣り糸(図示せず)を放出させるか、巻くように構成される。例えば、仕掛けをキャストするときに釣り糸はリール12から放出され、魚を釣り上げるときに釣り糸はリール12に巻かれる。リール12は、釣り糸が巻かれるスプールとスプールを回転させるためのハンドルを有することができる。
図1は、リール12の形状を例示的に示すが、リールシート100に装着されるリールが
図1に示すリールに限定されるものではない。
【0037】
リール12は、その下端に、前方方向(FD)と後方方向(RD)にそれぞれ延長する一対のリール脚13F、13Rを有する。リール脚13F、13Rは、リールシート100に解除可能に固定される。これにより、リール12がリールシート100を介して竿体11に脱着可能に取り付けられ得る。
【0038】
リールシート100は、竿体11の外周面に固定され得る。例えば、リールシート100の一部を竿体11の外周面に接触させて、固定部14F,14M,14Rによりリールシート100と竿体11を固定させることにより、リールシート100が竿体11に取り付けられ得る。
図1に示す例において、3つの固定部14F,14M,14Rが竿体11とリールシート100との間に設けられている。固定部14F,14M,14Rは、シュリンクチューブ(shrink tube)からなり得るか、巻き糸とこれに塗布される接着剤で形成され得る。
【0039】
釣り竿10は、竿体11に取り付けられて釣り糸を案内する複数の釣り糸ガイド(図示せず)を含むことができる。釣り糸ガイドは、リール12から放出されるか、リール12に巻かれる釣り糸を案内する。このような釣り糸ガイドは、竿体11の外周面に巻き糸と接着剤を用いて、またはシュリンクチューブを用いて取り付けられ得るか、竿体11に嵌合方式で取り付けられ得る。
【0040】
図2〜
図6は、本開示の一実施例によるリールシートを示す。
図2は、一実施例によるリールシートを示す側面図である。
図3は、
図2に示すリールシートの後方斜視図である。
図4〜
図6はそれぞれ、
図2に示すリールシートの正面図、背面図及び底面図である。
【0041】
図2及び
図3を参照すると、一実施例のリールシート100は、シートボディー110と、固定フード120と、可動フード200とを含む。固定フード120と可動フード200がリールのリール脚13F,13Rをシートボディー110にそれぞれ固定する。固定フード120は、シートボディー110に対して固定される。可動フード200は、シートボディー110に対して前後方向(LD)(即ち、前方方向(FD)及び後方方向(RD))に移動可能である。可動フード200は、リール脚13F,13Rのうち1つをシートボディー110に固定する位置でシートボディー110にロッキングされる。
【0042】
シートボディー110は、釣り竿の竿体11に取り付けられる。シートボディー110は、前後方向(LD)に延長する平板形状を有し、リールシート100の本体として機能する。従って、当該分野において、一実施例のリールシート100は、プレートタイプのリールシートとして参照され得る。シートボディー110は、樹脂材料もしくは金属材料からなることができる。シートボディー110の一部は、竿体11の外周面と間隔をおいて位置することができ、シートボディー110のさらに他の一部は、竿体11の外周面と接触することができる。
【0043】
シートボディー110は、可動フード200とシートボディー110との間のロッキングに関与する係止部111を有する。係止部111は、シートボディー110の上面で前後方向(LD)に形成されている。係止部111は、シートボディー110の後端付近から前方方向(FD)に所定区間に亘って形成され得る。係止部111は、溝、孔、ギア歯のような要素を含むことができる。このような要素の1つがまたは複数個が係止部111を構成することができる。
図3に示すように、一実施例のシートボディー110は、ラックギアの形態に形成された係止部111を有する。係止部111のギア歯は前後方向(LD)に配列されており、シートボディー110の幅方向に延長する。
【0044】
シートボディー110は、前方取付足112Fと後方取付足112Rを有する。前方取付足112Fは、シートボディー110の前端部を形成し、後方取付足112Rは、シートボディー110の後端部を形成する。前方取付足112Fと後方取付足112Rは、その下面で竿体11の外周面と部分的に接触することができる。
図4及び
図5に示すように、前方取付足112Fの下面と後方取付足112Rの下面は、竿体11の外周面に対応する凹んだ曲面で形成され得る。前方取付足112Fと後方取付足112Rはシートボディー110の材料とは異なる材料からなってもよい。例えば、シートボディー110が、樹脂材料からなる場合、前方取付足112Fと後方取付足112Rは金属材料からなり得る。
【0045】
シートボディー110の一部を竿体11の外周面に接触させて、前述の固定部(例えば、
図1に示す固定部)によりシートボディー110の一部を竿体11に固定させることにより、シートボディー110が竿体11に堅固に取り付けられ得る。例えば、前方取付足112Fと後方取付足112Rを竿体11の外周面に接触させて、
図1に示す固定部14F,14Rにより前方取付足112F及び後方取付足112Rが竿体11に固定され得る。また、シートボディー110には、その中間に取付部(図示せず)が設けられ得、前記取付部を覆うように金属製またはプラスチック製のカバー113がシートボディー110に取り付けられ得る。シートボディー110の前記取付部と竿体11が
