(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709938
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】アイ組成物またはアイ茶、及び、それらの製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20060101AFI20200608BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
A23L2/38 C
A23L2/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-75287(P2016-75287)
(22)【出願日】2016年4月4日
(65)【公開番号】特開2017-184650(P2017-184650A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】507088598
【氏名又は名称】有限会社柏崎青果
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 進一
【審査官】
西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−270097(JP,A)
【文献】
国際公開第03/000074(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/062861(WO,A1)
【文献】
特開平01−312987(JP,A)
【文献】
あいのお茶, [online],2006年 5月11日,[2020年1月23日検索], インターネット,URL,https://hanoen.jp/?p=3739
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00−2/84
A23F 3/00−5/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/WPIDS(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥物を含むことを特徴とするアイ茶。
【請求項2】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥焙煎物を含むことを特徴とするアイ組成物またはアイ茶。
【請求項3】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花を乾燥させることを特徴とするアイ茶の製造方法。
【請求項4】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花を乾燥させたのち焙煎することを特徴とするアイ組成物またはアイ茶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)を用いたアイ組成物またはアイ茶、及び、それらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria(藍)、別名タデアイ(蓼藍))は、古くから藍色の染料として用いられてきた。また、染料以外にも、アイの葉や実は、古くから漢方薬としても用いられている(例えば、非特許文献1参照)。このように、アイは古くから効能が知られているものの、従来は薬としての利用が主であり、飲食品としては一般に用いられてこなかった。これは、アイをそのまま食すると生臭いので、おいしく食することが難しいからであると思われる。しかし、アイには多くの効能があり、美味しく、かつ、より効果的に摂取することができれば、飲食物としての利用価値が高まり好ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】原色牧野和漢薬草図鑑、北隆館発刊
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、美味しく、かつ、より効果的に摂取することができるアイ組成物またはアイ茶、及び、それらの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のアイ組成物またはアイ茶は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥物を含むものである。
【0006】
本発明の他のアイ組成物またはアイ茶は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥焙煎物を含むものである。
【0007】
本発明のアイ組成物またはアイ茶の製造方法は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花を乾燥させるものである。
【0008】
本発明の他のアイ組成物またはアイ茶の製造方法は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花を乾燥させたのち焙煎するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎に加えて花を含むようにしたので、生臭さを低減することができ、美味しく飲食することができる。また、ポリフェノールの含有量を多くすることができる。更に、焙煎するようにすれば、より風味を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明のアイ組成物は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria(藍)、別名タデアイ(蓼藍))の葉と茎と花の乾燥物、または、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥焙煎物を含んでいる。これらは、葉、茎、または、花の形を残したものでもよく、ある程度の大きさに裁断されていてもよく、また、粉末状とされていてもよい。
【0012】
このアイ組成物は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎に加えて花を含むことにより、生臭さが低減され、美味しく飲食することができるようになっている。また、これら葉、茎、及び、花にはポリフェノール(カテキン)が含まれており、葉に含まれるポリフェノール(カテキン)の量は2,400mg/100g程度とブルーベリーの約8倍である。花には更に多くのポリフェノール(カテキン)が含まれており、花の部分を刈り取った主として花を含む採取物についてポリフェノール(カテキン)を測定したところ、その量は4,300mg/100g程度であった。よって、花を含むことにより、より容易にポリフェノール(カテキン)を摂取することができるようになっている。なお、葉及び花に含まれるポリフェノール(カテキン)の量は、フォーリン・チオカルト法により検査した値である。
【0013】
アイ組成物における葉と茎と花の割合は、葉と茎と花の合計に対して、花が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であればより好ましく、70質量%以上であれば更に好ましい。花の割合が多い方がより高い効果を得られるからである。
【0014】
また、このアイ組成物は、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎と花の乾燥焙煎物を含むことがより好ましい。これらの乾燥物を含む場合に比べて、より味を改善することができ、より美味しく飲食することができるからである。
【0015】
このアイ組成物は、例えば、アイ茶として用いることができるが、食品や食品原料としても用いることができる。アイ茶の飲み方としては、例えば、通常のお茶と同様に、アイ茶にお湯を注ぎ、アイ茶の成分をお湯に抽出して、そのお湯を飲むか、または、粉末の場合には、粉末のアイ茶にお湯を注いで粉末ごと飲むようにしてもよい。また、アイ組成物は、これら以外にも、サプリメントの原料、動物用飼料・餌料、医薬、衛生・保険分野の製品の原料等、特に限定されない広い分野にわたって用いることができる。例えば、アイ組成物の成分をアルコール等で抽出して用いるようにしてもよい
【0016】
このアイ組成物は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、例えば、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)に花がついてから、花と、花の近くの茎や葉を共に刈り取り、乾燥させる。花は花弁が開いてからの方が好ましい。より高い効果を得ることができるからである。乾燥は、例えば、50℃から70℃程度の温度で水分が5%程度になるまで行うことが好ましい。
【0017】
次いで、例えば、焙煎をすることが好ましい。焙煎は、150℃から350℃の温度で5分から20分程度行うことが好ましい。また、焙煎は2回行うことが好ましく、1回目の焙煎をした後、間をおいて、2回目の焙煎をすることが好ましい。焙煎を2回した方が、より風味がよくなり、美味しいからである。
【0018】
なお、アイ組成物を裁断する場合には、乾燥前に適当な大きさに裁断してもよく、乾燥後、または、焙煎後に裁断するようにしてもよい。また、粉末状とする場合には、乾燥後、または、焙煎後に粉末状としてもよい。
【0019】
このように、本実施の形態によれば、アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の葉と茎に加えて花を含むようにしたので、生臭さを低減することができ、美味しく飲食することができる。また、ポリフェノールの含有量を多くすることができる。更に、焙煎するようにすれば、より風味を改善することができる。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
青森県産のアイ(タデ科Persicaria tinctoria)について、花が咲いてから、花と、花の近くの茎や葉を共に刈り取り、乾燥させ、適当な大きさに裁断した。
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様にしてアイ(タデ科Persicaria tinctoria)の花と茎と葉を乾燥させたのち、適当な大きさに裁断し、1回焙煎した。
【0022】
(実施例3)
実施例1と同様にしてアイ(タデ科Persicaria tinctoria)の花と茎と葉を乾燥させたのち、適当な大きさに裁断し、2回焙煎した。
【0023】
(比較例1)
青森県産のアイ(タデ科Persicaria tinctoria)について、花がつく前に、葉と茎を共に刈り取り、乾燥させ、適当な大きさに裁断した。
【0024】
(実施例1〜3及び比較例1の評価)
実施例1〜3及び比較例1のアイ組成物について、お湯を注ぎ、成分を抽出してお茶として飲んだ。その結果、比較例1は生臭く青くさかったが、実施例1では生臭さ、青臭さが少なくなり、実施例2、3では生臭さ、青臭さが感じられず、美味しかった。また、実施例3では、実施例2に比べて、風味が更によくなり美味しかった。すなわち、本発明によれば、美味しく効果的に摂取できることがわかった。
【0025】
以上、実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
アイ(タデ科Persicaria tinctoria)の加工品に用いることができる。