図1に示す固定部14Mにより固定され得る。
【0046】
固定フード120と可動フード200は、シートボディー110に互いに対向するように配置される。一実施例において、固定フード120は、シートボディー110の前端付近に位置して前方取付足112Fに隣接し、可動フード200は、シートボディー110の後端付近に位置して後方取付足112Rに隣接する。他の実施例として、固定フード120がシートボディー110の後端に位置することもでき、可動フード200がシートボディー110の前端に位置することもできる。
【0047】
固定フード120は、シートボディー110に固定され得る。固定フード120は、リール脚(例えば、リール脚13F)を覆うように、またはリール脚13Fをその中に収容するように形成される。従って、固定フード120の内面とシートボディー110の上面との間に前方挿入空洞114Fが限定され、リール脚13Fは、前方挿入空洞114Fに挿入される。シートボディー110と固定フード120は、別個の部品で形成され得、固定フード120は、シートボディー110に固定されるように取り付けられ得る。または、シートボディー110と固定フード120は、一体に形成されることもできる。
【0048】
可動フード200は、固定フード120からシートボディー110に沿って離隔している。可動フード200は、シートボディー110に前後方向(LD)に移動可能に結合されている。可動フード200は、リールのリール脚13Rを覆うように、またはリール脚13Rをその中に収容するように形成されている。また、可動フード200は、シートボディー110の係止部111を支持点としてリール脚13Rを前方方向(FD)に押圧するように構成されている。例えば、リール脚13Fが固定フード120に挿入された状態で、可動フード200がリール脚13Rを収容しながらリール脚13Rを前方方向(FD)に押圧することにより、可動フード200がリール脚13Rをシートボディー110に固定する。これにより、リール脚13F,13Rが固定フード120及び可動フード200によりシートボディー110に固定され得る。
【0049】
一実施例による可動フードの詳細構成と関連し、
図7〜
図11に示す例が参照される。
図7は、一実施例によるリールシートを示す斜視図である。
図8は、
図7に示す可動フードを拡大して示す斜視図である。
図9は、
図8に示す可動フードの分解斜視図である。
図10は、一実施例によるリールシートを示す斜視図である。
図11は、
図10に示すリールシートの側面図であり、可動フードの拡大断面図を示す。
【0050】
図7〜
図9を参照すると、一実施例による可動フード200は、シートボディー110に沿って移動可能な可動体210と、シートボディー110の係止部111に解除可能に係合する弾性ラッチ220と、弾性ラッチ220を作動させるレバー230とを含む。弾性ラッチ220とレバー230は、可動体210に配置され、可動体210、弾性ラッチ220及びレバー230の組み立て体がシートボディー110に沿って前後方向(LD)に移動され得る。レバー230は、弾性ラッチ220と係止部111間の係合を実行する閉じ位置と、弾性ラッチ220と係止部111間の係合を解除する開き位置との間で回転可能なように可動体210に結合される。弾性ラッチ220がレバー230により係止部111に係合された状態で、弾性ラッチ220は、可動体210をリール脚に向かって押しつけるように構成される。これにより、リール脚(例えば、
図2に示すリール脚13R)が可動体210により押圧されてシートボディー110に固定される。
【0051】
可動体210は、シートボディー110に前後方向(LD)に移動可能に結合される。可動体210は、リール脚(例えば、
図2に示すリール脚13R)を覆うように、またはリール脚13Rをその中に収容するように形成される。従って、シートボディー110の上面と可動フード200の内面との間にリール脚13Rが挿入される後方挿入空洞114Rが限定される。可動体210は、後方挿入空洞114Rにリール脚13Rが挿入されるようにシートボディー110に沿って前方方向(FD)に移動され得る。リール脚13Rが後方挿入空洞114Rに挿入された後、可動体210は、弾性ラッチ220によりリール脚13Rに向かって押しつけられてリール脚13Rを前方方向(FD)に押圧する。
【0052】
実施例によると、可動体210は、シートボディー110に摺動方式で結合され得るものの、可動体210の移動方式が摺動に限定されるものではない。一実施例において、可動体210は、シートボディー110に摺動可能に結合するスライダー211を含む。スライダー211には、その下端に、前後方向(LD)に垂直の幅方向に突出する一対の摺動突起2111が形成されている。摺動突起2111がシートボディー110の下端両側端に設けられた摺動レール115(
図5及び
図6参照)に接触する。
【0053】
可動体210は、スライダー211の前端部にリール脚13Rの上面と接触するクッション部212を含む。クッション部212は、略半円形状または逆U字状の横断面形状を有し、その内面でリール脚13Rの上面と接触することができる。クッション部212は、後端に上方に突出する係止突起2121と前端にフランジ2122を有し、係止部111とフランジ2122との間にスライダー211の前端部が嵌められてクッション部212がスライダー211に結合され得る。
【0054】
可動体210は、弾性ラッチ220の一部及びレバー230の一部を収容するように形成された収容部213を有する。収容部213は、スライダー211の上側内面の下方空間として形成され、スライダー211に垂直方向に開けられた開口が収容部213に通じる。可動体210は、収容部213の前端付近に収容部213に面する支持部214を有する。弾性ラッチ220の一部が支持部214上に置かれる。支持部214は、スライダー211で下方に凹んで形成されている。可動体210は、収容部213の後端付近に支持部214に繋がるカム受け部215を有する。カム受け部215は、レバー230の一部を収容し、その内面で、カム受け部215に収容されたレバー230の一部と摺動可能に接触する。カム受け部215は、支持部214の後方から上方に湾曲形状に突出している。
【0055】
弾性ラッチ220は、可動体210(例えば、スライダー211)に配置され、レバー230によりシートボディー110の係止部111に解除可能に係合する。例えば、弾性ラッチ220は、係止部111の隣り合うギア歯の間に係止できる。これにより、弾性ラッチ220は、前後方向(LD)のうち1つの方向(例えば、後方方向(RD))に可動体210の移動を阻止し、前後方向(LD)のうちさらに1つの方向(例えば、前方方向(FD))に可動体210に押しつける力を印加する。即ち、弾性ラッチ220は、可動体210がリール脚13Rを適切な押圧力で押圧できる位置に可動体210を固定させることができる。弾性ラッチ220は、金属材料からなる。弾性ラッチ220は、弾性を有する板バネからなり得るが、弾性ラッチ220の形状がこれに限定されるものではない。
【0056】
一実施例において、
図9を参照すると、弾性ラッチ220は、略長方形に形成された基部221と、基部221から側方向に突出する一対の翼部222と、基部221から後方方向(RD)に延長して基部221に対して略V字またはU字形状に湾曲した作動部223と、作動部223から延長して作動部223に対して曲がったフック部224とを含む。
【0057】
基部221は、収容部213に位置し、その一部は収容部213とスライダー211の前端との間の部分の下に配置される。基部221は、その上面でクッション部212の後端部の下面と接触する。一対の翼部222は、可動体210の一対の支持部214上にそれぞれ安着される。翼部222の幅は、支持部214の幅より小さく、翼部222は、支持部214内で前後方向(LD)に移動され得る。
【0058】
作動部223は、弾性ラッチ220において係止部に向かって弾性変形されるか、元の状態に復元される部分であり、フック部224は、係止部111と解除可能に係合する部分である。作動部223は収容部213に位置し、フック部224はスライダー211の後端部の下に位置する。リールシートを側方から見るとき、作動部223はカム受け部215の下側に位置する。作動部223は、基部221から下方に略U字状またはV字状に曲がり、シートボディー110に向かって凸に湾曲している。レバー230が開き位置から閉じ位置に、またはその逆方向への回転時に、作動部223は、レバー230により弾性変形されるか、元の状態(即ち、弾性ラッチと係止部が分離される状態)に復元され、これにより、フック部224が係止部111と係合されるか、解除される。また、レバー230が開き位置から閉じ位置への回転時に、作動部223は可動体210を押しつける力を発生させる。
【0059】
弾性ラッチ220は、回転するレバー230により作動する。レバー230が弾性ラッチ220を係止部111に係合させるか、弾性ラッチ220と係止部111間の係合を解除させる。レバー230は、可動体210に開き位置と閉じ位置との間で回転可能に結合される。
図7は、開き位置に位置するレバーを示し、
図10は、閉じ位置に位置するレバーを示す。レバー230は、
図10の閉じ位置から後方方向(RD)に開き位置に回転することができる。レバー230が開き位置に位置するとき、弾性ラッチ220は、レバー230からの押しを受けず、係止部111から解除される。レバー230は、
図7に示す開き位置から前方方向(FD)に、
図10の閉じ位置に回転することができる。レバー230が閉じ位置に位置するとき、弾性ラッチ220はレバー230により押されて係止部111と係合され、可動体210に前方方向(FD)に押しつける力を印加する。
図9を参照すると、一実施例によるレバーは、回転軸部231と、アーム部232と、押し部233とを含む。
【0060】
回転軸部231は、前後方向(LD)に直交する方向に配置され、レバー230と可動体210との間でアーム部232と押し部233の回転軸として機能する。回転軸部231は、可動体のカム受け部215と弾性ラッチ220の作動部223との間に配置される。回転軸部231は、弾性ラッチ220により支持される。または、回転軸部231は、弾性ラッチ220により上方にバイアスされ得る。
【0061】
アーム部232は、回転軸部231から延長し、可動体210の外側に位置する。アーム部232は、回転軸部231から延長する延長部と、延長部2321と一体に形成されてスライダー211を覆うように形成されたカバー部2322とを含むことができる。ユーザーがレバー230を操作するとき、ユーザーはカバー部2322を握ってレバー230を可動体210に対して閉じ位置と開き位置に回転させることができる。即ち、アーム部232には、レバー230を回転させるための回転力が印加される。
【0062】
押し部233は、回転軸部231に配置される。押し部233は、回転軸部231からアーム部232の反対方向に突出することができる。押し部233は、その先端に形成された接触面で弾性ラッチ220の作動部223の表面を摺動しながら線接触または面接触を行う。レバー230が閉じ位置と開き位置との間で回転するに伴い、押し部233が弾性ラッチ220の作動部223を変形させ、弾性ラッチ220を係止部111に解除可能に係合させる。押し部233が弾性ラッチ220を変形させる理由は、レバー230の回転に伴って押し部233の回転半径が変化するためである。これは回転軸部231と可動体210間のカム作用により発生する。
【0063】
実施例によると、レバー230の回転時に、回転軸部231の一部は可動体210の内面と摺動接触しながらカム作用を発生させ、押し部233は、カム作用により可動体210の内面を支持点として弾性ラッチ220を押すことができる。一実施例において、前述のカム作用は、レバー230の回転時に、回転軸部231に設けられるカム部234と可動体210の内面間の摺動接触により実現される。
【0064】
一実施例によるレバーを示す
図12〜
図21を参照する。
図12は、一実施例によるレバーを示す斜視図である。
図13は、開き位置に位置するレバー、可動体及びシートボディーを拡大して示す断面図である。
図14は、
図13に示すレバーのカム部と押し部を拡大して示す側面図である。
図15は、一実施例によるカム部と押し部の形状を概略的に示す。
図16〜
図20はそれぞれ、
図12に示すレバーの側面図、正面図、背面図、平面図及び底面図である。
図21は、
図19の21−21線に沿って取った断面を示す。
【0065】
図12を参照すると、回転軸部231は、その両端にカム部234を有する。カム部234は、回転軸部231に一対で備えられている。カム部234は、押し部233を基準として対称するように形成されている。レバー230の回転時にカム部234の外周面がカム作用を発生させて、押し部233が弾性ラッチを係止部に向かって押したり、変形された弾性ラッチをその元の位置に復帰させたりする。
【0066】
図12及び
図13を参照すると、レバー230が可動体210に結合された状態で、回転軸部231は、弾性ラッチ220の作動部223により支持され、カム部234は、可動体210のカム受け部215内に挿入及び収容される。また、押し部233は、弾性ラッチ220の作動部223に隣接し、レバー230の回転に伴って作動部223と接触する。従って、レバー230は、カム部234で可動体210(スライダー211)に回転可能に結合され、カム部234は、可動体210とレバー230との間でヒンジ軸として機能することができる。
【0067】
レバー230の回転時に、カム部234の外周面の一部と可動体210の内面216は、摺動接触する。カム部234の外周面の一部には、カム作用を引き起こすカム作用面235が形成されている。従って、レバー230の回転時に、カム部234のカム作用面235が可動体210の内面に沿って摺動するに伴い、カム作用面235と内面間のカム作用により押し部233の先端の回転半径が増加及び減少し、これにより押し部233が弾性ラッチ220を係止部111側に変形させるか、変形された弾性ラッチ220をその自由状態に復元させる。一実施例によると、カム部234は、上方に突出したカム受け部215内に挿入され、回転軸部231は、弾性ラッチ220により上方に支持される。従って、カム部234のカム作用面235が摺動接触する可動体の内面は、カム受け部215の湾曲した内面216になる。カム受け部215の内面216は、カム作用面235の形状に沿うように湾曲しており、カム作用面235の曲率より小さい曲率で湾曲することができる。レバー230が開き位置にあるとき、カム作用面235とカム受け部215の内面216は、間隙を有して離隔することができる。またはカム作用面235とカム受け部215の内面216は、常に接触することもできる。
【0068】
カム部234の外周面の一部がカム作用面235を形成する。実施例によると、カム作用面235は、少なくとも1つの湾曲面を含む。前記湾曲面は、レバー230の回転時に可動体210の内面(例えば、カム受け部215の内面216)に沿って摺動接触して、押し部233の回転半径を増加させたり、減少させたりする。カム作用面235及び押し部233と関連し、
図14及び
図15を共に参照する。
図14及び
図15は、レバーが開き位置に位置するときのカム部、押し部及び弾性ラッチを示す。
【0069】
図14及び
図15に示すように、カム作用面235は湾曲面2361を含む。湾曲面2361は、レバーが開き位置に位置するときにカム部234の後方側に位置する。リールシートを側方から見るとき、湾曲面2361は、円弧状または放物線状に所定の曲率で湾曲することができる。押し部233は、弾性ラッチの表面と接触して弾性ラッチの表面に沿って摺動する接触面2331を有する。リールシートを側方から見るとき、接触面2331は、円弧状または放物線状に湾曲している。押し部の接触面2331と弾性ラッチの作動部223は、接触点(CP)で点接触または線接触し得る。レバーの回転により、接触点(CP)は、接触面2331と作動部223の表面に沿って移動することができる。
【0070】
図15に示すように、リールシートを側方から見るとき、カム部234の湾曲面2361と押し部233の接触面2331間の最大距離は、高さ(HD)と定義され、カム部234の断面形状においてカム部234の互いに対向する端間の最大距離は、カム部234の全幅(OW)と定義される。湾曲面2361と接触面2331間の高さ(HD)は、カム部234の全幅(OW)より大きい。レバーが開き位置から閉じ位置に回転するに伴い、カム部234の高さ(HD)を規定する部分が、内面216と作動部223との間で、
図14に示す位置に比べて作動部223に次第にさらに垂直に位置するように回転する。
【0071】
これにより、湾曲面2361が内面216に加える力の反力により、押し部233は、作動部223を下方に押しながら回転する。また、接触点(CP)は、内面216から次第に遠ざかる。押し部233のこのような作用は、湾曲面2361がカム部234でカム作用を発生させるように位置するためである。即ち、レバーが開き位置から閉じ位置に回転するに伴い、弾性ラッチと押し部233間の接触点(CP)が内面216から遠ざかるように、湾曲面2361がカム部234に形成されている。
【0072】
レバー230が開き位置から閉じ位置に回転するとき、湾曲面2361は、可動体の内面216に沿って摺動接触し、湾曲面2361と内面216間の接触面積が次第に増加する。これにより押し部233は、弾性ラッチを係止部111側に変形させる。一方、レバー230が閉じ位置から開き位置に回転するとき、湾曲面2361は、可動体の内面216に沿って摺動接触し、湾曲面2361と内面216間の接触面積は次第に減少する。これにより、押し部233は、弾性ラッチ220を元の状態に復元させる。
【0073】
一実施例において、回転軸部231は、レバーの開き位置で弾性ラッチ220の一部を収容する凹部237を有する。凹部237は、カム作用面235の反対側に位置する。凹部237は、押し部233の接触面2331より上方に位置し、一対のカム部234に亘って延長する。凹部237は、回転軸部231の中心に向かって凹んでいる。凹部237は、弾性ラッチ220の後方に位置する一部(例えば、作動部223の一部)を垂直方向で収容するように、回転軸部231に形成されている。
図15に示すように、リールシートを側方から見るとき、凹部237は、カム部234の全幅(OW)の0%超50%以下の深さ(DC)を有することができる。凹部237の深さ(DC)が全幅(OW)の0%に近似した場合、凹部237は略直線状となって良い。
【0074】
図15を参照すると、カム作用面235の湾曲面2361がカム部234の外周面の一部を形成する。また、カム部234の外周面は、湾曲面2361に繋がる遷移面2362と、遷移面2362に繋がる円弧状曲面2363と、湾曲面2361と円弧状曲面2363との間の湾曲した凹面2364とを含む。湾曲した凹面2364は、凹部237の表面の一部を形成する。凹面2364は略平坦な表面であっても良い。遷移面2362がカム作用面235の一部を構成することもできる。遷移面2362は、平坦な表面であってもよく、湾曲面2361より小さい曲率で湾曲した表面であってもよい。従って、
図15に示すように、カム部234の断面形状は概ね、三日月形状、カンマ(comma)の形状、曲玉(magatama)の形状などを有することができる。
【0075】
図13及び
図14を参照すると、弾性ラッチ220の作動部223によりレバー230の回転軸部が上方に支持される。レバー230が開き位置にあるとき、カム部234のカム作用面235は、カム受け部215の内面216と接触するか、微細な間隙をおいて離隔することもできる。または、弾性ラッチ220が回転軸部を可動体の内面(例えば、カム受け部215の内面216)に向かってバイアスするように、弾性ラッチ220が可動体210(スライダー211)に配置されることもできる。これにより、カム部234のカム作用面235は、常にカム受け部215の内面216と接触することができる。
【0076】
図13及び
図14に示すレバーの開き位置で、弾性ラッチ220により回転軸部231が支持される。また、作動部223の一部は回転軸部231の凹部に接触する。詳細には、フック部224に隣接する作動部223の一部が凹部237内に垂直方向に収容されて凹部237に接触する。
【0077】
図14及び
図15に示すように、押し部233の先端は、湾曲した接触面2331で形成されている。押し部233は、接触面2331で作動部223の表面と摺動可能に接触する。レバー230の回転時に、押し部233とこれに接触する弾性ラッチ220の表面(例えば、作動部223の表面)間の接触点(CP)は、接触面2331に沿って移動される。押し部233が湾曲した接触面2331を有するため、押し部233と弾性ラッチ220間の大きな摩擦抵抗なしで押し部233が弾性ラッチ220をスムーズに係止部111側に変形させることができる。
【0078】
一実施例において、
図12に示すように、回転軸部231、アーム部232及び押し部233を含むレバー230は、樹脂材料から射出成形により一体に形成される。従って、少なくとも回転軸部231のカム部234と押し部233は、樹脂材料からなることができる。前記樹脂材料としてカーボン長繊維強化樹脂が用いられ得るものの、これに限定されるものではない。他の実施例として、
図22に示すように、回転軸部231、アーム部232の一部及び押し部233は、樹脂材料で一体に形成され得、アーム部232の残り部分は、金属材料で形成され得る。このような例で、回転軸部231、押し部233及びアーム部の延長部2321を射出成形しながら、延長部2321とカバー部2322が一体に形成され得る。
【0079】
樹脂材料からなるカム部234は、カム部234と同一の形状を有して金属材料からなるカム部と比べて、比較的低い強度及び剛性を有することもできる。カム部の強度及び剛性を増加させるために、カム部234の寸法を増加させることが考慮され得る。寸法が増加したカム部が、可動フード200の高さ寸法(例えば、
図1で符号Hで表示した高さ寸法)を増加させれば、良好なグリップ感を提供することができない。しかし、一実施例によると、カム部が高い強度を有しながら可動フードの高さを低くすることができるように、カム部234は、湾曲面2361、円弧状曲面2363及び凹面2364の形状を有しながら樹脂材料からなることができる。
【0080】
レバーが
図10に示す閉じ位置に位置するとき、弾性ラッチ220はレバー230により係止部111側に押されて係止部111と係合されており、可動体210は弾性ラッチ220により前方に押しつけられる状態で、可動フード200がシートボディー110にロッキングされている。しかし、レバーが
図7に示す開き位置に位置するとき、弾性ラッチ220は係止部111から分離しており、弾性ラッチ220は、係止部111に対して必要距離を維持する必要がある。前記必要距離は、リール脚をシートボディー110に接触させるとき、可動フード200を前方方向(FD)と後方方向(RD)に移動させるためのクリアランス;リールシートの各構成要素自体の寸法バラツキによる組み立て後の間隙により発生する誤差;弾性ラッチ220が係止部111に接触することなくスムーズに移動することを許容する弾性ラッチのフック部224と係止部111間の一定の距離を意味する。
【0081】
弾性ラッチ220と係止部111間に前記必要距離を維持するためには、レバー230が開き位置に位置するとき、弾性ラッチ220のフック部224と係止部111との間に距離が確保されるように、弾性ラッチ220のフック部224の先端を可能な限り係止部111の上方に位置させることが考慮され得る。しかし、これはカム部234が内包された可動フード200の全体の高さを増大させることにより、可動フード200のグリップ感と操作感を著しく低下させ得る。
【0082】
前述の回転軸部231の形状において、回転軸部231は、その中心に凹んだ凹部237を有する。凹部237を有する回転軸部231は、レバー230が開き位置に位置するとき、弾性ラッチ220の後方部分(例えば、作動部223とフック部224との間の部分)が上方に置かれるように導く。尚、凹部237は略直線状であっても、弾性ラッチ220の弾性により、前記後方部分が上方に置かれるように導かれるのは明白である。また、凹部237により、カム部の全幅(OW)が抑制され得る(
図15参照)。このように、前述の回転軸部231、カム部234及び凹部237の形状が可動フード200の高さ寸法を増大させず、これにより、可動フード200は、低い高さを有しながら弾性ラッチ220とレバー230のスムーズな作動を実現することができる。また、
図1において、符号Hで可動フードの高さを表示したように可動フード200の高さ寸法が抑制されるため、ユーザーが良好なグリップ感でリールシートを握ることができる。また、カム部234とカム受け部215間の接触およびカム部234の形状により、レバー230が開き位置または閉じ位置に回転するときに、レバー230はシートボディーの幅方向にガタツキなく精密に前方方向と後方方向に回転することができる。
【0083】
このように、一実施例によると、カム部234は、樹脂材料からなりながらも、向上した強度及び剛性を有することができる。また、押し部233は、樹脂材料からなり、摺動抵抗を減少させるように形成される。従って、一実施例のリールシートは、金属部品間の摺動摩擦を排除して摺動抵抗の減少を達成する。また、一実施例のリールシートは、部品の研磨工程や組立調整工程を排除するため、部品の寸法安定性、リールシートの品質安定性及び生産性の向上を達成する。
【0084】
図23は、開き位置におけるレバーのカム部と可動体のカム受け部を示す。
図23を参照すると、可動体210は、カム部234が前後方向のうち後方方向(RD)に移動することを防止する膨出部217を含む。膨出部217は、カム受け部215の後方に且つカム部234の後方に位置する。膨出部217は、弾性ラッチ220に向かって下方に膨出する。膨出部217は、弾性ラッチ220の一部と協力して非常に狭い間隔を形成する。
【0085】
従って、レバー230が閉じ位置から開き位置に回転するときに、カム部234は膨出部217により後方方向への移動が防止され、レバー230は、それ以上に後方に移動されないように開き位置に安定して維持され得る。
図23に示す破線は、前述の膨出部を有さない比較例による可動フードのカム受け部の形状を概略的に表示する。膨出部がない場合、ユーザーが過度な力でレバーを開き位置に向かって後方に回転させると、カム部234は、カム受け部215から後方に分離され得る。
【0086】
図24は、開き位置におけるレバーのカム部と可動体の一部を示す。
図24を参照すると、可動体210は、レバー230の一部に当接する面接触部218を含む。面接触部218は、収容部213の後端に位置する。面接触部218は、収容部213の後端を限定するスライダー211の一部が下方に突出するように湾曲して形成され得る。面接触部218は、レバー230の後方表面と所定の幅で面接触するように形成される。面接触部218は、開き位置に回転するレバー230の後方表面と接触して、スライダー211に発生し得る接触による損傷を防止することができる。また、面接触部218は、レバー230が開き位置から後方方向にさらに回転することを阻止するストッパーとして機能することができる。
【0087】
リールをリールシートに装着するときに可動フードが作動する一例と関連し、
図25〜
図27を参照する。
図25は、開き位置に位置するレバーを示し、
図26は、開き位置から閉じ位置への回転中にあるレバーを示し、
図27は、閉じ位置に位置するレバーを示す。
【0088】
図25を参照すると、レバー230の開き位置において、リール脚13Rがシートボディー110の上面と接触する。もう1つのリール脚が前述の固定フードによりシートボディー110に固定され、リール脚13Rが前方方向(FD)に移動できない状態になれば、可動フード200を前方方向(FD)に移動させる。可動フード200の移動により、可動体210が前方方向(FD)に摺動し、リール脚13Rは、クッション部212とシートボディー110との間の後方挿入空洞114Rに挿入される。
図25に示すレバーの開き位置で、レバー230の回転軸部は、弾性ラッチ220により支持され、カム部234は、カム受け部215の内面216と接触するか、若干の間隙で分離しており、押し部233は、作動部223の前方部分に位置する。弾性ラッチ220のフック部224は、係止部111から上方に離隔している。弾性ラッチ220の作動部223の後方部分は、レバー230の回転軸部の凹部に接触している。
【0089】
リール脚13Rがクッション部212と接触した状態で、リール脚13Rをシートボディー110に固定して可動フード200をシートボディー110に対してロッキングさせるために、レバー230を閉じ位置に回転させる。
図26を参照すると、レバー230が開き位置から閉じ位置に回転するに伴い、弾性ラッチ220のフック部224が係止部111と係合され、可動フード200は、弾性ラッチ220と係止部111間の係合の位置で臨時的にロッキングされる。レバー230が閉じ位置に回転するに伴い、カム部234は
図26で反時計方向に回転する。また、弾性ラッチ220の力により、カム部234のカム作用面235は、カム受け部215の内面216と接触を維持しながら内面216に沿って摺動する。カム作用面235の湾曲面2361が内面216に沿って摺動するに伴い、押し部233の回転半径が増大しながら、押し部233が作動部223の中間から作動部223の後端側に摺動する。従って、押し部233は、湾曲面2361と内面216間のカム作用により作動部223を下方に押しながら回転して、弾性ラッチ220を係止部111側に変形させる。押し部233が作動部223を下方に押し、弾性ラッチ220の作動部223とフック部224を下方に押す。このような押し部233の作用により、フック部224が下方に移動して係止部111と係合を実行する。
【0090】
図26に示すレバーの位置から、レバー230は、より一層閉じ位置に回転する。すると、レバー230は、
図27に示す閉じ位置に回転する。レバー230が
図26に示す位置から
図27に示す位置に回転するに伴い、カム部234のカム作用面235とカム受け部215の内面216間のカム作用により、押し部233は、作動部223の後端まで作動部223の表面に沿って摺動する。弾性ラッチ220が係止部111と係合されているため、押し部233の後方の摺動移動は、弾性ラッチ220の作動部223に強い圧力を印加する。弾性ラッチ220は、押し部233の後方移動に伴う圧力に対する反力として、フック部224と係合した係止部111を支持点として可動体210に前方方向(FD)に圧力を印加する。このような弾性ラッチ220の圧力は、カム部234のカム作用面235を介して、内面216を前方向(FD)へ押すように可動体210に伝えられ、可動体210は、弾性ラッチ220の圧力により前方方向(FD)に押しつけられる。従って、
図27に示すレバーの閉じ位置で、可動フード200は、シートボディー110に完全にロックされ得、リール脚13Rは、弾性ラッチ220の力により押しつけられる可動フード200により、可動フード200とシートボディー110との間に、より強固に固定され得る。
【0091】
リール脚13Rをシートボディー110から分離するために、レバー230は、閉じ位置から開き位置に回転することができる。レバー230が閉じ位置から開き位置に回転するとき、カム部234、押し部233及び弾性ラッチ220の作動は、前述の例と反対になり得る。
【0092】
前述の一実施例において、可動フードはシートボディーの後端部に配置され、弾性ラッチにより前方方向に押しつけられる。他の実施例として、可動フードは、シートボディーの前端部(即ち、釣り竿のチップに向かう端部)に配置されることもでき、弾性ラッチは可動フードを後方方向(即ち、釣り竿のバットに向かう方向)に押しつけるように構成されることもできる。
【0093】
前述の通り、一実施例において、レバーの全体または少なくともレバーの回転軸部とカム部と押し部は、カーボン長繊維強化樹脂材料からなることができる。
図28は、一実施例によるレバーに用いられるカーボン長繊維強化樹脂の特性を説明するための表である。
【0094】
カーボン長繊維強化樹脂材料は、カーボン短繊維強化樹脂材料に比べて3〜5倍の高い衝撃強度を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高い繊維配合量で高剛性を有し、高温で優れたクリープ特性を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高温で高い弾性保持率を有し、低温で優れた衝撃保持率を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、撓み変形量や引っ張り変形量が小さく、線膨張係数が小さいため寸法安定性が高く、優れた耐摩耗性を有する。カーボン長繊維は、略7mmの長さと円筒状を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料におけるカーボン含量は、略30%になってもよい。カーボン長繊維強化樹脂材料における樹脂は、ナイロン樹脂であってもよい。
【0095】
図28を参照すると、DAICELは、本開示の一実施例による樹脂材料を生産する会社の名称である。プラストロン(plastronTM、PA12−CF30)は、DAICELが生産するカーボン長繊維強化樹脂材料である。比較例1は、合成樹脂材料で構成され得、例えば、POMであってもよい。POMは、エンジニアリングプラスチックの一種であって、ポリオキシメチレン(polyoxymethylen)で構成され得る。比較例2は、比較例1とは異なる合成樹脂材料で構成され得る。比較例2は、例えば、PA(ポリアミド)であって、非結晶性のPAで構成された透明な材料であるということが特徴になり得る。一例として、カーボン長繊維強化樹脂材料でレバーまたはレバーの回転軸部、カム部及び押し部が形成される場合、前記カーボン長繊維強化樹脂材料として、ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries,LTD)製造のプラストロンが用いられ得る。
【0096】
一実施例で、少なくともレバーの回転軸部、カム部及び押し部は、長さが5mm〜10mmのカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料から射出成形され得る。プラストロンは、例えば、7mmの長さのカーボン長繊維を含むことができる。一例として、プラストロンは、9mmの長さのカーボン長繊維を含むことができる。7mmまたは9mmの長さのカーボン長繊維は、合成樹脂材料内で含浸され得る。カーボン長繊維の含有量は、カーボン長繊維と合成樹脂材料を合わせた全重量の20〜50重量%になってもよい。
【0097】
一例として、カーボン長繊維と合成樹脂材料を合わせた全重量の30重量%になってもよい。プラストロンは、本開示の実施例で必要とする技術的特徴を満たすことができる。
【0098】
プラストロンは、一実施例によるレバーの全体にまたはレバーの回転軸部、カム部及び押し部に用いられ得る。プラストロンは、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、ノッチ付きシャルピー衝撃強度(Charpy notched impact strength)、荷重たわみ温度、及び密度を含む全ての特性において、他の材料である比較例1及び比較例2より優れる。従って、プラストロンを用いる場合、レバーのカム部及び押し部の強度が強化され得る。
【0099】
プラストロンは、カーボン長繊維強化樹脂であるため、高衝撃性を有することができる。例えば、カーボン短繊維強化樹脂に比べて3〜5倍の衝撃強度を有することができる。また、プラストロンは、30%のカーボン樹脂含有量を有する高剛性材料である。また、プラストロンは優れたクリープ強度(長時間の荷重により材料が継続的に徐々に塑性変形を引き起こす現象)を有することができ、特に高温でのクリープ強度に優れている。即ち、長い時間用いたり、高温で用いたりしてもあまり塑性変形しない。また、プラストロンは、寸法安定性に優れる。即ち、プラストロンで製造された部品は、撓みまたは曲がりが少なく、線膨張係数が低い。
【0100】
図29は、
図28で説明するカーボン長繊維強化樹脂に含浸されるカーボン長繊維のランナー部を撮影した写真である。
【0101】
図29に撮影された部分は、製品に流入する前(即ち、樹脂に含浸させる前)のランナー部分であるため、繊維方向が一定に配列されることが確認できる。即ち、カーボン長繊維の長手方向は、一定の方向に配列され得る。カーボン長繊維の構造を確認するために、カーボン長繊維強化樹脂を燃焼させてナイロン樹脂を除去することができる。また、燃焼したカーボン長繊維強化樹脂は、形状に応じてカーボン長繊維がワイヤー状に絡みついて構成されていることが確認できる。
【0102】
図30は、
図29に示すカーボン長繊維のランナー部の先端を500倍に拡大して撮影した写真であり、
図31は、
図29に示すカーボン長繊維のランナー部の先端を2000倍に拡大して撮影した写真である。
図30及び
図31は、2000倍以上の倍率を有する顕微鏡でカーボン長繊維を撮影した写真である。
【0103】
図30を参照すると、カーボン長繊維は、概ね円筒形状を有することが確認できる。
図31は、
図30の写真の中で、繊維の断面が正面に向かっている部分を拡大した写真である。
図31を参照すると、細い繊維が束状に纏まっていることが確認できる。
【0104】
他の実施例として、レバーまたはレバーの回転軸部、カム部及び押し部は、優れたクリープ特性を有する樹脂材料で形成され得る。例えば、前述のカーボン長繊維強化樹脂以外に、ガラス繊維強化樹脂、繊維強化なしでも優れたクリープ特性を有するポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)がレバーまたはレバーの回転軸部、カム部及び押し部の材料として用いられ得る。
【0105】
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。